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Patent Searching and Data


Title:
FUSE LINK AND FUSE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111614
Kind Code:
A1
Abstract:
In a fuse link where n(n=S) interrupting portions (22-1, 22-2, 22-3, ..., 22-(n-1), 22-n) are constituted by arranging P interrupting portion narrow strips constricted into mortar type in parallel by means of m elliptical holes (Q1, Q2, Q3, ..., Qm-1, Qm, (m=P-1)) which are arranged in parallel and contiguously to each other and semielliptical portions (cut portions) on the opposite sides thereof, n sets of the interrupting portions (22-1, 22-2, 22-3, ..., 22-(n-1), 22-n) are arranged in series through coupling strips (heat dissipation strips) (21-1, 21-2, 21-3, ..., 21-(n-1), 21-n) having a length of 2.5 mm or less measured in the series direction and a thickness of tR=80-150 μm. The interrupting portions (22-1, 22-2, 22-3, ..., 22-(n-1), 22-n) have a thickness of tH=10-60 μm. With such an arrangement, a fuse link which can be made compact and can be reduced in the value of I2t and the cost, and a fuse employing that fuse link can be provided.

Inventors:
KOBAYASHI SHINICHI (JP)
HIROSE KENGO (JP)
ISHIKAWA YUHZOH (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054513
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NAT UNIVERSITY CORP SAITAMA UN (JP)
KOBAYASHI SHINICHI (JP)
HIROSE KENGO (JP)
ISHIKAWA YUHZOH (JP)
International Classes:
H01H85/046; H01H85/10; H01H85/12
Foreign References:
JP2006073331A2006-03-16
JPH08153456A1996-06-11
JPH08512426A1996-12-24
JP2002203468A2002-07-19
JPH04282527A1992-10-07
JPH09330644A1997-12-22
JPS62117234A1987-05-28
JP2006073331A2006-03-16
Other References:
See also references of EP 2131380A4
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (2-8 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
  絶縁性基板と、該絶縁性基板の表面に形成された導電性薄膜のパターンからなるヒューズリンクであって、
 前記導電性薄膜のパターンが、複数個の遮断部狭小帯を並列配置した遮断部を、更に直列に連結帯を介して交互に周期的に配列して直列接続したパターンをなし、
 前記遮断部の厚さが10~60μmで、前記連結帯の厚さが80~150μmであり、且つ前記連結帯の直列方向に測った長さが2.5mm以下であることを特徴とするヒューズリンク。
 前記遮断部の直列接続の数が、100V当たり、1.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のヒューズリンク。
 前記遮断部狭小帯の並列数が、前記並列方向に測った前記遮断部の幅1cm当たり12以上であることを特徴とする請求項1に記載のヒューズリンク。
 前記遮断部狭小帯の並列数が、前記並列方向に測った前記遮断部の幅1cm当たり12以上であることを特徴とする請求項2に記載のヒューズリンク。
 ヒューズ筒となる絶縁管と、
 該絶縁管の内部に収納され、絶縁性基板と、該絶縁性基板の表面に形成された導電性薄膜のパターンからなるヒューズリンク
 とを備えるヒューズであって、
 前記導電性薄膜のパターンが、複数個の遮断部狭小帯を並列配置した遮断部を、更に直列に連結帯を介して交互に周期的に配列して直列接続したパターンをなし、
 前記遮断部の厚さが10~60μmで、前記連結帯の厚さが80~150μmであり、且つ前記連結帯の直列方向に測った長さが2.5mm以下であることを特徴とするヒューズ。
 前記ヒューズリンクの複数枚が、前記絶縁管の内部に並列接続されて収納されていることを特徴とする請求項5に記載のヒューズ。
 前記遮断部の直列接続の数が、100V当たり、1.5以上であることを特徴とする請求項5に記載のヒューズ。
 前記遮断部狭小帯の並列数が、前記並列方向に測った前記遮断部の幅1cm当たり12以上であることを特徴とする請求項5に記載のヒューズ。
 前記遮断部狭小帯の並列数が、前記並列方向に測った前記遮断部の幅1cm当たり12以上であることを特徴とする請求項7に記載のヒューズ。
Description:
ヒューズリンク及びヒューズ

 本発明は、GTOサイリスタやIGBT等の半導体 スイッチングデバイスの保護用のヒューズに 用いるヒューズリンク及びこのヒューズリン クを用いたヒューズに関する。

 半導体スイッチングデバイスの著しい発達 対し、その半導体装置を保護する保護用ヒ ーズは常に遅れて発達して来た。半導体装 保護用ヒューズにおいては、その遮断実験 オシログラム波形で読まれる遮断電流Iの二 乗値(I 2 dt)を遮断時間0~tで積分したI 2 t値が定義され、同一定格のヒューズと比較 て、I 2 t値が小さい方が性能が良いとされる。又、 位ヒューズを並列に配列して単位並列部(並 遮断部)を構成し、この並列遮断部をS個直 に接続してヒューズエレメントができる。 ち、並列遮断部を構成する遮断部狭小帯の 列数が「P値」として表され、並列遮断部を 列に並べた直列数が「S値」で表される。ヒ ューズエレメントの設計に際しては、S値は 格電圧に対応して決定し、P値は定格電流に 応して決定される。これらの値の従来値はS 値に対して1~1.25/100V、P値に対し1~10P/cmが20年 上も守られてきた。

