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Title:
FLUORO-RUBBER SEALING MATERIAL HAVING GOOD SEALING PROPERTIES UNDER HIGH/LOW TEMPERATURE LOAD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128363
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a fluoro-rubber sealing material which has excellent sealing properties under high/low temperature load and can seal at a temperature of -40°C or lower even when a light oil (a diesel fuel) is used. The fluoro-rubber sealing material is produced by cross-linking a composition for the fluoro-rubber sealing material which comprises: 100 parts by weight of a fluorinated copolymer containing 64 to 69 wt% of fluorine, having a cross-linking part derived from a brominated compound and/or a iodinated compound, and capable of being cross-linked with a peroxide; 0.5 to 6 parts by weight of an organic peroxide; and 1 to 10 parts by weight of a polyfunctional monomer. In the composition, the fluorinated copolymer is a fluoro-rubber polymer which is produced by copolymerizing (a) VDF, (b) TFE, (c) FMVE, (d) FMMVE and (e) a brominated and/or iodinated unsaturated fluoro hydrocarbon.

Inventors:
SANO HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057095
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 07, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NOK CORP (JP)
SANO HIROYUKI (JP)
International Classes:
C08L27/16; C08F214/18; C08K5/14; C09K3/10
Domestic Patent References:
WO2007111334A12007-10-04
Foreign References:
JP2004217892A2004-08-05
JP2006274063A2006-10-12
JP2002037818A2002-02-06
JP2004217892A2004-08-05
JP2006045566A2006-02-16
Other References:
See also references of EP 2267072A4
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (JP)
Shunichiro Suzuki (JP)
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Claims:
 フッ素を64~69重量%含有し、含臭素化合物および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物により架橋され得る含フッ素共重合体と、
 該含フッ素共重合体100重量部に対して、
 有機過酸化物を0.5~6重量部と、
 多官能性モノマーを1~10重量部とを含有するフッ素ゴム系シール材用組成物
を架橋してなるフッ素ゴム系シール材であって、
 上記フッ素ゴム系シール材用組成物中の含フッ素共重合体が、下記(a)~(e):
  (a)ビニリデンフルオライド(VDF):30~70モル%、
  (b)テトラフルオロエチレン(TFE):10~30モル%、
  (c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE):10~20モル%、
  (d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE):5~30モル%、および
  (e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素:成分(a)~成分(d)の合計((a)+(b)+(c)+(d)=)100モル%に対して少量、
を共重合して得られるフッ素ゴムポリマーであることを特徴とするフッ素ゴム系シール材。
 フッ素を64~69重量%含有し、含臭素化合物および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物により架橋され得る含フッ素共重合体と、
 該含フッ素共重合体100重量部に対して、
 有機過酸化物を0.5~6重量部と、
 多官能性モノマーを1~10重量部とを含有するフッ素ゴム系シール材用組成物であって、
 上記フッ素ゴム系シール材用組成物中の含フッ素共重合体が、下記(a)~(e):
  (a)ビニリデンフルオライド(VDF):30~70モル%、
  (b)テトラフルオロエチレン(TFE):10~30モル%、
  (c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE):10~20モル%、
  (d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE):5~30モル%、および
  (e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素:成分(a)~成分(d)の合計((a)+(b)+(c)+(d)=)100モル%に対して少量
を含有することを特徴とするフッ素ゴム系シール材用組成物。
 ASTM D1329に対応したJIS K6261に規定される低温弾性回復試験(TR試験)におけるTR-10が、-42℃~-35℃であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素ゴム系シール材。
 高/低温負荷圧縮永久歪みが、80%未満であることを特徴とする請求項1または3に記載のフッ素ゴム系シール材。
 上記フッ素ゴム系シール材用組成物の用途が、燃料油、潤滑油、作動油に代表される油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコール混合油、アルコール;およびそれらの気体からなる群から選択される少なくとも1つを収容した容器における、これら収容物と接触する部位に使用されるシール材形成用であることを特徴とする請求項2に記載のフッ素ゴム系シール材用組成物。
 上記フッ素ゴム系シール材の用途が、自動車の燃料タンク、燃料インジェクタ(燃料噴射装置)、燃料ポンプまたは燃料配管における、燃料油、潤滑油、作動油に代表される油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコール混合油およびアルコールのうちから選択される燃料あるいはその気体と接触する部位に使用される請求項1、3および4のいずれかに記載のフッ素ゴム系シール材。
 上記フッ素ゴム系シール材を、室温20~25℃で、燃料に168時間浸漬後の体積変化が、20%以下であることを特徴とする請求項1、3、4および6のいずれかに記載のフッ素ゴム系シール材。
 上記燃料が、ガソリン、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、軽油、エタノール、バイオエタノールおよびメタノールからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項7に記載のフッ素ゴム系シール材。
Description:
高/低温負荷シール性が良好なフ ッ素ゴム系シール材

