株式会社ワイ・ジー・ケー (〒02 兵庫県南あわじ市福良乙986-2 Hyogo, 65605, JP)
| 鞘部に長繊維を有し、芯部に短繊維を有する複合糸からなる釣糸。 |
| 芯部の短繊維の単糸が重なり、交絡され又は交撚されていることを特徴とする請求項1記載の釣糸。 |
| 芯部の短繊維の繊維長が5~500mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の釣糸。 |
| 芯部の短繊維の比重が1.0以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の釣糸。 |
| 芯部の短繊維の使用が釣糸の比重調整目的であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の釣糸。 |
| 芯部の短繊維が合成繊維、再生繊維、金属繊維、セラミック繊維及びガラス繊維からなる群から選ばれる1種類以上の繊維からなることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の釣糸。 |
| 芯部の短繊維がポリエステル系繊維、ガラス繊維またはフッ素樹脂系繊維からなることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の釣糸。 |
| 鞘部の長繊維が超強力繊維からなることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の釣糸。 |
| 鞘部の超強力繊維の長繊維が複合糸全体の12重量%以上であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の釣糸。 |
| 超高強力繊維が分子量30万以上の超高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする請求項8に記載の釣糸。 |
| 鞘部が、芯部の周りに長繊維を製紐することにより構成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の釣糸。 |
| 鞘部が芯部を捲回していることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の釣糸。 |
| 鞘部の長繊維と芯部の短繊維が交絡していることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の釣糸。 |
| 鞘部と芯部からなる複合糸または釣糸の最外層が樹脂によってコーティングされていることを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載の釣糸。 |
| 製造過程において加熱下または非加熱下に延伸された経歴を有する請求項1~14のいずれかに記載の釣糸。 |
| 長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維からなり、短繊維がフッ素樹脂系繊維からなることを特徴とする請求項1~15のいずれかに記載の釣糸。 |
| 鞘部に長繊維を用い、芯部に融点が鞘部の長繊維より高い長繊維を用いて複合糸を製造し、該複合糸を加熱下に延伸して鞘部の長繊維を破断させずに芯部の長繊維のみを短繊維に破断させることを特徴とする請求項1記載の釣糸の製造方法。 |
| 鞘部に長繊維を用い、芯部に強度が鞘部の長繊維より低い長繊維を用いて複合糸を製造し、該複合糸を加熱下又は非加熱下に延伸して鞘部の長繊維を破断させずに芯部の長繊維のみを短繊維に破断させることを特徴とする請求項1記載の釣糸の製造方法。 |
| 芯部を構成する短繊維又は長繊維の単糸繊度が、11dtex以下であることを特徴とする請求項17又は18に記載の釣糸の製造方法。 |
| 鞘部に長繊維を用い、芯部に融点が鞘部の長繊維より高い短繊維またはステープルからなる紡績糸を用いて複合糸を製造し、該複合糸を加熱下または非加熱下に延伸して鞘部の長繊維を破断させずに芯部の紡績糸のみを短繊維に破断させることを特徴とする請求項1記載の釣糸の製造方法。 |
| 鞘部の長繊維の強度が8.8cN/dtexを超え、芯部の長繊維または紡績糸の強度が4.4cN/dtex以下であることを特徴とする請求項17~20のいずれかに記載の釣糸の製造方法。 |
| 長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維からなり、短繊維がフッ素樹脂系繊維からなることを特徴とする請求項17~21のいずれかに記載の製造方法。 |
