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Title:
GELLING AGENT FOR BATTERIES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011264
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention aims at providing a gelling agent for batteries which can form a pasty gel which little suffers from bubble inclusion and has a high gel density in a short time when dissolved in an alkaline electrolytic solution. A gelling agent for batteries which consists of carboxyl -containing polymer granules having a median particle diameter of 100 to 800μm and a bulk density of 0.30g/ml or above and which gives a gel having a turbidity of 200ppm or below and a gel density of 1.37g/ml or above when 2 parts by mass of the carboxyl -containing polymer granules is added to 98 parts by mass of a 40 mass% aqueous solution of potassium hydroxide.

Inventors:
MORIMITSU YUICHIRO (JP)
YOSHINAKA MASATOYO (JP)
KOBAYASHI SHINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062415
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO SEIKA CHEMICALS (JP)
MORIMITSU YUICHIRO (JP)
YOSHINAKA MASATOYO (JP)
KOBAYASHI SHINJI (JP)
International Classes:
H01M4/62; C09K3/00; H01M6/22
Foreign References:
JPH0389458A1991-04-15
JP2000306589A2000-11-02
JPH0389458A1991-04-15
JPH0389458A1991-04-15
JP2003123763A2003-04-25
Other References:
See also references of EP 2172997A4
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara,3-chome, Yodogawa-ku,Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
中位粒子径が100~800μm、嵩密度が0.30g/ml以上の顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子からなる電池用ゲル化剤であって、40質量%水酸化カリウム水溶液98質量部に、前記顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子を2質量部添加して調製したゲルの濁度が200ppm以下、ゲル密度が1.37g/ml以上である電池用ゲル化剤。
40質量%水酸化カリウム水溶液98質量部に、顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子を2質量部添加してゲルを調製する際のゲル化時間が60分以下である請求項1に記載の電池用ゲル化剤。
顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子が、α,β-不飽和カルボン酸類を主構成単量体成分とするカルボキシル基含有重合体粒子に水および/または極性有機溶媒を吸液させて凝集体とした後、乾燥、粉砕して得られる顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子である請求項1または2に記載の電池用ゲル化剤。
カルボキシル基含有重合体粒子が、α,β-不飽和カルボン酸類を溶解し、かつカルボキシル基含有重合体を溶解しない不活性溶媒中で、α,β-不飽和カルボン酸類を重合して得られるカルボキシル基含有重合体粒子である請求項3に記載の電池用ゲル化剤。
請求項1~4のいずれか1項に記載の電池用ゲル化剤を使用してなる電池。
Description:
電池用ゲル化剤

本発明は、電池用ゲル化剤に関する。さら に詳しくは、アルカリ電池の正極および/ま は負極用のゲル化剤に関する。

従来から、アルカリ電池用のゲル化剤とし ては、カルボキシメチルセルロース、ポリア クリル酸またはその塩、および天然ガム等が 知られている。アルカリ電池用のゲル化剤は 、アルカリ電解液の強アルカリ条件下でも長 期にわたり安定であることが必要であり、近 年は、α、β-不飽和カルボン酸類とりわけ(メ タ)アクリル酸およびその塩を主構成単量体 分とするカルボキシル基含有重合体が主に いられている。

アルカリ電池用のゲル化剤には、様々な性 能が求められている。その1つとして、電池 外力が加えられた際に電池内部を衝撃から る耐衝撃性が挙げられる。耐衝撃性を向上 る方法として、アルカリ電解液を吸液して 潤する、膨潤性のカルボキシル基含有重合 を用いる方法が提案されている(特許文献1参 照)。

一方、アルカリ電解液に対して、適度の粘 性、保液性、安定性を付与し、アルカリ電解 液に添加される種々の金属の分散性を向上さ せる性能も求められている。分散性を向上す る方法としては、アルカリ電解液に溶解しペ ースト状のゲルとなるカルボキシル基含有重 合体を用いる方法が提案されている(特許文 2参照)。

しかしながら、前記のカルボキシル基含有 重合体は通常、微粉末のため、アルカリ電解 液(アルカリ性溶液)に添加した際に、塊状物( ママコ)を生じやすい。ママコの発生を防ぐ めに、アルカリ電解液を高速撹拌しながら ルボキシル基含有重合体を添加する方法が 案されているが、撹拌、溶解中に空気を抱 込むため、アルカリ電解液に多量の空気を き込んだ(泡噛み)ゲルとなってしまう。泡噛 みが起こると、ゲルから泡を抜き出すには時 間と労力が必要となり、全ての泡を抜くこと は困難である。また、泡噛み状態のゲルは、 泡の分だけ体積が大きくなり、電池に充填す る際に単位容積当たりの充填率が低くなり、 電池性能の低下につながるという問題がある 。

特開平3-89458号公報

特開2003-123763号公報

本発明の目的は、アルカリ電解液に溶解し た際に、短時間でペースト状のゲルとなり、 泡噛みが少なく、高いゲル密度となる電池用 ゲル化剤を提供することにある。

本発明は、中位粒子径が100~800μm、嵩密度 0.30g/ml以上の顆粒状カルボキシル基含有重合 体粒子からなる電池用ゲル化剤であって、40 量%水酸化カリウム水溶液98質量部に、前記 粒状カルボキシル基含有重合体粒子を2質量 部添加して調製したゲルの濁度が200ppm以下、 ゲル密度が1.37g/ml以上である電池用ゲル化剤 関する。

