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Patent Searching and Data


Title:
GLASS FILLER-CONTAINING METAL BOND GRINDING WHEEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175069
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a grinding wheel which has excellent grinding efficiency and enables stable grinding for a long period of time. A glass filler-containing metal bond grinding wheel (10) according to the present invention has a metal bond layer (14) that contains abrasive grains (11), a metal bond (12) and a glass filler (13). This glass filler-containing metal bond grinding wheel (10) is configured such that: the abrasive grains (11) are composed of diamond and/or cubic boron nitride; the metal bond (12) is composed of a metal that contains Cu; the ratio of the volume of the glass filler (13) to the volume of the metal bond (12) is from 0.025 to 1.0 (inclusive); and the metal bond (12) and the glass filler (13) are mutually diffused.

Inventors:
NAKAO TAKAHIRO (JP)
TAKAYAMA SHOICHI (JP)
NOMURA TAKUO (JP)
ICHINOSE YUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/004383
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 05, 2020
Export Citation:
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Assignee:
NORITAKE CO LTD (JP)
International Classes:
B24D3/06; B24D3/00; B24D3/02
Foreign References:
JP2011115867A2011-06-16
JP2008229794A2008-10-02
SU1066791A11984-01-15
Attorney, Agent or Firm:
MINASE, Toru et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175069 19 卩(:17 2020 /004383

請求の範囲

[請求項 1 ] 砥粒と、 メタルボンドと、 ガラスフイラーとを含有するメタルボン ド層を有する砥石であって、

前記砥粒が、 ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化ホウ素であり 前記メタルボンドが、 〇リを含有する金属であり、 前記メタルボンドの体積に対する前記ガラスフイラーの体積の割合 が〇. 0 2 5以上·! . 0以下であり、

前記メタルボンドと前記ガラスフイラーとが相互拡散していること を特徴とするガラスフイラー含有メタルボンド砥石。

[請求項 2] 前記ガラスフイラーの平均粒径が、 1 以上 3 〇!未満であるこ とを特徴とする請求項 1 に記載のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石。

[請求項 3] 前記ガラスフイラーが、 !·!、 3 1^ 2. 「および 丨からなる群か ら選択される 1種類以上の元素を含有し、 を含有しないことを特 徴とする請求項 1 または 2に記載のガラスフイラー含有メタルボンド 砥石。

[請求項 4] 前記砥粒の平均粒径が、 3 5 >11以下であることを特徴とする請求 項 1から 3のいずれかに記載のガラスフイラー含有メタルボンド砥石

Description:
\¥0 2020/175069 1 卩(:17 2020 /004383 明 細 書

発明の名称 : ガラスフイラー含有メタルボンド砥石

技術分野

[0001 ] 本発明は、 ガラスフイラー含有メタルボンド砥石に関す る。

背景技術

[0002] 研削加工の砥石に求められる主要な性能は、 安定した研削能率と砥石の長 寿命化である。 一般的に、 メタルボンド砥石の研削能率は、 研削中に砥石に 加わる研削抵抗の増加や発生する切り屑によ って、 砥粒を固定するボンドが 後退し、 砥粒が適度に自生する自生作用によって維持 される。 また、 切り屑 をうまく排出させて砥石の目詰まりを抑制す ることで、 安定した研削能率が 得られる。 自生作用を促進させ、 目詰まりを抑制する方法として、 固体潤滑 剤やガラスなどのフイラーを砥石の構成成分 として含有させる方法が一般的 に知られている。

[0003] 例えば、 特許文献 1 には、 ダイヤモンド又は立方晶窒化硼素からなる超 砥 粒を、 セラミックス又はガラス製の中空球とともに メタルボンドにより結合 したことを特徴とするメタルボンド砥石が開 示されている。 このメタルボン ド砥石は、 中空球による密度低下効果によって回転バラ ンスが良くなり、 中 空球が研削面において容易に割れてチップポ ケッ トとして働くので目詰まり の防止を図ることができる。

[0004] また、 特許文献 2には、 金属質粒子とガラス質粒子を含有する焼結性 メタ ルボンドに、 超砥粒および硫酸バリウムを含む軟質砥粒を 分散させて焼結に より一体化してなる超砥粒メタルボンド砥石 が開示されている。 この超砥粒 メタルボンド砥石は、 金属性結合剤による耐磨耗性を獲得すると同 時にガラ ス質成分によるボンドエロージョン (浸食破壊) 性が、 硫酸バリウムによる 微細な切り屑の排出性によって適当な速度で 確実に現れる。 これによってホ —ニングや超仕上げ加工などの精密な切削 ·研磨加工に用いても砥石の長寿 命性と安定した高切削性が奏される超砥粒メ タルボンド砥石となる利点があ \¥0 2020/175069 2 卩(:17 2020 /004383

る。

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :実開平 5— 9 8 5 9号公報

特許文献 2 :特開 2 0 0 8 - 2 2 9 7 9 4号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 特許文献 1や 2のメタルボンド砥石は、 砥石の結合度が低下し自生が促さ れ、 かつ、 研削加工中に、 固体潤滑剤やガラスなどのフィラーが崩壊す るこ とでチップポケッ トが形成される。 このチップポケッ トが切り屑の排出の促 進などをすることより、 目詰まりが抑制され、 安定した研削能率を維持する ことができる。

