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Patent Searching and Data


Title:
FUSION PROTEIN OF ANTIGEN-BINDING PROTEIN AND FLUORESCENT PROTEIN OR FLUORESCENCE-LABELED TAG PROTEIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175502
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a fusion protein of an antigen-binding protein and a fluorescent protein or a fluorescence-labeled tag protein. The present invention provides a fusion protein of an antigen-binding protein and a fluorescent protein or a fluorescence-labeled tag, wherein the antigen-binding protein is an antigen-binding protein having a helix structure or a β sheet structure at an end, the fluorescent protein or fluorescence-labeled tag is a fluorescent protein or fluorescence-labeled tag having a helix structure or a β sheet structure at an end, and the helix at that end and the helix at the end are linked or the β sheet structure at that end and the β sheet structure at the end are linked.

Inventors:
TERADA SUMIO (JP)
SATO KEISUKE (JP)
NAKAI NORI (JP)
SAITO KENTA (JP)
KAWAGISHI MASAHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007568
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 26, 2020
Export Citation:
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Assignee:
UNIV NAT CORP TOKYO MEDICAL & DENTAL (JP)
International Classes:
C07K1/13; C07K14/435; C07K14/81; C07K16/00; C07K19/00; C12N1/15; C12N1/19; C12N1/21; C12N5/10; C12N9/14; C12N15/62; G01N21/64; G01N33/483; G01N33/68
Domestic Patent References:
WO2018225781A12018-12-13
WO2007051623A12007-05-10
WO2009136182A12009-11-12
WO2014125290A12014-08-21
WO2002020565A22002-03-14
Other References:
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NAKAI NORI, SATO KEISUKE, TANI TOMOMI, SAITO KENTA, SATO FUMIYA, TERADA SUMIO: "Genetically encoded orientation probes for F-actin for fluorescence polarization microscopy", MICROSCOPY, vol. 68, no. 5, 9 October 2019 (2019-10-09), GB , pages 359 - 368, XP055956923, ISSN: 2050-5698, DOI: 10.1093/jmicro/dfz022
Attorney, Agent or Firm:
UMEDA Shinsuke et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175502 49 卩(:17 2020 /007568

請求の範囲

[請求項 1 ] 抗原結合タンパク質と蛍光タンパク質または蛍光標識されるタグと の融合タンパク質であって、

抗原結合タンパク質は、 末端にヘリックス構造または/ 3シート構造 を有する抗原結合タンパク質であり、

蛍光タンパク質または蛍光標識されるタグは、 末端にヘリックス構 造または/ 3シート構造を有する蛍光タンパク質または蛍光標識される タグであり、

当該末端のヘリックスと末端のヘリックスとが連結されている、 ま たは

当該末端の /3シート構造と末端の /3シート構造とが連結されている 融合タンパク質。

[請求項 2] 抗原結合タンパク質が、 末端にヘリックス構造を有し、

蛍光タンパク質または蛍光標識されるタグが、 0末端にヘリックス 構造を有し、

抗原結合タンパク質の末端のヘリックスと蛍光タンパク質または蛍 光標識されるタグの末端のヘリックスとが連結されている、 請求項 1 に記載の融合タンパク質。

[請求項 3] 抗原結合タンパク質が、 アフィマーである、 請求項 2に記載の融合 タンパク質。

[請求項 4] 蛍光タンパク質が、 ◦ ?及び◦ ?様の/ 3バレル構造を有する蛍 光タンパク質と点変異体の円順列変異体から選択される 0末端にヘリ ックス構造を有する蛍光タンパク質である、 請求項 2または 3に記載 の融合タンパク質。

[請求項 5] 抗原結合タンパク質が、 <3末端に/ 3シート構造を有し、

蛍光タンパク質が、 !\1末端に/ 3シート構造を有し、

当該<3末端の/ 3シート構造と !\1末端の/ 3シート構造とが連結されて \¥0 2020/175502 50 卩(:171? 2020 /007568

いる、

請求項 1 に記載の融合タンパク質。

[請求項 6] 抗原結合タンパク質が、 ナノボディまたは 3〇 Vである、 請求項

5に記載の融合タンパク質。

[請求項 7] 蛍光タンパク質が、 ◦ 及び◦ 様の/ 3バレル構造を有する蛍 光タンパク質および点変異体、 並びにこれらの円順列変異体および欠 失変異体からなる群から選択される、 1\!末端に/ 3シート構造を有する 蛍光タンパク質である、 請求項 5または 6に記載の融合タンパク質。

[請求項 8] 蛍光標識されるタグが、 0末端にヘリックス構造を有する配列番号

9または 2 9に記載されるアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有 するハロアルカンデハロゲナーゼの脱ハロゲン化ドメインである、 請 求項 2または 3に記載の融合タンパク質。

[請求項 9] 蛍光タンパク質が、 0末端にヘリックス構造を有するフィ トクロム 系もしくはシアノバクテリオクロム系の近赤外蛍光タンパク質である 、 請求項 2または 3に記載の融合タンパク質。

[請求項 10] 請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、 組成 物。

[請求項 1 1 ] 請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする 核酸。

[請求項 12] 請求項 1 1の核酸を含み、 前記核酸は、 制御配列に作動可能に連結 したものである、 細胞内で融合タンパク質を発現させることに用いる ための遺伝子発現べクター、 または当該べクターで形質転換された細 胞、 もしくは 八を導入された細胞。

[請求項 13] 抗原の観察方法であって、

請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の融合タンパク質と結合した抗 原を観察することを含む、 方法。

[請求項 14] 抗原が、 水溶液内または細胞内もしくは細胞表面の抗原である、 請 求項 1 3に記載の方法。 \¥0 2020/175502 51 卩(:171? 2020 /007568

[請求項 15] 請求項 1 3または 1 4に記載の方法であって、

請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の融合タンパク質である第一の 融合タンパク質と結合した第一の抗原と、

請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の融合タンパク質である第二の 融合タンパク質 {但し、 第一の融合タンパク質と第二の融合タンパク 質の蛍光波長は異なる} と結合した第二の抗原と

のそれぞれを観察することを含む、 方法。

[請求項 16] 請求項 1 5に記載の方法であって、

第一の融合タンパク質および第二の融合タンパク質の蛍光相関分光 、 虽光相互相関分光を実施することを含む、 方法。

[請求項 17] 虽光相関分光、 および虽光相互相関分光が、 偏光虽光相関分光であ る、 請求項 1 6に記載の方法。

[請求項 18] 融合タンパク質のアミノ酸配列を設計する方法であって、

抗原結合タンパク質のアミノ酸配列である第一のアミノ酸配列と蛍 光タンパク質のアミノ酸配列である第二のアミノ酸配列を用意するこ とと、 ここで、 第一のアミノ酸配列の 1\1末端および第二のアミノ酸配 列の〇末端、 または、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のアミ ノ酸配列の 1\]末端が、 共にヘリックス構造であるか、 共に/ 3シート構 造であるか、 1\1末端または(3末端の一部を切除することで共にへリッ クス構造となるものであるか、 末端または〇末端の一部を切除する ことで共に/ 3シート構造となるものであり、

第一のアミノ酸配列の 1\!末端および第二のアミノ酸配列の〇末端、 または、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のアミノ酸配列の 末端を連結し、 これによって、 連結箇所がヘリックス構造または/ 3シ -卜構造の一部となるアミノ酸配列を得ることとを含む、 方法。

Description:
\¥02020/175502 1 ?<:17 2020 /007568 明 細 書

発明の名称 :

抗原結合タンパク質と蛍光タンパク質また は蛍光標識されるタグタンパク 質との融合タンパク質

技術分野

[0001] 本発明は、 抗原結合タンパク質と蛍光タンパク質または 蛍光標識される夕 グタンパク質との融合タンパク質に関する。

背景技術

[0002] タンパク質の可視化のために蛍光タンパク質 または蛍光標識されるタグタ ンパク質を標的タンパク質に連結させる技術 が開発されている。 これらの技 術は、 標的タンパク質の局在を蛍光顕微鏡下で観察 することに用いられる。

[0003] 蛍光は、 偏光を有することが知られている。 例えば、 緑色蛍光タンパク質 である◦ が偏光を有することが開示されている (非特許文献 1) 。 また 、 ◦ をセプチンというタンパク質に連結させてセ プチンの偏光を観察し た事例が開示されている (非特許文献 2) 。 非特許文献 2では、 出芽酵母の 細胞分裂面におけるセプチン繊維の配向が時 間と共に変化することが、 その 偏光を観察することで初めて明らかになった 。

先行技術文献

非特許文献

[0004] 非特許文献 1 : 1 门〇リ 6 6 I 3 I . , 八3, 99 : 4272

-4277, 2002

非特許文献 ,

「 6, 28, 466-469, 2006

発明の概要

[0005] 本発明は、 抗原結合タンパク質と蛍光タンパク質または 蛍光標識される夕 グタンパク質との融合タンパク質を提供する 。

[0006] 本発明者らは、 抗原結合タンパク質と蛍光タンパク質または 蛍光標識され \¥0 2020/175502 2 卩(:171? 2020 /007568

るタグタンパク質との融合タンパク質にお いて、 2つのタンパク質のへリッ クス同士を連結させた融合タンパク質、 および/ 3シート同士を連結させた融 合タンパク質を多数得た。 本発明者らは、 得られた融合タンパク質が抗原へ の結合性を保持し、 かつ蛍光の観察に適していることを見出した 。 本発明者 らはまた、 得られた融合タンパク質は、 蛍光偏光の観察に適していることを 見出した。

[0007] すなわち、 本発明によれば、 以下の産業上利用可能な発明が提供される。

( 1 ) 抗原結合タンパク質と蛍光タンパク質または 蛍光標識されるタグとの 融合タンパク質であって、

抗原結合タンパク質は、 末端にヘリックス構造または/ 3シート構造を有す る抗原結合タンパク質であり、

蛍光タンパク質または蛍光標識されるタグは 、 末端にヘリックス構造また は/ 3シート構造を有する蛍光タンパク質または 光標識されるタグであり、 当該末端のヘリックスと末端のヘリックスと が連結されている、 または 当該末端の /3シート構造と末端の /3シート構造とが連結されている、 融合タンパク質。

( 2 ) 抗原結合タンパク質が、 1\1末端にヘリックス構造を有し、

蛍光タンパク質または蛍光標識されるタグが 、 〇末端にヘリックス構造を 有し、

抗原結合タンパク質の末端のヘリックスと蛍 光タンパク質または蛍光標識 されるタグの末端のへリックスとが連結され ている、 上記 ( 1 ) に記載の融 合タンパク質。

( 3 ) 抗原結合タンパク質が、 アフィマーである、 上記 ( 2 ) に記載の融合 タンパク質。

( 4 ) 蛍光タンパク質が、 ◦ 及び◦ 様の/ 3バレル構造を有する蛍光 タンパク質と点変異体の円順列変異体から選 択される <3末端にヘリックス構 造を有する蛍光タンパク質である、 上記 ( 2 ) または ( 3 ) に記載の融合夕 ンパク質。 \¥0 2020/175502 3 卩(:171? 2020 /007568

(5) 抗原結合タンパク質が、 0末端に/ 3シート構造を有し、

蛍光タンパク質が、 1\1末端に/ 3シート構造を有し、

当該<3末端の/ 3シート構造と 1\1末端の/ 3シート構造とが連結されている、 上記 (1) に記載の融合タンパク質。

(6) 抗原結合タンパク質が、 ナノボディまたは 3〇 Vである、 上記 (5 ) に記載の融合タンパク質。

(7) 蛍光タンパク質が、 ◦ 及び◦ 様の/ 3バレル構造を有する蛍光 タンパク質および点変異体、 並びにこれらの円順列変異体および欠失変異 体 からなる群から選択される、 1\1末端に/ 3シート構造を有する蛍光タンパク質 である、 上記 (5) または (6) に記載の融合タンパク質。

(8) 蛍光標識されるタグが、 0末端にヘリックス構造を有する配列番号 9 または 2 9に記載されるアミノ酸配列に対応するアミ 酸配列を有するハロ アルカンデハロゲナーゼの脱ハロゲン化ドメ インである、 上記 (2) または

(3) のいずれかに記載の融合タンパク質。

(9) 蛍光タンパク質が、 〇末端にヘリックス構造を有するフィ トクロム系 もしくはシアノバクテリオクロム系の近赤外 蛍光タンパク質である、 上記 ( 2) または (3) に記載の融合タンパク質。

(1 0) 上記 (1) 〜 (9) のいずれかに記載の融合タンパク質を含む、 組 成物。

(1 1) 上記 (1) 〜 (9) のいずれかに記載の融合タンパク質をコード す る核酸。

(1 2) 上記 (1 1) に記載の核酸を含み、 前記核酸は、 制御配列に作動可 能に連結したものである、 細胞内で融合タンパク質を発現させることに 用い るための遺伝子発現べクター、 または当該べクターで形質転換された細胞、 もしくは 八を導入された細胞。

(1 3) 抗原の観察方法であって、

上記 (1) 〜 (9) のいずれかに記載の融合タンパク質と結合し た抗原を 観察することを含む、 方法。 \¥0 2020/175502 4 卩(:171? 2020 /007568

(1 4) 抗原が、 水溶液内または細胞内、 もしくは細胞表面の抗原である、 上記 (1 3) に記載の方法。

(1 5) 上記 (1 3) または (1 4) に記載の方法であって、

上記 (1) 〜 (9) のいずれかに記載の融合タンパク質である第 一の融合 タンパク質と結合した第一の抗原と、

上記 (1) 〜 (9) のいずれかに記載の融合タンパク質である第 二の融合 タンパク質 {但し、 第一の融合タンパク質と第二の融合タンパク 質の蛍光波 長は異なる} と結合した第二の抗原と

のそれぞれを観察することを含む、 方法。

(1 6) 上記 (1 5) に記載の方法であって、

第一の融合タンパク質および第二の融合タン パク質の蛍光相関分光、 及び 虽光相互相関分光を実施することを含む、 方法。

(1 7) 蛍光相関分光、 及び蛍光相互相関分光が、 偏光蛍光相関分光である 、 上記 (1 6) に記載の方法。

(1 8) 融合タンパク質のアミノ酸配列を設計する方 法であって、 抗原結合タンパク質のアミノ酸配列である第 一のアミノ酸配列と蛍光タン パク質のアミノ酸配列である第二のアミノ酸 配列を用意することと、 ここで 、 第一のアミノ酸配列の 1\1末端および第二のアミノ酸配列の〇末端、 または 、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のア ミノ酸配列の 1\1末端が、 共に ヘリックス構造であるか、 共に/ 3シート構造であるか、

