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Title:
FREEZING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116282
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a freezing device (20) including a compressor (30) and a coolant circuit (10) for circulating a coolant by the compressor (30) to perform a freezing cycle. The compressor (30) has a fluid machine (82) for compressing the coolant and a motor (85) for driving the fluid machine (82). The compressor (30) uses a freezer oil having a volume resistivity of 1010 Ω m or above at the temperature of 20 degrees C.

Inventors:
MATSUURA HIDEKI (JP)
TANAKA MASARU (JP)
HARA HIDEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001208
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 18, 2009
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
MATSUURA HIDEKI (JP)
TANAKA MASARU (JP)
HARA HIDEKI (JP)
International Classes:
F04B39/02; C09K5/04; C10M105/38; C10M107/24; C10M171/00; F04B39/00; F04C18/02; F04C29/00; F04C29/02; F25B1/00; H02K5/02; C10N20/00; C10N20/02; C10N30/00; C10N30/02; C10N30/06; C10N40/30
Domestic Patent References:
WO2007086972A22007-08-02
Foreign References:
JPH10147682A1998-06-02
JP2006274057A2006-10-12
JP2005281603A2005-10-13
JPH01319589A1989-12-25
JPH04110388A1992-04-10
Other References:
See also references of EP 2267311A1
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (JP)
Hiroshi Maeda (JP)
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Claims:
  圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、
  上記圧縮機(30)は、冷媒を圧縮する流体機械(82)と、該流体機械(82)を駆動する電動機(85)とを備え、
  上記冷媒回路(10)には、分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置であって、
  上記圧縮機(30)には、体積抵抗率が20℃において10 10  ω・m以上の冷凍機油が用いられていることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1において、
  上記冷凍機油は、主成分がポリオールエステル及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1つで構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1又は2において、
  上記冷凍機油は、動粘度が40℃において30cSt以上400cSt以下であることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1又は2において、
  上記冷凍機油は、流動点が-30℃以下であることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1又は2において、
  上記冷凍機油は、表面張力が20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下であることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1又は2において、
  上記圧縮機(30)では、上記電動機(85)の絶縁材料として、ポリビニルフォルマール、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、エポキシ樹脂の群から選ばれる1又は2以上の物質が用いられていることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1又は2において、
  上記分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンであることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1又は2において、
  上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ジフルオロメタンとを含む混合冷媒であることを特徴とする冷凍装置。
  請求項1又は2において、
  上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ペンタフルオロエタンとを含む混合冷媒であることを特徴とする冷凍装置。
  圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、
  上記圧縮機(30)は、冷媒を圧縮する流体機械(82)と、該流体機械(82)を駆動する電動機(85)とを備え、
  上記冷媒回路(10)には、分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置であって、
  上記圧縮機(30)では、上記電動機(85)の絶縁材料に、ポリビニルフォルマール、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、エポキシ樹脂の群から選ばれる1又は2以上の物質が用いられていることを特徴とする冷凍装置。
Description:
冷凍装置

  本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装 に関するものである。

  従来より、冷凍サイクルを行う冷媒回 を備えた冷凍装置は、空気調和装置や給湯 等に広く適用されている。

  特許文献1には、この種の冷凍装置が開 されている。この冷凍装置は、冷媒が充填 れて閉回路を構成する冷媒回路を備えてい 。冷媒回路には、圧縮機、凝縮器、膨張弁 蒸発器が接続されている。圧縮機が運転さ ると、圧縮機で圧縮された冷媒が凝縮器で 気へ放熱して凝縮する。凝縮器で凝縮した 媒は、膨張弁で減圧された後、蒸発器で蒸 する。蒸発後の冷媒は、圧縮機に吸入され 再び圧縮される。

  また、特許文献1の冷媒回路には、分子式1 :C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の 係が成立する。)で表され且つ分子構造中に 重結合を1個有する冷媒が用いられている。 この冷媒は、塩素原子や臭素原子を含まず、 オゾン層の破壊への影響が小さいことが知ら れている。

特開平4-110388号公報

  ところで、上記分子式1で表され且つ分 構造中に二重結合を1個有する冷媒は、体積 抵抗率が比較的低い冷媒である。つまり、こ の冷媒は、絶縁性が比較的低い冷媒である。 従って、この冷媒を冷凍装置に用いた場合に は、圧縮機において体積抵抗率が低くなり、 電圧絶縁性が低下する。また、電動機の電流 が冷媒を介して漏れやすく、漏れ電流が増加 するおそれがある。

  本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の 係が成立する。)で表され且つ分子構造中に 重結合を1個有する冷媒を用いる冷凍装置に おいて、圧縮機において電圧絶縁性の低下を 防ぎ、電動機の漏れ電流を抑制することにあ る。

  第1の発明は、圧縮機(30)によって冷媒を循 環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を え、上記圧縮機(30)は、冷媒を圧縮する流体 械(82)と、該流体機械(82)を駆動する電動機(8 5)とを備え、上記冷媒回路(10)には、分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の 係が成立する。)で表され且つ分子構造中に 重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む 混合冷媒が充填されている冷凍装置を対象と する。そして、この冷凍装置の圧縮機(30)に 、体積抵抗率が20℃において10 10  ω・m以上の冷凍機油が用いられている。

  上記第1の発明では、冷媒回路(10)の冷媒と して、上記分子式1で表され且つ分子構造中 二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含 混合冷媒が用いられている。また、圧縮機( 30)には、体積抵抗率が20℃において10 10  ω・m以上の冷凍機油が用いられている。つ り、体積抵抗率が比較的大きい範囲の冷凍 油が、圧縮機(30)に用いられている。

  第2の発明は、上記第1の発明において、 上記冷凍機油が、ポリオールエステル及びポ リビニルエーテルのうち少なくとも1つを主 分としている。

  上記第2の発明では、ポリオールエステ 及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1 つを主成分とする冷凍機油が、圧縮機(30)に いられている。ポリオールエステル及びポ ビニルエーテルは、何れも、体積抵抗率が 較的高く、上記分子式1で表され且つ分子構 中に二重結合を1個有する冷媒に対して溶解 しやすい相溶性を有する冷凍機油である。こ のため、冷媒回路(10)では、冷凍機油に冷媒 ある程度溶解する。

  第3の発明は、上記第1又は第2の発明に いて、上記冷凍機油の動粘度が40℃において 30cSt以上400cSt以下である。

  上記第3の発明では、冷凍機油の動粘度 、40℃において400cSt以下である。このため 冷媒が冷凍機油にある程度溶解する。また 冷凍機油の動粘度が40℃において30cSt以上で るため、動粘度が低すぎて油膜強度が不十 になることはなく、潤滑性能が確保される

  第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1 の発明において、上記冷凍機油の流動点が- 30℃以下である。

  上記第4の発明では、流動点が-30℃以下 冷凍機油が圧縮機(30)に用いられている。こ のため、冷媒の蒸発温度が-30℃を上回る条件 で冷凍サイクルを行う場合には、冷媒回路(10 )において圧縮機(30)から吐出された冷凍機油 、低温部位でも流動性が確保され、圧縮機( 30)に戻ることが可能となる。

