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Title:
FLAME RETARDANT COMPOSITION HAVING IMPROVED PROCESSABILITY, FLAME-RETARDANT SYNTHETIC RESIN COMPOSITION, AND MOLDED ARTICLE OF THE FLAME-RETARDANT SYNTHETIC RESIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063732
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a flame retardant composition which comprises: a flame retardant composition comprising 1 to 99 parts by mass of a salt of piperazine with an inorganic phosphorus compound selected from piperazine phosphate, piperazine pyrophosphate, piperazine polyphosphate and a mixture of two or more of these piperazine salts (component (A)), and 99 to 1 part by mass of a salt of melamine with an inorganic phosphorus compound selected from melamine phosphate, melamine pyrophosphate, melamine polyphosphate and a mixture of two or more of these melamine salts (component (B)) (provided that the total amount of the components (A) and (B) is 100 parts by mass); 0.01 to 10 parts by mass of a silicone oil (component (C)); and 0.01 to 20 parts by mass of a monoester compound (component (D)) produced by reacting a monoamide compound of a higher aliphatic carboxylic acid and/or a higher aliphatic carboxylic acid with a univalent to trivalent alcoholic compound.

Inventors:
YAMAKI AKIHIRO (JP)
KANEDA TAKAYOSHI (JP)
HATANAKA TOMOYUKI (JP)
MURASE HISASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069297
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
October 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ADEKA CORP (JP)
YAMAKI AKIHIRO (JP)
KANEDA TAKAYOSHI (JP)
HATANAKA TOMOYUKI (JP)
MURASE HISASHI (JP)
International Classes:
C08K5/34; C08K3/22; C08K5/3462; C08K5/3492; C08L23/00; C09K21/10
Domestic Patent References:
WO2004000973A12003-12-31
WO2005080494A12005-09-01
Foreign References:
JP2004238568A2004-08-26
JP2008208269A2008-09-11
Other References:
See also references of EP 2210914A4
Attorney, Agent or Firm:
HATORI, Osamu (8-6 Akasaka 1-chom, Minato-ku Tokyo 52, JP)
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Claims:
 リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン又はこれらのピペラジン塩の2以上の混合物から選択されるピペラジンと無機リン化合物の塩((A)成分)1~99質量部と、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン又はこれらのメラミン塩の2以上の混合物から選択されるメラミンと無機リン化合物の塩((B)成分)99~1質量部(但し、前記(A)成分と(B)成分の合計は100質量部)からなる難燃剤組成物に、シリコーンオイル((C)成分)0.01~10質量部、及び高級脂肪族カルボン酸のモノアミド化合物及び/又は高級脂肪族カルボン酸と1価~3価のアルコール化合物とを反応させてなるモノエステル化合物((D)成分)0.01~20質量部を配合してなる難燃剤組成物。
 上記(D)成分が、エルカ酸アミド、グリセリンモノステアレート及びモンタン酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求の範囲第1項に記載の難燃剤組成物。
 さらに金属酸化物(E)を配合してなる請求の範囲第1又は2項に記載の難燃剤組成物。
 上記金属酸化物(E)が、酸化亜鉛(ZnO 2 )、酸化チタン(TiO 2 )、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化ケイ素(SiO 2 )の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求の範囲第3項に記載の難燃剤組成物。
 合成樹脂100質量部に対し、請求の範囲第1~4項の何れかに記載の難燃剤組成物3~100質量部を配合してなる難燃性合成樹脂組成物。
 上記合成樹脂が、ポリオレフィン及び/又はエチレン―酢酸ビニル共重合体である請求の範囲第5項に記載の難燃性合成樹脂組成物。
 上記ポリオレフィンが、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンである請求の範囲第5又は6項に記載の難燃性合成樹脂組成物。
 請求の範囲第5~7項の何れかに記載の難燃性合成樹脂組成物を成形してなる難燃性合成樹脂組成物成形品。
Description:
加工性の改善された難燃剤組成 、難燃性合成樹脂組成物及びその成形品

 本発明は、ピペラジン及びメラミンの(ポ リ/ピロ)リン酸塩化合物、シリコーンオイル 及び高級脂肪族カルボン酸のモノアミド化 物及び/又は高級脂肪族カルボン酸と1価~3価 のアルコールとを反応させてなるモノエステ ル化合物を必須成分とする難燃剤組成物に関 し、より詳細には、特定の構造を有するリン 酸エステル化合物にシリコーンオイルと特定 のアミド化合物及び/又は特定のエステル化 物を配合することにより、加工時の目ヤニ 生を抑制した、優れた加工性安定性及び難 性を有する難燃剤組成物並びに該難燃剤組 物を用いた難燃性合成樹脂組成物に関する

 従来、合成樹脂は優れた化学的、機械的特 により建材、自動車部品、包装用資材、農 用資材、家電製品のハウジング材、玩具等 広く用いられている。
 しかし、多くの合成樹脂は可燃性物質であ 、用途によっては難燃化が不可欠であった そして、難燃化方法としてはハロゲン系難 剤、赤燐やポリリン酸アンモニウム等のポ リン酸系難燃剤からなる無機リン系難燃剤 トリアリールリン酸エステル化合物に代表 れる有機リン系難燃剤、金属水酸化物や難 助剤である酸化アンチモン、メラミン化合 を単独又は組み合わせて用いることが広く られている。

