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Title:
GLASS FILLER, PHOTOCURABLE COATING COMPOSITION AND PHOTOCURABLE RESIN COMPOSITION USING THE SAME, AND PHOTOCURABLE ADHESIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/140059
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a flake glass made from a glass composition which has a light transmittance at a wavelength of 360 nm of not less than 80% when molded into a glass plate having a thickness of 1 mm, while having a refractive index at a wavelength of 360 nm within the range of 1.55-1.61. In addition, the glass composition used for the flake glass preferably has a refractive index at a wavelength of 1300 nm within the range of 1.53-1.57.

Inventors:
INO JUICHI (JP)
INAKA YOSHIYUKI (JP)
FUJIWARA KOSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058668
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
May 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON SHEET GLASS CO LTD (JP)
INO JUICHI (JP)
INAKA YOSHIYUKI (JP)
FUJIWARA KOSUKE (JP)
International Classes:
C03C3/087; C03C3/091; C03C3/093; C08K3/40; C08L101/00; C09D7/45; C09D7/61; C09D201/00; C09J11/04; C09J201/00
Domestic Patent References:
WO2005110695A12005-11-24
Foreign References:
JP2006169324A2006-06-29
JP2006022236A2006-01-26
JPH01261252A1989-10-18
JPH05155638A1993-06-22
JPH07138045A1995-05-30
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Koichi et al. (TOMOE MARION BLDG. 4-3-1, Nishitenma, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 47, JP)
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Claims:
 1mm厚のガラス板に成形したときの波長360nmにおける光透過率が80%以上であり、かつ、波長360nmにおける屈折率が1.55~1.61の範囲内であるガラス組成物からなるガラスフィラー。
 前記ガラス組成物におけるFe 2 O 3 の含有割合が0.05質量%未満である、請求項1に記載のガラスフィラー。
 前記ガラス組成物が、組成成分として、
 SiO 2 :60~70質量%、
 Al 2 O 3 :5~10質量%、
 CaO:20~30質量%、
 MgO:0~6質量%、
 R 2 O(R 2 O=Li 2 O+Na 2 O+K 2 O):0~2質量%、
 TiO 2 :0~2質量%、
を含む、請求項1に記載のガラスフィラー。
 前記ガラス組成物が、組成成分として、
 SiO 2 :52~56質量%、
 Al 2 O 3 :12~20質量%、
 CaO:16~25質量%、
 MgO:0~6質量%、
 B 2 O 3 :5~13質量%、
 R 2 O(R 2 O=Li 2 O+Na 2 O+K 2 O):0~2質量%、
を含む、請求項1に記載のガラスフィラー。
 前記ガラス組成物が、組成成分として、
 SiO 2 :63~72質量%、
 Al 2 O 3 :1~7質量%、
 CaO:4~11質量%、
 MgO:0~5質量%、
 B 2 O 3 :0~8質量%、
 R 2 O(R 2 O=Li 2 O+Na 2 O+K 2 O):9~19質量%、
 ZnO:0~6質量%、
を含む、請求項1に記載のガラスフィラー。
 前記ガラスフィラーが、フレーク状ガラス、ガラスパウダー、ミルドファイバ、ガラスビーズおよびガラス繊維から選択される少なくとも何れか1種である、請求項1に記載のガラスフィラー。
 波長1300nmにおける前記ガラス組成物の屈折率が、1.53~1.57の範囲内である、請求項1に記載のガラスフィラー。
 請求項1に記載のガラスフィラーと、波長360nmにおける屈折率が1.48~1.65の範囲内である光硬化型塗料とを含む光硬化型塗料組成物。
 請求項1に記載のガラスフィラーと、波長360nmにおける屈折率が1.48~1.65の範囲内である光硬化型樹脂とを含む光硬化型樹脂組成物。
 請求項9に記載の光硬化型樹脂組成物を含む光硬化型接着剤。
Description:
ガラスフィラーとそれを用いた 硬化型塗料組成物および光硬化型樹脂組成 、並びに光硬化型接着剤

 本発明は、ガラスフィラーと、このガラ フィラーを用いた光硬化型塗料組成物およ 光硬化型樹脂組成物と、光硬化型接着剤と 関する。

 近年、環境問題や省エネルギー化の重要 が増してきている。光硬化型の樹脂や塗料 紫外線等の光照射によって短時間で硬化す ので、省人化および自動化が図れる。した って、光硬化型の樹脂や塗料は、熱硬化型 樹脂や塗料と比較して省エネルギーである から注目されている。光硬化型樹脂として 、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が代表 なものである。

