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Title:
FLUID MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/098872
Kind Code:
A1
Abstract:
A fluid machine having an inflow path (32) which, in order that a low stage side fluid chamber and a high stage side fluid chamber are formed in separate eccentric fluid mechanisms (24, 25), introduces fluid from the outside into fluid chamber (61, 62) of the first eccentric rotating mechanism (24), a communication path (33) for introducing the fluid, discharged from the fluid chambers (61, 62) of the first eccentric rotating mechanism (24), into fluid chambers (63, 64) of the second eccentric rotating mechanism (25), and an outflow path (31) for causing the fluid discharged from the fluid chambers (63, 64) of the second eccentric rotating mechanism (25) to flow out to the outside.

Inventors:
SOTOJIMA TAKAZOU (JP)
SHIBAMOTO YOSHITAKA (JP)
SHIMIZU TAKASHI (JP)
FURUSHO KAZUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000431
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
February 04, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
SOTOJIMA TAKAZOU (JP)
SHIBAMOTO YOSHITAKA (JP)
SHIMIZU TAKASHI (JP)
FURUSHO KAZUHIRO (JP)
International Classes:
F04C23/00; F04C18/32
Domestic Patent References:
WO2005103496A12005-11-03
Foreign References:
JP2000087892A2000-03-28
JP2004100608A2004-04-02
JP2007239666A2007-09-20
JPH027A1990-01-05
Other References:
See also references of EP 2246570A4
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 53, JP)
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Claims:
 環状のシリンダ室(54,58)を有するシリンダ(52,56)と、該シリンダ(52,56)に対して偏心してシリンダ室(54,58)に収納され、該シリンダ室(54,58)を外側流体室(61,63)と内側流体室(62,64)とに区画する環状のピストン(53,57)と、該シリンダ室(54,58)に配置され、各流体室(61~64)をそれぞれ第1室と第2室とに区画するブレード(45)とを有し、上記シリンダ(52,56)と上記ピストン(53,57)とが相対的に偏心回転運動する第1偏心回転機構(24)及び第2偏心回転機構(25)と、
 主軸部(23a)と、該主軸部(23a)の軸心に対して偏心して上記第1偏心回転機構(24)に係合する第1偏心部(23b)と、該主軸部(23a)の軸心に対して偏心して上記第2偏心回転機構(25)に係合する第2偏心部(23c)とを有する駆動軸(23)とを備え、
 上記第1偏心回転機構(24)及び上記第2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)内で流体を圧縮する又は膨張させる流体機械であって、
 外部からの流体を上記第1偏心回転機構(24)の各流体室(61,62)に導入するための流入通路(32)と、
 上記第1偏心回転機構(24)の各流体室(61,62)から吐出された流体を上記第2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)に導入するための連絡通路(33)と、
 上記第2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)から吐出された流体を外部へ流出させるための流出通路(31)とを備えていることを特徴とする流体機械。
 請求項1において、
 上記第1偏心回転機構(24)の各流体室(61,62)で外部から導入した流体を圧縮し、上記第2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)で該第1偏心回転機構(24)の各流体室(61,62)で圧縮された流体を更に圧縮することを特徴とする流体機械。
 請求項1又は2において、
 上記流入通路(32)は、上記第1偏心回転機構(24)の外側流体室(61)及び内側流体室(62)に繋がる1つの通路で構成され、
 上記連絡通路(33)は、上記第2偏心回転機構(25)の外側流体室(63)及び内側流体室(64)に繋がる1つの通路で構成されていることを特徴とする流体機械。
 請求項1において、
 上記各偏心回転機構(24,25)には、上記外側流体室(61,63)から流体を吐出させる外側吐出ポート(65,75)と、上記内側流体室(62,64)から流体を吐出させる内側吐出ポート(66,76)とがそれぞれ形成される一方、
 上記第1偏心回転機構(24)の外側吐出ポート(65)及び内側吐出ポート(66)は、上記連絡通路(33)に連通する第1吐出空間(46)に開口し、
 上記第2偏心回転機構(25)の外側吐出ポート(75)及び内側吐出ポート(76)は、上記流出通路(31)に連通する第2吐出空間(47)に開口することを特徴とする流体機械。
 請求項1において、
 上記各偏心回転機構(24,25)は、上記シリンダ(52,56)が固定され、上記ピストン(53,57)が偏心回転運動するように構成されていることを特徴とする流体機械。
 請求項1において、
 上記第1偏心回転機構(24)と上記第2偏心回転機構(25)とでは、上記シリンダ室(54,58)の高さが互いに相違していることを特徴とする流体機械。
 請求項1において、
 上記第1偏心部(23b)と上記第2偏心部(23c)とでは、それぞれの軸心と上記主軸部(23a)の軸心との距離が互いに相違していることを特徴とする流体機械。
 請求項2において、
 上記各偏心回転機構(24,25)では、上記シリンダ(52,56)と上記ピストン(53,57)とのそれぞれに、前面が外側流体室(61,63)及び内側流体室(62,64)に面する鏡板部(51a,52a,55a,56a)が形成され、該シリンダ(52,56)と該ピストン(53,57)のうち偏心回転運動する方の鏡板部(51a,52a,55a,56a)が可動側鏡板部(51a,52a,55a,56a)を構成する一方、
 上記第2偏心回転機構(25)から吐出された流体の圧力になる駆動軸(23)の周囲の隙間に連通する高圧背圧室(96,97)を、上記第1偏心回転機構(24)の可動側鏡板部(51a,52a)の背面と上記第2偏心回転機構(25)の可動側鏡板部(55a,56a)の背面とに形成する区画手段(101,102)を備えていることを特徴とする流体機械。
 請求項8において、
 上記第1偏心回転機構(24)は、その可動側鏡板部(51a,52a)の背面が第2偏心回転機構(25)側を向くように設けられ、
 上記第2偏心回転機構(25)は、その可動側鏡板部(55a,56a)の背面が第1偏心回転機構(24)側を向くように設けられる一方、
 上記第1偏心回転機構(24)の可動側鏡板部(51a,52a)の背面と第2偏心回転機構(25)の可動側鏡板部(55a,56a)の背面とに挟まれたミドルプレート(41)を備え、
 上記区画手段(101,102)は、上記ミドルプレート(41)の片面と上記第1偏心回転機構(24)の可動側鏡板部(51a,52a)の背面との間に上記高圧背圧室(96)を形成する第1シールリング(101)と、該ミドルプレート(41)のもう片面と上記第2偏心回転機構(25)の可動側鏡板部(55a,56a)の背面との間に上記高圧背圧室(97)を形成する第2シールリング(102)とを備えていることを特徴とする流体機械。
 請求項1において、
 上記駆動軸(23)では、上記第1偏心部(23b)が上記主軸部(23a)に対して偏心する第1偏心方向と、上記第2偏心部(23c)が上記主軸部(23a)に対して偏心する第2偏心方向とが、60°以上310°以下の所定の角度ずれていることを特徴とする流体機械。
 請求項10において、
 上記駆動軸(23)では、上記第1偏心方向と上記第2偏心方向とが180°ずれていることを特徴とする流体機械。
 請求項1において、
 冷媒として二酸化炭素が充填されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)に接続されることを特徴とする流体機械。
Description:
流体機械

 本発明は、流体を圧縮する、又は流体を 張させる流体機械に関するものである。

 従来より、流体を圧縮する、又は流体を 張させる流体機械が知られている。この種 流体機械の一例が、例えば特許文献1に開示 されている。

 具体的に、特許文献1には、この種の流体機 械として、冷媒の二段圧縮を行う圧縮機が記 載されている。この圧縮機は、2つの偏心回 機構を備えている。各偏心回転機構では、 状のピストンの内外に圧縮室がそれぞれ形 されている。冷媒を二段圧縮する二段圧縮 作では、第1の偏心回転機構の第1圧縮室と第 2の偏心回転機構の第2圧縮室が低段側の圧縮 になり、第1の偏心回転機構の第3圧縮室と 2の偏心回転機構の第4圧縮室が高段側の圧縮 室になる。すなわち、各偏心回転機構では、 一方の圧縮室が低段側圧縮室になり、他方の 圧縮室が後段側圧縮室になる。

特開2007-239666号公報

 ところで、環状のピストンの内外に流体 がそれぞれ形成される偏心回転機構を備え 流体機械では、環状のピストンの外側に形 される外側流体室と、環状のピストンの内 に形成される内側流体室との容積比が、幾 学的にある程度決まってしまい、その容積 を自由に設定することが困難である。

 ここで、上述したように、2つの偏心回転 機構を備える従来の流体機械では、流体機械 を圧縮機として用いる場合であれば、各偏心 回転機構において、外側流体室及び内側流体 室の一方が低圧冷媒を中間圧に圧縮する低段 側流体室となり、他方が中間圧冷媒を高圧に 圧縮する高段側流体室となる。このため、従 来の流体機械では、低段側流体室の吸入容積 に対する、高段側流体室の吸入容積の比率( 入容積比)を自由に設定することが困難であ た。同様に、流体機械を膨張機として用い 場合も、吸入容積比を自由に設定すること 困難である。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、環状のピストンの内 に流体室がそれぞれ形成される偏心回転機 を有する流体機械において、低段側流体室 吸入容積に対する高段側流体室の吸入容積 比率を所定の比率に容易に設定することが きるようにすることにある。

 第1の発明は、環状のシリンダ室(54,58)を するシリンダ(52,56)と、該シリンダ(52,56)に対 して偏心してシリンダ室(54,58)に収納され、 シリンダ室(54,58)を外側流体室(61,63)と内側流 体室(62,64)とに区画する環状のピストン(53,57) 、該シリンダ室(54,58)に配置され、各流体室 (61~64)をそれぞれ第1室と第2室とに区画するブ レード(45)とを有し、上記シリンダ(52,56)と上 ピストン(53,57)とが相対的に偏心回転運動す る第1偏心回転機構(24)及び第2偏心回転機構(25 )と、主軸部(23a)と、該主軸部(23a)の軸心に対 て偏心して上記第1偏心回転機構(24)に係合 る第1偏心部(23b)と、該主軸部(23a)の軸心に対 して偏心して上記第2偏心回転機構(25)に係合 る第2偏心部(23c)とを有する駆動軸(23)とを備 え、上記第1偏心回転機構(24)及び上記第2偏心 回転機構(25)の各流体室(63,64)内で流体を圧縮 る又は膨張させる流体機械(20)を対象とする 。

 そして、この流体機械(20)は、外部からの 流体を上記第1偏心回転機構(24)の各流体室(61, 62)に導入するための流入通路(32)と、上記第1 心回転機構(24)の各流体室(61,62)から吐出さ た流体を上記第2偏心回転機構(25)の各流体室 (63,64)に導入するための連絡通路(33)と、上記 2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)から吐出 れた流体を外部へ流出させるための流出通 (31)とを備えている。

 第2の発明は、上記第1の発明において、 記第1偏心回転機構(24)の各流体室(61,62)で外 から導入した流体を圧縮し、上記第2偏心回 機構(25)の各流体室(63,64)で該第1偏心回転機 (24)の各流体室(61,62)で圧縮された流体を更 圧縮する。

 第3の発明は、上記第1又は第2の発明にお て、上記流入通路(32)が、上記第1偏心回転 構(24)の外側流体室(61)及び内側流体室(62)に がる1つの通路で構成され、上記連絡通路(33) が、上記第2偏心回転機構(25)の外側流体室(63) 及び内側流体室(64)に繋がる1つの通路で構成 れている。

 第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つ の発明において、上記各偏心回転機構(24,25) は、上記外側流体室(61,63)から流体を吐出さ る外側吐出ポート(65,75)と、上記内側流体室 (62,64)から流体を吐出させる内側吐出ポート(6 6,76)とがそれぞれ形成される一方、上記第1偏 心回転機構(24)の外側吐出ポート(65)及び内側 出ポート(66)は、上記連絡通路(33)に連通す 第1吐出空間(46)に開口し、上記第2偏心回転 構(25)の外側吐出ポート(75)及び内側吐出ポー ト(76)は、上記流出通路(31)に連通する第2吐出 空間(47)に開口する。

 第5の発明は、上記第1乃至第4の何れか1つ の発明において、上記各偏心回転機構(24,25) 、上記シリンダ(52,56)が固定され、上記ピス ン(53,57)が偏心回転運動するように構成され ている。

 第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1つ の発明において、上記第1偏心回転機構(24)と 記第2偏心回転機構(25)とでは、上記シリン 室(54,58)の高さが互いに相違している。

