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Title:
FUEL INJECTION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078449
Kind Code:
A1
Abstract:
A fuel injection device has a hollow cylindrical body (140) slidably containing a plunger (110) to form a fuel pumping chamber (C), a fuel feeding passage (221a) having a feeding port (161a) for allowing the passage to communicate with the pumping chamber, a first valve element (160) for allowing the fuel in the feeding passage to flow into the pumping chamber, a return passage (136) for allowing a part of the fuel to return to the original position, a communication passage (147) for allowing the feeding passage to communicate with the return passage, a discharge passage (146) having a discharge port (141b) for discharging the fuel in the pumping chamber to the return passage, and an injection nozzle (300) for injecting the pressurized fuel in the pumping chamber. The discharge passage (146) is isolated from the communication passage (147) by a partition wall (148) extending to a predetermined position above the feeding port (161a) and discharge port (141b) and is connected to the return passage (136). The construction allows vapor mixed in the fuel in the pumping chamber to be efficiently discharged, and the fuel injection device can perform stable and highly accurate fuel injection at high temperatures.

Inventors:
ITABASHI YUSUKE (JP)
MIZUI HIROSHI (JP)
TOKOYODA SUMIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071078
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
October 30, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MIKUNI KOGYO KK (JP)
ITABASHI YUSUKE (JP)
MIZUI HIROSHI (JP)
TOKOYODA SUMIO (JP)
International Classes:
F02M57/02; F02M51/00; F02M61/06
Foreign References:
JP2003166455A2003-06-13
JP2003129912A2003-05-08
JP2003227432A2003-08-15
JPH0963838A1997-03-07
JP2007100576A2007-04-19
Attorney, Agent or Firm:
YAMAMOTO, Takatoshi (11-5 Nishishinbashi 1-chome, Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 往復動により燃料を圧送及び吸引するプランジャと、
 前記プランジャを摺動自在に収容して燃料の圧送室を画定する筒体と、
 前記圧送室に連通し得る供給口をもつ燃料の供給通路と、
 前記供給通路内の燃料が前記圧送室へ流入するのを許容する第1弁体と、
 燃料の一部を元に戻し得る戻し通路と、
 前記供給通路と前記戻し通路を連通する連通路と、
 前記圧送室内の燃料を前記戻し通路に排出するべく前記筒体の側面に排出口をもつ排出通路と、
 前記圧送室の下流側に配置され圧送された所定圧力以上の燃料を噴射する噴射ノズルを備え、
 前記プランジャは、圧送行程の初期領域で前記排出口を開放しかつ前記初期領域以外の後期領域で前記排出口を閉塞して燃料を噴射するように形成され、
 前記排出通路は、前記供給口及び排出口よりも上方の所定位置まで延在する隔壁により前記連通路から隔離されて、前記戻し通路に連通するように形成されている、
燃料噴射装置。
 前記圧送室内の燃料が前記排出通路へ流出するのを許容する第2弁体を含む、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の燃料噴射装置。
 前記筒体は、前記第1弁体を収容する第1弁室、前記第2弁体を収容する第2弁室、前記連通路、前記隔壁、及び前記排出通路を、一体的に画定するように形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の燃料噴射装置。
 前記プランジャと一体的に電磁駆動されるアマチャと、前記アマチャ及びプランジャを往復動自在に収容すると共に前記筒体に連結された円筒状のヨークを有し、
 前記ヨークは、その内部において、前記戻し通路を画定するように形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の燃料噴射装置。
 前記アマチャ及び前記プランジャは、同一材料により一体成形されている、
ことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の燃料噴射装置。
 前記戻し通路は、前記アマチャの内部を軸線方向に貫通するように形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の燃料噴射装置。
 前記排出通路は、前記排出口から排出された燃料を前記戻し通路に導くべく、前記排出口の近傍において前記ヨークの内部に連通するように形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の燃料噴射装置。
 前記排出通路は、鉛直方向の略上方に向けて伸長するように形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の燃料噴射装置。
 
Description:
燃料噴射装置

 本発明は、往復動するプランジャにより 料を圧送して噴射する燃料噴射装置に関し 特に、二輪車等に搭載される小型エンジン 吸気通路に燃料を噴射するのに適用される 料噴射装置に関する。

 二輪車等に搭載される電子制御型の燃料 射装置としては、燃料タンクよりも低い位 の吸気管等に配置されて、燃料タンクから かれた燃料を、電磁駆動されるプランジャ ポンプ作用により圧送して噴射ノズルから 料を噴射すると共に、余剰の燃料及び発生 たベーパをリターンパイプにより燃料タン に戻すようにしたものが知られている。

