Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
GAS BEARING SPINDLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104542
Kind Code:
A1
Abstract:
A gas bearing spindle stably operated even when a rotating shaft is rotating at high speed. The gas bearing spindle (1) comprises the rotating shaft (10) and a bearing sleeve (30). The bearing sleeve (30) is so disposed as to be opposed to at least a part of the side surface of the rotating shaft (10). The bearing sleeve (30) contains the mixture of carbon and a material different in coefficient of linear expansion from the carbon.

Inventors:
HIRATA JUNICHI (JP)
HARAGUCHI TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052512
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
February 16, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
HIRATA JUNICHI (JP)
HARAGUCHI TAKASHI (JP)
International Classes:
F16C32/06
Foreign References:
JPH04262116A1992-09-17
JPH03244827A1991-10-31
JPH02256915A1990-10-17
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (JP)
Hisao Fukami (JP)
Download PDF:
Claims:
 回転軸(10)と、
 前記回転軸(10)の側面の少なくとも一部に対向するように配置された軸受スリーブ(30)とを備え、
 前記軸受スリーブ(30)は、カーボンと、前記カーボンと線膨張係数の異なる材料との混合体を含む、気体軸受スピンドル(1)。
 前記回転軸(10)は前記カーボンより線膨張係数の大きな材料により形成され、
 前記混合体を構成する前記材料は、前記カーボンの線膨張係数より大きな線膨張係数を有する、請求の範囲第1項に記載の気体軸受スピンドル(1)。
 前記混合体を構成する前記材料は樹脂であり、
 前記軸受スリーブ(30)において前記回転軸(10)と対向する部分は、前記カーボンと前記樹脂との混合物を成形した成形体により構成される、請求の範囲第1項に記載の気体軸受スピンドル(1)。
 前記混合体を構成する前記材料は金属であり、
 前記軸受スリーブ(30)において前記回転軸(10)と対向する部分は、前記カーボンと前記金属との焼結体である、請求の範囲第1項に記載の気体軸受スピンドル。
 前記軸受スリーブ(30)は、前記軸受スリーブ(30)の質量を調整するための質量調整用部品(32)を含む、請求の範囲第1項に記載の気体軸受スピンドル。
 前記質量調整用部品(32)は前記軸受スリーブ(30)に複数個設置され、
 複数の前記質量調整用部品(32)は前記軸受スリーブ(30)の中心軸に対して軸対称な位置に配置される、請求の範囲第5項に記載の気体軸受スピンドル。
 前記質量調整用部品(32)は前記軸受スリーブ(30)に複数個設置され、
 前記軸受スリーブ(30)の中心軸に沿った方向における、前記軸受スリーブ(30)の重心の位置は、前記軸受スリーブ(30)の前記中心軸に沿った方向における中央部に位置する、請求の範囲第5項に記載の気体軸受スピンドル。
 前記質量調整用部品(32)を構成する材料は、前記軸受スリーブ(30)において前記質量調整用部品(32)以外の部分を構成する材料の線膨張係数の値以上の線膨張係数の値を有し、
 前記質量調整用部品(32)の少なくとも一部が前記軸受スリーブ(30)に嵌め込まれることにより、前記質量調整用部品(32)は前記軸受スリーブ(30)に固定されている、請求の範囲第5項に記載の気体軸受スピンドル。
 前記質量調整用部品(32)は前記軸受スリーブ(30)に着脱可能に設置されている、請求の範囲第5項に記載の気体軸受スピンドル。
 前記軸受スリーブ(30)には、内部にネジ加工が施された固定用孔(34)が形成され、
 前記質量調整用部品(32)の表面にはネジ加工部が形成され、
 前記質量調整用部品(32)は前記固定用孔(34)にねじ込まれることにより固定される、請求の範囲第9項に記載の気体軸受スピンドル。
 前記軸受スリーブ(30)の側面端部には、前記側面の外周に沿ってネジ加工部(45)が形成され、
 前記質量調整用部品(32)は、内周部にネジ加工が施されたリング状部材であって、
 前記質量調整用部品(32)は、前記ネジ加工が施された内周部を前記軸受スリーブ(30)の前記ネジ加工部(45)と嵌合させることにより固定されている、請求の範囲第9項に記載の気体軸受スピンドル。
Description:
気体軸受スピンドル

 この発明は、気体軸受スピンドルに関し より特定的には、高速回転時でも安定して 用可能な気体軸受スピンドルに関する。

 ハウジング内部において、回転軸と回転 に対向する部材との間の微小な隙間に圧縮 気などの気体が供給されることにより、回 軸がハウジングに対して支持される気体軸 スピンドルが従来知られている。このよう 気体軸受スピンドルでは、回転軸がハウジ グに対して非接触の状態で支持される。そ ため、軸受における摩擦損失が小さいだけ なく、回転軸と、回転軸に対向する部材と 通常は直接接触せず、正常な運転状態であ 限り、当該部材の疲労や摩耗が生じない。 のような特徴を生かして、気体軸受スピン ルは精密加工機、穴加工機、静電塗装機な に使用される高速スピンドルとして広く使 されている。