の一部を切除することで共にヘリックス構造 となるものであるか、 1\1末端ま たは〇末端の一部を切除することで共に/ 3シート構造となるものであり、 第一のアミノ酸配列の 1\!末端および第二のアミノ酸配列の〇末端、 または 、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のア ミノ酸配列の 1\1末端を連結し 、 これによって、 連結箇所がヘリックス構造または/ 3シート構造の一部とな るアミノ酸配列を得ることとを含む、 方法。

(1 8八) 得られたアミノ酸配列をコードする核酸を得 ることを含む、 上記

(1 8) に記載の方法。 \¥0 2020/175502 5 卩(:171? 2020 /007568

(1 8巳) プロモーターに作動可能に上記 (1 8 ) において得られた核酸 を連結することを含む、 当該核酸を発現させるための遺伝子発現べク ターを 製造する方法。

(1 8〇 上記 (1 8) に記載の方法によって得られるアミノ酸配列 。

(1 8 0) 上記 (1 8 ) に記載の方法によって得られる核酸。

(1 8巳) 上記 (1 8巳) に記載の方法によって得られる遺伝子発現べ クタ 図面の簡単な説明

[0008] [図 1八]図 1 八は、 本発明の融合タンパク質における 2つのタンパク質の連結 方法 (ヘリックス同士の連結方法) を図解するものである。

[図 ]図 1 巳は、 それぞれのタンパク質の結晶構造から推定し て得た〇 _

3 干〇 とアフイマーとの融合タンパク質の立体構造 モデルを示す。

[図 1(:]図 1 〇は、 〇 一 3 干 0 ?とアフイマーとの融合タンパク質の結晶 構造解析結果を示す。

[図 2]図 2は、 蛍光タンパク質が〇 _ 3 干◦ であり、 アフイマーがアク チンに結合するアフイマーである本発明の融 合タンパク質を発現した細胞を 蛍光偏光顕微鏡下で観察した結果を示す。

[図 3]図 3は、 蛍光タンパク質が〇 アフイマーがアク チンに結合するアフイマーである本発明の融 合タンパク質を発現した細胞を 蛍光偏光顕微鏡下で観察した結果を示す。

[図 4]図 4は、 虽光タンパク質が〇 〇1丁リ 「 リ 〇 丨 3 6 2であり、 アフイ マーがアクチンに結合するアフイマーである 本発明の融合タンパク質を発現 した細胞を蛍光偏光顕微鏡下で観察した結果 を示す。

[図 5]図 5は、 蛍光標識されるタグがハロタグであり、 アフイマーがアクチン に結合するアフイマーである本発明の融合タ ンパク質の連結方法を図解する ものである。

[図 6八]図 6八は、 ハロタグとアクチンに対するアフイマーとの 融合タンパク 質の立体構造モデルと、 この融合タンパク質を発現する細胞を蛍光偏 光顕微 \¥0 2020/175502 6 卩(:171? 2020 /007568

鏡下で観察した結果を示す。

[図 68]図 6巳は、 ハロタグとアクチンに対するアフィマーとの 融合タンパク 質の立体構造モデルと、 この融合タンパク質を発現する細胞を蛍光偏 光顕微 鏡下で観察した結果を示す。 図 6八とは、 連結箇所のへリックスの巻き数が 異なる。

[図 6(:]図 6〇は、 ハロタグとアクチンに対するアフィマーとの 融合タンパク 質の立体構造モデルと、 この融合タンパク質を発現する細胞を蛍光偏 光顕微 鏡下で観察した結果を示す。 図 6 および図 6巳とは、 連結箇所のへリック スの巻き数が異なる。

[図 7八]図 7八は、 〇 一 3 干◦ とナノボディとの融合タンパク質の連結 方法を図解するものである。

[図 78]図 7巳は、 図 7八の連結方法で連結した〇 一 3 干◦ とビメンチ ンに結合するナノボディとの融合タンパク質 を発現する細胞を蛍光偏光顕微 鏡下で観察した結果を示す。

[図 7(:]図 7(3は、 図 7 と同様の連結方法で連結した、 ビメンチンに結合す るナノボディと〇 1 7 6— 1 7 2〇1 \/ 6 11リ 3との融合タンパク質を発現 する細胞を蛍光偏光顕微鏡下で観察した結果 を示す。

[図 8八]図 8八は、 八 丨 6とナノボディとの融合タンパク質の連結方 を図解するものである。

[図 88]図 8巳は、 図 8八の連結方法で連結した 八 丨 6とビメンチンに 結合するナノボディとの融合タンパク質を発 現する細胞を蛍光偏光顕微鏡下 で観察した結果を示す。

[図 9八]図 9八は、 〇 一 3 干〇 と 3〇 との融合タンパク質の連結方 法を図解するものである。

[図 98]図 9巳は、 と非筋ミオ シン I I に結合する 3〇 Vとの融合タンパク質を発現する細胞を蛍光 光顕微鏡下で観察した結果を示す。

[図%]図 9〇は、 図 7〇と同じ連結方法で連結した、 ミオシンに結合する 3 \¥0 2020/175502 7 卩(:171? 2020 /007568

〇 と〇 1 7 6— 1 7 2〇1 \/ 6 11リ 3との融合タンパク質を発現する細 胞を蛍光偏光顕微鏡下で観察した結果を示す 。

[図 10]図 1 0は、 表 1 に記載のユトロフィンのアクチン結合部位と 01巳〇 との融合タンパク質 (配列番号 3 5) の立体構造モデルと、 当該融合タン パク質を発現する細胞を蛍光偏光顕微鏡下で 観察した結果を示す。

[図 1 1]図 1 1は、 アクチンに結合するアフィマーと 01 3 0 8 「 丨 ㊀ との融 合タンパク質の 3次元構造モデルと、 当該融合タンパク質を用いて細胞を蛍 光偏光顕微鏡下で観察した結果を示す。

[図 12]図 1 2は、 アクチンに結合するアフィマーと〇1 6〇 1^〇 「㊀㊀门と の融合タンパク質の 3次元構造モデルと、 当該融合タンパク質を用いて細胞 を蛍光偏光顕微鏡下で観察した結果を示す。

[図 13]図 1 3は、 八 !_ 八タグに結合するナノボディと〇 1 7 6 - 1 7 2 m V e n u 3との融合タンパク質の 3次元構造モデルと、 当該融合タンパク 質と、 アフィマーと八 !_ 八タグとの融合タンパク質 (すなわち、 アクチン に結合するアフィマーの 1\!末端のアルファヘリックスを削り、 アルファヘリ ックスを連続させる形で八 !_ 八タグ配列をつないだ融合タンパク質) を共 発現させた細胞を蛍光偏光顕微鏡下で観察し た結果を示す。

[図 14]図 1 4は、 八 !_ 八タグを連結させたアクチンに結合するアフ ィマー の 3次元構造モデルを示す。 図中、 八!_ 八タグは、 暗いグレーで示され、 アフィマーは、 明るいグレーで示されている。

発明の詳細の説明

[0009] 本明細書では、 「抗原結合タンパク質」 とは、 ある特定の物質に結合する タンパク質を意味する。 抗原結合タンパク質は、 改変されたタンパク質もし くは非天然のタンパク質またはその抗原結合 性断片であり得る。 抗原結合夕 ンパク質としては、 アミノ酸配列を改変することによって抗原に 対する結合 親和性を付与でき、 かつ、 1\1末端もしくは(3末端の/ 3シート構造またはヘリ ックス構造を有するタンパク質 (例えば、 スキヤフォルドタンパク質) であ る限り特に限定されないが例えば、 抗体、 抗体の抗原結合断片 (例えば、 3 c F v) 、 ラクダやラマの重鎖抗体の単鎖可変ドメイン (V HH ドメイン) ( 例えば、 ナノボディ (商標) ) 、 細菌のアルブミン結合ドメインを基本骨格 とするスキヤフォルドタンパク質 (例えば、 ABD (商標) ) 、 ヒトフィブ ロネクチンの 1 〇番目のドメインを基本骨格とするスキヤフ ォルドタンパク 質 (例えば、 アドネクチン (Ad n e c t i n (商標) 、 F i n g R (商標 ) またはモノボディ (商標) ) ) 、 ブドウ球菌タンパク質 Aの Zドメインを 基本骨格とするスキヤフォルドタンパク質 (例えば、 アフィボディー (A f f i b o d y (商標) ) ) 、 ヒトアーB-クリスタリンを基本骨格とするス キヤフォルドタンパク質 (例えば、 アフィリン (A f f i 丨 i n (商標) )

) 、 古細菌の D N A結合タンパク質 S a c 7 dを基本骨格とするスキヤフォ ルドタンパク質 (例えば、 アフィチン (A f f i t i n (商標) ) ) 、 三重 逆平行へリックスを基本骨格とするスキヤフ ォルドタンパク質 (例えば、 ア ルファボディ (A I p h a b o d y (商標) ) ) 、 ヒトまたは昆虫のリポカ リンを基本骨格とするスキヤフォルドタンパ ク質 (例えば、 アンチカリン ( A n t i c a 丨 i n (商標) ) ) 、 アルマジロタンパク質を基本骨格とする スキヤフォルドタンパク質 (例えば、 アルマジロリピートタンパク質) 、 ヒ 卜 C型レクチンドメイン CT L D 3 を基本骨格とするスキヤフォルドタンパ ク 質 (例えば、 アトリマー (A t r i m e r (商標) ) ) 、 重合化 L D L R - Aモジユールを基本骨格とするスキヤフォル タンパク質 (例えば、 アビマ - (A V i m e r (商標) ) ) 、 ヒトテネイシン Cの F n 3 ドメインを基本 骨格とするスキヤフォルドタンパク質 (例えば、 センチリン (C e n t y r i n (商標) ) ) 、 ヒト F y nチロシンキナーゼの S H 3 ドメインを基本骨 格とするスキヤフォルドタンパク質 (例えば、 フィノマー (F y n〇 m e r (商標) ) ) 、 ヒト B PT I /LAC I -D 1 / I T I -D 2/A P P I を 基本骨格とするスキヤフォルドタンパク質 (例えば、 クニッツドメイン (k n i t z d om a i n (商標) ) ) 、 バイロバキユラム エロフィルムの アスパルチル t R N A合成酵素の〇 B形状を基本骨格とするスキヤフォルド タンパク質 (例えば、 才ーボディー (O b o d y (商標) ) ) 、 ヒトフィブ ロネクチン 丨 丨 丨の 1 4番目の細胞外ドメインを基本骨格とするス ヤフォ ルドタンパク質 (例えば、 プロネクチン (P r〇 n e c t i n (商標) ) )

、 無顎類の可変リンパ球受容体のロイシンリッ チリピートモジュールを基本 骨格とするスキヤフォルドタンパク質 (例えば、 レべボディ (R e p e b o d y (商標) ) ) 、 ヒトアンキリンリピートタンパク質を基本骨 格とするス キヤフォルドタンパク質 (例えば、 DAR P i n (商標) ) 及びステフィン Aまたはシスタチンを基本骨格とするスキヤ ォルドタンパク質 (例えば、 アフィマー (商標) ) が挙げられ (S k r l e c, K. e t a I . , 「 r e n d s i n B i o t e c h n o l o g y, V〇 I . J J , N o. 7 : 408— 4 1 8, 201 5) 、 これらのタンパク質の N 末端もしくは C末端の/ Sシート構造またはヘリックス構造が本発明 融合夕 ンパク質における連結に用いられ得る。 上記のスキヤフォルドタンパク質に おいて、 抗原への結合親和性に関与するアミノ酸の存 在部位は、 周知であり 、 当該部位のアミノ酸に関して、 リボソームディスプレイやファージディス プレイによって抗原への結合に適したものを 選択することによって、 所望の 抗原結合特性を有するスキヤフォルドタンパ ク質を得ることができる。 その 他、 抗原結合タンパク質としては、 N末端または C末端にヘリックスまたは /Sシートを有する抗原結合タンパク質は、 本発明において蛍光タンパク質と の融合タンパク質において用いることができ る。 スキヤフォルドタンパク質 とは、 パラトープを保持する (特にその立体形状を保持する) 機能を有する 、 親タンパク質 (改変前のタンパク質) と 3次構造において類似した骨格を 有するタンパク質をいう。 基本骨格とは、 スキヤフォルドタンパク質におい て、 意図された改変部位 (例えば、 パラトープ) 以外の部分を意味する。 パ ラトープとは、 抗原結合タンパク質において、 抗原と結合する部分を意味す る。

[0010] 本明細書では、 「蛍光タンパク質」 とは、 短波長の電磁波を照射すること によって、 そのエネルギーを吸収して電子が励起し、 これが基底状態に戻る 際に、 より長波長の電磁波を放出するタンパク質を いう。 蛍光タンパク質に \¥0 2020/175502 10 卩(:171? 2020 /007568

は、 可視光を放出する蛍光タンパク質、 および近赤外光を放出する近赤外蛍 光タンパク質が挙げられる。 蛍光偏光観察に適する蛍光タンパク質は、 蛍光 偏光観察に好ましく用いられ得る。 蛍光偏光観察に適する蛍光タンパク質お よび蛍光偏光観察に適さない蛍光タンパク質 は、 単なる蛍光観察に用いられ 得る。

