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Patent Searching and Data


Title:
FIBER STRUCTURE AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111442
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a fiber structure comprising (A) a single fiber having a fiber diameter of 3 μm or more and/or a fiber bundle having a fiber bundle diameter of 3 μm or more and (B) a single fiber having a fiber diameter of 1 μm or less, wherein the component (A) has a number average fiber diameter and/or a number average fiber bundle diameter of 4 μm or more, at least a part of the component (B) is dispersed in the component (A) in a monofilamentous state in the cross-section taken in the thickness-wise direction of the fiber structure, at least a part of the component (B) dispersed in the monofilamentous state is bent and/or tangled to form a void space, and at least one surface of the fiber structure is covered with the component (B).

Inventors:
HASHIMOTO, Takafumi (Toray Industries Inc., 1-1, Sonoyama 1-chome, Otsu-sh, Shiga 58, 5208558, JP)
橋本 貴史 (〒58 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社 滋賀事業場内 Shiga, 5208558, JP)
NONAKA, Shuichi (Toray Industries Inc., 1-1, Sonoyama 1-chome, Otsu-sh, Shiga 58, 5208558, JP)
野中 修一 (〒58 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社 滋賀事業場内 Shiga, 5208558, JP)
Application Number:
JP2008/053910
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TORAY INDUSTRIES, INC. (1-1 Nihonbashi-Muromachi 2-chome, Chuo-ku Tokyo, 66, 1038666, JP)
東レ株式会社 (〒66 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号 Tokyo, 1038666, JP)
HASHIMOTO, Takafumi (Toray Industries Inc., 1-1, Sonoyama 1-chome, Otsu-sh, Shiga 58, 5208558, JP)
橋本 貴史 (〒58 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社 滋賀事業場内 Shiga, 5208558, JP)
NONAKA, Shuichi (Toray Industries Inc., 1-1, Sonoyama 1-chome, Otsu-sh, Shiga 58, 5208558, JP)
International Classes:
D03D15/00; D04H1/435; D04H1/46; D04H1/498; D04H3/011; D04H3/016; D04H3/018; D04H5/03
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Claims:
 (A)繊維径3μm以上の単繊維および/または繊維束径3μm以上の繊維束並びに(B)繊維径1μm以下の単繊維からなる繊維構造体であり、前記(A)の数平均繊維径および/または数平均繊維束径が4μm以上であり、かつ、前記繊維構造体を厚み方向に切断した断面において、前記(B)の少なくとも一部は(A)の間に単繊維状に分散され、かつ前記単繊維状に分散された(B)の少なくとも一部は屈曲および/または絡合により空隙を形成しており、さらに繊維構造体の少なくとも一方の表面が前記(B)により覆われていることを特徴とする繊維構造体。
 前記(A)の繊維束が数平均繊維径1μm以下の単繊維からなることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体。
前記屈曲および/または絡合により形成された空隙が、繊維構造体の断面をSEM写真で観察したとき、その横断面が観察できる繊維と、この横断面が観察されない繊維が存在するが、そのうち横断面の観察されない繊維のみによって囲まれた空隙であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維構造体。
 表面の光反射率が80%以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の繊維構造体。
 通気度が2cc/cm 2 /sec以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の繊維構造体。
溶解性の異なる複数のポリマーからなるポリマーアロイ繊維を含む繊維構造体を形成し、該ポリマーアロイ繊維の溶解性の異なる複数のポリマーのうちの少なくとも1種を除去して繊維径10~1000nmの極細繊維を発現せしめて該極細繊維が集合した繊維束とし、該極細繊維が集合した繊維束を含む繊維構造体に0.1~20MPaの高圧流体流を噴射することを特徴とする繊維構造体の製造方法。
前記ポリマーアロイ繊維が、溶解性の異なる複数のポリマーを押出混練機および/ または静止混練器でポリマーアロイとなしてから紡糸して得られたものであることを特徴とする請求項6に記載の繊維構造体の製造方法。
前記極細繊維が集合した繊維束が、数平均による繊維直径が10~300nmであり、かつ繊維直径が10~300nmの極細繊維の数比率が60%以上である繊維束であることを特徴とする請求項6または7に記載の繊維構造体の製造方法。
請求項1に記載の繊維構造体を製造することを特徴とする請求項6に記載の繊維構造体の製造方法。
Description:
繊維構造体およびその製造方法

 本発明は、繊維を単繊維状に分散させて る繊維構造体およびその製造方法に関する

 単繊維直径が2~5μmの所謂マイクロファイ ーは、従来からめがね拭きやレンズ、電子 器のディスプレイ用のワイピングクロス等 好適に利用されている。最近では、さらに 帛の緻密化により拭き取り性や寸法安定性 向上させるため、マイクロファイバーと高 縮糸の混繊糸からなるものも提案されてい (特許文献1)。

 しかし、従来のワイピングクロスはワイ ング操作により、対象物によっては、対象 そのものを傷付けやすい場合があった。さ に、日常生活中のワイピングでは、ワイピ グ中にワイピングクロスと対象物との間に 物が混入し、さらに大きなスクラッチ傷を りやすいものであった。このため、従来の イピングクロスの適用範囲はメガネや家庭 デジタルビデオカメラの液晶画面などに限 されており、例えばコンタクトレンズや銀 品などの柔らかで傷つきやすい対象物には 用できないという問題があった。

 さらに従来のワイピングクロスは、対象 中の微細な凹凸に入り込んだ汚れに対して 拭き取り性は充分とは言えないものであっ 。これは、従来のマイクロファイバーは単 維直径が2~5μm程度であり、対象物に押しつ た場合、対象物表面に応力集中が起こりや いことが傷を付けやすい一因と考えられる また、ワイピングクロスと対象物との間に 物が混入した場合は、さらに異物が押しつ られるため、異物により研磨している状態 なり、スクラッチ傷が発生しやすいと考え れる。また、対象物のミクロンレベルの凹 に汚れが入り込んでいる場合は、凹凸のサ ズよりもマイクロファイバー単繊維が小さ としても、マイクロファイバーの曲げ剛性 まだ大きく、凹凸に沿ってたわんで入り込 ないため、汚れを掻き出せないこともワイ ング性が不十分なことの原因の1つであると 推測される。

 これに対し、有機ポリマーからなり数平均 よる単繊維直径が1~500nmである所謂ナノファ イバーを含むワイピングクロスが提案されて いる。(特許文献2)
しかし、このワイピングクロスに含まれるナ ノファイバーは、1本1本の直径はナノオーダ であるが、かかるナノファイバーは凝集力 非常に強いために、繊維構造体としてはそ らが数百本~数万本凝集した直径数μmの束と なって存在している。従って上記マイクロフ ァイバーを用いてなるワイピングクロスの問 題点をある程度は解決しているものの、完全 に満足いくレベルには至っていない。

 一方、ハードディスク、シリコンウエハ 集積回路基盤や精密機器、光学部品につい は、ますます要求される性能が高度化して り、それに伴って、基板表面加工の一層の 精度化が必要となっている。ここでいう基 表面加工の高精度化とは、具体的には主と て基板表面の平滑性の向上とスクラッチの 減であり、これらの問題を解決する手段と て、例えば極細繊維(ミクロンレベル)を用 て織物状としたもの(例えば特許文献3)や、 織布状としたもの(例えば特許文献4)が開示 れている。極細繊維を用いることにより、 粒にかかる力が分散されたり、スクラッチ 原因となる砥粒の凝集や研磨屑の生成が抑 されることにより、これらの技術はある程 の効果はあるものの、さらなる改善が求め れている。

 また、さらに細い繊維としてナノファイバ を用いた研磨布も開示されているがこの場 もワイピングクロスの場合と同様、ナノフ イバーが束状になっているため本来の繊維 の細さを十分活かしきれておらず、十分な 果は得られていない。
ところで、極細繊維を含んでなる布帛に高圧 流体流を噴射することは公知であるが、いず れも本発明とはその目的、効果が異なるもの である。

 例えば、特許文献5に主として0.2~0.00001デニ ルの超極細繊維からなる糸を主体とした織 物を作り、次いで少なくとも5~200Kg/cm 2 の液体を多数の小孔より該織編物に噴射させ て織編物を収縮させることを特徴とする超極 細繊維織編物の製造方法が開示されている。 しかし、該技術は織物に含まれる極細繊維を 絡ませることを目的としており、そのため、 流体の圧力が高すぎると繊維の切断が起こる ので好ましくない旨が記載されている。

 また、特許文献6には、単繊維繊度が0.001 シテックス以上、1.0デシテックス以下の合 繊維で構成された布帛であって、該布帛が 圧水流処理された編織物からなることを特 とする皮膚洗浄用布帛、およびその製造方 として、海島構造または剥離構造を有する 合繊維を用いて製織または編成してなる布 を熱水中またはアルカリ液中で処理し、海 分を除去、または剥離した後、高圧水流処 することを特徴とする皮膚洗浄用布帛の製 方法が開示されている。その製造方法から らかな通り、該技術の極細繊維は連続糸で り、繊維間隙を適度に広げることを目的と ている。

 さらに、特許文献7には、数平均による単糸 繊度が1.3×10 -5 ~3.2×10 -4 dtex であり、単糸繊度1.3×10 -5 ~3.2×10 -4 dtexの単糸繊度比率の和が60%以上であるナノ ァイバー集合体から形成されてなることを 徴となる人工皮革が例示されており、その で、高圧水流処理を行っても良いことが記 されている。しかし、かかる高圧水流処理 繊維構造体を構成する繊維を絡合せしめて 維構造体の強力を高めたり、繊維を繊維構 体の厚み方向に配向させて風合いを改善す ことが目的であり、ポリマーアロイ繊維か 1成分を除去して極細繊維を発現させる前に 合処理を施している。

