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Patent Searching and Data


Title:
FILTER DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026493
Kind Code:
A1
Abstract:
A filter device exhibiting excellent mass productivity in which insertion loss does not deteriorate even if the frame is composed of a plated steel sheet. In a filter housing provided with a resonance element, the resonance element is shaped by bending a plated steel sheet, which has a plated surface formed on the opposite sides, into a tubular shape. A gap formed in the side face of the resonance element is brazed with a solder, and the plated surface on the outside of the resonance element and the plated surface on the inside of the frame are brazed with a solder.

Inventors:
TACHIBANA MINORU
NANBA HIDEKI
Application Number:
PCT/JP2007/066329
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 23, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MATSUSHITA ELECTRIC IND CO LTD (JP)
TACHIBANA MINORU
NANBA HIDEKI
International Classes:
H01P11/00; H01P1/205
Foreign References:
JP2000114809A2000-04-21
JPH0358501A1991-03-13
JPH05183305A1993-07-23
JP2006510243A2006-03-23
US6002311A1999-12-14
JPS5884503A1983-05-20
US20030174030A12003-09-18
JPH08195607A1996-07-30
Other References:
See also references of EP 2058898A4
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006, Oaza Kadom, Kadoma-shi Osaka 01, JP)
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Claims:
少なくとも上方が開放された枠体と、前記枠体の前記開放側を覆うとともに前記枠体に取り付けられた蓋体とからなるフィルタ筐体と、
前記フィルタ筐体内に設けられた共振素子とを備え、
少なくとも前記フィルタ筐体の内側にメッキ面が形成されたフィルタ装置において、
前記共振素子には鋼板の両面に前記メッキ面が形成されたメッキ鋼板が用いられ、
前記共振素子は前記メッキ鋼板が筒状に折り曲げられて整形され、
前記共振素子の側面に形成される隙間が接合部材でロウ付けされるとともに、前記共振素子における外側のメッキ面と前記枠体の内側のメッキ面とが前記接合部材でロウ付けされた、
フィルタ装置。
前記共振素子の先端は内側へと折り返された、
請求項1に記載のフィルタ装置。
前記枠体は、底部と、前記底部から立設され互いにほぼ直交して配置された第1の側板と第2の側板とを有し、
前記枠体は、鋼板の両面に前記メッキ面が形成されたメッキ鋼板がプレス加工により切断されて整形され、
前記第1の側板と第2の側板における内側のメッキ面同士が前記接続部材でロウ付けされた、請求項1に記載のフィルタ装置。
少なくとも前記第1の側板と第2の側板の切断面には、前記メッキ面が巻き込まれた、請求項3に記載のフィルタ装置。
前記枠体内には、前記底面に立設され前記第1の側板に対しほぼ直交して配置された第3の側板と、前記第3の側板で仕切られた空間同士を連結する結合窓部とを設け、
前記第3の側板には鋼板の両面にメッキ面が形成されたメッキ鋼板が用いられ、
前記第3の側板は前記メッキ鋼板がプレス加工により切断されて整形され、
前記第3の側板はその両面において前記枠体と前記接合部材でロウ付けされた、請求項3に記載のフィルタ装置。
前記フィルタ装置は前記共振素子を複数備え、各共振素子間は、連結窓を有する仕切り板によって仕切られた、請求項1に記載のフィルタ装置。
少なくとも前記仕切り板の連結窓側端部の一部には前記メッキ面が形成された、請求項6に記載のフィルタ装置。
前記仕切り板の前記連結窓側端部における前記メッキ面は、前記仕切り板側面のメッキ面がプレス加工により巻き込まれて形成された、請求項7に記載のフィルタ装置。
前記仕切り板の前記連結窓側端部における前記メッキ面は、前記仕切り板を折り返して整形することで形成された、請求項7に記載のフィルタ装置。
請求項1に記載のフィルタ装置を製造する方法であって、鋼板の両面にメッキを施したメッキ鋼板をプレス加工により切断・折り曲げて枠体を得るステップと、前記枠体における側板同士を接合部材によりロウ付けするステップと、前記枠体に蓋体を取り付けるステップと、前記蓋体を取り付けるステップの前に共振素子を前記枠体内へロウ付けするステップを有した、フィルタ装置の製造方法。
前記共振素子を前記枠体内へ取り付けるステップでは、前記共振素子の外側側面と前記枠体の内側のメッキ面とを接合部材によりロウ付けする、請求項10に記載のフィルタ装置の製造方法。
前記共振素子を前記枠体内へ取り付けるステップの前に共振素子を得るステップを有し、
前記共振素子を得るステップではメッキ鋼板を筒状に折り曲げて整形し、その後に前記共振素子の側面に形成される隙間を接合部材でロウ付けする、請求項10に記載のフィルタ装置の製造方法。
Description:
フィルタ装置とその製造方法

