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Title:
GLUCOCORTICOID RECEPTOR AGONIST COMPOSED OF 2,2,4-TRIMETHYL-6-PHENYL-1,2-DIHYDROQUINOLINE DERIVATIVE HAVING SUBSTITUTED OXY GROUP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139361
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a glucocorticoid receptor agonist composed of a compound represented by formula (1) or a salt thereof, which is a 2,2,4-trimethyl-6-phenyl-1,2-dihydroquinoline derivative having a substituted oxy group.  A novel pharmacological action of the agonist is also disclosed.  In the formula, R1 represents a group represented by formula (2a), (3a), (4a) or (5a); R2 represents -(CO)-R8, -(CO)O-R9 or the like; R2-O- is substituted at the 4-position or the 5-position of the benzene ring A; R3 represents a lower alkyl group; R4, R5, R6 or R7 represents a halogen atom, an optionally substituted lower alkyl group or the like; m, n, p or q represents 0, 1 or the like; and R8, R9 or the like represents an optionally substituted lower alkyl group, a lower alkenyl group or the like.

Inventors:
KATO MASATOMO (JP)
TAKAI MIWA (JP)
MATSUYAMA TAKAHIRO (JP)
KUROSE TATSUJI (JP)
HAGIWARA YUMI (JP)
MATSUDA MAMORU (JP)
MORI TOSHIYUKI (JP)
IMOTO KENJI (JP)
DOTA ATSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058801
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
May 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SANTEN PHARMACEUTICAL CO LTD (JP)
KATO MASATOMO (JP)
TAKAI MIWA (JP)
MATSUYAMA TAKAHIRO (JP)
KUROSE TATSUJI (JP)
HAGIWARA YUMI (JP)
MATSUDA MAMORU (JP)
MORI TOSHIYUKI (JP)
IMOTO KENJI (JP)
DOTA ATSUYOSHI (JP)
International Classes:
C07D215/14; A61K31/47; A61K31/4709; A61K31/506; A61K31/5377; A61P1/02; A61P1/04; A61P1/16; A61P3/08; A61P5/14; A61P5/16; A61P5/38; A61P5/44; A61P7/00; A61P7/04; A61P7/06; A61P9/00; A61P11/00; A61P11/02; A61P11/06; A61P13/12; A61P15/00; A61P17/00; A61P17/02; A61P17/04; A61P17/06; A61P17/14; A61P21/00; A61P21/02; A61P21/04; A61P25/00; A61P25/02; A61P25/28; A61P27/02; A61P27/16; A61P29/00; A61P31/00; A61P31/04; A61P31/06; A61P31/22; A61P35/00; A61P35/02; A61P37/02; A61P37/08; A61P39/02; A61P43/00; C07D401/12; C07D405/12; C07D409/12; C07D409/14; C07D413/12; C07D417/12; C07D417/14
Domestic Patent References:
WO2007032556A12007-03-22
WO2006019716A12006-02-23
WO1996019458A21996-06-27
WO2004018429A22004-03-04
WO2008059865A12008-05-22
WO2008059866A12008-05-22
WO2008059867A12008-05-22
WO2008111632A12008-09-18
WO2004018429A22004-03-04
WO2006019716A12006-02-23
Foreign References:
JP2002193955A2002-07-10
JPH10510840A1998-10-20
Other References:
SOUGOU RINSYOU, vol. 54, no. 7, 2005, pages 1951 - 2076
"IGAKU DAIJITEN", NANZANDO, pages: 1038 - 1040
GRAEFE'S, ARCH. CLI. EXP. OPHTHALMOL., vol. 235, 1997, pages 313 - 319
FUJ IHARA ET AL., INVEST. OPHTHALMOL. VIS. SCI., vol. 42, no. 1, 2001, pages 96 - 100
MURAKAMI ET AL., JOURNAL OF THE EYE, vol. 21, no. 1, 2004, pages 87 - 90
NAGAI ET AL., J. PHARMACOL. EXP. THER., vol. 283, 1997, pages 321 - 327
See also references of EP 2319835A4
Attorney, Agent or Firm:
HIBI, Norihiko et al. (JP)
Norihiko Hibi (JP)
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Claims:
下記一般式(1)で表される化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。


[R 1 は下記一般式(2a)、(3a)、(4a)又は(5a)を示し;


R 2 は-(CO)-R 8 、-(CO)O-R 9 、-(SO)-R 10 、-(SO 2 )-R 11 又は-(CO)NR 12 R 13 を示し;
R 2 -O-は、ベンゼン環Aの4又は5位に置換し;
R 3 は低級アルキル基を示し;
R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、ニトロ基又はホルミル基を示し;
m、n、p又はqは、0、1又は2を示し;
m、n、p又はqが2を示す場合、各R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は同一又は異なっていてもよく;
R 8 、R 9 、R 10 又はR 11 は、置換基を有してもよい低級アルキル基、低級アルケニル基、低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示し;
R 12 及びR 13 は同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は複素環基を示す。] 
一般式(1)において、
R 1 が下記一般式(2a)、(3a)、(4a)又は(5a)を示し;


R 2 が-(CO)-R 8 、-(CO)O-R 9 、-(SO)-R 10 、-(SO 2 )-R 11 又は-(CO)NR 12 R 13 を示し;
R 2 -O-がベンゼン環Aの4又は5位に置換し;
R 3 が低級アルキル基を示し;
R 4 がハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はニトロ基を示し;
R 5 がハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示し;
R 6 がハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示し;
R 7 がハロゲン原子又は低級アルキル基を示し;
m、n又はpが1又は2を示し、
m、n又はpが2を示す場合、各R 4 、R 5 又はR 6 は同一又は異なっていてもよく;
qが1を示し;
R 8 が置換基を有してもよい低級アルキル基、低級アルケニル基、低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示し;
R 9 が置換基を有してもよい低級アルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し;
R 10 又はR 11 が、置換基を有してもよい低級アルキル基又は低級シクロアルキル基を示し;
R 12 及びR 13 が同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は複素環基を示す請求項1記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。
一般式(1)において、
R 1 が下記一般式(2a-1)、(2a-2)、(2a-3)、(3a-1)、(3a-2)、(4a-1)、(4a-2)、(4a-3)、(5a-1)又は(5a-2)を示す請求項1又は2記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。

一般式(1)において、
R 1 が下記一般式(2a-1)、(2a-2)、(2a-3)、(3a-1)、(3a-2)、(4a-2)又は(5a-1)を示す請求項3記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。

一般式(1)において、
R 2 が-(CO)-R 8 、-(CO)O-R 9 、-(SO 2 )-R 11 又は-(CO)NR 12 R 13 を示す請求項1又は2記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。
一般式(1)において、
R 2 が-(CO)-R 8 又は-(SO 2 )-R 11 を示す請求項5記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。
一般式(1)において、
R 2 が-(CO)-R 8 を示す請求項6記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。
一般式(1)において、
R 3 がメチル基を示す請求項1又は2記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。
一般式(1)において、
R 2 -O-がベンゼン環Aの4位に置換している請求項1又は2記載の化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。
・6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシベンゾイルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-ブチリルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(チオフェン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(4-イソブチリルオキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(2-メトキシ-4-フェニルアセトキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[5-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(2-メトキシ-5-プロピオニルオキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-5-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[4-(フラン-3-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-アセトキシベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(2-メチルチオベンゾイルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(チアゾール-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(5-メチルフラン-2-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(3-メトキシカルボニルベンゾイルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(6-メチルピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-t-ブチルカルボニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-クロロピリジン-4-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[4-(3-フルオロピリジン-4-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メチル-5-ニトロフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(2-メトキシ-5-ニトロフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(チオフェン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-ベンゾイルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(フラン-3-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(チオフェン-2-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(3-メトキシカルボニルベンゾイルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(4-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルチオベンゾイルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(6-メチルピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(4-メチルベンゾイルオキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシベンゾイルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(4-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-ベンゾイルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルベンゾイルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(チオフェン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(フラン-3-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルチオベンゾイルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(チアゾール-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(4-メトキシベンゾイルオキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-ブロモチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-ブロモチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-イソプロピルカルボニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(2-アセトキシベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-3-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(4-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(2-ニトロベンゾイルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-エチルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(4-イソプロピルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-ブチルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-シクロプロピルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(2-メトキシ-5-ニトロフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-エチルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(2-メチル-5-ニトロフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキシフェニル)-5-(2-メチル-5-ニトロフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-シクロプロピルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(2-メトキシ-4-メチルスルホニルオキシフェニル)-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメチル)-6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(3,3,3-トリフルオロプロピルスルホニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-イソプロピルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-シクロペンチルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-エチルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-シクロプロピルスルホニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-ジメチルアミノカルボニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-[N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-エチルアミノカルボニルオキシ]-2-メトキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(モルホリン-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[4-(4-クロロフェニルアミノカルボニルオキシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(モルホリン-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-(4-ジメチルアミノカルボニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(2-メチル-5-ニトロフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、
・6-[2-メトキシ-4-(モリホリン-4-イルカルボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、及び
6-(4-ジメチルアミノカルボニルオキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンからなる群より選択される化合物又はその塩からなるグルココルチコイド受容体アゴニスト。
請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つを有効成分として含有する医薬組成物。
請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つを有効成分として含有する炎症性疾患又は免疫疾患の予防又は治療剤。
請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つを有効成分として含有する眼炎症性疾患又は皮膚炎の予防又は治療剤。
眼炎症性疾患が前眼部炎症性疾患である請求項13記載の予防又は治療剤。
前眼部炎症性疾患が、眼球乾燥症候群又はアレルギー性結膜炎である請求項14記載の予防又は治療剤。
眼炎症性疾患が後眼部炎症性疾患である請求項13記載の予防又は治療剤。
後眼部炎症性疾患が、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症又は糖尿病黄斑浮腫である請求項16記載の予防又は治療剤。
皮膚炎がアトピー性皮膚炎である請求項13記載の予防又は治療剤。
請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つを有効成分として含有する自己免疫疾患の予防又は治療剤。
請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つの薬理上有効な量を患者に投与することを含む炎症性疾患又は免疫疾患の予防又は治療方法。
請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つの薬理上有効な量を患者に投与することを含む眼炎症性疾患又は皮膚炎の予防又は治療方法。
眼炎症性疾患が前眼部炎症性疾患である請求項21記載の予防又は治療方法。
前眼部炎症性疾患が、眼球乾燥症候群又はアレルギー性結膜炎である請求項22記載の予防又は治療方法。
眼炎症性疾患が後眼部炎症性疾患である請求項21記載の予防又は治療方法。
後眼部炎症性疾患が、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症又は糖尿病黄斑浮腫である請求項24記載の予防又は治療方法。
皮膚炎がアトピー性皮膚炎である請求項21記載の予防又は治療方法。
請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つの薬理上有効な量を患者に投与することを含む自己免疫疾患の予防又は治療方法。
炎症性疾患又は免疫疾患の予防又は治療方法に使用するための請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
眼炎症性疾患又は皮膚炎の予防又は治療方法に使用するための請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
眼炎症性疾患が前眼部炎症性疾患である請求項29記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
前眼部炎症性疾患が、眼球乾燥症候群又はアレルギー性結膜炎である請求項30記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
眼炎症性疾患が後眼部炎症性疾患である請求項29記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
後眼部炎症性疾患が、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症又は糖尿病黄斑浮腫である請求項32記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
皮膚炎がアトピー性皮膚炎である請求項29記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
自己免疫疾患の予防又は治療方法に使用するための請求項1~10記載のグルココルチコイド受容体アゴニストの少なくとも1つ。
Description:
置換オキシ基を有する2,2,4-トリ チル-6-フェニル-1,2-ジヒドロキノリン誘導 からなるグルココルチコイド受容体アゴニ ト

