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Patent Searching and Data


Title:
FUSION APPARATUS AND A FUSING METHOD USING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148043
Kind Code:
A2
Abstract:
Provided are a fusing method in which metal powder is fused and separated from a mixture of metal salt and metal powder, and fusion apparatus which employs this method, wherein it is possible to use moving plasma having excellent energy efficiency.  A lining part (15) comprising a second metal is inserted in such a way as to cover the side walls and upper edges of the side walls of a bath (10) comprising a first metal.  Then the mixture (1) comprising metal salt and metal powder is introduced into a mixture introduction region (16) of the bath (10) which is partitioned by a skimmer (13) and, maintaining a state where the whole of the mixture (1) has been fused using the plasma (19a), two layers, namely an upper layer (fused salt (6)) where the metal salt has been fused) and a lower layer (fused metal (7)) are formed as a result of the difference in specific gravities.  The formation of a fused salt layer which is an insulator by the solidification of the fused salt (6) on the inner surface of the bath (10) is prevented by maintaining the temperature of the portion of the lining part (15) in contact with the fused salt (6) above the melting point of the fused salt (6).

Inventors:
AZUMA KAZUOMI (JP)
YAMAGUCHI MAKOTO (JP)
NATSUME YOSHITAKE (JP)
UENISHI TORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060045
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
OSAKA TITANIUM TECHNOLOGIES CO (JP)
AZUMA KAZUOMI (JP)
YAMAGUCHI MAKOTO (JP)
NATSUME YOSHITAKE (JP)
UENISHI TORU (JP)
International Classes:
C22B34/12; C22B9/22; F27D11/08
Foreign References:
JPH04116377A
JPH10238723A
Attorney, Agent or Firm:
MORI Michio et al. (JP)
Woods Michio (JP)
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Claims:
 側面と底面を有し、第1の金属からなる水冷ハースと、前記水冷ハースの内面にプラズマを照射可能に配置された移行型のプラズマトーチとを備える溶解装置であって、
 前記水冷ハースの内面のうち少なくとも側面および側面の上縁を覆うように、第2の金属からなる内面部材が嵌め込まれたことを特徴とする溶解装置。
 前記内面部材が前記水冷ハースの内面の底面も覆うことを特徴とする請求項1に記載の溶解装置。
 前記内面部材が一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶解装置。
 前記第1の金属がCuであり、前記第2の金属がTiであることを特徴とする請求項1に記載の溶解装置。
 請求項1~4のいずれかに記載の溶解装置において、金属塩と前記第2の金属からなる金属粉との混合物を前記水冷ハースに収容し、前記プラズマトーチの照射するプラズマによって溶解する溶解方法であって、
 前記内面部材の前記金属塩に接する部分の温度を前記金属塩の融点以上に保つことを特徴とする溶解方法。
 前記水冷ハースの内面を、スキマーにより複数の領域に区分され、前記複数の領域がそれぞれ前記スキマーの下部に設けられた連通口により連通されたものとし、
 前記混合物を前記水冷ハースの1の領域でプラズマによって溶解し、比重差によって、前記金属粉が溶解した溶融金属からなる層と、前記金属塩が溶解した溶融塩からなる層の上下二層に分離し、上層を前記領域の上部から、下層を前記連通口から排出することを特徴とする請求項5に記載の溶解方法。
 前記金属塩がCaCl 2 であり、前記第2の金属がTiであることを特徴とする請求項5または6に記載の溶解方法。
Description:
溶解装置およびこれを用いた溶 方法

 本発明は、金属粒と金属塩との混合物か 金属粒を構成する金属を分離するのに用い 溶解装置であって、熱効率に優れた移行型 ラズマを用いて安定した動作が可能な溶解 置、およびこれを用いた溶解方法に関する

 金属Tiの工業的な製法としては、TiCl 4 をMgにより還元するクロール法が一般的であ 、この方法によれば高純度の製品を製造す ことが可能である。しかし、生成したTi粉 凝集した状態で沈降し、反応容器外へ回収 ることが困難であるため、操業をバッチ方 で行わざるを得ない。また、TiCl 4 が反応容器内の溶融Mg液の液面に上方から液 状で供給され、溶融Mg液の液面近傍だけで 応が行われるので、TiCl 4 の利用効率の低下を回避し、反応に伴う局所 的な発熱を避けるため、TiCl 4 の供給速度が制限される。その結果、製造コ ストが嵩み、製品価格が非常に高くなる。