 本発明は、特にマイクロ波、準マイクロ 通信装置等に用いられるフィルタ装置と、 の製造方法に関するものである。

 図12は、従来のフィルタ装置の断面図で る。

 従来、このようなフィルタ装置は、図12 示すように、アルミダイキャストを切削加 した後に、全体に銀メッキを施して得られ 枠体1の中に、共振素子2をネジ止め固定し、 蓋体3を枠体1に取り付けて、フィルタ装置を 成していた。

 なお、この出願の発明に関連する先行技 文献情報としては、例えば特許文献1が知ら れている。

 しかしながら、共振素子をネジ止めする場 、締め具合によって接触部での電気抵抗に らつきが生じ、それにより枠体の内側と内 に設置した共振素子との間で構成する共振 のQ値が低くなり、結果としてフィルタ装置 を構成したときの挿入損失が大きくなる等の 、特性の劣化を引き起こすという課題があっ た。

特開平08-195607号公報

 本発明は上記従来の課題を解決するもの 、挿入損失等の特性に優れたフィルタ装置 提供するものである。

 従来の課題を解決するために本発明は、 なくとも上方が開放された枠体と、この枠 の開放側を覆うとともに枠体に取り付けら た蓋体とからなるフィルタ筐体と、このフ ルタ筐体内に設けられた共振素子とを備え 少なくともフィルタ筐体の内側にメッキ面 形成されたフィルタ装置において、共振素 には鋼板の両面にメッキ面が形成されたメ キ鋼板が用いられ、共振素子はメッキ鋼板 筒状に折り曲げられて整形され、共振素子 側面に形成される隙間が接合部材でロウ付 されるとともに、共振素子における外側の ッキ面と枠体の内側のメッキ面とが接合部 でロウ付けされたものである。

 これにより、共振素子が導電性の接合材 でロウ付けされるので、共振素子と枠体と 間の接続抵抗の値を小さくできる。従って 共振器のQ値を高くできるので、挿入損失の 劣化が小さいフィルタ装置を得ることができ る。

 また、メッキ鋼板を用いているので、厚 も薄くでき、重量も軽量化することができ 。さらに、プレス加工によって整形するこ ができるので、非常に生産性が良好であり 低価格なフィルタ装置を実現できる。

図1は、本発明の実施の形態1における ィルタ装置の断面図である。 図2は、同フィルタ装置の枠体の展開図 である。 図3Aは、同フィルタ素子に用いる共振 子の展開図である。 図3Bは、同共振素子の上面図である。 図3Cは、同共振素子の側面図である。 図4Aは、メッキ面の片側のみで接合さ た接合部の拡大断面図である。 図4Bは、メッキ面の両側で接合された 合部の拡大断面図である。 図5は、実施の形態2におけるフィルタ 置の断面図である。 図6は、同フィルタ装置の枠体の展開図 である。 図7Aは、同フィルタ装置に用いる共振 子の上面図である。 図7Bは、同共振素子の側面図である。 図7Cは、同共振素子の下面図である。 図8は、実施の形態3におけるフィルタ 置の断面図である。 図9Aは、同フィルタ装置に用いる共振 子の展開図である。 図9Bは、同共振素子の側面図である。 図10Aは、同フィルタ装置を上から見 断面図である。 図10Bは、同フィルタ装置の仕切り板 先端部の拡大断面図である。 図11は、実施の形態3において、第2の の仕切り板を用いた場合のフィルタ装置を から見た断面図である。 図12は、従来のフィルタ装置の断面図 ある。

