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Title:
FREEZING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/004761
Kind Code:
A1
Abstract:
It is possible to improve convergence of performance control in a freezing device which performs a super-critical cycle. An air conditioner (10) includes: a coolant circuit (20) in which a compressor (21), an outdoor heat exchanger (23), an outdoor expansion valve (24), and an indoor exchanger (27) are connected in this order so as to perform a super-critical freezing cycle having a high pressure exceeding the critical pressure of a coolant; and a controller (40) having at least a compressor (21) and an outdoor expansion valve (24) for controlling a control object. The controller (40) controls a plurality of control objects all together so as to control both of a predetermined physical amount and a freezing cycle high pressure as indexes of the performance of the freezing device.

Inventors:
KASAHARA SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001493
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
June 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
KASAHARA SHINICHI (JP)
International Classes:
F25B1/00; F25B1/10
Foreign References:
JP2000297970A2000-10-24
JPS6329155A1988-02-06
Other References:
See also references of EP 2175212A4
None
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 53, JP)
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Claims:
 圧縮機構(21)と熱源側熱交換器(23)と膨張機構(24)と利用側熱交換器(27)とが順に接続されて高圧が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、少なくとも該圧縮機構(21)及び該膨張機構(24)を含む制御対象を制御する制御手段(40)とを備えた冷凍装置であって、
 前記制御手段(40)は、複数の前記制御対象を共に制御することによって、冷凍装置の能力の指標となる所定の物理量と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 前記制御手段(40)は、前記所定の物理量と冷凍サイクルの高圧とを入力として、複数の前記制御対象のそれぞれに対する制御信号を該物理量と該高圧とを互いに関連付けて生成して、該制御信号を前記各制御対象に出力することによって前記所定の物理量と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 冷媒を空気と熱交換させる前記熱源側熱交換器(23)に空気を供給する熱源側ファン(28)をさらに備え、
 冷房運転時においては、
 前記所定の物理量は、前記利用側熱交換器(27)における冷媒の蒸発温度と前記利用側熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度とであり、
 前記制御対象には、前記熱源側ファン(28)がさらに含まれており、
 前記制御手段(40)は、冷媒の前記蒸発温度及び前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを入力として、前記圧縮機構(21)、膨張機構(24)及び熱源側ファン(28)を共に制御することによって、冷媒の前記蒸発温度及び冷媒の前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 暖房運転時には、
 前記所定の物理量は、前記熱源側熱交換器(23)の出口における冷媒の過熱度であり、
 前記制御手段(40)は、冷媒の前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを入力として、前記圧縮機構(21)及び膨張機構(24)を共に制御することによって、冷媒の前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 前記圧縮機構は、低圧の冷媒を吸入して圧縮する第1圧縮機(21a)と、該第1圧縮機(21a)から吐出された冷媒をさらに圧縮して吐出する第2圧縮機(21b)とを有し、
 前記膨張機構は、高圧の冷媒を膨張させる第1膨張機構(24)と、該第1膨張機構(24)によって中間圧となった冷媒をさらに膨張させる第2膨張機構(26)とを有し、
 冷房運転時においては、
 前記所定の物理量は、前記利用側熱交換器(27)における冷媒の蒸発温度と前記利用側熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度と冷凍サイクルの中間圧とであり、
 前記制御手段(240)は、冷媒の前記蒸発温度、冷媒の前記過熱度及び冷凍サイクルの中間圧と冷凍サイクルの高圧とを入力として、前記第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに第1及び第2膨張機構(24,26)を共に制御することによって、冷媒の前記蒸発温度、冷媒の前記過熱度及び冷凍サイクルの中間圧と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 前記圧縮機構は、低圧の冷媒を吸入して圧縮する第1圧縮機(21a)と、該第1圧縮機(21a)から吐出された冷媒をさらに圧縮して吐出する第2圧縮機(21b)とを有し、
 前記膨張機構は、高圧の冷媒を膨張させる第1膨張機構(24)と、該第1膨張機構(24)によって中間圧となった冷媒をさらに膨張させる第2膨張機構(26)とを有し、
 暖房運転時においては、
 前記所定の物理量は、前記熱源側熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度と前記熱源側熱交換器(23)の出口における冷媒の過熱度と前記利用側熱交換器(27)の出口における冷媒の温度であるガスクーラ出口温度とであり、
 前記制御手段(240)は、冷媒の前記蒸発温度、冷媒の前記過熱度及び冷媒の前記ガスクーラ出口温度と冷凍サイクルの高圧とを入力として、前記第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに第1及び第2膨張機構(24,26)を共に制御することによって、冷媒の前記蒸発温度、冷媒の前記過熱度及び冷媒の前記ガスクーラ出口温度と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 前記利用側熱交換器(27a,27b)は、複数設けられていると共に互いに並列に接続されており、
 前記膨張機構は、前記各利用側熱交換器(27a,27b)ごとに対応して設けられた複数の利用側膨張機構(26a,26b)と、該利用側熱交換器(27a,27b)及び該利用側膨張機構(26a,26b)と前記熱源側熱交換器(23)との間に設けられた熱源側膨張機構(24)とを有し、
 冷房運転時においては、
 前記所定の物理量は、前記利用側熱交換器(27a,27b)における冷媒の蒸発温度と前記各利用側熱交換器(27a,27b)の出口における冷媒の過熱度とであり、
 前記制御手段(340)は、冷媒の前記蒸発温度及び該各利用側熱交換器(27a,27b)における冷媒の前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを入力として、前記圧縮機構(21)、複数の前記利用側膨張機構(26a,26b)及び前記熱源側膨張機構(24)を共に制御することによって、冷媒の前記蒸発温度及び該各利用側熱交換器(27a,27b)における冷媒の前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 前記利用側熱交換器(27a,27b)は、複数設けられていると共に互いに並列に接続されており、
 前記膨張機構は、前記各利用側熱交換器(27a,27b)ごとに対応して設けられた複数の利用側膨張機構(26a,26b)と、該利用側熱交換器(27a,27b)及び該利用側膨張機構(26a,26b)と前記熱源側熱交換器(23)との間に設けられた熱源側膨張機構(24)とを有し、
 暖房運転時においては、
 前記所定の物理量は、前記熱源側熱交換器(23)の出口における冷媒の過熱度と前記各利用側熱交換器(27a,27b)の出口における冷媒の温度であるガスクーラ出口温度とであり、
 前記制御手段(340)は、冷媒の前記過熱度及び前記各利用側熱交換器(27a,27b)における冷媒の前記ガスクーラ出口温度と冷凍サイクルの高圧とを入力として、前記圧縮機構(21)、複数の前記利用側膨張機構(26a,26b)及び前記熱源側膨張機構(24)を共に制御することによって、冷媒の前記過熱度及び前記各利用側熱交換器(27a,27b)における冷媒の前記ガスクーラ出口温度と冷凍サイクルの高圧とを共に制御することを特徴とする冷凍装置。
Description:
冷凍装置

 本発明は、超臨界サイクルを行う冷媒回 を備えた冷凍装置に関するものである。

 圧縮機構と熱源側熱交換器と膨張機構と 用側熱交換器とが順に接続された冷媒回路 備えた冷凍装置においては、圧縮機構と膨 機構とを制御することによって該冷凍装置 能力を制御することが一般的である。かか 冷凍装置の一例として、特許文献1に開示さ れたものがある。

 この特許文献1に開示された冷凍装置は、圧 縮機構としての圧縮機の容量を制御する圧縮 機容量制御手段と、膨張機構としての膨張弁 の弁開度を制御する膨張弁開度制御手段とを 備えている。この圧縮機容量制御手段は、冷 媒回路における冷媒の低圧に基づいて圧縮機 の容量を制御している。また、膨張弁開度制 御手段は、蒸発器出口における冷媒の温度に 基づいて膨張弁の弁開度を制御している。こ のとき、膨張弁開度制御手段の制御量は、圧 縮機の容量に基づいて補正される。

特開2002-22242号公報

 しかしながら、膨張弁開度制御手段によ て膨張弁の弁開度の制御量を圧縮機の容量 基づいて補正する構成であっても、膨張弁 弁開度を変化させると、冷媒の循環状態が 化するため、冷媒の低圧にも変化が生じる 冷媒の低圧が変化すると、圧縮機容量制御 段によって圧縮機構の容量が調整される。 うして、圧縮機の容量が変化すると、膨張 開度制御手段による制御量を再び補正する 要が生じる。その結果、膨張弁開度制御手 の制御量の補正、冷媒の低圧の変化、圧縮 の容量の変化、再び膨張弁開度制御手段の 御量の補正、・・・というように、圧縮機 よる低圧制御や膨張弁による過熱度制御が かなか収束しないという問題がある。

 特に、高圧が冷媒の臨界圧力以上となる 臨界冷凍サイクルを行う冷凍装置において 、この制御の収束性が悪く、問題となる。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、超臨界 イクルを行う冷凍装置における能力制御の 束性を向上させることにある。

 本発明は、超臨界サイクルにおいては高圧 変化に対するガスクーラ出口の冷媒のエン ルピの変化量が大きいことに着目してなさ たものである。詳しくは、超臨界サイクル は、冷房運転において低圧変動によって高 が変化したときに、それによってガスクー 出口の冷媒のエンタルピが大きく変化する 合がある。その結果、室内熱交換器入口の 媒のエンタルピが変化し、それによってさ に室内熱交換器出口の過熱度が変化すると う亜臨界冷媒にはない作用が加わり、さら 制御の収束性が悪くなる。暖房時でも高圧 変化したときに、それによってガスクーラ 口の冷媒のエンタルピが大きく変化する場 があり、その結果、室内能力の増減が大き なって室温が変動し、さらにその影響でガ クーラ出口温度の目標値が変化するという 循環で制御の収束性が悪くなる。また超臨 冷媒であるCO 2 ではフロンなどに比べて、過熱度がついたと きの冷媒の密度変化が大きく(例えば蒸発温 5℃で過熱度が0℃から5℃に変化したときで 較すると、R410Aではガス密度が3.5%しか減少 ないのに対し、CO 2 では6.5%も減少してしまう)、過熱度が変化す ことによる循環量や能力の変化も大きいた 、より制御性に対する影響が大きくなる。 れに鑑みて、本発明は冷凍サイクルの高圧 能力制御により制御する所定の物理量とを に制御するようにしたものである。

 具体的には、第1の発明は、圧縮機構(21) 熱源側熱交換器(23)と膨張機構(24)と利用側熱 交換器(27)とが順に接続されて高圧が冷媒の 界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを行 冷媒回路(20)と、少なくとも該圧縮機構(21)及 び該膨張機構(24)を含む制御対象を制御する 御手段(40)とを備えた冷凍装置が対象である そして、前記制御手段(40)は、複数の前記制 御対象を共に制御することによって、冷凍装 置における所定の物理量と冷凍サイクルの高 圧とを共に制御するものとする。

 前記の構成の場合、冷媒回路(20)における 冷凍サイクルの高圧を制御しつつ所定の物理 量の制御が行われる。すなわち、制御対象を 調整したときの冷凍サイクルの高圧の変化、 ひいては、ガスクーラ出口の冷媒のエンタル ピの変化を考慮した上で、他の物理量の制御 を行うことができる。このように、複数の制 御対象を共に制御することで冷凍サイクルの 高圧と所定の物理量とを共に制御することに よって、互いの変化に起因する高圧や所定の 物理量への影響を加味して該制御対象を制御 することができるため、制御対象を別々に制 御して、対応する冷凍サイクルの高圧や所定 の物理量がそれぞれ別々に変化することで互 いに影響し合い、なかなか収束しないという 事態を防止することができる。その結果、冷 凍装置における所定の物理量や高圧の制御の 収束性を向上させることができる。

 第2の発明は、第1の発明において、前記 御手段(40)は、前記所定の物理量と冷凍サイ ルの高圧とを入力として、複数の前記制御 象のそれぞれに対する制御信号を該物理量 該高圧とを互いに関連付けて生成して、該 御信号を前記各制御対象に出力することに って前記所定の物理量と冷凍サイクルの高 とを共に制御するものとする。

 前記の構成の場合、前記複数の制御対象 それぞれを制御する制御信号を、所定の物 量と冷凍サイクルの高圧とを入力とし、こ らを互いに関連付けて生成することによっ 、所定の物理量や高圧のうちの何れか1つを 入力として制御対象を制御するのではなく、 所定の物理量と高圧との両方を加味して各制 御対象を制御することができる。さらに、前 述の如く複数の制御対象が共に制御させるた め、一の制御対象の制御信号を生成する際に 、他の制御対象の調整による所定の物理量や 高圧への影響をも考慮して制御信号を生成す ることができる。

