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Patent Searching and Data


Title:
FLUID DYNAMIC PRESSURE BEARING AND MOTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/140075
Kind Code:
A1
Abstract:
A bearing section used for a motor has a sleeve, a shaft inserted in a sleeve and having a thrust plate at its lower end, and a sleeve housing placed on the outer periphery of the sleeve. The sleeve housing has a housing member for covering the outer peripheral surface of the sleeve and also has a lower cap for covering the lower surface of the thrust plate and a circular tube section of the housing member. A bend that is bent toward the outer peripheral surface of the thrust plate and projects inward is formed at the lower end of the housing member.

Inventors:
GOMYO MASATO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058744
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
May 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIDEC CORP (JP)
GOMYO MASATO (JP)
International Classes:
F16C17/10; F16C33/10; F16C33/74; F16C35/02; H02K7/08
Foreign References:
JP2003336627A2003-11-28
JPH10205528A1998-08-04
JP2005127524A2005-05-19
JP2006250193A2006-09-21
JP2007225062A2007-09-06
JP2966725B21999-10-25
JP2937833B21999-08-23
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Claims:
モータに用いられる流体動圧軸受であって、
 中心軸を中心とする円筒状のスリーブと、
 前記スリーブに挿入されるシャフトと、
 前記シャフトの下端部に位置し、前記スリーブの下面と軸方向に対向する略円板状のスラストプレートと、
 前記スリーブの外周面のうち少なくとも下部外周面を囲む略円筒状のハウジング部材と、
 前記ハウジング部材の下部外周面および前記スラストプレートの下面を囲む略有底円筒状の下キャップと、
 前記ハウジング部材の下端に位置し、前記下端から前記スラストプレートの外周面に向かって折り曲げられた折曲部と、
 前記シャフトの外周面と前記スリーブの内周面との間のラジアル間隙、前記スリーブの下面と前記スラストプレートの上面との間の第1スラスト間隙、前記スラストプレートの外周面と前記折曲部との間の間隙、および、前記スラストプレートの下面と前記下キャップの内底面との間の第2スラスト間隙、に連続して充填されている潤滑油と、
を備える。
請求項1に記載の流体動圧軸受であって、前記折曲部の内周は、元部材から前記ハウジング部材が切り離されることにより形成された切断面を備える。
請求項1に記載の流体動圧軸受であって、
 前記下キャップは、前記ハウジング部材に接着剤により固定され、
 前記下キャップの内周面と前記折曲部との間の間隙には、前記下キャップの内周面と前記ハウジング部材の外周面との接合部位からはみ出した前記接着剤の一部が保持されている。
前記接着剤の一部は、前記潤滑油に接触している共に、前記下キャップの内周面と前記折曲部との間の間隙においてメニスカス状に形成されている請求項3に記載の流体動圧軸受。
折曲部の内周面は、前記スリーブの外周面より径方向内側に位置し、前記スラストプレートと軸方向に対向する前記スリーブの下面より径方向外側に位置する請求項1に記載の流体動圧軸受。
請求項1に記載の流体動圧軸受であって、
 前記ラジアル間隙の径方向外側には、軸方向に伸びる第1テーパシール部が形成され、
 前記潤滑油は、前記ラジアル間隙から前記第1テーパシール部に亘って連続して充填されている。
請求項6に記載の流体動圧軸受であって、
 前記ラジアル間隙の上側には、第2テーパシール部が形成され、
 前記潤滑油は、前記ラジアル間隙、前記第1テーパシール部、および、前記第2テーパシール部に連続して充填されている。
前記第1テーパシール部の軸方向長さは、前記第2テーパシール部の軸方向長さより長い請求項7に記載の流体動圧軸受。
請求項1に記載の流体動圧軸受であって、
 前記シャフトが挿入される開口部を有し、前記スリーブの上面および前記外周面の上部を囲む上キャップをさらに備え、
 前記ハウジング部材および前記上キャップと前記スリーブとの間には、潤滑油が保持された流路が形成される。
請求項9に記載の流体動圧軸受であって、
 前記上キャップは、前記ハウジング部材と径方向に対向し、
 前記上キャップの外周面と前記ハウジング部材の内周面との間には、前記潤滑油を保持する第1テーパシール部が形成される。
請求項10に記載の流体動圧軸受であって、
 前記上キャップの内周面と前記シャフトの外周面との間には、前記潤滑油を保持する第2テーパシール部が形成され、
 前記潤滑油は、前記流路、前記第1テーパシール部、および前記第2テーパシール部に連続して充填されている。
前記潤滑油は、前記第1スラスト間隙から前記スリーブの前記外周面に沿って上側へと流れ、さらに前記スリーブの前記上面に沿って前記ラジアル間隙へ流れる請求項9に記載の流体動圧軸受。
前記スリーブが焼結金属から形成される請求項1に記載の流体動圧軸受。
電動式のモータであって、
 請求項1に記載の流体動圧軸受と、
 前記シャフトの上部に取り付けられたロータ部と、
 前記流体動圧軸受が固定されるステータ部と、を備える。
Description:
流体動圧軸受およびモータ

