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Title:
GAS PHASE CATALYTIC OXIDATION REACTION PROCESS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057463
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a gas phase catalytic oxidation reaction process using a fixed bed tube-type reactor, which method can suppress the occurrence of hot spots and, at the same time, can produce a contemplated reaction product at a high yield. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A gas phase catalytic oxidation reaction process characterized in that a tube-type reactor packed with a catalyst is divided into a partial reaction layer and a whole reaction layer as viewed from the starting gas inlet side toward the outlet side, a reaction-free zone, in whi8ch a part of the starting gas does not come into contact with the catalyst, and a catalyst layer, in which the remaining part of the starting gas comes into contact with the catalyst, are provided in the partial reaction layer, and, in the whole reaction layer, the starting gas, which has passed through the reaction-free zone and the gas, which has passed through the catalyst layer in the partial reaction layer, are subjected to an oxidation reaction.

Inventors:
KOJIMA TOSHITAKE (JP)
SEO YOSHIMASA (JP)
ONOUE HIROYUKI (JP)
SUGI HIDEKI (JP)
SHIRAISHI KAZUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068845
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 17, 2008
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Assignee:
NIPPON KAYAKU KK (JP)
KOJIMA TOSHITAKE (JP)
SEO YOSHIMASA (JP)
ONOUE HIROYUKI (JP)
SUGI HIDEKI (JP)
SHIRAISHI KAZUO (JP)
International Classes:
C07C45/35; B01J8/06; C07C27/14; C07C47/22; C07C51/25; C07C57/05; C07B61/00
Foreign References:
JPH1180052A1999-03-23
JPH04217932A1992-08-07
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshio et al. (Jochi KioizakaBldg., 7-1 Kioi-cho,Chiyoda-k, Tokyo 94, JP)
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Claims:
 固定床管型反応器を用いる気相接触酸化反応において、触媒を充填した反応管を原料ガス入口側から出口側に向かって、部分反応層と全反応層に分け、該部分反応層に、原料ガスの一部が触媒と接触しない無反応帯と原料ガスの残部が触媒と接触する触媒層を設け、該全反応層において、該無反応帯を通過した原料ガスと該部分反応層の触媒層を通過したガスを酸化反応させることを特徴とする、気相接触酸化反応方法。
 無反応帯が中空円柱状である、請求項1記載の反応方法。
 無反応帯の一部が反応管の内壁に接触するように設けられた、請求項1または2記載の反応方法。
 無反応帯の原料ガス出口側にスリット状の切り込みを設けた、請求項1~3のいずれか1項に記載の反応方法。
 触媒が活性成分を不活性担体に担持した担持触媒である請求項1~4のいずれか1項に記載の反応方法。
 気相接触酸化反応が、プロピレン、イソブチレンまたはt-ブタノールを分子状酸素により酸化して、対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する反応である、請求項1~5のいずれか1項に記載の反応方法。
 気相接触酸化反応が、プロピレンを分子状酸素により酸化して、アクロレイン及びアクリル酸を製造する反応である、請求項1~5のいずれか1項に記載の反応方法。
Description:
気相接触酸化反応方法

本発明は、固定床管型反応器を用いる気相 接触酸化反応に関する。

プロピレン、イソブチレンまたはt-ブタノ ルを気相接触酸化して不飽和アルデヒド及 不飽和カルボン酸を製造するための複合酸 物触媒はすでに多数提案され、そのうちい つかは工業的にも使用されている。

しかしながら、この複合酸化物触媒を用い て不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を 工業的に製造するには種々の問題が生じる。

これらの問題の一つとして挙げられるのは 、触媒層における局部的な異常高温部(ホッ スポット)の発生である。ホットスポットの 生は、気相接触反応が発熱反応であること 起因している。一方で、不飽和アルデヒド び不飽和カルボン酸の工業的製造において 産性の向上を図るために、原料ガスの濃度 高めたり、反応ガスの空間速度を高めたり る方法をとることが一般的であるが、この うな高負荷反応条件下では、ホットスポッ 部の蓄熱は増大する。ホットスポット部で 蓄熱の増大は、触媒寿命の短縮や過度の酸 反応による副生成物の増加、最悪の場合は 走反応の原因となる。