 第7の発明は、上記第1乃至第6の何れか1つ の発明において、上記第1偏心部(23b)と上記第 2偏心部(23c)とでは、それぞれの軸心と上記主 軸部(23a)の軸心との距離が互いに相違してい 。

 第8の発明は、上記第2の発明において、 記各偏心回転機構(24,25)では、上記シリンダ( 52,56)と上記ピストン(53,57)とのそれぞれに、 面が外側流体室(61,63)及び内側流体室(62,64)に 面する鏡板部(51a,52a,55a,56a)が形成され、該シ ンダ(52,56)と該ピストン(53,57)のうち偏心回 運動する方の鏡板部(51a,52a,55a,56a)が可動側鏡 板部(51a,52a,55a,56a)を構成する一方、上記第2偏 心回転機構(25)から吐出された流体の圧力に る駆動軸(23)の周囲の隙間に連通する高圧背 室(96,97)を、上記第1偏心回転機構(24)の可動 鏡板部(51a,52a)の背面と上記第2偏心回転機構 (25)の可動側鏡板部(55a,56a)の背面とに形成す 区画手段(101,102)を備えている。

 第9の発明は、上記第8の発明において、 記第1偏心回転機構(24)が、その可動側鏡板部 (51a,52a)の背面が第2偏心回転機構(25)側を向く うに設けられ、上記第2偏心回転機構(25)が その可動側鏡板部(55a,56a)の背面が第1偏心回 機構(24)側を向くように設けられる一方、上 記第1偏心回転機構(24)の可動側鏡板部(51a,52a) 背面と第2偏心回転機構(25)の可動側鏡板部(5 5a,56a)の背面とに挟まれたミドルプレート(41) 備え、上記区画手段(101,102)は、上記ミドル レート(41)の片面と上記第1偏心回転機構(24) 可動側鏡板部(51a,52a)の背面との間に上記高 背圧室(96)を形成する第1シールリング(101)と 、該ミドルプレート(41)のもう片面と上記第2 心回転機構(25)の可動側鏡板部(55a,56a)の背面 との間に上記高圧背圧室(97)を形成する第2シ ルリング(102)とを備えている。

 第10の発明は、上記第1乃至第9の何れか1 の発明において、上記駆動軸(23)では、上記 1偏心部(23b)が上記主軸部(23a)に対して偏心 る第1偏心方向と、上記第2偏心部(23c)が上記 軸部(23a)に対して偏心する第2偏心方向とが 60°以上310°以下の所定の角度ずれている。

 第11の発明は、上記第10の発明において、 上記駆動軸(23)では、上記第1偏心方向と上記 2偏心方向とが180°ずれている。

 第12の発明は、上記第1乃至第11の何れか1 の発明において、冷媒として二酸化炭素が 填されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)に 接続される。

   -作用-
 第1の発明では、流体機械(20)が圧縮機とし 用いられる場合に、流入通路(32)を通じて第1 偏心回転機構(24)の各流体室(61,62)に導入され 流体が、その各流体室(61,62)で圧縮される。 そして、第1偏心回転機構(24)の各流体室(61,62) から吐出された流体が、連絡通路(33)を通じ 、第2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)に導 され、その各流体室(63,64)で更に圧縮される 第2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)から吐 された流体は、流出通路(31)を通じて外部へ 流出する。すなわち、第1偏心回転機構(24)の 流体室(61,62)が低段側流体室となり、第2偏 回転機構(25)の各流体室(63,64)が高段側流体室 となる。一方、流体機械(20)が膨張機として いられる場合には、第1偏心回転機構(24)の各 流体室(61,62)が高段側流体室となり、第2偏心 転機構(25)の各流体室(63,64)が低段側流体室 なる。この第1の発明では、低段側流体室と 段側流体室とが別々の偏心回転機構(24,25)に 形成される。従って、低段側流体室の吸入容 積と高段側流体室の吸入容積との比率である 吸入容積比が、第1偏心回転機構(24)のシリン 室(54)の高さと第2偏心回転機構(25)のシリン 室(58)の高さとの比率や、第1偏心部(23b)の偏 心量(主軸部(23a)の軸心と第1偏心部(23b)の軸心 との距離)と第2偏心部(23c)の偏心量(主軸部(23a )の軸心と第2偏心部(23c)の軸心との距離)との 率によって調節可能である。

 第2の発明では、第1偏心回転機構(24)の各 体室(61,62)が低段側流体室となって第2偏心 転機構(25)の各流体室(63,64)が高段側流体室と なる二段圧縮が行われる。

 第3の発明では、第1偏心回転機構(24)の外 流体室(61)及び内側流体室(62)に導入される 体が同じ通路を流れ、第2偏心回転機構(25)の 外側流体室(63)及び内側流体室(64)に導入され 流体が同じ通路を流れる。ここで、各偏心 転機構(24,25)では、外側流体室(61,63)及び内 流体室(62,64)が吸入する流体の流量が、駆動 (23)の回転に伴って変動する。このため、各 偏心回転機構(24,25)の外側流体室(61,63)及び内 流体室(62,64)に導入される流体が別々の通路 を流れる場合には、駆動軸(23)の回転に伴っ 、各通路を流通する流体の流量が大きく変 する。

 これに対して、この第3の発明では、各偏 心回転機構(24,25)の外側流体室(61,63)及び内側 体室(62,64)に導入される流体が同じ通路を流 れる。そして、各偏心回転機構(24,25)では、 側流体室(61,63)が吸入する流体の流量変動と 外側流体室(61,63)が吸入する流体の流量変動 とが、逆位相になっている。このため、流入 通路(32)における流体の流量変動、および連 通路(33)における流体の流量変動が緩和され 。

 第4の発明では、第1偏心回転機構(24)にお て、外側流体室(61)の流体及び内側流体室(62 )の流体が、第1吐出空間(46)に吐出される。第 2偏心回転機構(25)において、外側流体室(63)の 流体及び内側流体室(64)の流体が、第2吐出空 (47)に吐出される。各偏心回転機構(24,25)で 、外側流体室(61,63)の流体及び内側流体室(62, 64)の流体が同じ吐出空間(46,47)に吐出される

 第5の発明では、各偏心回転機構(24,25)に いて、シリンダ(52,56)とピストン(53,57)のうち ピストン(53,57)が偏心回転運動する方式(以下 「ピストン可動方式」という。)が採用され ている。ここで、偏心回転機構(24,25)には、 ストン可動方式以外に、シリンダ(52,56)とピ トン(53,57)のうちシリンダ(52,56)が偏心回転 動する方式(以下、「ピストン固定方式」と う。)がある。

 ここで、ピストン可動方式であってもピ トン固定方式であっても、偏心回転機構(24, 25)では、シリンダ(52,56)とピストン(53,57)のう 偏心回転運動する部材がブレード(45)に対し て揺動する。このため、偏心回転運動する部 材に揺動モーメントが発生し、その揺動モー メントの反力が流体機械(20)を加振する。

 なお、揺動モーメントとは、支点に対し 振り子のように揺動する物体に作用する力 ことであり、物体における支点回りの慣性 ーメントと揺動角加速度との積で表される 支点には、揺動モーメントの反力が作用す 。揺動モーメントは、揺動する部材の重心 揺動の支点との距離が大きいほど大きくな 。ピストン可動方式は、ピストン(53,57)と共 に、揺動の支点が動くので、各偏心回転機構 (24,25)において、揺動するピストン(53,57)の重 と揺動の支点との距離が一定である。一方 ピストン固定方式は、揺動の支点が動かな ので、各偏心回転機構(24,25)において、揺動 するシリンダ(52,56)の重心と揺動の支点との 離が変動する。この第5の発明では、各偏心 転機構(24,25)において、揺動する部材の重心 と揺動の支点との距離が一定になるピストン 可動方式が採用されている。

 第6の発明では、第1偏心回転機構(24)のシ ンダ室(54)の高さと、第2偏心回転機構(25)の リンダ室(58)の高さとが互いに相違している 。この第6の発明では、吸入容積比がシリン 室(54,58)の高さの比率によって調節されてい 。

 第7の発明では、第1偏心回転機構(24)の偏 量と、第2偏心回転機構(25)の偏心量とが互 に相違している。この第7の発明では、吸入 積比が偏心量の大きさの比率によって調節 れている。

 第8の発明では、区画手段(101,102)によって 、第1偏心回転機構(24)の可動側鏡板部(51a,52a) 背面と、第2偏心回転機構(25)の可動側鏡板 (55a,56a)の背面とに、第2偏心回転機構(25)から 吐出された流体の圧力になる駆動軸(23)の周 の隙間に連通する高圧背圧室(96,97)が形成さ ている。ここで、第2偏心回転機構(25)の各 体室(63,64)は、中間圧の流体が高圧に圧縮さ る高段側流体室となる。このため、駆動軸( 23)の周囲の隙間は高圧空間になる。この第8 発明では、区画手段(101,102)によって、第1偏 回転機構(24)の可動側鏡板部(51a,52a)の背面と 、第2偏心回転機構(25)の可動側鏡板部(55a,56a) 背面とに、高圧空間になる高圧背圧室(96,97) が形成されている。

 第9の発明では、第1シールリング(101)が、 ミドルプレート(41)の片面と第1偏心回転機構( 24)の可動側鏡板部(51a,52a)の背面との間に、第 1偏心回転機構(24)の高圧背圧室(96)を形成する 。第2シールリング(102)が、ミドルプレート(41 )のもう片面と第2偏心回転機構(25)の可動側鏡 板部(55a,56a)の背面との間に、第2偏心回転機 (25)の高圧背圧室(97)を形成する。

 第10の発明では、第1偏心方向と第2偏心方 向とが、60°以上310°以下の所定の角度ずれて いる。つまり、第1偏心部(23b)と第2偏心部(23c) の位相差が、60°以上310°以下の所定の角度に なる。ここで、図9に示すように、第1偏心部( 23b)と第2偏心部(23c)の位相差が60°以上310°以 のときに、その位相差が180°のときのトルク 変動幅を基準にしたトルク変動比が概ね1.0以 下になる。この第10の発明では、トルク変動 が概ね1.0以下なるように、第1偏心方向と第 2偏心方向とのずれ角度が設定されている。

 第11の発明では、第1偏心方向と第2偏心方 向とが180°ずれている。このため、第1偏心部 (23b)に作用する遠心力荷重と、第2偏心部(23c) 作用する遠心力荷重とが、正反対の方向に 用する。従って、第1偏心部(23b)に作用する 心力荷重と第2偏心部(23c)に作用する遠心力 重とが大きく打ち消し合う。

 第12の発明では、流体機械(20)が、二酸化 素が充填された冷媒回路(10)に接続される。 ここで、二酸化炭素冷媒は、フロン冷媒に比 べて、密度が大きく、冷媒中の音速が大きく なる。ここで、流体の流量変動によって生じ る圧力脈動は、流体の密度や、流体中の音速 に比例する。このため、二酸化炭素が充填さ れた冷媒回路(10)は、フロン冷媒が充填され 冷媒回路(10)に比べて、冷媒の流量変動によ て生じる圧力脈動が大きくなる。この第12 発明では、冷媒の流量変動によって生じる 力脈動が大きくなる冷媒回路(10)に、流体機 (20)が接続されている。

 本発明では、低段側流体室と高段側流体 とが別々の偏心回転機構(24,25)に形成されて いるので、吸入容積比が、第1偏心回転機構(2 4)のシリンダ室(54)の高さと第2偏心回転機構(2 5)のシリンダ室(58)の高さとの比率や、第1偏 部(23b)の偏心量と第2偏心部(23c)の偏心量との 比率によって調節可能である。シリンダ室(54 ,58)の高さの比率や、偏心量の比率は、容易 調節することが可能である。従って、吸入 積比を所定の比率に容易に設定することが きる。

 また、本発明では、各偏心回転機構(24,25) にそれぞれ2つの流体室(61~64)が形成される。 して、各偏心回転機構(24,25)では、外側流体 室(61,63)の容積変化の位相と内側流体室(62,64) 容積変化の位相とが180°ずれている(図3参照 )。つまり、各偏心回転機構(24,25)では、外側 体室(61,63)の圧力変動の位相と内側流体室(62 ,64)の圧力変動の位相とがずれている。この め、各偏心回転機構(24,25)を駆動するときの ルク変動幅(最大トルクと最小トルクの差) 、図7に示すように、例えばロータリ式の偏 回転機構のように流体室が1つだけのものに 比べて、小さくなる。従って、流体機械(20) 低振動化を図ることができる。