 このうち、ハロゲン系難燃剤は、難燃化効 には優れるものの、燃焼時にハロゲン化水 ガスやダイオキシン類等の有害物質を発生 るため、ハロゲン系難燃剤を用いない難燃 方法が望まれていた。また、水酸化マグネ ウム等の金属水酸化物は多量に配合しない 難燃性が得られないため、樹脂の加工性や 型品の物性を低下させるという問題があっ 。
 さらに、リン系難燃剤ではポリカーボネー 等の難燃化に優れるリン酸エステル化合物 ポリオレフィンの難燃化に優れる無機リン 難燃剤が用いられている。

 例えば、下記特許文献1には、樹脂に対して 、ポリリン酸アンモニウム、多価水酸基含有 化合物、トリアジン環含有化合物及び金属水 酸化物を配合した難燃性樹脂組成物が開示さ れている。
 また、下記特許文献2及び3には、樹脂に対 てメラミンポリホスフェート及び(ペンタ~ト リペンタ)エリスリトールを配合した難燃性 成樹脂組成物が開示されている。
 また、下記特許文献4には、ポリブチレンテ レフタレート(PBT)、メラミンピロホスフェー 及び芳香族ホスフェート・オリゴマーを含 する難燃性合成樹脂組成物が開示されてい 。
 さらに下記特許文献5及び6には、PBT等のポ マーの難燃化にメラミンピロホスフェート び他のリン化合物が有効であることが記載 れている。
 また、下記特許文献7には、メラミン、無水 リン酸及びピペラジン水和物から得られる難 燃剤が記載されている。
 しかしながら、これらの難燃化効果は未だ 十分であり、少ない配合量で優れた難燃性 付与する難燃剤が望まれていた。

特開平8-176343号公報

米国特許3936416号公報

米国特許4010137号公報

特開平11-152402号公報

米国特許4278591号公報

米国特許5618865号公報

特開平10-183124号公報

 また、下記特許文献8には、樹脂に対して、 メラミンピロホスフェート、ピロリン酸ピペ ラジン及び二酸化ケイ素を配合した難燃性樹 脂組成物が開示されている。該難燃性樹脂組 成物においては、難燃効果は向上したものの 、加工安定性(目ヤニ)には問題があった。  らに、下記特許文献9~12には、合成樹脂に対 て特定の構造を有するリン酸エステル化合 を配合させることにより、優れた加工安定 が奏されることが開示されている。 しか ながら、該化合物を難燃剤と組み合わせた の加工安定性については何ら記載はなかっ 。
 また、下記特許文献13には、特定のリン酸 ステル化合物を配合させることにより、加 安定性(目ヤニ)が改良されることが開示され ているが、短時間の安定性には優れるものの 、長時間の連続安定性には劣るものであった 。

USP45899375号公報

特開昭54-34355号公報

特開平6-248120号公報

特開平10-60181号公報

特開2000-160033号公報

特開2004-238568号公報

 目ヤニと呼ばれる多量の析出物は、これを り除く作業により生産性が低下したり、成 品に付着し外観不良や色相の低下、さらに 機械的強度の低下等様々な問題を引き起こ 。
 従って、本発明の目的は、加工安定性(目ヤ ニ発生抑制)及び難燃性に優れた難燃剤組成 並びに難燃性合成樹脂組成物を提供するこ にある。

 本発明者等は、上記の諸目的を解決する めに鋭意検討した結果、ピペラジン及びメ ミンの(ポリ/ピロ)リン酸塩化合物、シリコ ンオイル、及び高級脂肪族モノカルボン酸 モノアミド化合物及び/又は高級脂肪族カル ボン酸のモノエステル化合物を必須成分とす る難燃剤組成物が、目ヤニ発生を抑制するこ とができ、加工性及び難燃性に優れることを 見出し、本発明に到達した。

 即ち、本発明は、リン酸ピペラジン、ピ リン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン はこれらのピペラジン塩の2以上の混合物か ら選択されるピペラジンと無機リン化合物の 塩((A)成分)1~99質量部と、リン酸メラミン、ピ ロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン又は これらのメラミン塩の2以上の混合物から選 されるメラミンと無機リン化合物の塩((B)成 )99~1質量部(但し、前記(A)成分と(B)成分の合 は100質量部)からなる難燃剤組成物に、シリ コーンオイル((C)成分)0.01~10質量部、及び高級 脂肪族カルボン酸のモノアミド化合物及び/ は高級脂肪族カルボン酸と1価~3価のアルコ ル化合物とを反応させてなるモノエステル 合物((D)成分)0.01~20質量部を配合してなる難 剤組成物を提供するものである。

 また、本発明は、合成樹脂100質量部に対し 上記難燃剤組成物3~100質量部を配合してな 難燃性合成樹脂組成物を提供するものであ 。
 また、本発明は、上記難燃性合成樹脂組成 を成形してなる難燃性合成樹脂組成物成形 を提供するものである。

