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Patent Searching and Data


Title:
FIBER LAMINATE SHEET, ARTIFICIAL LEATHER UTILIZING THE SAME AND SYNTHETIC FIBER PAPER FOR USE THEREIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041093
Kind Code:
A1
Abstract:
A fiber laminate sheet (10) comprising at least two layers including an upper layer base paper (1) and an underlay fiber layer (4). The upper layer base paper (1) is a synthetic fiber paper containing polyester staple fibers and polyester binder staple fibers, produced by a wet process. The constituent fibers of the base paper, although glued together by the binder staple fibers, are partially disintegrated by water stream intercrossing. The underlay fiber layer (4) is a fiber sheet of at least one member selected from among a nonwoven fabric, a nonwoven fabric web and a woven knitted fabric. The upper layer base paper (1) and underlay fiber layer (4) are laminated together so that the constituent fibers of the two layers cross each other to thereby attain an integration thereof. Accordingly, when impregnation with an elastic polymer is not effected, there can be obtained a novel fiber laminate sheet of soft texture exhibiting air permeability. On the other hand, when the impregnation is effected, there can be obtained an artificial leather of texture highly close to that of natural leather.

Inventors:
OKADA, Hozuma (())
岡田秀眞 (())
ICHIHASHI, Kunio (())
市橋邦夫 (())
Application Number:
JP2008/055228
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
March 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TRADIK CO., LTD. (26-30, Shitamachi Kinugasa, Ryoanji, Ukyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto ., 616-8002, JP)
トラディック株式会社 (〒02 京都府京都市右京区竜安寺衣笠下町26-30 Kyoto, 616-8002, JP)
NIPPON PAPER PAPYLIA CO., LTD. (506 Harada, Fuji-shi Shizuoka, 52, 4170852, JP)
日本製紙パピリア株式会社 (〒52 静岡県富士市原田506番地 Shizuoka, 4170852, JP)
OKADA, Hozuma (())
岡田秀眞 (())
International Classes:
D04H1/48; D04H1/46; D04H1/54; D04H1/64; D04H3/16; D06N3/14; D04H1/48; D04H1/46; D04H1/54; D04H1/64; D04H3/16; D06N3/12
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (26th Floor, OAP TOWER8-30, Tenmabashi 1-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 26, 5306026, JP)
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Claims:
 上層基紙と、下地繊維層を含む少なくとも2層からなる繊維積層シートであって、
 前記上層基紙は、ポリエステル短繊維を主成分繊維とし、ポリエステル系バインダー短繊維を含む湿式抄造された合成繊維紙であり、
 前記上層基紙の構成繊維は前記ポリエステル系バインダー短繊維により抄紙時には部分的に膠着されているが、水流交絡により解離し、交絡後抄紙時の乾燥温度より高い温度で加熱処理されることで交絡点を部分的に軟化結合し、
 前記下地繊維層は、不織布、不織布ウェブ、織編物の少なくとも一つから選ばれてなる繊維シートであり、
 前記上層基紙と前記下地繊維層は積層され両層を構成する繊維が互いに交絡されて一体化されていることを特徴とする繊維積層シート。
 前記上層基紙は、
 繊度0.01~0.6dtex、繊維長3~10mmの範囲のポリエステル短繊維40~95重量%と、
 繊度0.01~1.1dtex、繊維長3~10mm、融点130℃以上250℃以下のポリエステル系バインダー短繊維5~60重量%を含み、
 目付け20~150g/m 2 、密度0.25~0.50g/cm 3 の範囲である請求項1に記載の繊維積層シート。
 前記上層基紙は、繊度0.3~5.6dtex、繊維長2~10mm、水中溶解温度95℃以上のポリビニルアルコール(PVA)系短繊維を、1~30重量%含む請求項1又は2に記載の繊維積層シート。
 前記上層基紙は、2層以上からなる合成繊維紙であって、
いずれの層も繊度0.01~0.6dtex、繊維長3~10mmの範囲のポリエステル短繊維40~100重量%からなり、
 前記下地繊維層側の底部層には繊度0.01~1.1dtex、繊維長3~10mm、融点130℃以上250℃以下のポリエステル系バインダー短繊維を5~60重量%含む請求項1~3のいずれかに記載の繊維積層シート。
 前記ポリエステル系バインダー短繊維は、融点が210~250℃、かつ180℃における乾熱収縮率が10~40%である共重合ポリエステル短繊維である請求項1~4のいずれかに記載の繊維積層シート。
 前記下地繊維層は、繊度が前記上層基紙の繊度よりも大きくかつ4.5dtex以下であり、目付け30~400g/m 2 、密度0.12~0.35g/cm 3 の合成繊維層である請求項1~5のいずれかに記載の繊維積層シート。
 前記下地繊維層が、スパンボンド不織布であり、予め厚さ方向に構成繊維が交絡されている請求項1~6のいずれかに記載の繊維積層シート。
 前記下地繊維層が、下から長繊維不織布と織物で構成される請求項1~7のいずれかに記載の繊維積層シート。
 前記上層基紙の表面が毛羽立てられている請求項1~8のいずれかに記載の繊維積層シート。
 請求項1~9のいずれかに記載の繊維積層シートに、さらに弾性高分子を含浸した人工皮革。
 前記弾性高分子が、水系ポリウレタンである請求項10に記載の人工皮革。
 前記上層基紙の表面が毛羽立てられている請求項10又は11に記載の人工皮革。
 前記上層基紙の上に、さらにポリウレタンを主成分とするシートが貼り合わせられている請求項10又は11に記載の人工皮革。
 請求項1~13のいずれかに記載の繊維積層シートの上層基紙に使用するための、ポリエステル短繊維を主成分繊維とし、ポリエステル系バインダー短繊維を含む湿式抄造された合成繊維紙であって、 前記合成繊維紙の構成繊維は、前記ポリエステル系バインダー短繊維により抄紙時には膠着により部分的に結合されているが、水流交絡により部分的に解離し、交絡後抄紙時の乾燥温度より高い温度で加熱処理されることで部分的に軟化結合することを特徴とする合成繊維紙。
 前記合成繊維紙は、
 繊度0.01~0.6dtex、繊維長3~10mmの範囲のポリエステル短繊維40~95重量%と、
 繊度0.01~1.1dtex、繊維長3~10mm、融点130℃以上250℃以下のポリエステル系バインダー短繊維5~60重量%を含み、
 目付け20~150g/m 2 、密度0.25~0.50g/cm 3 の範囲である請求項14に記載の合成繊維紙。
 前記合成繊維紙は、繊度0.3~5.6dtex、繊維長2~10mm、水中溶解温度95℃以上のポリビニルアルコール(PVA)系短繊維を、1~30重量%含む請求項14又は15に記載の合成繊維紙。
 前記上層基紙は、2層以上からなる合成繊維紙であって、
 いずれの層も繊度0.01~0.6dtex、繊維長3~10mmの範囲のポリエステル短繊維40~100重量%からなり、
 前記下地繊維側の底部層には繊度0.01~1.1dtex、繊維長3~10mm、融点130℃以上250℃以下のポリエステル系バインダー短繊維を5~60重量%含む請求項14~16のいずれかに記載の合成繊維紙。
 前記上層基紙は、2層以上からなる合成繊維紙であって、
 繊維積層シートの表面となる表層にのみ繊度0.3~5.6dtex、繊維長2~10mm、水中溶解温度95℃以上のポリビニルアルコール(PVA)系短繊維を、1~30重量%含む請求項14~17のいずれかに記載の合成繊維紙。
 前記ポリエステル系バインダー短繊維は、融点が210~250℃、180℃における乾熱収縮率が10~40%である共重合ポリエステル短繊維である請求項14~18のいずれかに記載の合成繊維紙。
 請求項19記載のポリエステル系バインダー短繊維の一部が、融点130~210℃の共重合ポリエステル短繊維である請求項19に記載の合成繊維紙。
Description:
繊維積層シートとこれを用いた 工皮革及びこれに用いる合成繊維紙