  第5の発明は、上記第1乃至第4の何れか1 の発明において、上記冷凍機油の表面張力 、20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下である。

  上記第5の発明では、冷凍機油の表面張 を、20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下の範囲 にしている。ここで、冷凍機油の表面張力が 小さすぎると、圧縮機(30)内のガス冷媒中で 凍機油が小さな油滴になりやすく、比較的 量の冷凍機油が冷媒と共に圧縮機(30)から吐 されてしまう。従って、圧縮機(30)から冷媒 と共に吐出される冷凍機油の量が多くなりす ぎるおそれがある。一方、冷凍機油の表面張 力が大きすぎると、圧縮機(30)から吐出され 冷凍機油が、冷媒回路(10)において大きな油 になりやすい。このため、圧縮機(30)から吐 出された冷凍機油が、冷媒によって押し流さ れにくくなり、圧縮機(30)に戻ってきにくく る。この第5の発明では、圧縮機(30)から多量 に吐出されるような小さな油滴になりにくく 、冷媒によって流れにくくなるような大きな 油滴になりにくい範囲の表面張力の冷凍機油 が用いられている。

  第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1 の発明において、上記圧縮機(30)では、上記 電動機(85)の絶縁材料に、ポリビニルフォル ール、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル 、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエス テルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポ リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ フタレート、ポリブチレンテフタレート、ポ リフェニレンサルファイド、ポリエーテルエ ーテルケトン、液晶ポリマー、エポキシ樹脂 の群から選ばれる1又は2以上の物質が用いら ている。

  第7の発明は、上記第1乃至第6の何れか1つ 発明において、上記分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の 係が成立する。)で表され且つ分子構造中に 重結合を1個有する冷媒は、2,3,3,3-テトラフ オロ-1-プロペンである。

  上記第7の発明では、冷媒回路(10)に充填 された冷媒が、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロ ンからなる単一冷媒、又は2,3,3,3-テトラフ オロ-1-プロペンを含む混合冷媒である。

  第8の発明は、上記第1乃至第7の何れか1つ 発明において、上記冷媒回路(10)に充填され る冷媒は、上記分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の 係が成立する。)で表され且つ分子構造中に 重結合を1個有する冷媒と、ジフルオロメタ ンとを含む混合冷媒である。

  上記第8の発明では、冷媒回路(10)の冷媒 として、上記分子式1で表され且つ分子構造 に二重結合を1個有する冷媒とジフルオロメ ンとを含む混合冷媒が用いられている。こ で、上記分子式1で表され且つ分子構造中に 二重結合を1個有する冷媒は、いわゆる低圧 媒である。このため、例えば上記分子式1で され且つ分子構造中に二重結合を1個有する 冷媒からなる単一冷媒を用いる場合には、冷 媒の圧力損失が冷凍装置(20)の運転効率に与 る影響が比較的大きく、理論上の運転効率 対して実際の運転効率が比較的大きく低下 てしまう。従って、この第8の発明では、上 分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合 を1個有する冷媒に、いわゆる高圧冷媒であ ジフルオロメタンが加えられている。

  第9の発明は、上記第1乃至第7の何れか1つ 発明において、上記冷媒回路(10)に充填され る冷媒は、上記分子式1:C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の 係が成立する。)で表され且つ分子構造中に 重結合を1個有する冷媒と、ペンタフルオロ エタンとを含む混合冷媒である。

  上記第9の発明では、冷媒回路(10)の冷媒 として、上記分子式1で表され且つ分子構造 に二重結合を1個有する冷媒とペンタフルオ エタンとを含む混合冷媒が用いられている ここで、上記分子式1で表され且つ分子構造 中に二重結合を1個有する冷媒は、微燃性の 媒である。従って、この第9の発明では、上 分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合 を1個有する冷媒に、難燃性の冷媒であるペ タフルオロエタンが加えられている。

  第10の発明は、圧縮機(30)によって冷媒を 環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を え、上記圧縮機(30)は、冷媒を圧縮する流体 機械(82)と、該流体機械(82)を駆動する電動機( 85)とを備え、上記冷媒回路(10)には、分子式1: C 3 H m F n (但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の 係が成立する。)で表され且つ分子構造中に 重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む 混合冷媒が充填されている冷凍装置を対象と する。そして、この冷凍装置の圧縮機(30)で 、上記電動機(85)の絶縁材料に、ポリビニル ォルマール、ポリエステル、THEIC変性ポリ ステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、 リエステルイミド、ポリエステルアミドイ ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ レンナフタレート、ポリブチレンテフタレ ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ テルエーテルケトン、液晶ポリマー、エポ シ樹脂の群から選ばれる1又は2以上の物質が 用いられている。

  上記第6、第10の各発明では、電動機(85) 絶縁材料に、ポリビニルフォルマール、ポ エステル、THEIC変性ポリエステル、ポリア ド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミ 、ポリエステルアミドイミド、ポリエチレ テレフタレート、ポリエチレンナフタレー 、ポリブチレンテフタレート、ポリフェニ ンサルファイド、ポリエーテルエーテルケ ン、液晶ポリマー、エポキシ樹脂の群から ばれる1又は2以上の物質が用いられている。 これら物質は、高温高圧の冷媒により物理的 や化学的に変性を受けにくい性質を有してい る。このため、電動機(85)では、絶縁材料に 媒が接触しても、絶縁材料が変性しにくく その絶縁材料の絶縁性が低下しにくい。

  本発明では、上記分子式1で表され且つ 子構造中に二重結合を1個有する冷媒を用い る冷凍装置において、体積抵抗率が比較的大 きい範囲の冷凍機油が、圧縮機(30)に用いら ている。このため、圧縮機(30)のケーシング( 70)内では、冷媒と冷凍機油の混合流体の体積 抵抗率がある程度高い値になる。従って、圧 縮機(30)において電動機(85)からの漏れ電流を 制することができる。

  また、上記第2の発明では、上記分子式1 で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有 る冷媒に対して溶解しやすいポリオールエ テル及びポリビニルエーテルのうち少なく も1つを主成分とする冷凍機油が圧縮機(30)に 用いられているので、冷媒回路(10)では冷媒 冷凍機油にある程度溶解する。

  ここで、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出 れた冷凍機油は、冷媒が溶け込むことで流 性が高くなり冷媒回路(10)を移動しやすくな る。このため、冷凍機油に冷媒が溶解しにく い場合には、圧縮機(30)から吐出された冷凍 油が、圧縮機(30)に戻ってきにくくなる。従 て、圧縮機(30)において冷凍機油が不足する おそれがあり、圧縮機(30)において潤滑不良 生じるおそれがある。そして、圧縮機(30)に いて潤滑不良が生じると、摩擦熱によって 媒が分解し、冷媒の体積抵抗率が低下して まう。上記分子式1で表され且つ分子構造中 に二重結合を1個有する冷媒は、安定性が比 的低いので、潤滑不良が生じると、体積抵 率が大きく低下するおそれがある。