 以下、本発明の難燃剤組成物及び難燃性合 樹脂組成物について詳述する。
 本発明における(A)成分であるピペラジンと 機リン化合物の塩は、リン酸ピペラジン、 ロリン酸ピペラジン、及びポリリン酸ピペ ジンから選択され、これらは単独でも混合 で使用されてもよい。

 ピペラジンと無機リン化合物の配合比((A) 成分の組成比)は、難燃化効果が発現する範 であれば特に制限されないが、ピペラジン 窒素原子と無機リン化合物のリン原子のモ 比が1:5~5:1が好ましく、1:2~2:1がより好ましい 。

 本発明における(B)成分であるメラミンと 機リン化合物の塩は、リン酸メラミン、ピ リン酸メラミン、及びポリリン酸メラミン ら選択され、これらは単独でも混合物で使 されてもよい。

 メラミンと無機リン化合物の配合比((B)成 分の組成比)は、難燃化効果が発現する範囲 あれば特に制限されないが、メラミンの窒 原子と無機リン化合物のリン原子のモル比 1:5~5:1が好ましく、1:3~3:1がより好ましい。

 本発明における上記(A)成分と(B)成分の質 比は、1:99~99:1であり、10:90~90:10が好ましく 30:70~70:30がより好ましい。

 本発明における(C)成分であるシリコーンオ ルは、好ましくは25℃での粘度が5000mm 2 /s以下、より好ましくは3000mm 2 /s以下のものが樹脂への分散性等の作業性が いため特に好ましい。(C)成分の配合量は、 記(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0 .01~10質量部であり、0.1~5質量部が好ましく、0 .5~3質量部がより好ましい。

 また、上記シリコーンオイルの構造は、 チルシロキサン構造のものが好ましい。メ ルシロキサン構造のシリコーンオイルには ジメチルポリシロキサン構造からなるもの 、ジメチルポリシロキサン構造とメチルハ ドロジェンポリシロキサン構造の両者を含 構造からなるものと、メチルハイドロジェ ポリシロキサン構造のみからなるものとが る。また、上記シリコーンオイルは、エポ シ変性、カルボキシル変性、カルビノール 性及び/又はアミノ変性されたものでもよい 。

 また、上記シリコーンオイルの添加方法 特に限定されず、例えば、難燃剤粉末とシ コーンオイルを100~150℃に加熱しながら撹拌 することで二次凝集が抑制された、難燃化効 果に優れ、加工性への悪影響が抑制された難 燃剤組成物が得られる。他の添加処理方法と して、噴霧乾燥して添加・混合、混合造粒、 コーティング、分散、混練等の処理を100~150 で行うことも可能である。

 上記シリコーンオイルは、ジメチルポリシ キサン構造のものとしては、KF-96(信越化学( 株)製:粘度3000mm 2 /s)等が挙げられ、メチルハイドロジェン構造 が100%のものとしては、KF-99(信越化学(株)製: 度20mm 2 /s)等が挙げられ、一部がメチルハイドロジェ ン構造のものとしては、HMS-151(Gelest社製:粘度 25~35mm 2 /s)、HMS-071(Gelest社製:粘度25~35mm 2 /s)、HMS-301(Gelest社製:粘度25~35mm 2 /s)、DMS-H21(Gelest社製:粘度100mm 2 /s)等が挙げられる。また、エポキシ変性のも のとしては、X-22-2000(信越化学(株)製:粘度190) KF-102(信越化学(株)製:粘度4000mm 2 /s)等が挙げられ、カルボキシル変性のものと しては、X-22-4015(信越化学(株)製:粘度130mm 2 /s)等が挙げられ、カルビノール変性のものと しては、X-22-4015(信越化学(株)製:粘度2000mm 2 /s)等が挙げられ、アミノ変性のものとしては 、KF-393(信越化学(株)製:粘度20mm 2 /s)等が挙げられる。

 本発明における(D)成分である高級脂肪族 ルボン酸のモノアミド化合物(d-1)及び/又は 級脂肪族カルボン酸と1価~3価のアルコール 合物とを反応させてなるモノエステル化合 (d-2)を提供する高級脂肪族カルボン酸は、 素原子数12以上の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪 酸である。飽和脂肪酸として具体的には、ラ ウリン酸(ドデカン酸)、イソデカン酸、トリ シル酸、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、 ンタデシル酸、パルミチン酸(ヘキサデカン )、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステア ン酸(オクタデカン酸)、イソステアリン酸 ツベルクロステアリン酸(ノナデカン酸)、12- ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸(イ サン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、リグノセ ン酸(テトラドコサン酸)、セロチン酸(ヘキ ドコサン酸)、モンタン酸(オクタドコサン酸 )、メリシン酸等が挙げられ、特に、ラウリ 酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン 、12-ヒドロキシステアリン酸及びモンタン 等が好ましい。