 そのため、クロール法以外の金属Tiの製造 法に関して多くの研究開発がなされてきた 例えば、特許文献1には、反応容器内にCaCl 2 の溶融金属塩(以下、単に「溶融塩」ともい )を保持し、その溶融塩中に上方から金属Ca 末を供給して、溶融塩中にCaを溶け込ませる とともに、下方からTiCl 4 ガスを供給して、CaCl 2 の溶融塩中で溶解CaとTiCl 4 を反応させる方法が記載されている。しかし 、金属Caの粉末が極めて高価であり、加えて 反応性が強いCaは取り扱いが非常に難しく この方法は工業的な金属Ti製造法としては成 立し得ない。

 そこで、本発明者らは、Ca還元による金属Ti の製造方法を工業的に確立するには、TiCl 4 のCaによる還元が不可欠であり、還元反応で 費される溶融塩中のCaを経済的に補充する 要があると考え、溶融CaCl 2 の電気分解により生成するCaを利用するとと に、このCaを循環使用する方法、即ち「OYIK (オーイック法)」を提案した(特許文献2およ び3参照)。

 特許文献2では、電気分解によりCaが生成、 充され、Ca濃度が高められた溶融CaCl 2 を反応容器に導入し、Ca還元によるTi粒子の 成に使用する方法が示されている。特許文 3では、更に、陰極として合金電極(例えば、 Mg-Ca電極)を用いることにより、電解に伴うバ ックリアクションを効果的に抑制する方法が 示されている。バックリアクションとは、分 離工程でTiが分離された後の溶融塩を電解槽 戻したときに、溶融塩中のCaと電気分解に り生成したCl 2 との反応をいい、バックリアクションが生じ ると、電流効率が低下する。

 特許文献4には、前記OYIK法に立脚したTiの 製造方法が記載されており、還元反応で生成 したTi粒を含有する溶融塩からTiを分離する 法として、まず高温デカンターで遠心沈降 よりTi粒を溶融塩から分離し、次いで分離槽 でプラズマトーチから照射されるプラズマに よりTi粒を加熱、溶融して、Ti粒に付着して る溶融塩を除去する方法が記載されている そして、溶融したTiは鋳型に流し込まれイン ゴットとなる。

米国特許第4820339号明細書

特開2005-133195号公報

特開2005-133196号公報

国際公開第2007/105616号パンフレット

 図1は、分離槽およびプラズマトーチを備 える従来の溶解装置の構成例を示す図である 。分離槽であるハース10は底面11と側面12から なり、内部がスキマー13によって混合物投入 域16と溶融Ti領域17とに区分されている。両 域16、17はスキマー13の下部に設けられた連 口14によって連通している。側面12の上縁は 、混合物投入領域16側の方が溶融Ti領域17側よ りも高く設定されており、双方の側面12の上 には液体等の流動物の排出のための溝(図示 せず)が形成されている。

 ハース10の上方には、首振り運動が可能で り、混合物投入領域16と溶融Ti領域17にプラ マ19aの照射が可能なプラズマトーチ19が配置 されている。ハース10としては、水冷銅ハー が一般的に用いられる。また、スキマー13 しては、Y 2 O 3 等のセラミックスを使用することができる。

 次に、ハース10における操作について説明 る。還元反応で生成したTi粒と、CaCl 2 を含む溶融塩との混合物(以下、固液混合物1 いう)を、ハース10の混合物投入領域16に投 する。固液混合物1に、プラズマトーチ19か プラズマ19aを照射して、Tiの融点以上に加熱 し、固液混合物1の全体を溶融状態とする。 して、この溶融物をTiの融点以上に保持し、 Tiと溶融塩との比重差によって、溶融Tiを沈 させ、上層(溶融塩6)と、下層(溶融Ti7)の上下 2層に分離させる。

 そして、固液混合物1をさらに投入すると 、溶融物は2層に分離した状態で混合物投入 域16と溶融Ti領域17において液面が上昇し、 融Ti領域17側の側壁12の上縁から溶融塩が排 され始める。溶融塩が全て排出されると、 融Ti領域17は溶融Ti7のみが占める状態となり 溶融Ti7が排出される。一方、混合物投入領 16においても液面が上昇し、液面が混合物 入領域16側の側壁12の上縁よりも高くなると 溶融塩6が排出され始める。