 本発明は、弾性高分子を含浸させない場 は、衣料、ワイピングクロス、装飾布、な に有用であり、弾性高分子を含浸させる場 は、バッグ、靴などの銀面付き人工皮革、 いは衣料、椅子、自動車内装シートなどの エード調人工皮革に有用な繊維積層シート これを用いた人工皮革及びこれに用いる合 繊維紙に関する。

 従来、人工皮革基布に弾性高分子を含浸 せて人工皮革を作製していたが、弾性高分 を含浸させないで、基布そのものを衣料、 イピングクロス、装飾布などに適用するこ は試みられてこなかった。この理由は、従 の典型的なスエード調人工皮革は、海島構 のコンジュゲート繊維を紡糸し、延伸し、 に海成分を抽出するため、構成繊維の空間 大きくなり、嵩高であり、構成繊維同士の とまりがなく、前記用途には使用できなか た。

 弾性高分子を含浸させて人工皮革にした場 、天然皮革調の風合を実現するために、特 文献1において、繊度が0.5dtex以下の極細繊 からなる抄造シートと他の抄造繊維シート の間に、編織物類を介在させて水流交絡さ 、その積層交絡体にポリウレタンなどの弾 重合体を充填することにより、表面側の見 け密度0.15g/cm 3 以上、裏面側の見掛け密度0.15g/cm 3 未満の人工皮革を得ることが提案されている 。また、特許文献2においては、不織布繊維 ポリウレタンバインダーの両者からなるシ ト物の厚み方向に密度勾配を有するシート 物が提案されている。更に特許文献3~4にお ては、人工皮革用基体の上層の繊度を下層 それよりも大きくした銀付き人工皮革用基 が提案されている。

 特許文献1の人工皮革は、下層における繊 維群の密度が低すぎて、充実感、ハリ、コシ がいずれも乏しく、銀面付き皮革に適用でき ないうえ、スエードを対象にしても天然皮革 の風合いに著しく遠い。特許文献2は、不織 製造後の工程において、ホットプレスの後 2種類のポリウレタンを含浸させ、密度勾配 持たせる提案であるが、ホットプレスなど 煩いのほか、繊度勾配のある天然皮革構造 は異なり、天然皮革の特色である、ハリ、 シという風合は実現できていない。特許文 3~4は、繊度の異なる2層を形成するにあたり 、2系列の開繊機及びカード設備と広大な面 の工場敷地が必要である。加えて、ニード に設けられているバーブの深度を制限し、 面に他方の繊維が出ないようにする為、交 性が低下し、商品化において求められる強 を得るには通常の何倍もの交絡回数、現実 にはニードル台数もしくはライン通過回数 必要であり、合理的経済的生産法ではない

 加えて、従来の技術は、積層交絡体の交絡 さを交絡工程でのみ発現させているため、 絡装置の能力に依存することが多く、水流 絡において単繊維同士を交絡させにくいと った問題があった。

特開昭55-93881号公報

特開平6-280145号公報

特開平11-269774号公報

特開2003-13369号公報

 本発明は、弾性高分子を含浸させない場 は、ソフトな表面風合いで適度なハリ、コ 及び通気性のある新規な繊維積層シートを 供し、弾性高分子を含浸させる場合は、天 皮革により近似した風合いの人工皮革にな 得る繊維積層シートとこれを用いた人工皮 及びこれに用いる水流交絡において単繊維 士を解離させやすくかつ交絡させやすい合 繊維紙を低コストで提供する。

 本発明の繊維積層シートは、上層基紙と 下地繊維層を含む少なくとも2層からなる繊 維積層シートであって、前記上層基紙は、ポ リエステル短繊維を主成分繊維とし、ポリエ ステル系バインダー短繊維を含む湿式抄造さ れた合成繊維紙であり、前記上層基紙の構成 繊維は前記ポリエステル系バインダー短繊維 により抄紙時には膠着により部分的に結合さ れているが、水流交絡により部分的に解離し 、交絡後抄紙時の乾燥温度より高い温度で加 熱処理されることで部分的に軟化結合し、前 記下地繊維層は、不織布、不織布ウェブ、織 編物の少なくとも一つから選ばれてなる繊維 シートであり、前記上層基紙と前記下地繊維 層は積層され両層を構成する繊維が互いに交 絡されて軟化結合し、一体化されていること を特徴とする。

 本発明の人工皮革は、前記繊維積層シー に、さらに弾性高分子を含浸したものであ 。

 本発明の合成繊維紙は、前記の繊維積層 ートの上層基紙に使用するための、ポリエ テル短繊維を主成分繊維とし、ポリエステ 系バインダー短繊維を含む湿式抄造された 成繊維紙であって、前記合成繊維紙の構成 維は、前記ポリエステル系バインダー短繊 により抄紙時には膠着により部分的に結合 れているが、水流交絡により部分的に解離 、交絡後抄紙時の乾燥温度より高い温度で 熱処理されることで部分的に軟化結合する とを特徴とする。

図1は本発明の一実施例における繊維積 層シートの断面図である。 図2Aは本発明の別の実施例における繊 積層シートの断面図である。図2Bは図2Aの繊 積層シートの表面にラミネート層が貼り合 せられ銀つき人工皮革となった断面図であ 。 図3は本発明のさらに別の実施例におけ る繊維積層シートの断面図である。 図4は本発明の実施例3における単層構 の断面図である。 図5は本発明の実施例8における2層構造 断面図である。 図6は本発明の実施例10における2層構造 の断面図である。

