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Title:
FLUORINE-CONTAINING POLYMER AND STAIN-PROOFING AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084530
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a fluorine-containing polymer containing (a) a fluorine-containing monomer having a fluoroalkyl group, (b) a hydrophilic fluorine-containing monomer having an oxyalkylene group (wherein the alkylene group has 2-6 carbon atoms), and (c) a hydrophilic fluorine-free monomer wherein the hydrophilic group is an oxyalkylene group (wherein the alkylene group has 2-6 carbon atoms). The fluorine-containing polymer may further contain (d) another monomer, if necessary. The fluorine-containing polymer functions as an active ingredient for a soil release agent. Also disclosed is a soil release agent having excellent water absorption and excellent stain-proofing property.

Inventors:
UESUGI NORIMASA (JP)
YAMAMOTO IKUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073404
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
UESUGI NORIMASA (JP)
YAMAMOTO IKUO (JP)
International Classes:
C08F220/22; C08F220/28; C08F220/56; D06M15/277
Domestic Patent References:
WO1991002279A11991-02-21
Foreign References:
JPS61266487A1986-11-26
JPH02298505A1990-12-10
JP2001139413A2001-05-22
JP2003228164A2003-08-15
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (IMP Building 3-7,Shiromi 1-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 01, JP)
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Claims:
 (a)フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体、
 (b)オキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~6)を有する親水性含フッ素単量体、および
 (c)親水性基がオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~6)である親水性非フッ素単量体
を含んでなる含フッ素重合体。
 含フッ素単量体(a)が、含フッ素アクリレートエステルである請求項1に記載の含フッ素重合体。
 含フッ素単量体(a)が、一般式:
  CH 2 =C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf            (1)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基であり;
Yは、-O-または-NH-であり;
Zは、炭素数1~10の脂肪族基、炭素数6~18の芳香族基または環状脂肪族基、
-CH 2 CH 2 N(R 1 )SO 2 -基(但し、R 1 は炭素数1~4のアルキル基である。)または
-CH 2 CH(OZ 1 ) CH 2 -基(但し、Z 1 は水素原子またはアセチル基である。)または
-(CH 2 ) m -SO 2 -(CH 2 ) n -基 または  -(CH 2 ) m -S-(CH 2 ) n -基(但し、mは1~10、nは0~10、である)、
Rfは、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
で示される化合物である請求項1に記載の含フッ素重合体。
 親水性含フッ素単量体(b)における親水性基が、オキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~6)、酸基またはヒドロキシル基である請求項1~3のいずれかに記載の含フッ素重合体。
 親水性含フッ素単量体(b)が、一般式:
(2-1)

(2-1)

または
(2-2)
[上記式中、Xは、水素原子、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基であり、
R 1 は炭素数が1~18のアルキル基であり、
R 2 は、炭素数2~6のアルキレン基であり、
R 3 は、炭素数2~6のアルキレン基であり、
Yは、酸基であり、
Rfは、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基であり、
mは、1~10であり、
nは、2~90であり、
pは、1~90であり、
qは、1から10である。]
で示される化合物である請求項1~4のいずれかに記載の含フッ素重合体。
 親水性非フッ素単量体(c)が、一般式(3):
CH 2 =CX 1 C(=O)-O-(RO) n -X 2        (3)
[式中、
X 1 は、水素原子またはメチル基、
X 2 は、水素原子または炭素数1~22の不飽和または飽和の炭化水素基
Rは、炭素数2~6のアルキレン基、
nは、2~90の整数、
である。]
で示されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートである請求項1~5のいずれかに記載の含フッ素重合体。
 含フッ素重合体が、(d)単量体(a)~(c)以外の他の単量体をも含んでなる請求項1~6のいずれかに記載の含フッ素重合体。
 他の単量体(d)が非架橋性単量体または架橋性単量体である請求項7に記載の含フッ素重合体。
 非架橋性単量体が、一般式:
   CH 2 =CA 1 COOA 2
[式中、A 1 は水素原子またはメチル基、A 2 はC n H 2n+1 (n=1~30)で示されるアルキル基である。]
で示されるアクリレート類である請求項8に記載の含フッ素重合体。
 架橋性単量体が、少なくとも2つの反応性基および/または炭素-炭素二重結合を有する単量体であり、反応性基がヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックドイソシアネート、アセトアセトキシ基、アミノ基またはカルボキシル基である請求項8に記載の含フッ素重合体。
 他の単量体(d)が、イオン性の親水性基を有する単量体である請求項7に記載の含フッ素重合体。
 イオン性の親水性基が三級アミノ基および四級アミノ基のカチオン供与基である請求項11に記載の含フッ素重合体。
 含フッ素重合体の重量平均分子量が、1000~1000000である請求項1に記載の含フッ素重合体。
 含フッ素単量体(a)100重量部に対して、親水性含フッ素単量体(b)の量が10~150重量部であり、親水性非フッ素単量体(c)の量が5~150重量部である請求項1に記載の含フッ素重合体。
 請求項1~14のいずれかに記載の含フッ素重合体を必須成分とする汚れ脱離剤。
 水性媒体をも含有する請求項15に記載の汚れ脱離剤。
 請求項15に記載の汚れ脱離剤で処理することからなる、基材を処理する方法。
 請求項15に記載の汚れ脱離剤によって処理された繊維製品。
Description:
含フッ素重合体および防汚剤

 本発明は、含フッ素重合体、および該含 ッ素重合体を含んでなるSR剤(防汚剤または れ脱離剤)に関する。本発明の防汚剤は、吸 水性に優れており、かつ防汚性に優れている 。

 繊維織物等に撥水撥油性を付与し、かつ繊 に付着した汚れを洗濯などにより除去しや くする防汚加工剤として、フルオロアルキ 基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下 フッ素含有化合物ともいう。)と親水性基含 有化合物との共重合体が知られている(特開 53-134786号、同59-204980号公報、同62-7782号公報 照)。これらの防汚加工剤は洗濯で汚れが落 ちやすい特長を有し、例えば、作業着やユニ ホーム用途で使用されてきた。近年、防汚加 工剤はその応用範囲が拡大する傾向にあり、 例えば、ポロシャツ、Tシャツ等への加工も 討されている。
 しかしながら、従来の防汚加工剤の大きな 点は、吸水性が不十分であり、例えば、汗 かいても繊維が汗を吸わないため、汗をか 環境においての着用は不快きわまりなく、 の用途への展開は限定的なものに留まって た。