 本発明は医薬として有用な置換オキシ基 有する2,2,4-トリメチル-6-フェニル-1,2-ジヒ ロキノリン誘導体からなるグルココルチコ ド受容体アゴニストに関する。本発明のグ ココルチコイド受容体アゴニストは炎症性 患又は免疫疾患の予防又は治療剤、特に眼 症性疾患又は皮膚炎の予防又は治療剤とし 有用である。

 グルココルチコイド受容体は、核内レセ タースーパーファミリーに属する94kDaのリ ンド-活性化細胞内転写調節因子である。こ 受容体は、その転写調節作用により、炭水 物・タンパク質・脂肪等の代謝調節、免疫 炎症反応の抑制、中枢神経系の活性化、心 管系機能の調節、基礎・ストレス関連ホメ スタシス等に影響を及ぼすことが知られて る。(非特許文献1、特許文献1)。

 このグルココルチコイド受容体に結合す 薬物は、グルココルチコイド受容体アゴニ ト作用又はグルココルチコイド受容体アン ゴニスト作用を有する。しかし、それらの 用は全く異なるものであり、薬物の微細な 学構造の相違により、どちらの作用を示す が決定される。

 代表的なグルココルチコイド受容体アゴ ストとしては、コルチゾール、コルチコス ロン等の生体内で作られるグルココルチコ ド受容体アゴニストやデキサメタゾン、プ ドニゾン、プレドニゾロン等の合成グルコ ルチコイド受容体アゴニストが知られてい (特許文献1)。これらのグルココルチコイド 容体アゴニストは、ステロイド構造を有す 為、総称してステロイド類と呼ばれており 種々の疾患の治療に応用されている。

 しかし、これらステロイド類は、その使 により、ステロイド消化性潰瘍、ステロイ 紫斑、ステロイド膵炎、ステロイド糖尿病 ステロイド白内障、ステロイド緑内障等の 作用を発現する場合がある。(非特許文献2) よって、それらの副作用を回避する為に、 テロイド構造を有さない薬剤の創生が望ま ている。

 一方、1,2-ジヒドロキノリン構造を有する 化合物が、ステロイド受容体のモジュレータ ーとして特許文献2、特許文献3、特許文献4等 に開示されている。特許文献2、特許文献3及 特許文献4に開示されている化合物は、非常 に広範で、かつ、種々の化学構造を有してお り、それらの一つとして1,2-ジヒドロキノリ 構造の化合物が開示されている。しかし、 れらの内、どのような化学構造の化合物が ルココルチコイド受容体アゴニスト作用を するか、すなわち、置換オキシ基を有する2, 2,4-トリメチル-6-フェニル-1,2-ジヒドロキノリ ン誘導体がグルココルチコイド受容体アゴニ スト作用を有するかどうかについての具体的 な開示は全くされていない。

特開2002-193955号公報

国際公開第04/018429号パンフレット

特表平10-0510840号公報

国際公開第06/019716号パンフレット

総合臨床,54(7),1951-2076(2005) 南山堂 医学大辞典 第17版,1038-1040頁

 置換オキシ基を有する2,2,4-トリメチル-6- ェニル-1,2-ジヒドロキノリン誘導体の新た 薬理作用を見出すことは非常に興味深い課 である。

 そこで、本発明者等は置換オキシ基を有 る2,2,4-トリメチル-6-フェニル-1,2-ジヒドロ ノリン誘導体の新たな薬理作用を見出す為 鋭意研究した結果、置換オキシ基を有する2, 2,4-トリメチル-6-フェニル-1,2-ジヒドロキノリ ン誘導体がグルココルチコイド受容体に対し て、優れたアゴニスト活性を有し、炎症性疾 患の予防又は治療剤として有用であることを 見出した。

 また、置換オキシ基を有する2,2,4-トリメ ル-6-フェニル-1,2-ジヒドロキノリン誘導体 眼炎症性疾患モデル(マウスアレルギー性結 炎モデル、ラット脈絡膜血管新生モデル又 ラット角膜障害モデル)に点眼投与したとこ ろ、それらの疾患モデルに対して、優れた抑 制効果(各々、血管透過性亢進阻害効果、脈 膜血管新生阻害効果、角膜障害改善効果)を めた。

 さらにこの誘導体は、マウスアトピー性 膚炎モデルにおいても、優れた血管透過性 進阻害効果を認め、この誘導体が眼炎症性 患又は皮膚炎の予防又は治療剤として特に 用であることを見出し、本発明を完成させ 。

 本発明における置換オキシ基を有する2,2,4- リメチル-6-フェニル-1,2-ジヒドロキノリン 導体とは、下記一般式(1)で表される化合物 はその塩(以下、「本化合物」とする)を意味 し、本化合物からなるグルココルチコイド受 容体アゴニスト及びそのグルココルチコイド 受容体アゴニストの少なくとも1つを有効成 として含有する医薬組成物が本発明であり 好ましくは、そのグルココルチコイド受容 アゴニストの少なくとも1つを有効成分とし 含有する炎症性疾患の予防又は治療剤、よ 好ましくは、そのグルココルチコイド受容 アゴニストの少なくとも1つを有効成分とし て含有する眼炎症性疾患又は皮膚炎の予防又 は治療剤が本発明である。

[R 1 は下記一般式(2a)、(3a)、(4a)又は(5a)を示し;

R 2 は-(CO)-R 8 、-(CO)O-R 9 、-(SO)-R 10 、-(SO 2 )-R 11 又は-(CO)NR 12 R 13 を示し;
R 2 -O-は、ベンゼン環Aの4又は5位に置換し;
R 3 は低級アルキル基を示し;
R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低 級アルキル基、低級アルケニル基、低級アル キニル基、低級アルコキシ基、ニトロ基又は ホルミル基を示し;
m、n、p又はqは、0、1又は2を示し;
m、n、p又はqが2を示す場合、各R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は同一又は異なっていてもよく;
R 8 、R 9 、R 10 又はR 11 は、置換基を有してもよい低級アルキル基、 低級アルケニル基、低級シクロアルキル基、 置換基を有してもよいアリール基又は置換基 を有してもよい複素環基を示し;
R 12 及びR 13 は同一又は異なって、水素原子、置換基を有 してもよい低級アルキル基、置換基を有して もよいアリール基又は複素環基を示す。以下 、同じ。] 

 本明細書中で使用される文言(原子、基等) 定義について以下に詳しく説明する。また 以下の文言の定義が別の文言の定義に準用 れる場合、各定義の好ましい範囲及び特に ましい範囲も準用する。

 「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、 素又はヨウ素原子を示す。

 「低級アルキル基」とは、炭素原子数が1 ~8個、好ましくは1~6個の直鎖又は分枝のアル ル基を示す。

 具体例として、メチル、エチル、n-プロ ル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘ プチル、n-オクチル、イソプロピル、イソブ ル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル 等が挙げられる。

 「低級アルケニル基」とは、炭素原子数 2~8個、好ましくは2~6個の直鎖又は分枝のア ケニル基を示す。具体例として、ビニル、 ロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセ ル、ヘプテニル、オクテニル、イソプロペ ル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチル-2-ブテ ニル基等が挙げられる。

 「低級アルキニル基」とは、炭素原子数 2~8個、好ましくは2~6個の直鎖又は分枝のア キニル基を示す。具体例として、エチニル プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキ ニル、ヘプチニル、オクチニル、イソブチ ル、イソペンチニル基等が挙げられる。

 「低級シクロアルキル基」とは、炭素原 数が3~10個、好ましくは3~8個のシクロアルキ ル基を示す。具体例として、シクロプロピル 、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ キシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、 シクロノナニル又はシクロデカニル基が挙げ られる。

 「アリール基」とは、炭素原子数が6~14個 の単環式芳香族炭化水素基又は2環式若しく 3環式の縮合多環式芳香族炭化水素から水素1 原子を除いた残基を示す。具体例として、フ ェニル、ナフチル、アントリル、フェナント リル基等が挙げられ、特にフェニルが好まし い。

 「複素環」とは、窒素原子、酸素原子及 硫黄原子から選択される1又は複数個のヘテ ロ原子を環内に有する飽和若しくは不飽和単 環式複素環(好ましくは,1若しくは2個のヘテ 原子を環内に有する、炭素原子数3~5個の飽 若しくは不飽和単環式複素五又は六員環)又 2環式若しくは3環式の縮合多環式複素環(好 しくは,1若しくは2個のヘテロ原子を環内に する、炭素原子数7~13個の2環式若しくは3環 の縮合多環式複素環)を示す。