 また、上記不飽和脂肪酸として、具体的 は、ミリストレイン酸(テトラデセン酸)、 ルミトレイン酸(ヘキサデセン酸)、オレイン 酸(cis-9-オクタデセン酸)、エライジン酸(trans- 9-オクタデセン酸)、リシノール酸(オクタデ ジエン酸)、バクセン酸(cis-11-オクタデセン )、リノール酸(オクタデカジエン酸)、リノ ン酸(9,11,13-オクタデカトリエン酸)、エレス アリン酸(9,11,13-オクタデカトリエン酸)、ガ ドレイン酸(イコサン酸)、エルカ酸(ドコサン 酸)、ネルボン酸(テトラドコサン酸)等が挙げ られ、耐熱性の面でモノ不飽和脂肪酸及びジ 不飽和脂肪酸が好ましく、特に、オレイン酸 及びエルカ酸等が好ましい。

 また、上記高級脂肪酸モノアミド化合物( d-1)を提供するアミン化合物としては、例え アンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プ ピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、ブチ ルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン 、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシ ルアミン、セチルアミン、ヤシアルキルアミ ン、大豆油由来アルキルアミン、牛脂由来ア ルキルアミン、オレイルアミン、ステアリル アミン等のアルキルアミン類;モノエタノー アミン、N-メチルモノエタノールアミン、N- チルモノエタノールアミン、ジエタノール ミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチ ルジエタノールアミン、トリエタノールアミ ン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-ア ノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、アミノエ チルエタノールアミン、N,N,N’,N’-テトラキ (ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N ’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エ レンジアミン等のアルカノールアミン類又 これらのアルキレンオキサイド付加物;N-ブ ルジエタノールアミン、N-ヘキシルジエタノ ールアミン、N-オクチルジエタノールアミン N-デシルジエタノールアミン、N-ヤシアルキ ルジエタノールアミン、N-大豆油由来アルキ ジエタノールアミン、N-牛脂由来アルキル エタノールアミン、N-オレイルジエタノール アミン、N-ステアリルジエタノールアミン、N ,N-ジブチルモノエタノールアミン、N、N-ジヘ キシルモノエタノールアミン、N,N-ジオクチ モノエタノールアミン、N,N-ジデシルモノエ ノールアミン、N,N-ビス(ヤシアルキル)モノ タノールアミン、N,N-ビス(大豆油由来アル ル)モノエタノールアミン、N,N-ビス(牛脂由 アルキル)モノエタノールアミン、N-ジオレ ルモノエタノールアミン、N-ジステアリルモ ノエタノールアミン等のN-長鎖アルキルアル ノールアミン類又はこれらのアルキレンオ サイド付加物等が挙げられ、中でもアンモ アによる酸アミド化合物が本発明の効果が く好ましい。

 また、上記(D)成分の高級脂肪酸モノエス ル化合物(d-2)を供給する1価~3価のアルコー 化合物としては、メタノール、エタノール n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタ ール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、イ ソペンタノール、tert-ペンタノール、n-ヘキ ノール、tert-ヘキサノール、n-ヘプタノール イソヘプタノール、tert-ヘプタノール、n-オ クタノール、2-エチルヘキサノール、tert-オ タノール、n-ノニルアルコール、イソノニル アルコール、tert-ノニルアルコール、n-デカ ール、イソデカノール、ラウリルアルコー 、ミリスチルアルコール、パルミチルアル ール、ステアリルアルコール、エチレング コールモノメチルエーテル、ジエチレング コールモノメチルエーテル等の1価のアルコ ル;エチレングリコール、プロピレングリコ ール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオー 、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオー 、ネオペンチルグリコール、イソプレング コール(3-メチル-1,3-ブタンジオール)、1,2-ヘ サンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メ ル-1,5-ペンタンジオール、1,2-オクタンジオ ル、オクタンジオール(2-エチル-1,3-ヘキサ ジオール)、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジ オール、1,2-デカンジオール、1,2-ドデカンジ ール、1,2-テトラデカンジオール、1,2-ヘキ デカンジオール、1,2-オクタデカンジオール 1,12-オクタデカンジオール、1,2-シクロヘキ ンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、 1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素化ビ フェノールA、ソルバイド、メチルジエタノ ルアミン等の2価アルコール;グリセリン、1, 2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオー 、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、1,2,3- ンタントリオール、1,2,4-ペンタントリオー 、1,3,5-ペンタントリオール、2,3,4-ペンタン リオール、2-メチル-2,3,4-ブタントリオール トリメチロールエタン、2,3,4-ヘキサントリ ール、2-エチル-1,2,3-ブタントリオール、ト メチロールプロパン、4-プロピル-3,4,5-ヘプ ントリオール、ペンタメチルグリセリン(2,4- ジメチル-2,3,4-ペンタントリオール)、トリエ ノールアミン、トリイソプロパノールアミ 等の3価アルコールが挙げられ、中でも、エ チレングリコール、プロピレングリコール、 ブチレングリコール、グリセリン等が価格及 び作業性の面で好ましい。 

 また、上記(D)成分の中でも、ラウリン酸 パルミチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキ ステエアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、 レイン酸及びエルカ酸の群から選ばれる少 くとも1種の高級脂肪酸のモノアミド化合物 又はモノエステル化合物が好ましく、特に、 グリセリンモノステアレート、モンタン酸ヒ ドロキシエチルエステル、モンタン酸ヒドロ キシブチルエステル及びエルカ酸アミド等の 化合物が本発明の効果(目ヤニ発生抑制)に優 るため好ましい。

