Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
FUSED BICYCLIC COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/017190
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a novel fused bicyclic compound [I] shown below, which has affinity for a mineralcorticoid receptor (MR) and is useful as an anti-hypertensive agent or the like. Specifically disclosed is a compound represented by the formula [I] or a pharmacologically acceptable salt thereof. [I] wherein the ring A represents a benzene ring which is fused with the adjacent heterocyclic 6-membered ring and has a substituent R1, and which may have a substituent other than R1; R1 represents an alkylsulfonylamino group or the like; R2 and R3 (a) independently represent a hydrogen, an alkyl or a substituted or unsubstituted aryl, (b) together form an oxo, or (c) together with the adjacent carbon atom, form a cycloalkyl; X represents =N-, =C(R4)- or -CH(R4)-; R4 represents (a) a hydrogen, (b) a cyano, (c) a halogen, (d) an alkyl, (e) an alkenyl, (f) a cycloalkyl, (g) an alkanoyl, (h) a carbamoyl or (i) a cycloalkenyl; Ar represents a substituted or unsubstituted aromatic cyclic group; and a dotted line means the presence or absence of a double bond.

Inventors:
TAKAHASHI YOICHI (JP)
AWAI NOBUMASA (JP)
AKATSUKA HIDENORI (JP)
KAWAGUCHI TAKAYUKI (JP)
IIJIMA TORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063751
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 31, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MITSUBISHI TANABE PHARMA CORP (JP)
TAKAHASHI YOICHI (JP)
AWAI NOBUMASA (JP)
AKATSUKA HIDENORI (JP)
KAWAGUCHI TAKAYUKI (JP)
IIJIMA TORU (JP)
International Classes:
C07D265/16; A61K31/352; A61K31/353; A61K31/536; A61P9/00; A61P9/04; A61P9/12; A61P43/00; C07D311/58; C07D413/04
Domestic Patent References:
WO2005037830A12005-04-28
WO1997023209A11997-07-03
WO2006105442A22006-10-05
WO2003096982A22003-11-27
WO2007089034A12007-08-09
Foreign References:
EP1844768A12007-10-17
US5270308A1993-12-14
JP2008115149A2008-05-22
Other References:
ABD-EL-AZIZ, A. S. ET AL.: "Synthesis of Hydroquinoline derivatives, amino- hydroxychromene, aminocoumarin and their anti-bacterial activities", HETEROCYCLES, vol. 63, no. 8, 2004, pages 1793 - 1812, XP008129708
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (IMP Building 3-7, Shiromi 1-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 01, JP)
Download PDF:
Claims:
 下記一般式[I]:
〔式中、環Aは隣接する複素6員環と縮合し、置換基R 1 を有するベンゼン環であって、R 1 以外に置換基を有していてもよく、
R 1 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキルアミノスルホニル基、
R 2 及びR 3 は(a)同一もしくは異なって水素原子、アルキル基又は置換もしくは非置換アリール基であるか、或いは(b)両者が一緒になってオキソ基であるか、或いは(c)両者が末端で互いに結合して隣接炭素原子と共にシクロアルキル基を形成し、
Xは式:=N-、=C(R 4 )-又は-CH(R 4 )-で示される基、
R 4 は(a)水素原子、(b)シアノ基、(c)ハロゲン原子、(d)アルキル基、(e)アルケニル基、(f)シクロアルキル基、(g)アルカノイル基、(h)カルバモイル基又は(i)シクロアルケニル基、
Arは置換基を有していてもよい芳香族環式基、
点線は二重結合の存在又は不存在を表す。]
で示される縮合二環式化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 環Aがハロゲン原子及びC 1-8 アルキル基から選ばれる1~2個の基で置換されていてもよいベンゼン環、R 1 がC 1-8 アルキルスルホニルアミノ基又はC 1-8 アルキルアミノスルホニル基、R 2 及びR 3 が(a)同一又は異なって水素原子、C 1-8 アルキル基及び6~10員単環もしくは二環式アリール基(該アリール基はハロゲン原子で置換されていてもよい)から選ばれる基であるか;或いは(b)両者が一緒になってオキソ基であるか;或いは(c)両者が末端で互いに結合して隣接炭素原子と共にC 3-10 シクロアルキル基、R 4 が水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、C 2-6 アルケニル基、C 3-10 シクロアルキル基、C 1-7 アルカノイル基、カルバモイル基又はC 3-8 シクロアルケニル基、並びに、Arが硫黄原子、酸素原子及び窒素原子から選ばれる1以上の異項原子を含有していてもよい6~10員の単環又は二環式芳香族環式基(当該芳香族環式基は、ハロゲン原子、シアノ基、C 1-8 アルキル基、トリハロゲノC 1-8 アルキル基及びC 1-8 アルコキシ基から選ばれる同一又は異なる1~2個の基で置換されていてもよい)であり、R 1 が、一般式[I]における下式:
で示される縮合環骨格の5、6又は7位に結合した請求項1記載の化合物。
 下記一般式[I-A]:
〔式中、環Aは隣接する複素6員環と縮合し、置換基R 11 を有するベンゼン環であって、R 11 以外に置換基を有していてもよく、R 11 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキルアミノスルホニル基、R 21 及びR 31 は同一もしくは異なって(a)水素原子、(b)アルキル基又は(c)置換もしくは非置換アリール基、およびAr 1 は置換基を有していてもよい芳香族環式基を表す。]
で示される縮合二環式化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 R 11 が、一般式[I-A]における下式:
で示される縮合環骨格の7位に結合した請求項3記載の化合物。
 下記一般式[I-B]:
〔式中、環Aは隣接する複素6員環と縮合し、置換基R 12 を有するベンゼン環であって、R 12 以外に置換基を有していてもよく、R 12 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキルアミノスルホニル基、R 22 及びR 32 は(a)同一もしくは異なって水素原子又はアルキル基、或いは(b)両者が末端で互いに結合して隣接炭素原子と共にシクロアルキル基を形成するか、或いは(c)両者が一緒になってオキソ基を形成し、R 41 は(a)水素原子、(b)シアノ基、(c)ハロゲン原子、(d)アルキル基、(e)アルケニル基、(f)シクロアルキル基、(g)アルカノイル基、(h)カルバモイル基又は(i)シクロアルケニル基、Ar 2 は置換基を有していてもよい芳香族環式基、および点線は二重結合の存在又は不存在を表す。]
で示される縮合二環式化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 R 12 が、一般式[I-B]における下式:
で示される縮合環骨格の7位に結合した請求項5記載の化合物。
 下記一般式[I-A-a]:
〔式中、R 11 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキルアミノスルホニル基、R A は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基、R 23 及びR 33 は、一方が水素原子またはアルキル基であり、他方がアルキル基又はフェニル基、Ar 11 はハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、トリハロゲノアルキル基およびアルキルオキシ基から選ばれる1~2個の基で置換されていてもよい5~10員単環もしくは二環式芳香族環式基(該芳香族環式基は、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる異項原子を含有していてもよい)を表す。]
で示される化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 下記一般式[I-B-a]:
〔式中、R 12 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキルアミノスルホニル基、R B 、R B2 及びR B3 は同一もしくは異なって水素原子、ハロゲン原子及びアルキル基から選ばれる基、R 24 は及びR 34 は(a)同一又は異なってアルキル基、或いは(b)両者が末端で互いに結合して隣接炭素原子と共にシクロアルキル基を形成するか、或いは(c)オキソ基を形成し、R 41 は(a)水素原子、(b)シアノ基、(c)ハロゲン原子、(d)アルキル基、(e)アルケニル基、(f)シクロアルキル基、(g)アルカノイル基、(h)カルバモイル基又は(i)シクロアルケニル基、Ar 21 はハロゲン原子、アルキル基及びトリハロゲノアルキル基から選ばれる1~2個の基で置換されていてもよい6員芳香族環式基(該芳香族環式基はヘテロ原子として1~2個の窒素原子を含有していてもよい)、および点線は二重結合の存在又は不存在を表す。]
で示される化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 R 11 がC 1-6 アルキルスルホニルアミノ基、R A が水素原子、ハロゲン原子又はC 1-6 アルキル基、R 23 及びR 33 が、一方が水素原子またはC 1-6 アルキル基であり、他方がC 1-6 アルキル基、Ar 11 がハロゲン原子及びC 1-6 アルキル基から選ばれる1~2個の基で置換されていてもよいフェニル基である請求項7記載の化合物。
 R 12 がC 1-6 アルキルスルホニルアミノ基、R B が水素原子又はC 1-6 アルキル基、R B2 及びR B3 が水素原子、R 24 及びR 34 が同一又は異なってC 1-6 アルキル基、R 41 が水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はC 1-6 アルキル基、Ar 21 がハロゲン原子、C 1-6 アルキル基及びトリハロゲノC 1-6 アルキル基から選ばれる1~2個の基で置換されていてもよいフェニル基である請求項8記載の化合物。
 N-[4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-2-メチルフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-メチルフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[2-エチル-4-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド;および
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-トリメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミド
からなる群より選ばれる化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-2-メチルフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジエチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[3-シアノ-2,2-ジメチル-4-フェニル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロフェニル)-3-シアノ-2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-メチルフェニル)-3-シアノ-2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-3-シアノ-2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-トリメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;および
  N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-トリメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド
からなる群より選ばれる化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 下記一般式[ii]:
〔式中、X a は式:=N-又は式:=C(CN)-で示される基、R z は水素原子又はハロゲン原子、R 25 及びR 35 はアルキル基、およびAr 3 はハロゲン原子およびトリハロゲノアルキル基から選ばれる1~2個の基で置換されていてもよいフェニル基を表す。〕
で示される化合物又はその薬理的に許容し得る塩。
 請求項1乃至12のいずれか1に記載の化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。
 鉱質コルチコイド受容体調節剤である請求項14に記載の医薬組成物。
 鉱質コルチコイド受容体拮抗剤又はアルドステロン拮抗剤である請求項15に記載の鉱質コルチコイド受容体調節剤。
 MR活性の亢進及び/又はアルドステロンレベル上昇に起因する各種疾患又は疾患状態の予防・治療剤である請求項16に記載の鉱質コルチコイド受容体調節剤。
 利尿剤である請求項17記載の鉱質コルチコイド受容体調節剤。
 高血圧、心不全、心筋梗塞、狭心症、心肥大、心筋炎、心筋/血管線維化、圧受容体障害、体液量過剰又は不整脈の予防・治療剤である請求項17記載の鉱質コルチコイド受容体調節剤。
 原発性/二次性アルドステロン症、アジソン病、クッシング症候群又はバーター症候群の予防・治療剤である請求項17記載の鉱質コルチコイド受容体調節剤。
 請求項13記載の化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。
Description:
縮合二環式化合物

 本発明は、鉱質コルチコイド受容体(MR)に 親和性を有し、該受容体が関与する各種疾患 又は病態の予防・治療に有用な新規縮合二環 式化合物に関する。

 ステロイドホルモン等の低分子量疎水性 理活性物質は、リガンドとして各々特定の 内受容体(nuclear receptors)を介して生理作用 発揮する。核内ステロイドホルモン受容体 は、1つの遺伝子スーパーファミリーを形成 ており、これらの受容体は、リガンド依存 転写因子として機能することにより、標的 伝子の発現を転写レベルで制御(活性化又は 抑制)する。当該ステロイドホルモン受容体 は、鉱質コルチコイド受容体(MR)、糖質コル コイド受容体(GR)、アンドロゲン受容体(AR) エストロゲン受容体(ER)及びプロゲステロン 容体(PR)が包含される。上記受容体のリガン ドであるステロイドホルモン、例えば、鉱質 コルチコイド(アルドステロン)や糖質コルチ イド(コルチゾール等)は、それぞれの受容 を介して多様な生理機能を発揮する(Jounal of  Endocrinology,2001;169:pp437-445)。

 MR特異的リガンドであるアルドステロン 、レニン・アンジオテンシン・アルドステ ン系(RAAS)におけるメディエータのひとつで る。従来、アルドステロンは副腎のみで産 され、遠位尿細管に作用してナトリウムと の代謝を調節するホルモンに過ぎないと考 られてきた。しかし、最近の研究は、心臓 血管、脳等の種々の組織でアルドステロン 産生されることや、その受容体も心血管組 等に広く分布することを明らかにしている また、アルドステロンは高血圧の増悪因子 あるだけでなく、心・血管組織に対して種 の障害性作用(心筋線維化および壊死、カテ ラミンの作用増強、圧受容体反応の低下等) を示すリスクホルモンとして認識されるに到 っている。最近の大規模臨床試験(RALES及びEPH ESUS)においては、アルドステロン受容体拮抗 (エプレレノン又はスピロノラクトン)とACE 害薬等の慣用の治療剤との併用により、重 心不全患者の心疾患による入院率および死 率が有意に低下したこと、並びに急性心筋 塞患者の予後を有意に改善したこと(New Engla nd Journal of Medicine,2003;341:p.709-717、New England Journal of Medicine,2003;348:p.1309-1321)が確認され いる。このように、アルドステロン及びそ 受容体が関与する心血管系疾患その他にお ては、当該ホルモンの効果的な遮断が、効 的な治療法を確立する上で重要と考えられ 。

 上記のように、MRに親和性を有し、当該 容体機能を調節する活性を有するリガンド ち、当該受容体に対する抑制薬、拮抗薬、 動薬、部分拮抗薬又は部分作動薬は、アル ステロンが関与する各種疾患・病態等の予 ・治療剤として有用であり得る。一方、ス ロノラクトンやエプレレノンの如きステロ ド性MRリガンドは、それ特有の重大な副作用 (女性化乳房、月経異常、勃起不全等)を伴う とも少なくないことから、このような副作 が少なく、医薬としての安全性が高い化合 の開発が望まれている。

 これまで、MRに親和性を有する非ステロ ド性リガンドとしては、例えば、6H-ジベン [b,e]オキセピン誘導体(WO2005/066161)、ジヒドロ ピリジン誘導体(WO2005/097118)、ジベンゾ[b,d]ピ ン誘導体(Bioorganic & Medicinal Chemistry Lett ers,2004;14:p.2079-2082)、1,4-ジヒドロ-2H-3,1-ベンゾ オキサジン-6-イルスルホンアミド誘導体(WO200 6/077821)等が知られている。しかしながら、MR 節作用(MR拮抗作用等)を有する本発明の化合 物の如き縮合二環式化合物(1,3-ベンゾオキサ ン誘導体又はクロメン誘導体)は報告されて いない。

 一方、1,3-ベンゾオキサジン誘導体又はク ロメン誘導体は、例えば、米国特許第5270308 、WO2005/037830及びJournal of Medicinal Chemistry,200 2;45(5):p.1086-1097に開示されている。なお、本 願人は、MR調節作用(MR拮抗作用等)を有する3, 4-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン誘導体につ 、別途特許出願済である(WO2007/089034)。

 本発明の目的は、鉱質コルチコイド受容 (MR)調節作用を有する縮合二環式化合物を提 供するものである。

 本発明は、下記一般式[I]:
〔式中、環Aは隣接する複素6員環と縮合し、 換基R 1 を有するベンゼン環であって、R 1 以外に置換基を有していてもよく、
R 1 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキル アミノスルホニル基、
R 2 及びR 3 は(a)同一もしくは異なって水素原子、アルキ ル基又は置換もしくは非置換アリール基であ るか、或いは(b)両者が一緒になってオキソ基 であるか、或いは(c)両者が末端で互いに結合 して隣接炭素原子と共にシクロアルキル基を 形成し、
Xは式:=N-、=C(R 4 )-又は-CH(R 4 )-で示される基、
R 4 は(a)水素原子、(b)シアノ基、(c)ハロゲン原子 、(d)アルキル基、(e)アルケニル基、(f)シクロ アルキル基、(g)アルカノイル基、(h)カルバモ イル基又は(i)シクロアルケニル基、
Arは置換基を有していてもよい芳香族環式基
点線は二重結合の存在又は不存在を表す。]
で示される縮合二環式化合物又はその薬理的 に許容し得る塩に関する。

 また、本発明は、上記化合物[I]又はその 理的に許容し得る塩を有効成分としてなる 薬組成物又は鉱質コルチコイド受容体調節 (とりわけ、MR受容体拮抗薬又はアルドステ ン拮抗薬)に関する。

 本発明の化合物[I]は、哺乳動物における鉱 コルチコイド受容体(MR)に対して高い親和性 を示す。例えば、ラットMR及び 3 H-アルドステロンを用いた結合試験(The Journal  of Pharmacology and Experimental Therapeutics,1987;240 :p.650-656記載の方法に準じて実施;詳細は後記 験例に記載)において、本発明の化合物であ るN-[4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3- ンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミ 、N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル -2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド等 化合物は、ラット腎臓由来MRへのアルドス ロン結合におけるKi値がいずれも10μM未満で った。このため、化合物[I]は、MRが関与す 各種疾患(例えば、高血圧及び心不全を含む 環器系疾患等)の予防・治療の為の医薬とし て有用である。

 また、上記本発明の化合物[I]又はその薬 的に許容し得る塩は、ステロイド骨格を有 るアルドステロン拮抗薬(スピロノラクトン 、エプレレノン等)にありがちな副作用(月経 常、女性化乳房等)を惹起するリスクが小さ いという特長を有する。更に、本発明の化合 物[I]には、医薬として好ましいプロファイル を有する化合物(例えば、CYP酵素誘導や時間 存的CYP阻害(TDI)等に基づく副作用を惹起する 虞が少ない化合物、一日一回投与に適した血 中半減期を示す化合物等)が包含される。

 本発明の化合物[I]において、環A上の置換基 としては、例えば、ハロゲン原子及びアルキ ル基から選ばれる1~2個の基があげられる。
 Arで示される芳香族環式基としては、例え 、(a)フェニル基、ナフチル基の如き6~10員の 環又は二環式アリール基、或いは(b)チエニ 基、フリル基、ピリジル基、ベンゾフラニ 基、ベンゾチエニル基の如き、硫黄原子、 素原子及び窒素原子から選ばれる1以上の異 項原子を含有する5~10員の単環もしくは二環 ヘテロアリール基があげられる。また、当 芳香族環式基は、同一又は異なる1以上の置 基を有していてもよく、このような置換基 しては、例えば(a)ハロゲン原子(フッ原子、 塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、(b)シ ノ基、(c)アルキル基(メチル基、エチル基等) (d)トリハロゲノアルキル基(トリフルオロメ ル基等)又は(e)アルコキシ基(メトキシ基、エ トキシ基、プロポキシ基等)等があげられる Arで示される置換されていてもよい芳香族環 式基の好ましい例としては、(1)ハロゲン原子 、シアノ基、アルキル基及びトリハロゲノア ルキル基から選ばれる1~2個の基で置換されて いてもよいフェニル基、(2)ハロゲン原子で置 換されていてもよいピリジル基、(3)ベンゾフ ラニル基又は(4)ベンゾチエニル基等があげら れる。

 R 2 又はR 3 がアリール基である場合、当該アリール基と しては、例えば、フェニル基又はナフチル基 の如き6~10員単環もしくは二環式アリール基 あげられる。R 2 又はR 3 がアリール基である場合、当該アリール基は 1~2個のハロゲン原子で置換されていてもよい 。

