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Patent Searching and Data


Title:
FIBER-REINFORCED RESIN HOLLOW PART WITH FLANGE AND METHOD OF FORMING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/017217
Kind Code:
A1
Abstract:
A forming method in which a fiber-reinforced resin hollow part with flange having a varied cross-section and curved portion in the state of having its weight satisfactorily reduced and having its thickness nearly uniformed can be easily formed at low cost. Accordingly, a combination of preformed hollow resin core (10) and second core (15) connected to each other is laminated at its periphery with a reinforcing fiber (21) and a matrix resin (24) to thereby obtain a hollow laminate (20). The second core (15) is drawn out from the hollow laminate (20), and the drawn-out area is pressed so as to form a flangelike portion (26). A pressurization bag (30) is disposed by insertion within the hollow resin core (10), and the whole is disposed within a shaping mold (40). Integration of the reinforcing fiber and resin inclusive of the flangelike portion (26) is effected by heating while applying pressure into the pressurization bag (30) of the hollow laminate (20) disposed within the shaping mold.

Inventors:
INAZAWA KOICHI (JP)
KATAHIRA NATSUHIKO (JP)
HORI FUJIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063837
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
August 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
TOYOTA JIDOSHOKKI KK (JP)
INAZAWA KOICHI (JP)
KATAHIRA NATSUHIKO (JP)
HORI FUJIO (JP)
International Classes:
B29C43/10; B29C43/18; B29C43/20; B29K105/08; B29K105/20; B29L9/00; B29L22/00; B29L31/30
Foreign References:
JP2002187204A2002-07-02
JPH07174131A1995-07-11
JPS62244620A1987-10-26
JPH0272935A1990-03-13
JP2006123475A2006-05-18
JP2003328498A2003-11-19
Other References:
See also references of EP 2186614A4
Attorney, Agent or Firm:
HIRAKI, Yusuke et al. (3-20 Toranomon 4-chome Minato-ku Tokyo, 01, JP)
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Claims:
 繊維強化樹脂中空部品であって、先端に繊維強化樹脂中空部品の成形時に一体成形されたフランジ部を備えることを特徴とするフランジ付き繊維強化樹脂中空部品。
 先端にフランジ部を一体に持つ繊維強化樹脂中空部品を内圧成形法により成形する方法であって、
 予備成形した中空樹脂コアの先端に第2のコアを接続する工程と、
 前記中空樹脂コアと第2のコアの外周に強化繊維とマトリックス用樹脂とを積層して中空積層体を形成する工程と、
 前記中空積層体から前記第2のコアを引き抜く工程と、
 前記中空積層体における前記第2のコアが引き抜かれた領域を押圧してフランジ状に成形する工程と、
 前記中空積層体を成形型内に配置する工程と、
 成形型内に配置した中空積層体に内圧を付与しながら加熱して樹脂と強化繊維とを一体化する工程と、
 を含むことを特徴とするフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法。
 先端にフランジ部を一体に持つ繊維強化樹脂中空部品を内圧成形法により成形する方法であって、
 予備成形した中空樹脂コアの先端に第2のコアを接続する工程と、
 前記中空樹脂コアと第2のコアの外周に強化繊維を積層して中空積層体を形成する工程と、
 前記中空積層体から前記第2のコアを引き抜く工程と、
 前記中空積層体における前記第2のコアが引き抜かれた領域を押圧してフランジ状に成形する工程と、
 前記中空積層体を成形型内に配置する工程と、
 成形型内にマトリックス用樹脂を注入する工程と、
 成形型内に配置した中空積層体に内圧を付与しながら加熱して樹脂と強化繊維とを一体化する工程と、
 を含むことを特徴とするフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法。
 前記中空積層体を成形型内に配置する工程の前の工程として、前記中空積層体の中空樹脂コア内に加圧用バッグを挿入配置する工程を含み、前記成形型内に配置した中空積層体への内圧の付与を、前記加圧用バッグに圧力を付与することによって行うことを特徴とする請求項2または3に記載のフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法。
 前記中空積層体を成形型内に配置する工程の前の工程として、前記中空積層体の中空部とフランジ状とされた部分との境界領域に縫い込みを入れる工程をさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載のフランジ付き繊維強化樹脂中空部品。
 請求項2または3に記載のフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法であって、中空樹脂コアおよび第2のコアの外周に強化繊維を積層する工程をブレイディング法による組糸の編み込みにより行うことを特徴とするフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法。
 請求項6に記載のフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法であって、前記ブレイディング法による組糸の編み込みを、軸線に対する組角度が0度である組糸層と軸線に対する組角度がθ度である組糸層とを交互に編み込むことによって行うとするフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法。
Description:
フランジ付き繊維強化樹脂中空 品およびその成形方法