 また、内部に微多孔を有するポリウレタ などの樹脂からなる研磨パッドや、比較的 維径の太い繊維からなる不織布にポリウレ ンなどの樹脂を含浸してなる研磨パッドが 案されているが(例えば、特許文献8参照)、 磨した表面の平滑性、スクラッチなどの欠 の少なさ、研磨効率を全て満足するものは られていない。

 このような研磨パッドは研磨によって生じ 研磨屑や凝集砥粒を排出する目的で表面の で孔の占める割合が多い構造となっており かかる構造は、研磨屑や凝集砥粒の排出に 有利である反面、研磨に必要な砥粒も同時 排出されるために砥粒の使用効率が低いと う問題点があった。

特開平9-19393号公報

特開2005-307379公報

特開平11-90810号公報

特開2003-236739号公報

特開昭60-39439号公報

特開2005-23435号公報

特開2004-256983号公報

特開平3-234475号公報

 本発明は、極細繊維が束にならずに単繊 状に分散している繊維構造体およびその製 方法を提供するものである。本発明による 、繊維の柔軟性、高い表面積という極細繊 本来の特徴最大限発揮できるので、研磨布 びクリーニング布に好適な繊維構造体を得 ことが出来る。かかる繊維構造体は研磨布 して用いた場合、砥粒を効率よく利用でき と同時に、スクラッチなどの欠点の非常に ない研磨を行うことができ、平滑性および 磨レートに優れた研磨布として有用である さらには、汚れ除去性に優れたワイピング ロスとしても用いることができる。

 上記課題を解決するための本発明は、以下 構成を特徴とするものである。
(1)(A)繊維径3μm以上の単繊維および/または繊 束径3μm以上の繊維束並びに(B)繊維径1μm以 の単繊維を有する繊維構造体であり、前記(A )の数平均繊維径および/または数平均繊維束 が4μm以上であり、かつ、前記繊維構造体を 厚み方向に切断した断面において、前記(B)の 少なくとも一部は(A)の間に単繊維状に分散さ れ、かつ前記単繊維状に分散された(B)の少な くとも一部は屈曲および/または絡合により 隙を形成しており、さらに繊維構造体の少 くとも一方の表面が前記(B)により覆われて ることを特徴とする繊維構造体。
(2)前記(A)の繊維束が数平均繊維径1μm以下の 繊維からなることを特徴とする前記(1)に記 の繊維構造体。
(3)前記屈曲および/または絡合により形成さ た空隙が、繊維構造体の断面をSEM写真で観 したとき、その横断面が観察できる繊維と この横断面が観察されない繊維が存在する 、そのうち横断面の観察されない繊維のみ よって囲まれた空隙であることを特徴とす 前記(1)または(2)に記載の繊維構造体。
(4)表面の光反射率が80%以上であることを特徴 とする前記(1)~(3)のいずれかに記載の繊維構 体。
(5)通気度が2cc/cm2/sec以下であることを特徴と る前記(1)~(4)のいずれかに記載の繊維構造体 。
(6)溶解性の異なる複数のポリマーからなるポ リマーアロイ繊維を含む繊維構造体を形成し 、該ポリマーアロイ繊維の溶解性の異なる複 数のポリマーのうちの少なくとも1種を除去 て繊維径10~1000nmの極細繊維を発現せしめて 極細繊維が集合した繊維束とし、該極細繊 が集合した繊維束を含む繊維構造体に0.1~20MP aの高圧流体流を噴射する、ことを特徴とす 繊維構造体の製造方法。
(7)前記ポリマーアロイ繊維が、溶解性の異な る複数のポリマーを押出混練機および/ また は静止混練器でポリマーアロイとなしてから 紡糸して得られたものであることを特徴とす る前記(6)に記載の繊維構造体の製造方法。
(8)前記極細繊維が集合した繊維束が、数平均 による繊維直径が10~300nmであり、かつ繊維直 が10~300nmの極細繊維の数比率が60%以上であ 繊維束であることを特徴とする前記(6)また (7)に記載の繊維構造体の製造方法。
(9)前記(1)に記載の繊維構造体を製造すること を特徴とする前記(6)に記載の繊維構造体の製 造方法。

 本発明によれば、極細繊維が単繊維上に 散した繊維構造体を容易に得ることができ 。かかる繊維構造体は研磨布として用いた 合は、単繊維状に分散された極細繊維に研 荷重が分散されるので、平滑性の高い均一 研磨を行うことができる。さらに、極細繊 間に適度な空隙が存在するため、砥粒を保 する能力が高く、研磨布として用いた場合 砥粒の凝集が抑制されてスクラッチが発生 にくく、ワイパーとして用いた場合は、汚 を取り込む能力が高い。

 また、本発明の繊維構造体は、従来の研 布等に用いられる繊維構造体に比べて、微 の空隙を繊維間に多数有し、緻密である。 って、微粒子が繊維構造体内部に浸透しに く、研磨布として用いた場合に、繊維構造 の表面に保持される砥粒の割合が多いため 均一かつ効率の高い研磨を行うことが出来 。また、内部に微細な空間を有しているた 、適度な柔軟性、クッション性を有してお 、被研磨物の平滑性向上、スクラッチ低減 有利である。また、繊維構造体の内に太い 繊維または繊維束が存在するため、強力に れている。さらには、ワイピングクロスな に用いた場合のふき取り性能にも優れてお 、拭き残しの少ない高性能な研磨布を提供 ることができる。

実施例1で作成した複合シートIの断面 形状を示すSEM写真である。 実施例4で作成した織物IIの断面の形状 示すSEM写真である。 比較例2で作成した織物IIの断面の形状 示すSEM写真である。 実施例4で作成した織物IIの断面の形状 示す高倍率のSEM写真である。

符号の説明

1:実施例1で作成した複合シートII内の繊維束 例
2:実施例1で作成した複合シートII内の単繊維 に分散した繊維の例
3:実施例1で作成した複合シートII内の単繊維 織布中の繊維の例
4:実施例4で作成した織物II内の繊維束の例(黒 い部分)
5:実施例4で作成した織物II内の単繊維状に分 した繊維の例(白く見える部分)
6:実施例4で作成した織物II内の繊維束の集合
7:実施例4で作成した織物II内の繊維束の例
8:実施例4で作成した織物II内の単繊維状に分 した繊維及びそれらの屈曲/絡合により形成 される空隙の例

 以下に、本発明に係る繊維構造体および の製造方法について、望ましい実施の形態 ともに詳細を説明する。

 本発明の繊維構造体における(A)の繊維は 繊維径3μm以上かつ数平均繊維径4μm以上の 繊維あるいは繊維束径3μm以上かつ数平均繊 束径4μm以上の繊維束またはこれらの両方( 下、通常繊維および/または繊維束というこ がある)を指すものである。

 さらに、(B)の繊維は、繊維径1μm以下の単 繊維(以下、極細繊維ということがある)を指 ものである。

 かかる(A)および(B)を有する構造体がシー 状に形成されてなるものであり、さらには 繊維構造体を厚み方向に切断した断面にお て、(B)の少なくとも一部が(A)の通常繊維お び/または繊維束の間に単繊維状に分散(単 散)されて存在するものである。

 (A)の単繊維または繊維束は細すぎると、 発明の目的である繊維繊維構造体の強度向 効果が得られないため、(A)の繊維は単繊維 または繊維束径が3μm以上であり、かつ数平 均繊維径または数平均繊維束径が4μm以上で る必要がある。また、(A)の単繊維または繊 束は太すぎると、繊維構造体の表面の平滑 が低下する傾向にあるため、(A)の数平均繊 径または数平均繊維束径は20μm以下であるこ とが好ましい。また、(A)の繊維のみからなる 繊維構造体はその表面の平滑性が不十分とな ったり、研磨布として用いた場合に、繊維間 の空隙が大きくなって砥粒の均一保持性が低 下したり、砥粒にかかる研磨圧力が分散され にくくなるため、本発明に係る繊維構造体は 、単繊維径が1μm以下である極細繊維(B)を有 る必要がある。また、(B)の繊維は細すぎる 、表面の耐摩耗性が低下する傾向があるた 、(B)の数平均繊維径は10nm以上であることが ましい。

 なお、本発明では、単繊維径または繊維 径は、繊維構造体表面または断面を、透過 電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM) で観察し、画像処理ソフト等を用いるか、印 刷した写真上で直接、計測するかして求める 。また、数平均繊維径または数平均繊維束径 は、同様の方法で、同一表面、または断面内 で無作為抽出した30本の単繊維直径または繊 束直径を測定し、その単純平均値を求め、 れを数平均繊維径または数平均繊維束径と る。なお、繊維の断面が真円形でない場合 、その繊維の断面積を求め、その面積に相 する円の直径をその繊維の繊維径とする。

 また、本発明でいう繊維束とは、複数の 繊維が繊維長手方向に実質的に同じ方向に って、かつ、実質的に隙間無く並んでいる 態の繊維集合体をいう。ここでいう、単繊 が実質的に隙間無く並んでいる状態とは、 維集合体における繊維の横断面において、 繊維間の隙間の面積の合計が、繊維集合体 断面積の10%以下である状態をいう。なお、 維構造体の横断面を切断して観察する場合 繊維同士の融着を抑えるために、繊維構造 を液体窒素中に浸漬して凍結させた後に、 きるだけ鋭利な刃物を使用することが必要 ある。

