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Patent Searching and Data


Title:
FAT COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028483
Kind Code:
A1
Abstract:
To provide a fat composition containing a blend of an odiferous fat such as soybean oil with a roasted oil such as roasted sesame oil, which is substantially free from the inherent flavor of the roasted oil and shows relieved unpleasant odor characteristic to the starting material of the fat such as soybean oil (for example, the greenish odor of the soybean oil), back odor and burnt odor. A fat composition comprising an odiferous fat and a roasted oil which is produced via a deodorizing step, wherein back odor and so on can be relieved by controlling the roasted oil as described above of the fat composition to such a level that the odor of the odiferous fat per se can be substantially relieved and the flavor of the roasted oil as described above is substantially unnoticeable.

Inventors:
KAWASAKI SHIGEKI (JP)
NODA RYUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065163
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NISSHIN OILLIO GROUP LTD (JP)
KAWASAKI SHIGEKI (JP)
NODA RYUJI (JP)
International Classes:
A23D9/02; A23D7/00; A23D9/00; A23G3/50; A23G9/32; A23G9/44; A23G9/52; A23L5/10; A23L7/10; A23L9/20
Foreign References:
JP2006204266A2006-08-10
JPH0734087A1995-02-03
JPH05140583A1993-06-08
JP2007236206A2007-09-20
JP2008167685A2008-07-24
JPH09157687A1997-06-17
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki (25-8 Higashi-ikebukuro 1-chome, Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 臭気を有する油脂と、脱臭工程を経て製造された焙煎油とを含有する油脂組成物であって、該油脂組成物中の前記焙煎油の含有量が、前記臭気を有する油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油の風味を実質的に感じない量である油脂組成物。
 前記脱臭工程を経て製造された焙煎油は、脱臭焙煎ゴマ油、脱臭焙煎大豆油および脱臭焙煎菜種油からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の油脂組成物。
 前記焙煎油が前記脱臭焙煎ゴマ油を含むものである場合、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、前記脱臭焙煎ゴマ油を、質量割合で10~10000ppm含んでなる、請求項1または2に記載の油脂組成物。
 前記焙煎油が前記脱臭焙煎大豆油を含むものである場合、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、前記脱臭焙煎大豆油を、質量割合で100~100000ppm含んでなる、請求項1または2に記載の油脂組成物。
 前記焙煎油が前記脱臭焙煎菜種油を含むものである場合、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、前記脱臭焙煎菜種油を、質量割合で100~100000ppm含んでなる、請求項1または2に記載の油脂組成物。
 前記臭気を有する油脂は、大豆油、大豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、コーン油、コーン油のエステル交換油、コーン油を含む混合油のエステル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、フラックス油、フラックス油のエステル交換油、フラックス油を含む混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1から5のいずれかに記載の油脂組成物。
 請求項1から6のいずれか1項に記載の油脂組成物を使用した加工品であって、該加工品が、油ちょう食品、炒め物、可塑性油脂組成物、油脂コーティング食品、起泡性水中油型乳化物、コーヒークリーム、フラワーペースト、冷菓または焼き菓子である加工品。
 臭気を有する油脂を含有する油脂組成物中に、脱臭工程を経て製造された焙煎油を含有させることにより、前記臭気を有する油脂自体が有する臭気と前記焙煎油の風味を同時に抑制する方法。
 臭気を有する油脂と、未脱臭焙煎ゴマ油とを含有する油脂組成物であって、該油脂組成物中の前記未脱臭焙煎ゴマ油の含有量が、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、質量割合で2~2500ppmである油脂組成物。
 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、コーン油、コーン油のエステル交換油、コーン油を含む混合油のエステル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、フラックス油、フラックス油のエステル交換油、フラックス油を含む混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油からなる群から選ばれる1種または2種以上。
 臭気を有する油脂と、未脱臭焙煎大豆油とを含有する油脂組成物であって、該油脂組成物中の前記未脱臭焙煎大豆油の含有量が、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、質量割合で25~5000ppmである油脂組成物。
 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、コーン油、コーン油のエステル交換油、コーン油を含む混合油のエステル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、フラックス油、フラックス油のエステル交換油、フラックス油を含む混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油からなる群から選ばれる1種または2種以上。
 臭気を有する油脂と、未脱臭焙煎菜種油とを含有する油脂組成物であって、該油脂組成物中の前記未脱臭焙煎菜種油の含有量が、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、質量割合で25~50000ppmである油脂組成物。
 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、コーン油、コーン油のエステル交換油、コーン油を含む混合油のエステル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、フラックス油、フラックス油のエステル交換油、フラックス油を含む混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油からなる群から選ばれる1種または2種以上。
 請求項9から11のいずれか1項に記載の油脂組成物を使用した加工品であって、該加工品が、油ちょう食品、炒め物、可塑性油脂組成物、油脂コーティング食品、起泡性水中油型乳化物、コーヒークリーム、フラワーペースト、冷菓または焼き菓子である加工品。
 臭気を有する油脂を含有する油脂組成物中に、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、質量割合で2~2500ppmの未脱臭焙煎ゴマ油を含有させることにより、前記臭気を有する油脂自体が有する臭気と前記未脱臭焙煎ゴマ油の風味を同時に抑制する方法。
 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、コーン油、コーン油のエステル交換油、コーン油を含む混合油のエステル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、フラックス油、フラックス油のエステル交換油、フラックス油を含む混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油からなる群から選ばれる1種または2種以上。
 臭気を有する油脂を含有する油脂組成物中に、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、質量割合で25~50000ppmの未脱臭焙煎菜種油を含有させることにより、前記臭気を有する油脂自体が有する臭気と前記未脱臭焙煎菜種油の風味を同時に抑制する方法。
 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、コーン油、コーン油のエステル交換油、コーン油を含む混合油のエステル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、フラックス油、フラックス油のエステル交換油、フラックス油を含む混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油からなる群から選ばれる1種または2種以上。
 臭気を有する油脂を含有する油脂組成物中に、前記臭気を有する油脂に相当する量に対して、質量割合で25~5000ppmの未脱臭焙煎大豆油を含有させることにより、前記臭気を有する油脂自体が有する臭気と前記未脱臭焙煎大豆油の風味を同時に抑制する方法。
 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、コーン油、コーン油のエステル交換油、コーン油を含む混合油のエステル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、フラックス油、フラックス油のエステル交換油、フラックス油を含む混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油からなる群から選ばれる1種または2種以上。
Description:
油脂組成物

 本発明は、大豆油等の原料特有の不快な い、保存時の戻り臭、および加熱調理時の 熱臭が抑制された油脂組成物に関する。

 植物油は、精製した直後は問題のない風 でも、光や熱等によって劣化し、風味上問 になる。一般的には、フラックス油、エゴ 油等のαリノレン酸を多く含む油脂は、安 性が低く、風味劣化しやすいため、食用と ての用途は限られる。

 しかし、αリノレン酸が多くない油脂で 、風味上、問題となる場合がある。特に、 豆油およびコーン油等は、「原料特有の不 な臭い」(大豆油の「青臭さ」、コーン油の 穀物の様な臭い」)が問題となる場合がある 。従って、これらの「原料特有の不快な臭い 」の改善が求められている。