 本発明は、モータに用いられる流体動圧 受およびこれを用いたモータに関する。

 記録ディスク装置等に用いられている小 のスピンドルモータ(以下、「モータ」とい う。)には、多くの場合、流体動圧を利用し 軸受機構が利用されている。流体動圧軸受 おいて、流体動圧軸受内に充填される潤滑 の漏洩を防止することは、周辺の装置を清 に保つとともに流体動圧軸受を長寿命化す ために重要となる。潤滑油の線膨張率は金 の線膨張率に比べて大きい。潤滑油量が多 なると、軸受機構内部の温度が上昇したと に潤滑油が膨張により軸受機構から外部へ れ出す場合がある。

 そこで、従来より流体動圧軸受において 滑油の体積を制限するための技術が提案さ ている。

 例えば、日本国特許第2937833号公報では、 軸受部内の容量に対して毛細管シール部の容 量を大きくして潤滑油の体積の変化による潤 滑油の漏れを防止する技術が開示されている 。

 また、米国特許第5,357,163号明細書、また 日本国特許第2966725号公報等には、シャフト の下端部にスリーブの下面に対向するスラス トプレートを設け、スリーブおよびスラスト プレートより下側にスリーブおよびスラスト プレートを覆うハウジングを設けた構成が開 示されている。

 ところで、流体動圧軸受の内部に充填さ る潤滑油の量を削減するために、前述のよ なハウジングを用いようとすると、複雑な 状のハウジングの場合は切削加工にてハウ ングを成形する必要があり、コストの削減 困難となってしまう。

 本発明の一態様の流体動圧軸受は、中心 を中心とする円筒状のスリーブと、スリー に挿入されるシャフトと、スラストプレー と、略円筒状のハウジング部材と、略有底 筒状の下キャップと、を備える。

 スラストプレートは、シャフトの下端に 置しスリーブの下面と軸方向に対向する。 ウジング部材は、スリーブの外周面のうち なくとも下部を覆う。下キャップは、ハウ ング部材の下部の外周面およびスラストプ ートの下面を覆う。

 ハウジング部材の下端部には、スラスト レートの外周面に向かって折り曲げられて 側に突出する折曲部が形成される。

 シャフトの外周面とスリーブの内周面と 間、スリーブの下面とスラストプレートの 面との間、スラストプレートの外周面と折 部との間、および、スラストプレートの下 と下キャップの内底面との間には、潤滑油 連続して充填されている。

 本発明によれば、潤滑油の量を削減して 度変化による潤滑油の漏れを抑制すること できるとともに、低コストにてハウジング 体を製造することができる。また、ハウジ グ本体の剛性を向上することができる。

 また、下キャップを固定する際に接着剤 スラストプレート側へと進入することを防 することができる。

モータの中心軸を含む平面で切断した 面図である。 図1の軸受部の中心軸を含む平面で切断 した断面図である。 図2のスリーブの平面図である。 図2のスリーブの中心軸を含む平面で切 断した断面図である。 図2のスリーブの底面図である。 図2のシャフトの正面図である。 図2のスラストプレートの正面図である 。 図2のスラストプレートの底面図である 。 図2のハウジング本体の中心軸を含む平 面で切断した断面図である。 図2の下キャップの平面図である。 図2の下キャップの中心軸を含む平面 切断した断面図である。 図2の上キャップの底面図である。 図2の上キャップの中心軸を含む平面 切断した断面図である。 図2の軸受部の上部の拡大図である。 図2のテーパシール部の構成を示す図 ある。 図2の軸受部の下部の拡大図である。 図2の下キャップの接着工程を示す図 ある。 下キャップの接着工程を示す図である 。 ハウジング本体の製造の概要を説明す るための図である。 軸受部の他の例を示す図である。