 この気体軸受スピンドルにおいては、そ 性能を向上させるために種々の提案がなさ ている。たとえば、回転軸と、回転軸に対 する部材とが万一接触した場合でも、回転 の焼付きを回避するため、回転軸に対向す 部材として黒鉛からなる内壁を有する軸受 リーブを採用することが提案されている。 た、回転軸に対向する部材としての軸受ス ーブを、ハウジングに対してOリングを介し て支持することにより、回転軸の振れ回り振 動を吸収するといった構成も提案されている (たとえば、特許文献1(特開2002-295470号公報)参 照)。

 図4は、上記特許文献1に示されている従 の気体軸受スピンドル(静圧空気軸受スピン ル)のジャーナル軸受部を示す断面模式図で ある。図4を参照して、従来の気体軸受スピ ドルの一例について説明する。

 図4に示した従来の気体軸受スピンドルは 、回転軸110の外径面に気体軸受のためのジャ ーナル軸受隙間113を隔てて軸受スリーブ130が 配置されている。軸受スリーブ130の両端部は 、4本のOリング141~144を介してハウジング120に 支持されている。Oリング141~144は、ハウジン 120と軸受スリーブ130との間の周状空間122を 密にシールすると共に、その弾性により回 軸110の振れ回り振動を減衰させる。回転軸1 10は軸受隙間113に供給される高圧気体により 転自在に非接触支持される。また、図示は ないが回転軸110は軸方向にも高圧気体によ 非接触支持される。

 気体軸受用の高圧気体は、ハウジング120に 成された給気通路121を通して、ハウジング1 20の内径と軸受スリーブ130の外径との間の周 空間122に供給される。そして、軸受スリー 130の両端部付近において周状に複数形成さ た軸受ノズル151から回転軸110外周の軸受隙 113に当該高圧気体は噴出される。なお、図4 における回転軸110の右端には工具等が取付け 可能である。また、回転軸110は図示しない駆 動手段によって駆動される。

特開2002-295470号公報

 気体軸受スピンドルは、耐焼付き性を向上 せるため、軸受スリーブ130を潤滑性に優れ 黒鉛で形成すると共に、回転軸110を鉄鋼系 属で形成する場合が多い。しかしこのよう 従来の気体軸受スピンドルでは次のような 題が生じる可能性がある。すなわち、
 (1)回転軸110が高速回転すると軸受隙間113で 気体摩擦により熱が発生する。ところが、 受スリーブ130は通常Oリング141~144によって ウジング120に弾性支持されているため、軸 スリーブ130からハウジング120への伝熱性は 好ではない。この結果、軸受隙間113からの 熱が悪く、回転軸110及び軸受スリーブ130の 度が上昇する場合がある。すると、軸受ス ーブ130の材料である黒鉛の線膨張係数が回 軸110の材料である鉄鋼系材料より小さいた 、径方向での寸法増加は軸受スリーブ130よ 回転軸110のほうが大きくなる。そのため、 転軸110が高速回転すると軸受隙間113が次第 狭くなり、場合によっては軸受隙間113がゼ になって回転軸110と軸受スリーブ130とが接 する可能性があった。そして、このような 題は高速回転の用途ほど深刻である。

 例えば、軸受スリーブ130を線膨張係数α 1 =4×10 -6 /℃の黒鉛により構成し、回転軸110を線膨張 数α 2 =17×10 -6 /℃のステンレス鋼により構成する場合を考 る。ここで、軸受スリーブ130の内半径(ジャ ナル軸受半径)r 1 =20mm、軸受隙間113(軸受半径隙間)Cr=0.005mmと仮 する。この場合、各部材の温度上昇を均一 仮定すると、約19℃の温度上昇(=δT)でCr=0と る。なお、このことは以下の数式から計算 きる。

 δCr 1 =r 1 2 1 )δT  (ただし、δCr 1 :軸受半径隙間変化量)
 上述のようにCr=0となる現象(軸受半径隙間 ロとなる現象)を防ぐ方法として、まず軸受 間113を大きく設定することが考えられる。 かし、軸受隙間113を大きくすると軸受剛性 小さくなるため、気体軸受スピンドルが高 性を必要とする場合には適用できない。ま 、軸受隙間113を大きくすることは振れ回り 抑制する上でも好ましくない。

 一方黒鉛と同程度に線膨張係数の小さい インバー合金やセラミックス等の材料で回 軸110を形成する方法も考えられるが、この うな材料は一般に高価であり、現実的な解 方法とはいえない。