 本発明における(D)成分の配合量は、上記( A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.01~10 質量部であり、0.05~10質量部が好ましく、0.1~5 質量部がより好ましい。

 本発明における(E)成分である金属酸化物 、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウ 、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化ジ コニウム、酸化バナジウム及び酸化モリブ ン及びその表面処理品が挙げられる。これ の中でも難燃助剤としての効果の面から、 化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及 酸化ケイ素が好ましい。これらの金属酸化 として、酸化亜鉛1種(三井金属鉱業(株)製) 部分被膜型酸化亜鉛(三井金属鉱業(株)製)、 ノファイン50(平均粒径0.02μmの超微粒子酸化 亜鉛:堺化学工業(株)製)、ナノファインK(平均 粒径0.02μmの珪酸亜鉛被膜した超微粒子酸化 鉛:堺化学工業(株)製)、TIPAQUE R-680(酸化チタ :石原産業(株)製)、キョーワマグ150(酸化マ ネシウム:協和化学工業(株)製)等の市販品を いることができる。

 本発明における(E)成分の配合量は(A)成分 (B)成分の合計100質量部に対して0.01~10質量部 が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。

 本願発明の難燃剤組成物を難燃化する合成 脂に配合するタイミングは特に制限されず 例えば、あらかじめ上記(A)~(E)成分の中から 2種以上をワンパックにして合成樹脂に配合 る方法、又は各々の成分を合成樹脂に対し 配合する方法等が挙げられる。
 ワンパック化する場合は、難燃剤成分は、 砕してから混合する方法、又は混合してか 粉砕する方法のどちらでも構わないが、最 的に難燃剤組成物として使用する際に平均 径は50μm以下、さらに好ましくは30μm以下の ものが好適である。

 本発明の難燃剤組成物には、他の難燃剤 難燃助剤を配合してもよく、さらに、フェ ール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イ ウ系酸化防止剤等の酸化防止剤;紫外線吸収 剤、ヒンダードアミン化合物等の耐候性向上 剤;造核剤、重金属不活性化剤、金属石鹸、 イドロタルサイト類、充填剤、帯電防止剤 滑剤、顔料、抗菌剤、防黴剤、防鼠剤等の 脂配合剤を配合してもよい。

 上記他の難燃剤としては、ハロゲン系難 剤、リン酸エステル系難燃剤、ポリリン酸 ンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化 ルミニウム等の金属水酸化物等が挙げられ 。

 上記難燃助剤には無機系難燃助剤と有機系 燃助剤とがあり、無機系難燃助剤としては 例えば、水酸化マグネシウム、ハイドロタ サイト、タルク等の無機化合物、及びその 面処理品が挙げられる。これらの無機系難 助剤としては、DHT-4A(ハイドロタルサイト: 和化学工業(株)製)、アルカマイザー4(亜鉛変 性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製) キスマー5A(水酸化マグネシウム:協和化学工 (株)製)等の市販品を用いることができる。 た、有機系難燃助剤としては、例えば、メ ミンシアヌレート、ペンタエリスリトール ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ 。
 各難燃助剤は単独でも組合わせて用いても い。難燃助剤の添加により難燃剤の配合量 低減できたり、難燃剤単独では得られない 燃性が得られたりするので、難燃剤を配合 る樹脂の種類や用途に応じて適宜併用する とが好ましい。ポリテトラフルオロエチレ に代表されるドリップ防止剤は難燃化効果 優れるので好ましい。難燃助剤の粒径、融 、粘度等は難燃化効果や粉体特性で優れた のになるように選択される。

 上記フェノール系酸化防止剤としては、 えば、2,6-ジ第三ブチル-p-クレゾール、2,6- フェニル-4-オクタデシロキシフェノール、 ステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベ ンジル)ホスホネート、1,6-ヘキサメチレンビ 〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル) ロピオン酸アミド〕、4,4’-チオビス(6-第三 ブチル-m-クレゾール)、2,2’-メチレンビス(4- チル-6-第三ブチルフェノール)、2,2’-メチ ンビス(4-エチル-6-第三ブチルフェノール)、4 ,4’-ブチリデンビス(6-第三ブチル-m-クレゾー ル)、2,2’-エチリデンビス(4,6―ジ第三ブチル フェノール)、2,2’-エチリデンビス(4-第二ブ ル-6-第三ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2- メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフェニル) タン、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ -4-第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1, 3,5-トリス(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベン ジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ第 三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメ ルベンゼン、2-第三ブチル-4-メチル-6-(2-ア リロイルオキシ-3-第三ブチル-5-メチルベン ル)フェノール、ステアリル(3,5-ジ第三ブチ -4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テ ラキス〔3-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフ ェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオ エチレングリコールビス〔(3,5-ジ第三ブチル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1, 6-ヘキサメチレンビス〔(3,5-ジ第三ブチル-4- ドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス 3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-第三ブチルフェニル )ブチリックアシッド〕グリコールエステル ビス〔2-第三ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ -3-第三ブチル-5-メチルベンジル)フェニル〕 レフタレート、1,3,5-トリス〔(3,5-ジ第三ブチ ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ エチル〕イソシアヌレート、3,9-ビス〔1,1-ジ メチル-2-{(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチ フェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕-2,4,8 ,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、 リエチレングリコールビス〔(3-第三ブチル-4 -ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネー 〕等が挙げられ、難燃化される合成樹脂100 量部に対して、0.001~10質量部、より好まし は、0.05~5質量部が用いられる。