本発明の電池用ゲル化剤は、アルカリ電解 液に溶解した際に、短時間でペースト状のゲ ルとなり、泡噛みが少なく、高いゲル密度を 有する電池用ゲルを提供することができる。 また、ゲル密度が向上することにより、電池 へのゲル充填率が向上し、電池性能の向上が 期待される。

本発明の電池用ゲル化剤は、中位粒子径が 100~800μm、嵩密度が0.30g/ml以上の顆粒状カルボ キシル基含有重合体粒子からなり、40質量%水 酸化カリウム水溶液98質量部に、前記顆粒状 ルボキシル基含有重合体粒子を2質量部添加 して調製したゲルの濁度が200ppm以下、ゲル密 度が1.37g/ml以上である特性を有している。

本発明に用いられる顆粒状カルボキシル基 含有重合体粒子の中位粒子径は100~800μm、好 しくは100~700μm、より好ましくは150~700μmであ る。中位粒子径が100μm以上であると、アルカ リ電解液に溶解した際に、ママコの発生が少 なく、短時間で溶解する。また、中位粒子径 が800μm以下であると、粗大粒子の割合が減る 傾向にあり、アルカリ電解液に溶解した際に 、短時間で溶解する。なお、本発明において 「中位粒子径」とは、後述する測定方法によ り測定した値である。

本発明に用いられる顆粒状カルボキシル基 含有重合体粒子の嵩密度は0.30g/ml以上、好ま くは0.30~0.60g/ml、より好ましくは0.35~0.55g/ml ある。嵩密度が0.30g/ml以上であると、輸送コ ストの低下や保管場所を減少できる。なお、 本発明において「嵩密度」とは、後述する測 定方法により測定した値である。

本発明に用いられる顆粒状カルボキシル基 含有重合体粒子は、40質量%水酸化カリウム水 溶液98質量部に、前記顆粒状カルボキシル基 有重合体粒子を2質量部添加して調製したゲ ルの濁度が200ppm以下、好ましくは150ppm以下、 より好ましくは100ppm以下である。ゲルの濁度 が200ppm以下であれば、ゲル中を光が透過する ということであり、泡噛みの非常に少ないゲ ルであると判断できる。泡噛みが少ないゲル は、ゲル密度が大きく、電池へのゲル充填率 が向上し、電池性能の向上が期待される。一 方、濁度が200ppmを超えるゲルは、泡噛みが多 く、電池性能が向上しないおそれがある。な お、本発明において「ゲルの濁度」とは、後 述する測定方法により測定した値である。な お、本発明の顆粒状カルボキシル基含有重合 体粒子は、後述の方法によりゲルを調製した 場合、ペースト状のゲルとなる。

本発明に用いられる顆粒状カルボキシル基 含有重合体粒子は、40質量%水酸化カリウム水 溶液98質量部に、前記顆粒状カルボキシル基 有重合体粒子を2質量部添加して調製したゲ ルの密度が1.37g/ml以上、好ましくは1.37~1.41g/ml 、より好ましくは1.38~1.41g/mlである。ゲル密 が1.37g/ml以上であれば、泡噛みの非常に少な いゲルであると判断でき、さらに充分なゲル 密度を有していることにより、電池へのゲル 充填率が向上し、電池性能の向上が期待され る。なお、本発明において「ゲル密度」とは 、後述する測定方法により測定した値である 。

本発明に用いられる顆粒状カルボキシル基 含有重合体粒子は、40質量%水酸化カリウム水 溶液98質量部に、顆粒状カルボキシル基含有 合体粒子を2質量部添加してゲルを調製する 際のゲル化時間が60分以下であることが好ま く、50分以下であることがより好ましい。 ル化時間が60分以下であれば、早いゲル化で あると判断でき、電池を生産する上で、生産 効率が高く、経済的である。なお、本発明に おいて「ゲル化時間」とは、後述する測定方 法により測定した値である。

本発明に用いられる、顆粒状カルボキシル 基含有重合体粒子としては、中位粒子径が100 ~800μm、嵩密度が0.30g/ml以上のものであれば特 に限定されない。そのような顆粒状カルボキ シル基含有重合体粒子としては、例えば、α, β-不飽和カルボン酸類を主構成単量体成分と するカルボキシル基含有重合体粒子に水およ び/または極性有機溶媒を吸液させて凝集体 し、乾燥、粉砕して得られるものが好まし 用いられる。