 このような燃料噴射装置は、例えば図1に 示すように、往復動により燃料の圧送及び吸 引を行うプランジャ1、プランジャ1と一体的 移動する円筒状のアマチャ2、アマチャ2及 プランジャ1を摺動自在に収容して圧送室Cを 画定する円筒状のインナーヨーク3、インナ ヨーク3の周りに配置された励磁用のコイル4 、コイル4の周りに配置されたアウターヨー 5及びエンドヨーク6、燃料供給通路7から圧 室Cへ燃料を供給する供給口8、供給口8を開 して圧送室C内への燃料の流入を許容するイ レットチェックバルブ9、圧送室Cから余剰 燃料及び発生したベーパを排出する排出口10 及び排出通路11、排出口10を開閉して燃料及 ベーパの排出のみを許容するスピルバルブ12 、余剰の燃料及び発生したベーパを燃料タン クに戻すべくインナーヨーク3の外側でかつ イル4の内側に形成されると共に排出通路11 も連通する戻し通路13、燃料供給通路7と戻 通路13を連通する環状の連通路14、圧送室Cか ら吐出された燃料を噴射する噴射ノズル15等 備えている(例えば、特許文献1参照)。

 しかしながら、この燃料噴射装置において 、図1に示すように、円筒状のインナーヨー ク3の周りに形成された環状の連通路14を介し て、鉛直方向の略同等の高さにおいて燃料供 給通路7及び供給口8と排出口10及び排出通路11 が連通しているため、圧送室Cから排出口10及 び排出通路11を通して排出されたベーパが、 ランジャ1の戻りによる吸引行程で、戻し通 路13に向わずに連通路14を通って供給口8から 送室C内に再び吸引される虞があり、又、燃 料供給通路7内のベーパが連通路14を通って排 出口10から圧送室C内に再び吸引される虞があ る。
 これでは、分離されたベーパを戻し通路か 外部(燃料タンク)に向けて効率よく排出す ことができず、特に、ベーパの発生が増加 る高温時においては、燃料噴射特性に影響 及ぼし、所望の燃料噴射特性を確保するこ が困難になる虞がある。

特開2003-166455号公報

 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み 成されたものであり、その目的とするとこ は、部品点数の削減、構造の簡素化、小型 、低コスト化、組付け性の改善等を図りつ 、発生したベーパ等を効率良く排出するこ ができ、特に高温時に高精度で安定した燃 噴射を行うことができる燃料噴射装置を提 することにある。

 本発明の燃料噴射装置は、往復動により燃 を圧送及び吸引するプランジャと、プラン ャを摺動自在に収容して燃料の圧送室を画 する筒体と、圧送室に連通し得る供給口を つ燃料の供給通路と、供給通路内の燃料が 送室へ流入するのを許容する第1弁体と、燃 料の一部を元に戻し得る戻し通路と、供給通 路と戻し通路を連通する連通路と、圧送室内 の燃料を戻し通路に排出するべく筒体の側面 に排出口をもつ排出通路と、圧送室の下流側 に配置され圧送された所定圧力以上の燃料を 噴射する噴射ノズルを備え、プランジャは、 圧送行程の初期領域で排出口を開放しかつ初 期領域以外の後期領域で排出口を閉塞して燃 料を噴射するように形成され、排出通路は、 供給口及び排出口よりも上方の所定位置まで 延在する隔壁により連通路から隔離されて戻 し通路に連通するように形成されている。
 この構成によれば、プランジャの吸引行程 より第1弁体を経て供給通路から燃料が圧送 室内に供給され、プランジャが圧送行程に入 ると、その初期領域でベーパ混じりの燃料が 、圧送室から排出口を経て排出通路に流出し 、上方の所定位置まで延在する隔壁により、 連通路(及び供給通路)に流れ込むことなく戻 通路に導かれ、後期領域でプランジャが排 口を閉塞して、所定以上の圧力に加圧され 圧送室内の燃料が噴射ノズルから噴射され 。一方、プランジャが吸引行程に入ると、 給通路から第1弁体を経て圧送室内に燃料が 吸引されると共に、供給通路内に発生したベ ーパは、連通路を経た後、上方の所定位置ま で延在する隔壁により、排出通路及び排出口 を経て圧送室に流れ込むことなく戻し通路に 導かれる。
 このように、圧送室から排出通路に流出し ベーパは、連通路及び供給通路に流れ込ん 再び圧送室に吸引されることなく、戻し通 を通して確実に排出され、又、供給通路内 発生したベーパは、排出通路に流れ込んで び圧送室に吸引されることなく、戻し通路 通して確実に排出されるため、圧送室内の 料に混入したベーパが効率良く排出され、 に高温時において安定した高精度の燃料噴 を行うことができる。

