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Patent Searching and Data


Title:
FUEL CELL SYSTEM AND MOVING BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081834
Kind Code:
A1
Abstract:
A fuel cell system enables improvement of the voltage controllability of the converter mounted in a fuel cell system. A controller judges whether or not the passing power of a DC/DC converter (60) falls in the low response performance range of the number of drive phases preset at the present time (step S302). If the controller judges that the passing power falls in the low response performance range, the controller determines the number of phases leading to avoidance of the drive in the low response performance range (step S303), and outputs a command (phase change command) to change the number of phases to the determined one to the DC/DC converter (60) (step S304).

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Inventors:
HASEGAWA TAKAHIKO (JP)
MANABE KOTA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073052
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
HASEGAWA TAKAHIKO (JP)
MANABE KOTA (JP)
International Classes:
H01M8/04; B60L11/18; H01M8/00; H02J7/34; H02M3/155
Domestic Patent References:
WO2005076433A12005-08-18
WO2008032537A12008-03-20
WO2007004718A12007-01-11
WO2002029916A22002-04-11
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (Roppongi Hills Mori Tower 6-10-1, Roppongi, Minato-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 燃料電池の出力電圧を昇降圧するための多相のDC/DCコンバータと、
 前記DC/DCコンバータの駆動相数を設定する設定手段と、
 前記DC/DCコンバータの通過パワーを算出する算出手段と、
 算出された通過パワーが応答性能低下領域にある場合には、現時点において設定されている駆動相数を、応答性能低下領域から外れる駆動相数へ切り換える相数制御手段と、
 切り換えた相数にて前記DC/DCコンバータを駆動する駆動制御手段と
 を具備する燃料電池システム。
 燃料電池の出力電圧を昇降圧するためのDC/DCコンバータと、
 前記DC/DCコンバータの通過パワーを算出する算出手段と、
 算出された通過パワーが応答性能低下領域にある場合には、前記応答性能低下領域から外れるように前記DC/DCコンバータの通過パワーをシフトするパワー制御手段と、
 シフト後の通過パワーが得られるように前記DC/DCコンバータを駆動する駆動制御手段と
 を具備する燃料電池システム。
 燃料電池の出力電圧を昇降圧するためのDC/DCコンバータと、
 前記DC/DCコンバータの通過パワーを算出する算出手段と、
 前記DC/DCコンバータのスイッチング動作を制御する制御信号のキャリア周波数を設定する設定手段と、
 算出された通過パワーが応答性能低下領域にある場合には、現時点において設定されているキャリア周波数を、応答性能低下領域から外れるキャリア周波数に変更する周波数制御手段と、
 変更したキャリア周波数にて前記DC/DCコンバータを駆動する駆動制御手段と
 を具備する燃料電池システム。
 燃料電池の出力電圧を昇降圧するための多相のDC/DCコンバータと、
 前記燃料電池の要求電圧を検知する検知手段と、
 前記要求電圧に基づき、前記DC/DCコンバータの駆動相数、通過パワー、キャリア周波数の少なくとも1つ以上のパラメータを制御するパラメータ制御手段と、
 制御されたパラメータに従って前記DC/DCコンバータを駆動する駆動制御手段と
 を具備する燃料電池システム。
 前記要求電圧が設定閾値を上回るか否かを判断する判断手段をさらに備え、
 前記パラメータ制御手段は、前記要求電圧が前記設定閾値を上回った場合に、前記要求電圧に基づき、前記DC/DCコンバータの駆動相数、通過パワー、キャリア周波数の少なくとも1つ以上のパラメータを制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
 燃料電池と燃料電池の出力電圧を昇降圧するための多相のDC/DCコンバータとを備えた燃料電池システムを動力源とする移動体であって、
 当該移動体のアクセル開度を検知するセンサと、
 前記検知されるアクセル開度に基づき、前記DC/DCコンバータの駆動相数、通過パワー、キャリア周波数の少なくとも1つ以上のパラメータを制御するパラメータ制御手段と、
 制御されたパラメータに従って前記DC/DCコンバータを駆動する駆動制御手段と
 を具備する移動体。
Description:
燃料電池システム及び移動体

 本発明は燃料電池スタックの出力電圧を 降圧するDC/DCコンバータを用いて燃料電池 出力電圧を制御する燃料電池システム及び 該システムを備えた移動体に関する。

 燃料電池スタックは、燃料ガス及び酸化 スを膜-電極接合体に供給することにより電 気化学反応を起こし、化学エネルギーを電気 エネルギーに変換するためのエネルギー変換 システムである。なかでも、固体高分子膜を 電解質として用いる固体高分子電解質型燃料 電池スタックは、低コストでコンパクト化が 容易であり、しかも高い出力密度を有するこ とから、車載電源としての用途が期待されて いる。