 上記本発明の化合物[I]には、環Aがハロゲン 原子及びC 1-8 アルキル基から選ばれる1~2個の基で置換され ていてもよいベンゼン環、R 1 がC 1-8 アルキルスルホニルアミノ基又はC 1-8 アルキルアミノスルホニル基、R 2 及びR 3 が(a)同一又は異なって水素原子、C 1-8 アルキル基及び6~10員単環もしくは二環式ア ール基(該アリール基はハロゲン原子で置換 れていてもよい)から選ばれる基であるか; いは(b)両者が一緒になってオキソ基である ;或いは(c)両者が末端で互いに結合して隣接 素原子と共にC 3-10 シクロアルキル基、R 4 が水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、C 2-6 アルケニル基、C 3-10 シクロアルキル基、C 1-7 アルカノイル基、カルバモイル基又はC 3-8 シクロアルケニル基、並びに、Arが硫黄原子 酸素原子及び窒素原子から選ばれる1以上の 異項原子を含有していてもよい6~10員の単環 は二環式芳香族環式基(当該芳香族環式基は ハロゲン原子、シアノ基、C 1-8 アルキル基、トリハロゲノC 1-8 アルキル基及びC 1-8 アルコキシ基から選ばれる同一又は異なる1~2 個の基で置換されていてもよい)であり、R 1 が、一般式[I]における下式:
で示される縮合環骨格の5、6又は7位に結合し た化合物が包含される。

 本発明における好ましい実施態様としては 例えば、一般式[I-A]:
〔式中、環Aは隣接する複素6員環と縮合し、 換基R 11 を有するベンゼン環であって、R 11 以外に置換基を有していてもよく、R 11 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキル アミノスルホニル基、R 21 及びR 31 は同一もしくは異なって(a)水素原子、(b)アル キル基又は(c)置換もしくは非置換アリール基 およびAr 1 は置換基を有していてもよい芳香族環式基を 表す。]
で示される縮合二環式化合物又はその薬理的 に許容し得る塩があげられる。上記化合物[I- A]のうち、R 11 が、下式:
で示される縮合環骨格の7位に結合した化合 が好ましい。
 本発明における別の好ましい実施態様とし は、例えば、下記一般式[I-B]:
〔式中、環Aは隣接する複素6員環と縮合し、 換基R 12 を有するベンゼン環であって、R 12 以外に置換基を有していてもよく、R 12 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキル アミノスルホニル基、R 22 及びR 32 は(a)同一もしくは異なって水素原子又はアル キル基、或いは(b)両者が末端で互いに結合し て隣接炭素原子と共にシクロアルキル基を形 成するか、或いは(c)両者が一緒になってオキ ソ基を形成し、R 41 は(a)水素原子、(b)シアノ基、(c)ハロゲン原子 、(d)アルキル基、(e)アルケニル基、(f)シクロ アルキル基、(g)アルカノイル基、(h)カルバモ イル基又は(i)シクロアルケニル基、Ar 2 は置換基を有していてもよい芳香族環式基、 および点線は二重結合の存在又は不存在を表 す。]
で示される縮合二環式化合物又はその薬理的 に許容し得る塩があげられる。上記化合物[I- B]のうち、R 12 が、下式:
で示される縮合環骨格の7位に結合した化合 がより好ましい。

 上記化合物[I-A]において、R 21 又はR 31 が置換もしくは非置換アリール基である場合 、このようなアリール基としては、例えば、 ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニ ル基があげられる。

 上記化合物[I-A]又は化合物[I-B]において、Ar 1 又はAr 2 で示される芳香族環式基としては、例えば、 (a)フェニル基、ナフチル基の如き6~10員の単 又は二環式アリール基、或いは(b)チエニル 、フリル基、ピリジル基、ベンゾフラニル 、ベンゾチエニル基の如き、硫黄原子、酸 原子及び窒素原子から選ばれる1以上の異項 子を含有する5~10員の単環もしくは二環式ヘ テロアリール基があげられる。また、当該芳 香族環式基は、同一又は異なる1以上の置換 を有していてもよく、このような置換基と ては、例えば(a)ハロゲン原子(フッ原子、塩 原子、臭素原子又はヨウ素原子)、(b)シアノ 基、(c)アルキル基(メチル基、エチル基等)(d) リハロゲノアルキル基(トリフルオロメチル 基等)又は(e)アルコキシ基(メトキシ基、エト シ基、プロポキシ基等)等があげられる。Ar 1 又はAr 2 で示される置換されていてもよい芳香族環式 基の好ましい例としては、(1)ハロゲン原子、 シアノ基、アルキル基及びトリハロゲノアル キル基から選ばれる1~2個の基で置換されてい てもよいフェニル基、(2)ハロゲン原子で置換 されていてもよいピリジル基、(3)ベンゾフラ ニル基又は(4)ベンゾチエニル基等があげられ る。

 本発明における更に好ましい実施態様とし は、下記一般式[I-A-a]:
〔式中、R 11 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキル アミノスルホニル基、R A は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基、 R 23 及びR 33 は、一方が水素原子またはアルキル基であり 、他方がアルキル基又はフェニル基、Ar 11 はハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、ト リハロゲノアルキル基およびアルキルオキシ 基から選ばれる1~2個の基で置換されていても よい5~10員単環もしくは二環式芳香族環式基( 芳香族環式基は、硫黄原子及び酸素原子か 選ばれる異項原子を含有していてもよい)を 表す。]
で示される化合物又はその薬理的に許容し得 る塩があげられる。

 本発明における別の更に好ましい実施態様 しては、下記一般式[I-B-a]:
〔式中、R 12 はアルキルスルホニルアミノ基又はアルキル アミノスルホニル基、R B 、R B2 及びR B3 は同一もしくは異なって水素原子、ハロゲン 原子及びアルキル基から選ばれる基、R 24 は及びR 34 は(a)同一又は異なってアルキル基、或いは(b) 両者が末端で互いに結合して隣接炭素原子と 共にシクロアルキル基を形成するか、或いは (c)オキソ基を形成し、R 41 は(a)水素原子、(b)シアノ基、(c)ハロゲン原子 、(d)アルキル基、(e)アルケニル基、(f)シクロ アルキル基、(g)アルカノイル基、(h)カルバモ イル基又は(i)シクロアルケニル基、Ar 21 はハロゲン原子、アルキル基及びトリハロゲ ノアルキル基から選ばれる1~2個の基で置換さ れていてもよい6員芳香族環式基(該芳香族環 基はヘテロ原子として1~2個の窒素原子を含 していてもよい)、および点線は二重結合の 存在又は不存在を表す。]
で示される化合物又はその薬理的に許容し得 る塩があげられる。

 本発明におけるとりわけ好ましい実施態様 しては、例えば、
 a)一般式[I-A-a]において、R 11 がC 1-6 アルキルスルホニルアミノ基、R A が水素原子、ハロゲン原子又はC 1-6 アルキル基、R 23 及びR 33 が、一方が水素原子またはC 1-6 アルキル基であり、他方がC 1-6 アルキル基、Ar 11 がハロゲン原子及びC 1-6 アルキル基から選ばれる1~2個の基で置換され ていてもよいフェニル基である化合物、或い は
 b)一般式[I-B-a]において、R 12 がC 1-6 アルキルスルホニルアミノ基、R B が水素原子又はC 1-6 アルキル基、R B2 及びR B3 が水素原子、R 24 及びR 34 が同一又は異なってC 1-6 アルキル基、R 41 が水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はC 1-6 アルキル基、Ar 21 がハロゲン原子、C 1-6 アルキル基及びトリハロゲノC 1-6 アルキル基から選ばれる1~2個の基で置換され ていてもよいフェニル基である化合物
があげられる。

 上記のうち、とりわけ好ましい化合物の具 例としては、
  N-[4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3- ンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミ ド;
  N-[4-(4-クロロ-2-メチルフェニル)-2,2-ジメチ ル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスル ホンアミド;
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1, 3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンア ミド;
  N-[4-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2,2-ジメ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンス ルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-メチルフェニル)-2,2-ジメチ ル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスル ホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2,2-ジメ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンス ルホンアミド;
  N-[4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-2,2-ジメ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンス ルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2,2-ジメ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンス ルホンアミド;
  N-[5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンス ルホンアミド;
  N-[2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1, 3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンア ミド;
  N-[2-エチル-4-(4-フルオロフェニル)-2-メチ -2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスル ンアミド;及び
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-トリメチル- 2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホ アミド
からなる群より選ばれる化合物又はその薬理 的に許容し得る塩があげられる。

 別のとりわけ好ましい化合物の具体例とし は、
 N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル-2H -クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメ チル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミ ;
  N-[3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ メチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンア ド;
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-3,4- ヒドロ-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホン ミド;
  N-[4-(4-クロロ-2-メチルフェニル)-2,2-ジメチ ル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジエ チル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミ ;
  N-[3-シアノ-2,2-ジメチル-4-フェニル-2H-クロ メン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロフェニル)-3-シアノ-2,2-ジメチ ル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-メチルフェニル)-3-シアノ-2 ,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホ アミド;
  N-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-3-シア -2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスル ンアミド;
  N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-トリメチル- 2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド;お び
  N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-ト メチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホン ミド
からなる群より選ばれる化合物又はその薬理 的に許容し得る塩があげられる。

 本発明の化合物[I]は、分子内に不斉炭素 子を有する場合、当該不斉炭素原子に基づ 複数の立体異性体(ジアステレオマー異性体 、光学異性体)として存在しうるが、本発明 これらの内のいずれか1個の立体異性体又は の混合物のいずれをも包含するものである

 本発明の化合物[I]は、MR及び/又はアルド テロンが関与する各種疾患もしくは疾患状 の予防・治療に有用である。このような疾 には、下記(1)~(6)に記載の疾患が含まれる。

 (1)循環器系疾患又は血液関連疾患: 本態 高血圧;二次性高血圧(腎血管性高血圧、体 貯留型高血圧等);肺高血圧;低血圧;血圧日内 動異常;心不全(急性心不全、慢性心不全又 うっ血性心不全);狭心症;心筋梗塞;心筋症;心 肥大;心筋炎;心筋/血管線維化;心筋虚血;圧受 体障害;不整脈;頻脈;脳血管障害(CVA)とその 遺症;一過性脳虚血発作(TIA);脳卒中;脳血管性 認知症;高血圧性脳症;脳梗塞;脳浮腫;脳循環 害;レイノー病及びバージャー病を含む抹消 環障害;間欠性は行;静脈機能不全;動脈硬化( 冠動脈硬化、脳動脈硬化、抹消動脈硬化等); 管肥厚;経皮的冠動脈形成術(PTCA)を含むイン ターベンション後の血管肥厚/閉塞;バイパス 営術(CABG等)後の血管再閉塞/再狭窄;臓器移 後の拒絶反応;血栓症;深部静脈血栓症;閉塞 末梢循環障害;閉塞性動脈硬化症;閉塞性血栓 性血管炎;血小板減少症;赤血球増多症;多臓器 不全;血管内皮障害;又は腎疾患(腎不全、腎炎 、糸球体腎炎、IgA腎症、進行性腎症、糸球体 硬化症、糖尿病性腎症、血栓性微小血管症、 透析合併症、放射線照射による腎症等);血管 紫斑病;自己免疫性溶血性貧血;播種性血管 凝固症候群(DIC);又は多発性骨髄症等。

 (2)代謝性疾患: 高血糖/糖尿病及びその合 併症(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿 性神経障害等);代謝症候群もしくは代謝障害 (高脂血症、高コレステロール血症、肥満、 尿酸血症、低カリウム血症、高ナトリウム 症、耐糖能障害等)。

 (3)中枢神経系又は神経変性疾患: 脳出血 脳梗塞、頭部外傷、脊髄損傷又は脳浮腫に づく神経障害;知覚機能障害/異常;自律神経 能障害/異常;多発性硬化症;記憶障害;意識障 害;うつ病及び双極性障害を含む気分障害;不 症状;人格障害;健忘症;認知症;癲癇;アルコ ル依存症;アルツハイマー病;パーキンソン病 ;又は筋萎縮性側索硬化症等。

 (4)炎症性もしくはアレルギー性疾患: 関 リウマチ;痛風;変形性膝関節炎;骨関節炎;骨 膜炎;滑液包炎;硬直性脊髄炎;アトピー性皮膚 炎;接触性皮膚炎;乾癬;アレルギー性鼻炎;花 症;喘息;蕁麻疹;気管支炎;炎症性肺疾患(肺炎 、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、カリニ肺 炎、肺結核、肺サルコイドーシス等);炎症性 疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎等);膠原病( 全身性エリテマトーデス、強皮病、多発性動 脈炎等);髄膜炎;ウェゲナー肉芽腫;リウマチ ;術後/外傷後炎症;咽頭炎;膀胱炎;アナフィラ キシー;腱炎;結膜炎;又は炎症性眼疾患等。

 (5)内分泌疾患: 原発性もしくは二次性ア ドステロン症;偽アルドステロン症;バータ (Bartter’s)症候群等。

 (6)局所疾患を含むその他疾患: 肝疾患(肝 炎、肝硬変等);門脈圧亢進症;消化器疾患(胃 、胃潰瘍、胃癌、胃手術後障害、食道潰瘍 食道胃静脈瘤破裂、大腸ポリープ、膵炎、 石症、痔疾等);前立腺疾患(前立腺肥大、前 腺癌等);骨疾患(骨折による組織損傷、骨粗 症、骨軟化症、骨ベーチェット病等);癌/腫 (悪性黒色腫、白血病、悪性リンパ腫、胃癌 大腸癌等);悪液質;腫瘍の転移;婦人科疾患( 年期障害、妊娠中毒、子宮内膜症、子宮筋 、卵巣疾患、乳腺疾患等);感染症;敗血症;内 素性ショック;緑内障;眼圧上昇;メニエル症 群;嚥下障害;睡眠時無呼吸症候群;重症筋無 症;透析低血圧;慢性疲労症候群等。

 本発明の化合物[I]には、優れたMR拮抗作用( ルドステロン拮抗作用)を有する化合物が包 含され、当該化合物又はその薬理的に許容し 得る塩は、MR活性の亢進及び/又はアルドステ ロンレベル上昇に起因する各種疾患又は疾患 状態、例えば、高血圧、心不全、心筋梗塞、 狭心症、心肥大、心筋炎、心筋/血管線維化 圧受容体障害、体液量過剰及び不整脈等を む心血管系疾患、或いは原発性/二次性アル ステロン症、アジソン病、クッシング症候 及びバーター症候群等を含む内分泌疾患の 防・治療(利尿剤としての使用を含む)に特 有用である。
 本発明の化合物[I]は、遊離の形でも、それ の薬理的に許容し得る塩の形でも医薬用途 使用することができる。薬理的に許容しう 塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リ 酸塩または臭化水素酸塩の如き無機酸塩、 酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸 、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン 塩、トシル酸塩またはマレイン酸塩の如き 機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩の如き ルカリ金属塩、カルシウム塩の如きアルカ 土類金属塩等があげられる。

 更に、上記化合物[I]またはその薬理的に 容しうる塩には、その分子内塩や付加物、 れらの溶媒和物或いは水和物等が包含され 。

 本発明の化合物[I]は、当該化合物単独で 或いはこれと薬理的に許容し得る担体とか なる医薬組成物の形態で、経口的にも非経 的にも投与することができる。このような 薬組成物の剤形は特に限定されるものでは く、投与経路に応じて、例えば、錠剤、顆 剤、カプセル剤、散剤、注射剤、吸入剤、 剤の如き慣用の医薬製剤として使用するこ ができる。

 本発明の化合物[I]またはその薬理的に許 し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年 、体重、状態によっても異なるが、非経口 与の場合、1日当り0.001~10mg/kg、とりわけ0.01~ 1mg/kg、経口投与の場合、通常、1日当り0.01~100 mg/kg、とりわけ0.1~30mg/kgとするのが好ましい

 本発明の化合物[I]またはその薬理的に許 しうる塩は、治療対象疾患等に応じて、単 或いは1以上の他の薬剤と組合せて使用する ことができる。このような薬剤としては、例 えば以下のものがあげられる。

 (a)降圧薬:アンジオテンシン変換酵素阻害薬 (マレイン酸エナラプリル、塩酸イミダプリ 、カプトプリル、シラザプリル、リジノプ ル、塩酸デラプリル、塩酸テモカプリル、 酸ベナゼプリル、ペリンドプリルエルブミ 、ホシノプリルナトリウム、塩酸キナプリ 、塩酸モエキシプリル、ラミプリル、トラ ドラプリル、アラセプリル等)、アンジオテ シンII受容体拮抗薬(ロサルタンカリウム、 ンデサルタンシレキセチル、バルサルタン イルベサルタン、テルミサルタン、オルメ ルタンメドキソミル、メシル酸エプロサル ン、フォラサルタン等)、β遮断薬(アテノロ ール、塩酸ベタキソロール、フマル酸ビソプ ロロール、酒石酸メトプロロール、クエン酸 メトプロロール、塩酸プロプラノロール、ナ ドロール、マレイン酸チモロール、塩酸アセ ブトロール、硫酸ペンブトロール、ピンドロ ール、塩酸カルテオロール、ニプラジロール 等)、α/β遮断薬(カルベジロール、塩酸ラベ ロール等)、カルシウム拮抗薬(ベシル酸アム ロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニ フェジピン、塩酸ニカルジピン、ニソルジピ ン、ニトレンジピン、ベニジピン、塩酸マニ ジピン、塩酸エホニジピン、塩酸ジルチアゼ ム等)、α 1 遮断薬(メシル酸ドキサゾシン、塩酸プラゾ ン、塩酸テラゾシン等)、中枢性α 2 作動薬又はその他中枢作用薬(塩酸クロニジ 、レセルピン、メチルドーパ等)、血管拡張 (塩酸ヒドララジン、ミノキシジル等)等;
 (b)利尿薬:チアジド系利尿薬(クロロチアジ 、ヒドロクロロチアジド、ベンチルヒドロ ロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ト クロルメチアジド、ポリチアジド、クロル リドン、インダパミド、メトラゾン等)、ル プ利尿薬(ブメタニド、フロセミド、トルセ ミド、メフルシド、エタクリン酸等)、カリ ム保持性利尿薬(塩酸アミロライド、トリア テレン等);
 (c)心不全治療薬:硝酸薬(ニトログリセリン )、ジギタリス製剤(ジゴキシン、ジギトキシ ン等)、カテコラミン類(塩酸ドブタミン、デ パミン等)、エンドセリン拮抗薬(ボセンタ 等)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(乳酸ミル リノン、アムリノン、オルプリノン等)、中 エンドペプチダーゼ阻害薬(ファシドトリル )、心房性利尿ペプチド等;
 (d)抗不整脈薬:Naチャネル遮断薬(塩酸プロカ インアミド、酢酸フレカイニド、硫酸キニジ ン等)、Kチャネル遮断薬(塩酸アミオダロン等 )、Caチャネル遮断薬(塩酸ベラパミル等)等;
 (e)高脂血症薬:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバ タチンナトリウム、アトルバスタチンカル ウム、シンバスタチン、セリバスタチン、 バスタチン、フルバスタチンナトリウム、 スバスタチンカルシウム、ピタバスタチン ルシウム等)、フィブラート誘導体(ベザフ ブラート、フェノフィブラート、クリノフ ブラート、クロフィブラート、ゲムフィブ ジル等)、スクアレン合成酵素阻害薬等;
 (f)抗血栓薬:血液凝固阻害薬(ワーファリン トリウム、ヘパリンナトリウム、アンチト ンビンIII等)、血栓溶解薬(ウロキナーゼ、t-P A等)、抗血小板薬(アスピリン、塩酸チクロピ ジン、スルフィンピラゾン、ジピリダモール 、シロスタゾール等);
 (g)糖尿病/糖尿病合併症治療薬:インスリン α-グルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース、ア ルボース、ミグリトール、エミグリテート )、ビグアナイド(塩酸メトホルミン、ブホ ミン、フェンホルミン等)、インスリン抵抗 改善薬(ピオグリタゾン、トログリタゾン、 ロシグリタゾン等)、インスリン分泌促進薬( ルブタミド、グリベンクラミド、グリクラ ド、グリクロピラミド、クロルプロパミド グリメピリド、グリブザイド、グリブゾー 、トラザミド、アセトヘキサミドの如きス ホニルウレア化合物等)、アミリン拮抗薬( ラムリンチド等)、アルドース還元酵素阻害 (エパルレスタット、トルレスタット、ゼナ レスタット、フィダレスタット、ミナルレス タット、ゾポルレスタット等)、神経栄養因 (NGF等)、AGE阻害薬(ピマゲジン、ピラトキサ ン等)、神経栄養因子産生促進薬等;
 (h)抗肥満薬:中枢性抗肥満薬(マジンドール フェンフルラミン、デキスフェンフルラミ 、シブトラミン等)、膵リパーゼ阻害薬(オル リスタット等)、β 3 作動薬(SB-226552、BMS-196085、SR-5611-A等)、ペプチ ド性食欲抑制薬(レプチン等)、コレシストキ ン受容体作動薬(リンチトリプト等)等;
 (i)非ステロイド性抗炎症薬:アセトアミノフ ェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、エ テンザミド、ナプロキセン、ジクロフェナク 、ロキソプロフェン等
 (j)化学療法剤:代謝拮抗剤(5-フルオロウラシ ル、メトトレキサート等)、抗癌剤(ビンクリ チン、タキソール、シスプラチン等)等;
 (k)免疫調節剤:免疫抑制剤(シクロスポリン タクロリムス、アザチオプリン等)、免疫増 剤(クレスチン、レンチナン、シゾフィラン 等)、サイトカイン類(インターロイキン1、イ ンターフェロン等)、シクロオキシゲナーゼ 害剤(インドメタシン、セレコキシブ、バル コキシブ、メロキシカム等)、抗TNFα抗体(イ ンフリキシマブ等)等。