 第3の発明は、第1又は第2の発明において 冷媒を空気と熱交換させる前記熱源側熱交 器(23)に空気を供給する熱源側ファン(28)を らに備え、冷房運転時においては、前記所 の物理量は、前記利用側熱交換器(27)におけ 冷媒の蒸発温度と前記利用側熱交換器(27)の 出口における冷媒の過熱度とであり、前記制 御対象には、前記熱源側ファン(28)がさらに まれており、前記制御手段(40)は、冷媒の前 蒸発温度及び前記過熱度と冷凍サイクルの 圧とを入力として、前記圧縮機構(21)、膨張 機構(24)及び熱源側ファン(28)を共に制御する とによって、冷媒の前記蒸発温度及び冷媒 前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを共に 御するものとする。

 前記の構成の場合、冷房運転時において 圧縮機構(21)、膨張機構(24)及び熱源側ファ (28)という3つの制御対象を共に制御して冷凍 サイクルの高圧を制御しつつ冷媒の蒸発温度 と過熱度とを共に制御することによって、冷 凍サイクルの高圧を所望の目標値に安定的に 制御した状態で冷媒の蒸発温度と過熱度とを 制御することができるため、冷凍サイクルの 高圧、冷媒の蒸発温度及び過熱度を高い収束 性で制御することができる。

 第4の発明は、第1又は第2の発明において 暖房運転時には、前記所定の物理量は、前 熱源側熱交換器(23)の出口における冷媒の過 熱度であり、前記制御手段(40)は、冷媒の前 過熱度と冷凍サイクルの高圧とを入力とし 、前記圧縮機構(21)及び膨張機構(24)を共に制 御することによって、冷媒の前記過熱度と冷 凍サイクルの高圧とを共に制御するものとす る。

 前記の構成の場合、暖房運転時において 圧縮機構(21)及び膨張機構(24)という2つの制 対象を共に制御して冷凍サイクルの高圧を 御しつつ冷媒の過熱度を共に制御すること よって、冷凍サイクルの高圧を所望の目標 に安定的に制御した状態で冷媒の過熱度を 御することができるため、冷凍サイクルの 圧及び冷媒の過熱度を高い収束性で制御す ことができる。

 第5の発明は、第1又は第2の発明において 前記圧縮機構は、低圧の冷媒を吸入して圧 する第1圧縮機(21a)と、該第1圧縮機(21a)から 出された冷媒をさらに圧縮して吐出する第2 圧縮機(21b)とを有し、前記膨張機構は、高圧 冷媒を膨張させる第1膨張機構(24)と、該第1 張機構(24)によって中間圧となった冷媒をさ らに膨張させる第2膨張機構(26)とを有し、冷 運転時においては、前記所定の物理量は、 記利用側熱交換器(27)における冷媒の蒸発温 度と前記利用側熱交換器(27)の出口における 媒の過熱度と冷凍サイクルの中間圧とであ 、前記制御手段(240)は、冷媒の前記蒸発温度 、冷媒の前記過熱度及び冷凍サイクルの中間 圧と冷凍サイクルの高圧とを入力として、前 記第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに第1及び第2 張機構(24,26)を共に制御することによって、 媒の前記蒸発温度、冷媒の前記過熱度及び 凍サイクルの中間圧と冷凍サイクルの高圧 を共に制御するものとする。

 前記の構成の場合、冷房運転時において 第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに第1及び第2膨 張機構(24,26)という4つの制御対象を共に制御 て冷凍サイクルの高圧を制御しつつ冷媒の 発温度と過熱度と中間圧とを共に制御する とによって、冷凍サイクルの高圧を所望の 標値に安定的に制御した状態で冷媒の蒸発 度と過熱度と冷凍サイクルの中間圧とを制 することができるため、冷凍サイクルの高 、冷媒の蒸発温度、過熱度及び冷凍サイク の中間圧を高い収束性で制御することがで る。

 第6の発明は、第1又は第2の発明において 前記圧縮機構は、低圧の冷媒を吸入して圧 する第1圧縮機(21a)と、該第1圧縮機(21a)から 出された冷媒をさらに圧縮して吐出する第2 圧縮機(21b)とを有し、前記膨張機構は、高圧 冷媒を膨張させる第1膨張機構(24)と、該第1 張機構(24)によって中間圧となった冷媒をさ らに膨張させる第2膨張機構(26)とを有し、暖 運転時においては、前記所定の物理量は、 記熱源側熱交換器(23)における冷媒の蒸発温 度と前記熱源側熱交換器(23)の出口における 媒の過熱度と前記利用側熱交換器(27)の出口 おける冷媒の温度であるガスクーラ出口温 とであり、前記制御手段(240)は、冷媒の前 蒸発温度、冷媒の前記過熱度及び冷媒の前 ガスクーラ出口温度と冷凍サイクルの高圧 を入力として、前記第1及び第2圧縮機(21a,21b) 並びに第1及び第2膨張機構(24,26)を共に制御す ることによって、冷媒の前記蒸発温度、冷媒 の前記過熱度及び冷媒の前記ガスクーラ出口 温度と冷凍サイクルの高圧とを共に制御する ものとする。

 前記の構成の場合、暖房運転時において 第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに第1及び第2膨 張機構(24,26)という4つの制御対象を共に制御 て冷凍サイクルの高圧を制御しつつ冷媒の 発温度と過熱度とガスクーラ出口温度とを に制御することによって、冷凍サイクルの 圧を所望の目標値に安定的に制御した状態 冷媒の蒸発温度と過熱度とガスクーラ出口 度とを制御することができるため、冷凍サ クルの高圧、冷媒の蒸発温度、過熱度及び スクーラ出口温度を高い収束性で制御する とができる。

 第7の発明は、第1又は第2の発明において 前記利用側熱交換器(27a,27b)は、複数設けら ていると共に互いに並列に接続されており 前記膨張機構は、前記各利用側熱交換器(27a ,27b)ごとに対応して設けられた複数の利用側 張機構(26a,26b)と、該利用側熱交換器(27a,27b) び該利用側膨張機構(26a,26b)と前記熱源側熱 換器(23)との間に設けられた熱源側膨張機構 (24)とを有し、冷房運転時においては、前記 定の物理量は、前記利用側熱交換器(27a,27b) おける冷媒の蒸発温度と前記各利用側熱交 器(27a,27b)の出口における冷媒の過熱度とで り、前記制御手段(340)は、冷媒の前記蒸発温 度及び該各利用側熱交換器(27a,27b)における冷 媒の前記過熱度と冷凍サイクルの高圧とを入 力として、前記圧縮機構(21)、複数の前記利 側膨張機構(26a,26b)及び前記熱源側膨張機構(2 4)を共に制御することによって、冷媒の前記 発温度及び該各利用側熱交換器(27a,27b)にお る冷媒の前記過熱度と冷凍サイクルの高圧 を共に制御するものとする。

 前記の構成の場合、冷房運転時において 圧縮機構(21)、熱源側膨張機構(24)及び複数 利用側膨張機構(26a,26b)という複数の制御対 を共に制御して冷凍サイクルの高圧を制御 つつ冷媒の蒸発温度と各利用側熱交換器(27a, 27b)における過熱度とを共に制御することに って、冷凍サイクルの高圧を所望の目標値 安定的に制御した状態で冷媒の蒸発温度と 利用側熱交換器(27a,27b)における過熱度とを 御することができるため、冷凍サイクルの 圧、冷媒の蒸発温度及び各利用側熱交換器(2 7a,27b)における過熱度を高い収束性で制御す ことができる。

 第8の発明は、第1又は第2の発明において 前記利用側熱交換器(27a,27b)は、複数設けら ていると共に互いに並列に接続されており 前記膨張機構は、前記各利用側熱交換器(27a ,27b)ごとに対応して設けられた複数の利用側 張機構(26a,26b)と、該利用側熱交換器(27a,27b) び該利用側膨張機構(26a,26b)と前記熱源側熱 換器(23)との間に設けられた熱源側膨張機構 (24)とを有し、暖房運転時においては、前記 定の物理量は、前記熱源側熱交換器(23)の出 における冷媒の過熱度と前記各利用側熱交 器(27a,27b)の出口における冷媒の温度である スクーラ出口温度とであり、前記制御手段( 340)は、冷媒の前記過熱度及び前記各利用側 交換器(27a,27b)における冷媒の前記ガスクー 出口温度と冷凍サイクルの高圧とを入力と て、前記圧縮機構(21)、複数の前記利用側膨 機構(26a,26b)及び前記熱源側膨張機構(24)を共 に制御することによって、冷媒の前記過熱度 及び前記各利用側熱交換器(27a,27b)における冷 媒の前記ガスクーラ出口温度と冷凍サイクル の高圧とを共に制御するものとする。

 前記の構成の場合、暖房運転時において 圧縮機構(21)、熱源側膨張機構(24)及び複数 利用側膨張機構(26a,26b)という複数の制御対 を共に制御して冷凍サイクルの高圧を制御 つつ冷媒の過熱度と各利用側熱交換器(27a,27b )における冷媒のガスクーラ出口温度とを共 制御することによって、冷凍サイクルの高 を所望の目標値に安定的に制御した状態で 媒の過熱度と各利用側熱交換器(27a,27b)にお る冷媒のガスクーラ出口温度とを制御する とができるため、冷凍サイクルの高圧、冷 の過熱度及び各利用側熱交換器(27a,27b)にお る冷媒のガスクーラ出口温度を高い収束性 制御することができる。

 本発明によれば、複数の制御対象を共に 御して冷凍装置における所定の物理量と冷 サイクルの高圧とを共に制御することによ て、所定の物理量と冷凍サイクルの高圧と 共に考慮すると共に、複数の制御対象によ 互いの影響を考慮して所定の物理量と冷凍 イクルの高圧とを共に制御することができ ため、冷凍装置における所定の物理量や高 の制御の収束性を向上させることができる

 第2の発明によれば、前記複数の制御対象 のそれぞれを制御する制御信号を、所定の物 理量と冷凍サイクルの高圧とを入力とし、こ れらを互いに関連付けて生成することによっ て、一の制御対象の制御信号を生成する際に 、所定の物理量と冷凍サイクルの高圧とを共 に考慮することに加えて、他の制御対象の調 整による所定の物理量や高圧への影響をも考 慮して制御信号を生成することができ、冷凍 装置における所定の物理量や高圧の制御の収 束性を向上させることができる。

 第3の発明によれば、冷房運転時に、圧縮 機構(21)、膨張機構(24)及び熱源側ファン(28)と いう3つの制御対象を共に制御して冷凍サイ ルの高圧を制御しつつ冷媒の蒸発温度と過 度とを共に制御することによって、冷凍サ クルの高圧、冷媒の蒸発温度及び過熱度を い収束性で制御することができる。

 第4の発明によれば、暖房運転時において 、圧縮機構(21)及び膨張機構(24)という2つの制 御対象を共に制御して冷凍サイクルの高圧を 制御しつつ冷媒の過熱度を共に制御すること によって、冷凍サイクルの高圧及び冷媒の過 熱度を高い収束性で制御することができる。

 第5の発明によれば、二段圧縮冷凍サイク ルを行う冷凍装置において、冷房運転時に、 第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに第1及び第2膨 機構(24,26)という4つの制御対象を共に制御し て冷凍サイクルの高圧を制御しつつ冷媒の蒸 発温度と過熱度と冷凍サイクルの中間圧とを 共に制御することによって、冷凍サイクルの 高圧、冷媒の蒸発温度、過熱度及び冷凍サイ クルの中間圧を高い収束性で制御することが できる。

 第6の発明によれば、二段圧縮冷凍サイク ルを行う冷凍装置において、暖房運転時に、 第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに第1及び第2膨 機構(24,26)という4つの制御対象を共に制御し て冷凍サイクルの高圧を制御しつつ冷媒の蒸 発温度と過熱度とガスクーラ出口温度とを共 に制御することによって、冷凍サイクルの高 圧、冷媒の蒸発温度、過熱度及びガスクーラ 出口温度を高い収束性で制御することができ る。

 第7の発明によれば、室内機が複数設けら れた所謂マルチ機において、冷房運転時に、 圧縮機構(21)、熱源側膨張機構(24)及び複数の 用側膨張機構(26a,26b)という複数の制御対象 共に制御して冷凍サイクルの高圧を制御し つ冷媒の蒸発温度と各利用側熱交換器(27a,27 b)における過熱度とを共に制御することによ て、冷凍サイクルの高圧、冷媒の蒸発温度 び各利用側熱交換器(27a,27b)における過熱度 高い収束性で制御することができる。