 また、上記第3の発明では、各偏心回転機 構(24,25)の外側流体室(61,63)及び内側流体室(62, 64)に導入される流体が同じ通路を流れるので 、流入通路(32)及び連絡通路(33)の各々におい 流体の流量変動が緩和される。ここで、流 が流通する通路では、流体の流量変動に伴 て圧力脈動が生じ、その圧力脈動によって 動が生じる。圧力脈動は、流体の流量変動 大きいほど大きくなる。この第3の発明では 、流入通路(32)及び連絡通路(33)の各々におい 流体の流量変動が緩和される。従って、流 通路(32)及び連絡通路(33)において、流体の 量変動によって生じる圧力脈動、及びその 力脈動によって生じる振動を抑制すること できる。

 また、上記第4の発明では、各偏心回転機 構(24,25)において、外側流体室(61,63)の流体及 内側流体室(62,64)の流体が同じ吐出空間(46,47 )に吐出される。ここで、従来の流体機械の うに、同じ偏心回転機構(24,25)において、外 流体室(61,63)の吐出流体の圧力と内側流体室 (62,64)の吐出流体の圧力とが互いに相違する 合には、外側流体室(61,63)の吐出空間と内側 体室(62,64)の吐出空間とが別々になる。従っ て、吐出空間、及びその吐出空間から延びる 通路が狭くなり、吐出流体の圧力損失が比較 的大きくなる。

 これに対して、この第4の発明では、各偏 心回転機構(24,25)において、外側流体室(61,63) 流体及び内側流体室(62,64)の流体が同じ吐出 空間(46,47)に吐出されるので、その吐出空間(4 6,47)が2つの流体室からの吐出流体の流量に合 わせて広くなり、その吐出空間(46,47)から延 る通路も広くなる。従って、吐出流体の圧 損失を低減させることができる。

 また、上記第5の発明では、各偏心回転機 構(24,25)において、揺動する部材の重心と揺 の支点との距離が一定になるピストン可動 式が採用されている。このため、第1偏心回 機構(24)の揺動モーメントと第2偏心回転機 (25)の揺動モーメントとの差が変動しない。 って、第1偏心回転機構(24)のクランク角度 第2偏心回転機構(25)のクランク角度との位相 差が、第1偏心回転機構(24)の揺動モーメント 第2偏心回転機構(25)の揺動モーメントとが いに打ち消し合うような値に設定されてい 場合(例えば180°)には、第1偏心回転機構(24) 揺動モーメントと第2偏心回転機構(25)の揺動 モーメントとが常に大きく打ち消し合うので 、揺動モーメントに起因する振動を低減させ ることができる。

 また、上記第8の発明では、区画手段(101,1 02)によって、第1偏心回転機構(24)の可動側鏡 部(51a,52a)の背面と、第2偏心回転機構(25)の 動側鏡板部(55a,56a)の背面とに、高圧空間に る高圧背圧室(96,97)が形成されている。ここ 、第1偏心回転機構(24)の各流体室(61,62)が低 側流体室となって第2偏心回転機構(25)の各 体室(63,64)が高段側流体室となる流体機械(20) では、各偏心回転機構(24,25)の背圧室の圧力 、その偏心回転機構(24,25)の流体室の吐出流 の圧力に調節することが考えられる。つま 、第1偏心回転機構(24)の背圧室を中間圧に 節して、第2偏心回転機構(25)の背圧室を高圧 に調節することが考えられる。しかし、駆動 軸(23)の周囲の隙間が高圧空間になる場合に 、第1偏心回転機構(24)の背圧室と駆動軸(23) 周囲の隙間との連通を遮断する必要があり 第1偏心回転機構(24)の背圧室の外側と内側の 両方を区画する必要がある。これに対して、 この第8の発明では、各偏心回転機構(24,25)の 圧背圧室(96,97)が高圧に調節されるので、高 圧背圧室(96,97)の外側だけを区画すればよい 従って、区画手段(101,102)の構成を簡素化す ことができる。

 また、上記第9の発明では、第1偏心回転 構(24)の高圧背圧室(96)と第2偏心回転機構(25) 高圧背圧室(97)とが別々のシールリング(101,1 02)により形成されている。ここで、第1偏心 転機構(24)の各流体室(61,62)が低段側流体室と なって第2偏心回転機構(25)の各流体室(63,64)が 高段側流体室となる流体機械(20)では、各流 室(61,62)が低段側流体室となる第1偏心回転機 構(24)に比べて、各流体室(63,64)が高段側流体 となる第2偏心回転機構(25)の方が、流体室(6 1~64)の内圧によって可動側鏡板部(55a,56a)が離 ようとする力(以下、「離反力」という。) 大きくなる。このため、第1偏心回転機構(24) の高圧背圧室(96)と第2偏心回転機構(25)の高圧 背圧室(97)とが同じシールリングによって形 される場合には、離反力が大きくなる方の 2偏心回転機構(25)の可動側鏡板部(55a,56a)が離 れないように、シールリングの大きさが設定 されるので、離反力が小さい第1偏心回転機 (24)において、高圧背圧室(96)が可動側鏡板部 (51a,52a)を押し付ける力(以下、「押付力」と う。)が、離反力に対して過大になってしま 。

 これに対して、この第9の発明では、第1 心回転機構(24)の高圧背圧室(96)と第2偏心回 機構(25)の高圧背圧室(97)とが別々のシールリ ング(101,102)により形成されているので、第1 心回転機構(24)の高圧背圧室(96)の面積と第2 心回転機構(25)の高圧背圧室(97)の面積とを、 それぞれ離反力に合わせて設定することが可 能である。従って、離反力が小さい第1偏心 転機構(24)において、押付力が離反力に対し 過大になることを回避することが可能であ ため、第1偏心回転機構(24)の摩擦損失を低 させることができる。

 また、上記第10の発明では、トルク変動 が1.0以下なるように、第1偏心方向と第2偏心 方向とのずれ角度が設定されている。このた め、低振動の流体機械(20)を構成することが きる。

 また、上記第11の発明では、第1偏心方向 第2偏心方向とが180°ずれているので、第1偏 心部(23b)に作用する遠心力荷重と第2偏心部(23 c)に作用する遠心力荷重とが大きく打ち消し う。このため、遠心力荷重による振動を大 く低減させることができる。

 また、上記第12の発明では、冷媒の流量 動によって生じる圧力脈動が大きくなる冷 回路(10)に、流体機械(20)が接続されている。 従って、冷媒の流量変動によって生じる圧力 脈動を抑制するために、上記第3の発明のよ に、第1偏心回転機構(24)の外側流体室(61)及 内側流体室(62)に導入される流体が同じ通路 流れ、第2偏心回転機構(25)の外側流体室(63) び内側流体室(64)に導入される流体が同じ通 路を流れるように構成した場合に、その圧力 脈動を低減させる効果が大きくなる。

図1は、実施形態1に係る空調機の冷媒 路の配管系統図である。 図2は、実施形態1に係る圧縮機の縦断 図である。 図3は、実施形態1に係る第1機構部(第2 構部)の横断面図である。 図4は、実施形態2に係る圧縮機の縦断 図である。 図5は、実施形態2に係る第1機構部(第2 構部)の横断面図である。 図6は、実施形態2に係る押付機構の拡 断面図である。 図7は、クランク角度(駆動軸の回転角 )の変化に伴う実施形態2の圧縮機のトルク比 の変動及びロータリ式の圧縮機のトルク比の 変動を表した図表である。 図8は、クランク角度の変化に伴う実施 形態2の圧縮機のトルク比の変動を、第1偏心 と第2偏心部の位相差毎に表した図表である 。 図9は、第1偏心部と第2偏心部の位相差 トルクの変動幅との関係を表した図表であ 。 図10は、参考形態に係る空調機の冷媒 路の配管系統図である。 図11は、参考形態に係る圧縮機の縦断 図である。 図12は、参考形態に係る第1機構部(第2 構部)の横断面図である。 図13は、参考形態に係る押付機構の拡 断面図である。

符号の説明

 20   圧縮機(流体機械)
 23   駆動軸
 23a   主軸部
 23b   第1偏心部
 23c   第2偏心部
 24   第1機構部(第1偏心回転機構)
 25   第2機構部(第2偏心回転機構)
 31   吐出管(流出通路)
 32   吸入管(流入通路)
 33   中間圧連絡管(連絡通路)
 52,56  シリンダ
 53,57  ピストン
 54,58  シリンダ室
 61,62  低段側圧縮室
 63,64  高段側圧縮室

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。但し、先ず最初に本発明 参考となる参考形態を図面に基づいて詳細 説明し、その後に本発明の実施形態を説明 る。

  《参考形態》
 本発明の参考となる参考形態を図面に基づ て説明する。

 参考形態に係る冷凍装置は、本発明の参 となる流体機械(20)を備えて、室内の暖房と 冷房とを切り換えて行う空調機(1)である。こ の空調機(1)は、冷媒が循環して冷凍サイクル を行う冷媒回路(10)を備えており、いわゆる ートポンプ式の空調機を構成している。冷 回路(10)には、冷媒として二酸化炭素が充填 れている。

 図10に示すように、冷媒回路(10)には、主 構成機器として、圧縮機(20)、室内熱交換器 (11)、膨張弁(12)、及び室外熱交換器(13)が設け られている。

 室内熱交換器(11)は室内機に設けられてい る。この室内熱交換器(11)は、室内ファン(図 省略)が送風する室内空気と冷媒とを熱交換 させる。一方、室外熱交換器(13)は室外機に けられている。この室外熱交換器(13)は、室 ファン(図示省略)が送風する室外空気と冷 とを熱交換させる。また、膨張弁(12)は、後 する内部熱交換器(15)と後述するブリッジ回 路(19)の第2端の間に設けられている。この膨 弁(12)は、その開度が調節可能な電子膨張弁 で構成されている。

 冷媒回路(10)には、四路切換弁(14)、ブリ ジ回路(19)、内部熱交換器(15)、減圧弁(16)、 び受液器(17)も設けられている。

 四路切換弁(14)は、第1から第4までの4つの ポートを備えている。四路切換弁(14)は、そ 第1ポートが圧縮機(20)の吐出管(31)と接続し その第2ポートが室内熱交換器(11)と接続し、 その第3ポートが受液器(17)を介して圧縮機(20) の吸入管(32)と接続し、その第4ポートが室外 交換器(13)と接続している。この四路切換弁 (14)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が連通す と同時に第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が連通 する第1状態(図10に示す実線の状態)と、第1ポ ート(P1)と第4ポート(P4)が連通すると同時に第 2ポート(P2)と第3ポート(P3)が連通する第2状態( 図10に示す破線の状態)との間での切り換えを 行うことが可能に構成されている。

 ブリッジ回路(19)は、第1接続ライン(19a)と 第2接続ライン(19b)と第3接続ライン(19c)と第4 続ライン(19d)とをブリッジ状に接続した回路 である。第1接続ライン(19a)は、室外熱交換器 (13)と内部熱交換器(15)の一端側とを接続して る。第2接続ライン(19b)は、室内熱交換器(11) と内部熱交換器(15)の一端側とを接続してい 。第3接続ライン(19c)は、室外熱交換器(13)と 部熱交換器(15)の他端側とを接続している。 第4接続ライン(19d)は、室内熱交換器(11)と内 熱交換器(15)の他端側とを接続している。

 第1接続ライン(19a)には、内部熱交換器(15) の一端側から室外熱交換器(13)へ向かう冷媒 流れを禁止する第1逆止弁(CV1)が設けられて る。第2接続ライン(19b)には、内部熱交換器(1 5)の一端側から室内熱交換器(11)へ向かう冷媒 の流れを禁止する第2逆止弁(CV2)が設けられて いる。第3接続ライン(19c)には、室外熱交換器 (13)から内部熱交換器(15)の他端側へ向かう冷 の流れを禁止する第3逆止弁(CV3)が設けられ いる。第4接続ライン(19d)には、室内熱交換 (11)から内部熱交換器(15)の他端側へ向かう 媒の流れを禁止する第4逆止弁(CV4)が設けら ている。