 本発明は、湿式抄造された合成繊維紙を 層とし、下地に不織布、不織布ウェブ、織 物の少なくとも一つから選ばれてなる繊維 ートを配置して、水流交絡し、両層シート 一体化することにより、そのままの状態で ソフトな表面風合いで、適度なハリ、コシ び通気性のある繊維積層シートを提供でき 。また、前記繊維積層シートに弾性高分子 含浸させると、天然皮革により近似した風 いの人工皮革を低コストで提供できる。

 本発明の合成繊維紙は、交絡後の加熱処 により交絡点を軟化結合する作用をもつバ ンダー短繊維を含むことで、機械的な1次交 絡の後に風合を損なうことなくより高い層間 強度を持つ積層体を提供することができる。 さらに、本発明の合成繊維紙は乾燥されたシ ート形状をしているため、移動等容易で、不 織布、不織布ウェブ、織編物の少なくとも一 つと自由に組み合わせて積層体を構成するこ とができる。

 加えて本発明は、ポリエステル系バイン ー短繊維を使用することにより、水流交絡 おいて単繊維同士を解離させやすくかつ交 させやすい合成繊維紙を提供できる。

 本発明の繊維積層シートは、上層基紙と て、ポリエステル短繊維を主成分繊維とし ポリエステル系バインダー短繊維を含む湿 抄造された合成繊維紙を使用する。この合 繊維紙の構成繊維は、ポリエステル系バイ ダー短繊維により抄紙工程を通過できる程 に膠着されているが、その接着力は低く、 わば仮接着のような形態で構成繊維を結合 ており、後の工程の水流交絡により容易に 離して交絡繊維となる。即ちポリエステル バインダー短繊維は、湿式抄造及びその後 乾燥工程で構成繊維を紙の状態に保つため 使用し、水流交絡をかけた後は交絡が構成 維の一体化に寄与し、且つその後、抄紙時 乾燥温度より高い温度で加熱処理されるこ で部分的に軟化結合することによって風合 損なうことなくより高い層間強度を持つ積 体を提供することができる。

 前記上層基紙は、繊度0.01~0.6dtex、繊維長3~10 mmの範囲のポリエステル短繊維40~95重量%と、 度0.01~1.1dtex、繊維長3~10mm、融点130℃以上250 以下のポリエステル系バインダー短繊維5~60 重量%を含み、目付け20~150g/m 2 、密度0.25~0.50g/cm 3 の範囲であるのが好ましい。ポリエステル系 バインダー短繊維のさらに好ましい融点は、 210~250℃である。

 上層基紙に用いる主成分繊維であるポリ ステル短繊維は、ポリエチレンテレフタレ ト(PET)繊維が特に好ましい。

 上層基紙には主成分繊維のほか、各種の 成分繊維を併用することができる。種々の 成繊維、半合成繊維、化学繊維、天然繊維 ど、工程に支障ない範囲で適宜目的に適う 維を用いることができる。

 一般にポリエステルマイクロファイバー 品は鮮明色や濃色が出しにくい欠点がある 、それを補うためしばしば5-ナトリウムス ホイソフタル酸を3~5モル%共重合したエチレ テレフタレートポリマー(カチオン可染ポリ エステル)短繊維を用いることがある。該繊 の紡糸延伸条件によっては、副成分繊維と て用いながらも、後述するポリエステル系 インダー短繊維としての効果も期待できる 合がある。しかし該繊維は、一般に磨耗強 が十分でないため、60%以上用いることは適 でない。

 ポリエステル系バインダー短繊維は、イ フタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル 、アジピン酸、セバシン酸などの酸成分を 重合したエチレンテレフタレートポリマー らなる繊維が好ましい。特に好ましくはイ フタル酸または5-ナトリウムスルホイソフタ ル酸を共重合したエチレンテレフタレート系 共重合体である。

 PETは通常融点が258~260℃であるが、前記酸 成分を共重合すると1モル当たり融点は2℃の 合で下がる(フローリー則)。したがって、 えば融点が230℃の共重合ポリエステルを得 には、15モル%のイソフタル酸を共重合する ポリエステル系バインダー短繊維は、抄紙 程ではごく軽く膠着しており、水流交絡工 では容易に解離して下地繊維層と交絡し易 、人工皮革としての染色仕上工程で受ける により組織内で収縮し、軟化結合する性質 ものを選ぶ。

 融点130℃未満のポリエステルバインダー 維は、抄紙工程でポリマーが融着し繊維が 定化されやすくなり次工程の交絡の妨げに るので好ましくない。

 本発明においては、融点が130~160℃のポリ エステル系バインダー短繊維を用いることが できる。この繊維は膠着効果が大きいため多 量に用いると水流交絡での解離交絡を妨げや すいので、繊維の固定化を極力防ぎつつ有効 な膠着効果をもたらし且つ良好な風合い効果 を発揮させるためには、融点が160~250℃のポ エステル系バインダー短繊維と併用するな して、使用量を5~30重量%の範囲とすることが 望ましい。

 好ましいポリエステル系バインダー短繊 は、融点が210~250℃の共重合ポリエステル繊 維であり、紡糸・延伸条件を調整することに より180℃における乾熱収縮率を10~40%、さらに 好ましくは18~30%とした共重合ポリエステル繊 維は好適である。

 それは抄紙工程では上層基紙の構成繊維 ごく軽く膠着しており、水流交絡工程では 易に解離して下地繊維層と交絡し易く、人 皮革としての染色仕上工程では加熱により 織内で収縮変形して軟化膠着し、層間剥離 度や耐摩耗性を向上させ優れた風合効果を たらすからである。

 また主成分繊維としてポリエステル短繊 を用いた繊維積層シートや人工皮革を染色 上する際、一般に分散染料を用いる。その 共存するバインダー繊維のポリマー変性率 高いと染色堅牢度が低下し易いので、染色 牢度の低下を最小限に抑えるためには、で るだけポリマーの変性率を低くし、高融点 ポリマーを選択することが大切である。

 ポリエステル系バインダー短繊維の形態 しては、共重合ポリエステル単体の繊維の か、芯鞘型複合繊維(芯:ポリエチレンテレ タレート、鞘:前記した共重合ポリエステル) 、サイドバイサイド型複合繊維、偏芯型複合 繊維などを適宜選択することができる。

 これらのポリエステル系バインダー繊維 、いずれも通常水中に溶解しないので、湿 抄紙機や乾燥機等が汚れにくく、品質安定 、作業効率とも上がる。また、水流交絡時 も溶出しないので、水流交絡機などの設備 汚れも無く、水を再利用しやすい。