[001 1 ] 本明細書では、 「アフィマー」 (八干 干 丨 01 6 〇 とは、 生物学的に不活 性であり、 物理的に安定なステフィン八またはシスタチ ンの改変体を基本骨 格として有するタンパク質であり、 当該基本骨格が有する 4本の/ 3シート構 造から同一側に提示される 2つのループに抗原結合部位を有するタンパ 質 である。 前記ループ部分のアミノ酸配列に多様性を持 たせることができる。 そして、 前記ループ部分のアミノ酸配列に多様性を持 たせることによって、 様々な抗原に対する結合性を有するアフィマ ーを取得することがファージデ ィスプレイによって可能となっている。 アフィマーの基本骨格としては、 例 えば、 0 2 0 0 9 / 1 3 6 1 8 2において開示された配列番号 1 に対応す るアミノ酸配列を有するステフィン八の改変 体を用いることができ、 ステフ ィン八の 4番目のグリシンがアルギニンで置換されて てもよいステフィン 八の改変体は当該基本骨格が有する 4本の/ 3シート構造から同一側に提示さ れる 2つのループ (例えば、 ステフィン八の 4 6〜 5 4番目のアミノ酸部位 および 6 7〜 8 4番目のアミノ酸部位) に異種アミノ酸配列を有するタンパ ク質である。 アフィマーは、 1\1末端に《ヘリックス構造を有する。 アフィマ —はまた、 植物由来のシスタチンを基本骨格として有す るタンパク質であり 得、 当該基本骨格が有する 4本の/ 3シート構造から同一側に提示される 2つ のループに抗原結合部位を有するタンパク質 である場合もある。 シスタチン を基本骨格とするアフィマーとしては、 例えば、 \^/〇2 0 1 4 / 1 2 5 2 9 0において開示された配列番号 1〜 6のいずれか 1つの配列が挙げられる。 アフィマ _の分子童は、 り得る。

[0012] 本発明では、 「ナノボディ」 とは、 抗体が重鎖と軽鎖とからなるのに対し て、 ある種の動物において発見された重鎖のみか らなる抗体の可変領域ドメ \¥0 2020/175502 1 1 卩(:171? 2020 /007568

インに基づく抗原結合タンパク質である。 この重鎖のみからなる抗体は、 ヒ トコブラクダ、 フタコブラクダ、 ラマ、 およびアルパカに共通して見られる 抗体であり、 上記重鎖の可変領域ドメインのみで抗原に結 合することができ る。 近年では、 軟骨魚類 (サメ等) においても類似した重鎖のみからなる抗 体が発見されている。 ナノボディは、 を有 し、 この 3つの 0 0 で抗原と結合する。 ナノボディは、 上記の重鎖のみか らなる抗体を産生する動物を抗原で免疫し、 免疫された動物から巳細胞を単 離し、 可変領域を含む〇 八ライブラリを得て、 1\/1 1 3ファージを用いた ファージディスプレイライブラリに組み込み 、 抗原でスクリーニングするこ とによって得ることができる。 ナノボディは、 1\1末端および(3末端に、 本発 明で蛍光物質を接続できる/ 3シート構造を有する。 本発明では、 ナノボディ の 末端および/または〇末端の 0シート構造、 例えば、 〇末端の 0シート 構造を蛍光タンパク質や蛍光標識されるタグ の/ 3シート構造と連結させるこ とができる。

[0013] 本明細書では、 」 は、 抗体の重鎖可変領域 ( 〇 と軽鎖可変領 域 (V とをフレキシブルなペプチドリンカーで連結 した単鎖の抗原結合夕 ンパク質である。 重鎖可変領域と軽鎖可変領域とで抗原認識を することによ って元となる抗体の抗原特異性を保持しなが ら、 重鎖可変領域と軽鎖可変領 域との会合を促進するためにフレキシブルな リンカーによって両者を接続し たものである。 フレキシブルなリンカーは、 3〇 Vと抗原との会合状態等 に応じて自由に構造を変化させることができ るものが用いられ、 例えば、 約 1 5アミノ酸のグリシンリッチな配列 (例えば、 親水性を確保するためにセ リンが揷入されることがある) が好ましく用いられ得る。 フレキシブルなリ ンカーとしては、 例えば、 一 3 -のアミノ酸配列を有するリン 力一が用いられ得る。 3〇 Vは、 フレームワーク配列を有する 3〇 V ( 例えば、 ヒトなどの哺乳動物のフレームワーク配列) の抗原結合部位をラン ダム化したファージライブラリーから所望の 抗原結合性を有することを指標 として選択して得ることができる。 3〇 は、 !\!末端および(3末端に本発 明で蛍光物質を接続できる/ sシート構造を有する。 本発明では、 s c F vの N末端および/または C末端の 0シート構造、 例えば、 C末端の /Sシート構 造を蛍光タンパク質や蛍光標識されるタグの / Sシート構造と連結させること ができる。

[0014] 本明細書では、 「DAR P i n」 とは、 Mo l e c u l a r p a r t n e r s AG社が開発した抗原結合タンパク質である。 DAR P i nは、 ア ンキリン反復単位 (通常、 2〜 30個程度) を有する人エタンパク質であっ て、 各反復単位は骨格残基および標的相互作用残 基を含む (例えば、 W02 002/020565参照) 。 アンキリン反復単位は、 2つの逆平行 aヘリ ックスとそれに続く /Sヘアピン {ここで/ Sペアピンは次の反復単位に結合す るループを有する} からなる共通の折りたたみ構造を有する。 アンキリン反 復単位が積み重なることで、 DAR P i nは、 湾曲した構造を形成する。 標 的相互作用残基は、 アンキリン反復単位の/ Sヘアピンおよび第一の aへリッ クスの露出した部分に存在し得る。 DAR P i nは、 抗原に対する結合性に 基づいて選択することにより得ることができ る。 DAR P i nは、 例えば、 ファージディスプレイ、 リポソームディスプレイ、 プラスミ ドディスプレイ などの方法を用いて得ることができる。 DAR P i nは、 末端に aヘリック スおよび他端に/ Sシートを有し、 本願発明で、 蛍光物質を接続する部位を提 供する。

[0015] 本明細書では、 「モノボディ」 とは、 F i n g Rまたはアドネクチン (A d n e c t i n) とも呼ばれ、 ヒトフィブロネクチンの 1 〇番目のドメイン (フィブロネクチン 丨 丨 丨型ドメイン) を基本骨格とするスキャフォルドタ ンパク質である。 このドメインは、 抗体の可変ドメインと同様の構造を有し 、 すなわち、 /Sサンドイッチを形成する 7本の/ Sシート構造と 3つの相補性 決定領域に対応する 3つのループを両側に有する。 抗原への結合特異性は、

2本目と 3本目の/ Sシートの間のループ B C、 4本目と 5本目の/ Sシートの 間のループ D E、 および 6本目と 7本目の/ Sシートの間のループ F Gのアミ ノ酸配列によって改変し得る。 あるいは、 3本目と 4本目の/ Sシートの間の \¥0 2020/175502 13 卩(:171? 2020 /007568

ループ〇〇および 6本目と 7本目の/ 3シ _卜の間のル _プ ◦に加えて 3本 目、 4本目、 6本目および 7本目の/ 3シートへのアミノ酸配列によって改変 し得る。 モノボディは、 1\1末端および(3末端に/ 3シートを有し、 蛍光物質を 接続する部位を提供し得る。

[0016] 本明細書では、 「あるアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列 を有する」 と は、 当該アミノ酸配列に加えて、 そのアミノ酸配列に対応する同じ機能を保 持したアミノ酸配列を有するものを包含する 意味で用いられる。 例えば、 種 間で配列が異なる場合、 特定の種のアミノ酸配列だけでなく、 近縁の種にお ける同じ機能を保持したアミノ酸配列は、 前記特定の種のアミノ酸配列を類 似性の高いアミノ酸配列を有する。 「あるアミノ酸配列に対応するアミノ酸 配列を有する」 とは、 このようなそのアミノ酸配列に対応する同じ 機能を保 持したアミノ酸配列を有することを意味し得 るものである。 例えば、 タンパ ク質では、 当該あるアミノ酸配列を有するタンパク質と 才ーソログの関係を 有する他の種のタンパク質を意味し得る。

[0017] 本発明では、 蛍光タンパク質が有する <3末端のへリックス構造 (例えば、

«ヘリックス、 3 / 1 0ヘリックス) とアフィマーが有する 1\!末端のへリッ クス構造を連結することができる。 連結された 2つのへリックスは、 一つの 大きなヘリックス構造を形成し得るが、 本発明の融合タンパク質は、 このよ うにして連結された蛍光タンパク質とアフィ マーとの融合タンパク質を提供 し得る。 連結は、 ヘリックス構造同士を直接的に結合すること によって行っ てもよいし、 またはリンカーを介して行ってもよい。 リンカーとしては、 例 えば、 ヘリックス構造を有するリンカー (ヘリックスリンカー) を用いるこ とができる。 ヘリックス構造同士を連結させる場合には、 ヘリックス構造の 長さ、 および/またはヘリックスリンカーの長さを 整することによって、 蛍光タンパク質と抗原結合性タンパク質との 結合角を調整することが可能と なる。 ヘリックスリンカーとしては、 特に限定されないが例えば、 配列番号 3、 1 0、 1 2、 1 4、 および 2 3のいずれかに記載のアミノ酸配列を有し うる。 [0018] 本発明では、 蛍光タンパク質が有する N末端の/ Sシート構造とナノボディ または s c F Vが C末端に有する/ Sシート構造を連結することができる。 連 結された 2つの/ Sシートは、 1つの大きな/ Sシート構造を形成し得るが、 本 発明の融合タンパク質は、 このようにして連結された蛍光タンパク質と ナノ ボディまたは s c F Vとの融合タンパク質を提供する。 連結は、 /3 -シート 同士を直接的に結合することによって行って もよいし、 またはリンカーを介 して行ってもよい。 リンカーとしては、 例えば、 /Sシート構造を有するリン 力一を用いるか、 または 1 もしくは 2〜数個のバリン (V) などの構造的に フレキシブルではないアミノ酸をリンカーと して用いることができる。

[0019] C末端にヘリツクス構造を有する蛍光タンパ 質としては、 G F Pの円順 列変異体 ( C P G F P) が用いられ得る。 G F Pの改変体蛍光タンパク質が 各種知られている。 円順列変異体蛍光タンパク質とは、 タンパク質の N末端 と C末端をリンカーを介してまたは介さずに連 し、 他の適当な部分で 2分 することによって、 N末端と C末端の配列の位置を変更させた変異体であ 。 円順列変異体は、 N末端および C末端が立体構造上で近傍に位置している ことが重要な条件となり得るが、 多くの蛍光タンパク質がこの条件を満たし 、 円順列変異体による蛍光タンパク質の改変は 、 標準的な蛍光タンパク質の 改変技術となっている。 本発明では、 円順列変異体により、 C末端にへリツ クス構造を有する蛍光タンパク質がアフィマ ーとの融合タンパク質の作製に 用いられ得る。 本発明ではまた、 円順列変異体により、 N末端に/ Sシート構 造を有する蛍光タンパク質が、 ナノボディまたは s c F Vとの融合タンパク 質の作製に用いられ得る。

[0020] G F Pの改変体蛍光タンパク質 {より具体的には、 例えば、 G F P G

F P様の/ Sバレル構造を有する蛍光タンパク質 (すなわち、 G F P様タンパ ク質) とその点変異体、 もしくはこれらの円順列変異体が挙げられる } とし ては例えば、 s u p e r f o l d e r G F P (s f G F P) 、 EG F P 、 C i t r i n e、 Ve n u s、 mVe n u s、 Y F P、 mA p p l e、 m 〇 r a n g e、 mC h e r r y、 B F P、 T a g B F P、 mT u r q u o i \¥02020/175502 15 卩(:171? 2020 /007568

リ 01、 013〇 3 「 1 6 1:、 01 6 〇 门〇 「 6 6 |·!、 01 6 1: リ 11 6および 1\1 丨 「 などの◦ 様蛍光タンパク質、 並びにこれらの改変体蛍光タン パク質の円順列変異体 (例えば、 〇末端にヘリックス構造を有する円順列変 異体である蛍光タンパク質;タンパク質名の 接頭辞として表記 “ ” を 付与することにより、 当該タンパク質が円順列変異体であることが 明示され る) を用いることができる。 ◦ の改変体蛍光タンパク質としては、 /3バ レルを構成する/ 3シートの順番を交換した置換体や、 / 3シートの数を減らし た/ 3バレル構造をもつ蛍光タンパク質が多数知 れており、 これらは本発明 の融合タンパク質に用い得る。 0末端にヘリックス構造を有する蛍光タンパ ク質としては、 01丁リ 「 9リ 1 〇 36の円順列変異体 (〇 01丁リ 「 9リ〇 1 36) を用いることができる。 01丁リ 「 リ I 056は、 1\1末端にへリッ クス構造を有するため、 円順列変異体である <3末端にヘリックス構造を有す る〇 01丁 リ 「 リ I 036を用い得る。 01丁リ 「 リ I 036としては、

および 01丁 丨 036 - 1 463, 並びにこれらの改変体蛍光タンパ ク質が知られ、 これらからなる群から選択される 1以上を <3末端にヘリック ス構造を有する円順列変異体に変換して用い ることができる。 これらのタン パク質の結晶構造は、 例えば、 P r o t e i n 0 a t a B a n k (9 06) において公開されており、 これらのタンパク質の 1\1末端もしくは〇末 端に存在する/ 3シート構造またはへリックス構造を、 本発明の融合タンパク 質の連結のために用いることができる。

本発明で用いられる〇末端にヘリックス構造 を有する と しては、 〇末端にヘリックス構造を有する限り特に限 定されないが、 例えば 、 配列番号 1のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を する〇 _ 3 干◦ を用いることができる。

[0021] C末端にヘリックス構造を有する蛍光タンパ 質としては、 フィ トクロム 系の近赤外蛍光タンパク質が挙げられる。 フィ トクロム系の近赤外蛍光タン パク質としては、 i R F Pおよび m i R F Pが挙げられる。 i R F Pは、 h o d o p s e u d omo n a s p a l u s t r i sの/、クテリオフィ トク ロム R p B p h P 2の PAS ドメインおよび G A F ドメイン (PAS-GA F) を含み、 ピリべルジン 丨 X aを取り込むことで近赤外の蛍光を発し、 二 量体化に必要な C末端の aヘリックスを欠き、 かつ、 S 1 3 L、 A92 T、 V 1 04 I、 V 1 1 4 I、 E 1 6 1 K、 Y 1 93 K、 F 1 98Y、 D 202 T、 1 203 V、 Y258 F、 A283V、 K288T、 および N 290 Y の変異を有する (F i I o n o v e t a I . , N a t . B i o t e c h n o l . , 29 (8) : 757 - 76 1 , 201 1参照) 。 m i