 第8の発明によれば、室内機が複数設けら れた所謂マルチ機において、暖房運転時に、 圧縮機構(21)、熱源側膨張機構(24)及び複数の 用側膨張機構(26a,26b)という複数の制御対象 共に制御して冷凍サイクルの高圧を制御し つ冷媒の過熱度と各利用側熱交換器(27a,27b) おける冷媒のガスクーラ出口温度とを共に 御することによって、冷凍サイクルの高圧 冷媒の過熱度及び各利用側熱交換器(27a,27b) おける冷媒のガスクーラ出口温度を高い収 性で制御することができる。

図1は、実施形態1に係る空気調和装置 構成を示す配管系統図である。 図2は、冷房運転時におけるコントロー ラの制御ブロック図である。 図3は、暖房運転時におけるコントロー ラの制御ブロック図である。 図4は、実施形態2に係る空気調和装置 構成を示す配管系統図である。 図5は、冷房運転時におけるコントロー ラの制御ブロック図である。 図6は、暖房運転時におけるコントロー ラの制御ブロック図である。 図7は、実施形態3に係る空気調和装置 構成を示す配管系統図である。 図8は、冷房運転時におけるコントロー ラの制御ブロック図である。 図9は、暖房運転時におけるコントロー ラの制御ブロック図である。 図10は、その他の実施形態に係る空気 和装置の構成を示す配管系統図である。 図11は、別のその他の実施形態に係る 気調和装置の構成を示す配管系統図である

符号の説明

 20   冷媒回路
 21   圧縮機(圧縮機構)
 21a   第1圧縮機(圧縮機構)
 21b   第2圧縮機(圧縮機構)
 23   室外熱交換器(熱源側熱交換器)
 24   室外膨張弁(膨張機構、第1膨張機構、 熱源側膨張機構)
 26   室内膨張弁(膨張機構、第2膨張機構)
 26a   第1室内膨張弁(利用側膨張機構)
 26b   第2室内膨張弁(利用側膨張機構)
 27   室内熱交換器(利用側熱交換器)
 27a   第1室内熱交換器(利用側熱交換器)
 27b   第2室内熱交換器(利用側熱交換器)
 28   室外ファン(熱源側ファン)
 40,240,340   コントローラ(制御手段)

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。

 《発明の実施形態1》
 本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に 明する。

 図1に示すように、本実施形態の空気調和 装置(10)は、冷媒回路(20)とコントローラ(40)を 備えている。

 前記冷媒回路(20)は、冷媒として二酸化炭素 (CO 2 )が充填された閉回路である。冷媒回路(20)で 、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイク を行うように構成されている。また、この 媒回路(20)は、高圧が二酸化炭素の臨界圧力 以上の値に設定される超臨界冷凍サイクル( ち、二酸化炭素の臨界温度以上の蒸気圧領 を含む冷凍サイクル)を行うように構成され いる。

 前記冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四 切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、室外膨張 弁(24)と、室内熱交換器(27)とが接続されてい 。

 具体的に、前記冷媒回路(20)において、圧 縮機(21)は、吐出側が四路切換弁(22)の第1ポー トに、吸入側が四路切換弁(22)の第2ポートに れぞれ接続されている。また、冷媒回路(20) では、四路切換弁(22)の第3ポートから第4ポー トへ向かって順に、室外熱交換器(23)、室外 張弁(24)、室内熱交換器(27)が順に配置されて いる。

 前記圧縮機(21)は、可変容量型のいわゆる 全密閉型に構成されている。この圧縮機(21) 、吸入した冷媒(二酸化炭素)をその臨界圧力 以上にまで圧縮して吐出する。圧縮機(21)の ータ(図示省略)に供給する交流の周波数を変 更することによって、圧縮機(21)の回転速度 つまり、容量を変化させることができる。 の圧縮機(21)が圧縮機構を構成する。

 前記室外熱交換器(23)では、室外ファン(28 )によって取り込まれた室外空気と冷媒が熱 換する。前記室内熱交換器(27)では、室内フ ン(29)によって取り込まれた室内空気と冷媒 が熱交換する。この室外熱交換器(23)が熱源 熱交換器を構成し、室内熱交換器(27)が利用 熱交換器を構成する。また、室外ファン(28) が熱源側ファンを構成する。

 前記室外膨張弁(24)は、弁体(図示省略)が ルスモータ(図示省略)で駆動される開度可 の電子膨張弁によって構成されている。こ 室外膨張弁(24)が膨張機構を構成している。

 前記四路切換弁(22)は、第1ポートと第3ポ トが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連 する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポ ートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3 ポートが連通する第2状態(図1に破線で示す状 態)とに切り換え可能となっている。

 つまり、この空気調和装置(10)は、四路切 換弁(22)の切換によって、冷房運転と暖房運 とが切り換え可能になっている。

 冷房運転時には、四路切換弁(22)が第1状 に設定される。この状態で圧縮機(21)を運転 ると、室外熱交換器(23)が放熱器(ガスクー )となり、各室内熱交換器(27)が蒸発器となっ て冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮 機(21)から吐出された超臨界状態の冷媒は、 外熱交換器(23)に流れて室外空気へ放熱する 放熱した冷媒は、室外膨張弁(24)を通過する 際に膨張して(減圧されて)室内熱交換器(27)へ 流れる。室内熱交換器(27)では、冷媒が室内 気から吸熱して蒸発し、冷却された室内空 が室内へ供給される。蒸発した冷媒は、圧 機(21)へ吸入されて圧縮される。

 暖房運転時には、四路切換弁(22)が第2状 に設定される。この状態で圧縮機(21)を運転 ると、室内熱交換器(27)が放熱器(ガスクー )となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となって 冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機 (21)から吐出された超臨界状態の冷媒は、室 熱交換器(27)に流れて室内空気へ放熱する。 れにより、加熱された室内空気が室内へ供 される。放熱した冷媒は、室外膨張弁(24)を 通過する際に膨張する(減圧される)。室外膨 弁(24)で膨張した冷媒は、室外熱交換器(23) 流れて室外空気から吸熱して蒸発する。蒸 した冷媒は、圧縮機(21)へ吸入されて圧縮さ る。

 このように構成された空気調和装置(10)に おいては、前記冷媒回路(20)に、外気温度セ サ(30)と、室内温度センサ(31)と、低圧センサ (32)と、吐出温度センサ(33)と、高圧センサ(34) と、暖房時ガスクーラ出口温度センサ(37)と 冷房時ガスクーラ出口温度センサ(39)とが設 られている。

 外気温度センサ(30)は、室外熱交換器(23) 取り込まれる室外空気の温度を検出する温 検出手段である。室内温度センサ(31)は、室 熱交換器(27)に取り込まれる室内空気の温度 を検出する温度検出手段である。低圧センサ (32)は、圧縮機(21)に吸入される冷媒の圧力、 ち、冷媒回路(20)における冷凍サイクルの低 圧を検出する温度検出手段である。吐出温度 センサ(33)は、圧縮機(21)から吐出される冷媒 温度を検出する温度検出手段である。高圧 ンサ(34)は、圧縮機(21)から吐出される冷媒 圧力、即ち、冷媒回路(20)における冷凍サイ ルの高圧を検出する温度検出手段である。 房時ガスクーラ出口温度センサ(37)は、冷媒 回路(220)において冷媒が暖房サイクルで循環 るときに、室内熱交換器(27)の出口冷媒温度 を検出する温度検出手段である。冷房時ガス クーラ出口温度センサ(39)は、冷媒回路(220)に おいて冷媒が冷房サイクルで循環するときに 、室外熱交換器(23)の出口冷媒温度を検出す 温度検出手段である。

 前記コントローラ(40)は、前記室内温度セ ンサ(31)、低圧センサ(32)、吐出温度センサ(33) 及び高圧センサ(34)の出力信号が入力され、 記圧縮機(21)の運転周波数、室外膨張弁(24)の 開度及び室外ファン(28)の運転周波数を制御 るように構成されている。このコントロー (40)が制御手段を構成する。

 前記コントローラ(40)は、図2,3に示すよう に、冷凍サイクルの低圧の目標値である目標 低圧Plsを算出する目標低圧算出部(41)と、冷 サイクルの高圧の目標値である目標高圧Phs 算出する目標高圧算出部(42)と、冷媒の吐出 度の目標値である目標吐出温度T1sを算出す 目標吐出温度算出部(43)と、圧縮機(21)、室 膨張弁(24)及び室外ファン(28)への制御信号を 生成する制御信号生成部(49)とを有する。尚 コントローラ(40)は、冷房運転と暖房運転と は制御内容が異なる、即ち、機能する要素 異なるため、冷房運転時の制御ブロック図 図2に、暖房運転時の制御ブロック図を図3 分けて示している。

 前記目標低圧算出部(41)は、設定温度Tsと 内温度センサ(31)からの出力信号(即ち、室 温度Ta)との温度偏差etに基づいて、目標低圧 Plsを算出する。

 前記目標高圧算出部(42)は、冷房運転時に は外気温度センサ(30)からの出力信号(即ち、 気温T0)及び冷房時ガスクーラ出口温度セン (39)からの出力信号(即ち、ガスクーラ出口 度T4)に基づいて、暖房運転時には前記温度 差et及び暖房時ガスクーラ出口温度(37)から 出力信号(即ち、ガスクーラ出口温度T4)に基 いて、目標高圧Phsを算出する。

 前記目標吐出温度算出部(43)は、前記温度 偏差et、低圧センサ(32)からの出力信号(即ち 実低圧Pl)、高圧センサ(34)からの出力信号(即 ち、実高圧Ph)、圧縮機(21)の運転周波数fc及び 外気温T0に基づいて、目標吐出温度T1sを算出 る。詳しくは、目標吐出温度算出部(43)は、 温度偏差et、実低圧Pl、実高圧Ph、圧縮機(21) 運転周波数fc及び外気温T0に基づいて、目標 する過熱度に対応する目標吐出温度T1sを算 している。

 これら、目標低圧算出部(41)、目標高圧算 出部(42)及び目標吐出温度算出部(43)のそれぞ は、マップ及び関数を有していて、各入力 対して対応する出力値(目標値)を出力する うに構成されている。

 前記制御信号生成部(49)には、冷房運転と 暖房運転とで異なる信号が入力されるように 構成されている。また、制御信号生成部(49) 、入力信号に応じた制御パラメータを有す 複数のPID制御部(p1a,p2a,…,p1b,p2b,…)を有して る。

 冷房運転時には、目標低圧算出部(41)で算 出した目標低圧Plsと低圧センサ(32)から実低 Plとの低圧偏差e1、目標高圧算出部(42)で算出 した目標高圧Phsと高圧センサ(34)からの実高 Phとの高圧偏差e2、及び目標吐出温度算出部( 43)で算出した目標吐出温度T1sと吐出温度セン サ(33)からの出力信号(即ち、実吐出温度T1)と 吐出温度偏差e3が制御信号生成部(49)に入力 れている。

 また、冷房運転時には、制御信号生成部( 49)における9個のPID制御部(p1a,p2a,…)が機能す 。すなわち、制御信号生成部(49)に入力され た低圧偏差e1は3個の第1乃至第3PID制御部(p1a,p2 a,p3a)に入力され、高圧偏差e2は別の3個の第4 至第6PID制御部(p4a,p5a,p6a)に入力され、吐出温 度偏差e3はさらに別の3個の第7乃至第9PID制御 (p7a,p8a,p9a)に入力されている。

 第1乃至第9PID制御部(p1a,p2a,…)はそれぞれ 入力される偏差に所定の制御パラメータを け合わせて出力する。その結果、制御信号 成部(49)は、第1PID制御部(p1a)、第4PID制御部(p 4a)及び第7PID制御部(p7a)からの出力信号を加算 して圧縮機周波数制御信号δfcを生成し、第2P ID制御部(p2a)、第5PID制御部(p5a)及び第8PID制御 (p8a)からの出力信号を加算して膨張弁開度 御信号δevを生成し、第3PID制御部(p3a)、第6PID 制御部(p6a)及び第9PID制御部(p9a)からの出力信 を加算してファン周波数制御信号δffを生成 している。

 こうして生成された圧縮機周波数制御信 δfc、膨張弁開度制御信号δev及びファン周 数制御信号δffは、空気調和装置(10)に出力さ れる。

 空気調和装置(10)においては、圧縮機(21) モータへ供給される交流の周波数(即ち、運 周波数)が圧縮機周波数制御信号δfcに応じ 値に設定され、圧縮機(21)の回転速度が変化 る。その結果、該圧縮機(21)の容量が圧縮機 周波数制御信号δfcに応じて変化する。