前記α,β-不飽和カルボン酸類を主構成単量 体成分とするカルボキシル基含有重合体粒子 としては、例えば、α,β-不飽和カルボン酸類 を溶解し、かつカルボキシル基含有重合体を 溶解しない不活性溶媒中で、α,β-不飽和カル ボン酸類を重合して得られるものが好ましく 用いられる。より具体的には、α,β-不飽和カ ルボン酸類と、エチレン性不飽和基を2個以 有する化合物とを、ラジカル重合開始剤の 在下、不活性溶媒中で重合させることによ て得られる架橋型カルボキシル基含有重合 粒子;α,β-不飽和カルボン酸類と、アルキル の炭素数が10~30である(メタ)アクリル酸アル キルエステルとを、ラジカル重合開始剤の存 在下、不活性溶媒中で重合させることによっ て得られるアルキル変性カルボキシル基含有 重合体粒子等が挙げられる。

前記架橋型カルボキシル基含有重合体粒子 を製造する場合のα,β-不飽和カルボン酸類と しては、特に限定されず、例えば、アクリル 酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸 、イタコン酸、フマル酸等のα,β-不飽和カル ボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ 、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリ 、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸ベヘ ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸 リスチル、メタクリル酸ベヘニル等のα,β- 飽和カルボン酸アルキルエステル等が挙げ れ、これらは、それぞれ単独で用いてもよ 、2種以上を併用してもよい。

なお、本発明では、アクリルおよびメタク リルを総称して(メタ)アクリルという場合も る。

前記架橋型カルボキシル基含有重合体粒子 を製造する場合、α,β-不飽和カルボン酸類の 使用量は後述する不活性溶媒の100容量部に対 して6~25容量部であることが好ましく、8~22容 部であることがより好ましく、13~20容量部 あることがさらに好ましい。α,β-不飽和カ ボン酸類の使用量が6容量部未満の場合、得 れる架橋型カルボキシル基含有重合体粒子 取得量が少なく、経済的でない。また、α, -不飽和カルボン酸類の使用量が25容量部を える場合、反応が進行するにつれ、架橋型 ルボキシル基含有重合体粒子が析出し、均 に撹拌することが困難となり、反応の制御 難しくなる。

前記エチレン性不飽和基を2個以上有する 合物としては、特に限定されず、例えば、 チレングリコール、プロピレングリコール ポリオキシエチレングリコール、ポリオキ プロピレングリコール、グリセリン、ポリ リセリン、トリメチロールプロパン、ペン エリスリトール、サッカロース、ソルビト ル等のポリオールの2置換以上のアクリル酸 ステル類;前記ポリオールの2置換以上のア ルエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸ト アリル、メタクリル酸アリル、テトラアリ オキシエタン、トリアリルシアヌレート、 ジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5- ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等を挙げる ことができる。中でも、少量で高い増粘性を 有する電池用ゲルが得られることから、ペン タエリスリトールアリルエーテルおよびポリ アリルサッカロースが好適に用いられる。

前記エチレン性不飽和基を2個以上有する 合物の使用量は、α,β-不飽和カルボン酸類10 0質量部に対して、0.01~2質量部であることが ましく、0.3~1.5質量部であることがより好ま い。エチレン性不飽和基を2個以上有する化 合物の使用量が0.01質量部未満の場合、得ら る顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子か 調製される電池用ゲルの粘度が低下し、ペ スト状のゲルになりにくくなるおそれがあ 。エチレン性不飽和基を2個以上有する化合 の使用量が2質量部を超える場合、得られる 顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子から調 製される電池用ゲルに不溶性のゲルが生成し やすくなるおそれがある。

前記アルキル変性カルボキシル基含有重合 体粒子を製造する場合のα,β-不飽和カルボン 酸類としては、特に限定されず、例えば、ア クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレ イン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ 、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、 2種以上を併用してもよい。

前記アルキル変性カルボキシル基含有重合 体粒子を製造する場合、α,β-不飽和カルボン 酸類の使用量は後述する不活性溶媒の100容量 部に対して6~25容量部であることが好ましく 8~22容量部であることがより好ましく、13~20 量部であることがさらに好ましい。α,β-不 和カルボン酸類の使用量が6容量部未満の場 、得られるアルキル変性カルボキシル基含 重合体粒子の取得量が少なく、経済的でな 。また、α,β-不飽和カルボン酸類の使用量 25容量部を超える場合、反応が進行するに れ、アルキル変性カルボキシル基含有重合 粒子が析出し、均一に撹拌することが困難 なり、反応の制御が難しくなる。

前記アルキル基の炭素数が10~30である(メタ )アクリル酸アルキルエステルとは、(メタ)ア クリル酸と、アルキル基の炭素数が10~30であ 高級アルコールとのエステルをいい、例え 、(メタ)アクリル酸とステアリルアルコー とのエステル、(メタ)アクリル酸とエイコサ ノールとのエステル、(メタ)アクリル酸とベ ニルアルコールとのエステルおよび(メタ) クリル酸とテトラコサノールとのエステル を挙げることができる。これらの中でも、 られる顆粒状カルボキシル基含有共重合体 子の電池用ゲルの粘度特性が優れているこ から、メタクリル酸ステアリル、メタクリ 酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニルお びメタクリル酸テトラコサニルが好適に用 られる。なお、アルキル基の炭素数が10~30で ある(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし は、例えば日本油脂株式会社製の商品名ブ ンマーVMA70等の市販品を用いてもよい。

