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Title:
FILM-LIKE RESIN COMPOSITION FOR ENCAPSULATION FILLING, METHOD FOR MANUFACTURING SEMICONDUCTOR PACKAGE OR SEMICONDUCTOR DEVICE USING THE SAME, AND SEMICONDUCTOR DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081874
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a film-like resin composition for encapsulation filling, which contains (a) a thermoplastic resin, (b) an epoxy resin, (c) a curing agent and (d) a compound having two or more phenolic hydroxy groups.

Inventors:
ENOMOTO TETSUYA (JP)
NAGAI AKIRA (JP)
HONDA KAZUTAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073228
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
ENOMOTO TETSUYA (JP)
NAGAI AKIRA (JP)
HONDA KAZUTAKA (JP)
International Classes:
C08G59/62; C08L5/14; C08L63/00; C08L101/00; H01L21/60; H01L23/29; H01L23/31
Foreign References:
JP2005060584A2005-03-10
JP2000297199A2000-10-24
JPH10120761A1998-05-12
JP2002322457A2002-11-08
JP2007002206A2007-01-11
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chom, Chuo-ku Tokyo 61, JP)
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Claims:
 (a)熱可塑性樹脂、(b)エポキシ樹脂、(c)硬化剤及び(d)2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物を含有する、封止充てん用フィルム状樹脂組成物。
 (d)2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物は、
 フェノール性水酸基を1個以上有する化合物と、
 ハロメチル基、アルコキシメチル基又はヒドロキシルメチル基を2個有する芳香族化合物、ジビニルベンゼン及びアルデヒド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物と、の重縮合物である、請求項1に記載の封止充てん用フィルム状樹脂組成物。
 (d)2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物は、120~300℃で液状を呈する化合物である、請求項1又は2に記載の封止充てん用フィルム状樹脂組成物。
 (c)硬化剤はイミダゾール化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の封止充てん用フィルム状樹脂組成物。
 さらに無機フィラーを含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の封止充てん用フィルム状樹脂組成物。
 請求項1~5のいずれか一項に記載の封止充てん用フィルム状樹脂組成物により、半導体チップと基板をフリップチップ接続する、半導体パッケージの製造方法。
 請求項1~5のいずれか一項に記載の封止充てん用フィルム状樹脂組成物により、半導体パッケージと基板を接続する、半導体装置の製造方法。
 請求項1~5のいずれか一項に記載の封止充てん用フィルム状樹脂組成物で、接続された基板を備える半導体装置。
 
 
 
Description:
封止充てん用フィルム状樹脂組 物、それを用いた半導体パッケージ及び半 体装置の製造方法、並びに半導体装置

 本発明は、封止充てん用フィルム状樹脂 成物、それを用いた半導体パッケージ及び 導体装置の製造方法、並びに半導体装置に する。

 近年、電子機器の小型化、高機能化の進 に伴って、半導体装置に対して小型化、薄 化及び電気特性の向上(高周波伝送への対応 など)が求められており、従来のワイヤーボ ディングで半導体チップを基板に実装する 式から、半導体チップにバンプと呼ばれる 電性の突起を形成して基板電極と直接接続 るフリップチップ接続方式への移行が始ま ている。

 フリップチップ接続方式としては、はん やスズなどを用いて金属接合させる方法、 音波振動を印加して金属接合させる方法、 脂の収縮力を利用して機械的接触を保持す 方法などが知られているが、中でも、生産 や接続信頼性の観点から、はんだやスズな を用いて金属接合させる方法が広く用いら ており、特にはんだを用いる方法は、高い 続信頼性を示すことからMPU(Micro Processing Un it)などの実装に適用されている。

 フリップチップ接続方式では、半導体チ プと基板の熱膨張係数差に由来する熱応力 接続部に集中して接続部を破壊する恐れが ることから、この熱応力を分散して接続信 性を高めるために、半導体チップと基板の の空隙を樹脂で封止充てんする必要がある 樹脂の封止充てんの方式としては、一般に 半導体チップと基板をはんだなどを用いて 続した後、毛細管現象を利用して、空隙に 状封止樹脂を注入する方式が採用されてい 。

 この方式では、チップと基板を接続する には、はんだなどの表面の酸化膜を還元除 して金属接合を容易にするために、ロジン 有機酸などからなるフラックスを用いてい が、フラックスの残渣が残ると、液状樹脂 注入した場合にボイドと呼ばれる気泡発生 原因になったり、酸成分によって配線の腐 が発生し、接続信頼性が低下することから 残渣を洗浄する工程が必須であった。

 しかし、近年、接続ピッチの狭ピッチ化 伴い、半導体チップと基板の間の空隙が狭 なっているため、フラックス残渣の洗浄が 難になる場合が生じる。さらに、半導体チ プと基板の間の狭い空隙に液状樹脂を注入 るのに長時間を要して生産性が低下してし う。

 そこで、はんだなどの金属の表面に存在す 酸化膜を還元除去する性質(以下、フラック ス活性と記す)を示す封止樹脂が求められる このような封止樹脂を使用することにより 封止樹脂を基板に供給した後、半導体チッ と基板を接続すると同時に、半導体チップ 基板の間の空隙を樹脂で封止充てんし、フ ックス残渣の洗浄を省略することが可能に ると考えられる。なお、フラックス活性に 連するものとして、以下の公開公報が知ら ている。

特開2001-223227号公報

特開2005-272547号公報

特開2006-169407号公報

 フラックス活性を示す封止樹脂として、 ルボン酸などの有機酸を配合したものが検 されているが、有機酸は、封止樹脂に広く いられているエポキシ樹脂の硬化剤として 用することから、反応性の制御や保存安定 の確保が困難であったり、酸成分によって 線の腐食が発生し、絶縁信頼性が低下する 合があった。また、封止樹脂が液状の場合 ディスペンスなどで基板に樹脂を塗布する に、樹脂粘度の経時変化によって、供給量 安定的に制御することが困難になる場合が った。

 本発明の目的は、良好な保存安定性とフ ックス活性を示し、接続信頼性に優れた半 体製品(半導体パーケージや半導体装置等) 製造可能な封止充てん用フィルム状樹脂組 物を提供することにある。本発明の目的は た、そのような樹脂組成物を用いた半導体 品及びその製造方法を提供することにある