[0007] しかしながら、 特許文献 1 に記載のメタルボンド砥石は、 メタルボンド砥 石内に気孔を含むことから、 摩耗しやすく、 砥石の長寿命化が難しかった。 また、 添加される中空球 (フィラー) は砥粒やメタルボンドとの結合力が弱 く、 目こぼれが発生し、 切れ味が低下しやすいという問題もあった。

[0008] 特許文献 2に記載の超砥粒メタルボンド砥石も、 ガラス質粒子と軟質砥粒 を含有するものであり、 耐摩耗性に優れたボンド材 (金属質粒子) の割合が 制限されるため、 更なる長寿命化には限界があった。

[0009] 特に、 粒径の小さい砥粒を用いる微細領域の加工で は、 加工時に発生する 切り屑が小さく、 切り屑がボンドを削り取る能力が小さい。 そのため、 微細 領域の加工に用いられる砥石は、 砥粒を自生させて研削能率を維持するため に、 ボンドの結合強度を低下させる必要があり、 高寿命化が難しかった。 こ のような事情から、 特に、 微細領域の加工において、 高寿命かつ安定した研 削能率とすることが可能な砥石が求められて いた。

[0010] また、 微細領域の加工では、 安定した研削能率とするためには、 砥粒の突 き出し量を十分に確保できるように、 砥石の弾性率を高くすることが好まし \¥02020/175069 3 卩(:171?2020/004383

い。

さらに、 近年では、 エンジンシリンダボアは、 車両や船舶などのエンジン シリンダボアの材質として高硬度化が求めら れる市場もある。 そのため、 エ ンジンシリンダボアなどの円筒状のワークの 内面に、 砥石を往復回転運動さ せながら、 ワークの内面を研磨し仕上げる加工であるホ ーニング加工の砥石 に高研削性を付与させることも求められてい る。 高研削性を付与するために も砥石の弾性率を高くすることが好ましい。

しかしながら、 特許文献 2のメタルボンド砥石では、 超砥粒と軟質砥粒を 含むため、 砥石としての弾性率を高くするには限界があ った。

[001 1 ] かかる状況下、 本発明が解決しようとする課題は、 優れた研削能率を有し 、 長期間にわたって、 安定して研削することができる砥石を提供す ることに ある。

課題を解決するための手段

[0012] 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石は、 砥粒と、 メタルボンド と、 ガラスフイラーとを含有するメタルボンド層 を有する砥石であって、 前 記砥粒が、 ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化ホウ であり、 前記メタ ルボンドは、 0リを含有する金属であり、 前記メタルボンドの体積に対する 前記ガラスフイラーの体積の割合が〇. 0 2 5以上 1 . 0以下であり、 前記 メタルボンドと前記ガラスフイラーとが相互 拡散していることを特徴とする

[0013] このように、 メタルボンドとガラスフイラーとが相互に拡 散していること で、 メタルボンドとガラスフイラーの結合強度が 向上する。 研削加工中の砥 石が作用する研削表面において、 ガラスフイラーは、 メタルボンドを構成す る〇リの拡散が進行していない部分から徐々 に摩耗するため、 チップポケッ 卜が得られる。 また、 砥石強度は大きく損なわれないため、 目こぼれによる 切味の低下が抑制される。

[0014] また、 メタルボンドの体積に対する前記ガラスフイ ラーの体積の割合が 0 . 0 2 5以上·! . 0以下とすることで、 砥石の極端な摩耗や目詰まりを抑え \¥02020/175069 4 卩(:171?2020/004383

ることができる。 なお、 メタルボンドに対してガラスフイラーが多す ぎると 、 砥石の摩耗が大きくなり、 砥石が短寿命となる。 また、 メタルボンドに対 してフイラーが少なすぎると、 目詰まり等に起因して研削性能が低下しやす く、 安定した研削性能を維持することが困難とな る。

[0015] また、 ガラスフイラーの平均粒径が 1 以上 3 未満であることが好 ましい。 このような粒径のガラスフイラーを用いるこ とで、 研削性能がばら つきにくく、 より安定した研削加工が可能な砥石とするこ とができる。 ガラ スフイラーの平均粒径が小さすぎると、 チップポケッ トの形成が不十分とな り、 切り屑を排出しにくくなる。 また、 ガラスフイラーの平均粒径が大きす ぎると、 形成されるチップポケッ トが大きくなりすぎて、 研削性能がばらつ きやすくなる。

[0016] また、 ガラスフイラーは、 Z n、 S n、 「および 1\1 丨からなる群から選 択される 1種以上の元素を含有し、 匕を含有しないことが好ましい。 n 、 S n、 および 1\1 丨 は、 メタルボンドの成分である〇リと固溶反応し や すく、 これらの元素は〇リと相互拡散しやすいため 、 ガラスフイラーがメタ ルボンドとより強固に結合することができる 。 また、 匕は、 〇リと相互拡 散するが、 毒性が高く環境負荷が大きいため好ましくな い。