 内部熱交換器(15)は、第1熱交換用流路(15a) と第2熱交換用流路(15b)とを有する二重管熱交 換器を構成している。第1熱交換用流路(15a)は 、第1接続ライン(19a)の出口端と第2接続ライ (19b)の出口端が接続されたブリッジ回路(19) 第1端と、第3接続ライン(19c)の入口端と第4接 続ライン(19d)の入口端が接続されたブリッジ 路(19)の第2端とを結ぶ冷媒配管に跨るよう 配置されている。第2熱交換用流路(15b)は、 部熱交換器(15)とブリッジ回路(19)の第1端の から分岐する中間インジェクション配管(18) 跨るように配置されている。中間インジェ ション配管(18)は、中間インジェクション通 路を構成しており、後述する中間圧連絡管(33 )に接続されている。中間インジェクション 管(18)には、内部熱交換器(15)の上流側に、開 閉機構を構成する減圧弁(16)が設けられてい 。そして、内部熱交換器(15)では、第1熱交換 用流路(15a)を流れる高圧液冷媒と、第2熱交換 用流路(15b)を流れる中間圧冷媒とが熱交換可 となっている。

 参考形態では、圧縮機(20)が二酸化炭素冷 媒用の圧縮機として構成されている。圧縮機 (20)は、第1機構部(24)と第2機構部(25)とから構 された圧縮機構(30)を備えている。各機構部 (24,25)には低段側圧縮室(61,62)及び高段側圧縮 (63,64)がそれぞれ形成されている。なお、圧 縮機(20)の内部の詳細については後述する。

 圧縮機(20)には複数の配管が接続されてい る。具体的に、第1機構部(24)の低段側圧縮室( 61)の吸入側には、吸入管(32)から分岐した第1 入分岐管(42a)が接続されている。第2機構部( 25)の低段側圧縮室(62)の吸入側には、吸入管(3 2)から分岐した第2吸入分岐管(42b)が接続され いる。また、第2機構部(25)の低段側圧縮室(6 1)の吐出側には、中間圧連絡管(33)が接続され ている。第2機構部(25)の低段側圧縮室(62)の吐 出側は、圧縮機(20)の内部で第1機構部(24)の低 段側圧縮室(61)の吐出側に連通している。ま 、第1機構部(24)の高段側圧縮室(63)の吸入側 は、中間圧連絡管(33)から分岐した第1中間分 岐管(43a)が接続されている。第2機構部(25)の 段側圧縮室(64)の吸入側には、中間圧連絡管( 33)から分岐した第2中間分岐管(43b)が接続され ている。第2中間分岐管(43b)からは、後述する 中間接続通路(79)に接続する接続管(69)が分岐 ている。

  〈圧縮機の構成〉
 図11に示すように、圧縮機(20)は、縦長で密 容器状のケーシング(21)を備えている。ケー シング(21)の内部には、電動機(22)と圧縮機構( 30)とが収納されている。この圧縮機(20)は、 ーシング(21)内が高圧の冷媒で満たされる、 わゆる高圧ドーム式の圧縮機で構成されて る。

 電動機(22)は、ステータ(26)とロータ(27)と 備えている。ステータ(26)は、ケーシング(21 )の胴部に固定されている。一方、ロータ(27) 、ステータ(26)の内側に配置され、駆動軸(23 )の主軸部(23a)に連結されている。なお、電動 機(22)の回転速度は、インバータ制御によっ 可変となっている。つまり、電動機(22)は、 の容量が可変なインバータ式の圧縮機で構 されている。

 駆動軸(23)には、その下部寄りに位置する 第1偏心部(23b)と、その中央部寄りに位置する 第2偏心部(23c)とが形成されている。第1偏心 (23b)と第2偏心部(23c)とは、それぞれ駆動軸(23 )の主軸部(23a)の軸心から偏心している。また 、第1偏心部(23b)と第2偏心部(23c)とは、駆動軸 (23)の軸心を中心として互いに180°位相がずれ ている。

 圧縮機構(30)は、電動機(22)の下側に配置 れている。圧縮機構(30)は、ケーシング(21)の 底部側寄りの第1機構部(24)と、電動機(22)側寄 りの第2機構部(25)とを備えている。

 第1機構部(24)は、ケーシング(21)に固定さ る第1ハウジング(51)と、この第1ハウジング( 51)内に収納される第1シリンダ(52)とを備えて る。第1ハウジング(51)は固定部材を構成し 第1シリンダ(52)は可動部材を構成している。

 第1ハウジング(51)は、円盤状の固定側鏡 部(51a)と、固定側鏡板部(51a)の上面から上方 突出する環状の第1ピストン(53)とを備えて る。一方、第1シリンダ(52)は、円盤状の可動 側鏡板部(52a)と、可動側鏡板部(52a)の内周端 から下方に突出する環状の内側シリンダ部(5 2b)と、可動側鏡板部(52a)の外周端部から下方 突出する環状の外側シリンダ部(52c)とを備 ている。第1シリンダ(52)の内側シリンダ部(52 b)には、第1偏心部(23b)が嵌合している。そし 、第1シリンダ(52)は、駆動軸(23)の回転に伴 主軸部(23a)の軸心を中心として偏心回転す ように構成されている。

 また、第1シリンダ(52)には、その内側シ ンダ部(52b)の外周面と外側シリンダ部(52c)の 周面との間に環状の第1シリンダ室(54)が形 されている。そして、第1シリンダ室(54)には 、第1ピストン(53)が配置されている。その結 、第1シリンダ室(54)は、第1ピストン(53)の外 周面と第1シリンダ室(54)の外壁との間に形成 れる第1低段側圧縮室(61)と、第1ピストン(53) の内周面と第1シリンダ室(54)の内壁との間に 成される第1高段側圧縮室(63)とに区画され いる。また、第1シリンダ(52)の外側シリンダ 部(52c)には、第1シリンダ(52)の外側の吸入空 (38)と、第1低段側圧縮室(61)とを連通させる 1連通路(59)が形成されている。

 図12に示すように、第1シリンダ(52)には、 外側シリンダ部(52c)の内周面から内側シリン 部(52b)の外周面まで延びるブレード(45)が設 られている。ブレード(45)は、第1シリンダ(5 2)と一体になっている。なお、図12では、括 付きの符号が併記されている部材は、括弧 ない符号が第1機構部(24)の符号を表し、括弧 内の符号が第2機構部(25)の符号を表している この点は、図3及び図5でも同じである。

 ブレード(45)は、第1低段側圧縮室(61)及び 1高段側圧縮室(63)を吸入側となる低圧室と 出側となる高圧室とに区画している。一方 第1ピストン(53)は、環状の一部が分断された C型形状をしており、この分断箇所にブレー (45)が挿通されている。また、ピストン(53)の 分断箇所には、ブレード(45)を挟むように半 形状のブッシュ(46,46)が嵌合している。ブッ ュ(46,46)はピストン(53)の端部で揺動自在に 成されている。以上の構成により、シリン (52)は、ブレード(45)の延伸方向に進退可能と なり、また、ブッシュ(46,46)とともに揺動可 となる。駆動軸(23)が回転すると、シリンダ( 52)は、図12の(A)から(D)の順に偏心回転し、第1 低段側圧縮室(61)及び第1高段側圧縮室(63)で冷 媒が圧縮される。

 第2機構部(25)は、第1機構部(24)と同じ機械 要素によって構成されている。第2機構部(25) 、ミドルプレート(41)を挟んで、第1機構部(2 4)とは上下反転した状態で設けられている。

 具体的に、第2機構部(25)は、ケーシング(2 1)に固定される第2ハウジング(55)と、第2ハウ ング(55)内に収納される第2シリンダ(56)とを えている。第2ハウジング(55)は固定部材を 成し、第2シリンダ(56)は可動部材を構成して いる。

 第2ハウジング(55)は、円盤状の固定側鏡 部(55a)と、固定側鏡板部(55a)の下面から下方 突出する環状の第2ピストン(57)とを備えて る。一方、第2シリンダ(56)は、円盤状の鏡板 部(56a)と、鏡板部(56a)の内周端部から上方に 出する環状の内側シリンダ部(56b)と、鏡板部 (56a)の外周端部から上方に突出する環状の外 シリンダ部(56c)とを備えている。第2シリン (56)の内側シリンダ部(56b)には、第2偏心部(23 c)が嵌合している。そして、第2シリンダ(56) 、駆動軸(23)の回転に伴い主軸部(23a)の軸心 中心として偏心回転するように構成されて る。

 また、第2シリンダ(56)には、その内側シ ンダ部(56b)の外周面と外側シリンダ部(56c)の 周面との間に環状の第2シリンダ室(58)が形 されている。そして、第2シリンダ室(58)には 、第2ピストン(57)が配置されている。その結 、第2シリンダ室(58)は、第2ピストン(57)の外 周面と第2シリンダ室(58)の外壁との間に形成 れる第2低段側圧縮室(62)と、第2ピストン(57) の内周面と第2シリンダ室(58)の内壁との間に 成される第2高段側圧縮室(64)とに区画され いる。また、第2シリンダ(56)の外側シリンダ 部(56c)には、第2シリンダ(56)の外側の吸入空 (39)と、第2低段側圧縮室(62)とを連通させる 2連通路(60)が形成されている。

 第2機構部(25)は、駆動軸(23)が回転すると 第1機構部(24)と同様に、第2シリンダ(56)が偏 心回転する。その結果、第2低段側圧縮室(62) び第2高段側圧縮室(64)で冷媒が圧縮される

 なお、第1機構部(24)及び第2機構部(25)の各 機構部は、低段側圧縮室(61,62)に対する高段 圧縮室(63,64)の吸入容積比が0.8~1.3の間の値( えば1.0)になるように設計されている。

 ケーシング(21)には、吐出管(31)、第1吸入 岐管(42a)、第2吸入分岐管(42b)、中間圧連絡 (33)、第1中間分岐管(43a)、及び第2中間分岐管 (43b)が貫通している。ケーシング(21)では、吐 出管(31)が頂部を貫通し、他の管(42,43)は胴部 貫通している。吐出管(31)は、圧縮機(20)の 転時に高圧空間となる内部空間(37)に開口し いる。

 第1機構部(24)には、第1吸入分岐管(42a)及 第1中間分岐管(43a)が接続されている。第1吸 分岐管(42a)は、第1連通路(59)を介して第1低 側圧縮室(61)の吸入側と繋がっている。第1低 段側圧縮室(61)の吐出側は、第1ハウジング(51) 、ミドルプレート(41)、及び第2ハウジング(55) に亘って形成された連絡通路(49)を介して第2 段側圧縮室(62)の吐出側と繋がっている。ま た、第1中間分岐管(43a)は、第1高段側圧縮室(6 3)の吸入側と繋がっている。なお、第1高段側 圧縮室(63)の吐出側は、図示しない連絡通路 通じて、内部空間(37)と繋がっている。

 また、第1機構部(24)には、外側吐出ポー (65)及び内側吐出ポート(66)が第1ハウジング(5 1)に形成されている。外側吐出ポート(65)は、 第1低段側圧縮室(61)の吐出側と連絡通路(49)と を連通している。外側吐出ポート(65)には、 1吐出弁(67)が設けられている。第1吐出弁(67) 、第1低段側圧縮室(61)の吐出側の冷媒圧力 連絡通路(49)側の冷媒圧力以上になると、外 吐出ポート(65)を開口するように構成されて いる。一方、内側吐出ポート(66)は、第1高段 圧縮室(63)の吐出側と内部空間(37)とを連通 ている。内側吐出ポート(66)には、第2吐出弁 (68)が設けられている。第2吐出弁(68)は、第1 段側圧縮室(63)の吐出側の冷媒圧力がケーシ グ(21)の内部空間(37)の冷媒圧力以上になる 、内側吐出ポート(66)を開口するように構成 れている。

 第2機構部(25)には、第2吸入分岐管(42b)、 間圧連絡管(33)及び第2中間分岐管(43b)が接続 れている。第2吸入分岐管(42b)は、第2連通路 (60)を介して第2低段側圧縮室(62)の吸入側と繋 がっている。中間圧連絡管(33)は、第2低段側 縮室(62)の吐出側と繋がっている。また、第 2中間分岐管(43b)は、第2高段側圧縮室(64)の吸 側と繋がっている。なお、第2高段側圧縮室 (64)の吐出側は、図示しない連絡通路を通じ 、内部空間(37)と繋がっている。

