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Patent Searching and Data


Title:
GAS CONCENTRATION MEASURING INSTRUMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/034897
Kind Code:
A1
Abstract:
A cassette (12) for storing a gas detection tape (16) consists of a cassette main body (21), and a cover plate (22) covering the back of the cassette main body (21). An unused detection paper storing section (24) for storing an unused gas detection tape (16), a used detection paper storing section (25) for storing a used gas detection tape (16), a detection paper passage (26) for connecting these storing sections (24, 25), and an exposing portion (43) for exposing a part of the detection paper passage (26) to the outside of the cassette are formed in the cassette main body (21). Periphery of the unused detection paper storing section (24) is sealed by an O-ring (80), and the portion of the passage in the upstream of the exposing portion (43) is sealed by a sealing means (85), a roller (71), a sealing portion (96), and the like.

Inventors:
YAMADA TAKUMI (JP)
MARUO YASUKO (JP)
MIWA TAKASHI (JP)
NAKAMURA JIRO (JP)
SAKATA SEIZO (JP)
MIZUNUMA MAMORU (JP)
SUGIYAMA AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065880
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
September 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
YAMADA TAKUMI (JP)
MARUO YASUKO (JP)
MIWA TAKASHI (JP)
NAKAMURA JIRO (JP)
SAKATA SEIZO (JP)
MIZUNUMA MAMORU (JP)
SUGIYAMA AKIRA (JP)
International Classes:
G01N31/22; G01N21/77; G01N21/78; G01N31/00
Foreign References:
JPH10332592A1998-12-18
JP2001124759A2001-05-11
JP2000111541A2000-04-21
JP2006258533A2006-09-28
JPH11223627A1999-08-17
JPH01105168A1989-04-21
JP2006511820A2006-04-06
Attorney, Agent or Firm:
YAMAKAWA, Masaki et al. (8th Floor Shuwa-Tameike Building, 4-2, Nagatacho 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
 カセット本体と、前記カセット本体の背面を覆うカバープレートとを有するカセットと、
 ロール状に巻回されて前記カセット内に収納され特定ガスに反応すると変色するテープ状のガス検知紙と、
 前記ガス検知紙を巻取る検知紙巻取り手段と、
 を具備し、
 前記カセットは、
 前記カセット本体の前記背面に形成された未使用の前記ガス検知紙を収納する未使用検知紙収納部と、
 使用済みの前記ガス検知紙を収納する使用済み検知紙収納部と、
 前記未使用検知紙収納部と前記使用済み検知紙収納部を接続する検知紙用通路と、
 前記カセット本体の上面に形成され前記検知紙用通路の一部が前記カセットの外部に露呈する曝露部と、
 前記カセット本体と前記カバープレートとの接合面間に介在され前記未使用検知紙収納部の周囲を気密にシールするシール部材と、
 前記検知紙用通路の前記曝露部より上流側の通路部分に設けられ前記ガス検知紙を前記上流側通路部分の壁面に押し付けるシール手段と、
 を有することを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記検知紙巻取り手段は、
 使用済み検知紙収納部内に回転自在に配設された巻き取り用回転部材と、
 前記巻き取り用回転部材をガス検知紙の巻取り時に回転させる駆動モータと、
 を備えていることを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記ガス検知紙の送り量を検出する検知紙送り量検出手段をさらに備えていることを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項3記載のガス濃度測定器において、
 前記検知紙送り量検出手段は、
 ガス検知紙の走行時に当該ガス検知紙によって回転される回転体と、
 前記回転体の回転を検出するセンサと、
 を有することを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記回転体は、ガス検知紙を検知紙用通路の壁面に押し付けることにより前記検知紙用通路をシールするシール機能を有することを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記未使用検知紙収納部内に乾燥剤と脱酸素剤のうちの少なくともいずれか一方をさらに収納したことを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記カセット本体と前記カバープレートとの接合面に検知紙用通路の開放側面をシールするシール部をさらに設けたことを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記ガス検知紙によって検出される特定ガスがオゾンガスであることを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記検知紙用通路の曝露部より上流側の通路部分に、ガス検知紙の次期測定部分を予め測定環境の湿気になじませる前処理部と、前記前処理部を大気に選択的に開放するシャッターをさらに設けたことを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項9記載のガス濃度測定器において、
 前記前処理部は、カセット本体の上面に開放する開口部を有し、
 前記シャッターは、前記カセット本体の前記上面にスライド自在に設けられ、前記開口部を開閉することを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項9記載のガス濃度測定器において、
 カバープレートは、前処理部に連通する連通孔を有し、
 前記シャッターは、通気孔を有して前記カバープレートに回転自在に設けられ、前記連通孔と前記通気孔を介して前記前処理部を大気に開放することを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項9記載のガス濃度測定器において、
 前記曝露部と前記前処理部との間に仕切壁を設けるとともに、この仕切壁の下面にガス検知紙を押し付ける押圧手段をさらに設けたことを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項9記載のガス濃度測定器において、
 前記シャッターは、ガス検知紙の前処理部に待機している次期測定部分が測定のために曝露部に送られる一定時間前に動作することにより前記前処理部を大気に開放することを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項1記載のガス濃度測定器において、
 前記検知紙用通路の曝露部より上流側の通路部分にガス検知紙の次期測定部分を予め測定環境になじませる前処理部と、前記前処理部の開口部を覆い特定ガスを除去し湿気を通過させるフィルターをさらに設けたことを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項14記載のガス濃度測定器において、
 前記前処理部の開口部は、カセット本体の上面に開放していることを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項14記載のガス濃度測定器において、
 前記前処理部は、カセット本体の前面および背面に開放する開口部と、カバープレートに形成された開口部とによって外部に連通していることを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項14記載のガス濃度測定器において、
 前記曝露部と前記前処理部との間に仕切壁を設けるとともに、この仕切壁の下面にガス検知紙を押し付ける押圧手段をさらに設けたことを特徴とするガス濃度測定器。
 請求項14記載のガス濃度測定器において、
 前記ガス検知紙によって検出される特定ガスがオゾンガスであり、
 前記フィルターが、オゾンガスを除去するオゾンフィルターとメンブレンフィルターのうちのいずれか一方であることを特徴とするガス濃度測定器。
Description:
ガス濃度測定器

