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Title:
FLUORESCENT SUBSTANCE-SUPPORTED CARRIER, PROCESS FOR PRODUCING THE FLUORESCENT SUBSTANCE-SUPPORTED CARRIER, AND LIGHT EMITTING DIODE USING THE FLUORESCENT SUBSTANCE-SUPPORTED CARRIER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041108
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a high-brightness fluorescent substance-supported carrier which can increase the amount of a fluorescent substance supported on a substrate and can realize a high light incidence efficiency and even light output from the whole one side of the substrate. A fluorescent substance-supported carrier (10) comprises a substarate (14) formed of a nonwoven fabric comprising a number of spaces (16) among fibers (12). The one side of the substrate (14) functions as a light incident face (19), and the other side functions as a light outgoing face (21). A fluorescent substance (18) is supported on the surface of the fibers (12). Further, a light transparent binder (20) containing the fluorescent substance (18) added thereto is filled into the spaces (16) among the fibers (12). The fibers (12) are projected in a multidirection from both the light incident face (19) and the light outgoing face (21).

Inventors:
SHIMADA TOSHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058333
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
May 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OKAYA ELECTRIC INDUSTRY CO (JP)
SHIMADA TOSHIO (JP)
International Classes:
D06M23/08; C09K11/02; C09K11/08; D06M11/00; H01L33/50; H01L33/60; H01L33/62
Foreign References:
JP2006286999A2006-10-19
JP2006282685A2006-10-19
JP2005235673A2005-09-02
JP2000303356A2000-10-31
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, Hiroyuki et al. (1-8-10 Toranomo, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 繊維間に多数の空隙が形成された繊維の集合体で基体を形成し、該基体の一面を入光面と成すと共に他面を出光面と成した蛍光物質担持体であって、上記繊維の表面に、蛍光物質を担持させると共に、繊維間の空隙に、蛍光物質が添加された透光性の結合剤を充填し、さらに、上記入光面又は出光面の少なくとも一方の面から、多方向へ突出する繊維を形成したことを特徴とする蛍光物質担持体。
 上記基体の入光面及び出光面の両方の面から、多方向へ突出する繊維を形成したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光物質担持体。
 上記繊維の集合体が、多数の繊維が絡み合って形成された不織布であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光物質担持体。
 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蛍光物質担持体と、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蛍光物質担持体に担持された蛍光物質を励起する波長の光を発光する発光ダイオードチップとを備えたことを特徴とする発光ダイオード。
 請求項1に記載の蛍光物質担持体の製造方法であって、
 繊維の集合体に蛍光物質が添加された液状の結合剤を含浸させる工程と、
 上記繊維の集合体の少なくとも一面を加圧して圧縮変形させた後、変形部分を復元させることにより、繊維の集合体の少なくとも一面を荒らして、荒らした面から多方向へ突出する繊維を形成する工程と、
 上記液状の結合剤を固化させる工程と、
を備えたことを特徴とする蛍光物質担持体の製造方法。
 上記繊維の集合体が、多数の繊維が絡み合って形成された不織布であることを特徴とする請求項5に記載の蛍光物質担持体の製造方法。
Description:
蛍光物質担持体及びその製造方 、上記蛍光物質担持体を用いた発光ダイオ ド

 この発明は、基体に蛍光体、蛍光ガラス の蛍光物質を担持させて成る蛍光物質担持 及びその製造方法、上記蛍光物質担持体を いた発光ダイオードに係り、特に、基体に 持させる蛍光物質の量を増大させることが きると共に、光の入射効率が高く、さらに 基体の一面全体から光を均一に出射するこ ができる高輝度な蛍光物質担持体及びその 造方法と、上記蛍光物質担持体を用いた高 度な発光ダイオードに関する。

 基体に蛍光体、蛍光ガラス等の蛍光物質を 持させて成る蛍光物質担持体として、本出 人は先に、特開2005-105423号を提案した。
 図8乃至図10に示すように、この蛍光物質担 体70は、多数の繊維72絡み合ってシート状に 形成された不織布より成る基体74と、上記不 布を構成する繊維72の表面に被着・担持さ た蛍光物質としての蛍光体76とから成る。

