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Patent Searching and Data


Title:
FLUID MACHINE AND REFRIGERATION CYCLE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142014
Kind Code:
A1
Abstract:
A fluid machine (110) is comprised of a power recovery mechanism (105) which recovers power from the working fluid, a sub-compressor (102) which is driven by the recovered power, and a shaft (12) which links the power recovery mechanism (105) and the sub-compressor (102) so that the recovered power is transmitted from the power recovery mechanism (105) to the sub-compressor (102). In the power recovery mechanism (105), a first intake port (26) and a second intake port (27) are provided to open and close accompanying the rotation of a piston (21) and let the working fluid flows into a working chamber (23a) on the high pressure side. The second intake port (27) is provided at a position facing the first intake port (26) with respect to the axial direction of the shaft (12).

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Inventors:
WADA MASANOBU
HASEGAWA HIROSHI
MATSUI MASARU
TAGUCHI HIDETOSHI
SAKIMA FUMINORI
Application Number:
PCT/JP2009/002231
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 20, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
WADA MASANOBU
HASEGAWA HIROSHI
MATSUI MASARU
TAGUCHI HIDETOSHI
SAKIMA FUMINORI
International Classes:
F01C1/356; F01C20/10; F01C13/04; F25B1/04
Domestic Patent References:
WO2008050654A12008-05-02
Foreign References:
JP2001012201A2001-01-16
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, KOICHI (JP)
Koichi Kamata (JP)
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Claims:
 作動流体から動力を回収する動力回収機構と、
 前記回収された動力で駆動される副圧縮機と、
 前記回収された動力が前記動力回収機構から前記副圧縮機に伝達されるように、前記動力回収機構と前記副圧縮機とを連結しているシャフトと、を備え、
 前記動力回収機構は、
 (a1)第1閉塞部材と、
 (b1)前記第1閉塞部材に対向する第2閉塞部材と、
 (c1)前記シャフトの一部を周方向に囲んでいるとともに、前記第1閉塞部材と前記第2閉塞部材とにより両端が閉塞されたシリンダと、
 (d1)前記シリンダ内において前記シャフトに取り付けられ、自身の外周面と前記シリンダの内周面との間に作動室を形成するピストンと、
 (e1)前記作動室を高圧側の作動室と低圧側の作動室とに仕切る仕切部材と、
 (f1)前記ピストンの回転に伴って開閉して前記高圧側の作動室に作動流体が流入するように、前記第1閉塞部材に設けられた第1吸入口と、
 (g1)前記ピストンの回転に伴って開閉して前記高圧側の作動室に作動流体が流入するように、前記シャフトの軸方向に関して前記第1吸入口と向かい合う位置であって前記第2閉塞部材に設けられた第2吸入口と、を含む、流体機械。
 前記動力回収機構が、さらに、
 (h1)前記ピストンの回転に伴って開閉して前記低圧側の作動室から作動流体が流出するように、前記第1閉塞部材に設けられた第1吐出口と、
 (i1)前記ピストンの回転に伴って開閉して前記低圧側の作動室から作動流体が流出するように、前記軸方向に関して前記第1吐出口と向かい合う位置であって前記第2閉塞部材に設けられた第2吐出口を含む、請求項1に記載の流体機械。
 前記第1吐出口が、前記第2吐出口の開口形状と同じ開口形状を有する、請求項2に記載の流体機械。
 前記第1吐出口が、前記第2吐出口の開口面積に等しい開口面積を有する、請求項2または3に記載の流体機械。
 前記第1吸入口が、前記第2吸入口の開口形状と同じ開口形状を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の流体機械。
 前記第1吸入口が、前記第2吸入口の開口面積に等しい開口面積を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の流体機械。
 前記動力回収機構は、当該動力回収機構の外部から、前記第1吸入口および前記第2吸入口のそれぞれを経て、前記高圧側の作動室へと作動流体を供給するための吸入経路をさらに含み、
 前記吸入経路が、(i)前記第2閉塞部材の外周面から前記シャフトの中心に向かって延びている共通吸入経路と、(ii)前記共通吸入経路から前記第1吸入口を経て前記高圧側の作動室へと作動流体を供給しうるように、前記共通吸入経路から分岐するとともに前記シリンダを前記軸方向に貫いて前記第1吸入口に至る第1吸入経路と、(iii)前記共通吸入経路から前記第2吸入口を経て前記高圧側の作動室へと作動流体を供給しうるように、前記シャフトの径方向に関して前記第1吸入経路よりも内側において前記共通吸入経路から分岐するとともに前記軸方向に延びて前記第2吸入口に至る第2吸入経路と、を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の流体機械。
 前記第1吸入経路が、前記第2吸入経路の断面積よりも大きい断面積を有する、請求項7に記載の流体機械。
 前記副圧縮機が、
 (a2)前記下閉塞部材と、
 (b2)前記下閉塞部材に対向する上閉塞部材と、
 (c2)前記シャフトの一部を周方向に囲んでいるとともに、前記下閉塞部材と前記上閉塞部材とにより両端が閉塞された第2シリンダと、
 (d2)前記第2シリンダ内において前記シャフトに取り付けられ、自身の外周面と前記第2シリンダの内周面との間に作動室を形成する第2ピストンと、
 (e2)前記作動室を低圧側の作動室と高圧側の作動室とに仕切る第2仕切部材と、
 (f2)前記第2ピストンの回転に伴って開閉して前記低圧側の作動室に作動流体が流入するように、前記下閉塞部材に設けられた第1吸入口と、
 (g2)前記第2ピストンの回転に伴って開閉して前記低圧側の作動室に作動流体が流入するように、前記シャフトの軸方向に関して前記第1吸入口と向かい合う位置であって前記上閉塞部材に設けられた第2吸入口とを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の流体機械。
 前記副圧縮機が、さらに、
 (h2)前記第2ピストンの回転に伴って開閉して前記高圧側の作動室から作動流体が流出するように、前記下閉塞部材に設けられた第1吐出口と、
 (i2)前記第2ピストンの回転に伴って開閉して前記高圧側の作動室から作動流体が流出するように、前記軸方向に関して前記第1吐出口と向かい合う位置であって前記上閉塞部材に設けられた第2吐出口を含む、請求項9に記載の流体機械。
 前記動力回収機構、前記副圧縮機および前記シャフトを収容している密閉容器をさらに備え、
 前記動力回収機構の前記第1閉塞部材を前記副圧縮機の前記下閉塞部材として共用するように、前記動力回収機構と前記副圧縮機とが前記軸方向に隣接して前記密閉容器内に配置されている、請求項9または10に記載の流体機械。
 冷媒が循環する冷媒回路を備えた冷凍サイクル装置であって、
 前記冷媒回路は、
  請求項1~11のいずれか1項に記載の流体機械と、
  前記流体機械における副圧縮機で予備圧縮された冷媒をさらに圧縮する主圧縮機と、
  前記主圧縮機により圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、
  前記流体機械における動力回収機構から吐出された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
を有する、冷凍サイクル装置。
Description:
流体機械および冷凍サイクル装

 本発明は、流体機械および冷凍サイクル 置に関する。

 一般的に、冷凍サイクル装置の冷媒回路 、圧縮機、放熱器、膨張弁および蒸発器が に接続された構成を有している。冷媒は、 張弁において高圧から低圧へと膨張を伴い がら変化し、その際に、内部エネルギーを 出する。冷媒回路の低圧側(蒸発器側)と高 側(放熱器側)との間の圧力差が大きくなれば なるほど、放出される内部エネルギーが大き くなるため、冷凍サイクルのエネルギー効率 は低下する。このような問題に鑑み、冷媒の 内部エネルギーを回収する技術が種々提案さ れている。

