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Title:
FLUORESCENT SUBSTANCE-SUPPORTED CARRIER, PROCESS FOR PRODUCING THE FLUORESCENT SUBSTANCE-SUPPORTED CARRIER, AND LIGHT EMITTING DIODE USING THE FLUORESCENT SUBSTANCE-SUPPORTED CARRIER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041107
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a high-brightness fluorescent substance-supported carrier which can increase the amount of a fluorescent substance supported on a substrate. A fluorescent substance-supported carrier (10) comprises a substrate (14) formed of nonwoven fabric comprising a number of spaces (16) among fibers (12). A fluorescent substance (18) is supported on the surface of the fibers (12). A light transparent binder (20) containing a fluorescent substance (18) added thereto is filled into the spaces (16) among the fibers (12). In this case, some of the spaces (16) are not filled with the binder (20). There is also provided a fluorescent substance-supported carrier (30) comprising a substrate (32) formed of an elastic porous member such as a sponge having a number of pores (34), and a light transparent binder (20) containing a fluorescent substance (18) added thereto and filled into the pores (34), some of the pores (34) being not filled with the binder (20).

Inventors:
RAIKUBO AKIHITO (JP)
SHIMADA TOSHIO (JP)
KATO HARUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058332
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
May 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OKAYA ELECTRIC INDUSTRY CO (JP)
RAIKUBO AKIHITO (JP)
SHIMADA TOSHIO (JP)
KATO HARUHIRO (JP)
International Classes:
D06M23/08; C09K11/02; C09K11/08; D06M11/00; H01L33/50; H01L33/60; H01L33/62
Foreign References:
JP2006286999A2006-10-19
JP2006282685A2006-10-19
JPH0347116A1991-02-28
JPH05132865A1993-05-28
JP2005235673A2005-09-02
JP2000303356A2000-10-31
JPS6485371A1989-03-30
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, Hiroyuki et al. (1-8-10 Toranomo, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 繊維間に多数の空隙が形成された繊維の集合体で基体を形成し、上記繊維の表面に、蛍光物質を担持させると共に、繊維間の空隙に、蛍光物質が添加された透光性の結合剤を充填して成る蛍光物質担持体であって、上記結合剤が充填されない空隙も存在するよう構成したことを特徴とする蛍光物質担持体。
 上記繊維の集合体が、多数の繊維が絡み合って形成された不織布であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光物質担持体。
 多数の空孔を有する弾性多孔部材で基体を形成すると共に、上記空孔内に、蛍光物質が添加された透光性の結合剤を充填して成る蛍光物質担持体であって、上記結合剤が充填されない空孔も存在するよう構成したことを特徴とする蛍光物質担持体。
 上記弾性多孔部材がスポンジであることを特徴とする請求項3に記載の蛍光物質担持体。
 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の蛍光物質担持体と、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の蛍光物質担持体に担持された蛍光物質を励起する波長の光を発光する発光ダイオードチップとを備えたことを特徴とする発光ダイオード。
 請求項1に記載の蛍光物質担持体の製造方法であって、
 繊維の集合体に蛍光物質が添加された液状の結合剤を含浸させる工程と、
 上記繊維の集合体を加圧して圧縮変形させた後、変形部分を復元させることにより、繊維間の空隙に充填されていた結合剤と空気とを置換する工程と、
 上記液状の結合剤を固化させる工程と、
を備えたことを特徴とする蛍光物質担持体の製造方法。
 請求項1に記載の蛍光物質担持体の製造方法であって、
 繊維の集合体に、蛍光物質及び発泡剤が添加された液状の結合剤を含浸させる工程と、
 上記繊維の集合体を所定温度で加熱することにより、発泡剤の発泡作用で繊維間の空隙に充填されていた結合剤と空気とを置換すると共に、液状の結合剤を固化させる工程と、
を備えたことを特徴とする蛍光物質担持体の製造方法。
 上記繊維の集合体が、多数の繊維が絡み合って形成された不織布であることを特徴とする請求項6又は7に記載の蛍光物質担持体の製造方法。
Description:
蛍光物質担持体及びその製造方 、上記蛍光物質担持体を用いた発光ダイオ ド