[0017] また、 前記砥粒の平均粒径は、 3 5 以下であることが好ましい。 この ような構成とすれば、 研削加工対象物の表面形状をより高品位な状 態に仕上 げることができ、 かつ、 高寿命な砥石とできる。 また、 砥粒の平均粒径が大 きすぎると、 砥石の寿命の観点で不利になる傾向にある。

発明の効果

[0018] 本発明によれば、 優れた研削能率を有し、 長期間にわたって、 安定して研 削することができる砥石が提供される。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1 ] ( 3 ) 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石の断面模式図であ る。 (匕) 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石を用いた研削加工 時のメタルボンド層の状況を示す模式図であ る。 \¥02020/175069 5 卩(:171?2020/004383

[図 2]メタルボンド層における、 メタルボンドの体積に対するガラスフイラー の体積の割合の好適な範囲を、 砥粒の粒度に対してプロッ トした図である。 [図 3]メタルボンド層における、 メタルボンドとガラスフイラーとの合計体積 に対する砥石の体積の割合の好適な範囲を、 砥粒の粒度に対してプロッ トし た図である。

[図 4]メタルボンド層において、 メタルボンドとガラスフイラーとの相互拡散 の様子を示す模式図である。

[図 5] ( 3 ) 従来のメタルボンド砥石の断面模式図である 。 (匕) 従来のメタ ルボンド砥石を用いた研削加工時のメタルボ ンド層の状況を示す模式図であ る。

[図 6]ホーニング加工装置の模式断面図である

[図 7]実施例 1のメタルボンド砥石の破断面の 3巳 IV!画像および、 ガラスフイ ラーとメタルボンドとの界面領域近傍の 4点の 「および ( 3リの元素の存在 割合の測定結果である。

[図 8]実施例 1および比較例 1、 2のメタルボンド砥石を用いた耐摩耗試験に おける、 投射粒子重量に対する摩耗量をプロッ トした図である。

発明を実施するための形態

[0020] 以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する が、 以下に記載する構成要件 の説明は、 本発明の実施態様の一例 (代表例) であり、 本発明はその要旨を 変更しない限り、 以下の内容に限定されない。 なお、 本明細書において 「〜

」 という表現を用いる場合、 その前後の数値を含む表現として用いる。

[0021] 図 1 ( 3 ) は、 本発明に係るガラスフイラー含有メタルボン ド砥石の模式 断面図である。 図 1 ( 3 ) に示すように、 本発明のガラスフイラー含有メタ ルボンド砥石 1 0は、 砥粒 1 1 と、 メタルボンド 1 2と、 ガラスフイラー 1 3とを含有するメタルボンド層 1 4からなる。 メタルボンド層 1 4において 、 砥粒 1 1 とガラスフイラー 1 3は、 メタルボンド 1 2によって結合されて いる。

[0022] また、 メタルボンド層 1 4において、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー \¥02020/175069 6 卩(:171?2020/004383

1 3とは相互拡散している。 すなわち、 メタルボンド層 1 4において、 ガラ スフイラー 1 3を構成する少なくとも 1つの元素 (例えば、 〇 が、 ガラ スフイラー領域からメタルボンド領域にかけ て、 徐々に減少しながら存在し 、 メタルボンド 1 2を構成する〇リが、 メタルボンド領域からガラスフイラ —領域にかけて、 徐々に減少しながら存在している。

[0023] 砥粒 1 1は、 ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素である。

また、 砥粒 1 1が小さいほど、 研削加工対象物の表面を高品位に仕上げる ことができ、 求められる研削加工対象物の表面の品位に応 じて、 砥粒 1 1の 大きさは適宜選択される。 一方、 砥粒 1 1が大きすぎると、 耐摩耗性が低下 する傾向にあったり、 仕上げ加工に用いるのにも不向きとなる。 ホーニング 加工のような仕上げ加工に用いることができ 、 かつ、 高寿命な砥石とするた めには、 砥粒 1 1の好適な平均粒径は、 3 5 以下であることが好ましい 。 また、 上記のように、 砥粒 1 1の平均粒径の下限は、 目的に応じて選択す ればよく、 特に限定されない。 例えば、 砥粒 1 1の平均粒径の下限は、 〇.

2 以上や 1 以上であってもよい。

[0024] なお、 「平均粒径」 とは、 メジアン径を意味し、 レーザー回折 ·散乱法に 基づく粒度分布測定により測定した体積基準 の粒度分布において、 微粒子側 から累積 5 0 %に相当する粒径をいう。

[0025] ガラスフイラー 1 3は、 〇リと相互拡散できる元素 (特に、 金属元素) を 有するものであれば、 その主骨格等は特に限定されず、 ケイ酸ガラス、 ホウ ケイ酸ガラス、 ホウ素塩ガラス、 リン酸塩ガラスなどのいずれの骨格であっ てもよい。

[0026] ガラスフイラー 1 3は、 〇リと相互拡散しやすいことから、 3门、 「および 1\1 丨からなる群から選択される 1種以上の元素を含有するガラス フイラーが好適である。