| 鞘部に長繊維を有し、芯部に短繊維からなる紡績糸を有する複合糸からなる糸条。 |
| 長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維からなり、短繊維がフッ素樹脂系繊維からなることを特徴とする請求項23に記載の糸条。 |
| 請求項1に記載の釣糸の製造のためのステープルの使用。 |
本発明は、短繊維を含む芯鞘構造の釣糸 関する。さらに詳しくは、本発明は、芯部 短繊維を有し鞘部に長繊維を有する複合糸 含む釣糸に関する。
近年、釣糸の進化はめざましく、様々な りの特性に応じた特性の釣糸が開発されて る。なかでも超高分子量ポリエチレン繊維 、アラミド繊維、PBO繊維、ポリアリレート 維、ガラス繊維などの高強力繊維を用い複 の繊維を複合した芯鞘構造の製紐糸やカバ リング糸は、その高強力な特性や耐久性、 伸度で魚信を捉え易いといった特徴があり 目されている。
複数の繊維を複合した芯鞘構造の釣糸と ては、芯糸に合成樹脂マルチフィラメント 条を配し、その周りに鞘糸として合成樹脂 ルチフィラメントの撚り糸を巻回したカバ リング糸であって、芯糸と鞘糸のなす角度 撚り糸の撚り角度との差を25度以下にする とにより、優れた破断強度と結節強度を持 、且つ低伸度で耐磨耗性に優れた釣糸(特許 献1参照)、フッ素繊維のマルチフィラメン 繊維を芯糸とし、外周に超高分子量ポリエ レン繊維を配置して組上げることにより、 面下に沈み、風などの影響を受け難く、し も耐磨耗性などに強い釣糸(特許文献2参照) ガラス繊維からなる芯糸と、複数本のガラ 繊維以外の繊維からなる鞘糸で製紐され、 つ芯糸と鞘糸および鞘糸同士がバインダー 脂により一体化された伸度5%以下の糸条(特 文献3参照)が既に知られている。
しかし、これらの従来の芯鞘構造の釣糸は
芯部と鞘部の絡合性、拘束性に欠け、芯部
鞘部が分離し、芯糸が抜ける状態のいわゆ
ヌードヤーンの発生、また釣竿のガイドな
との摩擦により鞘部が分離し浮遊すること
コブができるいわゆるネップが発生する問
があった。
また、芯部と鞘部を熱融着やバインダーに
り一体化された釣糸は、糸条そのものが硬
なってしまい、巻癖がつきやすく、操作性
悪いといった問題があった。
また、超高分子量ポリエチレンフィラメン
などの超強力繊維からなる釣糸は比重が比
的小さいために、風や潮の影響を受けやす
、また潮流の早い場所や水深の深い場所で
魚のいる棚に釣り糸を迅速かつ的確に投入
きない問題があった。近年、悪天候時や潮
が激しく変化する海域では、夫々の状況に
じて最適の比重を有する釣糸を使用したい
の市場からの要求があり、比重が1.0以上の
しかも好ましくは比重が1.0以上の範囲で比
調整可能な糸条の開発が要望されてきた。
本発明者は、かかる従来の釣糸の欠点を解
するとともに、芯鞘構造が堅固でヌードヤ
ンやネップの発生がなく、操作性に優れ、
らに比重が1.0以上で比重調整可能な糸条を
発するために鋭意研究した結果、意外にも
繊維の採用が、数百メートルの長さに亘っ
使用されることもある釣糸の上記課題の解
に有効であるという驚くべき新知見を得、
らに鋭意検討を重ねて本発明に到達した。
本発明の第1の目的は、芯鞘構造が堅固で、
芯部と鞘部との乖離または剥離が実質的に起
こらず、操作性に優れているのみならずさら
に強度、耐候性および耐水性にも優れた理想
的な釣糸を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、さらに屈曲性
、柔軟性を有する比重1.0以上の範囲で比重調
整可能な付加価値の高い釣糸を提供すること
にある。
更に、本発明の第3の目的は、さらに比重が
1.0以上の範囲で比重調整可能な汎用性の高い
釣糸を提供することにある。
本発明第4の目的は、芯鞘構造が堅固かつ安
定であるためキンクや捩れ、リールの巻き癖
、スプ-ルへの食い込みが発生しにくい操作
に優れた釣糸を提供することにある。
またさらに、釣糸、ガット、ロープなどの
造に適し、堅牢性、耐久性、柔軟性などに
れた糸条を提供することも本発明の目的の
つである。
さらに、堅牢性、耐久性、柔軟性などに優
た、例えばテニス、バドミントンなどのた
のガット、ロープ等を提供することも本発
の目的の一つである。本発明のその他の目
は、本願明細書の記載から明らかとなる。
上記の目的は、本発明により実現される。
すなわち、本発明は、
(1) 鞘部に長繊維を有し、芯部に短繊維を有
る複合糸からなる釣糸、
