TAKAHASHI HIDEYUKI (JP)
YAMASHIRO KENJI (JP)
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KAKU YOSHIHIKO (JP)
TSUBOI KENJI (JP)
INOUE HIDETOSHI (JP)
NISHINAKA SYUHEI (JP)
FUJII TOSHIKI (JP)
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JP2018178159A | 2018-11-15 | |||
JP2007270161A | 2007-10-18 | |||
JPH01147252U | 1989-10-11 |
〇 2020/174750 32 卩(:170?2019/042428 請求の範囲 [請求項 1 ] 溶融金属浴から引き上げられた金属帯にワイビングガスを吹き付け て、 前記金属帯の表面に付着した溶融金属の付着量を調整するガスワ イビングノズルであって、 互いに対向して設けられ、 ガス噴射口としてのスリッ トを各々の金 属帯側の端部の間に長さ方向に延びるように形成した第 1のノズル部 材及び第 2のノズル部材と、 前記スリッ トの前記長さ方向に直交する幅方向のギャップを調整す るシム部材とを備え、 前記シム部材は、 セラミックス材又は力ーボン材であり、 前記第 1 のノズル部材及び前記第 2のノズル部材は各々溝部を有し、 前記シム 部材は、 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材の各々の溝 部に嵌め込まれ、 前記第 1のノズル部材と前記第 2のノズル部材とを 固定することを特徴とするガスワイビングノズル。 [請求項 2] 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材は、 セラミックス 材又は力ーボン材であることを特徴とする請求項 1 に記載のガスワイ ビングノズル。 [請求項 3] 前記第 1のノズル部材、 前記第 2のノズル部材、 及び前記シム部材 が全て同じ材質であることを特徴とする請求項 2に記載のガスワイピ ングノズル。 [請求項 4] 前記セラミックス材又は前記力ーボン材の曲げ強さが、 6 0 0 IV! 3以上であることを特徴とする請求項 1乃至 3のうちいずれか一項に 記載のガスワイビングノズル。 [請求項 5] 前記セラミックス材又は前記力ーボン材のビッカース硬さが、 8 0 0 1~1 以上であることを特徴とする請求項 1乃至 4のうちいずれか一 項に記載のガスワイビングノズル。 [請求項 6] 前記セラミックス材又は前記力ーボン材の破壊靱性が、 5 IV! 3 1 以上であることを特徴とする請求項 1乃至 5のうちいずれか一 〇 2020/174750 33 卩(:170?2019/042428 項に記載のガスワイビングノズル。 [請求項 7] 前記セラミックス材又は前記力ーボン材の耐熱衝撃性が、 4 3 0 °〇 以上であることを特徴とする請求項 1乃至 6のうちいずれか一項に記 載のガスワイビングノズル。 [請求項 8] 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材の線膨張係数は、 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材が固定されるノズル ヘッダの線膨張係数に対して 1 / 2以下であることを特徴とする請求 項 1乃至 7のうちいずれか一項に記載のガスワイビングノズル。 [請求項 9] 前記第 1のノズル部材の溝部と前記第 2のノズル部材の溝部とは、 互いに前記第 1のノズル部材と前記第 2のノズル部材との合わせ面で 連通し、 当該合わせ面を対称面として面対称となっていることを特徴 とする請求項 1乃至 8のうちいずれか一項に記載のガスワイピングノ ズル。 [請求項 10] 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材の各々の溝部の断 面形状が、 アリ溝形状であることを特徴とする請求項 9に記載のガス ワイビングノズル。 [請求項 1 1 ] 前記シム部材の断面形状は、 面対称となっている前記第 1のノズル 部材の溝部のアリ溝形状と前記第 2のノズル部材の溝部のアリ溝形状 とを合わせた形状と相補的な形状であることを特徴とする請求項 1 0 に記載のガスワイビングノズル。 [請求項 12] 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材の各々の溝部の断 面形状が、 丁型溝形状であることを特徴とする請求項 9に記載のガス ワイビングノズル。 [請求項 13] 前記シム部材の断面形状は、 面対称となっている前記第 1のノズル 部材の溝部の丁型溝形状と前記第 2のノズル部材の溝部の丁型溝形状 とを合わせた丨型溝形状と相補的な形状であることを特徴とする請求 項 1 2に記載のガスワイビングノズル。 [請求項 14] 前記第 1のノズル部材の溝部と前記シム部材との接続、 及び前記第 〇 2020/174750 34 卩(:170?2019/042428 2のノズル部材の溝部と前記シム部材との接続にピンを使用すること を特徴とする請求項 1乃至 1 3のうちいずれか一項に記載のガスワイ ビングノズル。 [請求項 15] 前記シム部材は、 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材 の各々の溝部が延びる方向と平行な方向に前記第 1のノズル部材及び 前記第 2のノズル部材の各々の溝部に着脱可能となっていることを特 徴とする請求項 1乃至 1 4のうちいずれか一項に記載のガスワイピン グノズル。 [請求項 16] 請求項 1乃至 1 5のうちいずれか一項に記載のガスワイピングノズ ルを、 溶融金属浴から引き上げられた金属帯の両面側に一対配置し、 これら一対のガスワイビングノズルの各々のスリツ トから前記金属帯 の各面にワイビングガスを吹き付けて、 前記金属帯の両面に付着した 溶融金属の付着量を調整して、 連続的に溶融金属めっき金属帯を製造 することを特徴とする溶融金属めっき金属帯の製造方法。 [請求項 17] 前記ガスワイビングノズルの前記スリツ トから噴射した直後のワイ ビングガスの温度丁 (°〇) が、 前記溶融金属の融点丁 M (°〇) との関 係で、 T M— 1 5 0 £ T £ T M + 2 5 0を満たすように、 ワイビング ガスの温度制御を行うことを特徴とする請求項 1 6に記載の溶融金属 めっき金属帯の製造方法。 |
明 細 書
発明の名称 :
ガスワイピングノズル及び溶融金属めっき 金属帯の製造方法
技術分野
[0001 ] 本発明は、 溶融金属浴から引上げられた金属帯にガスを 吹き付けて、 金属 帯の表面の溶融金属の付着量を調節するガス ワイビングノズル及びそのガス ワイビングノズルを用いた溶融金属めっき金 属帯の製造方法に関する。 背景技術
[0002] 溶融金属めっき鋼板の一種である溶融亜鉛め っき鋼板は、 建材、 自動車、 家電などの分野で広く使用されている。 そして、 これらの用途では、 外観に 優れることが溶融亜鉛めっき鋼板に対して要 求される。 ここで、 塗装後の外 観は、 めっき厚むら、 疵、 異物付着などの表面欠陥の影響を強く受ける ため 、 溶融亜鉛めっき鋼板には表面欠陥が存在しな いことが重要である。
[0003] 連続溶融金属めっきラインでは、 一般に、 還元雰囲気の連続焼鈍炉で焼鈍 された金属帯としての鋼帯は、 スナウト内を通過して、 めっき槽内の溶融金 属浴中に導入される。 そして、 鋼帯は、 溶融金属浴中のシンクロール、 サポ —トロールを介して溶融金属浴の上方に引き 上げられる。 その後、 鋼帯の両 側に配置されたガスワイピングノズルから鋼 帯の表面にワイビングガスを吹 き付けて、 鋼帯の表面に付着して引上げられた余剰の溶 融金属を搔き取るこ とにより、 溶融金属の付着量 (以下、 目付量とも称する。 ) が調節される。 ここで、 ガスワイビングノズルは、 多様な鋼帯幅に対応するとともに、 鋼帯 引き上げ時の幅方向の位置ずれなどに対応す るため、 通常、 鋼帯幅よりも幅 広く構成され、 鋼帯の幅方向端部より外側まで延びている。
[0004] このようなガスワイビング方式では、 ワイビングガスの吹き付けによる鋼 帯の微小振動やめっき層の不規則な湯流れな どのために、 めっき表面に波形 流紋状の湯ジワ (湯ダレとも呼ばれる) を発生することが多い。 このような 湯ジワが生じためっき鋼板は、 外塗装の用途においてめっき表面を塗装下地 〇 2020/174750 2 卩(:170?2019/042428
表面とした場合、 塗膜の表面性状、 特に平滑性が阻害され、 外観の優れた塗 装処理に適合すべき外装板に用いることがで きず、 めっき鋼板の歩留まりに 大きな影響を及ぼす。
[0005] この問題を解決するために、 従来、 例えば、 特許文献 1 に示すものが知ら れている。
特許文献 1 に示す連続溶融金属めっき方法は、 溶融金属めっき浴に連続的 に鋼帯を浸潰し、 溶融金属めっき浴から引き出された直後の鋼 帯にガスワイ ビングノズルから気体を吹き付けてめっき付 着量を制御するものである。 そ して、 ガスワイビングノズル先端と鋼帯との距離口 と、 ガスワイピングノズ ルギヤップ巳の比で表される 巳値に応じて、 ガスワイビングノズルから 噴射されるワイビングガスの温度丁を制御す るようにしている。
また、 従前のガスワイビング方式では、 鋼帯のエッジ部が中央部より過冷 却される現象がワイビング時に発生し、 鋼帯に反りが発生して幅方向のめっ き付着量が不均 _ となり、 亜鉛めっき付着量の下限を保証するために、 無駄 に多くの亜鉛を消費するという問題も生じる ことがある。
[0006] この問題を解決するために、 従来、 例えば、 特許文献 2に示すものが知ら れている。
特許文献 2に示す連続溶融亜鉛めっきにおけるワイビ グ方法は、 連続溶 融亜鉛めっきにおいてガスワイビングノズル からワイピングガスを噴射させ て被めっき鋼帯の表裏に付着している溶融亜 鉛をワイビングするに際し、 ワ イビングガスの温度丁( 3 (°〇 と被めっき鋼帯の板厚口 ( ) との間に下記 の (1) 式を満足させるようにワイビングガスを加熱 するものである。
ワイビングガス温度丁 (°〇 ³ - 4 0 0 0 + 4 0 0 (1)
[0007] また、 従来のガスワイビングノズルとして、 例えば、 特許文献 3に示すも のも知られている。
