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Patent Searching and Data


Title:
FLEXIBLE DEFORMATION SENSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096419
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a low-cost deformation sensor which is light-weighted and flexible. The deformation sensor stably operates with high responsivity in the air. Specifically disclosed is a deformation sensor (6) which is a sheet composed of a nonaqueous polymer solid electrolyte (10) and at least a pair of electrodes (7, 8) sandwiching the nonaqueous polymer solid electrolyte (10). The nonaqueous polymer solid electrolyte (10) contains a polymer component, which is selected from at least either of a polymer containing a monomer unit having a heteroatom and a block copolymer containing a block of the polymer, and an ionic liquid. The sensor generates an electromotive force when deformed, and is able to sense the position of deformation and the pressure distribution.

Inventors:
KOMIYA RYOTA (JP)
KATO TOSHINORI (JP)
OKUNO TAKETOSHI (JP)
SUGOH NOZOMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051338
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 28, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KURARAY CO (JP)
KOMIYA RYOTA (JP)
KATO TOSHINORI (JP)
OKUNO TAKETOSHI (JP)
SUGOH NOZOMU (JP)
International Classes:
G01B7/16; G01D21/00; G01L5/00
Foreign References:
JPH11125570A1999-05-11
JPH11132879A1999-05-21
JP2002004130A2002-01-09
JPH1038736A1998-02-13
JP2007010482A2007-01-18
JPS63309252A1988-12-16
JP2006173219A2006-06-29
JP2004289994A2004-10-14
JP2005051949A2005-02-24
Other References:
See also references of EP 2239537A4
PROC. OF SPIE, vol. 6529, pages 1
SCIENCE, vol. 302, 2003, pages 792
Attorney, Agent or Firm:
KOMIYA, Yoshio et al. (22-1 Ichiban-cho, Chiyoda-ku, Tokyo 82, JP)
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Claims:
 ヘテロ原子を有する単量体単位を含む重合体、および該重合体のブロックを含むブロック共重合体の少なくとも一方から選ばれるイオン解離性基を含まない高分子成分と、イオン液体とを含有する非水系高分子固体電解質、および
 少なくとも一対の電極からなる可撓性素子であって、
 該電極の非水系高分子固体電解質に接していない面の、少なくとも一部の表面抵抗が10ω/□以下であり、該可撓性素子の1cm 2 あたりの静電容量が0.1~500mFであり、該可撓性素子の変形によって起電力を生じることを特徴とする変形センサ。
 該非水系高分子固体電解質のイオン伝導度が1×10 -7 S/cm以上、1×10 -1 S/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の変形センサ。
 該電極が構成成分として炭素微粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の変形センサ。
 該高分子成分が、該イオン液体と相溶である重合体ブロック、および該イオン液体と非相溶である重合体ブロックを含む共重合体を成分として含み、該共重合体が該イオン液体によって含浸された状態にあることを特徴とする請求項1に記載の変形センサ。
 該電極の一面であって非水系高分子固体電解質に接していない面に、外部電気回路に導通する集電体層が付されていることを特徴とする請求項1に記載の変形センサ。
 該集電体層がパターン形状であることを特徴とする請求項5に記載の変形センサ。
 前記一対の電極の双方の一面であって、非水系高分子固体電解質に接していない面に、外部電気回路に導通する同一パターンの集電体層が付されていることを特徴とする請求項1に記載の変形センサ。
 請求項7に記載の同一パターンの集電体層が該非水系高分子固体電解質、及び該非水系高分子固体電解質を挟む双方の該電極を介して合一する位置にあり、該同一パターンが多角形、円形、または/および楕円形が等間隔に並んでいることを特徴とする変形センサ。
 ヘテロ原子を有する単量体単位を含む重合体、および該重合体のブロックを含むブロック共重合体の少なくとも一方から選ばれる高分子成分と、イオン液体とを含有する非水系高分子固体電解質、および該非水系高分子固体電解質を挟む少なくとも一対の電極からなる可撓性素子であって、該可撓性素子の変形によって起電力を生じることを特徴とする変形位置および圧力分布を検出可能な変形センサ。
 該電極がパターン形状であることを特徴とする請求項9に記載の変形位置および圧力分布を検出可能な変形センサ。
 前記一対の電極の夫々が、互いに導通することなく外部回路に繋がる複数の導電性パターンであり、該非水系高分子固体電解質を挟む一対の導電性パターンの対向点が検知位置であることを特徴とする請求項9に記載の変形位置および圧力分布を検出可能な変形センサ。
 前記一対の電極の双方が、同一形状のパターンであることを特徴とする請求項9に記載の変形位置および圧力分布を検出可能な変形センサ。
 請求項12に記載のパターンが該非水系高分子固体電解質を介して合一する位置にあり、該同一パターンが多角形、円形、または/および楕円形が等間隔に並んでいることを特徴とする変形センサ。
 前記一対の電極の夫々の一面であって、非水系高分子固体電解質に接していない面に、互いに導通することなく外部回路に繋がる複数のパターンの集電体層が付与されており、集電体層のパターン部の対向点が検知位置であることを特徴とする請求項9に記載の変形位置および圧力分布を検出可能な変形センサ。
Description:
可撓性を有する変形センサ

 本発明は、可撓性素子の変形によって起 力を生じる変形センサ、或いは変形位置お び圧力分布を検出可能な変形センサに関す ものである。

 近年、医療介護機器、産業用ロボットや ーソナルロボットなどの分野において、小 で軽量なセンサの必要性が高まっている。 た歪みセンサ、振動センサとして、複雑な 状の構造物に設置可能な軽量で柔軟なセン の必要性が高まっている。

 機械エネルギーを電気エネルギーに変換 るセンサとしては、圧電セラミックス等を いた圧電素子が広く用いられている。チタ 酸バリウムやジルコン酸チタン酸鉛(PZT)な に代表される圧電セラミックスは、該セラ ックスが応力を受けることで電荷を発生す 圧電効果により、機械エネルギーを電気エ ルギーに変換している。

 しかしこれらの圧電セラミックスを用い センサは、高密度の無機材料を用いるため 、低重量であることが求められる用途では 用できないことが多い。また、耐衝撃性に るために、外部からの衝撃が加わった場合 圧電セラミックスが破壊されてセンサ機能 低下しやすい。また、可撓性に劣るために 球面や凹凸を有する複雑な形状の構造物に 置することが求められる用途では使用する とが難しく、大きな変形や小さな応力を検 することができなかった。

 これまでは、3次元空間における、変位や 位置、さらには2次元平面上での圧力分布、 いずれの情報もセンシング可能なセンサは 在しなかった。

 2次元平面上の圧力分布を検出できる圧力 センサとしては、例えばフッ化ビニリデン等 の高分子圧電体を用いたセンサ(特許文献1)や 、感圧ゴムに代表される異方性導電物質を用 いて抵抗変化を検出するセンサ(特許文献2)等 が知られている。しかし、これらでは圧力分 布の検出は可能であるが、高さ方向の変位や 位置を検出することはできなかった。

 これらセンサの逆作用をするものとして クチュエータが知られており、なかでも高 子アクチュエータが注目されている。例え 含水高分子ゲルの温度変化、pH変化、電場 加等の刺激による形体変化を利用した高分 アクチュエータが考案されている(特許文献3 参照)。この高分子アクチュエータは、逆作 として圧力や変位等の機械エネルギーを電 エネルギーに変換することができるため、 ンサとしての使用もできる(例えば特許文献4 参照)。

 しかしながら、含水高分子ゲルの種々の 激による形態変化は一般に非常に遅く、ま 含水高分子ゲルの不均一な架橋構造に由来 て力学強度も低いため、実際に変形センサ して利用するには更なる改良が必要である

 上記の課題を克服すべく、イオン交換樹 膜とその両面に接合した電極とからなり、 記イオン交換樹脂膜の含水状態において、 記イオン交換樹脂膜に電位差をかけて湾曲 び変形を生じさせることを特徴とする高分 アクチュエータが考案されている(特許文献 5参照)。しかしながら、上記した高分子アク ュエータはその動作に水が必須であるため 作環境は湿潤環境に限られる、また応答感 に劣るといった問題がある。

 上記のような動作環境の問題を考慮し、 オン液体とモノマー、架橋剤を混合し硬化 せることで作製した固体電解質に電極とし 金箔を貼り合わせた高分子アクチュエータ 報告されている(特許文献6)。しかしながら イオン液体を架橋により固定するため、形 選択性が低いものであった。

 また、イオン液体とイオン交換樹脂膜か なる高分子固体電解質を用いたセンサが報 されている(非特許文献1)。しかしながら、 の場合、イオン交換樹脂膜の分極により膜 誘電率が上がるため、静電容量が上がり、 答感度が低いという問題があった。

特開平10-38736号公報

特開2007-10482号公報

特開昭63-309252号公報

特開2006-173219号公報

特開2004-289994号公報

特開2005-51949号公報 Proc.of SPIE Vol. 6529 L-1

 本発明の目的は、上記のような問題点を 服するためのセンサ素子であって、素子の 形により起電力を生じるセンサに関するも で、空気中で安定的に高い応答感度で機能 る軽量で可撓性を有する変形センサを提供 ることにある。

 この目的を達成するためになされた本発明 請求項1に係る発明は、ヘテロ原子を有する 単量体単位を含む重合体、および該重合体の ブロックを含むブロック共重合体の少なくと も一方から選ばれるイオン解離性基を含まな い高分子成分と、イオン液体とを含有する非 水系高分子固体電解質、および少なくとも一 対の電極からなる可撓性素子であって、該電 極の非水系高分子固体電解質に接していない 面の、少なくとも一部の表面抵抗が10ω/□以 であり、該可撓性素子の1cm 2 あたりの静電容量が0.1~500mFであり、該可撓性 素子の変形によって起電力を生じることを特 徴とする変形センサである。