 半導体装置保護用ヒューズとしては、従来 銀リボンプレス加工型のヒューズエレメン が知られている。例えば、銀(Ag)リボンにプ レス金型によって3個の円形の穴を隣接して 列に開口し、更に両側に半円形の窪みを設 ることにより、4個の遮断部狭小帯を構成し これにより単位ヒューズを4個並列に並べた 並列遮断部を構成し、更にこの4個並列した 列遮断部を連結帯(放熱帯)を介して5組直列 並べた構造が知られている。この場合は、 リボンの断面積が狭小にされた遮断部狭小 が5個直列で4個並列なので、5S4Pと表現され 。銀リボンプレス加工型のヒューズエレメ トは、ヒューズ筒中に消弧砂に埋められて 納される。通電電流はヒューズエレメント 通常流れているが、事故電流が発生すると 断面積が小さくて抵抗値の高い各遮断部狭 帯が溶断し、アーク電圧が高まって事故電 が速やかに遮断される。銀リボンプレス加 型のヒューズエレメントは、最近では、AC800 0V電流3000Aを越えるものも作られているが、 型で価格も1ヶ20万円以上のものまである。 かし、従来のプレス加工型のヒューズエレ ントは、板厚150μ線幅150μが限界であり、I 2 t値の低減、コスト低減と小型化には、その 界が見えてきたように考えられている。

 このため、この様な銀リボンプレス加工型 ヒューズエレメントに対し、本発明者は、 ッチング・ヒューズエレメントを提案して た(特許文献1参照。)。エッチング・ヒュー エレメントは、電気的絶縁性を有する長方 の板状をしたセラミック基板の表面に、導 性薄膜が形成されて構成され、銀リボンプ ス加工型のヒューズエレメントと同様に、 ューズ筒中に消弧砂に埋められて収納され 。導電性薄膜は銅箔や銀箔等からなり、エ チングにより、遮断部狭小帯のパターンが 成される。例えば、エッチングによるパタ ニングにより、隣接して並列配置された4個 の楕円部及びこの両側の半楕円部(切り欠き )により、5個の遮断部狭小帯を構成し、これ により単位ヒューズを4個並列に並べた並列 断部を構成し、更にこの並列遮断部を連結 (放熱帯)を介して5組直列に並べた構造が知 れている。この場合は、上記定義により、5S 5Pのパターンとなる。通電電流はヒューズエ メントの導電性薄膜を通常流れているが、 故電流が発生すると、断面積が小さくて抵 値の高い各遮断部狭小帯が溶断し、アーク 圧が高まって事故電流が速やかに遮断され 。このエッチングヒューズも、従来、フイ ム厚さ30~60μm線幅100μm程度が限界と考えら ていた。特に、並列遮断部を接続する連結 (放熱帯)の直列方向に測った長さが3mmは必要 であろうと考えられており、このためS値の 大は、定格電圧600Vクラスでは、8S程度であ うと考えられ、I 2 t値の低減、コスト低減と小型化には、その 界が見えてきた。S値に対して1/100V、P値に対 し10P/cmの従来型エッチング・ヒューズエレメ ントが製品化され、銀リボンプレス加工型の ヒューズエレメントに比し、小型高性能であ っても、ややコスト高となるので販売の低迷 が続いている。EUに於いても基礎研究があり がら実用化しないので同一原因かと思われ 。

特開2006-73331号公報

(発明が解決しようとする課題)
 図2(a)は、エッチングヒューズを構成する単 位ヒューズの構造を詳細に説明する断面図で ある。又、図2(b)は図2(a)に対応し、4個の単位 ヒューズの構造を詳細に説明する平面図であ る。即ち、図2は、厚さt H で、直列方向に測った長さH、並列方向に測 た最小幅b、最大幅Bとなるように臼型に括れ た形状の遮断部狭小帯22 -k と、遮断部狭小帯22 -k に接続され、厚さt R で、直列方向に測った長さR、並列方向に測 た幅Bの矩形の連結帯(放熱帯)21 -k とで単位ヒューズを構成していることを示し ている。このため、単位ヒューズの直列方向 に測った長さP L =H+Rとなる。

 図3に示すように、ヒューズリンクの直列方 向に測った長さをL、ヒューズリンクの並列 向に測った幅をW、端子部11,12の直列方向に った長さをTとすれば、分割P値及び分割S値 用いて:

       B=W/P              ……(1)
       P L =H+R=(L-2T)/S     ……(2) 