 この発明は、基体に蛍光体、蛍光ガラス の蛍光物質を担持させて成る蛍光物質担持 及びその製造方法、上記蛍光物質担持体を いた発光ダイオードに係り、特に、基体に 持させる蛍光物質の量を増大させることが きる高輝度な蛍光物質担持体及びその製造 法と、上記蛍光物質担持体を用いた高輝度 発光ダイオードに関する。

 基体に蛍光体、蛍光ガラス等の蛍光物質を 持させて成る蛍光物質担持体として、本出 人は先に、特開2005-105423号を提案した。
 図11乃至図13に示すように、この蛍光物質担 持体70は、多数の繊維72絡み合ってシート状 形成された不織布より成る基体74と、上記不 織布を構成する繊維72の表面に被着・担持さ た蛍光物質としての蛍光体76とから成る。

 多数の上記繊維72が絡み合ってシート状 形成された不織布は、繊維72間に多数の空隙 78(図13参照)が形成されており、また、多数の 繊維72が立体的に絡み合っているため、単位 積当たりの繊維72の表面積が極めて大きい のである。

 上記蛍光物質担持体70の基体74を形成する不 織布の繊維72表面の蛍光体76に、紫外線等の が照射されると、この光が所定波長の可視 等の光に波長変換されて放射されるのであ 。
 而して、上記蛍光物質担持体70にあっては 多数の繊維72が立体的に絡み合って形成され 、単位体積当たりの繊維72の表面積が極めて きい不織布を構成する繊維72の表面に、蛍 体76を担持せしめたことから、基体74に担持 る蛍光体76の量を飛躍的に増大させること できるのである。

 尚、本出願人は、特開2006-60099号において、 上記蛍光物質担持体70を用いた発光ダイオー についても提案を行っている。

特開2005-105423

特開2006-60099

 蛍光体76から放射される光の輝度は、蛍 体76の量に略比例することから、蛍光物質担 持体70の輝度を向上させるためには、基体74 担持させる蛍光体76の量をできるだけ多くす ることが必要である。

 出願人が提案した上記従来の蛍光物質担 体70は、単位体積当たりの繊維72の表面積が 極めて大きい不織布を構成する繊維72の表面 蛍光体76を担持させることにより、基体74に 担持する蛍光体76の量を飛躍的に増大させる とができるものであるが、より一層、基体 担持させる蛍光物質の量を増大させること できる高輝度な蛍光物質担持体の実現が望 れていた。

 本発明は、上記要請に応えるためになされ ものであり、その目的とするところは、基 に担持させる蛍光物質の量を増大させるこ ができる高輝度な蛍光物質担持体と、該蛍 物質担持体の製造方法を実現することにあ 。       
 また本発明は、上記蛍光物質担持体を用い 高輝度な発光ダイオードの実現を、他の目 としている。

 上記の目的を達成するため、本発明の請求 1に記載の蛍光物質担持体は、繊維間に多数 の空隙が形成された繊維の集合体で基体を形 成し、上記繊維の表面に、蛍光物質を担持さ せると共に、繊維間の空隙に、蛍光物質が添 加された透光性の結合剤を充填して成る蛍光 物質担持体であって、上記結合剤が充填され ない空隙も存在するよう構成したことを特徴 とする。
 また、本発明の請求項2に記載の蛍光物質担 持体は、請求項1に記載の蛍光物質担持体に ける繊維の集合体として、多数の繊維が絡 合って形成された不織布を用いたことを特 とするものである。

 本発明の請求項3に記載の蛍光物質担持体は 、多数の空孔を有する弾性多孔部材で基体を 形成すると共に、上記空孔内に、蛍光物質が 添加された透光性の結合剤を充填して成る蛍 光物質担持体であって、上記結合剤が充填さ れない空孔も存在するよう構成したことを特 徴とする。
 また、本発明の請求項4に記載の蛍光物質担 持体は、請求項3に記載の蛍光物質担持体に ける弾性多孔部材として、スポンジを用い ことを特徴とするものである。