  これに対して、この第2の発明では、冷 機油に冷媒がある程度溶解するので、圧縮 (30)から吐出された冷凍機油が圧縮機(30)に りやすい。このため、圧縮機(30)における冷 機油の貯留量を充分に確保することができ 圧縮機(30)において冷凍機油不足による潤滑 不良が生じることを抑制することができる。 そして、潤滑不良によって冷媒が分解するこ とを抑制でき、冷媒の体積抵抗率が低下する ことを抑制することができる。従って、冷媒 の分解が原因で電動機(85)からの漏れ電流が 加することを抑制することができる。

  また、上記第3の発明では、潤滑性能が 保されて且つ冷媒がある程度溶解する範囲 動粘度の冷凍機油が用いられている。この め、圧縮機(30)において潤滑不良が生じるこ とを抑制することができ、潤滑不良によって 冷媒が分解することを抑制することができる 。従って、冷媒の分解が原因で電動機(85)か の漏れ電流が増加することを抑制すること できる。

  また、上記第4の発明では、冷媒の蒸発 度が-30℃を上回る条件で冷凍サイクルを行 場合に、冷媒回路(10)の低温部位でも冷凍機 油の流動性が確保され、圧縮機(30)から吐出 れた冷凍機油が圧縮機(30)に戻ってくること 可能となる。このため、圧縮機(30)において 冷凍機油が不足することを抑制できるので、 圧縮機(30)において潤滑不良が生じることを 制することができ、潤滑不良によって冷媒 分解することを抑制することができる。従 て、冷媒の分解が原因で電動機(85)からの漏 電流が増加することを抑制することができ 。

  また、上記第5の発明では、圧縮機(30)か ら多量に吐出されるような小さな油滴になり にくく、冷媒によって流れにくくなるような 大きな油滴になりにくい範囲の表面張力の冷 凍機油が用いられている。このため、圧縮機 (30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量 低く抑えこまれ、また圧縮機(30)から吐出さ てしまった冷凍機油は冷媒によって容易に し流されて圧縮機(30)に戻ってくることにな る。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の 留量を充分に確保することができるので、 縮機(30)において冷凍機油不足によって潤滑 良が生じることを抑制することができ、潤 不良によって冷媒が分解することを抑制す ことができる。よって、従って、冷媒の分 が原因で電動機(85)からの漏れ電流が増加す ることを抑制することができる。

  また、上記第8の発明では、上記分子式1 で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有 る冷媒に、いわゆる高圧冷媒であるジフル ロメタンが加えられている。このため、冷 の圧力損失が冷凍装置(20)の運転効率に与え 影響を小さくすることができるので、冷凍 置(20)の実際の運転効率を向上させることが できる。

  また、上記第9の発明では、上記分子式1 で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有 る冷媒に、難燃性の冷媒であるペンタフル ロエタンが加えられている。従って、冷媒 路(10)の冷媒が燃えにくくなるので、冷凍装 (20)の信頼性を向上させることができる。

  また、上記第6、上記第10の各発明では 冷媒に接触しても絶縁性が低下しにくい物 が、電動機(85)の絶縁材料に用いられている このため、電動機(85)の絶縁材料の絶縁性が 低下することを回避することができ、電動機 (85)からの漏れ電流が増加することを抑制す ことができる。

図1は、実施形態に係る冷凍装置の概略 構成図である。 図2は、実施形態に係る圧縮機の縦断面 図である。 図3は、実施形態に係る圧縮機の流体機 械の横断面図である。

符号の説明

 10 冷媒回路
 11 室外熱交換器
 15 室内熱交換器
 20 冷凍装置
 22 室外機
 23 室内機
 30 圧縮機

  以下、本発明の実施形態を図面に基づ て詳細に説明する。

  本実施形態は、本発明に係る冷凍装置(2 0)によって構成された空気調和装置(20)である 。本実施形態の空気調和装置(20)は、図1に示 ように、室外機(22)と3台の室内機(23a,23b,23c) を備えている。なお、室内機(23a,23b,23c)の台 数は、単なる例示である。

  上記空気調和装置(20)は、冷媒を充填さ て冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えて いる。冷媒回路(10)は、室外機(22)に収容され 室外回路(9)と、各室内機(23a,23b,23c)に収容さ れる室内回路(17a,17b,17c)とを備えている。こ らの室内回路(17a,17b,17c)は、液側連絡配管(18) 及びガス側連絡配管(19)によって室外回路(9) 接続されている。これらの室内回路(17a,17b,17 c)は、互いに並列に接続されている。

  本実施形態の冷媒回路(10)には、冷媒とし 2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(以下、「H FO-1234yf」という。)の単一冷媒が充填されて る。なお、HFO-1234yfの化学式は、CF 3 -CF=CH 2 で表される。

  〈室外回路の構成〉
  室外回路(9)には、圧縮機(30)、室外熱交換 (11)、室外膨張弁(12)、及び四路切換弁(13)が けられている。

  圧縮機(30)は、例えば運転容量が可変な ンバータ式の圧縮機として構成されている 圧縮機(30)には、インバータを介して電力が 供給される。圧縮機(30)は、吐出側が四路切 弁(13)の第2ポート(P2)に接続され、吸入側が 路切換弁(13)の第1ポート(P1)に接続されてい 。なお、圧縮機(30)についての詳細は後述す 。

  室外熱交換器(11)は、クロスフィン型の ィン・アンド・チューブ熱交換器として構 されている。室外熱交換器(11)の近傍には、 室外ファン(14)が設けられている。室外熱交 器(11)では、室外空気と冷媒との間で熱交換 行われる。室外熱交換器(11)は、一端が四路 切換弁(13)の第3ポート(P3)に接続され、他端が 室外膨張弁(12)に接続されている。また、四 切換弁(13)の第4ポート(P4)は、ガス側連絡配 (19)に接続されている。

  室外膨張弁(12)は、室外熱交換器(11)と室 外回路(9)の液側端との間に設けられている。 室外膨張弁(12)は、開度可変の電子膨張弁と て構成されている。

  四路切換弁(13)は、第1ポート(P1)と第4ポ ト(P4)とが連通して第2ポート(P2)と第3ポート (P3)とが連通する第1状態(図1に実線で示す状 )と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通し て第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する 2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え自 に構成されている。

  〈室内回路の構成〉
  各室内回路(17a,17b,17c)には、そのガス側端 ら液側端へ向かって順に、室内熱交換器(15a ,15b,15c)と、室内膨張弁(16a,16b,16c)とが設けら ている。

  室内熱交換器(15a,15b,15c)は、クロスフィ 型のフィン・アンド・チューブ熱交換器と て構成されている。室内熱交換器(15a,15b,15c) の近傍には、室内ファン(21a,21b,21c)が設けら ている。室内熱交換器(15a,15b,15c)では、室内 気と冷媒との間で熱交換が行われる。また 室内膨張弁(16a,16b,16c)は、開度可変の電子膨 張弁として構成されている。