 風合調整のため、上層基紙に、副成分繊 として繊度0.3~5.6dtex、繊維長2~10mm、水中溶 温度95℃以上、より好ましくは100℃以上のポ リビニルアルコール(PVA)短繊維を1~30重量%混 することも適している。繊維積層シートの 色工程でPVA繊維を溶出させることにより、 維間空隙による繊維可動範囲が生まれ、シ トの柔軟化やよりソフトな表面風合いをも らす効果がある。

 水中溶解温度95℃未満のポリビニルアル ール系繊維は、水溶性高分子バインダーと てしばしば用いられる。該繊維は、抄紙時 はバインダー効果があり、水流交絡時には 流で溶け出すため容易に主成分繊維の解離 もたらすことができるが、溶け出した成分 ロスとなる。さらに、交絡後の染色工程な において、交絡性を高め、層間剥離強度や 摩耗性を向上させる作用はない。工程設計 適宜用いることは妨げないものの、本発明 いうバインダー繊維とはみなさない。

 前記上層基紙として多層構造の合成繊維 を用いることもできる。例えば前記繊維積 シートの表面になる表層Aと下地繊維層に接 する底部層Bとからなる2層構造であって、い れの層も主成分繊維は繊度0.01~0.6dtex、繊維 3~10mmの範囲のポリエステル短繊維とする。 層Aは積層体表面品質にかかわるため、主成 分繊維のほかに表面品質を向上させるための 副成分繊維を配合することができる。

 例えば表層Aに、繊度0.1~1.7dtex、繊維長3~10 mmのカチオン可染ポリエステル(5-ナトリウム ルホイソフタル酸5モル%共重合ポリエステ )短繊維を必要量配合すれば、非常に濃色化 可能となり、深みのある色を出すことがで る。またヌメリ感がある風合を得るため6- イロン短繊維を配合するなど、工程に支障 い範囲で適宜目的に適う繊維として、他の 成繊維、半合成繊維、化学繊維、天然繊維 用いることができる。

 前記上層基紙として多層構造の合成繊維 を用いる場合、風合調整のため前記繊維積 シートの表面になる表層Aのみに繊度0.3~5.6dt ex、繊維長2~10mm、水中溶解温度95℃以上、よ 好ましくは100℃以上のポリビニルアルコー (PVA)系短繊維を1~30重量%混抄することも適し いる。

 また2層以上の多層構造の合成繊維紙の場 合には、表層、中層、底部層の各層を構成す る繊維の繊度、繊維長、量を選ぶことにより 、出来上がりの繊維積層シート内で繊度や繊 維密度に分布がつけられ、より天然皮革に近 い風合を得ることができる。

 前記下地繊維側にある底部層Bのみに融点 130℃以上250℃以下のポリエステル系バインダ ー短繊維を、5~60重量%含む構造とする。

 底部層Bに用いるポリエステル系バインダ ー短繊維として融点160~250℃の共重合ポリエ テル短繊維を用いた場合には、膠着による 紙ハンドリング性が保持されるとともに表 品質も確保されやすい。特に融点210~250℃、1 80℃における乾熱収縮率が10~40%である共重合 リエステル系バインダー短繊維が好適であ 。

 下地繊維層は、不織布、不織布ウェブ、 編物の少なくとも一つから選ばれてなる繊 シートとする。前記繊維シートは強度保持 、補強材、寸法安定材ないしは風合保持材 して機能する。

 不織布及び不織布ウェブとしては、天然 維、化学繊維、半合成繊維、合成繊維など 用いることができる。原料としてポリエス ル、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン レ-ヨン、ポリノジック、アセテート、綿、 羊毛などを用いることができる。扱いやすさ 、低コストなどにより一般に合成繊維製、特 に通常のポリエステル繊維製の不織布が用い られるが、例えばポリエステルと6ナイロン らなる剥離分割型複合繊維などの複合繊維 らなる不織布を用いることもできる。形状 しては短繊維使用の場合にはニードルパン 不織布、サーマルボンド不織布、カードウ ブ、エアレイドウェブが好適であり、また 繊維不織布の場合にはスパンボンド不織布 スパンボンドウェブが好適である。ケミカ ボンド不織布も使用可能である。

 前記下地繊維層に用いる長繊維不織布は ポリエステルスパンボンド不織布が好まし 。スパンボンド不織布を使用すると、補強 果が高く、かつコストを安くできる。予め さ方向に構成繊維が交絡されていることが ましい。予め厚さ方向に構成繊維が交絡さ ていると、「骨立ち」という折れ曲がりに る線が出にくく、風合がソフトになる。

 前記長繊維不織布として、ポリエステル 6ナイロンからなる剥離分割型繊維によるス パンボンドを用いることも出来る。上層基紙 との交絡のための水流交絡により、繊維内の ポリエステルセグメントと6ナイロンセグメ トが剥離し極細化が同時に進行し、両層の 維が互いに高度に交絡するため、極めて優 た風合いと軽量ながら十分な引裂強さの基 が得られる。

 また前記長繊維不織布として、ポリウレ ンやポリエステルエラストマーを用いたス ンボンドのほか、ポリオレフィンフラッシ 紡糸不織布を用いることができる。

 前記下地繊維層に用いる織編布は、最終 品の目付、厚み、強度、寸法安定性を設定 る重要なファクターであり、「スクリム」 称している。

 織編物の素材は、天然繊維、化学繊維、 成繊維など、通常のファブリックに使用し いるものを使用できる。扱いやすさ、低コ トなどより、一般に合成繊維製、特に通常 ポリエステル長繊維製の織編布が用いられ が、短繊維紡績糸による織編布も用いるこ ができる。形状としては目的に応じて平織 綾織などの織物、トリコット・ラッセル・ 編・横編などの編物が使用可能である。中 もポリエステル長繊維によるポンジー、タ タ、ツイルなどが適している。

 前記下地繊維層は、2以上の要素で構成して もよい。例えば下から、短繊維不織布と織物 、長繊維不織布と織物などの組み合わせがあ る。このようにするとさらに補強効果、風合 効果が高くなる。前記下地繊維層は、繊度が 前記上層基紙の繊度よりも大きくかつ4.5dtex 下が好ましく、0.1~3.3dtexがさらに好ましい。 目付けは30~400g/m 2 、密度0.15~0.35g/cm 3 の合成繊維製層であることが好ましい。前記 の範囲であればさらに補強効果が高くなる。

 上層基紙と下地繊維層は積層され両層を構 する繊維が互いに交絡されて一体化されて る。この交絡は、上層基紙と下地繊維層を 層し、厚さ方向からスプレーノズルで加圧 を噴射することにより行う。噴射圧力は10~4 00kg/cm 2 の範囲が好ましい。