 一方、各種熱可塑性樹脂の耐熱性、寸法 定性、線膨張係数および剛性を向上させる め、各種の無機フィラーを添加した樹脂組 物が多数提案されている(たとえば、特開平 6-157896号公報、特開平6-157898号公報および特 平8-104775号公報参照)。たとえば、フレーク ガラスを熱可塑性樹脂に配合して、その強 や寸法安定性を向上させる技術が特開昭62-10 9855号公報に記載されている。また、特開平3- 86753号公報には、繊維状強化材および結合剤 用いて造粒した顆粒状フレーク状ガラスを 可塑性樹脂に配合することが記載されてい 。

 これらのフレーク状ガラスには、Eガラスの ような所謂無アルカリ珪酸塩ガラスや、Cガ スのような含アルカリ珪酸塩ガラスが用い れている。含アルカリ珪酸塩ガラスの例と ては、たとえば、重量%で、60~75%のSiO 2 および8~20%のR 2 O(Na 2 O、K 2 Oなどのアルカリ金属酸化物)を主として含有 (ただしSiO 2 +R 2 Oは75~90%)、その他に、たとえばCaO、MgO、B 2 O 3 、Al 2 O 3 、ZnO、Fe 2 O 3 などの酸化物を1種または2種以上を含むガラ が挙げられる。

 しかしながら、上記のような組成のフレ ク状ガラスは、紫外線を吸収してしまうた 、光硬化型樹脂に添加した場合に樹脂内部 で充分に硬化せず、光硬化型樹脂用のフィ ーとして利用できなかった。

 本発明は、光硬化型樹脂に添加された場 であっても光照射による樹脂の硬化を妨げ 、厚膜の樹脂・ガラス複合物(ガラスフィラ ーを含む光硬化型樹脂)の硬化物を安定的に 産可能とするガラスフィラーを提供するこ を目的とする。また、本発明は、耐熱性、 法安定性および/または剛性等の特性向上を 的として、光硬化型樹脂(または光硬化型塗 料)にガラスフィラーが添加された光硬化型 脂組成物(または光硬化型塗料組成物)におい て、安定的な光硬化と高い透明性とを実現す ることを目的とする。さらに、本発明は、当 該光硬化樹脂組成物を用いた光硬化型接着剤 を提供することも目的とする。

 本発明のガラスフィラーは、1mm厚のガラ 板に成形したときの波長360nmにおける光透 率が80%以上(80%/mm以上)であり、かつ、波長360 nmにおける屈折率が1.55~1.61の範囲内であるガ ス組成物からなる。

 本発明のガラスフィラーを、たとえば硬 後の状態で波長360nmにおける屈折率が1.55~1.6 1の範囲である光硬化型樹脂(たとえばエポキ 系樹脂等)に添加した場合に、充分な量の紫 外線を樹脂内部まで到達させることができる ので、例え厚膜であっても樹脂・ガラス複合 物を安定的に硬化させることができる。

 また、本発明は、上記の本発明のガラス ィラーと、波長360nmにおける屈折率が1.48~1.6 5の範囲内である光硬化型塗料とを含む光硬 型塗料組成物を提供する。また、本発明は 上記の本発明のガラスフィラーと、波長360nm における屈折率が1.48~1.65の範囲内である光硬 化型樹脂とを含む光硬化型樹脂組成物を提供 する。

 本発明の光硬化型樹脂組成物および光硬 型塗料組成物は、上記のような本発明のガ スフィラーを含んでいるので、厚膜であっ も内部にまで光を到達させることができ、 定的に硬化物を得ることができる。したが て、耐熱性、寸法安定性、剛性等を向上さ た樹脂成形品や塗膜等を実現できる。

 さらに、本発明は、上記の本発明の光硬 型樹脂組成物を含む光硬化型接着剤を提供 る。

 本発明の光硬化型接着剤は、上記のよう 本発明の光硬化型樹脂組成物を含んでいる で、ガラスフィラーによる同様の作用によ 、安定的に強固な接着が得られ、且つ、耐 性、寸法安定性、剛性等に優れた接着剤を 供できる。

 以下、本発明の実施の形態について説明 る。

 (ガラスフィラー)
 本実施の形態のガラスフィラーは、波長360n mにおける透過率が80%/mm以上であるガラス組 物よって形成されている。波長360nmにおける 透過率が80%/mm未満の材料からなるフィラーは 、充分な紫外線を透過することができないの で、光硬化型樹脂に添加された場合に、1mm以 上の深さを有する樹脂内部(樹脂・ガラス複 物内部)を安定的に硬化させることが難しく る。光硬化型樹脂に添加された場合に、よ 安定的に硬化させるために、波長360nmにお るガラスフィラーの透過率を90%/mm以上とす ことがより好ましい。