 図8は、特開2004-324595号公報および国際公 2008/050654号公報に開示されている、従来の 凍サイクル装置501の構成図である。冷凍サ クル装置501は、放熱器502、動力回収手段503( 張機)、蒸発器504、容積型ブロワ505(副圧縮 )および主圧縮機506が順に接続されてなる冷 回路を備えている。流体機械507は、動力回 手段503、容積型ブロワ505、シャフト508およ これらを収容する密閉容器509を備えている 動力回収手段503で回収された動力が容積型 ロワ505に伝達されるように、動力回収手段5 03および容積型ブロワ505がシャフト508で互い 連結されている。動力回収手段503で冷媒か 放出された内部エネルギーの一部は、シャ ト508のトルクに変換されて容積型ブロワ505 伝達され、容積型ブロワ505を駆動するため 動力として利用される。容積型ブロワ505は 主圧縮機506に吸入される前の冷媒を予備的 昇圧する。

 特開2004-324595号公報には、流体機械507の 動(自立起動)について、次のように記載され ている。主圧縮機506を起動すると、最初に、 容積型ブロワ505の吐出管内に負圧が発生する 。すると、シャフト508を回転させるトルクが 発生する。次いで、動力回収手段503の吸入管 内に正力が発生し、これにより、動力回収手 段503が回転する。

 しかし、電動機によって起動力を受ける 圧縮機506とは異なり、流体機械507は、容積 ブロワ505の吐出管内の負圧あるいは動力回 手段503の吸入管内の正圧からしか起動力を けない。そのため、十分な起動力を確保で ない可能性がある。

 流体機械507の具体例は、国際公開2008/05065 4号公報に開示されている。図9は、国際公開2 008/050654号公報に開示された流体機械におけ 動力回収手段の断面図である。動力回収手 503は、シリンダ510、ピストン513およびベー 511を備えている。冷媒は、吸入管514を通じ 作動室515に流入し、シャフト508の回転に伴 て、吐出管516を通じて動力回収手段503の外 に流出する。この動力回収手段503によると ピストン513が吸入口517に重なって停止した 合、次回の起動時に、吸入管514内に発生し 正圧で端板(シリンダ510を閉じている部材)に 向けてピストン513が押される。つまり、起動 時におけるピストン513と端板との間の摩擦が 比較的大きい。そのため、ピストン513を回転 させるのに余計なトルクが必要となる。この ことは、流体機械507の円滑な起動にとって好 ましくない。

特開2004-324595号公報

国際公開2008/050654号公報

 本発明は、上記問題に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、円滑な 動を行なうのに適した流体機械を提供する とにある。さらに、本発明は、その流体機 を用いた冷凍サイクル装置を提供する。

 すなわち、本発明は、
 作動流体から動力を回収する動力回収機構 、
 前記回収された動力で駆動される副圧縮機 、
 前記回収された動力が前記動力回収機構か 前記副圧縮機に伝達されるように、前記動 回収機構と前記副圧縮機とを連結している ャフトと、を備え、
 前記動力回収機構は、
 (a1)第1閉塞部材と、
 (b1)前記第1閉塞部材に対向する第2閉塞部材 、
 (c1)前記シャフトの一部を周方向に囲んでい るとともに、前記第1閉塞部材と前記第2閉塞 材とにより両端が閉塞されたシリンダと、
 (d1)前記シリンダ内において前記シャフトに 取り付けられ、自身の外周面と前記シリンダ の内周面との間に作動室を形成するピストン と、
 (e1)前記作動室を高圧側の作動室と低圧側の 作動室とに仕切る仕切部材と、
 (f1)前記ピストンの回転に伴って開閉して前 記高圧側の作動室に作動流体が流入するよう に、前記第1閉塞部材に設けられた第1吸入口 、
 (g1)前記ピストンの回転に伴って開閉して前 記高圧側の作動室に作動流体が流入するよう に、前記シャフトの軸方向に関して前記第1 入口と向かい合う位置であって前記第2閉塞 材に設けられた第2吸入口と、を含む、流体 機械を提供する。

 上記本発明によれば、動力回収機構が、 1吸入口と、第1吸入口と向かい合う位置に けられた第2吸入口とを備えている。そのた 、吸入管内に生じた正圧が、第1および第2 入口を通じて、ピストンの上面および下面 両方に作用する。つまり、ピストンを閉塞 材に向けて押す力が相殺される。したがっ 、本発明によれば、円滑な起動を行なうの 適した流体機械を提供できる。場合によっ は、電動機などの補助駆動装置の助けも不 である。

本発明の一実施形態に係る冷凍サイク 装置の構成図 図1に示す流体機械の縦断面図 図2Aの切断角度とは別の切断角度での 流体機械の縦断面図 動力回収機構に設けられた吸入経路の 大断面図 図2に示す流体機械のD1-D1線に沿った横 面図 動力回収機構の動作原理図 図2に示す流体機械のD2-D2線に沿った横 面図 副圧縮機の動作原理図 従来の冷凍サイクル装置の構成図 従来の膨張機の横断面図

 以下、本発明の実施形態について、図面 参照しながら説明する。ただし、本発明は 以下の実施形態に限定されるものではない

 本実施形態では、その特性上、通常は非 縮性の作動流体に対してのみ用いられる流 圧モータを、圧縮性の冷媒を作動流体とし 用いる冷凍サイクル装置の動力回収機構お び副圧縮機として使用している。これによ 、冷凍サイクル装置の運転のエネルギー効 を向上している。

 本明細書において、「流体圧モータ」と 、吸入側の作動流体(典型的には冷媒)の圧 と吐出側の作動流体の圧力との間の圧力差 よって回転し、吸入した作動流体を体積変 させることなく吐出行程を開始するモータ いう。吸入側の作動流体の圧力とは、流体 モータに吸入されるべき作動流体の圧力を 味する。吐出側の作動流体の圧力とは、流 圧モータから吐出された作動流体の圧力を 味する。詳細には、流体圧モータは、吐出 程の開始までは、作動流体を体積変化させ いモータをいう。なお、吐出行程の開始後 換言すれば、流体圧モータの内部が吐出経 と連通した後は、流体圧モータの内部が減 または昇圧され、作動流体が膨張する、ま は圧縮される。

 本明細書で開示する技術は、二酸化炭素 どの高圧側で超臨界状態となる冷媒を用い 冷凍サイクル装置に特に有効なものである 高圧側で超臨界状態となる冷媒を用いた場 、放熱器の出口における冷媒の密度と蒸発 の入口における冷媒の密度との比で表され 冷媒の膨張率は非常に小さい。この種の冷 が膨張時に放出するエネルギーは、圧力降 に基づいて放出される内部エネルギーが大 分を占める。比容積の増加に基づいて放出 れる内部エネルギーは僅かであり、それは 場合によっては過膨張損失よりも小さくな 。したがって、比容積の増加に基づいて放 される内部エネルギーの回収をあえて断念 、過膨張損失の発生を防止できる構成を採 した方が、放出される内部エネルギーの全 の回収を試みた構成よりもエネルギー回収 率の面で有利となりうる。

 また、本実施形態では、動力回収機構お び副圧縮機として使用する流体圧モータは 冷媒を吸入する吸入行程と、その吸入した 媒を吐出する吐出行程とを実質的に連続し 行うものである。具体的には、吸入口と吐 口とが同時に閉じられる期間が実質的にな 、すなわち、実質的に全期間にわたって吸 口と吐出口とのうち少なくとも一方が開く

