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Patent Searching and Data


Title:
FLAME-RETARDANT THERMOPLASTIC RESIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078406
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a flame-retardant thermoplastic resin composition which maintains high flame retardancy without containing a halogen, and is free from problems of conventional non-halogen flame-retardant thermoplastic resin compositions. This flame-retardant thermoplastic resin composition is flexible and highly heat-resistant, while having good terminal workability, scratch whitening resistance, mechanical strength, moldability and excellent discoloration resistance. Specifically disclosed is a flame-retardant thermoplastic resin composition which is obtained by blending 50-300 parts by weight of a metal hydroxide (Y) per 100 parts by weight of a thermoplastic resin composition (X) containing 25-90% by weight of a polyethylene resin (a), 1-20% by weight of a polypropylene resin (b), 5-39% by weight of a styrene thermoplastic elastomer (c) and 4-40% by weight of a mineral oil-based rubber softener (d). This flame-retardant thermoplastic resin composition is characterized in that at least a part of the polyethylene resin (a) is composed of an ethylene-vinyl acetate copolymer (EVA), and the ethylene-vinyl acetate copolymer content is 40-80% by weight relative to 100% by weight of the thermoplastic resin composition (X).

Inventors:
SHINTO HISAO (JP)
YAGI KEISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/001422
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 18, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI CHEM CORP (JP)
SHINTO HISAO (JP)
YAGI KEISUKE (JP)
International Classes:
C08L23/04; C08K3/22; C08L23/10; C08L53/00; C08L91/00; H01B3/00; H01B3/44; H01B7/295
Foreign References:
JP2006182875A2006-07-13
JP3047911B12000-06-05
JP2002226641A2002-08-14
Attorney, Agent or Firm:
OKADA, Kazuhiko (6F Kudan Kangyo Bldg.,10-1, Kudan-kita 1-chom, Chiyoda-ku Tokyo 73, JP)
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Claims:
 ポリエチレン系樹脂(a):25~90重量%、ポリプロピレン系樹脂(b):1~20重量%、スチレン系熱可塑性エラストマー(c):5~39重量%及び鉱物油系ゴム軟化剤(d):4~40重量%を含有してなる熱可塑性樹脂組成物(X)100重量部に対し、金属水酸化物(Y)を50~300重量部を配合した難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、前記のポリエチレン系樹脂(a)の少なくとも一部がエチレン-ビニルアセテート共重合体(EVA)であり、かつ、その含有量が熱可塑性樹脂組成物(X)100重量%に対して40~80重量%であることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
 ポリエチレン系樹脂(a)として、カルボン酸基または酸無水物基含有ポリエチレン系樹脂およびエポキシ基含有ポリエチレン系樹脂の群の中から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
 ポリエチレン系樹脂(a)として、エチレン-α-オレフィン共重合体を含有する請求項1又は2に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
 金属水酸化物(Y)が水酸化マグネシウムである請求項1~3の何れかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
 請求項1~4の何れかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物をシース層または絶縁層として使用して成ることを特徴とする電源コード。
 請求項1~4の何れかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物をシース層または絶縁層として使用して成ることを特徴とする電線およびケーブル。
 請求項1~4の何れかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物を成形して成ることを特徴とする成形部品。
Description:
難燃性熱可塑性樹脂組成物

 本発明は、難燃性熱可塑性樹脂組成物に し、詳しくは、燃焼しても発煙性が低く、 ロゲン化水素などの有毒ガスの発生がなく しかも、耐変色性に優れる難燃性熱可塑性 脂組成物と、この樹脂組成物を使用した電 コード、電線およびケーブル、並びに、成 部品(プラグ、アダプター等)に関する。

 近年、火災時に煙の発生が少なく且つハ ゲン化水素などの有害ガスが発生しないノ ハロゲン難燃性熱可塑性樹脂組成物と、こ 樹脂組成物を使用した電源コード、電線、 ーブル、プラグ、アダプター等の成形部品 、環境問題への対策の一環として使用され いる。

 これらの樹脂組成物は、主として、ポリ レフィン系樹脂をベースポリマーとし、難 剤として、水酸化マグネシウム、や水酸化 ルミニウム等の金属水酸化物を使用するの 一般的である。しかしながら、これらの樹 組成物には次に述べるような問題がある。

(1)ポリオレフィン系樹脂などのプラスチッ クは、熱および光などの作用で酸化されラジ カルを発生させ加速度的に劣化するため、従 来より、酸化防止剤やラジカル補足剤として 、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止 剤、イオウ系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒ ンダードアミン系ラジカル補足剤が単独また は2種以上を組合せて使われている。ところ 、最も汎用的に使用されるフェノール系酸 防止剤は、大気中のNOxガス、酸化物、過酸 物、酸化性金属、アルカリ等の影響により 黄変またはピンキング等の変色を起こす。 方、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニ ム等の金属水酸化物は、不純物として酸化 金属を含んでおり、このため、絶縁被覆ま はシース材料として、ベースポリマーがポ オレフィン系樹脂であるノンハロゲン難燃 熱可塑性樹脂組成物を使用した電源コード 電線、ケーブル、成形部品などは、大気中 NOxガス、酸化物、過酸化物、酸化性金属、 ルカリ等の影響により、黄変またはピンキ グ等の変色を起しやすい。