 本発明は、空気中に含まれているオゾン ス、二酸化窒素ガス等の特定の種類のガス 濃度を測定するガス濃度測定器に関するも である。

 現在、NOx、SPM、光化学オキシダントによる 気汚染が生じ、環境に対する影響が大きな 題となってきている。光化学オキシダント 主成分であるオゾンガス(O 3  )は、工場、事業所や自動車から排出される NOxや炭化水素などの汚染物質が太陽光線の照 射を受けて光化学反応を起こすと生成される ため、光化学スモッグの原因となっている。 また、コロナ放電手段を備えた各種機器、例 えば静電式複写機、レーザープリンタ、LEDフ ァクシミリ等の装置においても、コロナ放電 手段の動作中にオゾンガスやNOxガスが発生す る。このようなオゾンガスは、強力な酸化能 を有しているためそれ自身の毒性により空気 中の濃度が一定以上(0.1ppm)になると、呼吸器 を刺激し、微量でも長時間吸入すると有害 されている。また、NOxガスは大気汚染の原 物質であり、呼吸器系疾患との関係も指摘 れている。

 このため、オゾンガスやNOxガスの濃度分 の調査や、地域環境への影響評価、個人の ゾンガスやNOxガス被爆の影響評価などを行 て、環境を監視する必要がある。このため 、オゾンガスについては安価で小型軽量か 個人や家庭レベルで使用することができる ゾン濃度測定器が各種開発されている。例 ば、特開2004-144729号公報、WO2006/06623(PCT/JP2005 /014689)号公報、特開平09-274032号公報、特開2000 -081426号公報等に開示されたオゾン濃度測定 が知られている。

 図14に従来のオゾン濃度測定器の一例を す。このオゾン濃度測定器1は、オゾンガス 曝露されると変色(退色)する曝露部3を有す ガス検知素子2と、オゾンガスの濃度に対応 した色(色見本)を示すカラーチャート5が表示 された台紙4とを備えている。ガス検知素子2 、台紙4にカラーチャート5に沿って固定さ ている。

 ガス検知素子2は、通常オゾンガスに反応 すると変色する色素、保湿剤、酸、水等を加 えて調整した検知溶液をセルロース濾紙に含 浸させて風乾することにより作製される。オ ゾンガスに反応すると変色する色素としては 、インジゴ色素、アゾ色素、トリフェニルメ タン色素、アントラキン色素等が用いられる 。

 台紙4は、通常ガス検知素子2と同一の材 によって形成されていることが望ましい。 ラーチャート5は、それぞれ異なったオゾン 度、例えば0ppb、400ppbおよび800ppbに対応する 3つの色見本5a~5cで構成されている。オゾン濃 度が0ppbの色見本5aは、測定前のガス検知素子 2の曝露部3と同じ色(インジゴカルミン:藍色) 呈している。これに対して、ガス濃度が高 色見本5b、5cほど退色している。

 このようなオゾン濃度測定器1は、オゾン ガスが存在する環境下で一定時間(例えば、8 間)使用すると、ガス検知素子2の曝露部3が ゾンガスによって曝露されることにより変 する。この変色した色とカラーチャート5の 色見本5a~5cとを見比べることにより、オゾン スの濃度を知ることができる。すなわち、 露部3が変色して400ppbの色見本5bと略等しい に退色したときは、オゾン濃度が400ppbであ と判定し、400ppbと800ppbの中間の色と略等し 色に退色したときは、オゾン濃度が600ppbで ると判定する。

 しかしながら、上記した従来のオゾン濃度 定器1は、カード状に形成されているため、 1回の測定毎に新しいものと交換しなければ らず、連続的に使用することができないと う問題があった。
 また、保管しておく際にはガス検知素子2の 曝露部3が外気に触れないようにアルミニウ 等の密封された容器に一枚ずつ入れて保存 ている。そのため、測定のたびに密閉容器 ら取り出す必要があり、その手間が煩わし という問題もあった。

 本発明は上記した従来の問題を解決する めになされたものであり、その目的とする ころは、取り扱いが容易で保管に必要な密 性を保ちつつ連続的な測定を可能にしたガ 濃度測定器を提供することにある。

 上記目的を達成するために本発明は、カ ット本体と、前記カセット本体の背面を覆 カバープレートとを有するカセットと、ロ ル状に巻回されて前記カセット内に収納さ 特定ガスに反応すると変色するテープ状の ス検知紙と、前記ガス検知紙を巻取る検知 巻取り手段とを具備し、前記カセットが、 記カセット本体の前記背面に形成された未 用の前記ガス検知紙を収納する未使用検知 収納部と、使用済みの前記ガス検知紙を収 する使用済み検知紙収納部と、前記未使用 知紙収納部と前記使用済み検知紙収納部を 続する検知紙用通路と、前記カセット本体 上面に形成され前記検知紙用通路の一部が 記カセットの外部に露呈する曝露部と、前 カセット本体と前記カバープレートとの接 面間に介在され前記未使用検知紙収納部の 囲を気密にシールするシール部材と、前記 知紙用通路の前記曝露部より上流側通路部 に設けられ前記ガス検知紙を前記上流側通 部分の壁面に押し付けるシール手段とを有 るものである。

 本発明に係るガス濃度測定器においては 未使用検知紙収納部と検知紙用通路の曝露 より上流側の通路部分を気密にシールして るので、未使用のガス検知紙がカセット外 の大気に晒されることがない。したがって ガス検知紙をアルミニウムの包装袋に密閉 て保管しておく必要がなく、ガス検知紙の 管、取り扱いが容易である。また、ガス検 紙はテープ状に形成されてロール状に巻回 れているので、検知紙巻取り手段によって 取ることにより連続的に使用することがで る。

 また、本発明においては、検知紙巻取り 段として、使用済み検知紙収納部内に回転 在に配設された巻き取り用回転部材と、こ 巻き取り用回転部材をガス検知紙の巻取り に回転させる駆動モータとで構成してもよ 。

 また、本発明においては、ガス検知紙の り量を検出する検知紙送り量検出手段をさ に備えていることが望ましい。

 また、本発明においては、検知紙送り量 出手段として、ガス検知紙の走行時に当該 ス検知紙によって回転される回転体と、こ 回転体の回転を検出するセンサとで構成し もよい。

 また、本発明においては、回転体によっ ガス検知紙を検知紙用通路の壁面に押し付 ることにより、回転体に検知紙用通路をシ ルするシール機能を持たせるようにしても い。

 また、本発明においては、未使用検知紙 納部内に乾燥剤と脱酸素剤のうちの少なく もいずれか一方をさらに収納してもよい。

 また、本発明においては、カセット本体 カバープレートとの接合面に検知紙用通路 開放側面をシールするシール部をさらに設 てもよい。

 また、本発明においては、検知紙用通路 曝露部より上流側通路部分に、ガス検知紙 次期測定部分を予め測定環境の湿気になじ せる前処理部と、この前処理部を大気に選 的に開放するシャッターをさらに設けても い。