 本発明の化合物[I]と他の薬剤とを組合せ 使用する場合、その投与形態としては、(1) 合物[I]と他の薬剤とを含む単一製剤(合剤) 投与、及び(2)化合物[I]を含む製剤と他の薬 を含む製剤との併用投与があげられる。ま (2)の併用投与の場合、それぞれの製剤の投 経路及び投与時間は異なっていてもよい。

 本発明の化合物[I]のうち、R 1 がアルキルスルホニルアミノ基である化合物 (化合物[I-I])は、例えば下記反応スキームA1又 はA2に従って製することができる。
(反応スキームA1)
[上記反応スキーム中、R a1 はアルキル基、X 1 はハロゲン原子を表し、他の記号は前記と同 一意味を有する。]
(反応スキームA2)
[上記反応スキーム中、X 11 は反応性残基を表し、他の記号は前記と同一 意味を有する。]

 また、本発明の化合物[I]のうち、R 1 がアルキルアミノスルホニル基である化合物 (化合物[I-II])は、例えば、下記反応スキームA 3に従って製することができる。
(反応スキームA3)
[上記反応スキーム中、X 12 はハロゲン原子を表し、他の記号は前記と同 一意味を有する。]

 更に、本発明の化合物[I]のうち、下記一般 [I-B-2]:
[式中、記号は前記と同一意味を有する。]
で示される化合物は、例えば、下記反応スキ ームBに従って製することができる。
[反応スキーム中、記号は前記と同一意味を する。]
で示される化合物を還元することにより製す ることができる。

 工程A1-1:
  アミン化合物[IIa]と化合物[a]との反応は、 例えば、適当な溶媒中或いは無溶媒で、塩基 存在下又は非存在下で実施することができる 。化合物[a]におけるハロゲン原子としては、 塩素原子、臭素原子等があげられる。溶媒と しては、反応に支障をきたさない不活性溶媒 であればよく、例えば、クロロホルム、ジク ロロメタン、ジクロロエタンの如きハロゲン 化脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、 キシレンの如き芳香族炭化水素類、ジエチル エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラ ヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシ タンの如きエーテル類、酢酸エチルの如き ステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ メチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダ リジノンの如きアミド類、アセトニトリル 如きニトリル類、ピリジン、2,6-ルチジン、 れらの混合溶媒、或いはこれら溶媒と水と 組み合わせがあげられる。これら溶媒のう 、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエ 、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキ ン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチ アセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジ ン又はピリジンが好ましく、ジクロロメタ 、クロロホルム、テトラヒドロフラン又は リジンがより好ましい。塩基としては、例 ば、有機塩基又は無機塩基を使用すること できる。有機塩基としては、例えば、トリ チルアミン、トリブチルアミン、ジイソプ ピルエチルアミン等の如きトリアルキルア ン類、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1, 5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジア ビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンの如き三級環 アミン類、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエ ルアニリン、4-ジメチルアミノピリジンの如 き芳香族アミン類、ピリジン、2,6-ルチジン 2,3,5-コリジン等があげられる。無機塩基と ては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリ ム、炭酸セシウムの如き炭酸アルカリ金属 炭酸カルシウムの如き炭酸アルカリ土類金 、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム 如き炭酸水素アルカリ金属、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムの如 水酸化アルカリ金属等があげられる。この 、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプ ピルエチルアミン又は炭酸アルカリ金属が ましい。本反応における化合物[a]の使用量 、化合物[IIa]に対して1~10当量、好ましくは1~ 2当量とすることができる。塩基の使用量は 化合物[IIa]に対して1~10当量、好ましくは1~2 量とすることができる。本反応は冷却下~加 下、好ましくは氷冷下~室温で実施すること ができる。

 工程A2-1: 
  化合物における反応性残基(X 11 )としては、ハロゲン原子、トリフルオロメ ンスルホニルオキシ基等があげられる。化 物[IIb]と化合物[aa]との反応は溶媒中、塩基 び遷移金属触媒の存在下で実施することが きる。溶媒としては、反応に支障をきたさ い不活性溶媒であればよく、例えば、前記 たアルコール類、芳香族炭化水素類、ジオ サン等があげられる。このうち、tert-ブタノ ール、トルエン、キシレン、ジオキサン等が 好ましい。塩基としては、例えば、前記した 炭酸アルカリ金属、リン酸アルカリ金属、ア ルカリ金属フェノキシド等があげられる。こ のうち、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン 酸カリウム、ナトリウムフェノキシド等が好 ましい。遷移金属触媒としては、例えば、前 記したパラジウム触媒等があげられ、このう ち、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデ アセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリ フェニルホスフィン)パラジウム等が好まし 。尚、本反応においては、必要に応じ、配 子としてトリフェニルホスフィン、2-ジシク ロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソ ロピル-1,1’-ビフェニル、トリ-tert-ブチルホ スフィンの如きホスフィン類化合物、並びに 活性化剤としてフェニルボロン酸等のアリー ルボロン酸類を使用してもよい。本反応にお ける化合物[aa]の使用量は、化合物[IIb]に対し て1~10当量、好ましくは1~3当量とすることが きる。塩基の使用量は、化合物[IIb]に対して 1~10当量、好ましくは1~3当量とすることがで る。遷移金属触媒(及び配位子)の使用量は、 化合物[IIb]に対して0.01~0.5当量、好ましくは0. 01~0.2当量とすることができる。活性化剤の使 用量は、化合物[IIb]に対して0.005~0.3当量、好 しくは0.005~0.05当量とすることができる。本 反応は60℃~150℃、好ましくは80℃~120℃で実施 することができる。

 工程A3-1: 
  本反応は、前記工程A1-1と同様にして実施 ることができる。

 工程B1:
  化合物[I-B-1]の還元は、溶媒中、遷移金属 媒存在下で実施することができる(接触水素 還元)。溶媒は反応に支障のないものであれ よく、このような溶媒としては、例えば、 タノールの如きアルコール類があげられる 遷移金属触媒としては、パラジウム-炭素、 金-炭素、酸化白金、ラネーニッケル等があ げられる。遷移金属触媒の使用量は、化合物 [I-B-1]に対して0.01~3当量、好ましくは0.1~1当量 とすることができる。本反応は冷却下~加熱 、好ましくは室温~反応混合物の沸点で実施 ることができる。

 本発明の化合物[I]は、上記の如くして得ら る化合物における置換基等を、さらに目的 する他の置換基へ変換することによっても 造することができる。このような置換基の 換方法は、目的とする置換基の種類に応じ 適宜選択すればよいが、例えば以下の如く て実施することができる。
 a法) 置換基としてアルコキシ基(又はアル キシ基を含む基)を有する化合物[I]は、例え 、置換基としてハロゲン原子(又はハロゲン 原子を含む基)を有する対応化合物[I]とアル ノールとを適当な溶媒中、触媒(酢酸パラジ ムの如きパラジウム触媒等)の存在下並びに 添加剤(トリフェニルホスフィン、ラセミッ -2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-1,1’-ビナフチ の如きホスフィン化合物等)及び塩基(炭酸 リウム、炭酸セシウムの如き炭酸アルカリ 属等)の存在下あるいは非存在下で反応させ ことにより製することができる。
 b法) 置換基としてメチル基を有する化合物 [I]は、例えば、置換基としてハロゲン原子を 有する対応化合物[I]とトリメチルボロキシン を溶媒中、パラジウム触媒([1,1-ビス(トリフ ニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジ ウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィ )パラジウム(0)等)の存在下並びに塩基(炭酸 リウム等)の存在下で反応させることにより 製することができる。
 c法) 置換基としてエチル基を有する化合物 [I]は、例えば、置換基としてビニル基を有す る対応化合物[I]をパラジウム触媒(パラジウ 炭素等)存在下接触還元反応に付すことによ 製することができる。
 d法) 置換基としてシアノ基を有する化合物 [I]は、例えば、置換基としてハロゲン原子を 有する対応化合物[I]をパラジウム触媒(テト キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 等)存在下でシアン化亜鉛と反応させて製す ことができる。
 e法) 置換基としてカルバモイル基を有する 化合物[I]は、置換基としてシアノ基を有する 対応化合物[I]をジオキサンの如き溶媒中、加 熱下、強酸(6N塩酸等)で処理することにより することができる。
 f法) 置換基としてシクロアルキル基を有す る化合物[I]は、例えば、置換基としてハロゲ ン原子を有する対応化合物[I]をパラジウム触 媒(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ ジウム(0)等)及び塩基(リン酸カリウム等)存在 下でシクロアルキルボロン酸と反応させるこ とにより製することができる。
 g法) 置換基としてトリフルオロメチル基を 有する化合物[I]は、例えば、置換基としてヨ ウ素原子を有する対応化合物[I]を銅塩(臭化 (I)等)存在下で2,2-ジフルオロ-2-(フルオロス ホニル)酢酸エチルと反応させることにより することができる。尚、置換基としてヨウ 原子を有する化合物[I]、例えば、1,4-ベンゾ オキサジン骨格の5位にヨウ素原子が置換し 化合物[I]は、同骨格の5位が無置換である対 化合物[I]とヨード化剤(ビス(ピリジン)ヨー ニウム テトラフルオロホウ酸等)を反応さ ることにより製することができる。

 上述の如くして得られる化合物[I]は、所 により、薬理的に許容しうる塩に変換する ともできる。薬理的に許容しうる塩への変 は、慣用の方法に従って行なえばよい。

 本発明における合成中間体である化合物[IIa ]の内、下記一般式[II-A]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物は、例えば下記反応スキー ムM1又はM2に従って製することができる。
(反応スキームM1):
[上記スキーム中、Acはアセチル基、Meはメチ 基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基 R’及びR”は水素原子またはアルキル基であ るか、或いはR’及びR”の両者が末端で互い 結合してアルキレン基を形成することを表 、他の記号は前記と同一意味を表す。]

 工程M1-1:
  サリチル酸化合物[1]と無水酢酸の反応は 無溶媒で、80~140℃で実施することができる 尚、必要に応じて、反応に支障をきたさな 不活性溶媒を使用してもよい。

 工程M1-2:
  化合物[2]をハロゲン化剤(オキザリルクロ ド、チオニルクロリド等)で処理して得られ る酸ハライドとアンモニアの反応は、溶媒中 、氷冷下~室温で実施することができる。溶 としては、反応に支障をきたさない不活性 媒であればよく、このような溶媒として、 えば、テトラヒドロフランの如きエーテル 、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロ エタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類 酢酸エチルの如きエステル類又はこれと水 の混合液等があげられる。
  また、本工程の目的化合物[3]は、溶媒中 化合物[2]と塩化アンモニウム等のアンモニ ム塩を縮合剤(水溶性カルボジイミド等)及び 活性化剤(1-ヒドロキシベンゾトリアゾ-ル等) 存在下、0~30℃で反応させることにより製す ることができる。溶媒としては、反応に支障 をきたさない不活性溶媒であればよく、この ような溶媒として、例えば、ジメチルホルム アミドの如きアミド類、テトラヒドロフラン の如きエーテル類、クロロホルム、ジクロロ メタン、ジクロロエタンの如きハロゲン化脂 肪族炭化水素類等があげられる。

 工程M1-3:
  化合物[3]とジメチルアセタール化合物[4] 反応は、例えば、溶媒中、p-トルエンスルホ ン酸又はそのピリジニウム塩の如き酸触媒の 存在下、30~130℃で実施することができる。溶 媒としては、反応に支障をきたさない不活性 溶媒であればよく、このような溶媒として、 例えば、アセトンの如きケトン類、トルエン の如き芳香族炭化水素類があげられる。

 工程M1-4:
  化合物[5]とトリフルオロメタンスルホン 無水物(化合物[6])の反応は、溶媒中で、2,6- チジンの如き塩基の存在下、-30℃~室温で実 することができる。溶媒としては、反応に 障をきたさない不活性溶媒であればよく、 のような溶媒として、例えば、ジクロロメ ンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類があ られる。

 工程M1-5:
  化合物[7]とボロン酸化合物[8]との反応は 溶媒中、ビス(トリフェニルホスフィン)パラ ジウム(II)ジクロリドの如き触媒及び炭酸カ ウム、リン酸カリウムの如き塩基の存在下 並びに水の存在下もしくは非存在下、50℃~ 応混合物の沸点で実施することができる。 媒としては、反応に支障をきたさない不活 溶媒であればよく、このような溶媒として 例えば、ジメトキシエタン、ジオキサンの きエーテル類、トルエンの如き芳香族炭化 素類あげられる。ボロン酸化合物[8]として 、R’及びR”が水素原子又はアルキル基(メ ル基、エチル基等)である化合物、或いはR’ 及びR”が互いに結合してアルキレン基(エチ ン基、プロピレン基、1,1,2,2-テトラメチル チレン基等)を形成する化合物等があげられ 。このうち、R’及びR”がともに水素原子 ある化合物、或いは下式:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される対応ボロキシン化合物を好適に用 いることができる。更に、ボロン酸化合物[8] は、必要に応じて、下式:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示されるN-フェニルジエタノールアミンと エステルの形でも使用することができる。

 工程M1-6:
  化合物[9]におけるニトロ基の還元は、溶 中、還元剤の存在下で実施することができ 。還元剤としては、例えば、スズ、鉄、亜 等の金属あるいは塩化スズ等の金属塩を用 ることができる。尚、還元剤の種類に応じ 、塩酸等の鉱酸または塩化アンモニウム等 反応系に添加してもよい。溶媒としては、 応に支障をきたさない不活性溶媒であれば く、例えば、水、メタノール、エタノール プロパノールの如きアルコール類、酢酸エ ルの如きエステル類、N,N-ジメチルホルムア ド、N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチ -2-イミダゾリジノンの如きアミド類、アセ ニトリルの如きニトリル類、テトラヒドロ ラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンの きエーテル類、これらの混合溶媒、或いは れら溶媒と水との組み合わせがあげられる このうち、酢酸エチル、エタノール、水と ルコールとの混合溶媒が好ましい。還元剤 使用量は、化合物[9]に対して1~5当量、好ま くは1~2当量とすることができる。本反応は 温~反応混合物の沸点で実施することができ る。
 また、中間体化合物[II-A]は、例えば、下記 応スキームM2に従って製することもできる
(反応スキームM2)
〔上記スキーム中、X 3 はハロゲン原子、Boc基はtert-ブトキシカルボ ル基、Bnはベンジル基、Buはブチル基、Tfは リフルオロメタンスルホニル基を表し、他 記号は前記と同一意味を有する。〕

 工程M2-1:
  化合物[1a]とn-ブチルリチウムとの反応及 それに続く二酸化炭素との反応は溶媒中、-7 8~-20℃で実施することができる。溶媒は反応 支障をきたさない不活性溶媒であればよく このような溶媒としては、例えば、テトヒ ロフランの如きエーテル類があげられる。

 工程M2-2:
  本反応は、前記工程M1-2と同様に実施する とができる。

 工程M2-3:
  化合物[3a]とベンジルアルコールの反応は 媒中、水素化ナトリウムの如き塩基存在下 氷冷下~30℃で実施することができる。溶媒 、反応に支障をきたさない不活性溶媒であ ばよく、このような溶媒としては、例えば ジメチルホルムアミドの如きアミド類があ られる。

 工程M2-4:
  化合物[4a]からのベンジル基の除去は、該 合物を溶媒中、パラジウム炭素の如き触媒 在下、氷冷下~室温付近で接触還元反応に付 すことにより実施することができる。溶媒は 、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれ ばよく、このような溶媒としては、例えば、 酢酸エチルの如きエステル類、メタノール、 エタノールの如きアルコール類があげられる 。

 工程M2-5~M2-7:
  これら反応は、それぞれ前記工程M1-3、工 M1-4および工程M1-5と同様に実施することが きる。

 工程M2-8:
  本反応は溶媒中、塩基及び遷移金属触媒 存在下で実施することができる。溶媒とし は、反応に支障をきたさない不活性溶媒で ればよく、例えば、アルコール類、芳香族 化水素類、エーテル類等があげられ、この ち、tert-ブタノール、トルエン、キシレン、 ジオキサン等が好ましい。塩基としては、例 えば、炭酸アルカリ金属、リン酸アルカリ金 属、アルカリ金属フェノキシド等があげられ る。このうち、炭酸カリウム、炭酸セシウム 、リン酸カリウム、ナトリウムフェノキシド 等が好ましい。遷移金属触媒としては、例え ば、パラジウム触媒等があげられ、このうち 、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデン セトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフ ェニルホスフィン)パラジウム等が好ましい 尚、本反応においては、必要に応じ、配位 としてトリフェニルホスフィン、2-ジシクロ へキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプ ピル-1,1’-ビフェニル、トリ-tert-ブチルホス フィンの如きホスフィン類化合物、並びに活 性化剤としてフェニルボロン酸等のアリール ボロン酸類を使用してもよい。本反応におけ る化合物[b]の使用量は、化合物[9a]に対して1~ 10当量、好ましくは1~3当量とすることができ 。塩基の使用量は、化合物[9a]に対して1~10 量、好ましくは1~3当量とすることができる 遷移金属触媒(及び配位子)の使用量は、化合 物[9a]に対して0.01~0.5当量、好ましくは0.01~0.2 量とすることができる。活性化剤の使用量 、化合物[9a]に対して0.005~0.3当量、好ましく は0.005~0.05当量とすることができる。本反応 60~150℃、好ましくは80~120℃で実施すること できる。