 本発明のガラスフィラーに用いられるガラ 組成物の組成例(組成例1~3)として、たとえ 、SiO 2 が60~70質量%、Al 2 O 3 が5~10質量%、CaOが20~30質量%、MgOが0~6質量%、R 2 O(R 2 O=Li 2 O+Na 2 O+K 2 O)が0~2質量%、TiO 2 が0~2質量%(組成例1)、または、SiO 2 が52~56質量%、Al 2 O 3 が12~20質量%、CaOが16~25質量%、MgOが0~6質量%、B 2 O 3 が5~13質量%、R 2 Oが0~2質量%(組成例2)、または、SiO 2 が63~72質量%、Al 2 O 3 が1~7質量%、CaOが4~11質量%、MgOが0~5質量%、B 2 O 3 が0~8質量%、R 2 Oが9~19質量%、ZnOが0~6質量%(組成例3)、等が挙 られる。

 ガラス組成における酸化鉄は、ガラス中で Fe 2 O 3 とFeOの状態で存在する。Fe 2 O 3 に換算した全酸化鉄は、0.05質量%未満である とが好ましく、さらには0.01質量%以下であ ことが好ましい。0.05質量%以上では紫外線吸 収が大きくなり、波長360nmにおける透過率を8 0%/mm未満とすることが困難になってしまうか である。

 また、本実施の形態のガラスフィラーに いられるガラス組成物は、波長360nmでの屈 率が1.55~1.61の範囲である。一般的に光硬化 樹脂としてよく用いられるエポキシ系樹脂 硬化後の波長360nmにおける屈折率は1.55~1.61で ある。このため、本実施の形態のガラスフィ ラーがこれらの光硬化型樹脂に添加された場 合、樹脂・ガラス界面での反射が無視できる ほど小さくなり、紫外線を樹脂・ガラス複合 物の内部(奥部、深部)にまで到達させること でき、樹脂・ガラス複合物の内部まで完全 固化することができる。

 また、本実施の形態のガラスフィラーに いられるガラス組成物は、波長1300nmにおけ 屈折率が1.53~1.57の範囲内であることが好ま い。このように、波長1300nmの屈折率が1.53~1. 57の範囲であることにより、本実施の形態の ラスフィラーはこの近辺の波長の光に対し 高い透明性を有する。一方、一般的に光通 に多く用いられる波長は、1300nmおよび1550nm ある。したがって、このようなガラスフィ ーを含んだ樹脂組成物を、光通信機器の光 透過する部分等に使用すると、光量のロス 散乱を防ぐことができる。

 ガラスフィラーの形状は使用用途によっ 異なり、特に限定されず、ガラス繊維、ガ スパウダー、フレーク状ガラス、ミルドフ イバおよびガラスビーズ等が例示できる。 れらは単独で用いられてもよいし、組み合 せて用いてもよい。樹脂成形体等を作製す 場合は、ガラス繊維とフレーク状ガラスの み合わせで用いることが例示できる。接着 や塗料に添加される場合も、特にその形状 限定されない。しかし、塗膜等の厚みが薄 なるためにその表面硬度や物理的特性を改 したり、表面平滑性を改良したりする場合 、ガラスフィラーがフレーク状ガラスであ ことが好ましい。

 また、ガラスフィラーの大きさも、使用 途によって異なるため、特に限定されない しかし、ガラスフィラーの平均粒径が大き ぎると表面が凹凸になるので、表面平滑性 改善等が求められる場合は、ガラスフィラ の平均粒径を小さくすることが望ましい。

 一般的にフレーク状ガラスをプリント基 や表示素子等の接着剤用フィラーとして用 る場合は、平均厚さ0.1~10.0μm、平均粒径5~1,0 00μmであることが好ましい。平均厚さが10.0μm を超えると接着剤表面に凹凸ができたり、突 起状物等ができたりすることで、その接着面 で不具合を生じる場合がある。平均粒径も、 1,000μmを超えると同様の理由で不具合を生じ ことがある。また、平均厚さが0.1μm未満で る場合、ガラス材料の生産性が極端に悪く る場合があり、現実的でない。さらに平均 径が5μm未満である場合、寸法安定性や強度 等の機械的特性が付与できない場合があるた め好ましくない。なお、本明細書において、 フレーク状ガラスの平均厚さとは、少なくと も100枚のフレーク状ガラスを抜き取り、それ らのフレーク状ガラスについて走査型電子顕 微鏡(SEM)を用いて厚さを測定し、その厚さ合 を測定枚数で割った値のことである。また 本明細書において、フレーク状ガラスの平 粒径とは、レーザー回折散乱法に基づいて 定された粒度分布において、累積質量百分 が50%に相当する粒径(D50)のことである。