 多数の上記繊維72が絡み合ってシート状 形成された不織布は、繊維72間に多数の空隙 78(図10参照)が形成されており、また、多数の 繊維72が立体的に絡み合っているため、単位 積当たりの繊維72の表面積が極めて大きい のである。

 上記蛍光物質担持体70の基体74を形成する不 織布の繊維72表面の蛍光体76に、紫外線等の が照射されると、この光が所定波長の可視 等の光に波長変換されて放射されるのであ 。
 而して、上記蛍光物質担持体70にあっては 多数の繊維72が立体的に絡み合って形成され 、単位体積当たりの繊維72の表面積が極めて きい不織布を構成する繊維72の表面に、蛍 体76を担持せしめたことから、基体74に担持 る蛍光体76の量を飛躍的に増大させること できるのである。

 尚、本出願人は、特開2006-60099号において、 上記蛍光物質担持体70を用いた発光ダイオー についても提案を行っている。

特開2005-105423

特開2006-60099

 蛍光体76から放射される光の輝度は、蛍 体76の量に略比例することから、蛍光物質担 持体70の輝度を向上させるためには、基体74 担持させる蛍光体76の量をできるだけ多くす ることが必要である。

 出願人が提案した上記従来の蛍光物質担 体70は、単位体積当たりの繊維72の表面積が 極めて大きい不織布を構成する繊維72の表面 蛍光体76を担持させることにより、基体74に 担持する蛍光体76の量を飛躍的に増大させる とができるものであるが、より一層、基体 担持させる蛍光物質の量を増大させること できる高輝度な蛍光物質担持体の実現が望 れていた。

 また、上記従来の蛍光物質担持体70は、 ート状の基体74の表面及び裏面が平坦面であ った。このため、例えば、基体74の裏面から を入射させると共に、表面から出射させる 合において、基体74内部に入射する光の一 が基体74の裏面で反射されてしまい、光の入 射効率が低かった。また、基体74内部の蛍光 76が偏って分布していると、基体74の表面全 体から光を均一に出射させることができなか った。

 本発明は、上記要請に応えるためになされ ものであり、その目的とするところは、基 に担持させる蛍光物質の量を増大させるこ ができると共に、光の入射効率が高く、さ に、基体の一面全体から光を均一に出射す ことができる高輝度な蛍光物質担持体と、 蛍光物質担持体の製造方法を実現すること ある。       
 また本発明は、上記蛍光物質担持体を用い 高輝度な発光ダイオードの実現を、他の目 としている。

 上記の目的を達成するため、本発明の請求 1に記載の蛍光物質担持体は、繊維間に多数 の空隙が形成された繊維の集合体で基体を形 成し、該基体の一面を入光面と成すと共に他 面を出光面と成した蛍光物質担持体であって 、上記繊維の表面に、蛍光物質を担持させる と共に、繊維間の空隙に、蛍光物質が添加さ れた透光性の結合剤を充填し、さらに、上記 入光面又は出光面の少なくとも一方の面から 、多方向へ突出する繊維を形成したことを特 徴とする。
 上記基体の入光面及び出光面の両方の面か 、多方向へ突出する繊維を形成するのが好 しい。

 また、本発明の請求項3に記載の蛍光物質 担持体は、請求項1又は2に記載の蛍光物質担 体における繊維の集合体として、多数の繊 が絡み合って形成された不織布を用いたこ を特徴とするものである。

 本発明の請求項4に記載の発光ダイオード は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蛍 物質担持体と、請求項1乃至請求項3の何れ に記載の蛍光物質担持体に担持された蛍光 質を励起する波長の光を発光する発光ダイ ードチップとを備えたことを特徴とする。