 工程M2-9:
  化合物[11a]からのBoc基の除去は、当該化合 物を溶媒中、酸(塩酸、トリフルオロ酢酸等) 在下、反応に支障をきたさない不活性溶媒 あればよく、例えば、ジクロロメタン、ク ロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類 酢酸エチル等のエステル類、ジオキサン等 エーテル類又は有機酸類またはこれらの混 溶媒があげられる。本反応は冷却下~加熱下 、好ましくは氷冷下~室温で実施することが きる。
 なお、中間体化合物[9a]は、例えば、下式[1b ]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示されるクロロサリチル酸化合物をチオニ ルクロリド、オキザリルクロリドの如きハロ ゲン化剤で処理して対応酸ハライドへ変換後 、当該酸ハライドと下式[2b]:
Ar 1 -H  [2b]
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される芳香族環式化合物を溶媒(ジクロ メタン、クロロホルム、ジクロロエタンの きハロゲン化脂肪族炭化水素類)中、ルイス (塩化アルミニウム等)存在下、氷冷~加熱下 反応させて下式[3b]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示されるケトン化合物を製し、次いで該化 合物[3b]とヨウ化アンモニウムを溶媒(アセト トリルの如きニトリル類)中、トリエチルア ミンの如き塩基及び硫酸カルシウムの如き脱 水剤存在下、室温~混合物の沸点で反応させ 下式[4b]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示されるイミン化合物を製し、次いで該化 合物[4b]と下式[5b]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示されるケトン化合物又はその対応ジメチ ルアセタール化合物(化合物[5bb])を反応させ ことにより製することもできる。

 また、化合物[4b]と化合物[5b](または化合 [5bb])の反応は、前記工程M1-3と同様にして実 施することができる。

 更に、中間体化合物[II-A]の内、下式[II-A-1]:
〔式中、X a はハロゲン原子を表し、他の記号は前記と同 一意味を有する。〕
で示される化合物は、例えば、下式[1c]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物と2,5-へキサンジオンを溶 (テトラヒドロフランの如きエーテル類、ト エンの如き芳香族炭化水素類等)中、p-トル ンスルホン酸の如き酸触媒存在下で反応さ て一般式[2c]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物を製し、次いで該化合物[2c ]を前記工程M2-1~M2-7と同様に処理することに り一般式[3c]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物を製し、更に該化合物[3c] 、例えば、溶媒(1,4-ジオキサンの如きエーテ ル類と水との混合液等)中、トリフルオロ酢 の如き酸で処理することにより製すること できる。

 中間体化合物[IIa]の内、下記一般式[II-B]:
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される中間体化合物は、例えば、下記反 応スキームM3に従って製することができる。
(反応スキームM3)
〔上記スキームM3中、R 40 は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基、 R 41 は水素原子又はアルキル基、R 42 はハロゲン原子、R 43 はシアノ基、アルケニル基、アルカノイル基 又はシクロアルキル基、R 44 は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アル キル基、アルケニル基、アルカノイル基又は シクロアルキル基、R 23 及びR 33 はアルキル基、Meはメチル基、Etはエチル基 Buはブチル基、Phはフェニル基を表し、他の 号は前記と同一意味を有する。〕

 工程M3-1:
  本反応は、化合物[1b]と化合物[2b]から化合 物[3b]を得る反応と同様にして実施すること できる。

 工程M3-2:
  化合物[3b’]と化合物[16]の反応は、例えば 、無溶媒もしくは溶媒中、加熱下で実施する ことができる。溶媒は、反応に支障をきたさ ない不活性溶媒であればよく、例えば、トル エンの如き芳香族炭化水素類があげられる。

 工程M3-3:
  化合物[3b’]の化合物[18]への変換は、溶媒 中、ヨウ化メチルの如きハロゲン化メチル及 び炭酸カリウムの如き塩基の存在下、氷冷下 ~混合物の沸点で実施することができる。溶 は、反応に支障をきたさない不活性溶媒で ればよく、例えば、ジメチルホルムアミド 如きアミド類、アセトン、メチルエチルケ ンの如きケトン類、アセトニトリル等があ られる。

 工程M3-4:
  化合物[18]と化合物[19]の反応は、例えば、 溶媒中、水素化ナトリウムの如き塩基の存在 下、室温~加熱下で実施することができる。 媒は、反応に支障をきたさない不活性溶媒 あればよく、例えば、テトラヒドロフラン 如きエーテル類があげられる。

 工程M3-5:
  化合物[20]の脱メチル化反応とそれに続く 環反応は、例えば、溶媒中、三臭化ホウ素 存在下、氷冷下~室温で実施することができ る。溶媒は、反応に支障をきたさない不活性 溶媒であればよく、例えば、ジクロロメタン 、クロロホルムの如きハロゲン化脂肪族炭化 水素類があげられる。

 工程M3-6:
  化合物[17]の化合物[21]への変換は、例えば 、溶媒中、グリニャ-ル(Grignard)試薬(メチルマ グネシウムブロミドの如きアルキルマグネシ ウムハライド等)存在下、氷冷下~混合物の沸 で実施することができる。溶媒は、反応に 障をきたさない不活性溶媒であればよく、 えば、テトラヒドロフランの如きエーテル があげられる。

 工程M3-7:
  化合物[21]の閉環反応は、例えば、無溶媒 しくは溶媒中、塩酸等の酸存在下もしくは 存在下、室温~加熱下で実施することができ る。溶媒は、反応に支障をきたさない不活性 溶媒であればよく、トルエンの如き芳香族炭 化水素類があげられる。

 工程M3-8:
  化合物[II-B-Ia]の化合物[II-B-Ib]への変換は 溶媒中、ピリジニウムトリブロミドの如き 素化剤の存在下、氷冷下~室温で実施するこ ができる。溶媒は、反応に支障をきたさな 不活性溶媒であればよく、ジクロロメタン 如きハロゲン化脂肪族炭化水素類があげら る。

 工程M3-9a:
  R 43 がシクロアルキル基である化合物[II-B-Ic]は、 化合物[II-B-Ib]と下式[22]:
R 43a -B(OR’)(OR”)  [22]
〔式中、R 43a はシクロアルキル基を表し、他の記号は前記 と同一意味を有する。〕
で示されるボロン酸化合物を前記工程M1-5と 様に処理することにより製することができ 。

 工程M3-9b:
  R 43 がアセチル基の如きアルカノイル基である化 合物[II-B-Ic]は、例えば、化合物[II-B-1b]とトリ ブチル(1-エトキシビニル)スズをトルエンの き不活性溶媒中、テトラキス(トリフェニル スフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(ト フェニルホスフィン)パラジウム(II)の如きパ ラジウム触媒存在下、混合物の沸点で反応さ せ、次いで、該反応生成物を溶媒中、氷冷下 ~室温で塩酸の如き酸で処理することにより することができる。溶媒は、反応に支障を たさない不活性溶媒であればよく、ジオキ ンの如きエーテル類があげられる。

 工程M3-9c:
  R 43 がアルケニル基である化合物[II-B-Ic]は、化合 物[II-B-1b]とトリブチル(ビニル)スズの如きト ブチル(アルケニル)スズを溶媒中、テトラ ス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの如 きパラジウム触媒存在下、室温~混合物の沸 で反応させることにより製することができ 。溶媒は、反応に支障をきたさない不活性 媒であればよく、ジオキサンの如きエーテ 類があげられる。

 工程M3-9d:
  R 43 がシアノ基である化合物[II-B-Ic]は、化合物[II -B-1b]とシアン化亜鉛、シアン化ナトリウム等 のシアン化合物を溶媒中、テトラキス(トリ ェニルホスフィン)パラジウムの如きパラジ ム触媒存在下、60℃~混合物の沸点で反応さ ることにより製することができる。溶媒は 反応に支障をきたさない不活性溶媒であれ よく、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ ルアセトアミド、1,3-ジメチルイミダゾリジ ンンの如きアミド類があげられる。

 工程M3-10及びM3-11:
  これらの反応は、前記工程M2-8と同様に実 することができる。

 工程M3-12:
  化合物[I-B-Id]は、R 44 がシアノ基である化合物[II-B-2]を溶媒中、加 下で、塩酸の如き強酸で処理することによ 製することができる。溶媒は、反応に支障 きたさない不活性溶媒であればよく、ジオ サンの如きエーテル類があげられる。

 工程M3-13:
  本反応は、前記工程M2-9と同様に実施する とができる。
 中間体化合物[IIb]のうち、下記一般式[IIb-1]:
又は下記一般式[IIb-2]:
で示される化合物は、例えば、それぞれ下記 反応スキームM4及びM5に従って製することが きる。
(反応スキームM4)
〔上記スキーム中、Meはメチル基、Tfはトリ ルオロメタンスルホニル基を表し、他の記 は前記と同一意味を有する。〕

 工程M4-1:
 本反応は、前記した化合物[1b]の酸クロリド と化合物[2b]の反応と同様にして実施するこ ができる。

 工程M4-2:
 本反応は、前記工程M3-5における化合物[20] 脱メチル化反応と同様に実施することがで る。

 工程M4-3:
 本反応は、適当な溶媒(トルエンの如き芳香 族炭化水素類等)中、四塩化チタンの存在下 実施することができる。

 工程M4-4:
 本反応は、前記工程M1-3と同様に実施するこ とができる。

 工程M4-5:
 本反応は、前記工程M1-4と同様に実施するこ とができる。
(反応スキームM5)
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を 有する。〕

 工程M5-1:
 本反応は、適当な溶媒(ジメチルホルムアミ ドの如きアミド類等)中、塩基(ジイソプロピ エチルアミンの如き三級アミン類等)及び縮 合剤(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N, N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフル オロホスフェート等)の存在下で実施するこ ができる。

 工程M5-2:
 本反応は、適当な溶媒(テトラヒドロフラン の如きエーテル類等)中、グリニャール試薬( チルマグネシウムブロミドの如きアルキル グネシウムハライド等)の存在下で実施する ことができる。

 工程M5-3:
 本反応は、前記工程M2-3と同様に実施するこ とができる。

 工程M5-4:
 本反応は、前記工程M2-4と同様に実施するこ とができる。

 工程M5-5:
 本反応は、適当な溶媒(メタノールの如きア ルコール類等)中、塩基(ピロリジン等)の存在 下で実施することができる。

 工程M5-6:
 本反応は、前記工程M1-4と同様に実施するこ とができる。

 工程M5-7:
 本反応は、前記工程M1-5と同様に実施するこ とができる。

 工程M5-11:
 本反応は、前記工程M5-5と同様に実施するこ とができる。また、本工程の目的物である化 合物[31bb]は、例えば、下記反応スキームに従 って製することもできる。
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を 有する。〕
 化合物[41bb]と化合物[42bb]の反応及びそれに く環化反応は、例えば、適当な溶媒中又は 溶媒で、ルイス酸(塩化アルミニウム等)及 オキシ塩化リンの存在下で実施することが きる。

 工程M5-12:
 本反応は、適当な溶媒(テトラヒドロフラン の如きエーテル類)中、添加剤(イミダゾール )の存在下で実施することができる。

 工程M5-13
 本反応は、工程M1-4と同様にして実施するこ とができる。

 工程M5-14:
 本反応は、工程M1-5と同様にして実施するこ とができる。

 工程M5-15:
 本反応は、工程M1-4と同様にして実施するこ とができる。
 中間体化合物[IIc]は、例えば、化合物[IIa]を 適当な溶媒(アセトニトリルの如きニトリル 等)中、酸(酢酸、濃塩酸等)および亜硝酸塩( 硝酸ナトリウム等)存在下で二酸化硫黄と反 応させた後、反応生成物を銅塩(塩化銅(II)等) で処理することにより製することができる。
 本発明における合成中間体(上記化合物[II-A] 又は化合物[II-B])の内、下記一般式[ii]:
〔式中、X a は式:=N-又は式:=C(CN)-で示される基、R z は水素原子又はハロゲン原子、R 24 及びR 34 はアルキル基、Ar 3 はハロゲン原子およびトリハロゲノアルキル 基から選ばれる1~2個の基で置換されていても よいフェニル基を表す。〕
で示される化合物又はその薬理的に許容し得 る塩は、本発明の目的化合物[I]の合成中間体 として有用であることに加え、鉱質コルチコ イド受容体(MR)に対する高い親和性をも有す 。
 例えば、ラット腎臓由来鉱質コルチコイド 容体(MR)及び 3 H-アルドステロンを用いた結合試験において 5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメ ル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-アミン、[3-シア ノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-ク メン-7-イル]アミンは、MRへの 3 H-アルドステロン結合におけるKi値が10μM未満 であった。

 上記試験結果から、該化合物[ii]又はその 薬理的に許容し得る塩は、MR活性調節剤とし も有用である。更に、該化合物[ii]又はその 薬理的に許容し得る塩は、同受容体が関与す る疾患の予防・治療剤としても有用である。

 本発明において、「ハロゲン原子」とは ッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子又は臭素 子を意味し、「アルキル」とは炭素数1~8個 好ましくは炭素数1~6個の直鎖状もしくは分 鎖状アルキルを意味し、「アルコキシ」と 炭素数1~8個、好ましくは炭素数1~6個の直鎖 もしくは分岐鎖状アルコキシを意味し、「 ルカノイル」とは炭素数1~7個、好ましくは 素数2~5個の直鎖状もしくは分岐鎖状アルカ イルを意味し、「アルケニル」とは炭素数2 ~6個、好ましくは炭素数2~4個の直鎖状もしく 分岐鎖状アルケニルを意味し、「アルキレ 」とは炭素数1~6個、好ましくは炭素数1~4個 直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレンを意味 、「シクロアルキル」とは炭素数3~10個、好 ましくは3~8個のシクロアルキルを意味し、「 シクロアルケニル」とは炭素数3~10個、好ま くは3~8個のシクロアルケニルを意味する。

 上記例示の各方法で合成される本発明の 的化合物の具体例(実施例)を以下に示すが これにより本発明が限定されるものではな 。

実施例1
 N-[4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベ ンゾオキサジン7-イル]メタンスルホンアミド の製造
 4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベン ゾオキサジン-7-アミン(参考例1で得られる化 物、101mg)のクロロホルム(8mL)溶液に塩化メ ンスルホニル(55μL)およびピリジン(85μL)を滴 下し、該混合物を室温で2日間攪拌した。反 液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 士シリシアケミカル製、Chromatorex NHシリカ ル、溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0か 90/10)で精製し、得られた粉末をジイソプロ ルエーテルに懸濁した。析出物を濾取し、 イソプロピルエーテルで洗浄することによ 、標題化合物(112mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:365/367[M+H] +

実施例2
 N-[5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン7-イル]メタンス ルホンアミドの製造
 5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメ ル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-アミン(参考例2 得られる化合物、87mg)のピリジン(2mL)溶液に 塩化メタンスルホニル(93μL)を滴下し、該混 物を40℃で一夜攪拌した。反応溶液を減圧濃 縮し、残渣をクロロホルムに溶解した。該溶 液を水、10%塩酸および飽和食塩水で順次洗浄 後、多孔性ケイソウ土カラム(Varian社製、商 名:Chem Elut)でろ過し、ろ液を減圧濃縮した 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=85/15か ら30/70)で精製することにより、標題化合物(21 mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:367[M+H] +

実施例3
 N-[5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン7-イル]メタンス ルホンアミドの製造
 5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-アミン(参考例3で られる化合物、7.5mg)のピリジン(1mL)溶液に 化メタンスルホニル(8.5μL)を滴下し、該混合 物を30℃で2日間攪拌した。反応液をクロロホ ルムで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム 水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した。該 溶液を多孔性ケイソウ土カラム(Chem Elut)でろ 過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:n -ヘキサン/酢酸エチル=80/20から20/80)で精製す ことにより、標題化合物(3.8mg)を黄色粉末と して得た。
APCI-MS m/z:383/385[M+H] +

実施例4
 N-[2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3- ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンア ドの製造
 2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3-ベ ンゾオキサジン-7-アミン(参考例4で得られる 合物、81mg)のクロロホルム(5mL)溶液に塩化メ タンスルホニル(63μL)およびピリジン(131μL)を 滴下し、該混合物を40℃で一夜攪拌した。反 液をNH-シリカゲルカラムクロマトグラフィ (Chromatorex NHシリカゲル、溶媒:クロロホル /メタノール=100/0から90/10)で精製後、得られ 粉末をヘキサン-ジイソプロピルエーテルに 懸濁した。析出物を濾取し、ヘキサン-ジイ プロピルエーテルで洗浄することにより、 題化合物(69mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:377[M+H] +

実施例5
 N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-ク メン-7-イル]メタンスルホンアミドの製造
 [4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロ メン-7-イル]アミン(参考例5(5)で得られた化合 物、100mg)のクロロホルム(3mL)溶液に氷冷下、 リジン(90μL)及び塩化メタンスルホニル(60μL )を滴下し、該混合物を室温で2時間攪拌した 反応液をNH-シリカゲルカラムクロマトグラ ィー(Chromatorex NHシリカゲル、溶媒:クロロ ルム/メタノール=100/0から90/10)で精製するこ により、標題化合物(123mg)を無色粉末として 得た。
APCI-MS m/z:348[M+H] +

実施例6
 N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル-2H -クロメン-7-イル]メタンスルホンアミドの製
 [4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル-2H- ロメン-7-イル]アミン(参考例6(5)で得られた 合物:64mg)のクロロホルム(3mL)溶液に氷冷下 ピリジン(55μL)及び塩化メタンスルホニル(35 L)を滴下し、該混合物を室温で2時間攪拌し 。反応液をNH-シリカゲルカラムクロマトグ フィー(Chromatorex NHシリカゲル、溶媒:クロロ ホルム/メタノール=100/0から90/10)で精製する とにより、標題化合物(76mg)を無色粉末とし 得た。
APCI-MS m/z:362[M+H] +

実施例7
 N-[3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミ ドの製造
 [3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメ ル-2H-クロメン-7-イル]アミン(参考例7(7)で得 られた化合物、105mg)のピリジン(4mL)溶液に氷 下、塩化メタンスルホニル(60μL)を滴下し、 該混合物を室温で2時間攪拌した。反応液を 圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈し、該 液を飽和クエン酸水溶液、水、飽和炭酸水 ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次 浄した。有機層を多孔性ケイソウ土カラム(C hem Elut)でろ過し、濾液を減圧濃縮した。得 れた残渣をNH-シリカゲルカラムクロマトグ フィー(Chromatorex NHシリカゲル、溶媒:クロロ ホルム/メタノール=100/0から90/10)で精製する とにより、標題化合物(105mg)を無色粉末とし 得た。
APCI-MS m/z:366[M+H] +

実施例8
 N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-3,4-ジ ヒドロ-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンア ドの製造
 N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-ク メン-7-イル]メタンスルホンアミド(実施例5 得られた化合物、20mg)のエタノール(4mL)溶液 に10%パラジウム-炭素(水分含量約50%、20mg)を え、常圧水素雰囲気下、室温で20時間攪拌し た。反応液をセライトろ過し、濾液を減圧濃 縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムク ロマトグラフィー(溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチ =95/5から70/30)で精製することにより、標題 合物(20mg)を無色粉末として得た。
ESI-MS m/z:348[M-H] -

実施例9
 N-[(3,4-シス)-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-ト メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-7-イル]メタ スルホンアミドの製造
 N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル-2H -クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド(実施 例6で得られた化合物、20mg)を実施例8と同様 処理することにより、標題化合物(20mg)を無 粘性油状物として得た。
ESI-MS m/z:362[M-H] -