 上記構成において、圧送室内の燃料が排出 路へ流出するのを許容する第2弁体を含む、 構成を採用することができる。
 この構成によれば、第2弁体は、プランジャ の圧送行程の初期領域においてのみ開弁し、 プランジャの吸引行程においては閉弁するた め、隔壁及び第2弁体により、供給通路内に 生したベーパが排出通路を経て再び圧送室 吸引されるのをより確実に防止することが きる。

 上記構成において、筒体は、第1弁体を収容 する第1弁室、第2弁体を収容する第2弁室、連 通路、隔壁、及び排出通路を、一体的に画定 するように形成されている、構成を採用する ことができる。
 この構成によれば、圧送室を画定する筒体 対して、第1弁室、第2弁室、連通路、隔壁 及び排出通路が一体的に形成されることで これら相互間の配置関係を高精度に位置決 することができ、特に、連通路の上流側に 置する供給通路の供給口及び排出通路の排 口と両者を隔離する隔壁の相互間の高さ関 を所望の高さ寸法となるように高精度に設 ないし管理することができる。

 上記構成において、プランジャと一体的に 磁駆動されるアマチャと、アマチャ及びプ ンジャを往復動自在に収容すると共に筒体 連結された円筒状のヨークを有し、円筒状 ヨークは、その内部において、戻し通路を 定するように形成されている、構成を採用 ることができる。
 この構成によれば、戻し通路をヨークとコ ルの間に設ける場合に比べて、ヨークとコ ルを接近させて配置できるため、磁路を短 しつつ磁気損失を抑制して、発生する電磁 (推力)を大きくすることができ、又、ベー を排出するための戻し通路を確保しつつも 装置の小径化、小型化等を達成することが きる。

 上記構成において、アマチャ及びプランジ は、同一材料により一体成形されている、 成を採用することができる。
 この構成によれば、同一材料により一体的 形成することにより、組付け工数の削減、 品点数の削減、コストの低減等を達成する とができる。

 上記構成において、戻し通路は、アマチャ 内部を軸線方向に貫通するように形成され いる、構成を採用することができる。
 この構成によれば、円筒状のヨークの内部 おいて、戻し通路を確保しつつも、アマチ がヨークの内周面を摺動する際の摺動面を 周において均一に確保できるため、摺動抵 を減らしつつアマチャをより円滑に作動さ ることができる。

 上記構成において、排出通路は、排出口か 排出された燃料を戻し通路に導くべく、排 口の近傍においてヨークの内部に連通する うに形成されている、構成を採用すること できる。
 この構成によれば、圧送室から排出口を通 て導き出されたベーパを、排出口及び第2弁 体の周りに留まらせることなく、即座に排出 通路を通して戻し通路に向けて排出すること ができる。

 上記構成において、排出通路は、鉛直方向 略上方に向けて伸長するように形成されて る、構成を採用することができる。
 この構成によれば、排出口から排出された ーパを、その上昇力を利用して排出通路か 戻し通路に向けて効率よく排出することが きる。

 上記構成をなす燃料噴射装置によれば、 品点数の削減、構造の簡素化、小型化、低 スト化、組付け性の改善等を達成しつつ、 生したベーパ等を効率良く排出することが き、特に高温時に高精度で安定した燃料噴 を行うことができる、特に二輪車等に搭載 れる小型エンジンに好適な電子制御型の燃 噴射装置を得ることができる。

従来の燃料噴射装置を示す縦断面図で る。 本発明に係る燃料噴射装置がエンジンE に搭載された状態を示す概略構成図である。 本発明に係る燃料噴射装置の一実施形 を示す縦断面図である。 図3中のE1-E1における燃料噴射装置の縦 面図である。 図2に示す燃料噴射装置の一部をなす ランジャ及びアマチャを示す平面図である 図2に示す燃料噴射装置の一部をなす ランジャ及びアマチャを示す側面図である 図2に示す燃料噴射装置の一部をなす ランジャ及びアマチャを示すものであり、 5A中のE2-E2における縦断面図である。 図2に示す燃料噴射装置の動作を説明 るものであり、プランジャが圧送行程の初 領域にある状態を示す部分断面図である。 図2に示す燃料噴射装置の動作を説明 るものであり、プランジャが圧送行程の後 領域にある状態を示す部分断面図である。

