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Title:
GEAR BOX FOR CENTRIFUGAL SEPARATOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078396
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] A gear box for decanter centrifugal separators, which provides a preferred rotational difference between a bowl and a screw conveyor (3) by eliminating problems of a bearing. [MEANS FOR SOLVING THE PROBLEMS] The gear box has a first gear unit, a second gear unit, a first a gear unit, and a transmission carrier. The first gear unit has a first ring gear (R gear) rotated by first drive means, and also has a first planetary gear (P gear) meshing with a non-rotating first sun gear (S gear). The second gear unit has a second P gear meshing with a second R gear that is rotated by the first drive means and also meshing with a second S gear rotated with the revolution of the first P gear, and the second gear unit transmits the revolution of the second P gear to the screw conveyor (3). The first a gear unit has a first aP gear and a first aR gear and transmits the revolution of the first P gear to the second S gear. The first aP gear meshes with a first aS gear connected to a second drive means and revolves about the first aS gear. The first aR gear is rotated with the revolution of the first aR gear and is connected to the second S gear. The transmission carrier supports the revolution of the first and first aP gears. A bearing retainer for the first and first aP gears is a roller guide retainer formed of a heat resistant resin.

Inventors:
OHASHI JUN (JP)
ENDOH KOUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2006/325958
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 26, 2006
Export Citation:
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Assignee:
TOMOE KOGYO KK (JP)
NSK LTD (JP)
OHASHI JUN (JP)
ENDOH KOUICHI (JP)
International Classes:
F16H1/46; B04B9/08
Domestic Patent References:
WO1991010846A11991-07-25
WO2002081094A12002-10-17
Foreign References:
JPH11207211A1999-08-03
JPH05502928A1993-05-20
JP2003336642A2003-11-28
JP2006250324A2006-09-21
US5816713A1998-10-06
US5590225A1996-12-31
DE9409109U11995-09-28
Other References:
See also references of EP 2098751A4
Attorney, Agent or Firm:
MIZUNO, Katsufumi et al. (2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 05, JP)
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Claims:
 遠心分離機用ギアボックスであって、
 ボウルを回転駆動する第1の駆動手段の駆動力により回転する第1リングギアに係合し、かつ非回転の第1太陽ギアに係合する第1遊星ギアを有する第1のギアユニットと、
 前記第1の駆動手段の駆動力により回転する第2リングギアに係合し、かつ前記第1遊星ギアの公転回転に応じて回転する第2太陽ギアに係合する第2遊星ギアを有し、前記第2遊星ギアの公転回転をスクリューコンベアに伝達する第2のギアユニットと、
 第2の駆動手段と連結された第1a太陽ギアに係合し、前記第1遊星ギアの公転回転に連動して前記第1a太陽ギアの周りを公転回転する第1a遊星ギアと、この第2遊星ギアの公転回転に伴って回転し、前記第1a太陽ギアに連結する第1aリングギアとを有し、前記第1aリングギアを介して前記第1遊星ギアの公転回転を前記第2太陽ギアに伝達する第1aのギアユニットと、
 前記第1遊星ギアと前記第1a遊星ギアとの連動した公転回転を支持する変速キャリアと、を備え、
 前記第1遊星ギア及び第1a遊星ギアの自転を許容するころ軸受の保持器が、耐熱樹脂からなるころ案内保持器であることを特徴とするデカンタ型遠心分離機用ギアボックス。
 耐熱樹脂がL-PPS(Linear-PolyPhenylene Sulfide)またはPEEK(Poly ether ether ketone)であることを特徴とする請求項1に記載のデカンタ型遠心分離機用ギアボックス。
Description:
遠心分離機用ギアボックス

 本発明は、デカンタ型遠心分離機用ギア ックスに関する。

 デカンタ型遠心分離機は、ボウルとボウ 内に同軸上に配設されたスクリューコンベ とをギアボックスを介して差動回転させ、 ウルとスクリューコンベアの回転差速を利 してボウル内で液体(分離液)と遠心分離さ た沈降固形物を連続的に脱液排出する。該 心分離機は排水、及び下水汚泥の遠心脱水 途に多く用いられている。