 同じく本発明の請求項2に係る発明は、請求 項1に係る発明の変形センサであって、該非 系高分子固体電解質のイオン伝導度が1×10 -7 S/cm以上、1×10 -1 S/cm以下であることを特徴とする。

 請求項3に係る発明は、請求項1に係る発 の変形センサであって、該電極が構成成分 して炭素微粒子を含むことを特徴とする。

 請求項4に係る発明は、請求項1に係る発 の変形センサであって、該高分子成分が、 イオン液体と相溶である重合体ブロック、 よび該イオン液体と非相溶である重合体ブ ックを含む共重合体を成分として含み、該 重合体が該イオン液体によって含浸された 態にあることを特徴とする。

 請求項5に係る発明は、請求項1に係る発 の変形センサであって、該電極の一面であ て非水系高分子固体電解質に接していない に、外部電気回路に導通する集電体層が付 れていることを特徴とする。

 請求項6に係る発明は、請求項5に係る発 の変形センサであって、該集電体層がパタ ン形状であることを特徴とする。

 請求項7に係る発明は、請求項1に係る発 の変形センサであって、前記一対の電極の 方の一面であって、非水系高分子固体電解 に接していない面に、外部電気回路に導通 る同一パターンの集電体層が付されている とを特徴とする。

 請求項8に係る発明は、請求項7に記載の 形センサであって、同一パターンの集電体 が該非水系高分子固体電解質、及び該非水 高分子固体電解質を挟む双方の該電極を介 て合一する位置にあり、該同一パターンが 角形、円形、または/および楕円形が等間隔 並んでいることを特徴とする。

 また、前記目的を達成するためになされ 本発明の請求項9に係る発明は、ヘテロ原子 を有する単量体単位を含む重合体、および該 重合体のブロックを含むブロック共重合体の 少なくとも一方から選ばれる高分子成分と、 イオン液体とを含有する非水系高分子固体電 解質、および該非水系高分子固体電解質を挟 む少なくとも一対の電極からなる可撓性素子 であって、該可撓性素子の変形によって起電 力を生じることを特徴とする変形位置および 圧力分布を検出可能な変形センサである。

 同じく本発明の請求項10に係る発明は、 求項9に係る発明の変形位置および圧力分布 検出可能な変形センサであって、該電極が ターン形状であることを特徴とする。

 請求項11に係る発明は、請求項9に係る発 の変形位置および圧力分布を検出可能な変 センサであって、前記一対の電極の夫々が 互いに導通することなく外部回路に繋がる 数の導電性パターンであり、該非水系高分 固体電解質を挟む一対の導電性パターンの 向点が検知位置であることを特徴とする。

 請求項12に係る発明は、請求項9に係る発 の変形位置および圧力分布を検出可能な変 センサであって、前記一対の電極の双方が 同一形状のパターンであることを特徴とす 。

 請求項13に係る発明は、請求項12に記載に 記載の変形センサであって、該パターンが該 非水系高分子固体電解質を介して合一する位 置にあり、該同一パターンが多角形、円形、 または/および楕円形が等間隔に並んでいる とを特徴とする。

 請求項14に係る発明は、請求項9に係る発 の変形位置および圧力分布を検出可能な変 センサであって、前記一対の電極の夫々の 面であって、非水系高分子固体電解質に接 ていない面に、互いに導通することなく外 回路に繋がる複数のパターンの集電体層が 与されており、集電体層のパターン部の対 点が検知位置であることを特徴とする。

 本発明の変形センサは、非水系高分子固 電解質を対の電極で挟んだ構造を有する。 の構造に機械的な変形を与えたときにイオ の移動が生じ、電荷の偏りが生じることで 圧を発生する。発生電圧が高く応答感度の いセンサである。

 この変形センサは、空気中のような乾燥 態で機械的な変形に高い感度で応答し、軽 で可撓性を有している。実用的には、例え 速度センサ、加速度センサ、圧力センサ、 度センサ、流速センサ、歪みセンサ、変位 ンサ、位置センサ、曲げセンサ、曲率セン 、触覚センサ、構造物の振動検知装置、あ いはセンサによって検出された情報を画像 換することで、触覚ディスプレイ等の多様 用途に適用できる。

本発明を適用する変形センサと集電体 との断面を示す図である 本発明を適用する変形センサの電極パ ーンがストライプ電極である例の斜視図で る。 本発明を適用する変形センサの電極パ ーンの形状の別な実施例の平面図である。 本発明を適用する変形センサの電極パ ーンの形状のさらに別な実施例の平面図で る。 同じく変形センサの電極パターンの形 のさらに別な実施例の平面図である。 同じく変形センサの電極パターンの形 のさらに別な実施例の平面図である。 同じく変形センサの電極パターンの形 のさらに別な実施例の平面図である。 同じく変形センサの電極パターンの形 のさらに別な実施例の平面図である。 本発明を適用する変形センサの起電力 定の構成図である。

符号の説明

 2・4は集電体層、6は変形センサのサンプル 8・7は電極、9はデータロガー、10は非水系 分子固体電解質、12 1 ・12 2 ・12 3 ・・・はストライプ電極、13 1 ・13 2 ・13 3 ・・・はストライプ電極、15 1 ・15 2 ・15 3 ・・・は電極パタ-ン15 1 ・15 2 ・15 3 ・・・、15A 1 ・15A 2 ・15A 3 ・・・は電極パターン、20A・20Bは絶縁フィル ム、21は測定サンプル、22・24はリード線、26 28は固定治具である。

発明を実施するための好ましい形態

 以下、本発明の変形センサについて好ま い実施形態を具体的に説明する。

 本発明の変形センサは、非水系高分子固 電解質を少なくとも1対の電極で挟んだ可撓 性素子構造である。変形センサの性能指針は 、機械的な変形を与えることで高い電圧を発 生できる構造にすることが要求される。空気 中のような乾燥状態で機械的な変形を与えた ときに安定してイオンの移動が生じる必要が ある。そのために非水系高分子固体電解質は 、ヘテロ原子を有する単量体単位を含む重合 体または該重合体のブロックを含むブロック 共重合体から選ばれ、イオン解離性基を含ま ない高分子成分と、イオン液体とを含有する 。ここで、非水系高分子固体電解質とは水の 含有量が20質量%未満の高分子固体電解質を言 う。

 ヘテロ原子を有する単量体単位を含む重 体または該重合体のブロックを含むブロッ 共重合体とは、主鎖の繰り返し単位の20質 %以上がヘテロ原子を有する繰り返し単位で る高分子である。したがって、繰り返し単 の20質量%未満がヘテロ原子に変性している うな高分子、例えば末端が酸化等によりヘ ロ原子に変性されたポリオレフィン等は含 ない。ヘテロ原子の種類に特に制限はなく 酸素、フッ素、塩素、臭素、硫黄、窒素な が用いられる。非水系高分子固体電解質の 分としては、例えばナフィオン、フレミオ 等を適用することができる。

 イオン解離性基を含まない高分子とは、 返し単位中にイオン解離性基を含んでいな ものを言い、主鎖の繰り返し単位の20質量% 満がイオン解離性基に変性しているような 分子は含まない。ここで、イオン解離性基 はプロトンの解離定数がカルボン酸以上の のを言い、具体的にはスルホニル基、カル キシル基等が挙げられる。

 非水系高分子固体電解質を構成する少な ともヘテロ原子を有する高分子成分として 、該高分子固体電解質を構成するイオン液 と相溶である重合体ブロック(Pa)及び該イオ ン液体と非相溶である重合体ブロック(Pb)を する共重合体(P)、及び該イオン液体と相溶 ある重合体(Q)が好適なものとして挙げられ 。上記で共重合体(P)は重合体ブロック(Pa)及 重合体ブロック(Pb)はそれぞれ1つもしくは2 以上有することができる。

 共重合体(P)を構成するイオン液体と相溶 ある重合体ブロック(Pa)の例としては、ポリ 酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビ ニルブチラール等の酢酸ビニル系重合体ブロ ック;ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフ オロプロピレン等のハロゲン化ビニル系重 体ブロック;ポリメチル(メタ)アクリレート ポリブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア リル酸アルキルエステル重合体ブロック;ポ リ(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリレート等 の(メタ)アクリル酸の炭素数2~6のヒドロキシ ルキルエステル重合体ブロック;(メタ)アク ル酸アルコキシアルキルエステル重合体ブ ック;(メタ)アクリル酸ヒドロキシオリゴア キレングリコールエステル重合体ブロック; (メタ)アクリル酸アルコキシオリゴアルキレ グリコールエステル重合体ブロック;ポリメ チルビニルエーテル、ポリエチルビニルエー テル等のビニルエーテル系重合体ブロック; リメチルビニルケトン、ポリメチルイソプ ペニルケトン等のビニルケトン系重合体ブ ック;ポリエチレンオキシド等のポリエーテ ブロック;ポリ(メタ)アクロレイン等のアク レイン系重合体ブロック;ポリ(メタ)アクリ アミド等のアクリルアミド系重合体ブロッ ;ポリエチレンテレフタレート等のポリエス テルブロック;ポリアミド-6、ポリアミド-6,6 ポリアミド-6,12等のポリアミドブロック;ポ ジメチルシロキサン等のシロキサン系重合 ブロック;ポリアクリロニトリル等のニトリ 系重合体ブロックを挙げることができる。 たここには列記はしていないが、上述した うな重合体ブロックの構成成分が共重合し 構成する重合体ブロックも用いることがで る。