R F Pは、 R h o d o p s e u d omo n a s p a l u s t r i sのバクテ リオフィ トクロム R p B p h P Iの PAS ドメインおよび G A F ドメイン ( P AS-GA F) を含み、 ピリべルジン 丨 X aを取り込むことで近赤外の蛍 光を発し、 二量体化に必要な C末端の aヘリックスを欠き、 かつ、 各種変異 を有する (S h c h e r b a k o v a DM e t a I . , N a t u r e Comm u n i c a t i o n, 7 , A r t i c l e n u m b e r : 1 2405, 201 6参照) 。 m i R F Pとしては、 特に限定されな いが例えば、 m i R F P 670 (e x c i t a t i o n/e m i s s i o n a t 642/670 n m) 、 m i R F P 709 (e x c i t a t i o n/e m i s s i o n a t 683/709 n m) 、 および m i R F P 703 (e x c i t a t i o n/e m i s s i o n a t 673/ 703 n m) 、 並びにこれらの m i R F Pから誘導された m i R F Pが挙 げられる。 m i R F P 670は、 例えば配列番号 22に記載のアミノ酸配列 に対応するアミノ酸配列を有し得る。 これらのフィ トクロム系の近赤外蛍光 タンパク質は、 G A F ドメインの C末端にヘリックス構造を有し、 アフィマ —との融合タンパク質の作製に用いられ得る 。 また、 N o s t o c p u n \¥02020/175502 17 卩(:171? 2020 /007568

〇 I I 干〇 「 01㊀由来のシアノバクテリオクロム [¾3784の〇八 ド メインに由来する、 例えば 1 R F P 670 n a n oも本発明 の融合タンパク質の作製に用いられ得る。 R F P 670 n a n oとして は、 3784の◦八 ドメインに、 71\/1, 25〇, 1\/126

51 丁 571 丨 72丫, 0821\1, 1 ~ 187丫, N 99 1 , 】 ] ? !·!, 〇 1 1 91_, 1_ 1 36〇, 〇 1 39 Vの 1 8個の変異を 導入したものを用いることができる。 m i R F P 670 n a n oは、 1\1末端 にヘリックス構造を有し、 本発明において蛍光タンパク質との連結に用 いる ことができる。

[0022] ( 3末端にヘリックス構造を有する蛍光標 されるタグタンパク質としては

、 ロドコッカス属細菌のハロアルカンデハロゲ ナーゼの脱ハロゲン化ドメイ ンに由来する改変タンパク質が挙げられる。 ハロアルカンデハロゲナーゼの 脱ハロゲン化ドメインでは、 活性中心の八 3 1 06付近にリガンドが揷入 されるポケッ トを有する。 このポケッ トにリガンドが有する基一 1 ~ 1—〇1 ~ 1 2 〇1 ~ 1 2 —〇一〇1 ~ 1 2 〇1 _ 1 2 —〇一 (01 ~ 1 2 ) 6 —〇 丨が挿入される。 リガンドを虽 光物質とし、 これに基一 1\] 1 ~ 1-〇1 ~ 1 2 〇1 ~ 1 2 -〇一〇1 ~ 1 2 〇1 ~ 1 2 -〇一 (〇1 ~ 1 2 ) 6 - 0 I を導入することにより、 上記タグを付与したタンパク質に蛍光物質が 結合することができるようになる。 このような目的に用い得るハロアルカン デハロゲナーゼの脱/ \ロゲン化ドメインとしては、 脱ハロゲン化酵素活性を 喪失したハロアルカンデハロゲナーゼの脱/ ロゲン化ドメインが挙げられ、 例えば、 活性中心のヒスチジンがフエニルアラニンに 変換された活性変異体 (1 ~ 1272 ) を用いることができ、 例えば、 配列番号 9または 29に記載 のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有 する脱/ヽロゲン化ドメインが挙 げられる。 このハロアルカンデハロゲナーゼの脱ハロゲ ン化ドメインは、 〇 末端に《ヘリックスを有している。 リガンドと当該脱ハロゲン化ドメインと の結合は、 偏光観察に適する。 本発明では、 ハロアルカンデハロゲナーゼの 脱ハロゲン化ドメインおよびその活性変異体 の蛍光偏光観察における使用が 提供され得る。 リガンドに用いられ得る蛍光物質としては、 クマリン、 オレ ゴングリーン、 d i A c F AM、 テトラメチルローダミン (TM R) 、 S T E L LA F l u o r 650、 ST E L LA F l u o r 700、 ST E L L A F l u o r 720、 インドシアニングリーン、 A l e x a F I u o r 488、 および A I e x a F l u o r 660が挙げられ、 それ それが H a 丨 o t a gリガンドとして市販されている。

[0023] ヘリックス構造の長さは、 ヘリックス構造が形成される限り特に限定さ れ ない。 ヘリックス構造同士の連結においては、 連結部位のへリックスのアミ ノ酸の長さを変えることによって、 アフィマーとの結合角を変化させること ができ、 これによって蛍光タンパク質の偏光面をアフ ィマーに対して変化さ せることが可能である。 aヘリックスの場合には、 約 3. 5アミノ酸で 1周 するため、 aヘリックスを 1 アミノ酸長くすることによって、 結合角は約 1 00度変更される。 3/ 1 0ヘリックスにおいては、 約 3アミノ酸で 1周す るため、 ヘリックスを 1 アミノ酸長くすることによって結合角は約 1 20度 変更される。 ヘリックスの長さは、 アミノ酸の付加、 欠失、 および揷入から 選択される 1以上によって調節することができる。 また、 ヘリックスは、 そ の目的に応じて適宜その長さを調節すること ができる。 調節の方法は、 特に 限定されないが例えば、 融合タンパク質のいずれかのヘリックスの長 さを変 更することによって行ってもよいし、 融合タンパク質の連結部位にヘリック ス構造を有するぺプチドを揷入することによ って行ってもよい。 いずれの場 合にも、 連結部位の前後の領域を含むヘリックス構造 が新たに形成されて、 これにより融合タンパク質が、 より硬く連結することとなる。

[0024] /Sシート構造の長さは、 /Sシート構造が形成される限り特に限定され い 。 /Sシート構造同士の連結においては、 連結後に連結部前後の/ Sシート構造 を含む構造的にフレキシブルでない構造が新 たに形成されて、 これにより融 合タンパク質が、 より硬く連結することとなる。

[0025] 本発明の融合タンパク質は、 例えば、 以下であり得る :

(A) C末端にヘリックス構造を有する蛍光タンパ 質と N末端にヘリック \¥0 2020/175502 19 卩(:171? 2020 /007568

ス構造を有するアフィマーとの融合タンパ ク質 {但し、 2つのタンパク質は ヘリックス構造同士が連結される} ;

(巳) 〇末端にヘリックス構造を有するハロアルカ ンデハロゲナーゼの脱ハ ロゲン化ドメインと 1\1末端にヘリックス構造を有するアフィマー との融合夕 ンパク質 {但し、 2つのタンパク質はヘリックス構造同士が連 される} ; (〇) <3末端に /3シート構造を有するナノボディと 1\1末端に /3シート構造を 有する蛍光タンパク質との融合タンパク質 {但し、 2つのタンパク質は /3シ —卜構造同士が連結される} ;および

(〇) (3末端に /3シート構造を有する 3〇 Vと 1\1末端に /3シート構造を有 する蛍光タンパク質との融合タンパク質 {但し、 2つのタンパク質は /3シー 卜構造同士が連結される} 。

[0026] 本発明によれば、 本発明の融合タンパク質をコードする核酸 (例えば、 口 八である) が提供される。 本発明の融合タンパク質をコードする核酸は 、 少なくとも 1つの制御配列 (例えば、 プロモーター) と作動可能に連結され ていることができる。 本発明によれば、 少なくとも 1つの制御配列 (例えば 、 プロモーター) と作動可能に連結された本発明の融合タンパ ク質をコード する核酸を含む発現べクター (例えば、 哺乳動物の細胞に当該融合タンパク 質を発現させるベクター) が提供される。 制御配列としては、 特に限定され ないが例えば、 [¾ 八ポリメラーゼ丨 丨のプロモーターが挙げられ、 例えば 、 〇1\/1 即時早期、 1 ~ 1 3 チミジンキナーゼ、 早期および後期 3 4 0、 レ トロウイルスの!-丁[¾、 メタロチオネイン 丨などのプロモーターが挙げられ る。 大腸菌で発現させるためのプロモーターとし ては、 例えば、 I 3〇, I

、 3 -ホスホグリセリン酸キナーゼ、 などのプロモーターが挙げられる。 植 物で発現させるためのプロモーターとしては 、 例えば、 カリフラワーモザイ クウイルス (〇 3 1\/1 ) 3 5 3転写開始領域、 アグロバクテリウム ツメフ ァシエンスの丁一 0 八由来の 1’ または 2’ プロモーター、 および才ーキ シンなどのプロモーターが挙げられる。 出芽酵母で発現させるためのプロモ \¥0 2020/175502 20 卩(:171? 2020 /007568

-夕一としては、 例えば、 八0 1 ~ 1 1、 丁0 1 ~ 1 3、 〇[< 1、 〇八1_ 1が挙げ られる。 分裂酵母で発現させるためのプロモーターと しては、 例えば、 3 、 1 0†, n m t 1、 および〇1\/1 等のプロモーターが挙げられる。 発現 ベクターとしては、 プラズミ ド、 ファージ、 ファージミ ド、 コスミ ド、 フォ スミ ド、 人工染色体、 レトロウイルス、 レンチウイルス、 麻疹ウイルス、 ワ クシニアウイルス、 アデノウイルス、 アデノ随伴ウイルス、 およびセンダイ ウイルスなどが挙げられる。 本発明によれば、 これらの発現カセッ トをゲノ ム中に含む、 細胞 (例えば、 動物細胞、 植物細胞、 細菌、 古細菌、 および菌 類の細胞) が提供される。 その他、 制御配列に作動可能に連結した本発明の 融合タンパク質をコードする直鎖状または環 状口 を細胞に導入する方法 (導入後に安定発現株を取得してもよい) 、 ゲノム編集技術 (例えば、 丁八 !_巳 1\1、 1\1、 または〇 システム等) を用いて、 制 御配列に作動可能に連結した本発明の融合タ ンパク質をコードする直鎖状ま たは環状口 八を細胞のゲノムに導入する方法などを用い てもよい。

細胞に対して遺伝子発現べクターを用いずに 核酸を導入する方法や核酸に コードされるタンパク質を発現させる方法も 知られている。 制御配列 (例え ば、 プロモーター) を作動可能に連結した本発明の融合タンパク 質をコード する核酸 (例えば、 直鎖状核酸、 例えば、 直鎖状口 八) を細胞に導入して 本発明の融合タンパク質を細胞内に発現させ ることができる。 本発明の融合 タンパク質をコードする 八を細胞に導入して本発明の融合タンパク質 を細胞内に発現させることもできる。

[0027] 本発明によれば、 本発明の融合タンパク質をコードする核酸は 、 〇 八ま たはメッセンジャー[¾ 八 であり得る。

[0028] 本発明によれば、 本発明の融合タンパク質をコードする核酸を 含む組成物 が提供される。 本発明によれば、 本発明の融合タンパク質をコードする核酸 を含む遺伝子発現べクターを含む組成物が提 供される。 これらの組成物には 、 核酸および/または遺伝子発現べクターと賦 剤とを含み得る。 賦形剤と しては、 核酸および/または遺伝子発現べクターを安 化させるための賦形 \¥0 2020/175502 21 卩(:171? 2020 /007568

剤が挙げられる。 賦形剤としては、 塩、 キレート剤、 および 1 ~ 1調整剤が挙 げられる。

[0029] 本発明の融合タンパク質は、 タンパク質であるので、 細胞に導入するか、 または細胞に融合タンパク質をコードする核 酸を導入して強制発現させるこ とができる。 従って、 本発明の融合タンパク質は、 細胞内での抗原の観察に 用いることができる。 本発明によれば、 本発明の融合タンパク質を含む、 組 成物 (例えば、 本発明の融合タンパク質の細胞導入用の組成 物) が提供され うる。 本発明によれば、 本発明の融合タンパク質をコードする核酸を 含む、 組成物 (例えば、 本発明の融合タンパク質の細胞内発現用の組 成物) が提供 されうる。

[0030] 本発明によれば、 抗原の観察方法 (以下、 「本発明の融合タンパク質の観 察方法」 とも読み替えることができる) が提供される。 抗原の観察方法は、 本発明の融合タンパク質と結合した抗原を観 察することを含み得る。 ここで 「抗原」 とは、 特に限定されないが、 抗体の免疫原となり得る物質、 アフィ マーの免疫原となり得る物質、 ナノボディの免疫原となり得る物質、 または 3〇 Vの免疫原となり得る物質を意味し得るもの あり、 このような抗原 であれば、 例えば、 溶液中または細胞中において、 または細胞表面で、 本発 明の融合タンパク質との結合を形成し得る。 抗原は、 他のタンパク質と複合 体を形成していてもよく、 他のタンパク質と複合体を形成していなくて もよ い。 観察は通常、 溶液中または細胞中、 または細胞表面の本発明の融合タン パク質に結合した抗原に対して行われ得る。 観察は、 顕微鏡 (例えば、 蛍光 顕微鏡および蛍光偏光顕微鏡) 下で行われ得る。 本発明の融合タンパク質は 、 蛍光タンパク質と抗原結合タンパク質とが一 定の回転角で結合し、 蛍光が 有する偏光が抗原結合タンパク質に対して一 定する。 従って、 本発明の融合 タンパク質は、 好ましくは、 蛍光偏光顕微鏡下で観察されうる。

[0031 ] 本発明によれば、 抗原としては、 動物、 植物、 細菌、 菌類、 および古細菌 の抗原が挙げられる。 抗原としては、 細胞内の抗原、 細胞外の抗原、 および 細胞膜上の抗原が挙げられる。 抗原は、 遊離型でもよいし、 何らかの他の構 \¥02020/175502 22 卩(:171? 2020 /007568