特許文献 3に示すガスワイビングノズルは、 溶融金属めっき浴から上方に 引き上げられた鋼帯に対してガスを吹き付け て、 鋼帯の表面に付着した溶融 金属膜の膜厚を調節するものである。 そして、 このガスワイビングノズルは 〇 2020/174750 3 卩(:170?2019/042428
、 互いに対向して設けられ、 ガスが導入されるノズル室を形成する第 1のリ ップ部及び第 2のリップ部と、 ノズル室から噴射されるガスの噴射口として 、 第 1のリップ部及び第 2のリップ部の各々の鋼帯側の端部の間に形 され るスリッ トと、 ノズル室におけるスリッ ト側に設けられ、 第 1のリップ部及 び第 2のリップ部を固定する固定部材と、 を備えている。 そして、 固定部材 には、 固定部材に対してスリッ ト側とスリッ トの逆側とを連通する第 1連通 孔が鋼帯の幅方向に沿って複数並設されてい る。
[0008] この特許文献 3に示すガスワイビングノズルによれば、 ガスワイピングノ ズルを構成する部品の一部又は全部を交換す るために、 各部品を組み直す場 合であっても、 各組み立てについての組み立て後におけるス リッ トのギヤッ プ (以下、 スリッ トギヤップとも称する) がばらつくことを抑制することが できる。
先行技術文献
特許文献
[0009] 特許文献 1 :特許第 6 0 1 1 7 4 0号公報
特許文献 2 :特開平 8— 1 7 6 7 7 6号公報
特許文献 3 :特開 2 0 1 8 - 1 7 8 1 5 9号公報 発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0010] しかしながら、 これら従来の特許文献 1 に示す連続溶融金属めっき方法、 特許文献 2に示す連続溶融亜鉛めっきにおけるワイピ グ方法及び特許文献 3に示すガスワイビングノズルにあっては、 以下の問題点があった。
即ち、 特許文献 1 に示す連続溶融金属めっき方法及び特許文献 2に示す連 続溶融亜鉛めっきにおけるワイビング方法の 場合、 ワイビングガスを加熱し ガスワイビングノズルの周囲が高温雰囲気と なるが、 このワイビングガスの 加熱に伴ってガスワイビングノズル自体も加 熱される。 ここで、 特許文献 1 及び 2においては、 ガスワイビングノズルの材質を何にするかに ついて記載 〇 2020/174750 4 卩(:170?2019/042428
はないが、 ガスワイビングノズルを一般的な手法の通り 金属で構成した場合 、 塑性変形し易い特性、 または線膨張係数が高い特性によりノズルが 大きく 変形してしまう。 これにより、 ガスワイビングノズルの鋼帯側の端部に設け られているガス噴射口としてのスリッ トのギャップ、 即ち当該スリッ トの長 さ方向に直交する幅方向のギャップをスリッ トの長さ方向に沿って均一に保 持することができず、 鋼帯の幅方向に沿う鋼帯のめっき付着量が不 均一にな るという問題がある。
[001 1 ] 一方、 特許文献 3に示すガスワイビングノズルの場合には、 固定部材によ って、 ノズル室におけるスリッ ト側において、 第 1のリップ部及び第 2のリ ップ部を固定しているので、 ガスワイビングノズルを構成する部品の一部 又 は全部を交換する際の各組み立てについての 組み立て後におけるスリッ トギ ャップのばらつきを抑制することができる。
しかしながら、 特許文献 3に示すガスワイビングノズルにおける固定 材 やこの固定部材を固定する際に用いるボルト などが金属製であるため、 高温 雰囲気下で当該固定部材やボルトなどが延び 、 これによってスリッ トギャッ プが変化し、 スリッ トのギャップをスリッ トの長さ方向に沿って均一に保持 することができないという問題がある。
[0012] 従って、 本発明はこの従来の問題点を解決するために なされたものであり 、 その目的は、 高温雰囲気下であっても、 ガス噴射口としてのスリッ トの長 さ方向に直交する幅方向のギャップをスリッ トの長さ方向に沿って均一に保 持することができるガスワイピングノズル及 びこのガスワイピングノズルを 用いた溶融金属めっき金属帯の製造方法を提 供することにある。
課題を解決するための手段
[0013] 上記課題を解決するために、 本発明の一態様に係るガスワイビングノズル は、 溶融金属浴から引き上げられた金属帯にワイ ビングガスを吹き付けて、 前記金属帯の表面に付着した溶融金属の付着 量を調整するガスワイピングノ ズルであって、 互いに対向して設けられ、 ガス噴射口としてのスリッ トを各 々の金属帯側の端部の間に長さ方向に延びる ように形成した第 1のノズル部 〇 2020/174750 5 卩(:170?2019/042428
材及び第 2のノズル部材と、 前記スリッ トの前記長さ方向に直交する幅方向 のギャップを調整するシム部材とを備え、 前記シム部材は、 セラミックス材 又は力ーボン材であり、 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノズル部材は 各々溝部を有し、 前記シム部材は、 前記第 1のノズル部材及び前記第 2のノ ズル部材の各々の溝部に嵌め込まれ、 前記第 1のノズル部材と前記第 2のノ ズル部材とを固定することを要旨とする。
[0014] また、 本発明の別の態様に係る溶融金属めっき金属 帯の製造方法は、 前述 のガスワイビングノズルを、 溶融金属浴から引き上げられた金属帯の両面 側 に _ 対配置し、 これら _ 対のガスワイピングノズルの各々のスリ ッ トから前 記金属帯の各面にワイビングガスを吹き付け て、 前記金属帯の両面に付着し た溶融金属の付着量を調整して、 連続的に溶融金属めっき金属帯を製造する ことを要旨とする。
発明の効果
[0015] 本発明に係るガスワイビングノズル及び溶融 金属めっき金属帯の製造方法 によれば、 高温雰囲気下であっても、 ガス噴射口としてのスリッ トの長さ方 向に直交する幅方向のギャップをスリッ トの長さ方向に沿って均一に保持す ることができるガスワイピングノズル及びこ のガスワイビングノズルを用い た溶融金属めっき金属帯の製造方法を提供で きる。
図面の簡単な説明
[0016] [図 1]本発明の一実施形態に係るガスワイビン ノズルを備えた連続溶融金属 めっき設備の概略構成を示す模式図である。
[図 2]図 1 に示す連続溶融金属めっき設備に用いられる ガスワイビングノズル の概略構成を示す斜視図である。
[図 3]図 2における八 _八線に沿う断面図である。
[図 4]図 3における巳 _巳線に沿う断面図である。
[図 5]図 4において、 第 1のノズル部材の溝部、 第 2のノズル部材の溝部、 及 びシム部材の近傍を拡大して示す図である。
[図 6]第 1のノズル部材の溝部、 第 2のノズル部材の溝部、 及びシム部材の変 〇 2020/174750 6 卩(:170?2019/042428
形例を説明するための図 4と同様の図である。
[図 7]図 6において、 第 1のノズル部材の溝部、 第 2のノズル部材の溝部、 及 びシム部材の近傍を拡大して示す図である。
[図 8]第 1のノズル部材の溝部とシム部材との接続、 及び第 2のノズル部材の 溝部とシム部材との接続にピンを使用した例 を説明するための図 4と同様の 図である。
[図 9]図 8において、 第 1のノズル部材の溝部、 第 2のノズル部材の溝部、 シ ム部材、 及びピンの近傍を拡大して示す図である。
[図 10]比較例を説明するための図 4と同様の図である。
発明を実施するための形態
[0017] 以下、 本発明の実施の形態を図面を参照して説明す る。 以下に示す実施形 態は、 本発明の技術的思想を具体化するための装置 や方法を例示するもので あって、 本発明の技術的思想は、 構成部品の材質、 形状、 構造、 配置等を下 記の実施形態に特定するものではない。
また、 図面は模式的なものである。 そのため、 厚みと平面寸法との関係、 比率等は現実のものとは異なることに留意す べきであり、 図面相互間におい ても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が 含まれている。
[0018] 図 1 には、 本発明の一実施形態に係るガスワイビングノ ズルを備えた連続 溶融金属めっき設備の概略構成が示されてい る。
図 1 に示す連続溶融金属めっき設備 1は、 金属帯としての鋼帯 3を、 溶融 金属からなる溶融金属浴 4に浸潰することにより、 鋼帯 3の表面に溶融金属 を連続的に付着させた後、 溶融金属を所定の付着量にするための設備で ある 連続溶融金属めっき設備 1は、 スナウト 2と、 めっき槽 3と、 シンクロー ル 5と、 サボートロール 6とを備えている。
[0019] スナウト 2は、 鋼帯 3が通過する空間を区画する、 鋼帯 3の進行方向に垂 直な断面が矩形状の部材であり、 その上端が例えば連続焼鈍炉の出口側に接 続され、 下端がめっき槽 3内に貯留された溶融金属浴 4内に浸潰される。 本 〇 2020/174750 7 卩(:170?2019/042428
実施形態においては、 還元雰囲気の連続焼鈍炉で焼鈍された鋼帯 3は、 スナ ウト 2内を通過して、 めっき槽 3内の溶融金属浴 4中に連続的に導入される 。 その後、 鋼帯 3は、 溶融金属 4中のシンクロール 8、 サボートロール 6を 介して溶融金属浴 4からその上方に引き上げられる。
そして、 溶融金属浴 4からその上方に引き上げられた鋼帯 3の両面には、 当該鋼帯 3の両面側に一対配置されたガスワイビング ズル 1 0 (後述する スリッ ト 1 4) からワイビングガスが吹き付けられて、 鋼帯 3の両面に付着 した溶融金属の付着量が調整される。 その後、 鋼帯 3は、 図示しない冷却設 備により冷却されて後工程に導かれ、 連続的に溶融金属めっき鋼帯 3が製造 される。