 本発明の請求項5に記載の蛍光物質担持体の 製造方法は、請求項1に記載の蛍光物質担持 の製造方法であって、
 繊維の集合体に蛍光物質が添加された液状 結合剤を含浸させる工程と、
 上記繊維の集合体の少なくとも一面を加圧 て圧縮変形させた後、変形部分を復元させ ことにより、繊維の集合体の少なくとも一 を荒らして、荒らした面から多方向へ突出 る繊維を形成する工程と、
 上記液状の結合剤を固化させる工程と、
を備えたことを特徴とする。
 また、本発明の請求項6に記載の蛍光物質担 持体の製造方法は、請求項5に記載の蛍光物 担持体の製造方法における繊維の集合体と て、多数の繊維が絡み合って形成された不 布を用いたことを特徴とするものである。

 本発明の請求項1に記載の蛍光物質担持体は 、単位体積当たりの繊維の表面積が大きい繊 維の集合体で基体を形成し、上記繊維の表面 に、蛍光物質を担持させると共に、繊維間の 空隙にも、蛍光物質が添加された透光性の結 合剤を充填したことから、従来の上記蛍光物 質担持体70に比べて、基体に担持する蛍光物 の量を増大させることができ、高輝度な蛍 物質担持体を実現できる。
 尚、繊維間の空隙に充填された結合剤は透 性を有しているため、蛍光物質で波長変換 れた光の透過性も良好である。

 また、蛍光物質担持体を構成する基体の入 面から多方向に突出する繊維を形成した場 には、突出した上記繊維で光を乱反射させ 基体内部に入射させることができるので、 の入射効率が高い。
 さらに、蛍光物質担持体を構成する基体の 光面から多方向に突出する繊維を形成した 合には、突出した上記繊維で光が拡散され 基体の出光面全体から光を均一に出射する とができる。

 繊維の集合体として、多数の繊維が絡み って形成された不織布を用いた場合には、 位体積当たりの繊維の表面積が極めて大き ことから、担持する蛍光物質の表面積を極 て大きく確保することができる。

 本発明の請求項4に記載の発光ダイオード は、基体に担持する蛍光物質の量を増大させ た請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蛍光 質担持体を用いたことから、高輝度な発光 イオードを実現できる。

本発明に係る蛍光物質担持体を模式的 示す斜視図である。 本発明に係る蛍光物質担持体を模式的 示す部分拡大図である。 本発明に係る蛍光物質担持体を模式的 示す要部拡大図である。 本発明に係る蛍光物質担持体を模式的 示す要部断面図である。 本発明に係る蛍光物質担持体の製造方 を示す説明図である。 本発明に係る蛍光物質担持体の製造方 を示す説明図である。 本発明に係る発光ダイオードを模式的 示す断面図である。 従来の蛍光物質担持体を模式的に示す 視図である。 従来の蛍光物質担持体を模式的に示す 分拡大図である。 従来の蛍光物質担持体を構成する繊維 を模式的に示す拡大図である。

符号の説明

10 蛍光物質担持体
12 繊維
14 基体
16 空隙
18 蛍光体
19 入光面
20 結合剤
21 出光面
22 加圧ロール
40 発光ダイオード
42 孔
44 枠体
46 第1のリードフレーム
48 第2のリードフレーム
50 LEDチップ
54 コーティング材

 以下、図面に基づき、本発明に係る蛍光物 担持体の実施形態を説明する。
 図1及び図2は、本発明に係る蛍光物質担持 10を示すものであり、該蛍光物質担持体10は 多数の繊維12が絡み合ってシート状に形成 れた繊維の集合体としての不織布より成る 体14を有している。
 上記基体14を形成する不織布は、繊維12間に 多数の空隙16(図3参照)が形成されており、ま 、多数の繊維12が立体的に絡み合っている め、単位体積当たりの繊維12の表面積が極め て大きいものである。
 尚、上記繊維12の繊維密度や、不織布の厚 、目付等を適宜調整することにより、不織 を構成する繊維12の総表面積を任意に増減可 能である。

 シート状の不織布で形成された基体14の 面は、後述する蛍光体18を励起する波長の光 の入光面19と成されると共に、他面は、蛍光 18で波長変換された光の出光面21と成されて おり、これら入光面19及び出光面21から、不 布を構成する繊維12が多数突出している。入 光面19及び出光面21から突出した繊維12の突出 方向は一定ではなく、多方向に突出しており 、突出した繊維12同士が絡み合ったりしてい 場合もある。