実施例10~27
対応原料化合物を実施例1又は2と同様に処理 て下記第1~4表記載の化合物を得た。
第1表

第2表

第3表

第4表

実施例28~29
対応原料化合物を実施例2と同様に処理して 記第5表記載の化合物を得た。
第5表

実施例30~33
対応原料化合物を実施例4と同様に処理して 記第6表記載の化合物を得た。
第6表

実施例34~38
対応原料化合物を実施例5又は実施例7と同様 処理して下記第7表記載の化合物を得た。
第7表

実施例39
 N-[4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロ ン-7-イル]メタンスルホンアミドの製造
  [4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロ ン-7-イル]トリフルオロメタンスルホネート (100mg)、メシルアミン(27mg)、炭酸セシウム(117m g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラ ウム(10mg、10%wt)、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフ ニルホスフィノ)-9H-キサンテン(Xantphos;20mg、2 0%wt)及びジオキサン(2mL)の混合物を窒素雰囲 下で10時間加熱還流した。反応混合物をろ過 し、ろ液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカ ラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸 チル=100/1)で精製することにより、標題化合 物(50mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:364/366[M+H] +

実施例40~48
対応原料化合物を実施例39と同様に処理して 記第8表及び第9表記載の化合物を得た。
第8表

第9表

実施例49
N-[2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3- ンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホンアミ の製造(実施例11の目的物と同一化合物)


 2,2-ジメチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3-ベ ンゾオキサジン-7-アミン(参考例38(3)の目的物 ;2.0g)及びジメチルアミノピリジン(触媒量)の リジン(30mL)溶液に塩化メタンスルホニル(2.5 g)を撹拌下、室温で滴下し、該混合物を同温 終夜攪拌した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ 、該混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出し 、合した有機層を減圧濃縮した。残渣を酢酸 エチル(50mL)で希釈し、該溶液を飽和食塩水で 洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮 した。得られる粗生成物を酢酸エチル/ヘキ ン(1/1)で再結晶することにより、標題化合物 (2.1g)を無色粉末として得た。

実施例50
(1)N-[3-ブロモ-2,2-ジメチル-4-フェニル-2H-クロ ン-7-イル]メタンスルホンアミドの製造
 実施例40の目的化合物(430mg)のジクロロメタ (50mL)溶液にピリジニウムブロミド パーブ ミド(419mg)を加え、該混合物を室温で30分間 拌した。反応液に水を加えた後、有機層を 離し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮 た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ ィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製する とにより、標題化合物(280mg)を黄色粉末とし 得た。
(2)N-[3-シアノ-2,2-ジメチル-4-フェニル-2H-クロ ン-7-イル]メタンスルホンアミドの製造
 前記(1)で得られた化合物(520mg)の1-メチル-2- ロリドン(6mL)溶液にシアン化銅(138mg)を加え 該混合物をマイクロウェーブ反応装置中、2 00℃で30分間撹拌した。反応液に飽和食塩水 加え、該混合物をジクロロメタンで抽出し (20mL×3)。合した有機層を水(20mL×3)および飽 食塩水で順次洗浄し、乾燥後、減圧濃縮し 。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製するこ により、標題化合物(158mg)を淡黄色粉末とし 得た。
APCI-MS m/z:355[M+H] +

実施例51~53
対応原料化合物を実施例50と同様に処理して 記第10表記載の化合物を得た。
第10表

実施例54
(1)N-[3-ブロモ-2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェ ル)-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミ の製造
 実施例45の目的化合物(450mg)のジクロロメタ (50mL)溶液に-15℃に冷却下、ピリジニウムブ ミド パーブロミド(379mg)を加え、該混合物 ゆっくりと室温まで加温後、15分間撹拌し 。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL) 加えた後、該混合物をジクロロメタンで抽 した(40mL×3)。合わせた有機層を硫酸ナトリ ムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (石油エーテル/酢酸エチル=17/1)で精製するこ とにより、標題化合物(300mg)を無色粉末とし 得た。
 (2)N-[3-シアノ-2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェ ニル)-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミ ドの製造
 前記(1)で得られた化合物(220mg)を実施例50(2) 同様に処理することにより、標題化合物(56m g)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:402[M+H] +

実施例55
(1)N-[3-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)スピロ[ ロメン-2,1’-シクロペンタン]-7-イル]メタン ルホンアミドの製造
 実施例46の目的化合物(450mg)を実施例56(1)と 様に処理することにより、標題化合物(300mg) 無色粉末として得た。
 (2)N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)スピロ[ クロメン-2,1’-シクロペンタン]-7-イル]メタ スルホンアミド(化合物(a))及びN-[3-(1-シクロ ンテン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)-2-オ ソクロメン-7-イル]メタンスルホンアミド(化 合物(b)の製造
 前記(1)で得られた化合物(220mg)を実施例50(2) 同様に処理することにより、淡黄色粉末の 題化合物(a)(88mg)及び無色粉末の標題化合物( b)(75mg)を得た。
化合物(a):ESI-MS m/z:397[M-H] -
化合物(b):APCI-MS m/z:400[M+H] +

実施例56
(1)N-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-2,2-ジメチル- 2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミドの 造
 参考例42(4)の目的化合物(800mg)、メシルアミ (272mg)、炭酸セシウム(1.3g)、トリス(ジベン リデンアセトン)ジパラジウム(0)(56mg)、ビフ ニル-2-イル-ジ(tert-ブチル)ホスファン(112mg) びジオキサン(4mL)の混合物を窒素雰囲気下 終夜加熱還流した。反応混合物をろ過し、 液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチ ル=17/1)で精製することにより、標題化合物(52 0mg)を黄色粉末として得た。
 (2)N-[3-ブロモ-4-(5-クロロピリジン-2-イル)-2,2 -ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホン アミドの製造
 上記(1)で得られた化合物(520mg)を実施例50(1) 同様に処理することにより、標題化合物(500 mg)を黄色粉末として得た。
 (3)N-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-3-シアノ-2,2 -ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホン アミドの製造
 上記(2)で得られた化合物(400mg)を実施例50(2) 同様に処理することにより、標題化合物(76m g)を淡黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:390/392[M+H] +

実施例57
(1)N-[2,2-ジメチル-4-(5-フルオロピリジン-2-イ )-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド 製造
 参考例43(4)の目的化合物(800mg)を実施例56(1) 同様に処理することにより、標題化合物(480m g)を黄色粉末として得た。
 (2)N-[3-ブロモ-4-(5-フルオロピリジン-2-イル)- 2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホ ンアミドの製造
 上記(1)で得られた化合物(480mg)を実施例50(1) 同様に処理することにより、標題化合物(500 mg)を褐色粉末として得た。
 (3)N-[4-(5-フルオロピリジン-2-イル)-3-シアノ- 2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホ ンアミドの製造
 上記(2)で得られた化合物(200mg)を実施例50(2) 同様に処理することにより、標題化合物(54m g)を淡黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:374[M+H] +

実施例58
(1)N-[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-トリメチル-2 H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミドの製 造
 参考例44(5)の目的化合物(2.5g)を実施例56(1)と 同様に処理することにより、標題化合物(1.5g) を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:362[M+H] +
 (2)N-[3-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-ト リメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホン ミドの製造
 上記(1)で得られた化合物(580mg)を実施例50(1) 同様に処理することにより、標題化合物(480 mg)を粗生成物として得た(本化合物はこれ以 精製することなく、次の工程で使用した)。
 (3)N-[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-ト リメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホン ミドの製造
 上記(2)で得られた化合物(480mg)を実施例50(2) 同様に処理することにより、標題化合物(128 mg)を無色粉末として得た。
ESI-MS m/z:385[M-H] -

実施例59
N-[3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-ト メチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンア ミド(化合物a);及び
N-[6-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-ト メチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンア ミド(化合物b)の製造
 実施例58(1)の目的化合物(300mg)のジクロロエ ン(30mL)溶液にトリフルオロメタンスルホン 1-フルオロピリジニウム(205mg)を加え、該溶 を終夜加熱還流した。反応液に水(15mL)を加 た後、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで 燥後、減圧濃縮した。残渣を超臨界流体ク マトグラフィー(SFC)にて精製することによ 、標題化合物a(38mg;無色粉末)及び標題化合物 b(4mg;無色粉末)を得た。
化合物a: ESI-MS m/z:378[M-H] -
化合物b: APCI-MS m/z:380[M+H] +

実施例60
(1)N,2,2-トリメチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H- ロメン-7-スルホンアミドの製造
 参考例38(6)の目的化合物(2.0g)のジクロロメ ン(20mL)溶液に冷却下でトリエチルアミン(3.94 mL)、ジメチルアミノピリジン(138mg)及びメチ アミン塩酸塩(571mg)を加え、該混合物を室温 終夜撹拌した。反応液を水(40mL)に注ぎ、該 合物をジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。 わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、 圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1) 精製することにより、標題化合物(990mg)を無 粉末として得た。
APCI-MS m/z:348[M+H] +
(2)3-ブロモ-N,2,2-トリメチル-4-(4-フルオロフェ ニル)-2H-クロメン-7-スルホンアミドの製造
 前記(1)で得られた化合物(300mg)を実施例50(1) 同様に処理することにより、標題化合物(350 mg)を得た(本化合物は、これ以上精製するこ なく、次工程で使用した)。
(3)3-シアノ-N,2,2-トリメチル-4-(4-フルオロフェ ニル)-2H-クロメン-7-スルホンアミドの製造
 前記(1)で得られた化合物(350mg)を実施例50(2) 同様に処理することにより、標題化合物(260 mg)を黄色粉末として得た。
ESI-MS m/z:371[M-H] -

実施例61
N,2,2-トリメチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3- ベンゾオキサジン-7-スルホンアミドの製造
 撹拌下、メチルアミン塩酸塩(227mg)及びトリ エチルアミン(465mg)のジクロロメタン(10mL)溶 に参考例45の目的化合物(400mg)のジクロロメ ン(10mL)溶液を0℃で滴下し、該混合物を室温 終夜撹拌した。反応混合物を飽和食塩水で 浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮 た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ ィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/0から3/1)で 精製することにより、標題化合物(190mg)を無 粉末として得た。
APCI-MS m/z:349[M+H] +

実施例62
N-[4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-2,2-ジメ ル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミ の製造
 参考例53の目的化合物(400mg)を実施例56(1)と 様に処理することにより、標題化合物(136mg) 淡黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:398[M+H] +

実施例63
N-[5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド 製造
 参考例54の目的化合物(1.6g)を実施例56(1)と同 様に処理することにより、標題化合物(1.0g)を 黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:382/384[M+H] +

実施例64
N-[5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド 製造
 実施例63の目的化合物(400mg)を実施例59(1)と 様に処理することにより、標題化合物(106mg) 無色粉末として得た。
ESI-MS m/z:398/400[M-H] -

実施例65
N-[5-クロロ-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタン ルホンアミドの製造
 参考例56の目的物(380mg)とメシルアミン(102mg) を実施例39と同様に処理することにより標題 合物(60mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:401/403[M+H] +

実施例66
N-[2,2-ジエチル-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2H-1 ,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスルホン ミドの製造
 参考例57の目的物(400mg)とメタンスルホニル ロリド(360mg)を実施例49と同様に処理するこ により標題化合物(170mg)を黄色粉末として得 た。
APCI-MS m/z:395[M+H] +

実施例67
N-[5-クロロ-2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニ )-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンスル ンアミドの製造
 参考例58の目的物(124mg)とメシルアミン(67.9mg )を実施例56(1)と同様に処理することにより標 題化合物(2.6mg)を黄色粉末として得た。
ESI-MS m/z:409[M-H] -

実施例68
N-[2ーエチルー4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-メ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル]メタンス ルホンアミドの製造
 参考例59の目的物(400mg)とメタンスルホニル ロリド(301mg)を実施例49と同様に処理するこ により標題化合物(172mg)を黄色粉末として得 た。
APCI-MS m/z:381[M+H] +

実施例69
2,2-ジエチル-N-メチル-4-(4-フルオロフェニル)- 2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-スルホンアミドの 造
 参考例60の目的物(600mg)とメチルアミン塩酸 (316mg)を実施例61と同様に処理することによ 標題化合物(60mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:377[M+H] +

実施例70
N-[3-シアノ-5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル) -2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]メタンスル ンアミドの製造
 実施例48の目的化合物(385mg)を実施例50(1)と 様に処理し、次いで、得られた生成物(447mg) 実施例50(2)と同様に処理することにより、 題化合物(93mg)を黄色粉末として得た。
ESI-MS m/z:389[M-H] -

実施例71
N-[5-クロロ-3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2, 2-ジメチ
ル-2H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド 製造
 実施例63の目的化合物(200mg)を実施例50(1)と 様に処理し、次いで、得られた生成物(230mg) 実施例50(2)と同様に処理することにより、 題化合物(94mg)を無色粉末として得た。
ESI-MS m/z:405/407[M-H] -

参考例1
(1)2-参考例(アセトキシ)-4-ニトロ安息香酸の 造
 2-ヒドロキシ-4-ニトロ安息香酸(16.84g)の無水 酢酸(60mL)溶液を一夜加熱還流した。反応液を 放冷後、減圧濃縮し、残渣にテロラヒドロフ ランと水を加え、室温で4時間攪拌した。該 溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水お び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグ シウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた 渣をジイソプロピルエーテルに懸濁後、析 物を濾取してジイソプロピルエーテルで洗 することにより、標題化合物(13.75g)を無色粉 末として得た。
ESI-MS m/z:224[M-H] -
(2)N-アセチル-2-ヒドロキシ-4-ニトロベンズア ドの製造
 前記(1)で得られる化合物(5.45g)のテトラヒド ロフラン(25mL)溶液に無水ジメチルホルムアミ ド(52μL)を加えた後、塩化オキサリル(5.28mL)を 滴下し、該混合物を室温で2時間攪拌した。 応液を減圧濃縮し、得られた残渣をテトラ ドロフラン(15mL)に溶解した。該溶液を飽和 ンモニア水(25mL)-テトラヒドロフラン(25mL)混 に滴下し、該混合物に更に飽和アンモニア (15mL)を加えた後、室温で1時間30分攪拌した 反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水を え、10%塩酸でpHを1~2に調節した。該混合物 酢酸エチルで抽出し、有機層を減圧濃縮し 。得られた残渣を水に懸濁し、析出物を濾 してジイソプロピルエーテルで洗浄後、60℃ で減圧乾燥して、標題化合物(4.13g)を黄色粉 として得た。
ESI-MS m/z:223[M-H] -
(3)2,2-ジメチル-7-ニトロ-2,3-ジヒドロ-4H-1,3-ベ ゾオキサジン-4-オンの製造
 前記(2)で得られる化合物(4.13g)のアセトン(27 mL)-ジメトキシプロパン(9.1mL)懸濁液にp-トル ンスルホン酸・一水和物(430mg)を加え、該混 物を一夜加熱還流した。反応液を冷却後、 圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに懸 した。析出物を濾取し、酢酸エチルで洗浄 ることにより、標題化合物(3.00g)を淡黄色粉 末として得た。
APCI-MS m/z:223[M+H] +
(4)2,2-ジメチル-7-ニトロ-2H-1,3-ベンゾオキサジ ン-4-イル トリフルオロメタンスルホネート 製造
 前記(3)で得られた化合物(2.87g)のジクロロメ タン(40mL)懸濁液に冷却下(-10℃)、トリフルオ メタンスルホン酸無水物(3.26mL)および2,6-ル ジン(2.30mL)を順次滴下し、該混合物を同温 1.5時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、該 液を酢酸エチルで抽出した。有機層を10%硫 水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリ ム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄後、 水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮す ことにより、標題化合物(5.13g)を粗生成物(褐 色油状物)として得た。
(5)4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-ニトロ- 2H-1,3-ベンゾオキサジンの製造
 前記(4)で得られた化合物(300mg)のジメトキシ エタン(18.5mL)溶液に4-クロロフェニルボロン (199mg)、炭酸カリウム(468mg)、水(224μL)および クロロビス(トリフェニルホスフィン)パラ ウム(II)(119mg)を加え、該混合物をアルゴン雰 囲気下、80℃で2.5時間攪拌した。反応液を冷 後、酢酸エチルで希釈した。該溶液を水お び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られる 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=98/2から85/15) で精製することにより、標題化合物(150mg)を 色油状物として得た。
APCI-MS m/z:317/319[M+H] +
(6)4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベ ゾオキサジン-7-アミンの製造
 前記(5)で得られる化合物(141mg)のエタノール (3mL)-水(3mL)溶液に還元鉄(124mg)および塩化アン モニウム(36mg)を加え、該混合物を80℃で2時間 攪拌した。反応液を放冷後、水で希釈し、該 混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽 和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで 乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n -ヘキサン/酢酸エチル=85/15から50/50)で精製す ことにより、標題化合物(117mg)を黄色油状物 として得た。
APCI-MS m/z:287/289[M+H] +