符号の説明

1  モータ
 2,2a  軸受機構
 11  ロータ部
 12  ステータ部
 21  スリーブ
 22  シャフト
 23  スラストプレート
 25  上キャップ
 211 スリーブの上面
 212 スリーブの外周面
 213 スリーブの下面
 241 ハウジング本体
 242 下キャップ
 244 接着剤
 2415  折曲部
 2416  端面
 2511  開口部
 2513  内側面

 以下、本発明の一実施形態について、図1 乃至図20を参照しながら説明する。なお、本 明の説明において、各部材の位置関係や方 を上下左右で説明するときは、あくまで図 における位置関係や方向を示し、実際の機 に組み込まれたときの位置関係や方向を示 ものではない。

 図1は本発明の一実施形態に係る電動式モ ータ1(以下「モータ1」という。)を示す中心 を含む平面で切断した断面図である。モー 1はロータ部11、ステータ部12、および、ロー タ部11をステータ部12に対して回転可能に支 する流体動圧軸受2(以下、「軸受部2」とい 。)を備える。

 ロータ部11は、記録ディスク13が固定され る略有蓋円筒状のロータハブ111、および、ロ ータハブ111に取り付けられて中心軸J1の周囲 配置されるロータマグネット112を備える。

 ステータ部12は、中央に穴部が形成され ベース部であるベースブラケット121、およ 、穴部の周囲にてベースブラケット121に取 付けられた電機子122を備える。電機子122は 周方向に多極着磁されたロータマグネット11 2との間で中心軸J1を中心とするトルクを発生 する。軸受部2は、ベースブラケット121の穴 に熱硬化性の接着剤により固定される。

 図2は、モータ1の流体動圧を利用する軸 部2を示す断面図である。軸受部2は、円筒状 のスリーブ21、スリーブ21に挿入されるシャ ト22、スラストプレート23、スリーブハウジ グ24、および、上キャップ25を備える。スラ ストプレート23は、シャフト22の下端部に取 付けられ、スリーブ21の下面と軸方向に対向 する。スリーブハウジング24は、スラストプ ート23の下面およびスリーブ21の外周面を覆 う。上キャップ25は、スリーブ21の上面およ スリーブ21の上部外周面を覆う。

 スリーブハウジング24は、略円筒状のハ ジング部材241、および、有底円筒状の下キ ップ242を備える。ハウジング部材241は、ス ーブ21の上部外周面を覆う。下キャップ242は 、ハウジング部材241の下部外周面およびスラ ストプレート23の下面を覆う。下キャップ242 、ハウジング部材241の外周面に接着剤にて 定されている。

 上キャップ25は、シャフト22が挿入される 開口部2511を有する。図1に示すようにシャフ 22の上部がロータ部11に固定されることによ り、ロータ部11がステータ部12に対して回転 能に支持される。

 図3、図4および図5はそれぞれスリーブ21 平面図、断面図および底面図である。スリ ブ21は、上面211に複数の上面溝2111、外周面21 2に複数の外周面溝2121、および、下面213にス イラル状のスラスト動圧溝2131をそれぞれ備 える。

 複数の上面溝2111は、上面211において径方 向内側から外側へと伸びる。複数の外周面溝 2121は、外周面212において軸方向に伸びる。

 複数の上面溝2111は上面211の周方向におい て等間隔に3カ所に形成されており、上面溝21 11の位置と同じ周方向の位置に外周面溝2121が 形成されている。上面溝2111の深さは上面211 外縁に設けられた面取部および上面211の内 に設けられた面取部の軸方向の長さより小 く、外周面溝2121の深さは上面211の外縁の面 部の径方向の長さより小さい。なお、スリ ブ21は多孔質の焼結金属からなり、スリー の成型時に上面溝2111、外周面溝2121およびス ラスト動圧溝2131が形成される。

 図6はシャフト22の正面図である。シャフ 22は、その外周面に形成されたヘリングボ ン形状の溝の集合体であるラジアル動圧溝22 1、ラジアル動圧溝221より上側に形成された 心軸J1を中心とする環状凹部222、および、そ の下端面に軸方向に伸びる雌ネジ部223を備え る。