成成分と複合体を形成していてもよい。 抗原は、 モノマー形態の抗原でもよ いし、 ポリマー形態の抗原でもよい。 本発明では、 細胞は、 受精卵、 多能性 幹細胞、 幹細胞、 前駆細胞、 体細胞、 および生殖細胞 (例えば、 卵細胞) の いずれであってもよい。 本発明では、 抗原は、 生物における細胞以外の構成 体、 例えば、 鞭毛 (例えば、 精子や微生物の鞭毛) の構成要素であってもよ い。 本発明によれば、 抗原は、 アクチン、 微小管、 セプチン、 および中間径 フィラメント等の細胞内骨格であり得る。 本発明によれば、 抗原は、 細胞内 のアクチン (例えば、 《 -アクチン、 /3 -アクチン、 および· ^ -アクチン)

、 微小管のチューブリン (例えば、 チューブリン、 チューブリン、 お よび· チューブリン) 、 セプチン、 および中間径フィラメント (例えば、 ケラチン、 〇 八 (グリア細胞線維性酸性蛋白質) 、 ビメンチン、 ニュー ロフイラメントー IV!、 ニューロフイラメントー!-、 ニューロフイラメントー 1 ~ 1、 インターネキシン、 ラミン巳 1、 ラミン巳 2、 ラミン八) 等の細胞 内骨格であり得る。 本発明によれば、 抗原としては、 特に限定されないが例 えば、 ミオシン (例えば、 ミオシン 丨、 ミオシン 丨 丨、 ミオシン 丨 丨 丨、 ミ オシン 丨 V、 ミオシン V、 ミオシン V I、 ミオシン V I 丨 丨、 およびミオシ ン 丨 X等のミオシン、 並びにこれらの重鎖または軽鎖) 、 ダイニン (例えば 、 軸糸ダイニンおよび細胞質ダイニン) 、 キネシン (特に限定されないが例 えば、 [< 1 1 八、 K \ F ] Ba s [< 1 1 巳/3、 < 1 1 〇、 < 1 2八 、 [< 丨 3、 [< 丨 4、 [< 丨 5、 [< 丨 1 3巳、 [< 丨 1 7、 [< 丨 26 八、 〇 2、 および< 丨 〇 3、 並びにキネシンスーパー ファミリーに属する他のキネシン) が挙げられる。 本発明によれば、 抗原は 、 特に限定されないが例えば、 膜タンパク質 (例えば、 受容体タンパク質、 ◦タンパク質、 イオン輸送体 (イオンチヤンネル、 イオンポンプ) 、 および トランスポータータンパク質が挙げられる。 本発明によれば、 抗原は、 特に 限定されないが例えば、 巳八[¾ドメインタンパク質 (八 丨 1 \¥0 2020/175502 23 卩(:171? 2020 /007568

〇 1 ~ 1 1\/1 ? 4巳、 〇 1 ~ 1 1\/1 ? 4〇) が挙げられる。 その他、 特に抗原 は、 上記に限られず、 様々な生体分子 (例えば、 タンパク質、 脂質、 核酸、 ホルモン、 および糖など) であり得る。 本発明によれば、 抗原は、 特に限定 されないが例えば、 脂質膜や脂質膜ドメインであり得る {例えば、 脂溶性の 蛍光色素や脂質結合モチーフを用い得る} 。 本発明によれば、 細胞内骨格以 外の細胞の構成要素も観察対象であり得る。 例えば、 本発明において偏光蛍 光相関分光または偏光蛍光相互相関分光を実 施する場合には、 細胞内骨格以 外の細胞の構成要素の回転拡散を評価するこ とができる。

[0032] 本発明によれば、 抗原の観察方法は、 蛍光相関分光 ( 0 3) を含み得る 。 蛍光相関分光は、 蛍光物質の分子運動を顕微鏡 (例えば、 共焦点顕微鏡ま たは 2光子顕微鏡など) 下で観察することを含み得る。 蛍光相関分光は、 本 発明の融合タンパク質に光 (例えば、 レーザー光) を照射して蛍光強度のゆ らぎを測定することを含み得る。 虽光相関分光は、 強度スペクトル (時間ス ぺクトル) を逆フーリエ変換して時間的自己相関を得る ことを含み得る。 虽 光相関分光は、 得られた結果から、 本発明の融合タンパク質の拡散運動 (並 進拡散運動) 、 および測定領域内の分子数を評価することが できる。 本発明 の方法は、 本発明の融合タンパク質の拡散係数を求める ことを含み得る。 本 発明によれば、 複数種の蛍光分子由来の蛍光強度変化の同時 測定は、 本発明 の複数種の融合タンパク質間の結合の検出に 用いられ得る。 本発明によれば 、 抗原の観察方法は、 ある態様では、 蛍光偏光を観察することを含み得る。 虽光偏光は、 虽光偏光顕微鏡下にて観察され得る。 偏光は、 偏光板を通して その強度を解析する等することにより、 融合タンパク質の回転拡散運動を評 価することができる。 本発明の方法は、 本発明の融合タンパク質の流体回転 半径を求めることを含み得る。 本発明によれば、 流体回転半径は、 本発明の 融合タンパク質の構造揺らぎ ·周囲の微視的環境の揺らぎの評価、 本発明の 融合タンパク質と他のタンパク質の結合の評 価、 または本発明の複数種の融 合タンパク質間の結合の評価に用いられ得る 。

[0033] 本発明によれば、 抗原の観察方法は、 ある態様では、 本発明の融合タンパ \¥0 2020/175502 24 卩(:171? 2020 /007568

ク質である第一の融合タンパク質と結合し た抗原と、 本発明の融合タンパク 質である第二の融合タンパク質 {但し、 第一の融合タンパク質と第二の融合 タンパク質の蛍光波長は異なる} と結合した第二の抗原とのそれぞれを観察 することを含み得る。 本発明によれば、 抗原の観察方法は、 本発明の融合夕 ンパク質である第一の融合タンパク質と結合 した抗原と、 本発明の融合タン パク質である第二の融合タンパク質 {但し、 第一の融合タンパク質と第二の 融合タンパク質の蛍光波長は異なる} と結合した第二の抗原と蛍光相関分光 ( 〇3) を含み得る。 本発明によれば、 抗原の観察方法は、 2つ以上の抗 原の蛍光強度の揺らぎの同時性を解析するこ と (蛍光相互相関分光 ( 〇〇 3) ) を含み得る。 2つ以上の抗原の蛍光強度を測定するために 、 2つ以 上の本発明の融合タンパク質 (すなわち、 第一の融合タンパク質、 第二の融 合タンパク質を用いることができ、 例えば、 第三の融合タンパク質を用いて もよく、 第四の融合タンパク質をさらに用いてもよく 、 更にまた必要に応じ てそれ以上の本発明の融合タンパク質を用い てもよい (但し、 それぞれの蛍 光波長は異なることが好ましい) 。 本発明によれば、 抗原の観察方法は、 あ る態様では、 虽光偏光を観察することを含み得る。 虽光偏光は、 虽光偏光顕 微鏡下にて観察され得る。 蛍光相関分光 ( 0 3) 、 および蛍光相互相関分 光 ( (3〇3) を偏光蛍光顕微鏡下で行うメリッ トは、 蛍光の回転拡散運動 を検出することができることである。 従って、 本発明では、 抗原の観察方法 は、 ある態様では、 蛍光偏光を観察して分子の回転拡散運動を検 出すること をさらに含んでいてもよい。 回転拡散運動は、 粒子径の変化に対して感受性 であるため、 偏光蛍光相関分光によれば、 2つ以上の抗原の結合状態をより 精密に評価することができると期待される。 本発明では、 抗原の観察方法は 、 ある態様では、 細胞内の 2つ以上の抗原の結合状態を評価すること、 また は溶液中の 2つ以上の抗原の結合状態を評価することを み得る。

[0034] 蛍光の偏光観察は、 蛍光偏光顕微鏡を用いて当業者が適宜行うこ とができ る。 偏光は、 例えば、 第一の偏光面と第二の偏光面を含む 2つまたはそれ以 上の偏光面に関して観察することができる。 偏光は、 第一の偏光面と第二の \¥02020/175502 25 卩(:171? 2020 /007568

偏光面と第三の偏光面と第四の偏光面を含 む 4つまたはそれ以上の偏光面に 関して観察することができる。 観察する偏光面を増やすにつれて、 蛍光分子 の回転の検出感度が高まると期待できる。

[0035] 本発明では、 本発明の融合タンパク質の観察は、 超解像度顕微鏡法により 行うことができる。 超解像度顕微鏡法としては、 例えば、 誘導放出抑制顕微 光活性化局在性顕微鏡法 ( 八1_1\/1) 、 確率的光学再構 築顕微鏡法、 走査型近接場光顕微鏡法 、 構造化照明顕微鏡法、 共焦点レーザー顕微鏡法、 および 2光子励起顕微鏡法によるものが挙げられ る。 超解像度顕微鏡法では、 光の回折限界以下の分解能 (例えば、 200 以下の分解能) で観察対象物を観察することができる。 更に全反射照明 下等、 適切な観察条件下では、 蛍光分子を 1分子レベルで輝点として検出す ることができる。 超解像度顕微鏡法においても、 蛍光相関分光 ( 03) お よび蛍光相互相関分光 ( (3〇3) 、 並びに蛍光に代えて発光物質を用いる 前記方法と同様に、 抗原の観察が可能である。 従来の超解像度顕微鏡法では 抗原の位置を計測するのみであったが、 本発明では複数の抗原の位置に加え て偏光の方向を同時に観察することで、 各抗原の構造上の相関関係を評価す ることが可能である。 これは、 超解像度顕微鏡法において従来存在しなかっ た点像変換アルゴリズムの実験的基盤となる ことが期待できる。

[0036] 本発明によれば、 配列番号 1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 1 0、

1 1、 1 2、 1 3、 1 4、 1 5、 1 6、 1 7、 1 8、 1 9、 20、 2 1、 2 2、 23、 24、 25、 26、 27、 28、 29、 30、 3 1、 32、 33 、 34、 35、 36、 37、 38、 39、 40、 4 1、 42、 および 43か らなる群から選択される 1つの配列番号に記載のアミノ酸配列を有す タン パク質、 およびこれをコードする核酸が提供される。 本発明によれば、 上記 核酸を含む、 細胞内発現用のベクターが提供される。

[0037] 本発明によれば、 融合タンパク質のアミノ酸配列を設計する方 法であって 抗原結合タンパク質のアミノ酸配列である第 一のアミノ酸配列と蛍光タン \¥0 2020/175502 26 卩(:171? 2020 /007568

パク質のアミノ酸配列である第二のアミノ 酸配列を用意することと、 ここで 、 第一のアミノ酸配列の 1\1末端および第二のアミノ酸配列の〇末端、 または 、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のア ミノ酸配列の 1\1末端が、 共に ヘリックス構造であるか、 1\1末端または(3末端の一部を切除すること 共に ヘリックス構造となるものであり、

第一のアミノ酸配列の 1\1末端および第二のアミノ酸配列の〇末端、 または 、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のア ミノ酸配列の 1\1末端を連結し 、 これによって、 連結箇所がヘリックス構造の一部となるアミ ノ酸配列を得 ることとを含む、 方法が提供される。 設計されたアミノ酸配列を有する融合 タンパク質は、 蛍光偏光観察に適したものであり得る。 好ましくは、 1\1末端 または<3末端の一部を切除することは、 抗原結合タンパク質の結合特性およ び蛍光タンパク質の蛍光特性を消失させない 。

[0038] 本発明によれば、 融合タンパク質のアミノ酸配列を設計する方 法であって 抗原結合タンパク質のアミノ酸配列である第 一のアミノ酸配列と蛍光タン パク質のアミノ酸配列である第二のアミノ酸 配列を用意することと、 ここで 、 第一のアミノ酸配列の 1\1末端および第二のアミノ酸配列の〇末端、 または 、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のア ミノ酸配列の 1\1末端が、 共に /3シートであるか、 1\1末端または〇末端の一部を切除することで 共に/ 3シー 卜となるものであり、

第一のアミノ酸配列の 1\1末端および第二のアミノ酸配列の〇末端、 または 、 第一のアミノ酸配列の〇末端および第二のア ミノ酸配列の 1\1末端を連結し 、 これによって、 連結箇所が/ 3シート構造の一部となるアミノ酸配列を得 こととを含む、 方法が提供される。 設計されたアミノ酸配列を有する融合夕 ンパク質は、 蛍光偏光観察に適したものであり得る。 好ましくは、 1\1末端ま たは<3末端の一部を切除することは、 抗原結合タンパク質の結合特性および 蛍光タンパク質の蛍光特性を消失させない。

[0039] 本発明によれば、 融合タンパク質を設計する方法であって、 \¥0 2020/175502 27 卩(:171? 2020 /007568

タンパク質のアミノ酸配列を用意すること と、 ここで、 当該アミノ酸配列 の少なくとも 1\1末端または(3末端がヘリックス構造を有 、

当該へリックスと八 1_ 八タグ (八 1_ 八タグは、 例えば、 配列番号 4 0 に記載のアミノ酸配列または対応する し タグのアミノ酸配列を有し得 る) のへリックスのアミノ酸配列とを連結し、 これによって、 連結箇所がへ リックス構造の一部となるアミノ酸配列を得 ることとを含む、 方法が提供さ れる。 設計されたアミノ酸配列を有する融合タンパ ク質は、 八1_ 八タグに 結合する抗原結合タンパク質と硬く連結した 蛍光タンパク質によって検出さ れ得、 蛍光偏光観察に用い得る。 好ましくは、 1\1末端または(3末端の一部を 切除することは、 タンパク質の機能性領域を欠失させない。 ある態様では、 上記タンパク質は、 抗原結合タンパク質であり得る。 ある態様では、 上記夕 ンパク質は、 観察対象であるタンパク質であり得る。 八1_ 八タグに結合す る抗原結合タンパク質としては、 八 1_ 八タグに結合するナノボディ、 3〇 、 アフィマーおよび上記で例示した抗原結合タ ンパク質が挙げられ、 蛍 光タンパク質も上記で例示した蛍光タンパク 質が挙げられ、 これらがへリッ クス構造同士、 または/ 3シート同士で連結された融合タンパク質 (例えば、 上記 (へ) 〜 (口) のいずれかの融合タンパク質であって、 八1_ 八タグに 結合する融合タンパク質) を、 八1_ 八タグを検出するために用いることが できる。 また、 検出されるタンパク質は、 1\1末端または〇末端にヘリックス 構造を有することが好ましく、 八 1_ 八タグのヘリックス構造と連結されて 、 連結部がヘリックス構造の一部となった、 融合タンパク質とすることがで きる。