 このような燃料電池スタックが搭載され 燃料電池システムについて、例えば下記特 文献1には、DC/DCコンバータを利用して燃料 池の出力を全体出力の65~80%となる範囲に設 することで、システムの運転効率を高める 法が提案されている。

特開2002-118979号公報

 しかし、燃料電池スタックの出力電圧を スイッチング素子によるスイッチング動作 よって昇降圧制御するDC/DCコンバータには 通過パワーの値によってデットタイム補正 が大きく変動する動作範囲が存在する。デ ドタイム補正値が大きく変動する動作範囲( 下、便宜上、応答性能低下領域)では、DC/DC ンバータの応答性能が低下することが知ら ている。このような応答性能低下領域でDC/D Cコンバータを駆動した場合には、コンバー の出力電圧の制御性(以下、コンバータの電 制御性)が悪いためにシステム全体のエネル ギー効率が悪化してしまう等の問題が生じて いた。

 本発明は、以上説明した事情を鑑みてな れたものであり、システムに搭載されたコ バータの電圧制御性を向上させることが可 な燃料電池システムを提供することを目的 する。

 上記の課題を解決するため、本発明に係 燃料電池システムは、燃料電池の出力電圧 昇降圧するための多相のDC/DCコンバータと 前記DC/DCコンバータの駆動相数を設定する設 定手段と、前記DC/DCコンバータの通過パワー 算出する算出手段と、算出された通過パワ が応答性能低下領域にある場合には、現時 において設定されている駆動相数を、応答 能低下領域から外れる駆動相数へ切り換え 相数制御手段と、切り換えた相数にて前記D C/DCコンバータを駆動する駆動制御手段とを 備することを特徴とする。

 かかる構成によれば、算出されたDC/DCコ バータの通過パワーが、当該時点において 定されている駆動相数の応答性能低下領域 ある場合には、DC/DCコンバータ60の駆動相数 、応答性能低下領域から外れる駆動相数へ 切り換えを行う。これにより、応答性能低 領域を回避した領域でのDC/DCコンバータの 動が可能となり、従来に比してDC/DCコンバー タの電圧制御性を向上させることが可能とな る。

 また、本発明に係る別の燃料電池システ は、燃料電池の出力電圧を昇降圧するため DC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータの通 過パワーを算出する算出手段と、算出された 通過パワーが応答性能低下領域にある場合に は、前記応答性能低下領域から外れるように 前記DC/DCコンバータの通過パワーをシフトす パワー制御手段と、シフト後の通過パワー 得られるように前記DC/DCコンバータを駆動 る駆動制御手段とを具備することを特徴と る。

 かかる構成によれば、算出されたDC/DCコ バータの通過パワーが、応答性能低下領域 ある場合には、応答性能低下領域から外れ ようにDC/DCコンバータの通過パワーをシフト する。これにより、応答性能低下領域を回避 した領域でのDC/DCコンバータの駆動が可能と り、上記と同様、従来に比してDC/DCコンバ タの電圧制御性を向上させることが可能と る。

 さらに、本発明に係る別の燃料電池シス ムは、燃料電池の出力電圧を昇降圧するた のDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータの 通過パワーを算出する算出手段と、前記DC/DC ンバータのスイッチング動作を制御する制 信号のキャリア周波数を設定する設定手段 、算出された通過パワーが応答性能低下領 にある場合には、現時点において設定され いるキャリア周波数を、応答性能低下領域 ら外れるキャリア周波数に変更する周波数 御手段と、変更したキャリア周波数にて前 DC/DCコンバータを駆動する駆動制御手段と 具備することを特徴とする。

 かかる構成によれば、算出されたDC/DCコ バータの通過パワーが、応答性能低下領域 ある場合には、現時点において設定されて るDC/DCコンバータのキャリア周波数を、応答 性能低下領域から外れるキャリア周波数に変 更する。これにより、応答性能低下領域を回 避した領域でのDC/DCコンバータの駆動が可能 なり、上記と同様、従来に比してDC/DCコン ータの電圧制御性を向上させることが可能 なる。