 本発明は、(a)熱可塑性樹脂、(b)エポキシ 脂、(c)硬化剤及び(d)2個以上のフェノール性 水酸基を有する化合物を含有する、封止充て ん用フィルム状樹脂組成物を提供する。

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物は、良好な保存安定性とフラックス活性 示し、この組成物を用いることにより、接 信頼性に優れた半導体製品(半導体パーケー ジや半導体装置等)が製造可能となる。なお 上記組成物はフィルム状であることから、 状封止樹脂に比較して格段に取扱性、作業 が優れている。また、本発明者らは特定の 論に拘束されるものではないが、フラック 活性が向上し接続信頼性低下を防止できる 要因は、本発明の封止充てん用フィルム状 脂組成物が、2個以上のフェノール性水酸基 有する化合物を含有することによるものと えられる。

 なお、本発明の封止充てん用フィルム状 脂組成物は、(a)熱可塑性樹脂、(b)エポキシ 脂、(c)硬化剤及び(d)2個以上のフェノール性 水酸基を有する化合物を含有するフィルム状 封止充てん材(フィルム状封止材又はフィル 状充てん材)として把握することもできる。

 (d)2個以上のフェノール性水酸基を有する 化合物は、フェノール性水酸基を1個以上有 る化合物と、ハロメチル基、アルコキシメ ル基又はヒドロキシルメチル基を2個有する 香族化合物、ジビニルベンゼン及びアルデ ド化合物から選ばれる少なくとも1種類以上 の化合物との重縮合物であることが好ましい 。重縮合物としては、例えば、フェノールノ ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、 ナフトールノボラック樹脂、フェノールアラ ルキル樹脂等である。

 (d)2個以上のフェノール性水酸基を有する 化合物は、120~300℃(好ましくは120~220℃、更に は180~220℃)で液状を呈する化合物であること 好ましい。すなわち、本化合物は、低融点 んだの溶融温度に対応する120℃から、高融 はんだの溶融温度に対応する300℃において 液体状態で存在する化合物であることが好 しい(当該温度範囲以下で液状であってもよ い)。このような構成により、はんだ表面の 化膜をより均一に除去できるようになる。

 (c)硬化剤は、イミダゾール化合物である とが好ましい。イミダゾール化合物を硬化 として使用することにより、封止充てん用 ィルム状樹脂組成物としての保存安定性と 化物の耐熱性を共に向上させることができ 。

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物は、無機フィラーを含有することも好ま い。無機フィラーを含有することにより、 えば、封止充てん用フィルム状樹脂組成物 粘度の調整が容易になり、硬化物性の制御 可能となる。

 本発明はまた、上記の封止充てん用フィ ム状樹脂組成物により、半導体チップと基 をフリップチップ接続する、半導体パッケ ジの製造方法を提供する。

 本発明はさらに、封止充てん用フィルム 樹脂組成物により、半導体パッケージと基 を接続する、半導体装置の製造方法を提供 る。

 これらの製造方法は、液状封止樹脂を注 する方式による、従来の製造方法に比べ、 属接合が容易であり、接続信頼性に優れる 導体パッケージや半導体装置を得ることが きる。

 本発明はまた、上記の封止充てん用フィ ム状樹脂組成物で接続された基板を備える 導体装置を提供する。

 上記封止充てん用フィルム状樹脂組成物 接続された基板を備える半導体装置は、液 封止樹脂を注入する方式により製造された 導体装置に比べ、接続信頼性に格段に優れ 。

 本発明によれば、良好な保存安定性とフ ックス活性を示し、接続信頼性に優れた半 体製品(半導体パーケージや半導体装置等) 製造可能な封止充てん用フィルム状樹脂組 物が提供される。また、この樹脂組成物を いた、接続信頼性に格段に優れた半導体製 及びその製造方法が提供される。

封止充てん用フィルム状樹脂組成物を いた半導体パッケージの一実施形態を示す 面図である。 封止充てん用フィルム状樹脂組成物を いた半導体装置の一実施形態を示す断面図 ある。 封止充てん用フィルム状樹脂組成物を いた半導体パッケージの製造方法の一実施 態を示す断面図である。

符号の説明

 1…はんだボール、2…電極パッド、3,19… ンプ、4,11,14…配線、5,18…半導体チップ、6, 12,16…封止充てん用フィルム状樹脂組成物、7 ,15…基板、8…マザーボード、9…内層配線、1 0…ビア、13…スルーホール、17…接続ヘッド 20…ステージ、100・・・半導体パッケージ 200・・・半導体装置。

 以下、本発明をその好適な実施形態に即 て、詳細に説明する。

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物は、(a)熱可塑性樹脂、(b)エポキシ樹脂、( c)硬化剤及び(d)2個以上のフェノール性水酸基 を有する化合物を含有するものである。以下 、各成分について説明する。

(a)熱可塑性樹脂
 本発明で用いる(a)熱可塑性樹脂は、封止充 ん用フィルム状樹脂組成物の保管温度(25℃ 下)で固形であり、少なくとも封止充てん用 フィルム状樹脂組成物の適用温度(100℃以上) 溶融状態となる樹脂である。

 (a)熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹 、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ ルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹 、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ チレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、 リエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタ ル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が げられ、その中でも耐熱性及びフィルム形 性に優れるフェノキシ樹脂、ポリイミド樹 、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジ ミド樹脂等が好ましく、フェノキシ樹脂、 リイミド樹脂がより好ましい。特に好まし のは、分子内にフルオレン骨格を有するフ ノキシ樹脂である。このようなフェノキシ 脂はガラス転移点温度が約90℃であり、フ オレン骨格を有しない他のフェノキシ樹脂( 60℃)より高いため、フィルム状封止用樹脂 成物とした場合、ガラス転移点温度が向上 、耐熱性の向上が可能となる。