 また、本発明においては、前処理部がカ ットの上面に開放する開口部を有し、シャ ターをカセットの上面にスライド自在に設 、開口部を開閉するようにしてもよい。

 また、本発明においては、カバープレー が前処理部に連通する連通孔を有し、シャ ターが通気孔を有してカバープレートに回 自在に設けられ、連通孔と通気孔を介して 処理部を大気に開放させるようにしてもよ 。

 また、本発明においては、曝露部と前処 部との間に仕切壁を設けるとともに、この 切壁の下面にガス検知紙を押し付ける押圧 段をさらに設けてもよい。

 また、本発明においては、シャッターを ス検知紙の前処理部に待機している次期測 部分が測定のために曝露部に送られる一定 間前に動作させることにより前処理部を大 に開放するようにしてもよい。

 また、本発明においては、検知紙用通路 曝露部より上流側通路部分にガス検知紙の 期測定部分を予め測定環境になじませる前 理部と、この前処理部の開口部を覆い特定 スを除去し湿気を通過させるフィルターを らに設けてもよい。

 また、本発明においては、前処理部をカ ット本体の前面および背面に開放する開口 と、カバープレートに形成された開口部と よって外部に連通させるようにしてもよい

 さらに、本発明においては、ガス検知紙 よって検出される特定ガスがオゾンガスで り、フィルターが、オゾンガスを除去する ゾンフィルターとメンブレンフィルターの ちのいずれか一方としてもよい。

図1は、本発明をオゾン濃度測定器に適 用した第1の実施例を示す分解斜視図である 図2は、カセット本体の背面図である。 図3は、オゾン濃度測定器の断面図であ る。 図4は、ガス検知用テープの斜視図であ る。 図5Aは、検知紙送り量検出手段による ス検知紙の送り量を検出している様子を示 図である。 図5Bは、検知紙送り量検出手段による ス検知紙の送り量を検出している様子を示 図である。 図6は、本発明の第2の実施例を示すカ ット本体の背面図である。 図7は、本発明の第3の実施例を示すオ ン濃度測定器の分解斜視図である。 図8は、カセット本体の背面図である。 図9は、本発明の第4の実施例を示すガ 濃度測定器の一部を破断して示す背面図で る。 図10は、本発明の第5の実施例の形態を 示すオゾン濃度測定器の分解斜視図である。 図11は、カセット本体の背面図である 図12は、図11のXII-XII線断面図である。 図13は、本発明の第6の実施例を示すオ ゾン濃度測定器の要部の斜視図である。 図14は、オゾン濃度測定器の従来例を す斜視図である。

 以下、本発明を図面に示す実施例に基づい 詳細に説明する。
[第1の実施例]
 図1~図3において、本発明は、遠隔操作によ て大気中のオゾンガスの濃度を自動的に測 するオゾン濃度測定器10に適用した例を示 。また、このオゾン濃度測定器10は、請求項 1に記載の測定器を示すもので、カセット12に 収納されたガス検知紙11と、このガス検知紙1 1を巻取る検知紙巻取り手段13と、オゾン濃度 を測定するガス濃度測定手段14等を備えてい 。

 図4において、ガス検知紙11は、オゾンガ に曝露されると変色(退色または発色)して 視領域の吸収が変化する色素を含んだ検知 液をテープ状担体、例えばセルロース濾紙 含浸させ、この含浸させた溶液を乾燥させ 全体を曝露部とすることによりテープ状に 成されている。

 検知溶液としては、オゾンガスに曝露さ ると変色する色素(例えば、インジゴ環)と 酸(例えば、クエン酸)と、保湿剤(例えば、 リセリン)とが溶解した水溶液が用いられる インジゴ環を有する色素としては、例えば ンジゴ、インジゴカルミンナトリウム塩、 ンジゴカルミンカリウム塩、インジゴレッ などを用いることができる。酸としては、 エン酸、酢酸、リン酸、酒石酸などを用い ことができる。酸は、検知溶液のpHを2~4の 囲に保持するために用いられる。保湿剤と ては、グリセリン、エチレングリコール、 ロピレングリコールなどを用いることがで る。

 本発明においては、オゾンガスに曝露さ ると退色するインジゴ環としてインジゴカ ミンを用いた例を示す。インジゴカルミン 、青色2号と呼ばれる酸性染料である。この ため、インジゴカルミンを用いた検知溶液は 、青~青紫色を呈した水溶液となる。検知溶 の色は目視によって確認できる。また、検 溶液は、酸の添加により酸性を呈している このような検知溶液によって形成されたガ 検知紙11は藍色を呈している。

 ガス検知紙11の具体的な作製に際しては 容器内に例えば、0.05gのインジゴカルミンと 、酸としての3.0gのクエン酸と、保湿剤とし の15gのグリセリンとを入れ、これらに水を 定量加えることにより、インジゴカルミン 溶解させて調整し、50gの検知溶液を作製す 。

 次に、この検知溶液中にセルロース濾紙( 例えば、アドバンティック社製の濾紙No.2)を 定時間浸漬して取り出した後、セルロース 紙中に含まれている水分を風乾によって蒸 させる。これにより、藍色のガス検知紙11 できあがる。

 このようにして作製したガス検知紙11に いて、オゾンガス発生器からのオゾンガス 含む被検ガス中に一定時間(例えば、10分)曝 て変色の度合いを肉眼で観察した。被検ガ 中に含まれているオゾンガスは、ガス検知 11のグリセリンが保持している水分に取り まれ、その後、インジゴ環を有する色素のC= C2重結合を分解する反応を引き起こす。この 解反応によって色素分子の構造と電子状態 変化してガス検知紙11の色(藍色)が薄くなる (退色する)。そして、この退色したガス検知 11に可視光を照射すると、波長610nm~620nm(オ ンジ色領域)において光の吸収が変化する(反 射率の増加)。

 このようなガス検知紙11は、図4に示すよ に可撓性を有する樹脂製搬送テープ15の表 に固着され、巻き芯17にロール状に巻回され た状態で使用される。以下、このようなガス 検知紙11と搬送テープ15とからなり巻き芯17に 巻回されたテープをガス検知用テープ16と称 る。なお、ガス検知用テープ16は、例えば さ10000mm、幅10mm、厚さ0.2mm程度で、巻き芯17 巻回された状態でカセット12に装填される。

 図1~図3において、カセット12は、カセッ 本体21と、カバープレート22とで構成されて る。セット本体21は、前板部21a、背板部21b 上板部21c、底板部21dおよび左右の側板部21e 21fによって横長薄箱型に形成されている。