 また、大豆油は、劣化の初期の段階に特 の「戻り臭」が発生することから、風味上 面で使用を制限されることがある。コーン 、パーム油についても、劣化の初期の段階 特有の「戻り臭」が発生することから、風 上の面で使用を制限されることがある。「 り臭」とは、油の劣化過程の初期段階で、 酸化物価がほとんど上昇していない段階に いて発生する異臭のことである。特に、大 油においてはこの戻り臭が発生しやすく、 の臭いも独特の「青豆臭」を発する。戻り の発生の大きな要因として光の影響がある このため、プラスチック製の透明容器に収 した大豆油は、戻り臭の発生が常に大きな 題とされてきた。一方、パーム油の「戻り 」は、冷暗所に保管していても発生するた 、大豆油同様に使用量を制限される。また パーム油は、精製油として輸入されること 多いが、その間に「戻り臭」等により風味 化を起こすので、再精製を行い、風味を改 して製品化している。従って、これらの「 り臭」の改善が求められている。

 また、高温に加熱された多量の食用油脂 食材を投入して行う加熱調理、すなわち揚 物調理では、熱や水分、被調理品の成分等 よって、油に様々な劣化が生じる。油の加 による劣化としては、トリグリセリドから 肪酸が遊離する加水分解反応や、酸化反応 おける二次生成物である様々なケトンやア デヒド等の化合物の発生があり、これらの 合物が空気中に揮散し、異臭や刺激臭の原 となっている。このような物質の中には、 謂「油酔い」の原因と考えられるものも含 れており、調理する者の食欲減退を引き起 し、揚げ物調理を行う意欲を失わせること もつながっている。これらの加熱調理時に ける油の加熱による劣化は、「加熱臭」と ばれている。特に、大豆油は、使用頻度が いことから、「加熱臭」が問題となること ある。従って、これらの「加熱臭」の改善 求められている。

 これを解消するものとして、例えば、特 文献1には大豆油に菜種油を添加して、大豆 油の戻り臭や加熱調理時に発生する加熱臭を 低減させた大豆・菜種配合油が開示されてい る。

 また、ハーブエキスと焙煎ゴマ油等の香味 とを添加して、ハーブエキスの匂いと香味 の好ましい香り風味とでマスキングするこ が通常に行われている(例えば、特許文献2)

特開平10-191885号公報

特許平02-189394号公報

 しかしながら、特許文献1では、大豆油の 青臭さや戻り臭は、低減されているが十分で ない。また、特許文献2では、油脂中に2~6%の 煎ゴマ油を添加しているので、調理品にゴ 風味がつき、汎用性は低い。例えば、ゴマ の生風味がついた大豆油をドレッシングに れると、ゴマ風味がするドレッシングとな 、用途が限定される。また、フライ調理で 常にフライ調理品(天ぷら等)にゴマ風味が くため、フライ調理品本来の風味を損ねる とになる等、汎用性に欠けることになる。

 このように、焙煎ゴマ油等の香味油を添 し、この香味油の風味を付与することで、 豆油等の油脂が有する原料特有の不快な臭 や、戻り臭、加熱臭等を抑制することは行 れているが、添加した香味油の風味を付与 ることなく、青臭さや戻り臭、加熱臭を抑 することは検討されていない。

 以上の課題に鑑み、本発明の目的は、大 油、コーン油、パーム系油脂、フラックス 、エゴマ油等の油脂に焙煎ゴマ油等の焙煎 を添加しても添加した焙煎油の生風味が実 的にせず、また、大豆油、コーン油、パー 系油脂、フラックス油、エゴマ油等の油脂 有する原料特有の不快な臭い(例えば、大豆 油での青臭さ)や、戻り臭、加熱臭が抑制さ た油脂組成物を提供することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究を重ね検討した結果、大豆油、コーン 、パーム系油脂、フラックス油、エゴマ油 の油脂中に焙煎油を極微量添加することで 添加した焙煎油の風味がせず、また、大豆 等の油脂が有する原料特有の不快な臭いや 戻り臭が抑制されるという知見を得、本発 を完成するに至った。より具体的には、本 明は以下のようなものを提供する。

 (1) 臭気を有する油脂と、脱臭工程を経 製造された焙煎油と、を含有する油脂組成 であって、該油脂組成物中の前記焙煎油の 有量が、前記臭気を有する油脂自体が有す 臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油 風味を実質的に感じない量である油脂組成 。

 発明者の鋭意研究の成果により、焙煎油 、芳香がしない濃度でも臭いを抑制する効 があることを見出した。焙煎油を大豆油、 ーン油、パーム系油脂、フラックス油、エ マ油等の臭気を有する油脂に含有させるこ により、臭気の発生が抑制される。また、 の含有量は、大豆油、コーン油、パーム系 脂、フラックス油、エゴマ油等の油脂が有 る臭気を実質的に抑制し、かつ、焙煎油の 味を実質的に感じない量であるので、焙煎 の芳香や風味が強すぎて油脂組成物の使用 途が限定されることがない。焙煎油は臭気 有する油脂の戻り臭等を抑制するが、特に 大豆油のように原料特有の不快な臭いがし 、かつ、劣化したときに不快な臭いが増す 合いが大きい油脂に対する臭いの抑制に優 る。

 ここで、臭気とは、油脂自体が有する原 特有の不快な臭い、例えば、大豆油の「青 さ」、油脂をしばらく置いておくと油脂自 はそれほど劣化していないもの(過酸化物価 5程度)でも出てくる不快な臭いである「戻り 」、および油脂を加熱したときに発生する 激臭である「加熱臭」を意味する。また、 油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、 つ、焙煎油の風味を実質的に感じない量」 は、用いる油脂と焙煎油との組み合わせに って適宜決定されるが、本発明においては 通常用いられる焙煎油の含有量に比して、 の含有量が極めて低いことを特徴としてい 。なお、「油脂自体が有する臭気を実質的 抑制」、とは、例えば、後述する実施例の 能検査において、パネル20名中、11名以上、 好ましくは15名以上が、油脂自体が有する臭 を感じないと評価した場合である。「焙煎 の風味を実質的に感じない」とは、例えば 後述する実施例の官能検査において、パネ 20名中、11名以上、好ましくは15名以上が、 煎油の風味を感じないと評価した場合であ 。

 (2) 前記脱臭工程を経て製造された焙煎 は、脱臭焙煎ゴマ油、脱臭焙煎大豆油およ 脱臭焙煎菜種油からなる群から選ばれる1種 たは2種以上である(1)に記載の油脂組成物。

 焙煎油は、香ばしい香りと個性的な風味 特徴であるが、戻り臭等の臭気を微量で効 的に抑制できるので好ましい。脱臭工程を ていない通常の焙煎油(未脱臭焙煎油)を、 気を有する油脂に含有させる場合、その添 量が微量であるため、製造時において、精 な添加・混合精度が必要になる。一方、脱 工程を経て製造された焙煎油(脱臭焙煎油)は 、脱臭工程を経ていない通常の焙煎油(未脱 焙煎油)に比べて風味がまろやかであるため 脱臭工程を経て製造された焙煎油(脱臭焙煎 油)を、臭気を有する油脂に含有させる場合 その添加量の自由度が高くなり、製造時に いて、高い添加・混合精度を必要としない 従って、臭気を有する油脂に含有させる焙 油として、脱臭工程を経て製造された焙煎 (脱臭焙煎油)を使用すると、製造時における 添加・混合精度の誤差による品質のバラツキ がより少なくなるため、品質がより安定した ものを製造することができる。

 本明細書において、「脱臭焙煎ゴマ油」 は、詳細は後述するが、未脱臭焙煎ゴマ油 脱臭したものである。「脱臭焙煎ゴマ油」 、必要に応じて通常の油脂の精製工程で行 れている脱ガム、脱酸、水洗、脱色等の処 を行うこともできる。