 (a)熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、5000 より大きいことが好ましいが、より好ましく は10000以上であり、さらに好ましくは20000以 である。5000以下の場合にはフィルム形成能 低下する場合がある。なお、重量平均分子 はGPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて、ポ スチレン換算で測定した値である。また、 れらの熱可塑性樹脂は単独又は2種以上の混 合体や共重合体として使用することもできる 。

(b)エポキシ樹脂
 本発明において用いる(b)エポキシ樹脂は、 ポキシ基(オキシラン環)を2以上有する(2官 以上)の化合物である。

 (b)エポキシ樹脂としては、例えばビスフ ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ 脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビ ェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型 ポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド骨格含 エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型多 能エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有多官 エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格 有多官能エポキシ樹脂、トリフェニルメタ 骨格含有多官能エポキシ樹脂、アミノフェ ール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニル タン型エポキシ樹脂、その他各種多官能エ キシ樹脂などを用いることができる。

 これらの中でも、低粘度化、低吸水率、 耐熱性の観点から、ビスフェノールA型エポ キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂 ナフタレン骨格含有多官能エポキシ樹脂、 シクロペンタジエン骨格含有多官能エポキ 樹脂、トリフェニルメタン骨格含有多官能 ポキシ樹脂などを用いることが好ましい。 た、これらのエポキシ樹脂の性状としては 25℃で液状でも固形でも構わないが、固形の エポキシ樹脂では、例えば、はんだを加熱溶 融させて接続する場合、その融点又は軟化点 がはんだの融点よりも低いものを用いること が好ましい。また、これらのエポキシ樹脂は 単独又は2種以上を混合して用いてもよい。

 なお、本発明の封止充てん用フィルム状 脂組成物が適用される半導体製品(半導体パ ーケージや半導体装置等)に用いられるはん は、含鉛はんだであっても、鉛フリーはん (例えば、SnAgCu系、SnZnBi系、SnCu系)でもよい また、低融点はんだ(融点:120~150℃程度)でも 高融点はんだ(融点:180~300℃程度)でもよい。

(c)硬化剤
 本発明において使用する(c)硬化剤は、(b)エ キシ樹脂を硬化する硬化剤を意味し、(b)エ キシ樹脂以外の成分(例えば、2個以上のフ ノール性水酸基を有する化合物)の硬化反応 も生じるものであってもよい。

 (c)硬化剤としては、イミダゾール化合物 酸無水物類、アミン類、ヒドラジド類、ポ メルカプタン類、ルイス酸-アミン錯体など を用いることができる。その中でも、保存安 定性と硬化物の耐熱性に優れるイミダゾール 化合物が望ましい。硬化剤がイミダゾール化 合物の場合、例えば、2MZ、C11Z、2PZ、2E4MZ、2P4 MZ、1B2MZ、1B2PZ、2MZ-CN、2E4MZ-CN、2PZ-CN、C11Z-CN、 2PZ-CNS、C11Z-CNS、2MZ-A、C11Z-A、2E4MZ-A、2P4MHZ、2PH Z、2MA-OK、2PZ-OK(四国化成工業株式会社製、製 名)などや、これらのイミダゾール化合物を エポキシ樹脂と付加させた化合物が挙げられ る。また、これら硬化剤をポリウレタン系、 ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマ イクロカプセル化したものは可使時間が延長 されるために好ましい。これらは単独又は2 以上を混合して使用することもできる。

(d)2個以上のフェノール性水酸基を有する化 物
 本発明において用いる(d)2個以上(1分子当り2 個以上を意味する)のフェノール性水酸基を する化合物は、フェノール性水酸基、すな ちベンゼン環に結合した水酸基を2個以上有 る化合物である。すなわち、(d)2個以上のフ ェノール性水酸基を有する化合物は、ベンゼ ン環を少なくとも1つ有し、ベンゼン環(縮合 を形成していてもよい)に結合する水酸基を 少なくとも2つ有する化合物である。

 このような化合物としては、例えば、カ コール、レゾルシノール、ハイドロキノン ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、 ドロキシハイドロキノン、ピロガロール、 チリデンビフェノール(ビスフェノールF)、 ソプロピリデンビフェノール(ビスフェノー ルA)、エチリデンビフェノール(ビスフェノー ルAD)、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エ ン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリ ドロキシアセトフェノン、ポリp-ビニルフェ ノール、トリフェノールメタン骨格含有多官 能フェノール化合物などが挙げられる。

 さらに、2個以上のフェノール性水酸基を 有する化合物として、フェノール性水酸基を 1個以上有する化合物と、ハロメチル基、ア コキシメチル基又はヒドロキシルメチル基 2個有する芳香族化合物、ジビニルベンゼン びアルデヒド化合物から選ばれる少なくと 1種類以上の化合物との重縮合物も用いるこ とができる。

 フェノール性水酸基を1個以上有する化合 物としては、例えば、フェノール、アルキル フェノール、ナフトール、クレゾール、カテ コール、レゾルシノール、ハイドロキノン、 ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ヒ ドロキシハイドロキノン、ピロガロール、メ チリデンビフェノール(ビスフェノールF)、イ ソプロピリデンビフェノール(ビスフェノー A)、エチリデンビフェノール(ビスフェノー AD)、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタ 、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒ ロキシアセトフェノン、ポリp-ビニルフェ ールなどが挙げられる。

 ハロメチル基、アルコキシメチル基又は ドロキシルメチル基を2個有する芳香族化合 物としては、例えば、1,2-ビス(クロロメチル) ベンゼン、1,3-ビス(クロロメチル)ベンゼン、 1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メ キシメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メトキシメ ル)ベンゼン、1,4-ビス(メトキシメチル)ベン ゼン、1,2-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、 1,3-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4-ビ (ヒドロキシメチル)ベンゼン、ビス(クロロ チル)ビフェニル、ビス(メトキシメチル)ビ ェニルなどが挙げられる。ハロメチル基、 ルコキシメチル基又はヒドロキシルメチル を2個有する芳香族化合物及びジビニルベン ンは、いずれをフェノール性水酸基を1個以 上有する化合物と反応させても、2個以上の ェノール性水酸基を有する化合物になり、 ラックス活性向上という同様の効果を発現 ることが可能である。