符号の説明

E エンジン
20 燃料タンク
30 フィードホース
40 低圧フィルタ
50 リターンホース
60 コントロールユニット
L 軸線方向
100 プランジャポンプ
110 プランジャ
120 アマチャ
121 肉抜き部(戻し通路)
122 貫通孔(戻し通路)
130 インナーヨーク(円筒状のヨーク)
131 外周面
132 内周面
133 環状ギャップ溝
134 コネクタ
135 連結部
136 戻し通路
137 ストッパ
140 通路部材(筒体)
141 貫通路
C 圧送室
141a 貫通孔
141b 排出口
142 第1弁室
143 第2弁室
144 円筒部
145 上面部
146 排出通路
147 連通路
148 隔壁
150 フィルタ部材
151 フィルタ
152 連通孔
160 インレットチェックバルブ(第1弁体)
161 スリーブ
161a 供給口
161b 貫通孔
162 弁
163 スプリング
170 スピルバルブ(第2弁体)
171 スリーブ
171a 連通孔
172 弁
173 スプリング
180 リターンスプリング
190 ボビン
200 励磁用のコイル
210 アウターヨーク
220 ケース
221 供給パイプ
221a 供給通路
222 コネクタ
300 噴射ノズル
310 ノズルボデー
311 吐出通路
320 チェックバルブ
330 ポペットバルブ

 以下、本発明の実施の形態について、添付 面を参照しつつ説明する。
 この装置を適用する燃料供給システムは、 2に示すように、二輪車の燃料タンク20、エ ジンEの吸気通路Eaに臨むように配置された 料噴射装置M、燃料を供給するフィードホー ス30、フィードホース30の途中に配置された 圧フィルタ40、供給された燃料の一部を燃料 タンク20に戻すリターンホース50、装置Mの駆 を制御する駆動回路等を含むコントロール ニット60等を備えている。
 燃料噴射装置Mは、図3に示すように、電磁 により駆動されて燃料の圧送を行うプラン ャポンプ100、所定の圧力以上に加圧された 料を噴射する噴射ノズル300等を備えている

 プランジャポンプ100は、図3に示すように 、上下方向L(軸線方向)に往復動するプランジ ャ110、プランジャ110と一体的に形成されたア マチャ120、円筒状のインナーヨーク130、イン ナーヨーク130の下端に嵌合されて通路を形成 する筒体としての通路部材140、通路部材140の 周りに嵌合されたフィルタ部材150、通路部材 140に配置された第1弁体としてのインレット ェックバルブ160、通路部材140に配置された 2弁体としてのスピルバルブ170、アマチャ120( 及びプランジャ110)を上方の休止位置に戻す ターンスプリング180、インナーヨーク130の りに嵌合されたボビン190、ボビン190に巻回 れた励磁用のコイル200、ボビン190の上端か 下端まで伸長して形成されたアウターヨー 210、コイル200を覆うように成型されると共 供給パイプ221及び電気接続用のコネクタ222 形成する樹脂製のケース220等を備えている

 プランジャ110は、図3ないし図5Cに示すよう 、磁性ステンレス材料を用いてアマチャ120 一体的に形成されており、後述する通路部 140の貫通路141に対して摺動自在に嵌合され ように円柱状に形成されている。
 アマチャ120は、図3ないし図5Cに示すように 磁性ステンレス材料を用いてプランジャ110 一体的に形成されており、後述するインナ ヨーク130の内周面132に摺動自在に嵌合する うに円筒状に形成され、その内部を貫通す 肉抜き部121及び3つの貫通孔122を備えている 。3つの貫通孔122は、周方向において等間隔 形成されている。
 肉抜き部121及び貫通孔122は、余剰の燃料及 発生したベーパを燃料タンク20に戻す戻し 路の一部を画定するものである。