 従来も、ヒューズの遮断性能を改善するた に、遮断点を多くすることが試みられてい 。しかしながら、S値を増大し、ヒューズの 直列遮断点を増加させる場合、二つの直列遮 断点の間に直列方向に測った長さRの大きな 結帯(放熱帯)21 -k が必要となる。長さRの大きな連結帯(放熱帯) 21 -k がなければ、連結帯(放熱帯)21 -k の直列方向の両側の端部から連結帯(放熱帯)2 1 -k の内部に向かって延びる二つのアークは発生 後間もなく一つのアークとなってしまう。特 に、遮断に時間がかかると、連結帯(放熱帯)2 1 -k の直列方向の両側の端部から連結帯(放熱帯)2 1 -k の内部に向かって延びる二つのアークが進展 し、連結帯(放熱帯)21 -k を侵食して消滅させ、両アークが合体して一 つのアークとなり遮断不能となる。又、長さ Rの大きな連結帯(放熱帯)21 -k があることが、遮断部狭小帯22 -k の幅bをより小さくすることができるので、I 2 t特性改善の大きな決め手となる。

 故にエッチングヒューズはこれが消滅しな ように連結帯(放熱帯)21 -k の長さRを確保することが、最重要事項とな 、従来はR=3mmが最小値であると考えられてい た。ヒューズの開発は常に熾烈な競争の中に あるので、ヒューズリンクの直列方向に測っ た長さ(全長)Lにも限られた長さがあり、連結 帯(放熱帯)21 -k の長さRを確保しながらS値を増大し、遮断点 増加させることは甚だ難しい。ここ数十年 わたり遮断点数は1~1.2個/100Vの中にあること がそれを証明している。

 又、分割S値を増大し、直列遮断点を増加さ せるとヒューズエレメント全体の抵抗も増加 させることになり、定格電流値が小となる。 定格電流値を大きくするために、遮断部22 -k における遮断部狭小帯の断面積Sの総和(σ)に 当するヒューズリンクの総合最小断面積σS= b・Pを大きくすることは、半導体装置保護用 ューズの、最重要であるI 2 t値を大きくするので、到底許されることで ない。この点からも、分割S値のみを安易に 加できないのである。

 この様に、従来は、S値を増加させること によりヒューズの遮断性能を向上させること が要望されていたのにもかかわらず、現実に は、長年の間、これを実施した例はなく、こ の分割S値を増加させることは解決できない 術的課題であった。

 上記問題を鑑み、本発明は、I 2 t値の低減、コスト低減と小型化が可能なヒ ーズリンク及びこのヒューズリンクを用い ヒューズを提供することを目的とする。

(課題を解決するための手段)
 上記目的を達成するために、本発明の第1の 態様は、隣接して並列配置された複数の穴及 びこの両側の切り欠き部により、P個の遮断 狭小帯を並列配置した遮断部を構成し、こ 遮断部が、直列方向に測った長さが2.5mm以下 で、厚さ80~150μmの連結帯を介してS組直列に べられ、遮断部の厚さが10~60μmであるヒュー ズリンクであることを特徴とする。微細加工 性を考慮すると、遮断部の厚さは10~40μmが好 しく、更に分割P値及び分割S値を増大する めには、遮断部の厚さが10~30μm程度が好まし い。

 本発明の第2の態様は、ヒューズ筒となる 絶縁管と、この絶縁管の内部に収納され、絶 縁性基板と、この絶縁性基板の表面に形成さ れた導電性薄膜のパターンからなるヒューズ リンクとを備えるヒューズに関する。即ち、 本発明の第2の態様に係るヒューズは、この ューズに用いられるヒューズリンクにおい 、導電性薄膜のパターンが、複数個の遮断 狭小帯を並列配置した遮断部を、更に直列 連結帯を介して交互に周期的に配列して直 接続したパターンをなし、遮断部の厚さが10 ~60μmで、連結帯の厚さが80~150μmであり、且つ 連結帯の直列方向に測った長さが2.5mm以下で ることを特徴とする。

(発明の効果)
 本発明によれば、I 2 t値の低減、コスト低減と小型化が可能なヒ ーズリンク及びこのヒューズリンクを用い ヒューズを提供することができる。

本発明の実施の形態に係るヒューズリ クの概略構成を説明する模式的な平面図(上 面図)である。 図2(a)は、エッチングヒューズを構成す る単位ヒューズの構造(立体構造)を詳細に説 する断面図で、図2(b)は図2(a)に対応し、4個 単位ヒューズの構造を詳細に説明する平面 である。 単位ヒューズとヒューズリンクの全体 の関係を説明する模式的な平面図(上面図) ある。 分割P値P=8、全溶断長さL=34mm、全溶断幅 W=8mmの場合の、分割S値S=4,8,12,16,24の5種類のヒ ューズリンクの表面パターンをそれぞれ示す 模式図である。 AC600V用のヒューズリンクの直列抵抗(全抵抗)r e =1.5mω,3mω,5mωの場合について、それぞれI 2 t値の分割S値依存性を示す図である。 分割P値P=8及びP=32のAC600V用のヒューズリンク ついて、それぞれI 2 t値の分割S値依存性を示して、S-P相乗効果を 明する図である(並列配置方向に測った遮断 部の幅は8mmである。)。 分割S値S=6のAC600V用のヒューズリンクについ 、I 2 t値の分割P値依存性を示す図である(並列配置 方向に測った遮断部の幅は8mmである。)。 分割S値S=6のAC600V用のヒューズリンクについ 、6S5P型のヒューズリンクのI t値を100%として基準化して、I 2 t値の分割P値依存性を示す図である 図9(a)は分割S値S=6,分割P値P=32(6S32P)のAC60 0V用のヒューズリンクの遮断実験のオシログ ムの電圧波形で、図9(b)は対応する電流波形 ある。 図10(a)は分割S値S=16,分割P値P=8(16S8P)のAC 600V用のヒューズリンクの遮断実験のオシロ ラム波形で、図10(b)は対応する電流波形ある 。 図11(a)は分割S値S=24,分割P値P=8(24S8P)のAC 600V用のヒューズリンクの遮断実験のオシロ ラム波形で、図11(b)は対応する電流波形ある 。 本発明の実施の形態に係るヒューズリンクに おける単位ヒューズに着目し、1個のアーク 圧V ai と電極降下電圧V pi を示す模式図である。 図12に示したモデルによって求められる動作 電圧値V m (A特性)、総合極降下値σV pi (B特性)及び単位ヒューズの極降下特性V p (C特性)を示す図である。 X軸を分割P値とし、パラメーターを分割S値と し、両対数グラフ上でI 2 t値を直線近似したグラフである。 図15(a)は、本発明の実施の形態に係る ューズリンクの実装構造を示す模式的な断 図で、図15(b)は内キャップに収納(挿入)され た3枚のヒューズリンクを示す図である。