(2)ポリオレフィン系樹脂、特に、高圧法低 密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共 重合体、エチレン-ビニルアセテート共重合 (EVA)、エチレン-エチルアクリレート共重合 (EEA)、エチレン-メチルメタクリレート共重 体(EMMA)等は、程度の差はあるものの、常温 では結晶部を有しており比較的に剛性が高 。また、金属水和物自体の難燃化効果はハ ゲン系難燃剤に比較すると大きくなく、十 な難燃性を付与するためには充填量を増や 必要があり、金属水和物の充填量を増加さ ると樹脂組成物の硬度や曲げ弾性率が増す このため、絶縁被覆またはシース材料とし 、ベースポリマーがポリオレフィン系樹脂 あるノンハロゲン難燃性熱可塑性樹脂組成 を使用した電源コード、電線、ケーブル及 成形部品(プラグ、アダプター等)は、塩化ビ ニル等を使用したものに比べ剛直な感触を与 える。

(3)また、金属水和物の充填量を増加させる と、金属水和物とポリマー分子間の相溶性が 低下し、樹脂組成物のせん断粘度が高くなる ため、押出成形時のトルクが増大し、成形品 の表面が平滑性を失い、押出成形時の成形線 速を低下させる必要がある。

(4)剛性を低くするにはベースポリマーであ るポリオレフィン系樹脂の結晶性を低下させ る必要があるが、高圧法ポリエチレンでは、 製法上、結晶性の低減には限界がある。また 、エチレンコポリマーの場合はコモノマーの 含有率を上げるならば、結晶性が低減してよ り柔軟になるが、強度保持に寄与していた結 晶部が減少するため、樹脂組成物の機械的強 度が低下し、また、耐加熱変形性が損なわれ る。

(5)一方、樹脂組成物の押出成形性や柔軟性 を高めるために金属水和物の充填量を減らす と樹脂組成物の難燃性は低下する。

(6)結晶性ポリマーの場合、降伏点以上の変 形を受けるとネッキングが生じて延伸される 。延伸が生じるために材料は破断し難いが、 この延伸状態は不可逆であるため、一度降伏 点以上に伸びると元に戻らない。電線被覆の 端末加工の際、絶縁体に軽く刃物を入れて引 き抜く作業を行うが、特に、ベースポリマー が結晶性の高いポリオレフィン系樹脂である 樹脂組成物を絶縁体に使用した場合、絶縁体 の樹脂組成物が延伸し、端末にひげ状の切れ 残りが生じ易く端末加工性が良好でない。

(7)また、結晶性ポリマーの場合、降伏点以 上の変形を受けると延伸され、この延伸状態 は不可逆であるため、一度降伏点以上に伸び ると元に戻らずに白化する(応力白化)。この め、特に、ベースポリマーが結晶性の高い リオレフィン系樹脂である樹脂組成物は耐 つき性が乏しく、傷がつくと白色に変色す 。

 前述の(2)~(7)についての問題を解決するた めにスチレン系熱可塑性エラストマーとポリ オレフィン系樹脂をベースポリマーに使用し たノンハロゲン難燃樹脂組成物とその応用製 品が提案されている(特許文献1)。しかし、こ の樹脂組成物は、樹脂組成物の成形時のモー ター負荷が高いという問題がある。この問題 を解決するためにスチレン系熱可塑性エラス トマーとポリオレフィン系樹脂をベースポリ マーに使用した柔軟ノンハロゲン難燃性樹脂 組成物とその応用製品が提案されている(特 文献2)。しかし、この樹脂組成物は、樹脂組 成物の柔軟性が不十分である。一方、スチレ ン系熱可塑性エラストマーとポリオレフィン 系樹脂をベースポリマーに使用した難燃性可 塑性樹脂組成物が提案されている(特許文献3) 。しかし、この樹脂組成物は、柔軟性、機械 物性、耐傷付き白化性の改善を課題としてお り、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウ ム等の金属水酸化物が酸化防止剤などの添加 剤を変質させることに起因する樹脂組成物の 変色(先述の(1)についての問題)を防止しよう いう技術的課題ならびに技術的思想につい は全く言及されていない。