 シャフト22が回転すると、シャフト22の外 周面とスリーブ21の内周面との間のラジアル 隙261(図2参照)においてラジアル動圧溝221に りラジアル動圧を発生させ、これにより、 ャフト22が潤滑油を介してスリーブ21に非接 触状態にて支持される。

 ラジアル動圧溝221のうち上側のラジアル 圧溝2211では、上側の溝部分の軸方向長さが 下側の溝部分の軸方向長さより長い。そのた め、シャフト22の回転時、上側のラジアル間 においては、ラジアル動圧溝2211によりラジ アル動圧が発生してシャフト22を支持すると に潤滑油をラジアル間隙261の下側に送る動 が発生する。

 下側のラジアル動圧溝2212では上側および 下側の溝部分の軸方向長さが略等しく形成さ れる。

 環状凹部222は下側に位置し中心軸に対し 斜する傾斜面2221を備える。傾斜面2221は軸 向下側から上側へと向かってシャフト22の外 径が小さくなるように傾斜している。

 図7および図8はスラストプレート23の正面 図および底面図である。スラストプレート23 図7に示すように円板状のプレート部231、お よび、プレート部231の中央部から上側に突出 する雄ネジ部232を備える。スラストプレート 23は、雄ネジ部232をシャフト22の雌ネジ223部( 6参照)にねじ込むことによりシャフト22の下 端部に固定される。また、図8に示すように プレート部231は下面にスパイラル形状の溝 集合体であるスラスト動圧溝2311(平行斜線を 付して示す。)を備える。

 図2に示すように、シャフト22およびスラ トプレート23が回転すると、潤滑油はラジ ル間隙261からスリーブ21の下面213とスラスト プレート23の上面との間の第1スラスト間隙262 へと流入する。

 一方、下面213のスラスト動圧溝2131(図5参 )により第1スラスト間隙262にはスラスト動 が発生して第1スラスト動圧軸受部が構成さ る。スラストプレート23と下キャップ242と 間の第2スラスト間隙263にも潤滑油が充填さ ており、スラストプレート23の下面のスラ ト動圧溝2311(図8参照)により第2スラスト間隙 263にはスラスト動圧が発生して第2スラスト 圧軸受部が構成される。

 第1スラスト間隙262および第2スラスト間 263のスラスト動圧によりシャフト22が軸方向 に非接触状態にて支持される。また、スラス トプレート23の外周面とスリーブハウジング2 4の内周面および内側底面との間には、第1ス スト間隙262と第2スラスト間隙263とを連通す る間隙264が設けられ、これらの間隙には潤滑 油が連続して充填されている。

 図9はスリーブハウジング24の略円筒状の ウジング部材241の断面図である。ハウジン 部材241は、スリーブ21の外周面の下部を覆 円筒部2411、および、円筒部2411の上側に位置 し下側から上側に向かって漸次径が増大する 環状の傾斜部2412を備える。環状の傾斜部2412 下端部における内径は円筒部2411の内径より も大きく、円筒部2411と環状の傾斜部2412との には段差部2413が形成されている。

 図10はスリーブハウジング24の下キャップ 242の平面図であり、図11は図10中の矢印Aにて す位置での断面図である。下キャップ242は 略円板状の底部2421、および、円筒状の側部 2422を備える。

 下キャップ242はハウジング部材241の円筒 2411(図9参照)に下側から嵌合されて接着剤に て固定される。

 底部2421は中心軸J1を中心とする環状であ て上側に僅かに突出する凸部2423を備える。 図2に示すように、凸部2423は、スラストプレ ト23の下面との間の間隙を局所的に狭める とにより第2スラスト間隙263におけるスラス 動圧の圧力を高める。

 図11に示すように側部2422の内周面には、 方向に伸びる溝2424が軸方向における2カ所 形成されている。溝2422には、接着剤が保持 れている。側部2422の上端部には3つの爪部24 25が周方向に等間隔に形成されている。

 図2に示すように、スリーブ21はハウジング 材241の円筒部2411の内周面に圧入されて固定 される。そして、スリーブ21の外周面溝2121( 3参照)により、スリーブ21の外周面と円筒部2 411の内周面との間の隙間に、第1スラスト間 262からの潤滑油を上側へと導く流路265が形 される。流路265を、以下外側下部流路265と す
 図12は、略有蓋円筒状の上キャップ25の底面 図であり、図13は図12中の矢印Bにて示す位置 の断面図である。上キャップ25は、環状か 板状の上部251、および、上部251の外周から 側に伸びる円筒部252、を備える。

