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Title:
FLOW CHANNEL SWITCHING VALVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/101695
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To enhance the durability of a rotor. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The flow channel switching valve has a stator (11) with contact face (13) and a rotor (15) with contact face (17). The stator (11) on the contact face (13) has throughflow holes (19) to be connected to multiple flow channels, respectively. The rotor (15) has at least one groove (21) for communication between two of the throughflow holes (19) of the stator (11). The rotor is urged against the contact face (13) of the stator (11) and makes rotational slide so as to attain switching of the throughflow holes (19) of the stator (11) to be brought into communication. The contact face (13) of the stator (11) results from application of DLC coating and subsequent polishing processing. On the other hand, the contact face (17) of the rotor (15) consists of a resin.

Inventors:
YASUNAGA KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052467
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
February 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHIMADZU CORP (JP)
YASUNAGA KENICHI (JP)
International Classes:
F16K3/08; F16K11/074
Foreign References:
JPH01307575A1989-12-12
JPH08128540A1996-05-21
JP2003166656A2003-06-13
JPS61151097A1986-07-09
JP2002031040A2002-01-31
JP2000320670A2000-11-24
JPH06100398A1994-04-12
JPH10130817A1998-05-19
Attorney, Agent or Firm:
KITA, Toshifumi et al. (1 Nishinokyo-kuwabaracho, Nakagyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 11, JP)
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Claims:
 互いに接する接触平面をもつステータとロータを備え、前記ステータは複数の流路が接続されるハウジングとのそれぞれ連通する流通口をその接触平面に有し、前記ロータは前記ステータの接触平面上の流通口の内の2つを連通させる少なくとも1つの溝を有して前記ステータの接触平面に対して付勢され、連通すべき前記ステータの流通口を切り換えるように回転摺動する流路切換バルブにおいて、前記ステータの接触平面は前記ステータの基材を研磨した後にダイヤモンドライクカーボンで被膜を形成し、さらに前記被膜を研磨加工して形成されたことを特徴とする流路切換バルブ。
 前記ステータの基材はステンレス製であることを特徴とする請求項1に記載の流路切換バルブ。
 前記ステータの基材をダイヤモンド砥粒を用いて研磨したことを特徴とする請求項2に記載の流路切換バルブ。
 前記被膜の研磨には、アルミナ砥粒を用いることを特徴とする請求項2~3のいずれか1項に記載の流路切換バルブ。
 前記ステータは、流路を接続するハウジングと一体に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の流路切換バルブ。
Description:
流路切換バルブ

 本発明は高速液体クロマトグラフ等の分 装置で用いられる流路切換バルブに関する のである。

 分析装置においては、試料や溶媒等の溶 の選択や、試料の外部から分析系への導入 ため、流路を切り換える機構が備えられる 例えば、高速液体クロマトグラフにおいて 、高い圧力(数十MPa)で送液される移動相の 路に対して、大気圧下の試料溶液を導入す ように流路を切り換える機構を有しており この機構に流路切換バルブを備えられてい 。

 従来、このような用途における流路切換 ルブとしては、切り換え溝が形成された円 状のロータを、その溝と導通する貫通穴が 成された円盤状ステータに対し、平面で接 させつつ回転させる流路切換バルブが用い れている(例えば、特許文献1)。流路切換バ ブでは、流路が接続されたハウジングトッ とロータの間にステータが挟まれており、 ータとステータが相互に面接触することで 路の液漏れが防止されている。そして、ロ タを所定の位置から一定角度だけ回転摺動 て、接続された流路が切り換えられる。こ ような従来の流路切換バルブの材質として ロータにはポリエーテルエーテルケトン(PEE K; polyetheretherketone)やポリイミド等の樹脂、 テータにはセラミック等が使われている。

 流路切換バルブを長期にわたって使用す とステータ(セラミック)よりも柔らかいロ タ(樹脂)の摺動面は磨耗し、これによりバル ブにおける回転トルクの増大、流体の漏洩、 ロータの磨耗した部分に残留した液によるク ロスコンタミネーションの増大などを引き起 こすという問題がある。

 流路切換バルブにおいては、液漏れを防 するため、ロータはステータに対して強い で押し付けられている。その状態でロータ 回転すると、ロータの材質が樹脂である場 には、回転による摩擦でステータおよびロ タ表面が削り取られて削り屑が発生し、後 のカラムの劣化原因となっていた。一方、 ータの材質をセラミックとする場合には、 のような削り屑は発生しないが、シール性 考慮してステータ、ロータともに、その接 面の表面粗さを細かくし、平面度も高精度 仕上げる必要があり、そのような面同士を い力で押し付けると、いわゆるリンキング と称される鏡面接着現象が生じ、ロータの 転動作を損なうという問題があった。