 本発明は先端にフランジ部を一体に持つ 維強化樹脂中空部品およびその成形方法に する。

 自動車部品の一つとして、一端にフラン を持つ中空部品が多く用いられる。フラン 部は他の部材と結合するときの結合基板と て用いられ、また本体部分を中空とするこ により、部品としての軽量化を図っている 従来、この種の中空部品は主に金属材料に り作られていたが、より軽量化した中空部 として、繊維強化樹脂を用いて成形するこ が試みられている。

 繊維強化樹脂(FRP)は、熱硬化性樹脂や熱 塑性樹脂のマトリックス樹脂と強化繊維と 一体化したものであり、軽量でかつ強度特 に優れている。用いられる熱硬化性樹脂の としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポ シ樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることが き、熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチ ン、ポリプロピレン、ポリアミド等を挙げ ことができる。強化繊維としては、炭素繊 、ガラス繊維、アラミド繊維等を挙げるこ ができる。

 繊維強化樹脂を用いて中空の部品を作る 法もいくつか提案されており、その一つに 圧成形法がある。内圧成形法は、成形型の ャビティ内に中空状の成形素材を配置し、 空素材の内側から内圧を加えて中空素材を 形型に密着させた状態とし、その状態で加 成形する方法である。内圧成形法を用いて 維強化樹脂中空部品を成形する場合、成形 にフランジ部を一体成形することは困難で り、従来の繊維強化樹脂中空部品はフラン 部を備えないか、備える場合でも、成形後 繊維強化樹脂中空部品に対して後工程で適 のフランジ部を付加しているのが普通であ 。

 前記した内圧成形法を用いて異形断面の 維強化樹脂中空部品を成形する一例が特許 献1に記載されている。そこでは、断面が円 形のマンドレルにプリプレグを巻回し、その 後マンドレルを引き抜いてプリプレグの中空 部品を作成し、該プリプレグの中空部品の中 空部分に圧力バッグを挿入し、該圧力バッグ が挿入された中空部品を、中空部品の異形状 に対応した形状を有する金型であって異形部 に補充用のプリプレグを配置した金型内に配 置し、次いで、内圧成形法により成形するこ とによって、均質な断面異形のFRP製中空部品 を得るようにしている。

 また、特許文献2には、建築構造で用いる構 造部材とその製造方法が記載されており、そ こにおいて、熱可塑性樹脂等の伸縮可能な材 料からなる中空円筒形状のライナー(型材)の 囲に、強化繊維をブレイディング法により き付けた組み物を作成し、該組み物を成形 内に配置したのち、その強化繊維中に樹脂 含浸し硬化させるようにしている。樹脂含 時には、ライナー(型材)内に加圧空気を供 してライナーが変形するのを防止している

特開2006-123475号公報

特開2003-328498号公報

 特許文献1に記載の方法は、プリプレグを 断面円形のマンドレル(中空コア)に巻き付け その後マンドレルを引き抜いてプリプレグ らなる中空部品を作成するようにしており 所要の肉厚を持つようにプリプレグをマン レルに巻き付けるのに多くの時間を必要と る。また、マンドレルが引き抜かれたプリ レグからなる中空部品は強度的に弱く、圧 バッグを介して加圧しながら成形するとき 、局部的な変形や肉厚の相違が生じたり、 わが発生する可能性がある。また、マンド ルとして断面円形のものを用いることから プリプレグからなる中空部品も実質的に円 形状であり、異形部を持つ成形品とするた に、異形部に相当する個所において成形型 に別途プリプレグを配置することが必要と る。そのために、この内圧成形法では、異 断面であって肉厚がほぼ等しくされた成形 を成形することはできない。さらに、マン レルの引き抜きが前提となることから、曲 り部を持つようなフランジ付き繊維強化樹 中空部品をこの方法により成形することは 難である。先端にフランジ部を備えた成形 を得ようとする場合には、本体部の先端に ランジ部の形状に合わせてプリプレグを組 付けていく作業が必要であり、作業量とし 大きくなる。