 一般的に、十分な汚れ脱離性を得るには、 油性とflip-flop性が重要とされ、空気中では ーフルオロアルキル基(以下、Rf基と略す)が 表面に配向し、高い撥油性を示しながら、水 中ではこれとは逆に、Rf基が後退し、親水性 が表面に配向して、汚れが落ちやすくなる されている。Flip-flop性とは、空気中と水中 環境に応じて表面分子構造が変化する性質 あり、Shermanらによって提唱されている。[P. Sherman, S.Smith, B,Johannessen, Textile Research Journ al,39,499(1969)]
 Rf基は鎖長が短いとRfの結晶性の低下ととも に撥油性も低下する傾向にあり、油汚れで被 処理物品が汚染しやすくなる。このため、Rf の炭素数は実質的に8以上のものが使用され てきた。(特開昭53-134786号公報、特開2000-290640 号公報参照)

 さらに、最近になってテロメリゼーション よって得られる炭素数8のRf基を含有する化 物については、
Federal Register(FR Vol.68,No.73/April 16,2003[FRL-7303-8 ])(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoafr.pdf)や
EPA Environmental News FOR RELEASE: MONDAY APRIL 14, 2003
EPA INTENSIFIES SCIENTIFIC INVESTIGATION OF A CHEMICAL  PROCESSING AID
(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoaprs.pdf) や
EPA OPPT FACT SHEET April 14, 2003(http://www.epa.gov/ opptintr/pfoa/pfoafacts.pdf)が、テロマーが分解ま は代謝により perfluorooctanoic acid(以下、「PFO A」と略す)を生成する可能性があると公表し いる。
 EPA(米国環境保護庁)は、PFOAに対して科学的 査を強化することを発表している。(EPAレポ ート"PRELIMINARY RISK ASSESSMENT OF THE DEVELOPMENTAL  TOXICITY ASSOCIATED WITH EXPOSURE TO PERFLUOROOCTANOI C ACID AND ITS SALTS" (http://www.epa.gov/opptintr/pfoa /pfoara.pdf) 参照)。

 WO 2003/095083は、イソシアネート基含有ビニ モノマーを使用する含フッ素グラフトポリ ーを記載している。この含フッ素グラフト リマーが防汚性を付与することが記載され いるが、得られる防汚性および/または吸水 性は充分ではない。

特開昭53-134786号

特開昭59-204980号公報

特開昭62-7782号公報参照

特開昭53-134786号公報

特開2000-290640号公報

WO 2003/095083公報

 本発明の目的は、繊維織物等に対して、 れた吸水性、撥油性、防汚性、汚れ脱離性 付与する汚れ脱離剤を提供すること、更に Rf基の炭素数が8未満と従来に比較して短く も、同様に優れた汚れ脱離剤を提供するこ にある。

 吸水性を向上させるための最も簡便な手 は汚れ脱離(SR)ポリマー中のフッ素含有量を 減らし、相対的に親水成分の比率を上げるこ とにある。これにより、確かにある程度、吸 水性は向上するが、逆に撥油性、汚れ脱離性 (SR性)は低下してしまう。撥油性、SR性を低下 させることなく、吸水性を向上させることが 肝要である。

 この課題を解決するために、以下の発明に たった。すなわち、本発明は、
 (a)フルオロアルキル基を有する含フッ素単 体、
 (b)オキシアルキレン基(アルキレン基の炭素 数2~6)を有する親水性含フッ素単量体、およ
 (c)親水性基がオキシアルキレン基(アルキレ ン基の炭素数2~6)である親水性非フッ素単量
を含んでなる含フッ素重合体に関する。単量 体(b)は単量体(a)と異なる。必要により、含フ ッ素重合体は、(d)単量体(a)~(c)以外の他の単 体を含有していてもよい。単量体(d)は、一 に、フッ素原子を含有しない。

 本発明の含フッ素重合体は、
(A)含フッ素単量体(a)から誘導された繰り返し 単位、
(B)親水性含フッ素単量体(b)から誘導された繰 り返し単位、及び
(C)親水性非フッ素単量体(c)から誘導された繰 り返し単位から誘導された繰り返し単位を有 する。
 含フッ素重合体は、(D)単量体(a)~(c)以外の他 の単量体(d)から誘導された繰り返し単位を有 していてもよい。他の単量体(d)は、前記単量 体(a)、(b)、(c)と共重合可能な不飽和二重結合 を有する、単量体(a)、(b)、(c)以外の単量体で ある。
 本発明の(b)成分は特に重要であり、b成分を ポリマー中に導入することで、比較的、ポリ マー中のフッ素含有量が高くても、吸水性を も有するようになり、吸水性と撥油性、防汚 性、汚れ脱離性(SR性)に優れた本発明の含フ 素共重合体を与える。

 本発明の防汚剤は、吸水性に優れており かつ防汚性および汚れ脱離性に優れている

発明を実施するための形態

 繰り返し単位(A)は含フッ素単量体(a)から誘 される。
 含フッ素単量体(a)は、含フッ素アクリレー エステルであることが好ましい。

 含フッ素単量体(a)は、一般式:
  CH 2 =C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf            (1)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1~21の直鎖状ま たは分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素 原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素 原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基 炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロ ルキル基、置換または非置換のベンジル基 置換または非置換のフェニル基であり;
Yは、-O-または-NH-であり;
Zは、炭素数1~10の脂肪族基、炭素数6~18の芳香 族基または環状脂肪族基、
-CH 2 CH 2 N(R 1 )SO 2 -基(但し、R 1 は炭素数1~4のアルキル基である。)または
-CH 2 CH(OZ 1 ) CH 2 -基(但し、Z 1 は水素原子またはアセチル基である。)また
-(CH 2 ) m -SO 2 -(CH 2 ) n -基 または  -(CH 2 ) m -S-(CH 2 ) n -基(但し、mは1~10、nは0~10、である)、
Rfは、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフル オロアルキル基である。]
で示される化合物であることが好ましい。