 このように、アマチャ120は、その内部を軸 方向Lに貫通する肉抜き部121及び貫通孔122を 画定するように形成されているため、インナ ーヨーク130の内部において、戻し通路136を確 保しつつも、アマチャ120がインナーヨーク130 の内周面132を摺動する際の摺動面を全周にお いて均一に確保でき、摺動抵抗を減らしつつ アマチャ120をより円滑に作動させることがで きる。
 そして、プランジャ110は、アマチャ120と一 的に移動して、貫通路141の下方に画定され 圧送室Cに対して、上方の休止位置に戻る際 に燃料を吸引する吸引行程を行い、下方に移 動する際に圧送室Cの燃料を圧縮して圧送す 圧送行程を行うようになっている。
 ここでは、アマチャ120及びプランジャ110は 同一材料により一体成形されているため、 付け工数の削減、部品点数の削減、コスト 低減等を達成できる。

 インナーヨーク130は、図3及び図4に示す うに、磁路として機能する磁性材料を用い 、外周面131及び内周面132を画定する円筒状 形成されており、その軸線方向Lの略中間領 において、外周面131の一部が外側に向けて 広がり状の台形断面をなすように肉抜きさ た環状ギャップ溝133、その上端においてリ ーンホース50を接続するためのコネクタ134 その下端において通路部材140を連結する連 部135等を備えている。

 そして、インナーヨーク130は、その内部に いて、余剰の燃料及び発生したベーパを燃 タンク20に戻す戻し通路136を画定している
 尚、インナーヨーク130の上方領域の内部に 、アマチャ120を当接させて停止させる休止 置を規定する円筒状のストッパ137が設けら ている。ストッパ137は、戻し通路136の一部 画定している。
 このように、円筒状のインナーヨーク130は その内部において、戻し通路136を画定する うに形成されているため、戻し通路をイン ーヨーク130とコイル200の間に設ける場合に べて、インナーヨーク130とコイル200を接近 せて配置できるため、磁路を短くしつつ磁 損失を抑制して、発生する電磁力(推力)を きくすることができ、又、ベーパを排出す ための戻し通路136を確保しつつも、装置の 径化、小型化等を達成することができる。

 通路部材140は、図3、図4、図6A、図6Bに示 ように、非磁性のステンレス材料を用いて 多段円筒状に形成され、プランジャ110を摺 自在に嵌合させる円形断面をなす貫通路141 貫通路141の側面から径方向に貫通する貫通 141a、貫通孔141aよりも上方位置において貫 路141の側面から径方向に貫通する排出口141b 貫通孔141aの外側に形成された凹状の第1弁 142、排出口141bの外側に形成された凹状の第2 弁室143、上端においてインナーヨーク130の連 結部135を嵌合する円筒部144、リターンスプリ ング180の下端部を支持する上面部145、第2弁 143から上面部145に向けて貫通する排出通路14 6、後述する供給通路221aと戻し通路136を連通 る連通路147、排出通路146と連通路147を隔離 る隔壁148、フィルタ部材150を外嵌させる外 面149a、フィルタ部材150を担持する環状フラ ンジ149b、噴射ノズル300を嵌合して固定する めの円形断面をなす嵌合凹部149c等を備えて る。

 貫通路141は、貫通孔141a及び排出口141bが設 られた近傍領域においては、燃料を吸引し 圧送する圧送室Cを画定するようになってい 。
 第1弁室142は、インレットチェックバルブ160 (第1弁体)を嵌合させて収容するように形成さ れている。
 第2弁室143には、スピルバルブ170(第2弁体)を 嵌合させて収容するように形成されている。

 円筒部144は、インナーヨーク130の連結部135( 内周面)に嵌合されて、貫通路141の軸心とイ ナーヨーク130の戻し通路136の軸心を同軸L上 位置決めするようになっている。
 上面部145は、平坦に形成されており、リタ ンスプリング180の下端部を支持すると共に し通路136の下端、排出通路146の上端、連通 147の上端、隔壁148の上端をそれぞれ画定し いる。

 排出通路146は、図3、図6A及び図6Bに示すよ に、排出口141bから排出された燃料又はベー (ベーパ混じりの燃料)を戻し通路136に導く く、排出口141bの近傍において鉛直方向の略 方に向けて伸長するように形成されている
 このように、排出通路146は、排出口141bの近 傍に形成されているため、圧送室Cから排出 141bを通して導き出されたベーパを、排出口1 41b及びその直近下流近傍に留まらせることな く、即座に排出通路146を通して戻し通路136に 向けて排出することができる。
 また、排出通路146は、鉛直方向の略上方に けて伸長するように形成されているため、 出口141bから排出されたベーパを、その上昇 力を利用して、排出通路146から戻し通路136に 向けて効率よく排出することができる。

