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Patent Searching and Data


Title:
FOOD CONTAINING GLYCOGEN AND USE THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081834
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to improve a blood glucose level, a visceral fat level, a blood cholesterol level, a neutral fat level and the like. Disclosed is a food containing glycogen as a carbohydrate. The food can be ingested to improve a blood glucose level, a visceral fat level, a blood cholesterol level, a neutral fat level and the like comprehensively.

Inventors:
FURUYASHIKI TAKASHI (JP)
TAKATA HIROKI (JP)
KAJIURA HIDEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075012
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
EZAKI GLICO CO (JP)
FURUYASHIKI TAKASHI (JP)
TAKATA HIROKI (JP)
KAJIURA HIDEKI (JP)
International Classes:
A23L1/30; A23K1/16; A23L35/00; A61K31/715; A61P1/14; A61P3/04; A61P3/06; A61P3/10; C12N1/20
Domestic Patent References:
WO2006035848A12006-04-06
Foreign References:
JP2005213185A2005-08-11
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA, Eiji et al. (1-7-1 Doshomachi,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 45, JP)
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Claims:
グリコーゲンを含む低インスリン食品。
単位カロリー摂取当たりの血糖値の上昇とインスリンの分泌量を抑制するためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含む体脂肪/内臓脂肪抑制用食品。
体重当たりの体脂肪、特に内臓脂肪の比率を低下させるためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含むダイエット食品。
体重増加を抑制するためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含む整腸用食品。
グリコーゲンのおなかの調子を整えるための使用。
グリコーゲンを含むビフィズス菌の増殖促進剤。
ビフィズス菌増殖を促進するためのグリコーゲンの使用。
腸内細菌のビフィズス菌の割合を高めるためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含む乳酸菌の増殖促進剤。
乳酸菌増殖を促進するためのグリコーゲンの使用。
腸内細菌の乳酸菌の割合を高めるためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含む中性脂肪低下用食品。
血中の中性脂肪レベルを低下させるためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含む血中総コレステロールレベルを低下させるための食品。
血中総コレステロールレベルを低下させるためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含むHDLコレステロールの総コレステロールに対する割合を増加するための食品。
血中総コレステロール中のHDLコレステロールの比率を増加させるためのグリコーゲンの使用。
グリコーゲンを含む経口摂取用製剤。
明らかに食品および/またはサプリメントからなる食品形態である請求項21に記載の製剤。
グリコーゲンを含むペット用または家畜用食品。
グリコーゲンを含む脂肪肝を抑制するための食品。
グリコーゲンを含む脂肪の吸収を抑制するための食品。
グリコーゲンが高純度の抽出物として含まれているもしくは使用される、請求項1~25のいずれかに記載の食品、使用または製剤。
Description:
グリコーゲンを含む食品とその 途

 本発明は、グリコーゲンを含む食品、経 摂取用製剤に関する。グリコーゲンは、砂 、澱粉、デキストリンなどの他の糖類と比 して、血糖値の上昇、インスリンの分泌が 度であり、血糖値が高めあるいは糖尿病予 群さらには軽度の糖尿病患者の食事療法に 用である。

 また、グリコーゲンはヒト及び動物の腸 の乳酸菌とビフィズス菌の増加による腸内 ローラの改善、便の水分増加による便通の 善などに基づく整腸作用、善玉コレステロ ル(HDL)の増加、悪玉コレステロール(LDL)の減 少、総コレステロールの減少、中性脂肪の減 少、体脂肪の低減などの複数の有用な作用を 有し、肥満、動脈硬化、心臓病、糖尿病など の生活習慣病、メタボリックシンドロームの 予防ないし改善に有効である。このようなグ リコーゲンの有用な作用は、ヒトだけでなく 、家畜、ペットに対しても有用であり、本発 明は、家畜、ペット用の食品、サプリメント などにも関する。

 グリコーゲンは、動物における貯蔵多糖 して知られ、多数のグルコースがα-1,4グル シド結合によって重合した、枝分かれの多 高分子である。グリコーゲンは肝臓と骨格 で主に合成され、余剰のグルコースを一時 に貯蔵する役割を果たしている。