 このデカンタ型遠心分離機用のギアボッ スは、供給汚泥処理と沈降固形物の脱液レ ルを調整するために、ボウルを回転駆動す メインモータ(主電動機)の駆動力にバック ライブモータ(差動機)の駆動力を作用させた 駆動力によりスクリューコンベアを回転させ ることで、ボウルとスクリューコンベアの各 回転駆動に任意の差速(差動)を生じさせてい 。通常、デカンタ型遠心分離機では、ボウ の回転数よりもスクリューコンベアの回転 を同一回転方向でわずかに低くした差動回 を行っている。

 図1は、従来の2段式ギアボックスを示す であり、この2段式ギアボックスは、メイン ータの駆動力、すなわち、ボウルの回転数 同じ回転数で回転するリングギアと、リン ギア内に設けられた太陽ギア及び遊星ギア で構成された第1のギアユニット10、及び第2 のギアユニット20で構成されている。第1のギ アユニット10の太陽ギアS1は、バックドライ モータのピニオンシャフトPSと連結され、第 2のギアユニット20の太陽ギアS2は、第1のギア ユニットの遊星ギアP1の公転回転と連動して 転するキャリアC1と連結され、かつ遊星ギ P2とスクリューコンベア3とがキャリアC2を介 して連結されている。

 したがって、第1のギアユニット10の遊星 アP1は、ボウルの回転数と同じ回転数で回 するリングギアR1の高速回転に伴い、低速で 自転しながら高速で公転し、キャリアC1を回 させるので、2段式ギアボックスでは、バッ クドライブモータと連結された太陽ギアS1を 転させることにより遊星ギアP1の公転を制 し、ボウルとスクリューコンベアの回転差 を行っている。

 しかしながら、該2段式ギアボックスでは 、遊星ギアP1の公転回転をスクリューコンベ (太陽ギアS2)の回転駆動に直接伝達し、遊星 ギアP1の公転、すなわち、遊星ギアP1の自転 バックドライブモータに連結された太陽ギ S1により制御している。よって、ボウルとス クリューコンベアの差速を小さく(例えば1rpm 度)するためには、バックドライブモータが 、太陽ギアS1を高回転数で回転させなければ らない。したがって、2段式ギアボックスで は、高出力のバックドライブモータを使用し なければならないため、電力消費が嵩み、運 用コストが高くなる問題があった。

 また、該2段式ギアボックスを用いた場合 、バックドライブモータにかかる負荷と同じ だけの負荷がメインモータにも追加加算され る。すなわち、該2段式ギアボックスではボ ルを回転駆動するメインモータの駆動力に してバックドライブモータの駆動力を作用 せてスクリューコンベアを回転させている め、バックドライブモータの駆動力を負荷 して考慮したメインモータの出力制御を行 なければならず、バックドライブモータの 動力の増加分がメインモータの駆動力に加 されることになる。したがって、メインモ タの出力も、高出力なバックドライブモー の駆動に対応して高くせざるを得ず、設置 合動力が増大する要因となっている。

 そこで、近年、上記2段式ギアボックスの 問題点を解消するために、変速キャリアC1を するギアボックス1が提案されており、図2B 示すように、従来の2段式ギアボックスの第 1のギアユニット10と第2のギアユニット20との 間に、第1aのギアユニット10aが設けられてい 。該ギアボックス1では、ギアユニット10の 星ギアP1の公転回転をスクリューコンベア 回転駆動に直接伝達せず、ギアユニット10a リングギアR1aの回転駆動をギアユニット20の 太陽ギアS2に伝達している。

 より具体的に説明すると、第1のギアユニ ット10の太陽ギアS1は非回転であり、第1aのギ アユニット10aの太陽ギアS1aがバックドライブ モータのピニオンシャフトPSと連結され、太 ギアS1aに係合する遊星ギアP1aがギアユニッ 10の遊星ギアP1と変速キャリアC1を介して連 している。したがって、ギアユニット1aの 星ギアP1aが、ギアユニット10の遊星ギアP1の 転(メインモータによるリングギアR1の回転) に伴って公転し、この遊星ギアP1aの公転がリ ングギアR1aを回転させる。そして、このリン グギアR1aの回転がギアユニット20の太陽ギアS 2に伝達され、スクリューコンベアを回転駆 させる。