符号の説明

 11  フィルタ筐体
 11a  枠体
 11b  蓋体
 11c  底部
 11d  側板
 11e  仕切り板
 12  共振素子
 12b,13a,13b,13c,13d  接合部
 14  はんだ

 (実施の形態1)
 以下、本発明の実施の形態1について図面を 用いて説明する。図1は実施の形態1における ィルタ装置の断面図であり、図2は同フィル タ装置の枠体11aの展開図である。図1、図2に いて枠体11aは、両面に予め銅メッキ面が形 されたメッキ鋼板を、プレス加工により所 の形状に切断・折り曲げて、加工したもの ある。本実施の形態におけるフィルタ筐体1 1は、枠体11aと蓋体11bとから構成されている ここで枠体11aは、図2に示すような形状に切 し、点線部分で折り曲げられる。これによ て、枠体11aは底部11cと、この底部11cの4つの 周縁部から折り曲げて立設され互いにほぼ直 交して形成された側板11dとから成る、箱型形 状に成形される。

 そして枠体11aの開口を覆うように、蓋体1 1bが装着される。なお本実施の形態において 枠体11aと蓋体11bとの接続は、はんだ14(接合 料の一例として用いた)によりロウ付けされ ている。なお蓋体11bには、共振素子12の上方 なる位置に、ビス穴が設けられている。そ てこのビス穴には、周波数調整用ネジ15が り付けられる。

 本実施の形態においては、蓋体11bにも枠 11aと同じメッキ鋼板を用いている。なお、 実施の形態において、これらのメッキ鋼板 板厚みは約1mmである。

 ここで、図2における点線部分を折り曲げ て隣接した側板11d同士が接する部分が、接合 部13aとなる。接合部13aにおいて隣り合った側 板11d同士は、はんだ14により接続・固定され いる。なお、本実施の形態におけるメッキ 銅メッキであり、その厚みは約10μmである

 図3Aは、同フィルタ素子に用いる共振素 12の展開平面図であり、図3Bは同共振素子12 上面図であり、図3Cは同共振素子12の側面図 ある。図3A、図3B、図3Cにおいて、共振素子1 2は枠体11aと同様に、銅メッキ鋼板をプレス 工することで形成される。なおこの共振素 12は、打ち抜き平板12aを円柱状に折り曲げる ことにより整形されたものである。

 そして、この共振素子12は、枠体11aの底 11cに、はんだ14により接続・固定される。

 本実施の形態におけるフィルタ筐体11に 、4つの共振素子12が取り付けられる。そし 、これらそれぞれの共振素子12は、仕切り板 11eによって仕切られている。

 そして、この仕切り板11eと側板11dとの間 、仕切り板11eとフィルタ筐体11との間(仕切 板11eと底部11c、仕切り板11eと側板11d、仕切 板11eと蓋体11bのそれぞれの間)の接合部13b、 さらに側板11dと蓋体11bとの接合部13cも、はん だ14によってロウ付け接合されている。

 なお本実施の形態において、仕切り板11e 、枠体11のほぼ中心に十字状に交差して配 されている。そして、これら仕切り板同士 連結部13d(図1には示さず、図10Aに示す)も、 んだ14によって接合されている。そして、こ のように配置された仕切り板11eによって仕切 られた各キャビティのほぼ中心に、共振素子 12が配置される。

 このような構成としているので、共振素 12の内部は空洞となり、ポール型の共振素 を用いるのに比べて、軽量化を図ることが きる。また、共振素子12は打ち抜き平板12aを 折り曲げて形成されるので、この合わせ部分 には隙間12cが生じる。そこで、この隙間12cも はんだ14により接続・固定が行われている。 れにより、フィルタの損失抵抗を小さくで る。