このようなホットスポットの発生もしくは ホットスポット部における蓄熱を回避するた めには、低い生産性に甘んじたり、反応管径 を小さくしたりする等の対策がとられるが、 これらは経済的に不利な方法と言わざるを得 ない。

そこで上記ホットスポットに起因する反応 操作上の危険を回避し且つ上記工業的製造に おける経済性を確保するために、様々な検討 が行われ報告されている。例えばホットスポ ット部の触媒を不活性な物質で希釈する方法 (特許文献1)、使用する触媒の形状をリング状 とする方法(特許文献2)等が提案されている。 また、反応管内に2つ以上の反応帯を設け、 数の活性の異なる触媒を充填して反応を行 方法が提案されている。この方法としては 触媒活性成分の組成を変えること(特にアル リ金属の種類および/または量)によって活 を制御された複数種の触媒を原料ガス入口 より出口側に向かって活性のより高いもの 位置するように反応管軸に沿って充填する 法(特許文献3)、複数個の反応帯に異なった 有容積を持つ触媒を、反応管入口側から出 側へ向かって占有容積が小さくなるように 填する方法(特許文献4)、担持触媒の活性成 の担持量を変えて、活性を制御した触媒を 応管入口側から出口側へ向かって充填する 法(特許文献5)等が提案されている。また、 許文献6には、触媒を充填した多数の管から る管束部がシェル内に設けられ、一方シェ 内には触媒を加熱する熱媒が循環するよう なっている反応器において管の中心に金属 の棒状体を設置し、除熱効率を向上させる 法が記載されている。

しかしながら、触媒を不活性物質で希釈す る方法では、希釈用の不活性物質と触媒とを 均一に混合するために非常な努力が行われて いるが、それでもこの方法では必ずしも均一 な充填ができないためホットスポットを生じ 易く、その上反応管毎にホットスポット部の 位置および温度が異なるといった反応操作上 の不都合が生じるため、ホットスポットの抑 制法として満足のいく方法ではない。

形状をリング状にすることによって、触媒 の活性を制御する方法も高負荷反応条件下、 すなわち高い原料濃度や高い空間速度の条件 下、ではホットスポットの抑制には充分な方 法とは言い難い。

アルカリ金属の種類および/または量を変 させることによって触媒の活性を制御する 法は、その添加量が他の成分と比較して極 て少ないことからその添加効果が極めて大 く、触媒調製時の操作が非常に困難となる また、添加量の多い他の成分の原料に含ま るアルカリ金属の影響により、触媒の活性 御が更に困難となる。さらに、異なる活性 分を有する触媒を複数種使用する場合、長 間使用すると触媒の経時的変化はそれぞれ なるため、経時変化を考慮して触媒層長、 媒の活性等を最適化する必要があり、複雑 操作を必要とする。

異なった占有容積を持つ触媒を用いて、反 応管入口側から出口側へ向かって占有容積が 小さくなるように充填し、反応管軸方向に複 数個の反応帯を設ける方法では、隣接する2 の反応帯の占有容積比を一定範囲にする必 があり、また使用する触媒の占有面積の他 触媒の形状、組成等が異なれば、最適化に さらに複雑な操作を必要とするという欠点 ある。

担持触媒の活性成分の担持量を変えて、活 性を制御した触媒を反応管入口側から出口側 へ向かって充填する方法では、活性制御や触 媒の製造は容易であるが、触媒の充填時に反 応管毎にバラツキが生じる恐れがある。

反応器において反応管の中心に金属性の棒状 体を設置する方法では、棒状体の設置部分を 通過する原料濃度は変わらず、かつ断面積当 たりの反応ガス流速が増すことになる。
この方法は除熱の効果はあるものの、高い原 料濃度や高い空間速度の条件下ではホットス ポット抑制に充分な方法とは言い難い。