特許第3047911号公報

特開2002 226641号公報

特開2006-182875号公報

 本発明は、上記実情に鑑みなされたもの あり、その目的は、従来のノンハロゲン難 性熱可塑性樹脂組成物の問題がなく、ハロ ンを含まぬ状態で高度の難燃性を維持しつ 、柔軟で高い耐熱性を有し、端末加工性、 傷つき白化性、機械的強度、成形加工性が 好であり、耐変色性に優れる、電源コード 電線、ケーブルの被覆およびプラグ、アダ ター等の成形部品用の難燃性熱可塑性樹脂 成物を提供する点にある。

 すなわち、本発明の第1の要旨は、ポリエ チレン系樹脂(a):25~90重量%、ポリプロピレン 樹脂(b):1~20重量%:スチレン系熱可塑性エラス マー(c):5~39重量%及び鉱物油系ゴム軟化剤(d): 4~40重量%を含有してなる熱可塑性樹脂組成物( X)100重量部に対し、金属水酸化物(Y)を50~300重 部を配合した難燃性熱可塑性樹脂組成物で って、前記のポリエチレン系樹脂(a)の少な とも一部がエチレン-ビニルアセテート共重 合体(EVA)であり、かつ、その含有量が熱可塑 樹脂組成物(X)に対して40~80重量%であること 特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物に存 る。

ポリエチレン系樹脂(a)として、カルボン酸 基または酸無水物基含有ポリエチレン系樹脂 およびエポキシ基含有ポリエチレン系樹脂の 群の中から選ばれる少なくとも1種を含有し 更に、エチレン-α-オレフィン共重合体を含 する。また、金属水酸化物が水酸化マグネ ウムである。

 また、本発明の第2の要旨は、難燃性熱可 塑性樹脂組成物をシース層または絶縁層とし て使用して成ることを特徴とする電源コード に存し、本発明の第3の要旨は、難燃性熱可 性樹脂組成物をシース層または絶縁層とし 使用して成ることを特徴とする電線および ーブルに存する。

 さらに、本発明の第4の要旨は、前記の難 燃性熱可塑性樹脂組成物を成形して成ること を特徴とする成形部品に存する。

 本発明によれば、燃焼しても発煙性が低 且つハロゲン化水素などの有毒ガスの発生 ない、耐変色性に優れる難燃性熱可塑性樹 組成物と、この樹脂組成物を使用した電源 ード、電線、ケーブル、プラグ、アダプタ 等の成形部品が得られる。

 以下、本発明を詳細に説明する。先ず、 発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物について 明する。本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成 は、特定組成から成る熱可塑性樹脂組成物( X)と金属水酸化物(Y)とから得られる。

 上記の熱可塑性樹脂組成物(X)は、ポリエ レン系樹脂(a)、ポリプロピレン系樹脂(b)、 チレン系熱可塑性エラストマー(c)、鉱物油 ゴム軟化剤(d)を含有する。

 ポリエチレン系樹脂(a)としては、ポリエ レン、エチレン-α-オレフィン共重合体、エ チレン-不飽和エステル共重合体、カルボン 基または酸無水物基含有エチレン系樹脂、 ポキシ基含有エチレン系樹脂などが挙げら る。これらの内、エチレン-不飽和エステル 重合体の一種であるエチレン-ビニルアセテ ート共重合体(EVA)を必須成分とする。ポリエ レン系樹脂(a)として、エチレン-ビニルアセ テート共重合体(EVA)が含まれていると、極性 を有し、難燃性熱可塑性樹脂組成物の耐変 性、難燃性をより向上させる観点から好ま い。

 エチレン-α-オレフィン共重合体は難燃性 熱可塑性樹脂組成物の機械的強度を向上させ る点で好ましい。エチレン-α-オレフィン共 合体としては、好ましくはエチレンと炭素 3~12のα-オレフィンとの共重合体である。α- レフィンの具体例としては、プロピレン、1 -ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1 -オクテン、1-デセン、1-ドデセン等が挙げら る。α-オレフィンがプロピレンの場合、α- レフィン中のプロピレンの含有量は通常50 量%未満である。

 エチレン-α-オレフィン共重合体としては 、メタロセン触媒に代表されるシングルサイ ト触媒、所謂チーグラー系触媒(チタン、ク ム系など)に代表されるマルチサイト触媒の れの触媒によって重合されたものでもよい 、機械物性と柔軟性のバランスに優れる観 から、メタロセン触媒等のシングルサイト 媒で重合されたものが好ましい。重合方法 、気相法、溶液重合法、高圧イオン重合法 何れの方法でもよい。