 本発明の請求項5に記載の発光ダイオード は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の蛍 物質担持体と、請求項1乃至請求項4の何れ に記載の蛍光物質担持体に担持された蛍光 質を励起する波長の光を発光する発光ダイ ードチップとを備えたことを特徴とする。

 本発明の請求項6に記載の蛍光物質担持体の 製造方法は、請求項1に記載の蛍光物質担持 の製造方法であって、
 繊維の集合体に蛍光物質が添加された液状 結合剤を含浸させる工程と、
 上記繊維の集合体を加圧して圧縮変形させ 後、変形部分を復元させることにより、繊 間の空隙に充填されていた結合剤と空気と 置換する工程と、
 上記液状の結合剤を固化させる工程と、
を備えたことを特徴とする。

 本発明の請求項7に記載の蛍光物質担持体の 製造方法は、請求項1に記載の蛍光物質担持 の製造方法であって、
 繊維の集合体に、蛍光物質及び発泡剤が添 された液状の結合剤を含浸させる工程と、
 上記繊維の集合体を所定温度で加熱するこ により、発泡剤の発泡作用で繊維間の空隙 充填されていた結合剤と空気とを置換する 共に、液状の結合剤を固化させる工程と、
を備えたことを特徴とする。

 また、本発明の請求項8に記載の蛍光物質 担持体の製造方法は、請求項6又は7に記載の 光物質担持体の製造方法における繊維の集 体として、多数の繊維が絡み合って形成さ た不織布を用いたことを特徴とするもので る。

 本発明の請求項1に記載の蛍光物質担持体は 、単位体積当たりの繊維の表面積が大きい繊 維の集合体で基体を形成し、上記繊維の表面 に、蛍光物質を担持させると共に、繊維間の 空隙にも、蛍光物質が添加された透光性の結 合剤を充填したことから、従来の上記蛍光物 質担持体70に比べて、基体に担持する蛍光物 の量を増大させることができ、高輝度な蛍 物質担持体を実現できる。
 尚、繊維間の空隙に充填された結合剤は透 性を有していると共に、結合剤が充填され い空隙も存在するために、蛍光物質で波長 換された光の透過性も良好である。

 請求項1に記載の蛍光物質担持体における 繊維の集合体として、多数の繊維が絡み合っ て形成された不織布を用いた場合には、単位 体積当たりの繊維の表面積が極めて大きいこ とから、担持する蛍光物質の表面積を極めて 大きく確保することができる。

 本発明の請求項3に記載の蛍光物質担持体は 、多数の空孔を有し、単位体積当たりの表面 積が極めて大きい弾性多孔部材で基体を形成 し、上記空孔内に蛍光物質を添加した結合剤 を充填したことから、基体に担持する蛍光物 質の量を増大させることができ、高輝度な蛍 光物質担持体を実現できる。
 尚、空孔内に充填された結合剤は透光性を していると共に、結合剤が充填されない空 も存在するために、蛍光物質で波長変換さ た光の透過性も良好である。

 本発明の請求項5に記載の発光ダイオード は、基体に担持する蛍光物質の量を増大させ た請求項1乃至請求項4の何れかに記載の蛍光 質担持体を用いたことから、高輝度な発光 イオードを実現できる。

本発明に係る第1の蛍光物質担持体を模 式的に示す斜視図である。 本発明に係る第1の蛍光物質担持体を模 式的に示す部分拡大図である。 本発明に係る第1の蛍光物質担持体を模 式的に示す要部拡大図である。 本発明に係る第1の蛍光物質担持体を模 式的に示す要部断面図である。 本発明に係る第1の蛍光物質担持体の製 造方法を示す説明図である。 本発明に係る第2の蛍光物質担持体を模 式的に示す斜視図である。 本発明に係る第2の蛍光物質担持体を模 式的に示す部分拡大図である。 本発明に係る第2の蛍光物質担持体を模 式的に示す要部拡大図である。 本発明に係る第2の蛍光物質担持体を模 式的に示す要部断面図である。 本発明に係る発光ダイオードを模式的 に示す断面図である。 従来の蛍光物質担持体を模式的に示す 斜視図である。 従来の蛍光物質担持体を模式的に示す 部分拡大図である。 従来の蛍光物質担持体を構成する繊維 を模式的に示す拡大図である。