 本明細書において、「脱臭焙煎大豆油」 は、詳細は後述するが、未脱臭焙煎大豆油 脱臭したものである。「脱臭焙煎大豆油」 、必要に応じて通常の油脂の精製工程で行 れている脱ガム、脱酸、水洗、脱色等の処 を行うことができる。

 本明細書において、「脱臭焙煎菜種油」 は、詳細は後述するが、未脱臭焙煎菜種油 脱臭したものである。「脱臭焙煎菜種油」 、必要に応じて通常の油脂の精製工程で行 れている脱ガム、脱酸、水洗、脱色等の処 を行うことができる。

 (3) 前記焙煎油が前記脱臭焙煎ゴマ油を むものである場合、前記臭気を有する油脂 相当する量に対して、前記脱臭焙煎ゴマ油 、質量割合で10~10000ppm含んでなる、(1)または (2)に記載の油脂組成物。

 (4) 前記焙煎油が前記脱臭焙煎大豆油を むものである場合、前記臭気を有する油脂 相当する量に対して、前記脱臭焙煎大豆油 、質量割合で100~100000ppm含んでなる、(1)から( 2)のいずれかに記載の油脂組成物。

 (5) 前記焙煎油が前記脱臭焙煎菜種油を むものである場合、前記臭気を有する油脂 相当する量に対して、前記脱臭焙煎菜種油 、質量割合で100~100000ppm含んでなる、(1)から( 2)のいずれかに記載の油脂組成物。

 (6) 前記臭気を有する油脂は、大豆油、 豆油のエステル交換油、大豆油を含む混合 のエステル交換油、コーン油、コーン油の ステル交換油、コーン油を含む混合油のエ テル交換油、パーム系油脂、パーム系油脂 エステル交換油、パーム系油脂を含む混合 のエステル交換油、フラックス油、フラッ ス油のエステル交換油、フラックス油を含 混合油のエステル交換油、エゴマ油、エゴ 油のエステル交換油、エゴマ油を含む混合 のエステル交換油からなる群から選ばれる1 または2種以上である(1)から(5)のいずれかに 記載の油脂組成物。

 大豆油、コーン油、パーム系油脂、フラ クス油、エゴマ油等の油脂が有する戻り臭 の臭気は、大豆油、コーン油、パーム系油 、フラックス油、エゴマ油等の油脂に(3)か (5)に記載した僅かな量を含有させることで 制することができる。このため、本発明の 脂組成物は、含有させた焙煎油の風味がせ 、様々な用途に使用することができる。

 (7) (1)から(6)のいずれか1項に記載の油脂 成物を使用した加工品であって、該加工品 、油ちょう食品、炒め物、可塑性油脂組成 、油脂コーティング食品、起泡性水中油型 化物、コーヒークリーム、フラワーペース 、冷菓または焼き菓子である加工品。

 上記(1)から(6)いずれかに記載の油脂組成 は、原料特有の不快な臭い、例えば、大豆 における青臭さや、戻り臭および加熱調理 の加熱臭が抑制され、かつ、含有させた焙 油の生風味がしないので、この油脂組成物 使用した油ちょう食品等の加工品は、原料 有の不快な臭いや焙煎油風味が付与される とがない。そのため、加工品として用いて 、また、炒め料理、焼き料理、フライ調理 の調理に用いても、原料特有の不快な臭い 戻り臭、加熱臭が抑制された加工品本来の 味が得られる。

 (8) 臭気を有する油脂を含有する油脂組 物中に、脱臭工程を経て製造された焙煎油 含有させることにより、前記臭気を有する 脂自体が有する臭気と前記焙煎油の風味を 時に抑制する方法。

 脱臭工程を経て製造された焙煎油は芳香 風味(香味ともいう)に優れるので、上記の うに、この焙煎油を大豆油、コーン油、パ ム系油脂、フラックス油、エゴマ油等の油 に自己臭抑制剤として微量含有させること より、油脂自体が有する青臭さ、戻り臭、 よび加熱臭等の臭気を実質的に抑制し、か 、焙煎油の風味を実質的に感じないという 果を奏する。このため、油脂自体が有する 気、および焙煎油の風味を同時に抑制する 法として有用である。

 (9) 臭気を有する油脂と、未脱臭焙煎ゴ 油とを含有する油脂組成物であって、該油 組成物中の前記未脱臭焙煎ゴマ油の含有量 、前記臭気を有する油脂に相当する量に対 て、質量割合で2~2500ppmである油脂組成物。 気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル 換油、大豆油を含む混合油のエステル交換 、コーン油、コーン油のエステル交換油、 ーン油を含む混合油のエステル交換油、パ ム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油 パーム系油脂を含む混合油のエステル交換 、フラックス油、フラックス油のエステル 換油、フラックス油を含む混合油のエステ 交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交 油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換 からなる群から選ばれる1種または2種以上

 本明細書において、「未脱臭焙煎ゴマ油 とは、詳細は後述するが、ゴマを焙煎し、 搾により搾油したものであり、脱臭処理を っていないものである。「未脱臭焙煎ゴマ 」は、必要に応じて搾油後、沈殿物の除去 脱ガム、脱酸、乾燥等の処理を行うことも きる。

 (10) 臭気を有する油脂と、未脱臭焙煎大 油とを含有する油脂組成物であって、該油 組成物中の前記未脱臭焙煎大豆油の含有量 、前記臭気を有する油脂に相当する量に対 て、質量割合で25~5000ppmである油脂組成物。 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステ 交換油、大豆油を含む混合油のエステル交 油、コーン油、コーン油のエステル交換油 コーン油を含む混合油のエステル交換油、 ーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換 、パーム系油脂を含む混合油のエステル交 油、フラックス油、フラックス油のエステ 交換油、フラックス油を含む混合油のエス ル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル 換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交 油からなる群から選ばれる1種または2種以上 。

 本明細書において、「未脱臭焙煎大豆油 とは、詳細は後述するが、大豆を焙煎し、 搾により搾油したものであり、脱臭処理を っていないものである。「未脱臭焙煎大豆 」は、必要に応じて搾油後、沈殿物の除去 脱ガム、脱酸、乾燥等の処理を行うことも きる。

 (11) 臭気を有する油脂と、未脱臭焙煎菜 油とを含有する油脂組成物であって、該油 組成物中の前記未脱臭焙煎菜種油の含有量 、前記臭気を有する油脂に相当する量に対 て、質量割合で25~50000ppmである油脂組成物 臭気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステ 交換油、大豆油を含む混合油のエステル交 油、コーン油、コーン油のエステル交換油 コーン油を含む混合油のエステル交換油、 ーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換 、パーム系油脂を含む混合油のエステル交 油、フラックス油、フラックス油のエステ 交換油、フラックス油を含む混合油のエス ル交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル 換油、エゴマ油を含む混合油のエステル交 油からなる群から選ばれる1種または2種以 。

 本明細書において、「未脱臭焙煎菜種油 とは、詳細は後述するが、菜種を焙煎し、 搾により搾油したものであり、脱臭処理を っていないものである。「未脱臭焙煎菜種 」は、必要に応じて搾油後、沈殿物の除去 脱ガム、脱酸、乾燥等の処理を行うことも きる。

 大豆油、コーン油、パーム系油脂、フラ クス油、エゴマ油等の油脂が有する戻り臭 の臭気は、大豆油、コーン油、パーム系油 、フラックス油、エゴマ油等の油脂に(9)か (11)に記載した僅かな量を含有させることで 抑制することができる。このため、本発明の 油脂組成物は、含有させた焙煎油の風味がせ ず、様々な用途に使用することができる。