 このため、圧力脈動の発生が抑制される したがって、吸入経路を構成する吸入管等 冷凍サイクル装置の構成部材の破損、トル 変動による流体圧モータの回転の不安定化 振動および騒音の発生、といった問題が表 化しにくい。なお、「吸入口と吐出口とが 時に閉じられる期間が実質的にない」とは 流体圧モータのトルク変動が生じない程度 おいて瞬間的に吸入口と吐出口とが同時に じられることを含む概念である。

 さらに、冷媒回路は、下記の如く、動力 収機構から吐出された冷媒の少なくとも一 が気相となるように構成されている。冷媒 一部が気相となって圧縮性を獲得すること より、間欠的な冷媒吐出によって生じる吐 流速の変動に起因する水撃力が緩和される この結果、動力回収機構のスムーズな起動 可能になるとともに、振動および騒音も低 できる。

 以下、本実施形態に係る冷凍サイクル装 について、図1~7を参照しながら詳細に説明 る。

 図1に示すように、冷凍サイクル装置101は 、主圧縮機103と、放熱器104と、動力回収機構 105と、蒸発器106と、副圧縮機102と、を有する 冷媒回路109を備えている。冷媒回路109には、 作動流体として、二酸化炭素やハイドロフル オロカーボン等の冷媒が充填されている。二 酸化炭素のように冷凍サイクルの高圧側で超 臨界状態となる冷媒を使用する場合に、本発 明が特に優れた効果を発揮する。

 主圧縮機103は、圧縮機構103a(圧縮機本体) 、圧縮機構103aに接続された電動機108と、圧 縮機構103aおよび電動機108を収納する密閉容 160と、を備えている。圧縮機構103aは、電動 108により駆動される。圧縮機構103aは、冷媒 回路109内を循環する冷媒を高温高圧に圧縮す る。主圧縮機103として、スクロール圧縮機や ロータリ圧縮機のような容積型圧縮機を使用 できる。

 放熱器104は、主圧縮機103に接続されてい 。放熱器104は、主圧縮機103により圧縮され 冷媒を放熱させる。言い換えれば、放熱器1 04は冷媒を冷却する。放熱器104により冷却さ た冷媒は中温高圧になる。

 動力回収機構105は、放熱器104に接続され いる。動力回収機構105は、流体圧モータに り構成されている。具体的に、動力回収機 105は、放熱器104からの冷媒を吸入する行程 、その吸入した冷媒を吐出する行程と、を 質的に連続して行う。すなわち、動力回収 構105は、放熱器104で中温高圧に変化した冷 を吸入し、実質的に体積変化させることな 蒸発器106側に吐出する。ここで、主圧縮機1 03により、動力回収機構105を挟んで放熱器104 が比較的高圧となっており、蒸発器106側が 較的低圧となっている。このため、動力回 機構105に吸入された冷媒は動力回収機構105 ら吐出されるときに膨張し、低圧となる。

 蒸発器106は、動力回収機構105に接続され いる。蒸発器106は、動力回収機構105からの 媒を加熱して蒸発させる。

 副圧縮機102は、冷媒回路109において、蒸 器106と主圧縮機103との間に配置されている 副圧縮機102は、シャフト12によって動力回 機構105に連結されている。副圧縮機102は、 力回収機構105により回収された動力により 動される。副圧縮機102は、動力回収機構105 同様に流体圧モータにより構成されている 副圧縮機102は、蒸発器106からの冷媒を吸入 る行程と、その吸入した冷媒を主圧縮機103 に吐出する行程と、を実質的に連続して行 。副圧縮機102は、蒸発器106からの冷媒を吸 し、実質的に体積変化させることなく主圧 機103側に吐出する。蒸発器106からの冷媒は 副圧縮機102から吐出されることによって予 的に圧縮される。予備的に圧縮された冷媒 主圧縮機103によってさらに圧縮されて再び 温高圧となる。

 冷凍サイクル装置101は、また、バイパス 路107aを備えている。バイパス回路107aは、 圧縮機102を迂回しているとともに、蒸発器10 6の出口と主圧縮機103の入口とを接続してい 。バイパス回路107aにはバイパス弁107bが設け られている。通常の運転時には、副圧縮機102 による過給効果(予備圧縮効果)が得られるよ に、バイパス弁107bは閉じられている。冷凍 サイクル装置101の起動時に、バイパス弁107b 開く。バイパス弁107bを開くと、動力回収機 105の入口と出口との間に比較的大きい圧力 を生じさせることができる。その結果、冷 サイクル装置101を円滑に起動しやすくなる

 図2Aに示すように、動力回収機構105(第1流 体機構)と副圧縮機102(第2流体機構)とは、ひ つの流体機械110を構成している。流体機械11 0は、冷凍機油により満たされた密閉容器111 有している。動力回収機構105と副圧縮機102 は、この密閉容器111内に配置されている。 れにより、冷凍サイクル装置101のコンパク 化が図られている。

 流体機械110には、バランスウエイト152が けられている。具体的には、シャフト12の 端部に、バランスウエイト152がそれぞれ取 付けられている。バランスウエイト152は、 ャフト12の中心軸周りの重量ばらつきを低減 する役割を担う。密閉容器111には、均油管163 の一端が接続されている。この均油管163の他 端は、主圧縮機103の密閉容器160に接続されて いる。本実施形態において、流体機械110は電 動機を有していない。

(動力回収機構105の構成)
 動力回収機構105は、密閉容器111内の下部に 置されている。本実施形態では、動力回収 構105がロータリ式の流体圧モータによって 成されている例について説明する。ただし 動力回収機構105がロータリ式の流体圧モー に限定されるわけではない。動力回収機構1 05が固有の容積比を有する膨張機、例えば、 ータリ膨張機やスクロール膨張機で構成さ ていてもよい。

 動力回収機構105は、第1閉塞部材115と、第 2閉塞部材113とを備えている。第1閉塞部材115 第2閉塞部材113とは、相互に対向している。 第1閉塞部材115と第2閉塞部材113との間には、 1シリンダ22が配置されている。第1シリンダ 22は略円筒形の内部空間を有する。その第1シ リンダ22の内部空間は、第1閉塞部材115と第2 塞部材113とによって閉塞されている。第1閉 部材115および第2閉塞部材113は、それぞれ、 第1シリンダ22の上下に位置している。

 シャフト12は、第1シリンダ22内を第1シリ ダ22の軸方向に貫通している。第1シリンダ2 2は、シャフト12の一部を周方向に囲んでいる 。シャフト12は第1シリンダ22の中心軸上に配 されている。シャフト12は、第2閉塞部材113 、後述する第3閉塞部材114とによって支持さ れている。シャフト12には、シャフト12を軸 向に貫通する給油孔12aが形成されている。 の給油孔12aを経由して、密閉容器111内の冷 機油が、副圧縮機102や動力回収機構105の軸 や隙間等に供給される。なお、シャフト12は 、単一の部品で構成されていてもよいし、複 数の部品で構成されていてもよい。

 第1ピストン21は、第1シリンダ22の内周面 第1閉塞部材115と第2閉塞部材113とにより形 された略円筒形状の内部空間内に配置され いる。第1ピストン21は、シャフト12の中心軸 に対して偏心した状態でシャフト12に取り付 られている。具体的には、シャフト12は、 ャフト12の中心軸と異なる中心軸を有する偏 心部12bを備えている。この偏心部12bに筒状の 第1ピストン21がはめ込まれている。このため 、第1ピストン21は、第1シリンダ22の中心軸に 対して偏心している。したがって、第1ピス ン21は、シャフト12の回転に伴って偏心回転 る。

 第1ピストン21の外周面と第1シリンダ22の 周面と第1閉塞部材115と第2閉塞部材113とに り、第1シリンダ22内に第1作動室23が形成さ ている(図4も参照)。第1作動室23は、第1ピス ン21がシャフト12と共に回転しても容積が実 質的に不変である。