 共重合体(P)を構成するイオン液体と非相 である重合体ブロック(Pb)の例としては、ポ リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、 ポリオクテン、ポリイソブチレン等の炭素数 2~8のアルケンの重合体ブロックなどのオレフ ィン系重合体ブロック;ポリスチレンブロッ 、ポリ(4-メチルスチレン)等のベンゼン環や 位に炭素数1~4のアルキル基が合計で1もしく 2個置換したスチレンの重合体のブロック等 のスチレン系重合体ブロック等を挙げること ができる。

 またここには列記していないが、上述し ような重合体ブロックの構成成分が他のモ マーと共重合して構成する重合体ブロック 例えばスチレン-ブタジエン重合体ブロック 等の、非置換の又はベンゼン環やα位に炭素 1~4のアルキル基が合計で1もしくは2個置換 たスチレンなどのスチレン系モノマーと炭 数4~8の共役ジエンとの共重合体ブロックも いることができる。

 共重合体(P)における重合体ブロック(Pa)と 重合体ブロック(Pb)の結合様式には特に制限 なく、共重合体(P)は重合体ブロック(Pa)及び 合体ブロック(Pb)をそれぞれ1つ以上含んで る限り、ブロック共重合体であってもグラ ト共重合体であってもよい。これらの中で 製造容易性の観点からブロック共重合体で ることが好ましく、得られる非水系高分子 体電解質の機械的強度の観点から重合体ブ ック(Pb)を2つ以上有するブロック共重合体で あることが好ましい。

 共重合体(P)の分子量に特に制限はないが 数平均分子量で1,000~2,000,000であることが好 しく、5,000~1,000,000であることがより好まし 、10,000~500,000であることがより一層好まし 。数平均分子量が1,000未満である場合には、 共重合体(P)ひいては得られる非水系高分子固 体電解質の機械的強度が劣る傾向となり、数 平均分子量が2,000,000を超える場合には、共重 合体(P)ひいては得られる非水系高分子固体電 解質の粘度が大きくなり取扱い性に劣る傾向 となる。

 共重合体(P)における重合体ブロック(Pa)の 質量分率に特に制限はないが、得られる非水 系高分子固体電解質の機械的強度の観点から 、80質量%以下であることが好ましく、75質量% 以下であることがより好ましく、70質量%以下 であることがより一層好ましい。一方、得ら れる非水系高分子固体電解質のイオン伝導率 の観点から、重合体ブロック(Pa)の質量分率 15質量%以上であることが好ましく、20質量% 上であることがより好ましく、25質量%以上 あることがより一層好ましい。

 共重合体(P)の製造方法としては、特に制 はなく、リビング重合法、前駆体として用 したポリマーの末端もしくは側鎖からモノ ーを重合する方法、互いに反応し得る官能 を末端に有するポリマー同士を反応させる 法などを挙げることができる。これらは目 とする共重合体(P)の構造に応じて適宜選択 ることができる。

 イオン液体と相溶である重合体(Q)の例と ては、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプ ロピレン共重合体;ポリフッ化ビニリデン等 ハロゲン化ビニル系重合体;ポリ(2-ヒドロキ エチル)(メタ)アクリレート、ポリメチル(メ タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系重 合体;ポリエチレンオキシド等のエーテル系 合体;ポリアクリロニトリル等のアクリロニ リル系重合体等を挙げることができる。こ らの中で、得られる非水系高分子固体電解 のイオン伝導率の観点から、フッ化ビニリ ン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体;ポ フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル系 合体;及びポリ(2-ヒドロキシエチル)(メタ)ア リレート、ポリメチル(メタ)アクリレート の(メタ)アクリレート系重合体が好ましい。

 重合体(Q)の分子量に特に制限はないが、 平均分子量で1,000~2,000,000であることが好ま く、5,000~1,000,000であることがより好ましく 10,000~500,000であることがより一層好ましい 数平均分子量が1,000未満である場合には、重 合体(Q)ひいては得られる非水系高分子固体電 解質の機械的強度が劣る傾向となり、数平均 分子量が2,000,000を超える場合には、重合体(Q) ひいては得られる非水系高分子固体電解質の 粘度が大きくなり取扱い性に劣る傾向となる 。

 重合体(Q)の例として上記に挙げたポリフ 化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共 重合体におけるヘキサフルオロプロピレン単 位の質量分率に特に制限はないが、得られる 非水系高分子固体電解質の機械的強度の観点 から、98質量%以下であることが好ましく、95 量%以下であることがより好ましく、90質量% 以下であることがより一層好ましい。一方、 得られる非水系高分子固体電解質の柔軟性の 観点から、ヘキサフルオロプロピレン単位の 質量分率は2質量%以上であることが好ましく 5質量%以上であることがより好ましく、10質 量%以上であることがより一層好ましい。

 以上のように、本発明で用いる非水系高 子電解質を構成する高分子成分としては、 重合体(P)および共重合体(Q)を共に利用でき が、得られる非水系高分子固体電解質のイ ン伝導度の観点から、共重合体(P)、ポリフ 化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共 重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(2-ヒド ロキシエチル)(メタ)アクリレート及びポリメ チル(メタ)アクリレートがより好ましく、得 れる非水系高分子固体電解質の機械的強度 観点から、イオン液体と相溶である重合体 ロック(Pa)を1つ以上有し、イオン液体と非 溶である重合体ブロック(Pb)を2つ以上有する 共重合体(P)がより一層好ましい。

 非水系高分子固体電解質はイオン液体と 分子成分とからなり、高分子成分からなる 格にイオン液体が含浸した形態となってい 。非水系高分子固体電解質におけるイオン 体と高分子成分との質量分率は特に制限さ ないが、非水系高分子固体電解質のイオン 導率及び機械的強度の観点から、0.1:1~10:1程 度であることが好ましい。また、高分子成分 が共重合体(P)である場合、イオン液体と重合 体ブロック(Pa)との質量分率は0.03:1~40:1程度で あることが好ましい。非水系高分子固体電解 質の形状についても特に制限はなく、例えば 膜状、フィルム状、シート状、板状、織物状 、ロッド状、立方体状、直方体状等であるこ とができる。

 本発明で用いる非水系高分子固体電解質 製造方法については特に制限はなく、例え 、加熱下においてイオン液体と高分子成分 機械的に混練し、ついで成形する方法;イオ ン液体及び高分子成分を適当な溶媒に溶解さ せた後に溶媒を除去し、ついで成形する方法 ;イオン液体及び高分子成分を適当な溶媒に 解させた後に型内または型上で溶媒を除去 ることにより成形する方法;高分子成分にイ ン液体を含浸させ、ついで成形する方法;成 形された高分子成分にイオン液体を含浸させ る方法;イオン液体中で高分子成分の製造に いるモノマーと重合開始剤の存在下に反応 せ、ついで成形する方法等が挙げられる。

 これらは目的に応じ、適宜選択すること できる。上記で、イオン液体及び高分子成 を適当な溶媒に溶解させた後に溶媒を除去 る方法における溶媒としては、例えばテト ヒドロフラン、メチルエチルケトン、N-メ ル-2-ピロリドン等を用いることができる。

 本発明の変形センサにおける電極は、該 水系高分子固体電解質を挟んでこれに密着 、互いに接触しないように設置される。ま 、電極は、それぞれ独立に、一体化されて てもよいし、一体化されず、すなわち複数 、固体として別個の電極からなっていても い。

 非水系高分子固体電解質と電極とが重なり った方向における該非水系高分子固体電解 の厚さといずれか一方の電極の厚さとの比 については特に制限はないが、本発明の特 を効果的に発揮する観点から、0.05:1~1×10 6 :1程度であることが好ましく、0.1:1~5×10 5 :1程度であることがより好ましく、0.2:1~1×10 5 程度であることがさらに好ましい。

 イオン液体とは、常温溶融塩または単に 融塩などとも称されるものであり、例えば イエンス(Science)、302号、792頁、2003年によれ ば、100℃以下において流動性を有し、完全に イオンからなる液体と定義されている。本発 明では、従来より知られた各種のイオン液体 を使用することができるが、常温(室温)また 可及的に常温に近い状態において液体状態 呈し安定なもの、常温におけるイオン伝導 が0.001S/cm以上のものが好ましく用いられる

 イオン液体は、蒸気圧がほとんどないた 引火性が低く、熱的安定性に優れる。イオ 液体を非水系高分子固体電解質の構成成分 して用いることで、水や有機溶媒を電解液 用いる場合に懸念される電解液の蒸発の問 を回避できる。

 本発明において用いられる好適なイオン 体を構成する有機カチオンの例としては、 記化学式I~Vの構造のものを挙げることがで る。

(I式中、R 1 、R 2 及びR 3 は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素 数1~10の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、 素数2~10の直鎖状もしくは分岐状アルケニル 、炭素数6~15のアリール基、炭素数7~20のア ルキル基又は炭素数2~30のポリオキシアルキ ン基を表す。)

(II式中、R 4 は水素原子、炭素数1~10の直鎖状もしくは分 状アルキル基、炭素数2~10の直鎖状もしくは 岐状アルケニル基、炭素数6~15のアリール基 、炭素数7~20のアラルキル基又は炭素数2~30の リオキシアルキレン基を表し、R’は炭素数 1~6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表 し、nは0~5の正数を表す。nが2以上の場合、各 R’は同一の基でもよいし、異なる基でもよ 。)