 「飽和単環式複素環」の具体例として、 素原子を環内に有するピロリジン、ピラゾ ジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、 ペリジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキ ヒドロピリミジン、ピペラジン、ホモピペ ジン、ホモピペラジン環等が、酸素原子を 内に有するテトラヒドロフラン、テトラヒ ロピラン環等が、硫黄原子を環内に有する トラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオ ラン環等が、窒素原子と酸素原子を環内に するオキサゾリジン、イソオキサゾリジン モルホリン環等が、窒素原子と硫黄原子を 内に有するチアゾリジン、イソチアゾリジ 、チオモルホリン環等が挙げられる。

  また、それらの飽和単環式複素環はベ ゼン環等と縮合してジヒドロインドール、 ヒドロインダゾール、ジヒドロベンゾイミ ゾール、テトラヒドロキノリン、テトラヒ ロイソキノリン、テトラヒドロシンノリン テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロキ ゾリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒ ロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラ 、クロマン、イソクロマン、ジヒドロベン チオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェ 、チオクロマン、イソチオクロマン、ジヒ ロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾイ オキサゾール、ジヒドロベンゾオキサジン ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベン イソチアゾール、ジヒドロベンゾチアジン キサンテン、4a-カルバゾール、ペリミジン 等の2環式又は3環式の縮合多環式複素環を形 成してもよい。

 「不飽和単環式複素環」の具体例として 窒素原子を環内に有するジヒドロピロール ピロール、ジヒドロピラゾール、ピラゾー 、ジヒドロイミダゾール、イミダゾール、 ヒドロトリアゾール、トリアゾール、テト ヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ピリ ン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピ ダジン、ピリダジン、テトラヒドロピリミ ン、ジヒドロピリミジン、ピリミジン、テ ラヒドロピラジン、ジヒドロピラジン、ピ ジン環等が、酸素原子を環内に有するジヒ ロフラン、フラン、ジヒドロピラン、ピラ 環等が、硫黄原子を環内に有するジヒドロ オフェン、チオフェン、ジヒドロチオピラ 、チオピラン環等が、窒素原子と酸素原子 環内に有するジヒドロオキサゾール、オキ ゾール、ジヒドロイソオキサゾール、イソ キサゾール、ジヒドロオキサジン、オキサ ン環等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有 るジヒドロチアゾール、チアゾール、ジヒ ロイソチアゾール、イソチアゾール、ジヒ ロチアジン、チアジン環等が挙げられる。

 また、それらの不飽和単環式複素環はベ ゼン環等と縮合してインドール、インダゾ ル、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾ ル、ジヒドロキノリン、キノリン、ジヒド イソキノリン、イソキノリン、フェナント ジン、ジヒドロシンノリン、シンノリン、 ヒドロフタラジン、フタラジン、ジヒドロ ナゾリン、キナゾリン、ジヒドロキノキサ ン、キノキサリン、ベンゾフラン、イソベ ゾフラン、クロメン、イソクロメン、ベン チオフェン、イソベンゾチオフェン、チオ ロメン、イソチオクロメン、ベンゾオキサ ール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオ サジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチ ゾール、ベンゾチアジン、フェノキサンチ 、カルバゾール、β-カルボリン、フェナン リジン、アクリジン、フェナントロリン、 ェナジン、フェノチアジン、フェノキサジ 環等の2環式又は3環式の縮合多環式複素環 形成してもよい。

 尚、前記の「複素環」の内、ピペリジン モルホリン、イミダゾール、ピリジン、ピ ミジン、フラン、チオフェン、オキサゾー 又はチアゾール環が好ましい。

 「複素環基」とは、前記複素環から水素1 原子を除いた残基を示す。

 「低級アルコキシ基」とは、ヒドロキシ の水素原子が低級アルキル基で置換された を示す。具体例として、メトキシ、エトキ 、n-プロポキシ、n-ブトキシ、n-ペントキシ n-ヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、n-オ チルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキ 、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペント シ基等が挙げられる。

 「低級アルキルチオ基」とは、メルカプ 基の水素原子が低級アルキル基で置換され 基を示す。具体例として、メチルチオ、エ ルチオ、n-プロピルチオ、n-ブチルチオ、n- ンチルチオ、n-ヘキシルチオ、n-ヘプチルチ オ、n-オクチルチオ、イソプロピルチオ、イ ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチ 、イソペンチルチオ基等が挙げられる。

 「低級アルキルカルボニル基」とは、ホ ミル基の水素原子が低級アルキル基で置換 れた基を示す。具体例としてメチルカルボ ル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボ ル、n-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボ ル、n-ヘキシルカルボニル、n-ヘプチルカル ボニル、n-オクチルカルボニル、イソプロピ カルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブ チルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、イ ペンチルカルボニル基等が挙げられる。

 「低級アルコキシカルボニル基」とは、 ルミル基の水素原子が低級アルコキシ基で 換された基を示す。具体例として、メトキ カルボニル、エトキシカルボニル、n-プロ キシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、n- ントキシカルボニル、n-ヘキシルオキシカ ボニル、n-ヘプチルオキシカルボニル、n-オ チルオキシカルボニル、イソプロポキシカ ボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブト キシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、 ソペントキシカルボニル基等が挙げられる

 「低級アルキルカルボニルオキシ基」と 、ヒドロキシ基の水素原子が低級アルキル ルボニル基で置換された基を示す。具体例 してメチルカルボニルオキシ、エチルカル ニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ n-ブチルカルボニルオキシ、n-ペンチルカル ニルオキシ、n-ヘキシルカルボニルオキシ n-ヘプチルカルボニルオキシ、n-オクチルカ ボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオ シ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチ ルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニル キシ、イソペンチルカルボニルオキシ基等 挙げられる。

 「置換基を有してもよい低級アルキル基」 は、下記、α 1 群から選択される1又は複数個の置換基を有 てもよい、好ましくはα 2 群から選択される1又は複数個の置換基を有 てもよい「低級アルキル基」を示す。

1 群]
ハロゲン原子、低級シクロアルキル基、アリ ール基、複素環基、低級アルコキシ基及び-NR a R b

2 群]
ハロゲン原子、アリール基、複素環基、低級 アルコキシ基及び-NR a R b

「置換基を有してもよいアリール基」及び/ は「置換基を有してもよい複素環基」とは 下記、β 1 群から選択される1又は複数個の置換基を有 てもよい、好ましくはβ 2 群から選択される1又は複数個の置換基を有 てもよい「アリール基」及び/又は「複素環 」を示す。

1 群]
ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ 基、低級アルコキシ基、メルカプト基、低級 アルキルチオ基、ホルミル基、低級アルキル カルボニル基、カルボキシ基、低級アルコキ シカルボニル基、低級アルキルカルボニルオ キシ基、ニトロ基及びシアノ基。

2 群]
ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコ キシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキル カルボニル基、低級アルコキシカルボニル基 、低級アルキルカルボニルオキシ基、ニトロ 基及びシアノ基。

尚、前記「-NR a R b 」のR a 及びR b は、同一又は異なって、下記γ 1 群から選択される置換基を、好ましくはγ 2 群から選択される置換基を示す。

1 群]
水素原子、低級アルキル基及び低級アルコキ シカルボニル基。

2 群]
水素原子及び低級アルキル基。

 本発明でいう「複数個の基」とは、夫々 基が同一であっても異なってもよく、置換 る部位において2個以上、置換可能な数以下 の個数の基を示し、その個数は2又は3個の場 が好ましく、2個の場合が特に好ましい。

 また、本発明において、水素原子やハロ ン原子も「基」の概念に含まれる。

 本発明でいう「グルココルチコイド受容 アゴニスト」とは、グルココルチコイド受 体と結合することにより、完全アゴニスト 用又は部分アゴニスト作用を発現するもの いう。

 本発明でいう「予防又は治療剤」とは、 病の予防及び/又は治療の為の薬剤を意味す る。

 また、本発明の「グルココルチコイド受 体アゴニスト」の医薬用途としては、グル コルチコイド受容体アゴニストで予防又は 療可能な疾患であれば、特に制限はなく、 常、糖質ステロイド類で治療可能な疾患の べてに適用することができる。

 例えば、慢性副腎皮質機能不全(原発性、 続発性、下垂体性、医原性)、急性副腎皮質 能不全(副腎クリーゼ)、副腎性器症候群、亜 急性甲状腺炎、甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒 )クリーゼ〕、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突 症、ACTH単独欠損症、特発性低血糖症等の内 分泌疾患; エリテマトーデス(全身性及び慢 円板状)、全身性血管炎(大動脈炎症候群、結 節性動脈周囲炎、多発性動脈炎、ヴェゲナ肉 芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)、強皮 症等の膠原病;ネフローゼ、ネフローゼ症候 等の腎疾患; うっ血性心不全等の心疾患;気 支喘息、喘息性気管支炎(小児喘息性気管支 炎を含む)、薬剤その他の化学物質によるア ルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病 等のアレルギー性疾患;紫斑病(血小板減少性 び血小板非減少性)、再生不良性貧血、白血 病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転 、慢性リンパ性白血病、皮膚白血病を含む) 溶血性貧血、顆粒球減少症等の血液疾患;潰 瘍性大腸炎、限局性腸炎、重症消耗性疾患の 全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)等 消化器疾患;劇症肝炎、胆汁うっ滞型急性肝 炎、慢性肝炎、肝硬変等の肝疾患;サルコイ ーシス、びまん性間質性肺炎(肺線維症、放 線肺臓炎を含む)等の肺疾患;重症感染症;肺 核、結核性髄膜炎、結核性胸膜炎、結核性 膜炎、結核性心のう炎等の 結核性疾患;脳 髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)、末梢神経炎(ギ ンバレー症候群を含む)、筋強直症、重症筋 無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、 舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎等の 経疾患;悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網 腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉 )及び類似疾患(近縁疾患)、好酸性肉芽腫、 癌の再発転移等の悪性腫瘍;抗悪性腫瘍剤(シ スプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心・ 吐);副腎摘除、副腎皮質機能不全患者に対 る外科的侵襲、侵襲後肺水腫、臓器・組織 植、蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む)、 原因不明の発熱等の外科疾患;卵管整形術後 癒着防止等の産婦人科疾患;前立腺癌、陰茎 結等の泌尿器科疾患;急性・慢性中耳炎、滲 出性中耳炎・耳管狭窄症、メニエル病及びメ ニエル症候群、急性感音性難聴、血管運動( 経)性鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草 熱)、進行性壊疽性鼻炎、喉頭炎・喉頭浮腫 耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法、嗅覚障 、急性・慢性(反復性)唾液腺炎等の耳鼻咽喉 科疾患;難治性口内炎及び舌炎等の口腔外科 患;リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リ マチ性多発筋痛、強直性脊椎炎(リウマチ性 椎炎)等のリウマチ性疾患、下記、炎症性疾 患等が挙げられる。