 このとき、遊星ギアP1、及びP1aは、リン ギアR1aを回転させるに伴い、高速で自転、 転する。すなわち、2段式ギアボックスでは 第1のギアユニット10のリングギアR1がメイ モータの駆動により高速で回転し、遊星ギ P1が高速で自転しながら高速で公転している が、変速キャリアC1を有するギアボックス1で は、第1のギアユニットの遊星ギアP1の公転に 伴って高速で公転する第1aのギアユニット10a 遊星ギアP1aがリングギアR1aを回転させてお 、遊星ギアP1、及びP1aが高速で自転する。 たがって、バックドライブモータと連結さ た太陽ギアS1aを低速で回転させて遊星ギアP1 の公転を制御することが可能となり、運用コ ストの高騰を解消することができる。

 高速で回転する遊星ギアの軸受P1、P1aに 、ラジアル荷重(軸方向に直角な方向の荷重) を考慮したころ軸受の軸受が使用される。通 常、ある回転半径上に回転中心を有する軸受 が高速で自転、公転するときには、軸受の自 重による公転遠心力が作用するため、遠心力 によりころと外輪つば・内輪つばとの摩擦が 上昇し、油膜形成がうまくいかず、潤滑が枯 渇するなどの不具合が生じる可能性があるが 、断続的に運転される機器等においては、こ のような不具合が生じる可能性は低い。

 一方、上述のデカンタ型遠心分離機は、2 4時間、365日の連続運転がなされることが常 ある。よって、長時間連続で高速で回転す 上記の変速キャリアC1を有するギアボックス 1の遊星ギアP1、P1aに適用される軸受B1、及びB 1aには、負担(負荷)が長時間連続して掛かる とになり、上記軸受の不具合が生じる可能 が著しく高くなる。

 言い換えれば、ギアボックスのメンテナ スを頻繁に行う必要が生じるため、稼動コ トが大きくなってしまうこと、且つ、常時 転により軸受に過大な負荷がかかるおそれ あるという信頼性の低さにより、上述した 速キャリアC1を有するギアボックス1は、現 、提案がなされているものの、好適な実用 がなされていない。

 本発明は、このような観点に鑑みて成さ たものであり、デカンタ型遠心分離機用の 速キャリアを有するギアボックスにおいて 軸受の不具合を解消し、ボウルとスクリュ コンベアとの好適な回転差動を提供するデ ンタ型遠心分離機用ギアボックスを実現す ことにある。

 上記目的を達成するために、本発明のデ ンタ型遠心分離機用ギアボックスは、以下 内容を要旨とする。すなわち、ボウルを回 駆動する第1の駆動手段の駆動力により回転 する第1リングギアに係合し、かつ非回転の 1太陽ギアに係合する第1遊星ギアを有する第 1のギアユニットと、第1の駆動手段の駆動力 より回転する第2リングギアに係合し、かつ 第1遊星ギアの公転回転に応じて回転する第2 陽ギアに係合する第2遊星ギアを有し、第2 星ギアの公転回転をスクリューコンベアに 達する第2のギアユニットと、第2の駆動手段 と連結された第1a太陽ギアに係合し、第1遊星 ギアの公転回転に連動して第1a太陽ギアの周 を公転回転する第1a遊星ギアと、この第2遊 ギアの公転回転に伴って回転し、第1a太陽 アに連結する第1aリングギアとを有し、第1a ングギアを介して第1遊星ギアの公転回転を 第2太陽ギアに伝達する第1aのギアユニットと 、第1遊星ギアと前記第1a遊星ギアとの連動し た公転回転を支持する変速キャリアと、を備 え、第1遊星ギア及び第1a遊星ギアの自転を許 容するころ軸受の保持器が、耐熱樹脂からな るころ案内保持器で構成されている。また、 ころ案内保持器を形成する耐熱樹脂は、L-PPS( 直鎖状ポリフェニレンサッルファイド)、PEEK( ポリエーテルエーテルケトン)とすることが きる。

 本発明によれば、第1遊星ギア及び第1a遊 ギアの自転に適用されるころ軸受の保持器 、耐熱樹脂からなるころ案内保持器とした とにより、軸受の潤滑の枯渇による焼き付 を防止することができる。よって、ボウル スクリューコンベアとの好適かつ信頼性の い回転差動を提供することが可能となる。

図1は、従来のデカンタ型遠心分離機用 の2段式ギアボックスを示す図であり、(a)は 2段式ギアボックスの軸方向断面図、(b)は、2 段式ギアボックスのギアユニットを模式的に 示した模式図である。 図2Aは、デカンタ型遠心分離機用の変 キャリアを有するギアボックスを示す軸方 断面図である。 図2Bは、デカンタ型遠心分離機用の変 キャリアを有するギアボックスのギアユニ トの模式図である。 図3は、本実施形態のギアボックスが適 用されるデカンタ型遠心分離機の模式図であ る。