 不織布で形成された上記基体14に、蛍光体18 を分散・添加した透光性の結合剤20を含浸す ことにより、不織布を構成する繊維12の表 に、結合剤20を介して蛍光体18を被着・担持 せると共に、繊維12間の空隙16に、蛍光体18 添加された結合剤20を充填させて成る。
 図3に示すように、繊維12間の全ての空隙16 結合剤20が充填されるものではなく、結合剤 20が充填されない空隙16も存在している。尚 上記入光面19及び出光面21に近づくに従って 合剤20が充填されない空隙16の割合が多くな っていく(図2参照)。
 また、図4に示すように、繊維12の表面に被 される蛍光体18の量は、空隙16に充填された 結合剤20中の蛍光体18の量よりも多くなって り、さらに、空隙16に充填された結合剤20中 蛍光体18の分布状態は、繊維12に近づくに従 って蛍光体18の量が多くなっている。

 上記透光性の結合剤20としては、例えば シリコン樹脂等の有機材料、ゾルゲルガラ 等の無機材料を使用することができる。

 上記蛍光体18は、紫外線や青色可視光等の の照射を受けると、この光を所定波長の可 光等の光に波長変換するものであり、例え 以下の組成のものを用いることができる。
 紫外線を赤色可視光に変換する赤色発光用 蛍光体18として、M 2 O 2 S:Eu(Mは、La、Gd、Yの何れか1種)、0.5MgF 2 ・3.5MgO・GeO 2 :Mn、2MgO・2LiO 2 ・Sb 2 O 3 :Mn、Y(P,V)O 4 :Eu、YVO 4 :Eu、(Sr,Mg) 3 (PO 4 ):Sn、Y 2 O 3 :Eu、CaSiO 3 :Pb,Mn等がある。
 また、紫外線を緑色可視光に変換する緑色 光用の蛍光体18として、BaMg 2 Al 16 O 27 :Eu,Mn、Zn 2 SiO 4 :Mn、(Ce,Tb,Mn)MgAl 11 O 19 、LaPO 4 :Ce,Tb、(Ce,Tb)MgAl 11 O 19 、Y 2 SiO 5 :Ce,Tb、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、SrAl 2 O 4 :Eu、SrAl 2 O 4 :Eu,Dy、Sr 4 Al 14 O 25 :Eu,Dy、Y 3 Al 5 O 12 :Tb、Y 3 (Al,Ga) 5 O 12 :Tb、Y 3 Al 5 O 12 :Ce、Y 3 (Al,Ga) 5 O 12 :Ce等がある。
 更に、紫外線を青色可視光に変換する青色 光用の蛍光体18として、(SrCaBa) 5 (PO 4 ) 3 Cl:Eu、BaMg 2 Al 16 O 27 :Eu、(Sr,Mg) 2 P 2 O 7 :Eu、Sr 2 P 2 O 7 :Eu、Sr 2 P 2 O 7 :Sn、Sr 5 (PO 4 ) 3 Cl:Eu、BaMg 2 Al 16 O 27 :Eu、CaWO 4 、CaWO 4 :Pb、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Al、(Sr,Ca,Mg) 10 (PO 4 ) 6 Cl 2 :Eu等がある。
 また、青色可視光を発光するLEDチップを光 に用いて白色光を得る場合等において、LED ップから放射される青色可視光を緑色可視 に変換する緑色発光用の蛍光体18として、Y 3 (Al,Ga) 5 O 12 :Ce、SrGa 2 S 4 :Eu、Ca 3 Sc 2 Si 3 O 12 :Ce、α-SiAlON:Eu、β-SiAlON:Eu等がある。
 さらに、青色可視光を発光するLEDチップを 源に用いた場合等において、LEDチップから 射される青色可視光を赤色可視光に変換す 赤色発光用の蛍光体18として、(Sr,Ca)S:Eu、(Ca ,Sr) 2 Si 5 N 8 :Eu、CaSiN 2 :Eu、CaAlSiN 3 :Eu等がある。
 上記赤色発光用の蛍光体18、緑色発光用の 光体18、青色発光用の蛍光体18を適宜選択・ 合して用いることで、種々の色の発色が可 である。
 尚、上記蛍光体18は、有機、無機の蛍光染 や、有機、無機の蛍光顔料を含むものであ 。