  〈圧縮機の構成〉
  圧縮機(30)は、例えば全密閉の高圧ドーム のスクロール圧縮機として構成されている 圧縮機(30)の構成を図2及び図3に従って説明 る。

  圧縮機(30)は、いわゆる縦型の圧縮機で 密閉容器を形成するケーシング(70)を備えて いる。ケーシング(70)の内部には、下から上 向かって、電動機(85)と流体機械(82)とが配置 されている。

  電動機(85)は、ステータ(83)とロータ(84) を備えている。ステータ(83)は、ケーシング( 70)の胴部に固定されている。一方、ロータ(84 )は、ステータ(83)の内側に配置され、クラン 軸(90)が連結されている。

  流体機械(82)は、可動スクロール(76)と固 定スクロール(75)とを備えている。可動スク ール(76)は、略円板状の可動側鏡板(76b)と、 巻き状の可動側ラップ(76a)とを備えている。 可動側ラップ(76a)は可動側鏡板(76b)の前面(上 )に立設されている。また、可動側鏡板(76b) 背面(下面)には、クランク軸(90)の偏心部が 入された円筒状の突出部(76c)が立設されて る。可動スクロール(76)は、オルダムリング( 79)を介して、可動スクロール(76)の下側に配 されたハウジング(77)に支持されている。一 、固定スクロール(75)は、略円板状の固定側 鏡板(75b)と、渦巻き状の固定側ラップ(75a)と 備えている。固定側ラップ(75a)は固定側鏡板 (75b)の前面(下面)に立設されている。流体機 (82)では、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(7 6a)とが互いに噛み合うことによって、両ラッ プ(75a,76a)の接触部の間に複数の圧縮室(73a,73b) が形成されている。

  なお、本実施形態の圧縮機(30)では、い ゆる非対称渦巻き構造が採用されており、 定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とで巻き 数(渦巻きの長さ)が相違している。上記複数 圧縮室(73a,73b)は、固定側ラップ(75a)の内周 と可動側ラップ(76a)の外周面との間に構成さ れる第1圧縮室(73a)と、固定側ラップ(75a)の外 面と可動側ラップ(76a)の内周面との間に構 される第2圧縮室(73b)とから構成されている

  流体機械(82)では、固定スクロール(75)の 外縁部に吸入ポート(98)が形成されている。 入ポート(98)には、ケーシング(70)の頂部を貫 通する吸入管(57)が接続されている。吸入ポ ト(98)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴 って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞ れに間欠的に連通する。また、吸入ポート(98 )には、圧縮室(73a,73b)から吸入管(57)へ戻る冷 の流れを禁止する吸入逆止弁が設けられて る(図示省略)。

  また、流体機械(82)では、固定側鏡板(75b )の中央部に吐出ポート(93)が形成されている 吐出ポート(93)は、可動スクロール(76)の公 運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b )のそれぞれに間欠的に連通する。吐出ポー (93)は、固定スクロール(75)の上側に形成され たマフラー空間(96)に開口している。

  ケーシング(70)内は、円盤状のハウジン (77)によって、上側の吸入空間(101)と下側の 出空間(100)とに区画されている。吸入空間(1 01)は、図示しない連通ポートを通じて、吸入 ポート(98)に連通している。吐出空間(100)は、 固定スクロール(75)とハウジング(77)とに亘っ に形成された連絡通路(103)を通じて、マフ ー空間(96)に連通している。運転中の吐出空 (100)は、吐出ポート(93)から吐出された冷媒 マフラー空間(96)を通じて流入するので、流 体機械(82)で圧縮された冷媒で満たされる高 空間になる。吐出空間(100)には、ケーシング (70)の胴部を貫通する吐出管(56)が開口してい 。

  本実施形態の圧縮機(30)では、電動機(85) の絶縁材料に、高温高圧の冷媒に接触した場 合でも、冷媒により物理的や化学的に変性を 受けない物質で、特に耐溶剤性、耐抽出性、 熱的・化学的安定性、耐発泡性を有する物質 が用いられている。電動機(85)の絶縁材料と ては、ステータ(83)の巻き線の絶縁被覆材料 ステータ(83)及びロータ(84)の絶縁フィルム がある。

  具体的に、ステータ(83)の巻き線の絶縁 覆材料は、ポリビニルフォルマール、ポリ ステル、THEIC変性ポリエステル、ポリアミ 、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド ポリエステルアミドイミドのうちから選ば る1種類又は複数種類の物質が用いられてい 。なお、好ましいのは、上層がポリアミド ミド、下層がポリエステルイミドの二重被 線である。また、上記物質以外に、ガラス 移温度が120℃以上のエナメル被覆を用いて よい。

  また、絶縁フィルムには、ポリエチレ テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ ート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポ ブチレンテフタレート(PBT)のうちから選ば る1種類又は複数種類の物質が用いられてい 。なお、絶縁フィルムに、発泡材料が冷凍 イクルの冷媒と同じ発泡フィルムを用いる とも可能である。インシュレーター等の巻 線を保持する絶縁材料には、ポリエーテル ーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)のう から選ばれる1種類又は複数種類の物質が用 られている。ワニスには、エポキシ樹脂が いられている。

  また、圧縮機(30)では、シール材料に、 リテトラフルオロエチレン、アラミド繊維 NBRからなるパッキン、パーフルオロエラス マー、シリコンゴム、水素化NBRゴム、フッ ゴム、ヒドリンゴムのうちから選ばれる1種 類又は複数種類の物質が用いられている。

  また、ケーシング(70)の底部には、冷凍 油が貯留される油溜まりが形成されている また、クランク軸(90)の内部には、油溜まり に開口する第1給油通路(104)が形成されている 。また、可動側鏡板(76b)には、第1給油通路(10 4)に接続する第2給油通路(105)が形成されてい 。この圧縮機(30)では、油溜まりの冷凍機油 が第1給油通路(104)及び第2給油通路(105)を通じ て低圧側の圧縮室(73a,73b)に供給される。

  本実施形態では、ポリオールエステル びポリビニルエーテルの2種類の基油のうち なくとも1種類を主成分とする冷凍機油を圧 縮機(30)に用いることが可能である。例えば 本実施形態の冷凍機油には、この2種類のう ポリビニルエーテルだけを主成分とする冷 機油が用いられている。

  本実施形態の冷凍機油では、下記一般 (I)で表される構成単位を有するポリビニル ーテルを主成分とする冷凍機油が用いられ いる。この構造のポリビニルエーテルは、 リビニルエーテルの中でも、上記分子式1で され且つ分子構造中に二重結合を1個有する 冷媒との相溶性に優れている。

  一般式(I)において、R1、R2、及びR3は、 素又は炭素数が1以上8以下の炭化水素基を表 している。R1、R2、及びR3は、同一でもよく、 互いに異なっていてもよい。また、一般式(I) においては、構成単位毎において、R4が炭素 が1又は2のアルキル基が40%以上100%以下、炭 数が3又は4のアルキル基が0%以上60%以下の構 成比を有している。