 アルデヒド化合物としては、ホルムアル ヒド(その水溶液としてホルマリン)、パラ ルムアルデヒド、トリオキサン、ヘキサメ レンテトラミンなどが挙げられる。

 上記の重縮合物としては、例えば、フェ ールとホルムアルデヒドの重縮合物である ェノールノボラック樹脂、クレゾールとホ ムアルデヒドとの重縮合物であるクレゾー ノボラック樹脂、ナフトール類とホルムア デヒドとの重縮合物であるナフトールノボ ック樹脂、フェノールと1,4-ビス(メトキシ チル)ベンゼンとの重縮合物であるフェノー アラルキル樹脂、ビスフェノールAとホルム アルデヒドの重縮合物、フェノールとジビニ ルベンゼンとの重縮合物、クレゾールとナフ トールとホルムアルデヒドの重縮合物などが 挙げられ、これらの重縮合物をゴム変性した ものや分子骨格内にアミノトリアジン骨格や ジシクロペンタジエン骨格を導入したもので もよい。

 また、これらの化合物の性状としては、 温において固体状でも液状でも構わないが 金属表面の酸化膜を均一に還元除去し、は だの濡れ性を阻害しないために、液状のも を用いることが好ましく、例えば、これら フェノール性水酸基を有する化合物をアリ 化することによって液状にしたものとして アリル化フェノールノボラック樹脂、ジア ルビスフェノールA、ジアリルビスフェノー ルF、ジアリルビフェノールなどが挙げられ 。これらの化合物は単独で用いてもよいし 2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 さらに、例えば、はんだを加熱溶融させ 接続する場合、フラックス活性を付与する めに添加する化合物が、加熱時に分解、揮 せずに接着剤(封止充てん用フィルム状樹脂 組成物)中に残っている必要がある。すなわ 、フラックス活性を付与するために添加す 化合物のTGA(Thermal Gravimetory Analysis)法によっ て測定される熱重量変化率が0%となる(残存重 量が0となる)最低温度が、はんだの溶融温度 り高いことが好ましい。また、フラックス 性を付与するために添加する化合物として 温で固体状のものを用いる場合、化合物の 融温度がはんだの溶融温度より低いもの、 なわち、はんだ表面の酸化膜を均一に除去 るために、はんだの溶融温度において、化 物が液体状態又は溶融状態で存在するなど 流動性を有することが好ましい。

 なお、本発明におけるフラックス活性と 、金属表面の酸化膜を還元除去して、金属 容易に溶融できるようにし、溶融した金属 濡れ広がるのを阻害せず、金属接合部が形 される状態を達成できる性能を意味し、例 ば、はんだボールを銅板上などで加熱溶融 せて接続する場合、はんだボールが初期径 りも大きくなって銅表面に濡れ広がり、溶 後のはんだボールをシェア試験した際に、 んだと銅の界面で破断するのではなく、は だボールのバルク破壊となる状態を達成で ることを意味している。

 また、溶融後のはんだボールの初期径に する変化率を、後述するはんだ濡れ広がり として定義すると、良好なフラックス活性 実現するには、はんだ濡れ広がり率が20%以 となることが好ましく、30%以上となること より好ましく、40%以上となることがさらに ましい。

 (a)熱可塑性樹脂の配合量は、(a)熱可塑性 脂及び(b)エポキシ樹脂の総量100重量部に対 て、5~50重量部とすることが好ましく、5~40 量部とすることがより好ましく、10~35重量部 とすることが特に好ましい。この配合量が5 量部未満ではフィルム形成が困難となる傾 があり、50重量部を超えると粘度が高くなっ て接続不良が発生する恐れがある。

 (b)エポキシ樹脂の配合量は、(a)熱可塑性 脂及び(b)エポキシ樹脂の総量100重量部に対 て、10~90重量部とすることが好ましく、15~90 重量部とすることがより好ましい、さらに好 ましくは20~80重量部である。この配合量が10 量部未満では硬化物の耐熱性が低下する傾 があり、90重量部を超えるとフィルム形成性 が低下する恐れがある。

 (c)硬化剤の配合量は、硬化剤の種類によ て異なるが、一般には、(b)エポキシ樹脂100 量部に対して0.05~30重量部である。硬化剤が イミダゾール化合物の場合には、(b)エポキシ 樹脂100重量部に対して0.1~20重量部とすること が好ましく、1~10重量部とすることがより好 しい。この配合量が0.1重量部未満では、硬 が不充分となる。また20重量部より多いと硬 化物の耐熱性が低下する場合がある。

 (d)2個以上のフェノール性水酸基を有する 化合物の配合量は、(a)熱可塑性樹脂及び(b)エ ポキシ樹脂の総量100重量部に対して、0.5~20重 量部が好ましく、1~15重量部がより好ましい この配合量が0.5重量部未満では、フラック 活性が不充分となる場合があり、20重量部を 超えると、エポキシ樹脂単独の硬化系ではな く、エポキシ樹脂とフェノール類との硬化系 になるため(硬化物のネットワークにフェノ ル類が組み込まれる)、使用するフェノール 水酸基を有する化合物によっては、エポキ 樹脂の特性が充分に発現せず、硬化物の耐 性が低下する恐れがある。

 なお、(d)2個以上のフェノール性水酸基を 有する化合物の種類及び最適配合量は、フラ ックス活性の有無だけでなく、フィルム形成 性、フィルム製造時の作業性(ワニスの粘度 化など)、フィルムの取扱性(タック性、打ち 抜きやスリットなどの加工性など)などを考 して設定される。

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物には、無機フィラーを含有させることも ましい。無機フィラーを含有させることに り、例えば、封止充てん用フィルム状樹脂 成物の粘度の調整が容易となり、硬化物性 制御も可能となる。また、半導体チップと 板を接続する際のボイド発生や吸湿率抑制 可能となる。