 特許文献2に記載の方法は、中空円筒形状 のライナー(型材)に強化繊維をブレイディン 法により巻き付けて中空部品である組み物 成形するようにしており、特許文献2には記 載がないが、この方法を用いることによって 、断面が円形でないあるいは曲がり部を持つ 中空の組み物を比較的容易に作ることができ る。しかし、特許文献2には、先端にフラン 部を備えた繊維強化樹脂中空部品を成形す ことに関しては、何の記載もない。

 従って、本発明は、内圧成形法を用いな ら、成形時にフランジ部を一体成形した繊 強化樹脂中空部品を得ることを第1の課題と する。また、そのフランジ付き繊維強化樹脂 中空部品を容易に成形することのできる成形 方法を得ることを第2の課題とする。

 本発明によるフランジ付き繊維強化樹脂 空部品は、先端に繊維強化樹脂中空部品の 形時に一体成形されたフランジ部を備える とを特徴とする。このフランジ付き繊維強 樹脂中空部品は、充分な強度を備えながら 金属製のフランジ付き中空部品と比較して 量であり、かつ、フランジ部が中空部に対 て一体成形により形成されているので、本 部とフランジ部とのつなぎ目の強度も安定 る。

 また、本発明は、上記の先端にフランジ を一体に持つ繊維強化樹脂中空部品を内圧 形法により成形する方法として、予備成形 た中空樹脂コアの先端に第2のコアを接続す る工程と、前記中空樹脂コアと第2のコアの 周に強化繊維とマトリックス用樹脂とを積 して中空積層体を形成する工程と、前記中 積層体から前記第2のコアを引き抜く工程と 前記中空積層体における前記第2のコアが引 き抜かれた領域を押圧してフランジ状に成形 する工程と、前記中空積層体を成形型内に配 置する工程と、成形型内に配置した中空積層 体に内圧を付与しながら加熱して樹脂と強化 繊維とを一体化する工程と、を含むことを特 徴とするフランジ付き繊維強化樹脂中空部品 の成形方法を開示する。

 さらに、本発明は、上記の先端にフランジ を一体に持つ繊維強化樹脂中空部品を内圧 形法により成形する他の方法として、予備 形した中空樹脂コアの先端に第2のコアを接 続する工程と、前記中空樹脂コアと第2のコ の外周に強化繊維を積層して中空積層体を 成する工程と、前記中空積層体から前記第2 コアを引き抜く工程と、前記中空積層体に ける前記第2のコアが引き抜かれた領域を押 圧してフランジ状に成形する工程と、
 前記中空積層体を成形型内に配置する工程 、成形型内にマトリックス用樹脂を注入す 工程と、成形型内に配置した中空積層体に 圧を付与しながら加熱して樹脂と強化繊維 を一体化する工程と、を含むことを特徴と るフランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成 方法を開示する。

 本発明によるフランジ付き繊維強化樹脂 空部品の成形方法では、中空樹脂コアとそ 先端に接続した第2のコアとの連続体に対し て強化繊維を積層し中空積層体を得るように しており、強化繊維の積層は容易である。そ のようにして形成した中空積層体から第2の アを引き抜き、その引き抜いた領域の強化 維を押圧して例えば扁平なフランジとして 成するので、フランジ部は中空部である本 部と連続したものとなり、強度的にも安定 たものとなる。また、それを成形型内に配 し、配置した中空積層体に内圧を付与しな ら加熱して樹脂と強化繊維とを一体化する うにしており、本体部である中空部とフラ ジ部とが連続した繊維強化樹脂により一体 形された、軽量かつ高強度のフランジ付き 維強化樹脂中空部品が得られる。