 (2)図4に示した気体軸受スピンドルにおい ては、黒鉛製の軸受スリーブ130をハウジング 120に弾性支持するのは、Oリングの弾性変形 伴う減衰性能によって回転軸110と軸受スリ ブ130間の相対振動を減衰させるためである このとき、黒鉛製の軸受スリーブ130は質量 軽いために、ハウジング120に対して軸受ス ーブ130の振動が大きくなりやすい。この軸 スリーブ130の振動には傾き成分もあるため 軸受スリーブ130に支持されている回転軸110 おいても傾きを伴った振れ回り振動を生じ ことになる。この結果、回転軸110の工具が 置された側(工具側)と反対側に配置されたス ラスト軸受部において、回転軸110と他の部材 との接触や、ハウジング120に対する回転軸110 の工具側軸端の振れ回り量が問題となる場合 がある。

 本発明は、上記のような課題を解決する めに成されたものであり、この発明の目的 、回転軸が高速回転をした場合においても 定して動作する気体軸受スピンドルを提供 ることである。

 この発明に従った気体軸受スピンドルは 回転軸と、軸受スリーブとを備える。軸受 リーブは、回転軸の側面の少なくとも一部 対向するように配置される。軸受スリーブ 、カーボンと、カーボンと線膨張係数の異 る材料との混合体を含む。なお、軸受スリ ブには、回転軸の側面の一部との間の間隙 気体を供給するための気体供給孔が形成さ ていてもよい。

 このようにすれば、カーボンを用いるこ で軸受スリーブの潤滑性を確保するととも 、軸受スリーブ全体としての線膨張係数を 整することができる。このため、回転軸と 受スリーブとの線膨張係数の差を、軸受ス ーブがカーボンのみから構成される場合よ 小さくすることが可能になる。この場合、 転軸の回転に伴う気体摩擦による熱で回転 および軸受スリーブが熱膨張したときに、 ーボンのみからなる軸受スリーブを用いた 合より、回転軸と軸受スリーブとの熱膨張 よる寸法変化の差を小さくできる。この結 、当該寸法変化に起因して回転軸と軸受ス ーブとの間の隙間が無くなり、回転軸と軸 スリーブが接触するという不良の発生を抑 できる。なお、ここでカーボンと上記材料 の混合体とは、カーボンと上記材料との混 物を成型したものや、当該混合物を焼成、 るいは加熱処理、加圧処理などの所定の処 を行なってカーボンと上記材料の少なくと 一部が反応したものを含む。

 上記気体軸受スピンドルは、弾性部材を して軸受スリーブを保持するハウジングを らに備えていてもよい。この場合、弾性部 によって軸受スリーブと回転軸との相対振 を減衰させることができる。さらに、この うな弾性部材によって軸受スリーブがハウ ングに保持されている場合には、軸受スリ ブからハウジングへの伝熱性があまり良く いため、回転軸と軸受スリーブとの温度が 昇しやすい。そのため、本発明により回転 と軸受スリーブとの線膨張係数の差を小さ することが特に有効である。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、回転 はカーボンより線膨張係数の大きな材料に り形成されてもよい。混合体を構成する材 は、カーボンの線膨張係数より大きな線膨 係数を有してもよい。この場合、軸受スリ ブと回転軸との線膨張係数の差を、従来の うに軸受スリーブをカーボンのみで形成し 場合より小さくすることができる。このた 、回転軸の回転に伴う熱により回転軸と軸 スリーブとが熱膨張し、互いに接触する可 性を低減できる。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、混合 を構成する上記材料は樹脂であってもよい 軸受スリーブにおいて回転軸と対向する部 は、カーボンと樹脂との混合物を成形した 形体により構成されてもよい。この場合、 脂の組成を調整することで軸受スリーブに いて回転軸と対向する部分の線膨張係数を 整する自由度を大きくできる。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、混合 を構成する上記材料は金属であってもよい 軸受スリーブにおいて回転軸と対向する部 は、カーボンと金属との焼結体であっても い。この場合、金属の種類を選択すること 、軸受スリーブにおいて回転軸と対向する 分の線膨張係数を任意に調整することがで る。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、軸受 リーブは、軸受スリーブの質量を調整する めの質量調整用部品を含んでいてもよい。 の場合、軸受スリーブの質量や重心の位置 、質量調整用部品の質量や配置によって任 に調整することができる。このため、ハウ ングなど軸受スリーブを保持する部材に対 る軸受スリーブの振動を抑制するように、 心の位置や軸受スリーブの質量を設定する とができる。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、質量 整用部品は軸受スリーブに複数個設置され いてもよい。複数の質量調整用部品は軸受 リーブの中心軸に対して軸対称な位置に配 されていてもよい。この場合、回転軸の回 に伴い軸受スリーブが振動するような際に 質量調整用部品が軸受スリーブの中心軸に して非対称な位置(偏った位置)に配置され ことに起因する異常振動の発生を抑制でき 。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、質量 整用部品は軸受スリーブに複数個設置され いてもよい。軸受スリーブの中心軸に沿っ 方向における、軸受スリーブの重心の位置 、軸受スリーブの中心軸に沿った方向にお る中央部に位置してもよい。この場合、上 重心の位置が軸受スリーブの中心軸に沿っ 方向における中心部からずれた場合に発生 得る、軸受スリーブでの異常振動の発生を 制することができる。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、質量 整用部品を構成する材料は、軸受スリーブ おいて質量調整用部品以外の部分を構成す 材料の線膨張係数の値以上の線膨張係数の を有してもよい。質量調整用部品の少なく も一部が軸受スリーブに嵌め込まれること より、質量調整用部品は軸受スリーブに固 されていてもよい。この場合、軸受スリー の温度が回転軸の回転に伴って上昇すると に、質量調整用部品の方が軸受スリーブに いて質量調整用部品以外の部分より熱膨張 よる寸法変化が大きくなる。そのため、当 熱膨張に起因して、質量調整用部品の一部 軸受スリーブに嵌め込まれた部分から、当 質量調整用部品が抜けることを抑制できる