 また、室外膨張弁(24)のパルスモータへ供 給される信号のパルス数が膨張弁開度制御信 号δevに応じた値に設定される。その結果、 外膨張弁(24)のパルスモータが該パルス数に じた角度だけ回転し、弁開度が膨張弁開度 御信号δevに応じて調整される。

 さらに、室外ファン(28)のモータへ供給さ れる交流の周波数(即ち、運転周波数)がファ 周波数制御信号δffに応じた値に設定され室 外ファン(28)の回転速度が変化する。その結 、該室外ファン(28)から室外熱交換器(23)へ供 給される空気の流量がファン周波数制御信号 δffに応じて変化する。

 そして、かかる運転状態で運転される空 調和装置(10)における低圧Pl、吐出温度T1及 高圧Phが低圧センサ(32)、吐出温度センサ(33) び高圧センサ(34)を介してコントローラ(40) フィードバックされる。こうして、コント ーラ(40)は、低圧Pl(ひいては蒸発温度)、吐出 温度T1(ひいては過熱度)及び高圧Phが運転状態 に応じた目標値となるようにフィードバック 制御している。

 以上、説明したように、圧縮機周波数制 信号δfc、膨張弁開度制御信号δev及びファ 周波数制御信号δffのそれぞれは、低圧偏差e 1、高圧偏差e2及び吐出温度偏差e3を互いに関 付けて生成されている。つまり、例えば、 縮機(21)で冷凍サイクルの低圧を制御し、室 外膨張弁(24)で冷媒の吐出温度を制御し、室 ファン(28)で冷凍サイクルの高圧を制御する 成のように、各物理量に個別に対応した制 対象をそれぞれ別々に制御するのではなく 圧縮機(21)、室外膨張弁(24)及び室外ファン(2 8)を共に制御することで、高圧、低圧及び吐 温度を共に、即ち同時に制御している。す わち、低圧、高圧及び吐出温度のそれぞれ 、圧縮機(21)、室外膨張弁(24)及び室外ファ (28)のうちの何れか1つによってのみ制御され るのではなく、圧縮機(21)、室外膨張弁(24)及 室外ファン(28)の全てによって制御される。 さらに詳しくは、制御対象である圧縮機(21) 室外膨張弁(24)及び室外ファン(28)のそれぞれ は、そのものだけが駆動制御されるときの低 圧、高圧及び吐出温度の変化だけでなく、そ のもの以外の他の制御対象が駆動制御される ときの低圧、高圧及び吐出温度の変化をも考 慮して駆動制御される(換言すれば、それら 考慮されるように、第1乃至9第PID制御部(p1a,p 2a,…)の制御パラメータが設定されている)。

 一方、暖房運転時には、目標高圧算出部( 42)で算出した目標高圧Phsと高圧センサ(34)か の実高圧Phとの高圧偏差e2、及び目標吐出温 算出部(43)で算出した目標吐出温度T1sと吐出 温度センサ(33)からの実吐出温度T1との吐出温 度偏差e3が制御信号生成部(49)に入力されてい る。

 また、暖房運転時には、制御信号生成部( 49)における4個のPID制御部(p1b,p2b,…)が機能す 。すなわち、制御信号生成部(49)に入力され た吐出温度偏差e3は2個の第1,PID制御部(p1b,p2b) 入力され、高圧偏差e2は別の2個の第3,4PID制 部(p3b,p4b)に入力されている。

 第1乃至第4PID制御部(p1b,p2b,…)はそれぞれ 入力される偏差に所定の制御パラメータを け合わせて出力する。その結果、制御信号 成部(49)は、第1PID制御部(p1b)及び第3PID制御 (p3b)からの出力信号を加算して圧縮機周波数 制御信号δfcを生成し、第2PID制御部(p2b)及び 4PID制御部(p4b)からの出力信号を加算して膨 弁開度制御信号δevを生成している。

 こうして生成された圧縮機周波数制御信 δfc及び膨張弁開度制御信号δevは、空気調 装置(10)に出力される。

 空気調和装置(10)においては、圧縮機(21) 容量が圧縮機周波数制御信号δfcに応じて変 し、室外膨張弁(24)が膨張弁開度制御信号δe vに応じた弁開度に調整されるようになる。

 そして、かかる運転状態で運転される空 調和装置(10)における吐出温度T1及び高圧Ph 吐出温度センサ(33)及び高圧センサ(34)を介し てコントローラ(40)にフィードバックされる こうして、コントローラ(40)は、吐出温度T1( いては過熱度)及び高圧Phが運転状態に応じ 目標値となるようにフィードバック制御し いる。

 このように、圧縮機周波数制御信号δfc及 び膨張弁開度制御信号δevのそれぞれは、高 偏差e2及び吐出温度偏差e3を互いに関連付け 生成されている。つまり、例えば、圧縮機( 21)で冷凍サイクルの高圧を制御し、室外膨張 弁(24)で冷媒の吐出温度を制御する構成のよ に、各物理量に個別に対応した制御対象を れぞれ別々に制御するのではなく、圧縮機(2 1)及び室外膨張弁(24)を共に制御することで、 高圧及び吐出温度を共に、即ち同時に制御し ている。すなわち、高圧及び吐出温度のそれ ぞれは、圧縮機(21)及び室外膨張弁(24)のうち 何れか1つによってのみ制御されるのではな く、圧縮機(21)及び室外膨張弁(24)の全てによ て制御される。さらに詳しくは、制御対象 ある圧縮機(21)及び室外膨張弁(24)のそれぞ は、そのものだけが駆動制御されるときの 圧及び吐出温度の変化だけでなく、そのも 以外の他の制御対象が駆動制御されるとき 高圧及び吐出温度の変化をも考慮して駆動 御される(換言すれば、それらが考慮される うに、第1乃至第4PID制御部(p1b,p2b,…)の制御 ラメータが設定されている)。

 したがって、本実施形態1によれば、空気 調和装置(10)における所定の物理量に加えて 凍サイクルの高圧を運転状態に応じた所定 目標値となるように複数の制御対象(例えば 圧縮機(21)や室外膨張弁(24)等)を同時に駆動 御すると共に、複数の制御対象を制御した の該物理量及び冷凍サイクルの高圧の変化 考慮しつつ各制御対象を駆動制御すること よって、高圧を運転状態に応じた目標値に 定的に保ったまま、空気調和装置(10)の能力 制御(例えば、冷房運転時であれば低圧や過 度等)を行うことができる。その結果、或る の物理量を調整することによって、別の物 量が変化し、その変化を是正すべく該別の 理量を調整すると、さらに別の物理量或い 先に調整した一の物理量が変化して、さら 調整する必要が生じるというように、制御 ようとする物理量がなかなか収束しないと う事態を防止することができ、空気調和装 (10)における能力制御及び高圧制御の収束性 を向上させることができる。

 尚、本実施形態では、冷房運転時には、 圧、高圧及び吐出温度という3つの物理量を 圧縮機(21)、室外膨張弁(24)及び室外ファン(28) という3つの制御対象で制御すると共に、暖 運転時には、高圧及び吐出温度という2つの 理量を圧縮機(21)及び室外膨張弁(24)という2 の制御対象で制御しているが、制御対象に っては各物理量に影響を与えやすいもの、 るいは与えにくいものがある。即ち、何れ 1つの制御対象を変化させても、あまり変化 しない物理量がある場合がある。本実施形態 では、制御する物理量全てを入力とすると共 にそれら全てを関連付けて制御対象ごとの制 御信号を生成しているが、影響を与えにくい 物理量がある制御対象の制御信号を生成する 際には、その影響を与えにくい物理量の関連 性を小さくする、あるいは関連性をなくすよ うにしてもよい(具体的には、影響を与えに い物理量がある制御対象の制御信号を生成 るPID制御部(p1a,…,p1b,…)のうち該影響を与え にくい物理量のPID制御部の制御パラメータを 小さくする、あるいは零にしてもよい)。

 《発明の実施形態2》
 次に、本発明の実施形態2について説明する 。

 実施形態2に係る空気調和装置(210)は、冷 回路(220)において、室外熱交換器(23)と室内 交換器(27)との間に2つの膨張弁(24,26)が設け れると共に、2つの圧縮機(21a,21b)が設けられ ていて、二段圧縮冷凍サイクルを行う点で、 実施形態1に係る空気調和装置(10)と異なる。

 詳しくは、空気調和装置(210)は、図4に示 ように、冷媒回路(220)とコントローラ(240)を 備えている。

 前記冷媒回路(220)には、低段側の第1圧縮 (21a)と、高段側の第2圧縮機(21b)と、四路切 弁(22)と、室外熱交換器(23)と、室外膨張弁(24 )と、気液分離器(25)と、室内膨張弁(26)および 室内熱交換器(27)とが接続されている。

 具体的に、前記冷媒回路(220)において、 2圧縮機(21b)の吐出側が四路切換弁(22)の第1ポ ートに、第1圧縮機(21a)の吸入側が四路切換弁 (22)の第2ポートにそれぞれ接続されている。 1圧縮機(21a)と第2圧縮機(21b)とは、第1圧縮機 (21a)で圧縮して吐出した冷媒が第2圧縮機(21b) 吸入されてさらに圧縮されるように配管で 続されている。また、冷媒回路(220)では、 路切換弁(22)の第3ポートから第4ポートへ向 って順に、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24) 、気液分離器(25)、室内膨張弁(26)および室内 交換器(27)が順に配置されている。そして、 気液分離器(25)は、第1中間圧冷媒配管(25a)を して第1圧縮機(21a)と第2圧縮機(21b)とを接続 る配管に接続されている。

 前記第1及び第2圧縮機(21a,21b)は、実施形 1と同様の圧縮機である。これら第1及び第2 縮機(21a,21b)が圧縮機構を構成する。

 前記室外膨張弁(24)および室内膨張弁(26) 、いずれも弁体(図示省略)がパルスモータ( 示省略)で駆動される開度可変の電子膨張弁 よって構成されている。この室外膨張弁(24) が第1膨張機構を構成し、室内膨張弁(26)が第2 膨張機構を構成している。

 前記気液分離器(25)は縦長で円筒状の密閉 容器である。この気液分離器(25)は、ブリッ 回路(50)を介して室外膨張弁(24)及び室内膨張 弁(26)にそれぞれ接続されている。

 詳しくは、前記室外膨張弁(24)が第2中間 冷媒配管(25b)を介してとブリッジ回路(50)の の端子に接続されている。また、前記室内 張弁(26)が第3中間圧冷媒配管(25c)を介してブ ッジ回路(50)の別の端子に接続されている。 さらに、ブリッジ回路(50)のまた別の端子に 冷媒流入配管(25d)の一端部が接続されており 、この冷媒流入配管(25d)の他端部は、気液分 器(25)に接続されている。冷媒流入配管(25d) 他端部は、該気液分離器(25)の密閉容器の上 面を貫通しその上部空間に位置している。さ らにまた、ブリッジ回路(50)のさらに別の端 には冷媒流出配管(25e)の一端部が接続されて おり、この冷媒流出配管(25e)の他端部は、気 分離器(25)に接続されている。冷媒流出配管 (25e)の他端部は、該気液分離器(25)の密閉容器 の上面を貫通しその下部空間に位置している 。

 そして、前記第1中間圧冷媒配管(25a)の気 分離器(25)側の端部は、該気液分離器(25)の 閉容器の上部側面を貫通してその上部空間 位置している。

 この空気調和装置(210)は、実施形態1と同 に、四路切換弁(22)の切換によって、冷房運 転と暖房運転とが切り換え可能になっている 。

 冷房運転時には、四路切換弁(22)が第1状 に設定される。この状態で第1及び第2圧縮機 (21a,21b)を運転すると、室外熱交換器(23)が放 器(ガスクーラ)となり、各室内熱交換器(27) 蒸発器となって冷凍サイクルが行われる。 体的に、第1圧縮機(21a)から吐出された中間 冷媒が第2圧縮機(21b)で超臨界状態まで圧縮 れる。超臨界状態となった冷媒は、室外熱 換器(23)に流れて室外空気へ放熱する。放熱 た高圧冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧されて 気液二相状態の中間圧冷媒となり、第2中間 冷媒配管(25b)、ブリッジ回路(50)及び冷媒流 配管(25d)を介して気液分離器(25)に流入する 気液分離器(25)に流入した中間圧の冷媒は、 冷媒とガス冷媒とに分離される。そして、 間圧のガス冷媒は、気液分離器(25)の上部空 間から第1中間圧冷媒配管(25a)を介して第2圧 機(21b)の吸入側へ流れ、第1圧縮機(21a)から吐 出される中間圧のガス冷媒と合流して、第2 縮機(21b)に吸入される。一方、中間圧の液冷 媒は、気液分離器(25)の下部空間に一時的に 留された後、下部空間から冷媒流出配管(25e) 、ブリッジ回路(50)及び第3中間圧冷媒配管(25c )を介して流出して室内膨張弁(26)でさらに膨 して(減圧されて)気液二相状態の低圧冷媒 なり、室内熱交換器(27)へ流入する。室内熱 換器(27)では、冷媒が室内空気から吸熱して 蒸発し、冷却された室内空気が室内へ供給さ れる。蒸発した冷媒は、第1圧縮機(21a)へ吸入 されて圧縮される。