参考例2
(1)4-クロロ-2,6-ジフルオロ安息香酸の製造
 1-クロロ-3,5-ジフルオロベンゼン(2.24mL)の無 テトラヒドロフラン(50mL)溶液にドライアイ -アセトン浴冷却下(-78℃)およびアルゴン雰 気下、1.6M n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液( 15.38mL)を滴下した。該混合物を-50℃で1時間攪 拌後、反応液に粉末状ドライアイス(50mL)を加 え、同温で3時間攪拌した。反応液を更に室 で1時間攪拌後、減圧濃縮した。得られた残 に2規定水酸化ナトリウム水溶液(3mL)と水を えた後、ジエチルエーテルで洗浄した。水 を10%塩酸でpHを1~2に調整後、ジエチルエー ルで抽出した。合した有機層を飽和食塩水 洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンに懸 後、析出物を濾取する。該析出物をヘキサ で洗浄後、室温で減圧乾燥することにより 標題化合物(3.23g)を無色粉末として得た。
ESI-MS m/z:191/193[M-H] -
 (2)4-クロロ-2,6-ジフルオロベンズアミドの製 造
 前記(1)で得られた化合物(3.23g)のジクロロメ タン(30mL)溶液に無水ジメチルホルムアミド(20 μL)を加えた後、塩化オキサリル(1.76mL)を滴下 し、該混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応 液を減圧濃縮し、得られる残渣をテトラヒド ロフラン(20mL)に溶解し、該溶液を飽和アンモ ニア水(25mL)-テトラヒドロフラン(25mL)混液に 拌下、ゆっくり滴下した。該混合物を室温 1.5時間攪拌し、反応液を減圧濃縮した。得 れた残渣に水を加え、10%塩酸でpH1~2程度に調 整後、該混合物を酢酸エチルで抽出した。有 機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ シウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残 渣をジイソプロピルエーテルに懸濁後、析出 物を濾取してジイソプロピルエーテルで洗浄 し、室温で減圧乾燥することにより、標題化 合物(2.71g)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:192/194[M+H] +
 (3)2-(ベンジルオキシ)-4-クロロ-6-フルオロベ ンズアミドの製造
 ベンジルアルコール(1.83g)の無水ジメチルホ ルムアミド(16mL)溶液に氷冷下、水素化ナトリ ウム(60%、791mg)を少しずつ加えた後、室温で1 間攪拌した。反応液に氷冷下、前記(2)で得 れた化合物(2.71g)の無水ジメチルホルムアミ ド溶液(12mL)を滴下し、該混合物を室温で一夜 攪拌した。反応液を10%塩酸にゆっくり滴下し た後、該混合物をクロロホルムで抽出した。 有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチ =90/10から50/50)で精製することにより、標題 合物(2.99g)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:280/282[M+H] +
 (4)4-クロロ-2-フルオロ-6-ヒドロキシベンズ ミドの製造
 前記(3)で得られた化合物(2.99g)の酢酸エチル (200mL)溶液に5%パラジウム-炭素(PH型、400mg)を え、該混合物を水素雰囲気下、室温で40分間 攪拌した。反応液をろ過し、濾液を減圧濃縮 した。得られた残渣をジイソプロピルエーテ ルに懸濁後、析出物を濾取してジイソプロピ ルエーテルで洗浄し、室温で減圧乾燥するこ とにより、標題化合物(1.32g)を無色粉末とし 得た。
APCI-MS m/z:190/192[M+H] +
 (5)7-クロロ-5-フルオロ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒ ロ-4H-1,3-ベンゾオキサジン-4-オンの製造
 前記(4)で得られた化合物(729mg)のアセトン(3m L)-2,2-ジメトキシプロパン(9mL)溶液にp-トルエ スルホン酸・一水和物(73mg)を加え、該混合 を一夜加熱還流した。反応液を減圧濃縮し 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=9 0/10から40/60)で精製することにより、標題化 物(641mg)を淡黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:230/232[M+H] +
 (6)7-クロロ-5-フルオロ-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベ ゾオキサジン-4-イル トリフルオロメタン ルホネートの製造
 前記(5)で得られた化合物(1.52g)のジクロロメ タン(40mL)懸濁液に冷却下(-5℃)、トリフルオ メタンスルホン酸無水物(1.67mL)および2,6-ル ジン(1.54mL)を順次滴下した。該混合物を同温 で30分間攪拌後、反応液を氷水に注ぎ、該溶 を酢酸エチルで抽出した。有機層を氷冷5% 酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および 和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出 媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=98/2から95/5)で精 することにより、標題化合物(2.16g)を暗黄色 状物として得た。
 (7)7-クロロ-5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニ )-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾオキサジンの製造
 前記(6)で得られた化合物(262mg)のジメトキシ エタン(19mL)溶液に4-フルオロフェニルボロン (154mg)、炭酸カリウム(536mg)、水(225μL)および ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラ ウム(II)(35mg)を加え、アルゴン雰囲気下、80 で3時間攪拌した。反応液を冷却後、酢酸エ チルで希釈した。該溶液を水および飽和食塩 水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後 、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキ ン/酢酸エチル=99/1から90/10)で精製すること より、標題化合物(136mg)を黄色油状物として た。
APCI-MS m/z:308/310[M+H] +
 (8)[5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン7-イル]カルバ ン酸 tert-ブチルの製造
 酢酸パラジウム(II)(3.9mg)のtert-ブチルアルコ ール(2.9ml)溶液に2-ジシクロヘキシルホスフィ ノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェ ニル(20.6mg)およびフェニルボロン酸(2.6mg)を加 え、該混合物をアルゴン雰囲気下、30℃で30 間攪拌した。反応液に前記(6)で得られた化 物(133mg)のtert-ブチルアルコール(7.2ml)溶液、 ルバミン酸 tert-ブチル(101mg)および炭酸カ ウム(179mg)を加え、該混合物をアルゴン雰囲 下、90℃で一夜攪拌した。反応液を冷却後 酢酸エチルで希釈した。該溶液を水および 和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出 媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=95/5から70/30)で精 することにより、標題化合物(153mg)を淡黄色 粉末として得た。
APCI-MS m/z:389[M+H] +
 (9)5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-アミンの製造
 前記(8)で得られた化合物(148mg)のトリフルオ ロ酢酸(2mL)溶液を室温で1時間攪拌した。反応 液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に滴下し 、該混合物をクロロホルムで抽出した。有機 層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽 和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ ムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出 媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=80/20から40/60)で精 することにより、標題化合物(94mg)を淡黄色 末として得た。
APCI-MS m/z:289[M+H] +

参考例3
(1)1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-2,5-ジメチ -1H-ピロールの製造
 3-クロロ-5-フルオロアニリン(5.12g)のトルエ (40mL)-テトラヒドロフラン(40mL)溶液に2,5-へ サンジオン(4.51mL)およびp-トルエンスルホン ・一水和物(73mg)を加え、該混合物を3.5時間 熱還流した。反応液を冷却後、減圧濃縮し 得られた残渣をクロロホルムに溶解した。 溶液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、 水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=9 7/3)にて精製することにより、標題化合物(7.63 g)を黄色油状物として得た。
APCI-MS m/z:224/226[M+H] +
(2)2-クロロ-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル) -6-フルオロ安息香酸の製造
 前記(1)で得られた化合物(7.63g)の無水テトラ ヒドロフラン(85mL)溶液にドライアイス-アセ ン浴冷却下(-78℃)およびアルゴン雰囲気下、 1.6M n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(25.57mL)を 滴下し、該混合物を-60℃で1時間攪拌した。 応液に粉末ドライアイス(100mL)を加え、該混 物を80分間攪拌し、更に室温で30分間攪拌し た。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に2 定水酸化ナトリウム水溶液(12mL)と水を加え 。該混合物をジエチルエーテルで洗浄し、10 %硫酸水素カリウム水溶液で水層のpHを2に調 後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層 無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮す ことにより、標題化合物(10.13g)を暗赤色油状 物として得た。
ESI-MS m/z:266/268[M-H] -
(3)2-クロロ-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル) -6-フルオロベンズアミドの製造
 前記(2)で得られる化合物(10.13g)の無水ジメ ルホルムアミド(125mL)溶液に1-エチル-3-(3-ジ チルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸 (8.70g)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.13 g)および飽和アンモニア水(44mL)を加え、該混 物を室温で一夜攪拌した。反応液を酢酸エ ルで希釈し、水および飽和食塩水で順次洗 後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧 縮した。得られた残渣をジイソプロピルエ テルに懸濁後、析出物を濾取してジイソプ ピルエーテルで洗浄することにより、標題 合物(5.43g)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:267/269[M+H] +
(4)2-(ベンジルオキシ)-6-クロロ-4-(2,5-ジメチル -1H-ピロール-1-イル)ベンズアミドの製造
 ベンジルアルコール(3.16g)の無水ジメチルホ ルムアミド(37mL)溶液に氷冷下、水素化ナトリ ウム(60%、1.36g)を少しずつ加え、該混合物を 温で1時間攪拌した。反応液に氷冷下、前記( 3)で得られた化合物(6.50g)の無水ジメチルホル ムアミド溶液(37mL)を滴下し、該混合物を室温 で6時間攪拌した。反応液を氷冷5%塩酸にゆっ くり滴下した後、該溶液を酢酸エチル-テト ヒドロフランで抽出した。有機層を水およ 飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネ ウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残 を熱酢酸エチルに懸濁後、室温まで冷却し 。析出物を濾取し、酢酸エチルおよびジイ プロピルエーテルで順次洗浄することによ 、標題化合物(6.90g)を淡黄色粉末として得た
APCI-MS m/z:355/357[M+H] +
(5)2-クロロ-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル) -6-ヒドロキシベンズアミドの製造
 前記(4)で得られた化合物(4.08g)の酢酸エチル (500mL)溶液に5%パラジウム-炭素(PH型、1.5g)を加 え、該混合物を水素雰囲気下、室温で1時間 拌した。反応液をろ過し、濾液を減圧濃縮 た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ トグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチ ル=85/15から30/70)で精製後、ヘキサン-ジイソ ロピルエーテルに懸濁し、析出物を濾取し 。該析出物をヘキサン-ジイソプロピルエー ルで洗浄後、室温で減圧乾燥することによ 、標題化合物(2.37g)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:265/267[M+H] +
(6)5-クロロ-7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル) -2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-1,3-ベンゾオキサ ジン-4-オンの製造
 前記(5)で得られた化合物(264mg)のトルエン(10 mL)溶液に2,2-ジメトキシプロパン(2mL)、ピリジ ニウム p-トルエンスルホネート(25mg)を加え 該混合物を2時間加熱還流した。反応液を放 後、酢酸エチルで希釈した。該溶液を水、 和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食 水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで 燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n- ヘキサン/酢酸エチル=85/15から20/80)で精製す ことにより、標題化合物(272mg)を無色粉末と て得た。
APCI-MS m/z:305/307[M+H] +
(7)5-クロロ-7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル) -4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベ ゾオキサジンの製造
 前記(6)で得られた化合物(610mg)の塩化メチレ ン(12mL)溶液に冷却下(-10℃)、トリフルオロメ ンスルホン酸無水物(505μL)および2,6-ルチジ (466μL)を順次滴下し、同温で30分間攪拌した 。反応液を氷水に注ぎ、該混合物をクロロホ ルムで抽出した。有機層を氷冷5%塩酸水溶液 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和 塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム 乾燥後、減圧濃縮することにより、5-クロ -7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2,2-ジメ ル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-4-イル)トリフル ロメタンスルホネートを粗生成物(褐色油状 )として得た。該化合物のジメトキシエタン (37mL)溶液に4-フルオロフェニルボロン酸(420mg) 、炭酸カリウム(1.11g)、ジクロロビス(トリフ ニルホスフィン)パラジウム(II)(140mg)および (450μL)を加え、該混合物をアルゴン雰囲気 、80℃で1時間攪拌した。反応液を冷却後、 酸エチルで希釈した。該溶液を水および飽 食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:n- キサン/酢酸エチル=99/1から90/10)で精製する とにより、標題化合物(178mg)を黄色粉末とし て得た。
APCI-MS m/z:383/385[M+H] +
(8)5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-アミンの製造
 前記(7)で得られた化合物(50mg)の1,4-ジオキサ ン(1mL)-水(1mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を 下し、該混合物を室温で1.5時間攪拌した。 応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に滴 し、該混合物をクロロホルムで抽出した。 機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 よび飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ ネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られ 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=90/10から50/ 50)で精製することにより、標題化合物(2.3mg) 黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:305/307[M+H] +

参考例4
(1)7-クロロ-2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニ )-2H-1,3-ベンゾオキサジンの製造
 (4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)(4-フルオロ フェニル)メタノン(251mg)のアセトニトリル(3mL )溶液にヨウ化アンモニウム(724mg)、硫酸カル ウム(商品名:Drierite、626mg)及びトリエチルア ミン(697μL)を加え、該混合物をアルゴン雰囲 下、室温で2時間攪拌した。反応液に3-ペン ノン(318μL)のアセトニトリル溶液(1mL)を加え 、該混合物を85℃で一夜攪拌後、トルエン(10m L)を加えて一夜加熱還流した。反応液をろ過 、ろ液を減圧濃縮した。得られる残渣のジ ソプロピルエーテル溶液を0.1規定水酸化ナ リウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗 後、多孔性ケイソウ土カラム(Chem Elut)及び 相抽出カラム(Varian社製、商品名:Bond Elut jr  NH2)で順次ろ過した後、ろ液を減圧濃縮した 。得られた残渣をNH-シリカゲルカラムクロマ トグラフィー(Chromatorex NHシリカゲル、溶媒:n -ヘキサン/酢酸エチル=100/0から95/5)で精製す ことにより、標題化合物(113mg)を黄色油状物 して得た。
APCI-MS m/z:318/320[M+H] +
(2)[2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3- ンゾオキサジン-7-イル]カルバミン酸 tert- チルの製造
 酢酸パラジウム(II)(8.7mg)のtert-ブチルアルコ ール(2.3mL)の溶液に2-ジシクロヘキシルホスフ ィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフ ェニル(46mg)およびフェニルボロン酸(5.3mg)を え、該混合物をアルゴン雰囲気下、30℃で30 間攪拌した。反応液に前記(1)で得られた化 物(112mg)のtert-ブチルアルコール(8.1mL)溶液、 カルバミン酸 tert-ブチル(113mg)および炭酸カ ウム(201mg)を加え、アルゴン雰囲気下、90℃ 一夜攪拌した。反応液を冷却後、酢酸エチ で希釈した。該溶液を水および飽和食塩水 順次洗浄後、多孔性ケイソウ土カラム(Chem  Elut)および固相抽出カラム(Bond Elut jr NH2)で 次ろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。得ら た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=95/5から 75/25)にて精製することにより、標題化合物(11 9mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:399[M+H] +
 (3)2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3- ベンゾオキサジン-7-アミンの製造
 前記(2)で得られた化合物(117mg)のクロロホル ム(3mL)溶液にトリフルオロ酢酸(2mL)を加え、 混合物を室温で45分間攪拌した。反応液を飽 和炭酸水素ナトリウム水溶液に滴下し、該混 合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水 、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和 食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶 :n-ヘキサン/酢酸エチル=80/20から30/70)で精製 ることにより、標題化合物(85mg)を淡黄色粉 として得た。
APCI-MS m/z:299[M+H] +

参考例5
(1)7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2H-クロメ -2-オンの製造
 アルゴン雰囲気下、(4-クロロ-2-ヒドロキシ ェニル)(4-フルオロフェニル)メタノン(1.00g) びメチル(トリフェニルホスホラニリデン) セテート(3.00g)の混合物をトルエン(15mL)中、1 5時間加熱還流した。反応液を放冷後、飽和 化アンモニウム水溶液に注ぎ、該混合物を 酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水 ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗 し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し 。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル =95/5から85/5)で精製後、n-ヘキサン-ジイソプ ピルエーテルでトリチュレーションして、 題化合物(0.54g)を淡黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:275/277[M+H] +
(2)5-クロロ-2-[(1Z)-1-(4-フルオロフェニル)-3-ヒ ロキシ-3-メチルブト-1-エン-1-イル]フェノー ルの製造
 アルゴン雰囲気下、前記(1)で得られた化合 (2.70g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、3M メチルマグネシウムブロミド-ジエチルエー ル溶液(9.90mL)を室温で滴下後、該混合物を1 間加熱還流した。反応混合物に氷冷下、飽 塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、該混合物 酢酸エチルで抽出した。有機層を水および 和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで 燥後、減圧濃縮することにより、標題化合 (3.27g)を粗生成物(淡褐色粘性油状物)として た。
ESI-MS m/z:305/307[M-H] -
(3)7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメンの製造
 前記(2)で得られた化合物(3.26g)のテトラヒド ロフラン(35mL)溶液に、氷-塩冷却下で濃塩酸(3 5mL)を滴下後、該混合物を室温で0.5時間攪拌 た。反応混合物を氷中に注ぎ、酢酸エチル 抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナト ウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し 硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。 られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=40/1) で精製後、n-ヘキサンから再結晶することに り、標題化合物(2.20g)を淡黄色結晶として得 た。
APCI-MS m/z:289/291[M+H] +
(4)[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-ク メン-7-イル]カルバミン酸 tert-ブチルの製造
 アルゴン雰囲気下、酢酸パラジウム(20mg)、2 -ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-ト イソプロピル-1,1’-ビフェニル(75mg)、フェ ルボロン酸(11mg)およびtert-ブタノール(2mL)の 合物を35℃で30分間攪拌した。反応液に前記 (3)で得られる化合物(150mg)とカルバミン酸 ter t-ブチル(185mg)のtert-ブタノール(1mL)溶液およ 炭酸カリウム(360mg)を加え、該混合物を19時 加熱還流した。反応液を放冷後、酢酸エチ で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄 た。有機層を多孔性ケイソウ土カラム(Chem E lut)でろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られ 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=95/5から90/1 0)で精製することにより、標題化合物(188mg)を 淡褐色粘性油状物として得た。 
APCI-MS m/z:387[M+NH 4 ] +
(5)[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-ク メン-7-イル]アミンの製造
 前記(4)で得られた化合物(170mg)の4規定塩化 素-ジオキサン溶液(3mL)溶液を室温で1時間攪 した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウ 水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有 層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、多 性ケイソウ土カラム(Chem Elut)でろ過し、ろ を減圧濃縮することにより、標題化合物(115 mg)を粗生成物(淡褐色粉末)として得た。
APCI-MS m/z:270[M+H] +

参考例6
(1)7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-メチル-2H -クロメン-2-オンの製造
 アルゴン雰囲気下、(4-クロロ-2-ヒドロキシ ェニル)(4-フルオロフェニル)メタノン(200mg) よび(カルボエトキシエチリデン)トリフェ ルホスホラン(435mg)の混合物を200℃で15時間 熱攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチル 希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液に注 だ。該混合物を酢酸エチルで抽出し、有機 を水および飽和食塩水で順次洗浄後、多孔 ケイソウ土カラム(Chem Elut)でろ過した。ろ を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキ ン/酢酸エチル=97/3から90/10)で精製すること より、標題化合物(119mg)を黄色粉末として得 た。
APCI-MS m/z:289/291[M+H] +
 (2)5-クロロ-2-[(1Z)-1-(4-フルオロフェニル)-3- ドロキシ-2,3-ジメチルブト-1-エン-1-イル]フ ノールの製造
 前記(1)で得られた化合物(250mg)および3M メ ルマグネシウムブロミド-ジエチルエーテル 液(0.87mL)を参考例5(2)と同様に処理すること より、標題化合物(312mg)を粗生成物(淡黄色 末)として得た。
ESI-MS m/z:319/321[M-H] -
 (3)7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリ メチル-2H-クロメンの製造
 前記(2)で得られた化合物(310mg)を150℃で6時 加熱攪拌した。得られるた渣をシリカゲル ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサ /クロロホルム=100/0から95/5)で精製すること より、標題化合物(106mg)を無色粉末として得 た。
APCI-MS m/z:303/305[M+H] +
(4)[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル-2H- クロメン-7-イル]カルバミン酸 tert-ブチルの 造
 前記(3)で得られた化合物(100mg)およびカルバ ミン酸 tert-ブチル(125mg)を参考例5(4)と同様に 処理することにより、標題化合物(126mg)を淡 色粉末として得た。 
APCI-MS m/z:401[M+NH 4 ] +
(5)[4-(4-フルオロフェニル)-2,2,3-トリメチル-2H- クロメン-7-イル]アミンの製造
 前記(4)で得られた化合物(126mg)および4規定 化水素-ジオキサン溶液(3mL)を参考例5(5)と同 に処理することにより、標題化合物(66mg)を 褐色粘性油状物として得た。
APCI-MS m/z:284[M+H] +