[0020] ここで、 鋼帯 3の両面側に配置された一対のガスワイビン ノズル 1 0の 各々は、 図 2に示すように、 ノズルヘッダ 1 5と、 ノズルヘッダ 1 5に連結 された上側に配置される第 1のノズル部材 1 1及び下側に配置される第 2の ノズル部材 1 2とを備えている。 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部 材 1 2は、 互いに対向して設けられており、 ガス噴射口としてのスリッ ト 1 4を各々の鋼帯 3側の端部 1 1 1 2〇間に長さ方向 Xに細長く延びるよ うに形成してある。 そして、 各ガスワイビングノズル 1 0は、 スリッ ト 1 4 の長さ方向 Xが鋼帯 3の板幅方向に沿い、 スリッ ト 1 4の長さ方向 Xに直交 する幅方向 が鋼帯 3の板長方向に沿い、 スリッ ト 1 4の奥行方向丫が鋼帯 3の板厚方向に沿うように、 鋼帯 3の各面側に配置される。 スリッ トの幅方 向 は、 ガスワイビングノズル 1 0の上下方向と同一方向である。 そして、 片方のガスワイビングノズル 1 0からはスリッ ト 1 4からワイビングガスが 鋼帯 3の片面に向けて吹付けられる。 また、 他方のガスワイビングノズル 1 0からはスリッ ト 1 4からワイビングガスが鋼帯 3の他面に向けて吹付けら れる。 これにより、 鋼帯 3の両面において、 余剰な溶融金属が搔き取られて 、 めっき (溶融金属) の付着量が調整され、 かつ鋼帯 3の板幅方向及び板長 方向で均一化される。 各ガスワイビングノズル 1 0は、 多様な鋼帯 3の板幅 に対応するとともに、 鋼帯 3の引き上げ時の幅方向の位置ずれなどに対 す \¥0 2020/174750 8 卩(:17 2019/042428
るために、 スリッ ト 1 4の長さが鋼帯 3の板幅よりも長くなるように、 鋼帯 3の板幅よりも長く構成され、 鋼帯 3の幅方向端部より外側まで延びている
[0021 ] ここで、 各ガスワイビングノズル 1 0のノズルヘッダ 1 5は、 長さ方向 X 、 奥行方向丫及び幅方向丫に延びる略矩形状に 形成され、 その材質は例えば クロムモリブデン鋼などの金属製である。 ノズルヘッダ 1 5には、 図 3に示 すように、 後述する中空部 1 3を構成する中空部形成用空間 1 3〇がその前 面 (図 3における左面) に開口するように形成されている。 そして、 ノズル ヘッダ 1 5の基端部 (後端部) には、 ガス供給管 1 7が接続されるとともに 、 ガス供給管 1 7と中空部形成用空間 1 3〇とを連通するガス供給路 1 6が 形成されている。
[0022] また、 上側に配置される第 1のノズル部材 1 1は、 図 2及び図 3に示すよ うに、 後端面 1 1 匕から前端面 1 1 3に向かって板厚が徐々に小さくなり、 上方 (図 3における上方) から見て長さ方向 X及び奥行方向丫に延びる長方 形状に形成される。 第 1のノズル部材 1 1の下面には、 後側から前側に向か って先細りに形成された、 後述する中空部 1 3を構成する中空部形成用空間 1 3 3が形成されている。
また、 下側に配置される第 2のノズル部材 1 2は、 図 2及び図 3に示すよ うに、 後端面 1 2匕から前端面 1 2 3 に向かって板厚が徐々に小さくなり、 下方 (図 3における下方) から見て長さ方向 X及び奥行方向丫に延びる長方 形状に形成される。 第 2のノズル部材 1 2の上面には、 後側から前側に向か って先細りに形成された、 後述する中空部 1 3を構成する中空部形成用空間 1 3匕が形成されている。
[0023] そして、 第 1のノズル部材 1 1 と第 2のノズル部材 1 2とが上下に合わさ れて固定され、 第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 匕及び第 2のノズル部材 1 2の後端面 1 2匕のそれぞれがノズルヘッダ 1 5の前面に連結される。 こ れにより、 ノズルヘッダ 第 1 のノズル部材 1 1 に形成された中空部形成用空間 1 3 3と、 第 2のノズル部 〇 2020/174750 9 卩(:170?2019/042428 材 1 2に形成された中空部形成用空間 1 3匕とにより中空部 1 3が形成され る。 そして、 第 1のノズル部材 1 1の鋼帯 3側の端部 1 1 〇の下面及び第 2 のノズル部材 1 2の鋼帯 3側の端部 1 2〇の上面は、 対向した平面となって おり、 これら平面間が前述したガス噴射口としての スリッ ト 1 4となる。 こ のスリッ ト 1 4は、 前述したように長さ方向 Xに細長く延び、 長さ方向 Xの 長さは 1- 1 (図 2参照) 、 長さ方向 Xに直交する幅方向 の幅、 即ちギャップ は、 1- 3 (図 3参照) 、 長さ方向 Xに直交する奥行方向丫の奥行きは 1_ 2 (図 3参照) となっている。 スリッ ト 1 4の寸法は、 特に限定されないが、 スリ ッ ト 1 4の長さ 1_ 1 は鋼帯 3の幅に応じて余裕を見て設定され、 例えば、 1 5 きる。 また、 スリッ ト 1 4のギャッ とすることができる。 更に、 スリッ ト 1 4の奥行きは とすることができる。
[0024] ここで、 スリッ ト 1 4は、 奥行方向丫で中空部 1 3に連通している。 中空 部 1 3は、 均圧部として機能し、 ガス供給管 1 7からガス供給路 1 6を介し て中空部 1 3内に導入されたワイビングガスは、 スリッ ト 1 4の長さ方向 X の全体に亙って均一な圧力で噴射される。
また、 各ガスワイビングノズル 1 0は、 図 4及び図 5に示すように、 スリ ッ ト 1 4の長さ方向 Xに直交する幅方向丫のギャップ 1_ 3 を調整する一対のシ ム部材 3 0を備えている。
[0025] これらシム部材 3 0は、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2 を固定する機能をも有する。 これらシム部材 3 0によって第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2を固定するために、 第 1のノズル部材 1 1及 び第 2のノズル部材 1 2の各々は、 これらシム部材 3 0が嵌め込まれる溝部 2 1 , 2 2をそれぞれ有している。
第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1は、 図 3及び図 4に示すように、 中空部 形成用空間 1 3 3の長さ方向 Xの両側に一対形成される。 各溝部 2 1は、 第 1のノズル部材 1 1の下面、 即ち第 2のノズル部材 1 2との合わせ面 2 3に 開口するように第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 ら前方に向かって長 〇 2020/174750 10 卩(:170?2019/042428
さ 丨 にわたって延びている。
[0026] また、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2も、 図 3及び図 4に示すように、 中空部形成用空間 1 3匕の長さ方向 Xの両側に一対形成される。 各溝部 2 2 は、 第 2のノズル部材 1 2の上面、 即ち第 1のノズル部材 1 1 との合わせ面 2 3に開口するように第 2のノズル部材 1 2の後端面 1 2匕から前方に向か って長さ 丨 にわたって延びている。 本実施形態では、 溝部 2 1 , 2 2の長さ I は、 となっているが、 これに限られない。
そして、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1 と第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2とは、 図 5に示すように、 互いに第 1のノズル部材 1 1 と第 2のノズル 部材 1 2との合わせ面 2 3で連通し、 当該合わせ面 2 3を対称面として面対 称となっている。
[0027] そして、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝 部 2 2の各々の断面形状は、 図 5に示すように、 アリ溝形状となっている。 具体的に述べると、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1は、 合わせ面 2 3に開 口して合わせ面 2 3から上方に直線状に延びる直線状部 2 1 3 と、 直線状部 2 1 3の上端から上方に徐々に幅広となるように びる逆ハの字形の鳩尾形 部 2 1 13とを備えている。 また、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2は、 合わ せ面 2 3に開口して合わせ面 2 3から下方に直線状に延びる直線状部 2 2 3 と、 直線状部 2 2 3の下端から下方に徐々に幅広となるように びるハの字 形の鳩尾形部 2 2匕とを備えている。 溝部 2 1 における角部 2 1 〇及び溝部 2 2における角部 2 2〇は、 アール状に形成してもよい。 これにより応力の 集中を防止し、 シム部材 3 0の破損を抑制できる。
[0028] また、 一対のシム部材 3 0の各々は、 図 3に示すように、 中空部 1 3の両 側に形成されている対をなす溝部 2 1 , 2 2に嵌め込まれ、 第 1のノズル部 材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2を固定する。 各シム部材 3 0の断面形状は 、 図 5に示すように、 面対称となっている第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1 のアリ溝形状と第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2のアリ溝形状とを合わせた 形状と相補的な形状となっている。 各シム部材 3 0は、 第 1のノズル部材 1 〇 2020/174750 1 1 卩(:170?2019/042428
1の溝部 2 1 に嵌め込まれる第 1嵌合部 3 1 と、 第 2のノズル部材 1 2の溝 部 2 2に嵌め込まれる第 2嵌合部 3 2とを備え、 第 1嵌合部 3 1及び第 2嵌 合部 3 2は一体に形成されている。
[0029] そして、 本実施形態では、 図 5に示すように、 溝部 2 1、 2 2の直線状部
2 1 3、 2 2 3 の幅に対応した各シム部材 3 0の最も幅狭部分 (第 1嵌合部 3 1及び第 2嵌合部 3 2の結合部分) としてある 。 また、 溝部 2 1、 2 2の鳩尾形部 2 1 匕、 2 2匕の最も幅広の部分の幅に 対応した各シム部材 3 0の最も幅広の部分 (第 1嵌合部 3 1の上辺及び第 2 嵌合部 また、 溝部 2 1 、 2 2の直線状部 2 1 3 、 2 2 3の上下合わせた長さに対応した各シム部材 3 0の直線部分の長さ八 3 は〇〜 1 5 程度、 溝部 2 1、 2 2全体を合わせ た上下長さに対応した各シム部材 として ある。 ただし、 八 1 <八 2 、 八 3 <八 4 に設定される。 なお、 溝部 2 1 , 2 2の 前後方向の長さ 丨 に対応した各シム部材 3 0の前後方向の長さは、 度としてある。