 エチレン-α-オレフィン共重合体としては、 直鎖状低密度ポリエチレン系重合体、低密度 ポリエチレン系重合体、超低密度ポリエチレ ン系重合体などが挙げられる。このうち、特 に、コモノマーであるα-オレフィンのランダ ムネスが高く、難燃剤などの無機フィラー受 容性に優れることから、直鎖状低密度ポリエ チレンが好ましく、メタロセン触媒により重 合されるエチレン-α-オレフィン共重合体が に好ましい。更に、その密度が0.86~0.92g/cm 3 の直鎖状低密度ポリエチレン系重合体は、強 度および柔軟性に優れることから特に好適で ある。コモノマーであるα-オレフィンとして は、代表的には、1-ヘキセン、1-オクテン等 あり、その使用割合は通常、エチレン-α-オ フィンを100モル%とした場合で、2~25モル%で る。これらのエチレン-α-オレフィン共重合 体は2種以上をブレンドして使用してもよい

 なお、難燃性熱可塑性樹脂組成物の耐油 および耐熱性を高めるため、上記のエチレ -α-オレフィン共重合体は、その一部または 全てが、アルコキシ・シリル基を有するシラ ングラフト化エチレン-α-オレフィン共重合 になっていてもよい。

 ポリエチレン系樹脂(a)は、エチレン-ビニ ルアセテート共重合体(EVA)を必須成分とする 、ポリエチレン系樹脂(a)は、エチレン-ビニ ルアセテート共重合体(EVA)以外のエチレン-不 飽和エステル共重合体も、極性基を有し、他 のポリオレフィン系樹脂よりも難燃性熱可塑 性樹脂組成物の耐変色性や難燃性を向上させ る点で好ましい。エチレン-ビニルアセテー 共重合体(EVA)以外のエチレン-不飽和エステ 共重合体としては、エチレン-メタクリル酸 チル共重合体(EMMA)、エチレン-アクリル酸エ チル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸メチ ル共重合体(EMA)、エチレン-アクリル酸ブチル 共重合体(EBA)などが挙げられる。

 エチレン-ビニルアセテート共重合体(EVA) 含めたエチレン-不飽和エステル共重合体中 の不飽和エステル含有量は、多いほど難燃性 熱可塑性樹脂組成物の柔軟性や難燃性を向上 させることが出来る点から好ましい。一方、 難燃性熱可塑性樹脂組成物の耐熱変形性及び 耐熱老化特性の点からは低い方が好ましい。 従って、不飽和エステル含有量は、エチレン -不飽和エステル共重合体を100重量%とした場 で、下限が、通常10重量%、好ましくは15重 %で、同上限が通常50重量%、好ましくは45重 %である。エチレン-不飽和エステル共重合体 の重合方法は、特に限定されず、オートクレ ーブリアクター、チューブラーリアクターの 何れによるものでもよい。これらのエチレン -不飽和エステル共重合体は2種以上をブレン して使用してもよい。

 なお、難燃性熱可塑性樹脂組成物の耐油 および耐熱性を高めるため、上記のエチレ -不飽和エステル共重合体は、その一部また は全てが、アルコキシ・シリル基を有するシ ラングラフト化エチレン-不飽和エステル共 合体になっていてもよい。

 カルボン酸基または酸無水物基含有ポリ チレン系樹脂は、難燃性熱可塑性樹脂組成 の機械的強度、耐加熱変形性、成形外観を 上させる点で好ましい。カルボン酸基また 酸無水物基含有エチレン系樹脂としては、 ルボン酸基または酸無水物基を導入する化 物として、マレイン酸、フマル酸、シトラ ン酸、イタコン酸などのα,β-不飽和カルボ 酸、または、これらの無水物、アクリル酸 メタクリル酸、フラン酸、ビニル酢酸など 不飽和モノカルボン酸を使用したエチレン 樹脂等が挙げられる。

 エポキシ基含有エチレン系樹脂は、上記 カルボン酸基または酸無水物基含有ポリエ レン系樹脂と同様、難燃性熱可塑性樹脂組 物の機械的強度、耐加熱変形性、成形外観 向上させる点で好ましい。エポキシ基含有 チレン系樹脂としては、エポキシ基を導入 る化合物として、アクリル酸グリシジル、 タクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグ シジルエステル、ブテントリカルボン酸モ グリシジルエステル、ブテントリカルボン ジグリシジルエステル、ブテントリカルボ 酸トリグリシジルエステル、α-クロロアク ル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマール などのグリシジルエステル類、ビニルクリ ジルエーテル、アリルグリシジルエーテル グリシジルオキシエチルビニルエーテル、 チレン-p-グリジルエーテル等のグリシジル ーテル類、p-グリシジルスチレン等を使用 たエチレン系樹脂が挙げられる。これらの では、メタクリル酸グリシジル又はアリル リシジルエーテルが取り扱い性および経済 の観点から好ましい。