(III式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数2~ 10の直鎖状もしくは分岐状アルケニル基、炭 数6~15のアリール基、炭素数7~20のアラルキ 基、炭素数2~30のポリオキシアルキレン基を すか、又はR 5 ~R 8 のうち2つの基が共同して環構造を形成する )

(IV式中、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数2~ 10の直鎖状もしくは分岐状アルケニル基、炭 数6~15のアリール基、炭素数7~20のアラルキ 基、炭素数2~30のポリオキシアルキレン基を すか、又はR 9 ~R 12 ののうち2つの基が共同して環構造を形成す 。)

(V式中、R 13 、R 14 及びR 15 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数2~ 10の直鎖状もしくは分岐状アルケニル基、炭 数6~15のアリール基、炭素数7~20のアラルキ 基、炭素数2~30のポリオキシアルキレン基を すか、又はR 13 ~R 15 のうち2つの基が共同して環構造を形成する )

 上記した有機カチオンの例示における、R 1 ~R 15 の定義において、炭素数1~10の直鎖状もしく 分岐状アルキル基としては、炭素数1~6のも が好ましく、炭素数1~4のものがより好まし 、具体的には、メチル基、エチル基、プロ ル基、ブチル基等が挙げられる。R 1 ~R 15 の定義において、炭素数2~10の直鎖状もしく 分岐状アルケニル基としては、炭素数2~6の のが好ましく、炭素数2~4のものがより好ま く、具体的には、ビニル基、プロペニル基 ブテニル基等が挙げられる。R 1 ~R 15 の定義において、炭素数6~15のアリール基と ては、フェノル基、ナフチル基等が挙げら る。

 R 1 ~R 15 の定義において、炭素数7~20のアラルキル基 しては、ベンジル基、フェネチル基等が挙 られる。同じくR 1 ~R 15 の定義において、炭素数2~30のポリオキシア キレン基としては、ポリオキシエチレン基 ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。R の定義において、炭素数1~6の直鎖状もしく 分岐状アルキル基としては、メチル基、エ ル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ 。R 5 ~R 15 の定義において、2つの基が共同して環構造 形成する場合として、例えば、中心原子のN 共同して、ピロリジン環やピペリジン環を 成する場合などが挙げられる。

 このうちでもイオン液体のイオン伝導性及 入手容易性の観点から一般式(I)で表される 置換もしくは置換イミダゾリウムカチオン 好ましく、置換イミダゾリウムカチオンが り好ましい。このうちでも、イオン液体の 点及び粘度の観点から一般式(I)におけるR 1 及びR 2 が、それぞれ独立に、炭素数1~6の直鎖状もし くは分岐状アルキル基であることが好ましく 、R 1 及びR 2 が、それぞれ独立に、炭素数1~6の直鎖状もし くは分岐状アルキル基であってR 3 が水素原子であることがより好ましく、また これらの場合においてR 1 とR 2 とが異なる基であることが好ましい。もっと も好ましい有機カチオンの例としては、3-エ ル-1-メチルイミダゾリウムカチオン(EMI + )を挙げることができる。

 本発明において用いられる好適なイオン液 を構成するアニオンの例としては、含ハロ ンアニオン、鉱酸アニオン、有機酸アニオ 等を挙げることができる。含ハロゲンアニ ンもしくは鉱酸アニオンの例としては、具 的にはPF 6 - 、ClO 4 -
CF 3 SO 3 - 、C 4 F 9 SO 3 - 、BF 4 - 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(C 2 F 5 SO 2 ) 2 N - 、(CF 3 SO 2 ) 3 C - 、AsF 6 - 、SO 4 2- 、(CN) 2 N - 、及びNO 3 - 等を挙げることができる。また有機酸アニオ ンの例としてはRSO 3 - 、RCO 2 - 、等を挙げることができる。ここにおいて、 Rは炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアル ニル基、炭素数7~20のアラルキル基、炭素数8 ~2のアラルケニル基、炭素数2~8のアルコキシ ルキル基、炭素数3~のアシルオキシアルキ 基、炭素数2~8のスルホアルキル基、炭素数6~ 15のアリール基又は炭素数3~7の芳香族複素環 を表す。

 これらの中でもイオン液体のイオン伝導率 び入手容易性の観点からPF 6 - 、ClO 4 - 、CF 3 SO 3 - 、C 4 F 9 SO 3 - 、BF 4 - 、(CN) 2 N - 並びに(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(C 2 F 5 SO 2 ) 2 N - 等のスルホニルイミド系アニオンが好ましく 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(C 2 F 5 SO 2 ) 2 N - 等のスルホニルイミド系アニオンが特に好ま しい。

 本発明に好適に用いられるイオン液体の としては上記した有機カチオンとアニオン 組み合わせからなるイオン液体を挙げるこ ができる。これらは単独で用いても良いし 複数を組み合わせて用いても良い。本発明 用いられる特に好ましいのは置換イミダゾ ウム塩であり、具体的例としては、エチル チルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタ ンスルホニル)イミド(EMITFSI)、エチルメチル ミダゾリウムビス(ペンタフルオロメタンス ホニル)イミド(EMIPFSI)、ブチルメチルイミダ ゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニ )イミド(BMITFSI)、ブチルメチルイミダゾリウ ビス(ペンタフルオロメタンスルホニル)イ ド(BMIPFSI)等を挙げることができる。これら 中でも、イオン液体のイオン伝導率の観点 らEMITFSI及びEMIPFSIがより好ましく、さらに入 手容易性の観点からはEMITFSIがより一層好ま い。

 イオン液体が存在しなければイオンの移 は行われずセンサとしては機能しない。ま ポリエチレン、ポリスチレン等のヘテロ原 を含まない高分子成分を用いたときにはイ ン液体を複合しても相溶しないためイオン 導度が上がらなかったり、イオン伝導度を げる目的でイオン液体の複合量を増やした きにブリードアウトを招き好ましくない。

 本発明の可撓性素子の電極は、上記の非 系高分子固体電解質を挟んで位置し、互い 接触していない正極と負極の電極である。

 かかる電極で表面抵抗が10ω/□以下であり かつ可撓性素子1cm 2 あたりの静電容量が0.1~500mFであるものとして 、炭素微粒子、固体金属粉末、金属酸化物粉 末、金属硫化物粉末、導電性高分子等が挙げ られるが、導電性、および静電容量の観点か ら、炭素微粒子、固体金属粉末を構成成分と することが好ましく、入手性の観点から炭素 微粒子を構成成分とすることがさらに好まし い。

 電極として炭素微粒子を構成成分とした 合、炭素微粒子の種類に制限はなく、黒鉛 カーボンブラック、活性炭、炭素繊維のシ ートカットファイバー、単層カーボンナノ ューブ、多層カーボンナノチューブ等を用 ることができる。これらは単独で用いても いし、これらの2つ以上を複合して用いても 良い。

 炭素微粒子の比表面積に制限はないが、好 しくはBET比表面積が1m 2 /g~4000m 2 /gの範囲にあり、さらに好ましくは5m 2 /g~3000m 2 /gの範囲である。BET比表面積が1m 2 /g以下の場合、炭素微粒子の粒子径が大きく り、電極の抵抗が高くなるため、センサの 答感度が低下する。一方、4000m 2 /gを超えると、静電容量が大きくなるため変 センサの応答感度が低下する。なお、BET比 面積とは、液体窒素温度での窒素ガス吸着 温線によるBET法(例えば株式会社フジ・テク ノシステム発行、「超微粒子ハンドブック」 、138-141頁(1990年)参照)により求められる比表 積である。

 これらの炭素微粒子を用いた電極の形態 しては、電極の表面抵抗、静電容量、およ 可撓性や接着性の観点から該炭素微粒子に し1~60質量%程度添加されるバインダー樹脂 イオン液体からなる電極の形態が好ましい バインダー樹脂の種類に制限はなく、一般 にバインダーとして用いられているポリオ フィン系、ハロゲン化ビニル系、ポリカー ネート系、PET系、ABS系、ポリ酢酸ビニル系 ナイロン等の樹脂や、電極の導電性確保と う観点からポリアニリン、ポリピロール、 リチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリ チレンジオキシチオフェン等の導電性高分 を用いても良い。また、非水系高分子固体 解質との接着性という観点から、上記の非 系高分子固体電解質と同一の高分子、また 該高分子がイオン液体で含浸されたものを いてもよい。

 電極における3者の質量分率には大きな制 限は無いが、得られるセンサの変位量、応答 感度、および電極の成形性の観点から炭素微 粒子は5質量%以上90質量%以下が好ましく、10 量%以上80質量%以下がより好ましい。また、 オン伝導率および電極の強度の観点から、 オン液体は5質量%以上90質量%以下が好まし 、10質量%以上80質量%以下がより好ましく、 分子成分は5質量%以上80質量%以下が好ましく 、10質量%以上70質量%以下がより好ましい。

 電極には、その製造段階で上記成分に加 、必要に応じ、電極内の導電性を確保する 点から、カーボンブラック、カーボンナノ ューブ、気相成長炭素繊維等の導電性炭素 料及び/又は金属微粒子等の導電性物質を添 加してもよい。添加する場合、上記した電極 の構成成分(例えば、活性炭、イオン液体及 高分子成分)の合計質量に対する導電性物質 添加量は、導電性の観点から、0.1質量%以上 が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、 方、電極の成形性の観点から、60質量%以下 好ましく、50質量%がより好ましい。また、 発明の効果を損なわない範囲であれば、目 に応じて樹脂中に酸化防止剤、凍結防止剤 pH調整剤、分散剤、可塑剤、隠蔽剤、着色剤 、油剤などの添加剤が含まれていてもよい。