 カセット本体21の背面S 2  には、未使用のガス検知紙11を収納する未 用検知紙収納部24と、使用済みのガス検知紙 を収納する使用済み検知紙収納部25と、検知 用通路26と、4つのねじ孔27および凹陥部32が 形成されている。未使用検知紙収納部24と、 用済み検知紙収納部25は、同一の大きさで さが異なる円形の凹部からなり、検知紙用 路26によって接続されている。

 未使用検知紙収納部24は、ガス検知用テ プ16の幅よりも十分に深く形成されることに より、乾燥剤28(図3)を収納する第1の収納空間 24Aと、未使用のガス検知用テープ16を収納す 第2の収納空間24Bとで構成されている。乾燥 剤28は、第1の収納空間24Aに収納され、多孔板 からなる仕切板29によって収納部24の奥壁24a 固定されている。乾燥剤28は、大気中の湿気 を吸収することにより、未使用のガス検知紙 11が湿気を帯びて退色するのを防止する。乾 剤28としては、例えばシリカゲル、塩化カ シウム、高分子吸水ポリマー等が用いられ 。

 また、乾燥剤28の代わりに、または乾燥 28に加えて脱酸素剤を第1の収納空間24Aに収 してもよい。脱酸素剤は、鉄、有機物など 身が酸化されて周囲の酸素を消費する薬剤 含むもので、大気中の酸素を可及的吸収し 長期保管において酸素によるガス検知紙11の 退色を防止する。脱酸素剤としては、例えば エージレス(三菱ガス化学社製の商品名)が用 られる。

 また、未使用検知紙収納部24の奥壁24aの 央には、第1の収納空間24Aの深さと略等しい 出高さの軸取付部30(図3)が一体に突設され いる。さらに、軸取付部30の先端面には軸31 一体に突設されており、この軸31にはガス 知用テープ16の巻き芯17が回転自在に嵌装さ ている。軸31は、直径が軸取付部30の外径お よび巻き芯17の穴径より小さく設定されてい 。軸取付部30の先端面外周部、すなわち軸31 より外側の環状部分は、巻き芯17の側面を受 止める受け面30aを形成している。この受け 30aは、巻き芯17を受け止めて係止すること より、ガス検知用テープ16の第1の収納空間24 A方向への移動を阻止し仕切板29に接触するの を防止している。なお、軸31の先端は、未使 検知紙収納部24よりカセット本体21の後方に 若干突出している。

 第2の収納空間24Bは、ガス検知用テープ16 未使用検知紙収納部24内に収納したとき、 述するOリング80との接触を避けるために、 3に示すようにガス検知用テープ16の幅より 分に深く形成されている。このため、ガス 知用テープ16は、第2の収納空間24Bに収納さ ると未使用検知紙収納部24の開口部より内側 に位置している。そして、未使用検知紙収納 部24の内周壁24bには、ガス検知用テープ16を 知紙用通路26に導くスリット状の開口部40(図 1、図2)が形成されている。この開口部40は、 周壁24bの最上位置からカセット本体21の中 側に所要角度ずれた位置に形成されている

 使用済み検知紙収納部25は、ガス検知用 ープ16の幅と略等しい深さを有する円形の凹 部からなり、奥壁25aの中央には使用済みのガ ス検知用テープ16を巻取る回転自在な巻取り 36(回転部材)が設けられている。巻取り軸36 は、未使用検知紙収納部24から繰り出され 知紙用通路26を通って使用済み検知紙収納部 25に導かれたガス検知用テープ16の始端が止 されている。巻取り軸36の先端部は、カセッ ト本体21の後方に突出し、先端面には後述す 駆動モータ55の出力軸57が係合する係合凹部 37が形成されている。また、使用済み検知紙 納部25の内周壁25bには、検知紙用通路26の終 端が連通する開口部41が形成されている。こ 開口部41は、内周壁25の最上位置からカセッ ト本体21の中央側に所要角度ずれた位置に形 されている。

 検知紙用通路26は、カセット本体21の背面上 部に略水平に形成された溝状の水平通路部26a と、この水平通路部26aの上流側と下流側端に それぞれ連設された下方に緩やかに湾曲する テープ導入部26bおよびテープ排出部26cとで構 成されている。テープ導入部26bの始端は未使 用検知紙収納部24の開口部40に連通し、テー 排出部26cの終端は使用済み検知紙収納部25の 開口部41に連通している。水平通路部26aは、 平な上流側通路部分26a-1と下流側通路部分26 a-2とで構成されている。水平通路部26aの下流 側通路部分26a-2は、カセット本体21の上面S 3  に設けた開口部42によって上方に開放する とにより、ガス検知用テープ16をカセット本 体21の外方に露呈させる曝露部43を形成して る。

 曝露部43は、カセット本体21の長手方向に長 い適宜長さと、ガス検知用テープ16の幅と略 しい幅とを有し、一側がカセット本体21の 面S 2  に開放している。凹陥部32は、カセット本 21の背面S 2  で検知紙用通路26に対応する部分に形成さ 、その周囲を取り囲んでいる。

 カバープレート22は、カセット本体21と同一 の大きさの長方形に形成され、ねじ孔27にね 込まれる4本の止めねじ23によってカセット 体21の背面S 2  に固定されることにより、未使用検知紙収 部24と使用済み検知紙収納部25の開放部と、 検知紙用通路26の開放側面、すなわちカセッ 本体21の背面S 2  に開放している通路側面と、凹陥部32を閉 している。カバープレート22には、軸31と巻 り軸36を回転自在に支承する軸受部50、51が れぞれ形成されている。一方の軸受部50は 図3に示すようにカバープレート22の裏面に 成した円形の凹部で構成されている。他方 軸受部51は、図1に示すようにカバープレー 22を貫通する貫通孔で構成されている。

 検知紙巻取り手段13は、巻取り軸36と、こ の巻取り軸36を駆動する手段としての駆動モ タ55とを備え、テープ巻取り時に駆動モー 55の駆動によりガス検知用テープ16を間欠的 一定長さ送って巻取るように構成されてい 。駆動モータ55は、カバープレート22の表面 に位置決めされて複数本の止めねじ56により 定されており、計測室の制御部からの駆動 号によって駆動されるように構成されてい 。駆動モータ55の出力軸57は、先端が巻取り 軸36の係合凹部37に係合しており、これによ 出力軸57の回転を巻取り軸36に伝達している