 ポリプロピレン系樹脂(b)は難燃性熱可塑 樹脂組成物の耐加熱変形性を向上させる作 を有する。ポリプロピレン系樹脂(b)として 、具体的には、プロピレンホモポリマー、 ロピレン-エチレンランダムコポリマー、プ ロピレン-エチレン-1-ブテンランダムターポ マー、プロピレン-エチレンブロックコポリ ー等が挙げられる。これらの中では、柔軟 や他樹脂との相容性が良い点から、コポリ ータイプが好ましい。また、メルトフロー ート(MFR値)は、難燃性熱可塑性樹脂組成物 成形する際の機械負荷を低減することが出 る点からは高い方が好ましい。一方、スチ ン系熱可塑性エラストマー(c)の分散性及び 燃性熱可塑性樹脂組成物の成形外観の点か はMFR値は低い方が好ましい。従って、ポリ ロピレン系樹脂(b)のMFR(230℃、2.16kgf)値は通 0.5~20g/10分とされる。

 スチレン系熱可塑性エラストマー(c)は、 燃性熱可塑性樹脂組成物の柔軟性、端末加 性、耐傷つき白化性を向上させる。スチレ 系熱可塑性エラストマー(c)としては、難燃 熱可塑性樹脂組成物の耐候性の点から、オ フィン由来の不飽和二重結合が出来るだけ ないエラストマーが好ましく、例えばA-B型 たはA-B-A型ブロック共重合体が最適である ここで、Aはスチレン重合体ブロックを示す また、Bはアルキレン共重合ブロックであり 、具体的には、エチレン-ブテン共重合体ブ ック、エチレン-プロピレン共重合体ブロッ 等が挙げられる。

 上記の様な共重合体は、一般に、SBRと称 れるスチレン-ブタジエンブロック共重合体 、SBSと称されるスチレン-ブタジエン-スチレ ブロック共重合体、SISと称されるスチレン- イソプレン-スチレンブロック共重合体の、 タジエン重合体ブロック及びイソプレン重 体ブロックを夫々水素添加して得られ、一 に、HSBR(水添スチレンブタジエンゴム)、SEBS( ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロ ク-ポリスチレン)、SEPS(ポリスチレン-ポリ( チレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン) びSEEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレ /プロピレン)ブロック-ポリスチレン)と称さ れる。該共重合体に導入されるスチレン含量 は、難燃性熱可塑性樹脂組成物の機械的強度 の点では、含有量が多い程好ましい。一方、 難燃性熱可塑性樹脂組成物の柔軟性の点では 、含有量が少ない方が好ましい。従って、ス チレン含量は、下限が通常8重量%、同上限が 常50重量%、好ましくは40重量%である。これ のスチレン系熱可塑性エラストマーは2種以 上をブレンドして使用してもよい。なお、難 燃性熱可塑性樹脂組成物の機械的強度、耐熱 性、耐傷つき白化性、端末加工性を更に向上 させるため、上記のスチレン系熱可塑性エラ ストマー(c)は、その一部または全てが、カル ボン酸または酸無水物基を有する酸変性型ス チレン系熱可塑性エラストマーになっていて もよい。

 鉱物油系ゴム用軟化剤(d)は、上記(c)成分 流動性および本発明の難燃性熱可塑性樹脂 成物の柔軟性を向上させる目的で添加され 。鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナ テン環およびパラフィン鎖の三者の組み合 さった混合物であって、パラフィン鎖炭素 が全炭素数の50%以上を占めるものはパラフ ン系、ナフテン環炭素数が30~45%のものはナ テン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳 族系と呼ばれて区別されている。これらの では、上記(c)成分を溶解させない点や難燃 熱可塑性樹脂組成物の汚染性および安全性 留意すると、パラフィン系の鉱物油系ゴム 軟化剤が好ましい。

 金属水酸化物(Y)は、熱可塑性樹脂組成物 難燃性を付与するために配合され、その具 例としては、水酸化マグネシウム、水酸化 ルミニウム、水酸化カルシウム等が挙げら る。これらの中では、難燃性熱可塑性樹脂 成物の難燃性および加工性をより向上させ 観点から、水酸化マグネシウムが好ましい また、上記の金属水酸化物は2種以上をブレ ンドして使用してもよい。

 金属水酸化物(Y)は、取扱い易いことから 常粒状で用いる。金属水酸化物(Y)の平均粒 (D50)は、難燃性熱可塑性樹脂組成物の耐摩 性などの機械的特性をより向上させる観点 ら、下限が通常0.1μmであり、同上限が通常20 μm、好ましくは2μmである。ここで、平均粒 (D50)とは、レーザー回折式粒度分布装置を使 用し、相対粒子量50%のときの粒子径を指す。 その粒子表面は、難燃性熱可塑性樹脂組成物 の耐変色をより向上させる観点から、オレイ ン酸、ステアリン酸などの脂肪酸または脂肪 酸塩;ビニルシラン、アミノシラン、エポキ シラン、メタクリロキシシラン等のシラン ップリング剤;水溶性ポリマー等で表面処理 れていることが好ましい。また、この場合 予め表面処理した水酸化マグネシウム等の 属水酸化物(Y)を使用してもよいし、表面処 を施していない水酸化マグネシウム等の金 水酸化物(Y)と表面処理剤を同時に添加して ンテグラルブレンドを行ってもよい。また 金属水酸化物(Y)としては、難燃性熱可塑性 脂組成物の耐変色性および耐熱老化性をよ 向上させる観点から、酸化性金属などの不 物が少ない、海水などを原料とした合成品 好ましい。