 含フッ素単量体(a)は、(アクリレートまたは メタクリレートの)α位がハロゲン原子などで 置換されていることがある。したがって、式 (1)において、Xが、炭素数2~21の直鎖状または 岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子 臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素 原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基 炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロ ルキル基、置換または非置換のベンジル基 置換または非置換のフェニル基であってよ 。

 Z基の好ましい例は、炭素数1~10のアルキレ 基、すなわち、-(CH 2 ) n - (nは、1~10、好ましくは1~4)である。

 上記式(1)において、Rf基が、パーフルオロ ルキル基であることが好ましい。Rf基の炭素 数は、1~10、例えば1~8、特に1~6、特別には4ま は6であってよい。Rf基の例は、-CF 3 、-CF 2 CF 3 、-CF 2 CF 2 CF 3 、-CF(CF 3 2 、-CF 2 CF 2 CF 2 CF 3 、-CF 2 CF(CF 3 ) 2 、-C(CF 3 ) 3 、-(CF 2 ) 4 CF 3 、-(CF 2 ) 2 CF(CF 3 ) 2 、-CF 2 C(CF 3 ) 3 、-CF(CF 3 )CF 2 CF 2 CF 3 、-(CF 2 ) 5 CF 3 、-(CF 2 ) 3 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 4 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 7 CF 3 、-(CF 2 ) 5 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 6 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 9 CF 3 等である。

 含フッ素単量体(a)の具体例としては、例え 以下のものを例示できるが、これらに限定 れるものではない。
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-C 6 H 4 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 N(-CH 3 ) SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 N(-C 2 H 5 ) SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-CH 2 CH(-OH) CH 2 -Rf

  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-CH 2 CH(-OCOCH 3 ) CH 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 3 -Rf

  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
[上記式中、Rfは、炭素数1~21、特に1~6のフル ロアルキル基である。]
 単量体(a)は、2種類以上の混合物であっても よい。
 含フッ素単量体(a)の量は、含フッ素重合体 対して、5~95重量%、例えば20~80重量%であっ よい。

 繰り返し単位(B)は、オキシアルキレン基(ア ルキレン基の炭素数2~6)を有する親水性含フ 素単量体(b)から誘導される。
 親水性含フッ素単量体(b)の例は次のとおり ある。
(2-1)

(2-2)

[上記式中、Xは、水素原子、炭素数1~21の直鎖 状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、 塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素 原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基 炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロ ルキル基、置換または非置換のベンジル基 置換または非置換のフェニル基であり、
R 1 は炭素数が1~18のアルキル基、特に1~4の低級 ルキル基であり、
R 2 は、炭素数2~6のアルキレン基、好ましくはエ チレン基、プロピレン基またはブチレン基、 特にエチレン基であり、
R 3 は、炭素数2~6のアルキレン基、好ましくはエ チレン基、プロピレン基またはブチレン基、 特にエチレン基であり、
Yは、酸基であり、
Rfは、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフル オロアルキル基であり、
mは、1~10、特に1~3であり、
nは、2~90、特に3~50、例えば4~30であり、
pは、1~90、特に1~30であり、
qは、1から10、特に1~3である。]

 親水性基含有含フッ素単量体(b)は、(アクリ レートまたはメタクリレートの)α位がハロゲ ン原子などで置換されていることがある。し たがって、Xが、炭素数2~21の直鎖状または分 状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、 素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素 原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基 炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロ ルキル基、置換または非置換のベンジル基 置換または非置換のフェニル基であってよ 。
 R 1 の具体例としては例えば、-CH 3 、-C 2 H 5 、-C 3 H 7 、-C 4 H 9 、-C 8 H 17 、-C 12 H 25 が挙げられる。
 R 2 及びR 3 は、炭素数2~6のアルキレン基、特にエチレン 基であることが好ましい。R 2 及びR 3 は、2種類以上のアルキレン基の組み合わせ あっても良い。その場合、R 2 及びR 3 の組合せにおいて少なくとも1つの基はエチ ン基であることが好ましい。R 2 及びR 3 の組合せとしては、エチレン基/プロピレン の組合せ、エチレン基/ブチレン基の組合せ 挙げられる。

 Yの具体例は、次のとおりである。
スルフォン酸基、すなわち、
-SO 3 H、    -SO 3 M、

コハク酸基、すなわち、


酢酸基、すなわち、
-CH 2 -COOH、      -CH 2 -COOM

フタル酸基、すなわち、


水添フタル酸基、すなわち、


マレイン酸基、すなわち、


[上記式中、Mは、アルカリ金属(例えば、リチ ウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウ (-NH 4 )、アミンである。]

 上記式(2-1)および(2-2)において、Rf基が、パ フルオロアルキル基であることが好ましい Rf基の炭素数は、1~10、例えば1~8、特に1~6、 別には4または6であってよい。Rf基の例は、 -CF 3 、-CF 2 CF 3 、-CF 2 CF 2 CF 3 、-CF(CF 3 2 、-CF 2 CF 2 CF 2 CF 3 、-CF 2 CF(CF 3 ) 2 、-C(CF 3 ) 3 、-(CF 2 ) 4 CF 3 、-(CF 2 ) 2 CF(CF 3 ) 2 、-CF 2 C(CF 3 ) 3 、-CF(CF 3 )CF 2 CF 2 CF 3 、-(CF 2 ) 5 CF 3 、-(CF 2 ) 3 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 4 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 7 CF 3 、-(CF 2 ) 5 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 6 CF(CF 3 ) 2 、-(CF 2 ) 9 CF 3 等である。