符号の説明

10 第1の蛍光物質担持体
12 繊維
14 基体
16 空隙
18 蛍光体
20 結合剤
22 加圧ロール
30 第2の蛍光物質担持体
32 基体
34 空孔
40 発光ダイオード
42 孔
44 枠体
46 第1のリードフレーム
48 第2のリードフレーム
50 LEDチップ
54 コーティング材

 以下、図面に基づき、本発明に係る蛍光物 担持体の実施形態を説明する。
 図1及び図2は、本発明に係る第1の蛍光物質 持体10を示すものであり、該第1の蛍光物質 持体10は、多数の繊維12が絡み合ってシート 状に形成された繊維の集合体としての不織布 より成る基体14を有している。
 上記基体14を形成する不織布は、繊維12間に 多数の空隙16(図3参照)が形成されており、ま 、多数の繊維12が立体的に絡み合っている め、単位体積当たりの繊維12の表面積が極め て大きいものである。
 尚、上記繊維12の繊維密度や、不織布の厚 、目付等を適宜調整することにより、不織 を構成する繊維12の総表面積を任意に増減可 能である。

 また、不織布で形成された上記基体14に、 光体18を分散・添加した透光性の結合剤20を 浸することにより、不織布を構成する繊維1 2の表面に、結合剤20を介して蛍光体18を被着 担持させると共に、繊維12間の空隙16に、蛍 光体18が添加された結合剤20を充填させて成 。
 図3に示すように、繊維12間の全ての空隙16 結合剤20が充填されるものではなく、結合剤 20が充填されない空隙16も存在している。
 また、図4に示すように、繊維12の表面に被 される蛍光体18の量は、空隙16に充填された 結合剤20中の蛍光体18の量よりも多くなって り、さらに、空隙16に充填された結合剤20中 蛍光体18の分布状態は、繊維12に近づくに従 って蛍光体18の量が多くなっている。

 上記透光性の結合剤20としては、例えば シリコン樹脂等の有機材料、ゾルゲルガラ 等の無機材料を使用することができる。

 上記蛍光体18は、紫外線や青色可視光等の の照射を受けると、この光を所定波長の可 光等の光に波長変換するものであり、例え 以下の組成のものを用いることができる。
 紫外線を赤色可視光に変換する赤色発光用 蛍光体18として、M 2 O 2 S:Eu(Mは、La、Gd、Yの何れか1種)、0.5MgF 2 ・3.5MgO・GeO 2 :Mn、2MgO・2LiO 2 ・Sb 2 O 3 :Mn、Y(P,V)O 4 :Eu、YVO 4 :Eu、(Sr,Mg) 3 (PO 4 ):Sn、Y 2 O 3 :Eu、CaSiO 3 :Pb,Mn等がある。
 また、紫外線を緑色可視光に変換する緑色 光用の蛍光体18として、BaMg 2 Al 16 O 27 :Eu,Mn、Zn 2 SiO 4 :Mn、(Ce,Tb,Mn)MgAl 11 O 19 、LaPO 4 :Ce,Tb、(Ce,Tb)MgAl 11 O 19 、Y 2 SiO 5 :Ce,Tb、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、SrAl 2 O 4 :Eu、SrAl 2 O 4 :Eu,Dy、Sr 4 Al 14 O 25 :Eu,Dy、Y 3 Al 5 O 12 :Tb、Y 3 (Al,Ga) 5 O 12 :Tb、Y 3 Al 5 O 12 :Ce、Y 3 (Al,Ga) 5 O 12 :Ce等がある。
 更に、紫外線を青色可視光に変換する青色 光用の蛍光体18として、(SrCaBa) 5 (PO 4 ) 3 Cl:Eu、BaMg 2 Al 16 O 27 :Eu、(Sr,Mg) 2 P 2 O 7 :Eu、Sr 2 P 2 O 7 :Eu、Sr 2 P 2 O 7 :Sn、Sr 5 (PO 4 ) 3 Cl:Eu、BaMg 2 Al 16 O 27 :Eu、CaWO 4 、CaWO 4 :Pb、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Al、(Sr,Ca,Mg) 10 (PO 4 ) 6 Cl 2 :Eu等がある。
 また、青色可視光を発光するLEDチップを光 に用いて白色光を得る場合等において、LED ップから放射される青色可視光を緑色可視 に変換する緑色発光用の蛍光体18として、Y 3 (Al,Ga) 5 O 12 :Ce、SrGa 2 S 4 :Eu、Ca 3 Sc 2 Si 3 O 12 :Ce、α-SiAlON:Eu、β-SiAlON:Eu等がある。
 さらに、青色可視光を発光するLEDチップを 源に用いた場合等において、LEDチップから 射される青色可視光を赤色可視光に変換す 赤色発光用の蛍光体18として、(Sr,Ca)S:Eu、(Ca ,Sr) 2 Si 5 N 8 :Eu、CaSiN 2 :Eu、CaAlSiN 3 :Eu等がある。
 上記赤色発光用の蛍光体18、緑色発光用の 光体18、青色発光用の蛍光体18を適宜選択・ 合して用いることで、種々の色の発色が可 である。
 尚、上記蛍光体18は、有機、無機の蛍光染 や、有機、無機の蛍光顔料を含むものであ 。