 さらにまた、本発明に係る別の燃料電池 ステムは、燃料電池の出力電圧を昇降圧す ための多相のDC/DCコンバータと、前記燃料 池の要求電圧を検知する検知手段と、前記 求電圧に基づき、前記DC/DCコンバータの駆動 相数、通過パワー、キャリア周波数の少なく とも1つ以上のパラメータを制御するパラメ タ制御手段と、制御されたパラメータに従 て前記DC/DCコンバータを駆動する駆動制御手 段とを具備することを特徴とする。

 ここで、上記構成にあっては、前記要求 圧が設定閾値を上回るか否かを判断する判 手段をさらに備え、前記パラメータ制御手 は、前記要求電圧が前記設定閾値を上回っ 場合に、前記要求電圧に基づき、前記DC/DC ンバータの駆動相数、通過パワー、キャリ 周波数の少なくとも1つ以上のパラメータを 御する態様が好ましい。

 また、本発明に係る移動体は、燃料電池 燃料電池の出力電圧を昇降圧するための多 のDC/DCコンバータとを備えた燃料電池シス ムを動力源とする移動体であって、当該移 体のアクセル開度を検知するセンサと、前 検知されるアクセル開度に基づき、前記DC/DC コンバータの駆動相数、通過パワー、キャリ ア周波数の少なくとも1つ以上のパラメータ 制御するパラメータ制御手段と、制御され パラメータに従って前記DC/DCコンバータを駆 動する駆動制御手段とを具備することを特徴 とする。

 本発明によれば、システムに搭載された ンバータの電圧制御性を向上させることが 能となる。

 以下、各図を参照しながら本発明の実施形 について説明する。
 図1は本実施形態に係る燃料電池システム10 主要構成を示している。燃料電池システム1 0は、燃料電池車両の電力供給系統に搭載さ る車載電源システムである。燃料電池シス ム10は、燃料電池スタック20、FC補機21、セル 電圧検出器22、トラクションインバータ30、 ラクションモータ40、二次電池50、DC/DCコン ータ60、車両補機70、コントローラ80、及び ンサ類90を備えている。

 燃料電池スタック20は、固体高分子電解 を挟んで一対の電極(アノード極、カソード )を配置してなる複数のセルを直列に接続し てなるスタック構造を有する発電装置である 。触媒反応によりアノード極で発生した水素 イオンは、固体高分子電解質膜を通過してカ ソード極まで移動し、カソード極において酸 化ガスと電気化学反応を起こして発電する。

 FC補機21は、燃料電池スタック20のアノー 極に燃料ガス(水素ガス)を供給するための 料ガス供給系統(水素貯蔵タンク、水素遮断 、水素供給圧調整レギュレータなど)と、燃 料電池20スタックのカソード極に酸化ガス(空 気)を供給するための酸化ガス供給系統(エア ンプレッサなど)と、その他の補機類(燃料 ス及び酸化ガスを加湿するための加湿モジ ール、燃料電池冷却装置など)を備える。

 燃料電池スタック20は、FC補機21から燃料 ス及び酸化ガスの供給を受けることにより 電気化学反応を利用して電気エネルギーを 力する。

 トラクションモータ40は、走行推進力を るための電動モータであり、例えば、三相 期モータから構成されている。

 トラクションインバータ30は、例えば、6 のパワートランジスタにより構成される3相 ブリッジ回路を備えており、燃料電池スタッ ク20又は二次電池50から供給される直流電力 パワートランジスタのスイッチング動作に って交流電力(三相交流)に変換し、トラクシ ョンモータ40に供給する。コントローラ80は トラクションインバータ30の電力変換動作を 制御する機能を有しており、例えば、スイッ チング指令として、U相、V相、及びW相の各交 流電圧指令値をトラクションインバータ30に 力し、トラクションモータ40の出力トルク び回転数を制御する。

 二次電池50は、電力の蓄電及び放電が可 な蓄電装置であり、ブレーキ回生時の回生 ネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は 速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファ して機能する。二次電池50としては、例えば 、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・ 水素蓄電池、リチウム二次電池等が好適であ る。

 尚、二次電池50に替えて、キャパシタ(電 二重層コンデンサ、電解コンデンサなど)の 蓄電装置をDC/DCコンバータ60の1次側に接続し もよい。

 DC/DCコンバータ60は、燃料電池スタック20 は二次電池50の出力電圧を昇圧降圧制御す ための電圧変換手段である。DC/DCコンバータ 60は、入力電圧(直流電圧)を交流電圧に変換 るインバータ類似の回路と、その交流を整 して出力電圧(直流電圧)に変換する回路とが 組み合わされた多相コンバータの回路構成を 有している。具体的には、DC/DCコンバータ60 、12個のIGBT素子Tr1~Tr12と、12個のダイオード 子D1~D12と、3個のリアクトルL1~L3と、2個の平 滑コンデンサC1~C2とから成る三相フルブリッ コンバータの回路構成を有している。