 上記気体軸受スピンドルにおいて、質量 整用部品は軸受スリーブに着脱可能に設置 れていてもよい。この場合、質量調整用部 の装着や離脱により、軸受スリーブの質量 重心の位置を容易に調整することができる

 上記気体軸受スピンドルにおいて、軸受 リーブには、内部にネジ加工が施された固 用孔が形成されてもよい。質量調整用部品 表面にはネジ加工部が形成されていてもよ 。質量調整用部品は固定用孔にねじ込まれ ことにより固定されてもよい。この場合、 量調整用部品を軸受スリーブに容易に固定 ることができる。

 上記気体軸受スピンドルにおいて、軸受 リーブの側面端部には、側面の外周に沿っ ネジ加工部が形成されてもよい。質量調整 部品は、内周部にネジ加工が施されたリン 状部材であってもよい。質量調整用部品は ネジ加工が施された内周部を軸受スリーブ ネジ加工部と嵌合させることにより固定さ ていてもよい。この場合、質量調整用部品 軸受スリーブに容易に固定することができ 。

 本発明によれば、高速回転時にも安定し 動作する気体軸受スピンドルを得ることが きる。

本発明の一実施の形態である実施の形 1の気体軸受スピンドルの断面模式図である 。 本発明の一実施の形態である実施の形 2の気体軸受スピンドルの断面模式図である 。 本発明の一実施の形態である実施の形 3の気体軸受スピンドルの断面模式図である 。 従来の気体軸受スピンドル(静圧空気軸 受スピンドル)のジャーナル軸受部を示す断 模式図である。

符号の説明

 1 気体軸受スピンドル、10 回転軸、11  部、11A 外周面、12 フランジ部、12A 端面、 12B 薄肉部、13 ジャーナル軸受隙間、14 ス スト軸受隙間、15 タービン翼、19 保持部、 20 ハウジング、21 軸受用気体供給路、22 周 状空間、30 軸受スリーブ、31 ベース体、32  質量調整用部品、33 軸受スリーブ貫通穴、34  タップ穴、41~44 Oリング、45 ネジ加工部、5 1 ジャーナルノズル、52 スリーブ給気路、60  気体スラスト軸受部材、61 スラストノズル 、62 スラスト軸受給気路、71 駆動用気体供 路、72 円周溝、73 タービンノズル、75 駆 用気体排出路。

 以下、図面に基づいて本発明の実施の形 を説明する。なお、以下の図面において同 または相当する部分には同一の参照番号を し、その説明は繰返さない。

 (実施の形態1)
 図1を参照して、本発明の実施の形態1にお る気体軸受スピンドル1を説明する。

 図1に示すように、実施の形態1の気体軸 スピンドル1は、回転軸10と、軸受スリーブ30 と、ハウジング20とを備える。軸受スリーブ3 0は、回転軸10の外周面11Aの一部を取り囲む貫 通穴である軸受スリーブ貫通穴33が形成され 円筒状の部材である。ハウジング20は、軸 スリーブ30を取り囲み、弾性部材としてのゴ ム製のOリング41~44を介して軸受スリーブ30を 持する。回転軸10と軸受スリーブ30とは、10 m以上40μm以下程度のジャーナル軸受隙間13を 隔てて配置されている。

 回転軸10は、円筒状(棒状)の軸部11と、軸 11の一方の端部に形成された、軸部11より直 径の大きい円板状の形状を有するフランジ部 12とを有している。軸部11の他方の端部には 具などを保持するための保持部19が形成され ている。そして、軸受スリーブ30には、複数 ジャーナルノズル51が形成されている。ジ ーナルノズル51は、軸受スリーブ30の周壁に 成される。ジャーナルノズル51は、軸受ス ーブ貫通穴33の内周面と回転軸10の軸部11の 周面11Aとの間に設けられたジャーナル軸受 間13に軸受用気体を供給する。