 上記リン系酸化防止剤としては、例えば トリスノニルフェニルホスファイト、トリ 〔2-第三ブチル-4-(3-第三ブチル-4-ヒドロキ -5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕 スファイト、トリデシルホスファイト、オ チルジフェニルホスファイト、ジ(デシル) ノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペ ンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノ ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ イト、ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ペン エリスリトールジホスファイト、ビス(2,6- 第三ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリス トールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ第三 ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ ファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペン エリスリトールジホスファイト、テトラ(ト デシル)イソプロピリデンジフェノールジホ スファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチ リデンビス(2-第三ブチル-5-メチルフェノール )ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3- リス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフ ニル)ブタントリホスファイト、テトラキス( 2,4-ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホ ホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホス ァフェナンスレン-10-オキサイド、2,2’-メ レンビス(4,6-第三ブチルフェニル)-2-エチル キシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6 -第三ブチルフェニル)-オクタデシルホスファ イト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ第三ブチル フェニル)フルオロホスファイト、トリス(2- (2,4,8,10-テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f 〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキ 〕エチル)アミン、2-エチル-2-ブチルプロピ ングリコールと2,4,6-トリ第三ブチルフェノ ルのホスファイト等が挙げられ、難燃化さ る合成樹脂100質量部に対して、0.001~10質量 、より好ましくは、0.05~5質量部が用いられ 。

 上記イオウ系酸化防止剤としては、例え 、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジ ロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオ 酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロ オネート類及びペンタエリスリトールテト (β-アルキルメルカプトプロピオン酸エステ ル類が挙げられ、難燃化される合成樹脂100質 量部に対して、0.001~10質量部、より好ましく 、0.05~5質量部が用いられる。

 上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4- ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ- 4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- クトキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビ (2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等 の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2’-ヒド キシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾー ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ第三ブチル ェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’- ドロキシ-3’-第三ブチル-5’-メチルフェニ )-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロ キシ-5’-第三オクチルフェニル)ベンゾトリ ゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジクミルフ ェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2,2’-メチレンビ ス(4-第三オクチル-6-(ベンゾトリアゾリル)フ ノール)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-第三ブチル- 5’-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール 等の2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア ゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシ ールモノベンゾエート、2,4-ジ第三ブチルフ ニル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾ ート、2,4-ジ第三アミルフェニル-3,5-ジ第三 チル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデ ル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエー ト等のベンゾエート類;2-エチル-2’-エトキシ オキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキ ニリド等の置換オキザニリド類;エチル-α- アノ-β、β-ジフェニルアクリレート、メチ -2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)ア リレート等のシアノアクリレート類;2-(2-ヒ ロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4- 第三ブチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒ ロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-s -トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシ-5- メチルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ第三ブチルフ ニル)-s-トリアジン等のトリアリールトリア ジン類が挙げられ、難燃化される合成樹脂100 質量部に対して、0.001~10質量部、より好まし は、0.05~5質量部が用いられる。

 上記ヒンダードアミン化合物としては、 えば、1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒド キシピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペ リジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4 -ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチ ル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テ トラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テト キス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3, 4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキ (1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4- タンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6- トラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)- 1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス( 1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリ デシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレー 、ビス(1,2,2,4,4-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2 -ブチル-2-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベン ジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2, 6,6-テトラメチル-4-ピペリジノ-ル/コハク酸ジ エチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチ -4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6 -モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス( 2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキ サン/2,4-ジクロロ-6-第三オクチルアミノ-s-ト アジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビ ス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジ ル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8,12-テト ラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビ (N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジ ル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8-12-テト ラアザドデカン、1,6,11-トリス〔2,4-ビス(N-ブ ル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミ ノ)-s-トリアジン-6-イル〕アミノウンデカン 1,6,11-トリス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペ タメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジ -6-イル〕アミノウンデカン等のヒンダード ミン化合物が挙げられ、難燃化される合成 脂100質量部に対して、0.001~10質量部、より好 ましくは、0.05~5質量部が用いられる。

 上記造核剤としては、例えば、p-t-ブチル 安息香酸アルミニウム、安息香酸ナトリウム 等の安息香酸類の金属塩、ビス(2,4-ジ-t-ブチ フェニル)リン酸エステルナトリウム、メチ レンビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)リン酸エス テルナトリウム、ビス〔メチレンビス(2,4-ジ- t-ブチルフェニル)リン酸エステル〕ヒドロキ シアルミニウム等の芳香族リン酸エステル金 属塩及び芳香族リン酸エステル金属塩とアル カリ金属化合物の混合物、ジベンジリデンソ ルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソル トール、ビス(ジメチルベンジリデンソルビ トール)等のジベンジリデンソルビトール類 アミノ酸金属塩、ロジン酸金属塩等が挙げ れ、難燃化される合成樹脂100質量部に対し 、0.001~10質量部、より好ましくは、0.05~5質量 部が用いられる。