前記アルキル基の炭素数が10~30である(メタ )アクリル酸アルキルエステルの使用量は、α ,β-不飽和カルボン酸類100質量部に対して0.5~2 0質量部であることが好ましく、1~10質量部で ることがより好ましい。アルキル基の炭素 が10~30である(メタ)アクリル酸アルキルエス テルの使用量が、α,β-不飽和カルボン酸類100 質量部に対して0.5質量部未満である場合には 、得られる顆粒状カルボキシル基含有共重合 体粒子の電池用ゲルの濁度が大きくなるおそ れがあり、一方、20質量部を超える場合には 得られる顆粒状カルボキシル基含有共重合 粒子のアルカリ電解液への溶解性を損なう それがある。

前記ラジカル重合開始剤としては、特に限 定されず、例えば、α,α’-アゾビスイソブチ ロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレ ロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブ レート、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパ オキサイド、クメンハイドロパーオキサイ 、第三級ブチルハイドロパーオキサイド等 挙げることができる。

ラジカル重合開始剤の使用量は、α,β-不飽 和カルボン酸類100質量部に対して、0.01~0.45質 量部であることが好ましく、0.01~0.35質量部で あることがより好ましい。ラジカル重合開始 剤の使用量が0.01質量部未満の場合、反応速 が遅くなるため経済的でなくなるおそれが る。また、ラジカル重合開始剤の使用量が0. 45質量部を超える場合、反応速度が速くなる め、反応の制御が難しくなる。

前記不活性溶媒とは、α,β-不飽和カルボン 酸類、および、エチレン性不飽和基を2個以 有する化合物またはアルキル基の炭素数が10 ~30である(メタ)アクリル酸アルキルエステル 溶解するが、得られるカルボキシル基含有 合体を溶解しない溶媒をいう。

前記不活性溶媒としては、例えば、ノルマ ルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘ プタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、 シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シ クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベン ゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン 、エチレンジクロライド、酢酸エチル、酢酸 イソプロピル、エチルメチルケトン、イソブ チルメチルケトン等を挙げることができる。 これらは単独で使用してもよく、2種以上を 用してもよい。中でも、品質が安定してお 入手が容易である観点から、エチレンジク ライドおよびノルマルヘキサンが好適に用 られる。

前記α,β-不飽和カルボン酸類とエチレン性 不飽和基を2個以上有する化合物とを重合さ る際、または、α,β-不飽和カルボン酸類と ルキル基の炭素数が10~30である(メタ)アクリ 酸アルキルエステルとを重合させる際の雰 気は、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等 不活性ガス雰囲気であることが好ましい。

反応温度は、反応溶液の粘度上昇を抑制し 、反応制御を容易にする観点から、50~90℃、 ましくは55~75℃であることが望ましい。

反応時間は、反応温度によって異なるので 一概には決定することができないが、通常、 2~10時間である。

反応終了後、反応溶液を80~130℃に加熱し、 不活性溶媒を揮散除去することにより白色微 粉末のカルボキシル基含有重合体粒子を得る ことができる。加熱温度が、80℃未満の場合 乾燥に長時間を要するおそれがあり、130℃ 超える場合、得られる顆粒状カルボキシル 含有重合体粒子から調製される電池用ゲル 不溶性のゲルが生成しやすくなるおそれが る。

上記工程で得られたカルボキシル基含有重 合体粒子に含液率が5~25質量%となるように水 よび/または極性有機溶媒を吸液させること により、カルボキシル基含有重合体粒子の凝 集体とした後、乾燥、粉砕することにより顆 粒状のカルボキシル基含有重合体粒子が得ら れる。

前記水としては、上水、工業用水、イオン 交換水および蒸留水等が挙げられる。

前記極性有機溶媒としては、例えば、炭素 数が1~5のアルコール類、炭素数が3~6のケトン 類、炭素数が3~6のエステル類および炭素数が 4~6のエーテル類等が好ましく用いられる。

前記炭素数が1~5のアルコール類としては、 例えば、メタノール、エタノール、1-プロパ ール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブ ノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル -2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタ ール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノー 、3-メチル-1-ブタノール、1,1-ジメチル-1-プ パノール、1,2-ジメチル-1-プロパノールおよ び2,2-ジメチル-1-プロパノール等を挙げるこ ができる。

前記炭素数が3~6のケトン類としては、例え ば、アセトン、エチルメチルケトン、メチル プロピルケトン、ジエチルケトン、ブチルメ チルケトンおよびイソブチルメチルケトン等 を挙げることができる。

前記炭素数が3~6のエステル類としては、例 えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イ ソブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン 酸エチル、プロピオン酸プロピル、ブタン酸 メチルおよびブタン酸エチル等を挙げること ができる。

前記炭素数が4~6のエーテル類としては、例 えばメチルプロピルエーテル、ブチルメチル エーテル、ジエチルエーテル、エチルプロピ ルエーテル、ブチルエチルエーテルおよびジ プロピルエーテル等を挙げることができる。