[0040] 本発明によれば、 設計されたアミノ酸配列に基づいて、 当該融合タンパク 質をコードする核酸配列を得ることを含む、 方法が提供される。 本発明によ れば、 設計されたアミノ酸配列をコードする核酸配 列を有する核酸を製造す る方法が提供され得る。 本発明によれば、 設計されたアミノ酸配列をコード する核酸配列を有する核酸 (例えば、 口 八) が提供され得 る。 本願発明によればまた、 得られた核酸配列を有する核酸を含む遺伝子 発 \¥0 2020/175502 28 卩(:171? 2020 /007568

現べクターが提供される。 遺伝子発現べクターにおいては、 核酸は、 プロモ —ターに作動可能に連結させることができる 。 得られた遺伝子発現べクター は、 細胞に発現可能に導入されることによって、 細胞内で設計されたアミノ 酸配列を有する融合タンパク質を合成するこ とに用いることができる。 得ら れた融合タンパク質が、 蛍光偏光観察に適したものである場合には、 当該融 合タンパク質およびこれをコードする核酸は 、 蛍光偏光観察に有用であり得 る。

[0041 ] 本発明によれば、 上記によって設計されたアミノ酸配列に基づ いて、 融合 タンパク質を製造する方法が提供される。

実施例

[0042] 実施例 1 :円順列変異体〇 〇 _ 5 チ◦ とアフィマーとの融合タンパク質 の設計と観察

本実施例では、 円順列変異体〇 とアフィマーとの融合タン パク質を設計した。

[0043] アフィマーは、 ステフィン由来またはシスタチン由来のタン パク質であり 、 《ヘリックスとそれに接する 4本の折り返し シート構造とからなるタン パク質である。 4本の折り返し /3シートは、 《ヘリックスによって安定化さ れており、 固い 3次構造を有する。 4本の/ 3シートによって 3箇所のループ が形成されるが、 そのうち同じ側の 2箇所のループには、 アミノ酸を導入す ることができることが知られている。 導入するアミノ酸によってアフィマー が、 抗体のような抗原に対する選択的な結合親和 性を獲得できることも知ら れている。 また、 ファージディスプレイなどの技法によって、 所望の抗原に 対して結合親和性を示すアフィマーを設計す ることができることも明らかに なっている。

[0044] 本実施例では、 〇末端にヘリックス (3 / 1 0ヘリックスと考えられる) を有する〇 一 3 干〇 と、 1\1末立 に《ヘリックスを有するアフィマーと を、 当該〇末端のヘリックスと 1\!末端のヘリックスとをヘリックスりンカー を介して連結させて、 融合タンパク質を得た (図 1 八参照) 。 \¥0 2020/175502 29 卩(:171? 2020 /007568

[0045] 得られる融合タンパク質の予想される立体構 造モデルは、 図 1 巳に示され る通りであった。

[0046] としては、 配列番号 1 に記載のアミノ酸配列を有する〇 一 3 干〇 を用いた。 また、 アフイマーとしては、 配列番号 2に記載の アミノ酸配列を有するアフイマーを用いた。 このアフイマーは、 アクチン線 維 ( _アクチン) に選択的に結合することができる。 遺伝子工学的手法に より、 配列番号 1 に記載のアミノ酸配列と配列番号 2に記載のアミノ酸配列 とを、 配列番号 3に記載のアミノ酸配列を有するヘリックス ンカーを介し て、 インフレームで連結し、 これによって配列番号 4に記載のアミノ酸配列 を有する融合タンパク質を設計した。 配列番号 4は、 0末端に ! ~ 1八タグのア ミノ酸配列を含む。

[0047] 設計した融合タンパク質を大腸菌に産生させ て精製し、 得られた融合タン パク質を結晶化し、 X線結晶構造解析に供した。 得られた X線回折像から、 当該融合タンパク質は、 図 1 <3に示される結晶構造を有することが明ら と なった。 図 1 〇に示されるように、 〇 一 3 干◦ とアフイマーとは、 当 該〇末端のヘリックスと 1\!末端のヘリックスとが連結して 1本のヘリックス を新たに形成させたことが明らかとなった。

[0048] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (リポフエクタミン 3 0 0 0試薬 ) によって導入することにより、 1 ~ 1 6 !_ 3細胞に上記融合タンパク質を発現 させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 融 合タンパク質がアクチン繊維に結合したとき に、 結合した融合タンパク質の 蛍光の偏光面が揃っていれば、 蛍光の偏光 (異方性) が観察されると予想さ れる。 偏光ビームスプリッタを用いて縦の観察偏光 面と横の観察偏光面の像 を同時に取得し、 比較した。 結果は図 2に示される通りであった。 図 2に示 されるように、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が弱く 観察されるアク チン線維束 (矢尻参照) が、 観察偏光面が縦であるときに蛍光強度が強く 観 察される一方で、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が強く 観察されるア \¥0 2020/175502 30 卩(:171? 2020 /007568

クチン線維束 (矢印参照) が、 観察偏光面が縦であるときに弱く観察された 。 このことは、 アクチン繊維に結合した融合タンパク質の偏 光面が揃ってい ることを意味する。 同様の実験を、 1 ~ 1 6 !_ 3細胞に代えて !_ !_(3 _ < 1細 胞、 1< 2細胞、 酵母細胞やヒトデの卵母細胞、 または受精卵を用いて実 施し、 上記融合タンパク質の偏光を細胞内において 観察することができるこ とを確認した。

[0049] アフィマーは、 アクチン線維に対して揃った向きで結合する と考えられる 。 アクチン線維は、 アクチンモノマーの繰り返しにより構成され たポリマー であるからである。 融合タンパク質の偏光面が揃っているという ことは、 融 合タンパク質における

ていることを示すものである。 従って、 本発明の融合タンパク質において、

〇末端のヘリックスと 1\1末端のヘリックスとを連結させる方法は、 〇 _ 3

ィマーに対して固定化する方法論を提供する ものである。 アフィマーの 1\1末 端の《ヘリックスと連結するように、 3 干◦ の1\1末端のヘリックスを〇 末端に移動させる円順列変異体の作製がこの 固定化のための方法論に役立ち 得ることが示された。

[0050] これによって、 所望の抗原に対して結合して、 偏光を発する蛍光標識法が 構築できる。 この蛍光偏光標識法の戦略の有効性を以下実 施例によりさらに 確認した。

[0051 ] 実施例 2 :円順列変異体〇 11 リ 5とアフィマーとの鬲虫合タンパク質 の設計と観察

実施例 1 に開示した戦略を用いて、 〇 P m V 6 n u 3とアフィマーとを連 結させた。 具体的には、

ックスと、 アフィマーの 1\1末端に存在する《ヘリックスとをインフレ ームで 連結させて融合タンパク質を設計した。

[0052] c p m V e n u sとしては、 配列番号 5に記載のアミノ酸配列を有する蛍 光タンパク質を用いた。 アフィマーとしては、 実施例 1 と同じアミノ酸配列 \¥0 2020/175502 31 卩(:171? 2020 /007568

を有するアフイマーを用いた。 遺伝子工学的手法により、 配列番号 5に記載 のアミノ酸配列と配列番号 2に記載のアミノ酸配列とを、 アラニン ( ) を 介してインフレームで連結し、 これによって配列番号 6に記載のアミノ酸配 列を有する〇 01 6 11 リ 3とアフイマーとの融合タンパク質を設計し 。 配列番号 6は、 0末端に 1 ~ 1八タグのアミノ酸配列を含む。

[0053] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (アバランシエーエブリデートラ ンスフエクシヨン試薬) によって導入することにより、 細胞に上記 融合タンパク質を発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 3に示される通りであった。 図 3に示される ように、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が弱く 観察されるアクチン線 維束が、 観察偏光面が縦であるときに蛍光強度が強く 観察される一方で、 観 察偏光面が横であるときに蛍光強度が強く観 察されるアクチン線維束が、 観 察偏光面が縦であるときに弱く観察される様 子が認められた。 このことから 、 の〇末端に存在する 3 / 1 0ヘリックスと、 アフイマー の 1\!末端に存在する《ヘリックスとをインフレ ームで直接的に連結させて得 た融合タンパク質もまた、 偏光を示すものであった。

[0054] 実施 1 (列 3 :円川頁歹 1|変 : 異体〇〇 5 6 2とアフイマーとの鬲虫合

タンパク質の設計と観察

実施例 1 に開示した戦略を用いて、 〇 〇1丁 リ 「 リ 〇 I 3 6 2とアフイ マーとを連結させた。 具体的には、 〇 01丁 リ 「 リ 〇 I 3 6 2の〇末端に 存在する 3 / 1 0ヘリックスと、 アフイマーの 1\]末端に存在する《ヘリック スとをインフレームで連結させて融合タンパ ク質を設計した。

[0055] 〇 〇1丁リ 「 リ〇 I 3 6 2としては、 配列番号 7に記載のアミノ酸配列 を有する蛍光タンパク質を用いた。 アフイマーとしては、 実施例 1 と同じア ミノ酸配列を有するアフイマーを用いた。 遺伝子工学的手法により、 配列番 号 7に記載のアミノ酸配列と配列番号 2に記載のアミノ酸配列とをアラニン (八) を介してインフレームで連結し、 これによって配列番号 8に記載のア \¥0 2020/175502 32 卩(:17 2020 /007568

ミノ酸配列を有する〇 111丁 11 「 リ〇 1 3 6 2とアフイマーとの融合タン パク質を設計した。 配列番号 8は、 0末端に 八タグのアミノ酸配列を含む

[0056] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (アバランシエーエブリデートラ ンスフエクシヨン試薬) によって導入することにより、 細胞に上記 融合タンパク質を発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 4に示される通りであった。 図 4に示される ように、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が弱く 観察されるアクチン線 維束が、 観察偏光面が縦であるときに蛍光強度が強く 観察される一方で、 観 察偏光面が横であるときに蛍光強度が強く観 察されるアクチン線維束が、 観 察偏光面が縦であるときに弱く観察される様 子が認められた。 このことから 、 〇 〇1丁リ 「 9リ〇 1 3 6 2の〇末端に存在する 3 / 1 0ヘリックスと、 アフイマーの 1\1末端に存在する《ヘリックスとをインフレ ームで連結させて 得た融合タンパク質もまた、 偏光を示すものであった。

[0057] 上記実施例 1〜 3から、 蛍光タンパク質の <3末端のへリックスと、 アフイ マーの 末端のヘリックスとを連結する戦略は、 虽光の偏光面をアフイマー に対して固定することができ、 標的タンパク質 (すなわち、 アフイマーの抗 原) を蛍光偏光観察する新しい手法を提供するも のとなる。

[0058] 実施例 4 :蛍光標識されるタグとアフイマーとの融合 ンパク質の設計と観 皇

上記実施例に開示した戦略を用いて、 蛍光標識されるタグとアフイマーと を連結させた。 蛍光標識されるタグとしてはハロタグを用い た。 ハロタグは 、 細胞膜透過性の様々な蛍光リガンドと結合す ることができるタンパク質標 識技術である。 ハロタグとアフイマーとを連結させることに よって、 所望の 抗原に対してハロタグを導入することができ るが、 上記実施例に開示した戦 略を用いることで虽光偏光観察への適用を試 みた。

[0059] (1) 融合タンパク質 (1つ目) \¥0 2020/175502 33 卩(:171? 2020 /007568

ハロタグとしては、 配列番号 9に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質 を用いた。 アフィマーとしては、 実施例 1 と同じアミノ酸配列を有するアフ ィマーを用いた。 遺伝子工学的手法により、 配列番号 9に記載のアミノ酸配 列と配列番号 2に記載のアミノ酸配列とを配列番号 1 〇のアミノ酸配列を有 するヘリックスリンカーを介してインフレー ムで連結し、 これによって配列 番号 1 1 に記載のアミノ酸配列を有するハロタグとア フィマーとの融合タン パク質を設計した。 ハロタグは、 図 5に示されるように 0末端に《ヘリック ス構造を有する。 本実施例では、 この〇末端の《ヘリックスとアフィマーの 1\1末端の《ヘリックスとを上記ヘリックスり ンカーを介して連結させた (図 5参照) 。

[0060] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (リポフエクタミン 3 0 0 0試薬 ) によって導入することにより、 1 ~ 1 6 !_ 3細胞に上記融合タンパク質を発現 させた。 ハロタグリガンドとしては、 オレゴングリーンリガンドを用いて、 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 6八に示される通りであった。 図 6八に示されるように、 観察偏光面が横で あるときに蛍光強度が弱く観察されるアクチ ン線維束が、 観察偏光面が縦で あるときに蛍光強度が強く観察される一方で 、 観察偏光面が横であるときに 蛍光強度が強く観察されるアクチン線維束が 、 観察偏光面が縦であるときに 弱く観察される様子が認められた。 このことから、 ハロタグの〇末端に存在 する《ヘリックスと、 アフィマーの 1\!末端に存在する《ヘリックスとをイン フレームで直接的に連結させて得た融合タン パク質もまた、 偏光を示すもの であった。 偏光を示すということから、 蛍光色素とハロタグ、 アフィマーと の相互の結合がタイ トに固定されており、 その結合には柔軟性がほとんどな いものと考えられる。

[0061 ] このことから、 本実施例の戦略によってハロタグの〇末端に 存在する《へ リックスと、 アフィマーの 1\1末端に存在する《ヘリックスとを連結させ ると 、 アフィマーに対してハロタグが硬く結合する ことによって、 ハロタグに結 \¥0 2020/175502 34 卩(:171? 2020 /007568

合する蛍光標識を介して蛍光偏光観察が可 能となることが明らかとなった。

[0062] (2) 融合タンパク質 (2つ目 ;巻き数変更)

«ヘリックスは、 3 . 5アミノ酸で 1巻きするタンパク質の二次構造であ る。 《ヘリックス同士をアミノ酸をずらして連結 させること (巻き数変更) によって、 偏光面が回転するのかを確認した。