 本発明でいう「炎症性疾患」とは、炎症 伴う疾患であれば、特に制限はない。

 例えば、炎症性の骨・関節疾患、眼炎症 疾患、喘息、気管支炎、鼻炎、皮膚炎、炎 性腸疾患等が挙げられ、好ましくは、炎症 の骨・関節疾患、眼炎症性疾患、皮膚炎が げられる。

 この時、「炎症性の骨・関節疾患」とは 関節部において炎症を伴う疾患であれば、 に制限はない。例えば、関節リウマチ、若 性関節リウマチ(スチル病を含む)変形性関 症、骨粗鬆症、脊椎関節炎等が挙げられ、 ましくは関節リウマチ又は変形性関節症が げられる。

 また、「眼炎症性疾患」とは、眼部にお て炎症を伴う疾患であれば、特に制限はな 。例えば、前眼部炎症性疾患であれば、角 炎、角結膜炎、結膜炎、眼瞼炎、眼球乾燥 候群(「ドライアイ」とも呼ばれる)、アレ ギー性結膜炎、前部ぶどう膜炎、前眼部の 術後炎症、眼組織移植拒絶反応による炎症 が、好ましくは、眼球乾燥症候群(「ドライ イ」とも呼ばれる)又はアレルギー性結膜炎 が挙げられる。また、後眼部炎症性疾患であ れば、加齢黄斑変性(初期加齢黄斑変性、萎 型加齢黄斑変性及び/又は滲出型加齢黄斑変 )、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、血管新 生黄斑症、突発性黄斑上膜、増殖性硝子体網 膜症、網膜色素変性症、網膜中心静脈閉塞症 、網膜中心動脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症 、網膜動脈分枝閉塞症、網膜剥離や外傷を起 因とした炎症や変性、後眼部の手術後炎症、 網膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎、視神経炎等が 、好ましくは、加齢黄斑変性(初期加齢黄斑 性、萎縮型加齢黄斑変性及び/又は滲出型加 黄斑変性)、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫 、血管新生黄斑症、突発性黄斑上膜、増殖性 硝子体網膜症、網膜色素変性症、網膜中心静 脈閉塞症、網膜中心動脈閉塞症、網膜静脈分 枝閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症、網膜剥離や 外傷を起因とした炎症や変性、網膜炎等の網 膜疾患が、特に好ましくは、加齢黄斑変性、 糖尿病網膜症又は糖尿病黄斑浮腫が挙げられ る。

 さらに、「皮膚炎」とは、皮膚において 症を伴う疾患であれば、特に制限はない。 えば、湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿 疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自 家感作性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乳・幼 ・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮 膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、そ の他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹 、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及 び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎等)、痒疹群(小児 トロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を む)、蕁麻疹、乾癬及び類症(尋常性乾癬(重 例)、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性 乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ラ イター症候群)、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、成 性浮腫性硬化症、紅斑症(多形滲出性紅斑、 節性紅斑)、アナフィラクトイド紫斑(単純 、シェーンライン型、ヘノッホ型)、ウェー ークリスチャン病、粘膜皮膚眼症候群(開口 部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン 病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェ ット病、リップシュッツ急性陰門潰瘍)、レ ノー病、円形脱毛症、天疱瘡群(尋常性天疱 、葉状天疱瘡、Senear‐Usher症候群、増殖性 疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡 、妊娠性疱疹を含む)、先天性表皮水疱症、 状疱疹、紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)、 顔面播種状粟粒性狼瘡、アレルギー性血管炎 及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含 )、潰瘍性慢性膿皮症、新生児スクレレーマ の皮膚科疾患が、好ましくは、湿疹・皮膚 群、痒疹群、蕁麻疹、乾癬及び類症又はア ピー性皮膚炎が、特に好ましくはアトピー 皮膚炎が挙げられる。

 本発明でいう「免疫疾患」とは、免疫が 与する疾患であれば、特に制限はなく、特 「自己免疫疾患」が挙げられる。

 本化合物における「塩」とは、医薬とし 許容される塩であれば、特に制限はなく、 酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫 、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル 、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石 、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト 、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンス ホン酸、乳酸、馬尿酸、1,2-エタンジスルホ ン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレ イン酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステ アリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタン スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエ スルホン酸、硫酸ラウリルエステル、硫酸 チル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリ ル酸等の有機酸との塩、臭化メチル、ヨウ メチル等との四級アンモニウム塩、臭素イ ン、塩素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲ イオンとの塩、リチウム、ナトリウム、カ ウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩 鉄、亜鉛等との金属塩、アンモニアとの塩 トリエチレンジアミン、2-アミノエタノー 、2,2-イミノビス(エタノール)、1-デオキシ-1- (メチルアミノ)-2-D-ソルビトール、2-アミノ-2- (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、 ロカイン、N,N-ビス(フェニルメチル)-1,2-エタ ンジアミン等の有機アミンとの塩等が挙げら れる。

 本化合物に幾何異性体又は光学異性体が 在する場合は、それらの異性体も本発明の 囲に含まれる。また、本化合物は水和物又 溶媒和物の形態をとっていてもよい。

 本化合物にプロトン互変異性が存在する 合には、それらの互変異性体も本発明に含 れる。

 本化合物に結晶多形及び結晶多形群(結晶 多形システム)が存在する場合には、それら 結晶多形体及び結晶多形群(結晶多形システ )も本発明に含まれる。ここで、結晶多形群 (結晶多形システム)とは、それら結晶の製造 晶出、保存等の条件及び状態(尚、本状態に は製剤化した状態も含む)により、結晶形が 化する場合の各段階における個々の結晶形 びその過程全体を意味する。

(A)本化合物の例として、一般式(1)で示される 化合物又はその塩において、各基が以下に示 す基である化合物又はその塩が挙げられる。


(A1)R 1 は下記一般式(2a)、(3a)、(4a)又は(5a)を示し;及 /又は

(A2)R 2 は-(CO)-R 8 、-(CO)O-R 9 、-(SO)-R 10 、-(SO 2 )-R 11 又は-(CO)NR 12 R 13 を示し;及び/又は
(A3)R 2 -O-は、ベンゼン環Aの4又は5位に置換し;及び/ は
(A4)R 3 は低級アルキル基を示し;及び/又は
(A5)R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低 級アルキル基、低級アルケニル基、低級アル キニル基、低級アルコキシ基、ニトロ基又は ホルミル基を示し;及び/又は
(A6)m、n、p又はqは、0、1又は2を示し;及び/又
(A7)m、n、p又はqが2を示す場合、各R 4 、R 5 、R 6 又はR 7 は同一又は異なっていてもよく;及び/又は 
(A8)R 8 、R 9 、R 10 又はR 11 は、置換基を有してもよい低級アルキル基、 低級アルケニル基、低級シクロアルキル基、 置換基を有してもよいアリール基又は置換基 を有してもよい複素環基を示し;及び/又は
(A9)R 12 及びR 13 は同一又は異なって、水素原子、置換基を有 してもよい低級アルキル基、置換基を有して もよいアリール基又は複素環基を示す。

 すなわち、一般式(1)で示される化合物又 その塩において、上記(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、 (A5)、(A6)、(A7)、(A8)及び(A9)から選択される1又 は2以上の各組み合わせからなる化合物又は の塩。

(B)本化合物の好ましい例として、一般式(1) で示される化合物又はその塩において、各基 が以下に示す基である化合物又はその塩が挙 げられる。

(B1)R 1 が下記一般式(2a)、(3a)、(4a)又は(5a)を示し;及 /又は

(B2)R 2 が-(CO)-R 8 、-(CO)O-R 9 、-(SO)-R 10 、-(SO 2 )-R 11 又は-(CO)NR 12 R 13 を示し;及び/又は
(B3)R 2 -O-がベンゼン環Aの4又は5位に置換し;及び/又
(B4)R 3 が低級アルキル基を示し;及び/又は
(B5)R 4 がハロゲン原子、低級アルキル基、低級アル コキシ基又はニトロ基を示し;及び/又は
(B6)R 5 がハロゲン原子、低級アルキル基又は低級ア ルコキシ基を示し;及び/又は
(B7)R 6 がハロゲン原子、低級アルキル基又は低級ア ルコキシ基を示し;及び/又は
(B8)R 7 がハロゲン原子又は低級アルキル基を示し; び/又は
(B9)m、n又はpが1又は2を示し;及び/又は
(B10)m、n又はpが2を示す場合、各R 4 、R 5 又はR 6 は同一又は異なっていてもよく;及び/又は
(B11)qが1を示し;及び/又は
(B12)R 8 が置換基を有してもよい低級アルキル基、低 級アルケニル基、低級シクロアルキル基、置 換基を有してもよいアリール基又は置換基を 有してもよい複素環基を示し;及び/又は
(B13)R 9 が置換基を有してもよい低級アルキル基又は 置換基を有してもよいアリール基を示し;及 /又は
(B14)R 10 又はR 11 が、置換基を有してもよい低級アルキル基又 は低級シクロアルキル基を示し;及び/又は
(B15)R 12 及びR 13 が同一又は異なって、水素原子、置換基を有 してもよい低級アルキル基、置換基を有して もよいアリール基又は複素環基を示す。