特公昭53-30688号公報

特公昭62-36739号公報

特公昭63-38331号公報

特開平4-217932号公報

特開平10-168003号公報

特開平11-80052号公報

本発明は、原料ガスを高負荷反応条件下で 気相接触酸化する際に、触媒層に生じるホッ トスポット部の蓄熱を抑制し、目的生成物を 高収率で得るとともに、熱負荷による触媒の 劣化を防止することにより長期間にわたり安 定した生産を行う簡便な方法を提供すること を目的とする。

本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭 意研究した結果本発明を完成した。すなわち 本発明は、
(1)固定床管型反応器を用いる気相接触酸化反 応において、触媒を充填した反応管を原料ガ ス入口側から出口側に向かって、部分反応層 と全反応層に分け、該部分反応層に、原料ガ スの一部が触媒と接触しない無反応帯と原料 ガスの残部が触媒と接触する触媒層を設け、 該全反応層において、該無反応帯を通過した 原料ガスと該部分反応層の触媒層を通過した ガスを酸化反応させることを特徴とする、気 相接触酸化反応方法、
(2)無反応帯が中空円柱状である、上記(1)記載 の反応方法、
(3)無反応帯の一部が反応管の内壁に接触する ように設けられた、上記(1)または(2)記載の反 応方法、
(4)無反応帯の原料ガス出口側にスリット状の 切り込みを設けた、上記(1)~(3)のいずれか1項 記載の反応方法、
(5)触媒が活性成分を不活性担体に担持した担 持触媒である上記(1)~(4)のいずれか1項に記載 反応方法、
(6)気相接触酸化反応が、プロピレン、イソブ チレンまたはt-ブタノールを分子状酸素によ 酸化して、対応する不飽和アルデヒド及び 飽和カルボン酸を製造する反応である、上 (1)~(5)のいずれか1項に記載の反応方法、
(7)気相接触酸化反応が、プロピレンを分子状 酸素により酸化して、アクロレイン及びアク リル酸を製造する反応である、上記(1)~(5)の ずれか1項に記載の反応方法
に関する。

本発明によれば、原料濃度を上げたり、空 間速度を上げたりする高負荷反応条件下にお いても、工業的に不利な方法をとらずに、ホ ットスポットの発生に伴う暴走反応や過度の 酸化反応を回避することができ、しかも定常 的な運転が長時間可能になることから、本発 明の方法は従来法に比べて特に優れた方法で ある。本発明に従えば、高負荷反応条件下で もホットスポットの発生に伴う暴走反応の危 険を回避でき、また過度の酸化反応による副 生成物の抑制により、高選択率かつ高収率で 目的生成物を得ることができる。さらに、熱 負荷による触媒の劣化が防止され、触媒を長 期間安定して使用することができるため、生 産性も大幅に向上させることが可能となる。

本発明において使用する固定床管型反応器 は、プロピレン、イソブチレンまたはt-ブタ ールを分子状酸素により酸化して、対応す 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を 造する際に使用されるもので、本発明にお ては、この固定床管型反応器における反応 を原料ガス入口側から出口側に向かって、 分反応層と全反応層に分け、該部分反応層 、原料ガスの一部が触媒と接触しない無反 帯を設ける。

部分反応層における無反応帯は、原料ガス 入口側から部分反応層を貫通して設けた中空 管により、原料ガスが触媒と接触しないよう に、すなわち酸化反応を起こさないように原 料ガスの一部を触媒から隔離するものである 。この中空管の材質は、耐熱性のものであれ ば特に制限はなく、例えばセラミックス、鉄 、ステンレス等のものが使用可能である。そ の形状は、中空状であれば特に制限はないが 、円柱状、角柱状等が挙げられ、中空管を設 置した反応管に均一に触媒を充填するために は円柱状が好ましい。

中空管の太さ、特に断面積と反応管の断面 積の関係は、原料ガスの反応割合と生成する 反応熱の量に関係するため特に重要である。 例えば、反応管としては通常、内径が15~40mm 長さが200~8000mm程度のものが使用されるが、 空管として、反応管の断面積の、1.0~20%程度 の断面積を有するものが好ましい。例えば、 外径が12.0mm~4.0mm、内径が10.0~2.0mmのものが使 可能である。

