中村 俊夫 (〒04 大阪府大阪市阿倍野区文の里3丁目14番4号503 Osaka, 5450004, JP)
ワールドウォーターバッグ株式会社 (〒03 大阪府大阪市東住吉区今川1丁目6-23 Osaka, 5460003, JP)
NAKAMURA, Toshio (14-4-503, Fuminosato 3-chome Abeno-k, Osaka-shiOsaka 04, 5450004, JP)
| 表裏2枚のシートよりなり全周が一箇所を残して密封されてなる袋本体と、一端側が前記一箇所に接続され、他端側が袋本体の外方に延出した注入排出筒と、前記注入排出筒における注入排出口の閉塞手段と、前記注入排出筒における前記袋本体接続側基部の内周面の一部又は全周に貼付した補強用テープとを備えたことを特徴とする流体収納用袋。 |
| 注入排出筒は2枚のシートの両側部を接着して形成され、補強用テープは、注入排出筒の両側接着部において、少なくとも注入排出筒を形成する2枚のシートを架け渡すようにして貼付されていることを特徴とする請求項1に記載の流体収納用袋。 |
| 注入排出筒の両側接着部と補強用テープとの間に空隙が存することを特徴とする請求項2に記載の流体収納用袋。 |
| 注入排出筒の内面側と補強用テープの接着面となる外面側とが同一素材の溶融圧着性プラスチックス材であり、補強用テープの非接着面である内面側は補強用テープの外面側より高融点のプラスチックス材であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の流体収納用袋。 |
この発明は袋に関し、特に、液体、粉体 粒体、ゲル状物、練状物等の流体の収納及 /又は搬送に好適な流体収納用袋に関する。
本発明者は、先に、飲料水を保存するなど
目的で、下記特許文献1に示されるように、
表裏2枚のシートよりなり全周が一箇所を残
て密封されてなる袋本体と、一端側が前記
箇所に接続され、他端側が袋本体の外方に
出した扁平筒状の注入排出筒と、前記注入
出筒における前記袋本体近傍の基部の前面
に配したポケット部とからなる袋を開発し
前記注入排出筒をその軸方向に折り畳んで
ケット部に収納することにより、注入排出
の開口部を閉塞することができる袋を発明
た。
前記のような袋に流体を収納して注入排 筒の開口部を閉塞した場合に、通常の保管 び搬送における使用状況においては全く問 は生じない。しかし、その袋に対して落下 過度の押圧等による強度の外力が加わると 注入排出筒の袋側基部において、図13に示 ように、注入排出筒を膨張させようとする 圧(細矢印で示す)が掛かる。この内圧が注入 排出筒を構成する2枚のシートの接着部に集 して、接着部を引き剥がす方向の力(白抜き 矢印で示す)となる。そして、外力が繰り返 し加わると前記接着部が徐々に引き剥がれて いき、場合によっては接着部が剥離して漏水 するおそれがあった。実際に従来の袋が破壊 されるまで強度な押圧力を加えると、注入排 出筒の袋側基部における接着部が剥離して漏 水するが、注入排出筒の袋側基部以外の箇所 から漏水するようなことはなかった。
本発明は、上記のような強度の外力が繰 返し加えられるような特殊な使用状況下に いても、漏水や破裂のおそれが全くない流 収納用袋を提供することを目的とする。
本発明に係る流体収納用袋は、表裏2枚の シートよりなり全周が一箇所を残して密封さ れてなる袋本体と、一端側が前記一箇所に接 続され、他端側が袋本体の外方に延出した注 入排出筒と、前記注入排出筒における注入排 出口の閉塞手段と、前記注入排出筒における 前記袋本体接続側基部の内周面の一部又は全 周に貼付した補強用テープとを備えたことを 特徴とするものである。このように構成した ことにより、前記補強用テープは前記注入排 出筒の前記袋本体接続側基部が破損するのを 防止する機能を果たす。
また、前記の構成に加え、注入排出筒は2 枚のシートの両側部を接着して形成され、補 強用テープは、注入排出筒の両側接着部にお いて、少なくとも注入排出筒を形成する2枚 シートを架け渡すようにして貼付されてい 構成としてもよい。
さらに、前記の構成に加え、注入排出筒 両側接着部と補強用テープとの間に空隙が するように構成してもよい。
さらにまた、注入排出筒の内面側と補強 テープの接着面となる外面側とが同一素材 溶融圧着性プラスチックス材であり、補強 テープの非接着面である内面側は補強用テ プの外面側より高融点のプラスチックス材 ある構成としてもよい。