 上記繊維12は、ナイロン、ポリエステル、 クリル、ポリプロピレン等の樹脂繊維、
レーヨン等のセルロース系の化学繊維、ガラ ス繊維、金属繊維等の短繊維から成り、その 直径は5~20μm、長さは0.5~20mm程度であるが、長 さが50~100mm程度の長繊維から成る繊維12を用 ることも勿論可能である。
 尚、光の透過性の観点から、透光性材料で 維12を構成するのが好ましい。

上記蛍光物質担持体10を構成する基体14の 光面19から入射した紫外線や青色可視光等の 光が、不織布の繊維12表面の蛍光体18、及び 繊維12間の空隙16に充填された結合剤20中の 光体18に照射されると、この光が所定波長の 可視光等の光に波長変換され、出光面21から 部へ放射されるのである。

 而して、上記蛍光物質担持体10にあっては 多数の繊維12が立体的に絡み合って形成され 、単位体積当たりの繊維12の表面積が極めて きい不織布を構成する繊維12の表面に蛍光 18を担持させると共に、繊維12間の空隙16に 蛍光体18を添加した結合剤20を充填したこと ら、従来の上記蛍光物質担持体70に比べて 基体14に担持する蛍光体18の量を増大させる とができ、高輝度な蛍光物質担持体を実現 きる。
 尚、繊維12間の空隙16に充填された結合剤20 透光性を有していると共に、結合剤20が充 されない空隙16も存在するために、蛍光体18 波長変換された光の透過性も良好である。

 また、本発明の蛍光物質担持体10は、基体14 の入光面19から多方向に突出する繊維12を形 したことにより、突出した上記繊維12で光を 乱反射させて基体14内部に入射させることが きるので、光の入射効率が高い。
 さらに、本発明の蛍光物質担持体10は、基 14の出光面21から多方向に突出する繊維12を 成したことにより、突出した上記繊維12で光 が拡散され、基体14の出光面21全体から光を 一に出射することができる。

 上記においては、基体14の入光面19及び出 光面21の両面に、多方向へ突出する繊維12を 成した場合について説明したが、基体14の入 光面19又は出光面21の何れか一方にのみ、多 向へ突出する繊維12を形成しても良い。

 以下において、上記蛍光物質担持体10の基 14に蛍光体18を担持させる方法について説明 る。
 先ず、所定長さのシート状の不織布を準備 ると共に、粒子状の蛍光体18が分散・添加 れた液状の結合剤20を液槽(図示せず)内に満 しておく。

 次に、上記不織布を、液槽内の結合剤20 に浸漬し、不織布に蛍光体18が分散・添加さ れた液状の結合剤20を含浸させる。尚、結合 20に分散・添加された蛍光体18は、液状の結 合剤20中で移動するが、固体である繊維12に 突して移動が妨げられる結果、上記の通り 繊維12表面に被着される蛍光体18の量は、空 16に充填された結合剤20中の蛍光体18の量よ も多くなり、さらに、空隙16に充填された 合剤20中の蛍光体18の分布状態は、繊維12に づくに従って蛍光体18の量が多くなる。