[0027] また、 ガラスフイラー 1 3は、 環境面からは 匕を含有しないガラスフイ ラーが好適である。

なお、 「 1〇を含有しない」 とは、 13を実質的に含まないことを意味し \¥02020/175069 7 卩(:171?2020/004383

、 13を不純物レベルの混入を排除するものでは い。 具体的には、 ガラス フイラーにおける 匕の含有量が 1 000 111未満を指す。

[0028] <3リとの相互拡散性や環境面を考慮して、 Z n、 S n、 および 1\1 丨か らなる群から選択される 1種以上の元素を含有し、 匕を含有しないガラス フイラーがより好適である。

[0029] ガラスフイラー 1 3の好適な平均粒径は、 その下限が 1 以上であり、 その上限は 3 〇1未満である。 なお、 ガラスフイラー 1 3の大きさは、 砥粒 1 1の大きさや、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との割合などに応 じて、 この範囲の中でもより好適な平均粒径となる ように適宜選択できる。

[0030] メタルボンド 1 2は、 〇リを含有する金属である。 〇リを主成分として含 有することが好ましく、 メタルボンドは、 2〜 5元系合金であってもよい。 なお、 〇リを主成分して含有するとは、 メタルボンドを構成する成分の中で 最も含有量 (質量%) が高い成分として <3リを含有することを意味する。 例 えば、 〇リー 3 系合金、 〇系合金、

6系合金、 〇リー 3 — 1\1 丨系合金などとすることができる。

[0031] メタルボンド層 1 4において、 メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフ イラー 1 3の体積の割合 (ガラスフイラー 1 3の体積/メタルボンド 1 2の 体積) は、 〇. 025〜 1. 0である。 なお、 メタルボンド 1 2の体積に対 するガラスフイラー 1 3の体積の割合は、 目的や研削条件などを考慮して、 砥粒 1 1の粒度 (平均粒径) や集中度などに応じて調整することが好まし い

[0032] 例えば、 砥粒 1 1の粒度# 500〜 #800 (砥粒 1 1の平均粒径 20〜

35 程度) では、 メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフイラー 1 3 の体積の割合は、 〇. 025〜〇. 5であることがより好ましい。

砥粒 1 1の粒度# 1 000〜 #2000 (砥粒 1 1の平均粒径 8〜 1 5 程度) では、 メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフイラー 1 3の体積 の割合は、 〇. 05〜〇. 7であることがより好ましい。

砥粒 1 1の粒度# 2500〜 #4000 (砥粒 1 1の平均粒径 3〜 6 \¥02020/175069 8 卩(:171?2020/004383

程度) では、 メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフイラー 1 3の体積の 割合は、 〇. 1〜〇. 9であることがより好ましい。

砥粒 1 1の粒度 # 6 0 0 0以上 (砥粒 1 1の平均粒径〇. 2〜 2 程度 ) では、 メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフイラー 1 3の体積の割合 は、 〇. 2〜 1であることがより好ましい。

[0033] 砥粒 1 1の各粒度での、 メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフイラー

1 3の体積の割合の好適な範囲について、 より具体的な例を図 2に示す。

[0034] このように、 砥粒 1 1の粒度が細かいほど (砥粒 1 1の粒度の数値が大き いほど) 、 メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフイラー 1 3の体積の割 合が大きくなるように調整することで、 砥石に異常摩耗が発生せずに継続し て安定した加工が可能な砥石とすることがで きる。

[0035] メタルボンド 1 2の体積に対するガラスフイラー 1 3の体積の割合と同様 に、 メタルボンド層 1 4における、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3 との合計体積に対する砥粒 1 1の体積の割合 (砥粒 1 1の体積/メタルボン ド 1 2とガラスフイラー 1 3との合計体積) は、 目的や研削条件などを考慮 して、 砥粒 1 1の粒度 (平均粒径) や集中度などに応じて調整できる。

[0036] 例えば、 砥粒 1 1の粒度# 5 0 0〜 # 8 0 0 (砥粒 1 1の平均粒径 2 0〜

3 5 程度) では、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との合計体積 に対する砥粒 1 1の体積の割合は、 0 . 0 2 5〜〇. 3 3であることがより 好ましい。

砥粒 1 1の粒度# 1 0 0 0〜 # 3 0 0 0 (砥粒 1 1の平均粒径 5〜 1 5 程度) では、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との合計体積に対す る砥粒 1 1の体積の割合は、 〇. 1 2 5〜〇. 2 3であることがより好まし い。

砥粒 1 1の粒度 # 4 0 0 0以上 (砥粒 1 1の平均粒径〇. 2〜 3 程度 ) では、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との合計体積に対する砥粒 1 1の体積の割合は、 〇. 0 0 2 5〜〇. 1 5であることがより好ましい。

[0037] 砥粒 1 1の各粒度での、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との合計 \¥02020/175069 9 卩(:171?2020/004383