参考例7
(1)(4-クロロ-2-メトキシフェニル)(4-フルオロ ェニル)メタノンの製造
 (4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)(4-フルオロ フェニル)メタノン(3.00g)および炭酸カリウム( 3.30g)のN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)懸濁液 ヨウ化メチル(1.10mL)を加え、該混合物を室温 で2.5時間攪拌した。反応液をセライトろ過し 、ろ液を飽和塩化アンモニウム水溶液中に注 ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水およ び飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウム で乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶 :n-ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で精製すること より、標題化合物(2.95g)を淡黄色粉末として 得た。
APCI-MS m/z:265/267[M+H] +
(2)3-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-フルオロ -3-(4-フルオロフェニル)アクリル酸エチルの 造
 60%油性水素化ナトリウム(65mg)のテトラヒド フラン(4mL)懸濁液に室温でトリエチル2-フル オロ-2-ホスホノアセテート(0.345mL)を加え、該 混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応液に前 記(1)で得られた化合物(300mg)のテトラヒドロ ラン(1mL)溶液を加え、21時間攪拌した。反応 に、60%油性水素化ナトリウム(65mg)及びトリ チル2-フルオロ-2-ホスホノアセテート(0.345mL )から上記と同様に調製したテトラヒドロフ ン(4mL)溶液を追加し、該混合物を室温で3時 攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニ ム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した 有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及 飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウム 乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシ カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: n-ヘキサン/酢酸エチル=98/2から85/15)で精製す ことにより、標題化合物(E体とZ体の混合物 380mg)を無色油状物として得た。
APCI-MS m/z:353/355[M+H] +
(3)7-クロロ-3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル) -2H-クロメン-2-オンの製造
 前記(2)で得られた化合物(375mg)のジクロロメ タン(20mL)溶液に、氷冷却下で1.0M 三臭化ホウ 素-ジクロロメタン溶液(3.2mL)を滴下し、該混 物を室温で2時間攪拌した。反応液に水を加 えた後、ジクロロメタンを減圧留去した。得 られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し た。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄 後、多孔性ケイソウ土カラム(Chem Elut)でろ過 し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶 :n-ヘキサン/酢酸エチル=95/5から80/20)で精製 ることにより、標題化合物(286mg)を無色粉末 して得た。
APCI-MS m/z:293/295[M+H] +
(4)5-クロロ-2-[(1E)-2-フルオロ-1-(4-フルオロフ ニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルブト-1-エン-1-イ ]フェノールの製造
 前記(3)で得られた化合物(283mg)および3M メ ルマグネシウムブロミド-ジエチルエーテル 液(1.00mL)を参考例5(2)と同様に処理すること より、標題化合物(314mg)を粗生成物(無色粘 油状物)として得た。
ESI-MS m/z:323/325[M-H] -
(5)7-クロロ-3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル) -2,2-ジメチル-2H-クロメンの製造
 前記(4)で得られた化合物(314mg)および濃塩酸 (4mL)を参考例5(3)と同様に処理することにより 、標題化合物(132mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:307/309[M+H] +
 (6)[3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-クロメン-7-イル]カルバミン酸 tert- チルの製造
 前記(5)で得られた化合物(125mg)およびカルバ ミン酸 tert-ブチル(145mg)を参考例5(4)と同様に 処理することにより、標題化合物(157mg)を褐 粘性油状物として得た。 
APCI-MS m/z:405[M+NH 4 ] +
 (7)[3-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-クロメン-7-イル]アミンの製造
 前記(6)で得られた化合物(157mg)および4規定 化水素-ジオキサン溶液(4mL)を参考例5(5)と同 に処理することにより、標題化合物(108mg)を 淡黄色粘性油状物として得た。
APCI-MS m/z:288[M+H] +

参考例8
(1)3-ブロモ-7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2, 2-ジメチル-2H-クロメンの製造
 7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメン(参考例5(3)で得られた化合物、1. 00g)のジクロロメタン(15mL)溶液に、氷冷下で リジニウムブロミド パーブロミド(1.00g)を え、該混合物を室温で1.5時間攪拌した。反 混合物を15%チオ硫酸ナトリウム水溶液中に ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和 酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水 順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減 濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラ クロマトグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/ク ロロホルム=100/0から95/5)で精製することによ 、標題化合物(1.26g)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:367/369[M+H] +
 (2)7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメ ル-2H-クロメン-3-カルボニトリルの製造
 アルゴン雰囲気下で、前記(6)で得られた化 物(500mg)、シアン化亜鉛(160mg)およびテトラ ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(47 5mg)の混合物をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL) 、100℃で18時間加熱した。反応液を放冷後 酢酸エチルおよび水を加えてろ過し、ろ液 酢酸エチルで抽出した。有機層を水および 和食塩水で洗浄後、多孔性ケイソウ土カラ (Chem Elut)でろ過し、ろ液を減圧濃縮した。 られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=98/2 ら93/7)で精製することにより、標題化合物(3 58mg)を無色粉末として得た。
APCI-MS m/z:331/333[M+NH 4 ] +
(3)[3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ ル-2H-クロメン-7-イル]カルバミン酸 tert-ブチ ルの製造
 前記(2)で得られた化合物(340mg)およびカルバ ミン酸 tert-ブチル(380mg)を参考例5(4)と同様に 処理することにより、標題化合物(427mg)を淡 色粉末として得た。
APCI-MS m/z:412[M+NH 4 ] +
(4)7-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメン-3-カルボニトリルの製造
 前記(3)で得られた化合物(250mg)および4規定 化水素-ジオキサン溶液(5mL)を参考例5(5)と同 に処理することにより、標題化合物(148mg)を 黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:295[M+H] +

参考例9
 7-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメン-3-カルボキサミドの製造
 [3-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメン-7-イル]カルバミン酸 tert-ブチ (参考例8(3)で得られた化合物、150mg)のジオ サン(5mL)溶液に6規定塩酸(15mL)を加え、該混 物を90時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮 し、得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、飽 和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩 水で洗浄した。有機層を多孔性ケイソウ土カ ラム(Chem Elut)でろ過し、ろ液を減圧濃縮した 。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト グラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノー ル=100/0から95/5)で精製することにより、標題 合物(26mg)を黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:313[M+H] +

参考例10
 (1)7-クロロ-3-シクロプロピル-4-(4-フルオロ ェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロメンの製造
 アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-7-クロロ-4-(4- ルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロメン(参 考例8(1)で得られた化合物、200mg)、シクロプ ピルボロン酸(100mg)、リン酸カリウム(410mg)お よびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ ジウム(0)(65mg)の混合物をジオキサン(5mL)中 23時間加熱還流した。反応液を放冷後、水を 加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和 食塩水で洗浄後、多孔性ケイソウ土カラム(Ch em Elut)でろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得ら れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー(溶出溶媒:n-ヘキサン/クロロホルム=100/0 ら95/5)で精製することにより、標題化合物(1 14mg)を無色粘性油状物として得た。
APCI-MS m/z:329/331[M+H] +
 (2)[3-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル) -2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]カルバミン  tert-ブチルの製造
 前記(1)で得られた化合物(112mg)およびカルバ ミン酸 tert-ブチル(240mg)を参考例5(4)と同様に 処理することにより、標題化合物(117mg)を淡 色粉末として得た。 
APCI-MS m/z:427[M+NH 4 ] +
(3)[3-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)-2 ,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル]アミンの製造
 前記(2)で得られた化合物(115mg)および4規定 化水素-ジオキサン溶液(4mL)を参考例5(5)と同 に処理することにより、標題化合物を粗生 物(黄色粉末)として得た。

参考例11
 (1)7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメ ル-3-ビニル-2H-クロメンの製造
 アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-7-クロロ-4-(4- ルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロメン(参 考例8(1)で得られた化合物、220mg)、トリブチ (ビニル)スズ(350μL)およびテトラキス(トリフ ェニルホスフィン)パラジウム(0)(140mg)の混合 をジオキサン中、23時間加熱還流した。放 後、反応混合物を酢酸エチルで希釈後、飽 フッ化カリウム水溶液を加え、該混合物を 温で1時間攪拌した。反応液をセライトでろ し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層 水および飽和食塩水で順次洗浄後、多孔性 イソウ土カラム(Chem Elut)でろ過し、ろ液を 圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ ムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン /クロロホルム=100/0から95/5)で精製することに より、標題化合物(157mg)を淡黄色粘性油状物 して得た。
APCI-MS m/z:315/317[M+H] +
 (2)[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-3-ビ ル-2H-クロメン-7-イル]カルバミン酸 tert-ブ ルの製造
 前記(1)で得られた化合物(155mg)およびカルバ ミン酸 tert-ブチル(280mg)を参考例5(4)と同様に 処理することにより、標題化合物(185mg)を黄 粉末として得た。 
APCI-MS m/z:413[M+NH 4 ] +
 (3)[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-3-ビ ル-2H-クロメン-7-イル]アミンの製造
 前記(2)で得られた化合物(182mg)及び4規定塩 水素-ジオキサン溶液(4mL)を参考例5(5)と同様 処理することにより、標題化合物を粗生成 として得た。

参考例12
 (1)7-クロロ-3-(1-エトキシビニル)-4-(4-フルオ フェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロメンの製造
 3-ブロモ-7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2 -ジメチル-2H-クロメン(参考例8(1)で得られた 合物、220mg)およびトリブチル(1-エトキシビ ル)スズ(405μL)を参考例11(1)と同様に処理する ことにより、標題化合物(144mg)を淡黄色粉末 して得た。
APCI-MS m/z:359/361[M+H] +
 (2)1-[7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-クロメン-3-イル]エタノンの製造
 前記(1)で得られた化合物(140mg)の4規定塩化 素-ジオキサン溶液(5mL)を室温で2時間攪拌し 。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に飽 炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エ ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄 、多孔性ケイソウ土カラム(Chem Elut)でろ過 、ろ液を減圧濃縮する。得られる残渣をシ カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 :n-ヘキサン/酢酸エチル=98/2から90/10)で精製す ることにより、標題化合物(121mg)を淡黄色粉 として得た。
APCI-MS m/z:331/333[M+H] +
 (3)[3-アセチル-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-クロメン-7-イル]カルバミン酸 tert- チルの製造
 前記(2)で得られた化合物(118mg)およびカルバ ミン酸 tert-ブチル(130mg)を参考例5(4)と同様に 処理することにより、標題化合物(147mg)を淡 色粉末として得た。 
APCI-MS m/z:412[M+H] +
 (4)1-[7-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジ チル-2H-クロメン-3-イル]エタノンの製造
 前記(3)で得られた化合物(147mg)および4規定 化水素-ジオキサン溶液(4mL)を参考例5(5)と同 に処理することにより、標題化合物を粗生 物として得た。

参考例13~30
 対応原料化合物を参考例1と同様に処理して 下記第11~13表記載の化合物を得た。
第11表

第12表

第13表

参考例31~32
対応原料化合物を参考例2と同様に処理して 記第14表記載の化合物を得た。
第14表

参考例33~36
対応原料化合物を参考例4と同様に処理して 記第15表記載の化合物を得た。
第15表

参考例37
(1)2,2-ジエチル-7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H- ロメン-4-オンの製造
 撹拌下、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)エタ ン(14g)のメタノール(150mL)にピロリジン(9.3g) びペンタン-3-オン(11.3g)を加え、該溶液を24 間撹拌後、ゆっくり加熱しながら10時間還流 した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水(10 mL)を加え、1N塩酸水溶液でpH5~6に調整後、該 合物を酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。合し 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物を リカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エ テル/酢酸エチル=10/1)で精製することにより 、標題化合物(8g)を無色粉末体として得た。
(2)2,2-ジエチル-7-tert-ブチルジメチルシリルオ キシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-オンの製造
 撹拌下、前記(1)で得られた化合物(8g)のテト ラヒドロフラン(100mL)溶液に室温でイミダゾ ル(5g)を加え、該混合物を30分間撹拌した。 応液にtert-ブチルジメチルシリルクロリド(13 g)を加え、該混合物を更に2時間撹拌した。反 応混合物に飽和食塩水(20mL)を加え、該混合物 を酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、合わせた有機 層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液 を減圧濃縮した。油状残渣をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エ ル=100/1)で精製することにより、標題化合物 (3.5g)を無色粉末として得る。
(3)(2,2-ジエチル-7-tert-ブチルジメチルシリル キシ-2H-クロメン-4-イル)トリフルオロメタン スルホン酸の製造
 前記(2)で得られた化合物(3.5g)のジクロロメ ン(50mL)溶液に無水トリフルオロメタンスル ン酸(4.4g)を-30℃に冷却下で加え、次いで2,6- ルチジン(1.68g)を加えた後、該混合物をゆっ り室温まで加温しながら5時間撹拌した。反 液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を え、該混合物をジクロロメタン(20mL×3)で抽 し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾 後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エ ーテル/酢酸エチル=100/1)で精製することによ 、標題化合物(3.5g)を無色粉末として得た。
(4)4-(4-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-2,2-ジ チル-2H-クロメンの製造
 前記(3)で得られた化合物(3.5g)、4-フルオロ ェニルボロン酸(1g)、炭酸セシウム(12.7g)およ び〔1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロ セン〕ジクロロパラジウム(II)(350mg、10%wt)の メトキシエタン/水(3/1;60mL)の混合物を窒素雰 囲気下、12時間加熱還流した。反応液を減圧 縮し、残渣を酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、 わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸 トリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃 した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)で精 することにより、標題化合物(2g)を無色粉末 して得た。
(5)4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-7-トリ ルオロメタンスルホニルオキシ-2H-クロメン の製造
 前記(4)で得られた化合物(600mg)のジクロロメ タン(10mL)溶液に無水トリフルオロメタンスル ホン酸(735mg)を-30℃に冷却下で加え、次いで2, 6-ルチジン(280mg)を加えた後、該混合物をゆっ くり室温まで加温しながら5時間撹拌した。 応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL) 加え、該混合物をジクロロメタン(10mL×3)で 出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで 燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油 ーテル/酢酸エチル=100/1)で精製することに り、標題化合物(650mg)を無色粉末として得た

参考例38
(1)(2,2-ジメチル-7-tert-ブチルジメチルシリル キシ-2H-クロメン-4-イル トリフルオロメタ スルホネートの製造
 対応原料化合物を参考例37(1)~(3)と同様に処 することにより、標題化合物を無色粉末と て得た。
(2)4-(4-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-2,2-ジ チル-2H-クロメンの製造 
 前記(1)で得られた化合物(8g)と4-フルオロフ ニルボロン酸(3.07g)を参考例37(4)と同様に処 することにより、標題化合物(4.6g)を無色粉 として得た。
(3)〔4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-ク ロメン-7-イル〕メタンスルホン酸の製造 
 前記(2)で得られた化合物(4.1g)を参考例37(5) 同様に処理することにより、標題化合物(4.6g )を無色粉末として得た。
(4)[4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-ク メン-7-イル]カルバミン酸 tert-ブチルの製造
 前記(3)で得られた化合物(5.9g)、カルバミン tert-ブチル(2.06g)、炭酸セシウム(9.6g)、トリ (ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4 20mg)、ビフェニル-2-イル-ジブチルホスフェー ト(840mg)及び1,4-ジオキサン(30mL)の混合物を窒 雰囲気下、10時間加熱還流した。反応混合 をろ過し、ろ液を減圧濃縮後、残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテ /酢酸エチル=100/1)で精製することにより、 題化合物(2.8g)を黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:387[M+NH 4 ] +
(5)4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロ メン-7-アミンの製造
 前記(4)で得られた化合物(2.8g)の2M塩酸-ジク ロメタン溶液(100mL)を室温で終夜撹拌した。 反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 および飽和食塩水順次洗浄し、硫酸ナトリウ ムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ ルフラッシュクロマトグラフィー(石油エー ル/酢酸エチル=25/1)で精製することにより、 題化合物(1.9g)を黄色粉末として得た。
APCI-MS m/z:270[M+H] +
(6)4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-クロ メン-7-スルホン酸クロリドの製造
 前記(5)で得られた化合物(1.5g)のアセトニト ル(30mL)溶液に室温で酢酸(2.62mL)を加え、つ で塩酸(2.62mL)を2分間かけてゆっくり加えた 該混合物に0℃で亜硝酸ナトリウム(4.24g)の水 (1.62mL)溶液を1分間かけて加え、該混合物を5 で20分間撹拌した。反応容器を二酸化硫黄ガ スで35分間加圧した(内温10℃以下)。次いで、 該反応液に塩化銅(II)(754mg)の水(1.62mL)溶液を え、該混合物を室温で1時間撹拌した。反応 に水(30mL)を加え、該混合物をジクロロメタ (30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水お び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウ で乾燥後、減圧濃縮することにより、標題 合物(2g)を粗生成物として得た(該化合物は これ以上精製することなく、次の反応工程 使用した)。

参考例39
(1)4-クロロ-2,2-ジメチル-7-ニトロ-2H-1,3-ベンゾ オキサジンの製造
 撹拌下、2,2-ジメチル-7-ニトロ-3,4-ジヒドロ- 2H-1,3-ベンゾオキサジン-4-オン(4g)の塩化ホス リル(15mL)溶液に五塩化リン(5.5g)を0℃で加え 、該混合物を室温で1時間撹拌後、60℃に加熱 し、同温で終夜撹拌した。反応混合物を0℃ 冷却後、氷水(300mL)に注ぎ、30分間撹拌後、 酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機 を飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリ ウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、標 題化合物(2.34g)を褐色油状物として得た(該化 物は、これ以上精製することなく、次の反 工程に使用した)。
(2)4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-7-ニト -2H-1,3-ベンゾオキサジンの製造
 撹拌下、上記(1)で得られた化合物(1.75g)、4- ルオロフェニルボロン酸(1.53g)、炭酸ナトリ ウム(1.55g)、触媒量の[1,1’-ビス(ジフェニル スフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II )及びジメトキシエタン(30mL)の混合物を窒素 囲気下、終夜加熱還流した。反応混合物を 温まで冷却し、酢酸エチル(30)及び飽和食塩 (30mL)を加えた後、有機層を分離した。該有 層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム 乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカ ムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸 チル=10/0から10/1)で精製することにより、標 化合物(1.0g)を黄色粉末として得る。
APCI-MS m/z:301[M+H] +
(3)4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル-2H-1,3- ンゾオキサジン-7-アミンの製造
 前記(2)で得られる化合物(2.2g)、還元鉄(2.0g) 塩化アンモニウム(780mg)、エタノール(40mL)及 び水(10mL)の混合物を1時間加熱還流した。反 液を室温まで冷却後、セライトろ過し、ろ を減圧濃縮した。得られた残渣時クロロメ ン(50mL)及び水(50mL)を加え、水層を分離し、 クロロメタン(40mL×2)で抽出した。合わせた 機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウ で乾燥後、減圧濃縮することにより、標題 合物(2.0g)を黄色粉末として得た(該化合物は これ以上精製することなく、次の反応工程 使用した)。

参考例40
(1)(4-フルオロフェニル)(2,4-ジメトキシ-1-メチ ルフェニル)ケトンの製造
 3,5-ジメトキシトルエン(10g)のジクロロメタ (200mL)溶液に4-フルオロベンゾイルクロリド( 7.76mL)を加え、該溶液に-40℃に冷却下、塩化 ルミニウム(13.7g)を加えた後、同温で30分間 拌した。反応液を氷水に注ぎ、該混合物を クロロメタン(200mL×3)で抽出した。合わせた 機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウ で乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ 酸エチル=50/1)で精製することにより、標題 合物(7.5g)を黄色粉末として得た。
(2)(4-フルオロフェニル)(2,4-ジヒドロキシ-1-メ チルフェニル)ケトンの製造
 氷水浴冷却下、前記(1)で得られた化合物(7.5 g)のジクロロメタン(120mL)溶液に三臭化ホウ素 (7mL)を加え、該溶液を40℃で5時間撹拌した。 応液を氷水に注ぎ、該混合物をジクロロメ ン(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を1N 酸水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、 圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ トグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50/1 )で精製することにより、標題化合物(5.5g)を 黄色粉末として得た。
(3)(4-フルオロフェニル)(2,4-ジヒドロキシ-1-メ チルフェニル)ケトンの製造
 前記(2)で得られた化合物(2.46g)の無水トルエ ン(120mL)溶液を-30℃に冷却後、窒素雰囲気下 塩化チタン(2mL)を滴下後、アンモニアを30分 通気した。該混合物を室温まで加温後、終 撹拌した。反応混合物に飽和炭酸カリウム 溶液(40mL)を加え、該混合物を更に1時間撹拌 した。有機層を分離し、乾燥後、減圧濃縮し た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製す ことにより、標題化合物(750mg)を黄色粉末と して得た。
(4)4-フルオロフェニル-7-ヒドロキシ-2,2-ジメ ル-5-メチル-2H-1,3-ベンゾオキサジンの製造
 撹拌下、前記(3)で得られた化合物(500mg)、p- ルエンスルホン酸・1水和物(50mg)及び1,2-ジ トキシプロパン(20mL)の混合物を2時間加熱還 した。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液( 10mL)へ注ぎ、該混合物を酢酸エチル(10mL×3)で 出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗 し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し 残渣をジクロロメタンから再結晶すること より、標題化合物(320mg)を黄色粉末として得 る。
(5)(4-フルオロフェニル-2,2-ジメチル-5-メチル- 2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル)トリフルオロ タンスルホン酸の製造
 前記(4)で得られた化合物(320mg)を参考例37(5) 同様に処理することにより、標題化合物(350 mg)を淡黄色油状物として得た(本化合物は、 れ以上精製することなく、次の反応工程に 用した)。