 ここで、一般的には、接合部13a、13b、13c 13dや共振素子12とフィルタ筐体11との接合部 12bで、電荷が集中し易く、電位が高くなる。

 従って、接合部12bや接合部13a、13b、13c、1 3dでの抵抗値を小さくすることが重要であり これらを接合する部材にはできる限り抵抗 の小さな金属を用いることが望ましい。

 本実施の形態では、ロウ付け材料として んだ14を用いているが、これに限らず、抵 値が小さく、メッキ面の金属との相性が良 、金属食われなどが発生しにくい金属を、 宜選択すれば良い。

 また、プレス加工で切断された破断面に 、鋼板の素地が露出することとなる。とこ が、この素地は鉄であり、酸化や錆などが 行しやすく、破断面においての抵抗値は大 くなる。また、鉄が磁性体材料であるため 、高周波領域での抵抗値は大きい。そこで はんだ14(接続部剤)により、このメッキ面同 士の間を接続するようにロウ付けするわけで ある。

 具体的には、接合部13aにおいては、はん 14で側板11dの内側メッキ面同士の間が接続 れる。接合部13bにおいては、はんだ14で、仕 切り板11eの両面におけるそれぞれのメッキ面 と、フィルタ筐体11の内側メッキ面とがそれ れ接続される。接合部13cにおいては、側板1 1dと蓋体11bとが接続される。接合部13dにおい は、仕切り板11eの側面のメッキ面同士が接 される。そして接合部12bにおいては、はん 14で、底部11cの内側におけるメッキ面と共 素子12の外側のメッキ面との間が接続される 。これにより、接合部12bや各接合部13a、13b、 13c、13dでの抵抗値を小さくできるので、共振 器のQ値を高くできる。従って、信号のロス 小さくでき、挿入損失の小さなフィルタ装 を実現できる。

 さらにこの構成により、接合部12bや接合 13a、13b、13c、13dにおいて、電荷の集中を小 くできるという効果も奏する。一般的に電 は、接続部12bや接続部13a、13b、13c、13dのよ な角部分に集中することが知られている。 して特に、この角部分の角度が鋭角なほど またその先端が尖っているほど、より電荷 集中度合いは大きくなる。

 そこで、接合部材によってメッキ面同士 接続することにより、接合部12bや接合部13a 13b、13c、13dにおける角部分の先端形状は、 みを帯びたR形状となる。また、底部11cと側 板11dとの折り曲げ部にもR形状を有するよう 加工されている。これにより、接合部12bや 合部13a、13b、13c、13dにおいて、電荷の集中 合いが小さくできるので、接合部12bや接合 13a~13dの寄与度が小さくなり、さらに信号の スを小さくでき、挿入損失の小さなフィル 装置を実現できる。

 加えて本実施の形態では、共振素子12の 端部12dにおける切断面も、はんだ14で覆って いる。これによりさらに、特に電荷の集中す る共振素子12の先端部12dにおいて、切断面が 出し難くなり、先端部12dでの電気抵抗を小 くできる。従って、メッキ鋼板を用いても フィルタ装置の挿入損失を改善することが きる。

 なお、本実施の形態では、枠体11aと蓋体1 1bとの間もはんだ14によって接続したが、こ はねじなどにより固定しても良い。この場 、蓋体11bの取り外しが可能となり、修理な が容易となる。また、本実施の形態におい 、共振素子12は底部11cに取り付けたが、これ は側板11dや蓋体11bに取り付けても良い。ただ し、調整用ネジ15の中心軸と共振素子12の中 軸とがほぼ一直線上となるようにしておく とが望ましい。

 次に、以上のように構成されたフィルタ 置の製造方法について説明する。プレス加 工程は、銅メッキ鋼板を打ち抜いて、折り げて、枠体11a、蓋体11b、仕切り板11eや共振 子12を得る工程である。そしてロウ付け工 は、プレス加工工程の後で、枠体11aに共振 子12や仕切り板11e、蓋体11bをロウ付け固定す る工程である。