 なお、単繊維が非常に密に集合してなる 維束であって、かつ、繊維束を構成する単 維が、非常に細い場合や、比較的融点の低 ポリマーで構成されている場合、例えば極 繊維束の場合は、断面を切断する際に、繊 同士が融着して繊維束内に隙間が全く見ら ない場合があるが、このような場合は、繊 間の隙間がゼロであると見なす。

 本発明の繊維構造体は、(A)の通常繊維お び/または繊維束が存在することにより、研 磨布やワイピングクロスとして十分な強力を 得ることができ、かつ、単繊維状に分散した (B)極細繊維と、通常繊維および/または繊維 が混在してなることにより、研磨布やワイ ングクロスとして使用する際に、極細繊維 脱落を抑えることができる。また、かかる 細繊維の脱落をより抑える目的で、ポリウ タン等の樹脂をバインダーとして含有する ともできるが、むしろ極細繊維同士は絡合 融着により固定されていることにより、ス ラッチの原因となる凝集した砥粒や、研磨 が存在したとき、繊維が動くことにより、 研磨物にかかる力を緩和することができ、 の結果、平滑性の高い、スクラッチなどの 陥の少ない研磨を行うことができるので、 細繊維は樹脂で固定されていないことが好 しい。

 また、ここでいう、単繊維状に分散した 維とは、実質的にそれぞれの単繊維がばら らに存在している繊維をいう。本発明にお て、繊維が単繊維状に分散しているか否か 、以下のようにして判断する。繊維構造体 表面をTEMあるいはSEMで観察し、1000倍以上の 倍率で拡大した画像から、1つの繊維を選び その繊維の繊維径が2μm未満の場合は20μm以 、繊維径が2μm以上の場合は繊維径の10倍の さ以上の長さで、他の繊維と連続して接し いない場合、その繊維は単繊維状に分散し いるとする。本発明においては、繊維構造 を厚み方向に切断した断面において見たと 、上述した(B)の極細繊維が(A)の通常繊維お び/または繊維束の間に単分散状に分散して ることが重要である。かかる細い繊維が単 維状に分散していることにより、繊維の柔 性が発揮されると同時に、繊維構造体の構 的な均一性も向上する。かかる、単分散し 繊維の割合は多い方が好ましい。具体的に 、繊維構造体の断面において、(A)の間に単 散している繊維の、単分散していない繊維 対する本数の割合は、10:1以上が好ましく、 50:1以上がより好ましい。

 また、繊維構造体を厚み方向に切断した 面において見たとき、前記(A)の単繊維また 繊維束の断面積が、繊維構造体断面積に占 る割合は、少なすぎると繊維構造体の強力 形態安定性が不十分となり、逆に多すぎる 繊維構造体の柔軟性やクッション性が不十 となるため、10%以上が好ましく、20%以上が り好ましく、30%以上がさらに好ましい。一 で、90%以下が好ましく、80%以下がより好ま く、70%以下がさらに好ましい。

 また、繊維構造体を厚み方向に切断した 面において見たとき、これらの単繊維状に 散した繊維の少なくとも一部が、屈曲ある は絡合、または屈曲および絡合(以下、屈曲 および/または絡合ということがある)により 微小な空隙を形成していることが好ましい かかる空隙により、本発明の繊維構造体に 度なクッション性を与えることができ、研 布として使用する場合、研磨圧力の特定箇 への集中を抑制し、スクラッチを低減でき のである。前記(B)の繊維の内で、かかる、 曲および/または絡合した繊維の割合は、以 下のようにして測定する。すなわち、繊維構 造体断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)または走 型電子顕微鏡(SEM)で観察し、前記(B)の単繊 の中から任意に選んだ100本の単繊維のうち 屈曲および/または絡合した単繊維の本数の 合を求めるものとする。かかる屈曲および/ または絡合した繊維の割合は(B)の繊維全体の 20%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、 60%以上が更に好ましい。

 また、本発明の繊維構造体を構成するも 1つの要素である、(A)の繊維束は、数平均繊 維径が1μm以下の単繊維からなることが好ま い。かかる細い単繊維からなる繊維束であ ことにより、繊維構造体の強力や形態安定 を十分高いものとすることができる。また かかる、(A)の繊維束の最表面に存在する細 繊維と(A)の繊維束間に存在する(B)の単繊維 に分散した極細繊維との間に絡合が形成さ ることにより、(A)の繊維束と(B)の単繊維状 分散した繊維が一体化するが、この一体化 よって繊維構造体の強力、形態安定性が向 する効果もある。かかる(A)の繊維束を構成 る繊維と(B)の単繊維状に分散した繊維は、 者が一体化しやすい点から、同一の素材か なる繊維であることが好ましい。

 また、単繊維の屈曲および/または絡合に より形成される空隙について説明する。繊維 構造体の中には、一般に空隙が存在するが、 この空隙は以下の2種類に分類できる。1つは 繊維同士が完全に密着できないことにより じる単なる繊維間の隙間であり、3本以上の 繊維の断面に囲まれて繊維の長手方向に沿っ てできる。一方、それ以外に、1本の単繊維 ループを形成したり、複数の繊維の交差点 より囲まれてなる空隙があり、これを本発 における単繊維の屈曲および/または絡合に り形成される空隙という。上記2種類を区別 する方法は以下の通りである。

 すなわち、繊維構造体の断面をSEM等で拡 して観察すると、その横断面が観察できる 維と、この横断面が観察されない繊維が存 する。本発明における単繊維の屈曲および/ または絡合により形成される空隙とは、後者 である「横断面の観察されない繊維」のみに よって囲まれた空隙のことをいう。なお、こ こで、横断面の観察されない繊維と横断面の 観察される繊維の両方により囲まれた空隙は 、本発明の目的とする、繊維構造体の弾力性 付与の効果が低いため、単繊維の屈曲および /または絡合により形成される空隙とは見な ない。

 本発明の繊維構造体においては、比較的 い(A)の単繊維または繊維束の間に細い(B)の 繊維が存在しており、結果として繊維構造 は、従来の研磨布等に用いる繊維構造体に 較して、全体として大きな空隙は殆ど存在 ないが、微小の空隙が多く存在する構造と っている。従って、研磨布として使用した 合、砥粒が繊維構造体の内部に移動せず、 維構造体の表面に残るため、効率良く、か 均一に研磨を行うことができる。かかる効 は、本発明の繊維構造体において、通常繊 または繊維束の間を埋めるように単繊維状 分散した極細繊維が混在することによるも である。ところで、通常、研磨は、砥粒を 等の液体に分散させたスラリーを供給しな ら行うが、その場合、スラリーに含まれる 体の研磨布に対する通液性が低いと、研磨 の表面に膜状の液体の層が形成され、研磨 と被研磨物の接触が少なくなり、研磨の効 が大幅に低下する場合がある。しかしなが 、本発明においては、上記微小な空隙によ 、スラリー中の液体を吸収・排出すること でき、かかる研磨効率の低下を防ぐことが 来る。また、かかる微小な空隙が存在する とにより、繊維構造体の柔軟性、特に厚み 向のクッション性が改善され、研磨布とし 用いた場合に、平滑性に優れ、スクラッチ 少ない研磨を行うことが出来る。

 また、本発明の繊維構造体は、少なくと 一方の表面が(B)の極細繊維で覆われている 維構造体である必要がある。

 本発明における繊維構造体の表面が(B)の 細繊維で覆われている状態は、以下の方法 判定する。まず、繊維構造体の表面の任意 場所をTEMあるいはSEMで観察し、画像処理ソ ト等を用いるか、印刷した写真上で直接、 測するかして、無作為抽出した30本の単繊 直径を測定し、その繊維径が1μm以下である とを確認する。次に、繊維構造体の表面をS EMまたは光学顕微鏡で50倍の倍率で観察し、 面に実質上空隙が無いことを確認する。こ でいう、表面に実質上空隙がないというの 、上記50倍の倍率で観察して、10μm2以上の大 きさの空隙が2mm角の領域内に10個以下である とをいう。

 本発明においては、上記、表面を覆って る(B)の繊維は単繊維状に分散していること 好ましい。ここでいう、単繊維状に分散し 繊維の定義は、上記と同じである。

 また、本発明の繊維構造体は、表面の光 射率が80%以上であることが好ましい。ここ 光反射率が高いということは、繊維構造体 表層が緻密であり、かつ、細い繊維が束(バ ンドル)を形成せず、単分散に近い状態で開 していることを意味している。すなわち、 維構造体を研磨布として用いる場合、かか 光反射率の高い構造であることにより、研 の際に砥粒が研磨布の内層に移動せずに表 に留まり、かつ、砥粒がしっかり繊維に把 されて凝集砥粒が少ないため、平滑性に優 た研磨を行うことができる。光反射率が80% 満の場合、上記砥粒を保持するための繊維 開繊度合いが不十分であるため、光反射率 80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい なお、本発明の光反射率はJIS P8152(2005年度 )で規定される、標準白色板の光反射率を100% とした場合の相対値であり、理論上、上限は 無く、本発明の繊維構造体によっては、光反 射率が100%を超える場合もある。ただ、後述 ように光反射率を高めようとして繊維径を くしすぎると、繊維が切れやすくなり、研 が不安定になる場合もあるため、光反射率 110%以下が好ましい。かかる光反射率の高い 維構造体は、表層の繊維を非常に細くし、 つ、緻密な状態で存在せしめることにより 成できる。ここで、光反射率は繊維構造体 面の繊維の比表面積の大きさによって決ま 。即ち、比表面積が大きいほど、反射率は くなる。本発明においては、表層は実質的 繊維のみからなり、光反射率を80%以上にす には、一見、隙間無く繊維が表層を覆って るように見える位に、緻密に、細い繊維を 層に存在させる必要がある。隙間無く繊維 表層を覆っているように見える位に、繊維 緻密に存在させるには、全ての繊維を直線 にまっすぐ並べるとよいが、そのような状 では、繊維同士を固定する力が存在しない め、形態を保つことができず、研磨布とし 用いることが可能な繊維構造体とすること できない。従って、繊維同士を交差させて ったり、編んだり、或いは絡合させたりし 、繊維間の摩擦により、形態を維持する必 がある。この繊維同士の交差点間の距離が いほど、繊維間の距離が小さくなり、結果 して光反射率を高くすることが出来る。こ 繊維同士の交差点間の距離は、繊維が曲が やすいほど、小さくすることができるため 表層の繊維を細くすることが重要である。 の他、繊維を強い力で曲げることによって 成することもできる。すなわち、例えば、 繊維の径を1μm以下と細くすることや、高圧 流体流の力で強制的に繊維をランダムに曲げ て絡合間距離を小さくする方法により、光反 射率を高くすることができる。特に、高圧流 体流を噴射する方法は、繊維の束をばらけさ せて、単繊維状にすることにより、実質的に 繊維を細くする効果もあるので、好ましい方 法である。