本発明に係る流体収納用袋は、上記の構 により、強度の外力が繰り返し加えられる うな特殊な状況下での使用においても、漏 や破裂のおそれが全くないものとなる。
本発明の好適な実施例を添付の図の従っ 詳細に説明する。
図1は本実施例の流体収納用袋の上半部を 示す正面図である。図2は本実施例の流体収 用袋の下半部を示す正面図である。図3は図1 におけるIII-III線端面図である。図4は注入排 筒における袋本体接続側基部の内周面に貼 した補強用テープに対する圧力の掛かり状 を示す模式図である。図5は本実施例の流体 収納用袋に水を収納した状態を示す斜視図で ある。図6は図1におけるVI-VI線端面図である 図7は図1におけるVII-VII線端面図である。図8 本実施例の流体収納用袋の蓋部を開けた状 を示す下半部省略正面図である。図9は図8 おけるIX-IX線端面図である。図10は本実施例 流体収納用袋の蓋部を閉じた状態を示す下 部省略端面図である。図11は図8において注 排出筒を引き延ばすと共に絞り込んだ状態 示す下半部省略正面図である。図12は本実 例の流体収納用袋に水を収納してリュック に構成した状態を示す斜視図である。
図1及び図2において、Aは本実施例の流体 納用袋(以下、単に「袋」という。)であり 該袋Aは、袋本体10と、一つの注入排出筒30と から形成される。各図に示すように、袋本体 10は、プラスチックフィルム等よりなる表裏2 枚のシート10a,10bをその四周において溶着す ことにより形成されている。すなわち、溶 部は、上部溶着部12a、左側溶着部12b、右側 着部12c、底部溶着部12d,12eがあり、いずれも 状に溶着されている。なお、袋本体10は、 部溶着部12aより下の箇所をいうものとする そして、この上部溶着部12aにおいては、表 シート10a,10bが溶着されているが、上部溶着 12aの線上であっても、図1における中央部よ りやや左の流体送通箇所14においては、表裏 ート10a,10bは溶着されていない。
注入排出筒30は同じくプラスチックフィ ムよりなる扁平筒状体であり、内容物の注 と排出との双方を行う。その下端32bは、前 の上部溶着部12aすなわち流体送通箇所14より やや下方に位置している。この注入排出筒30 構成する表裏シート30a,30bは、その両側部32c ,32dにおいて相互に溶着され、その上端32a及 下端32bが開口している。そして、この注入 出筒30は袋本体10に対して次のように取付け れる。すなわち、流体送通箇所14において 注入排出筒30の図1における手前側(表側)のシ ート30aの外面は、袋本体10を構成する手前側( 表側)のシート10aの内面と溶着されている。 た、注入排出筒30を構成する背面側(裏側)の ート30bの外面は、袋本体10を構成する背面 (裏側)のシート10bの内面に溶着されている。 このようにして、注入排出筒30が袋本体10に 着固定されるとともに、注入排出筒30の下方 に位置する流体送通箇所14のみにおいて、袋 体10は注入排出筒30を通じて外部と連通して おり、袋本体10はその余の箇所においては全 密閉している。
この注入排出筒30には、図3に示すように 袋本体10に対して溶着固定により接続され いる側の基部、すなわち前記流体送通箇所14 の内周面に補強用テープ40が溶着固定されて る。そして、補強用テープ40は、注入排出 30を構成する2枚のシート30a,30bの両側部32c,32d における接着部において、注入排出筒30を形 する2枚のシート30a,30bを架け渡すようにし 溶着固定されている。しかも、注入排出筒30 の両側部32c,32dにおける接着部と補強用テー 40との間に空隙pが存するように補強用テー 40が接着されている。このように構成したこ とにより、補強用テープ40は前記注入排出筒3 0における流体送通箇所14の破損を防止する。 すなわち、上記袋Aに、図5及び図10に示すよ に、流体を収納し、開口している注入排出 30の上端32aを閉塞した場合に、その袋に対し て落下や押圧等による強度の外力が加わると 、図4に示すように、注入排出筒30の流体送通 箇所14において、注入排出筒30を膨張させよ とする内圧(細矢印で示す)が掛かる。しかし 、この内圧は、補強用テープ40を伸張させる 向の力(白抜き太矢印で示す)となり、この 張力に対する補強用テープ40の強度が、前記 の内圧による注入排出筒30を構成する2枚のシ ート30a,30bの接着部を引き剥がす方向の力を 止することとなる。しかも補強用テープ40が 少々伸張しても、空隙pの存在により注入排 筒30を構成するシート30a,30bがこの伸張に対 て追随するため、補強用テープ40が引きちぎ れる程に伸張して、注入排出筒30を構成する2 枚のシート30a,30bの接着部に、両シート30a,30b 接着を引き剥がす力が加わらない限り、注 排出筒30の流体送通箇所14が破損するような 事態は発生しないこととなる。