 上記重金属不活性化剤としては、サリチ アミド-1,2,4-トリアゾール-3-イル、ビスサリ チル酸ヒドラジド、ドデカンジオイルビス(2- (2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド)、ビス( 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ オン酸)ヒドラジド等が挙げられ、難燃化さ れる合成樹脂100質量部に対して、0.001~10質量 、より好ましくは、0.05~5質量部が用いられ 。

 上記ハイドロタルサイト類としては、天 物でも合成品でもよく、例えば、マグネシ ムとアルミニウムの塩基性複合炭酸塩及び グネシウムの一部又は全部がアルカリ金属 置換されたもの、炭酸アニオンの一部又は 部が過塩素酸アニオン等の他のアニオンで 換されたものが挙げられ、難燃化される合 樹脂100質量部に対して、0.001~20質量部、よ 好ましくは、0.05~10質量部が用いられる。

 上記充填剤としては、例えば、タルク、 リカ、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊 、カーボン繊維、窒化ホウ素、チタン酸カ ウム等の無機物ウィスカー、カーボンナノ ューブ、フラーレン等のナノ微粒子等の公 の樹脂用充填剤、強化材が用いられ、表面 理の有無や粒径、形状は適宜選択される。

 本発明の難燃剤により難燃化される合成 脂としては、ポリプロピレン、高密度ポリ チレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度 リエチレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチル ンテン等のα-オレフィン重合体、エチレン- 酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレン共 重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重 合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン 、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ ン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化 ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エ レン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン 共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸 ニル三元共重合体、塩化ビニル-アクリル酸 エステル共重合体、塩化ビニル-マレイン酸 ステル共重合体、塩化ビニル-シクロヘキシ マレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、 油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポ 酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン及び/ 又はα-メチルスチレンと他の単量体(例えば 無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メ クリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニ リル等)との共重合体(例えば、AS(アクリロニ トリル―スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリ ―ブタジエン―スチレン)樹脂、MBS(メタク ル酸メチル―ブタジエン―スチレン)樹脂、 熱ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリレート、 ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマー ル、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテ レフタレート及びポリテトラメチレンテレフ タレート等の直鎖ポリエステル、ポリ乳酸等 の生分解性プラスチック、ポリフェニレンオ キサイド、ポリカプロラクタム及びポリヘキ サメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリ カーボネート、分岐ポリカーボネート、ポリ アセタール、ポリフェニレンサルファイド、 ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性樹 脂及びこれらのブレンド物あるいはフェノー ル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキ シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化 性樹脂を挙げることができる。更に、イソプ レンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリ ル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジ ン共重合ゴム等のエラストマーであっても い。これらの樹脂は、単独あるいは2以上の 前記合成樹脂の組成物であってもよい。これ らの樹脂の中でも、ポリオレフィン又はエチ レン―酢酸ビニル共重合体が好ましく、該ポ リオレフィンの中では、ポリエチレン又はポ リプロピレンが好ましい。

 本発明の難燃剤組成物を、上記合成樹脂1 00質量部に対して、好ましくは3~100質量部、 り好ましくは10~90質量部、特に好ましくは25~ 80質量部配合することにより、本発明の難燃 合成樹脂組成物が得られる。

 本発明の難燃剤組成物は、配合する合成 脂の密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合 立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料 なるオレフィン等の種類や配合比率、重合 媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロ セン触媒等)等により、本発明の効果、即ち 目ヤニの抑制、並びに難燃剤合成樹脂組成 の難燃性の程度に差異はあるものの、いず においても有効である。

 本発明の難燃剤組成物により難燃化され 合成樹脂は、必要に応じて、フェノール系 化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテ 系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダード ミン系光安定剤等により安定化することが ましい。また、造核剤、帯電防止剤、金属 鹸、ハイドロタルサイト、充填剤、顔料、 剤、発泡剤等を添加してもよい。これら樹 配合剤としては、具体的には、上記の難燃 組成物に配合できる化合物が挙げられる。

 本発明の難燃性合成樹脂組成物を成形す ことにより、本発明の難燃性合成樹脂成形 を得ることができる。成形方法は、特に限 されるものではなく、押し出し加工、カレ ダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、 ロー成形等が挙げられ、樹脂板、シート、 ィルム、異形品等の種々の形状の成形品が 造できる。

 また、本発明の難燃性合成樹脂組成物及び 燃性合成樹脂成形品は、電気・電子・通信 農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類 医療、石炭、石油、ゴム、皮革、自動車、 密機器、木材、家具、印刷、楽器等の幅広 産業分野に使用できる。
 より具体的には、本発明の難燃性合成樹脂 成物及び難燃性合成樹脂成形品は、プリン ー、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA( 小型情報端末機)、電話機、複写機、ファク ミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手 帳、カード、ホルダー、文具等の事務、OA機 、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、 明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の 電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ テープレコーダー、ミニディスク、CDプレー ヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV 器、コネクター、リレー、コンデンサー、 イッチ、プリント基板、コイルボビン、半 体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の 気・電子部品及び通信機器等の用途に用い れる。