[0063] ハロタグとしては、 配列番号 9に記載のアミノ酸配列を有する蛍光タンパ ク質を用いた。 アフィマーとしては、 実施例 1 と同じアミノ酸配列を有する アフィマーを用いた。 遺伝子工学的手法により、 配列番号 9に記載のアミノ 酸配列と配列番号 2に記載のアミノ酸配列とを配列番号 1 2のアミノ酸配列 を有するヘリックスリンカーを介してインフ レームで連結し、 これによって 配列番号 1 3に記載のアミノ酸配列を有するハロタグと フィマーとの融合 タンパク質を設計した。 図 6八に示された融合タンパク質とはヘリック り ンカーの長さが 1 アミノ酸相違する (すなわち回転角が約 1 0 0度異なる)

。 図 6八と図 6巳とを比較すると理解できるように、 ハロタグに対するアフ ィマーの結合角が図 6八と図 6巳の融合タンパク質では異なる。

[0064] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (リポフエクタミン 3 0 0 0試薬 ) によって導入することにより、 1 ~ 1 6 !_ 3細胞に上記融合タンパク質を発現 させた。 ハロタグリガンドとしては、 オレゴングリーンリガンドを用いて、 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 6巳に示される通りであった。 図 6巳に示されるように、 観察偏光面が横で あるときに蛍光強度が弱く観察されるアクチ ン線維束が、 観察偏光面が縦で あるときに蛍光強度が強く観察される一方で 、 観察偏光面が横であるときに 蛍光強度が強く観察されるアクチン線維束が 、 観察偏光面が縦であるときに 弱く観察される様子が認められた。 このことから、 ハロタグの〇末端に存在 する《ヘリックスと、 アフィマーの 1\!末端に存在する《ヘリックスとをイン フレームで直接的に連結させて得た融合タン パク質もまた、 偏光を示すもの であった。 \¥0 2020/175502 35 卩(:171? 2020 /007568

[0065] このことから、 ハロタグの〇末端に存在する《ヘリックスと 、 アフィマー の 1\1末端に存在する《ヘリックスとは、 巻き数を変更して連結させても蛍光 偏光標識戦略として成立することが明らかと なった。 図 6八および図 6巳に 開示されたモデルによれば、 巻き数を変更することによって、 偏光の回転角 を自由に変えることが原理的に可能であるこ とが明らかである。

[0066] (3) 融合タンパク質 (3つ目 ;更なる巻き数変更)

«ヘリックス同士をアミノ酸を更にずらして 結させた (更なる巻き数変 更) 。

[0067] ハロタグとしては、 配列番号 9に記載のアミノ酸配列を有する蛍光タンパ ク質を用いた。 アフィマーとしては、 実施例 1 と同じアミノ酸配列を有する アフィマーを用いた。 遺伝子工学的手法により、 配列番号 9に記載のアミノ 酸配列と配列番号 2に記載のアミノ酸配列とを配列番号 1 4のアミノ酸配列 を有するヘリックスリンカーを介してインフ レームで連結し、 これによって 配列番号 1 5に記載のアミノ酸配列を有するハロタグと フィマーとの融合 タンパク質を設計した。 図 6八に示された融合タンパク質とはヘリック り ンカーの長さが 2アミノ酸相違する (すなわち回転角が約 2 0 0度異なる)

。 図 6八と図 6巳と図 6〇とを比較すると理解できるように、 ハロタグに対 するアフィマーの結合角が図 6八と図 6巳と図 6〇の融合タンパク質では異 なる。

[0068] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (リポフエクタミン 3 0 0 0試薬 ) によって導入することにより、 1 ~ 1 6 !_ 3細胞に上記融合タンパク質を発現 させた。 ハロタグリガンドとしては、 オレゴングリーンリガンドを用いて、 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 6〇に示される通りであった。 図 6 <3に示されるように、 観察偏光面が横で あるときに蛍光強度が弱く観察されるアクチ ン線維束が、 観察偏光面が縦で あるときに蛍光強度が強く観察される一方で 、 観察偏光面が横であるときに 蛍光強度が強く観察されるアクチン線維束が 、 観察偏光面が縦であるときに 弱く観察される様子が認められた。 このことから、 ハロタグの C末端に存在 する aヘリックスと、 アフィマーの N末端に存在する aヘリックスとをイン フレームで直接的に連結させて得た融合タン パク質もまた、 偏光を示すもの であった。 なお、 ハロタグリガンドとして、 オレゴングリーンリガンドに代 えて、 TMRリガンド、 HMS i Rリガンドを用いても強い偏光が観察され 、 ハロタグリガンドに用いられる蛍光物質によ らずに偏光の観察が可能であ った。

[0069] このことから、 ハロタグの C末端に存在する aヘリックスと、 アフィマー の N末端に存在する aヘリックスとは、 巻き数を変更して連結させても蛍光 偏光標識戦略として成立することがさらに確 認された。

[0070] 実施例 5 :円順列変異体 c p- s f G F Pとナノボディとの融合タンパク質 の設計と観察

本実施例では、 蛍光タンパク質とナノボディの融合タンパク 質を設計した

[0071] ナノボディは、 ヒト、 ウサギ、 及びマウスなどに見られる一般的な抗体 ( 重鎖と軽鎖を有する抗体) とは異なり、 重鎖のみからなる抗体 (例えば、 サ メやギンザメなどの軟骨魚類やラクダ、 ヒトコブラクダ、 ラマ、 アルパカな どの抗体) は、 重鎖可変領域のみで抗原に結合することがで きるものと、 重 鎖可変領域と軽鎖可変領域とに由来するもの がある。 これらの可変領域を含 むべプチドは、 分子量が通常の丨 g G抗体の 1 0分の 1ほど (おおよそ 1 2 〜 1 5 k D a) であり、 ナノボディと呼ばれる。 ファージディスプレイなど の技法によって、 所望の抗原に対して結合親和性を示すナノボ ディを設計す ることができることも明らかになっている。

[0072] s f G F P (s u p e r f o l d e r G F P) は、 オワンクラゲから得 られる G F Pの改変体である。 細胞内で迅速に構造形成 (f o l d i n g) することが特徴とされる。 本実施例では、 この s f G F Pとナノボディとを 13シート同士で連結することを試みた。 ナノボディは C末端に/ Sシートを有 するので、 N末端に/ Sシートを有する円順列変異体 c p_ s f G F P (詳細 \¥0 2020/175502 37 卩(:171? 2020 /007568

には、 〇 1 0 / 8 (1 0 / 9) 3 干〇 ) を構築した。

[0073] 配列番号 1 に記載のアミノ酸配列を有する蛍光タンパク 質を用いた。 ナノボディとして は、 配列番号 1 6に記載のアミノ酸配列を有する、 ビメンチンに結合するナ ノボディを用いた。 遺伝子工学的手法により、 配列番号 1 に記載のアミノ酸 配列を有する 配列番号 1 6に記載 のアミノ酸配列を有する、 ビメンチンに結合するナノボディの〇末端の / 3シ —卜とを連結させて、 配列番号 1 7に記載のアミノ酸配列を有する融合タン パク質を設計した。 配列番号 1 7に記載のアミノ酸配列は、 1\1末端に 1 ~ 1 丨 3 タグと丁 7タグを有する。 図 7八に予想される融合タンパク質の構造モデ を示す。 このモデルでは、 ナノボディが抗原に結合する部位は、 蛍光タンパ ク質とは反対方向に存在し、 抗原への接近可能性が担保されている。

[0074] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (アバランシエーエブリデートラ ンスフエクシヨン試薬) によって導入することにより、 細胞に上記 融合タンパク質を発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 7巳に示される通りであった。 図 7巳に示さ れるように、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が弱く 観察されるビメン チン繊維が、 観察偏光面が縦であるときに蛍光強度が強く 観察される一方で 、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が強く 観察されるビメンチン繊維が 、 観察偏光面が縦であるときに弱く観察される 様子が認められた。 このよう に、 作製した融合タンパク質は、 ビメンチン繊維を染色することができた上 に、 その虽光は偏光を示した。

[0075] このことから、

端の/ 3シートとを連結させて融合タンパク質を得 戦略は、 蛍光偏光標識に 有用であり得ることが示唆された。

[0076] 実施例 6 :ナノボディと 7 6— 1 7 2〇1 \/ 6 11リ 5との鬲虫合タンパク 質の設計と観察 \¥0 2020/175502 38 卩(:171? 2020 /007568

また、 ビメンチンに結合するナノボディ (配列番号 1 6) と〇 1 7 6— 1 7 2 m V e n u s (配列番号 3 0) とを V Vを介して連結した融合タンパ ク質 (配列番号 3 1、 配列番号 3 1 に記載のアミノ酸配列は、 1\!末端に 1 ~ 1 I 3タグと丁 7タグを有する。 ) を設計し (図 7〇の上のパネル参照) 、 実施 例 5と同様に 1 ~ 1 6 !_ 3細胞に発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク 質を発現した細胞を観察したところ、 図 7(3に示されるように、 細胞内のビ メンチンを観察することができ、 かつ、 その蛍光は偏光を示した。 その偏光 の方向は、 先の〇 一 3 干◦ の場合と異なっていた。 実施例 5の〇 一 3 干◦ と本実施例で用いた〇 1 7 6 - 1 7 2 m V e n u sとは、 基本 的に同じタイプの蛍光タンパク質であるが、 〇 の位置において相違する。 従って、 本実施例では、 様々な場所で蛍光タンパク質の円順列変異体 を作成 することで、 偏光の角度を変えることができることが示さ れた。

[0077] 実施例 7 : 八〇〇 I 6 とナノボディとの融合タンパク質の設計 と観察

そこで次に、 別の蛍光タンパク質である 八 丨 ㊀とナノボディとの融 合タンパク質を設計した。

[0078] 八 丨 6は、 配列番号 1 8に記載のアミノ酸配列を有する蛍光タンパ ク質を用いた。 ナノボディとしては、 配列番号 1 6に記載のアミノ酸配列を 有する、 ビメンチンに結合するナノボディを用いた。 遺伝子工学的手法によ り、 配列番号 1 8に記載のアミノ酸配列を有する 八 丨 6 の1\1末端の/ 3 シートと、 配列番号 1 6に記載のアミノ酸配列を有する、 ビメンチンに結合 するナノボディの〇末端の/ 3シートとを、 フレキシブルではないリンカー ( 「硬いリンカー」 ) を介して連結させて、 配列番号 1 9に記載のアミノ酸配 列を有する融合タンパク質を設計した。 配列番号 1 9に記載のアミノ酸配列 は、 1\1末端に 1 ~ 1 丨 3タグと丁 7タグを有する。 図 8八に予想される融合タン パク質の構造モデルを示す。 このモデルでは、 ナノボディが抗原に結合する 部位は、 蛍光タンパク質とは反対方向に存在し、 抗原への接近可能性が担保 されている。

[0079] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 \¥0 2020/175502 39 卩(:171? 2020 /007568

置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (アバランシエーエブリデートラ ンスフエクシヨン試薬) によって導入することにより、 細胞に上記 融合タンパク質を発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 8巳に示される通りであった。 図 8巳に示さ れるように、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が弱く 観察されるビメン チン繊維が、 観察偏光面が縦であるときに蛍光強度が強く 観察される一方で 、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が強く 観察されるビメンチン繊維が 、 観察偏光面が縦であるときに弱く観察される 様子が認められた。 このよう に、 作製した融合タンパク質は、 ビメンチン繊維を染色することができた上 に、 その虽光は偏光を示した。

[0080] このように、 ナノボディの〇末端の/ 3シート構造を利用し、 蛍光タンパク 質の 1\1末端に存在する/ 3シート構造と連結させることにより、 偏光性を喪失 することなく、 ナノボディの蛍光タンパク質標識が可能であ ることが明らか である。

[0081 ] 実施例 8 : 〇 13 - 3 干〇 と 〇 Vとの融合タンパク質の設計と観察

本実施例では、 1\1末端に/ 3 シート構造を有する を設計し 、 3〇 の〇末端に存在する/ 3シート構造と連結させて、 融合タンパク質 を得た。

[0082] 3〇 Vは、 抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをフレ キシブルなリン 力一で連結した構造を有するタンパク質であ る。 抗体から遺伝子工学的手法 により作製する場合には、 当該抗体の結合特性を維持させることができ る。 現在では、 3〇 Vをファージディスプレイで作製する手法が 知であり、 これにより所望の抗原に対して所望の結合特 性を有する 3〇 Vを入手する ことができる。

[0083] としては、 配列番号 1 に記載のアミノ酸配列を有する 3 干◦ の円順列変異体を用いた。 3〇 Vとしては、 配列番号 2 0に記載 のアミノ酸配列を有する、 非筋ミオシン 丨 丨 八に結合する 3〇 Vを用いた 。 遺伝子工学的手法によって、 配列番号 1 に記載のアミノ酸配列を有する \¥0 2020/175502 40 卩(:171? 2020 /007568

干◦ の1\1末端の/ 3シート構造と、 配列番号 2 0に記載のアミノ酸配列を 有する 3〇 Vの(3末端の/ 3シート構造とを直接的に連結させて、 配列番号 2 1 に記載のアミノ酸配列を有する融合タンパク 質を設計した。 配列番号 2 1 に記載のアミノ酸配列は、 1\1末端に 1 ~ 1 丨 3タグと丁 7タグを有する。 この 融合タンパク質の予想される立体構造は図 9 にされる。 3〇 Vの融合夕 ンパク質の抗原認識部位は、 融合させた〇 _ 3 チ◦ とは反対側に露出 しており、 抗原認識部位に対する抗原の接近可能性は担 保された。

[0084] 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下に配 置した発現べクターをリポフエクシヨン法 (アバランシエーエブリデートラ ンスフエクシヨン試薬) によって導入することにより、 細胞に上記 融合タンパク質を発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した。 結果は、 図 9巳に示される通りであった。 図 9巳に示さ れるように、 観察偏光面が横であるときに蛍光強度が弱く 観察される部分が 、 観察偏光面が縦であるときに蛍光強度が強く 観察される一方で、 観察偏光 面が横であるときに蛍光強度が強く観察され る部分が、 観察偏光面が縦であ るときに弱く観察される様子が認められた。 このように、 作製した融合タン パク質は、 ミオシンを染色することができた上に、 その蛍光は偏光を示した