 前記上層基紙の表面は毛羽立てられてい もよい。毛羽立てにより、感触をさらに良 にできる。

 本発明の繊維積層シートを人工皮革とし 使用する場合は、さらに弾性高分子を含浸 る。前記弾性高分子は水系ポリウレタンで ることが好ましい。本発明の繊維積層シー は、構成繊維の空間はそれほど大きくはな ので、水系ポリウレタンを使用できる。好 しい水系ポリウレタンの使用量は3~15重量% 範囲である。従来の典型的な人工皮革は、 島構造のコンジュゲート繊維を使用するた 、構成繊維の空間は大きく、溶剤タイプの リウレタンを35~50重量%必要としていた。こ 比較からも本発明の利点がわかる。

 本発明の人工皮革用基体は、上層の表面 毛羽立てることにより、スエード調の人工 革となるし、上層の上に更にポリウレタン 主成分とするシートを貼ることにより、銀 付き人工皮革となる。

 本明細書において、「主成分」とは40重 %以上をいい、好ましくは50重量%以上をいう

 次に図面を用いて説明する。図1は本発明の 一実施例における繊維積層シートである。こ の繊維積層シート(10)は、上層基紙(1)と下地 維層(4)を含む少なくとも2層からなり、上層 紙(1)はポリエステル短繊維とポリエステル バインダー短繊維を含む湿式抄造された合 繊維紙であり、前記基紙の構成繊維は前記 インダー短繊維により膠着されているが、 流交絡により部分的に解離し、下地繊維層( 4)は、不織布、不織布ウェブ、織編物、合成 維紙から選ばれる少なくとも一つの繊維シ トであり、上層基紙(1)と下地繊維層(4)は積 され両層を構成する繊維が互いに交絡され 一体化されている。この実施例においては 下地繊維層(4)は織物を使用している。織物 しては、例えば目付け30~150g/m 2 程度の織物が好ましい。前記繊維積層シート (10)は、それ自体で衣料、ワイピングクロス 装飾布などに有用である。この繊維積層シ ト(10)に弾性高分子を含浸すると人工皮革と る。

 図2Aは本発明の別の実施例における繊維 層シートの断面図である。湿式抄造された 成繊維紙からなる上層基紙(1)と長繊維不織 (2)からなる下地繊維層で構成され、厚さ方 から加圧水を噴射することにより、両層を 成する繊維を互いに交絡して一体化してい 。これに弾性高分子を含浸し、表面をバッ ィングするとスエード調人工皮革(20)となる 長繊維不織布(2)としてはスパンボンド不織 が好ましい。図2Bは図2Aの繊維積層シートに 弾性高分子を含浸し、表面にポリウレタンを 主成分とするラミネート層(3)が貼り合わせら れ銀付人工皮革(30)となった断面図である。

 図3は本発明のさらに別の実施例における 繊維積層シートの断面図である。湿式抄造さ れた合成繊維紙からなる上層基紙(1)とスパン ボンド不織布からなる長繊維不織布(2)と、上 層基紙A(1)と長繊維不織布(2)の間の織物から る下地繊維層(4)で構成され、厚さ方向から 圧水を噴射することにより、全層の繊維を いに交絡して一体化している。この繊維積 シートに弾性高分子を含浸すると下地が補 された人工皮革(40)となる。

 本発明の合成繊維紙は、次の特徴を有する
(1)繊維同士が膠着により弱く結合している合 成繊維紙である。
(2)機械的交絡の圧力により膠着が解離し、繊 維が厚さ方向に再分散して3次元交絡を形成 る合成繊維紙である。
(3)交絡後の加熱処理でバインダー短繊維が軟 化収縮変形し、交絡点を結合することにより 、層間の剥離強度が交絡時よりも向上する合 成繊維紙である。

 前記(1)~(3)の一連の作用を発現するため、 主成分繊維としてポリエステル短繊維を含み 、抄紙時の乾燥温度(100~120℃)では主成分繊維 と弱い膠着により部分的に結合し、その後、 抄紙時の乾燥温度より高い150~180℃の温度で 熱処理されることでさらに軟化収縮し結合 現作用をもつバインダー短繊維を含む湿式 造された合成繊維紙である。

 本発明の合成繊維紙は、繊維長3~10mmの延伸 れた主成分繊維を紙坪量(1m 2 あたりの重量)に対し40~95重量%含む。主成分 維は均一な地合を形成しかつ積層体の柔軟 を損なわないために、繊度0.01dtex以上0.6dtex 下が好ましい。特に極細繊維と呼ばれる0.3dt ex以下の繊維は、表面風合がソフトであり緻 でワイピングとしての拭き取り性も高いも となる。

 繊維長は抄紙時の繊維分散性を考慮する 3mm以上10mm以下が適当である。さらに、繊度 0.3dtex以下の極細繊維を使用する場合は5mm以 が望ましい。繊度が細くなるにつれアスペ ト比が高くなり、湿式抄造時に繊維がヨレ すく表面性を損なう恐れがあるためである

 主成分繊維の種類は、ポリエチレンテレ タレートからなるポリエステル繊維が耐候 等の点で優れている。

 合成繊維紙には主成分繊維のほか、各種の 成分繊維を併用することができる。
一般にポリエステルマイクロファイバー製品 は濃色が出しにくい欠点があるが、5-ナトリ ムスルホイソフタル酸を3~5モル%共重合した エチレンテレフタレートポリマー(カチオン 染ポリエステル)短繊維の場合には深みのあ 色が得られるとして、副成分繊維として用 ることができる。

 副成分繊維としては、そのほか種々の合 繊維、半合成繊維、化学繊維、天然繊維な 、工程に支障ない範囲で適宜目的に適う繊 を混合することもできる。

 更に風合調整のため用途によっては、上 基紙に、繊度0.3~5.6dtex、繊維長2~10mm、水中 解温度95℃以上、より好ましくは100℃以上の ポリビニルアルコール(PVA)短繊維を1~30重量% 抄することができる。繊維積層シートの染 工程でPVA繊維を溶出させることにより、繊 間空隙による繊維可動範囲が生まれ、シー の柔軟化やよりソフトな表面風合いをもた す。

 本発明の合成繊維紙は、繊維長3~10mmで抄 時の乾燥温度(100~120℃)では主成分繊維と弱 膠着により結合し、交絡後、抄紙時の乾燥 度より高い150~180℃の温度で加熱処理される ことでさらに軟化収縮し、交絡点を結合する バインダー短繊維を当該層坪量に対し5~60重 %含む。