 本発明において、熱可塑性樹脂組成物(X) 、ポリエチレン系樹脂(a)、ポリプロピレン 樹脂(b)、スチレン系熱可塑性エラストマー( c)及び鉱物油系ゴム軟化剤(d)を含有して成る

 ポリエチレン系樹脂(a)の割合の下限は、2 5重量%、好ましくは35重量%であり、同上限は 90重量%、好ましくは85重量%である。ポリエ レン系樹脂(a)の割合が上記下限以上の場合 難燃性熱可塑性樹脂組成物の機械的強度の で好ましく、上記上限以下の場合は、難燃 熱可塑性樹脂組成物の柔軟性、端末加工性 耐傷つき白化性の点で好ましい。

 ポリプロピレン系樹脂(b)の割合の下限は 1重量%、好ましくは3重量%であり、同上限は 、20重量%、好ましくは10重量%である。ポリプ ロピレン系樹脂(b)の割合が上記下限以上の場 合は難燃性熱可塑性樹脂組成物の耐加熱変形 性の点で好ましく、上記上限以下の場合は難 燃性熱可塑性樹脂組成物の柔軟性の点で好ま しい。

 スチレン系熱可塑性エラストマー(c)の割 の下限は、3重量%、好ましくは5重量%であり 、同上限は、39重量%、好ましくは25重量%であ る。スチレン系熱可塑性エラストマー(c)の割 合が上記下限以上の場合は、難燃性熱可塑性 樹脂組成物の柔軟性、端末加工性、耐傷つき 白化性の点で好ましく、上記上限以下の場合 は、難燃性熱可塑性樹脂組成物の機械的強度 及び難燃性熱可塑性樹脂組成物を成形する時 のモーター負荷が小さい点で好ましい。

 鉱物油系ゴム軟化剤(d)の割合の下限は、4 重量%、好ましくは5重量%であり、同上限は、 40重量%、好ましくは30重量%である。鉱物油系 ゴム用軟化剤(d)の割合が上記下限以上の場合 は、難燃性熱可塑性樹脂組成物の柔軟性、耐 傷つき白化性及び難燃性熱可塑性樹脂組成物 を成形する時のモーター負荷が小さい点で好 ましく、上記上限以下の場合は難燃性熱可塑 性樹脂組成物の機械的強度及び軟化剤のブリ ードアウトしにくさの点で好ましい。

 本発明において、熱可塑性樹脂組成物(X) 、前記のポリエチレン系樹脂(a)として特定 のエチレン-ビニルアセテート共重合体(EVA) 含有していることが特に重要である。エチ ン-ビニルアセテート共重合体(EVA)の含有量 、熱可塑性樹脂組成物(X)に対して、下限が4 0重量%、好ましくは45重量%であり、同上限が8 0重量%、好ましくは75重量%である。エチレン- 不飽和エステル共重合体の割合が上記下限以 上の場合は難燃性熱可塑性樹脂組成物の耐変 色性の点で好ましく、上記上限以下の場合は 、難燃性熱可塑性樹脂組成物の機械的強度及 び耐熱変形性の点で好ましい。

 金属水酸化物(Y)の配合割合は、熱可塑性 脂組成物(X)100重量部に対し、下限が50重量 、好ましくは100重量%であり、同上限が500重 %、好ましくは200重量%である。金属水酸化 (Y)の配合量が上記下限以上の場合は難燃性 可塑性樹脂組成物の難燃性の点で好ましく 上記上限以下の場合は、難燃性熱可塑性樹 組成物の機械的特性、柔軟性、耐傷つき白 性、耐熱老化性及び難燃性熱可塑性樹脂組 物を成形する時のモーター負荷、成形外観 点で好ましい。

 本発明においては、必要に応じ、本発明 目的とする難燃性熱可塑性樹脂組成物の特 を阻害しない範囲で、赤リン、リン酸塩な のリン系難燃剤;メラニンシアヌレート化合 物などの窒素系難燃剤;ヒンダードフェノー 系、ヒンダードアミン系、ラクトン系、リ 系、硫黄系、ビタミンE系などの酸化防止剤; ヒドラジン系などの金属不活性剤;ヒンダー アミン系などの光安定剤;ベンゾトリアゾー 系などの紫外線吸収剤;酸化チタン等の紫外 線隠蔽剤;カーボンその他着色用顔料;非イオ 系、アニオン系などの界面活性剤;ジメチル シリコーンオイル等のシリコンオイル;充填 ;他の樹脂など、一般的に樹脂成形材料に使 される添加剤を使用してよい。