 このロウ付け工程において、最初に、は だ塗布・組み立てが行われる。このはんだ 布・組み立て工程は、プレス加工工程の後 、共振素子12や仕切り板11eを枠体11aの底面11 cに装着し、この接合部12bや接合部13a、13b、13 c、13dに対してそれぞれクリームはんだ14を塗 布するとともに、蓋体11bが枠体11aへ装着され る。

 なお本実施の形態では、クリーム状のは だ14をディスペンサで塗布するが、蓋体11b ような平板形状のものであればスクリーン 刷法などにより塗布しても良い。この場合 安定した量のクリームはんだを塗布できる またクリームはんだ14に代えて、棒状のはん だ14を用いても良い。この場合、さらに、は だ14の量が安定する。

 次にロウ付け工程では、はんだ14の塗布 組み立て工程の後で、加熱してはんだ14を溶 融することで、共振素子12や蓋体11bが枠体11a 対して接続・固定される。また、枠体11aに ける接続部13a、13b、13c、13dも、はんだ14に って接続・固定される。

 なお、本実施の形態では、クリームはん 14ペーストによるロウ付けを行ったが、棒 はんだ14や銀ロウ材料によるロウ付けとして も良い。ただし、銀ロウ材料を用いた場合に は、約900℃の雰囲気の還元炉により接合させ ることが望ましい。このように本実施の形態 では、側板11d同士の接合と、底部11cと共振素 子12との接合、共振素子12の隙間12cをはんだ14 で覆うという作業を、1つの工程で行うこと できるため、量産性が良好となる。

 次に調整工程では、ロウ付け工程の後で 体11bに周波数調整用ネジ15を取り付け、こ 周波数調整用ネジ15と共振素子12との距離を 整することにより、フィルタ装置の周波数 性を調整し、フィルタ装置が完成する。

 図4Aは、メッキ面の片側のみで接合され 接合部の拡大断面図であり、図4Bはメッキ面 の両側で接合された接合部の拡大断面図であ る。ここで図4Aは、接合部13a、13cを示し、図4 Bは接合部12b、13bを示している。図4A、図4Bに いて、図1から図3A、3B、3Cと同じものには同 じ番号を用いて、その説明は簡略化している 。

 図4A、図4Bにおいて、枠体11a(あるいは共 素子12)をプレス切断するときに、切断用金 のクリアランスを調整することにより、接 部13a、13b、13c、13dでは、切断面側へメッキ の材料を巻き込む領域17が形成される。これ により側板11d同士や、仕切り板11eと蓋体11bあ るいは仕切り板11eとフィルタ筐体11、さらに フィルタ筐体11と発振素子12とにおける各接 続部において、容易にハンダ14で接続するこ ができる。

 ここで、本実施の形態ではメッキ鋼板を いているので、破断面を有している。そし 、接合部12b、13a、13b、13c、13dにおいて、破 面はメッキ面と対向するように配置される これにより、この破断面でははんだ14の馴 みが悪いので、はんだ14の流動が防止され、 はんだの不要な広がりを防止できる。従って 、接合部12b、13a、13b、13c、13dにおいて、安定 した適度な形状を得ることができる。従って 、挿入損失性能のばらつきを小さくできる。

 加えて、接続部12b、13a、13b、13c、13dには はんだ14の流れと広がりを防止するために V溝19を設けている。これにより、溶けたは だ14がV溝を越えて広がり難くでき、各接合 において安定した形状と大きさのR形状を実 できる。従って、挿入損失が小さくかつそ ばらつきも小さくできる。なお、本実施の 態において、はんだ14の広がり防止手段と てV溝19を用いたが、これは突起やレジスト などでも良い。ただし、はんだ14の広がり防 止手段として突起を用いた場合、この突起に 電荷が集中しないように、尖った箇所を作ら ないことが望ましい。