 従来、ハース10で固液混合物1を溶解する に用いられるプラズマトーチ19としては、 ーチ単独でプラズマを発生させることがで 、使用が簡便な、非移行型プラズマトーチ 用いられていた。しかし、非移行型プラズ トーチは熱効率が10%以下と低いため、本発 者らは、30%以上の優れた熱効率を有する移 型プラズマトーチを用いたハース10における 固液混合物1の溶解を試行した。移行型プラ マトーチでは、プラズマを発生させるため トーチと被加熱体との間に通電しなければ らないため、プラズマトーチ19とハース10と 間に電源を配置した。固液混合物1はTi粒を む電気伝導体であるため、移行型プラズマ ーチを用いた場合でもプラズマによる溶解 可能である。

 ところが、溶解を連続して行っているう に、プラズマトーチ19からプラズマが発生 なくなった。また、プラズマが発生しなく った際にトーチに流す電流を増加させると それにともないしばらくはプラズマが発生 るものの、ハースの内面が局部的に損傷す という問題が生じた。この原因について検 したところ、ハース10の内面全体に、溶融塩 6が凝固した金属塩層が生成していることが かった。

 図2は、ハース10の内面に金属塩層8が形成 された状態を示す図である。金属塩は絶縁体 であるため、金属塩層8によってハース10と溶 融Ti7とが絶縁され、溶融Ti7に通電しなくなり 、プラズマが発生しなくなったと考えられる 。また、ハース10の内面の局部的損傷は、金 塩層8が広がる途中の段階で、ハース10の内 のわずかにチタンが露出している部分を通 て溶融Ti7との間で放電し、溶解したものと えられる。

 このように金属塩層8が生成する理由は、以 下のように考えられる。ハース10は水冷され いるため、固液混合物1を収容した状態では プラズマ19aが照射されてもハース10の内面の 度はTiおよびCaCl 2 の融点以下に保たれる。そのため、固液混合 物1がプラズマによって溶解された後、プラ マが照射されている状態であっても、ハー 10の内面ではTiおよびCaCl 2 が凝固し、TiおよびCaCl 2 の混合物からなるシェル4が形成される。

 シェル4は、プラズマトーチ19の首振り運 等の要因から温度が変動するため、収縮、 張する。そして、シェル4が収縮した際にで きるハース10の内面とシェル4との間の隙間に 、混合物投入領域16に上層として存在する溶 塩6が流れ込み、凝固する。このようなシェ ル4の収縮、膨張が繰り返されるうちに、溶 塩6の流れ込む部分がハース10の内面に次第 広がり、金属塩層8が形成される。このよう 現象は、固液混合物1中の金属塩とTi粒との 率にかかわらず生じる可能性がある。

 そこで、本発明は、金属粒と金属塩の混 物を溶解して金属粒を構成する金属を分離 るのに用いる溶解装置であって、熱効率に れた移行型プラズマを用いて安定した動作 可能な溶解装置、およびこれを用いた溶解 法を提供することを目的とする。

 上記の課題を解決するために、本発明者 が、ハース10の内面とシェル4との間に金属 層8を生成させない方法について検討したと ころ、金属塩層8の生成の起点となるのは混 物投入領域16におけるシェル4と上層の溶融 6とが接する部分であることから、この部分 の溶融塩6の凝固を防止することを着想した 。

 本発明は、上述の知見に基づいてなされ もので、その要旨は、下記(1)の溶解装置お び下記(2)の溶解方法にある。

 (1)側面と底面を有し、第1の金属からなる 水冷ハースと、前記水冷ハースの内面にプラ ズマを照射可能に配置された移行型のプラズ マトーチとを備える溶解装置であって、前記 水冷ハースの内面のうち少なくとも側面およ び側面の上縁を覆うように、第2の金属から る内面部材が嵌め込まれたことを特徴とす 溶解装置。