 本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物のコ パウンドは、コンパウンド製造に通常使用 れる単軸および二軸混練押出機、混練ニー ー、バンバリー、混練ロール等の設備を使 し、前記の成分を溶融混合し、必要に応じ 適当な形状に造粒することにより製造でき 。また、得られた難燃性熱可塑性樹脂組成 のペレット等による電線用絶縁体およびシ ス等の押出被覆、プラグ、アダプター等の 出成形に関しては、それぞれ一般的な設備 より一般的な方法に準じて行うことが出来 。その際の加工温度は下限が通常160℃、好 しくは180℃、上限が通常250℃、好ましくは2 30℃の間で配合系に基づき設定して行う。

 次に、本発明の電源コード並びに電線お びケーブルについて説明する。本発明の電 コード並びに電線およびケーブルは、電源 ード並びに電線およびケーブルのシース層 たは絶縁層として、本発明に係る前述の難 性熱可塑性樹脂組成物を使用することによ て作製できる。従って、本発明の電源コー 並びに電線およびケーブルは、従来法に準 て得ることが出来る。

 以下、本発明を実施例により更に詳細に 明するが、本発明は、その要旨を超えない り、以下の実施例に限定されるものではな 。以下に諸例で使用した原料および評価方 は次の通りである。

<使用した原料>

(ポリエチレン系樹脂):
(a1)エチレン-α-オレフィン共重合体[密度0.898g /cm 3 、エチレン-1-ヘキセン共重合体、「日本ポリ エチレン(株)製「カーネルKF360」]
(a2)エチレン-不飽和エステル共重合体[三井・ デュポンポリケミカル(株)製「エバフレック EV180」:密度0.94g/cm 3 、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル 有33重量%)]
(a3)酸無水物基含有エチレン系樹脂[日本ポリ チレン(株)製「アドテックスL6101M」:密度0.92 g/cm 3 、無水マレイン酸基0.2wt%含有LLDPE(無水マレイ ン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン]
(a4)アルコキシ・シリル基を有するシラング フト化エチレン-α-オレフィン共重合体(後述 の製造例1にて得られたもの)
(a5)アルコキシ・シリル基を有するシラング フト化エチレン-不飽和エステル共重合体(後 述の製造例1にて得られたもの)

(ポリプロピレン系樹脂):
(b)ポリプロピレン[「日本ポリプロ(株)製「BC5 CW」:MFR(230℃、2.16kgf)3g/10min、プロピレン-エチ レンブロックコポリマー]

(スチレン系熱可塑性エラストマー):
(c1)SEEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレ /プロピレン)ブロック-ポリスチレン)[(株)ク レ製「セプトン4055」:スチレン含有量30重量 %、水素添加率70%以上]
(c2)酸無水物基含有スチレン系熱可塑性エラ トマー[旭化成(株)製「タフテックM1913」:ス レン含有量30重量%、水素添加率70%以上、無 マレイン酸基含有SEBS(ポリスチレン-ポリ(エ レン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン)]

(鉱物油系ゴム軟化):
(d)パラフィン系ゴム用軟化剤[出光興産(株)製 「ダイアナプロセスオイルPW380」:動粘度381.6c St(40℃)]

(金属水酸化物):
(Y)水酸化マグネシウム[協和化学工業(株)製「 キスマ5P」:シランカップリング剤表面処理あ り、D50:1.8μm]
注:水酸化マグネシウムの粒度分布および平 粒径は、協和化学工業(株)によれば、試料700 mgに水70cm 3 を加え、超音波ホモジナイザー((株)日本精機 製「US 300」:電流値300μA)で3分間分散処理し 後、Microtrac粒度分析計SPAタイプ(Leeds&Northr up Instruments社製)を用いて行った。

(フェノール系酸化防止剤):(株)ADEKA製「AO60」
(イオウ系酸化防止剤)  :(株)ADEKA製「AO23」
(金属不活性化剤)    :(株)ADEKA製「CDA-1」

<評価方法>

(1)耐変色性:
 実施例1~4及び比較例1~3については、本発明 難燃性熱可塑性樹脂組成物コンパウンドを 用し、オープンロール等を使用して十分溶 混合させた後、プレス成形した厚さ1mmのシ トを作製し、23℃、NOx1500ppmに調整した密閉 器中に24時間放置した前後の色差デルタEを 定した。そして、色差デルタが4.0以下のも を「○」、それ以外のものを「×」とした
 また、実施例5、6及び比較例4~5については 本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物コンパ ンドを使用し、オープンロール等を使用し 十分溶融混合させた後、プレス成形した厚 1mmのシートを作製し、23℃、NOx1500ppmに調整 た密閉容器中に24時間放置した後容器より取 りだし、更に10日間23±2℃の暗所に放置。そ 後試験前サンプルとの色差(・E)を測定した