[0085] さらに、 3〇 V (配列番号 2 0) と〇 1 7 6 - 1 7 2〇1 6门リ 3 ( 配列番号 3 0) とを ^を介して連結した融合タンパク質 (配列番号 3 2) を設計し (図 9(3の上のパネル参照) 、 同様に

蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察したところ、 図 9 〇に示されるように、 細胞内のミオシンを観察することができ、 かつ、 その 蛍光は偏光を示した。 その偏光の方向は、 先の〇 _ 3 チ◦ の場合と異 なっていた。 本実施例の〇 一 3 干〇 と。 1 7 6— 1 7 2〇1 \/ 6 11リ 3とは、 基本的に同じタイプの蛍光タンパク質である が、 〇 の位置におい て相違する。 従って、 本実施例では、 様々な場所で蛍光タンパク質の円順列 変異体を作成することで、 偏光の角度を変えることができることが示さ れた \¥0 2020/175502 41 卩(:17 2020 /007568

[0086] このように、 3〇 の〇末端の/ 3シート構造を利用し、 蛍光タンパク質 の 1\1末端に存在する/ 3シート構造と連結させることにより、 偏光性を喪失す ることなく、 3〇 Vの蛍光タンパク質標識が可能であることが らかであ る。

[0087] 実施例 9 : アフイマーと 3〇 3 「 I ㊀ 1:の融合タンパク質の設計と観察

3 「 I 6 の 1\1末端を削り、 アフイマーの〇末端の/ 3シートと連結 させて、 アフイマーと 8 「 丨 ㊀ との融合タンパク質を得た。 3〇 3 「 丨 6 としては、 1\1末端のアミノ酸を削り込んで作成した配列 番号 3 6 に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質を 用いた。 アフイマーとしては、 配列番号 2に記載のアミノ酸配列を有するアクチンに 合するアフイマーを 用いた。 遺伝子工学的手法によって、 これらを連結させ、 配列番号 3 7に記 載されたアミノ酸配列を有する融合タンパク 質を設計した。

[0088] 得られた融合タンパク質は、 図 1 1 に記載の 3次元構造モデルにより示さ れている。 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモータ —下に配置した発現べクターをリポフエクシ ヨン法 (リポフエクタミン 3 0 0 0試薬) によって導入することにより、 1 ~ 1㊀ !_ 3細胞に上記融合タンパク 質を発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察 した。

[0089] 結果は、 図 1 1 に示される通りであった。 図 1 1 に示されるように、 縦の 偏光および横の偏光による観察像が異なる結 果となり、 このことから、 得ら れた融合タンパク質は、 偏光顕微鏡観察下において抗原 (アクチン) に結合 して偏光を示す蛍光タンパク質であることが 明らかとなった。

[0090] 実施例 1 0 : アフイマーと 01 6 0 11〇 「 6 6 11の融合タンパク質の設計と 観察

01 6〇 11〇 「 6 6 の 1\1末端の/ 3シートを露出させ、 アフイマーの〇末 端の/ 3シートと連結させて、 アフイマーと との融合夕 ンパク質を得た。 01 6〇 11〇 「 6 6 |·!としては、 末端のアミノ酸を削り \¥0 2020/175502 42 卩(:171? 2020 /007568

込んで作成した配列番号 3 8に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質 用 いた。 アフィマーとしては、 配列番号 2に記載のアミノ酸配列を有するアク チンに結合するアフィマーを用いた。 遺伝子工学的手法によって、 これらを 連結させ、 配列番号 3 9に記載されたアミノ酸配列を有する融合タ パク質 を設計した。

[0091 ] 得られた融合タンパク質は、 図 1 2に記載の 3次元構造モデルにより示さ れている。 図 1 2では、 アフイマーの〇末端の/ 3シートと、 〇1 6〇 1^〇 「 ㊀㊀ の 末端の /3シートが一連の /3シートを形成しているようすが認めら れる。 設計した融合タンパク質をコードする口 八を適切なプロモーター下 に配置した発現べクターをリボフエクシヨン 法 (リポフエクタミン 3 0 0 0 試薬) によって導入することにより、 1 ~ 1 6 3 細胞に上記融合タンパク質を 発現させた。 蛍光偏光顕微鏡下で融合タンパク質を発現し た細胞を観察した

[0092] 結果は、 図 1 2に示される通りであった。 図 1 2に示されるように、 縦の 偏光および横の偏光による観察像が異なる結 果となり、 このことから、 得ら れた融合タンパク質は、 偏光顕微鏡観察下において抗原 (アクチン) に結合 して偏光を示す蛍光タンパク質であることが 明らかとなった。

[0093] 実施例 1 1 :タンパク質に八 !_ 八タグを導入して偏光蛍光観察をする丰法

本実施例では、 観察対象のタンパク質に対する結合タンパク 質を取得する ことなく、 当該タンパク質の蛍光偏光観察を可能とする 手法の構築を試みた 。 具体的には、 観察対象のタンパク質を八 !_ 八タグ (アルファタグ) で標 識し、 八 !_ 八タグに結合するナノボディでこれを検出す る系を構築した。

[0094] 具体的には、 上記検出系の検証のためのモデル系として、 ーアクチンに 結合するアフィマー (配列番号 2) に八 !_ 八タグ (配列番号 4 0) を導入 して、 配列番号 4 1 に記載のアミノ酸配列を有する融合タンパク 質を得た。 この融合タンパク質の 3次元構造モデルは、 図 1 3に示される通りであった 。 この融合タンパク質を 1 ~ 1 6 !_ 3 IV!細胞に発現させた。 これに対して、 抗八 !- 八タグナノボディ (配列番号 4 2) と〇 1 7 6 - 1 7 2〇1 6门リ 3 \¥0 2020/175502 43 卩(:171? 2020 /007568

の融合タンパク質 (配列番号 4 3) と接触させ、 蛍光偏光観察を行った。 抗 八1_ 八タグナノボディと〇 1 7 6 - 1 7 2〇1 6门リ 3の融合タンパク 質は、 ナノボディと〇 く連結した融合 タンパク質であり、 蛍光偏光観察に適したものである (参考:実施例 5) 。

[0095] 結果は、 図 1 3に示される通りであった。 図 1 3に示されるように、 縦の 偏光および横の偏光による観察像が異なる結 果となり、 このことから、 得ら れた融合タンパク質は、 偏光顕微鏡観察下において抗原 (ァクチン) に結合 して偏光を示す蛍光タンパク質であることが 明らかとなった。 本実施例の実 施形態においてはまず、 ーアクチンをアフィマーが硬く認識している 。 次 に、 アフィマーと八 !_ 八タグが硬く連結しており、 かつ、 八!_ 八タグを ナノボディが硬く認識している。 これにより、 いずれのタンパク間相互作用 も、 タンパク質間の連結も硬いものとなっていて 、 ーアクチンを〇 1 7 6 - 1 7 2 m V e n U 3の蛍光偏光を用いて観察できたということ 結論で きた。

[0096] 実施例 1 2 :他の実施例

その他、 以下表 1の融合タンパク質を設計して同様に蛍光偏 標識が可能 かを確認した。 下記のいずれにおいても、 抗原を蛍光標識することができた 上に、 その蛍光は明らかに偏光を示し、 蛍光偏光標識として利用可能である ことが確認された。 また、 抗原結合タンパク質としてアフィマー、 ナノボデ ィ、 および 3〇 Vを用いることができた。 なお、 表 1 において、 ユトロフ ィンは、 アクチンに結合するタンパク質として知られ たタンパク質である。

\¥02020/175502 44 卩(:171? 2020 /007568

[表 1]

表 1 :蛍光偏光標識の実施例

[0097] 以上の通り、 本実施例で設計した融合タンパク質は、 いずれも抗原の蛍光 観察に適する上に、 いずれも蛍光の偏光観察に適していた。 偏光観察におい ては、 虽光標識と抗原とが硬く (00113 1: に連結している ことが有利であると考えられる。 \¥0 2020/175502 45 卩(:171? 2020 /007568

[0098] 本実施例の結果によれば、 蛍光偏光標識をする際に、 蛍光タンパク質もし くは蛍光標識されるタグタンパク質の末端の へリックス構造と抗原結合タン パク質の末端のへリックス構造とを連結させ ること、 および蛍光タンパク質 の末端の/ 3シート構造と抗原結合タンパク質の末端の/ 3シート構造とを連結 させることが有効であり得る。 また、 末端にヘリックスまたは/ 3シート構造 を有しない蛍光タンパク質に関しては、 例えば、 末端にヘリックスまたは/ 3 シート構造を有するように蛍光タンパク質の 円順列変異体を作製することは 、 有用なタンパク質改変技術であり得る。

さらには、 ヘリックス同士は、 直接連結してもよく、 ヘリックス構造を有 しうるリンカーを介して連結してもよいこと が明らかとなった。 ヘリックス 構造を有しうるリンカーを介して連結する場 合には、 その長さを 1 アミノ酸 変更することによって、 融合タンパク質における 2つのタンパク質部分の結 合角を約 1 0 0度回転させることができ、 融合タンパク質の作製技術の戦略 の幅を広げるものとなり得る。 また、 シート構造同士を連結する場合にも 、 直接連結してもよく、 末端を削除して連結してもよく、 または、 バリン ( V) などの硬いアミノ酸残基を介して連結しても よいことが明らかとなった 。 偏光観察においては、 蛍光標識と抗原とが硬く (c o n s t 「 3 丨 n e d ) に連結していることが有利であるが、 偏光観察に対しては、 本実施例で示 した様々な連結方法がいずれも有効であるこ とが明らかとなった。

[0099] 配列表

配列番号 1 のアミノ酸配列の一例

配列番号 2 : アクチンに結合するアフイマーのアミノ酸配 列の一例 配列番号 3 :ヘリックスリンカーのアミノ酸配列の一例

配列番号 4 : 〇 一 3 干〇 ?とアフイマーとの融合タンパク質のアミノ 酸 配列の一例

配列番号 のアミノ酸配列の一例

配列番号 6 : 〇 01 6 11 リ 3とアフイマーとの融合タンパク質のアミノ 配列の一例 \¥0 2020/175502 46 卩(:171? 2020 /007568

配列番号 7 : 〇 01丁リ 「 リ〇 I 3 6 2のアミノ酸配列の一例

配列番号 8 : 〇 01丁リ 「 リ〇 I 5 6 2とアフィマーとの融合タンパク質 のアミノ酸配列の一例

配列番号 9 :ハロタグのアミノ酸配列の一例

配列番号 1 0 :ヘリックスリンカー 2のアミノ酸配列の一例

配列番号 1 1 :ハロタグとアフィマーとの融合タンパク質 アミノ酸配列の

_例

配列番号 1 2 :ヘリックスリンカー 3のアミノ酸配列の一例

配列番号 1 3 :ハロタグとアフィマーとの融合タンパク質 アミノ酸配列の

_例

配列番号 1 4 :ヘリックスリンカー 4のアミノ酸配列の一例

配列番号 1 5 :ハロタグとアフィマーとの融合タンパク質 アミノ酸配列の

_例

配列番号 1 6 : ビメンチンに結合するナノボディのアミノ酸 配列の一例 配列番号 1 7 :ナノボディと〇 _ 3 干◦ との融合タンパク質のアミノ 酸配列の _

配列番号 1 8 : 〇1八 丨 ㊀のアミノ酸配列

配列番号 1 9 :ナノボディと 八 丨 6との融合タンパク質のアミノ酸配 列の一例

配列番号 2 0 :非筋ミオシン 丨 丨 に結合する 3〇 Vのアミノ酸配列の一 例

配列番号 2 1 : 3〇 と〇 一 3 干〇 との融合タンパク質のアミノ酸 配列の一例

配列番号 2 2 : 01 1 [¾ 6 7 0のアミノ酸配列

配列番号 2 3 :ヘリックスリンカー 5のアミノ酸配列の一例

配列番号 2 4 : 6 7〇とアフィマーとの融合タンパク質のアミ 酸配列の _

配列番号 2 5 :ナノボディと〇 〇1丁リ 「 リ〇 I 5 6 2との融合タンパク 質のアミノ酸配列の一例

配列番号 26 :ナノボディと c pmVe n u sとの融合タンパク質のアミノ 酸配列の _

配列番号 27 : s c F vと c pmT u r q u o i s e 2との融合タンパク質 のアミノ酸配列の一例

配列番号 28 : H a l 〇 a I k a n e d e h a I o g e n a s eのアミノ 酸配列

配列番号 29 : H a l o a l k a n e d e h a l o g e n a s eの H 27 2 F変異体のアミノ酸配列

配列番号 30 : c p 1 76— 1 72mVe n u sのアミノ酸配列の一例 配列番号 3 1 :ナノボディと c p 1 76- 1 72mVe n u sとの融合タン パク質のアミノ酸配列の一例

配列番号 32 : s c FVと c p 1 76- 1 72mVe n u sとの融合タンパ ク質のアミノ酸配列の一例

配列番号 33 :ユトロフィンのアクチン結合部位のアミノ 配列の一例 配列番号 34 : mEG F Pのアミノ酸配列の一例

配列番号 35 :ユトロフィンのアクチン結合部位と m EG F Pとの融合タン パク質のアミノ酸配列の一例

配列番号 36 : N末端を切除した mS c a r 丨 e tの断片のアミノ酸配列の _例

配列番号 37 : アクチンに結合するアフィマーと m S c a r l e tとの融合 タンパク質のアミノ酸配列の一例

配列番号 38 : N末端を切除した mN e〇 n G r e e nの断片のアミノ酸配 列の一例

配列番号 39 : アクチンに結合するアフィマーと mN e o n G r e e nとの 融合タンパク質のアミノ酸配列の一例

配列番号 40 : A L F Aタグのアミノ酸配列の一例

配列番号 4 1 : AL F Aタグが導入されたアフィマーのアミノ酸配 の一例 \¥02020/175502 48 卩(:17 2020 /007568 配列番号 42 :抗 1_ タグナノボディのアミノ酸配列の一例 配列番号 43 :抗八 1_ 八タグナノボディと〇 1 76- 1 72 111 3との融合タンパク質のアミノ酸配列の一例