 DC/DCコンバータ60の通過パワーが低いとき には、三相運転よりも単相運転の方がスイッ チング損失は少ないので、単相運転が実施さ れる。単相運転のときには、IGBT素子Tr1,Tr10の ペア、及びIGBT素子Tr4,Tr7のペアが動作する。 方、DC/DCコンバータ60の通過パワーが高いと きには、単相運転よりも三相運転の方がスイ ッチング損失は少ないので、三相運転が実施 される。三相運転のときには、IGBT素子Tr1,Tr10 のペア、及びIGBT素子Tr4,Tr7のペアと、IGBT素子 Tr2,Tr11のペア、及びIGBT素子Tr5,Tr8のペアと、IG BT素子Tr3,Tr12のペア、及びIGBT素子Tr6,Tr9のペア とがそれぞれ120度の位相差で動作する。

 DC/DCコンバータ60の一次側には、二次電池 50が接続される一方、DC/DCコンバータ60の二次 側には、燃料電池スタック20、トラクション ンバータ30、及び車両補機70がそれぞれ並列 に接続される。

 例えば、DC/DCコンバータ60は、二次電池50 出力電圧を昇降圧することにより、燃料電 スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力 流)を制御する。DC/DCコンバータ60は、燃料 池車両がトラクションモータ40により力行走 行するときには、二次電池50の出力電圧を昇 してトラクションインバータ30に直流電力 供給する一方、燃料電池車両がトラクショ モータ40により回生制動するときには、回生 した直流電圧を降圧して二次電池50を充電す 。DC/DCコンバータ60は、燃料電池スタック20 余剰発電力を蓄電するために、燃料電池ス ック20の出力電圧を降圧して二次電池50を充 電する機能も有する。

 車両補機70は、例えば、酸化ガスを加圧 るためのコンプレッサモータ、加湿モジュ ルに純水を供給するためのポンプ駆動モー 、燃料電池スタック20を冷却するための冷却 水ポンプ駆動モータ、ラジエータファンモー タなどの各種補機類である。

 コントローラ80は、中央処理装置(CPU)、記 憶装置(ROM,RAM)、入出力インタフェース等を備 える制御手段である。コントローラ80は、セ サ類90から出力される各種信号等を基に、 料電池車両を制御する。センサ類90として、 例えば、イグニッションスイッチ91、車速セ サ92、アクセルセンサ93などがある。

 例えば、コントローラ80は、イグニッシ ンスイッチ91から出力される起動信号を受信 すると、燃料電池システム10の運転を開始し アクセルセンサ93から出力されるアクセル 度信号や、車速センサ92から出力される車速 信号などを基にシステム全体の要求電力を求 める。システム全体の要求電力は、車両走行 電力と補機電力との合計値である。補機電力 には、例えば、車載補機類(加湿器、エアコ プレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポ プ等)で消費される電力、車両走行に必要な 置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び 懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内 配設される装置(空調装置、照明器具、及び ーディオ等)で消費される電力などが含まれ る。

 そして、コントローラ(算出手段)80は、燃 料電池スタック20と二次電池50の出力電力の 分(すなわち電力分配)を決定し、燃料電池ス タック20の発電量が目標電力に一致するよう FC補機21を制御して、燃料電池スタック20へ 反応ガス供給量を調整するとともに、DC/DC ンバータ60を制御して、燃料電池スタック20 出力電圧を調整することにより、燃料電池 タック20の運転ポイント(出力電圧、出力電 )を制御する。更に、コントローラ80は、ア セル開度に応じた目標車速が得られるよう 例えば、スイッチング指令として、U相、V 、及びW相の各交流電圧指令値をトラクショ インバータ30に出力し、トラクションモー 40の出力トルク、及び回転数を制御する。