 すなわち、一般式(1)で示される化合物又 その塩において、上記(B1)、(B2)、(B3)、(B4)、 (B5)、(B6)、(B7)、(B8)、(B9)、(B10)、(B11)、(B12)、( B13)、(B14)及び(B15)から選択される1又は2以上 各組み合わせからなる化合物又はその塩。

 (C)本化合物におけるR 1 の好ましい例として、一般式(1)において、R 1 が下記一般式(2a-1)、(2a-2)、(2a-3)、(3a-1)、(3a-2) 、(4a-1)、(4a-2)、(4a-3)、(5a-1)又は(5a-2)を示す場 合が挙げられ、

 より好ましくは、R 1 が下記一般式(2a-1)、(2a-2)、(2a-3)、(3a-1)、(3a-2) 、(4a-2)又は(5a-1)を示す場合が挙げられる。

 尚、この条件(C)と前記(A)及び/又は(B)の条 件を充足する化合物又はその塩が特に好まし い。

 (D)本化合物におけるR 2 の好ましい例として、一般式(1)において、R 2 が-(CO)-R 8 、-(SO 2 )-R 11 又は-(CO)NR 12 R 13 を示す場合が挙げられ、より好ましくは、R 2 が-(CO)-R 8 又は-(SO 2 )-R 11 を示す場合が挙げられ、さらに好ましくはR 2 が-(CO)-R 8 を示す場合が挙げられる。

 尚、この条件(D)と前記(A)及び/又は(B)の条 件を充足する化合物又はその塩が特に好まし い。

 (E)本化合物におけるR 3 の好ましい例として、一般式(1)において、R 3 がメチル基を示す場合が挙げられる。

 尚、この条件(E)と前記(A)及び/又は(B)の条 件を充足する化合物又はその塩が特に好まし い。

 (F)本化合物におけるR 2 -O-の好ましい置換位置として、一般式(1)にお いて、R 2 -O-がベンゼン環Aの4位に置換している場合が げられる。

 尚、この条件(F)と前記(A)及び/又は(B)の条 件を充足する化合物又はその塩が特に好まし い。

 (G)本化合物の好ましい具体例として、以 の化合物又はその塩が挙げられる。

・6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2- トキシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミ メチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリ ン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシベンゾイルオキシ )フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノ ン。

・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキ シフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキ メチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリ 。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニル キシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ キノリン。

・6-(4-ブチリルオキシ-2-メトキシフェニル) -5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2, 4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(チオフェン-3-イルカルボニ オキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド ロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メト シフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-(4-イソブチリルオキシ-2-メトキシフェニル )-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-(2-メトキシ-4-フェニルアセトキシフェニル )-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[5-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メト シフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-(2-メトキシ-5-プロピオニルオキシフェニル )-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-5-(ピリジン-3-イルカルボニル キシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ キノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[4-(フラン-3-イルカルボニルオキシ)-2-メト シフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボニル キシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ キノリン。

・6-[4-(2-アセトキシベンゾイルオキシ)-2-メ トキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェ キシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ リン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(2-メチルチオベンゾイルオキ シ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ リン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(チアゾール-4-イルカルボニ オキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド ロキノリン。

・6-[4-(2-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メト キシフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノ シメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノ ン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(5-メチルフラン-2-イルカルボ ニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イルカル ボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2- ヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(3-メトキシカルボニルベンゾ イルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(6-メチルピリジン-3-イルカル ボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2- ヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカルボ ニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・6-(4-t-ブチルカルボニルオキシ-2-メトキ フェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシ チル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン 。

・6-[4-(2-クロロピリジン-4-イルカルボニル キシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-フルオロ-2- チルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2- ヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[4-(3-フルオロピリジン-4-イルカルボニルオ キシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1, 2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニ ルオキシ)フェニル]-5-(2-メチル-5-ニトロフェ キシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン。

・5-(2-メトキシ-5-ニトロフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(チオフェン-3-イルカルボニ オキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド ロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イル ルボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフ ニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ロキノリン。

・6-(4-ベンゾイルオキシ-2-メトキシフェニ )-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4- リメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[4-(フラン-3-イルカルボニルオキシ)-2- トキシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミ メチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリ ン。

・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-[2- メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキ )フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノ リン。

・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキ シフェニル]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェニル ミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ リン。

・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキ シフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメ ル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[4-(2-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メト キシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノ チル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン

・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-[2- メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボニルオキ )フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノ リン。

・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-[2- メトキシ-4-(チオフェン-2-イルカルボニルオ シ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメ ル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボ ルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメ ル)-6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2- トキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド ロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(3-メトキシカルボニルベ ゾイルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェ ルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド キノリン。

・6-[4-(4-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メト キシフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノ チル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン

・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルチオベンゾイル キシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミ メチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリ 。

・6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカ ボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェ ルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド キノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-3-イ カルボニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシ ェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメ ル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボ ルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメ ル)-6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イル カルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル -1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメ ル)-6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-3-イ ルカルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチ ル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメ ル)-6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカ ルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1, 2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(6-メチルピリジン-3-イル ルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオ ェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-ト リメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(4-メチルベンゾイルオキシメチル)-6-[2- メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオキ )フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノ リン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシベンゾイルオ シ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イル ルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2- ヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニ ルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2- ルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチ -1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2- トキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イ カルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1 ,2-ジヒドロキノリン。

・6-[4-(2-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキ シフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカ ボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・6-[4-(4-クロロベンゾイルオキシ)-2-メトキ シフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカ ボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・6-(4-ベンゾイルオキシ-2-メトキシフェニ )-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボニルオ キシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ リン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルベンゾイルオキ )フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカ ボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・6-[4-(2-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メト キシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イル ルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2- ヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(チオフェン-3-イルカルボ ニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン- 2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメ ル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[4-(フラン-3-イルカルボニルオキシ)-2- トキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イ カルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1 ,2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルチオベンゾイル キシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イ カルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1, 2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-メチルピリジン-3-イル ルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオ ェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-ト リメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(チアゾール-4-イルカルボ ニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン- 2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメ ル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-4-イルカルボニ ルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2- ルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチ -1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(4-メトキシベンゾイルオキシメチル)-6- [2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イルカルボニルオ シ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン。

・5-(5-ブロモチオフェン-2-イルカルボニル キシメチル)-6-[2-メトキシ-4-(ピリジン-3-イ カルボニルオキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチ -1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-ブロモチオフェン-2-イルカルボニル キシメチル)-6-[4-(フラン-2-イルカルボニル キシ)-2-メトキシフェニル]-2,2,4-トリメチル-1 ,2-ジヒドロキノリン。

・6-(4-イソプロピルカルボニルオキシ-2-メ キシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イル カルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2 -ジヒドロキノリン。

・6-[4-(2-アセトキシベンゾイルオキシ)-2-メ トキシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イ カルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1, 2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-3-イ カルボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチ フェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4- トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[4-(4-フルオロベンゾイルオキシ)-2-メト キシフェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イル ルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2- ヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(2-ニトロベンゾイルオキ )フェニル]-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカ ボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(3-メチルフラン-2-イルカ ボニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフ ン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリ メチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキシフ ェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリ 。

・6-(4-エチルスルホニルオキシ-2-メトキシ ェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメ チル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-(4-イソプロピルスルホニルオキシ-2-メトキ シフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ リン。

・6-(4-ブチルスルホニルオキシ-2-メトキシ ェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメ チル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン

・6-(4-シクロプロピルスルホニルオキシ-2- トキシフェニル)-5-(2-メトキシ-5-ニトロフェ ノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ ノリン。

・6-(4-エチルスルホニルオキシ-2-メトキシ ェニル)-5-(2-メチル-5-ニトロフェノキシメチ ル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキ フェニル)-5-(2-メチル-5-ニトロフェノキシメ チル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン

・6-(4-シクロプロピルスルホニルオキシ-2- トキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェ ノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ ノリン。

・5-(2-メトキシフェニルアミノメチル)-6-(2- メトキシ-4-プロピルスルホニルオキシフェニ ル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-(2-メトキシ-4-メチルスルホニルオキシ ェニル)-5-(2-メトキシフェニルアミノメチル )-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェニルアミノメ ル)-6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキ シフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ リン。

・6-[2-メトキシ-4-(3,3,3-トリフルオロプロピ ルスルホニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチ フェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4 -トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-(2-メトキシ-4-プロピルスルホニルオキ フェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカル ボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン。

・6-(4-イソプロピルスルホニルオキシ-2-メ キシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イル カルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2 -ジヒドロキノリン。

・6-(4-シクロペンチルスルホニルオキシ-2- トキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イ ルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル- 1,2-ジヒドロキノリン。

・6-(4-エチルスルホニルオキシ-2-メトキシ ェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イルカルボ ニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ロキノリン。

・6-(4-シクロプロピルスルホニルオキシ-2- トキシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イ ルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル- 1,2-ジヒドロキノリン。

・6-(4-ジメチルアミノカルボニルオキシ-2- トキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェ ノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ ノリン。

・6-[4-[N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-エチル アミノカルボニルオキシ]-2-メトキシフェニ ]-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2, 2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[2-メトキシ-4-(モルホリン-4-イルカルボ ニルオキシ)フェニル]-5-(5-メチルチオフェン- 2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメ ル-1,2-ジヒドロキノリン。

・6-[4-(4-クロロフェニルアミノカルボニル キシ)-2-メトキシフェニル]-5-(5-メチルチオ ェン-2-イルカルボニルオキシメチル)-2,2,4-ト リメチル-1,2-ジヒドロキノリン。

・5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル) -6-[2-メトキシ-4-(モルホリン-4-イルカルボニ オキシ)フェニル]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド ロキノリン。

・6-(4-ジメチルアミノカルボニルオキシ-2- トキシフェニル)-5-(2-メチル-5-ニトロフェノ キシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ リン。