 図2に示すように、中央の円形の開口部251 1にシャフト22が挿入され、円筒部252にスリー ブ21の上部が圧入される。開口部2511の内径は シャフト22の外径よりも大きく形成され、図1 3に示すように、開口部2511の内周面2513は中心 軸J1に平行に形成される。

 図14は軸受部2の上部を拡大して示す図で る。図12ないし図14に示すように、上キャッ プ25の上部251の下面には4つの円形の突起であ る凸部2512が周方向に等間隔に形成されてい 。

 図14に示すように、凸部2512は、スリーブ2 1の上面211に当接する。なお、凸部2512は、上 ャップ25をプレス加工にて製造する際に、 抜き加工により形成される。

 図12および図13に示すように、円筒部252の 内周面には、4つの凹部2521が周方向に等間隔 形成されている。各凹部2521は、円筒部252の 下端部から上部251の下面まで中心軸J1に平行 伸びる。

 各凹部2521は周方向において2つの凸部2512 中間に位置する。上部251の凸部2512の周方向 の幅は図3に示すスリーブ21の上面溝2111の周 向の幅よりも大きい。これにより、凸部2512 上面溝2111内に嵌りこむことが防止される。 凹部2521はスリーブ21の外周面212に対向する溝 形状に形成され、隣り合う凹部2521の間の部 の周方向の幅は図3に示すスリーブ21の外周 溝2121の幅よりも大きい。これにより、凹部2 521間の部位が外周面溝2121内に嵌りこむこと 防止される。

 図14に示すように、スリーブ21の外周面212 と上キャップ25の円筒部252の内周面との間の 間には、スリーブ21の外周面溝2121および上 ャップ25の内周面の凹部2521により外側上部 路266が形成される。

 スリーブ21の上面211と上キャップ25の上部 251の下面との間の隙間には、間隙2514とスリ ブ21の上面溝2111とにより上側流路267が形成 れる。間隙2514は、キャップ25の凸部2512がス ーブ21の上面211に当接することにより形成 れる。

 潤滑油は外側下部流路265から外側上部流 266に流入し、スリーブ21の外周面212に沿っ 上側へと流れて上側流路267へと流入し、ス ーブ21の上面211に沿って中央のラジアル間隙 261へと流れる。

 図2に示すように、軸受部2内ではラジア 間隙261、第1スラスト間隙262、外側下部流路2 65、外側上部流路266、および、上側流路267に り循環路26が形成される。

 潤滑油は、循環路26内に連続して充填さ てシャフト22の回転による流体動圧の発生に 伴って、ラジアル間隙261の下部に連絡する第 1スラスト間隙262からスリーブ21の外側面212上 の外側下部流路265および外側上部流路266へと 流れる。さらに潤滑油は、外側面212の上端か ら上側流路267を経由して中央のラジアル間隙 261の上部へ流れる。

 一方、上キャップ25の外周には毛細管シ ル部である第1テーパシール部271が形成され 。まら、上キャップ25の内周には毛細管シ ル部である第2テーパシール部272が形成され 。これらの第1テーパシール部271および第2 ーパシール部272により潤滑油が保持される

 図15は第1テーパシール部271および第2テー パシール部272を拡大して示す図である。第1 ーパシール部271は、中心軸J1に対し傾斜した 間隙2712に形成される。間隙2712は、ハウジン 部材241の環状の傾斜部2412の内周面2414と、 状の傾斜部2412の径方向内側に位置する上キ ップ25の円筒部252の外周面と、の間に形成 れる。間隙2712について、以下、第1テーパ間 隙2712と記す。

 第1テーパ間隙2712の間隙寸法は、上側に かって漸次拡大している。第1テーパシール 271では第1テーパ間隙2712により第1テーパ間 2712の下側に向かう毛細管力が発生し、第1 ーパシール部271に保持されている潤滑油は 第1テーパシール部271内の圧力と釣り合う位 に第1界面2711を形成する。第1テーパ間隙2712 の上部には撥油膜が形成され、潤滑油の漏出 が防止される。