 上記繊維12は、ナイロン、ポリエステル、 クリル、ポリプロピレン等の樹脂繊維、
レーヨン等のセルロース系の化学繊維、ガラ ス繊維、金属繊維等の短繊維から成り、その 直径は5~20μm、長さは0.5~20mm程度であるが、長 さが50~100mm程度の長繊維から成る繊維12を用 ることも勿論可能である。
 尚、光の透過性の観点から、透光性材料で 維12を構成するのが好ましい。

 上記第1の蛍光物質担持体10の基体14を形成 る不織布の繊維12表面の蛍光体18、及び、繊 12間の空隙16に充填された結合剤20中の蛍光 18に、紫外線や青色可視光等の光が照射さ ると、この光が所定波長の可視光等の光に 長変換されて放射されるのである。
 而して、上記第1の蛍光物質担持体10にあっ は、多数の繊維12が立体的に絡み合って形 され、単位体積当たりの繊維12の表面積が極 めて大きい不織布を構成する繊維12の表面に 光体18を担持させると共に、繊維12間の空隙 16にも蛍光体18を添加した結合剤20を充填した ことから、従来の上記蛍光物質担持体70に比 て、基体14に担持する蛍光体18の量を増大さ せることができ、高輝度な蛍光物質担持体を 実現できる。
 尚、繊維12間の空隙16に充填された結合剤20 透光性を有していると共に、結合剤20が充 されない空隙16も存在するために、蛍光体18 波長変換された光の透過性も良好である。

 以下において、第1の蛍光物質担持体10の基 14に蛍光体18を担持させる方法について説明 する。
 先ず、所定長さのシート状の不織布を準備 ると共に、粒子状の蛍光体18が分散・添加 れた液状の結合剤20を液槽(図示せず)内に満 しておく。

 次に、上記不織布を、液槽内の結合剤20 に浸漬し、不織布に蛍光体18が分散・添加さ れた液状の結合剤20を含浸させる。この状態 は、不織布を構成する繊維12の表面及び繊 12間の空隙16に、ほぼ万遍なく結合剤20が含 されている。尚、結合剤20に分散・添加され た蛍光体18は、液状の結合剤20中で移動する 、固体である繊維12に衝突して移動が妨げら れる結果、上記の通り、繊維12表面に被着さ る蛍光体18の量は、空隙16に充填された結合 剤20中の蛍光体18の量よりも多くなり、さら 、空隙16に充填された結合剤20中の蛍光体18 分布状態は、繊維12に近づくに従って蛍光体 18の量が多くなる。