 暖房運転時には、四路切換弁(22)が第2状 に設定される。この状態で第1及び第2圧縮機 (21a,21b)を運転すると、室内熱交換器(27)が放 器(ガスクーラ)となり、室外熱交換器(23)が 発器となって冷凍サイクルが行われる。具 的に、第1圧縮機(21a)から吐出された中間圧 ガス冷媒が第2圧縮機(21b)で超臨界状態まで 縮される。超臨界状態の冷媒は、室内熱交 器(27)に流れて室内空気へ放熱する。これに り、加熱された室内空気が室内へ供給され 。放熱した冷媒は、室内膨張弁(26)で減圧さ れて気液二相状態の中間圧冷媒となり、第3 間圧冷媒配管(25c)、ブリッジ回路(50)及び冷 流入配管(25d)を介して気液分離器(25)に流入 る。気液分離器(25)に流入した中間圧の冷媒 、液冷媒とガス冷媒とに分離される。そし 、中間圧のガス冷媒は、気液分離器(25)の上 部空間から第1中間圧冷媒配管(25a)を介して第 2圧縮機(21b)の吸入側へ流れ、第1圧縮機(21a)か ら吐出される中間圧のガス冷媒と合流して、 第2圧縮機(21b)に吸入される。一方、中間圧の 液冷媒は気液分離器(25)の下部空間に一時的 貯留された後、下部空間から冷媒流出配管(2 5e)、ブリッジ回路(50)及び第2中間圧冷媒配管( 25b)を介して室外膨張弁(24)へ流入する。この 間圧の液冷媒は、室外膨張弁(24)を通過する 際に膨張して(減圧されて)気液二相状態の低 冷媒となり、室外熱交換器(23)へ流入する。 室外熱交換器(23)では、冷媒が室外空気から 熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第1圧縮 (21a)へ吸入されて圧縮される。

 このように構成された空気調和装置(210) おいては、前記冷媒回路(220)に、室内温度セ ンサ(31)と、低圧センサ(32)と、吐出温度セン (33)と、高圧センサ(34)と、吸入温度センサ(3 5)と、中間圧飽和温度センサ(36)と、暖房時ガ スクーラ出口温度センサ(37)とが設けられて る。

 室内温度センサ(31)は、室内熱交換器(27) 取り込まれる室内空気の温度を検出する温 検出手段である。低圧センサ(32)は、第1圧縮 機(21a)に吸入される冷媒の圧力、即ち、冷媒 路(220)における冷凍サイクルの低圧を検出 る温度検出手段である。吐出温度センサ(33) 、第2圧縮機(21b)から吐出される冷媒の温度 検出する温度検出手段である。高圧センサ( 34)は、第2圧縮機(21b)から吐出される冷媒の圧 力、即ち、冷媒回路(220)における冷凍サイク の高圧を検出する温度検出手段である。吸 温度センサ(35)は、第1圧縮機(21a)に吸入され る冷媒の温度を検出する温度検出手段である 。中間圧飽和温度センサ(36)は、ブリッジ回 (50)と気液分離器(25)とを接続する冷媒流出配 管(25e)に設けられ、中間圧冷媒の温度、即ち 冷凍サイクルの中間圧飽和温度を検出する 度検出手段である。暖房時ガスクーラ出口 度センサ(37)は、冷媒回路(220)において冷媒 暖房サイクルで循環するときに、室内熱交 器(27)の出口冷媒温度を検出する温度検出手 段である。

 前記コントローラ(240)は、前記室内温度 ンサ(31)、低圧センサ(32)、高圧センサ(34)、 入温度センサ(35)、中間圧飽和温度センサ(36) 及び暖房時ガスクーラ出口温度センサ(37)の 力信号が入力され、前記第1及び第2圧縮機(21 a,21b)の運転周波数、並びに室外及び室内膨張 弁(24,26)の開度を制御するように構成されて る。

 前記コントローラ(240)は、図5,6に示すよ に、冷凍サイクルの低圧の目標値である目 低圧Plsを算出する目標低圧算出部(41)と、冷 サイクルの高圧の目標値である目標高圧Phs 算出する目標高圧算出部(42)と、冷媒の過熱 度の目標値である目標過熱度SHsを算出する目 標過熱度算出部(44)と、冷媒の実際の過熱度 ある実過熱度SHを算出する実過熱度算出部(45 )と、冷媒の中間圧飽和温度の目標値である 標中間圧飽和温度T3sを算出する目標中間圧 和温度算出部(46)と、暖房運転時における冷 のガスクーラ出口温度の目標値である目標 スクーラ出口温度T4sを算出する目標ガスク ラ出口温度算出部(47)と、第1及び第2圧縮機( 21a,21b)並びに室外及び室内膨張弁(24,26)への制 御信号を生成する制御信号生成部(249)とを有 る。尚、コントローラ(240)は、冷房運転と 房運転とでは制御内容が異なるため、冷房 転時の制御ブロック図を図5に、暖房運転時 制御ブロック図を図6に分けて示している。

 前記目標過熱度算出部(44)は、冷房運転時 には設定温度Tsと室内温度センサ(31)からの室 内温度Taとの温度偏差etに基づいて、暖房運 時には該温度偏差et及び外気温度センサ(30) らの外気温T0に基づいて室外熱交換器(23)及 室内熱交換器(27)のうち蒸発器として機能す 熱交換器の目標過熱度SHsを算出する。

 前記実過熱度算出部(45)は、低圧センサ(32 )からの実低圧Plと吸入温度センサ(35)からの 吸入温度T2とに基づいて、室外熱交換器(23) び室内熱交換器(27)のうち蒸発器として機能 る熱交換器の出口における冷媒の実際の過 度である実過熱度SHを算出する。

 前記目標中間圧飽和温度算出部(46)は、外 気温度センサ(30)からの外気温度T0、室内温度 センサ(31)、高圧センサ(34)からの実高圧Ph、 圧センサ(32)からの実低圧Pl、目標高圧算出 (42)で算出した目標高圧Phs及び目標低圧算出 (41)で算出した目標低圧Plsのうち少なくとも 1つの値に基づいて、目標中間圧飽和温度T3s 算出する。

 前記目標ガスクーラ出口温度算出部(47)は 、前記温度偏差etに基づいて、室内熱交換器( 27)が放熱器として機能する場合の出口におけ る冷媒の温度の目標値である目標ガスクーラ 出口温度T4sを算出する。

 これら、目標過熱度算出部(44)、実過熱度 算出部(45)及び目標中間圧飽和温度算出部(46) それぞれは、マップ及び関数を有していて 各入力に対して対応する出力値(目標値)を 力するように構成されている。

 前記制御信号生成部(249)には、冷房運転 暖房運転とで異なる信号が入力されるよう 構成されている。また、制御信号生成部(249) は、入力信号に応じた制御パラメータを有す るPID制御部(p1c,p2c,…,p1d,p2d,…)を有している

 冷房運転時には、目標低圧算出部(41)で算 出した目標低圧Plsと低圧センサ(32)からの実 圧Plとの低圧偏差e1、目標高圧算出部(42)で算 出した目標高圧Phsと高圧センサ(34)からの実 圧Phとの高圧偏差e2、目標過熱度算出部(44)で 算出した目標過熱度SHsと実過熱度算出部(45) 算出した実過熱度SHとの過熱度偏差e4及び目 中間圧飽和温度算出部(46)で算出した目標中 間圧飽和温度T3sと中間圧飽和温度センサ(36) らの出力信号(即ち、実中間圧飽和温度T3)と 中間圧飽和温度偏差e5が制御信号生成部(249) に入力されている。

 また、冷房運転時には、制御信号生成部( 249)における16個のPID制御部(p1c,p2c,…)が機能 る。すなわち、制御信号生成部(249)に入力さ れた高圧偏差e2は4個の第1乃至第4PID制御部(p1c ~p4c)に入力され、中間圧飽和温度偏差e5は別 4個の第5乃至第8PID制御部(p5c~p8c)に入力され 低圧偏差e1はまた別の4個の第9乃至第12PID制 部(p9c~p12c)に入力され、過熱度偏差e4はさら 別の4個の第13乃至第16PID制御部(p13c~p16c)に入 されている。

 第1乃至第16PID制御部(p1c,p2c,…)はそれぞれ 、入力される偏差に所定の制御パラメータを 掛け合わせて出力する。その結果、制御信号 生成部(249)は、第1PID制御部(p1c)、第5PID制御部 (p5c)、第9PID制御部(p9c)及び第13PID制御部(p13c) らの出力信号を加算して第1圧縮機周波数制 信号δfc1を生成し、第2PID制御部(p2c)、第6PID 御部(p6c)、第10PID制御部(p10c)及び第14PID制御 (p14c)からの出力信号を加算して第2圧縮機周 波数制御信号δfc2を生成し、第3PID制御部(p3c) 第7PID制御部(p7c)、第11PID制御部(p11c)及び第15 PID制御部(p15c)からの出力信号を加算して室外 膨張弁開度制御信号δev1を生成し、第4PID制御 部(p4c)、第8PID制御部(p8c)、第12PID制御部(p12c) び第16PID制御部(p16c)からの出力信号を加算し て室内張弁開度制御信号δev2を生成している

 こうして生成された第1圧縮機周波数制御 信号δfc1、第2圧縮機周波数制御信号δfc2、室 膨張弁開度制御信号δev1及び室内膨張弁開 制御信号δev2は、空気調和装置(210)に出力さ る。

 空気調和装置(210)においては、第1圧縮機( 21a)の容量が第1圧縮機周波数制御信号δfc1に じた値に変化し、第2圧縮機(21b)の容量が第2 縮機周波数制御信号δfc2に応じた値に変化 る。

 また、室外膨張弁(24)は、室外膨張弁開度 制御信号δev1に応じた弁開度に調整され、室 膨張弁(26)も同様に、室内膨張弁開度制御信 号δev2に応じた弁開度に調整されるようにな 。

 そして、かかる運転状態で運転される空 調和装置(210)における低圧Pl、高圧Ph、吸入 度T2及び中間圧飽和温度T3が低圧センサ(32) 高圧センサ(34)、吸入温度センサ(35)及び中間 圧飽和温度センサ(36)を介してコントローラ(2 40)にフィードバックされる。こうして、コン トローラ(240)は、低圧Pl、高圧Ph、過熱度SH及 中間圧飽和温度T3が運転状態に応じた目標 となるようにフィードバック制御している

 このように、第1及び第2圧縮機周波数制 信号δfc1、δfc2並びに室外及び室内膨張弁開 制御信号δev1、δev2のそれぞれは、低圧偏差 e1、高圧偏差e2、過熱度偏差e4及び中間圧飽和 温度偏差e5を互いに関連付けて生成されてい 。つまり、各物理量に個別に対応した制御 象をそれぞれ別々に制御するのではなく、 1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに室外及び室内 張弁(24,26)を共に制御することで、低圧、高 、過熱度及び中間圧飽和温度を共に、即ち 時に制御している。すなわち、低圧、高圧 過熱度及び中間圧飽和温度のそれぞれは、 1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに室外及び室内 張弁(24,26)のうちの何れか1つによって制御さ れるのではなく、第1及び第2圧縮機(21a,21b)並 に室外及び室内膨張弁(24,26)の全てによって 制御される。さらに詳しくは、制御対象であ る第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに室外及び室 膨張弁(24,26)のそれぞれは、そのものだけが 駆動制御されるときの低圧、高圧、過熱度及 び中間圧飽和温度の変化だけでなく、そのも の以外の他の制御対象が駆動制御されるとき の低圧、高圧、過熱度及び中間圧飽和温度の 変化をも考慮して駆動制御される(換言すれ 、それらが考慮されるように、第1乃至第16PI D制御部(p1c,p2c,…)の制御パラメータが設定さ ている)。