 本発明は、フッ素ゴム系シール材に関す 。さらに詳しくは、本発明は、自動車燃料 ンクのシール用部品等に好適な、高/低温負 荷圧縮永久歪みに優れたフッ素ゴム系シール 材に関する。

 燃料タンクなどの、自動車燃料と接触す 部位のシールに使用されるシール材として 、燃料タンク等からの燃料油漏れを完璧に 止し得る「耐燃料油性」が求められており フッ素ゴムを中心に使用されている。

 近年の傾向として、自動車供給のグロー ル化(世界共通仕様)が求められており、北 のような冬季寒冷地での耐燃料油性、具体 には-40℃以下でのシール性を要求されてい 。また、環境問題から、欧州を中心にディ ゼル燃料の採用が拡大している。

 これらの要求に対して、当該出願人は-40 以下でもシール可能なフッ素ゴム組成物を 案しており、またこれを用いたシール部材 提案している(特許文献1)。

 しかしながら、近年、特許文献1にて開示 した材料を用いたシール部品でも、使用条件 等によっては、シール性の点でさらなる改良 の余地があった。具体的には燃料を、従来の 擬似ガソリンもしくはガソリンから、軽油( ィーゼル燃料)に変更した場合、使用条件に っては、エンジン評価で漏れが発生してい 。

 さらに具体的には、上記漏れは極低温地 での自動車での使用を想定した温度負荷試 で発生している。温度負荷試験とは、シー 部材を使用個所に取り付けた後、一度、温 を高温に、具体的には120℃前後に放置し、 の後、シール評価を実施したい温度まで充 に冷却した後にシール特性を評価するもの ある。

 上記試験においては、従来、TR-10が代用 標とされていたが、軽油を燃料として用い 場合には、これが適用できないことが判明 た。

特開2004-217892号公報

 本発明は、上記問題点に鑑み、軽油(ディ ーゼル燃料)を用いた場合でも、高/低温負荷 ール性に優れ、-40℃以下でシール可能なフ 素ゴム系シール材を提供することを課題と る。

 本発明者らは、新たに代用指標となる評 方法の検索を実施した。

 具体的には従来のTR-10や低温圧縮永久歪 といった方法ではなく、実機評価に近い方 を採用した。これはOリングを所定の圧縮率 圧縮した後、一度高温:具体的には120~150℃ 所定時間放置し、その後、シール性が要求 れる温度に急冷させた。この後、充分にOリ グが低温となった後に低温下で開放し、こ ときの圧縮永久歪みの測定を実施した。

 この結果、この低温下での圧縮永久歪み 値が、従来、高温でのシール限界とされて る80%以上となるとシールできなくなること 判明した。シール特性として、80%未満の圧 永久歪み率が必要であることを見出した。

 また、上記評価方法で-40℃にて80%以下の 縮永久歪みを有するには、特許文献1で発明 したフッ素ゴムポリマーでは達成することが できず、新たな組成を持つフッ素ゴムポリマ ーが必要であることを見出し、本発明を完成 するに至った。

 すなわち、本発明は以下に記載した事項 より特定される。

 本発明は、フッ素を64~69重量%含有し、含 素化合物および/または含ヨウ素化合物に由 来する架橋部位を有し、過酸化物により架橋 され得る含フッ素共重合体と、該含フッ素共 重合体100重量部に対して、有機過酸化物を0.5 ~6重量部と、多官能性モノマーを1~10重量部と を含有することを特徴とするフッ素ゴム系シ ール材用組成物および該組成物を硬化してな ることを特徴とするフッ素ゴム系シール材で あって、上記フッ素ゴム系シール材用組成物 中の含フッ素共重合体が、下記(a)~(e):(a)ビニ デンフルオライド(VDF):30~70モル%、(b)テトラ ルオロエチレン(TFE):10~30モル%、(c)パーフル ロ(メチルビニルエーテル)(FMVE):10~20モル%、( d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテ ル)(FMMVE):5~30モル%、および(e)臭素化および/ま たはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素:成分(a )~成分(d)の合計((a)+(b)+(c)+(d)=)100モル%に対して 少量、を共重合して得られるフッ素ゴムポリ マーである。

 本発明のフッ素ゴム系シール材は、ASTM D 1329に対応したJIS K6261に規定される低温弾性 復試験(TR試験)におけるTR-10が、-42~-35℃であ ることが好ましく、また高/低温負荷圧縮永 歪みが、80%未満であることが好ましい。

 本発明のフッ素ゴム系シール材用組成物 用途は、燃料油、潤滑油、作動油に代表さ る油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;ア コール混合油、アルコール;およびそれらの 気体からなる群から選択される少なくとも1 を収容した容器における、これら収容物と 触する部位に使用されるシール材形成用で ることが好ましい。

 一方、本発明のフッ素ゴム系シール材の 途は、自動車の燃料タンク、燃料インジェ タ(燃料噴射装置)、燃料ポンプまたは燃料 管における、燃料油、潤滑油、作動油に代 される油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素 ;アルコール混合油およびアルコールのうち ら選択される燃料あるいはその気体と接触 る部位に使用されることが好ましい。