 ジャーナルノズル51は、軸受スリーブ貫 穴33の内周面において円周方向に延びる2つ 列を構成するように配置されている。ジャ ナルノズル51は、軸受スリーブ貫通穴33の延 る方向(回転軸10の軸部11における軸方向)に ける軸受スリーブ30の中央部を挟む両側の れぞれに1列ずつ形成されている。ジャーナ ノズル51は、軸受スリーブ30の周壁に形成さ れたスリーブ給気路52と接続されている。

 以上の構成により、軸受スリーブ30は、 ウジング20に対して回転軸10をラジアル方向( 軸部11の軸方向に垂直な方向)に非接触に軸支 する気体ジャーナル軸受として機能する。な お、軸部11の軸方向における軸受スリーブ30 中央部から両側のジャーナルノズル51までの 距離がほぼ等しくなるように、ジャーナルノ ズル51は形成されていることが好ましい。こ により、ジャーナル軸受隙間13内の圧力分 が軸方向における軸受スリーブ30の中央部に 対して対称となる。このようにすれば、回転 軸10は軸受スリーブ30に対して、軸方向にバ ンスよく軸支される。

 ジャーナルノズル51は、スリーブ給気路52 と、軸受スリーブ30、ハウジング20およびOリ グ42、43により閉じられた空間である環状空 間(周状空間22のうちOリング42、43により囲ま た一部の空間)とを介して、ハウジング20内 形成された軸受用気体供給路21に接続され いる。

 ハウジング20の内部には、円環状の形状 有する気体スラスト軸受部材60が配置されて いる。気体スラスト軸受部材60は、回転軸10 フランジ部12の両側の端面12Aのそれぞれに対 して、一方の端面が対向するように配置され ている。気体スラスト軸受部材60と回転軸10 フランジ部12とは、10μm以上50μm以下程度の ラスト軸受隙間14を隔てて配置されている。 気体スラスト軸受部材60には、フランジ部12 対向する当該一方の面と、これに対向する ランジ部12の端面12Aとの間に設けられたスラ スト軸受隙間14に気体を供給するため、複数 のスラストノズル61が形成されている。ス ストノズル61は、フランジ部12の周方向に沿 た方向に複数個形成されている。スラスト ズル61は、気体スラスト軸受部材60に形成さ れたスラスト軸受給気路62に接続されている また、スラスト軸受給気路62はハウジング20 に形成された軸受用気体供給路21に接続され いる。つまり、スラストノズル61は、スラ ト軸受給気路62を介して軸受用気体供給路21 接続されている。そして、軸受用気体供給 21は、空気などの高圧の気体を供給する機 を有し、気体軸受スピンドル1の外部に配置 れた図示しないエアコンプレッサなどの軸 用気体供給源に接続されている。

 フランジ部12の一部(外周部)には、フラン ジ部12内において当該外周部に隣接する部分( たとえばスラストノズル61と対向するフラン 部12の部分)よりも軸方向の厚みの薄い薄肉 12Bが形成されている。薄肉部12Bの一方の面 は、フランジ部12の円周方向に沿って配列 れた複数のタービン翼15が形成されている。 タービン翼15は、板状の形状を有し、吹き付 られた気体を受けて回転軸10をフランジ部12 の周方向に回転させるためのものである。

 また、ハウジング20の内部には、フラン 部12の外周側に配置され、タービン翼15に対 する位置に開口を有し、ハウジング20の内 からタービン翼15に向けて圧縮空気などの駆 動用気体を噴出できるように構成されたター ビンノズル73が形成されている。タービンノ ル73は、フランジ部12の外周に沿った方向に 延びるように形成された円周溝72に接続され いる。円周溝72は駆動用気体供給路71に接続 されている。つまり、タービンノズル73は、 周溝72を介して駆動用気体供給路71に接続さ れている。駆動用気体供給路71は、高圧の空 などの気体を供給する機能を有し、気体軸 スピンドル1の外部に配置された図示しない エアコンプレッサなどの駆動用気体供給源に 接続されている。

 ハウジング20には、駆動用気体排出路75が 形成されている。駆動用気体排出路75は、フ ンジ部12の薄肉部12Bにおいてタービン翼15が 形成された側の面であって、タービン翼15が 成された領域よりも内周側の領域に対向す 位置に一方の開口を有し、ハウジング20の 壁に他方の開口を有する。

 上記構造において軸受スリーブ30は、軸 部であるベース体31と、後述する質量調整用 部品32とを含む。ベース体31は、軸受スリー 貫通穴33を有し、この軸受スリーブ貫通穴33 内周面が回転軸10の外周面11Aに対向する。 受スリーブ貫通穴33の延びる方向(回転軸10の 軸方向)における軸受スリーブ30の両端面と外 径側面の端面側には、弾性部材であるゴム製 のOリング41~44がはめ込まれている。軸受スリ ーブ30は、上記Oリング41~44を介してハウジン 20に対して保持されている。この弾性部材 してのOリング41~44によって、軸受スリーブ30 と回転軸10との相対振動を減衰させることが きる。