 一方、暖房運転時には、目標高圧算出部( 42)で算出した目標高圧Phsと高圧センサ(34)か の実高圧Phとの高圧偏差e2、目標過熱度算出 (44)で算出した目標過熱度SHsと実過熱度算出 部(45)で算出した実過熱度SHとの過熱度偏差e4 目標中間圧飽和温度算出部(46)で算出した目 標中間圧飽和温度T3sと中間圧飽和温度センサ (36)からの実中間圧飽和温度T3との中間圧飽和 温度偏差e5及び目標ガスクーラ出口温度算出 (47)で算出した目標ガスクーラ出口温度T4sと 暖房時ガスクーラ出口温度センサ(37)からの 力信号(即ち、実ガスクーラ出口温度T4)との スクーラ出口温度偏差e6が制御信号生成部(2 49)に入力されている。

 また、暖房運転時には、制御信号生成部( 249)では、冷房運転時とは別の16個のPID制御部 (p1d,p2d,…)が機能する。すなわち、制御信号 成部(249)に入力された高圧偏差e2は4個の第1 至第4PID制御部(p1d~p4d)に入力され、中間圧飽 温度偏差e5は別の4個の第5乃至第8PID制御部(p 5d~p8d)に入力され、ガスクーラ出口温度偏差e6 はまた別の4個の第9乃至第12PID制御部(p9d~p12d) 入力され、過熱度偏差e4はさらに別の4個の 13乃至第16PID制御部(p13d~p16d)に入力されてい 。

 第1乃至第16PID制御部(p1d,p2d,…)はそれぞれ 、入力される偏差に所定の制御パラメータを 掛け合わせて出力する。その結果、制御信号 生成部(249)は、第1PID制御部(p1d)、第5PID制御部 (p5d)、第9PID制御部(p9d)及び第13PID制御部(p13d) らの出力信号を加算して第1圧縮機周波数制 信号δfc1を生成し、第2PID制御部(p2d)、第6PID 御部(p6d)、第10PID制御部(p10d)及び第14PID制御 (p14d)からの出力信号を加算して第2圧縮機周 波数制御信号δfc2を生成し、第3PID制御部(p3d) 第7PID制御部(p7d)、第11PID制御部(p11d)及び第15 PID制御部(p15d)からの出力信号を加算して室外 膨張弁開度制御信号δev1を生成し、第4PID制御 部(p4d)、第8PID制御部(p8d)、第12PID制御部(p12d) び第16PID制御部(p16d)からの出力信号を加算し て室内張弁開度制御信号δev2を生成している

 こうして生成された第1圧縮機周波数制御 信号δfc1、第2圧縮機周波数制御信号δfc2、室 膨張弁開度制御信号δev1及び室内膨張弁開 制御信号δev2は、空気調和装置(210)に出力さ る。

 空気調和装置(210)においては、第1圧縮機( 21a)の容量が第1圧縮機周波数制御信号δfc1に じて変化し、第2圧縮機(21b)の容量が第2圧縮 周波数制御信号δfc2に応じて変化する。ま 、室外膨張弁(24)が室外膨張弁開度制御信号 ev1に応じた弁開度に調整され、室内膨張弁(2 6)が室内膨張弁開度制御信号δev2に応じた弁 度に調整されるようになる。

 そして、かかる運転状態で運転される空 調和装置(210)における高圧Ph、吸入温度T2、 間圧飽和温度T3及びガスクーラ出口温度T4が 高圧センサ(34)、吸入温度センサ(35)、中間圧 和温度センサ(36)及び暖房時ガスクーラ出口 温度センサ(37)を介してコントローラ(240)にフ ィードバックされる。こうして、コントロー ラ(240)は、高圧Ph、過熱度SH、中間圧飽和温度 T3及びガスクーラ出口温度T4が運転状態に応 た目標値となるようにフィードバック制御 ている。

 このように、第1及び第2圧縮機周波数制 信号δfc1、δfc2並びに室外及び室内膨張弁開 制御信号δev1、δev2のそれぞれは、高圧偏差 e2、過熱度偏差e4、中間圧飽和温度偏差e5及び ガスクーラ出口温度偏差e6を互いに関連付け 生成されている。つまり、各物理量に個別 対応した制御対象をそれぞれ別々に制御す のではなく、第1及び第2圧縮機(21a,21b)並び 室外及び室内膨張弁(24,26)を共に制御するこ で、高圧、過熱度、中間圧飽和温度及びガ クーラ出口温度を共に、即ち同時に制御し いる。すなわち、高圧、過熱度、中間圧飽 温度及びガスクーラ出口温度のそれぞれは 第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに室外及び室 膨張弁(24,26)のうちの何れか1つによって制御 されるのではなく、第1及び第2圧縮機(21a,21b) びに室外及び室内膨張弁(24,26)の全てによっ て制御される。さらに詳しくは、制御対象で ある第1及び第2圧縮機(21a,21b)並びに室外及び 内膨張弁(24,26)のそれぞれは、そのものだけ が駆動制御されるときの高圧、過熱度、中間 圧飽和温度及びガスクーラ出口温度の変化だ けでなく、そのもの以外の他の制御対象が駆 動制御されるときの高圧、過熱度、中間圧飽 和温度及びガスクーラ出口温度の変化をも考 慮して駆動制御される(換言すれば、それら 考慮されるように、第1乃至第16PID制御部(p1d, p2d,…)の制御パラメータが設定されている)。

 したがって、本実施形態2によれば、空気 調和装置(210)における所定の物理量に加えて 凍サイクルの高圧を運転状態に応じた所定 目標値となるように複数の制御対象(例えば 、第1圧縮機(21a)や室外膨張弁(24)等)を同時に 動制御すると共に、複数の制御対象を制御 た際の該物理量及び冷凍サイクルの高圧の 化を考慮しつつ各制御対象を駆動制御する とによって、高圧を運転状態に応じた目標 に安定的に保ったまま、空気調和装置(210) 能力制御(例えば、冷房運転時であれば低圧 過熱度等)を行うことができる。その結果、 或る一の物理量を調整することによって、別 の物理量が変化し、その変化を是正すべく該 別の物理量を調整すると、さらに別の物理量 或いは先に調整した一の物理量が変化して、 さらに調整する必要が生じるというように、 制御しようとする物理量がなかなか収束しな いという事態を防止することができ、空気調 和装置(210)における能力制御及び高圧制御の 束性を向上させることができる。

 尚、本実施形態では、冷房運転時には、 圧、高圧、過熱度及び中間圧飽和温度とい 4つの物理量を第1及び第2圧縮機(21a,21b)並び 室外及び室内膨張弁(24,26)という4つの制御 象で制御すると共に、暖房運転時には、高 、過熱度、中間圧飽和温度及びガスクーラ 口温度という4つの物理量を第1及び第2圧縮 (21a,21b)並びに室外及び室内膨張弁(24,26)とい 4つの制御対象で制御しているが、制御対象 によっては各物理量に影響を与えやすいもの 、あるいは与えにくいものがある。つまり、 何れか1つの制御対象を変化させても、あま 変化しない物理量がある場合がある。本実 形態では、制御する物理量全てを入力とす と共にそれら全てを関連付けて制御対象ご の制御信号を生成しているが、影響を与え くい物理量がある制御対象の制御信号を生 する際には、その影響を与えにくい物理量 関連性を小さくする、あるいは関連性をな すようにしてもよい(具体的には、影響を与 にくい物理量がある制御対象の制御信号を 成するPID制御部(p1c,…,p1d,…)のうち該影響 与えにくい物理量のPID制御部の制御パラメ タを小さくする、あるいは零にしてもよい)

 《発明の実施形態3》
 続いて、本発明の実施形態3について説明す る。

 実施形態3に係る空気調和装置(310)は、冷 回路(320)において、室内熱交換器(27a,27b)が 数設けられている点で、実施形態1に係る空 調和装置(10)と異なる。

 詳しくは、空気調和装置(310)は、図7に示 ように、冷媒回路(320)とコントローラ(340)を 備えている。

 前記冷媒回路(320)には、圧縮機(21)と、四 切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、室外膨 弁(24)と、レシーバ(25)と、第1及び第2室内膨 弁(26a,26b)並びに第1及び第2室内熱交換器(27a, 27b)とが接続されている。この冷媒回路(320)で は、複数(本実施形態では、2つ)の室内熱交換 器(27a,27b)が互いに並列に接続され、各室内熱 交換器(27a(27b))毎に室内膨張弁(26a(26b))が接続 れている。

 具体的に、前記冷媒回路(320)において、 縮機(21)は、吐出側が四路切換弁(22)の第1ポ トに、吸入側が四路切換弁(22)の第2ポートに それぞれ接続されている。また、冷媒回路(32 0)では、四路切換弁(22)の第3ポートから第4ポ トへ向かって順に、室外熱交換器(23)、室外 膨張弁(24)、レシーバ(25)および2組の室内膨張 弁(26a,26b)および室内熱交換器(27a,27b)が順に配 置されている。

 室外膨張弁(24)並びに第1及び第2室内膨張 (26a,26b)は、いずれも弁体(図示省略)がパル モータ(図示省略)で駆動される開度可変の電 子膨張弁によって構成されている。この室外 膨張弁(24)が熱源側膨張機構を構成し、第1及 第2室内膨張弁(26a,26b)が利用側膨張機構を構 成している。

 第1及び第2室内熱交換器(27a,27b)には、そ ぞれ別々の第1及び第2室外ファン(29a,29b)が設 けられている。

 この空気調和装置(310)は、実施形態1と同 に、四路切換弁(22)の切換によって、冷房運 転と暖房運転とが切り換え可能になっている 。

 冷房運転時には、四路切換弁(22)が第1状 に設定される。この状態で圧縮機(21)を運転 ると、室外熱交換器(23)が放熱器となり、第 1及び第2室内熱交換器(27a,27b)が蒸発器となっ 冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮 (21)から吐出された超臨界状態の冷媒は、室 外熱交換器(23)に流れて室外空気へ放熱する 放熱した冷媒は、室外膨張弁(24)を通過する に膨張する(減圧される)。膨張した冷媒は レシーバ(25)を通過した後、分岐して第1及び 第2各室内膨張弁(26a,26b)を通過する。このと 、冷媒はさらに膨張して(減圧されて)、第1 び第2室内熱交換器(27a,27b)へ流れる。つまり レシーバ(25)を含む室外膨張弁(24)と室内膨 弁(26a,26b)の間の冷媒が中間圧状態になる。 1及び第2室内熱交換器(27a,27b)では、冷媒が室 内空気から吸熱して蒸発し、冷却された室内 空気が室内へ供給される。蒸発した冷媒は、 圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。

 暖房運転時には、四路切換弁(22)が第2状 に設定される。この状態で圧縮機(21)を運転 ると、第1及び第2室内熱交換器(27a,27b)が放 器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となっ 冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮 (21)から吐出された超臨界状態の冷媒は、第 1及び第2室内熱交換器(27a,27b)に分岐して流れ 室内空気へ放熱する。これにより、加熱さ た室内空気が室内へ供給される。放熱した 媒は、第1及び第2室内膨張弁(26a,26b)を通過 る際に膨張する(減圧される)。膨張した冷媒 は、レシーバ(25)を通過した後、室外膨張弁(2 4)を通過する際にさらに膨張する(減圧される )。つまり、レシーバ(25)を含む室外膨張弁(24) と第1及び第2室内膨張弁(26a,26b)の間の冷媒が 間圧状態になる。室外膨張弁(24)で膨張した 冷媒は、室外熱交換器(23)に流れて室外空気 ら吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧 機(21)へ吸入されて圧縮される。

 このように構成された空気調和装置(310) おいては、前記冷媒回路(320)に、第1及び第2 内温度センサ(31a,31b)と、低圧センサ(32)と、 高圧センサ(34)と、吸入温度センサ(35)と、第1 及び第2暖房時ガスクーラ出口温度センサ(37a, 37b)と、第1及び第2蒸発器出口温度センサ(38a,3 8b)と、冷房時ガスクーラ出口温度センサ(39) 設けられている。

 第1及び第2室内温度センサ(31a,31b)は、第1 び第2室内熱交換器(27a,27b)に取り込まれる室 内空気の温度を検出する温度検出手段であっ て、第1及び第2室内熱交換器(27a,27b)ごとに設 られている。第1及び第2暖房時ガスクーラ 口温度センサ(37a,37b)は、冷媒回路(320)におい て冷媒が暖房サイクルで循環するときに、第 1及び第2室内熱交換器(27a,27b)の出口冷媒温度 それぞれ検出する温度検出手段であって、 1及び第2室内熱交換器(27a,27b)ごとに設けら ている。第1及び第2蒸発器出口温度センサ(38 a,38b)は、冷媒回路(320)において冷媒が冷房サ クルで循環するときに、第1及び第2室内熱 換器(27a,27b)の出口冷房温度をそれぞれ検出 る温度検出手段であって、第1及び第2室内熱 交換器(27a,27b)ごとに設けられている。