 また、本実施の形態のガラスフィラーは 光硬化型樹脂や光硬化型塗料に添加された 合にこれらとの親和性を高めるために、カ プリング剤によって被覆処理されていても い。カップリング剤の代表的な例として、 ランカップリング剤を挙げることができる シランカップリング剤は使用する樹脂によ て異なるが、ビニルシラン、エポキシシラ 、メタクリロキシシランおよびアミノシラ が好ましく、これらシランカップリング剤 単独で用いてもよく、混合して用いてもよ 。

 ビニルシランとしては、ビニルトリクロ シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ トリエトキシシラン等が例示できる。エポ シシランとしては、2-(3,4エポキシシクロヘ シル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシ キシプロピルトリメトキシシラン、3-グリ ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3- グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等 が例示できる。メタクリロキシシランとして は、3-メタクリロキシプロピルメチルジメト シシラン、3-メタクリロキシプロピルトリ トキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメ チルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプ ピルトリエトキシシラン等が例示できる。 ミノシランとしては、N-2(アミノエチル)3-ア ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2( ミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシ ラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン 、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3- リエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデ )プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロ ルトリメトキシシラン等が例示できる。

 シランカップリング剤の含有率は、全体 質量に対して0.01質量%~5.0質量%であることが 好ましい。シランカップリング剤の含有率が 0.01質量%よりも少ない場合、ガラスフィラー 光硬化型樹脂や光硬化型塗料との充分な親 性を得ることが困難となる場合がある。一 、シランカップリング剤の含有率が5.0質量% を超えると、カップリング剤同士の反応が起 こりやすくなり、その反応によってガラスフ ィラーと塗料や樹脂との親和性を損なわせ、 またコストが高くなる。

 また、これらのカップリング剤によって 成される層の厚みは、ガラス表面に形成さ る分子層程度の厚みであるため、ガラスフ ラーにおける光の屈折・反射には影響を与 ない。

 (光硬化型塗料組成物、光硬化型樹脂組成物 、光硬化型接着剤、光通信機器)
 本実施の形態の光硬化型樹脂組成物は、上 に説明した本実施の形態のガラスフィラー 光硬化型樹脂とを含むものである。光硬化 樹脂としては、たとえばエポキシ系樹脂、 クリル系樹脂等を用いることができる。本 施の形態において用いられる光硬化型樹脂 波長360nmにおける屈折率は1.48~1.65であり、1. 53~1.63の範囲が好ましく、より好ましくは1.55~ 1.61の範囲である。このような範囲の屈折率 有する光硬化型樹脂と本実施の形態のガラ フィラーとを含むことによって、本実施の 態の光硬化型樹脂組成物は、厚膜であって 内部にまで充分に光を到達させることがで 、より安定的に硬化物を得ることができる したがって、耐熱性、寸法安定性、剛性等 向上させた樹脂成形品等を実現できる。

 本実施の形態の光硬化型塗料組成物は、 記に説明した本実施の形態のガラスフィラ と光硬化型塗料とを含むものである。本実 の形態において用いられる光硬化型塗料の 長360nmにおける屈折率は1.48~1.65であり、1.53~ 1.63の範囲が好ましく、より好ましくは1.55~1.6 1の範囲である。光硬化型塗料には、例えば ポキシ系塗料、ウレタン系塗料、ポリエス ル系塗料等を用いることができる。

 本実施の形態の光硬化型樹脂組成物およ 光硬化型塗料組成物におけるフレーク状ガ スの含有割合は、特には限定されないが、1 0~90質量%であることが好ましく、30~80質量%で ることがより好ましい。フレーク状ガラス 含有割合が10質量%未満であると、樹脂の耐 性、寸法安定性、剛性等を向上させること 難しくなり、90質量%より多いと、樹脂とし の機能を果たせなくなるためである。

 本実施の形態の光硬化型接着剤は、上記 説明した本実施の形態の光硬化型樹脂組成 を含むものであり、用途に応じて、可塑剤 増感剤、有機過酸化物、重合開始剤、重合 定剤等の接着剤として必要な他の成分を適 含有することができる。

 また、上記に説明した本実施の形態の光 化型樹脂組成物を用いて、例えば光通信機 を提供することも可能である。このような 通信機器は、耐熱性、寸法安定性、剛性等 優れたものとなる。