 ここで、本発明における光反射率とは、 の方法で測定した値を言う。すなわち、分 光度計を用いて380~780nmの1nmごとに測定した 射率の平均反射率を、繊維構造体の任意の 置の表層部分より採取した3点のサンプルに ついて測定し、それらの値を単純平均して求 めた反射率である。標準白色板は装置に添付 のものを用いる。

 また、本発明の繊維構造体は通気度が2cc/ cm2/sec以下であることが好ましい。

 ここでいう通気度はJIS L-1096(1999年度版) 規定の方法(フラジール形法)に基づき測定し た値を用いる。なお、本発明の繊維構造体は 、繊維を主体として構成されており、該繊維 構造体内に微小な空隙が多数存在しているた め、理論上は通気度はゼロとはならないが、 上記JIS L-1096(1999年度版)に規定の方法では、 置の測定限界以下になる場合もある。よっ 、本発明においては、繊維構造体の通気度 下限を指定することは困難であり、実質上 ゼロが下限となる。

 また、かかる通気度を測定する場合、繊 構造体の表面が表になるように、測定装置 セットして測定を行う。通気度が低いとい ことは、繊維構造体の緻密さ、繊維間の空 の小ささ、特に、大きな空隙が少ないこと 意味している。すなわち、かかる通気度の い構造であることにより、研磨の際に砥粒 繊維構造体の内層に移動せずに表面に留ま 、効率の良い研磨を行うことができる。従 は研磨布として発泡ポリウレタンや、不織 にポリウレタンを含浸したもの、織編物な が用いられてきたが、これらの研磨布にお ては、通気度が小さいと凝集した砥粒や研 屑を排出できないとされていた。そこで、 泡構造の孔や、繊維間の空隙を大きくして 通気度を高くする技術が知られていた(例え ば、特開2001-198797号公報)が、通気度を低くし て高性能の研磨布を得るという発想は存在し なかった。本発明は実質的に少なくとも一方 の表面が繊維で覆われた、繊維のみの構造と することにより、凝集砥粒や研磨屑が存在し ても繊維の動く自由度が高いために過剰な荷 重が分散され、大きな繊維間の空隙がなくて も、スクラッチの発生を抑えられるというこ とを見出した。

 かかる通気度の低い繊維構造体は、表層 繊維間の空隙を非常に小さくし、かつ緻密 状態で存在させることにより、繊維構造体 表層の通気度を低くすることがさらに重要 あり、したがって、表層の通気度が2cc/cm2/se c以下であることが好ましい。ここでいう表 の通気度は以下のようにして測定する。

 繊維構造体の厚さが0.3mmを超える場合は 繊維構造体の厚みをスライスまたはバフな の研削により調節し、表層側の繊維構造体 厚さが0.3mmとなるように試料を調整し、JIS L -1096(1999年度版)に規定の方法(フラジール形法 )に基づき測定した値を用いる。この場合、 維構造体が損傷し、穴が開いたり、極端に い部分が存在しないようにしなければなら い。また、繊維構造体の厚さが0.3mm以下の場 合は上記スライスや研削は行わずにそのまま 測定した通気度を表層の通気度とする。なお 、後述するように、本発明の繊維構造体と他 の繊維構造体、板状体、フィルムなどを複合 一体化している場合は、複合した他の繊維構 造体、板状体、フィルム等を剥離または研削 等した上で、通気度を測定する。

 また、本発明の繊維構造体の製造方法は 解性の異なる複数のポリマーからなるポリ ーアロイ繊維を含む繊維構造体を形成し、 溶解性の異なるポリマーの少なくとも1種を 除去することによって繊維径10~1000nmの極細繊 維を発現せしめることによって得られた、該 極細繊維が集合した繊維束を含む繊維構造体 に0.1~20MPaの高圧流体流を噴射することを特徴 とする。

 本発明でいうポリマーとはポリエステル ポリアミド、またはポリオレフィンに代表 れる熱可塑性ポリマーやフェノール樹脂な のような熱硬化性ポリマー、DNAのような生 ポリマーのことをいうが、熱可塑性ポリマ が成型性の点から好ましい。中でもポリエ テルやポリアミドに代表される重縮合系ポ マーは融点が高いものが多く、より好まし 。また、後で説明する溶解性の異なるポリ ーの少なくとも1種を除去した後に発現する 極細繊維となるポリマーの融点は165℃以上で あると極細繊維の耐熱性が良好であり好まし い。例えば、ポリ乳酸(PLA)は170℃、ポリエチ ンテレフタレート(PET)は255℃ 、ナイロン6(N 6)は220℃である。また、ポリマーには粒子、 燃剤、帯電防止剤などの添加物を含有させ いてもよい。また、ポリマーの性質を損な ない範囲で他の成分が共重合されていても い。

 また、本発明において溶解性の異なると 、ある溶媒に対する溶解性が異なることを い、溶媒とは、水、アルカリ溶液や酸性溶 、また有機溶媒、さらには超臨界流体等の とを言うものである。かかる溶解性の差は の特性に影響が無い範囲で大きければ大き ほど、溶解性の高いポリマーのみを選択的 除去できるので、工程の安定性の点で好ま い。なお、以下では、相対的に溶解性の高 ポリマーを易溶解性ポリマー、相対的に溶 性の低いポリマーを難溶解性ポリマーとも す。

 次に本発明におけるポリマーアロイ繊維 ついて説明する。本発明の製造方法におい は、溶解性の異なる2種類以上のポリマーを アロイ化したポリマーアロイ溶融体となし、 これを紡糸した後、冷却固化して繊維化する 。そして必要に応じて延伸・熱処理を施しポ リマーアロイ繊維を得る。

 ここで、極細繊維の前駆体であるポリマ アロイ繊維中で易溶解性ポリマーを海(マト リックス)、難溶解性ポリマーを島(ドメイン) となし、その島サイズを制御することが重要 である。ポリマーアロイ繊維の海成分を除去 することによって、島成分が極細繊維となる からである。ここで、島サイズは、ポリマー アロイ繊維の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM) て観察し、直径換算で評価したものである 前駆体中での島サイズにより極細繊維の直 がほぼ決定されるため、島サイズの分布は 発明の極細繊維の直径分布に準じて設計さ る。このため、アロイ化するポリマーの混 が非常に重要であり、本発明では混練押出 や静止混練器等によって高混練することが ましい。

 かかるポリマーアロイから得られるポリ ーアロイ繊維を用いることが本発明では重 である。すなわち、一旦アロイ化したポリ ーを作成してから、繊維化することにより 終的に得られる極細繊維の太さが均一にな と同時に、極細繊維の長さも有限長となる め、後の高圧流体流の処理により容易に均 に分散させることが可能となる。これは単 種のポリマーからなる複数のポリマー流を 糸機や口金内で複合する方法や1種類のポリ マーからなるチップを混合して直接紡糸する 方法によって得られる繊維では達成すること ができない。

 具体的に混練を行う際の目安としては、 み合わされるポリマーにもよるが、混練押 機を用いる場合は、2軸押出混練機を用いる ことが好ましく、また静止混練器を用いる場 合は、その分割数は100万以上とすることが好 ましい。

 また、島が小さいほうが最終的に得られ 繊維が細くなる点から好ましいが、それに ポリマーの組み合わせも重要である。

 なお、極細繊維断面を円形に近づけるた には、島ポリマーと海ポリマーは非相溶で ることが好ましい。しかしながら、単なる 相溶ポリマーの組み合わせでは島ポリマー 十分微分散化し難い。このため、組み合わ るポリマーの相溶性を最適化することが好 しいが、このための指標の一つが溶解度パ メータ(SP値)である。SP値とは(蒸発エネルギ ー/モル容積)1/2で定義される物質の凝集力を 映するパラメータであり、SP値が近い物同 では相溶性が良いポリマーアロイが得られ 可能性がある。SP値は、種々のポリマーで知 られているが、例えば、「プラスチック・デ ータブック」旭化成アミダス株式会社/ プラ スチック編集部共編、189ページ等に記載され ている。2つのポリマーのSP値の差が1~9(MJ/m3)1/ 2であると、非相溶化による島ドメインの円 化と超微分散化が両立させやすく好ましい 例えば、N6とPETはSP値の差が6(MJ/m3)1/2程度で り好ましい組合せの例であるが、N6とポリエ チレン(PE)はSP値の差が11(MJ/m3)1/2程度であり好 ましくない例として挙げられる。