 グリコーゲンの合成・分解は血糖値など 生理状態に応じて分泌されるチロキシン、 ルカゴン、インスリン、アドレナリンなど より調節されている。

 グリコーゲンを含む組成物は知られてい が(特許文献1)、エネルギー貯蔵および免疫 を活性化させる機能(非特許文献1)以外の役 についてはほとんど検討されていない。

 グリコーゲンは、牡蠣などの動物、あるい 植物からも得られているが、合成品につい も知られ、その抗ガン作用について検討さ ている(非特許文献1).
 また、特許文献2はグリコーゲンの製造方法 を開示する。

特開2000-007707

WO2006/035848 Ryoyama, K.; Kidachi, Y.; Yamaguchi, H.; Kajiura , H.; Takata, H. (2004) Biosci Biotechnol Biochem 68 , 2332-2340

 カロリーの摂取過多により、肥満、特に 臓脂肪などの体脂肪の増加と高血糖、高コ ステロール、高脂血症等を併発するメタボ ックシンドロームになり、さらには動脈硬 や糖尿病などの生活習慣病に至ることが問 となっている。一方、カロリー摂取を控え 肥満を防止することは困難であり、必要な 養素が摂取できなければ、食事のコントロ ルも長続きしない。また、腸は食物中の外 の異物と接触し、免疫系などに重要な役割 果たしており、ビフィズス菌、乳酸菌など 有用菌を増加させて腸内細菌のバランスを 善することが、生活習慣病の予防だけでな 、健康の維持に必要とされている。

 上記課題に鑑み検討を重ねた結果、グリ ーゲンが、エネルギー貯蔵や免疫の活性化 外にも、血糖値の低下とインスリン産生/分 泌の低下、腸内環境、特に腸内フローラの改 善、便通の促進、体脂肪、特に内臓脂肪の低 下、善玉コレステロールと呼ばれているHDLコ レステロールの比率の上昇と悪玉(LDL)コレス ロールの低下と血中コレステロールの低下 血中の中性脂肪レベルの低下などの種々の 用作用を有することを見出し、本発明を完 した。

 本発明のグリコーゲンの有用作用は、特 ヒトに対し効果を発揮するが、ヒト以外に 家畜(ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマなど)、 ット(イヌ、ネコなど)に対して用いても、同 様に有効である。

 本発明は、以下の発明を提供することを目 とする。
1.グリコーゲンを含む低インスリン食品。
2.単位カロリー摂取当たりの血糖値の上昇と ンスリンの分泌量を抑制するためのグリコ ゲンの使用。
3.グリコーゲンを含む体脂肪/内臓脂肪抑制用 食品。
4.体重当たりの体脂肪、特に内臓脂肪の比率 低下させるためのグリコーゲンの使用。
5.グリコーゲンを含むダイエット食品。
6.体重増加を抑制するためのグリコーゲンの 用。
7.グリコーゲンを含む整腸用食品。
8.グリコーゲンのおなかの調子を整えるため 使用。
9.グリコーゲンを含むビフィズス菌の増殖促 剤。
10.ビフィズス菌増殖を促進するためのグリコ ーゲンの使用。
11.腸内細菌のビフィズス菌の割合を高めるた めのグリコーゲンの使用。
12.グリコーゲンを含む乳酸菌の増殖促進剤。
13.乳酸菌増殖を促進するためのグリコーゲン の使用。
14.腸内細菌の乳酸菌の割合を高めるためのグ リコーゲンの使用。
15.グリコーゲンを含む中性脂肪低下用食品。
16.血中の中性脂肪レベルを低下させるための グリコーゲンの使用。
17.グリコーゲンを含む血中総コレステロール レベルを低下させるための食品。
18.血中総コレステロールレベルを低下させる ためのグリコーゲンの使用。
19.グリコーゲンを含むHDLコレステロールの総 コレステロールに対する割合を増加するため の食品。
20.血中総コレステロール中のHDLコレステロー ルの比率を増加させるためのグリコーゲンの 使用。
21.グリコーゲンを含む経口摂取用製剤。
22.明らか食品および/またはサプリメントか なる食品形態である請求項21に記載の製剤。
23.グリコーゲンを含むペット用または家畜用 食品。
24.グリコーゲンを含む脂肪肝を抑制するため の食品。
25.グリコーゲンを含む脂肪の吸収を抑制する ための食品。
26.グリコーゲンが高純度の抽出物として含ま れているもしくは使用される、項1~25のいず かに記載の食品、使用または製剤。