・6-[2-メトキシ-4-(モリホリン-4-イルカルボ ニルオキシ)フェニル]-5-(2-メトキシフェニル ミノメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン。

6-(4-ジメチルアミノカルボニルオキシ-2-メ キシフェニル)-5-(5-メチルチオフェン-2-イル カルボニルオキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2 -ジヒドロキノリン。

 本化合物は、以下の方法により製造する とができる。尚、個々の具体的な製造方法 ついては、後述の実施例『製造例の項』で 細に説明する。また、これらの例示は本発 をよりよく理解するためのものであり、本 明の範囲を限定するものではない。尚、下 の合成経路中で示されているhalはハロゲン 子、Fmocは9-フルオレニルメトキシカルボニ 基を示す。

 本化合物(I)-(a)(一般式(1)においてR 2 が-(CO)-R 8 である化合物)、本化合物(I)-(b)(一般式(1)にお いてR 2 が-(CO)O-R 9 である化合物)、本化合物(I)-(c)(一般式(1)にお いてR 2 が-(SO 2 )-R 11 である化合物)、本化合物(I)-(d)(一般式(1)にお いてR 2 が-(CO)NR 12 R 13 である化合物)は合成経路1に従い合成するこ ができる。すなわち、化合物(II)を塩化メチ レン、ピリジン、テトラヒドロフラン(以下 「THF」とする)、N,N-ジメチルホルムアミド( 下、「DMF」とする)等の有機溶媒中、トリエ ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(以 下、「DIEA」とする)等の塩基存在下、対応す 酸ハロゲン化物(III)、(IV)、(V)、(VI)と、0℃ ら100℃で、10分間から2日間反応させること より本化合物(I)-(a)、(I)-(b)、(I)-(c)、(I)-(d)を ることができる。

 また本化合物(I)-(a)(一般式(1)においてR 2 が-(CO)-R 8 である化合物)は合成経路2に従い合成するこ もできる。すなわち、化合物(II)を塩化メチ レン、DMF等の有機溶媒中、トリエチルアミン 、DIEA等の塩基、N,N’-ジシクロヘキシルカル ジイミド、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1- ル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキ フルオロホスフェート等の縮合剤存在下、 応するカルボン酸(VII)と0℃から室温で、30 間から3日間反応させることにより本化合物( I)-(a)を得ることができる。

 本化合物(I)-(d)(一般式(1)においてR 2 が-(CO)NR 12 R 13 である化合物)は合成経路3に従い合成するこ もできる。すなわち、化合物(II)と1,1’-カ ボニルジイミダゾール(以下、「CDI」とする) をジクロロメタン、THF等の有機溶媒中、4-ジ チルアミノピリジン等の触媒存在下、室温 ら50℃で、30分間から12時間反応させた後、 らに対応するアミン(VIII)と室温から100℃で 30分から5時間反応させることにより、本化 物(I)-(d)を得ることができる。

 本化合物(I)-(e)(一般式(1)においてR 2 が-(CO)NR 12 R 13 、R 13 が水素原子である化合物)は合成経路4に従い 成することができる。すなわち、化合物(II) をジクロロメタン、THF、DMF等の有機溶媒中、 トリエチルアミン、DIEA等の塩基存在下、対 するイソシアネート(IX)と0℃から室温で、30 間から1日間反応させることにより本化合物 (I)-(e)を得ることができる。

 本化合物(I)-(f)(一般式(1)においてR 1 が基(3a)である化合物)は合成経路5に従い合成 することもできる。すなわち、合成経路1~4の 方法に従い化合物(X)にR 2 を導入した後、DMF、ジクロロメタン等の有機 溶媒中、ピペリジン等の塩基存在下、0℃か 50℃で、5分間から24時間処理することにより 、本化合物(I)-(f)を得ることができる。

 化合物(II)-(a)(化合物(II)においてR 1 が基(2a)である化合物)、化合物(II)-(b)(化合物( II)においてR 1 が基(3a)である化合物)、化合物(II)-(c)(化合物( II)においてR 1 が基(4a)である化合物)、化合物(II)-(d)(化合物( II)においてR 1 が基(5a)である化合物)は合成経路6に従い合成 することができる。すなわち、化合物(XI)と 化メタンスルホニルを塩化メチレン、DMF等 有機溶媒中、トリエチルアミン、DIEA等の塩 存在下、0℃から室温で、30分間から3日間反 応させることにより化合物(XII)が得られる。 られる化合物(XII)と対応するフェノール類(X III)、アニリン類(XIV)、安息香酸類(XV)もしく チオフェンカルボン酸類(XVI)をDMF、塩化メチ レン等の有機溶媒中、炭酸カリウム、DIEA、 素化ナトリウム等の塩基存在下、50℃から100 ℃で1時間から2日間反応させることにより化 物(XVII)-(a)~(XVII)-(d)が得られる。得られる化 物(XVII)-(a)~(XVII)-(d)を塩化メチレンや1,4-ジオ キサンなどの有機溶媒中、塩化水素やトリフ ルオロ酢酸等の酸で0℃から室温で1時間から2 日間処理することにより化合物(II)-(a)~(II)-(d) 得ることができる。

 化合物(II)-(a)(化合物(II)においてR 1 が基(2a)である化合物)、化合物(II)-(c)(化合物( II)においてR 1 が基(4a)である化合物)、化合物(II)-(d)(化合物( II)においてR 1 が基(5a)である化合物)は合成経路7に従い合成 することもできる。すなわち、化合物(XI)と 応するフェノール類(XIII)、安息香酸類(XV)も くはチオフェンカルボン酸類(XVI)をベンゼ 、THF等の有機溶媒中、トリフェニルホスフ ン、トリブチルホスフィン等のホスフィン ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソ ロピルアゾジカルボキシレート、1,1’-(アゾ ジカルボニル)ジピペリジン等の試薬存在下 室温で1時間から2日間反応させることにより 化合物(XVII)-(a)、(XVII)-(c)、(XVII)-(d)が得られる 。得られる化合物(XVII)-(a)、(XVII)-(c)、(XVII)-(d) を塩化メチレンや1,4-ジオキサンなどの有機 媒中、塩化水素やトリフルオロ酢酸等の酸 0℃から室温で1時間から2日間処理すること より化合物(II)-(a)、(II)-(c)、(II)-(d)を得るこ ができる。

 化合物(X)は合成経路8に従い合成することが できる。すなわち、(II)-(b)と塩化9-フルオレ ルメトキシカルボニルを1,4-ジオキサン、水 の溶媒中、炭酸水素ナトリウム等の塩基存 下、0℃から50℃で、1時間から24時間反応す ことにより、化合物(X)を得ることができる

 化合物(XI)は合成経路9に従い合成すること できる。すなわちボロン酸(XVIII)とハロゲン 合物やトリフレート化合物(XIX)をDMF、エタ ール、トルエン、水等の溶媒中、炭酸セシ ム、炭酸ナトリウムやリン酸カリウム等の 基と二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パ ラジウム(II)やテトラキス(トリフェニルホス ィン)パラジウム(0)等の触媒存在下、50℃か 120℃で、12時間から2日間反応させることに り化合物(XX)が得られる。得られる化合物(XX )を塩化メチレン、THF等の溶媒中、三臭化ホ 素や塩酸等の酸存在下、-78℃から室温で、1 間から1日間処理することにより化合物(XXI) 得られる。得られる化合物(XXI)をメタノー 、エタノール、1,4-ジオキサン、THF等の有機 媒中、水素雰囲気下、パラジウム炭素、二 化白金等の触媒存在下、室温で2時間から2 間処理することにより化合物(XXII)が得られ 。得られる化合物(XXII)をアセトン中、ヨウ 存在下、80℃から130℃で、24時間から5日間処 理することにより化合物(XXIII)が得られる。 られる化合物(XXIII)とクロロジメチルエーテ を塩化メチレン、DMF等の有機溶媒中、炭酸 リウム、トリエチルアミン、ジイソプロピ エチルアミン等のアミン存在下、反応させ ことにより化合物(XXIV)が得られる。得られ 化合物(XXIV)をジエチルエーテル、THF等の有 溶媒中、水素化リチウムアルミニウム等の 元剤の存在下、0℃から50℃で、1時間から1 間処理することにより、化合物(XXV)が得られ る。得られる化合物(XXV)と対応するハロゲン 化合物(XXVI)をDMF、エタノール等の有機溶媒 、炭酸カリウム、DIEA等の塩基存在下、室温 から100℃で、1時間から24時間反応させること により化合物(XI)を得ることができる。

 また、この詳細については、後述の実施 「薬理試験の項」で詳細に説明するが、ま 、グルココルチコイド受容体(以下、「GR」 もいう)競合アッセイキット(インビトロジ ン社製、Cat No.P2816)を使用した、偏光蛍光法 による受容体競合アッセイを実施し、本化合 物のGRに対する結合活性について検討した。 の結果、本化合物は、GRに対して、64%以上 GR結合率を示した。

 つぎに、本化合物のGRアゴニストとして 作用を評価するために、Lipopolysaccharide(以下 「LPS」とする)刺激後のヒト角膜上皮細胞株 におけるIL-6産生抑制作用を検討した。その 果、本化合物は優れたIL-6産生抑制作用を示 た。すなわち、本化合物はGRアゴニスト作 を有し、炎症性疾患の予防又は治療剤とし 有用である。

 また、本化合物の点眼投与による前眼部 症治療剤としての可能性を評価するため、 ウスアレルギー性結膜炎モデルに対する本 合物の色素漏出量抑制効果及びラット角膜 害モデルに対する本化合物の角膜障害の改 効果を検討した。その結果、本化合物は血 透過性亢進抑制作用及び角膜障害の改善効 を示した。すなわち、本化合物は前眼部炎 性疾患の予防又は治療剤、特にアレルギー 結膜炎及び眼球乾燥症候群(「ドライアイ」 とも呼ばれる)の予防又は治療剤として有用 ある。