 図2は、各駆動相数におけるDC/DCコンバー 60の通過パワーとデッドタイム補正値との 係を示すグラフである。点線は三相運転(三 駆動)のときのグラフを示し、実線は単相運 転(単相駆動)のときのグラフを示す。三相駆 では、-5kW付近(例えば-5kW±α1kW)の動作範囲 、5kW付近(例えば5kW±α1kW)の動作範囲とにお て、デッドタイム補正値が大きく変動する で、これら二つの動作範囲はそれぞれ応答 能低下領域である。一方、単相駆動では、-2 .5kW付近(例えば-2.5kW±α2(<α1)kW)の動作範囲 、2.5kW付近(例えば2.5kW±α2kW)の動作範囲とに いて、デッドタイム補正値が大きく変動す ので、これら二つの動作範囲はそれぞれ応 性能低下領域である。このように、DC/DCコ バータ60の駆動相数に応じて応答性能低下領 域が異なるため、同じ通過パワーでも、駆動 相数を切り換えることで応答性能低下領域を 回避した領域での駆動制御(以下、性能低下 域回避制御)が可能となる。

 尚、デッドタイムとは、DC/DCコンバータ60 内の上アーム側のIGBT素子と下アーム側のIGBT 子との間(例えば、IGBT素子Tr1とIGBT素子Tr7と 間)に短絡電流が流れないように設定された 短絡防止期間である。

 次に、図3を参照しながらコントローラ80 よって所定のタイミング(例えば運転開始時 や停止時、あるいは運転中に一定の時間間隔 で)実行されるDC/DCコンバータ60の性能低下領 回避制御について詳細を説明する。なお、 下の説明では、初期設定としてDC/DCコンバ タ60が三相駆動に設定されている場合を想定 する。

 図3は、第1実施形態に係る性能低下領域回 制御処理を示すフローチャートである。
 コントローラ80は、各種センサから出力さ る信号(アクセル開度信号など)に基づき、シ ステム全体の要求電力を求め、燃料電池スタ ック20と二次電池50の電力分配を決定する(ス ップS301)。

 コントローラ(算出手段)80は、電力分配に 応じて求めたDC/DCコンバータ60の通過パワー 現時点において設定されている駆動相数(こ では三相)の応答性能低下領域に入っている か否かを判定する(ステップS302)。

 コントローラ80は、DC/Dコンバータ60の通 パワーが応答性能低下領域に入っていない 判断した場合には(ステップS302;NO)、DC/DCコン バータ60は適切な駆動が行われている(すなわ ち、電圧制御性は悪化していない)ことを示 ているので、本処理ルーチンを抜けて終了 る。

 一方、コントローラ(相数制御手段)80は、 DC/DCコンバータ60の通過パワーが応答性能低 領域に入っていると判断すると(ステップS302 ;YES)、この応答性能低下領域での駆動を回避 る相数(別言すれば、切り換え後の駆動相数 )を決定する(ステップS303)。そして、コント ーラ(設定手段、駆動制御手段)80は、決定し 相数への切り換え指令(相切り換え指令)をDC /DCコンバータ60に出力(設定)し(ステップS304) 切り換えた相数にてDC/DCコンバータ60を駆動 た後、処理を終了する。

 このように、DC/DCコンバータ60の通過パワ ーが当該時点において設定されている駆動相 数の応答性能低下領域にある場合には、DC/DC ンバータ60の駆動相数の切り換えを行う。 れにより、応答性能低下領域を回避した領 でのDC/DCコンバータ60の駆動が可能となり、 来に比してDC/DCコンバータ60の電圧制御性を 向上させることが可能となる。

 ここで、上記例ではDC/DCコンバータ60の駆 動相数の切り換えとして三相と単相の切り換 えを例示したが、三相、二相、単相の各相間 で切り換えても良い。また、切り換え相数に ついては、搭載されるDC/DCコンバータ60の駆 相数N(N≧2)に応じて適宜設定可能である。ま た、ステップ302において、いずれの駆動相数 においても応答性能低下領域を回避できない と判断した場合には、コントローラ80は、切 換え可能な駆動相数の中で最もエネルギー 率の良い駆動相数(例えば三相)を選択する うにしても良い。このように、エネルギー 率を考慮してDC/DCコンバータ60の駆動相数を 定するという技術思想は、応答性能低下領 を回避できないと判断した場合だけでなく 答性能低下領域に入っていないと判断した 合にも同様に適用可能である。

B.第2実施形態
 図4は、ある駆動相数でのDC/DCコンバータ60 通過パワーとデッドタイム補正値との関係 示すグラフである。上述した第1実施形態で 駆動相数を変えることで応答性能低下領域 回避した領域でのDC/DCコンバータ60の駆動を 可能としたが、第2実施形態では通過パワー 変えることで応答性能低下領域を回避した 域でのDC/DCコンバータ60の駆動を可能とする