(2) 芯部の短繊維の単糸が重なり、交絡され
は交撚されていることを特徴とする前記(1)
釣糸、
(3) 芯部の短繊維の繊維長が5~500mmであること
を特徴とする前記(1)または(2)に記載の釣糸、
(4) 芯部の短繊維の比重が1.0以上であること
特徴とする前記(1)~(3)のいずれかに記載の釣
糸、
(5) 芯部の短繊維の使用が釣糸の比重調整目
であることを特徴とする前記(1)~(4)のいずれ
かに記載の釣糸、
(6) 芯部の短繊維が合成繊維、再生繊維、金
繊維、セラミック繊維及びガラス繊維から
る群から選ばれる1種類以上の繊維からなる
ことを特徴とする前記(1)~(5)のいずれかに記
の釣糸、
(7) 芯部の短繊維がポリエステル系繊維、ガ
ス繊維またはフッ素樹脂系繊維からなるこ
を特徴とする前記(1)~(6)のいずれかに記載の
釣糸、
(8) 鞘部の長繊維が超強力繊維からなること
特徴とする前記(1)~(7)のいずれかに記載の釣
糸、
(9) 鞘部の超強力繊維の長繊維が複合糸全体
12重量%以上であることを特徴とする前記(1)~
(8)のいずれかに記載の釣糸、
(10) 超高強力繊維が分子量30万以上の超高分
量ポリエチレン繊維であることを特徴とす
前記(8)に記載の釣糸、
(11) 鞘部が、芯部の周りに長繊維を製紐する
ことにより構成されていることを特徴とする
前記(1)~(10)のいずれかに記載の釣糸、
(12) 鞘部が芯部を捲回していることを特徴と
する前記(1)~(10)のいずれかに記載の釣糸、
(13) 鞘部の長繊維と芯部の短繊維が交絡して
いることを特徴とする前記(1)~(12)のいずれか
記載の釣糸、
(14) 鞘部と芯部からなる複合糸または釣糸の
最外層が樹脂によってコーティングされてい
ることを特徴とする前記(1)~(13)のいずれかに
載の釣糸、
(15) 製造過程において加熱下または非加熱下
に延伸された経歴を有する前記(1)~(14)のいず
かに記載の釣糸、
(16) 長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維か
らなり、短繊維がフッ素樹脂系繊維からなる
ことを特徴とする前記(1)~(15)のいずれかに記
の釣糸、
(17) 鞘部に長繊維を用い、芯部に融点が鞘部
の長繊維より高い長繊維を用いて複合糸を製
造し、該複合糸を加熱下に延伸して鞘部の長
繊維を破断させずに芯部の長繊維のみを短繊
維に破断させることを特徴とする前記(1)記載
の釣糸の製造方法、
(18) 鞘部に長繊維を用い、芯部に強度が鞘部
の長繊維より低い長繊維を用いて複合糸を製
造し、該複合糸を加熱下又は非加熱下に延伸
して鞘部の長繊維を破断させずに芯部の長繊
維のみを短繊維に破断させることを特徴とす
る前記(1)記載の釣糸の製造方法、
(19) 芯部を構成する短繊維又は長繊維の単糸
繊度が、11dtex以下であることを特徴とする前
記(17)又は(18)に記載の釣糸の製造方法、
(20) 鞘部に長繊維を用い、芯部に融点が鞘部
の長繊維より高い短繊維またはステープルか
らなる紡績糸を用いて複合糸を製造し、該複
合糸を加熱下または非加熱下に延伸して鞘部
の長繊維を破断させずに芯部の紡績糸のみを
短繊維に破断させることを特徴とする前記(1)
記載の釣糸の製造方法、
(21) 鞘部の長繊維の強度が8.8cN/dtexを超え、
部の長繊維または紡績糸の強度が4.4cN/dtex以
であることを特徴とする前記(17)~(20)のいず
かに記載の釣糸の製造方法、
(22) 長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維か
らなり、短繊維がフッ素樹脂系繊維からなる
ことを特徴とする前記(17)~(21)のいずれかに記
載の製造方法、
(23) 鞘部に長繊維を有し、芯部に短繊維から
なる紡績糸を有する複合糸からなる糸条、
(24) 長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維か
らなり、短繊維がフッ素樹脂系繊維からなる
ことを特徴とする前記(23)に記載の糸条、
(25) 前記(1)に記載の釣糸の製造のためのステ
ープルの使用、および、
(26) 繊維長が短い繊維を含有する芯部と合成
繊維製フィラメント糸からなる鞘部とからな
る複合糸において、繊維長が短い繊維の毛羽
がフィラメント間に侵入あるいは絡みついて
一体化された比重が1.0以上の比重調整可能な
糸条と該糸条からなる釣糸、
に関する。