 化合物(2-1)(RfがC 6 F 13 -である。)は、例えば、次のような反応式に って製造できる。

 化合物(2-2)(RfがC 6 F 13 -である。)は、例えば、次のような化学反応 によって製造される。

 親水性含フッ素単量体(b)の量は、含フッ 単量体(a)100重量部に対して、5~200重量部、10 ~150重量部、好ましくは15~100重量部、例えば15 ~80重量部であってよい。

 繰り返し単位(C)は、オキシアルキレン基(ア ルキレン基の炭素数2~6)である親水性基を有 る親水性非フッ素単量体(c)から誘導される
 親水性非フッ素単量体(c)は、フッ素原子を まない。
 親水性非フッ素単量体(c)は、オキシアルキ ン基(アルキレン基の炭素数2~6)である親水 基および炭素-炭素二重結合を有する単量体 あってもよい。
 オキシアルキレン基である親水性基は、ノ オン性である。オキシアルキレン基の具体 は、オキシエチレン基、オキシプロピレン およびオキシブチレン基である。親水性非 ッ素単量体(c)におけるオキシアルキレン基 数は、2~200、例えば3~50であってよい。
 親水性非フッ素単量体(c)は、ポリアルキレ グリコールモノ(メタ)アクリレートおよび/ たはポリアルキレングリコールジ(メタ)ア リレートであってよい。
 親水性非フッ素単量体(c)の分子量は、100以 、例えば150以上、特に200以上、特に250~3000 あってよい。

 ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アク レートは、一般式(3):
CH 2 =CX 1 C(=O)-O-(RO) n -X 2        (3)
[式中、
X 1 は、水素原子またはメチル基、
X 2 は、水素原子または炭素数1~22の不飽和また 飽和の炭化水素基
Rは、炭素数2~6のアルキレン基、
nは、2~90の整数、
である。]
で示されるものであることが好ましい。nは 特に3~30、例えば4~20であってよい。

 一般式(3)中のRは特にエチレン基であること が好ましい。
 一般式(3)中のRは2種類以上のアルキレン基 組み合わせであっても良い。その場合、少 くともRのひとつはエチレン基であることが ましい。Rの組合せとしては、エチレン基/ ロピレン基の組合せ、エチレン基/ブチレン の組合せが挙げられる。
 親水性非フッ素単量体(c)は2種類以上の混合 物であっても良い。その場合は少なくとも親 水性非フッ素単量体(c)のひとつは一般式(3)中 のRがエチレン基であることが好ましい。

 親水性非フッ素単量体(c)の具体例は、例え 以下のものを例示できるが、これらに限定 れるものではない。
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH 2 O) n -H
CH 2 =CX 1 -(CH 2 CH 2 O) n -CH 3
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH(CH 3 )O) n -H
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH(CH 3 )O) n -CH 3
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH 2 O) 5 -(CH 2 CH(CH 3 )O) 2 -H
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH 2 O) 5 -(CH 2 CH(CH 3 )O) 3 -CH 3
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH 2 O) 8 -(CH 2 CH(CH 3 )O) 6 -CH 2 CH(C 2 H 5 )C 4 H 9
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH 2 O) 23 -OOC(CH 3 )C=CH 2
CH 2 =CX 1 COO-(CH 2 CH 2 O) 20 -(CH 2 CH(CH 3 )O) 5 -CH 2 -CH=CH 2

 親水性非フッ素単量体(c)の量は、含フッ 単量体(a)100重量部に対して、5~150重量部、 ましくは8~100重量部、例えば10~50重量部であ てよい。

 繰り返し単位(D)は、他の単量体(d)から誘導 れる。他の単量体(d)は、単量体(a)~(c)以外の 単量体である。他の単量体は、一般に、フッ 素原子を含まない。
 他の単量体は、非架橋性単量体または架橋 単量体であってよい。
 非架橋性単量体は、フッ素を含有せず、炭 -炭素二重結合を有する単量体であることが 好ましい。非架橋性単量体は、フッ素を含有 しないビニル性単量体であることが好ましい 。非架橋性単量体は、一般に、1つの炭素-炭 二重結合を有する化合物である。

 非架橋性単量体としては、ブタジエン、 ロロプレン、マレイン酸誘導体、塩化ビニ のようなハロゲン化ビニル、エチレン、塩 ビニリデンのようなハロゲン化ビニリデン ビニルアルキルエーテル、スチレン、アル ル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン などが例示されるが、これらに限定される のでない。

 非架橋性単量体は、アルキル基を含有する( メタ)アクリル酸エステルであってよい。ア キル基の炭素数は、1~30、例えば、6~30、例示 すれば、10~30であってよい。例えば、非架橋 単量体は一般式:
   CH 2 =CA 1 COOA 2
[式中、A 1 は水素原子またはメチル基、A 2 はC n H 2n+1 (n=1~30)で示されるアルキル基である。]
で示されるアクリレート類であってよい。
 アルキルアクリレートの具体例は、ラウリ (メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アク リレート、セチル(メタ)アクリレート、ステ リル(メタ)アクリレートおよびベヘニルア コールである。

 フッ素系重合体は、架橋性単量体を含んで よい。架橋性単量体は、少なくとも2つの反 応性基および/または炭素-炭素二重結合を有 、フッ素を含有しない化合物であってよい 架橋性単量体は、少なくとも2つの炭素-炭 二重結合を有する化合物、あるいは少なく も1つの炭素-炭素二重結合および少なくとも 1つの反応性基を有する化合物であってよい 反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキ 基、クロロメチル基、ブロックドイソシア ート、アミノ基、カルボキシル基、などで る。
 架橋性単量体の例としては、ジアセトンア リルアミド、(メタ)アクリルアミド、N-メチ ロールアクリルアミド、ヒドロキシメチル( タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ) クリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル (メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチ ル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエ チル(メタ)アクリレート、ブタジエン、クロ プレン、グリシジル(メタ)アクリレートな が例示されるが、これらに限定されるもの ない。
 架橋性単量体の他の例としては、グリセロ ル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシ チル(メタ)アクリレート、2-イソシアナート チルメタクリレートのようなイソシアネー 基含有(メタ)アクリレートまたはメチルエ ルケトオキシム等のブロック化剤でイソシ ネート基がブロックされたそれらの(メタ)ア クリレートなどが例示される。