[0030] そして、 シム部材 3 0は、 第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 匕及び第 2 のノズル部材 1 2の後端面 1 2匕から第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズ ル部材 1 2の各々の溝部 2 1 , 2 2が延びる方向 (前後方向) と平行な方向 に各々の溝部 2 1 , 2 2に着脱可能となっている。
そして、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及び各シム部材 3 0は、 溶融亜鉛などの溶融金属に対して濡れ性が低 く、 塑性変形しづらく 、 かつ線膨張係数の低いセラミックス材や力ー ボン材を使用する。 具体的に は、 セラミックス材として、 アルミナ、 サイアロン、 窒化ケイ素、 ジルコニ ア、 チタン酸バリウム、 ハイ ドロキシアパタイ ト、 炭化ケイ素 (3 丨 〇) 、 蛍石等が、 力ーボン材として、 黒鉛が挙げられるが、 これらに限定されるも のではない。 また、 黒鉛は高酸化雰囲気では、 酸化して揮発するため、 表層 にシリカなどのコーテイングを施すことが好 ましい。
[0031 ] なお、 インパーやタングステンは、 線膨張係数は低いが、 塑性変形するた 〇 2020/174750 12 卩(:170?2019/042428
め、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及び各シム部材 3 0の 材質として、 特に、 各シム部材 3 0の材質として不適である。
ここで、 セラミックス材や力ーボン材としては、 曲げ強度が 6 0 0 IV! 3 以上のものが好ましく、 8 0 0 IV! 3以上のものがより好ましい。 従って、 セラミックス材としては、 ジルコニア、 窒化ケイ素、 サイアロンなどを用い ることが好ましい。 これら材質を用いれば塑性変形しづらく、 破壊強度以下 であれば実質的な変形を抑制することができ る。
[0032] 実機操業中に亜鉛が第 1のノズル部材 1 1及び/又は第 2のノズル部材 1
2に付着してスリッ ト 1 4を閉塞すると、 その箇所で部分的にめっきの鋼帯 3に対する付着量が増加し、 鋼帯 3の進行方向と同じ向きに線状の欠陥が生 じる。 このため、 第 1のノズル部材 1 1及び/又は第 2のノズル部材 1 2に 付着した亜鉛は、 専用の治具によって取り除かれる。 このとき、 第 1のノズ ル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2のそれぞれの表面の硬度が低い場合に は、 割れや欠けが発生するおそれがある。 このような割れ、 欠けを回避する ために、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及び各シム部材 3 0に用いられるセラミックス材や力ーボン材 、 ピッカース硬さ 8 0 0 1 ~ 1 V 以上が好ましく、 1 0 0 0 1 ~ 1 V以上がより好ましい。 同様の理由から、 セラ ミックス材や力ーボン材の破壊靱性は、 5 IV! 3 1 以上であることが好 ましく、 7 ^\ 9 a 1 / 2 以上であることがより好ましい。
[0033] ワイビングガスとして高温ガスを使用する場 合、 第 1のノズル部材 1 1及 び第 2のノズル部材 1 2のそれぞれの耐熱衝撃性が高温ガス以下だ 割れが 発生するおそれがある。 従って、 セラミックス材や力ーボン材の耐熱衝撃性 はワイビングガスとして使用する温度以上で あることが望ましく、 耐熱衝撃 性 4 3 0 °〇以上のものが好ましく、 6 0 0 °〇以上のものがより好ましい。 熱影響のノズル変形を抑制するという観点か ら、 第 1のノズル部材 1 1及 び第 2のノズル部材 1 2の線膨張係数は、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2の ノズル部材 1 2が固定されるノズルヘッダ 1 5の線膨張係数に対して 1 / 2 以下であることが好ましく、 1 / 3以下がより好ましい。 〇 2020/174750 13 卩(:170?2019/042428
[0034] 次に、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2を固定する方法に ついて説明すると、 先ず、 第 1のノズル部材 1 1 を上側、 第 2のノズル部材 1 2を下側として上下に組み合わせる。
次いで、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2のそれぞれに、 後端面 1 1 匕、 1 2匕からアリ溝加工を施して溝部 2 1、 2 2を形成する。 その後、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝 部 2 2のそれぞれに、 シム部材 3 0を第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズ ル部材 1 2の後端面 1 1 匕、 1 2匕側から溝部 2 1 , 2 2が延びる方向と平 行な方向に嵌嵌め込む。
[0035] これにより、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2は固定され る。 ここで、 溝部 2 1及び溝部 2 2のそれぞれにシム部材 3 0が嵌め込まれ た状態では、 図 5に示すように、 シム部材 3 0の第 1嵌合部 3 1が溝部 2 1 に、 第 2嵌合部 3 2が溝部 2 2に嵌め込まれている。 この状態で、 第 1のノ ズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が上下に離れようとすると、 第 1の ノズル部材 1 1が溝部 2 1の鳩尾形部 2 1 匕の傾斜面と相補的な形状の第 1 嵌合部 3 1の傾斜面 3 1 3に引っかかる。 一方、 第 2のノズル部材 1 2が溝 部 2 2の鳩尾形部 2 2 の傾斜面と相補的な形状の第 2嵌合部 3 2の傾斜面 3 2 3 に引っかかる。 ここで、 シム部材 3 0は、 塑性変形しづらい材質であ るため、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2は上下に離れない 。 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が上下に離れないことか ら、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の鋼帯 3側の端部 1 1 〇, 1 2〇間に形成されるスリッ ト 1 4のギャップ 1_ 3 が保持される。
そして、 固定された第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 匕及び第 2のノズ ル部材 1 2の後端面 1 2匕を図示しないねじ等の固定部材によりノ ルへッ ダ 1 5の前端面に連結すればよい。
[0036] なお、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2のそれぞれにアリ 溝加工をして溝部 2 1 , 2 2を形成する工程は、 第 1のノズル部材 1 1 を上 側、 第 2のノズル部材 1 2を下側として上下に組み合わせる前に行っ もよ 〇 2020/174750 14 卩(:170?2019/042428
い。 この場合、 溝部 2 1 を形成した第 1のノズル部材 1 1 と溝部 2 2を形成 した第 2のノズル部材 1 2とを、 溝部 2 1 と溝部 2 2とが面対称になるよう に上下に組み合わせる。 その後に、 シム部材 3 0を第 1のノズル部材 1 1及 び第 2のノズル部材 1 2の後端面 1 1 匕、 1 2匕側から溝部 2 1 , 2 2が延 びる方向と平行な方向に嵌め込むようにする 。 ここで、 溝部 2 1 を形成した 第 1のノズル部材 1 1 と溝部 2 2を形成した第 2のノズル部材 1 2とを、 溝 部 2 1 と溝部 2 2とが面対称になるように上下に組み合わせ 際に、 溝部 2 1、 2 2の精度を確認し、 分解して溝部 2 1 , 2 2を再加工して組み合わせ るようにしても良い。 あるいは、 溝部 2 1 を形成した第 1のノズル部材 1 1 と溝部 2 2を形成した第 2のノズル部材 1 2とを、 溝部 2 1 と溝部 2 2とが 面対称になるように上下に組み合わせた後に 、 溝部 2 1、 2 2に研磨等の加 エを実施して所定の寸法に仕上げるようにし てもよい。
[0037] 本実施形態に係るガスワイビングノズル 1 0が高温雰囲気下に置かれた場 合、 例えば、 ワイビングガスを加熱しこのワイビングガス の加熱に伴ってガ スワイビングノズル 1 0自体も加熱された場合、 金属製のノズルヘッダ 1 5 が熱膨張により上下方向、 即ちスリッ ト 1 4の幅方向 に延びようとする。 これにより、 第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 匕及び第 2のノズル部材 1 2もそれに引張られ、 上下に離れようとする。 しかし、 第 1のノズル部材 1 1が溝部 2 1の鳩尾形部 2 1 匕の傾斜面と相補的な形状の第 1嵌合部 3 1の 傾斜面 3 1 3に引っかかる。 一方、 第 2のノズル部材 1 2が溝部 2 2の鳩尾 形部 2 2 の傾斜面と相補的な形状の第 2嵌合部 3 2の傾斜面 3 2 3 に引っ かかる。 ここで、 シム部材 3 0は、 塑性変形しづらい材質であるため、 第 1 のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2は上下に離れない。 第 1のノズ ル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が上下に離れないことから、 第 1のノ ズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の鋼帯 3側の端部 1 1 〇 , 1 2〇間 に形成されるスリッ ト 1 4のギャップ !_ 3 が保持される。
[0038] また、 本実施形態に係るガスワイビングノズル 1 0にあっては、 第 1のノ ズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2及びシム部材 3 0が全てセラミックス 〇 2020/174750 1 5 卩(:170?2019/042428