 連通路147は、図4に示すように、後述する供 給通路221a内の余剰の燃料又は発生したベー を戻し通路136に導くべく、インナーヨーク13 0との連結領域において、供給通路221aから戻 通路136に斜め上方に向うように2つ形成され ている。
 隔壁148は、図4に示すように、後述する供給 口161a及び排出口141bよりも上方の所定高さに 置する上面部145まで延在して、排出通路146 連通路147から隔離した状態で、排出通路146 連通路147をそれぞれ戻し通路136に連通させ ように形成されている。
 すなわち、隔壁148は、排出口141bから流れ出 たベーパが排出通路146及び連通路147を経て再 び供給口161aに吸い込まれるのを防止できる うに、かつ、供給口161aの上流側に発生した ーパが連通路147及び排出通路146を経て排出 141bから圧送室C内に吸い込まれるのを防止 きるように、鉛直方向において所定の高さ なすように形成されている。

 ここでは、図4に示すように、装置の軸線 方向Lが上下方向(鉛直方向)に向う状態におい て、隔壁148が排出通路146を連通路147から隔離 するように形成されているが、軸線方向Lが 直方向(重力方向)に対して所定角度傾斜した 状態で装置が二輪車等に装着された場合にお いても、隔壁148は、排出口141b→排出通路146 連通路147→供給口161aへのベーパの流れ、及 、供給口161aの上流側→連通路147→排出通路 146→排出口141bへのベーパの流れを防止でき ように、鉛直方向(重力方向)において所定の 高さをなすように形成されている。

 このように、通路部材140(筒体)は、圧送室C 排出口141b、第1弁室142、第2弁室143、連通路1 47、隔壁148、及び排出通路146を一体的に画定 るように形成されているため、これら相互 の配置関係を高精度に位置決めすることが き、特に、連通路147の上流側に位置する供 通路221aに通じる後述の供給口161a及び排出 路146の排出口141bと、両者を隔離する隔壁148 相互間の高さ関係を所望の高さ寸法となる うに高精度に設定ないし管理することがで る。
 また、通路部材140が非磁性ステンレス材料 より形成されているため、コイル200への通 により発生した磁力線がこの領域(通路部材 140)まで流れ込むのを遮断でき、インナーヨ ク130及び後述するアウターヨーク210により 成される短い磁路内を流れさせることがで る。

 フィルタ部材150は、図3、図4、図6A、図6Bに すように、樹脂材料を用いて形成され、ゴ 等の混入物又はベーパを燃料から分離する ィルタ151、連通路147に連通する連通孔152を えている。フィルタ部材150は、筒状部材140 外周面149aに外嵌され、その下端が環状フラ ンジ149bに担持され、その上端が後述するケ ス220の内周面223に嵌合されたOリングを押圧 るようにして組み込まれるようになってい 。
 そして、フィルタ部材150は、後述する供給 路221a内の燃料に含まれるゴミ等の混入物又 は発生したベーパを燃料から分離するように なっている。

 インレットチェックバルブ160(第1弁体)は、 3、図4、図6A、図6Bに示すように、第1弁室142 に嵌合されると共に供給口161a及び貫通孔161b 画定するスリーブ161、スリーブ161内に配置 れて供給口161aを開閉する球状の弁162、弁162 を閉弁方向に付勢する圧縮型のスプリング163 等により形成されている。
 そして、インレットチェックバルブ160は、 ランジャ110の吸引行程において(弁162が供給 口161aを開放することで)、所定圧力以上の燃 が、供給口161a→貫通孔161b→貫通孔141aを通 て、圧送室C内に流れ込むのを許容すると共 に、プランジャ110の圧送行程において(弁162 供給口161aを閉鎖することで)、供給口161aか 外部(供給通路221a又は連通路147)に燃料が流 出るのを規制するようになっている。

 スピルバルブ170(第2弁体)は、図3、図4、図6A 、図6Bに示すように、第2弁室143に嵌合される と共に排出通路146に連通する連通孔171aを画 する有底状のスリーブ171、スリーブ171内に 置されて排出口141bを開閉する球状の弁172、 172を閉弁方向に付勢する圧縮型のスプリン 173等により形成されている。
 そして、スピルバルブ170は、プランジャ110 吸引行程において(弁172が排出口141bを閉鎖 ることで)、排出通路146から排出口141bを通し て、圧送室C内に燃料又はベーパが流れ込む を規制すると共に、プランジャ110の圧送行 の初期領域において(弁172が排出口141bを開放 することで)、排出口141bから排出通路146を経 戻し通路136に燃料又はベーパが流れ出るの 許容するようになっている。
 このように、プランジャ110の圧送行程の初 領域においてのみ開弁しかつプランジャ110 吸引行程においては閉弁するスピルバルブ1 70を設けたことにより、隔壁148と協働して、 給通路221a内に発生したベーパが排出通路146 及び排出口141bを経て再び圧送室Cに吸引され のを、より確実に防止することができる。