 以下に、実施例および比較例を示して、 発明をより詳細に説明する。しかし、本発 は、本発明の要旨を越えない限り、以下の 施例に限定されるものではない。

(実施例1~8、比較例1~4)
 表1に示す組成となるように、珪砂等の通常 のガラス原料を調合して、実施例および比較 例、それぞれのバッチを作製した。これらの バッチについて電気炉を用いて1400℃~1600℃ま で加熱し、熔融させ、組成が均一になるまで 約4時間そのまま維持した。その後、熔融し ガラスを鉄板上に流し出し、常温まで冷却 ることによって、板状ガラス試料を得た。 れを厚さ1mmに研磨して、光学特性を測定す 試料とした。また、実施例1~8および比較例1~ 4の板状ガラス試料について測定した波長360nm における透過率と波長360nmの屈折率を表2に示 す。

 本実施例で用いた透過率は、株式会社島 製作所製の紫外-可視-近赤外分光光度計UV-36 00を用いて測定した。また、屈折率は、分光 度計によって測定された反射率から計算で とめた値である。

 実施例1~8のガラス試料においては、それぞ 波長360nmにおける透過率80%/mm以上を得るこ ができた。これに対し、比較例1~3のガラス 料においては、透過率が80%/mm未満であった また、実施例1~8のガラス試料において屈折 が1.55~1.58であることから、たとえば屈折率1. 56程度のエポキシ樹脂に添加されて当該樹脂 光硬化させる場合、ガラス材料と樹脂界面 の反射が無視できるほど小さいため、紫外 が全体に透過し、均一な硬化を実現するこ ができると推測される。 次に、これら実 例および比較例のガラスを熔融した後、ブ ーガスにより中空状に膨らませて薄膜化し さらに得られたガラス薄膜を押圧ロールに 粉砕してフレーク状にして(フレーク化工程) 、フレーク状ガラスを得た。これらのフレー ク状ガラスを、NTTAT社製の紫外線硬化型樹脂( 屈折率調整品(高Tg)タイプ[エポキシ])に添加 た。用いた紫外線硬化型樹脂の波長360nmにお ける屈折率は1.55であった。ガラスフィラー( レーク状ガラス):紫外線硬化型樹脂が80:20の 質量比となるように混合・攪拌し、50mm×50mm× 2mm厚みの大きさの型に入れて、30mW/cm 2 、10minの光量の紫外線を照射して、硬化させ 。硬化状態を目視にて観察した結果を表3に 示す。

 実施例1~8と比較例1~3から、ガラスフィラ の屈折率が樹脂の屈折率と同程度である場 、波長360nmにおける透過率が80%/mm以上であ 実施例1~8のフレーク状ガラスが添加された 脂は、樹脂内部まで紫外線が透過すること 樹脂全体が硬化するのに対し、波長360nmにお ける透過率が80%/mm未満である比較例1~3では、 紫外線が透過しないことで硬化しなかったこ とが分かる。また、実施例1~8と比較例4から 波長360nmにおける透過率が80%/mm以上であって も、波長360nmにおけるガラスフィラーの屈折 が樹脂の屈折率と大きく異なる比較例4のフ レーク状ガラスでは、ガラス材料と樹脂界面 での界面反射により、最表面では硬化しても 内部まで紫外線が透過せず、全体を硬化する ことができなかったことが分かる。

 以上の結果から明らかなように、波長360n mにおける透過率が80%/mm以上であり、かつ、 長360nmにおける屈折率が1.55~1.61の範囲のガラ ス組成物からなるガラスフィラーを光硬化型 樹脂に充填した場合、ガラスフィラーの含有 量が多くても充分な紫外線を透過し、特に光 硬化型樹脂と屈折率の合ったガラスフィラー を添加した場合はガラスと樹脂界面での反射 がないため、紫外線が全体に透過し、均一な 硬化を実現することができる。さらに、この ようなガラスフィラーによれば、樹脂に対し てガラスフィラーを多く含有できる光硬化型 樹脂組成物を作製できるので、耐熱性、寸法 安定性、剛性等を向上させた樹脂成形品、光 硬化型接着剤、および塗料を提供することが できる。

 本発明のガラスフィラーは、光硬化型樹 に添加された場合でも充分な量の紫外線を 脂内部まで到達させることができ、例え厚 であっても樹脂・ガラス複合物を安定的に 化させることができるので、光硬化型塗料 成物、光硬化型樹脂組成物、光硬化型接着 、光通信機器等、さまざまな用途に適用可 である。