中空管の長さ、すなわち部分反応層の長さ は、原料ガス濃度、反応における原料ガスの 空間速度、ホットスポットの発生部位等によ り異なるため、適宜調節することが好ましい が、通常、反応管長の10%以上50%以下が実用的 である。

中空管は、通常単数設けられるが、前記し た好ましい断面積を考慮して、複数設けるこ とも可能である。また、中空管の設定位置と しては、反応管中の任意の場所でよいが、反 応管の中心付近よりも内壁近傍、好ましくは 内壁に接して設置したほうが、原料ガスが高 温に晒されず、冷炎反応防止のため好ましい 。

また、中空管は通常部分反応帯を貫通して設 けられるが、原料ガス出口側にスリット状の 切り込みを設け、中空管を通ってきた原料ガ スが徐々に触媒に接触する態様も選択可能で ある。また、中空管の途中からスリット状の 切り込みを設け徐々に触媒に接触する態様も 選択可能である。
スリットの幅は1mm~6mmのものが使用可能であ 。

本発明においては、部分反応層の触媒層か らのガス(生成物と未反応原料ガス)のうちの 反応ガス及び無反応帯からの原料ガスの全 を全反応層に通じて酸化反応させる。こう ることにより、原料ガスの入口部近傍では 料ガス流量を低めに抑え、ホットスポット 発生が制御され、出口部近傍で酸化反応が 全になされるため、目的物の収率低下を招 こともない。

本発明の反応方法は、通常の単流通法でも、 あるいはリサイクル法であってもよく、一般 に用いられている条件下で実施することがで きる。例えば、プロピレンの酸化反応を例に とると原料ガスとしてプロピレン1~10容量%、 ましくは、4~9容量%、分子状酸素3~20容量%、 ましくは、4~18容量%、水蒸気0~60容量%、好ま しくは4~50容量%、不活性ガス(窒素、炭酸ガス 等)20~80容量%、好ましくは30~60容量%等からな 混合ガスを、250℃~450℃で、常圧~10気圧の圧 下で、空間速度(=原料ガス流量/充填した触 のみかけの容量)300~5000hr -1 で導入することにより反応を行う。

本発明が適用できる好ましい気相接触酸化 反応としては、プロピレン、イソブチレンま たはt-ブタノールを分子状酸素により酸化し 、対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カ ボン酸を製造する反応が挙げられ、プロピ ンを分子状酸素により酸化して、アクロレ ン及びアクリル酸を製造する反応に好まし 適用できる。

本発明において使用できる触媒は、気相接触 酸化反応に通常使用される触媒であれば特に 制限はないが、前記好ましい反応に使用可能 な触媒としては、その活性成分が、モリブデ ン、ビスマス及び鉄を含有する複合金属酸化 物触媒が挙げられ、中でも特許文献5に記載 れたMo a Bi b Ni c Co d Fe f Y g Z h O x (式中、Mo、Bi、Ni、CoおよびFeはそれぞれモリ デン、ビスマス、ニッケル、コバルトおよ 鉄を表し、Yは錫、亜鉛、タングステン、ク ロム、マンガン、マグネシウム、アンチモン およびチタンから選ばれる少なくとも一種の 元素、Zはカリウム、ルビジウム、タリウム およびセシウムから選ばれる少なくとも一 の元素を意味するものであり、a、b、c、d、f 、g、hおよびxはそれぞれモリブデン、ビスマ ス、ニッケル、コバルト、鉄、Y、Zおよび酸 の原子数を表し、a=12、b=0.1~7、c+d=0.5~20、f=0. 5~8、g=0~2、h=0~1およびx=各元素の酸化状態によ って決まる値である)で表されるものが好ま い。