  また、本実施形態の冷凍機油は、体積抵 率が10 10  ω・m以上10 15  ω・m以下で、動粘度が40℃において30cSt以上 400cSt以下で、流動点が-30℃以下で、表面張力 が20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下で、密度 15℃において0.8g/cm 3 以上1.8g/cm 3 以下で、飽和水分量が温度30℃、相対湿度90% おいて2000ppm以上で、さらにアニリン点が所 定の数値範囲内の値になっている。なお、こ れらの冷凍機油の物性値は、後述する変形例 、及びその他の実施形態に記載した冷凍機油 も同じである。これらの物性値は、冷媒が溶 解しない状態の冷凍機油自体の値である。

  流動点の値は、「JIS K 2269」に規定さ た試験方法によって得られる。また、「ア リン点」は、例えば炭化水素系溶剤等の溶 性を示す数値であり、試料(ここでは冷凍機 )を等容積のアニリンと混合して冷やしたと きに、互いに溶解し合えなくなって濁りがみ え始めたときの温度を表すものである。アニ リン点の値は、「JIS K 2256」に規定された試 験方法によって得られる。なお、上記分子式 1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有 る冷媒と適合する樹脂材料を選定する際に 、冷凍機油のアニリン点を考慮して樹脂材 を選定することが重要である。

  本実施形態では、体積抵抗率が比較的 きい範囲の冷凍機油が用いられている。こ ため、圧縮機(30)のケーシング(70)内では、冷 媒と冷凍機油の混合流体の体積抵抗率がある 程度高い値になる。従って、圧縮機(30)にお て電動機(85)からの漏れ電流が比較的少なく る。

  また、本実施形態では、冷凍機油の主成 となるポリビニルエーテルが、HFO-1234yfに対 て相溶性を有している。そして、冷凍機油 動粘度は、40℃において400cSt以下である。 のため、HFO-1234yfが、冷凍機油にある程度溶 する。また、冷凍機油の流動点が-30℃以下 あるため、冷媒回路(10)において低温の冷媒 が流れる領域で、流動しない状態にはならな い。また、冷凍機油の表面張力が20℃におい 0.04N/m以下であるため、圧縮機(30)から吐出 れた冷凍機油が冷媒によって押し流されに くなるような大きな油滴になりにくい。ま 、冷凍機油の密度が15℃において1.8g/cm 3 以下であるため、密度が大きすぎて圧縮機(30 )から吐出された冷凍機油が圧縮機(30)に戻り くくなることが回避される。従って、圧縮 (30)から吐出された冷凍機油は、HFO-1234yfに 解してHFO-1234yfと共に圧縮機(30)に戻ってくる 。

  また、冷凍機油の表面張力が20℃において 0.02N/m以上であるため、圧縮機(30)内のガス冷 中で小さな油滴になりにくく、圧縮機(30)か ら多量に冷凍機油が吐出されることがない。 また、冷凍機油の密度が15℃において0.8g/cm 3 以下であるため、密度が小さすぎて、圧縮機 (30)から多量に冷凍機油が吐出されることが 避される。

  このように、本実施形態では、圧縮機(3 0)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が く抑えられ、また圧縮機(30)から吐出されて しまった冷凍機油は冷媒に溶け込んで戻って くることになる。従って、圧縮機(30)におけ 冷凍機油の貯留量を充分に確保することが きる。

  さらに、冷凍機油の動粘度が40℃におい て30cSt以上であるため、動粘度が低すぎて油 強度が不十分になることがなく、潤滑性能 確保される。このように、本実施形態では 圧縮機(30)において冷凍機油が不足すること がなく、充分な油膜強度を確保することがで きる。このため、圧縮機(30)において潤滑不 が生じることが抑制され、摩擦熱によって 媒が分解して冷媒の体積抵抗率が低下する とが抑制される。従って、冷媒の分解が原 で電動機(85)からの漏れ電流が増加すること 抑制される。

  また、本実施形態では、冷凍機油の飽 水分量が、温度30℃/相対湿度90%において2000p pm以上であるため、冷凍機油の吸湿性が比較 高いものとなる。これにより、HFO-1234yf中の 水分を冷凍機油によって有る程度捕捉するこ とが可能となる。HFO-1234yfは、含有される水 の影響により、変質/劣化し易い分子構造を する。よって、冷凍機油による吸湿効果に り、このような劣化を抑制することができ 。

  また、本実施形態では、樹脂によって 成された電動機(85)の絶縁材料の絶縁性が低 しない所定の数値範囲内のアニリン点の冷 機油が用いられている。ここで、アニリン が低すぎると、冷凍機油が、樹脂によって 成された電動機(85)の絶縁材料を膨潤させ、 絶縁性を低下させる。一方、アニリン点が高 すぎると、冷凍機油が、電動機(85)の絶縁材 を収縮させて、絶縁材料の硬度が高くなる このため、圧縮機(30)の振動によって絶縁材 が破損しやすくなり、電動機(85)の絶縁性が 低下するおそれがある。従って、この実施形 態では、電動機(85)の絶縁材料を膨潤させる とがなく、その絶縁材料が硬くならない所 の数値範囲内のアニリン点の冷凍機油が用 られている。つまり、電動機(85)の絶縁性が 下しない所定の数値範囲内のアニリン点の 凍機油が用いられている。このため、冷凍 油の影響を受けて電動機(85)の絶縁材料の絶 縁性が低下することが回避される。

  また、本実施形態の冷凍機油には、添 剤として、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防 剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤が 加されている。なお、本実施形態では上記6 類の添加剤を全て使用しているが、各添加 は必要に応じて添加すればよく、添加剤が1 種類だけであってもよい。個々の添加剤の配 合量は、冷凍機油に含まれる割合が0.01質量% 上5質量%以下になるように設定されている なお、酸捕捉剤の配合量、及び酸化防止剤 配合量は、0.05質量%以上3質量%以下の範囲が ましい。

  酸捕捉剤には、フェニルグリシジルエ テル、アルキルグリシジルエーテル、アル レングリコールグリシジルエーテル、シク ヘキセンオキシド、α-オレフィンオキシド エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物を いることができる。なお、これらの中で相 性の観点から好ましい酸捕捉剤は、フェニ グリシジルエーテル、アルキルグリシジル ーテル、アルキレングリコールグリシジル ーテル、シクロヘキセンオキシド、α-オレ ィンオキシドである。アルキルグリシジル ーテルのアルキル基、及びアルキレングリ ールグリシジルエーテルのアルキレン基は 分岐を有していてもよい。これらの炭素数 、3以上30以下であればよく、4以上24以下で ればより好ましく、6以上16以下であれば更 好ましい。また、α-オレフィンオキシドは 全炭素数が4以上50以下であればよく、4以上2 4以下であればより好ましく、6以上16以下で れば更に好ましい。酸捕捉剤は、1種だけを いてもよく、複数種類を併用することも可 である。

  なお、極圧添加剤には、リン酸エステ 類を含むものを用いることができる。リン エステル類としては、リン酸エステル、亜 ン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び 性亜リン酸エステル等を用いることができ 。また、極圧添加剤には、リン酸エステル には、リン酸エステル、亜リン酸エステル 酸性リン酸エステル、及び酸性亜リン酸エ テルのアミン塩を含むものを用いることも きる。