 次に、図5に示すように、不織布を垂直方向 に移送しつつ、一対の加圧ロール22で不織布 両面を挟圧することにより、不織布を加圧 て圧縮変形させた後、変形部分を復元させ 。而して、上記不織布が圧縮変形する過程 所定量の結合剤20が不織布から絞り出され 除去されると共に、不織布の変形部分が復 する過程で空気が不織布内に流入すること より、繊維12間の空隙16に充填されていた結 剤20が空気と置換され、図3に示すように、 合剤20が充填されない空隙16が形成されるの である。
 また、不織布を垂直方向に移送しつつ、一 の加圧ロール22で不織布を挟圧することに り、不織布の内方に結合剤20が集まるため、 上記の通り、入光面19及び出光面21に近づく 従って結合剤20が充填されない空隙16の割合 多くなっていく。
 さらに、一対の加圧ロール22で不織布の両 を挟圧することにより、不織布の両面が荒 され、不織布の両面から多方向へ突出する 維12が形成される。
 結合剤20中の蛍光体18の分散量、不織布の加 圧力等の条件により、結合剤20が充填されな 空隙16の割合(空隙率=不織布の体積に対する 結合剤20が充填されない空隙16の体積の割合) 変化し、不織布の蛍光体担持量も変化する

 その後、不織布を所定温度で所定時間加熱 て、液状の結合剤20を固化させる。
 例えば、結合剤20が熱硬化性樹脂であるシ コン樹脂の場合には、80~150℃で2~4時間加熱 る。
 また、結合剤20が液状のゾルゲルガラス材 の場合には、80~120℃で0.5~1時間加熱すること により、ゾルゲルガラス材料を加水分解、重 合反応させて固体であるゾルゲルガラスを形 成する。
 上記ゾルゲルガラスは、金属アルコキシド 金属アセチルアセトネート、金属カルボキ レート等の金属有機化合物を出発物質とし 、その加水分解、重合反応を利用して合成 れるものであり、溶液状態から出発するた 、任意の形状のガラスに成形容易である。
 上記ゾルゲルガラス材料は、一般式M(OR)n(M: 属元素、R:アルキル基、n:金属の酸化数)の 属有機化合物、水(加水分解のため)、溶媒と してメタノール、DMF(ヂメチルフォルムアミ )、加水分解・重合反応の調整剤としてアン ニアで構成することができ、このゾルゲル ラス材料を加水分解、重合反応させること より、ゲル化し、硬いガラス状の無機質膜 成が生じてゾルゲルガラスが形成されるの ある。
 結合剤20を固化した後、不織布を所定形状 カットすることにより、上記蛍光物質担持 10が完成するのである。

 尚、蛍光物質担持体10を構成する基体14の 入光面19又は出光面21の何れか一方にのみ、 方向へ突出する繊維12を形成する場合は、図 6に示すように、不織布を水平方向に移送し つ、加圧ロール22で不織布の一面だけを加圧 することにより、不織布の一面側を圧縮変形 させた後、変形部分を復元させれば良い。こ の結果、不織布の一面だけが荒らされ、不織 布の一面から多方向へ突出する繊維12が形成 れるのである。

 上記においては、結合剤20が充填されない 隙16も存在する場合を例に挙げて説明したが 、これに限定されるものではなく、不織布を 構成する繊維12間の全ての空隙16に結合剤20が 充填されるようにしても良い。この場合も上 記した通り、繊維12間の空隙16に充填される 合剤20は透光性を有しているため、蛍光体18 波長変換された光の透過性は良好である。
 尚、不織布を構成する繊維12間の全ての空 16に結合剤20を充填する場合には、不織布を 槽内の結合剤20中に浸漬した状態で真空雰 気中に導入して脱気処理を行い、繊維12間の 空隙16内の空気と結合剤20とを置換させれば い。

 また、上記において繊維の集合体として 不織布を用いた場合を例に挙げて説明した 、本発明はこれに限定されるものではなく 多数の繊維を織り込んで形成した織布を用 、該織布を構成する繊維に蛍光体を担持さ ても良い。この織布も、不織布には及ばな ものの、単位体積当たりの繊維の表面積が きいものである。