符号の説明

1    変速キャリアを有するギアボックス
2    ボウル
3    スクリューコンベア
MM   メインモータ(第1の駆動手段)
BDM  バックドライブモータ(第2の駆動手段)
H    ハウジング
10   第1のギアユニット
 S1  第1太陽ギア
 P1  第1遊星ギア
 R1  第1リングギア
 C1  変速キャリアC1
 B1  第1遊星ギア軸受
10a  第1aのギアユニット
 S1a 第1a太陽ギア
 P1a 第1a遊星ギア
 R1a 第1aリングギア
 C1a キャリアC1a
 B1a 第1a遊星ギア軸受
20   第2のギアユニット
 S2  第2太陽ギア
 P2  第2遊星ギア
 R2  第2リングギア
 C2  キャリアC2
PS   ピニオンシャフト

 以下、本発明の好適な実施の形態につい 説明する。なお、本実施の形態における例 が本発明を限定することはない。

 本実施形態のデカンタ型遠心分離機用の アボックスは、上述のように変速キャリア 有するギアボックスの、高速で自転、公転 る遊星ギアに適用される軸受について、該 受の保持器を耐熱樹脂により形成されるこ 案内保持器としたことにより、高遠心力に 応可能な高速デカンタ型遠心分離機の、長 間連続したボウルとスクリューコンベアと 好適な回転差動を提供する。

 まず、本実施形態のギアボックスが適用 れたデカンタ型遠心分離機について説明す 。

 図3に示すように、デカンタ型遠心分離機 は、ボウル2と、ボウル内に同軸上に配設さ たスクリューコンベア3と、ボウル2およびス クリューコンベア3を回転駆動させる主電動 としてのメインモータMM(第1の駆動手段)と、 ボウル2の回転とスクリューコンベア3の回転 差速を生じさせるための差動機としてのバ クドライブモータBDM(第2の駆動手段)及びギ ボックス1とを有する。

 該遠心分離機は、ボウル2とスクリューコ ンベア3の回転差速を利用してボウル2内に投 された例えば汚泥などの対象物の遠心分離 行い、液体と遠心分離された沈降固形物を 続的に脱液排出する。また、バックドライ モータBDM及びギアボックス1によってボウル 2とスクリューコンベア3との間に任意の回転 速を生じさせることにより、分離された沈 固形物の脱液レベルを調節する。特に、回 差速を1.0rpm以下から3.0rpm程の範囲とし、高 水(一般的には含水率80%以下)を目的として 用されることが多い。

 続いて、本実施形態の変速キャリアを有 るギアボックス1について説明する。

 図2A及び図2Bに示すように、本発明が適用 される変速用キャリアC1を有するギアボック 1は、デカンタ型遠心分離機のメインモータ MMによる駆動がボウル2を介して伝達されるこ とにより該ボウル2と同じ回転数で回転する ウジングHと、ハウジングH内に配置される第 1のギアユニット10と、第1aのギアユニット10a 、第2のギアユニット20とを有する。ギアユ ット10aは、ギアユニット10とギアユニット20 との間に配置される。

 第1のギアユニットからの駆動力は変速キ ャリアC1を介して第1aのギアユニットに伝達 れ、さらにキャリアC1aを介して第2のギアユ ットに伝達される。第2のギアユニット20に キャリアC2が連結されており、該キャリアC2 を介してスクリューコンベア3を駆動させる また、第1aのギアユニット10aには、ピニオン シャフトPSを介してバックドライブモータBDM らの駆動が伝達される。

 本実施形態のギアボックス1が有するギア ユニットについて、より具体的に説明する。 第1のギアユニット10には、ハウジングHと結 され、ボウル2を回転駆動するメインモータM Mの駆動力により回転するリングギアR1と、非 回転の太陽ギアS1と、遊星ギア軸受B1を介し 変速キャリアC1により回転自在に支持され、 リングギアR1、及び太陽ギアS1に係合する、 星ギアP1とが配置される。本実施形態におい て、遊星ギアP1は、180°間隔で2つ配置される