(2)引張特性:
 樹脂組成物コンパウンドの押出加工により 造した導体断面積2mm 2 、より線芯数2の平行コードを15cmに切断し、 体を抜いて試験片を作製し、引張試験を行 た。試験方法は引張試験機により引張速度2 00mm/minで行い、標線間は5cmとした。なお、試 片の断面積は試験片の重量および「JIS K 71 12」により比重を測定して算出した。そして 引張強さが8MPa以上かつ伸びが200%以上もの 「○」、それ以外のものを「×」とした。

(3)耐熱老化性:
 前記(2)と同様の方法で試験片を作製し、120 ×96時間熱処理後に前記(2)と同様の方法で引 張試験を行い、前記(2)で求めた熱処理前の常 態値からの残率を求めた。そして、引張強さ の残率が80%以上かつ伸びの残率が80%以上もの を「○」、それ以外のものを「×」とした。

(4)耐加熱変形性:
 「電気用品の技術基準及び取扱細則」別表 一附表十八に準拠して加熱変形率を測定し 。押出加工により、樹脂組成物コンパウン から、導体断面積2mm 2 、線芯数2の平行コードを製造し、試験サン ルに使用した。試験条件は設定温度;120℃、 重;5N、加重時間;30分間とし、加熱変形率が4 0%以下のものを「○」、それ以外のものを「 」とした。

(5)柔軟性:
 オープンロール等を使用し、樹脂組成物コ パウンドを十分溶融混合させた後、プレス 形し、厚さ1mmのシートにより標準試験片を 製し、「JIS K 7106」に準拠して曲げ弾性率 測定した。そして、曲げ弾性率が1300kgf/cm 2 以下のものを「○」、それ以外のものを「× とした。

(6)難燃性:
 押出加工により、樹脂組成物コンパウンド ら、導体断面積2mm 2 、より線芯数2の平行コードを製造し、試験 ンプルとし、「JIS C 3005.28傾斜試験」に準 して試験し、炎を静かに取り去った後、自 に消火するまでの時間(秒)を測定した。そし て、60秒以内に自然に消えたものを「○」、 えなかったものを「×」とした。

(7)端末加工性:
 押出加工により、樹脂組成物コンパウンド ら、導体断面積2mm 2 、より線芯数2の平行コードを製造し、試験 ンプルとした。プラグ加工用の端末加工機 かけ、平刃による端末加工を実施した。10本 端末加工を行い、全数切れ残りなく加工でき たものを「○」、切れ残りが生じたものを「 ×」とした。

(8)耐傷つき白化性:
 オープンロール等を使用し、樹脂組成物コ パウンドを十分溶融混合させた後、プレス 形し、厚さ1mmのシートを作製し、R=2.5mmのサ ファイア針をシート面に垂直に立てて、2000mm /minの速度でシートをスライドさせ、そのと に傷ついて白化したときの荷重(g)を傷つき とした。そして、傷ついた時の荷重が800g以 を「○」、それ以外を「×」とした。

(9)押出加工性:
 75mm押出機(L/D=24)を使用し、樹脂組成物コン ウンドから、導体断面積2mm 2 、より線芯数2の平行コードを製造し、(a)60m/m in以上の加工線速、(b)120A以下の押出負荷電流 、(c)無機物の凝集物、凹凸、ブリード、ブル ームがない平滑な押出外観の3項目が満たさ ているか検討し、全ての項目が満足できた のを「○」、満足できなかった項目があっ ものを「×」とした。

 製造例1[(a4)及び(a5)の製造]:
 ビニルメトキシシランにジクミルパーオキ イド(DCP)を溶解させ、2種類のポリエチレン 樹脂(a1)及び(a2)をそれぞれ使用し、表1の組 割合(重量部)で攪拌混合し、直径50mmの単軸 出機を使用して押出温度150~200℃で押出し、 ペレット状の(a4)及び(a5)を得た。各樹脂は、 れぞれアルミアミネート袋内に密封封入し 外部の水分を遮断した状態で保存し、必要 応じて小出しして使用した。

 実施例1~6及び比較例1~5:
 表2及び3の上方に示す各々の配合のコンパ ンドを作製した。混合はニーダー混合機に り実施し、ニーダー温度設定は180~230℃とし 混合後、ペレタイズした。各コンパウンド 評価結果を表2及び3に示す。

 表2及び3から明らかなように、実施例に す材料は、良好な耐変色性、機械的強度、 熱性、柔軟性、難燃性、端末加工性、耐傷 き白化性および成形加工性を示している。 れに対し比較例は全て、前記諸特性のバラ スが取れていない。