 第2テーパシール部272は、ラジアル間隙261 の上側に位置し、中心軸に対し傾斜した間隙 2722に形成される。間隙2722は、シャフト22の 斜面2221と、上キャップ25の開口部2511(図13参 )の内周面2513と、の間に形成される。間隙27 22について、以下、第2テーパ間隙2722と記す

 第2テーパ間隙2722の間隙寸法は、上側に かって漸次拡大している。第2テーパシール 272では第2テーパ間隙2722により第2テーパ間 2722の下側に向かう毛細管力が発生し、第2 ーパシール部272に保持されている潤滑油は 第2テーパシール部272内の圧力と釣り合う位 に第2界面2721を形成する。第2テーパシール 272内に保持される潤滑油は、ラジアル間隙2 61に保持されている潤滑油と連続する。

 第1テーパシール部271の軸方向の長さは、 第2テーパシール部272の軸方向の長さより長 形成されている。従って、第1テーパシール 271においては、第2テーパシール部より多量 の潤滑油を保持することができる。

 シャフト22の傾斜面2221の上側および上キ ップ25の上面には撥油膜が形成され、潤滑 の漏出が防止される。

 図16は、軸受部2の下部の拡大図である。 ウジング部材241は円筒部2411の下端部に折曲 部2415を備える。折曲部2415は、円筒部2411の下 端部からスラストプレート23の外周面に向か て折り曲げられている。また、折曲部2415は 、スリーブ21の外周面と当接する円筒部2411の 内周面より径方向内側に突出している。また 、折曲部2415の内周面2416は、中心軸J1に沿う 向に略平行な円筒面状に形成されており、 周面2416は、スラストプレート23の外周面と 径方向に対向する。また折曲部2415の内周面2 416は、スリーブ21の外周面より径方向内側に 置し、スラストプレート23と対向するスリ ブ21の下面より径方向外側に位置する。

 したがって、内周面2416の内径は、スリー ブ21の外径およびスリーブ21の外周面と当接 る円筒部2411の内径小さく形成される。スラ トプレート23の外径は、スリーブ21の下面の 外縁に設けられた面取部を除く下面の外径よ り僅かに大きく、スラストプレート23の外周 は面取部の下側に位置する。

 ここで、スラストプレート23の外周部と スリーブ21、ハウジング部材241および下キャ ップ242と、の間に形成される間隙264の容積は 、内周面2416の内径とスラストプレート23の外 径との差に依存する。そのため、軸受部2で 、折曲部2415が内側に突出していることによ 折曲部2415が無い場合に比べて間隙264の容積 が縮小できる。

 その結果、軸受部2内に保持される油量を 削減することができ、温度変化による潤滑油 の漏れを抑制できる。特に、スリーブ21が微 孔を多数有する多孔質焼結金属材である場 には、スリーブ21の内部にも潤滑油が含浸 れるため油量が多くなって潤滑油が漏出の 能性が高くなるため、折曲部2415による油量 削減が重要となる。

 また、ハウジング部材241の円筒部2411の下 端部が径方向に厚さを増すことにより、ハウ ジング部材241の剛性を向上することができ、 組立または加工時に部品の形状精度を維持す ることができる。

 一方、軸受部2では、前述のようにハウジ ング部材241に下キャップ242が嵌合され、接着 剤により固定される。下キャップ242とハウジ ング部材241との固定時、下キャップ242とハウ ジング部材241と接合部位からはみ出した接着 剤が軸受部2の内部に進入して軸受性能が低 する場合がある。これを防止するために、 16に示すように、ハウジング部材241の外周面 の下端は中心軸J1を含む面による断面が略円 となる形状を備える。略円弧状となる形状 、以下、R形状と記す。

 また、下キャップ242の底部2421の外縁と側 部2422の下部とが連続する部分の内側の面もR 状に形成されている。折曲部2415の凸状のR 状の曲率半径は下キャップ242の内側の面の 状のR形状の曲率半径より小さい。ただし、 曲部2415の下端と下キャップ242の内底面とが 十分に軸方向に離れている場合は、2つのR形 の曲率半径の大小は重要とはならない。

 折曲部2415のR形状および下キャップ242のR 状、とりわけ折曲部2415のR形状により、折 部2415と下キャップ242の内周面との間に中心 J1に対し傾斜した間隙28が形成される。傾斜 した間隙282を、以下テーパ間隙28と記す。