 また、第1aのギアユニット10aには、ピニ ンシャフトPSと連結された太陽ギアS1aと、遊 星ギア軸受B1aを介して変速キャリアC1により 転自在に支持され、遊星ギアP1の公転回転 連動して太陽ギアS1aの周りを公転回転する2 の遊星ギアP1aと、該遊星ギアP1aの公転回転 伴って回転し、後述する太陽ギアS2にキャ アC1aを介して連結するリングギアR1aとが配 される。

 そして、第2のギアユニット20には、ハウ ングHと結合され、ボウル2を回転駆動する インモータMMの駆動力により回転するリング ギアR2と、ギアユニット10の遊星ギアP1の公転 回転に応じて回転する太陽ギアS2と、スリー 軸受を介してキャリアC2により回転自在に 持され、リングギアR2、及び太陽ギアS2に係 する、60°間隔で配置された3つの遊星ギアP2 とが配置される。キャリアC2は、遊星ギアP2 公転回転により回転され、該回転がスクリ ーコンベア3に伝達される。

 なお、本実施形態においては、遊星ギア 数を第1のギアユニット、及び第1aのギアユ ットにおいて2つ、第2のギアユニットにお て3つとしたが、これに限定されるものでは く、任意の数の遊星ギアを等間隔で配置す ことができる。

 第1のギアユニット10の遊星ギアP1、およ 第1aのギアユニットの遊星ギアP1aに結合され る軸受B1、及びB1aは、円筒ころ軸受である。 筒ころ軸受は円筒状のころと軌道とが線接 をしている形状の軸受であり、ラジアル負 能力が大きい軸受である。

 次に、第1のギアユニット10の遊星ギアP1 、第1aのギアボックス10aの遊星ギアP1aに適用 される軸受B1、及びB1aについてより詳しく説 する。

 本実施形態のギアボックス1の遊星ギアP1 及び遊星ギアP1aに係る軸受は、円筒ころ軸 であって、ころ案内保持器を備える。そし 、このころ案内保持器が耐熱樹脂により形 される。

 軸受B1、B1aは、互いに同心に組み合わさ た内輪及び外輪と、内輪と外輪との間に配 される複数の円筒ころと、これら円筒ころ 周方向に等間隔で保持するころ案内保持器 を含む。

 ころ案内保持器は耐熱樹脂により形成され が、好ましくは、L-PPS(Linear-PolyPhenylene Sulfid e)、PEEK(Poly
ether ether ketone)により形成される。

 表1は、L-PPSにより成形された本実施形態 係る軸受のころ案内保持器と、従来型の銅 金で形成された外輪案内型保持器の特性を す。

 また、表2は、内径φ425のデカンタ型遠心 離機において、遠心力2500G、回転数3241.4rpm 運転した場合のこれら保持器の最大主応力 重値を示す。

 L-PPSは200℃以上での連続使用が可能であ という優れた耐熱性を有するほか、表1に示 ように、銅合金などの金属により形成した 来型と比較して、比重が非常に小さい。又 PEEK使用の場合も同様な効果が期待できる。

 加えて、表2に示すように、上記の条件下 における本実施形態の保持器の最大主応力荷 重値は、従来型保持器の約60%である。このよ うに保持器の最大主応力荷重値が小さいこと からも明らかなように、遊星ギアP1、P1aが高 で回転するときにおいても、軸受の保持器 比重が小さいことにより、自重による遠心 が小さいため、ころの案内すきまを確保で るので、焼き付き防止効果を期待できる。

 また、従来型保持器は外輪案内保持器で るため、高速で自転、公転するときに保持 の変形により外輪内径の約180°範囲に保持 が接触し、案内すきまが確保できない。こ に対し、本実施形態に係る保持器はころ案 保持器であるため、高速で自転、公転して 、ころがポケット内の案内面先端に接触す ものの、案内すきまは確保される。

 案内すきまが広範囲に亘って確保されな と、潤滑が1度枯渇してしまったとき、案内 面の油膜は再形成されない。言い換えれば、 案内すきまが確保されるころ案内保持器は、 潤滑が1度枯渇しても案内面の油膜の再形成 円滑に行われる。

 したがって、本実施形態に係る軸受は、 持器を耐熱樹脂からなるころ案内保持器と たことにより、高速で回転するときにおい も案内すきまが確保されるため、潤滑の枯 を防止することができる。