  リン酸エステルには、トリアリールホ フェート、トリアルキルホスフェート、ト アルキルアリールホスフェート、トリアリ ルアルキルホスフェート、トリアルケニル スフェート等がある。さらに、リン酸エス ルを具体的に列挙すると、トリフェニルホ フェート、トリクレジルホスフェート、ベ ジルジフェニルホスフェート、エチルジフ ニルホスフェート、トリブチルホスフェー 、エチルジブチルホスフェート、クレジル フェニルホスフェート、ジクレジルフェニ ホスフェート、エチルフェニルジフェニル スフェート、ジエチルフェニルフェニルホ フェート、プロピルフェニルジフェニルホ フェート、ジプロピルフェニルフェニルホ フェート、トリエチルフェニルホスフェー 、トリプロピルフェニルホスフェート、ブ ルフェニルジフェニルホスフェート、ジブ ルフェニルフェニルホスフェート、トリブ ルフェニルホスフェート、トリヘキシルホ フェート、トリ(2-エチルヘキシル)ホスフェ ト、トリデシルホスフェート、トリラウリ ホスフェート、トリミリスチルホスフェー 、トリパルミチルホスフェート、トリステ リルホスフェート、トリオレイルホスフェ ト等がある。

  また、亜リン酸エステルの具体例とし は、トリエチルホスファイト、トリブチル スファイト、トリフェニルホスファイト、 リクレジルホスファイト、トリ(ノニルフェ ル)ホスファイト、トリ(2-エチルヘキシル) スファイト、トリデシルホスファイト、ト ラウリルホスファイト、トリイソオクチル スファイト、ジフェニルイソデシルホスフ イト、トリステアリルホスファイト、トリ レイルホスファイト等がある。

  また、酸性リン酸エステルの具体例と ては、2-エチルヘキシルアシッドホスフェー ト、エチルアシッドホスフェート、ブチルア シッドホスフェート、オレイルアシッドホス フェート、テトラコシルアシッドホスフェー ト、イソデシルアシッドホスフェート、ラウ リルアシッドホスフェート、トリデシルアシ ッドホスフェート、ステアリルアシッドホス フェート、イソステアリルアシッドホスフェ ート等がある。

  また、酸性亜リン酸エステルの具体例 しては、ジブチルハイドロゲンホスファイ 、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、 オレイルハイドゲンホスファイト、ジステ リルハイドロゲンホスファイト、ジフェニ ハイドロゲンホスファイト等がある。以上 リン酸エステル類の中で、オレイルアシッ ホスフェート、ステアリルアシッドホスフ ートが好適である。

  また、リン酸エステル、亜リン酸エス ル、酸性リン酸エステル又は酸性亜リン酸 ステルのアミン塩に用いられるアミンのう モノ置換アミンの具体例としては、ブチル ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、 クロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラ リルアミン、ステアリルアミン、オレイル ミン、ベンジルアミン等がある。また、ジ 換アミンの具体例としては、ジブチルアミ 、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、 シクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、 オレイルアミン、ジベンジルアミン、ステ リル・モノエタノールアミン、デシル・モ エタノールアミン、ヘキシル・モノプロパ ールアミン、ベンジル・モノエタノールア ン、フェニル・モノエタノールアミン、ト ル・モノプロパノール等がある。また、ト 置換アミンの具体例としては、トリブチル ミン、トリペンチルアミン、トリヘキシル ミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオ チルアミン、トリラウリルアミン、トリス アリルアミン、トリオレイルアミン、トリ ンジルアミン、ジオレイル・モノエタノー アミン、ジラウリル・モノプロパノールア ン、ジオクチル・モノエタノールアミン、 ヘキシル・モノプロパノールアミン、ジブ ル・モノプロパノールアミン、オレイル・ エタノールアミン、ステアリル・ジプロパ ールアミン、ラウリル・ジエタノールアミ 、オクチル・ジプロパノールアミン、ブチ ・ジエタノールアミン、ベンジル・ジエタ ールアミン、フェニル・ジエタノールアミ 、トリル・ジプロパノールアミン、キシリ ・ジエタノールアミン、トリエタノールア ン、トリプロパノールアミン等がある。

  また、上記以外の極圧添加剤を添加す ことも可能である。例えば、モノスルフィ 類、ポリスルフィド類、スルホキシド類、 ルホン類、チオスルフィネート類、硫化油 、チオカーボネート類、チオフェン類、チ ゾール類、メタンスルホン酸エステル類等 有機硫黄化合物系の極圧添加剤、チオリン トリエステル類等のチオリン酸エステル系 極圧添加剤、高級脂肪酸、ヒドロキシアリ ル脂肪酸類、多価アルコールエステル類、 クリル酸エステル類等のエステル系の極圧 加剤、塩素化炭化水素類、塩素化カルボン 誘導体等の有機塩素系の極圧添加剤、フッ 化脂肪族カルボン酸類、フッ素化エチレン 脂、フッ素化アルキルポリシロキサン類、 ッ素化黒鉛等の有機フッ素化系の極圧添加 、高級アルコール等のアルコール系の極圧 加剤、ナフテン酸塩類(ナフテン酸鉛等)、脂 肪酸塩類(脂肪酸鉛等)、チオリン酸塩類(ジア ルキルジチオリン酸亜鉛等)、チオカルバミ 酸塩類、有機モリブデン化合物、有機スズ 合物、有機ゲルマニウム化合物、ホウ酸エ テル等の金属化合物系の極圧添加剤を用い ことが可能である。

  また、酸化防止剤には、フェノール系 酸化防止剤やアミン系の酸化防止剤を用い ことができる。フェノール系の酸化防止剤 は、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(DBP C)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,2 ’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノ ール)、2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール 2,6-ジ-tert-ブチルフェノール等がある。また アミン系の酸化防止剤には、N,N’-ジイソプ ロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブ チル-p-フェニレンジアミン、フェニル-α-ナ チルアミン、N.N’-ジ-フェニル-p-フェニレン ジアミン等がある。

  また、銅不活性化剤としては、ベンゾ リアゾールやその誘導体等を用いることが きる。消泡剤としては、ケイ素化合物を用 ることができる。油性剤としては、高級ア コール類を用いることができる。

  また、本実施形態の冷凍機油には、必 に応じて、耐荷重添加剤、酸素捕捉剤、塩 捕捉剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防 剤、安定剤、腐食防止剤、及び流動点降下 等を添加することも可能である。酸素捕捉 は、酸素を捕捉する添加剤である。個々の 加剤の配合量は、冷凍機油に含まれる割合 0.01質量%以上5質量%以下であればよく、0.05質 量%以上3質量%以下であることが好ましい。ま た、本実施形態の冷凍機油は、塩素濃度が50p pm以下、さらに硫黄濃度が50ppm以下になって る。

  -運転動作-
  上記空気調和装置(20)の運転動作について 明する。この空気調和装置(20)は、冷房運転 と暖房運転とが実行可能になっており、四路 切換弁(13)によって冷房運転と暖房運転との り換えが行われる。