 オゾン濃度を測定するガス濃度測定手段14 しては、反射率測定器61が用いられる。反射 率測定器61は、カセット本体21の上面S 3  に曝露部43の上方に位置するように2本の止 ねじ60によって固定された筒体62と、この筒 体62内に配設されたセンサ63と、信号処理回 等で構成されている。筒体62は、上下に開放 する角形の筒体に形成されている。センサ63 しては、波長が例えば、610nmの発光ダイオ ド63aとフォトダイオード63bが用いられる。 光ダイオード63aから出た光は、曝露部43に露 呈しているガス検知紙11の表面に当たって反 するとフォトダイオード63bによって受光さ 、電気信号に変換された後、A/D変換により 射強度が数値化される。この数値は、色と 応していることからオゾン濃度を求めるこ ができる。

 図1、図2、図5Aおよび図5Bにおいて、さら 、検知紙用通路26には、ガス検知用テープ16 の送り量を検出する検知紙送り量検出手段70 配設されている。この検知紙送り量検出手 70は、検知紙用通路26の水平通路部26aで曝露 部43より上流側の通路部分26a-1に設けられた 転体71と、この回転体71の回転を検出するセ サ72とで構成されている。回転体71は、上側 外周面がガス検知用テープ16の下面に接触す ことにより、ガス検知用テープ16の走行時 ガス検知用テープ16との摩擦によって回転す るように構成されている。

 センサ72は、回転体71の外周縁に固着され た可動電極72aと、カセット本体21に固定され 動電極72aが摺接する固定電極72bとで構成さ ている。可動電極72aは、回転体71が1回転す と固定電極72bに接触し、これにより検知紙 り量検出手段70の回路が閉じて回転体71の回 転が検出される。検知紙送り量検出手段70の 知信号は、計測室の制御部に送られる。制 部は、この検知信号に基づいて駆動モータ5 5を制御する。なお、可動電極72aまたは固定 極72bを複数個用い、回転体71が電極の数分の 1回転する毎に回転を検出するようにしても い。

 また、回転体71は、ガス検知用テープ16を 上流側通路部分26a-1の上側壁面に軽く押し付 ることにより、ガス検知紙11と上側壁面と 隙間をシールしている。

 このようなオゾンガス濃度測定器10にお て、特に重要なことは、カセット12内に収納 されている測定前の未使用のガス検知紙11が ゾンガスや湿気によって退色するのを防止 ることである。このため、未使用検知紙収 部24と、検知紙用通路26の曝露部43より上流 通路部分26a-1は、気密にシールされている 以下、そのシール構造について説明する。 お、酸素や湿気による退色は、前述したと り乾燥剤28や脱酸素剤28によっても防止して る。

 カバープレート22は、シール部材としてのO ング80を介してカセット本体21の背面S 2  に固定されている。Oリング80は、カセット 体21の背面S 2  で未使用検知紙収納部24の周囲に全周にわ って形成した環状のシール溝81に装着され、 カバープレート22が密接されることにより、 使用検知紙収納部24の周囲を気密にシール 、カセット本体21とカバープレート22との隙 から外気が未使用検知紙収納部24内に侵入 るのを防止している。シール溝81は、未使用 検知紙収納部24の開口部40によって分断され はいるが、Oリング80は分断されていない。

 また、水平通路部26aの上流側通路部分26a- 1には、ガス検知用テープ16を当該通路部の上 側壁面に押し付けてガス検知紙11と上側壁面 の隙間をシールするシール手段85が、検知 送り量検出手段70より上流側に位置して配設 されている。

 シール手段85は、上流側通路部分26a-1の下 側壁面に設けた凹部86内に配設された上下動 在な押圧子85aと、この押圧子85aを上方に付 するばね、スポンジ等の軟弾性部材85bとで 成され、これによってガス検知用テープ16 上流側通路部分26a-1の上側壁面にガス検知用 テープ16の走行に大きな負荷とならない範囲 で軽く押し付けている。

 水平通路部26aの下流側通路部分26a-2には 当該通路部分の下側壁面より上方に突出し ス検知用テープ16を下から支持する水平な台 座部90が同通路部分の全長にわたって突設さ ている。これにより、上流側通路部分26a-1 曝露部43に開放する後方側開口部の開口面積 を狭くし、曝露部43からの上流側通路部分26a- 1内への大気や湿気の侵入を極力防止するよ にしている。

 さらに、検知紙用通路26のカセット本体21の 背面S 2  側に開放する開放側面については、カセッ 本体21とカバープレート22の接合面間に設け たシール部96によってシールしている。この ール部96は、カセット本体21の背面S 2  で検知紙用通路26に対応する部分に形成し 凹陥部32と、カバープレート22の裏面に突設 れ凹陥部32に嵌合する突起部95とで構成され ている。突起部95は、凹陥部32との隙間を極 塞ぎシール性能を高めるために表面がゴム によって被覆されている。突起部95には、カ セット本体21の曝露部43に挿入される突出部 95aが一体に突設されている。この突出部95a 、通路部分26a-2と開口部42の幅をガス検知紙1 6の幅と略等しく設定するとともに、ガス検 用テープ16の一側縁を案内する案内面を形成 し、ガス検知用テープ16の幅方向への移動を 止している。さらに、カバープレート22の 面には、未使用検知紙収納部24に嵌挿される ことにより、ガス検知用テープ16の幅方向の 動を規制する円板状の突起部97が突設され いる。

 次に、上記構造からなるオゾンガス濃度測 器10によるオゾンガスの測定について説明 る。
 測定に際しては、空気中にオゾンガスが存 する測定環境下において、計測室の制御部 駆動信号を送出し、駆動モータ55を駆動す 。駆動モータ55は、制御部からの駆動信号に よって駆動すると、ガス検知用テープ16を巻 り軸36に一定量巻取ってガス検知紙11の未使 用部分を曝露部43に位置させる。ガス検知用 ープ16が走行すると、この走行を検知紙送 量検出手段70が回転体71の回転数として検出 、その検知信号を制御部に送る。制御部は 検知紙送り量検出手段70からの検知信号に り回転体71が所定の回転数回転したことを検 出すると、駆動モータ55のスイッチをOFFにし 駆動モータ55を停止させる。これによりガ 検知紙11の曝露されていない未使用部分は、 曝露部43および筒体62を介してカセット12の外 部に露呈して測定部分となり、この状態でオ ゾンガスの測定が開始される。

 オゾン濃度測定器10によって測定を開始 ると、ガス検知紙11の曝露部43に臨んでいる 定部分11aは空気中に含まれているオゾンガ によって曝露されることにより徐々に変色( 退色)する。ガス濃度検出手段14は、反射率測 定器61のセンサ63(63a、63b)によって測定部分11a の変色を反射率の変化として一定時間毎に検 出する。すなわち、発光ダイオード63aから出 た光は、測定部分11aに当たるとその変色の度 合いによって反射する光量が変化する。そし て、測定部分11aに当たって反射した反射光は 、フォトダイオード63bによって受光される。 フォトダイオード63bは、変色部に当たって反 射した反射光を受光すると電気信号に変換し 、信号処理回路によってA/D変換し反射率を数 値化する。この反射率を予め基準のガス検知 紙をオゾンガスに曝露させて測定した反射率 データと比較することにより、オゾン濃度が 自動的に測定される。