 また、ポリマー同士の融点差が20℃以下 あると、特に押出混練機を用いた混練の際 押出混練機中での融解状況に差を生じにく ため高効率混練しやすく、好ましい態様で る。また、熱分解や熱劣化し易いポリマー 1成分に用いる際は、混練や紡糸温度を低く える必要があるが、これにも有利となるの ある。ここで、ポリマーが非晶性ポリマー 場合は、融点が存在しないためガラス転移 度や熱変形温度あるいはビカット軟化温度 これに代える。

 さらに、溶融粘度も重要であり、島を形 するポリマーの方の溶融粘度を低く設定す と剪断力による島ポリマーの変形が起こり すいが、島ポリマーを過度に低粘度にする 海化しやすくなり、繊維全体に対するブレ ド比を高くできないため、島ポリマー粘度 海ポリマー粘度の1/10以上とすることが好ま しい。

 また、島ポリマーのブレンド比は繊維構 体の目付を高くする観点から重要である。 ば、島ポリマーのブレンド比が10重量%であ と、残りの90重量%の海ポリマーを全て除去 ると、繊維構造体の目付は最初の1/10程度と なるため、繊維構造体がルーズな構造となり 寸法安定性が大きく低下してしまう。繊維構 造体の寸法安定性を向上させるためには、島 ポリマーのブレンド比はポリマーアロイ繊維 全体に対し20重量%以上であることが好ましく 、より好ましくは40重量%以上である。ただし 、島ポリマーのブレンド比を大きくすると島 化しにくくなるため、海ポリマーとの溶融粘 度バランスにもよるが島ポリマーのブレンド 比を60重量%以下とすることが好ましい。

 ポリマーアロイ中では、島ポリマーと海 リマーが非相溶であるため、島ポリマー同 は凝集した方が熱力学的に安定である。し しながら、島ポリマーを無理に超微分散化 るために、このポリマーアロイでは通常の 散径の大きいポリマーブレンドに比べ、非 に不安定なポリマー界面が多くなっている このため、このポリマーアロイを単純に紡 すると、不安定なポリマー界面が多いため 口金からポリマーを吐出した直後に大きく リマー流が膨らむ「バラス現象」が発生し り、ポリマーアロイ表面の不安定化による 糸性不良が発生し、糸の太細斑が過大とな ばかりか、紡糸そのものが不能となる場合 ある。このような問題を回避するため、口 から吐出する際の、口金孔壁とポリマーと 間の剪断応力を低くすることが好ましい。 こで、口金孔壁とポリマーとの間の剪断応 はハーゲンポワズユの式(剪断応力(dyne/cm2)=R ×P/2L)から計算する。ここでR:口金吐出孔の半 径(cm)、P:口金吐出孔での圧力損失(dyne/cm2)、L: 口金吐出孔長(cm)である。またP=(8LηQ/πR4)であ り、η:ポリマー粘度(poise)、Q:吐出量(cm3/sec)、 π:円周率である。CGS単位系の1dyne/cm2はSI単位 では0 .1Paとなる。

 例えば、通常のポリエステルの溶融紡糸 は、口金孔壁とポリマーとの間の剪断応力 1MPa以上であるが、本発明のようなポリマー アロイを溶融紡糸する際は0 .3MPa以下とする とが好ましい。このためには、口金孔径は きく、口金孔長は短くする傾向であるが、 度にこれを行うと口金孔でのポリマーの計 性が低下し、繊度斑や紡糸性悪化が発生し しまうため、吐出孔より上部にポリマー計 部を有する口金を用いることが好ましい。 リマー計量部は、具体的には孔径を吐出孔 り絞った部位とすることが好ましい。

 また、溶融紡糸での曳糸性や紡糸安定性 十分確保する観点から、口金面温度は海ポ マーの融点から25℃以上とすることが好ま い。上記したように、本発明で用いる超微 散化したポリマーアロイを紡糸する際は、 糸口金設計が重要であるが、糸の冷却条件 重要である。上記したようにポリマーアロ は非常に不安定な溶融流体であるため、口 から吐出した後に速やかに冷却固化させる とが好ましい。このため、口金から冷却開 までの距離は1~15cmとすることが好ましい。 こで、冷却開始とは糸の積極的な冷却が開 される位置のことを意味するが、実際の溶 紡糸装置ではチムニー上端部でこれに代え 。

 紡糸速度は特に限定されないが、紡糸過 でのドラフトを高くする観点から高速紡糸 ど好ましい。紡糸ドラフトとしては100以上 することが、得られる極細繊維直径を小さ する観点から好ましい態様である。

 また、紡糸されたポリマーアロイ繊維に 、延伸と熱処理を施すことが好ましいが、 伸の際の予熱温度は島ポリマーのガラス転 温度(Tg)以上の温度とすることで、糸斑を小 さくすることができる。

 また、かかるポリマーアロイ繊維の形態 しては、単純な単成分の丸断面繊維の他に 、異種あるいは同種のポリマーからなる複 繊維、捲縮繊維、異形断面繊維、中空繊維 仮撚加工繊維等、短繊維からなる紡績糸、 バリング糸、強撚糸な目的に応じて適宜選 することができる。

 次に、かかるポリマーアロイ繊維を含む 維構造体を形成する。繊維構造体としては 特に限定は無く、織物、編物、不織布及び れらの複合体、さらに、フィルム、発泡ポ ウレタン樹脂等の繊維以外との複合体を例 することができる。編物としては、サテン リコット編、ゴム編、ハーフトリコット編 パイル編、平編、両面編などが、代表例と て挙げられるが、特にこれらに限定されな 。織物としては、1重、2重、3重、多重組織 平織、綾織、朱子織など、さらには2重ビロ ード、単・複パイル2重ビロード、両面ビロ ド、チンチラ織などが、代表例として挙げ れるが、特にこれらに限定されない。また 不織布としては、一旦、ポリマーアロイか なる短繊維を形成した後、カードや抄紙に り不織布を得る方法や、ポリマーアロイか メルトブロー法やスパンボンド法により直 不織布を形成する方法を採用することがで る。

 上記繊維構造体に、必要に応じて、樹脂 薬品を付与したり、表面を起毛、プレス等 加工したり、ニードルパンチにより繊維を 断したり、高圧流体流で繊維を絡合するこ もできる。また、ニードルパンチや高圧流 により、繊維構造体同士をバインダーを用 ずに、複合体とすることができる。

 本発明は、このようにして得られたポリ ーアロイ繊維を含む繊維構造体から海ポリ ーである易溶解ポリマーを溶剤で溶出する とで、極細繊維が集合した繊維束を得る。 こでポリマーアロイ繊維から海ポリマーを 出して得られる極細繊維の本数が多いほど ポリマーアロイ繊維中でのポリマーの混合 合いが良く、極細繊維の長さも短くなる。 って高圧流体流で処理した後の繊維の分散 に優れるのである。ポリマーアロイ繊維か 易溶解ポリマーを溶出する溶剤としては水 液系の溶剤を用いることが環境負荷を低減 る観点から好ましい。具体的には、中性~ア ルカリ性の水溶液を用いることが好ましい。

 ここでいう中性~アルカリ性の水溶液とは 、pH6~14を示す水溶液であり、使用する薬剤等 は特に限定されるものではない。例えば有機 または無機塩類を含む水溶液で上記範囲のpH 示すものであればよく、水酸化ナトリウム 水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナ リウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ 属塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ ム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる また、必要によりトリエタノールアミン、 エタノールアミン、モノエタノールアミン のアミンや減量促進剤、キャリアー等を併 することもできる。中でも水酸化ナトリウ が価格や取り扱いの容易さ等の点で好まし 。さらにシートに上述の中性~アルカリ性の 水溶液処理を施した後、必要に応じて中和、 洗浄して残留する薬剤や分解物等を除去して から乾燥を施すことが好ましい。

 このため、易溶解ポリマーとしては、ポ エステル等のアルカリ加水分解されるポリ ーやポリアルキレングリコールやポリビニ アルコールおよびそれらの誘導体等の熱水 溶性ポリマーが好ましく用いられる。

 このような製造方法により、繊維長が数 μmから場合によってはcmオーダー以上の極 繊維が集合した繊維束が得られるのである

 また、本発明においては、極細繊維の直 は1μm以下である必要があるが、10nm~1μmであ ることがである。繊維径が10nm未満では繊維 力が低すぎるために、強力や耐摩耗性が不 分となり、研磨布、ワイパー等に用いるこ が出来ない。また、繊維径が1μm超えるもの は極細繊維の特長である柔軟性や高い表面 が得られないうえに、高圧流体流による繊 の分散効果も非常に小さく、本発明の目的 達成することができない。

 なお、上記極細繊維が集合した繊維束が 数平均による繊維直径が3μm以上であること が必要であるが、該繊維束を構成する極細繊 維の直径が10~500nmの極細繊維の数比率が60%以 である繊維束であることは、繊維径の均一 が高く、また、太い繊維が混在していない めに、高圧流体流で処理した後に、繊維が 度に分散された平滑性の高い表面を得るこ が出来るので好ましい。

 なお、本発明において、極細繊維の直径 TEMによる繊維横断面写真を画像処理ソフト 用い、極細繊維断面積を求め、該極細繊維 面が円であると仮定して単繊維直径を計算 より求める。