 前記(1)に記載の溶解装置において、前記 面部材が前記水冷銅ハースの内面の底面も うことが望ましく、前記内面部材が一体に 成されていることがより望ましい。また、 記第1の金属をCu、前記第2の金属をTiとする とができる。Tiは金属Tiであっても、合金Ti あってもよい。

 (2)前記(1)に記載の溶解装置において、金 塩と前記第2の金属からなる金属粉との混合 物を前記水冷ハースに収容し、前記プラズマ トーチの照射するプラズマによって溶解する 溶解方法であって、前記内面部材の前記金属 塩に接する部分の温度を前記金属塩の融点以 上に保つことを特徴とする溶解方法。水冷ハ ースに投入する時点での金属塩は、固体状態 であっても液体状態であってもよい。

 前記(2)に記載の溶解方法において、前記 冷ハースの内面を、スキマーにより複数の 域に区分され、前記複数の領域がそれぞれ 記スキマーの下部に設けられた連通口によ 連通されたものとし、前記混合物を前記水 ハースの1の領域でプラズマによって溶解し 、比重差によって、前記金属粉が溶解した溶 融金属からなる層と、前記金属塩が溶解した 溶融塩からなる層の上下二層に分離し、上層 を前記領域の上部から、下層を前記連通口か ら排出することとしてもよい。これにより、 金属粉を構成する第2の金属と、金属塩とを 易に分離することが可能となる。

 前記(2)に記載の溶解方法において、前記金 塩をCaCl 2 、前記第2の金属をTiとすることができる。Ti 金属Tiであっても、合金Tiであってもよい。 合金Tiの場合は、内面部材を、金属粉を構成 る合金元素とすることにより、分離されたT i合金の汚染を防止することができる。

 本発明の溶解装置および溶解方法によれ 、内面部材を設けることにより、水冷ハー の内面に絶縁体である金属塩層が形成され のを防ぐことができるため、トーチと被加 体との間に通電が必要な移行型プラズマを いても、安定して金属粒と金属塩(溶融塩) 混合物から金属粒を構成する金属を分離す ことができる。また、内面部材を構成する 属を分離する金属と同じものとするため、 離する金属を汚染することもない。

図1は従来の溶解装置の構成例を示す図 である。 図2は従来の溶解装置においてプラズマ が発生しなくなった場合の模式図である。 図3は本発明の第1の実施形態にかかる 解装置の構成例を示す図である。 図4は本発明の第1の実施形態にかかる 解装置の別の構成例を示す図であり、(a)は 板を設けた場合、(b)はハースの内面全体を 体化した内面部材で覆った場合である。 図5は本発明の第2の実施形態にかかる 解装置の構成例を示す図である。 図6は本発明の第2の実施形態にかかる 解装置の動作を示す図であり、(a)は溶融塩 排出している状態、(b)は溶融Tiを排出してい る状態を示す図である。

〈第1の実施形態〉
 図3は、本発明の第1の実施形態にかかる溶 装置の構成例を示す図である。図3に示す溶 装置は、プラズマトーチが移行式である点 よびハースの内側の側面に内面部材が設け れている点以外は、図1に示すものと同等で あり、同一の符号を付している。

 図3に示すように、プラズマトーチ19は、 行型であり、プラズマトーチ19とハース10と の間には、電源20が接続されている。ハース1 0および固液混合物1は電気伝導体であるため 固液混合物1をハース10に投入した状態で電 20によって電圧を印加するとプラズマトー 19とハース10および固液混合物1との間でプラ ズマ19aが発生する。本実施形態において、溶 融塩と金属粒からなる固液混合物1に代えて 固体状態の金属塩と金属粒との混合物をハ ス10に投入してもよい。

 また、本実施形態のハース10には、側面12 の上縁および内面を覆うように、Tiからなる 面部材15が嵌め込まれている。この内面部 15の厚さやハース10との密着度等を調整する とにより、ハース10と内面部材15との間の熱 伝導量を調整し、プラズマ19aを照射して固液 混合物1を溶解している間の内面部材15の溶融 塩6に接する面の温度を金属塩の融点以上と ることができる。以下、収容物がない場合 露出しているハース10の内面および内面部材 15の露出している面(ハース10の内面が露出し いない場合は内面部材15の溶融塩6に接する )を総称してハース10の内面という。