 本発明のフッ素ゴム系シール材を、室温2 0~25℃で、燃料に168時間浸漬後の体積変化は 20%以下であることが好ましい。

 上記燃料は、ガソリン、液化石油ガス(LPG )、圧縮天然ガス(CNG)、軽油、エタノール、バ イオエタノールおよびメタノールからなる群 から選択される少なくとも1つであってもよ 。

 本発明は、従来のシール材と同等の常態 性、圧縮永久歪、低温性(TR-10)、耐燃料油性 (体積変化率)、低温シール性(-42℃で使用可能 )を有し、しかも、従来のシール材より、さ に高/低温負荷圧縮永久歪に優れ、その結果 製品のO-リングなどとしても、高/低温負荷 ール性に優れたフッ素ゴム系シール材を提 することができる。

図1は、本発明の一実施例に係る自動車 燃料用フッ素ゴム系シール材などをインジェ クタ用Oリングとして用いた低温シール試験 説明図である。

 以下、本発明に係るフッ素ゴム系シール 用組成物およびフッ素ゴム系シール材につ て具体的に説明する。

 <フッ素ゴム系シール材用組成物>
 本発明に係るフッ素ゴム系シール材用組成 は、以下に詳述するフッ素ゴムポリマーと 有機過酸化物と、多官能性モノマーとを含 している。

 本発明の好ましい態様においては、この ール材用組成物には、さらに、金属化合物( 腐食防止剤、受酸剤)、瀝青質微粉末、偏平 填剤等が含まれていてもよい。

 <フッ素ゴムポリマー>
 本発明で用いられるフッ素ゴムポリマーは 測定・算出法:F 19 NMR法により求められるフッ素含有量が64~69重 %、好ましくは64~66重量%であり、含臭素化合 物および/または含ヨウ素化合物に由来する 橋部位を有している。

 このようなフッ素ゴムポリマー(含フッ素共 重合体)は、該共重合体中に
(a)ビニリデンフルオライド(VDF;フッ化ビニリ ン)から誘導される成分単位(以下「VDF成分 位」、単に「成分単位」ともいう。他の成 についても同様である。)と、
(b)テトラフルオロエチレン(TFE;四フッ化エチ ン)から誘導される成分単位と、
(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE) ら誘導される成分単位と、
(d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエー ル)(FMMVE)から誘導される成分単位と、
架橋部位用として、(e)臭素化および/または ウ素化不飽和フルオロ炭化水素から誘導さ る成分単位とを有している。

 このような架橋性のフッ素ゴムポリマー(含 フッ素共重合体)を製造するには、
 (a)ビニリデンフルオライド(VDF;フッ化ビニ デン)を30~70モル%、好ましくは40~65モル%、よ 好ましくは50~64モル%の量で、
 (b)テトラフルオロエチレン(TFE;四フッ化エ レン)を10~30モル%、好ましくは12~28モル%、よ 好ましくは15~25モル%量で、
 (c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE )を10~20モル%、好ましくは5~15モル%、より好ま しくは5~10モル%量で、
 (d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエー テル)(FMMVE)を5~30モル%、好ましくは8~25モル%、 より好ましくは10~20モル%の量で、
 また、これらモノマー(a)~(d)の合計:100モル% 対して、架橋部位用として(e)臭素化および/ またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素モノ マーを少量で、例えば、0.01~3モル%の量で共 合してなるフッ素ゴムポリマーである。

 なお、含フッ素共重合体中においても、 いられた原料モノマーのモル比で、各成分 位に含まれて存在している。

 このフッ素ゴムを形成する際に用いられ フッ素ゴム系シール材用組成物中あるいは ッ素ゴムポリマー中のフッ素含有量が上記 囲にあると、得られるフッ素ゴム系シール は、耐寒性と耐燃料油性とのバランスが良 となる傾向があり、フッ素ゴム系シール材 組成物中あるいはフッ素ゴムポリマー中の ッ素含有量が上記範囲を下まわるとフッ素 ム系シール材の耐寒性は良好になるが、耐 料油性が悪化する傾向があり、また上記範 を上回るとフッ素ゴム系シール材の耐燃料 性は良好になるが、耐寒性が悪化する傾向 ある。また、上記含フッ素共重合体中の各 分単位がそれぞれ、上記量で用いられると 得られるフッ素ゴム系シール材はゴム的な 軟性を示し、また、充分な耐寒特性、耐燃 油性等にバランス良く優れる傾向があり、 に自動車燃料用フッ素ゴム系シール材など して好適に使用できる。

 特に、フッ素ゴムを形成する際に用いら るフッ素ゴム系シール材用組成物中あるい フッ素ゴムポリマー中のVDF成分単位含量が 記範囲を下まわると得られるフッ素ゴム系 ール材は耐寒性、燃料油性とも悪化する傾 があり、また上回ると機械強度が低下する 向があり、また、TFE成分単位含量が上記範 を上回ると得られるフッ素ゴム系シール材 耐燃料油性が悪化する傾向があり、また下 わると耐寒性が悪化する傾向がある。