 本発明の製造方法は、かかる極細繊維束 含む繊維構造体に高圧流体流を噴射するこ を特徴とする。ここでいう高圧流体流を噴 するとは、0.1MPa以上の液体を繊維構造体に 突させることであり、極細繊維を単分散・ 繊することが目的である。かかる処理に用 る液体としては作業性、コスト、衝突エネ ギー量、効率などの点から液体としては水 好ましい。水の中に他の成分、例えば、有 溶剤、アルカリ、酸、染料、樹脂、平滑剤 柔軟剤、シリコーン、ウレタンなどを混合 た水溶液、分散液、乳化液なども含む。か る高圧流体の圧力としては、0.1~20MPaとする 、1~10MPaが好ましい。圧力が低いと、上記の 極細繊維の分散効果が十分でなく、圧力が高 すぎると、極細繊維が処理中に脱落したり、 繊維構造体が破断するので好ましくない。な お、ここでいう流体流の圧力とはノズル内部 での流体の圧力をさす。高圧流体を噴射する ノズルの口径は、50~700μm、好ましくは100~500μ m程度のものであり、ノズルの間隔は1mm以下 好ましい。また、噴射時間、回数について 、任意に選択できる。複数回の処理を行う 合は、処理するごとに圧力、処理速度を変 ることもできる。

 なお、かかる高圧流体流を噴射する前に 繊維構造体に水浸漬処理を行ってもよい。 らに表面の品位を向上させるために、ノズ ヘッドと不織布を相対的に移動させる方法 交絡後に不織布とノズルの間に金網等を挿 して散水処理する方法等を行うこともでき 。

 かかる処理においては、繊維構造体の表 に均一に高圧流体流が噴射されることが好 しい。具体的には、水流があたった繊維構 体の表面の面積を繊維構造体の全表面積で ったカバーファクターが80%以上であること 好ましい。カバーファクターを高める方法 しては、ノズルヘッドをシートの走行方向 直角に揺動させたり、ノズルを千鳥上に配 させたり、パターンの異なるノズルで複数 処理することにより達成することが出来る かかるカバーファクターは例えば以下の方 で計算することができる。

 (1)1列に並んだ円孔を有するノズルを固定し て用いる場合
円孔の直径をR、円孔のピッチ(中心の間隔)を Pとすると、カバーファクターは下記の式1で めることが出来る。

 (2)1列に並んだ円孔を有するノズルを揺動し て用いる場合
円孔の直径をR、円孔のピッチ(中心の間隔)を P、シートの進行方向に対して円孔からの水 の軌跡が為す角度をθとすると、カバーファ クターは下記の式2で求めることが出来る。

ここで、揺動の幅をL(mm)、シートの走行速 をS(mm/秒)、揺動の周波数をC(Hz)とすると、 記式2は下記の式3で求めることができる。

 (3)複数回処理を行う場合等
1列のノズルで複数回処理を行う場合は処理 とのカバーファクターを上述の方法で求め 得られたカバーファクターの和を処理全体 カバーファクターとする。また、1つのノズ に2列、3列等、複数の列で孔が存在する場 は、それぞれの列を1回の処理と見なしてカ ーファクターを求め、得られたカバーファ ターの和を処理全体のカバーファクターと る。

 また、高圧流体の流体温度は常温~100℃ま で任意の温度が適用可能である。繊維構造体 は、有孔メツシュの金網や開口部のあるドラ ムなどに乗せ、ベルトコンベアなどの運搬方 式で、走行させ、連続的に処理を行なうのが 好ましい。ノズルを編織物の長さ方向、ある いは幅方向に揺動させることができるし、片 面だけでなく両面処理を行うことも出来る。

 特開昭60-39439号公報に記載された技術は 物に含まれる極細繊維を絡ませることを目 としており、そのため、流体の圧力が高す ると繊維の切断が起こるので好ましくない が記載されている。一方、本発明の目的は 維束を構成している極細繊維を単分散させ 繊維構造体の表面に均一に分布させること 目的であり、極細繊維からなる繊維束を実 上切断することから、上記技術とは根本的 発想が異なる。本発明の方法により、表面 外観が極細繊維が膜状に表面を覆っている 維構造体が得られ、その優れた表面の平滑 、均一性により、研磨布として用いた場合 は研磨後の基板の平滑性が向上する。また 繊維の実質的な表面積も大きくなるため、 イピングクロスとして用いた場合の拭き取 性も著しく向上する。

 また、特開2005-23435号公報とは、布帛を構 成する極細繊維を高圧水流で処理するという 点では本発明と共通する。しかし、その製造 方法から明らかな通り、該技術の極細繊維は 連続糸であり、繊維間隙を適度に広げること を目的としている。一方、本発明は極細繊維 を単分散させて繊維構造体表面に均一に分布 させることを目的としており、目的とする効 果及び処理によって得られる繊維構造体の形 態として全く異なる。

 さらに、特開2004-256983号公報には、ナノ ァイバー集合体から形成された人工皮革が 示され、高圧水流処理を行ってもよいこと 記載されている。しかし、かかる高圧水流 理は繊維構造体を構成する繊維を絡合せし て繊維構造体の強力を高めたり、繊維を繊 構造体の厚み方向に配向させて風合いを改 することが目的であり、ポリマーアロイ繊 から1成分を除去して極細繊維を発現させる に絡合処理を施していることからも、本発 の技術とは思想、効果の点で全く異なるも である。

 上記高圧流体流を噴射した後に、100℃以 の温度で熱処理することは本発明の好まし 態様の1つである。本発明によって得られる 繊維構造体は、極細繊維が凝集してなる繊維 束を流体の運動エネルギーおよび場合によっ ては膨潤作用により単分散させたものである が、それにより繊維構造体の形態保持性は低 下する。また、単分散した極細繊維は脱落し やすくなるため、クリーンルーム内で使用す るワイパー等、用途によっては使用できない 場合がある。そのような場合は、単分散した 極細繊維を上記熱処理により部分的に融着さ せることにより、繊維構造体の形態保持性を 改善したり、繊維の脱落を防止することがで きる。かかる熱処理の温度は100℃以上、好ま しくは120℃以上、さらには130℃以上が好まし い。また、繊維を構成するポリマーが溶融す ると、極細繊維の特徴である柔軟性が損なわ れて、研磨布やワイピングクロスとして用い た場合にスクラッチが発生するため、上記ポ リマーの融点以下、好ましくは融点よりも10 以上低い温度で処理することが好ましい。

 かかる熱処理の方法は特に制限は無く、 下に例示する方法から目的に応じて適宜選 することができる。例えば、温度の高い空 に曝す方法、赤外線を照射する方法、高温 水蒸気に曝す方法、熱水に浸漬する方法等 採用することができる。また、その際の装 としては、被処理物をコンベア等で移送さ る連続式乾燥機や、タンブラー等のバッチ の乾燥機、スチーマー、液流染色機等を例 することができる。

 また、繊維構造体が複数の層からなるこ は用途によっては好ましい様態の1つである ため、複数の繊維構造体を積層することも好 ましい。ここでいう繊維構造体が複数の層か らなるとは、上記表層と形態、繊維からなる 層を、1つ以上、該繊維構造体中に含むこと いう。かかる複数の層を含むことにより表 が極細繊維が単分散したという特徴を有し がら、繊維構造体全体としての強力、弾性 圧縮特性、透水性等の特性も所望の範囲に 正化することができる。例示すると、上述 表層の下層に、より繊維系の太い繊維から る不織布層を配することによりクッション を付与することができる。また、織物を複 することにより強力を向上せしめ形態安定 を改善することができる。また、表層を親 性ポリマー、下層を疎水性ポリマーとする とにより、基板と接している表層に選択的 水分を保持することにより研磨やクリーニ グの効率を向上させることができる。

 かかる表層およびそれ以外の層に含まれ 繊維を構成するポリマーは繊維形成能を有 る高分子であれば特に限定されるものでは く、目的や用途に応じて種々のものを選択 ることができる。例えば、本発明の繊維構 体を研磨布として用いる場合は研磨する基 の材質や用いる砥粒等で、研磨布に使用す 繊維種を変更することもできる。また、耐 耗性や砥粒の保持性や分散性、表面平滑性 観点からは、繊維を構成するポリマーがポ アミドであることが好ましい。ポリアミド しては、たとえばナイロン6、ナイロン66、 イロン610、ナイロン12、等のアミド結合を するポリマーを挙げることができる。一方 基板材質が堅い場合等には繊維を構成する リマーがポリエステルであることが好まし 。特に、ガラス基板からなる記録ディスク テクスチャー加工用研磨布としては、直接 ラスを研削するために、高い研削力が必要 るため好ましい用途となる。なお、ポリエ テルとしては、ジカルボン酸またはそのエ テル形成性誘導体及びジオールまたはその ステル形成性誘導体から合成されるポリマ であって、繊維として用いることが可能な のであれば特に限定されるものではない。 体的には、例えば、ポリエチレンテレフタ ート、ポリトリメチレンテレフタレート、 リテトラメチレンテレフタレート、ポリシ ロヘキシレンジメチレンテレフタレート、 リエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレー ト、ポリエチレン-1,2-ビス(2-クロロフェノキ )エタン-4,4’-ジカルボキシレート等が挙げ れる。本発明は、中でも最も汎用的に用い れているポリエチレンテレフタレートまた 主としてエチレンテレフタレート単位を含 ポリエステル共重合体が好適に使用される

 上記複数の繊維構造体を積層する方法と ては特に限定はなく、以下に例示する方法 採用することができる。例えば複数の繊維 造体を積層した状態でニードルパンチや高 流体流で繊維構造体を繊維の絡合で一体化 せる方法を採用することができる。かかる 法はバインダーを用いる必要がないため繊 構造体の通気性や通液性、柔軟性を損なわ いため好ましい。かかる方法を採用する場 は繊維構造体を構成する繊維がある程度自 に動けることが望ましいため、繊維構造体 短繊維織編物、短繊維不織布、糸長差のあ 複合糸を用いた長繊維織編物、ニードルパ チ等で部分的に切断された長繊維不織布等 ある場合に特に好ましく採用することが出 る。また、繊維構造体同士を接着剤を介し 一体化することもできる。かかる接着剤に に制限はなく、一般のアクリル系、ポリウ タン系、ポリアミド系、ポリエステル系、 ニル系接着剤を用いることが出来る。また 着剤を付与するに当たっては、接着剤をグ ビアロール等で塗布する方法、スプレーで 与する方法、接着剤を含んでなるシートを 層する方法等を採用し、適宜、圧力や熱を えて一体化することができる。