 ここで、軸受スリーブ30は、回転軸10の側 面の少なくとも一部に対向するように配置さ れる。軸受スリーブ30において回転軸10と対 する部分であるベース体31は、カーボンと、 カーボンと線膨張係数の異なる材料との混合 体を含む。より具体的には、軸受スリーブ30 ベース体31は、カーボンと、当該カーボン 線膨張係数の異なる材料との混合体を成形 た成形体により構成される。たとえば、軸 スリーブ30のベース体31は、カーボンと樹脂 の混合体からなる成形材、またはカーボン 金属との焼結材によって形成されている。 た、回転軸10の円筒状の軸部11は、カーボン より線膨張係数の大きな材料の一例である鉄 鋼系金属(たとえばステンレス鋼など)により 成されている。なお、上記カーボンと混合 せる樹脂はたとえばフェノール系樹脂を用 ることができる。また、当該カーボンと樹 との混合体からなる成形材では、たとえば ーボンの組成比率は体積比で65%以上のもの 使用する。この場合、樹脂の組成やカーボ の組成比率を調整することで軸受スリーブ3 0において回転軸10と対向する部分(ベース体31 )の線膨張係数を調整する自由度を大きくで る。なお、カーボンと樹脂との混合体にお るカーボンの組成比率の下限として体積比 65%としたのは、その比率より低下すると軸 スリーブ30と回転軸10との接触時における耐 付性能が低下するからである。またカーボ の組成比率が多いほど上記耐焼付性能は良 となるが、スリーブの線膨張係数が低くな 、カーボンのみで形成されたスリーブに対 る線膨張係数の改善効果が期待できなくな (つまり以上から軸受の運転条件に応じて最 適な組成比率を選定する)。

 またカーボンと金属との焼結材に関して 、カーボンと混合させる金属はたとえば鉄( Fe)又は銅(Cu)を用いることができる。また、 記焼結材において、たとえばカーボンの混 比率は体積比で25%以下である。この場合、 ーボンの組成比率や金属の種類を選択する とで、軸受スリーブ30におけるベース体31の 膨張係数を任意に調整することができる。 お、カーボンと金属との焼結体におけるカ ボンの混合比率の上限を体積比で25%とした は、これ以上カーボンが増加すると正常な 属の焼結が出来難くなるからである。

 このように、図1に示した気体軸受スピン ドル1では、カーボンを用いることで軸受ス ーブ30での軸受スリーブ貫通穴33の表面にお る潤滑性を確保するとともに、軸受スリー 30全体としての線膨張係数を調整すること できる。このため、回転軸10と軸受スリーブ 30との線膨張係数の差を、軸受スリーブ30が ーボンのみから構成される場合より小さく ることが可能になる。この場合、回転軸10の 回転に伴う気体摩擦による熱で回転軸10およ 軸受スリーブ30が熱膨張したときに、カー ンのみからなる軸受スリーブを用いた場合 り、回転軸10と軸受スリーブ30との熱膨張に る寸法変化の差を小さくできる。この結果 当該寸法変化に起因して回転軸10と軸受ス ーブ30との間のジャーナル軸受隙間13が無く り、回転軸10と軸受スリーブ30が接触すると いう不良の発生を抑制できる。

 上記軸受スリーブ30の両端面には回転軸 対して軸対称となるよう、例えば円周状に 複数個のタップ穴34が形成されている。固定 用孔としての当該タップ穴34の内周面にはネ 加工が施されている。タップ穴34には、質 調整用部品32が挿入固定されている。質量調 整用部品32の外周部にはネジ加工部が形成さ ている。つまり、質量調整用部品32は、タ プ穴34にねじ込まれることにより固定されて おり、別の観点から言えば質量調整用部品32 軸受スリーブ30に対して着脱可能に設置さ ている。また別の観点から言えば、質量調 用部品32の少なくとも一部が軸受スリーブ30( 具体的にはベース体31)に嵌め込まれることに より、質量調整用部品32は軸受スリーブ30に 定されている。この様な構成により、質量 整用部品32を軸受スリーブ30に容易に固定す ことができるとともに、質量調整用部品32 装着や離脱により、軸受スリーブ30の質量や 重心の位置を容易に調整することができる。 なお、この質量調整用部品32は、上記タップ 34にねじ込まれる前に軸受スリーブ30の重さ や重心位置が最適となるよう、その長さを調 整されている。

 なお、この質量調整用部品32を構成する 料の線膨張係数は軸受スリーブ30を構成する ベース体31を構成する材料(軸受スリーブ30に いて質量調整用部品32以外の部分を構成す 材料)の線膨張係数と同等またはそれより大 いことが好ましい。この場合、回転軸10の 転中に軸受スリーブ30の温度が上昇した場合 に、タップ穴34が形成されたベース体31の熱 張による寸法変化(たとえばタップ穴34の径 拡大)より質量調整用部品32の熱膨張による 法変化(たとえば質量調整用部品32の径の拡 )の方が大きいため、質量調整用部品32がタ プ穴34から抜けることを抑制できる。