また、触媒の形態としては特に制限はなく 、通常の成型法、たとえば押出し成型法、打 錠成型法、担持成型法で製造される球状、円 柱状、リング状の任意の形態が選択可能であ るし、部分反応層と全反応層に異なる形態の 触媒を使用してもよい。本発明においては、 反応熱の除去性能が良好であるため担持触媒 、すなわち、前記活性成分をα-アルミナ、シ リコンカーバイド、軽石、シリカ、酸化ジル コニウム、酸化チタン等の不活性担体に担持 させた形態の触媒が好ましい。担体の形状は 球形、円柱状、リング状等特に限定されるも のではないが、触媒の製造効率、機械的強度 を考慮した場合、特に球形が好ましい。

以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に 説明する。なお、本発明における転化率、選 択率及び単流収率はそれぞれ次の通り定義さ れる。
プロピレン酸化反応においては、
プロピレン転化率(モル%)=(反応したプロピレ のモル数)/(供給したプロピレンのモル数)×1 00
アクロレイン選択率(モル%)=(生成したアクロ インのモル数)/(反応したプロピレンのモル )×100
アクリル酸選択率(モル%)=(生成したアクリル のモル数)/(反応したプロピレンのモル数)×1 00
アクロレイン収率(モル%)=(生成したアクロレ ンのモル数)/(供給したプロピレンのモル数) ×100
アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸 モル数)/(供給したプロピレンのモル数)×100
アクロレイン酸化反応においては、
アクロレイン転化率(モル%)=(反応したアクロ インのモル数)/(供給したアクロレインのモ 数)×100
アクリル酸選択率(モル%)=(生成したアクリル のモル数)/(反応したアクロレインのモル数) ×100
アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸 モル数)/(供給したアクロレインのモル数)×1 00

実施例1
(触媒の調製-1)蒸留水3000mlを加熱攪拌しなが モリブデン酸アンモニウム423.8gと硝酸カリ ム2.02gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝 酸コバルト302.7g、硝酸ニッケル162.9g、硝酸第 二鉄145.4gを蒸留水1000mlに溶解して水溶液(B)を 、また濃硝酸25mlを加えて酸性にした蒸留水20 0mlに硝酸ビスマス164.9gを溶解して水溶液(C)を それぞれ調製した。上記水溶液(B)、(C)を混合 し、その混合液を上記水溶液(A)を激しく攪拌 しながら水溶液(A)に滴下した。生成した懸濁 液はスプレードライヤーを用いて乾燥し、得 られた粉末を440℃で3時間予備焼成し、予備 成粉末570gを得た。その後、この予備焼成粉 300gと、成型助剤として結晶性セルロース10g を混合した。平均粒径4.5mmのアルミナ担体300g を転動造粒器に投入し、その後上記混合物と 、バインダーとして33重量%グリセリン水溶液 90gを同時に添加し、担体に上記混合物を担持 させ、担持率50重量%の粒子(以下、活性成分 持粒子という)を得た。上記活性成分担持粒 を室温で15時間乾燥した後、空気流通下520 で5時間焼成しプロピレン酸化触媒を得た。 た、得られた触媒の平均粒径は5.2mmであり 触媒活性成分の酸素を除いた組成は、原子 でMo=12、Bi=1.7、Ni=2.8、Fe=1.8、Co=5.2、K=0.1であ た。

(プロピレン酸化反応-1)中心に外径3.2mmの熱電 対を設置した全長50cm、内径28.4mmステンレス (SUS304)反応管に触媒充填長18cm(全反応層)とな るように上記触媒を充填した。そして、反応 管内壁に沿って外径10mm(内径8mm)のステンレス 製中空パイプを挿入し、パイプ先端部を充填 した触媒上面に合わせ固定した。その後、中 空パイプ内に触媒が入らないように注意しな がら、この反応管の中空パイプを除いた部分 に触媒充填長6cm(部分反応層)となるように上 触媒を充填した。
反応浴温度を315℃に保ってプロピレン8.3容量 %(プロピレン流量7.5L/hr)、
酸素14.0容量%、水蒸気24.8容量%、窒素52.9容量% からなる混合ガスを触媒上に通し反応させた 。
このときの各触媒層の最高温度はそれぞれ入 口から384℃、386℃、プロピレン転化率は、97. 9%、アクロレイン収率は81.1%、アクリル酸収 は9.2%、アクロレインとアクリル酸の合計選 率は92.2%であった。