 無機フィラーとしては、特に限定されな が、例えば、ガラス、二酸化ケイ素(シリカ )、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン (チタニア)、酸化マグネシウム(マグネシア) カーボンブラック、マイカ、硫酸バリウム どが挙げられる。これらは単独又は2種以上 混合して使用してもよい。また、2種類以上 の金属酸化物を含む複合酸化物(2種類以上の 属酸化物が単に混合されてなるものではな 、金属酸化物同士が化学的に結合して分離 能な状態となっているもの)であってもよく 、例えば、二酸化ケイ素と酸化チタン、二酸 化ケイ素と酸化アルミニウム、酸化ホウ素と 酸化アルミニウム、二酸化ケイ素と酸化アル ミニウムと酸化マグネシウムなどからなる複 合酸化物が挙げられる。また、フィラーの粒 径は、フリップチップ接続時にフィラーが接 続部に捕捉されて電気的な接続を阻害するこ とを防止するため、平均粒径は10μm以下であ ことが好ましい。さらに、粘度や硬化物の 性を調整するために、粒径の異なるものを2 種以上組み合わせて用いてもよい。

 本発明におけるフィラーの配合量は、(a) 可塑性樹脂及び(b)エポキシ樹脂の総量100重 部に対して、200重量部以下とすることが好 しく、150重量部以下とすることがより好ま い。この配合量が200重量部より多いと、接 剤の粘度が高くなり、接続不良が起きる恐 があり、また、フィルムの可とう性が低下 て脆くなる傾向がある。

 また、無機フィラーを含有している場合 無機フィラーと樹脂の屈折率をほぼ同一に ることによって、波長555nmの光に対して、 なくとも10%以上の透過率を達成できる。こ ような透過率を有することにより、封止充 ん用フィルム状樹脂組成物を基板又は半導 チップに貼り付けた後、個片化する方法に いて、個片化する位置や基板と半導体チッ の位置合わせを行うための位置合わせマー を封止充てん用フィルム状樹脂組成物を通 て認識することが容易になる。

 樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、 機フィラーの屈折率はエポキシ樹脂の屈折 約1.6に対して、1.53~1.65であることが好まし 。このような屈折率を示す無機フィラーと ては、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、 酸化ケイ素と酸化チタンからなる複合酸化 、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムからな 複合酸化物、酸化ホウ素と酸化アルミニウ からなる複合酸化物、二酸化ケイ素と酸化 ルミニウムと酸化マグネシウムからなる複 酸化物などが挙げられる。

 なお、本発明の封止充てん用フィルム状 脂組成物を用いて、半導体チップと基板を 続する場合、個片に切り出した封止充てん フィルム状樹脂組成物を基板に貼り付けて よいし、半導体チップのバンプが形成され 面に貼り付けてもよい。また、基板を個片 する前に、複数の基板がつながった状態に いて、基板全体に封止充てん用フィルム状 脂組成物を貼り付け、半導体チップを接続 た後、個片化してもよい。また、半導体チ プに個片化する前の半導体ウエハに封止充 ん用フィルム状樹脂組成物を貼り付け、ダ シングによって半導体チップに個片化して よい。

 さらに、本発明の封止充てん用フィルム 樹脂組成物には、硬化促進剤、シランカッ リング剤、チタンカップリング剤、酸化防 剤、レベリング剤、イオントラップ剤など 添加剤を配合してもよい。これらは単独で いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよ い。配合量については、各添加剤の効果が発 現するように調整すればよい。

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物の粘度は、150℃において50Pa・s以下であ ことが好ましく、より好ましくは40Pa・s以下 であり、さらに好ましくは30Pa・s以下である 粘度が50Pa・sより高いと、接続不良が発生 る場合がある。粘度の測定方法は、ずり粘 性測定装置(例えば、ティーエーインスツル ント株式会社製 ARES)を用いて、直径8~25mmの 平行円板間にフィルムを挟んで、所定の温度 において、周波数1~10Hzの条件下で測定可能で あり、測定は全自動で行われる。

 また、円形に打ち抜いた封止充てん用フィ ム状樹脂組成物をガラス板間に挟み、所定 温度において、所定の圧力で所定の時間加 した際の加圧前後の樹脂厚みの変化から計 する方法を用いることができる。すなわち 次式(1)(平行板間の1軸圧縮流動に関するヒ リーの式)によって、算出できる。
η=8πFtZ 4 Z 0 4 /3V 2 (Z 0 4 -Z 4 )…(1)
η:粘度(Pa・s)
F:荷重(N)
t:加圧時間(s)
Z:加圧後の樹脂厚み(m)
Z 0 :加圧前の樹脂厚み(m)
V:樹脂の体積(m 3 )

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物の260℃におけるゲル化時間は、1~60sであ ことが好ましく、より好ましくは3~40sであり 、さらに好ましくは5~30sである。1sより短い 、はんだなどが溶融する前に硬化してしま 、接続不良が発生する恐れがあり、60sより いと生産性が低下したり、硬化が不充分に って信頼性が低下したりする恐れがある。 お、ゲル化時間とは、本発明の封止充てん フィルム状樹脂組成物を260℃に設定した熱 上に置き、スパチュラなどで攪拌し、攪拌 能になるまでの時間をいう。

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物は、例えば以下のようにして製造するこ ができる。すなわち、(a)熱可塑性樹脂、(b) ポキシ樹脂、(c)硬化剤、(d)2個以上のフェノ ール性水酸基を有する化合物、無機フィラー 及びその他添加剤をトルエン、酢酸エチル、 メチルエチルケトンなどの有機溶媒中で混合 することによってワニスを作製し、そのワニ スを、ナイフコーターやロールコーターを用 いて、離型処理が施されたポリエチレンテレ フタレート樹脂などのフィルム基材上に塗布 した後、有機溶媒を乾燥除去することによっ て、製造することができる。

 図1は、本発明の封止充てん用フィルム状 樹脂組成物を用いて製造される、半導体パッ ケージの一実施形態を示す断面図である。図 1に示す半導体パッケージ100は、一方面にバ プ3(はんだバンプ等)を備える半導体チップ5 、一方面に配線4を、他方面にはんだボール 1が形成された電極パッド2を備える基板7とが 、バンプ3と配線4が電気的に接続されるよう 、封止充てん用フィルム状樹脂組成物6で接 合された構成を有している。半導体パッケー ジ100においては、半導体チップ5と基板7との の間隙及び半導体チップ5の周囲が封止充て ん用フィルム状樹脂組成物6により封止又は てんされている。