なお、本実施例においては、補強用テー 40は、注入排出筒30の内周面において、一部 を除く周囲に貼付されているが、全周に渡っ て貼付してもよく、また、注入排出筒30を構 する2枚のシート30a,30bの2箇所の接着部32c,32d のみに両接着部32c,32dを跨ぐように貼付して よい。また、本実施例においては、補強用 ープ40は、比較的細幅のテープであるが、広 幅のテープを使用すれば補強面積が大きくな るので、耐久性を向上させる効果がある。
また、補強用テープ40の接着面となる外 側は、注入排出筒30の内面側と同一素材の溶 融圧着性プラスチックス材、例えばポリエチ レンを使用し、補強用テープ40の非接着面で る内面側には、補強用テープ40の外面側よ 高融点のプラスチックス材、例えばナイロ を積層した構成としている。このように構 すれば、上部溶着部12aを形成する際に、表 シート10a,10bと注入排出筒30との熱溶着及び 入排出筒30と補強用テープ40との熱溶着を同 に行うことができるので、作業性が向上す 利点がある。
表裏シート10a,10bは上部の溶着部12aより上 方に伸びて延長部20を形成している。この延 部の上端20aと左右両側部20b,20cとにおいて、 表裏シート10a,10bが溶着されている。但し、 1及びその端面図である図6及び図7に示すよ に、上端の溶着部20aにおいては、図1におけ 左側の箇所22において表裏シート10a,10bは溶 されていない。この非溶着箇所22は、前記 上部溶着部12aにおける流体送通箇所14と軸方 向に一致した位置にある。そして、この非溶 着箇所22を扁平な筒状体の注入排出筒30が通 している。この実施例においては、前記非 着箇所22において表裏シート10a,10bと注入排 筒30とは溶着されていない。なお、24は延長 に設けた手提用の孔であり、この手提用の 24に指を差し入れて袋Aを手で提げることが きるようになっている。
そして、図6に示すように、前面側のシー ト10aと注入排出筒30との間の空間部は、注入 出筒30を折り畳んだ状態で収容するための ケット部26を形成する。背面側のシート10bの 前記箇所22においては、このポケット部26を じる蓋28が溶着されている。図1に示す状態 おいて液体等を袋本体10の内部に注入した後 、図8及び図9に示すように、注入排出筒30を の軸方向に折畳んで、ポケット部26の内部に 収納する。また、蓋28の先端に面ファスナー 雌部材28cが設けられており、蓋28を袋本体10 の側に折り返した際に雌部材28cと対応する箇 所に雄部材10cが取り付けられている。そして 、蓋28を、ポケット部26に収納した注入排出 30の折畳み体30’を覆うようにして、その自 端28aを袋本体10を構成する前面側の表シー 10aのさらに前面側に折り返し、自由端28aに した面ファスナーの雌部材28cと袋本体10を構 成する前面側の表シート10aに配した面ファス ナーの雄部材10cを係合させることにより、ポ ケット部26を蓋28により閉塞する(図10)。この うにポケット部26を蓋28により閉塞すると、 折畳み体30’の折畳み状態が保持される。し がって、袋内部に収納された液体等が外部 漏出しようとしても、このように折り畳み 態が保持された注入排出筒30を液体等が通 することができない。なお、図9及び図10に いては、簡単のため、注入排出筒30を構成す る表裏シート30a,30bはそれぞれ1本の線で表わ 、厚みは表していない。また、折畳み体30 はその角部を円弧状に表しているが、実際 は、折線状に屈曲しており、屈曲部の角部 より液体等の通過を遮断することができる そして、注入排出筒30をポケット部26の内部 折り畳んだ状態において、蓋28を閉塞する には、これら雌雄部材28c,10cが蓋の閉塞状態 保持する手段となる。
また、図8に示すように、前記の雌部材28c には穴28dが形成されている。この穴28dは上下 にある円形口28e,28fと両者を連結する線状の 込み28gとからなる。そして、注入排出筒30を 引き延ばした状態で、図11に示すように、こ 穴28dに挿入する。これにより、注入排出筒3 0は穴28dにより絞り込まれる。この穴28dは上 に円形口28e,28fを有することによりその拡開 容易であり、したがって、注入排出筒30の 入が容易である。しかも、2つの円形口28e,28f の間に線状の切込み28gを有することにより、 挿入された注入排出筒30がこの切込み28gの箇 で強く圧迫されて、効果的な絞り込み状態 得ることができる。