 次に、図面を参照して、本発明の実施の 態説明する。以下の図面の記載において、 一又は類似の部分には同一又は類似の符号 付している。但し、図面は模式的なもので り、厚みと平面寸法との関係、各層の厚み 比率等は現実のものとは異なることに留意 べきである。又、本発明の実施の形態で例 的に記述した各層の厚さや寸法等も限定的 解釈すべきではなく、具体的な厚みや寸法 以下の説明を参酌して判断すべきものであ 、図面相互間においても互いの寸法の関係 比率が異なる部分が含まれていることは勿 である。

 又、以下に示す本発明の実施の形態は、 発明の技術的思想を具体化するための装置 方法を例示するものであって、本発明の技 的思想は、構成部品の材質、形状、構造、 置等を下記のものに特定するものでない。 発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記 された技術的範囲内において、種々の変更 加えることができる。

 図1に示すように、本発明の実施の形態に係 るヒューズリンクは、隣接して並列配置され たm個の楕円の穴Q 1 ,Q 2 ,Q 3 ,……,Q m-1 ,Q m (m=P-1は正の整数。)及びこの両側の半楕円部( り欠き部)により、臼型に括れたP個の遮断 狭小帯を並列配置してn個(n=Sは正の整数。) 遮断部22 -1 ,22 -2 ,22 -3 ,……,22 -(n-1) ,22 -n を構成している。そして、この遮断部22 -1 ,22 -2 ,22 -3 ,……,22 -(n-1) ,22 -n が、直列方向に測った長さが2.5mm以下の連結 (放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n を介してn組直列に並べられている。直列方 に測ったヒューズリンクの両端には、端子 11,12が設けられている。冒頭で述べた定義に よればS=n,P=m+1(「nS(m+1)P」)のパターンのエッ ングヒューズである。

 図2(a)に示した厚さの定義を用いて説明すれ ば、本発明の実施の形態に係るヒューズリン クは遮断部22 -1 ,22 -2 ,22 -3 ,……,22 -(n-1) ,22 -n の厚さt H =10~60μmであり、連結帯(放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n の厚さt R =80~150μmであることを特徴とする。遮断部狭 帯の最小幅bが遮断部の厚さt H に依存するので、微細加工性を考慮すると、 遮断部の厚さt H は10~40μmが好ましく、更に、全溶断幅W=σB 及び全溶断長さL=σPL をそれぞれ一定にして、分割P値及び分割S値 増大するためには、遮断部の厚さt H が10~30μm程度が好ましい。遮断部狭小帯の最 幅bは、理論上は遮断部の厚さt H 程度まで可能であるが、加工寸法のバラツキ を考慮すると、遮断部の厚さt H の2倍程度が好ましい。したがって、遮断部 厚さt H を30μm程度とすれば、遮断部狭小帯の最小幅b =60μmがエッチングにより加工可能であり、遮 断部の厚さt H を10μm程度とすれば、遮断部狭小帯の最小幅b =20μmがエッチングにより加工可能である。

 従来から100Vヒューズリンクを2本直列にし 使用すれば200Vのヒューズリンクとして使え 600Vヒューズが6Sで出来る場合、これを60Sに れば凡そ6000Vのヒューズの設計の目安とな 事などは常識であった。従来、6Sのヒューズ を7Sで設計すれば性能が良くなり、69Sのヒュ ズを79S型にすれば性能が良くなったことを 「S効果」と言っていた。これに対し本発明 の「S分割効果」は、図3に示す全溶断長さL=σ L を一定にして、これをS分割した場合の効果 意味する。