 (12) (9)から(11)のいずれか1項に記載の油 組成物を使用した加工品であって、該加工 が、油ちょう食品、炒め物、可塑性油脂組 物、油脂コーティング食品、起泡性水中油 乳化物、コーヒークリーム、フラワーペー ト、冷菓または焼き菓子である加工品。

 (13) 臭気を有する油脂を含有する油脂組 物中に、前記臭気を有する油脂に相当する に対して、質量割合で2~2500ppmの未脱臭焙煎 マ油を含有させることにより、前記臭気を する油脂自体が有する臭気と前記未脱臭焙 ゴマ油の風味を同時に抑制する方法。臭気 有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交換 油、大豆油を含む混合油のエステル交換油、 コーン油、コーン油のエステル交換油、コー ン油を含む混合油のエステル交換油、パーム 系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、パ ーム系油脂を含む混合油のエステル交換油、 フラックス油、フラックス油のエステル交換 油、フラックス油を含む混合油のエステル交 換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換油 、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油か らなる群から選ばれる1種または2種以上。

 (14) 臭気を有する油脂を含有する油脂組 物中に、前記臭気を有する油脂に相当する に対して、質量割合で25~50000ppmの未脱臭焙 菜種油を含有させすることにより、前記臭 を有する油脂自体が有する臭気と前記未脱 焙煎菜種油の風味を同時に抑制する方法。 気を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル 換油、大豆油を含む混合油のエステル交換 、コーン油、コーン油のエステル交換油、 ーン油を含む混合油のエステル交換油、パ ム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油 パーム系油脂を含む混合油のエステル交換 、フラックス油、フラックス油のエステル 換油、フラックス油を含む混合油のエステ 交換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交 油、エゴマ油を含む混合油のエステル交換 からなる群から選ばれる1種または2種以上

 (15) 臭気を有する油脂を含有する油脂組 物中に、前記臭気を有する油脂に相当する に対して、質量割合で25~5000ppmの未脱臭焙煎 大豆油を含有させることにより、前記臭気を 有する油脂自体が有する臭気と前記未脱臭焙 煎大豆油の風味を同時に抑制する方法。臭気 を有する油脂:大豆油、大豆油のエステル交 油、大豆油を含む混合油のエステル交換油 コーン油、コーン油のエステル交換油、コ ン油を含む混合油のエステル交換油、パー 系油脂、パーム系油脂のエステル交換油、 ーム系油脂を含む混合油のエステル交換油 フラックス油、フラックス油のエステル交 油、フラックス油を含む混合油のエステル 換油、エゴマ油、エゴマ油のエステル交換 、エゴマ油を含む混合油のエステル交換油 らなる群から選ばれる1種または2種以上。

 本発明の油脂組成物によれば、大豆油、 ーム系油脂、フラックス油、エゴマ油等の 脂が有する原料特有の不快な臭い、例えば 大豆油における青臭さや、戻り臭、加熱臭 発生が抑制されるようになった。また、焙 油の含有量が微量であるため焙煎油の風味 しないので、調理品への焙煎油風味が付与 れることがない。

発明を実施するための形態

 本発明は、臭気を有する油脂と、焙煎油 を含有する油脂組成物であって、油脂組成 中の焙煎油の含有量が、臭気を有する油脂 体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、 煎油の風味を実質的に感じない量であるこ を特徴とする。臭気を有する油脂を含有す 油脂組成物中に、焙煎油を含有させること より、臭気を有する油脂特有の不快な臭い 抑制し、かつ、焙煎油の風味を実質的に感 ないものとすることができる。

 以下、本発明の実施形態について詳細に 明するが、本発明は、以下の実施形態に何 限定されるものではなく、本発明の目的の 囲内において、適宜変更を加えて実施する とができる。なお、説明が重複する箇所に いては、適宜説明を省略する場合があるが 発明の趣旨を限定するものではない。

[臭気を有する油脂]
 本発明において、臭気を有する油脂とは、 脂自体が有する原料特有の不快な臭い(例え ば、大豆油の「青臭さ」コーン油の「穀物臭 」)、油脂をしばらく置いておくと油脂自体 それほど傷んでいないもの(過酸化物価5程度 )でも出てくる不快な臭いである「戻り臭」 油脂を加熱したときに発生する刺激臭であ 「加熱臭」を有する油脂を意味する。臭気 有する油脂の具体例としては、例えば、大 油、パーム系油脂(例えば、パーム油、パー オレイン等のパーム油の分別油、パーム油 硬化油等)、コーン油、フラックス油、エゴ マ油等や、これらの油脂のエステル交換油、 これらの油脂を含む混合油のエステル交換油 等が挙げられる。これらの臭気を有する油脂 は、1種または2種以上を用いることができる

 臭気を有する油脂は、新油(種子から搾油 した直後、あるいは酸化されていない油脂) あっても、光に曝した曝光油(搾油後、光等 曝されて生風味時の不快な臭いが増した油 )や加熱時の加熱臭が増した油脂であっても よい。本発明によれば、曝光油や加熱臭が増 した油脂でも臭気が抑制されることから、こ の効果は長時間持続する。

 本発明の油脂組成物は、前記の臭気を有 る油脂に他の油脂をブレンドした混合油と てもよい。ブレンドに使用される油脂は特 規定されず、前記臭気を有する油脂以外の 常、食用油に使用される油脂を使用するこ ができる。

[焙煎油]
 本発明において使用される焙煎油は、臭気 有する油脂の不快な臭い(例えば、原料特有 の不快な臭い、戻り臭、加熱臭)等を抑制す ために含有させる。本発明において使用さ る焙煎油は、脱臭処理せずに製造される焙 油である未脱臭焙煎油や脱臭工程を経て製 される焙煎油である脱臭焙煎油が挙げられ 。未脱臭焙煎油は、特に限定されないが、 えば、未脱臭焙煎ゴマ油、未脱臭焙煎大豆 、未脱臭焙煎菜種油を使用することが好ま い。また、脱臭焙煎油は、特に限定されな が、例えば、脱臭焙煎ゴマ油、脱臭焙煎大 油、脱臭焙煎菜種油を使用することが好ま い。これらの焙煎油は、1種または2種以上を 用いることができる。

 未脱臭焙煎油は、脱臭処理せずに製造さ るため、製造コスト面でメリットがある。

 脱臭焙煎油は、通常の焙煎油(未脱臭焙煎 油)の特徴である香ばしい香りと個性的な風 が弱く、風味がまろやかであるにもかかわ ず、臭気を有する油脂の不快な臭い(例えば 原料特有の不快な臭い、戻り臭、加熱臭)等 を抑制することができる。また、脱臭焙煎油 を使用すると、その添加量の自由度が高くな るため、製造時における添加・混合精度の誤 差による品質のバラツキがより少なくなり、 品質がより安定したものを製造することがで きる。

<焙煎油の含有量>
 焙煎油の含有量は、臭気を有する油脂特有 不快な臭いを抑制し、かつ、焙煎油の風味 実質的に感じない程度に含有させることが ましい。なお、本願において、油脂組成物 の焙煎油の含有量は、油脂組成物中に含ま る焙煎油の量を、臭気有する油脂に相当す 量(臭気を有する油脂がエステル交換油を含 む場合には、当該エステル交換油部分につい ては、その原料のうちの臭気を有する油脂に 相当する量)当たりに換算した値(質量割合)で 表される。