 本発明によるフランジ付き繊維強化樹脂 空部品の成形方法において、好ましくは、 記中空積層体を成形型内に配置する工程の の工程として、前記中空積層体の中空樹脂 ア内に加圧用バッグを挿入配置する工程を み、前記成形型内に配置した中空積層体へ 内圧の付与を、前記加圧用バッグに圧力を 与することによって行うようにする。

 この態様では、強化繊維を巻き付けるた の部材と内圧成形時に付与される内圧が直 作用する部材とを、中空樹脂コアおよび加 用バッグとして分離したことにより、中空 脂コアをマンドレルとしての機能のみを果 すものとすることができ、そのために薄肉 と軽量化が可能となる。そして、内圧付加 に用いる加圧用バッグは、成形後の中空部 から除去されるので、十分に軽量化したフ ンジ付き繊維強化樹脂中空部品を得ること できる。

 また、中空樹脂コアは得ようとする繊維 化樹脂中空部品に形状に合わせて予備成形 たものであり、その中空樹脂コアは中空積 体にそのまま残されるので、ほぼ等しい肉 を持つ3次元異形断面のフランジ付き繊維強 化樹脂中空部品を、容易にかつ低コストで成 形することができる。

 本発明によるフランジ付き繊維強化樹脂 空部品の成形方法において、中空樹脂コア よび第2のコアの外周に強化繊維を積層する 方法に特に制限はないが、任意の形状の中空 部品を得やすいことから、積層をブレイディ ング法による組糸の編み込みにより行うこと は、好ましい。さらに、より薄い肉厚で曲げ に対する大きな強度が得られる等の理由から 、ブレイディング法による組糸の編み込みを 、軸線に対する組角度が0度である組糸層と 線に対する組角度がθ度である組糸層とを交 互に積層するようして積層していくことは、 より好ましい態様である。

 なお、本発明において、予備成形した中 樹脂コアおよび第2のコアの外周に強化繊維 とマトリックス用樹脂とを積層して中空積層 体を形成する工程における強化繊維とマトリ ックス用樹脂との積層は、強化繊維層とマト リックス用樹脂層とを順次積層することばか りでなく、強化繊維と繊維状のマトリックス 用樹脂とを糸状に編み込んだものを中空樹脂 コアの外周に積層していくことも含んでいる 。

 本発明によるフランジ付き繊維強化樹脂 空部品の成形方法において、好ましくは、 記中空積層体を成形型内に配置する工程の の工程として、前記中空積層体の中空部と ランジ状とされた部分との境界領域に縫い みを入れる工程をさらに含むようにする。 の態様では、内圧成形時に、付与された内 によって、フランジ状に押圧された部分が 要に開いてしまうのを確実に阻止すること できる。

 本発明によれば、軽量でかつ強度的に極 て安定したフランジ付き繊維強化樹脂中空 品が得られる。また、本発明による成形方 よれば、異形断面や曲がり部を持つフラン 付き繊維強化樹脂中空部品を、十分に軽量 した状態で、かつ肉厚もほぼ等しい状態で 容易にかつ低コストで成形することができ 。

本発明の方法で用いる予備成形した中 樹脂コアと第2のコア一例を示す図であり、 図1(a)は分解した状態を、図1(b)は一体に接続 た状態を示す。 中空積層体の一例を説明する図。 図2に示す中空積層体から第2のコアを き抜く状態示す図。 第2のコアが引き抜かれた領域を押圧し てフランジ状に成形した状態の中空積層体を 示す図。 図4に示す中空積層体の他の形態を示す 図。 中空積層体を成形型内に配置し、フラ ジ付き繊維強化樹脂中空部品として成形す 一例を説明する図。 中空積層体の他の例を説明する図。 図7に示す中空積層体を成形型内に配置 し、フランジ付き繊維強化樹脂中空部品とし て成形する他の例を説明する図。 中空積層体をフランジ付き繊維強化樹 中空部品として成形するさらに他の例を示 図。