 一定時間経過して測定が終了した後、引 続き測定するときは、上記と同様に駆動モ タ55を遠隔操作によって駆動してガス検知 テープ16を巻取り軸36に一定量巻取り、ガス 知紙11の曝露されていない未使用部分を曝 部43に位置させることにより、連続的に測定 することができる。

 このように本発明に係るオゾン濃度測定 10は、ロール状に巻回されたガス検知紙11を 各種のシール手段およびシール構造によって 気密にシールしたカセット12内に収納してい ので、未使用のガス検知紙11が大気に晒さ るおそれがなく保管が容易で、アルミニウ の包装袋に収納したりする必要がなく、長 保管に対しても十分に耐え得、オゾンガス よる変色、湿気による測定誤差、感度の低 等を防止することができる。また、ガス検 紙11を自動的に巻取る検知紙巻取り手段13を えているので、連続的に測定することがで 、図14に示した従来のオゾン濃度測定器1に べて取り扱いが容易である。

 また、特に、未使用検知紙収納部24に、 燥剤28や脱酸素剤を収納しているので、大気 や湿気による影響を一層防止することができ る。

 また、検知紙送り量検出手段70によって 転体71の回転を検出し、駆動モータ55のスイ チをON、OFF制御するようにしているので、 取り軸36に巻取られるガス検知用テープ16の 径が徐々に増大しても、未使用のガス検知 11を曝露部43に常に一定長さだけ送り出すこ とができる。したがって、テープ外周が一定 の線速度になるように計算して駆動モータの 回転数を制御したりする必要がなく、安価に 製作することができる。なお、検知紙送り量 検出手段70のセンサ72としては、接触タイプ ものに限らず光学的に検出する非接触タイ のものであってもよい。 

 さらに、全てのガス検知紙11を使い切っ 後は、カセット12から取り出して未使用の新 しいガス検知用テープと交換すればよいので 、カセット12を何度でも再利用することがで る。

[第2の実施例]
 図6において、本実施例は、ガス濃度測定手 段14の筒体62内に検知紙送り量検出手段を兼 たローラ88を設け、ガス検知用テープ16を台 部90に押し付けるようにしたものである。 の他の構造は上記した第1の実施例と全く同 であるため、同一構成部材、部分には同一 号をもって示し、その説明を省略する。

 また、本実施例においては、筒体62に検 紙送り量検出手段70を組み込めばよいので、 外付けタイプとすることができ、カセット本 体21内に検知紙送り量検出手段70のための配 を施す必要がない。このため、本実施例に いては、上流側通路部分26a-1内の回転体71を にガス検知用テープ16を通路壁に押し付け シール部材として用いたり、または完全に り除いてもよい。

[第3の実施例]
 図7および図8において、本実施例によるオ ン濃度測定器10Aは、請求項9に記載の測定器 示すもので、上記した第1の実施例における オゾン濃度測定器10に検知紙用通路26の水平 路部26aで曝露部43より上流側の通路部分に、 ガス検知紙11の次期測定部分11bを予め外部に 定時間露呈させて測定環境の湿気になじま る前処理部100と、この前処理部100を大気に 択的に開放するシャッター101をさらに設け いる。なお、図1~図5に示した構成部品、部 と同一構成部材、部分については、同一符 をもって示し、その説明を適宜省略する。

 検知紙用通路26の水平通路部26aは、上流側 路部分26a-1と、前処理部100を形成する中間通 路部分26a-2および曝露部43を形成する下流側 路部分26a-3とで構成されている。上流側通路 部分26a-1は、カセット本体21の上面S 3  に開放しておらず、検知紙送り量検出手段7 0とシール手段85が配設されている。

 前処理部100は、カセット本体21の上面S 3  に形成された開口部100aを有し、この開口部 100aが通常シャッター101によって閉塞されて る。また、前処理部100は、曝露部43と略同じ 大きさで、上板部21cの仕切壁102によって曝露 部43と仕切られている。ガス検知用テープ16 、仕切壁102の下を通って曝露部43に搬送され る。

 シャッター101は、細長い板状に形成されて セット本体21の上面S 3  に前後方向にスライド自在に配設されてお 、通常は前処理部100の開口部100aを気密に閉 塞している。シャッター101の前端部上面には 、指の爪を引っ掛ける引掛け部101aが形成さ ている。

 オゾン濃度を測定するガス濃度測定手段14 反射率測定器14は、カセット本体21の上面S 3  に固着され曝露部43と前処理部100とシャッ ー101を覆うケース62と、このケース62内に配 されたセンサ63と、信号処理回路等で構成 れている。ケース62は、上下に開放する細長 い角筒体に形成され、内部が仕切板64によっ 前後2つの室65a、65bに仕切られており、前方 側の室65aが前処理部100に連通し、後方側の室 65bが曝露部43に連通している。仕切板64は、 端がカセット本体21の仕切壁102に当接してい る。また、ケース62の前面の下端には、シャ ター101をガイドする左右一対のガイド部66 前方に向かって一体に延設されている。

 シャッター101は、ケース62の前方側の室65 a内に位置し、前処理部100の開口部100aを閉塞 た状態において前端部がケース62の前方に 出してガイド部66間に位置し、後端が仕切板 64に当接している。

 水平通路部26aの中間通路部分26a-2と下流 通路部分26a-3の境部には、仕切壁102の真下に 位置しガス検知用テープ16を仕切壁102の下面 押し付ける押圧手段104が配設されている。 の押圧手段104は、回転体105と、この回転体1 05を上方に付勢しガス検知用テープ16の下面 押し付ける図示を省略したばね等の弾性部 とで構成され、これによって仕切壁102とガ 検知用テープ16との隙間をシールしている。

 中間通路部分26a-2と下流側通路部分26a-3に は、当該通路部分の下側壁面より上方に突出 する水平な台座部90a、90bがそれぞれ設けられ ている。上流側の台座部90aは、上流側通路部 分26a-1の下流側開口面積を狭くし、前処理部1 00から上流側通路部分26a-1への空気や湿気の 入を極力防止している。下流側の台座部90b 、中間通路部分26a-2の上流側開口面積を狭く し、曝露部43から中間通路部分26a-2への空気 湿気の侵入を極力防止している。また、シ ッター101は、前処理部100から中間通路部分26 a-2への空気や湿気の侵入を防止している。