材又は力ーボン材なので、 線膨張係数が小さく、 かつそれぞれの間で線膨張 係数の差はない。 このため、 高温雰囲気下であっても、 ガス噴射口としての スリッ ト 1 4の長さ方向 Xに直交する幅方向のギャップ!_ 3 をスリッ トの長さ 方向 Xに沿って均一に保持することができる。 特に、 第 1のノズル部材 1 1 及び第 2のノズル部材 1 2のそれぞれは、 後側から前側に向かって板厚が小 さくなり板厚差があるので、 同じ熱量を与えても温度上昇量が異なるため 、 線膨張係数の小さいセラミックス材又は力ー ボン材とするのが有効である。
[0039] ここで、 ノズルヘッダ 1 5もセラミックス材又は力ーボン材とすれば ス リッ ト 1 4のギャップ !_ 3 を均一に保持するのにより効果的である が、 高圧の ワイビングガスに耐えられる (最低でも 6 0 3に耐え得る) セラミック ス材又は力ーボン材とするのが困難であるた め、 ノズルヘッダ 1 5はセラミ ックス材又は力ーボン材としなかった。
また、 特許文献 3に示すガスワイビングノズルの場合には、 固定部材によ って、 ノズル室におけるスリッ ト側において、 第 1のリップ部及び第 2のリ ップ部を固定しているので、 ガスワイビングノズルを構成する部品の一部 又 は全部を交換する際の各組み立てについての 組み立て後におけるスリッ トギ ャップのばらつきを抑制することができる。
[0040] しかしながら、 特許文献 3に示すガスワイビングノズルにおける上下 ズ ル部材を固定する固定部材やこの固定部材を 固定する際に用いるボルトなど が金属製であるため、 高温雰囲気下で当該固定部材やボルトなどが 延び、 こ れによってスリッ トギャップが変化し、 スリッ トのギャップをスリッ トの長 さ方向に沿って均一に保持することができな いという問題がある。
これに対して、 本実施形態に係るガスワイビングノズル 1 0にあっては、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2をセラミックス材又は力一 ボン材とするだけでなく、 シム部材 3 0をもセラミックス材又は力ーボン材 とし、 さらに、 シム部材 3 0に、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部 材 1 2の固定機能をも持たせている。 このため、 高温雰囲気下でスリッ ト 1 4のギャップ 1_ 3 を広げように作用する第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズ 〇 2020/174750 16 卩(:170?2019/042428
ル部材 1 2を固定するための部材が存在しない。 シム部材 3 0は、 塑性変形 しづらい材質であるため、 高温雰囲気下であっても、 ガス噴射口としてのス リッ ト 1 4のギャップ !_ 3 をスリッ トの長さ方向乂に沿って均一に保持するこ とができる。
[0041 ] また、 シム部材 3 0に第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の 固定機能を持たせずに、 セラミックス材の第 1のノズル部材 1 1及び第 2の ノズル部材 1 2を金属ボルトにより固定したとする。 この場合、 セラミック ス材の第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2にボルト穴を開け、 金属ボルトを当該ボルト穴に閉め込む必要が ある。 この場合、 金属ボルトの 締め込み時のトルクや熱膨張によってセラミ ックス材である第 1のノズル部 材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が破損してしまうおそれがある。
これに対して、 本実施形態に係るガスワイビングノズル 1 0にあっては、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2をセラミックス材又は力一 ボン材とするだけでなく、 シム部材 3 0をもセラミックス材又は力ーボン材 とし、 さらに、 シム部材 3 0に、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部 材 1 2の固定機能をも持たせている。 このため、 金属ボルトの締め込み時の トルクや熱膨張によって第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が 破損してしまうことはない。
[0042] 次に、 図 6及び図 7を参照して、 第 1のノズル部材の溝部、 第 2のノズル 部材の溝部、 及びシム部材の変形例を説明する。
図 6及び図 7に示す第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1及び第 2のノズル部 材 1 2の溝部 4 2は、 基本構成は図 3乃至図 5に示す第 1のノズル部材 1 1 の溝部 2 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2と同様である。 しかし、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 4 2の断面 形状が図 3乃至図 5に示す第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1及び第 2のノズ ル部材 1 2の溝部 2 2の断面形状と相違している。 そして、 この断面形状の 相違にともなって図 6及び図 7に示すシム部材 5 0の断面形状も図 3乃至図 5に示すシム部材 3 0の断面形状と相違している。 〇 2020/174750 17 卩(:170?2019/042428
[0043] 即ち、 図 6及び図 7に示す第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1及び第 2のノ ズル部材 1 2の溝部 4 2の各々の断面形状は、 丁型溝形状となっている。 具 体的に述べると、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1は、 合わせ面 2 3に開口 して合わせ面 2 3から上方に直線状に延びる第 1直線状部 4 1 3と、 第 1直 線状部 4 1 3の上端から合わせ面 2 3と平行に第 1直線状部 4 1 3を挟んで 対称に延びる第 2直線状部 4 1 匕とを備えている。 また、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 4 2は、 合わせ面 2 3に開口して合わせ面 2 3から下方に直線状 に延びる第 1直線状部 4 2 3 と、 第 1直線状部 4 2 3の下端から合わせ面 2 3と平行に第 1直線状部 4 2 3 を挟んで対称に延びる第 2直線状部 4 2匕と を備えている。 溝部 4 1 における角部 4 1 〇及び溝部 4 2における角部 4 2 〇は、 アール状に形成してもよい。 これにより応力の集中を防止し、 シム部 材 5 0の破損を抑制できる。
[0044] なお、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1は、 第 1のノズル部材 1 1の後端 面 1 1 匕 (図 1及び図 2参照) から前方に向かって長さ 丨 にわたって延びて いる。 また、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 4 2も、 第 2のノズル部材 1 2の 後端面 1 2匕 (図 1及び図 2参照) から前方に向かって長さ 丨 にわたって延 びている。 本実施形態では、 溝部 4 1 , 4 2の前後方向の長さ I は、 5 程度となっている。
また、 シム部材 5 0の断面形状は、 図 6に示すように、 面対称となってい る第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1の丁型溝形状と第 2のノズル部材 1 2の 溝部 4 2の丁型溝形状とを合わせた I型溝形状と相補的な形状となっている 。 シム部材 5 0は、 図 7に示すように、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1 に 嵌め込まれる第 1嵌合部 5 1 と、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 4 2に嵌め込 まれる第 2嵌合部 5 2とを備え、 第 1嵌合部 5 1及び第 2嵌合部 5 2は一体 に形成されている。
[0045] そして、 図 7に示すように、 溝部 4 1、 4 2の第 1直線状部 4 1 3 , 4 2
8の幅に対応したシム部材 5 0の最も幅狭部分の幅 は 3〜 2 0〇1〇1程度、 溝部 4 1、 4 2の第 2直線状部 4 1 匕、 4 2匕の最も幅広の部分の幅に対応 〇 2020/174750 18 卩(:170?2019/042428
したシム部材 5 0の最も幅広の部分 (第 1嵌合部 5 1の上辺及び第 2嵌合部 5 2の下片) としてある。 また、 溝部 4 1、 4 2 の第 1直線状部 4 1 3 , 4 2 3の上下合わせた長さに対応したシム部材 5 0 の直線部分の長さ巳 3 は 5〜 5〇 程度、 溝部 4 1、 4 2全体を合わせた上 下長さに対応したシム部材 としてある。 ただし、 巳 1 <巳 2 、 巳 3 <巳 4 に設定される。 なお、 溝部 4 1 , 4 2の前後方 向の長さ 丨 に対応したシム部材 5 0の前後方向の長さは、 程度として ある。
[0046] ここで、 溝部 4 1及び溝部 4 2のそれぞれにシム部材 5 0が嵌め込まれた 状態では、 図 7に示すように、 シム部材 5 0の第 1嵌合部 5 1が溝部 4 1 に 、 第 2嵌合部 5 2が溝部 4 2に嵌め込まれている。 この状態で、 第 1のノズ ル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が上下に離れようとすると、 第 1のノ ズル部材 1 1が溝部 4 1の第 2直線状部 4 1 匕と相補的な形状の第 1嵌合部 5 1の幅広部分の下面 5 1 3に引っかかる。 一方、 第 2のノズル部材 1 2が 溝部 4 2の第 2直線状部 4 2匕と相補的な形状の第 2嵌合部 5 2の幅広部分 の上面 5 2 3に引っかかる。 ここで、 シム部材 5 0は塑性変形しづらい材質 であるため、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2は上下に離れ ない。 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が上下に離れないこ とから、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の鋼帯 3側の端部 1 1 〇, 1 2〇間に形成されるスリッ ト 1 4のギャップ 1_ 3 が保持される。