 本発明の製造方法においては、得られる 維構造体の効果を損なわない範囲でウレタ 等の高分子弾性体を付与してもよい。かか 高分子弾性体としては、適宜目的とする風 い、物性、品位が得られるものを種々選択 て使用することができ、例えばポリウレタ 、アクリル、スチレン-ブタジエン等が挙げ られる。この中で柔軟性の点でポリウレタン を用いることが好ましい。ポリウレタンの製 造方法としては、特に限定されるものではな く、従来から知られている方法、すなわち、 ポリマーポリオール、ジイソシアネート、鎖 伸張剤を適宜反応させて製造することができ る。また、溶剤系であっても水分散系であっ てもよいが、作業環境の点で水分散系の方が 好ましい。

 高分子弾性体を含浸する際には、実質的 表面に高分子弾性体が露出しないように、 分注意する必要がある。その観点から、高 子弾性体が含まれる量は、全重量の10%以下 好ましく、5%以下がより好ましく、2%以下が さらに好ましい。また、溶剤系高分子弾性体 を用いる場合は湿式凝固法を採用し、水分散 型高分子弾性体を用いる場合は、感熱凝固性 のものを用いるなど、表面への高分子弾性体 のマイグレーションを抑制することが好まし い。

 しかしながら、本発明によって得られる 維構造体の特徴がより明確であり、従来と 較してより優れる点で、実質的に高分子弾 体を含まず、主として繊維素材からなるこ が好ましい。さらに、繊維素材についても 質的に非弾性ポリマーの繊維からなること 好ましい。

 また、繊維構造体の柔軟性を向上する目 で揉み処理を行ってもかまわない。揉み処 は、一般に風合い加工機や染色機と呼ばれ 装置によっておこなうことができ、具体的 は液流染色機やウィンス染色機、ジッガー 色機、タンブラー、リラクサー等を用いる とができる。本発明において、揉み処理は 圧流体流処理を行った後に行うことが好ま い。高圧流体流処理を行う前に揉み処理を う場合は、その効果は高圧流体流処理によ て大きく低減するため好ましくない。

 さらに、高圧流体流処理を行った後、カ ンダーによって100~250℃の温度で厚みを0.1~0. 8倍に圧縮すると、繊維見掛け密度を増加さ ることができ、また表面平滑性が優れ、容 に表面粗さを本発明の範囲に調整できる点 好ましい。0.1倍未満に圧縮すると風合いが すぎて好ましくない。また0.8倍を越えても いが、圧縮の効果が少なくなる。さらに、10 0℃未満で処理しても、圧縮の効果が少なく り、好ましくない。また250℃を越える温度 処理すると、繊維の融着等によってスクラ チが発生しやすくなるため、好ましくない なお、高圧流体流処理の前に圧縮すると、 圧流体流処理による絡合が進みにくくなる め、好ましくない。

 さらに、繊維構造体の表面にエンボス加 等により凹凸や溝を形成することは、本発 の繊維構造体を研磨布として用いる場合は ましい。かかる表面を有する繊維構造体は 粒や研磨屑の供給、排出が容易であり研磨 均一性向上やスクラッチの低減に有効であ 。

 ここでいうエンボス加工とは凹凸模様を 刻した金属製ローラーと弾力性のある圧縮 ットン、圧縮ペーパーもしくはゴム製等の ーラー間に布帛を通して一定の温度に保ち がら布に凹凸模様をつける加工のことをい 。ここでエンボス柄について記述すると、 柄は特定されるものでないが、梨地柄、格 柄、市松柄、シープ柄やカンガルー柄など 彫刻ローラーが好適に用いられる。

 また、本発明においてエンボス加工され 繊維構造体全体の面積に占める凹面の面積 4%~80%(凸面面積は96%~20%)が好ましく、より好 しくは10%以上、45%以下である。加熱ローラ 温度は、加工速度、押圧、繊維構造体の厚 、エンボス加工回数によって最適条件を選 すればよい。この中で押圧加工における好 しい条件範囲を例示するならば、加工温度 、極細繊維の融点より10℃低い温度以下が 工安定性の点から好ましい。線圧は5~400kg/cm 加工速度は0.5~20m/分で加工、通し回数は1~10 とするとよい。

 また、線圧が400kg/cm以上及び/または加工速 が0.5m/分未満の場合は過度の押圧となり破 が発生するなどの問題があり好ましくない 一方、線圧が5kg/cm未満、加工速度が10m/分を えると押圧作用が不十分となり好ましくな 。
本発明によって得られる繊維構造体は極細繊 維が束を形成しておらず、開繊した状態で存 在しているため、極細繊維の特長である柔軟 さ、表面積の大きさを生かした用途に好適に 用いることが出来る。例えば、眼鏡拭き等の ワイピングクロスに用いた場合、拭き取り性 に優れるのみならず、対象物に傷を生じさせ ないという特長がある。さらにはハードディ スク、シリコンウエハ、集積回路基盤や精密 機器、光学部品などの製造工程で用いられる 研磨布として用いる場合、砥粒を把持する効 果が高いために砥粒の凝集が起こりにくいの でスクラッチの発生が少なく、また、繊維構 造体の平滑性が高いために、被研磨物の表面 平滑性も非常に高くすることができる。また 、生体適合性を生かして人工血管や細胞培養 用基材としても用いることができる。

 以下、本発明を実施例に基づいて具体的 説明する。なお、実施例中の測定方法は以 の方法を用いた。

 A.ポリマーの溶融粘度
 東洋精機(株)製のキャピログラフ1Bによりポ リマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプ ル投入から測定開始までのポリマーの貯留時 間は10分とした。

 B.融点
 (株)パーキンエルマー(Perkin Elmer)製の DSC-7 用いて2nd runでポリマーの融解を示すピー トップ温度をポリマーの融点とした。この の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとし 。

 C.TEMによる繊維横断面観察
 繊維の横断面方向に超薄切片を切り出し、 記に示す透過型電子顕微鏡(TEM)で繊維横断 を観察した。また、ナイロンはリンタング テン酸で金属染色した。
TEM装置 : 日立社製H-7100FA型

 D.SEM観察
 繊維構造体に白金-パラジウム合金を蒸着し 、下記に示す走査型電子顕微鏡(SEM)で繊維断 を観察した。なお、繊維構造体の断面を観 する場合は、繊維構造体を液体窒素中に10 間浸漬して凍結せしめた後、取り出して直 に繊維構造体を厚み方向にカミソリの刃で 断した後、上記の方法で蒸着・SEM観察を行 た。
SEM装置 : 日立社製S-4000型

 E.単繊維、繊維束の繊維径および数平均繊 径
 上記C項のTEMまたはD項のSEMを用いて、少な とも300本の単繊維を1視野中に観察できる倍 として観察し、観察による写真より画像処 ソフトを用いて、同視野内で無作為に抽出 た300本の単繊維あるいは繊維束のそれぞれ 直径を0.01μmの位まで測定した。また、数平 均繊維径は、得られた値の単純な平均値を0.0 1μmの位まで求めて算出した。

 F.通気度
 JIS L-1096(1999年度版)に規定の方法(フラジー 形法)に基づき測定を行った。

 G. 光反射率
 5cm角のサンプルを準備し、分光光度計U-3410( (株)日立製作所製)にφ60積分球130-063((株)日立 作所製)および10°傾斜スペーサーを取付け 状態で380~780nmの反射率を測定した。これを3 のサンプルで行い、560nmの値を単純平均し 反射率を求めた。尚、標準白色板は装置に 付のもの((株)日立製作所製)を用いた。

 H.研磨加工特性
 繊維構造体(シート)をスリットして38mm幅の さのテープとし、以下の条件で研磨加工を った。すなわち、アルミニウム基板にNi-Pメ ッキ処理した後、ポリッシング加工し平均表 面粗さ0.2nmに制御したディスクを用い、1次粒 子径1~10nmのダイヤモンド結晶からなる遊離砥 粒スラリーを研磨布表面に10ml/分の供給量で 下し、ディスク回転数300rpm、テープのディ クへの押付圧98.1kPaおよびテープ走行速度6cm /分の条件で30秒間研磨を実施した(テクスチ ー加工)。

 JIS B0601(2001年度版)に準拠して、シュミッ トメジャーメントシステム社(Schmitt Measurement  Systems,Inc)製TMS-2000表面粗さ測定器を用いて テクスチャー加工後のディスク基板サンプ 表面の任意の10カ所について表面粗さを測定 し、10カ所の測定値を平均することにより基 表面粗さを算出した。数値が低いほど高性 であることを示す。研磨加工後の基板5枚の 両面、すなわち計10表面の全領域を測定対象 して、Candela5100光学表面分析計を用いて、 さ3nm以上の溝をスクラッチとし、スクラッ 点数を測定し、10表面の測定値の平均値で評 価した。数値が低いほど高性能であることを 示す。

 [実施例1]
 <不織布の製造>
 溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec -1 )、融点220℃のナイロン6(以下、N6)と重量平均 分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、2432sec -1 )、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)を 用い、N6の含有率を45重量%とし、混練温度を2 20℃として溶融混練し、ポリマーアロイチッ を得た。