これらは単独で使用してもよく、2種以上 併用してもよい。中でも、入手が容易であ 観点から、メタノール、エタノール、アセ ン、エチルメチルケトンおよび酢酸エチル 好適に用いられる。

カルボキシル基含有重合体粒子に水および /または極性有機溶媒を吸液させ、凝集体と す際の含液率は、5~25質量%であり、5~23質量% 好ましい。含液率が5質量%未満の場合、カ ボキシル基含有重合体粒子を凝集させる作 が小さく十分な凝集が得られない。一方、 ルボキシル基含有重合体粒子の含液率が25質 量%を超える場合、凝集が促進されすぎるた 乾燥後の粉砕が困難になるほか、アルカリ 解液へ分散したときに溶解するまでの時間 長くなる等の欠点を有する。

本明細書において含液率とは、カルボキシ ル基含有重合体粒子に水および/または極性 機溶媒を吸液させ、吸液により増加した質 と吸液前の質量の比をいう。より具体的に 、カルボキシル基含有重合体粒子に水およ /または極性有機溶媒を吸液させた前後の質 比を次式により算出して求める。

   含液率(質量%)=(Y-X)/X × 100
(式中、Xは水および/または極性有機溶媒を吸 液させる前のカルボキシル基含有重合体粒子 の質量(g)、Yは水および/または極性有機溶媒 吸液させた後のカルボキシル基含有重合体 子の質量(g))

カルボキシル基含有重合体粒子を、含液率 が5~25質量%となるように水を吸液させる方法 しては、特に限定されず、例えば、カルボ シル基含有重合体粒子に、微細な水滴を噴 する方法、カルボキシル基含有重合体粒子 、特定の雰囲気下に保持する方法等が挙げ れる。とりわけ、カルボキシル基含有重合 粒子を、温度25~100℃、好ましくは30~90℃、 対湿度30%以上100%未満、好ましくは40%以上100% 未満の雰囲気下に保持する方法が好ましく用 いられる。保持する温度が25℃未満ではカル キシル基含有重合体粒子を凝集させるため 長時間を要するおそれがあり、100℃を超え と大量のエネルギーを要するため好ましく い。また、相対湿度が30%未満ではカルボキ ル基含有重合体粒子を凝集するために長時 を要するおそれがあり、100%では結露した水 が発生し、カルボキシル基含有重合体粒子が 結露した水に膨潤し最終的に得られる顆粒が 無孔質となることからアルカリ電解液への溶 解性が悪くなるため好ましくない。

保持時間は、温度と相対湿度により達成さ れる含液率により凝集状態が異なるため一概 には決定されないが、カルボキシル基含有重 合体粒子が十分に凝集する時間保持されれば 特に限定されない。例えば、30℃、相対湿度7 5%のような条件では15~20質量%程度の高い含液 となるよう2~4時間程度の長時間保持するこ が好ましい。一方、80℃、相対湿度80%のよ な条件では、5~10質量%程度の低い含液率でも 十分な凝集体が得られるため、1~5分程度の短 時間の保持でもよい。

前記の、特定の温度、湿度条件にカルボキ シル基含有重合体粒子を保持する方法として は特に限定されず、例えば、カルボキシル基 含有重合体粒子を含む空間が均一の湿度とな りかつ温度変化により結露が発生せず、空間 の温度と湿度を正確に制御可能な恒温恒湿装 置内にカルボキシル基含有重合体粒子を均一 に吸液される程度の厚さにして静置する方法 が挙げられる。なお、ここで静置とは、カル ボキシル基含有重合体粒子が流動していない 状態を指し、恒温恒湿装置内をカルボキシル 基含有重合体粒子が流動を伴わず、ベルトコ ンベア等の装置によって移動しているような 場合も静置とみなす。

本発明においてカルボキシル基含有重合体 粒子に、含液率が5~25質量%となるように極性 機溶媒を吸液させる方法としては、特に限 されず、例えば、カルボキシル基含有重合 粒子に、微細な極性有機溶媒の液滴を噴霧 る方法、カルボキシル基含有重合体粒子を 極性有機溶媒の蒸気下に保持する方法等を げることができる。とりわけ、カルボキシ 基含有重合体粒子を、使用する極性有機溶 の沸点から約20℃低い温度~沸点の雰囲気下 保持する方法が好ましく用いられる。カル キシル基含有重合体粒子を極性有機溶媒の 気下に保持する際、極性有機溶媒の沸点か 約20℃より低い温度の場合、カルボキシル 含有重合体粒子を凝集させるために長時間 要するおそれがある。また、カルボキシル 含有重合体粒子を極性有機溶媒の蒸気下に 持する際、極性有機溶媒の沸点より高い場 、大量のエネルギーを要するため好ましく い。

ただし、極性有機溶媒の沸点は、その存在 する圧力により決まるので、カルボキシル基 含有重合体粒子を保持する圧力により、決定 される。保持する温度としては、具体的には 、メタノールは45~65℃(大気圧下)、エタノー は59~79℃(大気圧下)、アセトンは36~56℃(大気 下)、エチルメチルケトンは59~79℃(大気圧下 )、酢酸エチルは57~77℃(大気圧下)を挙げるこ ができる。なお、大気圧下での沸点が高温 極性有機溶媒を使用する際は、減圧下でカ ボキシル基含有重合体粒子に極性有機溶媒 吸液させることで、より簡便にカルボキシ 基含有重合体粒子を凝集させることもでき 。