 上記電極において、炭素微粒子は他の電 の材料中に分散されていてもよく、不均一 構成であってもよい。後者の例としては、 えば、面状に成形された、熱処理された炭 微粒子に、イオン液体が含浸している膜状 フィルム状、シート状、板状、織物状、ロ ド状、立方体状または直方体状等に成形さ た高分子成分を少なくとも部分的に含浸さ た電極が例示される。本発明で使用する電 の形状については、特に制限はなく、例え 紙状、膜状、フィルム状、シート状、板状 織物状、ロッド状、立方体状又は直方体状 であることができる。

 炭素微粒子として活性炭を用いる場合、 面積を制御する等の目的で賦活後に熱処理 た活性炭を用いても良い。熱処理時の温度 、800℃~3000℃の範囲であるのが好ましく、90 0℃~2500℃であるのがより好ましい。熱処理温 度が800℃未満であると、活性炭の細孔の構造 変化が不十分であるため、センサの応答感度 が低下する。一方、3000℃を超えると、活性 の細孔の収縮が過剰に進行してしまうため センサの応答感度が低下する。また熱処理 、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガ の雰囲気下で行う。

 電極の構成成分として固体金属粉末を使 した場合、固体金属粉末種に特に制限はな 、例えば、金、銀、白金、銅、鉄、パラジ ム、ニッケル、アルミニウムなどが用いら る。これらは単独で用いても良いし、複数 組み合わせて用いてもよい。必要に応じて 着性や可撓性を上げる目的で接着剤やバイ ダー樹脂を併用してもよいが、単体で適用 ると静電容量が低いため、静電容量の観点 ら上記の固体金属粉末を樹脂と複合した形 で適用することが好ましい。

 固体金属粉末を構成成分とする電極の製 方法に制限はなく、公知の方法として、例 ば適切なバインダーに上述した電極の材料 溶解あるいは分散させたインキを塗布する 法等が挙げられる。また、非水系高分子固 電解質との接合方法にも特に制限はなく、 記のインキを直接非水系高分子固体電解質 に塗布する方法や、予め絶縁フィルム上に 記のインキを塗布したものを、圧着、溶着 より、あるいは接着剤を介して貼りあわせ 方法等を挙げることができる。

 電極に透明性が求められる用途では、例 ばインジウム錫酸化物(ITO)、アンチモン錫 化物(ATO)、酸化亜鉛のような金属酸化物を蒸 着したもの、単層カーボンナノチューブや多 層カーボンナノチューブを溶剤中に分散させ コーティングしたもの、あるいはポリエチレ ンジオキシチオフェン等の導電性高分子を塗 工したものが電極として挙げられる。また、 可撓性を持たせる目的で、上記の物質をPET等 のフィルム上に蒸着、コーティングしたもの を用いても良い。

 変形センサとしての発生電圧に着目する。 こで、変形時に電極に発生する電荷量をQ、 可撓性素子の静電容量をCとすると、変形時 発生する電圧Vは
    V=Q/C・・・(1)
となる。式(1)より、発生電圧Vを高くするた には、電極に発生する電荷量Qが一定ならば 可撓性素子の静電容量Cを小さくする必要が ある。

 また、電極の抵抗値が大きいときには電 に発生した電荷がジュール熱に変換される め損失する。従って、電極に発生した電荷 Qを効率的に電圧に変換するという観点から は、電極の表面抵抗を小さくする必要がある 。

 以上のことから、本発明の特徴である高感 での応答性を達成するためには、電極の表 抵抗、可撓性素子の静電容量がいずれも小 いことが必要である。すなわち、電極の表 抵抗が10ω/□以下であり、5ω/□以下である とが好ましく、3ω/□以下であることがさら に好ましい。電極の1cm 2 あたりの静電容量が0.1~500mFであることが重要 である。ここで、静電容量Cを小さくするた には、電解質の誘電率が小さい方が好まし 。誘電率は物質中の分極によって生じるた 、同時に分極を大きくする要因となるイオ 解離性基を含まないことが重要である。ま 、電極の表面抵抗を下げることを目的とし 、電極の高分子電解質面に接していない面 に、電極面に比べて100倍程度以上導電率の い固体金属のような導電層を設けた複合電 を用いても良い。なお、上記のように電極 に比べて100倍程度以上導電率の高い導電層 ことを集電体層と呼ぶ。

 また、集電体層を電極に接着させる方法 制限はなく、公知の方法として、例えば金 類の真空蒸着法、スパッタリング法や電解 ッキ法、無電解メッキ法、または必要に応 適切なバインダーに集電材料を溶解あるい 分散させたインキを塗布する方法、電極と 途上記の方法で絶縁シート上に作製した集 体層を圧着、溶着により、あるいは接着剤 介して貼りあわせる方法等を挙げることが きる。この中で、電極との接着性やシート 力学強度の観点から、絶縁シートとして可 性を有するエラストマーフィルム等を適用 て上記の方法で予め集電体層を作製し、こ 集電体層を圧着、溶着により、あるいは接 剤を介して貼りあわせる方法を適用するこ が好ましい。

 また、式(1)より、電圧Vを高くするために は電極に発生する電荷量Qを高くする必要が る。電極に発生する電荷量Qを高くするため は、非水系高分子固体電解質のイオン伝導 を高くすることが好ましい。しかしながら 非水系高分子固体電解質のイオン伝導度を くし過ぎることで、静電容量Cの増加を招き 応答感度が低下すること、またイオン液体の 複合量が多いが故にセンサの成形性が悪化す るといった問題が生じる。

 以上から、該非水系高分子固体電解質のイ ン伝導度が1×10 -7 S/cm以上1×10 -1 S/cm以下であることが好ましく、より好まし は1×10 -6 S/cm以上5×10 -2 S/cm以下、さらに好ましくは1×10 -5 S/cm以上1×10 -2 S/cm以下である。

 本発明の変形センサの形状については特に 限はなく、例えば、膜状、フィルム状、シ ト状、板状、織物状、ロッド状、立方体状 は直方体状などが挙げられ、これらは使用 的に応じ適宜選択すればよい。また変形セ サの厚さについても特に制限はないが、例 ば形状が膜状である場合には、膜の両面に 極が形成されていることが好ましく、膜自 の抵抗の観点から、厚みが10 -6 ~10 -1 mの範囲にあるのが好ましい。

 また、本発明の変形センサはそのまま使 しても良いが、力学強度や保水性の維持等 目的で保護層を設けて使用することが好ま く、また電極と外部回路を接続する目的で 線等のリード部を設けても良い。

 図1の断面図に示すように、変形センサ6 、非水系高分子固体電解質10と、これを挟む 正極の電極8と負極の電極7からなる。電極8お よび7には集電体層4および2が接続している。 集電体層4および2の導電率は、電極8および7 導電率の100倍程度以上と、著しく高くなっ いる。非水系高分子固体電解質10が変形する とイオン+・-が移動し電荷の偏りが発生して 位差が生じる。非水系高分子固体電解質10 変形が大きく電荷の偏りが多い近傍の電極7 よび8を介して集電体層2および4に流れるた 、外部の電気回路への電圧信号が大きくな 。また、発生電圧はセンサ検知部の変形時 変位量に比例するため、変位の定量が可能 ある。

 この電極がパターン形状を有していると 、すなわち電極パターンを構成していると 、各パターンでは高さ方向の変位情報を電 に変換することができ、かつ、各々の電極 ターンは、それぞれ独立して機能する。し がって、対の電極のうち少なくとも片面の 極はパターン形状を有することが、変形位 を検知するために好ましい。このとき、高 方向の変位情報(変位量)を電圧に変換可能 ため、変位センサや位置センサとして利用 き、変位の大きさと曲げ弾性率との関係か 圧力を電圧に変換することもでき、圧力分 を測定するセンサとして利用することがで る。

 電極パターンの形状の例が図2(斜視図)に示 てある。非水系高分子固体電解質10の片面 Y方向のストライプ(縞様)電極12 1 ・12 2 ・12 3 ・・・がX方向に並べて設けられ、裏側の片 にX方向のストライプ電極13 1 ・13 2 ・13 3 ・・・がY方向に並べて設けられている。P位 を押して変形させると、ストライプ電極12 2 とストライプ電極13 2 から信号が出て、ストライプ電極が接続され た外部回路では変形位置を検出できる。

 別な電極パターンの形状としては、非水系 分子固体電解質10の片面にはY方向のストラ プ電極12 1 ・12 2 ・12 3 ・・・がX方向に並べて設けられ(図2参照)、 側の片面に全面電極(図示省略)が設けられた 例がある。ストライプ電極12 1 ・12 2 ・12 3 ・・・の各ストライプは相互に絶縁状態のま ま外部回路、例えばスキャニング回路の各端 に接続される。すなわちX方向の一次元の変 位置を検知できる。例えばP位置を押して変 させた場合、全面電極とストライプ電極12 2 から外部回路に出力が出る。ストライプ電極 12 2 の線上に変形位置が存在することを外部回路 が認識できる。

 図3(平面図)には、電極パターンの形状の な例が示してある。この例では、非水系高 子固体電解質の片面(図面の裏側に相当)に X方向のストライプ電極(点線示)がY方向に並 て設けられ、もう片面にはY方向に対して角 度を傾けたストライプ電極(実線示斑点部分) X方向に並べて設けられている。