 また、第2機構部(25)には、第1機構部(24)と 同様に、外側吐出ポート(75)及び内側吐出ポ ト(76)が第2ハウジング(55)に形成されている 外側吐出ポート(75)は、第2低段側圧縮室(62) 吐出側と中間圧連絡管(33)とを連通している 外側吐出ポート(75)には、第3吐出弁(77)が設 られている。第3吐出弁(77)は、第2低段側圧 室(62)の吐出側の冷媒圧力が中間圧連絡管(33 )側の冷媒圧力以上になると、外側吐出ポー (75)を開口するように構成されている。一方 内側吐出ポート(76)は、第2高段側圧縮室(64) 吐出側とケーシング(21)の内部空間(37)とを 通している。内側吐出ポート(76)には、第4吐 出弁(78)が設けられている。第4吐出弁(78)は、 第2高段側圧縮室(64)の吐出側の冷媒圧力がケ シング(21)の内部空間(37)の冷媒圧力以上に ると、内側吐出ポート(76)を開口するように 成されている。

 また、ケーシング(21)の底部には、冷凍機 油が貯留される油溜まりが形成されている。 また、駆動軸(23)の下端には、油溜まりに浸 する油ポンプ(28)が設けられている。駆動軸( 23)の内部には、油ポンプ(28)が吸い上げた冷 機油が流通する給油通路(図示省略)が形成さ れている。この圧縮機(20)では、駆動軸(23)の 転に伴って、油ポンプ(28)が吸い上げた冷凍 機油が給油通路を通じて各機構部(24,25)の摺 部及び駆動軸(23)の軸受部に供給される。

 参考形態では、図13に示すように、ミド プレート(41)に押付機構(80,90)が設けられてい る。押付機構(80,90)は、第1機構部(24)に対して 設けられた第1押付部(80)と、第2機構部(25)に して設けられた第2押付部(90)とから構成され ている。

 第1押付部(80)は、第1ハウジング(51)に対し て第1シリンダ(52)を押し付けるように構成さ ている。第1押付部(80)は、第1中間圧背圧室( 85)を互いに形成する第1内側シールリング(81a) 及び第1外側シールリング(81b)と、ミドルプレ ート(41)の内部に形成された中間接続通路(79) を備えている。第1内側シールリング(81a)及 第1外側シールリング(81b)は、区画部材を構 している。

 第1内側シールリング(81a)は、駆動軸(23)が 挿入されたミドルプレート(41)の挿通孔を囲 ようにミドルプレート(41)の下面に形成され 第1内側環状溝(83)に嵌め込まれている。一 、第1外側シールリング(81b)は、第1内側環状 (83)を囲うようにミドルプレート(41)の下面 形成された第1外側環状溝(84)に嵌め込まれて いる。第1内側環状溝(83)及び第1外側環状溝(84 )は同心に配置されている。第1中間圧背圧室( 85)は、ミドルプレート(41)の下面と第1シリン (52)の上面との間において、第1内側環状溝(8 3)の外周と第1外側環状溝(84)の内周との間に 成されている。

 中間接続通路(79)は、一端がミドルプレー ト(41)の外周面に開口し、その一端で接続管(6 9)に接続されている。中間接続通路(79)は、ミ ドルプレート(41)の外周面から内側に延びる 通路(79a)と、本通路(79a)の内側端で下側に分 する第1分岐通路(79b)と、本通路(79a)の内側 で上側に分岐する第2分岐通路(79c)とから構 されている。第1分岐通路(79b)は、ミドルプ ート(41)の下面で第1中間圧背圧室(85)に開口 ている。第2分岐通路(79c)は、ミドルプレー (41)の上面で、後述する第2中間圧背圧室(95) 開口している。

 第1中間圧背圧室(85)は、第1分岐通路(79b) び本通路(79a)を介して接続管(69)に連通して る。このため、第1中間圧背圧室(85)には、第 2高段側圧縮室(64)へ向かう中間圧冷媒が導入 れる。また、第1内側シールリング(81a)の内 には、駆動軸(23)側からの高圧の冷凍機油が 導入される。また、第1外側シールリング(81b) の外側は、吸入空間(38)に連通している。第1 付部(80)は、第1内側シールリング(81a)の内側 の高圧の冷凍機油と、第1中間圧背圧室(85)の 間圧冷媒と、第1外側シールリング(81b)の外 の低圧冷媒とによって、第1シリンダ(52)を 1ハウジング(51)に押し付けるように構成され ている。

 また、第2押付部(90)は、第2ハウジング(55) に対して第2シリンダ(56)を押し付けるように 成されている。第2押付部(90)は、第2中間圧 圧室(95)を互いに形成する第2内側シールリ グ(91a)及び第2外側シールリング(91b)と、上記 中間接続通路(79)とを備えている。第2内側シ ルリング(91a)及び第2外側シールリング(91b) 区画部材を構成している。押付機構(80,90)で 、第1押付部(80)と第2押付部 (90)とで、中間 続通路(79)の本通路(79a)が共用されている。

 第2内側シールリング(91a)は、ミドルプレ ト(41)の挿通孔を囲うようにミドルプレート (41)の上面に形成された第2内側環状溝(93)に嵌 め込まれている。一方、第2外側シールリン (91b)は、第2内側環状溝(93)を囲うようにミド プレート(41)の上面に形成された第2外側環 溝(94)に嵌め込まれている。第2内側環状溝(93 )及び第2外側環状溝(94)は同心に配置されてい る。第2中間圧背圧室(95)は、ミドルプレート( 41)の上面と第2シリンダ(56)の下面との間にお て、第2内側環状溝(93)の外周と第2外側環状 (94)の内周との間に形成されている。

 第2中間圧背圧室(95)は、第2分岐通路(79c) び本通路(79a)を介して接続管(69)に連通して る。このため、第2中間圧背圧室(95)には、第 2高段側圧縮室(64)へ向かう中間圧冷媒が導入 れる。また、第2内側シールリング(91a)の内 には、駆動軸(23)側からの高圧の冷凍機油が 導入される。また、第2外側シールリング(91b) の外側は、吸入空間(39)に連通している。第2 付部(90)は、第2内側シールリング(91a)の内側 の高圧の冷凍機油と、第2中間圧背圧室(95)の 間圧冷媒と、第2外側シールリング(91b)の外 の低圧冷媒とによって、第2シリンダ(56)を 2ハウジング(55)に押し付けるように構成され ている。

 以上の構成により、参考形態の圧縮機(20) では、駆動軸(23)の回転に伴い、各機構部(24,2 5)の各シリンダ(52,56)が各ピストン(53,57)に対 て相対的に偏心回転運動を行う。その結果 第1機構部(24)及び第2機構部(25)の各圧縮室(61~ 64)の容積が周期的に変化することによって、 第1機構部(24)及び第2機構部(25)の各圧縮室(61~6 4)で冷媒が圧縮される。

  -運転動作-
 次に、参考形態に係る空調機(1)の運転動作 ついて説明する。この空調機(1)では、以下 述べる暖房運転や冷房運転等が切り換え可 となっている。

  (暖房運転)
 空調機(1)の暖房運転では、四路切換弁(14)が 第1状態に設定されると共に、膨張弁(12)の開 が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20) の運転が行われると、冷媒回路(10)では室内 交換器(11)が放熱器となって室外熱交換器(13) が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。な お、この空調機(1)では、冷凍サイクルの高圧 圧力が二酸化炭素冷媒の臨界圧力よりも高く なる超臨界の冷凍サイクルが行われる。この 点は、以下の冷房運転も同じである。

 なお、この空調機(1)では、必要となる暖 能力が比較的大きい場合には、減圧弁(16)が 開状態に設定される。減圧弁(16)が開状態に 定されると、中間インジェクション配管(18) 通じて圧縮機(20)の各機構部(24,25)の高段側 縮室(63,64)に冷凍サイクルの中間圧冷媒を注 する中間インジェクション動作が実行され 。中間インジェクション動作の実行中は、 圧弁(16)の開度が適宜調節される。一方、必 要となる暖房能力が比較的小さい場合には、 減圧弁(16)が閉状態に設定され、中間インジ クション動作が停止される。

 まず、中間インジェクション動作の停止 の冷媒の流れについて説明する。圧縮機(20) の吐出管(31)から吐出された高圧冷媒は、四 切換弁(14)を経由して室内熱交換器(11)を流れ る。室内熱交換器(11)では、冷媒が室内空気 放熱する。その結果、室内の暖房が行われ 。

 室内熱交換器(11)で冷却された冷媒は、内 部熱交換器(15)の第1熱交換用流路(15a)を流れ 膨張弁(12)で低圧まで減圧された後、室外熱 換器(13)を流れる。室外熱交換器(13)では、 媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外 交換器(13)で蒸発した冷媒は、受液器(17)を経 由して、圧縮機(20)の吸入側へ送られる。

 圧縮機(20)の吸入側へ流れた冷媒は、第1 入分岐管(42a)及び第2吸入分岐管(42b)へ分流す る。第1吸入分岐管(42a)に流入した冷媒は、第 1機構部(24)の第1低段側圧縮室(61)内で圧縮さ る。第2吸入分岐管(42b)に流入した冷媒は、 2機構部(25)の第2低段側圧縮室(62)内で圧縮さ る。各低段側圧縮室(61,62)で圧縮された冷媒 は、合流後に中間圧連絡管(33)を流通して、 1中間分岐管(43a)及び第2中間分岐管(43b)へ分 する。第1中間分岐管(43a)に流入した冷媒は 第1機構部(24)の第1高段側圧縮室(63)内で圧縮 れる。第2中間分岐管(43b)に流入した冷媒は 第2機構部(25)の第2高段側圧縮室(64)内で圧縮 される。各高段側圧縮室(63,64)で圧縮された 媒は、共にケーシング(21)の内部空間(37)に流 れ込み、吐出管(31)から吐出される。

 続いて、中間インジェクション動作の実 中の冷媒の流れについて説明する。以下で 、中間インジェクション動作の停止中と異 る点について説明する。中間インジェクシ ン動作の実行中は、室内熱交換器(11)で冷却 された冷媒の一部が、減圧弁(16)で中間圧ま 減圧された後に第2熱交換用流路(15b)へ流入 る。このため、内部熱交換器(15)では、高圧 冷媒が第1熱交換用流路(15a)を流通して、中 圧冷媒が第2熱交換用流路(15b)を流通する状 になる。内部熱交換器(15)では、第1熱交換 流路(15a)側の冷媒の熱が、第2熱交換用流路(1 5b)側の冷媒に付与され、この第2熱交換用流 (15b)側の冷媒が蒸発する。第2熱交換用流路(1 5b)で蒸発した冷媒は、各低段側圧縮室(61,62) 圧縮された冷媒と合流し、各高段側圧縮室(6 3,64)で圧縮される。

 参考形態では、各機構部(24,25)に対して設 けられた押付部(80,90)が、中間圧背圧室(85,95) 可動側鏡板部(52a,56a)の背面側に形成するシ ルリング(81,91)を備えている。各機構部(24,25 )のシリンダ(52,56)は、中間圧背圧室(85,95)内の 中間圧冷媒の圧力によってハウジング(51,55) 押し付けられる。ここで、中間圧冷媒の圧 は、中間インジェクション動作の実行中に べて、中間インジェクション動作の停止中 方が低くなる。このため、各押付部(80,90)の 付力は、中間インジェクション動作の実行 に比べて中間インジェクション動作の停止 の方が低くなる。一方、シリンダ(52,56)に作 用する離反力は、中間インジェクション動作 の実行中に比べて中間インジェクション動作 の停止中の方が小さくなる。参考形態では、 各機構部(24,25)の可動側鏡板部(52a,56a)の背面 にシールリング(81,91)を設けることで、可動 材(52,56)に作用する離反力が小さくなる中間 インジェクション動作の停止中に、押付機構 (80,90)の押付力が小さくなるようにしている

  (冷房運転)
 空調機(1)の冷房運転では、四路切換弁(14)が 第2状態に設定されると共に、膨張弁(12)の開 が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20) の運転が行われると、冷媒回路(10)では室外 交換器(13)が放熱器となって室内熱交換器(11) が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。な お、冷房運転でも暖房運転と同様にインジェ クション動作が実行可能であるが、以下では インジェクション動作の停止中のみについて 説明する。

 具体的に、圧縮機(20)の吐出管(31)から吐 された高圧冷媒は、四路切換弁(14)を経由し 室外熱交換器(13)を流れる。室外熱交換器(13 )では、冷媒が室外空気へ放熱する。室外熱 換器(13)で冷却された冷媒は、膨張弁(12)で低 圧まで減圧された後、室内熱交換器(11)を流 る。室内熱交換器(11)では、冷媒が室内空気 ら吸熱して蒸発する。その結果、室内の冷 が行われる。室内熱交換器(11)で蒸発した冷 媒は、受液器(17)を経由して圧縮機(20)の吸入 へ送られる。