 図4に示すように、三相駆動では、負側の 応答性能不良領域と、正側の応答性能不良領 域とが存在する。ここで、電力分配に応じて 求めたDC/DCコンバータ60の通過パワーが、例 ば正側の応答性能不良領域に入ってしまう 合には(図4に示す通過パワーa参照)、システ 出力に影響を与えないように二次電池50に るアシスト量が増加する方向(正方向)にDC/DC ンバータ60の通過パワーをシフトすること 応答性能低下不良領域を回避する(図4に示す 通過パワーa→通過パワーa’参照)。

 逆に、電力分配に応じて求めたDC/DCコン ータ60の通過パワーが、例えば負側の応答性 能不良領域に入ってしまう場合には(図4に示 通過パワーb参照)、システム出力に影響を えないように燃料電池スタック20の発電量が 増加する方向(負方向)にDC/DCコンバータ60の通 過パワーをシフトすることで応答性能不良領 域を回避する(図4に示す通過パワーb→通過パ ワーb’参照)。なお、DC/DCコンバータ60の通過 パワーを正側にシフトすることで生じる余剰 電力は、二次電池50に蓄電したり、車両補機7 0で消費したり、或いは熱エネルギーに変換 て大気に放出すれば良い。また、DC/Cコンバ タ60の通過パワーを負側にシフトする場合 は、不足電力を二次電池50から補充すれば良 い。このように、通過パワーを変えることで 応答性能低下領域を回避しても良い。

 次に、図5を参照しながらコントローラ80 よって所定のタイミング(例えば運転開始時 や停止時、あるいは運転中に一定の時間間隔 で)実行されるDC/DCコンバータ60の性能低下領 回避制御について詳細を説明する。

 図5は、第2実施形態に係る性能低下領域回 制御処理を示すフローチャートである。
 コントローラ80は、各種センサから出力さ る信号(アクセル開度信号など)に基づき、シ ステム全体の要求電力を求め、燃料電池スタ ック20と二次電池50の電力分配を決定する(ス ップS401)。

 コントローラ(算出手段)80は、電力分配に 応じて求めたDC/DCコンバータ60の通過パワー 、正側、負側のいずれかの応答性能低下領 に入っているか否かを判定する(ステップS402 )。

 コントローラ80は、DC/Dコンバータ60の通 パワーが応答性能低下領域に入っていない 判断した場合には(ステップS402;NO)、DC/DCコン バータ60は適切な駆動が行われている(すなわ ち、電圧制御性は悪化していない)ことを示 ているので、本処理ルーチンを抜けて終了 る。

 一方、コントローラ(パワー制御手段)80は 、DC/DCコンバータ60の通過パワーが応答性能 下領域に入っていると判断すると(ステップS 402;YES)、システム出力に大きな影響を与えな 範囲でDC/DCコンバータ60の通過パワーをシフ トさせるべく、シフト後の通過パワーを決定 する(ステップS403)。例えば、DC/DCコンバータ6 0の通過パワーが正側の応答性能低下領域に っている場合には、システム出力に影響を えないように二次電池50によるアシスト量が 増加する方向(正方向)にDC/DCコンバータ60の通 過パワーをシフトすることで応答性能低下不 良領域を回避する(図4に示す通過パワーa→通 過パワーa’参照)。

 逆に、電力分配に応じて求めたDC/DCコン ータ60の通過パワーが、例えば負側の応答性 能不良領域に入っている場合には、システム 出力に影響を与えないように燃料電池スタッ ク20の発電量が増加する方向(負方向)にDC/DCコ ンバータ60の通過パワーをシフトすることで 答性能不良領域を回避する(図4に示す通過 ワーb→通過パワーb’参照)。そして、コン ローラ80(駆動制御手段)は、決定したシフト の通過パワーが得られるように、DC/DCコン ータ60へパワーシフト指令を出力し(ステッ S404)、シフト後の通過パワーが得られるよう にDC/DCコンバータ60の駆動を制御した後、処 を終了する。