 リターンスプリング180は、図3及び図4に示 ように、圧縮型のコイルスプリングであり インナーヨーク130の下方空間に収容されて その上端部がアマチャ120の下面部に当接さ 、その下端部が通路部材140の円筒部144の内 において上面部145に当接され、所定の圧縮 に圧縮された状態で装着されている。
 そして、リターンスプリング180は、コイル2 00が通電されたときアマチャ120(及びプランジ ャ110)が下方に移動するのを許容すると共に コイル200が非通電のときアマチャ120(及びプ ンジャ110)を上方の休止位置(ストッパ137に 接する位置)に復帰させるように付勢力を及 している。

 ボビン190は、図3及び図4に示すように、樹 材料を用いて、中央に円形断面の貫通路191 外周面に矩形断面の環状溝192を画定するよ に形成されている。
 貫通路191には、図3及び図4に示すように、 ンナーヨーク130が嵌合して取り付けられ、 状溝192には励磁用のコイル200が巻回されて る。

 アウターヨーク210は、図3及び図4に示すよ に、磁路として機能する磁性材料を用いて ボビン190を上下方向において挟む上側ヨー 211及び下側ヨーク212、上側ヨーク211と下側 ーク212を接続するべく上下方向(軸線方向L) 伸長する2つの縦ヨーク213を画定するように 成されている。
 すなわち、アウターヨーク210は、インナー ーク130と協働して磁路を形成すると共に、 気損失を抑制できると共に発生する電磁力( 推力)を大きくすることができるように形成 れている。これにより、プランジャ110の応 性を高めることができ、噴射ノズル300から 射される噴射量の精度を向上させることが きる。

 ケース220は、図3及び図4に示すように、コ ル200を巻回したボビン190及びアウターヨー 210を一体的に組み込んだ状態で、樹脂材料 用いて成型(モールド)されており、燃料を供 給する供給通路221aを画定する供給パイプ221 コネクタ222、Oリングを嵌合させるべくイン ーヨーク130の外周面131よりも大きい径をな 内周面223等を備えている。
 供給パイプ221は、図2に示すように、燃料タ ンク20から燃料を供給するべく、フィードホ ス30に接続されるようになっている。
 供給通221aは、フィルタ部材150(及び供給口16 1a)よりも上流側において、連通路147を介して 、インナーヨーク130内の戻し通路136に連通す るように形成されている。
 すなわち、供給通路221aから供給された燃料 の一部は、プランジャ110の吸引行程において 、フィルタ部材150及び供給口161aを経て、圧 室C内に流れ込み、余剰の燃料及びフィルタ 材150の上流側で発生したベーパは、連通路1 47を経て、戻し通路136を通り抜け、リターン ース50を介して燃料タンク20に戻されるよう になっている。

 噴射ノズル300は、図3及び図4に示すよう 、通路部材140の嵌合凹部149cに嵌合されるべ 筒状に形成されたノズルボデー310、圧送室C の下端に形成された吐出通路311、吐出通路311 からの流出のみを許容するチェックバルブ320 (すなわち、弁321、弁321を閉弁方向に付勢す スプリング322)、燃料が所定圧力以上のとき 弁するポペットバルブ330(すなわち、ポペッ ト弁331、ポペット弁331を閉弁方向に付勢する スプリング332)等を備えている。

 次に、上記燃料噴射装置の動作について説 する。
 先ず、アマチャ120(及びプランジャ110)が休 位置にある状態において、コイル200が通電 れると、電磁駆動力が発生して、休止位置 あるプランジャ110は、リターンスプリング18 0の付勢力に抗して下向きに移動し始めて、 送室C内の燃料を加圧しつつ圧送行程を開始 る。
 そして、この圧送行程の初期領域において 、図6Aに示すように、圧送される燃料が所 の圧力(与圧)以上になるとスピルバルブ170が 開弁して排出口141bを開放し、ベーパ混じり 燃料が排出通路146から戻し通路136(さらには リターンホース50→燃料タンク20)に向けて 出される。
 すなわち、排出通路146は、隔壁148を介して 連通路147と隔離されているため、排出通路1 46を通り抜けたベーパが、連通路147を通って 給口161aの直近上流に流れ込み、吸引行程の 際に再び供給口161aから圧送室C内に吸引され のを防止することができる。