 グリコーゲンは生体内では筋肉や肝臓に けるエネルギー貯蔵の意味を有しているが グリコーゲンを経口或いは非経口(特に経皮 )摂取することで、生命および健康の維持に 要なカロリーを摂取しながら、血糖値、イ スリン分泌、体脂肪(特に内臓脂肪)、血中総 コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、 性脂肪などを低下させ、善玉のHDLコレステ ールの比率を高めることで、糖尿病、動脈 化に起因する循環器系疾患を含む生活習慣 を予防し、さらに乳酸菌やビフィズス菌な の善玉菌の絶対数および比率を改善するこ で腸内フローラを改善することができる。 らに、便中の水分を増大させることで便通 良くし、便秘や痔にも効果がある。さらに 脂肪肝の抑制、脂肪の吸収抑制にも有効で る。

 グリコーゲンは上記のような複数の有用 作用を有しており、グリコーゲンを食品(ヒ トを対象とする食品以外に家畜、ペットなど の動物を対象とする食品を含む)ないし医薬 (獣医用医薬品を含む)として摂取することで 、生活習慣病ないしメタボリックシンドロー ムを予防し、あるいはその予備群であっても 病気への進行を遅くすることが可能である。

 本発明で使用するグリコーゲンは、副作 のない安全な素材である。

 本発明で使用するグリコーゲンを長期間 取することにより、食後の血糖値、インス ン分泌の上昇を緩やかに且つ持続的に低下 せることができ、低血糖の危険性を伴うこ なく、血糖値、インシュリンレベルを低下 せることができるので、血糖値が正常であ か高め或いは糖尿病との境界付近の被験者 摂取しても安全である。また、食後の血糖 、インスリン分泌のレベル、体脂肪(特に内 臓脂肪)の低下、血中コレステロールの低下 HDLコレステロール比率の上昇、腸内フロー の改善などについて、グリコーゲンの摂取 中止しても、徐々にグリコーゲンの摂取前 状態に戻り、リバウンドは見られない。

 本発明のグリコーゲンは、高血糖ないし 尿病、腸疾患、動脈硬化を含む循環器系疾 肥満(特に内臓肥満)の危険因子(遺伝的、環 的素因など)を有する健常者ないし患者が摂 取するのに適している。

グリコーゲンを投与した際の血糖値と ンスリン値の変化を示す。 腸内細菌の割合の変化を示す。 盲腸内の短鎖脂肪酸量の変化を示す。 種々の由来のグリコーゲンのαアミラ ゼによる分解の結果を示す。 グリコーゲンによる中性脂肪吸収抑制 果を示す。 グリコーゲンのAST、ALTに対する効果を す。 グリコーゲンの肝臓脂肪蓄積に対する 果を示す。

本発明で使用するグリコーゲンは、動物の肝 臓や骨格筋で貯蔵されることが知られている ものであり、その由来としては動物が挙げら れるが、植物ないし微生物がグリコーゲンな いしグリコーゲンと同様な構造を有する物質 を産生することが知られており(例えば、WO200 6/035848)、これらはすべて本発明のグリコーゲ ンとして使用することができる。グリコーゲ ンは、酵素を用いて合成することもできる。 例えば、砂糖にスクロースホスホリラーゼ(EC  2.4.1.7)とα-グルカンホスホリラーゼ(EC 2.4.1. 1)を作用させる方法(非特許文献1)、および短 のアミロースにブランチングエンザイム(EC 2.4.1.18)を作用させる方法(特許文献2および非 特許文献2)がある。これらの方法で合成した リコーゲンも、天然グリコーゲンと類似し 化学的構造、および物理的構造を持つこと 知られており(非特許文献2,3)、これらの酵 合成グリコーゲンも本発明のグリコーゲン して使用することができる。グリコーゲン 分子量は、1×10 6 ~2×10 7 程度のものが好ましく使用できるが、これよ りも高分子量或いは低分子量のものも広く使 用できる。