 以上説明したように、DC/DCコンバータの 過パワーをシフトすることで応答性能低下 域を回避した領域でのDC/DCコンバータの駆動 を可能としても良い。

C.第3実施形態
 図6は、ある駆動相数でのDC/DCコンバータ60 通過パワーとデッドタイム補正値との関係 示すグラフであり、実線はキャリア周波数Fn の制御信号でDC/DCコンバータ60をスイッチン 制御した場合のグラフ、点線はキャリア周 数Fm(<Fn)の制御信号でDC/DCコンバータ60をス イッチング制御した場合のグラフを示す。こ こで、上述した第2実施形態では通過パワー 変えることで応答性能低下領域を回避した 域でのDC/DCコンバータ60の駆動を可能とした 、第3実施形態ではキャリア周波数を変更す ることで応答性能低下領域を回避した領域で のDC/DCコンバータ60の駆動を可能とする。

 図6に示すように、デッドタイム補正値が大 きく変動する応答性能低下領域は、DC/DCコン ータ60のキャリア周波数によって変化する これは、下記式に示すように、キャリア周 数Fを変更することにより、DC/DCコンバータ60 のリアクトルに流れる電流の変化量δIが変化 し、デッドタイム補正値も変わるためである 。
 δI=V*δT/L
 δT=1/F
 Vは電圧、Lはインダクタンス、Iは電流、Fは キャリア周波数を示す。

 図7はDC/DCコンバータ60内のIGBT素子Tr1~Tr12 スイッチング制御するための制御信号と、 アクトルL1~L3を流れるリップル電流との関係 を示す。説明の便宜上、単相運転の場合を例 に説明すると、時間Tnは、IGBT素子Tr1,Tr10がオ する時間を示し、時間Tpは、TGBT素子Tr4,Tr7が オンする時間を示す。キャリア周期は、Tn+Tp 等しい。リップル電流の極大値をIn,極小値 Ipとすると、リップル電流幅はIn-Ipに等しい 。ZPは、リップル電流がゼロクロスするポイ ト(以下、ゼロクロスポイントと称する。) 示す。

 ゼロクロスポイントZPが存在すると、リ プル電流の向き(符号)が頻繁に反転するので 、DC/DCコンバータ60の電圧制御性能が著しく 下する。そのため、ゼロクロスポイントZPは 、デッドタイム補正値が大きく変動する領域 、即ち、応答性能低下領域として現れる。一 方、極大値Inが負の値である場合や、又は極 値Ipが正の値である場合には、ゼロクロス イントZPは存在しないので、DC/DCコンバータ6 0の電圧制御性能は良好である。更に、ゼロ ロスポイントZPがリップル電流幅の中央にあ る場合には、ゼロクロスポイントZPに対して ップル電流の符号は対称的に反転するので DC/DCコンバータ60の電圧制御性能は良好であ る。

 図7に示すように、キャリア周波数を高く すると、時間Tn,Tpは短くなるので、リップル 流幅は短くなることが理解できる。これと 反対に、キャリア周波数を低くすると、時 Tn,Tpは長くなるので、リップル電流幅は長 なる。リップル電流幅を変化させると、リ プル電流がゼロクロスするポイントも変化 るので、キャリア周波数を変更することで DC/DCコンバータ60の動作点を応答性能低下領 から外すことができる。

 次に、図8を参照しながらコントローラ80 よって所定のタイミング(例えば運転開始時 や停止時、あるいは運転中に一定の時間間隔 で)実行されるDC/DCコンバータ60の性能低下領 回避制御について詳細を説明する。

 図8は、第3実施形態に係る性能低下領域回 制御処理を示すフローチャートである。
 コントローラ80は、各種センサから出力さ る信号(アクセル開度信号など)に基づき、シ ステム全体の要求電力を求め、燃料電池スタ ック20と二次電池50の電力分配を決定する(ス ップS501)。

 コントローラ(算出手段)80は、電力分配に 応じて求めたDC/DCコンバータ60の通過パワー 、応答性能低下領域に入っているか否かを 定する(ステップS502)。

 コントローラ80は、DC/Dコンバータ60の通 パワーが応答性能低下領域に入っていない 判断した場合には(ステップS502;NO)、DC/DCコン バータ60は適切な駆動が行われている(すなわ ち、電圧制御性は悪化していない)ことを示 ているので、本処理ルーチンを抜けて終了 る。

 一方、コントローラ(周波数制御手段)80は 、DC/DCコンバータ60の通過パワーが応答性能 下領域に入っていると判断すると(ステップS 502;YES)、応答性能低下領域から回避するべく 変更後のキャリア周波数を決定する(ステッ プS503)。そして、コントローラ(駆動性y後手 )80は、キャリア周波数の変更指令(例えば、 ャリア周波数Fm→Fn)をDC/DCコンバータ60に出 し(ステップS504)、変更後のキャリア周波数 てDC/DCコンバータ60の駆動を制御した後、処 理を終了する。