 前記コントローラ(340)は、第1及び第2室内 温度センサ(31a,31b)、低圧センサ(32)、高圧セ サ(34)、吸入温度センサ(35)、第1及び第2暖房 ガスクーラ出口温度センサ(37a,37b)並びに第1 及び第2蒸発器出口温度センサ(38a,38b)の出力 号が入力され、圧縮機(21)の運転周波数並び 室外、第1及び第2室内膨張弁(24,26a,26b)の開 を制御するように構成されている。

 前記コントローラ(340)は、図8,9に示すよ に、冷凍サイクルの低圧の目標値である目 低圧Plsを算出する目標低圧算出部(41)と、冷 サイクルの高圧の目標値である目標高圧Phs 算出する目標高圧算出部(42)と、冷媒の実際 の過熱度である実過熱度SHを算出する実過熱 算出部(45)と、冷房運転時の第1室内熱交換 (27a)の出口における冷媒の過熱度の目標値で ある目標第1過熱度SHasを算出する目標第1過熱 度算出部(44a)と、冷房運転時の第2室内熱交換 器(27b)の出口における冷媒の過熱度の目標値 ある目標第2過熱度SHbsを算出する目標第2過 度算出部(44b)と、暖房運転時の第1室内熱交 器(27a)の出口における冷媒のガスクーラ出 温度の目標値である目標第1ガスクーラ出口 度T4asを算出する目標第1ガスクーラ出口温 算出部(47a)と、暖房運転時の第2室内熱交換 (27b)の出口における冷媒のガスクーラ出口温 度の目標値である目標第2ガスクーラ出口温 T4bsを算出する目標第2ガスクーラ出口温度算 出部(47b)と、暖房運転時の室外熱交換器(23)の 出口における冷媒の過熱度の目標値である目 標過熱度SHsを算出する目標過熱度算出部(44) 、圧縮機(21)並びに室外、第1室内及び第2室 膨張弁(24,26a,26b)への制御信号を生成する制 信号生成部(349)とを有する。尚、コントロー ラ(340)は、冷房運転と暖房運転とでは制御内 が異なるため、冷房運転時の制御ブロック を図8に、暖房運転時の制御ブロック図を図 9に分けて示している。

 前記目標低圧算出部(41)は、第1室内熱交 器(27a)側の設定温度Tsaと第1室内温度センサ(3 1a)からの室内温度Taaとの温度偏差eta及び、第 2室内熱交換器(27b)側の設定温度Tsbと第2室内 度センサ(31b)からの室内温度Tabとの温度偏差 etbに基づいて、空気調和装置(310)全体として 目標低圧Plsを算出する。

 前記目標高圧算出部(42)は、冷房運転時に は外気温度センサ(30)からの外気温T0及び冷房 時ガスクーラ出口温度センサ(39)からのガス ーラ出口温度T4に基づいて、暖房運転時には 第1室内熱交換器(27a)側の温度偏差eta及び第2 内熱交換器(27b)側の温度偏差etb、目標第1ガ クーラ出口温度算出部(47a)で算出される目標 第1ガスクーラ出口温度T4as、目標第2ガスクー ラ出口温度算出部(47b)で算出される目標第2ガ スクーラ出口温度T4bs並びに第1及び第2暖房時 ガスクーラ出口温度センサ(37a,37b)からの第1 び第2ガスクーラ出口温度T4a,T4bの少なくとも 1つに基づいて、空気調和装置(310)全体として の目標高圧Phsを算出する。

 前記目標第1過熱度算出部(44a)は、第1室内 熱交換器(27a)側の温度偏差etaに基づいて、目 第1過熱度SHasを算出する。

 前記目標第2過熱度算出部(44b)は、第2室内 熱交換器(27b)側の温度偏差etbに基づいて、目 第2過熱度SHbsを算出する。

 前記実過熱度算出部(45)は、冷房運転時に は、低圧センサ(32)からの実低圧Plと第1又は 2蒸発器出口温度センサ(38a,38b)からの第1又は 第2蒸発器出口温度T5a,T5bとに基づいて第1又は 第2室内熱交換器(27a,27b)の出口における冷媒 実際の過熱度である実第1又は第2過熱度SHa,SH bを算出する一方、暖房運転時には、低圧セ サ(32)からの実低圧Plと吸入温度センサ(35)か の実吸入温度T2とに基づいて室外熱交換器(2 3)の出口における冷媒の実際の過熱度である 過熱度SHを算出する。

 前記目標第1ガスクーラ出口温度算出部(47 a)は、第1室内熱交換器(27a)側の温度偏差etaに づいて、目標第1ガスクーラ出口温度T4asを 出する。

 前記目標第2ガスクーラ出口温度算出部(47 b)は、第2室内熱交換器(27b)側の温度偏差etbに づいて、目標第2ガスクーラ出口温度T4bsを 出する。

 これら、目標低圧算出部(41)、目標高圧算 出部(42)、目標第1過熱度算出部(44a)、目標第2 熱度算出部(44b)、目標過熱度算出部(44)、目 第1ガスクーラ出口温度算出部(47a)及び目標 2ガスクーラ出口温度算出部(47b)のそれぞれ 、マップ及び関数を有していて、各入力に して対応する出力値を出力するように構成 れている。

 前記制御信号生成部(349)には、冷房運転 暖房運転とで異なる信号が入力されるよう 構成されている。また、制御信号生成部(349) は、入力信号に応じた制御パラメータを有す るPID制御部(p1e,p2e,…,p1f,p2f,…)を有している

 冷房運転時には、目標低圧算出部(41)で算 出した目標低圧Plsと低圧センサ(32)からの実 圧Plとの低圧偏差e1、目標高圧算出部(42)で算 出した目標高圧Phsと高圧センサ(34)からの実 圧Phとの高圧偏差e2、目標第1過熱度算出部(44 a)で算出した目標過熱度SHasと実過熱度算出部 (45)で算出した第1室内熱交換器(27a)側の実第1 熱度SHaとの第1過熱度偏差e4a及び目標第2過 度算出部(44b)で算出した目標過熱度SHbsと実 熱度算出部(45)で算出した第2室内熱交換器(27 b)側の実第2過熱度SHbとの第2過熱度偏差e4bが 御信号生成部(349)に入力されている。

 また、冷房運転時には、制御信号生成部( 349)における16個のPID制御部(p1e,p2e,…)が機能 る。すなわち、制御信号生成部(349)に入力さ れた低圧偏差e1は4個の第1乃至第4PID制御部(p1e ~p4e)に入力され、高圧偏差e2は別の4個の第5乃 至第8PID制御部(p5e~p8e)に入力され、第1過熱度 差e4aはまた別の4個の第9乃至第12PID制御部(p9 e~p12e)に入力され、第2過熱度偏差e4bはさらに の4個の第13乃至第16PID制御部(p13e~p16e)に入力 されている。

 第1乃至第16PID制御部(p1e,p2e,…)はそれぞれ 、入力される偏差に所定の制御パラメータを 掛け合わせて出力する。詳しくは、制御信号 生成部(349)は、第1PID制御部(p1e)、第5PID制御部 (p5e)、第9PID制御部(p9e)及び第13PID制御部(p13e) らの出力信号を加算して圧縮機周波数制御 号δfcを生成し、第2PID制御部(p2e)、第6PID制御 部(p6e)、第10PID制御部(p10e)及び第14PID制御部(p1 4e)からの出力信号を加算して室外膨張弁開度 制御信号δev1を生成し、第3PID制御部(p3e)、第7 PID制御部(p7e)、第11PID制御部(p11e)及び第15PID制 御部(p15e)からの出力信号を加算して第1室内 張弁開度制御信号δev2aを生成し、第4PID制御 (p4e)、第8PID制御部(p8e)、第12PID制御部(p12e)及 び第16PID制御部(p16e)からの出力信号を加算し 第2室内張弁開度制御信号δev2bを生成してい る。

 こうして生成された圧縮機周波数制御信 δfc、室外膨張弁開度制御信号δev1、第1室内 膨張弁開度制御信号δev2a及び第2室内膨張弁 度制御信号δev2bは、空気調和装置(310)に出力 される。

 空気調和装置(310)においては、圧縮機(21) 容量が圧縮機周波数制御信号δfcに応じた値 に変化する。

 また、室外膨張弁(24)は、室外膨張弁開度 制御信号δev1に応じた弁開度に調整され、第1 室内膨張弁(26a)は、第1室内膨張弁開度制御信 号δev2aに応じた弁開度に調整され、第2室内 張弁(26b)は、第2室内膨張弁開度制御信号δev2 bに応じた弁開度に調整されるようになる。

 そして、かかる運転状態で運転される空 調和装置(310)における低圧Pl、高圧Ph、第1室 内熱交換器(27a)側の第1蒸発器出口温度T5a及び 第2室内熱交換器(27b)側の第2蒸発器出口温度T5 bが低圧センサ(32)、高圧センサ(34)並びに第1 び第2蒸発器出口温度センサ(38a,38b)を介して ントローラ(340)にフィードバックされる。 うして、コントローラ(340)は、低圧Pl、高圧P h並びに第1及び第2過熱度SHa,SHbが運転状態に じた目標値となるようにフィードバック制 している。

 このように、圧縮機周波数制御信号δfc並 びに室外、第1室内及び第2室内膨張弁開度制 信号δev1、δev2a、δev2bのそれぞれは、低圧 差e1、高圧偏差e2、第1過熱度偏差e4a及び第2 熱度偏差e4bを互いに関連付けて生成されて る。つまり、各物理量に個別に対応した制 対象をそれぞれ別々に制御するのではなく 圧縮機(21)、室外膨張弁(24)並びに第1及び第2 内膨張弁(26a,26b)を共に制御することで、低 、高圧、第1過熱度及び第2過熱度を共に、 ち同時に制御している。すなわち、低圧、 圧、第1過熱度及び第2過熱度のそれぞれは、 圧縮機(21)、室外膨張弁(24)並びに第1及び第2 内膨張弁(26a,26b)のうちの何れか1つによって 御されるのではなく、圧縮機(21)、室外膨張 弁(24)並びに第1及び第2室内膨張弁(26a,26b)の全 てによって制御される。さらに詳しくは、制 御対象である圧縮機(21)、室外膨張弁(24)並び 第1及び第2室内膨張弁(26a,26b)のそれぞれは そのものだけが駆動制御されるときの低圧 高圧、第1過熱度及び第2過熱度の変化だけで なく、そのもの以外の他の制御対象が駆動制 御されるときの低圧、高圧、第1過熱度及び 2過熱度の変化をも考慮して駆動制御される( 換言すれば、それらが考慮されるように、第 1乃至第16PID制御部(p1e,p2e,…)の制御パラメー が設定されている)。

 一方、暖房運転時には、目標高圧算出部( 42)で算出した目標高圧Phsと高圧センサ(34)か の実高圧Phとの高圧偏差e2、目標過熱度算出 (44)で算出した目標過熱度SHsと実過熱度算出 部(45)で算出した実過熱度SHとの過熱度偏差e4 目標第1ガスクーラ出口温度算出部(47a)で算 した目標第1ガスクーラ出口温度T4asと第1暖 時ガスクーラ出口温度センサ(37a)からの実 1ガスクーラ出口温度T4aとの第1ガスクーラ出 口温度偏差e6a及び目標第2ガスクーラ出口温 算出部(47b)で算出した目標第2ガスクーラ出 温度T4bsと第2暖房時ガスクーラ出口温度セン サ(37b)からの実第2ガスクーラ出口温度T4bとの 第2ガスクーラ出口温度偏差e6bが制御信号生 部(349)に入力されている。

 また、暖房運転時には、制御信号生成部( 349)では、冷房運転時とは別の16個のPID制御部 (p1f,p2f,…)が機能する。すなわち、制御信号 成部(349)に入力された、高圧偏差e2は4個の第 1乃至第4PID制御部(p1f~p4f)に入力され、第1ガス クーラ出口温度偏差e6aは別の4個の第5乃至第8 PID制御部(p5f~p8f)に入力され、第2ガスクーラ 口温度偏差e6bはまた別の4個の第9乃至第12PID 御部(p9f~p12f)に入力され、過熱度偏差e4はさ に別の4個の第13乃至第16PID制御部(p13f~p16f)に 入力されている。