 圧縮機(20)では、冷房運転と同様に、第1 構部(24)及び第2機構部(25)でそれぞれ冷媒が 段圧縮される。各機構部(24,25)で圧縮された 媒は、吐出管(31)から再び吐出される。

  -参考形態の効果-
 以上のように、上記参考形態では、中間圧 圧室(85,95)を可動側鏡板部(52a,56a)の背面側に 形成するシールリング(81,91)を設けることで シリンダ(52,56)に作用する離反力が小さくな 中間インジェクション動作の停止中に、押 機構(80,90)の押付力が小さくなる。このため 、可動側鏡板部(52a,56a)に背面側に導入した高 圧冷凍機油のみによって押付力を得るように している従来の圧縮機では、中間インジェク ション動作を停止する前後で押付機構(80,90) 押付力が概ね一定であるのに対して、この 考形態の圧縮機(20)では、中間インジェクシ ン動作の停止中に押付力が小さくなるので 中間インジェクション動作の停止中におけ 押付力と離反力の差が小さくなる。従って 中間インジェクション動作の停止中には、 付力と離反力の差によって生じる摩擦力が さくなるので、圧縮機構(30)のエネルギー損 失を低減させることができる。

 また、上記参考形態では、中間インジェ ション動作を行う冷凍装置(1)の圧縮機(20)と して、中間インジェクション動作の停止中に 押付機構(80,90)の押付力が小さくなる圧縮機(2 0)が適用されている。このため、中間インジ クション動作の停止中における圧縮機(20)の エネルギー損失が小さくなるので、冷凍装置 (1)の運転効率を向上させることができる。

  《実施形態1》
 本発明の実施形態1は、本発明に係る流体機 械(20)により構成された圧縮機(20)を備えて、 内の暖房と冷房とを切り換えて行うヒート ンプ式の空調機(1)である。冷凍サイクルを う冷媒回路(10)には、上記参考形態と同様に 、冷媒として二酸化炭素が充填されている。 この空調機(1)は、上記参考形態の空調機(1)と は、圧縮機(20)の構成及び圧縮機(20)の接続状 が異なっている。但し、圧縮機(20)の第1機 部(24)及び第2機構部(25)がピストン固定方式 なっている点は、上記参考形態と同じであ 。以下では、主に、上記参考形態と異なる について説明する。

 実施形態1の圧縮機(20)では、図1に示すよ に、第1機構部(24)に第1低段側圧縮室(61)及び 第2低段側圧縮室(62)が形成され、第2機構部(25 )に第1高段側圧縮室(63)及び第2高段側圧縮室(6 4)が形成されている。

 実施形態1では、第1機構部(24)が第1偏心回 転機構(24)を構成し、第2機構部(25)が第2偏心 転機構(25)を構成している。また、第1機構部 (24)では、第1低段側圧縮室(61)が外側流体室(61 )を構成し、第2低段側圧縮室(62)が内側流体室 (62)を構成している。第2機構部(25)では、第1 段側圧縮室(63)が外側流体室(63)を構成し、第 2高段側圧縮室(64)が内側流体室(64)を構成して いる。

 第1機構部(24)の吸入側には、流入通路(32) 構成する吸入管(32)が接続されている。第1 構部(24)の吐出側は、連絡通路(33)を構成する 中間圧連絡管(33)を介して、第2機構部(25)の吸 入側に接続されている。

 図2及び図3に示すように、第1機構部(24)で は、第1ピストン(53)の外周面と第1シリンダ室 (54)の外壁との間に第1低段側圧縮室(61)が形成 され、第1ピストン(53)の内周面と第1シリンダ 室(54)の内壁との間に第2低段側圧縮室(62)が形 成されている。

 また、第1シリンダ(52)では、外側シリン 部(52c)に第1外側連通路(59a)が形成され、内側 シリンダ部(52b)に第1内側連通路(59b)が形成さ ている。第1外側連通路(59a)は、第1シリンダ (52)の外側の吸入空間(38)と、第1低段側圧縮室 (61)の吸入側とを連通している。第1内側連通 (59b)は、第1低段側圧縮室(61)の吸入側と第2 段側圧縮室(62)の吸入側とを連通している。 1機構部(24)では、第1低段側圧縮室(61)の吸入 側が、第1外側連通路(59a)を介して吸入管(32) 繋がっている。第2低段側圧縮室(62)の吸入側 が、第1外側連通路(59a)及び第1内側連通路(59b) を介して吸入管(32)と繋がっている。

 本実施形態1では、圧縮機(20)の外部から 冷媒を第1機構部(24)の第1低段側圧縮室(61)及 第2低段側圧縮室(62)に導入するための流入 路(32)が、1本の吸入管(32)により構成されて る。このため、流入通路(32)における冷媒の 量変動が緩和される。

 また、第1機構部(24)では、外側吐出ポー (65)及び内側吐出ポート(66)が第1ハウジング(5 1)に形成されている。外側吐出ポート(65)は、 第1低段側圧縮室(61)の吐出側と第1吐出空間(46 )とを連通している。外側吐出ポート(65)には 第1吐出弁(67)が設けられている。第1吐出弁( 67)は、第1低段側圧縮室(61)の吐出側の冷媒圧 が第1吐出空間(46)の冷媒圧力以上になると 外側吐出ポート(65)を開口するように構成さ ている。一方、内側吐出ポート(66)は、第2 段側圧縮室(62)の吐出側と第1吐出空間(46)と 連通している。内側吐出ポート(66)には、第2 吐出弁(68)が設けられている。第2吐出弁(68)は 、第2低段側圧縮室(62)の吐出側の冷媒圧力が 1吐出空間(46)の冷媒圧力以上になると、内 吐出ポート(66)を開口するように構成されて る。第1吐出空間(46)には中間圧連絡管(33)が 口している。

 本実施形態1では、第1機構部(24)の外側吐 ポート(65)及び内側吐出ポート(66)が、同じ 1吐出空間(46)に開口している。第1機構部(24) は、第1低段側圧縮室(61)の冷媒及び第2低段 圧縮室(62)の冷媒が同じ吐出空間(46)に吐出 れる。このため、第1吐出空間(46)は、2つの 縮室(61,62)からの吐出流量に対応できるよう 比較的広くなっており、第1吐出空間(46)か 延びる中間圧連絡管(33)も径が比較的大きく っている。

 第2機構部(25)では、第2ピストン(57)の外周 面と第2シリンダ室(58)の外壁との間に第1高段 側圧縮室(63)が形成され、第2ピストン(57)の内 周面と第2シリンダ室(58)の内壁との間に第2高 段側圧縮室(64)が形成されている。

 また、第2シリンダ(56)では、外側シリン 部(56c)に第2外側連通路(60a)が形成され、内側 シリンダ部(56b)に第2内側連通路(60b)が形成さ ている。第2外側連通路(60a)は、第2シリンダ (56)の外側の吸入空間(39)と、第1高段側圧縮室 (63)の吸入側とを連通している。第2内側連通 (60b)は、第1高段側圧縮室(63)の吸入側と第2 段側圧縮室(64)の吸入側とを連通している。 2機構部(25)では、第1高段側圧縮室(63)の吸入 側が、第2外側連通路(60a)を介して中間圧連絡 管(33)と繋がっている。第2高段側圧縮室(64)の 吸入側が、第2外側連通路(60a)及び第2内側連 路(60b)を介して中間圧連絡管(33)と繋がって る。

 本実施形態1では、第1機構部(24)の第1低段 側圧縮室(61)及び第2低段側圧縮室(62)から吐出 された冷媒を第2機構部(25)の第1高段側圧縮室 (63)及び第2高段側圧縮室(64)に導入するための 連絡通路(33)が、1本の中間圧連絡管(33)により 構成されている。このため、連絡通路(33)に ける冷媒の流量変動が緩和される。

 また、第2機構部(25)では、外側吐出ポー (75)及び内側吐出ポート(76)が第2ハウジング(5 5)に形成されている。外側吐出ポート(75)は、 第1高段側圧縮室(63)の吐出側と第2吐出空間(47 )とを連通している。外側吐出ポート(75)には 第3吐出弁(77)が設けられている。第3吐出弁( 77)は、第1高段側圧縮室(63)の吐出側の冷媒圧 が第2吐出空間(47)の冷媒圧力以上になると 外側吐出ポート(75)を開口するように構成さ ている。一方、内側吐出ポート(76)は、第2 段側圧縮室(64)の吐出側と第2吐出空間(47)と 連通している。内側吐出ポート(76)には、第4 吐出弁(78)が設けられている。第4吐出弁(78)は 、第2高段側圧縮室(64)の吐出側の冷媒圧力が 2吐出空間(47)の冷媒圧力以上になると、内 吐出ポート(76)を開口するように構成されて る。第2吐出空間(47)は、内部空間(37)を介し 、流出通路(31)を構成する吐出管(31)に連通 ている。

 本実施形態1では、第2機構部(25)の外側吐 ポート(75)及び内側吐出ポート(76)が、同じ 2吐出空間(47)に開口している。第2機構部(25) は、第1高段側圧縮室(63)の冷媒及び第2高段 圧縮室(64)の冷媒が同じ吐出空間(47)に吐出 れる。このため、第2吐出空間(47)は、2つの 縮室(63,64)からの吐出流量に対応できるよう 比較的広くなっている。

 なお、本実施形態1の押付機構(80,90)の構 は、実施形態1と同じである。本実施形態1で は、低段側圧縮室(61,62)だけが形成された第1 構部(24)に対して設けられた第1押付部(80)が 中間圧背圧室(85)を形成する第1内側シール ング(81a)及び第1外側シールリング(81b)を備え ている。また、高段側圧縮室(63,64)だけが形 された第2機構部(25)に対して設けられた第2 付部(90)が、中間圧背圧室(95)を形成する第2 側シールリング(91a)及び第2外側シールリン (91b)を備えている。このため、各機構部(24,25 )では、シリンダ(52,56)に作用する離反力が小 くなる中間インジェクション動作の停止中 、押付機構(80,90)の押付力が小さくなる。

 ここで、低段側圧縮室(61,62)に対する高段 側圧縮室(63,64)の吸入容積比が例えば1.0の場 には、中間インジェクション動作の停止中 、低段側圧縮室(61,62)の吸入側と吐出側の圧 が等しくなり、中間圧冷媒の圧力は低段側 縮室(61,62)に吸入される冷媒の圧力と等しく なる。つまり、中間インジェクション動作の 停止中は、第1機構部(24)で冷媒が実質的に圧 されずに、第1シリンダ(52)が空回りする状 になる。この実施形態1では、中間インジェ ション動作の停止中において、第1押付部(80 )の押付力が小さくなるので、空回りする第1 リンダ(52)におけるエネルギー損失が低減さ れる。

  -実施形態1の効果-
 以上のように、上記実施形態1では、低段側 圧縮室(61,62)と高段側圧縮室(63,64)とが別々の 構部(24,25)に形成されているので、吸入容積 比が、第1機構部(24)の第1シリンダ室(54)の高 と第2機構部(25)の第2シリンダ室(58)の高さと 比率や、第1偏心部(23b)の偏心量と第2偏心部 (23c)の偏心量との比率によって調節可能であ 。シリンダ室(54,58)の高さの比率や、偏心量 の比率は、容易に調節することが可能である 。従って、吸入容積比を所定の比率に容易に 設定することができる。

 また、上記実施形態1では、各機構部(24,25 )の外側流体室(61,63)及び内側流体室(62,64)に導 入される冷媒が同じ通路を流れるので、流入 通路(32)及び連絡通路(33)の各々において冷媒 流量変動が緩和される。従って、流入通路( 32)及び連絡通路(33)において、冷媒の流量変 によって生じる圧力脈動、及びその圧力脈 によって生じる振動を低減させることがで る。

 また、上記実施形態1では、各機構部(24,25 )において、外側流体室(61,63)の冷媒及び内側 体室(62,64)の冷媒が同じ吐出空間(46,47)に吐 される。従って、その吐出空間(46,47)が2つの 流体室からの吐出流量に合わせて広くなり、 その吐出空間(46,47)から延びる通路も広くな ている。従って、吐出冷媒の圧力損失を低 させることができる。

 また、上記実施形態1では、第1偏心方向 第2偏心方向とが180°ずれているので、第1偏 部(23b)に作用する遠心力荷重と第2偏心部(23c )に作用する遠心力荷重とが大きく打ち消し う。このため、遠心力荷重による振動を大 く低減させることができる。