体積に対する砥粒 1 1の体積の割合の好適な範囲について、 より具体的な例 を図 3に示す。

[0038] このように、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との合計体積に対す る砥粒 1 1の体積の割合が、 〇. 0 0 2 5〜 0 . 3 3の範囲で、 砥粒 1 1の 粒度が細かいほど (砥粒 1 1の粒度の数値が大きいほど) 、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との合計体積に対する砥粒 1 1の体積の割合が小さ くなるように調整することで、 砥石に異常摩耗が発生せずに継続して安定し た加工が可能な砥石とすることができる。

[0039] また、 図 4は、 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石 1 0のメタ ルボンド層 1 4における、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との相互 拡散の様子を示すものである。 図 4に示すように、 メタルボンド 1 2とガラ スフイラー 1 3との界面部分に形成された相互拡散領域 1 0 0は、 ガラスフ イラー 1 3を構成する少なくとも 1つの元素が拡散したガラス成分拡散領域 1 0 0 3と、 メタルボンド 1 2の〇リが拡散した〇リ拡散領域 1 0 0匕とか らなる。 ガラスフイラー 1 3は、 〇リが拡散していない未拡散領域 1 0 1 と 、 未拡散領域 1 〇 1 を覆う〇リ拡散領域 1 0 0匕とからなる。 このような構 成とすることで、 研削加工中のガラスフイラー 1 3の崩壊のしやすさが、 〇 リ拡散領域と未拡散領域とで異なるため、 チップポケッ トを生成することに よる安定な研削が可能であると同時に、 砥石強度の低下を抑制することがで きる。

[0040] 特に、 メタルボンド層 1 4は、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3と の界面部分に、 ガラスフイラー 1 3に含有される n、 3门、 および Iからなる群から選択される 1種以上の元素が拡散したガラス成分拡散領 1 0 0 3と、 メタルボンド 1 2に含有される(3リが拡散した 0リ拡散領域 1 0 0匕とからなる相互拡散領域 1 0 0を有し、 ガラスフイラー 1 3の内部に 未拡散領域 1 〇 1 を有することが好適である。

[0041 ] <3リの拡散深さ 0 (<3リ拡散領域 1 0 0匕の厚さ) は、 ガラスフイラー 1

3の平均半径の 5 %以上である。 また、 〇リの拡散深さ 0の上限は、 ガラス \¥0 2020/175069 10 卩(:171? 2020 /004383

フイラー 1 3の内部に未拡散領域 1 0 1が存在する範囲であればよい。 一方 で、 〇リの拡散が少ないと、 砥石の強度が低下し短寿命となる傾向にある た め、 〇リの拡散深さ口は、 ガラスフイラー 1 3の平均半径の 1 0 %以上が好 適である。 また、 〇リの拡散が多すぎると、 ガラスフイラー 1 3が崩壊しに くくなり、 チップポケッ トの効果を十分に得ることが難しく、 所望の研削性 能を発揮しにくくなる傾向にある。 そのため、 〇リの拡散深さ 0は、 ガラス フイラー 1 3の平均半径の 6 0 %以下が好適である。

また、 ガラスフイラー 1 3を構成する成分の拡散深さ (ガラス成分拡散領 域 1 0〇 3 の厚さ) は、 例えば、 〇リの拡散深さと同程度 (<3リの拡散深さ 。の 0 8〜 1 . 2倍) である。

[0042] なお、 本明細書において 「平均半径」 とは、 平均粒径を 2で割った値をい ぅ。

また、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3との相互拡散の有無や拡散 深さは、 巳 0 3元素分析により、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3と の界面領域近傍の構成元素を分析することで 確認することができる。

[0043] ここで、 研削加工時の本発明のガラスフイラー含有メ タルボンド砥石 1 0 の状態を説明する。

ワーク 3 0の研削加工を始めると、 図 1 (匕) に示すように、 研削表面に おいて、 ガラスフイラー 1 3が選択的に摩耗してチップポケッ ト 1 5が形成 される。 チップポケッ ト 1 5は、 切り屑を効率的に排出して目詰まりを抑制 する役割をする。

このとき、 ガラスフイラー 1 3は、 メタルボンド 1 2の〇リが拡散してい る部分に対して、 〇リが拡散していない部分の方が脆く、 〇リの拡散が進行 していない部分から崩壊するため、 砥石強度は大きく損なわれない。

また、 メタルボンド 1 2とガラスフイラー 1 3とが相互拡散していること で、 ガラスフイラー 1 3の砥粒 1 1の保持力が向上するため目こぼれも抑制 される。 さらに、 砥石 1 0の弾性率を高くすることができ、 砥粒 1 1の沈み 込みも抑制され、 十分な突き出し量を確保できるため切味を維 持できる。 \¥0 2020/175069 1 1 卩(:171? 2020 /004383

[0044] 研削加工を続けると、 徐々に砥粒 1 1先端が摩耗するとともに、 切り屑に よってメタルボンド 1 2およびガラスフイラー 1 3が徐々に削られて後退し 、 砥粒 1 1が自生する。