[0047] そして、 図 6及び図 7に示すガスワイビングノズル 1 0が高温雰囲気下に 置かれた場合、 例えば、 ワイビングガスを加熱しこのワイビングガス の加熱 に伴ってガスワイビングノズル 1 0自体も加熱された場合、 金属製のノズル ヘッダ 1 5 (図 1及び図 2参照) が熱膨張により上下方向、 即ちスリッ ト 1 の幅方向 に延びようとする。 これにより、 第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 匕及び第 2のノズル部材 1 2もそれに引張られ、 上下に離れようとする 。 しかし、 第 1のノズル部材 1 1が溝部 4 1の第 2直線状部 4 1 匕と相補的 な形状の第 1嵌合部 5 1の幅広部分の下面 5 1 3に引っかかる。 一方、 第 2 〇 2020/174750 19 卩(:170?2019/042428
のノズル部材 1 2が溝部 4 2の第 2直線状部 4 2匕と相補的な形状の第 2嵌 合部 5 2の幅広部分の上面 5 2 3に引っかかる。 ここで、 シム部材 5 0は塑 性変形しづらい材質であるため、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部 材 1 2は上下に離れない。 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2 が上下に離れないことから、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の鋼帯 3側の端部 1 1 〇 , 1 2〇間に形成されるスリッ ト 1 4のギャップ 1- 3 が保持される。
[0048] なお、 シム部材 5 0は、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2 とともにセラミックス材又は力ーボン材であ り、 第 1のノズル部材 1 1及び 第 2のノズル部材 1 2を固定する機能をも有するので、 図 3乃至図 5に示す 溝部 2 1、 2 2及びシム部材 3 0用いた場合と同様の効果を発揮する。
[0049] 次に、 図 8及び図 9を参照して、 第 1のノズル部材の溝部とシム部材との 接続、 及び第 2のノズル部材の溝部とシム部材との接続に ンを使用した例 を説明する。
先ず、 図 8及び図 9に示す第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1及び第 2のノ ズル部材 1 2の溝部 6 2は、 基本構成は図 3乃至図 5に示す第 1のノズル部 材 1 1の溝部 2 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2と同様である。 しか し、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2 の断面形状が図 3乃至図 5に示す第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1及び第 2 のノズル部材 1 2の溝部 2 2の断面形状と相違している。 そして、 この断面 形状の相違にともなって図 8及び図 9に示すシム部材 7 0の断面形状も図 3 乃至図 5に示すシム部材 3 0の断面形状と相違している。
[0050] 図 8及び図 9に示す第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1及び第 2のノズル部 材 1 2の溝部 6 2の各々の断面形状は、 長方形状となっている。 そして、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1は、 第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 匕 ( 図 1及び図 2参照) から前方に向かって長さ 丨 にわたって延びている。 また 、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2も、 第 2のノズル部材 1 2の後端面 1 2 匕 (図 1及び図 2参照) から前方に向かって長さ 丨 にわたって延びている。 〇 2020/174750 20 卩(:170?2019/042428
本実施形態では、 溝部 4 1 , 4 2の前後方向の長さ I は、 となっ ている。 また、 溝部 6 1 における角部 6 1 〇及び溝部 6 2における角部 6 2 〇は、 アール状に形成してもよい。 これにより、 応力の集中を防止し、 シム 部材 7 0の破損を抑制できる。
[0051 ] また、 シム部材 7 0は、 直方体形状であり、 その断面形状は、 図 9に示す ように、 面対称となっている第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1の長方形状と 第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2の長方形状とを合わせた長方形状と相補的 な形状となっている。 そして、 図 9に示すように、 溝部 6 1、 6 2の幅に対 応したシム部材 程度、 溝部 6 1、 6 2の上下合わ せた長さに対応したシム部材 程度、 溝部 6 1 ,
6 2の前後方向の長さ I (図 3参照) に対応したシム部材 7 0の前後方向の 長さは、 程度としてある。
[0052] そして、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の固定に際し、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2の各 々にシム部材 7 0を嵌め込む。 更に、 複数のピン 7 1 を用いて第 1のノズル 部材 1 1の溝部 6 1 とシム部材 7 0との接続、 及び第 2のノズル部材 1 2の 溝部 6 2とシム部材 7 0との接続を行う。 このように、 本実施形態において は、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2を組み合わせる前にシ ム部材 7 0を嵌め込むことができるので、 シム部材 7 0を第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の各々の後端面 1 1 匕、 1 2匕から溝部 6 1 、 6 2に揷入しなくても組み立てが可能となる。 従って、 シム部材 7 0は、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の奥行方向丫において複数 箇所設けてもよく、 これによりスリッ ト 1 4のギャップ !_ 3 をより高精度に保 持することができる。
[0053] ここで、 ピン 7 1は、 本実施形態にあっては、 図 8に示すように、 第 1の ノズル部材 1 1の溝部 6 1 とシム部材 7 0との接続に用いられる 2つのピン と、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2とシム部材 7 0との接続に用いられる 2つのピンの合計 4つのピン 7 1が用いられる。 シム部材 7 0を第 1のノズ 〇 2020/174750 21 卩(:170?2019/042428
ル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の奥行方向丫において複数箇所設ける 場合、 シム部材 7 0の個数に応じて用いるピンの数を増やせば い。
そして、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1 とシム部材 7 0との接続に際し 、 ピン 7 1は、 図 8及び図 9に示すように、 溝部 6 1 , 6 2にシム部材 7 0 が嵌め込まれた後、 第 1のノズル部材 1 1の側面 1 1 からシム部材 7 0に 所定の深さ<3 3 に至るまで差し込まれる。 同様に、 第 2のノズル部材 1 2の溝 部 6 2とシム部材 7 0との接続に際し、 ピン 7 1は、 図 8及び図 9に示すよ うに、 溝部 6 1 , 6 2にシム部材 7 0が嵌め込まれた後、 第 2のノズル部材 1 2の側面 1 2 からシム部材 7 0に対し所定の深さ(3 3 に至るまで差し込ま れる。
[0054] なお、 各ピン 7 1は、 本実施形態では、 円柱で形成され、 その直径 <3 4 は〇 とする。 但し、 ピン 7 1の差し込み深さ <3 3 <シム部材 7 0の幅(3 ! 、 ピン 7 1の直径 〇 4 < シム部材 7 0の高さ〇 2 とする。 各ピン 7 1の材質としても同様に、 セラ ミックス材又は力ーボン材が好ましい。 また、 各ピン 7 1の曲げ強度は、 6 0 0 IV! 3以上のものが好ましく、 8 0 0 1\/1 3以上のものがより好ましい 。 従って、 セラミックス材としてはジルコニア、 窒化ケイ素、 サイアロンな どを用いることが好ましい。
[0055] そして、 図 8及び図 9に示すガイビングガスノズル 1 0が高温雰囲気下に 置かれた場合、 例えば、 ワイビングガスを加熱しこのワイビングガス の加熱 に伴ってガスワイビングノズル 1 0自体も加熱された場合、 金属製のノズル ヘッダ 1 5 (図 1及び図 2参照) が熱膨張により上下方向、 即ちスリッ ト 1 の幅方向 に延びようとする。 これにより、 第 1のノズル部材 1 1の後端面 1 1 匕及び第 2のノズル部材 1 2もそれに引張られ、 上下に離れようとする 。 しかし、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2がピン 7 1 によ ってシム部材 7 0に接続されており、 シム部材 7 0は塑性変形しづらい材質 なので、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2は上下に離れない 。 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2が上下に離れないことか 〇 2020/174750 22 卩(:170?2019/042428