 半導体チップ5としては、特に限定はなく 、シリコン、ゲルマニウムなどの元素半導体 、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合 物半導体等、各種半導体を用いることができ る。

 基板7としては、通常の回路基板でもよく 、また、半導体チップでもよい。回路基板の 場合、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエ ステル、セラミックなどの絶縁基板表面に形 成された銅などの金属層の不要な個所をエッ チング除去して配線パターンが形成されたも の、絶縁基板表面に銅めっきなどによって配 線パターンを形成したもの、絶縁基板表面に 導電性物質を印刷して配線パターンを形成し たものなどを用いることができる。配線パタ ーン(配線4)の表面には、低融点はんだ、高融 点はんだ、スズ、インジウム、金、ニッケル 、銀、銅、パラジウムなどからなる金属層が 形成されていてもよく、この金属層は単一の 成分のみで構成されていても、複数の成分か ら構成されていてもよい。また、複数の金属 層が積層された構造をしていてもよい。

 バンプ3と呼ばれる導電性突起の材質とし ては、低融点はんだ、高融点はんだ、スズ、 インジウム、金、銀、銅などからなるものが 用いられ、単一の成分のみで構成されていて も、複数の成分から構成されていてもよい。 また、これらの金属が積層された構造をなす ように形成されていてもよい。バンプは半導 体チップ5に形成されていてもよいし、基板7 形成されていてもよいし、半導体チップ5と 基板7の両方に形成されていてもよい。

 半導体パッケージとしては、インターポ ザーと呼ばれる基板上に半導体チップが搭 され、樹脂封止されたものとして、例えばC SP(チップサイズパッケージ)やBGA(ボールグリ ドアレイ)などが挙げられる。また、半導体 チップの電極部を半導体チップ表面上で再配 線することによって、インターポーザーを用 いないで基板に搭載可能とした半導体パッケ ージとして、例えば、ウエハーレベルパッケ ージと呼ばれるものが挙げられる。半導体パ ッケージを搭載する基板としては、通常の回 路基板でよく、インターポーザーに対して、 マザーボードと呼ばれる。

 図2は、本発明の封止充てん用フィルム状 樹脂組成物を用いて製造される、半導体装置 の一実施形態を示す断面図である。図2に示 半導体装置200は、内層配線9、ビア10及びス ーホール13が形成され一方面に配線11を有す マザーボード8と、半導体パッケージ100(図1 照)とが、はんだボール1と配線11が電気的に 接続されるように、封止充てん用フィルム状 樹脂組成物12で接合された構成を有している 半導体装置200においては、基板7とマザーボ ード8との間の間隙及び半導体パッケージ100 周囲が封止充てん用フィルム状樹脂組成物12 により封止又は充てんされている。

 次に、本発明における半導体パッケージ 製造方法について説明する。図3は、本発明 の封止充てん用フィルム状樹脂組成物を用い た、半導体チップの製造方法の一実施形態を 示す断面図である。

 (1)まず、図3(a)に示すように、配線14が形 された基板15を準備する。そして、図3(b)の おり、配線14を覆うように基板15上に封止充 てん用フィルム状樹脂組成物16を積層し、貼 付ける。貼り付けは加熱プレス、ロールラ ネート、真空ラミネートなどによって行う とができる。封止充てん用フィルム状樹脂 成物16の供給量は貼付面積とフィルム厚み よって設定され、半導体チップ18の大きさ、 バンプ高さ(バンプ19の半導体チップ18表面か の高さ)などによって規定され、粘度等の経 時変化が起きても、供給量を容易に制御する ことができる。

 なお、封止充てん用フィルム状樹脂組成 16は半導体チップ18に貼り付けられてもよく 、半導体ウエハに封止充てん用フィルム状樹 脂組成物16を貼り付けた後、ダイシングして 半導体チップ18に個片化することによって 封止充てん用フィルム状樹脂組成物16を貼り 付けた半導体チップ18を作製することができ 。

 (2)続いて、図3(c)のとおり、バンプ19(はん だバンプ)を備える半導体チップ18をフリップ チップボンダーなどの接続装置の接続ヘッド 17に取り付け、一方で、封止充てん用フィル 状樹脂組成物16が貼り付けられた配線14付き 基板15を同接続装置のステージ20に取り付け 、位置合わせを行なった後、半導体チップ18 と基板15をバンプ19の融点以上の温度で加熱 ながら押し付ける。そして、図3(d)に示すよ に、バンプ19と配線14を接合することで半導 体チップ18と基板15を電気的に接続するとと に、溶融した封止充てん用フィルム状樹脂 成物16によって半導体チップ18と基板15の間 空隙を封止充てんする。この際、封止充て 用フィルム状樹脂組成物16のフラックス活性 によって、バンプ19の表面の酸化膜が還元除 され、バンプ19が溶融し、金属接合による 続部が形成される。

 また、図3には記載していないが、半導体 チップと基板を位置合わせして、バンプ(は だバンプ)が溶融しない温度で加熱しながら し付けることによって封止充てん用フィル 状樹脂組成物を溶融させて、半導体チップ バンプと基板電極の間の樹脂を除去すると もに、半導体チップと基板間の空隙を封止 てんして、半導体チップと基板を仮固定し 後、リフロー炉で加熱処理することによっ バンプを溶融させて半導体チップと基板を 続することによって半導体パッケージを製 してもよい。

 (3)さらに、接続信頼性を高めるために、 記半導体パッケージを加熱オーブンなどで 熱処理し、封止充てん用フィルム状樹脂組 物の硬化をさらに進行させてもよい。

 本発明の封止充てん用フィルム状樹脂組 物を用いた、半導体装置の製造方法は、上 半導体チップの製造方法とほぼ同様に実施 きる。すなわち、図3における、バンプ19を える半導体チップ18に代えて、図1の半導体 ッケージ100を用い、図3における、配線14が 成された基板15に代えて、図2における、内 配線9、ビア10及びスルーホール13が形成さ 一方面に配線11を有するマザーボード8を適 し、封止充てん用フィルム状樹脂組成物16を 介在させて、半導体パッケージ100及びマザー ボード8をはんだボール1の融点以上に加熱し がら、両者を加圧接合すればよい。