 図4に示すように、第1シリンダ22には、第 1作動室23に開口する線条の溝22aが形成されて いる。この線条溝22aには、板状の第1仕切部 24が摺動自在に挿入されている。第1仕切部 24と線条溝22aの底部との間には、付勢手段25 配置されている。この付勢手段25によって 第1仕切部材24は第1ピストン21の外周面に向 て押しつけられている。これにより、第1作 室23は、2つの空間に区画されている。具体 に、第1作動室23は、高圧側の吸入作動室23a 、低圧側の吐出作動室23bとに区画されてい 。

 なお、付勢手段25は、例えば、ばねによ て構成することができる。具体的に、付勢 段25は、圧縮コイルばねであってもよい。

 また、付勢手段25は、所謂ガスばね等で ってもよい。すなわち、第1仕切部材24が、 1仕切部材24の背面空間の体積を縮小する方 にスライドしたときに、その背面空間内の 力が、第1作動室23の圧力よりも高くなり、 の圧力差によって第1仕切部材24が第1ピスト 21に向かって押されるようにしてもよい。 えば、第1仕切部材24の背面空間を密閉空間 し、背面空間の体積が第1仕切部材24の後退 より減少したときに第1仕切部材24に反力が わるようにしてもよい。勿論、付勢手段25を 、圧縮コイルばねやガスばね等の複数種類の ばねにより構成してもよい。なお、第1作動 23の圧力とは、吸入作動室23aの圧力と吐出作 動室23bの圧力との平均圧力をいうものとする 。背面空間とは、第1仕切部材24の後端と線条 溝22aの底部との間に形成される空間をいう。

 図2Aに示すように、第1閉塞部材115には、 1ピストン21の回転に伴って開閉して吸入作 室23aに冷媒が流入するように、第1吸入口26 設けられている。同様に、第2閉塞部材113に は、第1ピストン21の回転に伴って開閉して吸 入作動室23aに冷媒が流入するように、シャフ ト12の軸方向に関して第1吸入口26と向かい合 位置に第2吸入口27が設けられている。つま 、動力回収機構105は、2つの吸入口26および2 7を備えている。第1ピストン21が吸入口26およ び27に重なって停止しても、次の起動時にお て、第1ピストン21の上面および下面の両方 正圧が作用する。これにより、第1ピストン 21が閉塞部材115または113に向けて強く押され のを回避でき、ひいては冷凍サイクル装置1 01の円滑な起動が可能となる。さらに、通常 運転時においても、第1ピストン21の上面お び下面の両方に冷媒の圧力が作用する。そ ため、第1ピストン21と閉塞部材115または113 の間の摺動損失が低減し、動力回収機構105 効率が改善する。

 具体的に、動力回収機構105は、当該動力 収機構105の外部(放熱器104)から、第1吸入口2 6および第2吸入口27のそれぞれを経て、吸入 動室23aへと冷媒を供給するための吸入経路53 を含む。この吸入経路53は、共通吸入経路40 第1吸入経路51および第2吸入経路52で構成さ ている。第1吸入経路51の終端に第1吸入口26 位置し、第2吸入経路52の終端に第2吸入口27 位置している。また、動力回収機構105は、 閉容器111の外部から吸入経路53に冷媒を導く 吸入管28を備えている。

 共通吸入経路40は、第2閉塞部材113に形成 れており、第2閉塞部材113の外周面からシャ フト12の中心に向かって延びている太い経路 ある。この共通吸入経路40に、吸入管28が直 接に接続されている。第1吸入経路51は、共通 吸入経路40から第1吸入口26を経て吸入作動室2 3aへと冷媒を供給しうるように、共通吸入経 40から分岐するとともに第1シリンダ22を軸 向に貫いて第1吸入口26に至っている。第2吸 経路52は、共通吸入経路40から第2吸入口27を 経て吸入作動室23aへと冷媒を供給しうるよう に、シャフト12の径方向に関して第1吸入経路 51よりも内側において共通吸入経路40から分 するとともに軸方向に延びて第2吸入口27に っている。このような構造によれば、吸入 28の本数を増やすことなく、2つの吸入口26お よび27を設けることができる。

 詳細には、第1吸入経路51は、第2閉塞部材 113に形成された部分と、第1シリンダ22に形成 された部分と、第1閉塞部材115に形成された 分とを含む。軸方向に関して、第1吸入経路5 1は、作動室23の下側から上側に回り込んでい る。つまり、第1吸入経路51は、かぎ形の断面 プロファイルを示している。

 なお、第1吸入経路51の長さを第2吸入経路 52の長さに等しくするために、共通吸入経路4 0を第1シリンダ22に設ける構成も考えられる しかし、作動室23の容積が小さい場合には、 第1シリンダ22の肉厚も薄いため、共通吸入経 路40を第1シリンダ22内に設けることができな 。このような場合に、本実施形態の構成が 効である。このことは、後述する吐出経路 も当てはまる。

 次に、図2Bに示すように、第1閉塞部材115 は、第1ピストン21の回転に伴って開閉して 出作動室23bから冷媒が流出するように、第1 吐出口29(第1流出口)が設けられている。同様 、第2閉塞部材113には、第1ピストン21の回転 に伴って開閉して吐出作動室23bから冷媒が流 出するように、軸方向に関して第1吐出口29と 向かい合う位置に第2吐出口30(第2流出口)が設 けられている。つまり、動力回収機構105は、 2つの吐出口29および30を備えている。第1ピス トン21が吐出口29および30に重なって停止して も、次の起動時において、第1ピストン21の上 面および下面の両方に負圧が作用する。これ により、第1ピストン21が閉塞部材115または113 に向けて強く引き付けられるのを回避できる ので、冷凍サイクル装置101を円滑に起動しや すくなる。さらに、通常の運転時においても 、第1ピストン21の上面および下面の両方に冷 媒の圧力が作用する。そのため、第1ピスト 21と閉塞部材115または113との間の摺動損失が 低減し、動力回収機構105の効率が改善する。

 具体的に、動力回収機構105は、吐出作動 23bから当該動力回収機構105の外部(蒸発器106 )へと、第1吐出口29および第2吐出口30のそれ れを経て、冷媒を導くための吐出経路58を含 む。この吐出経路58は、共通吐出経路55と、 1吐出経路56および第2吐出経路57で構成され いる。第1吐出経路56の始端に第1吐出口29が 置し、第2吐出経路57の始端に第2吐出口30が 置している。また、動力回収機構105は、吐 経路58から密閉容器111の外部に冷媒を導く吐 出管31を備えている。冷凍サイクル装置101の 動時において、バイパス弁107bを開いて主圧 縮機103を作動させると、吐出経路58内に負圧 発生する。

 共通吐出経路55は、第2閉塞部材113に形成 れており、第2閉塞部材113の外周面からシャ フト12の中心に向かって延びている太い経路 ある。この共通吐出経路55に、吐出管31が直 接に接続されている。第1吐出経路56は、吐出 作動室23bから第1吐出口29を経て共通吐出経路 55へと冷媒を導くように、第1吐出口29から外 きに延びるとともに第1シリンダ22を軸方向 貫いて共通吐出経路55に合流している。第2 出経路57は、吐出作動室23bから第2吐出口30 経て共通吐出経路55へと冷媒を導くように、 第2吐出口30から軸方向に延びるとともにシャ フト12の径方向に関して第1吐出経路56よりも 側において共通吐出経路55に合流している このような構造によれば、吐出管31の本数を 増やすことなく、2つの吐出口29および30を設 ることができる。