保持時間は、温度により達成される含液率 により凝集状態が異なるため一概には決定さ れないが、カルボキシル基含有重合体粒子が 十分に凝集する時間保持されれば特に限定さ れない。例えば、使用する極性有機溶媒の沸 点から約20℃低い温度のような条件では15~20 量%程度の高い含液率となるよう0.5~4時間程 の時間保持することが好ましい。一方、使 する極性有機溶媒の沸点のような条件では 5~10質量%程度の低い含液率でも十分な凝集体 が得られるため、5~60分間程度の時間の保持 もよい。

前記の、特定の温度条件にカルボキシル基 含有重合体粒子を保持する方法としては特に 限定されず、例えば、カルボキシル基含有重 合体粒子を含む空間が均一の極性有機溶媒の 蒸気下となりかつ温度変化により極性有機溶 媒の凝縮が発生せず、空間の温度と極性有機 溶媒の蒸気発生を正確に制御可能な装置内に カルボキシル基含有重合体粒子を均一に吸液 される程度の厚さにして静置する方法を挙げ ることができる。なお、ここで静置とは、カ ルボキシル基含有重合体粒子が流動していな い状態を指し、装置内をカルボキシル基含有 重合体粒子が流動を伴わず、ベルトコンベア 等の装置によって移動しているような場合も 静置とみなす。

上記のようにして、カルボキシル基含有重 合体粒子を含液率が5~25質量%となるように水 よび/または極性有機溶媒を吸液させると、 粒子同士が水および/または極性有機溶媒を インダーとして結合し、凝集体を形成する

この凝集体を乾燥し、粉砕することにより 、本発明に用いられる顆粒状カルボキシル基 含有重合体粒子を得ることができる。

乾燥に用いられる乾燥装置は特に限定され ないが、例えば、減圧乾燥機を挙げることが できる。乾燥温度としては30~130℃、好ましく は50~110℃であることが望ましい。乾燥温度が 30℃未満の場合、乾燥に長時間要するおそれ あり、130℃を超える場合、得られる顆粒状 ルボキシル基含有重合体粒子のアルカリ電 液への溶解性を損なうおそれがある。乾燥 の含液率は、粉砕後の流動性の確保や長期 存中に顆粒状カルボキシル基含有重合体粒 の塊状化等が起こらないようにとの観点か 、5質量%未満とするのが好ましい。

粉砕に用いられる粉砕装置としては、特に 限定されず、例えば、ピンミル型粉砕機、ハ ンマーミル型粉砕機、ジェットミル型粉砕機 等の一般に使用されている粉砕機を使用する ことができる。

また、得られた顆粒状カルボキシル基含有 重合体粒子は、必要により、中位粒子径が100 ~800μmとなるように、篩を用いて分級し、微 および/または粗粉を取り除くこともできる

なお、本発明の電池用ゲル化剤は、特定の 性能を有する顆粒状カルボキシル基含有重合 体粒子からなるが、さらに目的に応じて、防 腐剤、安定剤等の各種添加剤を添加すること ができる。

本発明の電池用ゲル化剤は、電極作用物質 およびアルカリ電解液とを合わせることによ り、電極(正極または負極)を製造することが きる。

前記アルカリ電解液としては、例えば、水 酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶 液等が挙げられる。これらの中でも、導電性 および電極作用物質の安定性の観点から、34~ 48質量%の水酸化カリウム水溶液が好適に用い られる。

前記電極作用物質としては、製造する電極 (正極または負極)により異なるため、一概に 言えないが、正極の電極作用物質としては 例えば、二酸化マンガン等のマンガン化合 ;オキシ水酸化ニッケルならびに亜鉛および /またはコバルトとの共晶物等のニッケル化 物;鉄(VI)酸カリウム、鉄(VI)酸ナトリウム、 (VI)酸リチウム、鉄(VI)酸セシウム、鉄(VI)酸 、鉄(VI)酸ストロンチウム、鉄(VI)酸マグネシ ウム、鉄(VI)酸カルシウム、鉄(VI)酸バリウム 鉄(VI)酸亜鉛等の鉄(VI)酸化合物等が挙げら る。また、負極の電極作用物質としては、 えば、インジウム、ビスマス、アルミニウ 、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ ウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウ 、カルシウム、ストロンチウム、バリウム チタン、バナジウム、鉄、銅、ジルコニウ 、ニオビウム、銀、ガリウム、スズ等と亜 との亜鉛合金、亜鉛単体等の亜鉛化合物が げられる。

また、正極および負極には、各種添加剤を 添加することができる。正極の添加剤として は、貯蔵時の容量維持率を改善する観点から 、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化 イッテルビウム、フッ化カルシウム等が挙げ られ、また、導電性を改善する観点から、黒 鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック 等が挙げられる。一方、負極の添加剤として は、ゲル化剤の増粘性向上の観点から、酸化 チタン、酸化ビスマス、酸化銅、酸化インジ ウム、酸化スズ、酸化ニオブ等が挙げられる 。