実施例2
実施例1において、外径10mm(内径8mm)のステン ス製中空パイプの代わりに外径6mm(内径4mm)の ステンレス製中空パイプを使用し、反応浴温 度を311℃に保ってプロピレン8.3容量%(プロピ ン流量7.5L/hr)、酸素14.0容量%、水蒸気24.8容 %、窒素52.9容量%からなる混合ガスを触媒上 通し反応させた。
このときの各触媒層の最高温度はそれぞれ入 口から398℃、362℃、プロピレン転化率は、97. 7%、アクロレイン収率は83.0%、アクリル酸収 は7.3%、アクロレインとアクリル酸の合計選 率は92.4%であった。

実施例3
実施例1において、外径10mm(内径8mm)のステン ス製中空パイプの代わりに外径4mm(内径3mm)の ステンレス製中空パイプを使用し、反応浴温 度を310℃に保ってプロピレン8.3容量%(プロピ ン流量7.5L/hr)、酸素14.0容量%、水蒸気24.8容 %、窒素52.9容量%からなる混合ガスを触媒上 通し反応させた。
このときの各触媒層の最高温度はそれぞれ入 口から437℃、343℃、プロピレン転化率は、97. 8%、アクロレイン収率は80.7%、アクリル酸収 は9.8%、アクロレインとアクリル酸の合計選 率は92.5%であった。

比較例1
ステンレス製パイプを使用しない他は実施例 3と同じ方法を行った。すなわち中心に外径3. 2mmの熱電対を設置した内径28.4mmステンレス製 (SUS304)反応管に上記触媒を充填長が24cmとなる ように充填した。
反応浴温度を310℃に保ってプロピレン8.3容量 %(プロピレン流量7.5L/hr)、酸素14.0容量%、水蒸 気24.8容量%、窒素52.9容量%からなる混合ガス 触媒上に通し反応させた。
このときの触媒層の最高温度は456℃、プロピ レン転化率は、97.1%、アクロレイン収率は79.9 %、アクリル酸収率は9.7%、アクロレインとア リル酸の合計選択率は92.3%であった。
ステンレスパイプを使用しないと反応ピーク 温度は大幅に高くなり、反応成績も低下する 結果となった。

比較例2
実施例3において、外径4mm(内径3mm)のステンレ ス製中空パイプの代わりに外径4mm(内径3mm)の テンレス製中空パイプの上下部を閉鎖した のを使用し、反応浴温度を308℃に保ってプ ピレン8.3容量%(プロピレン流量7.5L/hr)、酸素 14.0容量%、水蒸気24.8容量%、窒素52.9容量%から なる混合ガスを触媒上に通し反応させた。
このときの各触媒層の最高温度はそれぞれ入 口から449℃、339℃、プロピレン転化率は、97. 5%、アクロレイン収率は80.1%、アクリル酸収 は9.6%、アクロレインとアクリル酸の合計選 率は92.0%であった。

実施例4
(プロピレン酸化反応-2)中心に外径3.2mmの熱電 対を設置した全長510cm、内径27.2mmステンレス (SUS304)反応管に触媒充填長200cm(全反応層)と るように実施例1記載のプロピレン酸化触媒 を充填した。そして、反応管内壁に沿って外 径8mm(内径6mm)、原料ガス出口側に幅3mm、長さ5 0cmのスリット状の切れ込みを設けた長さ150cm ステンレス製中空パイプを挿入し、パイプ 端部を充填した触媒上面に合わせ固定した その後、中空パイプ内に触媒が入らないよ に注意しながら、この反応管の中空パイプ 除いた部分に触媒充填長150cm(部分反応層)と なるように実施例1記載のプロピレン酸化触 を充填した。
反応浴温度を328℃に保ってプロピレン8.0容量 %(プロピレン流量200.6L/hr)、酸素13.6容量%、水 気8.0容量%、窒素70.4容量%からなる混合ガス 触媒上に通し反応させた。その際、反応管 口圧力を50kPaGに制御した。
このときの各触媒層の最高温度はそれぞれ入 口から428℃、387℃、プロピレン転化率は、96. 6%、アクロレイン収率は82.2%、アクリル酸収 は8.0%、アクロレインとアクリル酸の合計選 率は93.4%であった。