 非特許文献2:梶浦、高田、空山、竹田、 木(2006)日本応用糖質科学会2006年度大会講演 旨集:J.Appl.Glycosci., 53, Suppl., p27

 非特許文献3:高田、梶浦、栗木、北村(2006 )日本応用糖質科学会2006年度大会講演要旨集: J.Appl.Glycosci., 53, Suppl., p27

 本発明で使用するグリコーゲンとしては 酵素合成されたグリコーゲン(Enzymatically Syn thesized Glycogen; ESG)が好ましい。酵素合成さ たグリコーゲンは、α-アミラーゼで分解さ た後、数十万から数百万の分子量を有する のが好ましく例示される。理論に拘束され ことを望むわけではないが、α-アミラーゼ 分解された酵素合成グリコーゲンが大きな 子量を有するのは、次の理由によると本発 者は考えている。つまり、グリコーゲンは 状の分子構造をとっており、α-アミラーゼ グリコーゲン分子外周から、α-1,4-グルコシ 結合を切断することにより、分解していく ところが、特にESGの場合、その分子内部に くほど、分岐構造(α-1,6-グルコシド結合に る枝分かれ)の密度が高くなる。α-アミラー は、分岐構造の密度がある一定以上になる 分解できなくなる。ESGの場合には、そのα- ミラーゼによる分解が起こらなくなる程度 分岐密度が高まるのが、分子量数十万から 百万に達する部分であるために、その程度 大きさの分子が残ると考えている。一方、 くの天然のグリコーゲン、例えばムラサキ ガイ(ムール貝)由来のグリコーゲンでは、α -アミラーゼにより非常に小さい分子量の断 まで分解される。これは、多くの天然グリ ーゲンでは、分岐密度の高い部分と低い部 が混在しており(分岐密度が不均一となって り)、分子内部においても、比較的長いα-1,4 -グルコシド結合の直鎖部分が存在している めであると考えている。このような構造は 非特許文献4にも示されている。

 非特許文献4:Brammer, G. L.; Rougvie, M. A,;  French, D. (1972) Carbohydr Res 24, 343-354

 非特許文献4においては、天然ではグリコ ーゲンは細胞内で合成と分解を繰り返し受け ているために分岐密度が不均一となると考察 されている。

 ところが、一部の天然グリコーゲンの場 は、α-アミラーゼで分解された後、数十万 ら数百万の分子量を有するため好ましい。 れは、天然であっても生理条件によっては 分岐密度の均一なグリコーゲンが合成され ためと考えられる。例えば、カサガイ由来 グリコーゲンは、α-アミラーゼで分解され 後、数十万から数百万の分子量を有するた に好ましい。

 例えば、酵素合成グリコーゲンや、カサ イ由来グリコーゲンなどの分岐密度が均一 グリコーゲンをαアミラーゼで3~24時間分解 たときに、もとの分子量の5%以上(例えば5~40 %)を維持するか、または、パンクレアチンと ルコアミラーゼを作用させたときに、分解 抗性成分(RS)を15~25%程度有するグリコーゲン が好ましく例示される。

 本発明のグリコーゲンはそれ自体食品と て利用することができ、或いは単独で、も くは適当な無毒性の経口摂取用担体、希釈 または賦形剤とともに、タブレット(素錠、 糖衣錠、発泡錠、フィルムコート錠、チュア ブル錠など)、カプセル、トローチ、粉末、 粒剤、顆粒剤、液剤、懸濁液、乳濁液、ペ スト、クリーム、或いは腸溶性の錠剤、カ セル剤、顆粒剤などの徐放性製剤などの食 用もしくは医薬用の製剤にすることが可能 ある。前記製剤中のグリコーゲンの含有量 適宜選択が可能であるが一般に、0.01~100重量 %の範囲である。

 本発明において、食品中の糖質の一部ま は全部をグリコーゲンで置き換えることで 必要なカロリーを摂取しつつ、血糖値、イ スリン分泌、体脂肪(特に内臓脂肪)、血中 コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、 中性脂肪などを低下させ、善玉のHDLコレステ ロールの比率を高めることができる。