 ロータをフルオロカーボン含有ポリマー し、タングステンカーバイド/カーボン(WC/C) 層をコーティングすることでロータの耐久性 を向上させた流路切換バルブが開示されてい る(特許文献2)。WC/C層は柔らかいアモルファ カーボンマトリクス中に硬いWC粒子が分散し た構造であり、アモルファスカーボンとWCを 互に積層することにより形成される。

 摺動面に対する表面処理加工では、ダイ モンドライクカーボン(DLC;Diamond like Carbon) コーティングすることが注目されており、 えば、特許文献3ではポンプ内で往復動する プランジャの摺動面の表面を平滑に処理して 、DLCコーティングすることが開示されている 。DLCが炭素の同素体から成る非晶質(アモル ァス)の硬質膜であることを考慮すれば、流 切換バルブのロータとステータの摺動面に いて、特許文献2のようなアモルファスカー ボン中にWCを用いずに、ステータの摺動面を 粋なDLCの被膜を形成することに想到する。

特開平1-307575号

米国特許第6453946号

特開2004-60513号

 ステータのロータとの接触平面にDLCコー ィングしたものの走査型電子顕微鏡(SEM;Scann ing Electron Microscope)による画像を図4(a)に示す 。このSEM画像(×5000倍)では、DLCコーティング 表面には、凹凸が確認される。サブミクロ オーダーの粒塊状カーボンが存在すること 原因である。平滑な平面であるべき部分に れだけの凹凸が存在すると、様々な支障が じる。摺動する相手(ロータ)が樹脂であれ 、この凹凸により表面の磨耗が激しくなる 磨耗による削れカスは、摺動面に残れば密 に接触するロータとステータの接触平面に 間を生じさせ液漏れの原因となり、ステー 面に設けられた開口から流路に流れ込むと 述のようにカラムの劣化や流路詰まりの原 となる。また、ステータ面とロータ面は強 力で押し付けられながら回転するので、表 の凹凸により想定外の摩擦が生じるとロー を回転させるモータ等の力が不足し、流路 切り換えができなくなり、流路切換バルブ 動作不能となる。流路切換バルブが動作不 になれば、流路を構成する分析装置全体と て正常な動作を維持することができなくな 。多くの場合には、圧力の異常上昇を感知 て安全システムが作動し、分析装置が停止 る。

 図4(b)は、DLCの被膜を形成したものを用い て切換バルブを組み立て、ロータとステータ との接触平面を200回摺動させた後、ステータ の接触平面を撮影したものである。ロータが 磨耗して生じた削れカスがステータの接触平 面に確認される。わずか200回の切り換えで、 これだけの磨耗が生じるのであれば、場合に よっては数千にも及ぶ試料を連続的に分析す る液体クロマトグラフの流路切換バルブの用 途には堪えない。

 本発明では、ステータ面にDLCコーティン を施した長寿命な流路切換バルブを提供す 。

 本発明の流路切換バルブは、互いに接す 接触平面をもつステータとロータを備え、 テータは複数の流路のそれぞれに接続され 流通口をその接触平面にもち、ロータはス ータの流通口の内の2つを連通させる少なく とも1つの溝をもち、ステータの接触平面に して付勢され、連通すべき上記ステータの 通口を切り換えるように回転摺動するもの ある。そして、ステータと接触するロータ 接触平面は樹脂製であり、ステータにはDLC( イヤモンドライクカーボン)の被膜が形成さ れ、その被膜が研磨されている。

 DLCコーティングを施す前には、ステータ 接触平面となる部分が平滑に研磨加工され 。この加工はステータの接触平面の表面を イヤモンド砥粒等を用いて鏡面研磨とする が好ましい。ステータの基材としては、機 的強度や対腐蝕性の面でステンレスが好ま い。

 DLCコーティングを施した接触平面にアル ナ砥粒等を用いた研磨加工を施し、コーテ ングの表面に存在するサブミクロンオーダ の粒塊状のカーボンを除去する。

 DLCコーティングの表面に存在するカーボ の粒塊を研磨により除去することで、ロー とステータの接触平面における摺動性が向 し、ロータを回転させるトルクの増大を抑 することができる。ステータ表面によるロ タの磨耗が低減し、長期間安定して使用で 、ロータの削れカスの発生によるカラムの 化や配管の詰まりを防止することができる また、ロータとステータの接触平面の密接 接触が維持されることにより液漏れを防止 、確実な流路の切り換えを行なうとともに クロスコンタミネーションを生じない。

流路切換バルブのステータ及びロータ 分の概略斜視図である。 流路切換バルブ全体の概略断面図であ 。 本発明に係るステータ表面の(a)DLCコー ィングを研磨加工後のSEM画像、(b)使用後の 学画像である。 従来技術に係るステータ表面の(a)DLCコ ティング後のSEM画像、(b)使用後の光学画像 ある。