 以下、参考例、実施例及び比較例によっ 本発明を説明するが、本発明の範囲はこれ によって限定されるものではない。

(参考例)
 (a)熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂FX29 3(東都化成株式会社製、製品名)25重量部、(b) ポキシ樹脂として、固形多官能エポキシ樹 EP1032H60(ジャパンエポキシレジン製、製品名 )30重量部、及び液状ビスフェノールA型エポ シ樹脂EP828(ジャパンエポキシレジン製、製 名)45重量部、(d)2個以上のフェノール性水酸 を有する化合物として、表1に示す化合物を 5重量部、球状シリカフィラーとしてSE6050(株 会社アドマテックス製、製品名、平均粒径2 μm)100重量部、をトルエン-酢酸エチル溶媒中 固形分濃度が60~70%になるように溶解混合し ワニスを作製した。このワニスをセパレー フィルム(PETフィルム)上にナイフコーター 用いて塗布した後、70℃のオーブンで10分間 燥させることによって、厚さ40~45μmの参考 1~7のフィルム状樹脂組成物を作製した。使 する際には、ホットロールラミネータにて2 重ね合わせて、厚さを80~90μmに調整して使 した。

(フラックス活性評価方法)
 参考例のフラックス活性を以下の手順で評 した。
 25mm角に切断した両面銅はく付きガラスエポ キシ基板(日立化成工業株式会社製、製品名:M CL-E-679F、厚み0.3mm、脱脂及び酸洗処理済み)の 銅表面に10mm角に切り出したフィルム状樹脂 成物を貼り付け、セパレータフィルムをは 離した後、フィルム状樹脂組成物の上に、 んだボール(千住金属工業株式会社製、製品 :M705(Sn-3Ag-0.5Cu)、ボール径0.4mm、融点217~220℃ )を5個配置し、さらに、カバーガラス(サイズ 18mm角、厚み0.17mm)を置いて評価用サンプルを 製し、各フィルム状樹脂組成物について評 用サンプルを2個ずつ用いて評価することと した。

 この評価用サンプルを160℃に加熱した熱板 に30秒置き、引き続いて260℃に加熱した熱 上に30秒置いて、室温に戻した後、評価用サ ンプルをメチルエチルケトン中に浸漬して、 フィルム状樹脂組成物を溶解除去し、ガラス エポキシ基板の表面に残ったはんだボールの 数及び直径を計測した。はんだ濡れ広がり率 は次式(2)に従って算出した。
  はんだ濡れ広がり率(%)=(基板表面に残った はんだボールの直径-初期はんだボール直径)/ 初期はんだボール直径×100…(2)

 さらに、ガラスエポキシ基板の表面に残 たはんだボールについて、シェア試験を実 し、その結果、はんだボールと銅はくの界 で破断したものを「B」、はんだボールのバ ルク破壊となったものをフラックス活性が充 分なものとして「A」とした。なお、シェア 験はボンドテスターシリーズ4000(デイジ社製 、製品名)を用いて、室温において、シェア さ50μm、シェア速度100μm/sの条件で行った。

(揮発終了温度の測定)
 化合物の揮発終了温度(熱重量変化率が0%と る最低温度)の測定は、TG/DTA6300(セイコーイ スツルメント社製、製品名)を用いて、昇温 速度10℃/min、エア流量200ml/min、測定温度範囲 30~300℃、サンプル重量5~10mgで行った。

 フラックス活性の評価結果を表1に示す。( お、表1内における「≧」は「以上」を、「& lt;」は「未満」を意味する。)

 参考例1では、フェノキシ樹脂やエポキシ 樹脂に存在するアルコール性水酸基に起因す ると思われるフラックス活性が見られるが、 その効果は不充分であり、参考例2において 、充分なフラックス活性は示していない。 考例3~6のように、フェノール性水酸基を2個 上有する化合物を用いることによって、参 例1、2と比較して、はんだボール残存率又 はんだ濡れ広がり率が向上し、シェア試験 おいて、はんだボールと銅はくの界面で破 せずにバルク破壊し、有機酸である2,5-ジヒ ロキシ安息香酸(参考例7)と同等のフラック 活性を示すことが分かる。

(実施例1~4、及び比較例1、2)
 (a)熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂FX29 3(東都化成株式会社製、製品名)25重量部、(b) ポキシ樹脂として、固形多官能エポキシ樹 EP1032H60(ジャパンエポキシレジン製、製品名 )30重量部、及び液状ビスフェノールA型エポ シ樹脂EP828(ジャパンエポキシレジン製、製 名)45重量部、(c)硬化剤として、2,4-ジヒドロ シメチル-5-フェニルイミダゾール2PHZ(四国 成株式会社製、製品名)3重量部、(d)2個以上 フェノール性水酸基を有する化合物として 表2に示す化合物を5重量部、さらに無機フィ ラーとして、球状シリカフィラーであるSE6050 (株式会社アドマテックス製、製品名)100重量 、をトルエン-酢酸エチル溶媒中に固形分濃 度が60~70%になるように溶解混合してワニスを 作製した。このワニスをセパレータフィルム (PETフィルム)上にナイフコーターを用いて塗 した後、70℃のオーブンで10分間乾燥させる ことによって、厚さ40~45μmの実施例1~4及び比 例1~3に示す封止充てん用フィルム状樹脂組 物を作製した。使用する際には、ホットロ ルラミネータにて2枚重ね合わせて、厚さを 80~90μmに調整して使用した。

(比較例3)
 無機フィラーの配合量を220重量部にした以 は、実施例1~4及び比較例1、2と同様に作製 た。

 封止充てん用フィルム状樹脂組成物の硬化 の物性は、以下のとおり測定した。
(平均線膨張係数の測定)
 200℃/1hの加熱条件で処理したサンプルを3.0m m×25mmの大きさに切り出したものを準備し、TM A/SS6000(セイコーインスツルメント社製、製品 名)を用いて、チャック間距離15mm、測定温度 囲20~300℃、昇温速度5℃/min、フィルム断面 に対して0.5MPaとなる引っ張り荷重の条件で ない、40~100℃の温度範囲における平均線膨 係数を算出した。