 また、フッ素ゴム系シール材を形成する に用いられるフッ素ゴム系シール材用組成 中あるいはフッ素ゴムポリマー中のFMVE成分 単位含量が上記範囲を上回ると耐寒性が悪化 する傾向があり、また下まわると耐燃料油性 が悪化する傾向があり、また、FMMVE成分単位 量が特に上記範囲を上回るとフッ素ゴム系 ール材の耐寒性が悪化する傾向がある。

 さらに、架橋部位用として臭素化および/ またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素成分 単位は、上記量で用いれば、架橋されること により適度の架橋度となり、充分な耐寒特性 、耐燃料油性等にバランス良く優れるフッ素 ゴム(加硫・硬化物)となる傾向がある。

 上記した臭素化および/またはヨウ素化不 飽和フルオロ炭化水素成分単位形成用のモノ マーとしては、1-ブロモ-2-ヨード-パーフロロ エタン、1-ブロモ-3-ヨード-パーフロロプロパ ンなどが挙げられる。

 このフッ素ゴムポリマー中においては、 いられた各モノマーは、その炭素・炭素2重 結合部位で2重結合が開裂して単結合のモノ ーユニット(重合単位、成分単位などともい 。)となり、隣接するモノマーユニットと互 いに結合(連結)しているものと考えられる。 して、得られたフッ素ゴムポリマーでは、 いられた含フッ素単量体由来の含フッ素成 単位が、ランダムあるいは規則的に配列し おり、固体または液体状であり、その分子 は、含フッ素共重合体の成形加工性や機械 諸特性等を考慮して適宜決定可能であるが 分子量の指標としての極限粘度[η](測定法: ベローデ粘度計での35℃における落下時間 ら求めたもの。)が通常、0.2~5.0dl/g、好まし は、0.4~3.0dl/gであることが成形加工性の点か ら望ましい。

 このようなフッ素ゴムポリマーは、常法 準じて製造される。具体的には、特開2006-45 566号公報に開示されている製造法を用いるこ とができる。

 このようなフッ素ゴムポリマー(未加硫ゴム 、未架橋の含フッ素共重合体などともいう。 )のムーニー粘度(ASTM D1646に対応したJIS K6300- 1に準拠、ML 1+10 ,121℃)はゴム加工上10~120、好ましくは20~80で ることが望ましいが、特に制限はない。

 <有機過酸化物>
 有機過酸化物としては、一般にゴムに使用 能なものであれば特に制限なく使用でき、 ッ素ゴムポリマー(FKM)100重量部に対して、 常0.5~6重量部、好ましくは1~5重量部の量で用 いられる。

 有機過酸化物の配合量が、特に0.5重量部 満では、充分な架橋密度が得られず、また に6重量部を超えると、発泡により架橋成形 物が得られず、得られてもゴム弾性、伸びが 低下する傾向がある。

 有機過酸化物としては、例えば、第3ブチ ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド 、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ(第 3ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘ サン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオ シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチル ーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ジ(第3ブチルパー キシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2, 5-ジ(ベゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチ パーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオ キシイソプロピルカーボネート、n-ブチル-4,4 -ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレート等が挙 られる。また、市販のものも用いることが き、具体的には、「パーヘキサ25B40」(日本 脂(株)製)等が挙げられる。

 これら有機過酸化物は、1種単独で、また は2種以上組み合わせて用いることができる

 <多官能性モノマー>
 多官能性モノマーとしては、一般にゴムに 用可能なものであれば、特に制限なく使用 き、フッ素ゴムポリマー(FKM)100重量部に対 て、通常1~10重量部、好ましくは2~8重量部の で用いられる。

 多官能性モノマーの配合量がフッ素ゴム リマー(FKM)100重量部に対して、特に1重量部 満では、充分な架橋密度が得られず、また 特に10重量部を超える量で用いても、発泡 より、架橋成形物が得られず、得られても 性、伸びが低下する傾向がある。

 多官能性モノマーとしては、例えば、ト アリルイソシアヌレート、トリアリルシア レート、トリアリルトリメリテート、トリ チロールプロパントリメタクリレート、N,N' -m-フェニレンビスマレイミドなどが挙げられ る。

 これら多官能性モノマーは、1種単独で、 または2種以上組み合わせて用いることがで る。

 <金属化合物>
 金属化合物は、腐食防止剤と受酸剤として 機能を有し、該金属化合物としては、水酸 カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイ 、酸化マグネシウム等が挙げられる。本発 では、これらの金属化合物は、1種単独で、 または2種以上組み合わせて使用することが きる。

 このような金属化合物は、ゴム系シール と当接する金属製部材の腐食防止効果など 有しているが、上記した種々の機能・効果 考慮すると、過酸化物架橋可能な(未架橋) ッ素ゴム100重量部に対して、通常2重量部以 、好ましくは5~15重量部の量で用いられる。