符号の説明

10…中空樹脂コア、11…開放端、12…閉鎖端 、13…曲がり部、14…内部空間、15…第2のコ 、20、20A…中空積層体、21…強化繊維層(ブレ イディング層)、22…軸線に対する組角度が0 である組糸層、23…軸線に対する組角度がθ である組糸層、24…マトリックス用樹脂フ ルム、26…フランジ状部分、27…縫い込み、3 0…加圧用バッグ、40,40A…成形型、41…加圧空 気供給バルブ、42…排気ポート、43…樹脂注 ポート、44…樹脂タンク、45…マトリックス 樹脂、50…フランジ付き繊維強化樹脂中空 品

 以下、図面を参照した実施の形態の説明 基づき、本発明をより詳細に説明する。

 図1に示す中空樹脂コア10は、一端11側は 放し、他端12側は閉鎖し、途中には曲がり部 13を有する形状であり、内部は空間14となっ いる。中空樹脂コア10は、ABS樹脂、PS樹脂、P C樹脂等の熱可塑性樹脂で作られており、好 しくは、後記する繊維強化樹脂中空部品を 形するときの温度で軟化はするが溶融はし い樹脂材料が用いられる。肉厚としては1mm 後のものでよい。真空成形等によって2分割 を作りそれを接着して図示のような形状と てもよく、ブロー成形等によって一体成形 たものであってもよい。中空樹脂コア10の 法は、成形しようとするフランジ付き繊維 化樹脂中空部品50の外形から肉厚分内側にオ フセットした寸法であることが望ましい。な お、ここで肉厚分とは、フランジ付き繊維強 化樹脂中空部品50における中空部での繊維強 樹脂の厚さをいっている。

 15は第2のコアであり、この例ではアルミ ウム材から作られた中空筒体である。第2の コア15は、その一端側が中空樹脂コア10の閉 端12側に適宜の手段で装着できるような形状 とされている。長さは成形しようとするフラ ンジ部の長さに応じて設定される。なお、第 2のコア15はそこに積層される強化繊維の圧力 に耐える材料であれば、アルミニウム材に限 らず、樹脂材料等の任意の材料で作ることが できる。

 図1(b)に示すように、中空樹脂コア10の閉 端12側に第2のコア15を仮接合する。その外 に強化繊維を積層して強化繊維層21を形成し 、得ようとする繊維強化樹脂中空部品の形状 に近似した形状の中空積層体20とする。ここ 、強化繊維とは従来知られた繊維強化樹脂 用いられている強化繊維であってよく、例 ば、炭素繊維が好適に用いられる。中空樹 コア10および第2のコア15は、常温あるいは 温以下で行う強化繊維の積層の際には、コ (マンドレル)として十分な剛性を保ち、強化 繊維層の肉厚を管理しながら積層することが 容易である。中空樹脂コア10および第2のコア 15の外周に強化繊維を積層する方法も任意で るが、好ましくは、従来知られたブレイデ ング法(円筒織り)を用いて、織り角を調整 ながら積層する。この際に、中空樹脂コア10 の細径部は組角度θを小さく、大径部は組角 θを大きくとることにより、織り目の詰ま 状態を制御しながら織り込むことで、隙間 ないブレイディング層(強化繊維層)21を形成 ることができる。

 さらに好ましくは、図2に示すように、中 空樹脂コア10および第2のコア15の外周に強化 維を積層するときに、図2のA-A断面に示すよ うに、軸線に対する組角度が0度である組糸 22と、軸線に対する組角度がθ度である組糸 23とを交互に積層する。なお、図では4層の 化繊維層21を示しているが、層の数は任意 あり、求められる強度を考慮して適宜な層 とする。この形態の強化繊維層21とすること により、長手方向の引き張り強度を向上させ 、またコントロールすることができる。それ により、同じ強度の中空積層体20をより肉薄 強化繊維層21で形成することができ、軽量 にも資することができる。作業に要する時 も短縮でき、プリプレグを手貼りにより積 する場合には4~5時間かかる工程を、30分以下 に抑えることができる。