 また、本化合物の後眼部炎症性疾患の予 又は治療剤としての可能性を評価するため ラット脈絡膜血管新生モデルに対する本化 物の点眼投与による脈絡膜血管新生阻害効 を検討した。その結果、本化合物は新生血 抑制作用を示した。すなわち、本化合物は 眼部炎症性疾患の予防又は治療剤、特に加 黄斑変性や糖尿病網膜症等の網膜疾患の予 又は治療剤として有用である。

 さらに、本化合物の皮膚炎の予防又は治 剤としての可能性を評価するため、マウス トピー性皮膚炎モデルに対する本化合物の 布投与による血管透過性亢進抑制効果を検 した。その結果、本化合物は本モデルにお ても、血管透過性亢進抑制作用を示した。 なわち、本化合物は皮膚炎の予防又は治療 、特にアトピー性皮膚炎の予防又は治療剤 して有用である。

 以上の薬理試験より、本化合物は、GRア ニスト、そのGRアゴニストの少なくとも1つ 有効成分として含有する医薬組成物、そのGR アゴニストの少なくとも1つを有効成分とし 含有する炎症性疾患又は免疫疾患の予防又 治療剤、そのGRアゴニストの少なくとも1つ 有効成分として含有する眼炎症性疾患又は 膚炎の予防又は治療剤等として有用である

 本化合物は経口でも、非経口でも投与す ことができる。投与剤型として、錠剤、カ セル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、点眼剤、 剤、経皮吸収製剤、軟膏剤、エアゾール剤( 吸入剤含む)等が挙げられ、それらは汎用さ る技術を使用して製剤化することができる

 例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散 等の経口剤は、乳糖、マンニトール、デン ン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、炭 カルシウム、リン酸水素カルシウム等の賦 剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシ ム、タルク等の滑沢剤、デンプン、ヒドロ シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ メチルセルロース、ポリビニルピロリドン の結合剤、カルボキシメチルセルロース、 置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロー 、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ヒドロ シプロピルメチルセルロース、マクロゴー 、シリコーン樹脂等のコーティング剤、パ オキシ安息香酸エチル、ベンジルアルコー 等の安定化剤、甘味料、酸味料、香料等の 味矯臭剤等を必要に応じて、必要量を使用 、調製することができる。

 また、注射剤、点眼剤等の非経口剤は、 化ナトリウム、濃グリセリン、プロピレン リコール、ポリエチレングリコール、塩化 リウム、ソルビトール、マンニトール等の 張化剤、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナ リウム、酢酸ナトリウム、クエン酸,氷酢酸 、トロメタモール等の緩衝化剤、ポリソルベ ート80、ステアリン酸ポリオキシ40、ポリオ シエチレン硬化ヒマシ油60等の界面活性剤、 クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等 の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベ ン、塩化ベンゾトニウム、パラオキシ安息香 酸エステル、安息香酸ナトリウム、クロロブ タノール、ソルビン酸等の防腐剤、塩酸、ク エン酸、リン酸、氷酢酸、水酸化ナトリウム 、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の pH調整剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤 を必要に応じて、必要量を使用し、調製す ことができる。

 本化合物の投与量は、症状、年齢、剤型 により適宜選択して使用することができる 例えば、経口剤は通常1日当たり0.01~1000mg、 ましくは1~100mgを1回又は数回に分けて投与 ることができる。また、点眼剤は通常0.0001%~ 10%(w/v)、好ましくは0.01%~5%(w/v)の濃度のものを 1回又は数回に分けて投与することができる

 本発明は医薬として有用な、本化合物か なるグルココルチコイド受容体アゴニスト そのグルココルチコイド受容体アゴニスト 少なくとも1つを有効成分として含有する医 薬組成物、そのグルココルチコイド受容体ア ゴニストの少なくとも1つを有効成分として 有する炎症性疾患の予防又は治療剤及びそ グルココルチコイド受容体アゴニストの少 くとも1つを有効成分として含有する眼炎症 疾患又は皮膚炎の予防又は治療剤を提供す 。

 特に本発明のグルココルチコイド受容体 ゴニストは眼炎症性疾患又は皮膚炎の予防 は治療剤として有用であり、角膜炎、角結 炎、結膜炎、眼瞼炎、眼球乾燥症候群(「ド ライアイ」とも呼ばれる)、アレルギー性結 炎、前部ぶどう膜炎、前眼部の手術後炎症 眼組織移植拒絶反応による炎症等の前眼部 症性疾患、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、 尿病黄斑浮腫、血管新生黄斑症、突発性黄 上膜、増殖性硝子体網膜症、網膜色素変性 、網膜中心静脈閉塞症、網膜中心動脈閉塞 、網膜静脈分枝閉塞症、網膜動脈分枝閉塞 、網膜剥離や外傷を起因とした炎症や変性 後眼部の手術後炎症、網膜炎、ぶどう膜炎 強膜炎、視神経炎等の後眼部炎症性疾患お び/又は湿疹・皮膚炎群、痒疹群、蕁麻疹、 癬及び類症、アトピー性皮膚炎等の皮膚炎 予防又は治療剤として有用である。

 以下に本化合物の製造例、製剤例及び薬 試験の結果を示す。尚、これらの例示は本 明をよりよく理解するためのものであり、 発明の範囲を限定するものではない。

[製造例]
参考例1
5-ヒドロキシメチル-6-(2-メトキシ-4-メトキシ トキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド ロキノリン(参考化合物1-1)
2-(2,4-ジメトキシフェニル)-5-ニトロ安息香酸 チル(参考化合物1-1-(1))
 2,4-ジメトキシフェニルボロン酸(25.0g、137mmo l)、2-ブロモ-5-ニトロ安息香酸メチル(35.7g、13 7mmol)、炭酸セシウム(89.4g、274mmol)及び二塩化 ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)( 4.81g、6.85mmol)の混合物をN,N-ジメチルホルムア ミド(450mL)に懸濁し、アルゴン窒素雰囲気下 80℃で一晩攪拌した。放冷後、酢酸エチル(20 0mL)、ジエチルエーテル(400mL)及び水(1000mL)を えて分配した。水層を酢酸エチル(150mL)-ジエ チルエーテル(150mL)の混合溶媒で抽出(2回)し 。有機層を合わせて、水(500mL、3回)及び飽和 食塩水(500mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネ ウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去すること より標記参考化合物を褐色油状物として得 。(定量的)

3-ヒドロキシ-8-ニトロベンゾ[c]クロメン-6-オ (参考化合物1-1-(2))
 2-(2,4-ジメトキシフェニル)-5-ニトロ安息香 メチル(参考化合物1-1-(1)、43.5g、137mmol)の無 塩化メチレン(250mL)溶液を-78℃に冷却し、三 化ホウ素(96.2g、384mmol)を滴下後、室温で1時 攪拌した。-50℃に冷却し、メタノール(300mL) を加えた。析出物をメタノールでろ取するこ とにより標記参考化合物(18.0g)を黄色固体と て得た。(収率51%)

8-アミノ-3-ヒドロキシベンゾ[c]クロメン-6-オ (参考化合物1-1-(3))
 3-ヒドロキシ-8-ニトロベンゾ[c]クロメン-6- ン(参考化合物1-1-(2)、52.01g、202mmol)をメタノ ル(150mL)-N,N-ジメチルホルムアミド(600mL)に溶 解し、10%パラジウム-炭素(5.00g)を加え、加圧( 3kgf/cm 2 )水素雰囲気下、室温で一晩攪拌した。不溶 を濾去した後、減圧下メタノールを留去し 。残留物に水(2L)を加えた。析出した固体を 取し、減圧下90℃で乾燥することにより標 参考化合物(44.02g)を淡黄色固体として得た。 (収率96%)

8-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ-6- キサ-1-アザクリセン-5-オン(参考化合物1-1-(4 ))
 耐圧管中で、8-アミノ-3-ヒドロキシベンゾ[c ]クロメン-6-オン(参考化合物1-1-(3)、40.0g、176m mol)をアセトン(440mL)-N-メチルピロリドン(240mL) に溶解し、よう素(17.9g、70.5mmol)を加え密封し た後、110℃で3日間攪拌した。放冷後、減圧 アセトンを留去した。得られた残留物に酢 エチル(700mL)、ヘキサン(150mL)及び1%チオ硫酸 トリウム水溶液(700mL)を加えて分配した。水 層を酢酸エチル(250mL)-ヘキサン(50mL)の混合溶 で抽出(3回)した。有機層を合わせて、水(500 mL、3回)及び飽和食塩水(500mL)で順次洗浄し、 水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒 留去した。得られた残留物にクロロホルム( 150mL)を加え不溶物を濾去した。濾液を濃縮し た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより 標記参考化合物(26.0g)を黄色固体として得た (収率48%)

8-メトキシメトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ロ-6-オキサ-1-アザクリセン-5-オン(参考化合 物1-1-(5))
 8-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ-6 -オキサ-1-アザクリセン-5-オン(参考化合物1-1- (4)、1.00g、3.25mmol)、クロロジメチルエーテル( 420μl、5.53mmol)及び炭酸カリウム(1.35g、9.77mmol) の混合物を無水N,N-ジメチルホルムアミド(15mL )に懸濁し、50℃で一晩攪拌した。放冷後、酢 酸エチル(100mL)及びジエチルエーテル(100mL)を えた。水(150mL、100mL)及び飽和食塩水(100mL)で 順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後 、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物を シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ ン-酢酸エチル)で精製することにより標記参 考化合物(747mg)を黄色固体として得た。(収率6 6%)

6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシメトキシフェニル) -5-ヒドロキシメチル-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ドロキノリン(参考化合物1-1-(6))
 水素化リチウムアルミニウム(167mg、4.40mmol) 無水テトラヒドロフラン(3mL)に懸濁した。0 で8-メトキシメトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2- ヒドロ-6-オキサ-1-アザクリセン-5-オン(参考 合物1-1-(5)、744.1mg、2.12mmol)の無水テトラヒ ロフラン(10mL)溶液を滴下し、同温で30分間攪 拌した。反応液に酢酸エチル(2mL)及び水(1mL) 順次滴下した後、酢酸エチル(150mL)を加えた 1規定塩酸(6mL)を加えた後、水(100mL、2回)及 飽和食塩水(50mL)で順次洗浄し、無水硫酸マ ネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去す ことにより標記参考化合物(750.6mg)を淡黄色 モルファスとして得た。(定量的)