 焙煎油が脱臭焙煎ゴマ油の場合、臭気を する油脂に相当する量に対して、脱臭焙煎 マ油を質量割合で10~10000ppm含有させること 好ましく、25~10000ppm含有させることがより好 ましく、50~5000ppm含有させることが最も好ま い。脱臭焙煎ゴマ油の含有量が上記範囲に ると、臭気を有する油脂特有の不快な臭い 抑制し、かつ、焙煎油の風味を実質的に感 ないものとすることができる。

 焙煎油が脱臭焙煎大豆油の場合、臭気を する油脂に相当する量に対して、脱臭焙煎 豆油を質量割合で100~100000ppm含有させること が好ましく、500~100000ppm含有させることがよ 好ましく、500~50000ppm含有させることが最も ましい。脱臭焙煎大豆油の含有量が上記範 にあると、臭気を有する油脂特有の不快な いを抑制し、かつ、焙煎油の風味を実質的 感じないものとすることができる。

 焙煎油が脱臭焙煎菜種油の場合、臭気を する油脂に相当する量に対して、脱臭焙煎 種油を質量割合で100~100000ppm含有させること が好ましく、500~100000ppm含有させることがよ 好ましく、500~50000ppm含有させることが最も ましい。脱臭焙煎菜種油の含有量が上記範 にあると、臭気を有する油脂特有の不快な いを抑制し、かつ、焙煎油の風味を実質的 感じないものとすることができる。

 焙煎油が未脱臭焙煎ゴマ油の場合、臭気 有する油脂に相当する量に対して、未脱臭 煎ゴマ油を質量割合で2~2500ppm含有させるこ が好ましく、2ppm以上37.5ppm未満含有させる とがより好ましく、10~35ppm含有させることが 最も好ましい。未脱臭焙煎ゴマ油の含有量が 上記範囲にあると、臭気を有する油脂特有の 不快な臭いを抑制し、かつ、焙煎油の風味を 実質的に感じないものとすることができる。

 焙煎油が未脱臭焙煎大豆油の場合、臭気 有する油脂に相当する量に対して、未脱臭 煎大豆油を質量割合で25~5000ppm含有させるこ とが好ましく、25ppm以上100ppm未満含有させる とがより好ましく、100~3000ppm含有させるこ がより好ましく、30ppm以上100ppm未満ppm含有さ せることがさらに好ましく、50ppm以上100ppm未 ppm含有させることが最も好ましい。未脱臭 煎大豆油の含有量が上記範囲にあると、臭 を有する油脂特有の不快な臭いを抑制し、 つ、焙煎油の風味を実質的に感じないもの することができる。

 焙煎油が未脱臭焙煎菜種油の場合、臭気 有する油脂に相当する量に対して、未脱臭 煎菜種油を質量割合で25~50000ppm含有させる とが好ましく、25~5000ppm含有させることがよ 好ましく、50~3000ppm含有させることが最も好 ましい。未脱臭焙煎菜種油の含有量が上記範 囲にあると、臭気を有する油脂特有の不快な 臭いを抑制し、かつ、焙煎油の風味を実質的 に感じないものとすることができる。

 ここで、「前記油脂組成物中に含まれる 記焙煎油の量を、前記臭気を有する油脂に 当する量(前記臭気を有する油脂がエステル 交換油を含む場合には、当該エステル交換油 部分については、エステル交換油の原料に用 いた油脂のうちの臭気を有する油脂に相当す る量)当たりに換算した場合」の油脂組成物 の焙煎油の含有量(ppm)としては、例えば、臭 気を有する油脂が大豆油、焙煎油が脱臭焙煎 ゴマ油の場合、以下の式(1)で表すことができ る。なお、臭気を有する油脂に相当する量と は、例えば大豆油の場合、エステル交換油の 有無にかかわらず、油脂組成物中に用いられ た大豆油の量を指す。

 例えば、大豆油100gを含有する油脂組成物 において、脱臭焙煎ゴマ油を10000ppm含有させ には、脱臭焙煎ゴマ油を1g含有させればよ 。また、例えば、大豆油のみを原料とした ステル交換油100gを含有する油脂組成物にお て、脱臭焙煎ゴマ油を10000ppm含有させるに 、脱臭焙煎ゴマ油を1g含有させればよい。ま た、原料のうち大豆油の含量が50質量%である エステル交換油100gを含有する油脂組成物に いて、脱臭焙煎ゴマ油を10000ppm含有させるに は、脱臭焙煎ゴマ油を0.5g含有させればよい

 本発明の油脂組成物中の焙煎油を除く油 が臭気を有する油脂のみの場合、焙煎油の 有量(ppm)は、焙煎油の量を、臭気を有する 脂の量当たりに換算した値を意味する。具 的には、油脂組成物中の焙煎油を除く油脂 大豆油のみからなり、焙煎油が脱臭焙煎ゴ 油である場合、油脂組成物中の脱臭焙煎ゴ 油の含有量は、大豆油の質量に対して、質 割合で10~10000ppmであることが好ましい。

 本発明では、油脂組成物中の焙煎油を除 油脂として、大豆油等の臭気を有する油脂 、その他の油脂をブレンドした混合油を使 してもよい。この場合、焙煎油の含有量(ppm )は、焙煎油の量を、混合油中の臭気を有す 油脂の量当たりに換算した値を意味する。 脂組成物中の焙煎油を除く油脂が大豆油50% 菜種油50%との混合油において、大豆油の質 当たりに換算して50ppmとなるように含有する 場合とは、混合油に対しては1/2倍の25ppmとな ように含有することを意味する。

 また、本発明では、焙煎油を除く油脂組 物中の油脂として、少なくとも臭気を有す 油脂を原料としたエステル交換油を使用し もよい。この場合、焙煎油の含有量(ppm)は 例えば、原料大豆油100%のエステル交換油(原 料が大豆油のみからなるエステル交換油)で れば、上記の油脂組成物中の焙煎油を除く 脂が臭気を有する油脂のみの場合と同様に える。すなわち、具体的には、焙煎油を除 油脂組成物中の油脂が原料大豆油100%のエス ル交換油のみからなり、焙煎油が脱臭焙煎 マ油である場合、油脂組成物中の脱臭焙煎 マ油の含有量は、原料大豆油の質量に対し 、質量割合で10~10000ppmであることが好まし 。

 一方、例えば、原料大豆油50%と原料菜種 50%のような混合油のエステル交換油の場合 は、焙煎油の含有量(ppm)は、焙煎油の量を 混合油中の原料大豆油の質量当たりに換算 た値を意味する。具体的には、原料大豆油50 %と原料菜種油50%の混合油のエステル交換油 おいて、原料大豆油あたりに換算して50ppmと なるように含有する場合とは、混合油に対し ては1/2倍の25ppmとなるように含有することを 味する。

 上記の混合油と、エステル交換油と、そ 他の油脂とは適宜ブレンドされていてもよ 。この場合においても、本発明における油 組成物中の焙煎油の含有量(ppm)は、上記の 出方法を基に、油脂組成物中の焙煎油の量 、臭気を有する油脂に相当する量の総量(臭 を有する油脂がエステル交換油脂を含む場 には、当該エステル交換油部分については その原料油脂のうちの臭気を有する油脂に 当する量)当たりに換算して求められる。

 この焙煎油は、例えば、焙煎処理してい い油糧種子から搾油した油等の他の油脂で めて用いてもよいが、薄めて用いる場合に 、焙煎油100%換算当たりで上記含有量とする 。

 さらに、本発明の油脂組成物中には、食 油脂に用いられる一般的な添加剤を含有さ ることができる。この添加剤の用途は特に わないが、例えば、結晶抑制や花さき性向 のために用いられる。油脂組成物中に添加 が含まれている場合であっても、焙煎油の は、油脂組成物中に用いられた臭気を有す 油脂に換算して求められる。