 図4は、並列数は8Pで、全溶断長さL=34mm一 とした場合の5種類のS分割を示す。図1に示 例ではP=16,S=16であるが、図4には分割S値S=4,8 ,12,16,24の場合が示されている。図1及び図5に いて、並列配置方向に測った遮断部の幅(全 溶断幅)W=は8mmである。即ち、図4(a)は4S8P型の 図4(b)は8S8P型の、図4(c)は12S8P型の、図4(d)は1 6S8P型の、図4(e)は24S8P型のヒューズパターン 示す。

 本発明の実施の形態に係るヒューズリンク おいては、連結帯(放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n の厚さt R を厚くして、連結帯(放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n の抵抗値を小とし、且つ連結帯(放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n の質量を大きくしている。このため、図4に すように、全溶断長さL=一定として、分割S を増大し、連結帯(放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n の長さRが小さくても連結帯(放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n の存在を確保できるようになった。

 表1は、図4に示した並列数8P、全溶断長さL=3 4mm、全溶断幅W=8mmの場合の、分割S値S=4,8,12,16, 24の5種類のヒューズリンクの実験結果をまと めたものである。

 表1から、動作過電圧V m (「動作過電圧V m 」の定義は、図9~11参照。)が分割S値と共に大 きくなり、最大で2.1倍にもなることが分かる 。これに対し、限流値I m (「限流値I m 」の定義は、図9~11参照。)は最小で87.5%と小 くなり、S分割効果の寄与率は余り大きくは い。全I t値は、動作過電圧V m 値に逆比例して最大1/20と小さくなり、S分割 果が如何に大きいかが分かる。

 表2は分割P値を32Pとし、分割S値S=4,8,12,16,24 した場合の試験結果で、全I t値に対するS分割効果は更に大きくなったこ が分かる。

 又、本発明の実施の形態に係るヒューズリ クによれば、遮断部22 -1 ,22 -2 ,22 -3 ,……,22 -(n-1) ,22 -n の厚さt H を薄くしたので、総合最小断面σSを同一にし て分割P値を大きくしてP分割効果を高めなが 分割S値も大きくできるようになったのでS 割効果を最大限に利用してI 2 t値を従来ヒューズの1/10にも小さくすること できる。「P効果」といえば従来の常識では 、P値を多くすれば総合最小断面σSが大きく るので、I t値は大きくなり、I t特性が悪くなると考えられていた。本発明 おける「P分割効果」とは、総合最小断面σS 同一で、これをP分割した場合の効果を意味 する。即ち、本発明の実施の形態に係るヒュ ーズリンクにおいては、総合最小断面σSを同 一にして分割P値を増大しているので、分割P を増大すればする程ヒューズリンクのI t値は小さくなり、I t特性は良くなる。このため、「P分割効果」 従来の「P効果」の常識からすれば、逆の現 象となる。

 例えば接地抵抗において接地棒を多くす ばするほど、接地抵抗が小さくなり、接地 1本を2本にすれば全接地抵抗は1/2になる。 かし、これを10本に増しても1/10にはならな 。お互いの接地電位を上げる干渉がある事 、次第にその接地棒を多くする事による効 が薄れてゆくからである。以上の現象は総 ヒューズリンクのP分割効果においても同様 ある。つまり、熱回路はすべて電気回路に き換えて考える事ができるので、接地抵抗 熱抵抗に、電位を熱電位に置き換えると、 発明の実施の形態に係るヒューズリンクの 却特性の問題は、接地抵抗計算式と同一と えてヒューズリンクの説明が出来る。

 即ち、接地棒数をヒューズリンクの狭小部 Pに置き換えて、ヒューズリンクの分割P値 多くすればヒューズリンクの冷却が良くな 、ヒューズリンクの総合最小断面σSが同じ も、より多くの電流を流す事が可能になる その結果、定格電流値の大きなヒューズリ クが提供できる。ヒューズリンクのI t特性は定格を同一にして比較すべきもので るから、ヒューズリンクの分割P値が大きく れば、ヒューズリンクのσSはより小さくし も、定格電流値を同一とする事が可能とな ので、σSが小さくなった分だけヒューズリ クのI t値が小さくなる訳である。

 図1に示すように、本発明の実施の形態に係 るヒューズリンクは、厚さ0.8mm~1.5mmのセラミ ク基板等の絶縁性基板の上に導電性薄膜の ターンを形成して構成される。セラミック 板の素材としてはアルミナ(Al 2 O 3 )、ムライト(3Al 2 O 3 ・2SiO 2 )、ベリリア(BeO)、窒化アルミニウム(AlN)、炭 珪素(SiC)等が使用可能である。導電性薄膜 しては金属薄膜、特に安価且つ加工の容易 を鑑みると銅(Cu)が好ましいが、銅に限定さ るものではない。金属薄膜、特に銅の薄膜 あれば、本発明の実施の形態に係るヒュー リンクのパターンは、銅(Cu)のメッキ及び、 エッチングにより簡単に形成できる。即ち、 セラミック基板の上に厚さt H =10~60μmの銅の薄メッキをして、遮断部22 -1 ,22 -2 ,22 -3 ,……,22 -(n-1) ,22 -n のパターニングをした後、連結帯(放熱帯)21 -1 ,21 -2 ,21 -3 ,……,21 -(n-1) ,21 -n の部分が厚さt R =80~150μmとなるまで追加のメッキをすれば良 。