 バインダー短繊維としてはイソフタル酸 アジピン酸、セバシン酸、5-ナトリウムス ホイソフタル酸などの酸性分を共重合した チレンテレフタレートポリマーからなる融 130℃以上250℃以下の共重合ポリエステル系 インダー短繊維が適している。融点が130℃ 満のバインダー繊維は、抄紙時に融着を起 し易く、次工程の水流交絡で繊維の解離が きず交絡の妨げとなるため適さない。

 融点が130~160℃のポリエステル系バインダ ー短繊維は、膠着効果が大きいため多量に用 いると水流交絡での解離交絡を妨げやすいの で、繊維の固定化を極力防ぎつつ有効な膠着 効果をもたらし且つ良好な風合い効果を発揮 させるためには、融点が160~250℃のポリエス ル系バインダー短繊維と併用するなど副バ ンダー短繊維として、使用量を5~30重量%の範 囲に抑えることが望ましい。

 更に好ましいポリエステル系バインダー 繊維は、融点が210~250℃の共重合ポリエステ ル繊維であり、紡糸・延伸条件を調整するこ とにより180℃における乾熱収縮率を10~40%とし た共重合ポリエステル繊維は特に好ましい。 このバインダー繊維は、融点が210~250℃と高 ても結晶性は低い。その為、抄紙における 燥温度で繊維表面が僅かに軟化変形し、ド イヤー通過時の熱圧で主成分繊維と弱い膠 がおき、抄紙工程強度および交絡工程での 送強度を付与することができる。しかし、 成分繊維との一体化はしていないため水流 絡時の圧力により容易に解離し、主成分繊 とともに均一に分散、不織布や織編布と3次 交絡される。その後、抄紙時の乾燥温度よ 高い150~180℃の温度で加熱処理することでバ インダー短繊維はさらに軟化収縮し、交絡点 を強く結合する。この作用により水流交絡時 よりも高い交絡強度が発現され剥離性や耐摩 耗性が良好な繊維積層シートを作ることがで きる。加熱処理は染色仕上工程でのファイナ ルセットで使用するエアスルードライヤーや シリンダードライヤー等の乾燥により行うこ とができる。

 ポリエステル系バインダー短繊維は、抄 工程ではごく軽く膠着しており、水流交絡 程では容易に解離して下地繊維層と交絡し く、人工皮革としての染色仕上工程で受け 熱により組織内で変形膠着する性質のもの 選ぶ。融点130℃未満のポリエステルバイン ー繊維は、抄紙工程でポリマーが融着し繊 が固定化されやすくなり交絡の妨げになる で好ましくない。

 ポリエステル系バインダー短繊維として 、共重合ポリエステル単体の繊維のほか、 鞘型(芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘: 重合ポリエステル)、サイドバイサイド型、 偏芯型、張り合せ型などの複合繊維を適宜選 択することができる。

 ポリエチレンやポリプロピレン等、融点 130~160℃にある合成繊維も、抄紙時の乾燥温 度では溶融せず、交絡後の加熱処理により溶 融するため、交絡後の加熱処理による交絡強 度向上効果のみを期待してポリエステル系バ インダー短繊維と併用することが出来る。

 本発明の合成繊維紙は単層あるいは2層以 上の構造から成る。単層の場合は配合された 繊維が積層体表面の品質ならびに交絡後の接 着性に直接関わることから、主成分繊維がポ リエステル短繊維ならばバインダー短繊維も 共重合ポリエステル系バインダー短繊維を用 いるのが表面の品質を均一化する点で好まし い。

 2層以上の場合は繊維積層シートの表面に なる表層Aと下地繊維層に接する底部層Bを含 多層構造の合成繊維紙となる。表層Aは繊維 積層シート表面の品質に関わる層となり、底 部層Bは交絡後の下地繊維層との接着性に関 る層となるため、表層A、底部層Bの繊維配合 を変えることで単層の場合に比べ、より表面 品質が良好でかつ交絡後の接着性が高い組み 合わせが可能となる。

 たとえば前記上層基紙として多層構造の 成繊維紙を用いる際、シート表面層に当る に繊度0.1~1.7dtex、繊維長3~10mmのカチオン可 ポリエステル(5-ナトリウムスルホイソフタ 酸5モル%共重合ポリエステル)短繊維を必要 配合すれば、非常に濃色化が可能となり、 みのある色を出すことができる。また風合 整のため前記繊維積層シートの表面層にあ る層のみに繊度0.3~5.6dtex、繊維長2~10mm、水中 溶解温度95℃以上、より好ましくは100℃以上 ポリビニルアルコール(PVA)短繊維を1~30重量% 混抄することもできる。

 さらに、底部層Bにのみ融点130℃以上250℃ 以下のポリエステル系バインダー短繊維を5~6 0重量%含む構造とした場合は、膠着による抄 ハンドリング性が保持されるとともに表面 質も確保されやすい。

 本発明の合成繊維紙は湿式抄造法により られる。湿式抄造法の一例を説明するがこ 方法に限定されるものではない。最初に当 繊維を離解し必要に応じて分散剤やポリア リルアマイド等の粘剤を添加し、希釈、均 分散した原料スラリーをつくる。このスラ ーを用いて円網、短網、長網などの抄紙ワ ヤーを1つまたは2つ以上組み合わせて抄造 、プレス工程、乾燥工程を経て本発明の合 繊維紙を得る。このとき乾燥温度は100~120℃ 度が好ましい。それ以下ではバインダー短 維がバインダーとして作用せず、必要な工 強度が得られない。また120℃を超えると紙 強度は向上するものの、交絡時の膠着が外 にくくなり、交絡性が低下する。

 以下実施例を用いて本発明をさらに具体 に説明する。なお、本発明は下記の実施例 限定されるものではない。以下の実施例に いて、単に「繊維」というときは延伸され 合成繊維を指す。また、「部」は「重量部 、「%」は「重量%」を意味する。

 (実施例1)
[繊維積層シートの製造]
(1)上層基紙
 繊度0.1dtex、繊維長5mmのポリエステル(融点25 8~260℃のPET)短繊維70部と、繊度0.2dtex、繊維長 5mmのイソフタル酸10モル%共重合エチレンテレ フタレートポリマー(融点235℃のバインダー 維)短繊維30部を、常温で50,000部の水に分散 せ、繊維の分散を良くする為、水に対して ニオン系分散剤1%及びポリアクリルアマイド (増粘剤)0.1%を添加し、抄造用スラリーとした 。この抄造用スラリーを傾斜式抄紙機で抄造 し、乾燥することにより、乾燥重量目付け50g /m 2 の合成繊維紙を得た。これを上層基紙Aとす 。
(2)下地繊維層
 経糸、緯糸ともにポリエステル83dtex/36f ウ リー加工糸を用いた、経糸密度69本/インチ 緯糸密度57本/インチ、目付け50g/m 2 の平織物を使用した。
(3)水流交絡
 上から上層基紙Aと下地繊維層を積層し、10k g/cm 2 ~400kg/cm 2 の種々の噴射圧力で、表面側裏面側ほぼ交互 に常温で水流交絡することにより、図1に示 繊維積層シートを得た。厚さは0.35mm,目付け 102g/m 2 であった。
[染色、評価]
 前記(3)で得られた繊維積層シートを染色仕 げした。染色は、分散染料を使用して130℃ 60分間染色し、還元洗浄した。乾燥後表面 ブラッシングし、最後に、ヌメリ感を出す め、アミノシリコーンタイプの仕上げ剤をdi p/nipした。