符号の説明

  11   ステータ
  13   ステータ摺動面
  15   ロータ
  17   ロータ摺動面
  19   貫通穴
  21   溝
  23   流路接続部
  25   シャフト
  27   ボディ部
  29   弾性部材
  31   ボルト
  33   軸受

 以下、本発明の実施例を、図を参照しつつ 明する。
 図1は一実施例の流路切換バルブのステータ 及びロータ部分の概略斜視図である。
 ステータ11はステンレス製であり、流路が 続されるハウジングが一体化されたもので る。ステータ11のステータ摺動面13はロータ1 5のロータ摺動面17と接し、ステータ11に設け れた貫通穴19がロータ15に設けられた溝21と 通するようになっている。ロータ15は、例 ばPEEK等の樹脂製であり、溝21が円弧状に複 設けられている。

 ステンレス製ステータ11のステータ摺動 13は、摺動性を高めるため、ダイヤモンド砥 粒(粒径1~3μm)を用いて研磨(鏡面加工)するの 好ましい。

 鏡面加工したステンレス製ステータ11の 動面13にマグネトロンスパッタリング法によ りDLCコーティングが2μm程度の厚さに形成さ ている。マグネトロンスパッタリング法に るDLCコーティングを行なうと、ドロップレ トなどがコーティング表面に付着しにくく り、平滑な表面が得られ、摩擦係数が低減 れて、ロータの磨耗を低減させることがで る。DLCコーティングは、鏡面加工されたス ータの摺動面との密着性がよく、且つ、技 的に安定した形成方法である。DLCコーティ グ後、研磨加工を施す。ステンレス製のス ータ基材の加工とは異なり、よりソフトな 工条件でよく、アルミナ砥粒(粒径1~3μm)によ り、カーボンの粒塊がなくなる程度に加工す るだけでよい。

 本発明に係る流路切換バルブにおいて、 テータのロータとの接触平面にDLCコーティ グした後に研磨加工を行ったもののSEM画像 図3(a)に示す。このSEM画像(×5000倍)では、DLC ーティングの表面には図4(a)で示したような 凹凸が確認されない。DLCコーティング後のア ルミナ砥粒を用いた研磨加工により、平滑な 平面が形成されていることがわかる。図3(b) 、DLCコーティングした後、研磨加工を行っ ものを用いて切換バルブを組み立て、ロー とステータとの接触平面を200回摺動させた 、ステータの接触平面を撮影したものであ 。図4(b)と同じ条件であるが、ロータが磨耗 て生じる削れカスは、ステータの接触平面 全く確認されない。DLCコーティング後のア ミナ砥粒を用いた研磨により、摺動する相 (ロータ)が樹脂であっても、樹脂の磨耗は 減されることが確認される。

 図2は流路切換バルブの全体構造を示した 概略断面図である。ステータ11には流路接続 23が複数設けられており、その先端は接触 面13の貫通穴19に通じている。ロータ15はシ フト25の先端に取り付けられており、シャフ ト25を回転可能に支持するボディ部27内に設 られた弾性部材29によってステータ11方向に 勢されている。ボディ部27はボルト31によっ てステータ11の外周部にネジ止めされている ロータ15の接触平面17には溝21が形成されて り(図1を参照)、ステータ11の接触平面13の貫 通穴19を連通する。流路を切り換える際、シ フト25を回転させてロータ15をステータ11に して回転摺動させ、貫通穴19と溝21の接続を 切り換える。この例においては、流路接続部 23が設けられる部分(ハウジング)がステータ11 と一体に構成されている。ハウジングとステ ータを一体に構成することで、流路切換バル ブの内部での流路が短くなり流路内の容積を 小さくし、試料成分の拡散を抑制しているの であるが、一般的な流路切換バルブのように ハウジングとステータを別体に構成しても良 い。

 本発明の流路切換バルブを液体クロマト ラフに用いる場合には、流路接続部23には 移動相を送液する送液装置や試料溶液を計 するサンプルループ、試料溶液を成分ごと 分離するカラム等が接続される。

 実施例ではステータの接触平面の貫通穴1 9が円周上に配置され、ロータの溝21がその内 の2つを連通するようになっているが、一般 に“マルチポジションバルブ”と呼ばれる 路切換バルブにも同様に適用することがで る。マルチポジションバルブにおいては、 テータの接触面の貫通穴として中央に共通 ものを配置し、その周囲の円周上に複数個 配置し、ロータの溝はステータの共通の貫 穴を円周上のいずれかの貫通穴に選択的に 続するように半径方向に延びた溝となる。

 本発明は高速液体クロマトグラフをはじめ 流路の切り換えを必要とする分析機器、そ 他の機器に利用することができる。

 




 
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