 他の単量体(d)は、イオン性基(すなわち、 カチオン性基またはアニオン性基)および炭 -炭素二重結合を有する単量体であってもよ 。他の単量体(d)は、カチオン供与基である オン性基を有するカチオン性単量体である とが好ましい。

 カチオン供与基の例は、三級アミノ基およ 四級アミノ基である。
 三級アミノ基において、窒素原子に結合す 2つの基は、同じまたは異なって、炭素数1~5 の脂肪族基(特にアルキル基)、炭素数6~20の芳 香族基(アリール基)または炭素数7~25の芳香脂 肪族基(特にアラルキル基、例えばベンジル (C 6 H 5 -CH 2 -))であることが好ましい。四級アミノ基にお いて、窒素原子に結合する3つの基は、同じ たは異なって、炭素数1~5の脂肪族基(特にア キル基)、炭素数6~20の芳香族基(アリール基) または炭素数7~25の芳香脂肪族基(特にアラル ル基、例えばベンジル基(C 6 H 5 -CH 2 -))であることが好ましい。三級アミノ基およ び四級アミノ基において、窒素原子に結合す る残りの1つの基が、炭素―炭素二重結合を していてよい。
 他の単量体(d)としてはカチオン供与基およ 炭素―炭素二重結合を有する化合物が挙げ れる。

 カチオン供与基を有する単量体の具体例と ては以下の化合物を例示できるが、これら 限定されるものではない。
CH 2 =CHCOO-CH 2 CH 2 -N(CH 3 ) 2  及びその塩
CH 2 =CHCOO-CH 2 CH 2 -N(CH 2 CH 3 ) 2  及びその塩
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N(CH 3 ) 2  及びその塩
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N(CH 2 CH 3 ) 2  及びその塩
CH 2 =CHC(O)N(H)-CH 2 CH 2 CH 2 -N(CH 3 ) 2  及びその塩
CH 2 =CHCOO-CH 2 CH 2 -N(-CH 3 )(-CH 2 -C 6 H 5 ) 及びその塩
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N(-CH 2 CH 3 )(-CH 2 -C 6 H 5 )及びその塩
CH 2 =CHCOO-CH 2 CH 2 -N + (CH 3 ) 3 Cl -
CH 2 =CHCOO-CH 2 CH 2 -N + (-CH 3 ) 2 (-CH 2 -C 6 H 5 )Cl -
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N + (CH 3 ) 3 Cl -
CH 2 =CHCOO-CH 2 CH(OH)CH 2 -N + (CH 3 ) 3 Cl -
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH(OH)CH 2 -N + (CH 3 ) 3 Cl -
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH(OH)CH 2 -N + (-CH 2 CH 3 ) 2 (-CH 2 -C 6 H 5 )Cl -
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N + (CH 3 ) 3 Br -
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N + (CH 3 ) 3 I -
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N + (CH 3 ) 3 O - SO 3 CH 3
CH 2 =C(CH 3 )COO-CH 2 CH 2 -N + (CH 3 )(-CH 2 -C 6 H 5 ) 2 Br -

 塩は、酸(有機酸または無機酸)との塩であ 。有機酸、例えば炭素数1~20のカルボン酸(特 に、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン 酸などのモノカルボン酸)が好ましい。
 ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート よびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー ト及びそれらの塩が好ましい。

 他の単量体(d)(特に、非架橋性単量体、架 橋性単量体またはカチオン性単量体)を共重 させることにより、撥水撥油性や防汚性お びこれらの性能の耐クリーニング性、耐洗 性、溶剤への溶解性、硬さ、風合いなどの 々の性質を必要に応じて改善することがで る。

 他の単量体(d)の量は、含フッ素単量体(a)1 00重量部に対して、150重量部以下、好ましく 1~100重量部、特に2~30重量部であってよい。 架橋性単量体の量は、含フッ素単量体(a)100 量部に対して、30重量部以下、好ましくは1~ 20重量部であってよい。架橋性単量体の量は 含フッ素単量体(a)100重量部に対して、30重 部以下、好ましくは1~20重量部であってよい イオン性基含有単量体の量は、含フッ素単 体(a)100重量部に対して、30重量部以下、好 しくは1~20重量部であってよい。

 本発明の含フッ素重合体の重量平均分子 は、1000~1000000、好ましくは5000~500000であっ よい。1000~1000000であることにより、耐久性 維持しながら高い汚れ脱離性が得られ、取 扱いが容易であるように重合体液の粘度が い。重量平均分子量は、ゲルパーミエーシ ンクロマトグラフィーによりポリスチレン 算で求めた値である。

 含フッ素重合体の重合は、特に限定されず 状重合、溶液重合、乳化重合、放射線重合 どの種々重合方法を選択できる。例えば一 的には有機溶剤を用いた溶液重合や、水ま は有機溶剤と水を併用する乳化重合が選定 れる。重合後に水で希釈したり、乳化剤を えて水に乳化することで処理液に調製され 。
 有機溶剤としては、アセトン、メチルエチ ケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸 チルなどのエステル類、プロピレングリコ ル、ジプロピレングリコールモノメチルエ テル、ジプロピレングリコール、トリプロ レングリコール、低分子量のポリエチレン リコールなどのグリコール類、エチルアル ール、イソプロパノールなどのアルコール などが挙げられる。
 乳化重合や重合後、乳化剤を加えて水に乳 する場合の乳化剤としては、アニオン性、 チオン性、ノニオン性の一般的な各種乳化 が使用できる。

 重合開始剤として、例えば過酸化物、アゾ 合物または過硫酸系の化合物を使用し得る 重合開始剤は、一般に、水溶性および/また は油溶性である。
 油溶性重合開始剤の具体例としては、2,2’- アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、2,2’- ゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-ア ビス(2、4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’- ゾビス(2、4-ジメチル4-メトキシバレロニト ル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カル ニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチル プロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-イソブチ ニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、ジ- 三級-ブチルパーオキシド、ラウリルパーオ シド、クメンヒドロパーオキシド、t-ブチ パーオキシピバレート、ジイソプロピルパ オキシジカーボネート、過ピバル酸t-ブチル 等が好ましく挙げられる。