 これにより、ハース10の内面でTiが凝固し てシェル4が形成され、シェル4の収縮によっ ハース10の内面との間にできた隙間に、混 物投入領域16に上層として存在する溶融塩6 流れ込んだとしても、溶融塩6が凝固しない そのため、流れ込んだ溶融塩6はシェル4が 張した際に上層に押し戻される。また、シ ル4と内面部材15とが一体化した場合には、 ェル4とハース10の内面との間には隙間がで ない。そのため、ハース10の内面に絶縁物で ある金属塩層8が形成されることがない。

 ハース10の側面12の上縁も内面部材15によ て覆われている。そのため、混合物投入領 16に上層として存在する溶融塩6が混合物投 領域16の上部から外部に排出される際に、 ース10と内面部材15との間に入り込まず、ハ ス10と内面部材15との間の通電状態は維持さ れる。また、内面部材15の下部は溶融Ti7と接 ており、ハース10と内面部材15との間に溶融 Ti7が入り込んで凝固したとしても、シェル4 一部となるため、ハース10と内面部材15との の通電状態は維持される。したがって、電 20から溶融Ti7への通電状態およびプラズマ19 aの発生が安定して維持される。

 また、ハース10が浅い場合や、プラズマ ーチ19の出力が大きい場合等、ハース10内全 にプラズマ19aの熱が行き渡り、シェル4が形 成されない場合には、ハース10の内面で溶融 6が凝固しないことおよび溶融Ti7よりも溶融 塩6の比重が小さいことから溶融塩6は混合物 入領域16に上層として存在することとなる この場合にも、溶融Ti7への通電状態および れによるプラズマ19aの発生が維持される。

 したがって、上述のように、シェルの有 にかかわらず、熱効率に優れた移行型プラ マトーチを用いて安定したTiと溶融塩との 離を行うことができる。また、内面部材15は 、Tiからなるため、分離されたTiを汚染する とがない。Ti粒をTi合金とする場合には、内 部材15を、Ti粒を構成する合金元素からなる ものとすることにより、分離されたTi合金の 染を防止することができる。

 図4は、本実施形態にかかる溶解装置の別 の構成例を示す図である。本実施形態におい て、図4(a)に示すように、ハース10の側面12の 縁および内面を覆う内面部材15に加えて、 ース10の底面11の内面を覆う底板15aを設けて よい。また、同図(b)に示すように、内面部 15を一体でハース10の内面全体および側面12 上縁を覆うものとしてもよい。図4では、シ ェルが形成されていない状態を示す。

 これらの場合、底面11も含めたハース10の 内面の温度を金属塩の融点以上とすることが できるため、シェルが形成された後、溶融塩 6が底面まで侵入することがあったとしても 金属塩層の形成を防止することができ、よ 安定した、移行型プラズマトーチを用いたTi と溶融塩との分離を行うことができる。

〈第2の実施形態〉
 図5は、本発明の第2の実施形態にかかる溶 装置の構成例を示す図である。図5に示す溶 装置は、ハースが傾動可能である点および ース内にスキマーが設けられていない点以 は、図3に示すものと同等であり、実質的に 同一の部分には同一の符号を付している。

 本実施形態では、ハース10に投入された 液混合物1にプラズマトーチ19からプラズマ19 aを照射して、固液混合物1を溶融塩の融点以 Tiの融点未満に加熱する。さらに、固液混 物1をこの温度に保持し、ハース10の底面11に 溶融塩6が広がり、溶融塩6中に固体Ti3が分散 た状態とする。固液混合物1を構成する固体 Tiが、Ti粒が焼結等により結合し、多孔質の 状となっている場合には、このTi塊の溶融塩 6から露出している部分では、Ti塊内部の隙間 に存在していた溶融塩または金属塩が外部に 排出される。

 図6は、本発明の第2の実施形態にかかる 融装置の動作を示す図であり、(a)は溶融塩 排出している状態、(b)は溶融Tiを排出してい る状態を示す図である。図6では、プラズマ ーチ等は省略している。溶融塩6をハース10 底面11に広がった状態とした後、ハース10を 図6(a)に示すように左側が下がるように傾動 させ、溶融塩6をハース10の左下に配置された 溶融塩容器21に排出し、ハース10内に固体Ti3 排出されなかったわずかな溶融塩とが存在 る状態とする。固体Ti3が小さい粒状または 状である場合には、溶融塩6中で沈降させ、 融塩6を攪拌しないように排出することによ り、溶融塩6とともに排出される固体Ti3を最 限とすることができる。