 詳細には、第1吐出経路56は、第1閉塞部材 115に形成された部分と、第1シリンダ22に形成 された部分と、第2閉塞部材113に形成された 分とを含み、作動室23の上側から下側に回り 込んでいる。つまり、第1吐出経路56は、かぎ 形の断面プロファイルを示している。

 図4に示すように、第1仕切部材24に隣接し ている領域において、吸入経路53が吸入作動 23aに向かって開口している。詳細には、図2 Aを参照して説明した第1吸入経路51および第2 入経路52が、それぞれ、吸入作動室23aに向 って開口している。

 第2吸入口27は、吸入作動室23aの第1仕切部 材24と隣接する部分から吸入作動室23aの広が 方向に円弧状に延びる略扇状に形成されて る。第2吸入口27は、第1ピストン21が上死点 位置するときにおいてのみ、第1ピストン21 よって完全に閉鎖される。そして、第1ピス トン21が上死点に位置する瞬間を除いた全期 にわたって、第2吸入口27の少なくとも一部 吸入作動室23aに露出している。具体的には 平面視において、第2吸入口27の外側端辺27a 、上死点に位置する第1ピストン21の外周面 沿った円弧状に形成されている。言い換え ば、外側端辺27aは、第1ピストン21の外周面 略同一の半径の円弧状に形成されている。 お、「外側端辺」とは、シャフト5の径方向 の外側に位置している端辺を意味する。「上 死点」とは、ベーンがベーン溝内に最も奥ま で押し込まれた状態における、ピストンの位 置を意味する。

 図4に示されていないが、第1吸入口26は、 第2吸入口27の開口形状と同じ開口形状を有し ている。さらに、第1吸入口26は、第2吸入口27 の開口面積に等しい開口面積を有する。この ような構成によれば、第1ピストン21の上面に 作用する力で、下面に作用する力を効果的に 相殺できる。

 第1吸入口26から吸入作動室23aに流入する 媒の圧力は、第2吸入口27から吸入作動室23a 流入する冷媒の圧力に略等しい。そのため 軸方向に関して、第1吸入口26と第2吸入口27 が完全に重なり合う場合には、第1ピストン 21と第1吸入口26との重なり面積が、第1ピスト ン21と第2吸入口27との重なり面積に等しくな 。そのため、第1ピストン21の上面に作用す 力が、下面に作用する力に等しくなる(力= 力×面積)。つまり、第1ピストン21の厚さ方 (軸方向)に作用する力を相殺する効果が最も 高くなる。

 なお、第1吸入経路51は第2吸入経路52より 長いので、両者の断面積が等しい場合には 第1吸入経路51での圧力損失が、第2吸入経路 52での圧力損失を上回る。そのため、軸方向 関して、第1吸入口26と第2吸入口27とが完全 重なり合っていたとしても、圧力損失の大 の影響により、第1ピストン21の上面に作用 る力が、厳密には、下面に作用する力に等 くならない。

 図3に示すように、本実施形態では、第1 入経路51が、第2吸入経路52の断面積よりも大 きい断面積を有している。この構成によれば 、第1吸入経路51での圧力損失を抑えることが できるので、第1ピストン21の上面に作用する 力と、下面に作用する力とをより等しくする 効果がある。その結果、第1ピストン21の厚さ 方向に作用する力を相殺する効果が高まる。

 各吸入経路の断面の形状に特に限定はな が、典型的には、各吸入経路は円形の断面 有している。第1吸入経路51および第2吸入経 路52の端に設けられた浅い座ぐりによって、 4に示す形状を有する第1吸入口26および第2 入口27が形成されている。こうした構成は、 吐出経路や吐出口にも採用可能であり、さら に、副圧縮機102にも採用できる。

 図4に示すように、第1仕切部材24に隣接し ている領域において、吐出経路58が吐出作動 23bに向かって開口している。詳細には、図2 Bを参照して説明した第1吐出経路56および第2 出経路57が、それぞれ、吐出作動室23bに向 って開口している。

 第2吐出口30は、吐出作動室23bの第1仕切部 材24と隣接する部分から吐出作動室23bの広が 方向に円弧状に延びる略扇状に形成されて る。第2吐出口30は、第1ピストン21が上死点 位置するときにおいてのみ、第1ピストン21 よって完全に閉鎖される。そして、第1ピス トン21が上死点に位置する瞬間を除いた全期 にわたって、第2吐出口30の少なくとも一部 吐出作動室23bに露出している。具体的には 平面視において、第2吐出口30の外側端辺30a 、上死点に位置する第1ピストン21の外周面 沿った円弧状に形成されている。言い換え ば、外側端辺30aは、第1ピストン21の外周面 略同一の半径の円弧状に形成されている。

 図4に示されていないが、第1吐出口29は、 第2吐出口30の開口形状と同じ開口形状を有し ている。さらに、第1吐出口29は、第2吐出口30 の開口面積に等しい開口面積を有する。この ような構成によれば、第1ピストン21の上面に 作用する力(吸引力)で、下面に作用する力(吸 引力)を効果的に相殺できる。

 第1吐出口29から吐出経路58に吐出された 媒の圧力は、第2吐出口30から吐出経路58に吐 出された冷媒の圧力に略等しい。そのため、 軸方向に関して、第1吐出口29と第2吐出口30と が完全に重なり合う場合には、第1ピストン21 と第1吐出口29との重なり面積が、第1ピスト 21と第2吐出口30との重なり面積に等しくなる 。そのため、第1ピストン21の上面に作用する 力が、下面に作用する力に等しくなる(力=圧 ×面積)。つまり、第1ピストン21の厚さ方向( 軸方向)に作用する力を相殺する効果が最も くなる。

 図3を参照して説明した第1吸入経路51およ び第2吸入経路52と同様に、第1吐出経路56が、 第2吐出経路57の断面積よりも大きい断面積を 有していてもよい。この構成によれば、第1 出経路56での圧力損失を抑えることができる ので、第1ピストン21の上面に作用する力と、 下面に作用する力とをより等しくする効果が ある。

 ところで、第1ピストン21に作用する力を 殺する効果は、複数の吸入口26および27を設 けた場合と、複数の吐出口29および30を設け 場合とで、独立して得られる。しかし、吸 経路53における冷媒の圧力は、吐出経路58に ける冷媒の圧力よりも遥かに高い。例えば 二酸化炭素を冷媒として用いた場合、吸入 路53内の圧力と吐出経路58内の圧力との差は 、数MPaにも達する。このことを考慮すると、 吸入口26および27の組み合わせによって得ら る効果は、吐出口29および30の組み合わせに って得られる効果よりも高い。

 図5は、動力回収機構105の動作原理図であ り、ST1~ST4までの4つの状態の図が示されてい 。

 第1ピストン21が回転し、吸入口26および27 が開くと、図5(ST2~ST4)に示すように、吸入口26 および27から流入する高圧の冷媒によって吸 作動室23aの容積が徐々に増える。この吸入 動室23aの容積拡大に伴って第1ピストン21に わる回転トルクがシャフト12の回転駆動力 一部となる。軸方向に関して、第1吸入口26 第2吸入口27に重なっている場合には、両吸 口26および27の開閉タイミングも一致する。 様に、軸方向に関して、第1吐出口29が第2吐 出口30に重なっている場合には、両吐出口29 よび30の開閉タイミングも一致する。

 動力回収機構105からみて蒸発器106側は、 熱器104側よりも低圧である。吐出作動室23b の低温高圧の冷媒は蒸発器106側に吸引され 吐出作動室23bから吐出経路58へと吐出され 。吐出作動室23bと吐出経路58とが連通し、吐 出行程が始まると、冷媒の比容積が急増する 。この冷媒の吐出行程によって、第1ピスト 21に加わる回転トルクもシャフト12の回転駆 力の一部となる。すなわち、シャフト12は 吸入作動室23aへの高圧の冷媒の流入と、吐 行程における冷媒の吸引とによって回転す 。そして、このシャフト12の回転トルクは、 後に詳述するように、副圧縮機102の動力とし て利用される。