<未脱臭焙煎油の製造方法>
 未脱臭焙煎ゴマ油、未脱臭焙煎大豆油、未 臭焙煎菜種油等の未脱臭焙煎油は、通常の 煎油と同様な製法によって製造することが きる。具体的には、原料であるゴマ、大豆 菜種等を焙煎した後、圧搾により搾油する とにより製造することができる。未脱臭焙 ゴマ油、未脱臭焙煎大豆油、未脱臭焙煎菜 油等の未脱臭焙煎油は、脱臭処理を行って ないものである。

 未脱臭焙煎油は、圧搾により搾油するこ により得られる粗油をそのまま使用するこ ができるが、脱臭を除く一般的な油脂の精 を行うことができる。精製方法としては、 えば、沈殿物の除去、脱ガム、脱酸、水洗 脱色等の一般的な油脂の精製が挙げられる 特に、未脱臭焙煎油は、搾油後、沈殿物の 去のために、静置、ろ過等を行うことが好 しく、また、リン脂質が多い場合には脱ガ することが好ましい。

<脱臭焙煎油の製造方法>
 通常、焙煎油は、それ自体の風味や芳香を かした油であるため、焙煎油としては、精 を行わずに、原料を焙煎した後、圧搾によ 搾油することにより得られる粗油(本願にお ける未脱臭焙煎油)がそのまま使用される。 って、油脂の一般的な精製方法である脱臭 程についても、通常、焙煎油の製造におい は行われない。しかし、本発明で使用する 臭焙煎ゴマ油、脱臭焙煎大豆油、脱臭焙煎 種油等の脱臭工程を経て製造される焙煎油 ある脱臭焙煎油は、粗油(本願における未脱 焙煎油)に脱臭処理を行ったものである。

 脱臭焙煎ゴマ油、脱臭焙煎大豆油、脱臭 煎菜種油等の脱臭焙煎油は、原料であるゴ 、大豆、菜種等を焙煎した後、圧搾により 油することにより得られる未脱臭焙煎ゴマ 、未脱臭焙煎大豆油、未脱臭焙煎菜種油等 未脱臭焙煎油を、脱臭処理することにより 造することができる。

 脱臭焙煎油は、圧搾により搾油した後、 臭処理したものを、そのまま使用すること できるが、脱臭以外の一般的な油脂の精製 行うことができる。精製方法としては、例 ば、沈殿物の除去、脱ガム、脱酸、水洗、 色等の一般的な油脂の精製が挙げられる。

 未脱臭焙煎油および脱臭焙煎油は、例え 、以下に記載した焙煎条件、圧搾条件、精 条件で製造することができる。

 焙煎条件は適宜変更することができ、特 限定されない。焙煎温度は品温が110~260℃に なるように焙煎することが好ましい。130~200 が特に風味上、好ましい。焙煎時間は、特 限定されないが、品温が焙煎温度に到達し 1~60分焙煎することが好ましく、2~30分焙煎す ることがより好ましい。また、品温までの温 度を上昇させる方法は、特に限定されるもの ではないが、一定の上昇率(例えば、10~20℃上 昇/分)で徐々に温度上昇させることが好まし 。

 焙煎方法は特に限定されないが、例えば 外部より電熱、熱風、バーナー、マイクロ 等を介して加熱することにより行うことが きる。また、使用する焙煎機は特に限定さ ないが、例えば、回転流動床式、回転ドラ 式、ロータリーキルン式等を使用すること できる。

 圧搾に用いる圧搾機は、特に型式は問わ いが、例えば円筒状に形成されたケーシン とその内部に回転自在に設けられたスクリ ーよりなるエキスペラー式圧搾機を好適に 用することができる。回転数や処理量は適 調整することができる。

 沈殿物の除去方法として、搾油後にろ過 もしくは1日~約1週間室温にて静置し、上澄 を分取もしくはろ過する方法が挙げられる 、これに限定するものではない。

 また、リン脂質の除去として、温度70~80 、水添加量3質量%(対圧搾粗油)の条件下、遠 分離機で遠心分離されることで脱ガム処理 なされ、乾燥後、再度ろ過する方法が挙げ れるが、これに限定するものではない。

 油脂に、0.05~0.5質量%のリン酸を添加し、 混合物に対して5~40%過剰のアルカリ水溶液 添加し、遠心分離により、沈殿物を除去す (脱酸工程)。脱酸工程を行うことにより、油 脂中に含まれる遊離した脂肪酸を除去するこ とができる。また、油脂中に含まれるリン脂 質や金属塩、着色成分等も除去することがで きる。なお、沈殿物を除去する方法は、遠心 分離に限定されず、静置分離等公知の種々の 方法を使用することができる。

 アルカリ水溶液の添加量は、油脂中に含 れる遊離した脂肪酸の量によって決定され 。アルカリ水溶液は、遊離した脂肪酸を中 するために必要な量よりも油脂とリン酸と 混合物に対して5~40%過剰に添加することが ましい。アルカリ水溶液の添加量が5%未満で あると、油脂中に遊離した脂肪酸を十分に除 去することができない場合がある。一方、ア ルカリ水溶液の添加量が40質量%以下であると 、油脂のけん化分解を抑えられ、収量の低下 を抑えられる。

 脱酸工程で使用するアルカリ水溶液は、 に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム 溶液、水酸化カリウム水溶液等公知の種々 アルカリ水溶液を使用することができる。

 脱酸工程後、油脂中に含まれる石鹸(アル カリ成分)を除去するために水洗を行う(水洗 程)。水洗工程は、アルカリ成分を除去する ことができれば水洗でなくてもよく、例えば 、湯を使用してアルカリ成分を除去してもよ い。なお、水洗工程後、必要に応じて脱酸、 水洗された油脂を乾燥させてもよい。

 水洗工程後、油脂中に含まれる着色成分 吸着除去し、色の薄い精製油を得るために 色工程を行う。また、脱色工程により、水 工程にて除去することができなかったアル リ成分、酸化促進や着色の原因となる各種 属塩、クロロフィル等の着色成分、その他 味や安定性に影響する成分を除去すること できる。

 脱色工程は、油脂に吸着剤を添加するこ により行う。油脂に添加する吸着剤は、適 変更することができるが、例えば、モンモ ロナイトを主成分とする白色から黄褐色の 度好物である白土を酸処理した活性白土、 性炭等公知の種々の吸着剤を使用すること できる。これらは単独で使用してもよいが 複数組み合わせて使用してもよい。

 吸着剤の添加量は、油脂中に含まれる着 成分量によって適宜変化させることができ が、例えば、油脂に対して0.2質量%以上であ ることが好ましい。吸着剤の添加量が0.2質量 %以上であると、脱色の効率がよく、また、 酸工程で残存している石鹸分も除去するこ が可能である。

 油脂と吸着剤との接触条件は、油脂によ て適宜変更することができるが、例えば90~1 20℃で10~40分間接触させることが好ましい。 の条件で効率的に脱色工程を行うことがで る。

 また、油脂と吸着剤とを接触させる際、 分の存在により吸着剤の吸着効率の低下を 止するとともに、酸素の存在による油脂の 化を防止するために、減圧下で油脂と吸着 とを接触させ、脱色工程を行うことが好ま い。