ら、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の鋼帯 3側の端部 1 1 〇, 1 2〇間に形成されるスリッ ト 1 4のギャップ 1_ 3 が保持される。
[0056] 次に、 鋼帯 3の製造においては、 ガスワイビングノズル 1 0のスリッ ト 1 4から噴射した直後のワイビングガスの温度 (°〇) が、 溶融金属の融点 T M (。〇 との関係で、 T M — 1 5 0 £ T £ T M + 2 5 0を満たすように、 ワイピ ングガスの温度制御を行うことが好ましい。 当該ワイビングガスの温度丁 ( °〇 をこの範囲で制御すると、 溶融金属の冷却及び凝固を抑制できるため、 粘度ムラが生じにくくなり、 湯ジワの発生を抑制することができる。 一方、 当該ワイビングガスの温度丁 (°〇 が T M _ 1 5 0 °〇未満で低すぎると、 溶融 金属の流動性に影響を及ぼさないため、 湯ジワの発生抑制には効果がない。 また、 当該ワイビングガスの温度丁 (°〇 が T M + 2 5 0 °〇よりも高いと、 合 金化が促進して、 鋼板の外観が悪化してしまう。
[0057] また、 ガスワイビングノズル 1 0に供給するワイビングガスの昇温方法に ついては、 特に限定されない。 例えば、 熱交換器で加熱昇温して供給する方 法、 焼鈍炉の燃焼排ガスと空気とを混合する方法 が挙げられる。
また、 本実施形態に係るガスワイビングノズル及び 溶融金属めっき金属帯 の製造方法を適用して製造される溶融金属め っき金属帯としては、 溶融亜鉛 めっき鋼帯が挙げられる。 この溶融亜鉛めっき鋼帯は、 溶融亜鉛めっき処理 後合金化処理を施さないめっき鋼板 (<3 丨) と、 合金化処理を施すめっき鋼 板 (〇八) のいずれをも含む。 但し、 本実施形態に係るガスワイピングノズ ル及び溶融金属めっき金属帯の製造方法を適 用して製造される溶融金属めっ き金属帯は、 これに限らず、 亜鉛以外のアルミニウム、 スズなどの他の溶融 金属を含む溶融金属めっき鋼帯全般を含むも のである。
[0058] 以上、 本発明の実施形態について説明してきたが、 本発明はこれに限定さ れずに種々の変更、 改良を行うことができる。
例えば、 シム部材のみをセラミックス材又は力ーボン 材とし、 第 1のノズ ル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2をセラミックス材又は力ーボン材とす る必要は必ずしもない。 〇 2020/174750 23 卩(:170?2019/042428
また、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及びシム部材の全 てをセラミックス材又は力ーボン材としてあ るが、 これは、 第 1のノズル部 材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及びシム部材の全てを同一の材質としなく てもよい概念である。 但し、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2 、 及びシム部材が全て同じ材質であることが好 ましい。 これにより、 第 1の ノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及びシム部材の間で線膨張係数の 差を確実になくすことができる。
[0059] また、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1 , 4 1及び第 2のノズル部材 1 2 の溝部 2 2 , 4 2の各々は、 シム部材が嵌め込まれて第 1のノズル部材 1 1 及び第 2のノズル部材 1 2を固定できるものであれば、 必ずしも第 1のノズ ル部材 1 1 と第 2のノズル部材 1 2との合わせ面 2 3を対称面として面対称 となっている必要はない。
また、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1 , 4 1及び第 2のノズル部材 1 2 の溝部 2 2 , 4 2の各々にシム部材が嵌め込まれて第 1のノズル部材 1 1及 び第 2のノズル部材 1 2を固定できるものであれば、 第 1のノズル部材 1 1 の溝部 2 1 , 4 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2 , 4 2の断面形状は 、 アリ溝形状であったり、 丁型溝形状である必要もない。
[0060] また、 シム部材は、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1 , 4 1及び第 2のノ ズル部材 1 2の溝部 2 2 , 4 2の各々に嵌め込まれて第 1のノズル部材 1 1 及び第 2のノズル部材 1 2を固定できるものであれば、 その断面形状が、 面 対称となっている第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1 , 4 1のアリ溝形状、 丁 型溝形状と第 2のノズル部材 1 2の溝部 2 2 , 4 2のアリ溝形状、 丁型溝形 状とを合わせた形状と相補的な形状である必 要はない。
また、 シム部材は、 長さ方向 Xにおいて独立した部材として二つ設ける態 様に限られない。 例えば、 シム部材の一部が第 1のノズル部材 1 1の溝部及 び第 2のノズル部材 1 2の溝部の各々に嵌め込まれさえすれば、 シム部材は 各ノズル部材の溝部に嵌め込まれる部位同士 を連結する連結部を設け、 一体 の部材としてもよい。 〇 2020/174750 24 卩(:170?2019/042428
[0061 ] また、 ピン 7 1 を使用して第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1 とシム部材 7 〇との接続、 及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2とシム部材 7 0との接続 を行う場合、 溝部 6 1、 6 2の断面形状は、 長方形状に限らず、 アリ溝形状 、 丁型溝形状、 その他の形状であってもよい。 また、 シム部材 7 0の断面形 状は、 その溝部 6 1 , 6 2の断面形状に対応して変更すればよい。 また、 ピ ン 7 1の形状は円柱である必要はなく、 直方体や他の形状であってもよい。 なお、 第 1のノズル部材 1 1 と第 2のノズル部材 1 2との合わせ面 2 3の 間隔が変化すると、 その合わせ面 2 3からワイビングガスが漏れてしまうお それがある。 このため、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2に 溝部 2 1、 2 2とは別個の奥行方向丫に延びる溝部を各々 成し、 この溝部 各々に、 図示しない高さ 5〜 1 0 111 111、 合わせ面 2 3に合わせた長さの側壁 を揷入して合わせ面 2 3からのガス漏れを防止してもよい。
[0062] ここで、 合わせ面 2 3からのワイビングガスの漏れを防止するた の側壁 とシム部材とを同一部材としてもよい。 この場合は、 シム部材は奥行方向丫 のスリッ ト 1 4側に向かうほどスリッ ト幅方向 の高さが小さくなるように 、 5〜 1 程度の高さにすることが好ましい。 また、 この場合、 合わせ 面 2 3からのガス漏れを防げるようにシム部材の 後方向の長さを、 合わせ 面 2 3の奥行方向丫の長さに合わせることが好ま い。 そして、 シム部材が 側壁の役割を兼ねる場合、 断面形状が長方形の場合には、 ピン 7 1 を使用し て第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 1 2に シム部材を固定する必要がある。
実施例
[0063] 図 1 に示す基本構成の連続溶融金属めっき設備 1 を用いて、 板厚 1 . 0 、 板幅 1 2 0 0 の鋼帯 3を通板速度 2 . 0〇! / 3で溶融亜鉛浴に進入 させて、 溶融亜鉛めっき鋼帯を製造した。 ワイビングノズル 1 0のスリッ ト 1 4の寸法は、 奥行き 幅 (ギヤッ プ) 1_ 3 が1 . である。 また、 実験時の溶融亜鉛めっき浴温度は 4 6 0 °〇、 ワイピングノズル先端のガス温度丁は 5 0 0 °〇で実施した。 ワイビング 〇 2020/174750 25 卩(:170?2019/042428
ガスは、 燃焼器の排ガスと空気とを混合して調整した ガスを使用した。 また 、 溶融亜鉛めっき浴の融点 T M は 420°〇である。
[0064] 以下の発明例及び比較例で記載のサイアロン の曲げ強度は 980 IV! 3、 ビッカース硬さは 1 6201 ~ 1 V、 破壊靱性は 6 IV! 3 1 / 耐熱衝撃性は 650°〇、 線膨張係数は 3. 2 1 0_ 6 /[<である。 また、 クロムモリブデ ン鋼の降伏応力は 400^\9 a s ピッカース硬さは 3001 ~ 1 V、 破壊靱性は 2361\/1 3 1/2 、 線膨張係数は 1 1. 2X 1 0_ 6 /<である。
以下、 発明例 1〜 3及び比較例 1〜 2のガスワイピングノズルの材質及び 構造について説明する。
[0065] (発明例 1)
発明例 1では、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及びシム 部材 30の材質は全てサイアロン、 ノズルヘッダ 1 5の材質はクロムモリブ デン鋼とした。 また、 図 4及び図 5に示すように、 第 1のノズル部材 1 1の 溝部 2 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 22の各々の断面形状をアリ溝形 状とし、 シム部材 30の断面形状を、 面対称となっている第 1のノズル部材 1 1の溝部 2 1のアリ溝形状と第 2のノズル部材 1 2の溝部 22のアリ溝形 状とを合わせた形状と相補的な形状とした。 そして、 シム部材 30の最も幅 狭部分の幅八 1 は 5 シム部材 30の最も幅広の部分の幅八 2 は 1
、 シム部材 シム部材 30の高さ八 4 は 2
0111111とし、 シム部材 30の前後方向の長さは、 5111111とした。