 続いて、本実施形態のギアボックス1を適 用させてボウル2とスクリューコンベア3の回 差速を生じさせるときの動作について説明 る。

 まず、バックドライブモータBDMを駆動さ ることにより、第1aのギアユニット10aのリ グギアR1aの回転数を変化させる。すなわち バックドライブモータBDMの駆動力をピニオ シャフトPSを介して太陽ギアS1aに伝達させる ことにより、太陽ギアS1aの自転を開始させ、 遊星ギアP1、及び遊星ギアP1aの公転回転数を さくする。その結果、リングギアR1aの回転 が小さくなるため、第2のギアユニット20に いて、太陽ギアS2の回転数とリングギアR2の 回転数に差が生じる。よって、太陽ギアS2の りを公転回転する遊星ギアP2の公転回転も た、リングギアR2の回転数より小さくなるた め、ボウル2とスクリューコンベア3との間に 回転数の差が生じるようになる。

 このようにしてボウル2とスクリューコン ベア3との間に回転数の差を生じさせたとき 本実施形態のギアボックス1を適用したデカ タ型遠心分離機では、メインモータMMとバ クドライブモータBDMにかかる負荷を従来型 2段式ギアボックスと比して、非常に小さく ることが可能である。

 これについて具体的に説明するために、 来の2段式ギアボックスを用いたデカンタ式 遠心分離機と、本実施形態のギアボックスを 用いたデカンタ式遠心分離機において、ボウ ル2の回転数を3000rpm、スクリューコンベア3の 回転数を2999rpm(すなわちこのときの差速は1rpm である)とした場合の例を以下に示す。

 例えば、従来の2段式ギアボックスのギア 比を125:1とした場合において、上記の回転数 デカンタ型遠心分離機を動作させるとき、 ックドライブモータBDMの回転数は2845rpmとな る。このとき、バックドライブモータBDMにか かる電力は4.3kwとなり、さらに、上述したよ にバックドライブモータだけでなくメイン ータにも同じだけの負荷、すなわち4.3kwの 力を必要とする。よって、上記の条件で遠 分離機を動作させた場合、メインモータが ウルを回転させるために必要な電力のほか 、新たに8.6kwの電力が遠心分離機全体で必要 となる。

 これに対し、本実施形態のギアボックス1 を用い、ギア比を44:1として上記の回転数で カンタ型遠心分離機を動作させるとき、バ クドライブモータBDMの回転数は44rpmとなり、 従来の2段式ギアボックスの場合と比較して 常に小さい。そのため、バックドライブモ タBDMにかかる電力は0.19kwとなり、遠心分離 全体に換算しても、新たにかかる電力は0.38k wとなった。

 すなわち、上述した例においては、本実 形態のギアボックスを用いることにより、 ウルを3000rpm、スクリューコンベアを2999rpm 回転させて1rpmの差速を生じさせるために必 な電力を8.22kw削減することができる。

 本実施形態の変速キャリアC1を有するギ ボックス1においては、上述したようにメイ モータMMから、またはメインモータMM及びバ ックドライブモータBDMからの駆動が伝達され るとき、遊星ギアP1、及びP1aはリングギアR1a 回転させるための公転に伴い、高速で自転 公転する。このように遊星ギアP1、及びP1a 高速で自転、公転するとき、これに配置さ る軸受B1、及びB1aには自重による遠心力が作 用する。従来の技術においては、この遠心力 が大きくなるため、軸受の潤滑の枯渇が発生 するおそれが大きかった。

 本実施形態の変速キャリアC1を有するギ ボックス1は、遊星ギアP1、P1aのころ軸受B1、 B1aの保持器を耐熱樹脂で形成したことにより 、従来に比べ保持器の比重が小さくなり、こ ろ軸受の自重による遠心力を小さくすること が可能であるため、案内すきまを適切に確保 することができる。また、当該保持器をころ 案内保持器としたことにより、ころと案内面 との接触部分を小さくすることができるため 、案内すきまをさらに適切に確保することが できるとともに、潤滑を好適に維持すること ができる。したがって、軸受の潤滑の枯渇の 防止を防ぐことができる。

 すなわち、変速キャリアC1を有するギア ックス1が適用されたデカンタ型遠心分離機 長時間連続した運転においても、当該ギア ックス内の軸受が焼き付け等を起こす危険 を低減でき、好適なボウルとスクリューコ ベアとの回転差動を提供することができる

 特に、2500G以上の遠心力が軸受に作用す 、高速デカンタ型遠心分離機の好適な実用 を図ることができる。