 図4(平面図)には、電極パターンの形状の らに別な例が示してある。この例では、非 系高分子固体電解質の片面(図面の裏側に相 当)にはY方向のストライプ電極(点線示)がX方 に並べて設けられ、もう片面にはX方向に繰 り返しのある波線ストライプ電極(実線示斑 部分)がY方向に並べて設けられている。

 なお、ストライプ電極を電流が流れると のジュール熱への変換による電気損失を考 ると、各格子から端子まで最短距離で接続 きる図2のような形状が好ましい。

 センサの検出点のなかでも、非水系高分 固体電解質の表裏面の電極パターン同士を 透した交錯点の数が多いほど分解能は上が 、交差点の総面積が大きいほど検出面積が いことになり、センサとしての信頼度は高 なる。したがって、電極パターン間距離(ス トライプ空白間隔)は小さい方が好ましく、0. 1μm以上1.5cm以下程度である。好ましくは0.1μm 以上1.5cm以下である。さらに好ましくは0.1μm 上1cm以下である。電極パターン間距離が2cm 超えると、交差点の数が少なくなるため分 能の低下を招き好ましくない。また、電極 ターン間距離が0.1μm未満のときは製造時に り合う電極パターン間で短絡を招くことが るため、好ましくない。

 また、電極パターン幅(ストライプ幅)は 好ましくは0.1μm以上2cm以下、より好ましく 0.1μm以上1.5cm以下、さらに好ましくは0.1μm以 上1cm以下である。電極パターン幅が2cmを超え ると分解能の点で問題が生じ、また電極パタ ーン幅が0.1μm未満のときは製造が困難である 等の問題が生じる。

 電極の総面積は、非水系高分子固体電解 の面全体に対して80%以上が好ましく、85%以 がより好ましく、90%以上がさらに好ましい 電極の総面積が80%未満のときは検出部の総 積の低下からセンサとしての利用効率が低 して好ましくない。

 非水系高分子固体電解質の表裏面に形成さ る電極パターンは同一形状であっても良い 四角形電極パターンの形状が図5に示してあ る。各電極パターン15 1 ・15 2 ・15 3 ・・・が存在する位置が有感部位であり、外 部回路に接続するためのリード体15A 1 ・15A 2 ・15A 3 ・・・が形成される。尚、リード体を形成せ ずにリード線の溶着や、接点接触により各電 極パタ-ン15 1 ・15 2 ・15 3 ・・・から外部回路に接続させることは任意 である。また、電極パターンの形状は上下面 で同一であることが好ましいが、片面は全面 電極でも実施することができる。

 電極パターンの形状に制限はなく、図6に 示すような三角形、図7に示すような六角形 の多角形でもよい。また図8に示すような円 でもよく、さらには楕円形でもよい。ただ 電極パターンの存在しないところは感度が いため電極パターンが密に形成されている 造が好ましく、また検出出力のある電極パ ーンを解析しやすくするためにも単純な形 のパターンが好ましい。

 各電極パターン間の距離は小さい方が好 しい。電極パターンのサイズは、図5のよう に正方形の形状時には、一辺の長さが好まし くは0.1μm以上2cm以下、より好ましくは0.1μm以 上1.5cm以下、さらに好ましくは0.1μm以上1cm以 である。一辺の長さが2cmを超えると、分解 の点から好ましくない。また、一辺の長さ 0.1μm未満のときは、製造が困難である等の 題が生じ好ましくない。正方形以外の形状 もこれに順ずるサイズである。

 また、非水系高分子固体電解質膜への電 パターンの接合方法には制限はなく、公知 方法として、例えば非導電部(電極パターン の空白地)にマスクをした状態で、必要に応 適切なバインダーに導電材料を溶解あるい 分散させたインキを塗布する方法、あるい 上記の方法で電極パターンをあらかじめPET ような絶縁フィルムに接合させ、電極パタ ンが接合された絶縁フィルムを圧着、溶着 より、あるいは接着剤を介して貼りあわせ 方法等を挙げることができる。

 また、電極を全面に形成させ、集電体層 上記のパターン形状に形成させても同様の 果を挙げることができる。すなわち、図1で 集電体層2および4は電極7および8に比べて導 率が100倍程度以上と著しく高いとき、非水 高分子固体電解質10が変形しイオン+・-が移 し電荷の偏りが発生して生じた電位差は電 から多くの電流が導線パターン部に流れる め、電圧信号が大きくなる。従って、集電 層があるところは、集電体層がないところ 比較して、著しく電圧信号が大きいため、 質上集電部のみの変形を検出することがで る。

 本発明の変形センサの用途としては、速 または加速度センサの例として、エアバッ 作動等の自動車用、ゲーム機コントローラ 、携帯電話または携帯情報端末用、各種ロ ット用、手ぶれ防止等のためのカメラ用、 イクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS) ;圧力センサの例として、侵入物検出用、ロ ードセル用、障害物検出用、衝突時等の非常 作動用、マイク用、ソナー用、カメラ等の精 密機器スイッチ用、電子楽器等のキーボード 用、MEMS用;流速センサの例として、風速計用 水流計用、発電機用;曲率または角度センサ の例として、ポテンショメータ、ロータリー エンコーダ;変位または位置センサの例とし 、ロボットや機械の制御または緊急停止用; 覚センサの例として人工皮膚;などを挙げる ことができる。

 以下、参考例、実施例及び比較例を挙げ 本発明をさらに具体的に説明するが、本発 はこれらにより何ら限定されるものではな 。また以下の参考例、実施例及び比較例に いて用いられた測定機器、測定方法及び使 材料を以下に示す。

(1)核磁気共鳴スペクトル( 1 H-NMR)による共重合体(P)及びイオン液体の分子 構造の解析
 機器 : 日本電子社製核磁気共鳴装置 (JNM-L A 400)
 溶媒 : 重クロロホルム(共重合体)、又は重 ジメチルスルホキシド(イオン性液体)

(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー (GPC)による数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw /Mn)の測定
 機器 : 東ソー社製ゲルパーミエーション ロマトグラフ(HLC-8020)
 カラム : いずれも東ソー社製TSKgelであるGM HXL、G4000HXL及びG5000HXLを直列に連結
 溶離液 : テトラヒドロフラン、流量1.0ml/
 検量線 : 標準ポリスチレンを用いて作成
 検出方法 : 示唆屈折率(RI)

(3)イオン伝導度の測定
機器:日置電機社製ケミカルインピーダンス ータ 3532-80
方法:複素インピーダンス法、交流4端子セル 用いて測定、25℃/11Rh%で一晩、非水系高分 固体電解質を調湿した後に測定。測定温度25 ℃。

(4)電極、複合電極(電極に集電体層を組み合 せたもの)の表面抵抗の測定
 厚み100μmの膜状の電極、複合電極、または 電体層を形成した絶縁フィルムを、50mm×5mm 大きさにカットして電気抵抗測定装置(三菱 化学社製「Laresta-GP MCP-T610」)を使用して、5 所の表面抵抗を測定し、その平均値を算出 た。複合電極の表面抵抗とは、電極または 電体層の表面抵抗のうち、低い方の表面抵 とする。

(5)可撓性素子の静電容量の測定
 一対の複合電極(電極の全面に集電体層を設 けてある)と非水系高分子固体電解質からな サンプルを20mm×20mmとし、集電体層にリード を介して充放電装置(北斗電工社製「HJ-201B )に接続して、室温下、1mAの定電流充放電サ クルテストを10回繰り返し、放電カーブか 静電容量を測定した。

(6)変形センサの応答感度の測定
 変形センサの応答感度は、一定変位を与え ときに発生した電圧と定義する。変形セン の測定サンプルは、非水系高分子固体電解 の両全面を電極で挟んだ変形センサを20mm×1 0mmの大きさにカットした。30mm×20mmの大きさ 絶縁フィルム2枚の片面中央部に20mm×10mmの大 きさに集電体層を形成した。図9に示すよう 、変形センサ6の両面に、夫々集電体層が合 するように2枚の絶縁フィルム20Aおよび20Bを 重ね合わせて、測定サンプル21とした。集電 層2および4と変形センサ6を重ね合わせる際 、リード線22および24を夫々挟み込んで集電 体層2および4との導通をとってある。

 測定サンプル21を、長さ20mmの半分10mmが残る ように固定治具26と28で挟み、リード線22およ び24をデータロガー9(キーエンス社製「NR-ST04 )に接続した。この状態で変位を与えたとき の発生した電圧をデータロガー9で測定し、 イズとシグナルの電圧比(S/N比)を算出した。 与えた変位は、初期のサンプル位置と変位を 与えたときのサンプル位置とのなす角度が11 になるようにした。ノイズは、測定時間(20 )中の電圧変化の中で、信号以外の電圧での 最大値と最小値の差と定義する。
 なお、電極の固定端から5mmの場所Pに、図示 外のレーザー変位計(キーエンス社製「LK-G155 )のレーザーをあてることで与えた変位量を 測定した。

(7)変形センサの変形量の定量性の評価
 上記の変形センサの応答感度の測定と同様 方法で、5点の異なる変形を与えた時の発生 電圧をデータロガーで測定し、変形量と発生 電圧との相関係数を算出した。与えた変形量 は、初期のサンプル位置と変形を与えたとき のサンプル位置とのなす角度が4.6、6.8、9.1、 11.3、13.5度になるように設定した。

(8)パターン電極を有する変形センサのセンシ ング特性評価
 電極パターンを有する変形センサにおいて 図2、3、4のパターンはm行目とn列目に、図4, 5,6,7,8のパターンは上下の電極パターンを、 ータロガー(キーエンス社製「NR-ST04」)に接 した。この状態で変位を与えたときの発生 た電圧をデータロガーで測定し、ノイズと グナルの電圧比(S/N比)を算出した。与えた変 位は、初期のサンプル位置と変位を与えたと きのサンプル位置との差が500μmとなるように した。