 なお、折曲部2415の外周面と下キャップ242 の側部2422の下部内周面との間のみならず、 曲部2415のR形状と下キャップ242の内底面との 間の空間も含めてテーパ間隙28と構成しても い。前述のはみ出した接着剤の一部は毛細 力によりテーパ間隙28に安定して保持され スラストプレート23側にはみ出すことが防止 される。

 図17および図18はハウジング部材241を下キ ャップ242に取り付ける工程を示す図である。 図17および図18は、ハウジング部材241の円筒 2411、スリーブ21、シャフト22の下部、スラス トプレート23、および、下キャップ242を拡大 て示している。

 説明の都合上、図17および図18では各部材 の上下方向を図16と同様の向きで示している 、実際の作業ではシャフト22およびスラス プレート23の保持を容易とするために図17お び図18の上側が重力方向における下側とな 。したがって、図17および図18を参照する以 の説明では、下側が重力方向上側であり、 側が重力方向下側となる。

 まず、図17に示すように、下キャップ242 内周面の2つの溝2424より上側(開口側)の位置 全周に渡って嫌気性を有する接着剤8が塗布 される。そして、スラストプレート23の下面 下キャップ242の底部2421の上面とを中心軸J1 沿う方向に対向させ、円筒部2411が下キャッ プ242の側部2422内に挿入されてすきま嵌めさ る。このとき、円筒部2411の下端部である折 部2415の外周のR形状の面が接着剤8に接触し 接着剤244が下側に引き伸ばされる。

 挿入が完了すると、図18に示すように、 キャップ242の側部2422の内周面と円筒部2411の 外周面との間には、引き伸ばされた接着剤が 介在する状態となり、さらに、2つの溝2424に 着剤が保持される。

 また、折曲部2415と下キャップ242の内周面 (凹状のR形状部分が含まれてもよい。)との間 にテーパ間隙28が形成される。そして、テー 間隙28には、はみ出した接着剤8の一部81が 持され、接着剤8の一部81はテーパ間隙28に毛 細管力により安定して保持される。接着剤8 一部81は、テーパ間隙28においてメニスカス に形成される。なお、接着剤8の一部81は、 に潤滑油と接触する。

 このとき、下キャップ242の爪部2425(図11参 照)により、下キャップ242は円筒部2411に一次 定(仮固定)の状態となる。その後、図18の状 態でハウジング部材241および下キャップ242が 所定の時間(例えば、2、3分)だけ保持されて 気性の接着剤8が硬化することにより、ハウ ング部材241に下キャップ242が固定される(二 次固定)。一次固定および二次固定により下 ャップ242は、ハウジング部材241に強固に固 される。

 なお、接着剤8は嫌気性のものには限定さ れず、様々な接着剤を用いることができる。 例えば、熱硬化性、嫌気性および熱硬化性、 あるいは、紫外線硬化性および熱硬化性等で ある。

 以上に説明したように軸受部2では、ハウ ジング部材241と下キャップ242との間のテーパ 間隙28にて接着剤8の一部81を保持することが きる。よって、下キャップ242の取り付け時 接着剤8がスラストプレート23側へと進入す ことを防止することができると共に、軸受 2の歩留まりを向上することができる。

 また、傾斜した間隙に接着剤8を保持する ことにより、下キャップ242をハウジング部材 241に強固に固定することができる。また、接 着剤により、ハウジング部材241と下キャップ 242との間の隙間の封止を確実に行うことがで きるので、軸受部2の外部に潤滑油が漏れる とを防止でき軸受部2の信頼性を高めること できる。

 接着剤8の一部81は軸受部2内に保持される ため、軸受部2内の油量を削減することがで る。さらに、接着工程において溝2424が接着 8を保持することにより、ハウジング部材241 と下キャップ242との接合部位において接着剤 8を周方向に均一に行き渡らせることができ 。

 図19は、折曲部2415を備えるハウジング部 241の製造の概要を説明するための図である なお、ハウジング部材241を形成する部材の 部を二点鎖線にて示している。

 ハウジング部材241の加工前の元部材は平 であり、まず、元部材をプレス加工にて伸 しつつ折り曲げることにより、ハウジング 材241の円筒部2411および環状の傾斜部2412を 形する。