 続いて、ハース10を水平に戻して、ハー 10内に残存した固体Ti3に、プラズマトーチ19 らプラズマ19aを照射して固体Ti3を溶解し、 ース10を右側が下がるように傾動させ、溶 Ti7をハース10の左下に配置されたTi容器22に 出する。固体Ti3は、全体を溶解してから排 してもよいし、部分的に溶解しながら順次Ti 容器22に排出してもよい。

 その後、再びハース10に固液混合物1を投 し、固液混合物1の溶解、溶融塩の排出、Ti 溶解およびTiの排出を繰り返す。固液混合 1の投入は、Tiを全て排出してから行っても いし、ハース10内に固体や液体のTiが一部残 した状態で行ってもよい。ハース10内にTiが 一部残存した状態で固液混合物1を投入する 、残存した高温のTiによって固液混合物1が 熱されるため、エネルギー効率の面で優れ いる。

 本実施形態においても、プラズマ19aの照 により、固液混合物1や固体Ti3を溶解してい る間の内面部材15の溶融塩やTiに接する面の 度を、金属塩の融点以上とすることができ 。そのため、ハース10の内面で溶解したTiが び凝固してシェルが形成され、シェルの収 によってシェルとハース10の内面との間に きた隙間に溶融塩が流れ込んだとしても、 面部材15の溶融塩やTiに接する面の温度を金 塩の融点以上となるようにプラズマ19aを照 することにより、その隙間内での溶融塩の 固を抑制できる。したがって、ハース10の 面に絶縁物である金属塩層8が形成されるこ がなく、電源20と、被加熱体である固液混 物1や固体Ti3との間の通電状態は維持され、 ラズマ19aの発生が安定して維持される。ま 、本実施形態によれば、スキマーを必要と ないため、溶融装置を簡単な構成とするこ ができる。

 本実施形態の溶融装置を用いて得られた 融Tiは、微量の溶融塩を含有する。この溶 Tiを、溶融状態を維持したままで別のハース へ移動させ、溶融塩を除去することにより、 Tiを精製することができる。このTiの精製用 ハースとしては、上述の第1の実施形態のハ スを用いることができる。

 図6では、溶融塩を排出する場合とTiを排 する場合とで、ハース10を傾動させる方向 異なる。しかし、溶融塩容器21とTi容器22が 動可能である場合など、ハース10に対して同 じ側に位置する場合には、ハース10を傾動さ る方向は同じであってもよい。

 本実施形態において、溶融塩と金属粒か なる固液混合物1に代えて、固体状態の金属 塩と金属粒との混合物をハース10に投入して よい。また、ハースの側面の高さは前記図3 および図4に示すように左右で異なっていて よいし、前記図5および図6に示すように均一 であってもよい。

 本実施形態において、内面部材15が図4(a) 示すようにハース10の側面12の上縁および内 面のみを覆うものと底板とからなるものであ っても、図4(b)に示すようにハースの側面の 面および内面のみを覆うものであってもよ 。いずれの場合であっても、底面11も含めた ハース10の内面の温度を金属塩の融点以上と ることができるため、シェルが形成された 、溶融塩6が底面まで侵入することがあった としても、内面部材とシェルとの間における 金属塩層の形成を防止することができ、より 安定した、移行型プラズマトーチを用いたTi 溶融塩との分離を行うことができる。

 本発明の金属の溶解装置および溶解方法 効果を確認するため、下記の溶解試験を行 、その結果を評価した。

〈試験1〉
1.溶解条件
 図4(b)に示す溶解装置を用いて、Ti粒と固体 態のCaCl 2 の混合物からなる原料を溶融塩と溶融Tiに分 した後、Tiのインゴットを鋳造した。表1は 用いた製造装置の条件である。表1に示すよ うに、チャンバー内雰囲気はアルゴン雰囲気 とした。また、本発明例は、水冷ハースにハ ース内面全体および側面の上縁を覆う一体形 成の内面部材を嵌め込み、比較例は、内面部 材を用いないこととした。