 吸入作動室23aは、常に吸入経路53と連通 ている。また、吐出作動室23bは、常に吐出 路58に連通している。言い換えれば、動力回 収機構105において、冷媒を吸入する行程と、 その吸入した冷媒を吐出する行程とが実質的 に連続して行われる。このため、吸入された 冷媒は、実質的に体積変化することなく動力 回収機構105を通過する。

 図5の左上図(ST1)に示すように、第1ピスト ン21が上死点に位置する瞬間においてのみ吸 口27と吐出口30との両方が完全に閉じられる 。すなわち、第1作動室23がひとつとなる瞬間 に吸入口27と吐出口30との両方が完全に閉じ れる。より詳細には、吸入作動室23aが吐出 路58と連通する瞬間まで、吸入作動室23aは吸 入経路53と連通している。そして、吸入作動 23aが吐出経路58と連通して吸入作動室23aが 出作動室23bとなった瞬間以降は、第1ピスト 21によって吐出作動室23bが吸入経路53から隔 離される。このため、吸入経路53から吐出経 58への冷媒の吹き抜けが抑制される。した って、高効率な動力回収が実現される。

 吸入経路53から吐出経路58への冷媒の吹き 抜けを完全に禁止する観点からは、第1ピス ン21が上死点に位置する瞬間において、吸入 口27と吐出口30との両方が閉じられることが ましい。ただし、第1ピストン21が上死点に 置する瞬間において、吸入口27と吐出口30と 一方のみしか閉じられていない場合であっ も、吸入口27が閉じられるタイミングと、 出口30が閉じられるタイミングとの差が、シ ャフト12の回転角にして、10°程度よりも小さ ければ、吸入経路53と吐出経路58との間で実 的に吹き抜けは生じない。つまり、吸入口27 が閉じられるタイミングと、吐出口30が閉じ れるタイミングとの差が、シャフト12の回 角にして、10°程度よりも小さく設定するこ で、吸入経路53から吐出経路58への冷媒の吹 き抜けを抑制できる。

 冷媒の吹き抜けを防ぐ観点から、吸入口2 6および27の開閉タイミングが一致し、吐出口 29および30の開閉タイミングも一致している とが好ましい。

(副圧縮機102の構成)
 図2Aに示すように、副圧縮機102は、密閉容 111内において、動力回収機構105よりも上方 配置されている。このように比較的高温の 圧縮機102を、比較的低温の動力回収機構105 りも上方に配置することにより、副圧縮機10 2と動力回収機構105との間の熱交換を抑制で る。ただし、副圧縮機102を動力回収機構105 りも下方に配置してもよい。

 副圧縮機102はシャフト12により動力回収 構105と連結されている。本実施形態では、 圧縮機102がロータリ式の流体圧モータによ て構成されている例について説明する。た し、副圧縮機102はロータリ式の流体圧モー に限定されるわけではない。副圧縮機102が 有の容積比を有する圧縮機、例えば、ロー リ圧縮機やスクロール圧縮機で構成されて てもよい。

 副圧縮機102の基本的な構成は、上述の動 回収機構105と略同一である。具体的に、副 縮機102は、図2Aに示すように、下閉塞部材 しての第1閉塞部材115と、上閉塞部材として 第3閉塞部材114とを備えている。動力回収機 構105の第1閉塞部材115を副圧縮機102の下閉塞 材として共用するように、動力回収機構105 副圧縮機102とが軸方向に隣接して密閉容器11 1内に配置されている。このような構成によ ば、部品点数を少なくできるとともに、流 機械110のコンパクト化に有利である。

 第1閉塞部材115と第3閉塞部材114とは、相 に対向している。具体的には、第3閉塞部材1 14は、第1閉塞部材115の第2閉塞部材113と対向 る面とは反対側の面と対向している。第1閉 部材115と第3閉塞部材114との間には、第2シ ンダ42が配置されている。第2シリンダ42は略 円筒形の内部空間を有する。その第2シリン 42の内部空間は、第1閉塞部材115と第3閉塞部 114とによって閉塞されている。第3閉塞部材 114および第1閉塞部材115は、それぞれ、第2シ ンダ42の上下に位置している。

 シャフト12は、第2シリンダ42内を第2シリ ダ42の軸方向に貫通している。第2シリンダ4 2は、シャフト12の一部を周方向に囲んでいる 。シャフト12は第2シリンダ42の中心軸上に配 されている。第2ピストン41は、第2シリンダ 42の内周面と第1閉塞部材115と第3閉塞部材114 により形成された略円筒形状の内部空間内 配置されている。第2ピストン41は、シャフ 12の中心軸に対して偏心した状態でシャフト 12に取り付けられている。具体的には、シャ ト12は、シャフト12の中心軸と異なる中心軸 を有する偏心部12cを備えている。この偏心部 12cに筒状の第2ピストン41がはめ込まれている 。このため、第2ピストン41は、第2シリンダ42 の中心軸に対して偏心している。したがって 、第2ピストン41は、シャフト12の回転に伴っ 偏心回転する。

 なお、偏心部12cは、偏心部12bと略同一の 向に偏心している。このため、本実施形態 は、第1シリンダ22の中心軸に対する第1ピス トン21の偏心方向と、第2シリンダ42の中心軸 対する第2ピストン41の偏心方向とは、相互 略同一である。「略同一」とは、完全に同 である場合だけでなく、±2~3°程度の誤差が ある場合も含むという趣旨である。

 第2ピストン41の外周面と第2シリンダ42の 周面と第1閉塞部材115と第3閉塞部材114とに り、第2シリンダ42内に第2作動室43が形成さ ている(図6も参照)。第2作動室43は、第2ピス ン41がシャフト12と共に回転しても容積が実 質的に不変である。

 図6に示すように、第2シリンダ42には、第 2作動室43に開口する線条の溝42aが形成されて いる。この線条溝42aには、板状の第2仕切部 44が摺動自在に挿入されている。第2仕切部 44と線条溝42aの底部との間には、付勢手段45 配置されている。この付勢手段45によって 第2仕切部材44は第2ピストン41の外周面に向 て押しつけられている。これにより、第2作 室43は、2つの空間に区画されている。具体 に、第2作動室43は、低圧側の吸入作動室43a 、高圧側の吐出作動室43bとに区画されてい 。

 なお、付勢手段45は、例えば、ばねによ て構成することができる。具体的に、付勢 段45は、前述した付勢手段25と同様に、圧縮 イルばねであってもよいし、所謂ガスばね あってもよい。

 図2Bに示すように、第1閉塞部材115には、 2ピストン41の回転に伴って開閉して吐出作 室43bから冷媒が流出するように、第1吐出口 49(下吐出口)が設けられている。同様に、第3 塞部材114には、第2ピストン41の回転に伴っ 開閉して吐出作動室43bから冷媒が流出する うに、軸方向に関して第1吐出口49と向かい う位置に第2吐出口50(上吐出口)が設けられ いる。つまり、副圧縮機102は、2つの吐出口4 9および50を備えている。第2ピストン41が吐出 口49および50に重なって停止しても、次の起 時において、第2ピストン41の上面および下 の両方に負圧が作用する。これにより、第2 ストン41が閉塞部材115または114に向けて強 引き付けられるのを回避できるので、冷凍 イクル装置101を円滑に起動しやすくなる。 らに、通常の運転時においても、第2ピスト 41の上面および下面の両方に冷媒の圧力が 用する。そのため、第2ピストン41と閉塞部 115または114との間の摺動損失が低減し、副 縮機102の効率が改善する。