 次に、図5に示すように、不織布を水平方向 に移送しつつ、一対の加圧ロール22で不織布 挟圧することにより、不織布を加圧して圧 変形させた後、変形部分を復元させる。而 て、上記不織布が圧縮変形する過程で所定 の結合剤20が不織布から絞り出されて除去 れると共に、不織布の変形部分が復元する 程で空気が不織布内に流入することにより 繊維12間の空隙16に充填されていた結合剤20 空気と置換され、図3に示すように、結合剤2 0が充填されない空隙16が形成されるのである 。
 結合剤20中の蛍光体18の分散量、不織布の加 圧力等の条件により、結合剤20が充填されな 空隙16の割合(空隙率=不織布の体積に対する 結合剤20が充填されない空隙16の体積の割合) 変化し、不織布の蛍光体担持量も変化する

 その後、不織布を所定温度で所定時間加熱 て、液状の結合剤20を固化させる。
 例えば、結合剤20が熱硬化性樹脂であるシ コン樹脂の場合には、80~150℃で2~4時間加熱 る。
 また、結合剤20が液状のゾルゲルガラス材 の場合には、80~120℃で0.5~1時間加熱すること により、ゾルゲルガラス材料を加水分解、重 合反応させて固体であるゾルゲルガラスを形 成する。
 上記ゾルゲルガラスは、金属アルコキシド 金属アセチルアセトネート、金属カルボキ レート等の金属有機化合物を出発物質とし 、その加水分解、重合反応を利用して合成 れるものであり、溶液状態から出発するた 、任意の形状のガラスに成形容易である。
 上記ゾルゲルガラス材料は、一般式M(OR)n(M: 属元素、R:アルキル基、n:金属の酸化数)の 属有機化合物、水(加水分解のため)、溶媒と してメタノール、DMF(ヂメチルフォルムアミ )、加水分解・重合反応の調整剤としてアン ニアで構成することができ、このゾルゲル ラス材料を加水分解、重合反応させること より、ゲル化し、硬いガラス状の無機質膜 成が生じてゾルゲルガラスが形成されるの ある。
 結合剤20を固化した後、不織布を所定形状 カットすることにより、上記第1の蛍光物質 持体10が完成するのである。

 尚、発泡剤を使用することにより、結合剤2 0が充填されない空隙16を形成することもでき る。
 この場合、蛍光体18及び発泡剤が添加され 液状の結合剤20中に、上記不織布を浸漬して 、蛍光体18及び発泡剤が添加された液状の結 剤20を含浸させた後、不織布を所定温度、 えば、100~150℃で加熱すれば、上記発泡剤の 泡作用で繊維12間の空隙16に充填されていた 結合剤20が空気と置換されて結合剤20の充填 れない空隙16が形成されると共に、液状の結 合剤20が固化される。
 結合剤20中に添加する発泡剤の添加量を調 することにより、結合剤20が充填されない空 隙16の割合(空隙率=不織布の体積に対する結 剤20が充填されない空隙16の体積の割合)を制 御することができる。
 上記発泡剤としては、例えば、アゾビスイ ブチロニトリル、P-トルエンスルホニルヒ ラジト、アゾジカルボンアミド等の有機発 剤、炭酸水素ナトリウム等の無機発泡剤が 適である。尚、これら発泡剤の分解温度を 広く調整できる尿素系の助剤、金属酸化物 の併用も可能である。
 尚、発泡剤の使用と共に、上記した不織布 圧縮変形・復元工程を併用しても良い。

 また、トルオール、キシロール、アルコー 類等の溶剤を使用することにより、結合剤2 0が充填されない空隙16を形成することもでき る。
 この場合、蛍光体18及び溶剤が添加された 状の結合剤20中に、上記不織布を浸漬して、 蛍光体18及び溶剤が添加された液状の結合剤2 0を含浸させた後、不織布を所定温度で加熱 れば、上記溶剤が熱で蒸発する過程で繊維12 間の空隙16に充填されていた結合剤20が空気 置換されて結合剤20の充填されない空隙16が 成されると共に、液状の結合剤20が固化さ るのである。

 上記においては、繊維の集合体として、 織布を用いた場合を例に挙げて説明したが 本発明はこれに限定されるものではなく、 数の繊維を織り込んで形成した織布を用い 該織布を構成する繊維に蛍光体を担持させ も良い。この織布も、不織布には及ばない のの、単位体積当たりの繊維の表面積が大 いものである。