前記電極は、セパレーターで正極と負極と を物理的に接触しないように分離し、さらに 負極には負極集電体を付加し、ガスケット、 金属板、金属封口板等を有する金属缶に封入 することにより、電池を製造することができ る。

以下に実施例および比較例を挙げ、本発明 を具体的に説明するが、本発明は、これら実 施例によってなんら限定されるものではない 。

[実施例1]
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却 管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アク ル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリ エーテル0.24g、α,α’-アゾビスイソブチロニ トリル0.153g、ノルマルヘキサン150g(223.9ml)を 込んだ。引き続き、均一に撹拌、混合した 、反応容器の上部空間、原料および溶媒中 存在している酸素を除去するために、溶液 に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰 気下、60~65℃に保持して4時間反応させた。

反応終了後、生成したスラリーを90℃に加 して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに1 10℃、10mmHg、8時間減圧乾燥することにより、 白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合 体粒子41gを得た。

得られた架橋型カルボキシル基含有重合体 粒子を直径35cmのステンレス製の皿に薄く均 に敷き詰め、これを温度30℃、相対湿度75%に 調整した恒温恒湿槽(型式:LH30-11M、株式会社 ガノ科学機械製作所製)で3時間静置した。こ のときの含水率は16質量%であった。これを80 、2時間乾燥し、ピンミル型粉砕機(商品名: ァインインパクトミル、ホソカワミクロン 式会社製)で粉砕し顆粒状の架橋型カルボキ シル基含有重合体粒子を得た後、1000μmの目 きの篩で分級し、電池用ゲル化剤38gを得た

得られた電池用ゲル化剤に関して、顆粒状 カルボキシル基含有重合体粒子の中位粒子径 、嵩密度、ゲルの濁度、ゲル密度、ゲル化時 間およびその際のゲルの様子を以下の方法に より評価した。その結果を表1に示す。

(1)中位粒子径
本発明において「中位粒子径」とは、顆粒状 カルボキシル基含有重合体粒子を篩で分級し たときに各篩上に残っている粒子の質量を順 次積算して得られた積算質量が、粒子の全質 量の50質量%に達したときの篩目開きに相当す る粒子径をいう。より具体的には、JIS-Z8801-19 82に規定された7つの標準篩(目開き850μm、500μ m、355μm、300μm、250μm、180μm、106μm)および受 皿を用意し、目開きの小さい篩から目開き 大きい篩を順次積層し、一番目開きの大き 篩に顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子1 00gを入れ、ロータップ式篩振動機を用いて、 10分間振動させ、各篩上に残った粒子を秤量 、順次積算して得られた積算質量が粒子の 質量の50質量%に達したときの篩の目開きに 当する粒子径を次式により算出して求めら た粒子径を中位粒子径とする。

   中位粒子径(μm)=(50-A)/(C-A)×(D-B)+B
式中、Aは、目開きの粗い篩から順次篩上に った顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子 質量を積算し、積算質量が全質量の50質量% 満であり、かつ50質量%に最も近い篩までの 算値(g)である。Cは目開きの粗い篩から順次 上に残った粒子の質量を積算し、積算質量 、粒子の全質量の50質量%以上であり、かつ5 0質量%に最も近い篩までの積算値(g)である。D は、Aの積算値を求めた時の篩の目開き(μm)で あり、BはCの積算値を求めた時の篩の目開き( μm)である。

(2)嵩密度
本発明において「嵩密度」とは、顆粒状カル ボキシル基含有重合体粒子の質量を、該質量 の重合体粒子の容積で除した際の値をいう。 より具体的には、顆粒状カルボキシル基含有 重合体粒子10gを50ml容の空メスシリンダー上 5cmの高さから20秒間以内で投入した後、顆粒 状カルボキシル基含有重合体粒子の占める容 積(ml)を測定し、重合体粒子の質量10gを、顆 状カルボキシル基含有重合体粒子の占める 積(ml)で除することにより算出した値をいう

(3)ゲルの濁度
本発明において「ゲルの濁度」とは、以下の 測定方法により測定した値である。300ml容の ーカーに、40質量%水酸化カリウム水溶液196g を入れ、直径5cmの4枚パドルの撹拌翼にて毎 700回転の速度で撹拌しているところに、顆 状カルボキシル基含有重合体粒子4gを一気に 投入し、3時間撹拌してゲルを調製する。得 れたゲルを1cmセルに入れ、積分球式濁度計( 式:SEP-PT-706D、三菱化学株式会社製)で濁度を 測定した値である。
ゲルの濁度は、液中の微小粒子の示す散乱光 と透過光の比を求め、この値を濁度標準液の 示す散乱光と透過光の比と比較することによ って求めることができる。以下により詳しく 説明する。
光源からの平行光線をセル中の液層に通すと 、その光線は平行のままの光線と液中の濁り による散乱光線になって積分球に入る。散乱 透過光量(拡散透過光量、符号Td)は、積分球 内面で反射させて球内に取り付けられた受 器(D1)で得られる。また、平行透過光量(符号 Tp)は、ライトトラップの先端に取り付けた受 光器(D2)で得られる。
 測定原理としては、この散乱透過光量(Td)と 平行透過光量(Tp)との比が濁度に比例するこ を用いる。
   T∝(Td/Tp)
   T:試料の濁度