 図5では、ヒューズリンクの直列抵抗(全抵 )r e =1.5mω,3mω,5mωの場合について、それぞれI 2 t値の分割S値依存性が示されている。例えば 直列抵抗(全抵抗)r e =5mωの場合では、S=24でI 2 t=350となりS=4の場合に比してI 2 t値が1/10になっていることが分かる。

 図6はP=8及びP=32の場合について、それぞれ I 2 t値の分割S値依存性を示すが、P=32の場合の方 がP=8の場合より全I 2 t値の分割S値依存性が大きく、S-P相乗効果が められる。図6において、並列配置方向に測 った遮断部の幅は8mmである。P=8の場合、図6 a点で示したS=4の場合、全I 2 t=4500であり、b点で示したS=24の場合、全I 2 t=240であるのでb/a=1/19の全I 2 t値の改善が認められる。一方、P=32の場合、 6のa点で示したS=4の場合、全I 2 t=4500であり、c点で示したS=24の場合、全I 2 t=80であるのでc/a=1/56の全I 2 t値の改善が認められ、S-P相乗効果により、 割P値の大きい方が、全I 2 t値の分割S値の増大による改善の効果が高い とが分かる。現在、AC600V用ヒューズでは、S =6,P=8(6S8P)が高性能ヒューズとされているが、 図6でa'で示した6S8Pの全I 2 t=1800であるので、c/a'=1/13となり、1桁以上の 著な全I 2 t値の改善が認められる。

 以上の如く、本発明の実施の形態に係る ューズリンクによれば、従来の常識値1~1.2/1 00Vを越えた、1.5/100V以上の分割S値を持つヒュ ーズを提供できる。ここで「1.5/100V以上の分 S値」は、分割S値が実効電圧100V当たり1.5以 であることを示す。図5及び図6からは、2/100 V以上の分割S値を持つヒューズを提供できる とが分かる。

 図6において現用ヒューズの性能は6S8Pの(a' )付近と考えると、その値は5mωで規格化した 等価I 2 t値で1600A sとなるから、この値を100とする。c点(24S32P) 6mωにおける全I 2 t値=79A sは、5mωで規格化した等価I 2 t値で114A sとなる(表2参照。)が、この114A sの値はa'点の7.1%となる。このように10%以下 非常に小さなI t値は、実用的には不必要な過剰値となる場 が多い。このため、工業的には、最小断面 を大きくして定格を上げ、コストダウンを えることが実用上必要である。

 本発明のヒューズリンクは立体的に作られ しかも微細加工が必要なので、その製造コ トは少なくとも従来費の1.5倍のコストアッ になると推定される。同じ容器にして定格 流値を1.5倍に出来れば、本発明のヒューズ ンクの立体化によるコストアップ分を吸収 て、更に現用品に対する容器代と組み立て 賃が少なくなる分で、コストダウンが促進 れる事になる、そこで1.5倍の定格電流を実 するためには抵抗値を1/1.5 と小さくしなければならない。これは又、狭 小部断面積を(1.5) =2.25倍大きくすることにより、更にそのI t値は(2.25) =5.06倍大きくなる。

 図6の分割P値=32Pの特性上で、1.5/100Vはデー ポイントはないが、分割S値=9Sの内挿点(e点) 1.5/100Vに対応する。e点のI t値は、5mωで規格化した等価I 2 t値で表すと、グラフ上、上方にシフトし、46 0A sである。この時点で断面積換算でI t値が5.06倍になると仮定すると、その時のI t値は400A s×5.06倍となり、5mωで規格化した等価I t値の2328A sに対応する。この値は現用ヒューズの等価I t値の1600A sを超えるので、1.5倍のコストアップの仮定 もとでは、あまり魅力のあるヒューズには らない。しかし、分割S値を10Sにすると、5mω で規格化した等価I t値が330A 2 sとなり、330×5.06=1670A sとなるので現用ヒューズに匹敵する値とな 、一転して良いヒューズになる。

 製造コストのコストアップ率をどのよう 見積もり、抵抗値の減少分をどのように見 もるかにも依存するが、上記の様にS分割効 果は著しい変化をもたらす。製造コストのコ ストアップ率が1.5倍程度の前提では、分割S =9Sが、製造コストを鑑みた工業的観点から 顕著な効果を奏する臨界値と評価される。 り現実的には、分割S値=10Sが、工業的観点か ら評価される顕著な効果を奏する、臨界値と なる。

 図7はS=6の場合について、全I 2 t値の分割P値依存性を示すが、分割P値の増大 とともに全I 2 t値が減少し、P=16で全I 2 t値が最小となるが、P=32の場合、全I 2 t値が再び増大することを示す。図7のヒュー リンクは、並列配置方向に測った遮断部の が8mmであるが、分割P値の再増大は、遮断部 22 -1 ,22 -2 ,22 -3 ,……,22 -(n-1) ,22 -n における再点弧が原因と考えられる。又、分 割P値の増大に伴う点弧点の熱干渉、アーク 渉も考えられるが、分割S値を増大すること より、S-P相乗効果により、図7の破線で示す ように、これらの影響を抑制し、全I 2 t値が再び増大しないようにできる。