 具体的に、副圧縮機102は、吐出作動室43b ら当該副圧縮機102の外部(主圧縮機103)へと 第1吐出口49および第2吐出口50のそれぞれを て、冷媒を導くための吐出経路68を含む。こ の吐出経路68は、共通吐出経路65と、第1吐出 路66および第2吐出経路67で構成されている 第1吐出経路66の始端に第1吐出口49が位置し 第2吐出経路67の始端に第2吐出口50が位置し いる。また、副圧縮機102は、吐出経路68から 密閉容器111の外部に冷媒を導く吐出管151を備 えている。冷凍サイクル装置101の起動時にお いて、バイパス弁107bを開いて主圧縮機103を 動させると、吐出経路68内に負圧が発生する 。

 共通吐出経路65は、第3閉塞部材114に形成 れており、第3閉塞部材114の外周面からシャ フト12の中心に向かって延びている太い経路 ある。この共通吐出経路65に、吐出管151が 接に接続されている。第1吐出経路66は、吐 作動室43bから第1吐出口49を経て共通吐出経 65へと冷媒を導くように、第1吐出口49から外 向きに延びるとともに第2シリンダ42を軸方向 に貫いて共通吐出経路65に合流している。第2 吐出経路67は、吐出作動室43bから第2吐出口50 経て共通吐出経路65へと冷媒を導くように 第2吐出口50から軸方向に延びるとともにシ フト12の径方向に関して第1吐出経路66よりも 内側において共通吐出経路65に合流している このような構造によれば、吐出管151の本数 増やすことなく、2つの吐出口49および50を けることができる。

 詳細には、第1吐出経路66は、第1閉塞部材 115に形成された部分と、第2シリンダ42に形成 された部分と、第3閉塞部材114に形成された 分とを含み、作動室43の下側から上側に回り 込んでいる。つまり、第1吐出経路66は、かぎ 形の断面プロファイルを示している。

 次に、図2Aに示すように、第1閉塞部材115 は、第2ピストン41の回転に伴って開閉して 入作動室43aに冷媒が流入するように、第1吸 入口46(下吸入口)が設けられている。同様に 第3閉塞部材114には、第2ピストン41の回転に って開閉して吸入作動室43aに冷媒が流入す ように、シャフト12の軸方向に関して第1吸 口46と向かい合う位置に第2吸入口47(上吸入 )が設けられている。つまり、副圧縮機102は 、2つの吸入口46および47を備えている。第2ピ ストン41が吸入口46および47に重なって停止し ても、次の起動時において、第2ピストン41の 上面および下面の両方に負圧が作用する。こ れにより、第2ピストン41が閉塞部材115または 114に向けて強く引き付けられるのを回避でき るので、冷凍サイクル装置101を円滑に起動し やすくなる。さらに、通常の運転時において も、第2ピストン41の上面および下面の両方に 冷媒の圧力が作用する。そのため、第2ピス ン41と閉塞部材115または114との間の摺動損失 が低減し、副圧縮機102の効率が改善する。

 具体的に、副圧縮機102は、当該副圧縮機1 02の外部(蒸発器106)から、第1吸入口46および 2吸入口47のそれぞれを経て、吸入作動室43a と冷媒を供給するための吸入経路63を含む。 この吸入経路63は、共通吸入経路60、第1吸入 路61および第2吸入経路62で構成されている 第1吸入経路61の終端に第1吸入口46が位置し 第2吸入経路62の終端に第2吸入口47が位置し いる。また、副圧縮機102は、密閉容器111の 部から吸入経路63に冷媒を導く吸入管48を備 ている。冷凍サイクル装置101の起動時にお て、バイパス弁107bを開いて主圧縮機103を作 動させると、吸入経路63内にも負圧が発生す 。つまり、バイパス弁107bを開いた状態では 、吸入経路63内の圧力は、吐出経路68内の圧 に等しい。

 共通吸入経路60は、第3閉塞部材114に形成 れており、第3閉塞部材114の外周面からシャ フト12の中心に向かって延びている太い経路 ある。この共通吸入経路60に、吸入管48が直 接に接続されている。第1吸入経路61は、共通 吸入経路60から第1吸入口46を経て吸入作動室4 3aへと冷媒を供給しうるように、共通吸入経 60から分岐するとともに第2シリンダ42を軸 向に貫いて第1吸入口46に至っている。第2吸 経路62は、共通吸入経路60から第2吸入口47を 経て吸入作動室43aへと冷媒を供給しうるよう に、シャフト12の径方向に関して第1吸入経路 61よりも内側において共通吸入経路60から分 するとともに軸方向に延びて第2吸入口47に っている。このような構造によれば、吸入 48の本数を増やすことなく、2つの吸入口46お よび47を設けることができる。

 詳細には、第1吸入経路61は、第3閉塞部材 114に形成された部分と、第2シリンダ42に形成 された部分と、第1閉塞部材115に形成された 分とを含む。軸方向に関して、第1吸入経路6 1は、作動室43の上側から下側に回り込んでい る。つまり、第1吸入経路61は、かぎ形の断面 プロファイルを示している。

 図6に示すように、第2仕切部材44に隣接し ている領域において、吸入経路63が吸入作動 43aに向かって開口している。詳細には、図2 Aを参照して説明した第1吸入経路61および第2 入経路62が、それぞれ、吸入作動室43aに向 って開口している。

 第1吸入口46は、吸入作動室43aの第2仕切部 材44と隣接する部分から吸入作動室43aの広が 方向に円弧状に延びる略扇状に形成されて る。第1吸入口46は、第2ピストン41が上死点 位置するときにおいてのみ、第2ピストン41 よって完全に閉鎖される。そして、第2ピス トン41が上死点に位置する瞬間を除いた全期 にわたって、第1吸入口46の少なくとも一部 吸入作動室43aに露出している。具体的には 平面視において、第1吸入口46の外側端辺46a 、上死点に位置する第2ピストン41の外周面 沿った円弧状に形成されている。言い換え ば、外側端辺46aは、第2ピストン41の外周面 略同一の半径の円弧状に形成されている。

 図6に示されていないが、第2吸入口47は、 第1吸入口46の開口形状と同じ開口形状を有し ている。さらに、第1吸入口46は、第2吸入口47 の開口面積に等しい開口面積を有する。この ような構成によれば、第2ピストン41の上面に 作用する力で、下面に作用する力を効果的に 相殺できる。

 第1吸入口46から吸入作動室43aに流入する 媒の圧力は、第2吸入口47から吸入作動室43a 流入する冷媒の圧力に略等しい。そのため 軸方向に関して、第1吸入口46と第2吸入口47 が完全に重なり合う場合には、第2ピストン 41と第1吸入口46との重なり面積が、第2ピスト ン41と第2吸入口47との重なり面積に等しくな 。そのため、第2ピストン41の上面に作用す 力が、下面に作用する力に等しくなる(力= 力×面積)。つまり、第2ピストン41の厚さ方 (軸方向)に作用する力を相殺する効果が最も 高くなる。

 図6に示すように、第2仕切部材44に隣接し ている領域において、吐出経路68が吐出作動 43bに向かって開口している。詳細には、図2 Bを参照して説明した第1吐出経路66および第2 出経路67が、それぞれ、吐出作動室43bに向 って開口している。