本発明の釣糸は、短繊維を含有する芯部と
ましくは合成繊維製の長繊維を含む鞘部と
らなる複合糸であり、従来公知の芯鞘構造
維にありがちな芯部と鞘部の層間剥離のな
強力な釣糸である。
また、本発明の釣糸は、耐摩耗性に富んで
り、この糸条を釣糸として使用した場合、
にかかった魚を巻き上げるときに釣糸と接
する治具やガイドにこすられて釣糸表面が
れ、あるいはスリップするという従来品の
き上げ時に見られる問題点がなくなった。
つまり、本発明の釣糸は、芯鞘構造が堅固
、芯部と鞘部との乖離または剥離が実質的
起こらず、操作性に優れているのみならず
らに強度、耐候性および耐水性にも優れた
想的な釣糸である。
更に、本発明の釣糸は、屈曲性、柔軟性に
れ、キンクや捩れ、リールの巻き癖、スプ
ルへの食い込みが発生しない。
更にまた、本発明の釣糸は、表面が非粘着
であるため、リールやボビンに巻き上げて
釣り糸が互いに粘着することがない。
また、本発明の糸条は、糸条を構成する短
維および長繊維の素材が有する比重と該素
の使用重量、および複合糸の延伸倍率を選
することによって釣糸の比重を容易に調節
きる。長繊維である超高分子量ポリエチレ
繊維の比重は通常1.0未満であるが、所望に
り、製造に比重1.0以上の短繊維を用いるこ
で、比重1.0以上の釣糸および糸条が容易に
造されうる。
さらに、本発明は、釣糸、ガット、ロープ
どの製造に適し、堅牢性、耐久性、柔軟性
どに優れた糸条を提供する。
本発明の釣糸は、芯鞘構造の複合糸から る釣糸であり、当該複合糸は繊維長が短い 維(以下、「短繊維」ともいう)を含有する 部と、好ましくは合成繊維から製造された 繊維(以下、「フィラメント糸」ともいう)か らなる鞘部とによって構成されている。
複合糸の鞘部を構成する長繊維としては 例えば、モノフィラメント、マルチフィラ ントまたはモノマルチフィラメントのいず か少なくとも1種以上のフィラメント複数本 からなるフィラメント糸等が好適である。
複合糸の鞘部を構成する長繊維に使用され
合成繊維としては、例えば、ポリオレフィ
系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
クリルニトリル系などの合成樹脂からなる
成繊維が挙げられ、特に、JIS L 1013「化学
ィラメント糸試験方法」に従って引張試験
、例えば、東洋精機製作所株式会社製 ス
ログラフR引張試験機で測定した引張強度が
常約8.8cN/dtexを越え、好ましくは約17.6cN/dtex
上、より好ましくは約22.0cN/dtex以上、最も
ましくは約26.5cN/dtex以上である。合成繊維か
らなる長繊維は、モノフィラメントであれば
、例えば、繊度が11dtex~3300dtex程度のものが好
ましく、モノマルチフィラメントであれば、
モノフィラメントを複数本、好ましくは3~50
程度合糸したものが好ましい。また、マル
フィラメントであれば、モノフィラメント
数本、好ましくは10~600本程度を合糸したも
が好ましい。
合成繊維からなる長繊維は、単一の繊維か
なっていてもよいし、2種以上の繊維からな
っていてもよい。
合成繊維としては、超高強力繊維が好ま く、超高強力繊維としては、例えば、分子 30万以上、好ましくは50万以上の超高分子量 ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、 芳香族ポリアミド系(アラミド)繊維、ヘテロ 高性能繊維、全芳香族ポリエステル系繊維 が挙げられ、中でも、分子量50万以上の超 分子量ポリエチレン繊維等のポリオレフィ 系繊維が好ましい。超高分子量ポリエチレ についてさらに付言すれば、より好ましく 分子量100万以上を有し、ホモポリマーの他 炭素原子数3~10程度の低級α-オレフィン類例 ばプロピレン、ブテン、ペンテン、へキセ 等との共重合体も含むものである。エチレ とα-オレフィンとの共重合体の場合、後者 割合は炭素数1000個当たり平均0.1~20個程度、 好ましくは平均0.5~10個程度である。このよう な割合とすることにより、共重合体は高強度 などの優れた機械的性質を示す。超高分子量 ポリエチレンの製造方法は、たとえば特開昭 55-5228号公報、特開昭55-107506号公報などに開 されている。
また、合成繊維は超高強力繊維と超高強 繊維以外の合成繊維とから構成されていて よい。超高強力繊維以外の合成繊維の含有 は、超高強力繊維に対し、重量比で約1/2以 、好ましくは約1/3以下、より好ましくは約1 /4以下である。