 また、共振素子12の接合部12bや先端部12d おける外周面側にも、巻き込み領域17を設け ている。そして本実施の形態においては、は んだ塗布・組み立て工程で、共振素子12の先 部12dに対してもクリーム状のはんだ14が塗 される。これにより、両面のメッキ面間の 離(破断面が露出した距離)が小さくなり、切 断面全体が溶融したはんだ14で覆われ易くな 。これにより、特に電荷が集中し易い先端 12dがはんだ14によって覆われるので、先端 12dの抵抗値を小さくできる。従って、挿入 失の小さなフィルタ装置を実現できる。

 本実施の形態における仕切り板11eには、 接するキャビティ同士を結合させるための 合窓18(図10Aに表示)が設けられている。そし て本実施の形態ではさらに、仕切り板11eの結 合窓18側の端部18aにも、メッキ面の材料が巻 込まれている。これによりメッキ面間の距 が短くなり、抵抗値を小さくできる。

 そしてさらに本実施の形態では、はんだ 布・組み立て工程において、この端部18aの 断面にもクリーム状のはんだ14が塗布され 。これにより、電位が高くなり易い仕切り 11eの先端部において、さらに抵抗値を小さ できるので、さらに挿入損失の小さなフィ タ装置を実現できる。なお、切断面にメッ の材料を巻き込む領域17は広い方が良く、切 断面の30%より広い方が望ましく、より好まし くは50%以上が望ましい。このようにすること により、安定して切断面全体をはんだ14で覆 ことができる。また、メッキの厚みは、メ キの材料を切断面に巻き込むためには厚い が望ましく、メッキ鋼板の厚みの0.5%以上と することで、安定して切断面の30%以上を巻き 込むことができる。

 さらに本実施の形態では、共振素子12の 間12cの両側に形成される破断面においても 切断面側へメッキ面の材料を巻き込むよう すると良い。なお、このメッキ面の巻き込 は、共振素子12の外側となる側に形成する。 これにより、隙間12cにおいて、はんだ14は、 細管現象によって切断面全体を覆いながら 共振素子12の頂部に向かって吸い上がり易 なる。これにより、容易に隙間12cに対して ロウ付けが可能となる。さらに言えば、こ らのロウ付けを一括で処理することも可能 あるので、非常に生産性が良好となる。

 以上のように、本実施の形態におけるフ ルタ装置は、共振素子12と枠体11aの内側と 空間で共振を起こすことにより、共振器を 成し、これらを組み合わせることにより、 ィルタ特性を得るものである。このとき、 ィルタ筐体11における内側のメッキ面同士が はんだによって接続され、また共振素子12の 側めっき面とフィルタ筐体11の内側メッキ とが接続されることにより、共振素子12を含 むループの一部における電気抵抗を小さくで きる。従って、共振器のQ値が高く、挿入損 の小さなフィルタ装置を実現できる。

 なお、メッキおよびロウ付けの材料につ ては、フィルタ装置の特性の観点から電気 抗の低いのが望ましく、さらに、メッキ材 の融点とロウ付け材料の融点との差が大き ことが望ましい。ロウ付け温度はそれらの 点間の温度に設定する必要があるため、こ 温度差が小さいとロウ付け材料の粘度が十 に小さくならず、広がりにくいためである これらを考慮すると、メッキ材料として銅( 融点約1050℃)を用い、ロウ付け材料として銀 ウ(融点約800℃)あるいは、はんだ14(融点約18 0~240℃)を用いると、ロウ材の粘度を十分に小 さくし、安定して切断面全体をロウ材で覆う ことが可能となる。

 また、本実施の形態1では、枠体の底面に 共振素子12をロウ付けしたが、これは蓋体11b 側板11dにロウ付けしても、同様のフィルタ 置を得ることができる。また本実施の形態 は、周波数調整用ネジ15を蓋体11bに取り付 たが、これも側板11dあるいは底部11cに取り けても良い。ただし、精度良く周波数の調 を行うためには、共振素子12を設けた面と対 向する面に、周波数調整用ネジ15を取り付け ことが望ましい。また、周波数調整用ネジ1 5は、共振素子12の中心と周波数調整用ネジ15 中心とがほぼ一直線上となる位置に配置す と良い。