 続いて、プランジャ110がさらに移動するこ により圧送行程の後期領域に入ると、図6B 示すように、プランジャ110の側面が排出口14 1bを閉塞すると同時に、圧送室C内の燃料をさ らに昇圧させる。
 そして、圧送室C内の燃料が所定の圧力に上 昇した時点で、チェックバルブ320が開弁し、 所定圧力以上の燃料が、ポペットバルブ330を 開弁させると同時にエンジンEの吸気通路内 噴射される。

 一方、燃料噴射後においてコイル200への通 が断たれると、リターンスプリング180の付 力により、プランジャ110及びアマチャ120は 方に向けて移動し始める。このとき、イン ットチェックバルブ160が開弁して吸引行程 開始され、供給通路221a内の燃料がフィルタ 部材150を経て、供給口161aから貫通孔161b,141a 経て圧送室C内に吸引される。
 このとき、燃料内に発生したベーパは、フ ルタ部材150により積極的に分離されて、連 路136から戻し通路136に(さらには、リターン ホース50→燃料タンク20)に向けて排出される

 ここで、連通路147は、隔壁148を介して、排 通路146と隔離されているため、連通路147を り抜けたベーパが、排出通路146を通って排 口141bの直近に流れ込み、再び排出口141bか 圧送室C内に流れ込むのを防止することがで る。
 噴射ノズル300からの燃料の噴射においては 上記プランジャポンプ100による圧送行程及 吸引行程からなる一連の動作が連続的に繰 返されることになる。

 このように、上記燃料供給装置によれば 圧送室Cから排出通路146に流出したベーパは 、連通路147及び供給通路221aに流れ込んで再 圧送室Cに吸引されることなく、戻し通路136 通して確実に排出され、又、供給通路221a内 に発生したベーパは、排出通路146に流れ込ん で再び圧送室Cに吸引されることなく、戻し 路136を通して確実に排出されるため、圧送 C内の燃料に混入したベーパが効率良く排出 れ、特に高温時において安定した高精度の 料噴射を行うことができる。

 上記実施形態においては、プランジャ110を 磁駆動により駆動する手法を採用した場合 示したが、これに限定されるものではなく プランジャ110をその軸線方向に往復動させ 燃料の吸引及び圧送を行わせるものであれ 、その他の駆動源を適用してもよい。
 上記実施形態においては、プランジャ110と マチャ120を同一材料で一体的に形成した場 を示したが、これに限定されるものではな 、プランジャ110をその他の軽量材料により 個に形成した後に、アマチャに接合しても い。

 上記実施形態においては、筒体として通路 材140を採用し、この通路部材140に対して、 送室C、排出口141b、第1弁室142、第2弁室143、 連通路147、隔壁148、及び排出通路146を一体的 に形成した場合を示したが、これに限定され るものではなく、別々に形成してもよく、供 給口161a及び排出口141bよりも鉛直方向の上方 で延在する隔壁を設け、この隔壁により、 出通路146と連通路147を隔離しつつ戻し通路1 36に連通するように形成されていれば、その の形態を適用してもよい。
 上記実施形態においては、戻し通路として インナーヨーク130の内部に設けた戻し通路1 36を採用した場合を示したが、これに限定さ るものではなく、従来のようにインナーヨ クとボビンの間に戻し通路を設けた構成に いて、本発明を採用してもよい。
 上記実施形態においては、第2弁体としての スピルバルブ170を採用した場合を示したが、 これに限定されるものではなく、スピルバル ブ170を廃止した構成においても、本発明の構 成を採用することができる。

 以上述べたように、本発明の燃料噴射装置 、部品点数の削減、構造の簡素化、小型化 低コスト化、組付け性の改善等を達成しつ 、発生したベーパ等を効率良く排出するこ ができ、特に高温時に高精度で安定した燃 噴射を行うことができるため、二輪車等に 載される小型エンジンにおける電子制御型 燃料噴射装置として適用できるのは勿論の と、二輪車以外の軽車両、あるいは、小型 が要求されないその他の車両等に搭載され エンジンにおいても有用である。