[0066] (発明例 2)
発明例 2では、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及びシム 部材 30の材質は全てサイアロン、 ノズルヘッダ 1 5の材質はクロムモリブ デン鋼とした。 また、 図 6及び図 7に示すように、 第 1のノズル部材 1 1の 溝部 4 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 42の各々の断面形状を丁型溝形 状とし、 シム部材 50の断面形状を、 面対称となっている第 1のノズル部材 1 1の溝部 4 1の丁型溝形状と第 2のノズル部材 1 2の溝部 42の丁型溝形 状とを合わせた丨型溝形状と相補的な形状と した。 そして、 シム部材 50の 〇 2020/174750 26 卩(:170?2019/042428
最も幅狭部分の幅巳 1 は 5 01 01、 シム部材 5 0の最も幅広の部分の幅巳 2 は 1 5〇1〇1、 シム部材 5 0の直線部分の長さ巳 3 は 1 0〇1〇1、 シム部材 5 0の高さ 巳 4 は 2 0〇1 111とし、 シム部材 5 0の前後方向の長さは、 5 111 111とした。
[0067] (発明例 3)
発明例 3では、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及びシム 部材 3 0の材質は全てサイアロン、 ノズルヘッダ 1 5の材質はクロムモリブ デン鋼とした。 また、 図 8及び図 9に示すように、 第 1のノズル部材 1 1の 溝部 6 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2の各々の断面形状を長方形状 とし、 シム部材 7 0を直方体形状とした。 そして、 シム部材
5〇1〇1、 シム部材 とし、 シム部材 7 0の前後方向の 長さは、 5〇!〇!とした。
また、 ピン 7 1 を用いて第 1のノズル部材 1 1の溝部 6 1 とシム部材 7 0 との接続、 及び第 2のノズル部材 1 2の溝部 6 2とシム部材 7 0との接続を 行った。 ピン 7 1の直径〇 4 は 0 3
111 01とした。
[0068] (比較例 1)
図 1 0には、 比較例 1のガスワイビングノズルの構造を説明する めの断 面が示されている。
図 1 0に示すガスワイビングノズル 1 0において、 第 1のノズル部材 1 1 の溝部 8 1は、 中空部形成用空間 1 3 3の長さ方向 Xの両側に一対形成され 、 第 2のノズル部材 1 2の溝部 8 2は、 中空部形成用空間 1 3匕の長さ方向 Xの両側に一対形成されている。 そして、 各溝部 8 1 , 8 2は、 第 1のノズ ル部材 1 1 と第 2のノズル部材 1 2との合わせ面 2 3に開口するように形成 され、 第 1のノズル部材 1 1の後端面又は第 2のノズル部材 1 2の後端面か ら前方に向かって所定長さにわたって延びて いる。
[0069] そして、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 8 1 と第 2のノズル部材 1 2の溝部
8 2とは、 互いに第 1のノズル部材 1 1 と第 2のノズル部材 1 2との合わせ 面 2 3で連通し、 当該合わせ面 2 3を対称面として面対称となっている。 〇 2020/174750 27 卩(:170?2019/042428
そして、 第 1のノズル部材 1 1の溝部 8 1及び第 2のノズル部材 1 2の溝 部 8 2の各々の断面形状を長方形状とし、 対をなす溝部 8 1 , 8 2に嵌め込 まれるシム部材 9 0は直方体形状となっている。
さらに、 対をなす溝部 8 1、 8 2に嵌合しているシム部材 9 0を第 1のノ ズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2に固定するために、 2個の金属ボル 卜 9 1で第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2の上下からシム部 材 9 0を挟み込む。 これにより、 シム部材 9 0が第 1のノズル部材 1 1及び 第 2のノズル部材 1 2に固定され、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル 部材 1 2が固定される。
[0070] つまり、 発明例 1〜 3では、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材
1 2の各々の溝部の形状とこれに嵌め込まれる ム部材の形状を工夫するこ とで、 ボルトを使用せず、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2 を固定しているが、 比較例 1では、 金属ボルト 9 1 を使用して第 1のノズル 部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2を固定している。
また、 比較例 1では、 このような構造のガスワイビングノズル 1 0におい て、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 シム部材 9 0、 及びノ ズルヘッダ 1 5の材質を全てクロムモリブデン鋼とした。
[0071 ] (比較例 2)
比較例 2では、 ガスワイビングノズルの構造は図 1 0に示すものと同様の 構造となっている。 つまり、 比較例 2では、 ガスワイビングノズル 1 0にお いて、 比較例 1 と同様に、 金属ボルト 9 1 を使用して第 1のノズル部材 1 1 及び第 2のノズル部材 1 2を固定している。
また、 比較例 2では、 このような構造のガスワイビングノズル 1 0におい て、 第 1のノズル部材 1 1、 第 2のノズル部材 1 2、 及びシム部材 9 0の材 質は全てサイアロン、 ノズルヘッダ 1 5の材質はクロムモリブデン鋼とした
[0072] 発明例 1〜 3及び比較例 1〜 2において、 ノズル破損状況、 スリッ トギヤ ップ変化率、 幅方向めっき付着量偏差、 線状マーク発生率を評価した。 スリ 〇 2020/174750 28 卩(:170?2019/042428
ッ トギャップ変化率 (%) は、 ワイビングノズル 1 0の幅方向 (スリッ ト 1 4の長さ方向 X) における最大のスリッ トギャップ量 (スリッ ト 1 4の長さ 方向 Xに直交する幅方向 のギャップ !_ 3 の大きさ) /最小のスリッ トギャッ プ量 X 1 0 0で示される値である。 また、 幅方向めっき付着量偏差 (%) は 、 鋼帯 3の幅方向における最大めっき付着量/最小め き付着量 X 1 0 0で 示される値である。 更に、 線状マーク発生率 (%) は、 各製造条件で通過し た鋼帯 3の長さに対する検査工程で目視により線状 ーク欠陥ありと判定さ れた鋼帯 3の長さの比率である。
[0073] 結果を表 1 に示す。
[0074] [表 1 ]
[0075] 表 1から明らかなように、 発明例 1〜 3では、 比較例 1〜 2よりもスリッ トギャップ変化率、 幅方向めっき付着量偏差、 線状マーク発生率を大幅に減 少することができた。
また、 製造終了後、 第 1のノズル部材 1 1及び第 2のノズル部材 1 2を分 解して目視検査を行ったが、 発明例 1〜 3及び比較例 1のいずれの条件もノ ズル破損は見られなかった。 一方、 比較例 2では、 ノズル破損が見られた。 これは、 金属ボルト 9 1が熱膨張することで、 金属よりも靱性の低いセラミ ックス (サイアロン) が破損したためと考えられる。
[0076] なお、 発明例 1〜 3及び比較例 1〜 2のいずれにおいても、 ガスワイピン グノズル 1 0のスリッ ト 1 4から噴射した直後のワイビングガスの温度 ( °〇) が、 溶融金属の融点 T M (°〇 との関係で、 T M - 1 5 0 £ T £ T M + 2 5 〇 2020/174750 29 卩(:170?2019/042428
0を満たすように、 ワイビングガスの温度制御がなされている。 このため、 発明例 1〜 3及び比較例 1〜 2のいずれにおいても、 湯ジワ欠陥は発生しな かった。
従って、 本発明に係るガスワイビングノズル及び溶融 金属めっき金属帯の 製造方法によれば、 高温雰囲気下であっても、 ガス噴射口としてのスリッ ト 1 4の長さ方向 Xに直交する幅方向 のギヤップ1_ 3 をスリッ ト 1 4の長さ方 向 Xに沿って均一に保持することができること 確認できた。
符号の説明
[0077] 1 連続溶融金属めっき設備
2 スナウト
3 めっき槽
4 溶融金属浴
5 シンクロール
6 サボートロール
1 0 ガスワイビングノズル
1 1 第 1のノズル部材
1 1 3 前端面
1 1 後端面
1 1 〇 端部
1 1 側面
1 2 第 2のノズル部材
1 2 3 前端面
1 2 後端面
1 2〇 端部
1 2 側面
1 3 中空部
1 3 3 中空部形成用空間
1 3匕 中空部形成用空間 \¥02020/174750 30 卩(:170?2019/042428
1 3〇 中空部形成用空間
1 4 スリッ ト
1 5 ノズルヘッダ
1 6 ガス供給路
1 7 ガス供給管
2 1 第 1のノズル部材の溝部
2 1 3 直線状部
2 1 鳩尾形部
2 1 〇 角部
22 第 2のノズル部材の溝部
223 直線状部
22 鳩尾形部
22〇 角部
23 合わせ面
30 シム部材
3 1 第 1嵌合部
3 1 3 傾斜面
32 第 2嵌合部
323 傾斜面
4 1 第 1のノズル部材の溝部
4 1 3 第 1直線状部
4 1 匕 第 2直線状部
4 1 〇 角部
42 第 2のノズル部材の溝部
423 第 1直線状部
42匕 第 2直線状部
42〇 角部
50 シム部材 〇 2020/174750 31 卩(:170?2019/042428
5 1 第 1嵌合部
5 1 3 下面
52 第 2嵌合部
523 上面
6 1 第 1のノズル部材の溝部
6 1 3 角部
62 第 2のノズル部材の溝部
623 角部
70 シム部材
7 1 ピン
81 第 1のノズル部材の溝部
82 第 2のノズル部材の溝部
90 シム部材
9 1 金属ボルト
スリッ トの長さ
1_ 2 スリッ トの奥行き
1- 3 スリッ トの幅 (スリッ トのギャップ)
3 鋼帯 (金属帯)
X スリッ トの長さ方向 (鋼帯の幅方向)
丫 スリッ トの奥行方向 (鋼帯の板厚方向)
スリッ トの幅方向 (鋼帯の板長方向)