 図2に示す例では、組糸層22と組糸層23と 間に、マトリックス用樹脂フィルム24をさら に積層している。マトリックス用樹脂は、不 飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ イミド樹脂等の熱硬化性樹脂でもよく、ポリ エチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の 熱可塑性樹脂でもよい。得ようとするフラン ジ付き繊維強化樹脂中空部品50の用途や求め れる物性値等を勘案して適宜選択する。例 ば、自動車用のピラーをフランジ付き繊維 化樹脂中空部品50で製造する場合には、熱 化性樹脂を用いることが望ましい。

 形成した中空積層体20から、図3に示すよ に、仮接合しておいた第2コア15を引き抜く 引き抜いた後、中空積層体20における第2コ 15が存在していた領域を適宜の手段で上下 ら押圧し、図4に示すように、フランジ状部 26を形成する。フランジ状部分26は平板状に 形成するのが普通であるが、フランジ付き繊 維強化樹脂中空部品50の使用態様に応じて曲 を持つ形状、曲がり部を持つ形状等に押圧 てもよい。

 好ましくは、図5に示すように、少なくと も前記フランジ状部分26と中空部分の境界領 に、ミシン等を用いて、縫い込み27を入れ 。この縫い込みは図示のようにフランジ状 分26の全域に行ってもよい。縫い込みに用い る糸は、強化繊維層21を形成する糸と同一材 のもの(例えば、炭素繊維)が好ましいが、 可塑性樹脂等の一般的な糸を用いることも きる。

 次に、形成した中空積層体20の前記中空 脂コア10の内部空間14内に、加圧用バッグ30 挿入配置する。加圧用バッグ30は、成形時に 加圧用バッグ30内に付与される圧力を、前記 た中空樹脂コア10を介して強化繊維層21に伝 達する役目を果たすものであり、弾性があり かつ変形が容易な材料、例えば合成ゴムやナ イロンシート、ウレタンシート等の樹脂シー トのような材料で作られる。加圧用バッグ30 形状は中空樹脂コア10の内面側の形状と一 していることが望ましいが、内圧が掛かる とにより変形して中空樹脂コア10の内面に密 着できる形状であれば、中空樹脂コア10の内 側の形状に近似した形状であってよい。

 そして、図6に示すように、中空樹脂コア 10の内部空間14に加圧用バッグ30を挿入した中 空積層体20を、ヒータ(不図示)を備えた成形 40のキャビティ内に配置する。成形型40は、 記中空樹脂コア10の開放した端部11が位置す る個所に、加圧空気供給バルブ41を備えると に、キャビティ空間を真空ポンプPに接続す る排気ポート42を備える。また、前記した中 積層体20に形成したフランジ状部分26に対応 したキャビティ領域も備える。

 成形型40を閉じた後、真空ポンプPを作動 て、キャビティ内の真空引きを行う。それ より、中空積層体20の強化繊維層21内は脱気 される。その状態でヒータを作動し、強化繊 維層間に配置したマトリックス用樹脂フィル ム24の溶融温度にまで昇温する。それにより 溶融した樹脂は繊維間に含浸していく。樹 が溶融し含浸を開始した前後に、加圧空気 給バルブ41を開き、加圧用バッグ30に加圧空 気を供給する。圧力は、0.1MPa~1MPa程度であっ よく、より高い圧力であってもよい。加圧 気の供給により加圧用バッグ30には内圧が かり、その圧力は軟化した中空樹脂コア10を 介して強化繊維層21を外側に膨出させる。そ により、強化繊維層21はキャビティ内面に し付けられた姿勢となり、賦形される。こ 賦形は、前記のように弾性がありかつ変形 容易な材料で作られた加圧用バッグ30から作 用する圧力で行われるので、強化繊維層21の 空部分に対応する全域にほぼ等しい圧力が 用し、異形断面を備えた領域においても、 厚が不均一になることはない。

 キャビティ内にフランジ状部分26には前 加圧用バッグ30からの圧力は作用せず、型締 めによってのみ賦形がなされる。しかし、内 圧は、ラフンジ状部分26と中空部分の境界領 に作用し、フランジ状部分26を開く方向に 形させようとする。前記した縫い込み27は、 この変形を防止するために設けられる。