比較例3
ステンレス製パイプを使用しない他は実施例 4と同じ方法を行った。すなわち中心に外径3. 2mmの熱電対を設置した内径27.2mmステンレス製 (SUS304)反応管に実施例1記載のプロピレン酸化 触媒を充填長が350cmとなるように充填した。
反応浴温度を309℃に保ってプロピレン8.0容量 %(プロピレン流量200.6L/hr)、酸素13.6容量%、水 気8.0容量%、窒素70.4容量%からなる混合ガス 触媒上に通し反応させた。その際、反応管 口圧力を50kPaGに制御した。
このときの触媒層の最高温度は445℃、プロピ レン転化率は、90.2%であった。
プロピレン転化率を上げるため、反応浴温度 を徐々に上昇させたところ、触媒層の最高温 度が急激に上昇し、安定な反応ができなくな ったので反応を停止した。
ステンレスパイプを使用しないと反応ピーク 温度は大幅に高くなり、安定な反応ができな い結果となった。

実施例5
(触媒の調製-2)撹拌モーターを備えた調合槽(A )に95℃の脱イオン水600部とタングステン酸ア ンモニウム16.26部を加え、撹拌する。次に、 タバナジン酸アンモニウム18.22部、モリブ ン酸アンモニウム110部を溶解する。次に、 酸アンチモン7.75部を加える。脱イオン水96 の入った調合槽(B)に硫酸銅15.56部を溶解し、 その溶液を調合槽(A)に加えスラリー溶液を得 た。噴霧乾燥機の出口温度が約100℃になるよ うに送液量を調整して上記で得られたスラリ ー溶液を乾燥した。このようにして得られた 顆粒を炉の温度を室温より毎時約60℃で昇温 せ、350℃で約5時間焼成(予備焼成)した。次 でこの予備焼成顆粒をボールミルで粉砕し 粉体(以下これを予備焼成粉体という)を得 。転動造粒機を用いて、直径5mmのアルミナ 体36部にグリセリンの20重量%水溶液3.6部を振 りかけながら上記で得られた18部の予備焼成 体を担持させた。得られた成型品を炉の温 を室温より毎時約70℃で昇温させ、390℃で5 間焼成しアクロレイン酸化触媒を得た。こ ようにして得られた触媒の酸素を除く活性 分の元素比は、Mo 12 V 3 W 1.2 Cu 1.2 Sb 0.5 であった。

(アクロレイン酸化反応-1)中心に外径3.2mmの熱 電対を設置した全長510cm、内径27.2mmステンレ 製(SUS304)反応管に触媒充填長200cm(全反応層) なるように上記アクロレイン酸化触媒を充 した。そして、反応管内壁に沿って外径8mm( 内径6mm)、原料ガス出口側に幅3mm、長さ50cmの リット状の切れ込みを設けた長さ150cmのス ンレス製中空パイプを挿入し、パイプ先端 を充填した触媒上面に合わせ固定した。そ 後、中空パイプ内に触媒が入らないように 意しながら、この反応管の中空パイプを除 た部分に触媒充填長150cm(部分反応層)となる うに上記アクロレイン酸化触媒を充填した 実施例4のプロピレン酸化反応で得られた反 応管出口ガスに新たに空気477.6L/hrを追加、混 合調整した原料ガスをこの反応管入口に導入 し、反応浴温度を276℃に保って反応させた。 その際、反応管出口圧力を30kPaGに制御した。
このときの各触媒層の最高温度はそれぞれ入 口から320℃、312℃、アクロレイン転化率は、 99.1%、アクリル酸収率は96.5%、アクリル酸選 率は97.4%であった。