 このような金属化合物として、上市され いるものとしては、例えば、近江化学工業 製の「カルディック」(水酸化カルシウム) 堺化学工業社製の亜鉛華(酸化亜鉛)、協和化 学工業社製の「DHTシリーズ」(ハイドロタル イト)等が挙げられる。

 <瀝青質微粉末>
 瀝青質微粉末としては、石炭を粉砕し、平 粒径φ10μm以下(通常φ1~10μm)、好ましくは3~8 mに微粉末化したものを使用でき、必要によ この瀝青質微粉末を用いる場合には、フッ ゴムポリマー(FKM)100重量部に対して、通常2~ 40重量部、好ましくは5~30重量部の量で用いら れる。この瀝青質微粉末の平均粒径φが上記 囲を超え、特に10μmを超えると、ゴムの破 強度(TB)または破断伸び(EB)が小さく実用レベ ルの補強性がみられない。

 また、瀝青質微粉末の配合量が、フッ素 ムポリマー(FKM)100重量部に対して、特に2重 部未満では、添加効果すなわち瀝青質微粉 を添加することで、シール材の耐熱性が向 し、長寿命化が可能になる効果が乏しく、 方、特に40重量部を超える量で添加すると 得られる配合物(組成物)の粘度が高すぎて、 混練や成形に支障をきたす傾向がある。

 瀝青質微粉末として上市されているもの しては、例えば、「平均粒径6μm、Keystone Fi ller & Mfg製、Mineral Black 325BA」等が挙げ れる。

 <偏平状充填剤>
 偏平状充填剤は、自動車燃料用フッ素ゴム シール材中にあって、シール材料の燃料遮 性の向上に寄与し、燃料の蒸散を一層抑制 ることが可能になる。

 偏平充填剤としては、例えば、クレー、 イカ、グラファイト、二硫化モリブデン等 挙げられ、1種単独で、または2種以上組み わせて用いられる。

 これらの偏平充填剤は、平均粒子径φが0. 5~50μm、好ましくは5~30μmで、アスペクト比が3 以上、好ましくは5~30のものが用いられる。 均粒子径またはアスペクト比が3未満のもの 用いると、燃料遮蔽性の向上が見られない 一方、30以上の平均粒子径のものを用いる 、実用レベルの補強性が得られない(具体的 は、ゴムの破断強度または破断伸びが小さ 。)。

 このような偏平状充填剤は、必要により 上記フッ素ゴム(FKM)100重量部あたり通常、2~ 40重量部、好ましくは5~30重量部の量で用いら れる。この偏平状充填剤の配合量が特に2重 部に未満では添加効果である燃料の遮蔽性 向上が見られず、また、特に40重量部を超え る量で添加すると、得られるシール材形成用 組成物の粘度が上昇し混練できなくなる傾向 があり、また、加硫してなるシール材は、非 常に硬くなる傾向がある。

 <その他の配合成分>
 ゴム組成物中には、以上の必須成分以外に ゴムの配合剤として、カーボンブラック、 ワイトカーボンなどの補強剤;上記形状(平 粒径、アスペクト比)の偏平充填剤以外のタ ク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウ 等の充填剤;ステアリン酸、パルミチン酸、 パラフィンワックス等の加工助剤;老化防止 ;可塑剤など、ゴム工業で一般的に使用され いる配合剤が、必要に応じて適宜添加され 用いられる。これらのうち、カーボンブラ クが好ましく、市販のものであってもよい 具体的には、「サーマルカーボンブラックN 990(MTカーボン)」(米国Engineered Carbons Inc.製) が挙げられる。

 このような配合組成の架橋性含フッ素共 合体組成物を得るには、上記成分を配合し 該組成物が加硫(架橋)されないような温度 圧力条件、例えば、常温、常圧下に、必要 より攪拌、混練等すればよい。なお、この 拌・混練の際には、インターミックス、ニ ダ、バンバリーミキサー等の混練機または ープンロールなどを使用することができる

 <架橋(加硫)>
 架橋(加硫)成形体であり、特に、自動車燃 と接触する部位でのシールに使用されるフ 素ゴム系シール材に代表される用途に好適 使用されるフッ素ゴム系シール材(単に、シ ル材ともいう。)を調製するには、圧縮成型 、移送成型、射出成型、押出成型、カレンダ ー成型等の一般のゴム成型法を適宜利用でき る。

 例えば、上記フッ素ゴム系シール材用組 物を、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレ 等を用いて、通常、150~200℃で3~60分間程度 熱(一次加硫)する。さらに、必要に応じて、 加熱オーブンなどを用いて、通常、150~250℃ 度で1~24時間程度加熱(二次加硫)してもよい なお、上記加硫は、必要により、加圧下に ってもよく、また上記組成物を、所定の型 に充填して行ってもよい。