 さらに、切断面全体にロウ材を行き渡ら るために、全ての部分にロウ材を付着させ 、還元炉に入れることによりロウ材を溶融 せる。あるいは、接合部12b、13a、13b、13c、1 3dと接合部でない切断部との間を、細い溝で ないでも良い。そして接合部にロウ材を付 させて還元炉に入れば、溶融したロウ材が 細管現象によって細い溝を通じて、接合部 ない切断部に伝わる。このようにすれば、 断面全体を容易にロウ材で覆うことができ 。なおこの溝は、枠体11あるいは共振素子12 のプレス加工工程で同時に形成できるので、 余計な手間がかかることはない。

 (実施の形態2)
 以下、実施の形態2について図面を用いて説 明する。図5は本実施の形態2におけるフィル 装置の断面図であり、図6は同フィルタ装置 の枠体の展開図である。図5、図6において、 1と同じものには、同じ番号を用いて、その 説明は簡略化している。

 実施の形態1では、枠体11aは底部11cから側 板11dが折り曲げられることによって、一体に 形成されている。それに対し、本実施の形態 2における枠体11aは、底部11cと側板11dとが分 されている。一方、本実施の形態2における 板11dは天面11fを有し、4つの側板11dは、この 天面11fの周縁から折り曲げて立設されている 。そして、蓋体11bは、天面11fに対してネジ止 めで固定されている。そして底部11cと側板11d との接合部22は、はんだ14によって接合され いる。

 次に、本実施の形態における共振素子21 、実施の形態1と同様に、底部11cにはんだ14 ロウ付けされている。図7Aは、本実施の形態 2のフィルタ装置に用いる共振素子21の上面図 であり、図7Bは同共振素子21の側面図、図7Cは 同共振素子21の下面図である。図7A~7Cにおい 、共振素子21はプレス加工により折り曲げて 整形されている。ここで共振素子21は、搭載 21aと、この搭載面21の周縁から折り曲げて 成された連結部21bと、この連結部21bに連結 て設けられた筒部21cとから構成される。な この筒部21cは半円筒形状に折り曲げられて る。そして、この共振素子21は、搭載面21aが 底部11c側となり、開口側が蓋体11bに向く方向 で、底部11c上に搭載される。本実施の形態に おける枠体11a、蓋体11bや、共振素子21全てに 銅メッキ鋼板が用いられているので、搭載 21aの外側メッキ面と底部11cの内側メッキ面 の間や、側板11dの開口側先端部の内側メッ 面と底部11cの内側メッキ面とが、はんだ14 よってロウ付けされる。

 本実施の形態における共振素子21では、 部21c同士の間に隙間21dが形成されるが、こ 隙間21dもはんだ14により塞がれる。これによ り、メッキ鋼板を用いて挿入損失の小さなフ ィルタ装置を実現できる。なお、筒部21cの外 周側における先端は、実施の形態1と同様に ッキ面が巻き込まれた領域17が形成され、は んだ14が破断面を覆っている。

 さらに、本実施の形態では、天面11fの上 と蓋体11bの下面とが対向し接する箇所にク ームはんだを塗布し、蓋体11bと天面11fとを 合している。ここで、天面11fの穴16aにより 差が生じるが、この穴の破断面もはんだで 合しておくことが望ましい。

 そこで、本実施の形態において、天面の 16aの切断面に対し、メッキ面が巻き込まれ ようにしておく。このようにすることによ 、穴16aの周囲においてもはんだが回り易く り、段差部分への電位の集中を少なくでき 。従って、損失の小さなフィルタ装置を実 できる。このとき、メッキ面が巻き込まれ 側が、蓋体11bに対向する側としておくと良 。このようにすれば、さらに接合部に対し 易にロウ付けできる。