 マトリックス用樹脂が熱硬化性樹脂の場 には、さらに硬化温度まで昇温し、その温 を保持する。それにより、樹脂は強化繊維 の間でマトリックスを組むようにして硬化 、繊維強化樹脂となる。樹脂の硬化終了後 加圧用バッグ30の内圧を抜き、冷却して成 型を開く。成形型から樹脂の硬化したフラ ジ付き繊維強化樹脂中空部品を取り出し、 圧用バッグ30を除去することにより、本発明 による十分に軽量化したフランジ付き繊維強 化樹脂中空部品50が得られる。

 図7は、本発明によるフランジ付き繊維強 化樹脂中空部品50の成形方法の他の形態で用 る中空積層体20Aを示している。この中空積 体20Aは、マトリックス用樹脂フィルム24を 維層22、23の間に介装していない点でのみ、 2に示した中空積層体20と相違している。他 構成は同じであってよく、同じ部材には同 符号を付して説明は省略する。

 図8は、前記中空積層体20Aを成形型40A内に 配置してフランジ付き繊維強化樹脂中空部品 50を成形する場合を説明している。ここで、 形型40Aは樹脂注入ポート43を備え、樹脂タ ク44からマトリックス用樹脂45が前記ポート4 3を介してキャビティ内に供給できるように っている。他の構成は、図6に示した成形型4 0と同じであり、同じ部材には同じ符号を付 て説明は省略する。

 成形に当たっては、中空樹脂コア10の内 空間14内に加圧用バッグ30を挿入した中空積 体20Aを、成形型40Aのキャビティ内に配置す 。成形型40を閉じた後、真空ポンプPを作動 て、キャビティ内の真空引きを行う。また その状態でヒータを作動してマトリックス 樹脂45の溶融温度にまで昇温し、樹脂注入 ート43からマトリックス用樹脂45をキャビテ 内に供給する。供給されたマトリックス用 脂45は繊維間に含浸していく。十分な量の 脂が供給された時点で、樹脂注入ポート43を 閉じる。

 樹脂供給が開始した前後に、加圧空気供 バルブ41を開き、加圧用バッグ30に加圧空気 を供給する等、それ以降の手順は、図6に基 き説明した成形手順と同じであり、説明は 略する。この成形方法によっても、全体に ぼ等しい肉厚でありかつ十分に軽量化した ランジ付き繊維強化樹脂中空部品50を得るこ とができる。

 図9は、中空積層体20をフランジ付き繊維 化樹脂中空部品50として成形するさらに他 例を示している。ここで用いる中空積層体20 は図4または図5で説明したものと同じであり 成形型40も図6で説明したものと同じである ただ、成形に当たって、前記した加圧用バ グ30を用いず、加圧空気供給バルブ41から入 り込む加圧空気の圧力を、直接中空樹脂コア 10の内面に作用させている点で相違する。中 樹脂コア10が充分な気密性を有している場 には、この成形方法も可能である。この成 方法は、図8に基づき説明した中空積層体20 成形型40Aを用いる成形方法にも適用するこ ができる。

 上記したように、本発明による成形方法 得られるフランジ付き繊維強化樹脂中空部 50は、中空本体部分とフランジ部とが連続 る繊維強化樹脂によって一体に作られてお 、軽量でありながらフランジ部およびその 空本体部分との境界部も含めて高い機械的 度を備えたフランジ付き繊維強化樹脂中空 品50となる。

 なお、本発明による成形方法は、3次元的 異形断面を有しかつ曲がり部を持つような形 状のフランジ付き繊維強化樹脂中空部品50を るのに特に好適に用いられるが、それに限 ず、断面が円形のような単純断面のフラン 付き繊維強化樹脂中空部品50あるいは直線 のフランジ付き繊維強化樹脂中空部品50を作 るのにも用いうることは当然である。

 また、上記の説明では、第2のコア15を筒 のものとして説明したが、フランジとなる 域の周長が一致することを条件に、開放し 湾曲板のような形状であってもよい。