 さらに、本発明の難燃性合成樹脂組成物 び難燃性合成樹脂成形品は、座席(詰物、表 地等)、ベルト、天井張り、コンパーチブル ップ、アームレスト、ドアトリム、リアパ ケージトレイ、カーペット、マット、サン イザー、ホイルカバー、マットレスカバー エアバック、絶縁材、吊り手、吊り手帯、 線被覆材、電気絶縁材、塗料、コーティン 材、上張り材、床材、隅壁、カーペット、 紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、防 板、断熱板、窓材等の自動車、車両、船舶 航空機及び建築用材料や、衣料、カーテン シーツ、合板、合繊板、絨毯、玄関マット シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄 ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、 ント、楽器等の生活用品、スポーツ用品等 各種用途に使用される。

 実施例等により本発明を詳細に示す。た し、本発明は以下の実施例等によりなんら 限されるものではない。

〔実施例1〕
〔難燃剤組成物の調製〕
 ピロリン酸ピペラジン(ピペラジンの窒素原 子:ピロリン酸のリン原子=1:1)((A)成分)50質量 とピロリン酸メラミン(メラミンの窒素原子: ピロリン酸のリン原子=3:1)((B)成分)50質量部と をジェットミル((株)セイシン企業製:Co-JETSyste mα-mkIII)に入れ、室温でノズル圧力0.8mPa、供 速度500g/時間で粉砕して難燃剤粉末を得た。 得られた難燃剤粉末に、ジメチルシリコーン オイル((C)成分;信越化学(株)製、製品名KF-96)1. 2質量部とグリセリンモノステアレート((D)成 )0.7質量部とを添加し、FMミキサー(三井鉱山 (株)製:FM20C/I)を用い120℃において2800rpmで10分 撹拌して本発明の難燃剤組成物の粉末を得 。

〔難燃性合成樹脂組成物の作製〕
 低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株) :PES-120、メルトフローインデックス= 1.7g/10 )37.0質量部及びエチレン―酢酸ビニル樹脂( ソー(株)製:ウルトラセン635)20.0質量部に、 記で得られた難燃剤組成物43.0質量部、ポリ トラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製: ポリフロンFA-500)0.2質量部、テトラキス(3-(3,5- ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ ニルオキシメチル)メタン0.1質量部、トリス( 2,4-ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト0.1質 部を加え、プラストミル2軸押出機を用い、 スクリュー回転数75rpm、190℃、吐出量20Kg/hrで 押出して本発明の難燃性合成樹脂組成物を作 製した。作製時に発生した目ヤニを採取し目 ヤニ評価(mg/10分)を行った。
 また押出で得られたペレット状の難燃性合 樹脂組成物をさらに250℃で射出成形してUL-9 4に基づき難燃性を評価した。評価結果を下 〔表1〕に示す。

〔実施例2~8〕
 ピロリン酸ピペラジン((A)成分)50質量部とピ ロリン酸メラミン((B)成分)50質量部を固定し (C)成分及び(D)成分を下記〔表1〕の如く配合 を変えた以外は、上記実施例1と同様の条件 にて難燃剤組成物の調製及び難燃性合成樹脂 組成物の作製並びその評価を行った。結果を 〔表1〕にあわせて示す。

〔比較例1~9〕
 (D)成分の代わりに、(D)成分以外の高級脂肪 を用い、ピロリン酸ピペラジン((A)成分)50質 量部とピロリン酸メラミン((B)成分)50質量部 固定し、下記〔表2〕の如く(C)成分及び高級 肪酸を配合し、上記実施例1と同様の条件に て難燃剤組成物の調製及び難燃性合成樹脂組 成物の作製並びにその評価を行った。結果を 〔表2〕にあわせて示す。

 上記〔表1〕及び〔表2〕から明らかなよ に、比較例におけるビスアミド、ジエステ 及び多価(4価)アルコールのエステル化合物 では、目ヤニ抑制の効果は発現されず、本 明における特定の高級脂肪酸モノアミド化 物及びモノエステル化合物とシリコーンオ ルとを併用することによってのみ、目ヤニ 発生が抑制されることがわかる。

 本発明は、特定の高級脂肪酸化合物とシ コーンオイルとの併用により、目ヤニの発 を抑制しすることが可能で加工安定性に優 、かつ、難燃性に優れた難燃性合成樹脂組 物を提供することができる。

 本発明は、合成樹脂に対して、特定のリ 酸塩化合物、シリコーンオイル及び特定の 級脂肪族カルボン酸のモノアミド化合物及 /又は高級脂肪族カルボン酸と1価~3価のアル コール化合物とを反応させてなるモノエステ ル化合物を配合することにより、加工時にお ける目ヤニの発生を抑え長時間の加工安定に 優れ、さらに燃焼時に有害なガスを発生する ハロゲン系難燃剤を用いることなく、少量の 難燃剤で優れた難燃性を有する難燃剤組成物 及び難燃性合成樹脂組成物を提供することが 出来る。