 (特に内臓脂肪)、血中総コレステロール LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪などを低 下させ、善玉のHDLコレステロールの比率を高 めることができる。

 本発明で使用するグリコーゲンは、従来 食品に糖質として配合することができる。

 グリコーゲンを添加・配合して調製し得 食品としては、例えば、飲料類(清涼飲料( ーヒー、ココア、ジュース、ミネラル飲料 茶飲料(緑茶、紅茶、烏龍茶)等)、乳飲料、 酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、酒 、スプレッド(カスタードクリーム、バター リーム、ピーナツクリーム、チョコレート リーム、チーズクリーム等)、ペースト(フ ーツペースト、野菜ペースト、ゴマペース 、海藻ペースト等)、洋菓子(チョコレート、 ドーナツ、パイ、マフィン、ワッフル、ガム 、グミ、ゼリー、キャンデー、クッキー、ク ラッカー、ビスケット、スナック菓子、ケー キ、プリン等)、和菓子(飴、煎餅、かりんと 、あられ、団子、おはぎ、大福、豆もち、 、餡、饅頭、カステラ、あんみつ、羊かん )、氷菓(アイスクリーム、アイスキャンデ 、シャーベット等)、レトルト食品(カレー、 シチュウ、牛丼、中華丼、雑炊、おかゆ、味 噌汁、スープ、ミートソース、デミグラスソ ース、ミートボール、ハンバーグ、おでん、 赤飯、焼き鳥、茶碗蒸し等)、即席食品(即席 ーメン、即席スープはるさめ、即席スープ 葉麺、即席うどん、即席そば、即席焼きそ 、即席スパゲティ、即席ワンタン麺、即席 るこ、味噌汁の素、粉末スープの素、粉末 ュースの素、ホットケーキミックス等)、瓶 詰・缶詰、ゼリー状食品(ゼリー、寒天、ゼ ー状飲料等)、調味料(醤油、みりん、酢、味 噌、ドレッシング、旨味調味料、複合調味料 、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、ふりか け、天つゆ、麺つゆ、だしの素、中華スープ の素、ブイヨン、焼肉のたれ、冷しゃぶのた れ、カレールウ、シチュールウ等)、乳製品( 乳、チーズ、ヨーグルト、バター、生クリ ム等)、加工果実(ジャム、マーマレード、 ロップ漬け、干し果実等)、穀類加工食品(麺 、パスタ、パン、ビーフン等)、漬物(たくあ 、奈良漬、キムチ漬、福神漬、らっきょう 、白菜漬、からし漬、しば漬、浅漬け、ピ ルス等)、漬物の素(即席漬けのもと、キム 漬のもと等)、魚肉製品(かまぼこ、ちくわ、 はんぺん等)、畜肉製品(ハム、ソーセージ、 ラミ、ベーコン等)、珍味(さきするめ、さ タラ、ウニの塩辛、イカの塩辛、タコの塩 、カワハギのみりんぼし、フグのみりんぼ 、イカの薫製、コノワタの塩漬等)、乾物(味 付け海苔等)、惣菜類(あえもの、揚げ物、炒 物、焼き物、煮物、酢の物等)、冷凍食品( ビフライ、コロッケ、春巻き、とんかつ、 ューマイ、餃子、たこ焼き、肉まん、あん ん等)等を挙げることができる。

 本発明のグリコーゲンを添加・配合して 製し得る食品としては、いわゆる健康食品 機能性食品、栄養補助食品、サプリメント 特定保健用食品、病者用食品・病者用組合 せ食品(厚生労働省、特別用途食品の一種) は高齢者用食品(厚生労働省、特別用途食品 一種)としてもよく、その場合であれば、素 錠、フィルムコート錠、糖衣錠、顆粒、粉末 、タブレット、カプセル(ハードカプセルと フトカプセルとのいずれも含む。)、チュア ルタイプ、シロップタイプ、ドリンクタイ 等とすることもできる。本発明に係るグリ ーゲンを添加・配合した食品の調製は、そ 自体公知の方法で行うことができる。