 このような架橋反応においては、架橋性 フッ素共重合体中より臭素またはヨウ素が 機過酸化物により脱離され、その脱離部分 多官能性モノマーが反応・結合して架橋構 が形成されているものと考えられる。

 フッ素ゴム系シール材用組成物を、厚さ2 mmのシート状に成形した場合、このような架 成形体は、下記(a)~(c)の常態物性を有してい ることが望ましい。

 (a)ASTM D2240に対応したJIS K6253に規定のデ ロメータ硬さ(試験タイプA)のHs硬度は、好 しくは50~90、より好ましくは60~80である。

 (b)ASTM D412に対応したJIS K6251に規定の引 応力は、好ましくは10MPa以上、より好ましく は12MPa以上である。

 (c)切断時伸びは,好ましくは100%以上、よ 好ましくは150%以上である。

 <フッ素ゴム系シール材>
 本発明のフッ素ゴム系シール材は、上述の ッ素ゴム系シール材用組成物を、所定の金 を用いて、160~180℃にて10~20分間加熱圧縮す ことによって架橋・成形させ、さらに、空 循環型オーブンにて230℃で15時間、追加熱 理して得られるものである。

 このようにして得られるシール材は、架 成形体であり、耐燃料油性と耐寒性にバラ ス良く優れ、耐熱性等にも優れているため その好適な用途としては、燃料インジェク (燃料噴射装置、特に電磁弁型燃料噴射装置 )、燃料ポンプ、燃料タンク、燃料配管等に ける、燃料あるいはその気体と接触する部 に使用されるスクィーズパッキン(例:Oリン 、Xリング、Dリング、角リング等)その他の ッキン(例:Uパッキン、Vパッキン、Lパッキン 、Jパッキン等のリップパッキン)、ダイヤフ ム、ライニング、ロール、オイルシールな が挙げられる。

 シール対象としては、自動車燃料油に限 されず、潤滑油、作動油等の油類の他、芳 族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール( 例:メタノール、エタノール等)、またはこれ の混合物(例:燃料油Cとアルコールとの任意 比の混合物等)なども包含される。

 上記フッ素ゴム系シール材は、下記(a)~(d) の物性を有することが望ましい。

 (a)圧縮永久歪み
 P-24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状に成 したフッ素ゴム系シール材ついて、ASTM D395 に対応したJIS K6262に準拠して175℃×70時間経 後の圧縮永久歪みを測定する場合、好まし は30%以下、より好ましくは25%以下である。

 (b)低温弾性回復試験
 耐低温性すなわち耐寒性の評価基準である ASTM D1329に対応したJIS K6261に規定の低温弾 回復試験(TR試験)において、TR-10が、好まし は-42~-35℃、より好ましくは-42~-40℃ある。

 (c)高/低温負荷圧縮永久歪み
 P-24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)を25%圧 、120~150℃×10~20時間放置後、すぐに-40℃ま は-30℃×2時間冷却し、この後、同温度下で 縮を開放し30分間経過した後のヘタリ量を測 定した場合、高/低温負荷圧縮永久歪みは、 却温度が-30℃の場合、好ましくは70%未満で り、冷却温度が-40℃の場合、好ましくは80% 満である。

 (d)耐燃料油性試験
 耐燃料油性の評価基準である、ASTM D471に対 応したJIS K6258(加硫ゴムの浸漬試験方法)に規 定された、25℃×168時間燃料中に浸漬した場 におけるシール材の膨潤が、好ましくは20% 下、より好ましくは15%以下である。なお、 燃料は、ガソリン、液化石油ガス(LPG)、圧縮 天然ガス(CNG)、軽油、エタノール、バイオエ ノールおよびメタノールからなる群から選 される少なくとも1つであることが好ましい 。

 また、上記フッ素ゴム系シール材を、内 :約23.7mm×線径:3.5mmであるP-24 Oリングに成形 し、図1に示すシール性試験装置に組み込み そのシール性能について下記(e)および(f)の 験する場合、漏れがないことが好ましい。

 なお、下記(e)および(f)の試験において、 ール媒体としては、安全性を考慮し、軽油 の燃料油の代わりに窒素ガスを使用した。 素ガスをシールできれば、燃料油も確実に ールできると考えられる。

 図1に示す低温シール性試験装置の構造、 作用などは、以下のとおりである。

 Oリング64とバックアップリング63を、首 細くくびれた胴部円柱状の被シール部材65の 首部65Aと頭部66Aの間、および首部65Bと頭部66B の間にそれぞれ組み込む。組込み時にはエン ジンオイルをOリング64の表面に塗布し上部構 造部61の孔部72に組付ける。次いで、保持部 67A、67Bおよびその下部に位置する下部構造 69にて、被シール部材65を押さえ、下部構造 69と上部構造部61をボルト62で組付ける。