次に、図2により袋本体10の底部15につい 説明する。この底部15はガゼット状に折畳ま れている。すなわち、表裏シート10a,10bは、 部15において、その対向面側に折返されてい る。折返し片16a,17aは頂部18において連続して いる。このようにして、表裏2枚の折重ね部16 ,17が形成される。いずれの折重ね部16,17にも め方向の溶着部16b,17bが形成されており、袋 内の液体がこの溶着部16b,17bにより遮断され 底部の隅角部18aに到達しないように構成さ ている。このような底部構造を有している で、内部に水等を収納した場合には、底部15 が広がり、図5の斜視図に示すような形態に る。本実施例では、袋本体10が表裏2枚のシ ト10a,10bでできた偏平なものであって底部15 マチを有するものを示したが、底部にマチ 有さないもの、逆に、袋本体の側部にもマ を有するものもこの発明の範囲内である。
図12は本実施例の袋Aをリュックのように 負うことができる形態に構成したものであ 。すなわち、袋底部15の左右両側の偶角部18 aに穴15aが設けられており、延長部20に設けた 手提げ用の孔24と底部15の4つの穴15aとの間に Bを掛け渡し、この紐Bにより袋Aを背負うこ ができるようにしたものである。
[実験例]
発明者は、上記実施例に示す発明品及び特
文献1に示される従来品を次の要領で作成し
、強度に関する比較試験を行った。
発明品の構成:0.15mm厚のナイロン・ポリエ チレンを主体にした多層フィルムにより形成 され、大きさ縦横340mmで内容量約6リッターの ものであって、補強用テープを備えた袋を試 料として3個作成し、それぞれ発明品A、発明 B、発明品Cとした。
従来品の構成:0.15mm厚のナイロン・ポリエ チレンを主体にした多層フィルムにより形成 され、大きさ縦横340mmで内容量約6リッターの ものであって、補強用テープを備えていない 袋を試料として3個作成し、それぞれ従来品A 従来品B、従来品Cとした。
試験方法
袋内に6リッターの水を注入し、注入排出筒
を蓋で閉塞して、水平な台上に寝かせて置き
、寝かせた袋の上面全体を覆う加圧板により
50mm/minの速度で圧縮荷重を加えて、袋が破壊
至る最大荷重値を測定した。その測定結果
表1に示す。
試験結果
上記の測定において、いずれの袋も本発明
課題とする袋における注入排出筒の袋本体
続側基部の箇所で破壊されていた。そして
上記の測定結果から、従来品においても人
体重の2倍以上の荷重に耐え得る十分な強度
があることが判明した。そして、さらに、従
来品の最大荷重値の最大値と発明品の最大荷
重値の最小値とを比較しても、発明品の最大
荷重値の最小値は従来品の最大荷重値の最大
値の1.76倍となっており、発明品の強度が著
く向上していることが判明した。
A・・・・・袋
10・・・・袋本体
10a・・・袋本体を構成する表側のシート
10b・・・袋本体を構成する裏側のシート
10c・・・面ファスナーの雄部材
12a・・・上部溶着部
12b・・・左側溶着部
12c・・・右側溶着部
12d・・・底部溶着部
12e・・・底部溶着部
14・・・・流体層通箇所(注入排出筒の袋本
接続側の基部)
15・・・・底部
15a・・・紐通し用孔
16・・・・折り重ね部
16a・・・折り返し片
16b・・・溶着部
17・・・・折り重ね部
17a・・・折り返し片
17b・・・溶着部
18・・・・頂部
18a・・・偶角部
20・・・・延長部
20a・・・延長部の上端
20b・・・延長部の左側部
20c・・・延長部の左側部
22・・・・非溶着箇所
24・・・・手提用の孔
26・・・・ポケット部
28・・・・蓋
28a・・・蓋の自由端
28c・・・面ファスナーの雌部材
28d・・・面ファスナーの雌部材に形成した
28e・・・孔の円形口
28f・・・孔の円形口
28g・・・孔の切り込み
30・・・・注入排出筒
30’・・・注入排出筒の折り畳み体
30a・・・注入排出筒を構成する表側のシー
30b・・・注入排出筒を構成する裏側のシー
32a・・・注入排出筒の開放上端
32b・・・注入排出筒の開放下端
32c・・・注入排出筒の左側溶着部
32d・・・注入排出筒の右側溶着部
40・・・・補強用テープ
p・・・・・空隙