 本発明のグリコーゲンを含む特定保健用 品等の食品は、血糖値が正常高値、糖尿病 備群などの血糖値が気になる方(食後の血糖 値の上昇を緩やかにする)、コレステロール 気になる方、動脈硬化により血圧が高めの (正常高値)或いは軽症高血圧、おなかの調子 を整えたい方、或いは中性脂肪が気になる方 、内臓肥満が気になる方などに特に有用であ る。

 本発明のグリコーゲンは、経口摂取によ 口腔粘膜或いは胃腸管から直接吸収される 、胃腸管で部分的に加水分解を受けて吸収 れた後、食後血糖値の上昇抑制効果、血中 ンシュリンレベルの上昇を緩やかにする効 、中性脂肪の低下、総コレステロールの低 とHDL コレステロールの比率の上昇、内臓 肪の低下などの生体内の代謝全般に対し幅 い効果を有し、糖尿病、動脈硬化、内臓肥 とこれに起因する循環器系疾患の予防、こ らの傾向の緩和または調節を目的として、 続的に摂取することが可能かつ望ましく、 れらの予防のための機能性食品、特に特定 健用食品等として有用である。この目的に 発明のグリコーゲンないし製剤を用いる場 、一般的に体重60kgの成人では、1日あたり0.1 g~100g、好ましくは1~100g、より好ましくは10~100 g、の範囲で経口摂取するのがよい。

 以下、本発明を実施例を用いてより詳細に 明する。
実施例1
 SDラット(オス・6週齢)を16時間絶食させた後 、グルコース(Gluc)、グリコーゲン(ESG)および キストリン(DEX)を2 g/kg体重で経口投与した( 各群7匹)。投与前、投与後10、20、30、60分に 静脈から採血し、遠心分離することで血漿 ンプルを得た。血漿サンプル中のグルコー 量をグルコースCIIテストワコーを用いて測 し、インスリンの濃度はレビス(登録商標)イ ンスリン-ラットELISAキット(シバヤギ製)を用 て測定した。結果を図1に示す。図1の結果 ら、グリコーゲンは、投与後の血糖値とイ スリン分泌量が低く、食後においても血糖 とインスリン分泌が緩やかに上昇し、イン リン分泌能が低下し、或いはインスリン抵 性のヒトなどの哺乳動物において、糖尿病 予防あるいはその進行を遅らせ得ることが らかになった。なお、ESGは、酵素合成グリ ーゲン(Enzymatically Synthesized Glycogen)である。

実施例2
 SDラット(オス・6週齢)を表1に示した組成の で2週間飼育し、飼育期間中2-3日に一度体重 を測定した。体重変化と摂食量を以下の表2 示す。

 以下の表2の結果から、グリコーゲン食群 で摂食量と体重に微減傾向が認められたが、 有意な差ではなく動物の成長や摂食行動に影 響を及ぼさない事が明らかになった。また、 これによりグリコーゲンの安全性についても 証明された。

[規則26に基づく差替え 01.02.2008]

実施例3
 SDラット(オス・6週齢)を表1に示した組成の で2週間飼育し、飼育10日目と11日目に一日 の糞を回収し、凍結乾燥することで乾燥重 を測定した。       

 水分値は飼育10-11日目に肛門から新鮮な を採取し、凍結乾燥前後の重量を測定して 出した。糞の乾燥重量、水分量、湿重量を 下の表3に示す。

 以下の表3の結果から、コーンスターチ(CS )と比較して、グリコーゲン(ESG)は糞の乾燥重 量には変化を与えなかったが、水分量を増大 させ、全体として糞の湿重量を増大させるこ とが明らかになった。これは、腸内での便の 滞留時間が短くなり、便通が改善されたこと で糞の水分量が増大したと考えられる。

 この結果から、グリコーゲンは便通を改 し、便秘、痔などに有用であることが明ら になった。

[規則26に基づく差替え 01.02.2008]

実施例4
 SDラット(オス・6週齢)を表1に示した組成の で2週間飼育し、飼育9日目と10日目に肛門か ら新鮮な糞を採取し、腸内細菌数を表4に示 培地を用いて培養法にて測定した。結果を 5と図2に示す。表5と図2の結果から、グリコ ゲン(ESG)は、腸内細菌のうち有用な細菌で る乳酸菌とビフィズス菌、特にビフィズス の増殖を促進し、その割合を高め、腸内フ ーラを顕著に改善することが明らかになっ 。