 表2は、原料組成、重量および溶解電流量の 条件である。原料は、本発明例、比較例とも に、Ti粒を10重量%とCaCl 2 を90重量%含有する混合物とし、5000~6000g用い 。

 溶解電流とは、プラズマトーチに流す電 であり、本発明例、比較例ともに、ハース 上部では、原料全体が溶解するように設定 た。

2.試験結果
 上記条件で行ったTiインゴットの鋳造につ て、表3に示すように、ハースの損耗の有無 よび溶解中断後の溶解の再開の可否を指標 して評価を行った。

 比較例、本発明例ともに、Tiインゴット 鋳造は可能であった。しかし、表3に示すよ に、本発明例ではハースの損耗が発生しな ったものの、比較例では発生した。これは 比較例ではハースの内面とシェルとの間に 属塩層の形成が進行しており、ハースの内 の露出している部分において溶融Tiとの間 局部的な放電が発生したためと考えられる

 また、本発明例では、溶解を中断し、溶 塩および溶融Tiが凝固した後でも、プラズ トーチからプラズマが発生し、溶解の再開 可能であった。しかし、比較例では、溶解 中断した後では、ハースの内面とシェルと 間に金属塩層が形成されていたため、プラ マトーチからプラズマが発生せず、溶解を 開することができなかった。

 原料としてTi粒と液体状態のCaCl 2 との混合物を用いた場合にも、同様の結果と なった。

〈試験2〉
1.溶解条件
 試験1と同様の溶解試験を、前記図5に示す 解装置を用いて行った。表4は、用いた製造 置の条件である。本発明例では水冷ハース ハース内面全体および側面の上縁を覆う一 形成の内面部材を嵌め込み、比較例は、内 部材を用いなかった。

 表5は、原料組成、重量および溶解電流量の 条件である。原料は、本発明例、比較例とも に、多孔質の塊状に焼結したTi粒を40重量%とC aCl 2 を60重量%含有する混合物とした。

 そして、前記図6に示すように、ハースを 左に傾動させて溶融塩を排出し、右に傾動さ せて溶融Tiを排出し、溶融Tiが残った状態で 料を追加する操作を、原料の全量を溶解す まで繰り返した。プラズマの照射はこの操 の間停止しなかった。

 また、上記の連続溶解試験を行ったハー を用いて、溶融塩がハースの底面に広がっ 状態とした後、プラズマの照射を中断し、T i粒と金属塩が凝固した状態とした後、再度 ラズマの照射を行った。

2.試験結果
 上記溶解試験について、表6に示すように、 上述の試験1と同様にハースの損耗の有無お び溶解中断後の溶解の再開の可否を指標と て評価を行った。

 比較例、本発明例ともに溶融Tiを得るこ ができた。しかし、試験1と同様に、ハース 損耗は、本発明例では発生せず、比較例で 発生した。これは、比較例ではハースの内 とシェルとの間に金属塩層の形成が進行し おり、ハースの内面の露出している部分に いて溶融Tiとの間で局部的な放電が発生し ためと考えられる。

 また、原料の溶解を中断した後の再開は 本発明例ではプラズマトーチからプラズマ 発生したため可能であった。しかし、比較 では、ハースの内面(内面部材の表面)とシ ルとの間に金属塩層が形成されていたため プラズマトーチからプラズマが発生せず、 解を再開することができなかった。

 本発明の溶解装置および溶解方法によれ 、金属粉と金属塩の混合物を溶融させて、 属粒を構成する金属を分離する際に、水冷 ースの内面に絶縁体である金属塩層が形成 れるのを防ぐことができるため、熱効率に れているが、トーチと被加熱体との間の通 が必要な移行型プラズマトーチを用いても 安定して分離動作を行うことができる。

 したがって、本発明の溶解装置および溶 方法は、金属粉が溶融塩と混合した状態で られる、溶融塩中で金属の塩化物等を還元 ることによる金属の製造において有効に利 することができる。

1:固液混合物、3:固体Ti、4:シェル、6:溶融 、7:溶融Ti、8:金属塩層、10:ハース、11:底面 12:側面、13:スキマー、14:連通口、15:内面部 、15a:底板、16:混合物投入領域、17:溶融Ti領 、19:プラズマトーチ、19a:プラズマ、20:電源 21:溶融塩容器、22:Ti容器




 
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