 図6及び図7は、本発明に係る第2の蛍光物質 持体30を示すものであり、該第2の蛍光物質 持体30は、弾性多孔部材より成るシート状 基体32を有している。上記弾性多孔部材は、 発泡ウレタン樹脂等より成るスポンジで構成 されている。尚、光の透過性の観点から、透 光性材料で弾性多孔部材を構成するのが好ま しい。
 上基体32を形成する弾性多孔部材は、10~500μ m程度の多数の微細な空孔34を有しており、単 位体積当たりの表面積が極めて大きいもので ある。

 また、弾性多孔部材で形成された上記基体3 2に、蛍光体18を分散・添加した透光性の結合 剤20を含浸することにより、空孔34内に、蛍 体18が添加された結合剤20を充填させて成る
 図8に示すように、弾性多孔部材の全ての空 孔34内に結合剤20が充填されるものではなく 結合剤20が充填されない空孔34も存在してい 。
 また、図9に示すように、空孔34内の蛍光体1 8の分布状態は、空孔34を形成する壁部36の表 に被着される蛍光体18の量が最も多く、壁 36から遠ざかるに従って蛍光体18の量が少な なっている。

 上記第2の蛍光物質担持体30の基体32を形成 る空孔34内に充填された結合剤20中の蛍光体1 8に、紫外線や青色可視光等の光が照射され と、この光が所定波長の可視光等の光に波 変換されて放射されるのである。
 而して、上記第2の蛍光物質担持体30にあっ は、多数の空孔34を有し、単位体積当たり 表面積が極めて大きい弾性多孔部材を構成 る空孔34内に蛍光体18を添加した結合剤20を 填したことから、基体32に担持する蛍光体18 量を増大させることができ、高輝度な蛍光 質担持体を実現できる。
 尚、空孔34内に充填された結合剤20は透光性 を有していると共に、結合剤20が充填されな 空孔34も存在するために、蛍光体18で波長変 換された光の透過性も良好である。

 第2の蛍光物質担持体30の基体32に蛍光体18を 担持させる方法は、上記第1の蛍光物質担持 10と略同一である。
 すなわち、先ず、所定長さのシート状の弾 多孔部材を準備すると共に、蛍光体18が分 ・添加された液状の結合剤20を液槽(図示せ )内に満たしておく。
 次に、上記弾性多孔部材を、液槽内の結合 20中に浸漬し、弾性多孔部材に蛍光体18が分 散・添加された液状の結合剤20を含浸させる この状態では、弾性多孔部材の空孔34内に ほぼ万遍なく結合剤20が含浸されている。尚 、結合剤20に分散・添加された蛍光体18は、 状の結合剤20中で移動するが、空孔34を形成 る壁部36に衝突して移動が妨げられる結果 上記の通り、空孔34を形成する壁部36の表面 被着される蛍光体18の量が最も多く、壁部36 から遠ざかるに従って蛍光体18の量が少なく る。

 次に、図5に示す加圧ロール22等を用いて 弾性多孔部材を加圧して圧縮変形させた後 変形部分を復元させる。この結果、上記弾 多孔部材が圧縮変形する過程で所定量の結 剤20が弾性多孔部材から絞り出されて除去 れると共に、弾性多孔部材の変形部分が復 する過程で空気が空孔34に流入することによ り、空孔34内に充填されていた結合剤20が空 と置換され、図8に示すように、結合剤20が 填されない空孔34が形成されるのである。

 その後、弾性多孔部材を所定温度で所定 間加熱して、液状の結合剤20を固化させた 、弾性多孔部材を所定形状にカットするこ により、上記第2の蛍光物質担持体30が完成 るのである。

 図10は、上記第1の蛍光物質担持体10を用い 発光ダイオード(LED)40を示すものである。該L ED40は、樹脂等の絶縁材料より成り、孔42が形 成された略リング状の枠体44と、第1のリード フレーム46及び第2のリードフレーム48を有し いる。
 第1のリードフレーム46は、上記枠体44の底 44aの略全面を覆う先端部46aと、枠体44を貫通 して外方へ向かって水平方向に取り出される 後端部46bを有している。第1のリードフレー 46の先端部46aの一部は上記孔42内に露出して り、該孔42内に露出した第1のリードフレー 46の先端部46aに、LEDチップ50をダイボンドす ることにより、第1のリードフレーム46とLEDチ ップ50底面の一方の電極(図示せず)とを電気 に接続している。