 脱色工程終了後、フィルタープレス等に りろ過し、吸着剤を除去する。

 脱臭工程は、揮発性物質等を除去するこ ができれば、脱臭方法は特に限定されない 、例えば、油脂の精製に通常用いられる減 水蒸気蒸留にて脱臭することが好ましい。

 減圧水蒸気蒸留は、焙煎油の臭気の強さ より適宜変更されるが、例えば、減圧下、1 20~260℃で30~180分間行うことが好ましい。

 脱臭工程後、精製油、すなわち脱臭焙煎 マ油、脱臭焙煎大豆油または脱臭焙煎菜種 を得ることができる。

[油脂組成物を使用した加工品]
 本発明の油脂組成物を使用することで、油 組成物の臭気(例えば、青臭さ、穀物のよう な臭い、戻り臭、加熱臭)等が改善された加 品を製造することができる。すなわち、本 明の油脂組成物は、原料特有の不快な臭い 例えば、大豆における青臭さや、戻り臭お び加熱調理時の加熱臭が抑制され、かつ、 有させた焙煎油の生風味がしないので、こ 油脂組成物を使用した油ちょう食品等の加 品は、原料特有の不快な臭いや焙煎油風味 付与されることがない。そのため、加工品 して用いても原料特有の不快な臭いや戻り 、加熱臭が抑制された加工品本来の風味が られる。

 かかる加工品としては、特に限定されず 例えば、ポテトチップス等の油ちょう食品 炒め物、マーガリン、ショートニング等の 塑性油脂組成物、油脂コーティング食品、 イップクリーム等の起泡性水中油型乳化物 コーヒークリーム、フラワーペースト、冷 、焼き菓子等が挙げられる。

 以下、実施例により本発明をさらに詳細 説明するが、本発明はこれらに限定される のではない。

<未脱臭焙煎ゴマ油の製造>
 ゴマをゴマの品温が130~200℃の範囲で約2分 、焙煎を行い、圧搾により搾油した。搾油 、室温にて1週間静置し、沈殿物を分離した さらに室温にて1週間静置し、沈殿物を分離 して未脱臭焙煎ゴマ油を得た。

<脱臭焙煎ゴマ油の製造>
 未脱臭焙煎ゴマ油に、焙煎油に対して0.1質 %のリン酸を添加し、同混合物に対して20%過 剰の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、遠心 分離により、沈殿物を除去した。水洗の後、 減圧下、90~120℃で10~20分間、活性白土と接触 せて脱色を行った。得られた脱色油を250℃ 90分間脱臭を行い、脱臭焙煎ゴマ油を得た

<未脱臭焙煎大豆油の製造>
 大豆を大豆の品温が130~220℃の範囲で約10分 、焙煎を行い、圧搾により搾油した。搾油 、約1日静置し、ろ過を行い、未脱臭焙煎大 豆油を得た。

<脱臭焙煎大豆油の製造>
 未脱臭焙煎大豆油に、焙煎油に対して0.2質 %のリン酸を添加し、同混合物に対して20%過 剰の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、遠心 分離により、沈殿物を除去した。水洗の後、 減圧下、90~120℃で10~20分間、活性白土と接触 せて脱色を行った。得られた脱色油を250℃ 90分間脱臭を行い、脱臭焙煎大豆油を得た

<未脱臭焙煎菜種油の製造>
 菜種を菜種の品温が130~200℃の範囲で約5分 、焙煎を行い、圧搾により搾油した。搾油 、水脱ガム、乾燥、ろ過を行い、未脱臭焙 菜種油を得た。

<脱臭焙煎菜種油>
 未脱臭焙煎菜種油に、焙煎油に対して0.1質 %のリン酸を添加し、同混合物に対して20%過 剰の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、遠心 分離により、沈殿物を除去した。水洗の後、 減圧下、90~120℃で10~20分間、活性白土と接触 せて脱色を行った。得られた脱色油を250℃ 90分間脱臭を行い、脱臭焙煎菜種油を得た

[試験例1]
(油脂組成物の戻り臭(劣化臭)抑制効果)
 表1に示したように、大豆油中の未脱臭焙煎 ゴマ油の含有量を変化させた油脂組成物をそ れぞれ調製した。脱臭焙煎ゴマ油を含有させ た油脂組成物、未脱臭焙煎菜種油を含有させ た油脂組成物、脱臭焙煎菜種油を含有させた 油脂組成物、未脱臭焙煎大豆油を含有させた 油脂組成物および脱臭焙煎大豆油を含有させ た油脂組成物も同様に調製した。

<曝光試験>
 調製した各油脂組成物を500ml共栓付き三角 ラスコに200ml入れ、栓をした後、7000lxで16時 照射することにより、曝光試験を行い、こ を官能評価用サンプルとした。

<試験結果>
(焙煎油の風味の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。焙煎油の風味を感じない と答えたパネルが15名以上の場合を「○」と 、焙煎油の風味を感じないと答えたパネル 11名以上15未満の場合を「△」とし、焙煎油 の風味を感じないと答えたパネルが10名以下 場合を「×」とした。結果を表1に示す。

(戻り臭の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。戻り臭(劣化臭)が感じな と答えたパネルが15名以上の場合を「○」 し、戻り臭を感じないと答えたパネルが11名 以上15未満の場合を「△」とし、戻り臭を感 ないと答えたパネルが10名以下の場合を「× 」とした。結果を表1に示す。

 

 表1より、未脱臭焙煎ゴマ油を含有させた 油脂組成物は、未脱臭焙煎ゴマ油の含有量が 37.5~75ppmの範囲において、未脱臭焙煎ゴマ油 風味および大豆油の戻り臭を感じなかった

 表1より、脱臭焙煎ゴマ油を含有させた油 脂組成物は、脱臭焙煎ゴマ油の含有量が10~100 00ppmの範囲において、脱臭焙煎ゴマ油の風味 よび大豆油の戻り臭を感じなかった。

 表1より、未脱臭焙煎菜種油を含有させた 油脂組成物は、未脱臭焙煎菜種油の含有量が 25~5000ppmの範囲において、未脱臭焙煎菜種油 風味および大豆油の戻り臭を感じなかった

 表1より、脱臭焙煎菜種油を含有させた油 脂組成物は、脱臭焙煎菜種油の含有量が100~10 0000ppmの範囲において、脱臭焙煎菜種油の風 および大豆油の戻り臭を感じなかった。

 表1より、未脱臭焙煎大豆油を含有させた 油脂組成物は、未脱臭焙煎大豆油の含有量が 25~5000ppmの範囲において、未脱臭焙煎大豆油 風味および大豆油の戻り臭を感じなかった

 表1より、脱臭焙煎大豆油を含有させた油 脂組成物は、脱臭焙煎大豆油の含有量が100~10 0000ppmの範囲において、脱臭焙煎大豆油の風 および大豆油の戻り臭を感じなかった。

[試験例2]
(油脂組成物の戻り臭(劣化臭)抑制効果)
 パーム油中に未脱臭焙煎菜種油を1000ppm含有 させることにより、油脂組成物を調製した。

<保存試験>
 調製した油脂組成物を100mlポリエチレン製 水瓶に80g入れ、キャップをした後、20℃に保 ちながら暗所にて7週間保存した。保存した 脂組成物は、1週間ごとに採取し、官能評価 サンプルとした。なお、5℃に保ちながら保 存した以外は同様な方法で保存した場合も試 験を行った。

<試験結果>
(焙煎油の風味の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。焙煎油の風味を感じない と答えたパネルが15名以上の場合を「○」と 、焙煎油の風味を感じないと答えたパネル 11名以上15未満の場合を「△」とし、焙煎油 の風味を感じないと答えたパネルが10名以下 場合を「×」とした。20℃で保存した場合の 結果を表2に、5℃で保存した場合の結果を表3 に示す。