 なお、本実施の形態のはんだ塗布・組み て工程では、最初に底部11cと蓋体11bとに、 リーム状のはんだ14が塗布される。底部11c おいては、共振素子21の搭載面21aや底部11cと 側板11dとの接合部22に対して、クリーム状の んだ14が供給される。一方蓋体11bに対して 、天面11fと対向する位置に、クリーム状の んだ14が塗布される。

 ここで、本実施の形態の底部11、蓋体11b 平板状としているので、スクリーン印刷に って容易にはんだ14を塗布することができ、 生産性が良好である。なお、本実施の形態で は、蓋体11bに対して、はんだ14を塗布したが これは天面11fにおいて蓋体11bと対向する位 にはんだを塗布しても良い。そしてこの場 においても、天面11fの上面は平坦であるの 、スクリーン印刷などにより、容易にはん 14を塗布することができる。

 そしてその後に、共振素子21、仕切り板( 示せず)や側板11dが装着され、その後に側板 11d同士の接合部13a、13b、13c、13dへ、クリーム 状のはんだ14が供給される。

 (実施の形態3)
 以下、本実施の形態3について、図面を用い て説明する。図8は、本実施の形態3における ィルタ装置の断面図である。図8において、 本実施の形態3におけるフィルタ装置は、実 の形態1におけるフィルタ装置に対し、共振 子31が蓋体11b側に装着され、周波数調整用 ジ15が底部11cに取り付けられている点と、仕 切り板11eの先端部18aの形状が異なっている。

 図9Aは、本実施の形態3における共振素子3 1の展開図であり、図9Bは同共振素子の側面図 である。図9A、9Bに示すように、共振素子31の 先端は内側の方向へ折り曲げられている。こ れにより、めっき面にて覆われた面が共振素 子31の先端部分31aとなるので、先端部分31aに いて素地の露出が無く、抵抗値が小さくな 。従って、フィルタ装置の挿入損失を小さ できる。なお、本実施の形態3において折り 曲げ長さは、約3mmとしている。

 ここで、図9Aに示すように、共振素子31の 展開状態において、折り曲げ側端部近傍はC ットされている。これにより、共振素子31を 折り曲げたときの材料干渉を小さくでき、寸 法精度の良好な共振素子31を実現できる。

 図10Aは、本実施の形態3におけるフィルタ 装置を上から見た断面図であり、図10Bは、同 フィルタ装置の仕切り板の先端部の拡大断面 図である。図10A、10Bにおいて、図1と同じも には同じ番号を用いており、それらについ は説明を簡略化している。

 ここで、仕切り板11eの端部と側板11dとの に設けられた結合窓18は、仕切り板11eで仕 られた各キャビティ間を連結するためのも である。そして、この仕切り板11eの先端部18 aにおいても電位が高くなり易い。

 そこで、本実施の形態3では、仕切り板11e の先端部18aにおいて、切断面側へメッキ面の 材料を巻き込むために、プレス加工の工程に おいて、先端部18を両面側からV字型に押し面 32を形成する。そしてV字形状の頂点近傍で切 断すれば、押し面32にはメッキ面が形成され 仕切り板11eの先端部18aにおいて、破断面の 出を小さくできる。

 従って、電位の高くなり易い場所におけ 抵抗値を小さくできるので、挿入損失の小 なフィルタ装置を実現できる。なお、この 合において従来と同様に、先端部18aにはん 14を塗布し、はんだ14により覆うとさらによ い。

 図11は本実施の形態3において、第2の例の 仕切り板を用いた場合のフィルタ装置を上か ら見た断面図である。図11においては、仕切 板41は、仕切り板41の先端部において折り返 されている。これにより、仕切り板41の先端 分はメッキ面となるので、抵抗値が小さく る。従って、さらに挿入損失の小さなフィ タ装置を実現できる。

 本発明にかかるフィルタ装置は、メッキ 板を用いて枠体を構成しても、挿入損失の 化がなく、量産性に優れたフィルタ装置を ることができ、マイクロ波、準マイクロ波 信装置等のフィルタ装置に有用である。




 
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