 また、水溶性重合開始剤の具体例としては 2,2’-アゾビスイソブチルアミジン2塩酸塩 2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオナミジン)塩 酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イ )プロパン]塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミ ゾリン-2-イル)プロパン]硫酸塩水和物、2,2’ -アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル) ロパン]塩酸塩、過硫酸カリウム、過硫酸バ リウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等 が好ましく挙げられる。
 重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01 ~5重量部の範囲で用いられる。
 また、分子量調節を目的として、連鎖移動 、例えば、メルカプト基含有化合物を使用 てもよく、その具体例として2-メルカプト タノール、チオプロピオン酸、アルキルメ カプタンなどが挙げられる。メルカプト基 有化合物は単量体100重量部に対して、5重量 以下、0.01~3重量部の範囲で用いられる。

 具体的には、含フッ素重合体は、以下のよ にして製造できる。
 溶液重合では、重合開始剤の存在下で、単 体を有機溶剤に溶解させ、窒素置換後、例 ば50~120℃の範囲で1~10時間、加熱撹拌する方 法が採用される。重合開始剤は、一般に、油 溶性重合開始剤であってよい。有機溶剤とし ては、単量体に不活性でこれらを溶解するも のであり、例えば、アセトン、メチルエチル ケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メ チルなどのエステル類、プロピレングリコー ル、ジプロピレングリコールモノメチルエー テル、ジプロピレングリコール、トリプロピ レングリコール、低分子量のポリエチレング リコールなどのグリコール類、エチルアルコ ール、イソプロパノールなどのアルコール類 などが挙げられる。
 有機溶剤は単量体の合計100重量部に対して 50~1000重量部の範囲で用いられる。

 乳化重合では、重合開始剤および乳化剤の 在下で、単量体を水中に乳化させ、窒素置 後、例えば50~80℃の範囲で1~10時間、撹拌し 共重合させる方法が採用される。重合開始 は、水溶性重合性開始剤および/または油溶 性重合開始剤であってよい。
 放置安定性の優れた共重合体水分散液を得 ためには、高圧ホモジナイザーや超音波ホ ジナイザーのような強力な破砕エネルギー 付与できる乳化装置を用いて、単量体を水 に微粒子化し、水溶性重合開始剤を用いて 合することが望ましい。乳化剤としては、 チオン性、アニオン性およびノニオン性の 種乳化剤を用いることができ、単量体100重 部に対して、0.5~10重量部の範囲で用いられ 。単量体が完全に相溶しない場合は、これ 単量体に充分に相溶させるような相溶化剤 例えば、水溶性有機溶剤や低分子量の単量 を添加することが好ましい。相溶化剤の添 により、乳化性および共重合性を向上させ ことが可能である。

 水溶性有機溶剤としては、アセトン、メ ルエチルケトン、プロピレングリコール、 プロピレングリコールモノメチルエーテル ジプロピレングリコール、トリプロピレン リコール、エタノールなどが挙げられ、水1 00重量部に対して、1~80重量部、例えば5~50重 部の範囲で用いてよい。

 得られた含フッ素重合体は、必要により水 有機溶剤等に希釈または分散された後、乳 液、有機溶剤溶液、エアゾールなどの任意 形態に調製でき、汚れ脱離剤とすることが 能である。含フッ素重合体は、汚れ脱離剤 有効成分(活性成分)として機能する。汚れ 離剤は、含フッ素重合体および媒体(特に、 状媒体)(例えば、有機溶媒および/または水) を含んでなる。汚れ脱離剤において、含フッ 素重合体の濃度は、例えば、0.01~50重量%であ てよい。
 本発明の汚れ脱離剤は、含フッ素重合体お び水性媒体を含んでなることが好ましい。 明細書において、「水性媒体」とは、水の からなる媒体、および水に加えて有機溶剤( 有機溶剤の量は、水100重量部に対して、80重 部以下、例えば0.1~50重量部、特に5~30重量部 である。)をも含有する媒体を意味する。

 本発明の含フッ素重合体は、被処理物品の 類や前記調製形態(乳濁液、有機溶剤溶液、 エアゾールなど)などに応じて、任意の方法 汚れ脱離剤として被処理物品に適応され得 。例えば、水性乳濁液や有機溶剤溶液であ 場合には、浸漬塗布、スプレー塗布等のよ な被覆加工の既知の方法により、被処理物 表面に付着させ乾燥する方法が採用され得 。この際、必要ならばキュアリング等の熱 理を行っても良い。
 また、必要ならば、他のブレンダーを併用 ることも可能である。例えば、撥水撥油剤 防シワ剤、防縮剤、難燃剤、架橋剤、帯電 止剤、柔軟剤、ポリエチレングリコールや リビニルアルコール等の水溶性高分子、ワ クスエマルション、抗菌剤、顔料、塗料な である。これらのブレンダーは被処理物、 理時に処理浴に添加して使用しても良いし あらかじめ、可能なら、本発明の含フッ素 合体と混合して使用しても良い。

 被処理物品としては、特に限定されない 繊維製品の他、石材、フィルター(例えば、 静電フィルター)、防塵マスク、ガラス、紙 木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント 金属および酸化物、窯業製品、プラスチッ 、塗面、およびプラスターなどを挙げるこ ができる。特に繊維製品に対して有用であ 。繊維製品としては種々の例を挙げること できる。例えば、綿、麻、羊毛、絹などの 植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステ 、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニ リル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンな の合成繊維、レーヨン、アセテートなどの 合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベ ト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの 合繊維が挙げられる。繊維製品は、繊維、 、布等の形態のいずれであってもよい。

 本発明においては、被処理物品を汚れ脱 剤で処理する。「処理」とは、処理剤を、 漬、噴霧、塗布などにより被処理物に適用 ることを意味する。処理により、処理剤の 効成分である含フッ素重合体が被処理物の 部に浸透するおよび/または被処理物の表面 に付着する。