 また、上記気体軸受スピンドル1において 、図1に示すように質量調整用部品32は軸受ス リーブ30に複数個設置されていてもよい。軸 スリーブ30の中心軸に沿った方向における 軸受スリーブ30の重心の位置は、軸受スリー ブ30の中心軸に沿った方向における中央部に 置している。この場合、上記重心の位置が 受スリーブ30の中心軸に沿った方向におけ 中心部からずれた場合に発生し得る、軸受 リーブ30での異常振動の発生を抑制すること ができる。

 また、複数の質量調整用部品32は軸受ス ーブ30の中心軸に対して軸対称な位置に配置 されている。具体的には、たとえば軸受スリ ーブ30の中心軸を中心として円周上に等間隔 並ぶように、複数の質量調整用部品32は配 される。この場合、回転軸10の回転に伴い軸 受スリーブ30が振動するような際に、質量調 用部品32が軸受スリーブ30の中心軸に対して 非対称な位置(偏った位置)に配置されること 起因する異常振動の発生を抑制できる。

 次に、図1に示した気体軸受スピンドル1 動作について説明する。図示しない軸受用 体供給源から供給された圧縮空気などの軸 用気体は、軸受用気体供給路21、周状空間22 スリーブ給気路52およびジャーナルノズル51 を通じてジャーナル軸受隙間13に供給される さらに、図示しない軸受用気体供給源から 給された軸受用気体は、軸受用気体供給路2 1、スラスト軸受給気路62およびスラストノズ ル61を通じてスラスト軸受隙間14に供給され 。これにより、ジャーナル軸受隙間13および スラスト軸受隙間14においては、供給された 受用気体により気体膜(気体層)が形成され 。その結果、回転軸10は、回転軸10を軸方向 垂直な方向(ラジアル方向)および軸方向(ア シアル方向)において、ハウジング20に対し 非接触かつ回転自在に軸支される。

 また、図示しないエアコンプレッサなど 駆動用気体供給源から供給された駆動用気 は、駆動用気体供給路71から円周溝72を通じ てタービンノズル73に供給される。タービン ズル73に供給された駆動用気体は、タービ 翼15に向けて噴出される。そして、噴出した 駆動用気体をタービン翼15で受けることによ 、フランジ部12には回転軸10の軸まわりに回 転する駆動力(トルク)が与えられる。この結 、回転軸10が軸まわりに回転する。回転軸10 に駆動力を与えた駆動用気体は、駆動用気体 排出路75から気体軸受スピンドル1の外部へと 排出される。

 以上のように、図1に示した気体軸受スピ ンドル1の軸受スリーブ30は、ベース体31がカ ボンと樹脂との成型材、またはカーボンと 属との焼結材によって形成されているため 樹脂や金属の種類や配合率を調整すること 、ベース体31が黒鉛単体により形成された 合に比較して、軸受スリーブ30の線膨張係数 を黒鉛より鉄鋼系金属の線膨張係数により近 くすることができる。このため、比較的安価 な鉄鋼系金属材料を回転軸10に採用しても、 転時の軸受部の発熱による軸受隙間(ジャー ナル軸受隙間13)の減少量は少なく、安定した 軸受性能が得られる。

 例えば、黒鉛の線膨張係数が約4×10 -6 /℃であるのに対して、カーボンと樹脂との 形材においてカーボンの混合比率を上記の 積比の条件内で適宜に選定すれば、線膨張 数を約15×10 -6 /℃とすることができ、また、カーボンと金 との焼結材においても同様に、上記の体積 の条件内でカーボンの混合比率を適宜に選 すれば、線膨張係数を約12×10 -6 /℃とすることができる。

 なおここで、樹脂系の成形材は、たとえ 粉末状カーボンと液体状のフェノール系樹 が上記比率で混合され、熱圧成形されて製 されており、また金属系の焼結体は、カー ン粉と金属粉が上記比率で混合され、金型 で加圧されて成形され、その後炉内でその 属の融点より低い温度で加熱され固体化さ て製造されている。

 なお、上記軸受スリーブ30を構成するベ ス体31の材料はカーボンと他の材質とが混合 された成型材もしくは焼結材であり、カーボ ンが含まれているため、従来の黒鉛単体から 成るベース体31と同様に、回転軸10と軸受ス ーブ30との接触事故時における耐焼付き性は 良好に保たれている。さらに耐食性や耐摩耗 性を向上させるために、上記回転軸10の表面 硬質クロムめっきなどのめっき処理のよう 表面処理層を形成してもよい。

 また、軸受スリーブ30は、Oリング41~44に ってハウジング20に支持されている。また、 軸受スリーブ30のベース体31には質量調整用 品32が付加されている。質量調整用部品32の さ(すなわち質量調整用部品32の重さ)を任意 に調整することにより、軸受スリーブ30の質 を最適な値に近づけることができる。また 当該質量調整用部品32の重さや配置を調整 ることにより、軸受スリーブ30の軸方向にお ける重心の位置を調整することができる。こ のため、回転中における軸受スリーブ30の振 を効果的に減衰させることができる。した って、回転軸10の振れ回り量が小さく、ス スト軸受部のフランジ部12と気体スラスト軸 受部材60との接触を防止でき、且つ回転軸10 軸端の振れ回り量も抑えることができる。