結果として、 長期間にわたって、 高い研削能率を維持して安定的に研削加 エができる。

[0045] —方、 図 5 (3) に従来のメタルボンド砥石の断面模式図を示 す。 従来の メタルボンド砥石 2 0は、 砥粒 2 1 と、 メタルボンド 2 2とグラフアイ ト ( 固体潤滑剤) 2 3とからなるメタルボンド層 2 4を有するものである。 従来 のメタルボンド砥石 2 0では、 図 5 (匕) に示すように、 ワーク 3 0の研削 加工を始めると、 グラフアイ ト 2 3が脱落してチップポケッ ト 2 5が形成さ れる。 グラフアイ ト 2 3は、 砥粒 2 1やメタルボンド 2 3との結合力が低く 、 全体が脱落するため、 砥石 2 0の強度が低下する。 また、 グラフアイ ト 2 3は砥粒 2 1の保持力が弱く、 目こぼれや砥粒の沈み込みによる切味の低下 が起こりやすい。

[0046] 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石 1 0の好適な用途は、 仕上 げ加工に用いられる砥石であり、 高品位が求められる微細領域の研削加工に 用いられるための砥石である。 また、 本発明のガラスフイラー含有メタルボ ンド砥石 1 〇は、 上記の通り、 安定した研削能率を有し、 かつ、 長寿命の砥 石であり、 長期にわたって、 連続研削を安定して行うことができる。 そのた め、 ノードレスでの使用に特に好適である。

具体的には、 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石 1 0は、 ホー ニング加工に用いるためのホーニング砥石と して好適である。 特に、 本発明 のガラスフイラー含有メタルボンド砥石 1 0は、 長期間にわたって安定した 高い研削能率を維持することができるため、 ノードレス切削加工用のホーニ ング砥石として好適である。

[0047] ホーニング加工を行うための装置としては、 例えば、 図 6に示すように、 本体外周の円周方向複数箇所に取り付けられ たホーニング砥石 4 1 と、 本体 内部に上下動可能に揷入されたテーパコーン 4 2と、 テーパコーン 4 2の下 \¥0 2020/175069 12 卩(:171? 2020 /004383

降によってホーニング砥石 4 1 をシリンダーボア内面に向けて押圧するシュ — 4 3とを備えたホーニングへッ ド 4 4と、 このホーニングへッ ド 4 4を回 転および軸方向に移動させる駆動機構 (図示せず) を有するホーニング加工 装置 4 0を用いることができる。 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド 砥石 1 0は、 このようなホーニング加工装置 4 0に取り付けられるホーニン グ砥石 4 1 とすることができる。

[0048] 次に、 本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石 1 0の製造方法の一 例を説明する。

本発明のガラスフイラー含有メタルボンド砥 石 1 0は、 砥粒 1 1 と、 ガラ スフイラー 1 3と、 〇リを含有する金属粉とを混合して混合物を 得る混合エ 程と、 前記混合物を成形金型に充填する充填工程と 、 前記混合物が充填され た成形金型を加圧加熱し、 ガラスフイラー 1 3と前記金属粉とを相互拡散反 応させながらメタルボンド層 1 4を形成させる成形工程とを有する製造方法 により製造することができる。

[0049] 混合工程は、 砥粒 1 1 と、 ガラスフイラー 1 3と、 〇リを含有する金属粉 とを混合して混合物を得る工程である。

この工程で用いられる原料となる <3リを含有する金属粉は、 メタルボンド 1 2の構成に応じた組成の合金粉や混合粉を用 ることができる。 砥粒 1 1 およびガラスフイラー 1 3は、 上記の通りである。

[0050] 原料の体積配合比率は、 0リを含有する金属粉:ガラスフイラー = 1 : 1

〜 4 0 : 1の範囲で調整することができる。 また、 体積配合比率で、 〇リを 含有する金属粉:砥粒 = 1 : 1〜 8 5 : 1や、 8 : 1〜 8 0 : 1の範囲で調 整することができる。

また、 体積配合比率は、 用いる砥粒の粒度 (平均粒径) 等に応じて調整す ることが好ましい。

[0051 ] 充填工程は、 混合工程で得られた混合物を成形金型に充填 する工程である 。 成形金型は、 目的とする砥石の形状に応じて任意に選択で きる。

[0052] 成形工程は、 充填工程後の、 混合物が充填された成形金型を加圧加熱し、 \¥02020/175069 13 卩(:171?2020/004383

ガラスフイラー 1 3と前記金属粉とを相互拡散反応させながら タルボンド 層 1 4を形成させる工程である。

[0053] 成形工程における成形温度や成形圧力、 成形時間などの成形条件は、 〇リ を含有する金属粉やガラスフイラーの種類に 応じて、 ガラスフイラーと金属 粉とが相互拡散反応する範囲で適宜調整する ことができる。