 さらに、カセット本体21とカバープレート22 の接合面には、シール部96が設けられている このシール部96は、カセット本体21の背面S 2  で検知紙用通路26に対応する部分に形成さ た凹陥部32と、カバープレート22の裏面に突 され凹陥部32に嵌合する突起部95とで構成さ れている。突起部95は、凹陥部32との隙間を ぎシール性能を高めるために表面がゴム等 よって被覆されており、前処理部100と曝露 43にそれぞれ嵌合する突出部分95a、95bを一体 に有し、これらによって前処理部100および曝 露部43の幅をガス検知用テープ16の幅と略等 く設定するとともに、ガス検知用テープ16の 一側縁を案内する案内面を形成し、テープ16 幅方向への移動を防止している。なお、そ 他の構造は、上記した第1の実施例と同一で ある。

 上記構造からなるオゾンガス濃度測定器1 0Aによるオゾンガスの測定に際しては、大気 にオゾンガスが存在する測定環境下におい 、制御部からの駆動信号によって駆動モー 55を駆動してガス検知用テープ16を巻取り軸 36に一定量巻取ってガス検知紙11の未使用の 定部分11aを曝露部43に位置させる。ガス検知 紙11の測定部分11aを曝露部43に移動させると 次期測定部分11bは、前処理部100に移動して 機する。前処理部100は、シャッター101によ て閉塞されている。

 測定に際しては、駆動モータ55の駆動に ってガス検知用テープ16を走行させ、ガス検 知紙11の測定部分11aを曝露部43に移動、停止 せると、この状態でオゾンガスの測定が開 される。

 オゾンガスの測定を開始すると、曝露部4 3に臨んでいるガス検知紙11の測定部分11aは、 大気中に含まれているオゾンガスによって曝 露されることにより徐々に変色(退色)する。 ス濃度検出手段14は、センサ63によりガス検 知紙11の変色を反射率の変化として一定時間 に検出し、この反射率を予め基準のガス検 紙をオゾンガスに曝露させて測定した反射 と比較することにより、オゾン濃度を自動 に測定する。

 ガス検知紙11の測定部分11aによるオゾン スの測定中において、次期測定部分11bは、 処理部100内にあって、前処理、すなわち測 環境の湿気になじまされる。この次期測定 分11bの前処理は、測定部分11aによる測定が 了する一定時間前、例えば30分前にシャッタ ー101を作業者が手で開くかあるいはモータを 用いて自動的に開き、前処理部100を一定時間 開放することにより行われる。前処理の最適 時間は、30分程度で、これより長いと大気中 オゾンガスによって必要以上に変色するた 好ましくない。また、短すぎると、大気中 湿気の吸い込みが不十分で、大気の湿気に った反射率とならず、測定誤差となるため ましくない。前処理が終了すると、シャッ ー101を閉じて測定部分11aによる測定が終了 るまで、次期測定部分11bを前処理部100内に 機させておく。

 一定時間経過して測定部分11aによる測定 終了すると、駆動モータ55を遠隔操作によ て駆動してガス検知用テープ16を巻取り軸36 一定量巻取り、ガス検知紙11の次期測定部 11bを曝露部43に移動させて新たな測定部分と する。ここで、前処理の済んだ次期測定部分 11bの反射率の初期値を予め測定しておき、測 定中はこの反射率の初期値との差を求めるこ とで前処理中にオゾンに曝露した分が測定誤 差とならないように連続測定することができ る。一方、連続して測定しないときは、次の 測定を開始するまで測定が終わった測定部分 11aを曝露部43内に滞留させておく。

 また、連続して測定しない場合は、測定 分11aによる測定中においてシャッター101を じたままの状態に保持し、前処理部100内に 機している次期測定部分11bの前処理を保留 ておく。

 このように本実施例によるオゾン濃度測 器10Aは、曝露部43の上流側に前処理部100を け、ガス検知紙11の次期測定部分11bを待機さ せておき、次に測定を開始する前にシャッタ ー101を開いて前処理部100を大気に開放するこ とにより、次期測定部分11bを予め測定環境の 湿気に一定時間なじませるようにしたので、 次期測定部分11bを曝露部43に移動させて測定 開始したときの反射率を外気の湿度に合っ 反射率とすることができる。したがって、 定部分11aによる測定が終了した後、待ち時 を設ける必要がなく、次期測定部分11bによ 連続測定を行うことができる。また、湿度 よる測定誤差が少なく、測定精度を向上さ ることができる。

[第4の実施例]
 図9において、本実施例は、図7に示したス イド型のシャッター101の代わりにカセット12 の背面側に、回転型のシャッター101Aを配設 たものである。カバープレート22は、前処理 部100に連通する連通孔110を有している。シャ ッター101Aは、円板状に形成されてカバープ ート22の連通孔110に連通可能な通気孔112を有 し、カバープレート22の表面に突設した回転 113に回転自在に配設されている。シャッタ 101Aは、通常連通孔110を閉塞しており、一定 角度回動して通気孔112を連通孔110に一致させ ることにより、前処理部100を大気に開放させ るように構成されている。このため、カセッ ト本体21は、上面S 3  に曝露部43のみが開放し、前処理部100は開 されておらず、また図7に示したスライド自 なシャッター101が配設されていない。その の構造は、上記した第3の実施例と同様であ る。

 このような構造においても、シャッター1 01Aを回転させて通気孔112を連通孔110に連通さ せると、前処理部100を大気に開放させること ができるので、上記した第3の実施例と同様 ガス検知紙11の前処理部100に待機している次 期測定部分11bを前処理して測定環境の湿気に なじませることができる。なお、シャッター 101A(シャッター101も同様)は、手動操作される ものに限らず、モータ駆動によって動作され るものであってもよい。

[第5の実施例]
 図10および図11において、本実施例における オゾン濃度測定器10Bは、請求項14に記載の測 器を示すもので、上記した第1の実施例にお けるオゾン濃度測定器10に検知紙用通路26水 通路部26aで曝露部43より上流側の通路部分に 、ガス検知紙11の次期測定部分11bを予め外部 一定時間露呈させて測定環境の湿気になじ せる前処理部100と、この前処理部100の開口 121a、121bを覆いオゾンガスを除去し湿気を 過させるフィルター120a、120bをさらに設けて いる点で、上記した第1の実施例におけるオ ン濃度測定器10と異なっている。また、第4 実施例で示したオゾン濃度測定器10Aとは、 ャッター101または101Aの代わりにフィルター1 20a~120cを設けた点で異なっている。なお、図1 ~図5、図7~図9に示した構成部品、部分と同一 成部材、部分については、同一符号をもっ 示し、その説明を適宜省略する。