(4)ゲル密度
本発明において「ゲル密度」とは、100ml容の スシリンダーに、前述の「ゲルの濁度」に 調製したゲルを、空気を抱き込まないよう 静かに100mlまで投入した際のゲルの質量(g) ゲルの体積(100ml)で除することにより算出し 値をいう。

(5)ゲル化時間
本発明において「ゲル化時間」とは、前述の 「ゲルの濁度」のゲルの調製において、40質 %水酸化カリウム水溶液に、顆粒状カルボキ シル基含有重合体粒子を添加してから、顆粒 状カルボキシル基含有重合体粒子のすべてが 溶解するのに要する時間を測定する。なお、 顆粒状カルボキシル基含有重合体粒子が40質 %水酸化カリウム水溶液に溶解したとする判 定は、乾燥時には白色の重合体粒子が、40質 %水酸化カリウム水溶液に溶解し粒子の形状 がなくなりペースト状のゲルとなることを目 視により判断して行う。

[実施例2]
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却 管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アク ル酸45g(42.9ml)、アルキル基の炭素数が10~30で ある(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし のブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製:メタ クリル酸ステアリルが10~20質量部、メタクリ 酸エイコサニルが10~20質量部、メタクリル ベヘニルが59~80質量部およびメタクリル酸テ トラコサニルの含有量が1質量部以下の混合 )0.68g、α,α’-アゾビスイソブチロニトリル0. 153g、ノルマルヘキサン150g(223.9ml)を仕込んだ 引き続き、均一に撹拌、混合した後、反応 器の上部空間、原料および溶媒中に存在し いる酸素を除去するために、溶液中に窒素 スを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、6 0~65℃に保持して4時間反応させた。

反応終了後、生成したスラリーを90℃に加 して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに1 10℃、10mmHg、8時間減圧乾燥することにより、 白色微粉末のアルキル変性カルボキシル基含 有重合体粒子42gを得た。

得られたアルキル変性カルボキシル基含有 重合体粒子を直径35cmのステンレス製の皿に く均一に敷き詰め、これを温度30℃、相対湿 度75%に調整した恒温恒湿槽(型式:LH30-11M、株 会社ナガノ科学機械製作所製)で3時間静置し た。静置後の含水率は16質量%であった。これ を80℃、2時間乾燥し、ピンミル型粉砕機(商 名:ファインインパクトミル、ホソカワミク ン株式会社製)で粉砕し顆粒状のアルキル変 性カルボキシル基含有重合体粒子を得た後、 600μmの目開きの篩で分級して粗粉を除去し、 粒度が調整された電池用ゲル化剤39gを得た。

得られた電池用ゲル化剤に関して、顆粒状 カルボキシル基含有重合体粒子の中位粒子径 、嵩密度、ゲルの濁度、ゲル密度、ゲル化時 間およびその際のゲルの様子を評価した。そ の結果を表1に示す。

[比較例1]
実施例1において、1000μmの目開きの篩で分級 た際の篩上に残った粒子を集めて、電池用 ル化剤を得た。

得られた電池用ゲル化剤に関して、顆粒状 カルボキシル基含有重合体粒子の中位粒子径 、嵩密度、ゲルの濁度、ゲル密度、ゲル化時 間およびその際のゲルの様子を評価した。た だし、中位粒子径を測定するにあたり、標準 篩の組み合わせを、JIS-Z8801-1982に規定された2 つの標準篩(目開き1.7mm(1700μm)、1mm(1000μm))お び受け皿に変更して測定した。その結果を 1に示す。

[比較例2]
実施例1において、顆粒状のカルボキシル基 有重合体粒子の製造に用いた白色微粉末の 橋型カルボキシル基含有重合体粒子からな 電池用ゲル化剤を得た。

得られた電池用ゲル化剤に関して、白色微 粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子 の中位粒子径、嵩密度、ゲルの濁度、ゲル密 度、ゲル化時間およびその際のゲルの様子を 評価した。ただし、中位粒子径を測定するに あたり、レーザー回折式粒度分布測定装置( 式:SALD-2000J、株式会社島津製作所製、分散媒 :ノルマルヘキサン)を用いて測定した。その 果を表1に示す。

表1の結果より、各実施例で得られた電池 ゲル化剤は、短時間でペースト状のゲルと り、泡噛みが少ないため濁度が低く、高い ル密度を有していることが分かる。

本発明の電池用ゲル化剤は、アルカリ電解 液に溶解した際に、短時間でペースト状のゲ ルとなり、泡噛みが少なく、高いゲル密度を 有するため、アルカリ電池用ゲル化剤として 好適に用いられる。また、ゲル密度が向上す ることにより、電池へのゲル充填率が向上し 、電池性能の向上が期待される。




 
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