 図7は、上記蛍光物質担持体10を用いた発光 イオード(LED)40を示すものである。該LED40は 樹脂等の絶縁材料より成り、孔42が形成さ た略リング状の枠体44と、第1のリードフレ ム46及び第2のリードフレーム48を有している 。
 第1のリードフレーム46は、上記枠体44の底 44aの略全面を覆う先端部46aと、枠体44を貫通 して外方へ向かって水平方向に取り出される 後端部46bを有している。第1のリードフレー 46の先端部46aの一部は上記孔42内に露出して り、該孔42内に露出した第1のリードフレー 46の先端部46aに、LEDチップ50をダイボンドす ることにより、第1のリードフレーム46とLEDチ ップ50底面の一方の電極(図示せず)とを電気 に接続している。

 また、第2のリードフレーム48は、上記枠体4 4を貫通して孔42内に露出する先端部48aと、枠 体44の外方へ向かって水平方向に取り出され いる後端部48bを有しており、第2のリードフ レーム48の先端部48aと、上記LEDチップ50上面 他方の電極(図示せず)とをボンディングワイ ヤ52を介して電気的に接続して成る。
 上記LEDチップ50は、電圧が印加されると、 光物質担持体10及び第2の蛍光物質担持体30に 担持された蛍光体18を励起する波長の光を発 し、例えば、窒化ガリウム系半導体結晶で 成されている。

 上記第1のリードフレーム46の先端部46aと、 2のリードフレーム48の先端部48aは、上下方 に所定の間隙を設けて対向配置されること より、相互に絶縁されている。
 而して、本発明のLED40にあっては、第1のリ ドフレーム46の先端部46aと、第2のリードフ ーム48の先端部48aを同一平面上に配置せず 上下方向に所定の間隙を設けて対向配置し ことにより、第1のリードフレーム46の先端 46aで枠体44の底面44aの略全面を覆っても、第 1のリードフレーム46と第2のリードフレーム48 間の絶縁性を確保できるのである。

 また、上記枠体44の孔42内には、シリコン樹 脂等より成る透光性のコーティング材54を充 してLEDチップ50を封止して成る。
 さらに、上記枠体44の上端には、段部56が形 成されており、該段部56上に上記蛍光物質担 体10を、その入光面19がLEDチップ50と対向す ように載置している。この結果、上記LEDチ プ50の上方に、第1の蛍光物質担持体10が配 されることとなる。
 尚、蛍光物質担持体10とコーティング材54と の間には、所定距離の空間58が介在している

 而して、上記第1のリードフレーム46及び第2 のリードフレーム48を介してLEDチップ50に電 が印加されると、LEDチップ50が発光して、上 記蛍光体18を励起させる波長の紫外線や青色 視光等の光が放射される。
 LEDチップ50から放射された光は、蛍光物質 持体10を構成する基体14の入光面19から基体14 内部に入射し、不織布の繊維12表面の蛍光体1 8、及び、繊維12間の空隙16に充填された結合 20中の蛍光体18に照射されると、この光が所 定波長の可視光等の光に波長変換され、基体 14の出光面21から外部へ放射されるのである

 而して、本発明の発光ダイオード40にあ ては、単位体積当たりの繊維12の表面積が極 めて大きい不織布を構成する繊維12の表面に 光体18を担持させると共に、繊維12間の空隙 16にも蛍光体18を添加した結合剤20を充填した ことにより、基体14に担持する蛍光体18の量 増大させた上記蛍光物質担持体10を用いたこ とから、高輝度な発光ダイオード40を実現で る。

 尚、図1乃至図7は模式図であり、説明の 宜上、本発明の特徴点を強調して表現して り、例えば、基体14の入光面19及び出光面21 ら突出する繊維12の突出長を強調して表現し ている。

 蛍光物質としては、上記した蛍光体18だけ なく、蛍光ガラスや蛍光樹脂等、紫外線や 色可視光等の光の照射を受けた場合に、こ 光を所定波長の可視光等の光に波長変換す 全ての物質を含むものである。
 蛍光ガラスは、ガラス材料に蛍光材料を添 して形成される透明体であり、また、蛍光 脂は、エポキシ樹脂等の樹脂材料に蛍光材 を添加して形成される透明体である。これ 蛍光ガラスや蛍光樹脂を粒子状と成し、第1 の蛍光物質担持体10及び第2の蛍光物質担持体 30の基体14,32に担持させれば良い。