 なお、ポリL乳酸の重量平均分子量は以下の ようにして求めた。試料のクロロホルム溶液 にTHF(テトラヒドロフラン)を混合し測定溶液 した。このときのポリ乳酸の濃度は0.4重量% とした。これをWaters社製ゲルパーミエーショ ンクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25 で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分 量を求めた。また、このポリL乳酸の215℃、 1216sec -1 での溶融粘度は86Pa・sであった。

 このようにして得られたポリマーアロイチ プを紡糸温度240℃で細孔より紡出した後、 ジェクターにより紡糸速度4500m/分で紡糸し 移動するネットコンベアー上に捕集し、圧 率16%のエンボスロールで、温度80℃、線圧20 kg/cmの条件で熱圧着し、単繊維繊度2.0dtex、目 付150g/m 2 の長繊維不織布を得た。

 <複合シートの製造>
 このポリマーアロイ繊維からなる不織布に 剤(SM7060:東レ・ダウコーニング・シリコー 株式会社製)を繊維重量に対し2重量%付与し 1000本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチを施すことで 、目付120g/m 2 、密度0.09g/cm 3 のポリマーアロイ繊維からなる不織布を得た 。この不織布を単繊維繊度0.1dtexのポリエス ル短繊維からなるニードルパンチ不織布と 層した状態で0.1mmφの円孔が0.6mm間隔で開い いるノズルから圧力12MPaの水流を噴射するこ とにより上記2種類の不織布を一体化せしめ 複合シートを得た。

 なお、処理速度は1m/分であり、ノズルは 維構造体の幅方向に振幅4mmで18.6Hzで揺動さ ながら処理を行った。また、ノズルから噴 した水流の向きは概略、シートに対して直 になるようにした。この場合のカバーファ ターは150%であった。この繊維構造体を3重 %の水酸化ナトリウム水溶液(95℃、浴比1:100) 2時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中 の海ポリマーであるポリL乳酸の99%以上を加 分解除去した。こうして得られたシートを 合シートとする。この複合シートIをSEMで観 したところ、極細繊維が500本以上集合した 維束を形成していた。複合シートから繊維 引き出し、繊維横断面をTEM観察することで 維の単繊維直径(数平均繊維径)を求めたと ろ、110nmであった。

 その後、再び、上記と同じ条件で水流を 射し、繊維束を構成する繊維の一部を単繊 状に分散して繊維構造体を得た。こうして られたシートを複合シートIIとする。この 合シートIIをSEMにて観察したところ、数平均 繊維径110nmの繊維(B)が、単繊維状に分散した 態で、繊維構造体の表面の全面を隙間無く っていた。また、断面においては、単繊維 に分散した繊維径1μm以下(数平均繊維径110nm )の繊維(B)が絡合や屈曲による微細な空隙を 成し、かつ、繊維束径3μm以上の繊維束(A)(数 平均繊維束径8.3μm)と混在している状態であ た。

 この繊維構造体の厚みは0.5mmであった。こ 繊維構造体の通気度は0.5cc/cm 2 /secであった。また、この繊維構造体の光反 率は96%であった。

 さらに、得られた複合シートをスリット て38mm幅の長さのテープとし、研磨加工特性 を評価した。その結果、研磨加工後のディス クの表面粗さは0.30nm、スクラッチ点数は1.1と 非常に平滑性、低スクラッチ性に優れるもの であった。図1に、実施例1で作成した繊維構 体表面のSEM写真を示す。

 [実施例2]
 実施例1で得られた複合シートIに、水流の 力を1MPaとする以外は実施例1と同様の条件で 水流を噴射する処理を行うことにより、2種 の不織布を一体化した。こうして得られた ートを複合シートIIIとする。複合シートIII SEMにて観察したところ、表面は数平均繊維 110nmの繊維(B)が、単繊維状に分散した状態で 、繊維構造体の表面の全面を隙間無く覆って いた。また、断面においては、単繊維状に分 散した繊維径1μm以下(数平均繊維径110nm)の繊 (B)が絡合や屈曲による微細な空隙を形成し かつ、繊維束径3μm以上の繊維束(A)(数平均 維束径15.5μm)と混在している状態であった。

 この様にして得られた複合シートをスリッ して38mm幅の長さのテープとし、研磨加工特 性を評価した。また、この複合シートの厚み は0.6mmであった。この繊維構造体の通気度は0 cc/cm 2 /sec(測定限界以下)であった。また、このシー トの反射率は97%であった。

 実施例1と同様の条件でディスクを研磨し たところ、研磨加工後のディスクの表面粗さ は0.26nm、スクラッチ点数は0.9と非常に平滑性 、低スクラッチ性と非常に平滑性に優れるも のであった。図2に、実施例2で作成した繊維 造体表面のSEM写真を示す。

 [実施例3]
 実施例1で得られた繊維構造体にエンボス加 工を施し、ランダムな筋状の凹部を形成した 。なお、処理速度は1.5m/分であり、彫刻ロー の温度は140℃であった。エンボス後の表面 は概略500μmの領域を取り巻く、深さ数μmの 状の窪みが形成されていた。実施例1と同様 の条件でディスクを研磨したところ、研磨加 工後のディスクの表面粗さは0.27nm、スクラッ チ点数は1.2と非常に平滑性、低スクラッチ性 と非常に平滑性に優れるものであった。また 、研磨レートは4.6mg/分と高い研磨レートが得 られた。

 [比較例1]
 実施例1で長繊維不織布を作製にするにあた り、ポリマーアロイチップの代わりにN6のみ 使用した以外は実施例1と同様の方法で長繊 維不織布を作製した。次に、上記長繊維不織 布を実施例1と同様の方法でポリエステル単 維ニードルパンチ不織布と一体化した。そ 後、水酸化ナトリウム水溶液への浸漬は行 なかった。さらに、実施例1と同様の条件で 流を噴射する処理を行った。

 得られた繊維構造体の表面をSEMで観察し 表面に存在する繊維の繊維径を測定したと ろ、15.0μmであった。また、断面は、表面と 同様の繊維が存在していたが、繊維径が太い ため、繊維の絡合や屈曲による空隙は観察さ れなかった。

 また、この繊維構造体の厚みは0.7mmであっ 。この繊維構造体の通気度は24cc/cm 2 /secであった。このシートの反射率は67%であ た。実施例1と同様の条件でディスクを研磨 たところ、研磨加工後のディスクの表面粗 は0.42nm、スクラッチ点数は3.1と非常に平滑 、低スクラッチ性に劣るものであった。

 [実施例4]
 実施例1で作製したポリマーアロイチップを 用いて溶融紡糸を行い92dtex36フィラメントの 配向未延伸糸を得、さらに延伸熱処理する とにより、67dtex、36フィラメントのポリマ アロイ繊維を得た。このポリマーアロイ繊 中、海の部分であるポリL乳酸の中で、島の 分であるN6は均一に分散しており、その数 均による直径は110nmであった。得られたポリ マーアロイ繊維を用いて綾織物を作成し、3 量%の水酸化ナトリウム水溶液(95℃、浴比1:10 0)で2時間浸漬することでポリマーアロイ繊維 中の海ポリマーの99%以上を加水分解除去した 。こうして得られた織物を織物Iとする。織 Iの繊維の数平均繊維径は120nmであった。織 Iに、実施例2と同様の条件で水流を噴射した 。こうして得られた織物を織物IIとする。織 IIをSEMにて観察したところ、数平均繊維径12 0nmの繊維(B)が、単繊維状に分散した状態で、 繊維構造体の表面の全面を隙間無く覆ってい た。また、断面においては、単繊維状に分散 した繊維径1μm以下(数平均繊維径120nm)の繊維( B)が絡合や屈曲により微細な空隙を形成し、 つ、繊維束径3μm以上の繊維束(A)(数平均繊 束径7.3μm)と混在している状態であった。図2 に織物2の断面のSEM写真を、図4には同断面の 倍率のSEM写真を示す。織物IIの通気度は0cc/c m 2 /sec(測定限界以下)であった。また織物IIの光 射率は95%であった。この織物を、ポリエス ルフィルム上に両面テープで貼り付け、さ にスリットして38mm幅の長さのテープとし実 施例1と同様の条件でディスクを研磨したと ろ、研磨加工後のディスクの表面粗さは0.30n m、スクラッチ点数は0.7と非常に平滑性、低 クラッチ性と平滑性に優れていた。

 [比較例2]
 実施例4において織物IIの代わりに織物Iをポ リエステルフィルムに貼り付けたものを用い た以外は実施例4と同様の方法で研磨を行っ 。この織物IをSEMにて観察したところ、表面 数平均繊維径120nmの繊維が、強固な束を形 した状態で、織物の経糸、緯糸の隙間が多 存在していた。図3に織物1の断面のSEM写真を 示す。また、断面は、繊維径1μm以下(数平均 維径120nm)の繊維の束のみが存在し、繊維が 合や屈曲により形成される空隙は観察され かった。織物Iの通気度は33cc/cm 2 /secであった。また織物Iの光反射率は60%であ た。この織物を、ポリエステルフィルム上 両面テープで貼り付け、さらにスリットし 38mm幅の長さのテープとし実施例1と同様の 件でディスクを研磨したところ、研磨加工 のディスクの表面粗さは0.43nm、スクラッチ 数は3.5と非常に平滑性、低スクラッチ性に るものであった。

 本発明の繊維構造体は、例えば、眼鏡拭 などのワイピングクロス、さらにはハード ィスク、シリコンウエハ、集積回路基盤や 密機器、光学部品などの製造工程で用いら る研磨布やクリーニングテープに好適に用 ることができる。