 以上説明したように、キャリア周波数を 更することで応答性能低下領域を回避した 域でのDC/DCコンバータの駆動を可能として 良い。

D.応用例
 以上説明した各実施形態の構成を適宜組合 、燃料電池スタック20の出力変動などに応 てDC/DCコンバータ60の各種パラメータ(駆動相 数、通過パワー、キャリア周波数)を最適な 態に制御することで、DC/DCコンバータ60の電 制御性の向上を図るようにしても良い。
 以下、図9を参照しながらコントローラ80に って所定のタイミング(例えば運転開始時や 停止時、あるいは運転中に一定の時間間隔で )実行されるDC/DCコンバータ60の制御について 細を説明する。

 図9は、応用例に係るDC/DCコンバータ60の制 処理を示すフローチャートである。
 コントローラ80は、アクセルセンサ(センサ) 93によって逐次検知されるアクセル開度信号 どに基づき、アクセル開度変化率を求める( ステップS701)。そして、コントローラ(検知手 段、判断手段)80は、ステップS702に進み、求 たアクセル開度変化率と、予め設定された 変判定閾値(設定閾値)とを比較し、求めたア クセル開度変化率が急速判定閾値を上回った か否か(すなわち、燃料電池スタック20の要求 電圧が急変したか否か)を判定する(ステップS 702)。ここで、急変判定閾値は、予め実験な によって求められ、燃料電池スタック20の要 求電圧が急変した場合のアクセル開度変化率 をあらわす。

 コントローラ80は、燃料電池スタック20の 要求電圧が急変していないと判断した場合に は(ステップS702;NO)、本処理ルーチンを抜けて 終了する。一方、コントローラ(パラメータ 御手段)80は、燃料電池スタック20の要求電圧 が急変したと判断した場合には(ステップS702; YES)、DC/DCコンバータ60の電圧制御性を向上す く、駆動相数、通過パワー、キャリア周波 の各パラメータを最適な状態に制御する(ス テップS703)。一例を挙げて説明すると、DC/DC ンバータ60の駆動相数については、電流リッ プルが最小となるように切り換えを行い、DC/ DCコンバータ60のキャリア周波数については デューティー更新周期に最も近い制御可能 周波数に切り換えを行う。さらに、DC/DCコン バータ60の通過パワーについては、決定した 動相数(例えば、三相)とキャリア周波数(例 ば、キャリア周波数Fm)から、応答性能低下 域を回避するようにシフトを行うことで、D C/DCコンバータ60の駆動を制御した後、処理を 終了する。

 以上説明したように、上記実施例によれ 、アクセル開度の大きな変化(急速発進時や 急加速時など)によって燃料電池スタック20の 要求電圧が急変するような場合であっても、 DC/DCコンバータ60の各種パラメータが最適な 態に切り換えられることで、DC/DCコンバータ 60の電圧制御性を向上することが可能となる

 なお、燃料電池スタック20の要求電圧が 変した場合のDC/DCコンバータ60の制御につい 、3つのパラメータ(駆動相数、通過パワー キャリア周波数)を全て切り換え対象として 良いが、いずれか1つのパラメータ(例えば 駆動相数)または2つのパラメータ(例えば、 動相数とキャリア周波数)を切り換え対象と ても良い。また、燃料電池スタック20の要 電圧が急変したか否かの判断は、車速セン 92によって検知される車速信号やFC補機から 要求電力信号など、種々の信号に基づいて 断すれば良い。

第1実施形態に係る燃料電池システムの 主要構成図である。 同実施形態に係るDC/DCコンバータの通 パワーとデッドタイム補正値との関係を示 グラフである。 同実施形態に係る性能低下領域回避制 処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るDC/DCコンバータの通 パワーとデッドタイム補正値との関係を示 グラフである。 同実施形態に係る性能低下領域回避制 処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るDC/DCコンバータの通 パワーとデッドタイム補正値との関係を示 グラフである。 同実施形態に係るDC/DCコンバータの制 信号とリップル電流の関係を示す図である 同実施形態に係る性能低下領域回避制 処理を示すフローチャートである。 応用例に係るDC/DCコンバータの制御処 を示すフローチャートである。

符号の説明

10…燃料電池システム 20…燃料電池スタッ ク 21…FC補機 22…セル電圧検出器 30…トラ ションインバータ 40…トラクションモータ  50…二次電池 60…DC/DCコンバータ 70…車両 機 80…コントローラ。