 また、第2のリードフレーム48は、上記枠体4 4を貫通して孔42内に露出する先端部48aと、枠 体44の外方へ向かって水平方向に取り出され いる後端部48bを有しており、第2のリードフ レーム48の先端部48aと、上記LEDチップ50上面 他方の電極(図示せず)とをボンディングワイ ヤ52を介して電気的に接続して成る。
 上記LEDチップ50は、電圧が印加されると、 1の蛍光物質担持体10及び第2の蛍光物質担持 30に担持された蛍光体18を励起する波長の光 を発光し、例えば、窒化ガリウム系半導体結 晶で構成されている。

 上記第1のリードフレーム46の先端部46aと、 2のリードフレーム48の先端部48aは、上下方 に所定の間隙を設けて対向配置されること より、相互に絶縁されている。
 而して、本発明のLED40にあっては、第1のリ ドフレーム46の先端部46aと、第2のリードフ ーム48の先端部48aを同一平面上に配置せず 上下方向に所定の間隙を設けて対向配置し ことにより、第1のリードフレーム46の先端 46aで枠体44の底面44aの略全面を覆っても、第 1のリードフレーム46と第2のリードフレーム48 間の絶縁性を確保できるのである。

 また、上記枠体44の孔42内には、シリコン樹 脂等より成る透光性のコーティング材54を充 してLEDチップ50を封止して成る。
 さらに、上記枠体44の上端には、段部56が形 成されており、該段部56上に上記第1の蛍光物 質担持体10が載置されている。この結果、上 LEDチップ50の上方に、第1の蛍光物質担持体1 0が配置されることとなる。
 尚、第1の蛍光物質担持体10とコーティング 54との間には、所定距離の空間58が介在して いる。

 而して、上記第1のリードフレーム46及び 2のリードフレーム48を介してLEDチップ50に 圧が印加されると、LEDチップ50が発光して、 上記蛍光体18を励起させる波長の紫外線や青 可視光等の光が放射される。この光が、LED ップ50の上方に配置されている第1の蛍光物 担持体10に担持された蛍光体18に照射され、 所定波長の可視光等の光に波長変換された後 、外部へ放射されるのである。

 而して、本発明の発光ダイオード40にあ ては、単位体積当たりの繊維12の表面積が極 めて大きい不織布を構成する繊維12の表面に 光体18を担持させると共に、繊維12間の空隙 16にも蛍光体18を添加した結合剤20を充填した ことにより、基体14に担持する蛍光体18の量 増大させた上記第1の蛍光物質担持体10を用 たことから、高輝度な発光ダイオード40を実 現できる。

 尚、上記本発明の発光ダイオード40におい 、第1の蛍光物質担持体10に代えて、第2の蛍 物質担持体30を用いても良い。
 この場合も、多数の空孔34を有し、単位体 当たりの表面積が極めて大きい弾性多孔部 を構成する空孔34内に蛍光体18を添加した結 剤20を充填したことにより、基体32に担持す る蛍光体18の量を増大させた第2の蛍光物質担 持体30を用いることから、高輝度な発光ダイ ード40を実現できる。

 尚、図1乃至図10は模式図であり、説明の 宜上、本発明の特徴点を強調して表現して る。

 蛍光物質としては、上記した蛍光体18だけ なく、蛍光ガラスや蛍光樹脂等、紫外線や 色可視光等の光の照射を受けた場合に、こ 光を所定波長の可視光等の光に波長変換す 全ての物質を含むものである。
 蛍光ガラスは、ガラス材料に蛍光材料を添 して形成される透明体であり、また、蛍光 脂は、エポキシ樹脂等の樹脂材料に蛍光材 を添加して形成される透明体である。これ 蛍光ガラスや蛍光樹脂を粒子状と成し、第1 の蛍光物質担持体10及び第2の蛍光物質担持体 30の基体14,32に担持させれば良い。