 図7のd点で示したP=5(6S5P)の現在のAC600V用高 能ヒューズの全I 2 t=2160と読めるので、この値と図6のc点(24S32P) 全I 2 t=80とを比較すれば、c/d=80/2160=1/29となり、1桁 以上の顕著な全I 2 t値の改善が、AC600V用ヒューズで認められる

 図8に示すグラフでは、6S5P型のヒューズリ クのI t値を100%として基準化して、分割P値の異なる ヒューズリンクのI t値を比較している。図8より分かるように、1 6Pまでは分割P値の増加に伴いI t値が減少しているが、16Pより更に分割P値が 加すると、実験値のバラツキが大きく不安 域に入る事が分かる。図7及び図8で説明し P分割効果は、定常現象での話である。接地 の場合は棒数を多くすれば飽和特性となる けであったが、P分割効果の場合は効果が飽 和する事だけでなく、分割P値をさらに多く ると図7及び図8に示すように、現象が不安定 となり、それ以上は効果が逆転しI 2  t値が増大する場合がある。接地抵抗の場合 は定常現象だけの解析であるから、一連の並 列帯のみを扱うが、ヒューズリンクは電流を 遮断する責任を持っているので、過渡特性( 断特性)についても調べる必要がある。遮断 なると単独の並列帯だけでは遮断はできな 。直列数S個からなる並列帯の共同作業で遮 断を行う事になるので、全SPの遮断現象によ て過渡特性を知る必要がある。

 表1に示したように、分割P値=8Pに対する分 S値=24S時の5mωで規格化した等価I 2  t値は390A 2  sであるのに対し、分割P値=32Pとした場合の 割S値=24S時の5mωで規格化した等価I 2  t値は、表2に示したように、114A 2  sとなっている。その比は114/390≒1/4となる もしもS,P分割効果が独立であるとしたなら 、24S8P時のS分割効果による等価I 2  t値は390であるから、飽和したP分割効果80% 掛けても等価I 2  t値は312にしかならない。その違いはS分割 果によってP分割効果が不安定域には入らず 更に伸びてゆくために現れた「S,P相乗効果 である。「S,P相乗効果」は、その後の各種 験によってS分割効果によって、並列帯にS 割効果の影響で遮断性能が良くなり、再発 現象を抑制する働きがあるためと推測して る。

 図9は、S=6,P=32(6S32P)のヒューズの遮断実験の オシログラム波形であるが、電流波形に瘤が 見られ、再点弧が発生していることが分かる 。図10は、図9と同一の遮断試験回路を用いた 場合のS=16,P=8(16S8P)のヒューズの遮断実験のオ シログラム波形であるが、同様に電流波形に 瘤が見られ、再点弧が発生しているが、図11 示すように、S=24,P=8(24S8P)とすると、図9と同 一の遮断試験回路による遮断試験において、 電流波形の瘤が消え、再点弧が抑制されたこ とが分かる。図9~図11に示したヒューズリン は、定格電圧600V、定格電流40~60A、推定短絡 流100kAの遮断試験回路で試験し、限流値I m =2000~80Aのものである。

 本発明の実施の形態に係るヒューズリンク おける単位ヒューズに着目し、1個のアーク 電圧を考えて見ると、図12の如く考えるのが も妥当かと推考される。電極降下電圧V p は低圧放電では空間電荷によって発生する電 圧であるが、ヒューズアーク現象の様に高温 、高圧、過渡現象である場合でも、同様に高 い電圧降下が発生するかどうかは知られてい ない。プラズマ降下の中に電圧に逆比例した dv/dtの上昇効果が、S分割効果として存在する 可能性もあるが、ここでは、電極降下電圧V p を検討してみる。各ヒューズリンクのアーク 電圧構成は、アーク柱電圧V ai 、電極降下電圧V pi として、動作過電圧値V m を考えると:

       V m =σV ai +σV pi                    …(3)

となる。ここで電極降下電圧V pi は、陰極降下電圧V pi /2と陽極降下電圧V pi /2の和である。具体的には、

  4S8Pヒューズの構成式は  V m4 =σV a4 +σV p4       …(4a)
  8S8Pヒューズの構成式は  V m8 =σV a8 +σV p8       …(5a)
 12S8Pヒューズの構成式は  V m12 =σV a12 +σV p12       …(6a)
 16S8Pヒューズの構成式は  V m16 =σV a16 +σV p16       …(7a)
 24S8Pヒューズの構成式は  V m24 =σV a24 +σV p24       …(8a)

ここで式(4a)~(7a)に、それぞれ表1の実験値を れると、式(4b)~(8b)が得られる:

  918V=4V a4 +4V p4                   … (4b)
 1072V=8V a8 +8V p8                  … (5b)
 1260V=12V a12 +12V p12                … (6b)
 1347V=16V a16 +16V p16                … (7b)
 1938V=24V a24 +24V p24                … (8b)

式(4b)~(8b)でアーク柱を流れる電流は外部定数 で決定され、一定であるから総合アーク長σL tを同一にする為には総溶断長σLのLを分割数 逆比で小さくすれば良い。その結果、