 次に、円筒部2411の底部を閉塞する円板状 の部位91が打抜加工により切断される。部位9 1が切断される位置は円筒部2411の内周面より かに内側の部位であり、中心軸に平行に切 される。これにより、円筒面状の切断面で る内周面2416を備える折曲部2415が形成され 。内周面2416は径方向内側に突出する。

 さらに、ハウジング部材241を環状の傾斜 2412の外縁から僅かに外側の位置にて外側の 部位92から打抜加工で切断することにより、 ウジング部材241の形状が形作られる。

 なお、本実施の形態では元部材としてSPCE が使用され、ハウジング部材の形状が成形さ れた後にニッケルメッキを施してハウジング 部材241が得られる。ハウジング部材の元部材 としては、ステンレス鋼(磁性であっても非 性であってもよい。)、アルミニウム、アル ニウム合金、銅合金、SPCC、SPCD等が採用さ てもよい。

 以上に説明したように、板状の元部材の レス加工による折り曲げおよび切断により コストにて折曲部2415を有するハウジング部 材241を製造することができ、低コストにて油 量の削減を実現できる。また、プレス加工の 際の切断により内周面2416が形成されるため さらにコストの削減ができる。

 図20は、軸受部2の他の例を示す図である 図20に示す軸受部2aでは図2に示す軸受部2と べて、上キャップ25が無く、ハウジング部 241の上部の環状テーパ部とスリーブ21の外周 面との間に第1テーパシール部271が形成され 。

 また、シャフト22には環状凹部222が形成 れておらず、スリーブ21の内周面の上端部に 中心軸J1に対して傾斜するテーパ面214が形成 れる。また、シャフト22の外周面とテーパ 214との間の中心軸に対し傾斜した間隙に第2 ーパシール部272が形成される。

 第1テーパシール部271と第2テーパシール 272との間には、これらのテーパシール部を 絡する連通路215がスリーブ21の内部に形成さ れる。軸受部2aの他の構成は図2の軸受部2と 様であり、同様の構成に同符号を付してい 。

 軸受部2aのように、上キャップ25が無くても シャフト22の外周面とスリーブ21
の内周面との間のラジアル間隙261の上側に、 第2テーパシール部272を形成することができ 。第2テーパシール部272には、ラジアル間隙2 61から連続する潤滑油が保持される。

 また、軸受部2aには、ハウジング部材241 下部に折曲部2415が形成されており、スラス プレート23の周囲の領域において油量を削 することができる。

 以上、本発明の各実施形態について説明 てきたが、本発明は上記実施形態に限定さ るものではなく、様々な変形が可能である

 例えば、図16に示すスラストプレート23の 外周面は、スリーブ21の下面の外縁に設けら た面取部と軸方向に対向しないよう構成す ことが可能である。この場合、回転時のロ トルクを減少することができる。

 また、スラストプレート23とシャフト22と は単一部材から構成されてもよい。

 また、図2の軸受部2において、シャフト22 に傾斜面2221(図6参照)を設けることに代えて 上キャップの開口部の内周面に中心軸J1に対 して傾斜する傾斜面を形成しても良い。この 場合、シャフト22の外周面と上キャップ25の 口部2511の内周面との間に第2テーパシール部 272が形成される。

 さらに、第1テーパシール部271やスリーブ 21の外周面の流路が省略されて潤滑油の循環 行われず、潤滑油が第2テーパシール部のみ により保持されてもよい。この場合、ハウジ ング部材はスリーブの外周面の全体を覆って もよい。すなわち、ハウジング部材は略円筒 状の部材から構成され、スリーブの外周面の うち少なくとも下部を覆う。

 図2に示すラジアル間隙261において、シャ フト22に形成されたラジアル動圧溝221(図6参 )に代えて、スリーブ21の内周面にラジアル 圧溝が形成されてもよい。また、第1スラス 間隙262において、スリーブ21の下面213に形 されたスラスト動圧溝2131(図5参照)に代えて スラストプレート23の上面にスラスト動圧 が形成されてもよい。また、第2スラスト間 263において、スラストプレート23の下面に 成されたスラスト動圧溝2311(図8参照)に代え 、スリーブハウジング24の底面にスラスト 圧溝が形成されてもよい。

 図1のモータ1はアウタロータ型のモータ 限定されず、インナロータ型のモータであ てもよい。モータ1は記録ディスク駆動装置 外の用途に用いられてもよい。

 ハウジング部材は、元部材を鍛造加工す ことによって成形されてもよい。