 得られた染色仕上品は、極めてソフトで レープ性があり軽量でありながら保温性に れたまったく新しい質感の織物が得られた この染色品は、婦人用ブラウス、ワンピー 、スカート等衣料用に好適であった。得ら た染色品の評価を表1に示す。

 また繊維積層シートに水性ポリウレタン 脂を約5%含浸させた後、染色し生地表面を フ仕上げしたものは、薄地スエード調人工 革として好適であった。

 (実施例2)
[繊維積層シートの製造]
(1)上層基紙
 実施例1と同条件の上層基紙Aを用いた。
(2)下地繊維層
 繊度3.3dtex、目付165g/m 2 で軽度のニードルパンチを施した市販ポリエ ステルスパンボンドに、針密度170回/平方cmで 追加ニードルパンチを施したものを使用した 。
(3)水流交絡
 上層基紙と下地繊維層を20~250kg/cm 2 の各種噴射圧で水流交絡することにより、厚 さ0.92mm、目付214g/m 2 の繊維積層シートを得た。
[染色、評価]
 前記(3)で得られた繊維積層シートに水性ポ ウレタン樹脂を約5%含浸させ、実施例1と同 条件で染色仕上げした後、生地表面をバフ 上げした。得られたスエード調生地は重量2 25g/m 2 ,引裂強度165N(約16.8kgf)/177N(約18.0kgf、測定法:IS O 9073.4)であり、車両用として使われている 島繊維ニードルパンチ不織布によるスエー 調人工皮革素材(強度補強のため織物裏張補 品、裏張り込み総重量375g/m 2 )に比べ、総重量が60%であるにもかかわらず 等以上の強度が得られ、各種資材用に好適 人工皮革であった。

 (比較例1~2)
[繊維積層シートの製造]
(1)上層基紙
 実施例1の上層基紙Aのほか、比較のため以 の上層基紙B,Cを調製した。

 上層基紙B:使用する繊維として繊度0.1dtex 繊維長5mmのポリエステル(融点258~260℃のPET) 維95部と、繊度1.1dtex、繊維長3mm、水中溶解 度60℃のポリビニルアルコール系繊維(PVA-VPW -101)5部を用いたほかは実施例1と同条件の上 基紙を得た。これを比較例1とする。

 上層基紙C:使用する繊維として繊度0.1dtex、 維長5mmのポリエステル(融点258~260℃のPET)繊 85部と、繊度2.2dtex、繊維長3mm、鞘成分融点1 10℃の芯鞘型ポリエステルバインダー繊維15 を用いたほかは実施例1と同条件の上層不織 を得た。これを比較例2とする。
(2)下地繊維層は実施例1と同条件とした。
(3)水流交絡は実施例1と同条件で施した。
[染色、評価]
 前記(3)で得られた2種の繊維積層シートを実 施例1と同条件で染色仕上げした。

 得られた染色品3種はいずれもソフト、軽 量であったが、風合い、立毛の堅牢性(剥離 度)において大きく差が生じ、本発明による のが格段に高評価となった。

 以上の実施例1、比較例1~2の結果をまとめて 表1に示す。

備考1 生地表面を光学顕微鏡100倍で観察した 。
備考2 JAPAN TAPPI(紙パルプ用試験規格)、各生 を170℃で10分熱処理後、巾5mmの試料を200mm/ で引張り剥離強力を測定した。
備考3 湿式抄造不織布を製造する際にポリエ ステル系バインダー短繊維を使用した。
備考4 湿式抄造不織布を製造する際に水溶性 ポリビニルアルコール系繊維を使用した。
備考5 湿式抄造不織布を製造する際に低融点 芯鞘ポリエステルバインダー短繊維を使用し た。

 (実施例3)
 主成分繊維として繊度0.1dtex、繊維長3mm、融 点256℃、180℃における乾熱収縮率2.7%のポリ ステル繊維55重量%と、バインダー短繊維と て繊度0.2dtex、繊維長3mm、融点245℃、180℃に ける乾熱収縮率18%の5-ナトリウムスルホイ フタル酸6モル%共重合ポリエステル繊維45重 %からなる原料スラリーを用いて、単層から なる合成繊維紙を抄造、乾燥温度115℃の回転 ドライヤーで乾燥し、乾燥重量50g/m 2 の単層構造の合成繊維紙(11)を作製した(図4参 照)。この合成繊維紙を繊度2.2dtex、目付150g/m 2 のポリエステルスパンボンド不織布に積層し 、水流交絡を実施、乾燥温度120℃のシリンダ ードライヤーで乾燥することにより積層体を 得た。水流交絡後の加熱処理により157%の剥 強さ向上が認められた。

 なお、本実施例、及び以下の実施例でい 「180℃における乾熱収縮率」は、JIS L1015に したがい、無加重で180℃の状態に20分放置し 測定した。

 (実施例4)
 実施例3と同様の合成繊維紙をポリエステル と6ナイロンからなる剥離分割型コンジュゲ ト繊維によるスパンボンド・スパンレース 織布に積層し水流交絡を実施し、乾燥温度12 0℃のシリンダードライヤーで乾燥すること より積層体を得た。水流交絡後の加熱処理 より255%の剥離強さ向上が認められた。

 (実施例5)
 実施例3の主成分繊維としてポリエステル繊 維を80重量%に、バインダー繊維として共重合 ポリエステル繊維20重量%にした以外は実施例 3と同じ積層体を得た。水流交絡後の加熱処 により120%の剥離強さ向上が認められた。

 (実施例6)
 実施例3の合成繊維紙を繊度0.1dtex、繊維長3m mのポリエステル短繊維60重量%と、共重合ポ エステルバインダー短繊維30重量%、繊度1.1dt ex、繊維長3mm、水中溶解温度99℃のポリビニ アルコール系短繊維10重量%にした以外は実 例3と同じ積層体を得た。水流交絡後の加熱 理により125%の剥離強さ向上が認められた。