 次に、実施例、比較例及び試験例を挙げて 発明を具体的に説明する。ただし、これら 説明が本発明を限定するものでない。
 以下において、部または%は、特記しない限 り、重量部または重量%を表す。

 試験の手順は次のとおりである。
<吸水試験 液滴法>
 マイクロピペットを用いて、飲料水(20±2℃) 10μLを試験布上に静かにのせる。試験布に水 をのせてから、水滴が試験布に滲み込み、 滴が消失するまでの時間(単位:秒)を測定す 。ここで水滴が消失するとは、水の鏡面反 が消え、湿潤だけが残る状態をさす。5箇所 を測定し、平均の吸水時間を測定値とする。

<吸水試験 Wicking Test>
 試験布を長さ16cm、幅2.5cmの短冊状に切断す 。
 これを純水200gを入れた200mlビーカーに試験 の先端が5~10mm、水に浸かるようにセットす 。30分後に、毛細管現象で布をつたって上 してくる水の水面からの高さを読み取る。

<撥油試験>
 撥油性の試験は、繊維製品を用いてAATCC―TM 118-2000に準じて行った。即ち、試験布を水平 広げ、表1に示す試験溶液を数滴落し、30秒 の浸透状態で判定する。撥油性が低い場合 、空気中で油汚れが被処理物品に進入して 去困難となる為、汚れ脱離性(SR性)の試験と 並び重要な評価指標となる。

<汚れ脱離試験(SR試験)>
 汚れ脱離試験は米国のAATCC Stain Release Manag ement Performance Test Methodに準じて行った。試 用の汚れにはコーンオイルまたはミネラル イルを使用した。
 水平に敷いたブロッティングペーパーの上 20cm四方の試験布を広げ、汚れとしてコーン オイル(またはミネラルオイル)を5滴(約0.2cc) 試験布に垂らす。その上からグラッシンペ パーをかけて、さらに2268gの分銅をのせ、60 、放置する。60秒後に分銅とグラッシング ーパーを取り除き、そのまま、室温で15分、 放置する。15分経過後、試験布にバラスト布 加えて1.8kgとし、洗剤(AATCC標準のWOB洗剤)100g を使用して、AATCC標準洗濯機(米国ケンモア社 製)で浴量64リットル、浴温38℃の条件で12分 洗濯し、濯いだ後、AATCC標準タンブラー乾燥 機(米国ケンモア社製)で試験布を乾燥する。 燥した試験布の残存シミ汚れの状態を判定 標準写真板と比較し、汚れ脱離性能を該当 る判定級(表2参照)をもって表す。判定用標 写真板は、AATCC―TM130-2000(American Association o f Textile Chemists and Colorists  Test Method 130-20 00)のものを使用した。

合成例1
エチレンオキサイド鎖含有フッ素モノマー(MP OERfA(M-400))の合成:


[式中、nの平均は8~9である.]

 四つ口フラスコに片末端メトキシポリエ レングリコール(平均EO数:8~9、ユニオックス M-400,日本油脂(株)) 52.13g、三弗化ホウ素ジエ ルエーテル錯体 0.94g、を仕込んだ。窒素気 流下、3-パーフルオロヘキシル-1,2-エポキシ ロパン(Rfエポキシ) 50gを30-40分かけて、発熱 に注意しながら室温で滴下した。滴下終了後 、約2時間、室温で反応を続けた後、GCで3-パ フルオロヘキシル-1,2-エポキシプロパンの ークが消滅していることを確認した。これ ターシャリーブチルカテコール 0.03gを加え よく攪拌した。さらに、トリエチルアミン 14.81gを加えてアクリル酸クロリド 12.04gを発 熱に注意しながら、約20分かけて滴下した。 下終了後、約2時間、室温で反応を続けた後 、GCでアクリル酸クロリドのピークがほぼ消 していることを確認した。生成物の同定はI Rスペクトル、1H-NMR、19F-NMRスペクトルより行 た。

合成例2
エチレンオキサイド鎖含有フッ素モノマー(MP OERfA(M-1000))の合成:
 四つ口フラスコに片末端メトキシポリエチ ングリコール(平均EO数:21~22、ユニオックスM -1000,日本油脂(株)) 77.31g、三弗化ホウ素ジエ ルエーテル錯体 0.227g、ジクロロメタン 107 .31gを仕込んだ。窒素気流下、3-パーフルオロ ヘキシル-1,2-エポキシプロパン(Rfエポキシ) 3 0gを30-40分かけて、発熱に注意しながら室温 滴下した。滴下終了後、約2時間、室温で反 を続けた後、GCで3-パーフルオロヘキシル-1, 2-エポキシプロパンのピークが消滅している とを確認した。さらに、トリエチルアミン 14.81g、ハイドロキノン 0.005g、を加えてアク リル酸クロリド 6.88gを発熱に注意しながら 約20分かけて滴下した。滴下終了後、約2時 、室温で反応を続けた後、GCでアクリル酸ク ロリドのピークがほぼ消滅していることを確 認した。生成物の同定はIRスペクトル、1H-NMR 19F-NMRスペクトルより行った。

合成例3
2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)のRfエポ キシ付加体(FAGMA)の合成:

 四つ口フラスコに2-ヒドロキシエチルア リレート(HEA) 20g、三弗化ホウ素ジエチルエ テル錯体 0.61g、ターシャリーブチルカテコ ール 0.026gを仕込んだ。3-パーフルオロヘキ ル-1,2-エポキシプロパン 64.83gを30-40分かけ 、発熱に注意しながら室温で滴下した。滴 終了後、約2時間、室温で反応を続けた後、G Cで3-パーフルオロヘキシル-1,2-エポキシプロ ンのピークが消滅していることを確認した 反応終了後、HCFC225 100gに反応物を溶解させ 、さらに水100gを加えて分液ローとで洗浄、 液後、有機層を取り出した。この洗浄、分 操作をもう一度、繰り返し、有機層を取り した後、無水硫酸マグネシウムを5g加えて、 一晩乾燥した。HCFC225をエバボレートし、HEA Rfエポキシ付加体(FAGMA)を得た。生成物の同 はIRスペクトル、1H-NMR、19F-NMRスペクトルよ 行った。生成物の分析結果より、3-パーフル オロヘキシル-1,2-エポキシプロパンの1モル付 加体(n=1)が約64重量%、2モル付加体(n=2)が約27 量%、3モル付加体が約9重量%の混合モノマー 得られた。