 次に、データロガーに接続したパターン 極の隣にあたるパターン電極に500μmの変位 与えたときに、上記データロガーで発生す 電圧を測定し、ノイズとシグナルの電圧比( S/N比)を算出した。なお、ノイズとは、測定 間(20秒)中の電圧変化の中で、信号以外の電 での最大値と最小値の差と定義する。

 なお、与えた変位の大きさは、レーザー 位計(キーエンス社製「LK-G155」)のレーザー あてることで与えた変位量を測定した。

≪参考例1≫ ポリスチレン-b-ポリメチルアク リレート-b-ポリスチレン
       (P-1)の製造
 使用した材料について、臭化銅(I)、塩化銅( I)、塩化銅(II)は和光純薬工業社から購入しそ のまま用いた。1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリ チレンテトラミン(HMTETA)はアルドリッチ社 ら購入しそのまま用いた。トリス(2-ジメチ アミノエチル)アミン(Me6-TREN)は、トリス(2-ア ミノエチル)アミンとギ酸、ホルムアルデヒ の混合水溶液を還流して得られた生成物を 圧蒸留して用いた。ジエチル-meso-2,5-ジブロ アジペートはアルドリッチ社から購入して のまま用いた。スチレン、メチルアクリレ トはキシダ化学社より購入し、使用前にゼ ラムとアルミナと接触させて重合禁止剤を 去し、続いて乾燥窒素で十分にバブリング て溶存酸素を除去したものを用いた。アセ ニトリルはキシダ化学社より購入し、ゼオ ムと接触させて水分を除去し、続いて乾燥 素で十分にバブリングして溶存酸素を除去 たものを用いた。その他の材料については 目的に応じて精製を行い使用した。

(1)2Lの3つ口フラスコに磁気撹拌子、臭化銅 (I) 7.17g(50mmol)、ジエチル-meso-2,5-ジブロモア ペート 3.6g(10mmol)を仕込んだ後、フラスコ内 を十分に乾燥窒素で置換した。ここにアセト ニトリル955ml、メチルアクリレート785mlを加 、室温で30分撹拌した。その後50℃に昇温し 別途調製した、HMTETAのアセトニトリル溶液( 濃度 0.3mol/L) 8.33ml(HMTETAとして16.7mmol)を加え 重合を開始した。重合開始2時間後にHMTETAの アセトニトリル溶液(濃度 0.3mol/L) 2.08ml(HMTETA として0.62mmol)を添加し、さらに6時間重合を った。

(2)6時間後、フラスコを氷水につけて重合 液を冷却し重合を停止した。重合停止時の 合率は38%、数平均分子量Mnは28700、分子量分 Mw/Mn=1.04であった。

(3)得られた重合溶液をエバポレータで濃縮 したのちにトルエンで希釈し、続いて水で洗 浄を繰り返して残存触媒を除いた。洗浄後、 再度エバポレータで濃縮したのちに大過剰の メタノールで再沈して得られる粘ちょうな液 状物を70℃で一晩真空乾燥させて、両末端ブ モ化ポリメチルアクリレートを得た。

(4)2Lの3つ口フラスコに、両末端ブロモ化ポ リメチルアクリレート170g、磁気撹拌子を仕 み十分に乾燥窒素で置換した。続いてスチ ン152mlを加えて両末端ブロモ化ポリメチルア クリレートを溶解させた。この溶液を40℃に 温し、別途調製した、塩化銅(I) 0.586mg(5.92mm ol)、塩化銅(II) 0.239mg(1.78mmol)、Me6-TRENのアセ ニトリル溶液(濃度 0.3mol/L) 29.6ml(Me6-TRENとし て8.89mmol)の混合物を加えて重合を開始した。

(5)8時間重合を行った後に、フラスコを氷 につけて重合溶液を冷却し重合を停止した 重合停止時の重合率は10%、数平均分子量Mnは 72000、分子量分布Mwn/Mn=1.31であった。

(6)得られた重合溶液を大過剰のメタノール に再沈し、室温で乾燥した後にトルエンに再 溶解、水洗を繰り返して残存触媒を除いた後 に、大過剰のメタノールで再沈して得られる 固体を70℃で一晩乾燥させた。

(7)以上のようにして、重合体ブロック(Pa)が リメチルアクリレート(PMA)、重合体ブロック (Pb)がポリスチレン(PSt)である共重合体(P-1)を た。 1 H-NMR測定を行ったところ、共重合体(P-1)中のPS t含量は46%、PMA含量は54%であった。

≪参考例2≫ エチルメチルイミダゾリウムビ ス(トリフルオロメタンスルホニル)
       イミド(イオン液体)の製造
 使用した材料について、リチウムビス(トリ フルオロメチルスルホニル)イミドは東京化 工業社製のものをそのまま用いた。シクロ キサンはキシダ化学社製のものをそのまま いた。その他の材料については、目的に応 て精製を行い使用した。

(1)500mLのセパラブルフラスコに、攪拌翼を り付けたメカニカルスターラー、三方コッ 、冷却管を取り付けた。ここにシクロヘキ ン250mL、1-メチルイミダゾール50mL(0.58mol)を 込んだ。1-メチルイミダゾールはシクロヘキ サンには完全に溶解せず、二相に分離した状 態であった。この液を攪拌しながら、室温で ブロモエタン130mL(1.74mol)を1時間かけて滴下し た。滴下終了後、80℃まで加熱し24時間還流 行った。反応の進行とともに、白色固体が 出した。

(2)得られた懸濁液について、過剰のブロモエ タン、シクロヘキサンを減圧留去して得られ る白色固体を酢酸エチル/イソプロパノール 合溶媒(1/1 v/v)から再結晶させて精製した。 られた結晶をろ別、n-ヘキサンで洗浄し、50 ℃で一晩真空乾燥させた。収量91g、収率83%で あった。得られた白色固体の 1 H-NMR測定から、目的の3-エチル-1-メチルイミ ゾリウムブロマイド(EMIBr)が生成したことを 認した。

(3)上記で得られたEMIBr45g(236mmol)を攪拌翼、 カニカルスターラー、三方コックを取り付 た500mLのセパラブルフラスコに仕込んだ。 こに蒸留水120mLを仕込み、EMIBrを完全に溶解 せた。

(4)リチウム(ビストリフルオロメタンスル ニル)イミド68g(236mmol)を蒸留水240mLに溶解さ た水溶液を作製した。この水溶液を上記のEM IBr水溶液に攪拌しながら滴下した。滴下終了 後、70℃で1時間反応を継続した。反応液は二 相に分離していた。

(5)得られた二相の下相を抜き出し、塩化メチ レンで希釈し、蒸留水で3回洗浄した。洗浄 、80℃で3時間減圧留去を行い、塩化メチレ 、及び一部の水分を除去した。得られた無 透明の液体を120℃で3日間真空乾燥すること 、系内の水を完全に除去した。収量61g、収 67%であった。得られた無色透明液体の 1 H-NMR測定から、目的の3-エチルー1-メチルイミ ダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホ ル)イミド(EMITFSI)が生成していることを確認 た。

≪参考例3≫ ポリスチレン-b-ポリメチルアク リレート-b-ポリスチレン共重合体を用いた非 水型高分子固体電解質の製造
 共重合体(P-1)をテトラヒドロフランに完全 溶解させた。この溶液にEMITFSIを所定量加え 一な溶液を得た。この溶液をガラス上に広 乾燥させた。得られた透明、柔軟な固体を5 0℃で真空乾燥して非水系高分子固体電解質(E -1~E-3)を得た。)を得た。

≪参考例4≫ 炭素微粒子を含む電極の製造
(1)乳鉢に、BET比表面積が1210m 2 /gのアルカリ賦活炭である活性炭、アセチレ ブラック(電気化学工業社製 「デンカブラ ク」)、PVDF-HFP(アルケマ社製 「カイナー#280 1」)、EMITFSI所定量採取し、乳鉢によりすりつ ぶし、塊状の電極材料とした。

(2)得られた塊状の電極材料を、PETフィルム に挟み、130℃で熱プレスすることで炭素微粒 子を含む厚さ100μmの電極フィルムを得た。

≪参考例5≫ 集電体層を有するウレタン電極 の製造
(1)高分子ポリオール(クラレ社製「クラレポ オールA-1010」(商品名):POH-1)、鎖伸長剤とし 1,4ブタンジオール:BD(和光純薬社製)および4,4 ’-ジフェニルメタンジイソシアネート:MDI(和 光純薬社製)を、POH-1/BD/MDIのモル比が1.0/1.8/2.8 (窒素原子含有率は4.2重量%)で、かつこれらの 合計供給量が200g/分になるように定量ポンプ より同軸方向に回転する二軸スクリュー型 出機(30mmφ、L/D=36)に連続的に供給して、連 溶融重合を行った。このとき前記押出機の 熱ゾーンを前部、中間部および後部の3つの 域に分け、前部の温度を90~220℃、中間部の 度を260℃、後部の温度を220℃に設定した。 成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をス ランド状で水中に連続的に押し出し、次い ペレタイザーで切断し、このペレットを80 で4時間乾燥した。得られたペレットを、Tダ イ型押出成形機を用いて厚さ100μmのフィルム 状に成形し、電極を得た。