 検知紙用通路26の水平通路部26aは、上流 通路部分26a-1と、中間通路部分26a-2および下 側通路部分26a-3とで構成されている。上流 通路部分26a-1と、前処理部100を形成する中間 通路部分26a-2は、カセット本体21の上側に開 しておらず、曝露部43を形成する下流側通路 部分26a-3のみが上方に開放している。

 前処理部100は、通風のためにカセット本体2 1の前面S 1  および背面S 2  に形成した開口部121a(なお、背面に開口す 開口部は中間通路部分26a-2のカバープレート 側の開放側縁である)と、カバープレート22に 形成した開口部121bとによってカセット12の前 後面に開放している。また、これらの開口部 121a、121bは、通気性は有するが測定ガスであ オゾンガスを除去するフィルター120a、120b よってそれぞれ覆われている。このため、 処理部100は、測定環境と同じ湿度をもつ状 に保持されている。

 フィルター120a、120bとしては、従来公知 オゾンフィルター(特開平3-213145号公報、特 昭63-31258号公報、特開平4-7038号公報等)また メンブレンフィルター(特開2006-258533号公報) 用いられる。ここでは、薄いアルミ箔によ コルゲートハニカム構造体を担体とし、そ 表面に金属(Mn)系触媒をコーティングしたオ ゾンフィルターを用いた例を示している。

 メンブレンフィルターとしては、例えば 部興産社製のポリイミドフィルム”ユーピ ックスS”(商標名)が用いられる。オゾンガ は、物質の表面で吸収され易いため、メン レンフィルターにも一定の割合で吸収され ことが知られている。

 カセット本体21の背面S 2  とカバープレート22との接合面間に設けら ているシール部96は、カセット本体21の背面 部で検知紙用通路26に対応する部分に形成 れた凹陥部32と、カバープレート22の裏面に 設され凹陥部32に嵌合する突起部95とで構成 されている。凹陥部32は、前端が未使用検知 収納部24の開口部40の上方に延在し、後端が 使用済み検知紙収納部25の開口部41の上方に 在する長さを有するが、中間部が垂直な仕 板124によって仕切られることにより前後2つ 室32a、32bで構成されている。前側の室32aは 流側通路部分26a-1の下方に位置し、後側の 32bは前処理部100と曝露部43の下方に位置して いる。また、後側の室32bの前端には、オゾン フィルター120a、120bだけでは厚さ(長さ)が不 分な場合、追加のオゾンフィルター120cを収 するためのフィルター用収納凹部125が設け れている。このフィルター用収納部125は、 方に向かって延設されることによりカセッ 本体21の底面S 4  に開放する開口部121cを有し、これによって オゾンフィルター120cの下端(外気導入用の吸 口)をカセット本体21の外部に露呈させてい 。

 カバープレート22の突起部95は、前側の室 32aと後側の室32bに対応一致するように前後2 に分割された前側凸部95Aと後側凸部95Bとで 成されている。また、前側凸部95Aと後側凸 95Bは、前側の室32aと後側の室32bとの隙間を ぎシール性能を高めるために表面がゴム等 よってそれぞれ被覆されている。さらに、 側凸部95Bには、曝露部43に嵌合する突出部分 95aが一体に突設されている。

 このような構造からなるオゾン濃度測定 10Bにおいても、前処理部100を開口部121a~121c よって外部に開放し、オゾンフィルター120a ~120cによって通気性を確保しているので、前 理部100を測定環境と同じ湿度状態に保持す ことができる。このため、前処理部100内に 機しているガス検知紙11の次期測定部分11b 、測定環境の湿気になじみ、反射率を外気 湿度に合った反射率とすることができる。 方、オゾンフィルター120a~120cは、大気中の ゾンガスを除去するので、オゾンガスが前 理部100に侵入して次期測定部分11bを曝露す ことはない。したがって、ガス検知紙11の測 定部分11aによる測定が終了した後、前処理部 100内に待機しているガス検知紙11の次期測定 分11bを曝露部43に移動させると、上記した 3の実施例と同様に待ち時間を設ける必要が く、オゾンガスの測定を連続して行うこと できる。また、前処理によって次期測定部 11bの反射率が外気の湿度に合った反射率に れば、湿度依存性を有するガス検知紙11で っても、湿度による測定誤差が生じず、測 精度を向上させることができる。

 また、未使用検知紙収納部24と、前処理 100より上流側の通路部分26a-1、テープ導入部 26bおよび未使用検知紙収納部24には、オゾン スが侵入するおそれがなく、ガス検知紙11 未使用部分がオゾンガスによって曝露され のを確実に防止することができる。

[第6の実施例]
 図13において、本実施例におけるオゾン濃 測定器は、カセット12の前後面に開口部を設 ける代わりに、カセット本体21の上面S 3  に前処理部100の開口部100aを形成し、この開 口部100aをオゾンフィルター120によって覆っ ものである。なお、その他の構造は上記し 第5の実施例と略同一であるため、同一構成 材、部分には同一符号をもって示し、その 明を省略する。

 このような構造においも、オゾンフィル ー120によって前処理部100の通気性を確保す ようにしているので、前処理部100内に待機 ているガス検知紙11の次期測定部分11bを大 中のオゾンガスに曝露させることなく測定 境の湿気になじませることができる。

 なお、本発明は上記した実施例に何ら限 されるものではなく、種々の変形、変更が 能である。例えば、上記した実施例におい は、いずれもオゾンガスに反応する色素と てインジゴカルミンを用いたが、これに限 ずトリフェニルメタン色素やアゾ色素、ア トラキン色素等を用いてもよい。

 また、上記した実施例においては、駆動 ータ55の遠隔操作によってガス検知用テー 16を巻き上げ、ガス検知紙11の変色を反射率 定装置61によって測定するようにした例を したが、本発明はこれに何ら特定されるも ではなく、携帯型の測定器としても使用す ことができる。その場合は、駆動モータ55の 代わりに手動操作されるハンドルを巻取り軸 36の先端に取付け、図14に示した色見本5をカ ット12の上面適宜箇所に貼り付けておき、 ス検知紙11の変色をこの色見本5と比較して ス濃度を測定するようにすればよい。また 携帯型の場合はガス濃度測定手段14や検知紙 送り量検出手段70も必要としないため、一層 素化することができる。

 本発明に係るガス濃度測定器は、オゾンを 定するオゾン濃度測定器に限らず、二酸化 素ガスの濃度測定器にも適用することが可 である。その場合は、検知剤として二酸化 素ガス(NO 2  )に反応するジアゾ化試薬およびカップリン グ試薬の混合物等を多孔体に含浸させたガス 検知素子を用いればよい。