 以上のように、実施の形態1の気体軸受ス ピンドル1によれば、回転軸10の軸受隙間(ジ ーナル軸受隙間13)の変化量が小さいため軸 性能が安定し、且つ回転軸10の振れ回り振動 を効率的に減衰させることが可能である。

 (実施の形態2)
 図2を参照して、本発明の実施の形態2にお る気体軸受スピンドル1を説明する。

 図2に示した気体軸受スピンドル1は、基 的には図1に示した気体軸受スピンドル1と同 様の構成を備える。ただし、図2に示した気 軸受スピンドル1では、軸受スリーブ30の両 面部でなく、軸受スリーブ30の軸方向に対す る側面(円周状の外周側面)に質量調整用部品3 2が配置されている点が図1に示した気体軸受 ピンドル1と異なっている。つまり、図2に した気体軸受スピンドル1では、軸受スリー 30を構成するベース体31の外周側面において 、軸受スリーブ30の軸方向における中央部に ップ穴34が形成され、当該タップ穴34に質量 調整用部品32がねじ込まれて固定されている

 このような構成によっても、図1に示した 気体軸受スピンドル1と同様の効果を得るこ ができる。

 (実施の形態3)
 図3を参照して、本発明の実施の形態3にお る気体軸受スピンドル1の構成について説明 る。

 図3に示した気体軸受スピンドル1も、基 的には図1に示した気体軸受スピンドル1と同 様の構成を備える。ただし、図3に示した気 軸受スピンドル1では、軸受スリーブ30を構 するベース体31の外周側面の両端部にネジ加 工部45が形成されている。当該ネジ加工部45 、上記ベース体31の外周側面の両端部におい て円周状に形成された凹部内に形成されてい る。より具体的には、円周状に形成された凹 部の、軸受スリーブ30の中心軸に沿った壁面 ネジ加工部45が形成されている。当該凹部 、リング状で内側にねじ加工された質量調 用部品32が固定されている。当該質量調整用 部品32はたとえば金属製である。

 図3に示した気体軸受スピンドル1では、 1に示した気体軸受スピンドル1と同様の効果 を得ることができる。さらに、図3に示した 体軸受スピンドル1では、軸受スリーブ30の 端にリング状の質量調整用部品32が設置され ているため、ハウジング20に対して軸受スリ ブ30を抜き差しする工程を実施する際に、 ース体31の両端外径側の隅をハウジング20等 当てて損傷させる心配がなく、上記の工程 作業を容易に行なうことができる。

 なお、上記実施の形態1~3においては、本 明の気体軸受スピンドルの一例として、ジ ーナルノズル51が2列に形成された場合につ て説明したが、本発明の気体軸受スピンド はこれに限られず、ジャーナルノズル51が3 上の列を成すように形成されたものであっ もよい。また、実施の形態1~3においては、 受スリーブ30の端面側および外径側面側の れぞれに1つずつ、合計4つの溝が形成され、 弾性部材としてのOリング41~44が嵌め込まれた 場合について説明したが、気密性向上などを 目的として、溝が3本以上形成され、3つ以上 弾性部材(たとえばOリング)がそれぞれ当該 に嵌め込まれていてもよい。

 また、溝は、軸受スリーブ30のベース体31 における端面側に複数形成してもよいし、ベ ース体31の外周側側面(周状空間22と対向する 面)に複数形成してもよい。この場合、軸受 スリーブ30および回転軸10の振れ回り振動を り確実に弾性部材としてのOリングにより吸 することができる。また逆に、弾性部材の 性を小さくすること等を目的として、弾性 材一個を、軸受スリーブ30の両端面におけ 外径側角部に嵌め込んでもよい。具体的に 、軸受スリーブ30を構成するベース体31の両 面における外径側(外周側)の端部の角を削 ように溝を形成し、当該溝に弾性部材を配 する。このようにすれば、ジャーナル軸受 の弾性部材とスラスト軸受用の弾性部材の 能を当該1つの弾性部材(たとえばOリング)で 用可能となる。

 今回開示された実施の形態はすべての点 例示であって制限的なものではないと考え れるべきである。本発明の範囲は上記した 明ではなくて請求の範囲によって示され、 求の範囲と均等の意味および範囲内でのす ての変更が含まれることが意図される。

 本発明によるスピンドル装置は、軸受と て静圧気体軸受を用いたスピンドル装置で って、精密加工機や精密検査装置のワーク ピンドル装置または工具スピンドル装置な に使用されるものに有利に適用される。




 
Previous Patent: TEST DEVICE

Next Patent: WO/2009/104551