[0054] また、 ガラスフイラー 1 3の内部に未拡散領域が残存するように、 ガラス フイラー 1 3と前記金属紛との相互拡散反応は進行させ ばよいが、 上記の 通り、 相互拡散が少なすぎると、 得られる砥石は研削加工中に強度低下しや すくなる。 一方で、 相互拡散が多すぎると、 得られる砥石の研削能率は低下 する傾向にある。 そのため、 成形工程では、 ガラスフイラー 1 3と前記金属 粉とを相互拡散反応によりガラスフイラーの 平均半径の 5 %以上の領域まで 〇リが拡散するように、 成形温度や成形圧力、 成形時間を調整してメタルボ ンド層 1 4を形成させることが好ましく、 ガラスフイラーの平均半径の 1 0 %以上の領域まで〇リが拡散するようにする とがより好ましい。 また、 ガ ラスフイラー 1 3と前記金属粉とを相互拡散反応による(3リ 拡散は、 例え ば、 ガラスフイラーの平均半径の 6 0 %以下の領域までとなるように成形温 度や成形圧力、 成形時間を調整することができる

[0055] 例えば、 相互拡散反応が進行しやすいことから、 成形温度は、 3 5 0 ° 〇以 上が好ましく、 4 0 0 ° 〇以上がより好ましい。 また、 成形温度は高すぎると 相互拡散反応が進行しすぎるため、 6 0 0 ° 〇以下が好ましく、 5 0 0 ° 〇以下 がより好ましい。

また、 成形圧力は、

上がより好ましい。 また、 5 0 0 以下が好ましく、 3 0 0 9 /

〇 01 2 以下がより好ましい。

実施例

[0056] [実施例 1 ]

〇リ及び 3 nの混合粉、 ダイヤモンド砥粒 (平均粒径 2 5 、 # 7 0 0 ) 、 「含有リン酸塩ガラス (平均粒径 2 . 5 ) を、 6 7 . 5 : 5 : 2 \¥02020/175069 14 卩(:171?2020/004383

7. 5 (体積比) で混合した混合物を成形金型に充填した。 次いで、 窒素雰 囲気、 450°〇、 メタルボンド層か らなるメタルボンド砥石 ( 1) を得た。

[0057] [実施例 2 ]

〇リ及び 3 nの混合粉、 ダイヤモンド砥粒 (平均粒径 25 、 # 700 ) 、 「含有リン酸塩ガラス (平均粒径 2. 5 ) を、 85 : 5 : 1 0 ( 体積比) で混合した混合物を用いた以外は、 実施例 1 と同様にして、 メタル ボンド砥石 (2) を得た。

[0058] [比較例 1 ]

リン酸塩ガラスを使用せずに、 c u 及びs n の混合粉、 ダイヤモンド砥粒 (平均粒径 25 、 # 700) を、 95 : 5 (体積比) で混合した混合物 を用いた以外は、 実施例 1 と同様にして、 メタルボンド砥石 (3) を得た。

[0059] [比較例 2]

リン酸塩ガラスに代えて、 ケイ酸ガラス (平均粒径 2. 5 を使用し た以外は、 実施例 1 と同様にして、 メタルボンド砥石 (4) を得た。

なお、 比較例 2に用いたケイ酸ガラスの 「、 S n、 Z nおよび 丨の含 有量は検出限界以下であった。

[0060] [比較例 3]

リン酸塩ガラスに代えて、 グラフアイ ト (平均粒径 2. 5 を使用し た以外は、 実施例 1 と同様にして、 メタルボンド砥石 (5) を得た。

[0061] [砥石の評価]

得られたメタルボンド砥石を 3点曲げして破断させ、 その破断面を評価し た。

メタルボンド砥石 (1) の破断面のガラスフイラーを巳 03元素分析にて 評価したところ、 ガラスフイラー内部は 0リが拡散していない未拡散領域が 存在していた。

[0062] また、 メタルボンド砥石 (1) の破断面のガラスフイラーとメタルボンド との界面領域近傍についても巳口 3元素分析にて評価した。 メタルボンド砥 \¥02020/175069 15 卩(:171?2020/004383

石 (1) の破断面のガラスフイラーとメタルボンドと の界面領域近傍の 4点 の 「および(3リの元素の存在割合 (質量%) 元素分析で測定して 算出した結果を図 7に示す。

[0063] 図 7に示すように、 メタルボンド砥石 ( 1) は、 使用した混合粉は 「を 含有しないにもかかわらず、 メタルボンド領域においてもガラスフイラー と の界面付近では 「の存在が確認された。 さらに、 「の存在割合は、 ガラ スフイラーとの界面からメタルボンド領域の 内部にかけて減少することが確 認された。 また、 使用したガラスフイラーは〇リを含有しない にもかかわら ず、 ガラスフイラー領域においてもメタルボンド との界面付近では〇リの存 在が確認され、 〇リの存在割合は、 メタルボンドとの界面からガラスフイラ —領域の内部にかけて減少することが確認さ れた。 この結果から、 メタルボ ンド砥石 (1) では、 メタルボンドを構成する〇リとガラスフイラ ーを構成 する 「とが少なくとも相互拡散しているといえる 。

[0064] また、 メタルボンド砥石 ( 1) の破断面の砥粒表面の元素を巳口 3元素分 析で測定した結果、 〇、 〇リ、 「および 3 nが検出された。

[0065] メタルボンド砥石 (2) についても同様に破断面を評価した結果、 ガラス フイラーの内部には未拡散領域が存在し、 また、 ガラスフイラーとメタルボ ンドとの界面領域近傍では 0リと 「の相互拡散が確認された。