 第1吐出口49は、吐出作動室43bの第2仕切部 材44と隣接する部分から吐出作動室43bの広が 方向に円弧状に延びる略扇状に形成されて る。第1吐出口49は、第2ピストン41が上死点 位置するときにおいてのみ、第2ピストン41 よって完全に閉鎖される。そして、第2ピス トン41が上死点に位置する瞬間を除いた全期 にわたって、第1吐出口49の少なくとも一部 吐出作動室43bに露出している。具体的には 平面視において、第1吐出口49の外側端辺49a 、上死点に位置する第2ピストン41の外周面 沿った円弧状に形成されている。言い換え ば、外側端辺49aは、第2ピストン41の外周面 略同一の半径の円弧状に形成されている。

 図6に示されていないが、第2吐出口50は、 第1吐出口49の開口形状と同じ開口形状を有し ている。つまり、第1吐出口49は、第2吐出口50 の開口面積に等しい開口面積を有する。この ような構成によれば、第2ピストン41の上面に 作用する力で、下面に作用する力を効果的に 相殺できる。

 第1吐出口49から吐出経路68に吐出された 媒の圧力は、第2吐出口50から吐出経路68に吐 出された冷媒の圧力に略等しい。そのため、 軸方向に関して、第1吐出口49と第2吐出口50と が完全に重なり合う場合には、第2ピストン41 と第1吐出口49との重なり面積が、第2ピスト 41と第2吐出口50との重なり面積に等しくなる 。そのため、第2ピストン41の上面に作用する 力が、下面に作用する力に等しくなる(力=圧 ×面積)。つまり、第2ピストン41の厚さ方向( 軸方向)に作用する力を相殺する効果が最も くなる。

 図6に示すように、吐出経路68は、連通経 156を介して背面空間155に接続されている。 体的に、本実施形態において、この連通経 156は、第2仕切部材44がシャフト12の中心軸 最も接近したときには背面空間155に連通し いる。連通経路156は、第2仕切部材44が、シ フト12の中心軸からある程度離れると、第2 切部材44によって塞がれるようになっている 。つまり、シャフト12の中心軸に最も接近し 前進位置から、シャフト12の中心軸から最 離間した後退位置へと第2仕切部材44がスラ ドする期間において、連通経路156が開状態 ら閉状態へと変化し、背面空間155が連通経 156と連通した開放空間から、連通経路156か 遮断された密閉空間へと変化する。このた 、第2仕切部材44によって連通経路156が塞が 、背面空間155が密閉空間になった後は、背 空間155はガスばねとして第2仕切部材44を第2 ストン41に向けて押す。

 なお、図3を参照して説明した動力回収機 構105の吸入経路51および52の構成を、副圧縮 102にも採用できる。すなわち、副圧縮機102 おいて、第1吸入経路61が、第2吸入経路62の 面積よりも大きい断面積を有していてもよ 。さらに、第1吐出経路66が、第2吐出経路67 断面積よりも大きい断面積を有していても い。こうした構成によれば、第1吸入経路61 第1吐出経路66での圧力損失を抑えることが きるので、第2ピストン41の上面に作用する と、下面に作用する力とをより等しくする 果がある。

 第2ピストン41に作用する力を相殺する効 は、複数の吸入口46および47を設けた場合と 、複数の吐出口49および50を設けた場合とで 独立して得られる。しかし、吐出口49および 50の組み合わせによって得られる効果は、吸 口46および47の組み合わせによって得られる 効果よりも高い。その理由は、以下の通りで ある。まず、冷凍サイクル装置101の起動時に おいて、吸入経路63および吐出経路68内の圧 は、一時的に等しくなる。なぜなら、起動 にバイパス弁107bを開くからである(図1参照) 他方、冷凍サイクル装置101の起動後はバイ ス弁107bを閉じるので、吐出経路68内の圧力 、吸入経路63内の圧力よりも高くなる。し がって、吐出口49および50の組み合わせによ ば、冷凍サイクル装置101の通常の運転時に ける摺動損失をより効果的に低減できる。

 次に、図7を参照しながら副圧縮機102の動 作原理について詳細に説明する。図7には、T1 ~T4までの4つの状態の図が示されている。副 縮機102の動作原理は、動力回収機構105の動 原理と概ね同じである。

 シャフト12は、動力回収機構105によって 収された動力によって回転する。シャフト12 の回転と共に、第2ピストン41も回転し、副圧 縮機102が駆動される。軸方向に関して、第1 入口46が第2吸入口47に重なっている場合には 、両吸入口46および47の開閉タイミングも一 する。同様に、軸方向に関して、第1吐出口4 9が第2吐出口50に重なっている場合には、両 出口49および50の開閉タイミングも一致する

 第2作動室43は、実質的に容積が不変であ 。吸入作動室43aは吸入経路63と常に連通し いる。吐出作動室43bは吐出経路68と常に連通 している。このため、副圧縮機102の第2作動 43内においては、冷媒は圧縮も膨張もしない 。シャフト12が動力回収機構105によって回転 、副圧縮機102が駆動されると、第2作動室43 上流側よりも第2作動室43の下流側の方が高 になる。言い換えれば、動力回収機構105に って回収された動力で駆動される副圧縮機1 02によって、吐出口49および50よりも主圧縮機 103側の圧力が、吸入口46および47よりも蒸発 106側の圧力より高くなる。つまり、副圧縮 102によって昇圧される。

 吸入作動室43aは、常に吸入経路63と連通 ている。また、吐出作動室43bは、常に吐出 路68に連通している。言い換えれば、副圧縮 機102において、冷媒を吸入する行程と、その 吸入した冷媒を吐出する行程とが実質的に連 続して行われる。このため、吸入された冷媒 は、実質的に体積変化することなく副圧縮機 102を通過する。

 なお、本実施形態において、第1ピストン 21が上死点に位置するタイミングは、第2ピス トン41が上死点に位置するタイミングに略一 している。

 図7の左上図(T1)に示すように、第2ピスト 41が上死点に位置する瞬間においてのみ吸 口46と吐出口49との両方が完全に閉じられる すなわち、第2作動室43がひとつとなる瞬間 吸入口46と吐出口49との両方が完全に閉じら れる。より詳細には、吸入作動室43aが吐出口 49と連通する瞬間まで、吸入作動室43aは吸入 路63と連通している。そして、吸入作動室43 aが吐出経路68と連通して吸入作動室43aが吐出 作動室43bとなった瞬間以降は、第2ピストン41 によって吐出作動室43bが吸入経路63から隔離 れる。このため、比較的圧力が高い吐出経 68から、比較的圧力が低い吸入経路63への冷 媒の逆流が抑制される。したがって、高効率 な過給が実現される。その結果、回収された 動力の利用効率が向上する。

 なお、吐出経路68から吸入経路63への冷媒 の逆流を完全に規制する観点からは、第2ピ トン41が上死点に位置する瞬間において、吸 入経路63と吐出経路68との両方が閉じられる とが好ましい。ただし、第2ピストン41が上 点に位置する瞬間において、吸入口46と吐出 口49との一方のみしか閉じられていない場合 あっても、吸入口46が閉じられるタイミン と、吐出口49が閉じられるタイミングとの差 が、シャフト12の回転角にして、10°程度より も小さければ、吐出経路68から吸入経路63へ 冷媒の逆流は実質的に生じない。つまり、 入口46が閉じられるタイミングと、吐出口49 閉じられるタイミングとの差が、シャフト1 2の回転角にして、10°程度よりも小さく設定 ることで、吐出経路68から吸入経路63への冷 媒の逆流を抑制できる。

 冷媒の吹き抜けを防ぐ観点から、吸入口4 6および47の開閉タイミングが一致し、吐出口 49および50の開閉タイミングも一致している とが好ましい。

 本発明は、給湯機、冷暖房エアコン等の 凍サイクル装置に有用である。




 
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