(弾性率及びガラス転移温度(Tg)の測定)
 200℃/1hの加熱条件で処理したサンプルを5.0m m×45mmの大きさに切り出したものを準備し、DM S6100(セイコーインスツルメント社製、製品名 )を用いて、チャック間距離20mm、周波数1Hz、 定温度範囲20~300℃、昇温速度5.0℃/minの条件 で、貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtanδの測 を行い、40℃の貯蔵弾性率及びガラス転移 度(Tg)としてtanδのピーク温度を読み取った

(粘度測定)
 15mm角(厚さ0.7mm)のガラス板の上に直径4mmの 形に打ち抜いた封止充てん用フィルム状樹 組成物を貼り付け、セパレーターフィルム はく離した後、カバーガラス(サイズ18mm角、 厚さ0.17mm)を封止充てん用フィルム状樹脂組 物を覆うように載せたものを準備した。こ を、フリップチップボンダーFCB3(パナソニッ クファクトリーソリューションズ製、製品名 )に配置し、ヘッド温度185℃、ステージ温度50 ℃、荷重12.6N、加圧時間1s(到達150℃)の条件で 加熱、加圧した。樹脂体積を一定と仮定する と次式(3)の関係が成立することから、加圧後 の半径を顕微鏡で測定し、前述した式(1)に従 い、150℃での粘度を算出した。
Z/Z 0 =(r 0 /r) 2 …(3)
Z 0 :加圧前の樹脂厚み
Z:加圧後の樹脂厚み
r 0 :加圧前の樹脂の半径(直径4mmで打ち抜いてい ので、2mm)
r:加圧後の樹脂の半径

(保存安定性)
 40℃の恒温槽に封止充てん用フィルム状樹 組成物を放置し、6日後の粘度が初期粘度の2 倍以下であるものを保存安定性があるとして 「A」とし、2倍より大きいものを保存安定性 ないとして「B」とした。粘度測定は前述の 方法で測定した。

(ゲル化時間測定)
 260℃の熱板上にセパレーターをはく離した 止充てん用フィルム状樹脂組成物を配置し スパチュラで攪拌不能になるまでの時間を ル化時間とした。

(接続サンプル作製)
 銅配線表面にSn-3.0Ag-0.5Cuの受けはんだ層が 成されたプリント基板JKIT TYPE III(日立超LSI ステムズ製、製品名)のチップ搭載領域に、 10mm角に切り出した封止充てん用フィルム状 脂組成物を80℃/50N/5sの条件で貼り付けた後 セパレータフィルムをはく離し、高融点は だバンプ(95Pb-5Sn)が形成されたチップPhase2E175 (日立超LSIシステムズ製、製品名、サイズ10mm 、厚み550μm、バンプ数832、バンプピッチ175 m)とプリント基板をフリップチップボンダー FCB3(パナソニックファクトリーソリューショ ズ製、製品名)を用いて位置合わせを行い、 荷重5Nで加圧しながら、180℃/5~30s+230~280℃/5s 温度プロファイルで加熱してチップと基板 接続した。その後、165℃のオーブンで2時間 熱処理を行い、接続サンプルを作製した。

(はんだ接合性)
 接続サンプルの導通検査を行い、導通がと たものについて「A」とした。そして、接続 部の断面を観察し、バンプと受けはんだが均 一に濡れて接合されているものを「A」とし 均一に濡れていないものを「B」とした。

(耐湿信頼性)
 接続サンプルを温度130℃/相対湿度85%に設定 した試験槽内に100時間放置した後、導通検査 を行い、放置前の接続抵抗と比較して、抵抗 変化率が±10%以内であるものを耐湿信頼性が るとして「A」とした。

(絶縁信頼性)
 配線幅20μm、配線間距離40μmで形成された銅 配線の櫛型パターンを有するポリイミド基板 に、封止充てん用フィルム状樹脂組成物を80 /100N/5sの条件で櫛型パターンを覆うように り付けて、セパレータフィルムをはがした 、165℃のオーブンで2時間加熱処理を行い、 価用サンプルを作製した。このサンプルを 度130℃/相対湿度85%に設定した試験槽内に5V 直流電圧を印加しながら放置し、マイグレ ションテスターMIG-8600(IMV社製、製品名)にて 試験槽内における絶縁抵抗を連続測定した。 100時間の測定中に10 6 ω以上の絶縁抵抗を保持しているものを「A」 とし、絶縁抵抗が10 6 ω未満となったものを「B」とした。

(総合判定)
 上記の各評価指標を踏まえた総合的な評価 して、封止充てん用フィルム状樹脂組成物 して接続信頼性を有するものを「A」、接続 信頼性を有さないものを「B」とした。
 評価結果を表2に示す。

 表2に示す結果から分かるように、実施例 1~4では良好な保存安定性、はんだ接合性、耐 湿信頼性及び絶縁信頼性を示した。一方、比 較例1では断面観察において、バンプと受け んだが均一に濡れておらず、フラックス活 が不充分であった。比較例2では、はんだ接 性は良好であったが、保存安定性が悪く、 縁信頼性評価において、80時間測定後に不 が発生した。比較例3では、保存安定性が悪 、また、バンプと受けはんだが均一に濡れ おらず、フィルム状樹脂組成物の粘度が高 ために、溶融したはんだが濡れ広がるのを 害したと考えられる。

 以上に説明したとおり、本発明によって 良好な保存安定性とフラックス活性を示し 接続信頼性に優れた封止充てん用フィルム 樹脂組成物を得ることができる。また、本 明の封止充てん用フィルム状樹脂組成物を いることによって、金属接合が容易となり 接続信頼性に優れた半導体装置を製造する とが可能となる。さらに、良好な生産性を 現することが可能となる。

 本発明によれば、良好な保存安定性とフ ックス活性を示し、接続信頼性に優れた封 充てん用フィルム状樹脂組成物を提供する とができる。また、本発明の封止充てん用 ィルム状樹脂組成物を用いることによって 金属接合が容易となり、接続信頼性に優れ 製造方法及び半導体装置をも提供すること できる。