  《冷房運転》
  冷房運転時には、四路切換弁(13)が第1状態 に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運 が行われると、圧縮機(30)から吐出された高 冷媒が、室外熱交換器(11)において室外空気 へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(11)で凝 した冷媒は、各室内回路(17a,17b,17c)へ分配さ る。各室内回路(17a,17b,17c)では、流入した冷 媒が、室内膨張弁(16a,16b,16c)で減圧された後 、室内熱交換器(15a,15b,15c)において室内空気 ら吸熱して蒸発する。一方、室内空気は冷 されて室内へ供給される。

  各室内回路(17a,17b,17c)で蒸発した冷媒は 他の室内回路(17a,17b,17c)で蒸発した冷媒と合 流して、室外回路(9)へ戻ってくる。室外回路 (9)では、各室内回路(17a,17b,17c)から戻ってき 冷媒が、圧縮機(30)で再び圧縮されて吐出さ る。なお、冷房運転中は、各室内膨張弁(16a ,16b,16c)の開度が、室内熱交換器(15a,15b,15c)の 口における冷媒の過熱度が一定値(例えば5℃ )になるように過熱度制御される。

  《暖房運転》
  暖房運転時には、四路切換弁(13)が第2状態 に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運 が行われると、圧縮機(30)から吐出された高 冷媒が、各室内回路(17a,17b,17c)へ分配される 。各室内回路(17a,17b,17c)では、流入した冷媒 室内熱交換器(15a,15b,15c)において室内空気へ 熱して凝縮する。一方、室内空気は加熱さ て室内へ供給される。室内熱交換器(15a,15b,1 5c)で凝縮した冷媒は、他の室内熱交換器(15a,1 5b,15c)で凝縮した冷媒と合流し、室外回路(9) 戻ってくる。

  室外回路(9)では、各室内回路(17a,17b,17c) ら戻ってきた冷媒が、室外膨張弁(12)で減圧 された後に、室外熱交換器(11)において室外 気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(11) 蒸発した冷媒は、圧縮機(30)で再び圧縮され て吐出される。なお、暖房運転中は、各室内 膨張弁(16a,16b,16c)の開度が、室内熱交換器(15a, 15b,15c)の出口における冷媒の過冷却度が一定 (例えば5℃)になるようにサブクール制御さ る。

  -実施形態の効果-
  本実施形態では、上記分子式1で表され且 分子構造中に二重結合を1個有する冷媒を用 いる冷凍装置において、体積抵抗率が比較的 大きい範囲の冷凍機油が、圧縮機(30)に用い れている。このため、圧縮機(30)のケーシン (70)内では、冷媒と冷凍機油の混合流体の体 積抵抗率がある程度高い値になる。従って、 圧縮機(30)において電動機(85)からの漏れ電流 抑制することができる。

  また、本実施形態では、上記分子式1で され且つ分子構造中に二重結合を1個有する 冷媒に対して溶解しやすいポリオールエステ ル及びポリビニルエーテルのうち少なくとも 1つを主成分とする冷凍機油が圧縮機(30)に用 られているので、冷媒回路(10)では冷媒が冷 凍機油にある程度溶解し、圧縮機(30)から吐 された冷凍機油が圧縮機(30)に戻りやすい。 のため、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留 量を充分に確保することができ、圧縮機(30) おいて冷凍機油不足による潤滑不良が生じ ことを抑制することができる。そして、潤 不良によって冷媒が分解することを抑制で 、冷媒の体積抵抗率が低下することを抑制 ることができる。従って、冷媒の分解が原 で電動機(85)からの漏れ電流が増加すること 抑制することができる。

  また、本実施形態では、潤滑性能が確 されて且つ冷媒がある程度溶解する範囲の 粘度の冷凍機油が用いられている。このた 、圧縮機(30)において潤滑不良が生じること 抑制することができ、潤滑不良によって冷 が分解することを抑制することができる。 れにより、冷媒の体積抵抗率が低下するこ を抑制することができ、さらには電動機(85) からの漏れ電流が増加することを抑制するこ とができる。

  また、本実施形態では、冷凍機油の流 点が-30℃以下であるため、冷媒回路(10)の低 部位でも冷凍機油の流動性が確保され、圧 機(30)から吐出された冷凍機油が圧縮機(30) 戻ってくることが可能となる。このため、 縮機(30)から吐出された冷凍機油が、圧縮機( 30)に戻らなくなることが回避されるので、圧 縮機(30)において潤滑不良が生じることを抑 することができ、潤滑不良によって冷媒が 解することを抑制することができる。これ より、冷媒の体積抵抗率が低下することを 制することができ、さらには電動機(85)から 漏れ電流が増加することを抑制することが きる。

  また、本実施形態では、圧縮機(30)から 量に吐出されるような小さな油滴になりに く、冷媒によって流れにくくなるような大 な油滴になりにくい範囲の表面張力の冷凍 油が用いられている。このため、圧縮機(30) から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が低 く抑えこまれ、また圧縮機(30)から吐出され しまった冷凍機油は冷媒によって容易に押 流されて圧縮機(30)に戻ってくることになる 従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留 量を充分に確保することができるので、圧縮 機(30)において冷凍機油不足によって潤滑不 が生じることを抑制することができ、潤滑 良によって冷媒が分解することを抑制する とができる。これにより、冷媒の体積抵抗 が低下することを抑制することができ、さ には電動機(85)からの漏れ電流が増加するこ を抑制することができる。

  また、本実施形態では、電動機(85)の絶 性が低下しない範囲のアニリン点の冷凍機 が用いられている。このため、冷凍機油の 響を受けて電動機(85)の絶縁性が低下するこ とを回避することができ、電動機(85)からの れ電流が増加することを抑制することがで る。

  また、本実施形態は、冷媒に接触して 絶縁性が低下しにくい物質が、電動機(85)の 縁材料に用いられている。このため、電動 (85)の絶縁材料の絶縁性が低下することを回 避することができる。

  -実施形態の変形例-
  本実施形態の変形例では、ポリオールエ テル、及びポリビニルエーテルの3種類の基 のうちポリオールエステルだけを主成分と る冷凍機油が、圧縮機(30)に用いられている 。ポリオールエステルには、「脂肪族多価ア ルコールと直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸 とのエステル」、「脂肪族多価アルコールと 直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エ ステル」、及び、「脂肪族多価アルコールと 炭素数が3以上9以下の直鎖状若しくは分岐鎖 の脂肪酸との部分エステルと、脂肪族二塩 酸若しくは芳香族二塩基酸とのコンプレッ スエステル」の何れかが用いられている。 れらのポリオールエステルは、ポリオール ステルの中でも、上記分子式1で表され且つ 分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との 溶性に優れている。

  「脂肪族多価アルコールと直鎖状又は 岐鎖状の脂肪酸とのエステル又は部分エス ル」を形成する脂肪族多価アルコールには エチレングリコール、プロピレングリコー 、ブチレングリコール、ネオペンチルグリ ール、トリメチロールエタン、ジトリメチ ールエタン、トリメチロールプロパン、ジ リメチロールプロパン、グリセリン、ペン エリスリトール、ジペンタエリスリトール トリペンタエリスリトール、ソルビトール を用いることができる。このうち脂肪族多 アルコールとしては、ペンタエリスリトー 、ジペンタエリスリトール、及びトリペン エリスリトールが好ましい。