 (e)低温シール試験
 この状態において、シール媒体をPよりOリ グ64まで充填させる。図1に示す低温シール 測定用治具80に、バックアップリング63およ 試験用Oリング64を組み込み、下記試験条件( 温度、圧力)で3分間加圧後、常圧に戻し、試 時と同じ温度で1時間放置した後に、媒体の 漏れ(シール媒体に外部より所定圧力を掛け 際に、漏れが発生した時には孔部72を介して 隙間68へ漏れが生じる。)を目視により確認す る。なお、Oリング64組み込み時に、エンジン オイルを、試料の表面に塗布した。

 試験条件:
  (a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。

  (b)温度:-42℃。

  (c)圧力:2.0MPa。

  (d)圧力媒体:Fuel-C(燃料油C)。

  (e)圧縮率:18%。

 (f)高/低温負荷シール試験
 図1に示す低温シール性測定用治具80に、バ クアップリング63および試験用Oリング64を み込み、120℃×70時間の後、-40℃×2時間で放 した。該治具80を常温に戻し、下記試験条 (温度、圧力)で3分間加圧後、試験時と同じ 度で1時間放置した後に、媒体の漏れ(シール 媒体に外部より所定圧力を掛けた際に、漏れ が発生した時には孔部72を介して隙間68へ漏 が生じる。)を目視により確認する。なお、O リング64組み込み時に、エンジンオイルを、 料の表面に塗布した。

 試験条件:
  (a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。

  (b)温度:-38℃、-40℃および-42℃。

  (c)圧力:2.0MPa。

  (d)圧力媒体:Fuel-C(燃料油C)。

  (e)圧縮率:18%。

 次に、本発明について実施例を示してさ に詳細に説明するが、本発明はこれらによ て限定されるものではない。なお、フッ素 ム系シール材用組成物を硬化した、種々の 状を有する架橋成形体の材料としての物性 およびP-24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm) 形状を有する製品としての物性を以下のよ に評価した。

 <材料物性評価>
 (1)常態物性
 2mmシート状の架橋成形体について、Hs硬度(A STM D2240に対応したJIS K6253に規定のデュロメ タ硬さ、試験タイプA)、ASTM D412に対応したJ IS K6251に規定の引張応力(MPa)および切断時伸 (%)を測定する。

 (2)圧縮永久歪み
 P-24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状の架 成形体について、ASTM D395に対応したJIS K626 2に準拠して175℃において70時間経過後の圧縮 永久歪み(%)を測定する。

 (3)低温弾性回復試験
 P-24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状の架 成形体について、ASTM D1329に対応したJIS K62 61に規定のTR試験におけるTR-10(℃)を測定する

 (4)高/低温負荷圧縮永久歪み
 ASTM D395に対応したJIS K6262に準拠して、P-24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状の架橋成 体を25%圧縮し、120℃で15時間放置後、すぐに -30℃または-40℃で2時間冷却する。この後、 温度下で開放、30分間放置後のP-24 Oリング 測定し、圧縮永久歪み(%)を算出する。

 (5)耐燃料油性試験
 ASTM D471に対応したJIS K6258(加硫ゴムの浸漬 験方法)に準拠し、市販のレギュラーガソリ ン(A)または市販のディーゼル燃料(軽油)(B)に 温(20~25℃)で浸漬した状態で168時間経過後の 体積を測定し、体積変化率(%)を算出する。

 <製品評価>
 下記実施例および比較例で得られたOリング について、図1に示すシール性試験装置に組 込み、そのシール性能を試験した。シール 体としては、安全性を考慮し、軽油等の燃 油の代わりに窒素ガスを使用した。窒素ガ をシールできれば、燃料油も確実にシール きると考えられる。

 図1に示す低温シール性試験装置の構造、 作用などは、以下のとおりである。

 Oリング64とバックアップリング63を、首 細くくびれた胴部円柱状の被シール部材65の 首部65Aと頭部66Aの間、および首部65Bと頭部66B の間にそれぞれ組み込んだ。組込み時にはエ ンジンオイルをOリング64の表面に塗布し上部 構造部61の孔部72に組付けた。次いで、保持 材67A、67Bおよびその下部に位置する下部構 部69にて、被シール部材65を押さえ、下部構 部69と上部構造部61をボルト62で組付けた。

 (1)低温シール試験
 この状態において、シール媒体をPよりOリ グ64まで充填させた。図1に示す低温シール 測定用治具80に、バックアップリング63およ 試験用Oリング64を組み込み、下記試験条件( 温度、圧力)で3分間加圧後、常圧に戻し、試 時と同じ温度で1時間放置した後に、媒体の 漏れ(シール媒体に外部より所定圧力を掛け 際に、漏れが発生した時には孔部72を介して 隙間68へ漏れが生じる。)を目視により確認す る。なお、Oリング64組み込み時に、エンジン オイルを、試料の表面に塗布した。