参考例41
(1)4-クロロ-2,6-ジフルオロ安息香酸の製造
 撹拌下、1-クロロ-3,5-ジフルオロベンゼン(1g )の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液を脱気 数回窒素置換した。該溶液を-78℃に冷却し 窒素雰囲気下でn-ブチルリチウム(5.4mL)を30分 かけて滴下し、該混合物を窒素雰囲気下、-78 ℃で8時間撹拌した。反応混合物にドライア スを加えた後、室温で24時間撹拌した。該混 合物を減圧濃縮し、残渣に2N水酸化ナトリウ 水溶液を加え、水層をジエチルエーテル(10m L)で洗浄後、有機層を除去した。水層を濃塩 で酸性とし、該混合物を酢酸エチル(20mL×2) 抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で 浄し、乾燥後、減圧濃縮することにより、 題化合物(1.06g)を黄色粉末として得た(本化 物は、これ以上精製することなく、次の反 工程に使用した)。
(2)4-クロロ-2,6-ジフルオロ-N-メチル-N-メトキ ベンズアミドの製造
 前記(1)で得られた化合物(1.0g)のジメチルホ ムアミド(10mL)溶液にO-(7-アザベンゾトリア ール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニ ム ヘキサフルオロホスフェート(HATU;2.36g) ジイソプロピルエチエルアミン(1.68g)及びN,O- ジメチルヒドロキシルアミン(0.604g)を25℃で え、該混合物を同温で2.5時間撹拌した。反 液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和食塩水 洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃 することにより、標題化合物(0.99g)を黄色粉 として得た(本化合物は、これ以上精製する ことなく、次の反応工程に使用した)。
(3)1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)エタノ の製造
 前記(2)で得られた化合物(1.0g)のテトラヒド フラン(10mL)溶液にメチルマグネシウムブロ ド(1.7mL)を窒素雰囲気下、0℃で滴下し、該 合物を20℃で1時間撹拌した。反応液を塩化 ンモニウム水溶液に注ぎ、該混合物を酢酸 チル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を 和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥 、減圧濃縮することにより、標題化合物(0.71 3g)を黄色液体として得た。
(4)1-(2-ベンジルオキシ-4-クロロ-6-フルオロフ ニル)エタノンの製造
 ベンジルアルコール(173mg)のジメチルホルム アミド(3mL)溶液に0℃で水素化ナトリウム(64mg) を加え、該混合物を20℃で1時間撹拌した。反 応液に前記(3)で得られた化合物(0.2g)のテトラ ヒドロフラン(1.3mL)溶液を加え、該混合物を20 ℃で3時間撹拌した。反応液を塩化アンモニ ム水溶液に注ぎ、該混合物を酢酸エチル(10mL ×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩 で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧 縮することにより、標題化合物(0.21g)を黄色 末として得た。
(5)1-(4-クロロ-6-フルオロ-2-ヒドロキシフェニ )エタノンの製造
 前記(4)で得られた化合物(100mg)のメタノール (5mL)溶液に窒素雰囲気下でパラジウム炭素(30m g)を加え、該混合物を窒素雰囲気下で脱気後 数回水素置換し、該混合物を20℃で1.5時間 拌した。反応混合物をセライトろ過し、ろ と洗液(メタノール:10mL×2)を合わせて減圧濃 することにより、標題化合物(31.1mg)を黄色 体として得た。
(6)7-クロロ-5-フルオロ-2,2-ジメチル-3,4-ジヒド ロ-2H-クロメン-4-オンの製造
 前記(5)で得られた化合物(2.817g)を参考例37(1) と同様に処理することにより、標題化合物(3. 69g)を淡黄褐色粉末として得た。
(7)7-クロロ-5-フルオロ-2,2-ジメチル-2H-クロメ -4-イル 採るフルオロメタンスルホネート 製造
 前記(6)で得られた化合物(1.0g)を参考例37(3) 同様に処理することにより、標題化合物(101m g)を黄色液体として得た。
(8)7-クロロ-5-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル) -2,2-ジメチル-2H-クロメンの製造
 前記(7)で得られた化合物(100mg)のジメチルホ ルムアミド/水(5mL/0.5mL)溶液に窒素雰囲気下、 20℃で4-フルオロフェニルボロン酸(68.5mg)及び テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ ム(50mg)を加え、次いで炭酸セシウム(159.3mg) 加えた後、該混合物を80℃で6時間撹拌した 反応混合物をろ過し、ろ液を酢酸エチルで 釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫 ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮することに り、標題化合物(71mg)を淡黄色粉末として得 。

参考例42
(1)5-クロロ-2-ピリジンボロン酸N-フェニルジ タノールアミンエステルの製造
 撹拌及び窒素雰囲気下、2-ブロモ-5-クロロ リジン(18.5g)及びホウ酸トリイソプロピル(26. 7mL)の無水テトラヒドロフラン(200mL)溶液を-70 に冷却し、n-ブチルリチウムのヘキサン溶 (2.5M、46.2mL)を加え、該混合物を室温まで加 し、同温で終夜撹拌した。反応液にN-フェニ ル-ジエタノールアミン(17.4g)のテトラヒドロ ラン(40mL)溶液を加え、該混合物を4時間加熱 還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣にイソ プロピルアルコールを加えた(当該操作を更 2回繰り返した)。該混合物をイソプロピルア ルコール(100mL)に懸濁し、室温で終夜撹拌し 。該混合物から固形物をろ取することによ 、標題化合物(36g)を黄色粉末として得た。
(2)4-(5-クロロピリジン-2-イル)-2,2-ジメチル-7-( tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2H-クロメ の製造
 前記(1)で得られた化合物(20g)、(2,2-ジエチル -7-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2H-クロメ ン-4-イル)トリフルオロメタンスルホン酸(前 参考例38(1)の目的物;10g)、酢酸パラジウム(0. 3g)、トリフェニルホスフィン(1.2g)、ヨウ化銅 (2g)及び炭酸カリウム(5g)の混合物を窒素雰囲 下、終夜加熱還流した。反応混合物を酢酸 チル(100mL×3)で抽出し、合わせた有機層を硫 酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石 エーテル)で精製することにより、標題化合 (4.0g)を褐色粉末として得た。
(3)4-(5-クロロピリジン-2-イル)-7-ヒドロキシ-2, 2-ジメチル-2H-クロメンの製造
 撹拌下、前記(2)で得られた化合物(2g)のテト ラヒドロフラン(20mL)溶液に1Mテトラブチルア モニウムフルオリドのテトラヒドロフラン 液(10mL)を0℃で加え、該混合物を同温で3時 撹拌した。反応液を塩化アンモニウム水溶 (50mL)で希釈後、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し 。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥 、減圧濃縮することにより、標題化合物(1.5g )を褐色粉末として得た(本化合物は、これ以 精製することなく、次の反応工程に使用し )。
(4)4-(5-クロロピリジン-2-イル)-7-ヒドロキシ-2, 2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル トリフルオロ タンスルホネートの製造
 前記(3)で得られた化合物(1.5g)を参考例37(5) 同様に処理することにより、標題化合物(1.4g )を褐色粉末として得た。

参考例43
(1)5-フルオロ-2-ピリジンボロン酸N-フェニル エタノールアミンエステルの製造
 2-ブロモ-5-フルオロピリジン(13g)とN-フェニ -ジエタノールアミン(13.4g)を参考例42(1)と同 様に処理することにより、標題化合物(17g)を 色粉末として得た。
(2)4-(5-フルオロピリジン-2-イル)-2,2-ジメチル- 7-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2H-クロ ンの製造
 前記(1)で得られた化合物(10g)および(2,2-ジエ チル-7-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2H-ク ロメン-4-イル)トリフルオロメタンスルホン (前記参考例38の目的物;7g)を参考例42(2)と同 に処理することにより、標題化合物(2.3g)を 色粉末として得た。
(3)4-(5-フルオロピリジン-2-イル)-2,2-ジメチル- 7-ヒドロキシ-2H-クロメンの製造
 前記(2)で得られた化合物(2g)を参考例42(3)と 様に処理することにより、標題化合物(1.6g) 褐色粉末として得た(本化合物は、これ以上 精製することなく、次の反応工程に使用した )。
(4)4-(5-フルオロピリジン-2-イル)-7-ヒドロキシ -2,2-ジメチル-2H-クロメン-7-イル トリフルオ メタンスルホネートの製造
 前記(3)で得られた化合物(1.4g)を参考例42(4) 同様に処理することにより、標題化合物(0.8g )を無色油状物として得た。

参考例44
(1)7-ヒドロキシ-2,2,5-トリメチル-3,4-ジヒドロ- 2H-クロメン-4-オンの製造
 無水5-メチルベンゼン-1,3-ジオール(3.678g)、3 ,3-ジメチルアクリル酸(3.3mL)及び塩化アルミ ウム(14.76g)をホスホリルクロリド(45mL)に加え 、該混合物を室温に保ちながら6時間振とう た。反応液を氷中に注ぎ、析出物をろ取し 水洗・乾燥した後、シリカゲルカラムクロ トグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=25/1) で精製することにより、標題化合物(3.8g)を無 色粉末として得た。
(2)7-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2,2,5- リメチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-オンの 造
 前記(1)で得られた化合物(3.8g)のテトラヒド フラン(80mL)溶液に室温でイミダゾール(1.88g) を加え、該混合物を約1時間撹拌した。反応 にtert-ブチルジメチルシリルクロリド(4.2g)を 加え、該混合物を更に2時間撹拌した。反応 を減圧濃縮し、残渣を飽和食塩水(40mL)で洗 後、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせ 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカ ムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エ チル=50/1)で精製することにより、標題化合物 (4.5g)を無色粉末として得た。
(3)7-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2,2,5- リメチル-2H-クロメン-4-イル トリフルオロ タンスルホネートの製造
 前記(2)で得られた化合物(4.5g)を参考例37(3) 同様に処理することにより、標題化合物(5.8g )を黄色粉末として得た。
(4)4-(4-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-2,2,5- リメチル-2H-クロメンの製造
 前記(3)で得られた化合物(5.8g)と4-フルオロ ェニルボロン酸(2.69g)を参考例37(4)と同様に 理することにより、標題化合物(1.82g)を黄色 末として得た。
(5)〔4-(4-フルオロフェニル)-2,2,5-トリメチル-2 H-クロメン-7-イル〕トリフルオロメタンスル ン酸の製造
 前記(4)で得られた化合物(1.8g)を参考例37(5) 同様に処理することにより、標題化合物(2.5g )を無色油状物として得た。

参考例45
4-フルオロフェニル-2,2-ジメチル-2H-1,3-ベンゾ オキサジン-7-スルホン酸クロリドの製造
 撹拌下、4-フルオロフェニル-2,2-ジメチル-2H -1,3-ベンゾオキサジン-7-アミン(参考例38(3)の 的物;600mg)の酢酸(18mL)-濃塩酸(6mL)溶液に-5℃ 亜硝酸ナトリウム(153mg)の水(2.4mL)溶液を滴 し、該混合物を同温で1時間撹拌した。該反 混合物に二酸化硫黄、酢酸、塩化銅及び水 混合物を0℃で滴下し、同温で1時間撹拌し 。反応混合物を氷水(200mL)に注ぎ、該混合物 エーテル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機 を飽和食塩水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウ 水溶液(50mL×2)及び飽和食塩水(50mL×2)で順次 浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮 ることにより、標題化合物(400mg)を黄色油状 物として得た(本化合物は、これ以上精製す ことなく、次の反応工程に使用した)。

参考例46~53
対応原料化合物を参考例37と同様に処理する とにより、下記第16表および第17表記載の化 合物を得た。
第16表

第17表

参考例54
〔5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチ -2H-クロメン-7-イル〕トリフルオロメタンス ルホン酸の製造
 対応原料化合物を参考例44と同様に処理す ことにより、標題化合物(1.6g)を無色油状物 して得た。

参考例55
(5-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチル -2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル)トリフルオロ メタンスルホン酸の製造
 対応原料化合物を参考例40と同様に処理す ことにより、標題化合物(100mg)を淡黄色油状 として得た。

参考例56
(5-クロロ-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2,2-ジメ ル-2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル)トリフル ロメタンスルホン酸の製造
 対応原料化合物を参考例40と同様に処理す ことにより、標題化合物(380mg)を淡黄色油状 として得た。

参考例57
(1)2-ヒドロキシ-4-ニトロベンズアミドの製造
 撹拌下、2-(アセトキシ)-4-ニトロ安息香酸( 考例1(1)の目的物;20g)の無水ジクロロメタン(2 00mL)溶液にジメチルホルムアミド(5滴)および キザリルクロリド(23.6g)を0℃で滴下し、該 合物を室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮 、残渣を無水テトラヒドロフラン(200mL)で希 釈後、該溶液にアンモニア/テトラヒドロフ ン溶液を-10℃で滴下し、該混合物を0℃で30 間撹拌した。反応液を飽和食塩水(1L)に注ぎ 有機層を分離した。水層を4M塩酸水でpH5に 整後、酢酸エチルで抽出した(500mL×2)。合わ た有機層を減圧濃縮することにより、標題 合物(13.75g)を無色粉末として得た(該化合物 これ以上精製することなく、次の工程にお て使用した)。
(2)2,2-ジエチル-7-ニトロ-2,3-ジヒドロ-4H-1,3-ベ ゾオキサジン-4-オンの製造
 撹拌下、前記(1)で得られた化合物(5g)、3-ペ タノン(6.6g)およびp-トルエンスルホン酸・ 水和物(1.6g)のトルエン(70mL)懸濁液を終夜加 還流した。反応混合物を飽和炭酸水素ナト ウム水溶液(100mL)に注ぎ、該混合物を酢酸エ ルで抽出した(100mL×3)。合わせた有機層を飽 和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後 、減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル/ クロロメタン(1:1)から再結晶することにより 、標題化合物(5g)を無色粉末として得た。
(3)4-クロロ-2,2-ジエチル-7-ニトロ-2H-1,3-ベンゾ オキサジンの製造
 前記(2)で得られた化合物(1.5g)を参考例39(1) 同様に処理することにより、標題化合物(1g) 黄色油状物として得た(該化合物はこれ以上 精製することなく、次の工程で使用した)。
(4)2,2-ジエチル-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-7- トロ-2H-1,3-ベンゾオキサジンの製造
 前記(3)で得られた化合物(1.0g)および2,4-ジフ ルオロフェニルボロン酸(1.2g)を参考例39(2)と 様に処理することにより、標題化合物(0.6g) 黄色油状物として得た。
(5)2,2-ジエチル-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2H-1 ,3-ベンゾオキサジン-7-アミンの製造
 前記(4)で得られた化合物(600mg)を参考例39(3) 同様に処理することにより、標題化合物(500 mg)を黄色粉末として得た(該化合物はこれ以 精製することなく、次の工程で使用した)。

参考例58
(5-クロロ-2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル) -2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-イル)トリフルオロ メタンスルホン酸の製造
 対応原料化合物を参考例40(3)~(5)と同様に処 することにより標題化合物を淡黄色油状物 して得た。

参考例59
2-エチル-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-メチル- 2H-1,3-ベンゾオキサジン-7-アミンの製造
 対応原料化合物を参考例57と同様に処理す ことにより、標題化合物を黄色粉末として た(該化合物はこれ以上精製することなく、 の工程で使用した)。

参考例60
(1)2,2-ジエチル-4-(4-フルオロフェニル)-2H-1,3- ンゾオキサジン-7-アミンの製造
 対応原料化合物を参考例57(4)~(5)と同様に処 することにより、標題化合物を黄色粉末と て得た(該化合物はこれ以上精製することな く、次の工程で使用した)。
(2)2,2-ジエチル-4-フルオロフェニル-2H-1,3-ベン ゾオキサジン-7-スルホン酸クロリドの製造
 前記(1)で得られた化合物(700mg)を参考例45と 様に処理することにより、標題化合物(600mg) を黄色粉末として得た(該化合物はこれ以上 製することなく、次の工程で使用した)。

参考例61
〔2,2-ジメチル-4-(4-トリフルオロメチルフェ ル)-2H-クロメン-7-イル〕トリフルオロメタン スルホン酸の製造
 対応原料化合物を参考例37と同様に処理す ことにより標題化合物を淡黄色粉末として た。
実験例1
〔アルドステロン受容体結合試験〕
 (1)腎cytosol画分の作製
 副腎を摘出したSprague-Dawley系雄性ラット(7週 齢)から腎臓を採取し、下記組成の緩衝液を いてホモジネートし、遠心分離(100,000g、1時 )後の上清を腎cytosol画分(蛋白濃度:15mg/mL)と 、結合試験時の標本として用いた。
 緩衝液組成:
 トリス-塩酸(50mM、pH7.5)、スクロース(250mM)、 塩化カリウム(50mM)、塩化マグネシウム(3mM)、 リブデン酸ナトリウム(20mM)、メルカプトエ ノール(1mM)
 (2)結合試験
 ジメチルスルホキシドに溶解させた検体化 物溶液5μL、腎cytosol画分200μLおよび生理食 水50μL(或いは非標識アルドステロン溶液50μL 、終濃度=1μM)および[ 3 H]アルドステロン(約2nM)50μLをチューブに添加 し、4℃で一夜インキュベーションした。該 応液にdextran-coated charcoal/10mMトリス-塩酸緩 液100μLを添加した後、4℃で30分間インキュ ートした。反応液を同温で遠心分離(3,000rpm× 10分)した後、上清150μLをシンチレーター(商 名:クリアゾルI、ナカライテスク社製)5mLと 合し、液体シンチレーションカウンタ(TRI CA RB 2200CA、パッカード社製)にて放射活性を測 した。当該測定値をもとにアルドステロン- 受容体結合反応における各検体化合物のIC 50 値(アルドステロンの受容体への結合を50%阻 する検体濃度:μM)を算出した。さらに各検体 化合物の解離定数KiはCheng and Prusoffの式(Ki=IC 50 /(1+[L]/Kd))より求めた。
〔式中、[L]は[ 3 H]アルドステロン濃度、Kdは[ 3 H]アルドステロンの親和定数を表す。〕
 (3)結果
 本実験の結果を下記第18表に示す。
 尚、表中の記号(++及び+++)は下記の意味を有 する。
 ++: 0.5μM<Ki<1μM
+++: Ki≦0.5μM
第18表

 本発明の化合物[I]は、MRに対する高い親 性及び調節活性(受容体拮抗作用等)を有する ことから、当該受容体及び/又はアルドステ ンが関与する各種疾患(例えば、高血圧及び 不全を含む心・血管系疾患等)の予防・治療 の為の医薬として有用である。