(戻り臭の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。戻り臭(劣化臭)が感じな と答えたパネルが15名以上の場合を「○」 し、戻り臭を感じないと答えたパネルが11名 以上15未満の場合を「△」とし、戻り臭を感 ないと答えたパネルが10名以下の場合を「× 」とした。20℃で保存した場合の結果を表2に 、5℃で保存した場合の結果を表3に示す。

 表2より、20℃にて保存した場合、未脱臭 煎菜種油を含有させていないパーム油単品 、4週間経過するとパーム油の戻り臭が発生 したのに対し、未脱臭焙煎菜種油を1000ppmパ ム油に含有させた油脂組成物は、5週間まで ーム油の戻り臭が発生しなかったとともに 未脱臭焙煎菜種油の風味も感じなかった。

 また、表3より、5℃で保存した場合、未 臭焙煎菜種油を含有させていないパーム油 品は、2週間経過するとパーム油の戻り臭が 生したのに対し、未脱臭焙煎菜種油を1000ppm パーム油に含有させた油脂組成物は、4週間 でパーム油の戻り臭が発生しなかったとと に、未脱臭焙煎菜種油の風味も感じなかっ 。

[試験例3]
(油脂組成物の戻り臭(劣化臭)抑制効果)
 表4に示したように、フラックス油:菜種油 3:7にブレンドした油中の未脱臭焙煎ゴマ油 含有量を変化させた油脂組成物をそれぞれ 製した。脱臭焙煎ゴマ油を含有させた油脂 成物、脱臭焙煎菜種油を含有させた油脂組 物も同様に調製した。

<保存試験>
 調製した各油脂組成物をPETボトル(容量600g) 600g入れ、栓をした後、40℃に保ちながら暗 にて4週間保存し、これを官能評価用サンプ ルとした。

<試験結果>
(焙煎油の風味の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。焙煎油の風味を感じない と答えたパネルが15名以上の場合を「○」と 、焙煎油の風味を感じないと答えたパネル 11名以上15未満の場合を「△」とし、焙煎油 の風味を感じないと答えたパネルが10名以下 場合を「×」とした。結果を表4に示す。

(戻り臭の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。戻り臭(劣化臭)が感じな と答えたパネルが15名以上の場合を「○」 し、戻り臭を感じないと答えたパネルが11名 以上15未満の場合を「△」とし、戻り臭を感 ないと答えたパネルが10名以下の場合を「× 」とした。結果を表4に示す。

 表4より、未脱臭焙煎ゴマ油を含有させた フラックス油と菜種油とのブレンド油は、未 脱臭焙煎ゴマ油の含有量が37.5~75ppmの範囲に いて、未脱臭焙煎ゴマ油の風味およびフラ クス油と菜種油とのブレンド油の戻り臭を じなかった。

 また、表4より、脱臭焙煎ゴマ油を含有さ せたフラックス油と菜種油とのブレンド油は 、脱臭焙煎ゴマ油の含有量が50~5000ppmの範囲 おいて、脱臭焙煎ゴマ油の風味を感じず、50 ~50000ppmの範囲において、フラックス油と菜種 油とのブレンド油の戻り臭を感じなかった。

 さらに、表4より、脱臭焙煎菜種油を含有 させたフラックス油と菜種油とのブレンド油 は、脱臭焙煎菜種油の含有量が500~50000ppmの範 囲において、脱臭焙煎菜種油の風味を感じず 、500~200000ppmの範囲において、フラックス油 菜種油とのブレンド油の戻り臭を感じなか た。

[試験例4]
(ポテトチップスの戻り臭(劣化臭)抑制効果)
 表5に示したように、大豆油中の未脱臭焙煎 菜種油の含有量を変化させた油脂組成物をそ れぞれ調製し、各油脂組成物を用いてポテト チップスを作成した。ポテトチップスは、予 めスライサーでスライスしたジャガイモを各 油脂組成物で170~180℃で2分30秒油ちょうする とにより作成した。また、未脱臭焙煎大豆 を含有させた油脂組成物を使用した場合も 様にポテトチップスを作成した。

<曝光試験>
 各油脂組成物を用いて作成した各ポテトチ プスをそれぞれ透明ポリエチレン製袋に入 、密封した後、7000lxで40時間照射すること より、曝光試験を行い、これを官能評価用 ンプルとした。

<試験結果>
(焙煎油の風味の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。焙煎油の風味を感じない と答えたパネルが15名以上の場合を「○」と 、焙煎油の風味を感じないと答えたパネル 11名以上15未満の場合を「△」とし、焙煎油 の風味を感じないと答えたパネルが10名以下 場合を「×」とした。結果を表5に示す。

(戻り臭の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。戻り臭(劣化臭)が感じな と答えたパネルが15名以上の場合を「○」 し、戻り臭を感じないと答えたパネルが11名 以上15未満の場合を「△」とし、戻り臭を感 ないと答えたパネルが10名以下の場合を「× 」とした。結果を表5に示す。

 表5より、未脱臭焙煎菜種油を含有させた 油脂組成物で油ちょうしたポテトチップスは 、未脱臭焙煎菜種油の含有量が25~50000ppmの範 において、未脱臭焙煎菜種油の風味および 豆油の戻り臭を感じなかった。

 また、表5より、未脱臭焙煎大豆油を含有 させた油脂組成物で油ちょうしたポテトチッ プスは、未脱臭焙煎大豆油の含有量が25~100ppm の範囲において、未脱臭焙煎大豆油の風味お よび大豆油の戻り臭を感じなかった。

[試験例5]
(焼き菓子の戻り臭(劣化臭)抑制効果)
 表6に示したように、パーム油中の未脱臭焙 煎ゴマ油の含有量を変化させた油脂組成物を それぞれ調製した。各油脂組成物を用いて急 冷練り合わせ処理を行い、ショートニングを 得た。ショートニングに上白糖を加え、ホイ ップすることにより、全卵を徐々に加えた。 その後、薄力粉、ベーキングパウダーを加え て混合し、パウンド型に流し込み上火180℃、 下火160℃で40分間焼成することにより、焼き 子を作成した。なお、下記菓子の材料の配 部は表6に示すとおりである。

<曝光試験>
 各油脂組成物を用いて調製した各焼き菓子 それぞれ透明ポリエチレン製袋に入れ、密 した後、7000lxで40時間照射することにより 曝光試験を行い、これを官能評価用サンプ とした。

<試験結果>
(焙煎油の風味の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。焙煎油の風味を感じない と答えたパネルが15名以上の場合を「○」と 、焙煎油の風味を感じないと答えたパネル 11名以上15未満の場合を「△」とし、焙煎油 の風味を感じないと答えたパネルが10名以下 場合を「×」とした。結果を表7に示す。

(戻り臭の有無)
 官能評価用サンプルを20℃に保ちながら官 試験を行った。官能試験の評価は、20名のパ ネルにより行った。戻り臭(劣化臭)が感じな と答えたパネルが15名以上の場合を「○」 し、戻り臭を感じないと答えたパネルが11名 以上15未満の場合を「△」とし、戻り臭を感 ないと答えたパネルが10名以下の場合を「× 」とした。結果を表7に示す。 

 表7より、未脱臭焙煎ゴマ油を含有させた 油脂組成物を用いて作成した焼き菓子は、未 脱臭焙煎ゴマ油の含有量が2~2500ppmの範囲にお いて、未脱臭焙煎ゴマ油の風味およびパーム 油の戻り臭を感じなかった。