 また、上記実施形態1では、冷媒の流量変 動によって生じる圧力脈動が大きくなる冷媒 回路(10)に、圧縮機(20)が接続されている。従 て、冷媒の流量変動によって生じる圧力脈 を低減させるために、第1機構部(24)の外側 体室(61)及び内側流体室(62)に導入される冷媒 が同じ通路を流れ、第2機構部(25)の外側流体 (63)及び内側流体室(64)に導入される冷媒が じ通路を流れるように構成した効果が大き なる。なお、ここまで記載した実施形態1の 果は、実施形態2にも共通する。

 また、上記実施形態1では、第1機構部(24) 比べて中間インジェクション動作の停止に る離反力の変化率が大きくなる第2機構部(25 )に対して、可動側鏡板部(56a)の背面側にシー ルリング(91)が設けられている。つまり、本 施形態1の区画部材(81,91)によって可動側鏡板 部(52a,56a)の背面側に中間圧背圧室(85,95)を形 しなければ、第1機構部(24)に比べて中間イン ジェクション動作の停止中に押付力と離反力 の差によるエネルギー損失が大きくなる第2 構部(25)に対して、可動側鏡板部(56a)の背面 にシールリング(91)が設けられている。この め、中間圧背圧室(85,95)を形成することの効 果が第1機構部(24)よりも第2機構部(25)の方が きいので、圧縮機構(30)のエネルギー損失を 果的に低減させることができる。

 また、上記実施形態1では、第2機構部(25) けでなく第1機構部(24)の可動側鏡板部(52a)の 背面側にもシールリング(81)が設けられてい 。従って、第2機構部(25)だけでなく第1機構 (24)でも中間インジェクション動作の停止中 エネルギー損失を低減させることができる で、圧縮機構(30)のエネルギー損失を低減さ せることができる。

  《実施形態2》
 本発明の実施形態2は、上記実施形態1と同 に、本発明に係る流体機械(20)を備える空調 (1)である。実施形態2は、圧縮機(20)の第1機 部(24)及び第2機構部(25)がピストン可動方式 なっている点が、上記実施形態1とは異なっ ている。以下では、主に、上記実施形態1と なる点について説明する。

 第1機構部(24)は、図4及び図5に示すように 、ケーシング(21)に固定される第1シリンダ(52) と、環状の第1ピストン(53)を有して駆動軸(23) によって駆動する第1可動部材(51)とを備えて る。第1機構部(24)は、後述する可動側鏡板 (51a)の背面が第2機構部(25)側を向くように設 られている。第1機構部(24)は第1偏心回転機 (24)を構成している。

 第1シリンダ(52)は、円盤状の固定側鏡板 (52a)と、固定側鏡板部(52a)の上面の内寄りの 置から上方に突出する環状の内側シリンダ (52b)と、固定側鏡板部(52a)の上面の外周部か ら上方に突出する環状の外側シリンダ部(52c) を備えている。第1シリンダ(52)は、内側シ ンダ部(52b)と外側シリンダ部(52c)との間に、 状の第1シリンダ室(54)を有している。

 一方、第1可動部材(51)は、円盤状の可動 鏡板部(51a)と、上述の第1ピストン(53)と、可 側鏡板部(51a)の下面の内周端部から下方に 出する環状突出部(51b)とを備えている。可動 側鏡板部(51a)は、固定側鏡板部(52a)と共に、 1シリンダ室(54)に面している。第1ピストン(5 3)は、可動側鏡板部(51a)の下面のやや外周寄 の位置から下方に突出している。第1ピスト (53)は、第1シリンダ(52)に対して偏心して第1 シリンダ室(54)に収納され、第1シリンダ室(54) を外側流体室(61)と内側流体室(62)とに区画し いる。

 なお、第1ピストン(53)と第1シリンダ(52)と は、第1ピストン(53)の外周面と外側シリンダ (52c)の内周面とが1点で実質的に接する状態( 厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、 その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状 態)において、その接点と位相が180°異なる位 置で、第1ピストン(53)の内周面と内側シリン 部(52b)の外周面とが1点で実質的に接するよ になっている。この点は、第2機構部(25)に いても同じであり、上記実施形態1及び上記 考形態の各機構部(24,25)においても同じであ る。

 環状突出部(51b)には、第1偏心部(23b)が嵌 している。第1可動部材(51)は、駆動軸(23)の 転に伴い主軸部(23a)の軸心を中心として偏心 回転する。なお、第1機構部(24)では、環状突 部(51b)と内側シリンダ部(52b)との間に空間(99 )が形成されるが、この空間(99)では冷媒の圧 は行われない。

 また、第1機構部(24)は、図5に示すように 内側シリンダ部(52b)の外周面から外側シリ ダ部(52c)の内周面まで延びるブレード(45)を えている。ブレード(45)は、第1シリンダ(52) 一体になっている。ブレード(45)は、第1シリ ンダ室(54)に配置され、外側流体室(61)を吸入 の第1室(61a)と吐出側の第2室(61b)とに区画し 内側流体室(62)を吸入側の第1室(62a)と吐出側 の第2室(62b)とに区画している。ブレード(45) 、環状の一部が分断されたC型形状の第1ピス トン(53)の分断箇所を挿通している。また、 1ピストン(53)の分断箇所には、ブレード(45) 挟むように半円形状のブッシュ(46,46)が嵌合 ている。ブッシュ(46,46)は、第1ピストン(53) 端面に対して揺動自在に構成されている。 れにより、第1ピストン(53)は、ブレード(45) 延伸方向に進退可能で且つブッシュ(46,46)と 共に揺動可能になっている。

 第1機構部(24)には、流入通路(32)を構成す 吸入管(32)が接続されている。吸入管(32)は 固定側鏡板部(52a)に形成された第1接続通路(8 6)に接続されている。第1接続通路(86)は、入 側が固定側鏡板部(52a)の径方向に延び、途中 で上方へ折れ曲がって、出口側が固定側鏡板 部(52a)の軸方向に延びている。第1接続通路(86 )の出口端は、外側流体室(61)と内側流体室(62) の両方に開口している。第1機構部(24)では、 側流体室(61)が第1低段側圧縮室(61)となり、 側流体室(62)が第2低段側圧縮室(62)となる。 実施形態2では、上記実施形態1と同様に、 縮機(20)の外部からの冷媒を第1機構部(24)の 1低段側圧縮室(61)及び第2低段側圧縮室(62)に 入するための流入通路(32)が、1本の吸入管(3 2)により構成されている。

 また、第1機構部(24)には、外側の第1低段 圧縮室(61)から冷媒を吐出させる外側吐出ポ ート(65)と、内側の第2低段側圧縮室(62)から冷 媒を吐出させる内側吐出ポート(66)と、外側 出ポート(65)及び内側吐出ポート(66)の両方が 開口する第1吐出空間(46)とが形成されている 外側吐出ポート(65)は、第1低段側圧縮室(61) 第2室(61b)と第1吐出空間(46)とを連通してい 。外側吐出ポート(65)には、第1吐出弁(67)が けられている。一方、内側吐出ポート(66)は 第2低段側圧縮室(62)の第2室(62b)と第1吐出空 (46)とを連通している。内側吐出ポート(66) は、第2吐出弁(68)が設けられている。第1吐 空間(46)には、連絡通路(33)を構成する中間圧 連絡管(33)の入口端が開口している。本実施 態2では、上記実施形態1と同様に、第1機構 (24)の外側吐出ポート(65)及び内側吐出ポート (66)が、同じ吐出空間(46)に開口している。

 以上の構成により、駆動軸(23)が回転する と、第1ピストン(53)は、図5の(A)から(H)の順に 偏心回転する。そして、その偏心回転に伴っ て、第1低段側圧縮室(61)及び第2低段側圧縮室 (62)では、吸入管(32)を通じて導入された低圧 冷媒が圧縮される。第1低段側圧縮室(61)及 第2低段側圧縮室(62)から吐出された冷媒は、 中間圧連絡管(33)に流入する。

 第2機構部(25)は、第1機構部(24)と同じ機械 要素によって構成されている。第2機構部(25) 、後述するミドルプレート(41)を挟んで、第 1機構部(24)とは上下反転した状態で設けられ いる。

 具体的に、第2機構部(25)は、ケーシング(2 1)に固定される第2シリンダ(56)と、環状の第2 ストン(57)を有して駆動軸(23)によって駆動 る第2可動部材(55)とを備えている。第2機構 (25)は、後述する可動側鏡板部(55a)の背面が 1機構部(24)側を向くように設けられている。 第2機構部(25)は第2偏心回転機構(25)を構成し いる。

 第2シリンダ(56)は、円盤状の固定側鏡板 (56a)と、固定側鏡板部(56a)の下面の内寄りの 置から下方に突出する環状の内側シリンダ (56b)と、固定側鏡板部(56a)の下面の外周部か ら下方に突出する環状の外側シリンダ部(56c) を備えている。第2シリンダ(56)は、内側シ ンダ部(56b)と外側シリンダ部(56c)との間に、 状の第2シリンダ室(58)を有している。

 一方、第2可動部材(55)は、円盤状の可動 鏡板部(55a)と、上述の第2ピストン(57)と、可 側鏡板部(55a)の上面の内周端部から上方に 出する環状突出部(55b)とを備えている。可動 側鏡板部(55a)は、固定側鏡板部(56a)と共に、 2シリンダ室(58)に面している。第2ピストン(5 7)は、可動側鏡板部(55a)の上面のやや外周寄 の位置から上方に突出している。第2ピスト (57)は、第2シリンダ(56)に対して偏心して第2 シリンダ室(58)に収納され、第2シリンダ室(58) を外側流体室(63)と内側流体室(64)とに区画し いる。環状突出部(55b)には、第2偏心部(23c) 嵌合している。第2可動部材(55)は、駆動軸(23 )の回転に伴い主軸部(23a)の軸心を中心として 偏心回転する。なお、第2機構部(25)では、環 突出部(55b)と内側シリンダ部(56b)との間に空 間(100)が形成されるが、この空間(100)では冷 の圧縮は行われない。

 また、第2機構部(25)は、内側シリンダ部(5 6b)の外周面から外側シリンダ部(56c)の内周面 で延びるブレード(45)を備えている。ブレー ド(45)は、第2シリンダ(56)と一体になっている 。ブレード(45)は、第2シリンダ室(58)に配置さ れ、外側流体室(63)を吸入側の第1室(63a)と吐 側の第2室(63b)とに区画し、内側流体室(64)を 入側の第1室(64a)と吐出側の第2室(64b)とに区 している。ブレード(45)は、環状の一部が分 断されたC型形状の第2ピストン(57)の分断箇所 を挿通している。また、第2ピストン(57)の分 箇所には、ブレード(45)を挟むように半円形 状のブッシュ(46,46)が嵌合している。ブッシ (46,46)は第2ピストン(57)の端面に対して揺動 在に構成されている。これにより、第2ピス ン(57)は、ブレード(45)の延伸方向に進退可 で且つブッシュ(46,46)と共に揺動可能になっ いる。

 第2機構部(25)には、中間圧連絡管(33)が接 されている。中間圧連絡管(33)は、固定側鏡 板部(56a)に形成された第2接続通路(87)に接続 れている。第2接続通路(87)は、入口側が固定 側鏡板部(56a)の径方向に延び、途中で下方へ れ曲がって、出口側が固定側鏡板部(56a)の 方向に延びている。第2接続通路(87)の出口端 は、外側流体室(63)と内側流体室(64)の両方に 口している。第2機構部(25)では、外側流体 (63)が第1高段側圧縮室(63)となり、内側流体 (64)が第2高段側圧縮室(64)となる。本実施形 2では、上記実施形態1と同様に、第1機構部(2 4)の第1低段側圧縮室(61)及び第2低段側圧縮室( 62)から吐出された冷媒を第2機構部(25)の第1高 段側圧縮室(63)及び第2高段側圧縮室(64)に導入 するための連絡通路(33)が、1本の中間圧連絡 (33)により構成されている。