複合糸で用いる超高強力繊維としては、上
アラミド繊維の弾性率を高めるために、ア
ミド繊維のアミド結合の部分に改良を加え
ヘテロ環高性能繊維を用いてもよい。ヘテ
環高性能繊維としては、例えば、ポリ-p-フ
ニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)、ポリ-p-
ェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)等か
なる繊維が挙げられる。ヘテロ環高性能繊
は、PBZT樹脂またはPBO樹脂を化学合成し、こ
を適当な溶剤に溶解し、乾式紡糸により紡
し、延伸して繊維とすることができる。溶
としては、メチルスルホン酸などの異方性
液、ジメチルアセトアミド-LiClなどが挙げ
れる。
複合糸全体における鞘部の超強力繊維の長
維の割合は、釣り方によって複合糸に求め
れる強度及び比重が異なるため一概には言
ないが、複合糸の強度は高い程好ましいた
超強力繊維の長繊維の割合も高い程好まし
。ただし、複合糸に求められる比重との関
もあるため、複合糸の比重の許せる範囲で
強力繊維の長繊維の割合が高い程好ましい
具体的には、本発明で用いる複合糸全体に
いて、鞘部の超強力繊維の長繊維は約12重
%以上であることが好ましく、約35~95重量%で
ることがより好ましく、約60~95重量%である
とが最も好ましい。
本発明に係る鞘部を構成する長繊維は、 ルチフィラメント、モノフィラメントまた モノマルチフィラメントの複数本フィラメ トを引き揃えまたは撚合わせた形態で使用 れる。撚糸である場合、撚係数Kは約0.2~1.5 好ましくは約0.3~1.2、更に好ましくは約0.4~0.8 である。
本発明の釣糸の鞘部は、通常、芯部の周 を複数本のフィラメント(長繊維)を引き揃 、または、より合わせた糸条で製紐してい 、または、捲回している構造となっている 製紐の場合、組角が約5°~90°、好ましくは約 5°~50°、更に好ましくは約20°~30°である。
複合糸の芯部を構成する短繊維としては、
維長が約5~500mm、好ましくは約10~300mmの短い
維、より好ましくは約15~200mmの短繊維(ステ
プル)である。
複合糸の芯部を構成する芯糸に含有される
繊維は、比重が1.0以上であるのが好ましい
鞘部に比重が約1.0未満である長繊維を用い
場合は、芯部に比重が約1.0以上の短繊維を
いることにより、鞘部を構成する素材に固
の比重に限定されることなく、複合糸の比
を任意に調整することができる。複合糸の
重を任意に調整可能にすることにより、天
や潮流の変化に応じて、釣糸の比重を微妙
変えることができるので好ましい。
複合糸の芯部を構成する短繊維は、例え 長繊維を所定長さに切断またはけん切りす ことによって製造される。また短繊維は、 ィラメントを所定長さに切断またはけん切 することによって製造されたステープル、 テープルを撚り合わせて得られたスパン糸( 紡績糸)が延伸されることによって不規則に 断された繊維、あるいはマルチフィラメン 、モノマルチフィラメントなどのフィラメ ト糸が延伸操作によって不規則に破断され 繊維など種々の方法で製造されうる。
より好ましくは、芯部を構成する短繊維 複数本の単糸からなり、釣糸の鞘部内で複 本の単糸がステープル状に配置され芯部を 成しているか、複数本の単糸が複合糸の長 方向に連続して芯部を構成するように配置 れているか、または交絡、交撚しているの 好ましい。なかでも、短繊維の単糸が鞘部 で綿状物を形成している釣糸が好ましい。 れでもって、釣糸は柔軟性に優れる。もっ も、短繊維は鞘部内で途切れることがない が好ましい。
釣糸の芯部を構成する短繊維は、ポリエチ ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン 繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリア ド系繊維、ポリエチレンテレフタレートな のポリエステル系繊維、ポリテトラフルオ エチレンなどのフッ素樹脂系繊維、ポリア リルニトリル系繊維、ポリビニルアルコー 系繊維などの合成樹脂からなる合成繊維で るか、レーヨン、アセテートなどの再生繊 、鉄、銅、亜鉛、錫、ニッケル、タングス ンなどの金属繊維、セラミック繊維、ガラ 繊維などから選ばれる少なくとも1種類以上 の繊維からなる。ガラス繊維としては、電気 的、機械的性質に優れたいわゆるEガラス、 薬品性にすぐれたCガラス、Cガラスのアルカ リ含量を下げるとともにチタンと亜鉛系融剤 を用いたECRガラス、さらにはAガラス、Lガラ 、Sガラス、YM31-Aガラス等が挙げられる。な かでも、本発明で使用するのに好ましいガラ ス繊維は、酸化ボロンおよびフッ素を含まず 、SiO 2 -TiO 2 -Al 2 O 3 -RO(RはCa、Mg等の2価金属)またはSiO 2 -Al 2 O 3 -RO(Rは前記と同義)で示される組成を有するガ ラスが好ましい。