[規則26に基づく差替え 01.02.2008]

[規則26に基づく差替え 01.02.2008]

実施例5
 SDラット(オス・6週齢)を表1に示した組成の で2週間飼育した後屠殺し、盲腸内容物を回 収して重量とpHを測定した。

 盲腸内容物に5倍量の水を加えよく攪拌した 後、2M H 2 SO 4 でpHを2.0に調整した。もとの内容物の10倍に でメスアップした後遠心ろ過(5kDaカット)し ろ液をサンプルとした。そのサンプル中の 鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)含量を ガスクロマトグラフィー(島津製作所)にて定 した。ガスクロマトグラフィー条件はカラ :Thermon3000パックドカラム、気化室温度:250℃ 、カラム温度:130℃、検出器:FID 250℃、キャ アガス:N 2  40ml/minで実施した。結果を表6と図3に示す。

 表6と図3の結果から明らかなように、グ コーゲン(ESG)は、盲腸内容物の湿重量を増大 させ、短鎖脂肪酸(プロピオン酸、酪酸)の産 量を高め、これに伴い盲腸内のpHが低下す ことが明らかになった。酪酸、プロピオン は、抗菌性が強く、病原大腸菌,サルモネラ, 赤痢菌などの病原菌の感染予防にも有効であ り、かつ、免疫系に作用して潰瘍性大腸炎な どの腸炎を抑制することが知られており、グ リコーゲンの摂取は、腸内環境を整えて腸疾 患の抑制にも有効に機能することが明らかに なった。

[規則26に基づく差替え 01.02.2008]

実施例6
 SDラット(オス・6週齢)を表1に示した組成の で2週間飼育した後屠殺し、心臓から採血後 遠心分離することで血漿サンプルを得た。サ ンプル中の中性脂肪、コレステロール、HDL- レステロールをそれぞれトリグライセライ E-テストワコー、コレステロール-Eテストワ ー、HDL-コレステロールテストワコーで測定 した。さらに、屠殺後のラットについて、肝 臓と睾丸周辺脂肪の重量を測定した。

 結果を表7、表8に示す。

[規則26に基づく差替え 01.02.2008]

 表7の結果から、コーンスターチ(CS)と比 して、グリコーゲン(ESG)は、体脂肪を減少さ せることが明らかになった。睾丸周りの体脂 肪は、内臓脂肪の例であり、グリコーゲンは 特に内臓脂肪を減少させるのに効果があるこ とが明らかになった。内臓脂肪はメタボリッ クシンドローム/生活習慣病の主要な原因の1 であり、グリコーゲンは、メタボリックシ ドローム/生活習慣病の予防ないし治療、進 行の遅延ないし疾患の悪化を抑制できること が明らかになった。

 さらに、表8に示すように、グリコーゲン は中性脂肪と血中総コレステロールレベルを 低下させ、かつ、善玉コレステロールとして 知られているHDLコレステロールの比率を増加 させることができる。中性脂肪とコレステロ ールはいずれも動脈硬化とそれによる脳血管 系疾患(脳卒中、心筋梗塞、狭心症など)に深 関与しており、グリコーゲンはこれらの疾 の予防ないし治療、進行の遅延ないし疾患 悪化を抑制できることが明らかになった。

試験例1:グリコーゲンの評価方法
方法1
 Megazyme International Ireland Ltd.社(Wicklow, Irelan d)のResistant Starchアッセイキットを使用し、 ニュアルに従って「分解抵抗性成分(RS)」と て定量される量によってグリコーゲンを評 した。この方法はRS含量測定のための公定 として採用されている(AOAC Method 2002.02;  AA CC Method 32-40)。具体的には、以下のスキーム に従いRS含量を求めた。
概略
試料100mgを、酵素液(1%パンクレアチン+12Uグル コアミラーゼ)で分解する
  ↓ 37℃, 16時間
反応液に等量のエタノールを加え、低速で遠 心分離(1500×g、10分)
  ↓ →上清中のグルコースを定量→分解非 抵抗性成分量
沈殿をアルカリで可溶化
  ↓
中和後、直ちに大量のグルコアミラーゼ(330U) で分解(50℃、30分)
  ↓
グルコースを定量→分解抵抗性成分(RS)量