 下記表2中、「○」は「漏れなし」を示し 、表中の圧力は、燃料油が漏れ始めたときの 圧力(MPa)を示す。

 試験条件:
  (a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。

  (b)温度:-42℃。

  (c)圧力:2.0MPa。

  (d)圧力媒体:Fuel-C(燃料油C)。

  (e)圧縮率:18%。

 (2)高/低温負荷シール試験
 図1に示す低温シール性測定用治具80に、バ クアップリング63および試験用Oリング64を み込み、120℃×70時間の後、-40℃×2時間で放 した。該治具80を常温に戻し、下記試験条 (温度、圧力)で3分間加圧後、試験時と同じ 度で1時間放置した後に、媒体の漏れ(シール 媒体に外部より所定圧力を掛けた際に、漏れ が発生した時には孔部72を介して隙間68へ漏 が生じる。)を目視により確認する。なお、O リング64組み込み時に、エンジンオイルを、 料の表面に塗布した。

 下記表2中、「○」は「漏れなし」を示し 、表中の圧力は、燃料油が漏れ始めたときの 圧力(MPa)を示す。

 試験条件:
  (a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。

  (b)温度:-38℃、-40℃および-42℃。

  (c)圧力:2.0MPa。

  (d)圧力媒体:Fuel-C(燃料油C)。

  (e)圧縮率:18%。

 [実施例1]
 フッ素ゴムポリマーとして、TR-10が-35℃以 であり、過酸化物によって架橋され得る「FK M-1」を用いた。

 「FKM-1」の製造時の供給原料モル比は、(a) ニリデンフルオライド(VDF):31.4モル%、(b)テト ラフルオロエチレン(TFE):27.3モル%、(c)パーフ オロ(メチルビニルエーテル)(FMVE):14.1モル% よび(d)パーフルオロ(メトキシメチルビニル ーテル)(FMMVE):27.2モル%であり、(e)架橋部位 としてヨウ素化不飽和フロロ炭化水素を約0. 5モル%の量で共重合して得られる含フッ素共 合体(未架橋フッ素ゴム)(ムーニー粘度:ASTM  D1646に対応したJIS K6300-1準拠ML 1+4 120℃:45)である。

 FKM-1を100重量部、充填剤としてカーボン ラック(米国Engineered Carbons Inc.製「サーマル カーボンブラックN990(MTカーボン)」)を10重量 、有機過酸化物として「パーヘキサ25B40」( 本油脂(株)製)を3重量部および多官能性モノ マーとしてトリアリルイソシアヌレート(日 化成(株)製「タイクM60」)を3重量部それぞれ ーダに投入し20分間混練した後、オープン ールにてまとめた。架橋成形体は2mmシート たは所定のOリング形状の金型を用い、160~180 ℃にて10~20分間加熱圧縮することで成形した さらに、空気循環型オーブンにて230℃で15 間、追加熱処理した。

 フッ素ゴム系シール材用組成物の組成を 1に示す。

 また、架橋成形体およびフッ素ゴム系シ ル材の各物性値をまとめて表2に示す。

 [実施例2]
 実施例1において、充填剤としてのカーボン ブラックを40重量部に変更した以外は、実施 1と同様に架橋成形体およびフッ素ゴム系シ ール材を製造した。

 フッ素ゴム系シール材用組成物の組成を 1に示す。

 また、架橋成形体およびフッ素ゴム系シ ル材の各物性値をまとめて表2に示す。

 [比較例1]
 実施例1において、含フッ素共重合体として FKM-1の代わりに、ダイオネン(株)製「LTFE6400X を用いた以外は、実施例1と同様に架橋成形 を製造した。

 組成物の組成を表1に示す。

 なお、「LTFE6400X」は、TR-10が-40℃を有し 共重合体成分単位として、VDF単位、TFE単位 よびパーフルオロ(エトキシエトキシメチル ーテル)単位を含有するものである。

 また、架橋成形体の各物性値をまとめて 2に示す。

 [比較例2]
 比較例1において、充填剤としてのカーボン ブラックを45重量部に変更した以外は、比較 1と同様に架橋成形体を製造した。

 組成物の組成を表1に示す。

 また、架橋成形体の各物性値をまとめて表2 に示す。

 従来用いていた低温シール試験では、実 例と比較例とでは有意差を見出せなかった しかしながら、高低温負荷シール試験にお ては、実施例のシール特性が従来のものに べて優れており、高/低温負荷圧縮永久歪み 試験の結果と相関が取れていることが確認で きた。

 以上詳述したことから明らかなように、 発明のフッ素ゴム系シール材は、耐熱性、 寒性、耐燃料油性に優れ、自動車燃料と接 するような部位で用いられるシール材とし 好適である。また本発明によれば、このよ なフッ素ゴム系シール材が得られるような ッ素ゴム系シール材用組成物が提供される

61・・・上部構造部
62・・・ボルト
63・・・バックアップリング
64・・・Oリング
65・・・被シール部材
65A・・被シール部材の首部
65B・・被シール部材の首部
66A・・被シール部材の頭部
66B・・被シール部材の頭部
67A・・保持部材
67B・・保持部材
68・・・隙間
69・・・下部構造部
72・・・孔部
80・・・低温シール性測定用治具