また、上記したフッ素樹脂系高分子とは 通常分子中フッ素原子を含む樹脂から繊維 されたものを示し、例えば、ポリテトラフ オロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレンおよび パーフルオロアルキルビニルエーテルの共重 合体(PFA)、テトラフルオロエチレンおよびヘ サフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、エ レンおよびテトラフルオロエチレンの共重 体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(P CTFE)、3フッ化クロロエチレン(PCTFE)、ポリビ ルデンフルオライド(PVDF)、ポリフッ化ビニ (PVF)などが挙げられる。
芯部を構成する短繊維の強度は約4.4cN/dtex 以下であるのが好ましい。芯部を構成する短 繊維又は長繊維の単糸繊度は約11dtex以下であ るのが好ましい。芯部を構成する短繊維又は 長繊維の単糸繊度がこの範囲内であれば、釣 糸がごわついたり硬くなることもなく、又鞘 部から繊維が飛び出すこともない。
本発明の釣糸において、芯部を構成する 繊維の単糸どうしは独立していてもよいし 重なっていても、緩やかに結合して交絡ま は交撚されていてもよい。短繊維は、長繊 または紡績糸が破断されたものであるのが ましい。
本発明の釣糸は、短繊維を含有する芯部 好ましくは合成繊維製の長繊維を含む鞘部 からなる複合糸であり、芯部を構成する短 維の毛羽部分が鞘部を構成する長繊維間に 入、あるいは長繊維に絡み芯鞘層間の摩擦 数が増大した構造をしているのが好ましい 本発明の釣糸にあっては、芯部を構成する 繊維と鞘部を構成する長繊維とが、短繊維 毛羽部を介して、交絡または包絡している が好ましい。芯部の短繊維は目的を阻害し い範囲で、収束剤で処理されて収束されて るものであってもよい。この処理によって 繊維の毛羽の度合いを調整し、表面の滑ら な複合糸を得ることができる。収束剤は公 のものが便宜に使用できる。
本発明の釣糸、複合糸または糸条は、最 層が、樹脂、好ましくは接着性樹脂で被覆 たはコーティングされていてもよい。接着 樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、 レタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂 エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニ 系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げ れる。
続いて、本発明の釣糸の製造方法について
明する。本発明の釣糸は、たとえば以下の(
A)、(B)、または(C)の方法により製造すること
好ましい。
(A)鞘部に長繊維を用い、芯部に融点が鞘部の
長繊維より高い長繊維を用いて複合糸を製造
し、該複合糸を加熱下に延伸して鞘部の長繊
維を破断させずに芯部の長繊維のみを短繊維
に破断させる製造方法(この場合、芯部の繊
の強度は鞘部の長繊維よりも低いのが好ま
い)
(B)鞘部に長繊維を用い、芯部に強度が鞘部の
長繊維より低い長繊維を用いて複合糸を製造
し、該複合糸を加熱下または非加熱下に延伸
して鞘部の長繊維を破断させずに芯部の長繊
維のみを短繊維に破断させる製造方法
(C)鞘部に長繊維を用い、芯部に融点が鞘部の
長繊維より高い短繊維またはステープルから
なる紡績糸を用いて複合糸を製造し、該複合
糸を加熱下または非加熱下に延伸して鞘部の
長繊維を破断させずに芯部の長繊維または紡
績糸のみを破断させて短繊維とする製造方法
複合糸は、芯部を構成する芯糸の周りに 繊維を捲回することによって芯糸を長繊維 カバーすることによって、あるいは芯部を 成する芯糸の周りに長繊維で組み紐を作成( 製紐)することによって製造される。芯糸は 上記した長繊維または紡績糸である。製紐 場合、組角が約5°~90°、好ましくは約5°~50° 更に好ましくは約20°~30°である。長繊維を 紐する方法は、特に限定されないが、通常 製紐機を用いて行われる。製紐に用いる長 維の本数は、4本に限らず、8本、12本または 16本の場合などがある。製紐は丸打ちでも角 ちでもよい。