 また、第2機構部(25)には、外側の第1高段 圧縮室(63)から冷媒を吐出させる外側吐出ポ ート(75)と、内側の第2高段側圧縮室(64)から冷 媒を吐出させる内側吐出ポート(76)と、外側 出ポート(75)及び内側吐出ポート(76)の両方が 開口する第2吐出空間(47)とが形成されている 外側吐出ポート(75)は、第1高段側圧縮室(63) 第2室(63b)と第2吐出空間(47)とを連通してい 。外側吐出ポート(75)には、第3吐出弁(77)が けられている。一方、内側吐出ポート(76)は 第2高段側圧縮室(64)の第2室(64b)と第2吐出空 (47)とを連通している。内側吐出ポート(76) は、第4吐出弁(78)が設けられている。第2吐 空間(47)は、内部空間(37)を介して、流出通路 (31)を構成する吐出管(31)に連通している。本 施形態2では、上記実施形態1と同様に、第2 構部(25)の外側吐出ポート(75)及び内側吐出 ート(76)が、同じ吐出空間(47)に開口している 。

 以上の構成により、駆動軸(23)が回転する と、第2ピストン(57)は、第1ピストン(53)と同 に、偏心回転する。そして、その偏心回転 伴って、第1高段側圧縮室(63)及び第2高段側 縮室(64)では、中間圧連絡管(33)を通じて導入 された中間圧の冷媒が圧縮される。第1高段 圧縮室(63)及び第2高段側圧縮室(64)から吐出 れた冷媒は、吐出管(31)に流入する。

 本実施形態2では、上記実施形態1と同様 、第1偏心部(23b)と第2偏心部(23c)とが、駆動 (23)の軸心を中心として互いに180°位相がず ている。つまり、第1偏心部(23b)が主軸部(23a) に対して偏心する第1偏心方向と、第2偏心部( 23c)が主軸部(23a)に対して偏心する第2偏心方 とが180°ずれている。

 また、本実施形態2の圧縮機(20)は、第1低 側圧縮室(61)と第2低段側圧縮室(62)の合計吸 容積に対する、第1高段側圧縮室(63)と第2高 側圧縮室(64)の合計吸入容積である吸入容積 比が例えば1.0になるように設計されている。 具体的に、第1機構部(24)と第2機構部(25)とで 、シリンダ室(54,58)とピストン(53,57)とが同じ 断面形状で、同じ大きさであり、シリンダ室 (54,58)の高さが等しくなっている。また、第1 心部(23b)の偏心量と第2偏心部(23c)の偏心量 が等しくなっている。このため、第1低段側 縮室(61)の吸入容積と第1高段側圧縮室(63)の 入容積とは等しく、第2低段側圧縮室(62)の 入容積と第2高段側圧縮室(64)の吸入容積とは 等しい。従って、第1低段側圧縮室(61)と第2低 段側圧縮室(62)の合計吸入容積と、第1高段側 縮室(63)と第2高段側圧縮室(64)の合計吸入容 とは等しく、吸入容積比は1.0になっている

 なお、本実施形態2では、低段側圧縮室(61 ,62)と高段側圧縮室(63,64)とが別々の機構部(24, 25)に形成されているので、吸入容積比を別の 比率(例えば0.8)にする場合に、第1機構部(24) 第1シリンダ室(54)の高さと第2機構部(25)の第2 シリンダ室(58)の高さとの比率である高さ比 と、第1偏心部(23b)の偏心量と第2偏心部(23c) 偏心量との比率である偏心量比率との少な とも一方を調節することによって、吸入容 比を所定の比率に設定することが可能であ 。

 吸入容積比を別の比率(例えば0.8)にする 合に、上記高さ比率と上記偏心量比率のう 高さ比率だけを調節してもよい。高さ比率 、設定しようとする吸入容積比に等しくす 。第1機構部(24)と第2機構部(25)とでは、シリ ダ室(54,58)の高さが互いに相違している。

 高さ比率だけを調節する場合、第1機構部 (24)と第2機構部(25)とで、可動部材(51,55)の大 分を占める鏡板部(51a,55a)の大きさを同じに ることができる。このため、第1可動部材(51) と第2可動部材(55)の重量差を小さくすること できる。従って、第1可動部材(51)を駆動さ るためのトルクの変動と、第2可動部材(55)を 駆動させるためのトルクの変動との差が小さ くなるので、互いのトルクの変動が相殺され やすく、トルク変動に伴う振動を低減させる ことが可能である。

 また、吸入容積比を別の比率(例えば0.8) する場合に、上記高さ比率と上記偏心量比 のうち偏心量比率だけを調節してもよい。 1偏心部(23b)と第2偏心部(23c)では、偏心量が いに相違している。

 偏心量比率だけを調節する場合、第1機構 部(24)と第2機構部(25)とでは、シリンダ室(54,58 )とピストン(53,57)とが同じ断面形状で、同じ きさになり、シリンダ室(54,58)の高さ及びピ ストン(53,57)の高さが等しくなる。このため 第1機構部(24)と第2機構部(25)とで、同じ可動 材(51,55)を用いることが可能である。また、 シリンダ(52,56)の共通化を図ることも可能で る。

 また、本実施形態2では、上記実施形態1 同様に、図6に示すように、第1機構部(24)の 動側鏡板部(51a)と第2機構部(25)の可動側鏡板 (55a)とに挟まれたミドルプレート(41)と、第1 押付部(80)と第2押付部(90)とからなる押付機構 (80,90)とが設けられている。

 第1押付部(80)は、第1高圧背圧室(96)を形成 する第1シールリング(101)を備えている。第1 ールリング(101)は、駆動軸(23)が挿入された ドルプレート(41)の挿通孔を囲うようにミド プレート(41)の下面に形成された第1環状溝(1 05)に嵌め込まれている。第1環状溝(105)の中心 は、駆動軸(23)の軸心よりも吐出側(図4におけ る左側)にずれている。第1高圧背圧室(96)は、 ミドルプレート(41)の下面と可動側鏡板部(51a) の上面との間において、第1シールリング(101) の内側に形成されている。第1高圧背圧室(96) 、駆動軸(23)の周囲の隙間に連通している。

 ここで、駆動軸(23)の外周面には、駆動軸 (23)内の給油通路を通じて、油溜まりの冷凍 油が供給される。油溜まりは高圧になって る。このため、駆動軸(23)の周囲の隙間は高 空間になり、第1高圧背圧室(96)は高圧空間 なる。

 第2押付部(90)は、第2高圧背圧室(97)を形成 する第2シールリング(102)を備えている。第2 ールリング(102)は、駆動軸(23)が挿入された ドルプレート(41)の挿通孔を囲うようにミド プレート(41)の上面に形成された第2環状溝(1 06)に嵌め込まれている。第2環状溝(106)の中心 は、駆動軸(23)の軸心よりも吐出側(図4におけ る左側)にずれている。第2高圧背圧室(97)は、 ミドルプレート(41)の上面と可動側鏡板部(55a) の下面との間において、第2シールリング(102) の内側に形成されている。第2高圧背圧室(97) 、駆動軸(23)の周囲の隙間に連通している。 第2高圧背圧室(97)は高圧空間になる。

 実施形態2では、第1シールリング(101)より も第2シールリング(102)の方が大径に形成され ている。このため、第1押付部(80)よりも第2押 付部(90)の方が、可動部材(51,55)をシリンダ(52, 56)に押し付ける押付力が強くなる。なお、第 1シールリング(101)及び第2シールリング(102)は 、区画手段(101,102)を構成している。

  -実施形態2の効果-
 上記実施形態2では、各機構部(24,25)におい 、2つの流体室(61~64)が形成される。そして、 各機構部(24,25)では、外側流体室(61,63)と内側 体室(62,64)とで、容積変化の位相が180°ずれ いる。つまり、各機構部(24,25)では、外側流 体室(61,63)と内側流体室(62,64)とで、圧力変動 位相がずれている。このため、各機構部(24, 25)では、図7に示すように、例えばロータリ の偏心回転機構のように流体室が1つだけの のに比べて、トルク変動幅を小さくするこ ができる。従って、圧縮機(20)の低振動化を 図ることができる。

 なお、図7におけるトルク比は、ロータリ 式の圧縮機の最大トルクを1にした場合の値 ある。また、図7における実施形態2の圧縮機 (20)のトルク比は、第1偏心部(23b)と第2偏心部( 23c)との位相差が180°で吸入容積比が0.9の場合 の値である。

 実施形態2の圧縮機(20)のトルク比の変動 (最大値と最小値の差)は、概ね0.4であり、0.7 弱となるロータリ式の圧縮機のトルク比の変 動幅(トルク変動比)に比べて、大幅に小さく っている。なお、図7は、ピストン可動方式 の場合の値であるが、ピストン固定方式でも 同様に、ロータリ式の圧縮機に比べて、トル ク変動幅が小さくなる。

 また、図8に、第1偏心部(23b)と第2偏心部(2 3c)との位相差毎(0°,90°,180°,270°)のトルク比 変動を示す。なお、図8は、第1偏心部(23b)と 2偏心部(23c)との位相差が180°の場合のトル 比の変動幅が1になるように描かれている。

 また、図9に、第1偏心部(23b)と第2偏心部(2 3c)との位相差と、トルク比の変動幅との関係 を示す。図9は、第1偏心部(23b)と第2偏心部(23c )との位相差が180°の場合のトルク比の変動幅 が1になるように描かれている。図9から分か ように、実施形態2の圧縮機(20)は、位相差 略160°~180°の範囲でトルク比の変動幅が1.0を 若干上回るものの、第1偏心部(23b)と第2偏心 (23c)との位相差が60°以上310°以下の範囲で、 概ね1.0以下となる。つまり、トルク比の変動 幅が1.0を若干上回る範囲を含めた位相差が60 以上310°以下の範囲で、トルク比の変動幅が 概ね1.0以下となる。このため、第1偏心部(23b) と第2偏心部(23c)との位相差は、60°以上310°以 下の範囲(例えば120°,240°)の値としてもよい なお、ピストン固定方式でも同様の傾向に る。

 また、上記実施形態2では、各機構部(24,25 )において、揺動する部材の重心と揺動の支 との距離が一定になるピストン可動方式が 用されている。このため、第1機構部(24)の揺 動モーメントと第2機構部(25)の揺動モーメン との差が変動しない。また、第1偏心方向と 第2偏心方向とが180°ずれているので、第1機 部(24)の揺動モーメントと第2機構部(25)の揺 モーメントとが互いに打ち消し合う。従っ 、第1機構部(24)の揺動モーメントと第2機構 (25)の揺動モーメントとが常に大きく打ち消 合うので、揺動モーメントに起因する振動 低減させることができる。

 また、上記実施形態2では、区画手段(101,1 02)によって、第1機構部(24)の可動側鏡板部(51a )の背面と、第2機構部(25)の可動側鏡板部(55a) 背面とに、高圧背圧室(96,97)が形成されてい る。各機構部(24,25)の高圧背圧室(96,97)は高圧 調節される。従って、高圧背圧室(96,97)の外 側だけを区画すればよいので、区画手段(101,1 02)の構成を簡素化することができる。

 また、上記実施形態2では、第1機構部(24) 高圧背圧室(96)と第2機構部(25)の高圧背圧室( 97)とが別々のシールリング(101,102)により形成 されている。このため、第1機構部(24)の高圧 圧室(96)の面積と第2機構部(25)の高圧背圧室( 97)の面積とを、それぞれ離反力に合わせて設 定することが可能である。従って、離反力が 小さい第1機構部(24)において、押付力が離反 に対して過大になることを回避することが 能であるため、第1機構部(24)の摩擦損失を 減させることができる。

 《その他の実施形態》
 上述した各実施形態については、以下のよ な構成としてもよい。

 上記実施形態について、流体機械(20)が、 冷媒を膨張させる膨張機(20)として、冷媒回 (10)に接続されていてもよい。この場合、第1 機構部(24)の各流体室(61,62)が高圧冷媒を中間 に減圧する高段側流体室となり、第2機構部 (25)の各流体室(63,64)が中間圧冷媒を低圧に減 する低段側流体室となる。

 また、上記実施形態について、冷媒回路( 10)に充填される冷媒が二酸化炭素以外の冷媒 (例えばフロン冷媒)であってもよい。この場 、圧縮機(20)はフロン冷媒用に構成される。 フロン冷媒用の圧縮機(20)は、低段側圧縮室(6 1,62)に対する高段側圧縮室(63,64)の吸入容積比 が二酸化炭素用の圧縮機に比べて小さな値( えば0.7)になるように設計される。

 また、上記実施形態について、圧縮機(20) が低圧ドーム型の圧縮機であってもよい。

 なお、以上の実施形態は、本質的に好ま い例示であって、本発明、その適用物、あ いはその用途の範囲を制限することを意図 るものではない。

 以上説明したように、本発明は、流体を 縮する、又は流体を膨張させる流体機械に いて有用である。