(2)このウレタンフィルム上に、導電塗料で ある銀ペースト(日本黒鉛社性「バニーハイ M-15A」)をスクリーン印刷法により塗工、ま は金をスパッタリングにより塗布すること 集電体層を有するウレタンフィルムを得た

≪参考例6≫ 非水系高分子固体電解質と一対 の複合電極からなる可撓性素子の製造
 非水系高分子固体電解質の両面を電極、導 性リード部(スリーエム社製「導電テープ」 )、集電体層を有するウレタンフィルムの順 挟み、130℃で熱プレスすることで、図1に示 ような構造を持つ複合電極-非水系高分子固 体電解質膜-複合電極の構成で積層された可 性素子を得た。

≪参考例7≫ 電極パターンを有する変形セン サ
 乳鉢に、BET比表面積が1210m2/gの活性炭、ア チレンブラック(電気化学工業社製 「デン ブラック」)、PVDF-HFP(アルケマ社製 「カイ ー#2801」)、EMITFSIを所定量採取し、乳鉢によ すりつぶすことで得た塊状の混合物をN-メ ルピロリドン(和光純薬社製)中に溶解するこ とで、炭素微粒子を有する導電塗料を得た。 次に、参考例6の方法で作製したウレタンフ ルム上に導電塗料である銀ペースト(日本黒 社性「バニーハイトM-15A」)をスクリーン印 法により塗工した後に、上記の炭素微粒子 有する導電塗料をスクリーン印刷法により 工することで、パターンを有する複合電極 得た。この銀ペーストのパターンを有する 合電極を非水系高分子固体電解質の両面に み、130℃で熱プレスすることで、複合電極- 非水系高分子固体電解質膜-電極の構成で積 された変形センサを得た。

 同様に、ウレタンフィルム上に所望のパ ーンを有するマスクをした状態で金をスパ タリングにより塗布した後に、上記の炭素 粒子を有する導電塗料をスクリーン印刷法 より塗工することで、金箔のパターンを有 る複合電極を得た。このパターンを有する 合電極を非水系高分子固体電解質の両面に み、130℃で熱プレスすることで、複合電極/ 非水系高分子固体電解質膜/電極の構成で積 された変形センサを得た。

≪比較参考例1≫ イオン解離性基を含む高分 子を用いた非水系高分子固体電解質(E-4~E-6)の 製造
 ナフィオン膜(和光純薬工業社製「Nafion-117 )を、0.5mol/Lの塩化ナトリウム水溶液中に2日 含浸させ、水で洗浄したものを120℃で真空 燥することで、中和されたナフィオン膜を た。この中和されたナフィオン膜を、80℃ 加熱した1-エチル-3メチルイミダゾリウムト フロオロメタンスルホネート(EMITf:Aldrich社 )中に含浸させ、メタノールで膜表面を洗浄 に120℃で真空乾燥することで非水系高分子 体電解質(E-4~E-6)を得た。なお、非水系高分 固体電解質中のEMITf量は、EMITfを含浸、乾燥 後の重量からEMITf含浸前の重量を差引くこと 算出した。また、EMITfの複合量は、ナフィ ン膜をEMITf中に含浸させる時間を変えること で制御した。

≪実施例1~12≫ 非水系高分子固体電解質と複 合電極からなる変形センサ
 参考例に従い作製した非水系高分子固体電 質および電極の組成比を表1に示す。

≪比較例1~7≫ 非水系高分子固体電解質と複 電極からなる変形センサ
 参考例、ならびに比較参考例に従い作製し 非水系高分子固体電解質および複合電極の 成比を表2に示す。なお、複合電極F-7では、 活物質としてBET比表面積が3300m2/gのアルカリ 活炭である活性炭を用いた。

≪測定例1~12≫ 実施例の電極、非水系高分子 固体電解質の電気的測定
 電極(F-1)~(F-4)の電極を用いた変形センサの 面抵抗測定、静電容量測定を行った。また 非水系高分子固体電解質(E-1)~(E-3)についてイ オン伝導度の測定を行った。さらに、実施例 1~12で製造した非水系高分子固体電解質と対 極からなる変形センサにおけるS/N比を測定 た。変形角度と電圧信号値の相関係数を算 した。以上の結果を表3に示す。

≪比較測定例1~7≫ 比較例の電極、非水系高 子固体電解質の電気的測定
 電極(F-5)~(F-8)の電極を用いた変形センサの 面抵抗測定、および静電容量測定を行った また、非水系高分子固体電解質(E-4)~(E-6)につ いてイオン伝導度の測定を行った。さらに、 比較例1~7で製造した非水系高分子固体電解質 と一対の電極からなる変形センサにおけるS/N 比を測定した。変形角度と電圧信号値の相関 係数を算出した。以上の結果を表3に示す。

 実施例1~12は、いずれも電極の表面抵抗が10 /□以下、可撓性素子の1cm 2 あたりの静電容量が0.1~500mFで、非水系高分子 固体電解質のイオン伝導度が1×10 -7 S/cm以上1×10 -1 S/cm以下の範囲に含まれるものである。一般 に、S/N比が10以上のときに、変形センサとし て良好の応答感度であることが知られている が、上記範囲にある実施例1~12はいずれもS/N が10以上であることから、応答感度に優れる ものだった。また、実施例1~12はいずれも変 量と発生電圧の相関係数が0.990以上と良好な 相関を示した。

 これに対して、比較例1、比較例2では、複 電極の表面抵抗が10ω/□を超えるものである が、このときのS/N比は10以下となり、応答感 が低いものだった。比較例3は、可撓性素子 の1cm 2 あたりの静電容量が500mFを超えるものであり 比較例4は、可撓性素子の1cm 2 あたりの静電容量が0.1mFに満たないものであ が、これらはいずれもS/N比は10以下となり 応答感度が低いものだった。

 比較例5~7は、非水系高分子固体電解質とし イオン解離性基を含む高分子を用いたもの あるが、この場合、イオン伝導度が1×10 -7 S/cm以上1×10 -1 S/cm以下の範囲に含まれるものであるが、こ ときのS/N比は10以下となり、応答感度が低い ものだった。

 以上の結果から、実施例の変形センサは 変位に応じて高い感度での応答性を示し、 形センサとして有効に利用できることがわ る。

≪実施例13~33≫ 電極パターンを有する変形 ンサ
 参考例に従い作製した非水系高分子固体電 質および電極パターンを有する電極の組成 を表4に示す。なお、図2~図4では、導電部ス トライプの幅を10mm、ストライプ間隔(非導電 部)の幅を5mmとした。また、図5~図7では、導 電部多角形の一辺の長さを1mmとし、各電極パ ターンの間における最小距離を10mmとなるよ にした。また、図8では、導電部を半径5mmの 形として、各円形導電部の間における最小 離を5mmとなるようにした。

≪測定例13~33≫ 実施例の変形センサのセン ング特性評価
 実施例13~33で製造した非水系高分子固体電 質と電極パターンを有する電極からなる変 センサにおいて、データロガーを接続して る任意の電極パターン面に500μmの変位を与 たときの電圧の値を測定して、ノイズとシ ナルの電圧比、S/N(m,n)を測定した。また、デ ータロガーを接続した電極パターンの導電部 の隣に位置する導電部に500μmの変位を与えた ときの電圧の値を測定して、ノイズとシグナ ルの電圧比、S/N(m+1,n)を測定した。以上の結 を表4に示す。

≪比較例8~10≫ 電極パターンを有しない可撓 性素子
 参考例に従い作製した非水系高分子固体電 質および電極の組成比を表3に示す。比較例 7、8は電極の全面に導電性塗料である銀ペー ト(日本黒鉛社性「バニーハイトM-15A」)を塗 ったものを、比較例9は電極上に銀ペースト( 本黒鉛社性「バニーハイトM-15A」)を塗らな ったものを意味する。

≪比較測定例8~10≫ 比較例の可撓性素子のセ ンシング特性評価
 比較例8~10で製造した非水系高分子固体電解 質と電極パターンを有する電極からなる変形 センサにおいて、データロガーを接続してい る任意の位置に500μmの変位を与えたときの電 圧の値を測定して、ノイズとシグナルの電圧 比、S/N(m,n)を測定した。また、データロガー 接続した位置から1mm離れた位置に500μmの変 を与えたときの電圧の値を測定して、ノイ とシグナルの電圧比、S/N(m+1,n)を測定した。 以上の結果を表5に示す。

 実施例13~33は、電極上に図2~8の電極パタ ンを有する変形センサである。一般的に、S/ N比が10以上のときに、変形センサとして良好 の応答感度であることが知られているが、上 記はいずれもデータロガーと接続した位置に 変位を与えたときにはS/N比が10以上の高い応 感度を示した。一方、データロガーと接続 た位置の隣の位置では変位を与えても電圧 発生しなかった。

 比較例8、9は、電極上にパターンのない 電性部を有する可撓性素子であり、比較例3 、電極上に導電性部を持たない可撓性シー 素子である。これらは、いずれもデータロ ーと接続した位置に変位を与えたときにはS /N比が10以上の高い応答感度を示すが、5mm離 た位置に変位を与えたときにも同等の電圧 発生した。すなわち、両位置の区別はでき いものだった。

 以上の結果から、この変形センサは、電 パターンの導電部は変位に応じて高い感度 の応答性を示し、非導電部は変位に応じた 圧を発生しないことから、変形位置および 力分布を検出可能なセンサ素子として有効 利用できることがわかる。

 本発明の変形センサは、変位を与えること 電圧が発生し、空気中でも実用的に満足し る感度での応答性を示すことから、可撓性 有する変形センサとして好適に使用できる