[0066] 比較例 2のメタルボンド砥石 (4) についても同様に破断面を評価した結 果、 メタルボンド砥石 (4) では、 メタルボンドとガラスフイラーとの相互 拡散は確認されなかった。

[0067] [耐摩耗試験]

メタルボンド砥石 ( 1) (実施例 1) 、 メタルボンド砥石 (3) (比較例 1) およびメタルボンド砥石 (4) (比較例 2) について、 砥石に硬質粒子 を一定の投射速度にて所定の重量投射させた 際の摩耗量 (凹み深さ) を求め た。 投射させた硬質粒子の重量 (投射粒子重量 (9) ) を横軸に、 各投射粒 子重量における摩耗量 ( ) を縦軸にプロッ トした結果を図 8に示す。 図 8に示すように、 メタルボンド砥石 (1) は、 メタルボンド砥石 (4) \¥02020/175069 16 卩(:171?2020/004383

に比べて、 砥石の摩耗量が大きく低減し、 メタルボンド砥石 (3) と同等で あった。 つまり、 メタルボンド砥石 (1) はガラスフイラーを含有するにも かかわらず、 砥石の強度を大きく損なわい構造を有するこ とが確認できた。

[0068] [砥石を用いた研削試験]

メタルボンド砥石 (2) (実施例 2) を、 接着剤を用いて台金に接着しホ —ニング砥石とした。 これをホーニング加工装置 (メカ拡張ホーニング盤) にセッ トし、 下記条件で研削試験を行った。

-ホーニング砥石の配置本数: 6本

-砥石周速度: 9 5 111 / 111 I 〇

-往復速度 1^

-研削液:水溶性研削液

-加工物:錶鉄 〇 2 5 0相当、 内径 ø 8 4〇1〇1 高さ 1 3 5〇1〇1

-加工時間: 1 5 3 6 0

また、 メタルボンド砥石 (5) (比較例 3) についても同様に研削試験を 行った。

[0069] 試験後のメタルボンド砥石 (2) の表面を 3巳1\/1観察した。 その結果、 メ タルボンド砥石 (2) では、 メタルボンドに対して選択的にガラスフイラ ー が摩耗してチップポケッ トを形成していた。

また、 巳 0 3マッピングの結果より、 凹部には、 「の存在が確認された 。 この結果より、 メタルボンド砥石 (2) において、 ガラスフイラーが徐々 に崩壊していると推察される。

[0070] メタルボンド砥石 (2) による加工物の研削量を基準 (研削性指数 1 0 0 %) とし、 メタルボンド砥石 (2) とメタルボンド砥石 (5) との研削性指 数 (%) を比較した。 メタルボンド砥石 (5) の研削性指数 (%) を、 メタ ルボンド砥石 (2) の相対値 (メタルボンド砥石 (5) による加工物の研削 量を、 メタルボンド砥石 (2) による加工物の研削量で除し、 1 0 0を乗じ た値) として算出したところ、 メタルボンド砥石 (5) の研削性指数 (%) は 9 6 %であった。 \¥02020/175069 17 卩(:171?2020/004383

また、 メタルボンド砥石 (2) の摩耗量の逆数を基準 (耐摩耗性指数 1 0 0%) とし、 メタルボンド砥石 (2) とメタルボンド砥石 (5) との耐摩耗 性指数 (%) を比較した。 メタルボンド砥石 (5) の耐摩耗性指数 (%) を 、 メタルボンド砥石 (2) の相対値 (メタルボンド砥石 (5) の摩耗量の逆 数を、 メタルボンド砥石 (2) の摩耗量の逆数で除し、 1 00を乗じた値) として算出したところ、 メタルボンド砥石 (5) の耐摩耗指数 (%) は 65 %であった。

この結果より、 メタルボンド砥石 ( 2) は、 メタルボンド砥石 ( 5) (従 来の砥石) と比較して、 同等以上の研削能率を有し、 かつ、 砥石の寿命が大 幅に向上していることがわかる。

また、 研削試験中、 メタルボンド砥石 (2) の研削能率も安定していた。 産業上の利用可能性

[0071] 本発明のガラスフィラー含有メタルボンド砥 石は、 高品位が求められる微 細領域の研削加工で利用でき、 特に、 ノードレス使用環境下においても利用 することができる。 例えば、 自動車用エンジンのシリンダ内面などのホー ニ ング加工において広く利用することができる 。

符号の説明

[0072] 1 0 ガラスフイラー含有メタルボンド砥石

1 1. 2 1 砥粒

1 2. 22 メタルボンド

1 3 ガラスフイラー

1 4、 24 メタルボンド層

1 5, 25 チップポケッ ト

20 従来のメタルボンド砥石

23 グラフアイ ト

30 ワーク

40 ホーニング加工装置

4 1 ホーニング砥石 \¥02020/175069 18 卩(:171?2020/004383

42 テーパコーン

43 シュー

44 ホーニングヘッ ド

1 00 相互拡散領域

1 003 ガラス成分拡散領域

1 00 (3リ拡散領域

1 01 未拡散領域