  また、脂肪酸には、炭素数が3以上12以 のものを用いることができ、例えばプロピ ン酸、酪酸、ピバリン酸、吉草酸、カプロ 酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、 カン酸、ドデカン酸、イソ吉草酸、ネオペ タン酸、2-メチル酪酸、2-エチル酪酸、2-メ ルヘキサン酸、2-エチルヘキサン酸、イソオ クタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、2,2 -ジメチルオクタン酸、2-ブチルオクタン酸、 3,5,5-トリメチルヘキサン酸を用いることがで きる。脂肪酸としては、炭素数が5以上12以下 の脂肪酸が好ましく、炭素数が5以上9以下の 肪酸が更に好ましい。具体的には、吉草酸 ヘキサン酸、ヘプタン酸、2-メチルヘキサ 酸、2-エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、 イソノナン酸、イソデカン酸、2,2-ジメチル クタン酸、2-ブチルオクタン酸、3,5,5-トリメ チルヘキサン酸等が好ましい。

  また、「脂肪族多価アルコールと炭素 が3以上9以下の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂 肪酸との部分エステルと、脂肪族二塩基酸若 しくは芳香族二塩基酸とのコンプレックスエ ステル」では、炭素数が5以上7以下の脂肪酸 好ましく、炭素数が5又は6の脂肪酸が更に ましい。具体的には、吉草酸、ヘキサン酸 イソ吉草酸、2-メチル酪酸、2-エチル酪酸又 その混合物が好ましい。また、炭素数が5の 脂肪酸と炭素数が6の脂肪酸を重量比で10:90以 上90:10以下の割合で混合した脂肪酸を使用す ことができる。

  また、脂肪族二塩基酸には、コハク酸 アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア ライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、 デカン二酸、トリデカン二酸、ドコサンナ 酸がある。また、芳香族二塩基酸には、フ ル酸、イソフタル酸がある。コンプレック エステルを調製するためのエステル化反応 、多価アルコールと二塩基酸を所定の割合 反応させて部分エステル化した後に、その 分エステルと脂肪酸とを反応させる。なお 二塩基酸と脂肪酸の反応順序を逆にしても く、二塩基酸と脂肪酸を混合してエステル に供してもよい。

 《その他の実施形態》
  上記実施形態は、以下のように構成して よい。

  上記実施形態について、ポリオールエ テル及びポリビニルエーテルの両方を主成 とする冷凍機油を用いてもよい。

  また、上記実施形態では、冷媒回路(10)の 媒として、上記分子式1で表され且つ分子構 造中に二重結合を1個有する冷媒のうちHFO-1234 yf以外の冷媒の単一冷媒を用いてもよい。具 的には、1,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロペン (「HFO-1225ye」といい、化学式はCF 3 -CF=CHFで表される。)、1,3,3,3-テトラフルオロ-1 -プロペン(「HFO-1234ze」といい、化学式はCF 3 -CH=CHFで表される。)、1,2,3,3-テトラフルオロ-1 -プロペン(「HFO-1234ye」といい、化学式はCHF 2 -CF=CHFで表される。)、3,3,3-トリフルオロ-1-プ ペン(「HFO-1243zf」といい、化学式はCF 3 -CH=CH 2 で表される。)、1,2,2-トリフルオロ-1-プロペ (化学式はCH 3 -CF=CF 2 で表される。)、2-フルオロ-1-プロペン(化学 はCH 3 -CF=CH 2 で表される。)等を用いることができる。

  また、上記実施形態について、上記分 式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個 有する冷媒(1,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロペ 、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,3,3,3- テトラフルオロ-1-プロペン、1,2,3,3-テトラフ オロ-1-プロペン、3,3,3-トリフルオロ-1-プロ ン、1,2,2-トリフルオロ-1-プロペン、2-フル ロ-1-プロペン)に、HFC-32(ジフルオロメタン) HFC-125(ペンタフルオロエタン)、HFC-134(1,1,2,2 テトラフルオロエタン)、HFC-134a(1,1,1,2―テト ラフルオロエタン)、HFC-143a(1,1,1-トリフルオ エタン)、HFC-152a(1,1-ジフルオロエタン)、HFC-1 61、HFC-227ea、HFC-236ea、HFC-236fa、HFC-365mfc、メタ ン、エタン、プロパン、プロペン、ブタン、 イソブタン、ペンタン、2-メチルブタン、シ ロペンタン、ジメチルエーテル、ビス-トリ フルオロメチル-サルファイド、二酸化炭素 ヘリウムのうち少なくとも1つを加えた混合 媒を用いてもよい。

  例えば、HFO-1234yfとHFC-32の2成分からなる 混合冷媒を用いてもよい。この場合は、HFO-12 34yfの割合が78.2質量%でHFC-32の割合が21.8質量% 混合冷媒を用いることができる。また、HFO- 1234yfの割合が77.6質量%でHFC-32の割合が22.4質量 %の混合冷媒を用いることができる。なお、HF O-1234yfとHFC-32の混合冷媒は、HFO-1234yfの割合が 70質量%以上94質量%以下でHFC-32の割合が6質量% 上30質量%以下であればよく、好ましくは、H FO-1234yfの割合が77質量%以上87質量%以下でHFC-32 の割合が13質量%以上23質量%以下であればよく 、更に好ましくは、HFO-1234yfの割合が77質量% 上79質量%以下でHFC-32の割合が21質量%以上23質 量%以下であればよい。

  また、HFO-1234yfとHFC-125の混合冷媒を用い てもよい。この場合は、HFC-125の割合が10質量 %以上であるのが好ましく、さらに10質量%以 20質量%以下であるのが更に好ましい。

  また、HFO-1234yfとHFC-32とHFC-125の3成分か なる混合冷媒を用いてもよい。この場合は 52質量%のHFO-1234yfと、23質量%のHFC-32と、25質 %のHFC-125とからなる混合冷媒を用いることが できる。

  また、上記実施形態について、ケイ酸 合成ゼオライトが乾燥剤として充填された 燥機を冷媒回路(10)に設けてもよい。

  また、上記実施形態について、圧縮機(3 0)が、横型の圧縮機であってもよく、またレ プロ式、ロータリ式及びスクリュー式など のタイプの圧縮機であってもよい。

  また、上記実施形態について、冷凍装 (20)が、暖房専用の空気調和装置であっても いし、食品を冷却するための冷蔵庫や冷凍 であってもよいし、空調機と冷蔵庫や冷凍 とを組み合せた冷凍装置であってもよいし 冷媒回路(10)の放熱器で水を加熱する給湯装 置であってもよい。また、実施例では、冷媒 回路(10)の熱源を空気としているが、これを 熱源や地中熱源としてもよい。

  なお、以上の実施形態は、本質的に好 しい例示であって、本発明、その適用物、 るいはその用途の範囲を制限することを意 するものではない。

  以上説明したように、本発明は、冷凍 イクルを行う冷凍装置について有用である