   4V a4 =8V a8 =12V a12 =16V a16 =24V a24              …(9)

と同一値となるので、「式(5b)」-「式(4b)」を 計算すると、

   8V p8 -4V p4 =1072V-918V=154V      …(10)

となる。電極降下電圧V pi も同じアーク電流が流れている限り略同一の 値と推定される。4S8P対8S8P,8S8P対12S12Pのよう お互いに隣り同志の電極降下電圧V pi 値は更に近いと考えると、

   V p4 ≒V p8 、V p8 ≒V p12 、V p12 ≒V p16 、V p16 ≒V p24         …(11)

となる。(10)式は大略V p8 =159Vと考えて良いので、V p4 =V p8 =38.5Vとなる。同様にしてV p12 、V p12 、V p24 の値を求め、図13にこれをプロットする。点a ,b,c,d,が求められたものである。特性として 図13に図示した点線Cの如くなる。更に、表1 おいて測定された動作過電圧値V m をプロットするとA特性の様になり、これに 算して出したV p 値に、それぞれの分割数を掛けて総合極降下 値σV p を計算した結果を、図13中にプロットするとB 特性のようになる。故にA特性とB特性の差は ーク特性V a で、4Sから24Sまで一定値であり、またC特性は 極降下特性で24Sの短アーク値ではやや小さく なる事が分かる。I t値のS分割効果もこの様な僅かな飽和特性で る事で一致する。

 図14は、図6から誘導されたもので、X軸を分 割P値とし、パラメーターを分割S値としてい 。P分割効果はS分割効果よりかなり緩やか 変化するので、両対数グラフ上で直線近似 する。パラメーターとしての分割S値が24Sの 性の10P点のI t値は、5mωで規格化した等価I 2 t値で表すと、図14のグラフ上、上方にシフト し、280A sになる。製造コストのコストアップ率から 抗値の減少分を見積り、定格電流値を1.5倍 すると、最小断面積は(1.5) 倍にする必要があることは、前述したとおり である。定格電流値を1.5倍にしたときの、I t値は5.6倍悪くなるので、その場合の5mωで規 化した等価I t値は280×5.06倍=1417A 2 sとなる。1417A 2 sの値は、現用ヒューズに対し1417/1600=89%と未 多少の優位性を持っている。したがって、 造コストを鑑みた工業的観点から、10分割P が、顕著な効果を奏する臨界値と評価され 。この値は12P/cmに相当するものとなる。

 具体的には、AC600V用ヒューズの分割S値は 6~7Sが常識であるのに対し、本発明の実施の 態に係るヒューズリンクによれば、AC600V用 ューズの分割S値は24S~32Sが可能である。又、 AC6000V用ヒューズでは60~70Sが、従来の常識で るが、本発明の実施の形態に係るヒューズ ンクによれば、148~198Sが実現できる。

(実装構造)
 図15は、本発明の実施の形態に係るヒュー リンクの実装構造の一例を示す。図15では3 のヒューズリンク1a,1b,1cが内キャップ2a,2bに けられた矩形のスリットを介して固定され いる。そして、絶縁管5の両端を閉じるよう に内キャップ2a,2bが絶縁管の両端に被せられ 内キャップ2a,2bの外側にヒューズ端子4a,4bを それぞれ有する外キャップ3a,3bが嵌め込まれ ことにより、ヒューズ筒を構成している。

 上述したように、本発明の実施の形態に係 ヒューズリンクによれば、全I 2 t値を従来ヒューズの1/10にも小さくすること できるので、設計上、電流に余裕が生じる このため、全I 2 t値を所望値以下に維持しつつ、遮断部狭小 の最小幅bを大きくすることにより、定格電 を増大できる。即ち、一枚のヒューズリン に流れる定格電流を2倍にすることも容易で あるので、図15に示すように、ヒューズリン の実装構造における用いるヒューズリンク 枚数を半分以下にして、実装構造(ヒューズ 筒)の小型化と低コスト化を図ることが可能 ある。

 (その他の実施の形態)
 上記のように、本発明は本発明の実施の形 によって記載したが、この開示の一部をな 論述及び図面は本発明を限定するものであ と理解すべきではない。この開示から当業 には様々な態様や代替実施の形態、実施例 び運用技術が明らかとなろう。したがって 本発明はここでは記載していない様々な態 や実施の形態等を含むことは勿論であり、 発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な 許請求の範囲に係る発明特定事項によって み定められるものである。

産業上の利用の可能性

 本発明ヒューズリンクは、GTOサイリスタ IGBT等の半導体スイッチングデバイスの保護 用のヒューズとして、大電力用電源、電力用 DC-DCコンバータ、電力用DC-ACコンバータ、電 用AC-DCコンバータ、汎用インバータ、無停電 電源、自動車や電車等の車両のモータ制御用 電源、船舶のモータ制御用電源、種々の産業 用モータの駆動電源、NCマシンやロボットな のパワーエレクトロニクス機器、あるいは これらの電源やパワーエレクトロニクス機 の電力制御装置や周辺端末機器の分野に利 可能である。