短繊維を含有する芯部と合成繊維製フィラ
ント糸からなる鞘部とからなる複合糸は非
熱延伸または加熱延伸されることによって
短繊維の毛羽がフィラメントに絡み芯鞘層
の結合がより強化される度合いが増すとと
に鞘部の長繊維の強度が向上し一体化され
糸条が得られる。好ましくは加熱延伸であ
。延伸温度は、長繊維を構成する合成樹脂
配向温度からその樹脂の融点付近の温度が
用されるが長繊維の材質の種類により異な
ため、また鞘部が2種類以上の合成樹脂から
なる長繊維によって構成されている場合には
、延伸温度は実験によって適宜選択されるた
めに、延伸温度は一概には言えない。しかし
ながら、通常は、延伸する際の長繊維の温度
は、約120℃~300℃、より好ましくは約130~200℃
最も好ましくは約130~170℃である。延伸倍率
は、複合糸の構成割合、および短繊維または
長繊維の種類によって異なるが、約1.05~10倍
好ましくは約1.2~8倍、特に約1.3~5倍が好まし
。延伸倍率とは、以下の式で示される延伸
程における糸の押し出し速度と引き取り速
との比率のことである。
延伸倍率=(引き取り速度)/(押し出し速度)で
る。
延伸は一段で行ってもよいし、2段以上で行
ってもよい。複合糸を延伸する前に複合糸に
油剤を付与するが、その方法は特に限定され
ず公知の方法によって行われる。
更に、芯部が紡績糸、鞘部が合成繊維製 繊維からなる複合糸は、延伸操作を施すこ によって鞘部を構成するフィラメントの引 強度はより大きくなるとともに芯鞘層間の みもより強固になり、強力で耐摩擦性に優 た糸条が得られる。芯部がステープル糸か なる複合糸の延伸操作において、延伸倍率 上記したように一定倍率を超えると、芯部 構成するステープル糸が部分的に不規則に 断されて、芯部が綿形状を呈し屈曲性、柔 性に優れた糸条が得られる。
本発明の製造方法によれば、短繊維から る芯部と合成繊維製フィラメント糸からな 鞘部とからなる複合糸に接着性樹脂を含有 なくても一体化された屈曲性、柔軟性、耐 耗性に優れた糸条が得られる。この糸条か 作成された釣糸はキンクや捩れ、リールの き癖、スプールへの食い込みが発生しない 果を有する。また、この糸条は、糸条表面 非粘着性であるため、この糸条を釣糸とし 使用した場合、リールやボビンに巻き上げ も糸条が互いに粘着することがないなどの れた効果を有する。しかし、本発明の目的 損なわない範囲内で、必要により本発明糸 の外周が接着性樹脂で被覆されてもよい。 条の外周が接着性樹脂で被覆されることに って糸条の強度はより大きくなるとともに 糸条を目止めして糸筋の良好な釣糸になる
本発明の釣糸または複合糸は、本発明釣 もしくは糸条を接着性樹脂のエマルジョン 、分散液または溶液のバス中に浸漬し、ニ プローラーで余分の接着性樹脂を絞り落し 後、乾燥することによって糸条の外周(最外 層)が接着性樹脂で被覆されていてもよい。 た、接着性樹脂は最初に複合糸の外周に被 してもよく、その後延伸工程を経ても良い 接着性樹脂としては、上記したように、例 ば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不 和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、 ッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などが挙げ れる。
本発明は、本発明で使用する短繊維、フィ
メント(長繊維)、接着性樹脂などに、所望
より、本発明の目的を損なわない範囲内で
らに着色剤、安定剤、可塑剤、増粘剤もし
は滑剤などを配合しても良く、また、これ
の2種以上が配合されてもよい。
本発明に係る糸条は、耐磨耗性、耐久性、
候性または耐水性が要求される用途であれ
いかなる用途にも用いられる。具体的には
各種レジャーや釣糸、その他マグロ漁の延
などの水産用資材、ロープ、ガット、凧糸
雑草除去糸、手術用縫合糸等である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
施例中の引張強力は、JIS L 1013「化学フィ
メント糸試験方法」の方法に従い、東洋精
製作所株式会社製 ストログラフR引張試験