 結果を表9に示す。

[規則26に基づく差替え 01.02.2008]

 上記の結果より、天然のグリコーゲンは ンクレアチンとグルコアミラーゼでほとん 分解されるが、酵素合成グリコーゲンは、2 0%前後の分解抵抗性成分(RS)を有することが明 らかになった。この分解抵抗性成分は、本発 明の種々の薬理効果を有するグリコーゲンと して、特に好ましいものである。

方法2
試料50mgを、1mLの反応液中でα-アミラーゼ(Sigm a社製、ブタすい臓由来 TypeI-A。酵素量300U/g 質)を作用させる。反応液のpHは、10mMリン酸 衝液により、7に合わせる。
  ↓ 37℃,  0.5、1、3、6、または24時間
100℃5分加熱することにより、反応を停止し 反応液を0.45μmフィルターによりろ過し、以 の条件でHPLC分析に供する。

 詳しくは、カラムとしてShodex OH-Pack SB806MHQ (内径8mm、長さ300mm、昭和電工製)を用い、ガ ドカラムとしてShodex OH-Pack SB-G(内径6mm、長 50mm、昭和電工製)を用い、検出器としては 角度光散乱検出器(DAWN-DSPまたはDAWN-Heleos、Wya tt Technology社製)および示差屈折計(Shodex RI-71 たはRI-101、昭和電工製)をこの順序で連結し て用いる。カラムを40℃に保ち、溶離液とし は0.1M硝酸ナトリウム溶液を流速1mL/分で用 る。約6分から約11分に溶出されるα-グルカ のピークから得られるシグナルを、データ 析ソフトウェア(商品名ASTRA、Wyatt Technology社 製)を用いて収集し、同ソフトを用いて解析 ることにより、重量平均分子量Mwを求める。
本方法で、α-アミラーゼ処理前後のMwの比を める。
結果を図4に示す。

 図4の結果に示されるように、ムラサキイ ガイやスイートコーンなどの天然グリコーゲ ンは速やかに分解されるが、合成グリコーゲ ン(ESGA、ESGB、ESG(7000kDa))は、分子量が分解前 5~40%を維持し、より好ましい素材であること が明らかになった。また、天然でも牡蠣由来 のグリコーゲンはαアミラーゼの分解に比較 抵抗性であり、またカサガイ由来グリコー ンは特に抵抗性であり好ましいものである とが明らかになった。

試験例2:脂肪の吸収ないし肝臓への蓄積の抑 効果
1.単回脂質投与試験
 SDラット(7-9週齢、♂)を18時間絶食させた後 水(コントロール)、20%ESG溶液あるいは20%NG( 然グリコーゲン)溶液を10ml/kg体重で経口投与 し、直後にコーンオイルエマルジョン(コー オイル20%、レシチン1.2%、グリセリン2.3%)を10 ml/kg体重で経口投与した。投与前、投与後1、 2、3、4時間に尾静脈から採血した後、遠心分 離により血漿を分離し、血漿中のトリアシル グリセロール濃度をWAKOのキットで測定した 結果を図5に示す。
2.高脂肪食試験
 SDラット(7週齢、♂)を8匹ずつ2群に分け、高 脂肪食群と高脂肪食+ESG20%群とし、下表の組 の餌をそれぞれ4週間自由に摂取させた。飼 終了後に各脂肪組織を摘出し重量を測定し 。また、血漿と肝臓を回収し、血漿中のア パラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST) アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の活 性を市販のキット(WAKO製)で測定した。肝臓の 中性脂肪はFolch法で全脂質を抽出した後、イ プロパノールに溶解し、市販のキット(WAKO )で定量した。*は高脂肪食群に対する有意差 を表す(P < 0.05、t-test)。結果を図6、図7及 表10に示す。

 表11と図5~7の結果から明らかなように、 リコーゲンは、脂肪の肝臓、皮下、腎臓、 丸周囲への蓄積を抑制し、内臓脂肪を抑制 るだけでなく、吸収も抑制することが示さ た。