 第1乃至第16PID制御部(p1f,p2f,…)はそれぞれ 、入力される偏差に所定の制御パラメータを 掛け合わせて出力する。詳しくは、制御信号 生成部(349)は、第1PID制御部(p1f)、第5PID制御部 (p5f)、第9PID制御部(p9f)及び第13PID制御部(p13f) らの出力信号を加算して圧縮機周波数制御 号δfcを生成し、第2PID制御部(p2e)、第6PID制御 部(p6e)、第10PID制御部(p10e)及び第14PID制御部(p1 4e)からの出力信号を加算して室外膨張弁開度 制御信号δev1を生成し、第3PID制御部(p3e)、第7 PID制御部(p7e)、第11PID制御部(p11e)及び第15PID制 御部(p15e)からの出力信号を加算して第1室内 張弁開度制御信号δev2aを生成し、第4PID制御 (p4e)、第8PID制御部(p8e)、第12PID制御部(p12e)及 び第16PID制御部(p16e)からの出力信号を加算し 第2室内張弁開度制御信号δev2bを生成してい る。

 こうして生成された圧縮機周波数制御信 δfc、室外膨張弁開度制御信号δev1、第1室内 膨張弁開度制御信号δev2a及び第2室内膨張弁 度制御信号δev2bは、空気調和装置(310)に出力 される。

 空気調和装置(310)においては、圧縮機(21) 容量が圧縮機周波数制御信号δfcに応じた値 に変化する。

 室外膨張弁(24)は、室外膨張弁開度制御信 号δev1に応じた弁開度に調整され、第1室内膨 張弁(26a)は、第1室内膨張弁開度制御信号δev2a に応じた弁開度に調整され、第2室内膨張弁(2 6b)は、第2室内膨張弁開度制御信号δev2bに応 た弁開度に調整されるようになる。

 そして、かかる運転状態で運転される空 調和装置(310)における低圧Pl、高圧Ph、第1室 内熱交換器(27a)側の第1ガスクーラ出口温度T4a 及び第2室内熱交換器(27b)側の第2ガスクーラ 口温度T4bが低圧センサ(32)、高圧センサ(34)並 びに第1及び第2暖房時ガスクーラ出口温度セ サ(37a,37b)を介してコントローラ(340)にフィ ドバックされる。こうして、コントローラ(3 40)は、低圧Pl、高圧Ph並びに第1及び第2過熱度 SHa,SHbが運転状態に応じた目標値となるよう フィードバック制御している。

 このように、圧縮機周波数制御信号δfc並 びに室外、第1室内及び第2室内膨張弁開度制 信号δev1、δev2a、δev2bのそれぞれは、高圧 差e2、過熱度偏差e4、第1ガスクーラ出口温度 偏差e6a及び第2ガスクーラ出口温度偏差e6bを いに関連付けて生成されている。つまり、 物理量に個別に対応した制御対象をそれぞ 別々に制御するのではなく、圧縮機(21)、室 膨張弁(24)並びに第1及び第2室内膨張弁(26a,26 b)を共に制御することで、高圧、過熱度、第1 ガスクーラ出口温度及び第2ガスクーラ出口 度を共に、即ち同時に制御している。すな ち、高圧、過熱度、第1ガスクーラ出口温度 び第2ガスクーラ出口温度のそれぞれは、圧 縮機(21)、室外膨張弁(24)並びに第1及び第2室 膨張弁(26a,26b)のうちの何れか1つによって制 されるのではなく、圧縮機(21)、室外膨張弁 (24)並びに第1及び第2室内膨張弁(26a,26b)の全て によって制御される。さらに詳しくは、制御 対象である圧縮機(21)、室外膨張弁(24)並びに 1及び第2室内膨張弁(26a,26b)のそれぞれは、 のものだけが駆動制御されるときの高圧、 熱度、第1ガスクーラ出口温度及び第2ガスク ーラ出口温度の変化だけでなく、そのもの以 外の他の制御対象が駆動制御されるときの高 圧、過熱度、第1ガスクーラ出口及び第2ガス ーラ出口温度の変化をも考慮して駆動制御 れる(換言すれば、それらが考慮されるよう に、第1乃至第16PID制御部(p1f,p2f,…)の制御パ メータが設定されている)。

 したがって、本実施形態3によれば、空気 調和装置(310)における所定の物理量に加えて 凍サイクルの高圧を運転状態に応じた所定 目標値となるように複数の制御対象(例えば 、圧縮機(21)や室外膨張弁(24)等)を同時に駆動 制御すると共に、複数の制御対象を制御した 際の該物理量及び冷凍サイクルの高圧の変化 を考慮しつつ各制御対象を駆動制御すること によって、高圧を運転状態に応じた目標値に 安定的に保ったまま、空気調和装置(310)の能 制御(例えば、冷房運転時であれば低圧や過 熱度等)を行うことができる。その結果、或 一の物理量を調整することによって、別の 理量が変化し、その変化を是正すべく該別 物理量を調整すると、さらに別の物理量或 は先に調整した一の物理量が変化して、さ に調整する必要が生じるというように、制 しようとする物理量がなかなか収束しない いう事態を防止することができ、空気調和 置(310)における能力制御及び高圧制御の収束 性を向上させることができる。

 尚、本実施形態では、冷房運転時には、 圧、高圧、第1過熱度及び第2過熱度という4 の物理量を圧縮機(21)、室外膨張弁(24)並び 第1及び第2室内膨張弁(26a,26b)という4つの制 対象で制御すると共に、暖房運転時には、 圧、第1ガスクーラ出口温度、第2ガスクーラ 出口温度及び過熱度という4つの物理量を圧 機(21)、室外膨張弁(24)並びに第1及び第2室内 張弁(26a,26b)という4つの制御対象で制御して いるが、制御対象によっては各物理量に影響 を与えやすいもの、あるいは与えにくいもの がある。つまり、何れか1つの制御対象を変 させても、あまり変化しない物理量がある 合がある。本実施形態では、制御する物理 全てを入力とすると共にそれら全てを関連 けて制御対象ごとの制御信号を生成してい が、影響を与えにくい物理量がある制御対 の制御信号を生成する際には、その影響を えにくい物理量の関連性を小さくする、あ いは関連性をなくすようにしてもよい(具体 には、影響を与えにくい物理量がある制御 象の制御信号を生成するPID制御部(p1e,…,p1f, …)のうち該影響を与えにくい物理量のPID制 部の制御パラメータを小さくする、あるい 零にしてもよい)。

 《その他の実施形態》
 本発明は、前記実施形態について、以下の うな構成としてもよい。

 すなわち、本発明は、前記実施形態に係 冷媒回路に限られるものではなく、任意の 媒回路に採用することができる。例えば、 10に示すように、二段圧縮冷凍サイクルを い且つ室内機が複数設けられたマルチタイ の空気調和装置(410)であってもよい。この場 合、例えば、高圧、低圧、第1蒸発器出口温 、第2蒸発器出口温度及び中間圧飽和温度を 力として、これら複数の物理量を関連させ 第1及び第2圧縮機(21a,21b)、第1及び第2室内膨 張弁(26a,26b)並びに室外膨張弁(24)をそれぞれ 動制御する制御信号を生成してもよい。そ 結果、第1及び第2圧縮機(21a,21b)、第1及び第2 内膨張弁(26a,26b)並びに室外膨張弁(24)の全て が調整された場合に、高圧、低圧、第1蒸発 出口温度、第2蒸発器出口温度及び中間圧飽 温度のそれぞれが所定の目標値となるよう 、第1及び第2圧縮機(21a,21b)、第1及び第2室内 膨張弁(26a,26b)並びに室外膨張弁(24)それぞれ 制御信号が生成される、すなわち、第1及び 2圧縮機(21a,21b)、第1及び第2室内膨張弁(26a,26 b)並びに室外膨張弁(24)が駆動制御される。

 また、例えば、図11に示すように、室外 交換器(23)と室外膨張弁(24)との間に内部熱交 換器(51)を設けた、二段圧縮冷凍サイクルを い且つ室内機が複数設けられたマルチタイ の空気調和装置(510)であってもよい。

 詳しくは、空気調和装置(510)においては 室外熱交換器(23)とレシーバ(25)とを接続する 接続配管(52)の途中から分岐して、第1圧縮機( 21a)と第2圧縮機(21b)とを接続する配管に接続 れるバイパス配管(53)が設けられている。こ バイパス配管(53)の途中には、バイパス側膨 張弁(54)が設けられており、バイパス配管(53) 流通する冷媒はこのバイパス側膨張弁(54)に よって減圧されて中間圧冷媒となる。

 また、接続配管(52)のうちバイパス配管(53 )の分岐部よりもレシーバ(25)側の部分に、室 膨張弁(24)が設けられている。

 そして、前記内部熱交換器(51)は、接続配 管(52)のうちバイパス配管(53)との分岐部と室 膨張弁(24)の間の部分と、バイパス配管(53) うちバイパス側膨張弁(54)よりも下流側の部 とに跨って設けられており、両部を流れる 媒同士で熱交換させる。すなわち、冷房運 時において、バイパス配管(53)を流通する冷 媒は、バイパス側膨張弁(54)によって減圧さ て中間圧の液冷媒又は気液二相冷媒となっ 後、内部熱交換器(51)を流通することで接続 管(52)を流れる冷媒から吸熱して過熱状態の ガス冷媒となって第2圧縮機(21b)の吸入側へ流 れていく。一方、接続配管(52)を流通する冷 は、室外熱交換器(23)から流出した後、内部 交換器(51)を流通することでバイパス配管(53 )を流れる冷媒へ放熱することによって過冷 状態となり、その後、室外膨張弁(24)によっ 減圧されて中間圧となってレシーバ(25)へ流 入する。

 接続配管(52)のうち室外膨張機(24)よりも シーバ(25)側の部分には、レシーバ圧飽和温 センサ(55)が設けられている。また、バイパ ス配管(53)のうち内部熱交換器(51)よりも下流 の部分に中間圧飽和温度センサ(36)が設けら れている。

 このように構成された空気調和装置(510) おいては、例えば、高圧、低圧、第1蒸発器 口温度、第2蒸発器出口温度、中間圧飽和温 度及びレシーバ圧飽和温度センサ(55)によっ 検出されるレシーバ内圧を入力として、こ ら複数の物理量を関連させて第1及び第2圧縮 機(21a,21b)、第1及び第2室内膨張弁(26a,26b)、室 膨張弁(24)並びにバイパス側膨張弁(54)をそ ぞれ駆動制御する制御信号を生成している その結果、第1及び第2圧縮機(21a,21b)、第1及 第2室内膨張弁(26a,26b)、室外膨張弁(24)並びに バイパス側膨張弁(54)の全てが調整された場 に、高圧、低圧、第1蒸発器出口温度、第2蒸 発器出口温度、中間圧飽和温度及びレシーバ 内圧のそれぞれが所定の目標値となるように 、第1及び第2圧縮機(21a,21b)、第1及び第2室内 張弁(26a,26b)、室外膨張弁(24)並びにバイパス 膨張弁(54)それぞれの制御信号が生成される 、すなわち、第1及び第2圧縮機(21a,21b)、第1及 び第2室内膨張弁(26a,26b)、室外膨張弁(24)並び バイパス側膨張弁(54)が駆動制御される。

 さらに、前記実施形態2では、2つの圧縮 (21a,21b)と2つの膨張弁(24,26)とを設けて、二段 圧縮冷凍サイクルを行うように構成されてい るが、1つの圧縮機を設け、該圧縮機の圧縮 程の途中にガスインジェクションする構成 あってもよい。この場合、制御対象が1つの 縮機と2つの膨張弁(24,26)との合計3つになる め、制御する物理量も合計3つ(少なくとも 凍サイクルの高圧を含む)にすることが好ま い。

 また、前記実施形態においては、複数の 理量を入力として、各物理量に制御パラメ タを掛け合わせたものを互いに加算するこ で、一の制御対象に対する制御信号を生成 ているが、これに限られるものではない。 えば、各冷媒回路の冷凍サイクルの動的モ ルに基づいて、複数の物理量を入力として これに制御パラメータからなる行列を掛け わせることによって、複数の制御信号を出 として算出するように構成してもよい。こ ような構成であっても、複数の物理量の入 を互いに関連付けさせて、制御対象の制御 号を生成することができ、複数の制御対象 共に制御することで、複数の物理量を共に 御することができ、各物理量の収束性を向 させることができる。

 さらに、前記実施形態においては、膨張 構として膨張弁を採用しているが、これに られるものではなく、膨張機であってもよ 。

 さらにまた、前記実施形態1においてのみ 、室外ファン(28)を制御対象として制御して るが、それ以外の実施形態においても室外 ァン(28)を併用して高圧制御及び能力制御を こなってもよい。

 尚、以上の実施形態は、本質的に好まし 例示であって、本発明、その適用物、ある はその用途の範囲を制限することを意図す ものではない。

 以上説明したように、本発明は、超臨界 イクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置に いて有用である。