で測定した。また、破断伸度は、JIS L 1013
化学フィラメント糸試験方法」の方法に従
、万能試験機オートグラフAG-100kNI(島津製作
所製)を用いて測定した。繊度は、JIS L 1013
7.3項に従って測定した。芯糸の破断状況は
糸条を長手方向に対して垂直に切断し、糸
断面から芯糸を引き抜き、短く切断された
糸が得られるか否かで判断した。表中、○
は糸条を長手方向に垂直に切断し、糸条断
から芯糸を引き抜くとき、短繊維が塊りで
なく短繊維が抵抗があるものの部分的に引
抜けることを意味し、×印は上記切断後に、
芯糸が容易に長く連続的に鞘部から抜き取る
ことができ、芯鞘構造が容易に剥離すること
を意味する。
ポリエステルステープルからなる66dの紡 糸(商品名:エステルスパン糸E100FBN80/1C、ユ チカファイバー社製)1本を芯糸とし、芯糸の 周囲を超高分子量ポリエチレン繊維からなる 75dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK7185T-70 -410、東洋紡績社製)8本で丸打ちにて製紐し、 826dtexの糸条を製造した。この糸条を140℃の 伸温度で延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍、1.8倍 夫々延伸した。得られた糸条の繊度、直線 力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸 、比重および芯糸の破断状況を表1に示す。
表1から明らかなように、いずれの延伸倍 率でも糸条の芯糸が破断しているのが確認さ れた。
630dのガラスバルキーヤーン(商品名:TDE70 ユニチカガラスファイバー社製)1本を芯糸と し、芯糸の周囲を超高分子量ポリエチレン繊 維からなる200dのフィラメント(商品名:ダイニ ーマSK71 220T-192-410、東洋紡績社製)8本で丸打 にて製紐し、2796dtexの糸条を製造した。こ 糸条を140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.2 、1.7倍、2.0倍に夫々延伸した。得られた糸 の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強 、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状 を表2に示す。
表2から明らかなように、いずれの延伸倍 率でも糸条の芯糸が破断しているのが確認さ れた。
203dのガラスフィラメント糸(商品名:ガラ ヤーンD450 1/2 4.4S、ユニチカガラスファイ ー社製)1本を芯糸とし、芯糸の周囲を超高 子量ポリエチレン繊維からなる200dのフィラ ント(商品名:ダイニーマSK71 220T-192-410、東 紡績社製)8本で丸打ちにて製紐し、2355dtexの 条を製造した。この糸条を140℃の延伸温度 延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍、1.8倍に夫々延 した。得られた糸条の繊度、直線強力、直 破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重 よび芯糸の破断状況を表3に示す。
表3から明らかなように、長繊維であるガラ
スヤーンを芯部に用い、鞘部を長繊維で製紐
したのみの延伸倍率1.0の芯部は破断せず、延
伸を施した倍率1.3以上の芯部は破断している
ことが確認された。
延伸倍率1.3倍より1.5倍の糸条の方が繊度が
くなっているにもかかわらず結節強力が高
のは、芯部のガラスヤーンがより高い倍率
延伸され良好に破断したためと考えられる
396dのフッ素樹脂フィラメント(商品名:ハ テックスFEP440dT/48f、東洋ポリマー(株)製)1本 を芯糸とし、芯糸の周囲を超高分子量ポリエ チレン繊維からなる100dのフィラメント(商品 :ダイニーマSK71 110T-96-410、東洋紡績社製)8 で丸打ちにて製紐し、1420dtexの糸条を製造し た。この糸条を140℃の延伸温度で延伸倍率1.0 倍、1.3倍、1.5倍、1.8倍に夫々延伸した。得ら れた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、 結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の 破断状況を表4に示す。