 (実施例7)
 実施例3の合成繊維紙を繊度0.1dtex、繊維長3m mのポリエステル短繊維60重量%と、共重合ポ エステルバインダー短繊維30重量%、副バイ ダー短繊維として繊度2.2dtex、繊維長5mm、鞘 分融点160℃の芯鞘ポリエステルバインダー 繊維10重量%にした以外は実施例3と同じ積層 体を得た。水流交絡後の加熱処理により127% 剥離強さ向上が認められた。

 (実施例8)
 主成分繊維として繊度0.1dtex、繊維長3mmのポ リエステル短繊維95重量%と、繊度1.1dtex、繊 長3mm、水中溶解温度70℃のポリビニルアルコ ール系バインダー繊維5重量%とからなる原料 ラリーAと、主成分繊維として繊度0.1dtex、 維長3mmのポリエステル短繊維70重量%と、繊 0.2dtex、繊維長3mm、融点210℃、180℃における 熱収縮率30%の共重合ポリエステルバインダ 短繊維30重量%とからなる原料スラリーBとを 用いて坪量20g/m 2 のA層(12)、坪量30g/m 2 のB層(13)から成る2層抄合わせ合成繊維紙(14) 作製した(図5参照)。この合成繊維紙(14)のB層 (13)が実施例3と同様のスパンボンド不織布に するように積層し、水流交絡を実施、乾燥 度120℃のシリンダードライヤーで乾燥する とにより積層体を得た。水流交絡後の加熱 理により139%の剥離強さ向上が認められた。

 (実施例9)
 実施例8記載のA層の主成分繊維の一部(10重 %)を水中溶解温度99℃で繊度0.6dtex、繊維長5mm のポリビニルアルコール系繊維に置き換えた 以外は実施例8と同じ2層抄合わせ合成繊維紙 作製した。この合成繊維紙のB層がスパンボ ンド不織布に接するように積層し、水流交絡 を実施、乾燥温度120℃のシリンダードライヤ ーで乾燥することにより積層体を得た。水流 交絡後の加熱処理により実施例8と同等の剥 強さ向上が認められた。

 (実施例10)
 主成分繊維として繊度0.1dtex、繊維長3mmのポ リエステル短繊維70重量%と、繊度0.2dtex、繊 長3mm、融点220℃、180℃における乾熱収縮率30 %の共重合ポリエステルバインダー短繊維30重 量%とからなる原料スラリーAと、主成分繊維 して繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエステル短 繊維45重量%と、繊度0.2dtex、繊維長3mm、融点22 0℃、180℃における乾熱収縮率30%の共重合ポ エステルバインダー短繊維30重量%及び鞘成 融点160℃の芯鞘ポリエステルバインダー短 維25重量%からなる原料スラリーBとを用いて 量30g/m 2 のA層(15)、坪量20g/m 2 のB層(16)から成る2層抄合わせ合成繊維紙(17) 作製した(図6参照)。この合成繊維紙(17)のB層 (16)が実施例3と同様のスパンボンド不織布に するように積層し、水流交絡を実施、乾燥 度120℃のシリンダードライヤーで乾燥する とにより積層体を得た。水流交絡後の加熱 理により165%の剥離強さ向上が認められた。

 (比較例3)
 主成分繊維として繊度0.1dtex、繊維長3mmのポ リエステル短繊維95重量%と、繊度1.1dtex、繊 長3mm、水中溶解温度60℃のポリビニルアルコ ール系バインダー短繊維5重量%からなる単層 造の合成繊維紙を実施例3と同様のスパンボ ンド不織布に積層し、水流交絡を実施、乾燥 温度120℃のシリンダードライヤーで乾燥する ことにより積層体を得た。水流交絡後の加熱 処理による剥離強さ向上は105%であり、十分 効果は認められなかった。

 (比較例4)
 比較例3のスパンボンド不織布を実施例4と 様のスパンボンド・スパンレース不織布に 更した以外は比較例3と同じ積層体を得た。 流交絡後の加熱処理によっても剥離強度向 は認められなかった。

 (比較例5)
 繊度0.1dtex、繊維長3mm、融点255℃、180℃にお ける乾熱収縮率2.7%のポリエステル短繊維か なる単層構造の合成繊維紙を抄造した。抄 時乾燥温度では繊維同士の接着がなく乾燥 ートを得ることができなかった。

 なお、実施例および比較例で行った水流 絡条件を次に示す。スパンボンドに積層し 水流交絡条件:富士工業技術支援センターの ウォータージェット装置を使い2~5MPaの水圧で 2列のノズルヘッド下を7回通した。スパンボ ド・スパンレースに積層した水流交絡条件: 富士工業技術支援センターのウォータージェ ット装置を使い2~5MPaの水圧で2列のノズルヘ ド下を12回通した。

 以上の実施例3~10、比較例3~5の結果を表2に とめて示す。表2中の剥離強さ増加率は以下 より測定した。交絡後の加熱処理による交 強度向上効果を評価するため、加熱処理前 の交絡部の平均最大はく離強さを測定しそ 増加率を比較した。加熱処理条件:温度170℃ 、10min熱風乾燥機で加熱。剥離試験方法:東洋 ボールドイン社製テンシロンを用い、幅5mmの サンプルを速度200mm/minで10mmずつ5回に分けて 離し、その平均最大はく離強さ(N/5mm)を計算 。これをn=5で測定し加熱前後の平均最大はく 離強さ(N/5mm)を求めた。
剥離強さ増加率=加熱処理後平均最大はく離 さ/加熱処理前平均最大はく離強さ
 表2中の引張り強さおよび湿潤引張り強さは JIS P-8113により測定した。

 表2において、強度評価は次のとおりとした 。
A:抄紙時に安定抄造可能な充分な引張強さを つ。
B:抄紙時に安定抄造可能な引張強さを持つ。
C:抄紙時に安定抄造不可能な引張強さを持つ

 表2において、工程強度は次のとおりとした 。
A:水流加工時に湿潤状態でハンドリング可能 充分な引張強さを持つ。
B:水流加工時に湿潤状態でハンドリング可能 引張強さを持つ。
C:水流加工時に湿潤状態で引張強さが低くハ ドリング出来ない。

 表2において、交絡による繊維の分散は次の とおりとした。
A:交絡による3次元方向への繊維の分散性が非 常によい。
B:交絡による3次元方向への繊維の分散性がよ い。
C:交絡による3次元方向への繊維の分散性が不 十分。

 表2から明らかなとおり、実施例3~10は、抄 工程の引張り強さ、水流交絡の湿潤引張り さ、積層体の剥離強さの増加率はいずれも かった。これに対して比較例3~4は、水流交 の湿潤引張強さは測定不可であり好ましく く、積層物の剥離強さの増加率も低かった また比較例5は抄紙不可であり、他の特性も 定できなかった。






                                                                                        




 
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