合成例4
カルボン酸含有フッ素モノマーの合成:

 合成例3で合成したFAGMA 30g、無水コハク  6.37g、ピリジン 30g、ハイドロキノンモノ チルエーテル 0.024gを四つ口フラスコに仕込 んだ。内温が75℃になるように加熱し、15時 、反応させた。IRで酸無水物に由来するピー クの消失を確認して、反応を終了した。反応 物をジクロロメタン 100gに溶解し、さらに水  100gを加えて、洗浄、分液操作を2回、繰り した。有機層を取り出し、無水硫酸マウネ ウムを5g加えて、一晩乾燥した。溶媒等をエ バポレートしてカルボン酸含有フッ素モノマ ーを得た。生成物の同定はIRスペクトル、1H-N MR、19F-NMRスペクトルより行った。

合成例5
スルホン酸含有フッ素モノマーの合成:

 合成例3で合成したFAGMA 30g、ジクロロメ ン 30g、トリエチルアミン7.8g、ハイドロキ ンモノメチルエーテル 0.024gを四つ口フラス コに仕込んだ。この混合溶液を0~10℃になる うに氷浴で冷却した。これにクロルスルホ 酸のジクロロメタン溶液(クロルスルホン酸 7.48g + ジクロロメタン 15g)を発熱に注意し がら、約30分かけて、徐々に滴下した。滴 終了後、室温で3時間、反応させた。反応物 水 100gを加えて、洗浄、分液操作を2回、繰 り返した。有機層を取り出し、無水硫酸マウ ネシウムを5g加えて、一晩乾燥した。生成物 同定はIRスペクトル、1H-NMR、19F-NMRスペクト より行った。

実施例1
 200mlの四つ口フラスコに合成例1のMPOERfAモノ マーを4g、2-(パーフルオロヘキシル)エチルア クリレート(13FA)24g、ポリエチレングリコール モノアクリレート(EO 10モル)(AE-400)8g、2-ヒド キシエチルアクリレート(HEA)2g、アセトアセ トキシエチルメタクリレート 1g、ジメチル ミノエチルアクリレート(DMAEA)1gとイソプロ ルアルコール 60gを仕込んで60分間、窒素を き込んで、系内の空気を窒素で置換した。 素フローを続けながら、内温を75-80℃に昇 後、アゾビスイソブチロニトリル 0.25gを添 して、8時間、重合反応を行った。ガスクロ マトグラフィー及びゲルパーミエーションク ロマトグラフィーで重合液を分析したところ 、モノマー由来のピークがほぼ消失し、共重 合体由来のピークが発生していることを確認 した。また、共重合体の重量平均分子量は170 00(ポリスチレン換算)であった。最後に、酢 0.42gを加えて中和し、含フッ素共重合体の20% 溶液になるように水で希釈した。

実施例2~8
 表3に示すモノマー組成、重量比で実施例1 同様の手順を繰り返すことで、最終的に20% 含フッ素共重合体溶液を得た。必要な場合 は、実施例1と同様に少量の酢酸(または水酸 化ナトリウム)で中和した。共重合体の重量 均分子量を表4に示す。

比較例1~3
 表5に示すモノマー組成、重量比で実施例1 同様の手順を繰り返すことで、最終的に20% 含フッ素共重合体溶液を得た。必要な場合 は、実施例1と同様に少量の酢酸で中和した 共重合体の重量平均分子量を表6に示す。

表の略号
13FA:2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレ ート
MPOERfA:エチレンオキサイド鎖含有フッ素モノ ー


スルホン酸基含有フッ素モノマー:


カルボン酸基含有フッ素モノマー:

AE-400:ポリエチレングリコールモノアクリレ ト(EO 10mol)、日本油脂株式会社製
DMAEA:ジメチルアミノエチルアクリレート
AAEM:アセトアセトキシエチルメタクリレート
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート

表の略号
13FA:2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレ ート
AE-400:ポリエチレングリコールモノアクリレ ト(EO 10mol)、日本油脂株式会社製
DMAEA:ジメチルアミノエチルアクリレート
AAEM:アセトアセトキシエチルメタクリレート
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート

試験例1
加工処理液の調製:
実施例1で得られた含フッ素共重合体の20%水 散液
11.0部
NICCA Assist V2(MDI系ブロックドイソシアネート 、日華化学(株))
0.25部
NICCA Sunmarina S-750(ポリエチレンワックス水分 散体、日華化学(株))
1.70部
ベッカミンNS-19 (グリオキザールレジン、大 本インキ化学(株))
8.0部
ベッカミンX-80 (グリオキザールレジン用触 、大日本インキ化学(株))
2.4部
水道水
76.65部

 上記の割合で実施例1で得られた含フッ素共 重合体溶液とブロックドイソシアネート等の 薬剤を水で希釈し、加工処理液を調製した。 このようにして得られた処理液に、100%綿ツ ル布を浸漬し、ロールで絞ってウエットピ クアップが60mass%となるようにした。次いで 布を160℃で3分間、乾燥、熱処理することに より、汚れ脱離剤処理を完了した。これらの 布について吸水性(水滴法、Wicking法)、汚れ脱 離性 及び 撥油性を測定した。
 結果を表7に示す。

試験例2~8及び比較試験例1~3
 含フッ素共重合体の20%水分散液をそれぞれ 施例2~7及び比較例1~3で得られたものに変更 る以外は、試験例1と同様の手順で処理液を 調製、布処理し、汚れ脱離性、撥油性を測定 した。
 結果を表7に示す。

 本発明の重合体は、優れた吸水性と防汚 と汚れ脱離性を有する汚れ脱離剤として有 である。