5-ヒドロキシメチル-6-(2-メトキシ-4-メトキシ トキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド ロキノリン(参考化合物1-1)
 6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシメトキシフェニ )-5-ヒドロキシメチル-2,2,4-トリメチル-1,2-ジ ドロキノリン(参考化合物1-1-(6)、746.1mg、2.10 mmol)、よう化メチル(131μl、2.10mmol)及び炭酸カ リウム(582mg、4.21mmol)の混合物を無水N,N-ジメ ルホルムアミド(10mL)に懸濁し、50℃で1時間 拌した。放冷後、酢酸エチル(50mL)及びジエ ルエーテル(50mL)を加え希釈した。水(100mL、2 )及び飽和食塩水(50mL)で順次洗浄し、無水硫 酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去 した。得られた残留物をシリカゲルカラムク ロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精 製することにより標記参考化合物(513.2mg)を無 色固体として得た。(収率66%)

以下、市販化合物を使用し、参考化合物1-1の 製造方法に準じて、参考化合物1-2を得た。

参考例2
5-クロロメチル-6-(2-メトキシ-4-メトキシメト シフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキ ノリン(参考化合物2)
 5-ヒドロキシメチル-6-(2-メトキシ-4-メトキ メトキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ロキノリン(参考化合物1-1、1.02g、2.76mmol)を 水ジクロロメタン(10mL)に溶解し、トリエチ アミン(0.490mL、3.52mmol)及び塩化メタンスル ニル(231μL、2.98mmol)を順次加えた。反応液を 温で5時間攪拌した。反応液にクロロホルム (50mL)及び水(50mL)を加えて分配した。有機層を 飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得ら れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ フィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製すること により標記参考化合物(515mg)を橙色アモルフ スとして得た。(収率49%)

参考例3
5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(2- メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)-2,2,4- リメチル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物3 -1)
 5-ヒドロキシメチル-6-(2-メトキシ-4-メトキ メトキシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒ ロキノリン(参考化合物1-1、511.7mg、1.39mmol) 5-フルオロ-2-メチルフェノール(182μL、1.67mmol )、トリ-n-ブチルホスフィン(521μL、2.09mmol)、1 ,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン(526mg、2 .08mmol)を無水ベンゼン(8mL)に溶解し、アルゴ 雰囲気下、室温で1時間攪拌した。反応液に キサン(15mL)を加えて、不溶物をろ去した。 液を減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカ ムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチ )で精製することにより標記化合物(411.4mg)を 色アモルファスとして得た。(収率62%)

 以下、参考化合物1-1又は1-2を使用し、参考 合物3-1の製造方法に準じて、参考化合物3-2~ 3-9を得た。

参考例4
6-(2-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)-5- (2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物4-1)
 5-クロロメチル-6-(2-メトキシ-4-メトキシメ キシフェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ ノリン(参考化合物2、262mg、0.675mmol)、2-メト キシアニリン(84μL、0.74mmol)及び炭酸カリウム (151mg、1.09mmol)の混合物を無水N,N-ジメチルホ ムアミド(4mL)に懸濁し、80℃で一晩攪拌した 放冷後、酢酸エチル(20mL)及び水(20mL)を加え 分配した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄 、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下 媒を留去した。得られた残留物をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸 チル)で精製することにより標記参考化合物( 196mg)を黄色アモルファスとして得た。(収率61 %)

以下、参考化合物2を使用し、参考化合物4-1 製造方法に準じて、参考化合物4-2を得た。

参考例5
5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(4- ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリメ ル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-1)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 2-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)-2,2,4 -トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合 3-1、424mg、0.888mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶 し、4規定塩化水素/1,4-ジオキサン(666μL)を加 え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチル(150mL) 加え希釈した。水(100mL、2回)及び飽和食塩水 (50mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで 乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残 留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより 標記化合物(241.7mg)を無色固体として得た。( 率63%)

 以下、参考化合物3-2~3-9及び4-1~4-2から選択 れる化合物を使用し、参考化合物5-1の製造 法に準じて、参考化合物5-2~5-11を得た。

参考例6
6-(4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-5-[N-(2-メ トキシフェニル)-N-(9-フルオレニルメトキシ ルボニル)アミノメチル]-2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキノリン(参考化合物6)
 6-(4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-5-(2-メ キシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリメチ -1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-10、37.7mg 0.0876mmol)及び炭酸水素ナトリウム(9.5mg、0.113 mmol)を1,4-ジオキサン(0.5mL)-水(0.5mL)に溶解し、 氷冷下、塩化9-フルオレニルメトキシカルボ ル(25.6mg、0.0990mmol)を加えた。反応液を室温 3時間攪拌した後、酢酸エチル(10mL)を加え希 釈した。1規定塩酸(10mL)、水(10mL)及び飽和食 水(10mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ で乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られ 残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ ー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することに り標記参考化合物(19.7mg)を無色アモルファス として得た。(収率34%)

実施例1
6-(4-ベンゾイルオキシ-2-メトキシフェニル)-5- (5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4- リメチル-1,2-ジヒドロキノリン(化合物1-1)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-1、25 .5mg、0.588mmol)を無水テトラヒドロフラン(0.5mL) に溶解し、トリエチルアミン(19.7μl、0.141mmol) 及び塩化ベンゾイル(8.2μl、0.071mmol)を加えた 反応液を室温で30分間攪拌した。反応液に 酸エチル(100mL)を加え希釈した。水(100mL)、飽 和食塩水(50mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネ シウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得 られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製するこ とにより標記化合物(26.7mg)を無色固体として た。(収率63%)

6-(4-t-ブトキシカルボニルアミノアセトキシ-2 -メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフ ノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ キノリン(化合物1-2)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-1、30 .2mg、0.070mmol)、Boc-グリシン(15.1mg、0.086mmol)をN ,N-ジメチルホルムアミド(1ml)に溶解し、N,N-ジ イソプロピルエチルアミン(31.4μl、0.18mmol)とO -(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N -テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホ フェート(35.4mg、0.093mmol)を加え、室温で一 攪拌した。反応液に酢酸エチル(10ml)を加え 水(10ml)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄した。 機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減 下溶媒を留去した。得られた残留物をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢 酸エチル)で精製することにより標記化合物(3 5.3mg)を無色アモルファスとして得た。(収率86 %)

6-[4-(フラン-2-イルカルボニルオキシ)-2-メト シフェニル]-5-(2-メトキシフェニルアミノメ ル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン( 合物1-3)
 6-(4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-5-[N-(2- トキシフェニル)-N-(9-フルオレニルメトキシ カルボニル)アミノメチル]-2,2,4-トリメチル-1, 2-ジヒドロキノリン(参考化合物6、17.4mg、0.026 7mmol)をジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、トリ チルアミン(10μL、0.072mmol)及び塩化2-フロイ (3.6μL、0.036mmol)を順次加えた。反応液を室温 で3時間攪拌した後、シリカゲルカラムクロ トグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製 無色アモルファス(15.6mg)を得た。得られた無 色アモルファス(11.8mg)をN,N-ジメチルホルムア ミド(0.3mL)に溶解し、ピペリジン(15.6μL、0.158m mol)を加えた。反応液を室温で1分間攪拌した 、酢酸エチル(10mL)で希釈した。水(10mL)及び 和食塩水(10mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。 られた残留物をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製する とにより標記化合物(6.0mg)を無色固体として 得た。(収率76%)

 以下、参考化合物5-1~5-11及び6から選択され 化合物を使用し、化合物1-1~1-3のいずれかの 製造方法に準じて、化合物1-4~1-175を得た。

(実施例2)
6-(5-アセトキシ-2-メトキシフェニル)-5-(5-フル オロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4-トリメ ル-1,2-ジヒドロキノリン(化合物2)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 5-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-2、62 .5mg、0.14mmol)、トリエチルアミン(154μL、1.11mmo l)を無水ジクロロメタン(1mL)に溶解し、無水 酸(52μL、0.55mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌 た。反応液にクロロホルム(10mL)を加え、水(1 0mL)及び飽和食塩水(300mL)で順次洗浄し、無水 酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留 した。残留物をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製する とにより標記化合物(56.6mg)を無色アモルフ スとして得た。(収率83%)

(実施例3)
6-(4-アミノアセトキシ-2-メトキシフェニル)-5- (5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-2,2,4- リメチル-1,2-ジヒドロキノリン・1塩酸塩(化 合物3-1)
 6-(4-t-ブトキシカルボニルアミノアセトキシ -2-メトキシフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチル ェノキシメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒド キノリン(化合物1-2、20.1mg、0.034mmol)を1,4-ジ キサン(0.5mL)に溶解し、4規定塩化水素/1,4-ジ オキサン溶液(34μL)を加え、室温で一晩攪拌 た。反応液を減圧下濃縮することにより標 化合物(17.5mg)を無色固体として得た。(収率98 %)

以下、化合物1-37を使用し、化合物3-1の製造 法に準じて、化合物3-2を得た。

(実施例4)
5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(2- メトキシ-4-メチルスルホニルオキシフェニル )-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(化合 4-1)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-1、61 .0mg、0.141mmol)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、 化メタンスルホニル(26μL、0.34mmol)、トリエ ルアミン(92μL、0.66mmol)を加え、室温で一晩 拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製す ことにより標記化合物(58.0mg)を淡桃色固体と して得た。(収率82%)

 以下、参考化合物5-1、5-3~5-6及び5-10~5-11から 選択される化合物を使用し、化合物4-1の製造 方法に準じて、化合物4-2~4-36を得た。

(実施例5)
5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(2- メトキシ-4-メトキシカルボニルオキシフェニ ル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(化 物5-1)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-1、25 .0mg、0.058mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶 解し、トリエチルアミン(23μL、0.17mmol)、クロ ロ炭酸メチル(6.8μL、0.088mmol)を加え、室温で2 0分間撹拌した。反応液をシリカゲルカラム ロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で 製することにより標記化合物(28.0mg)を無色ア モルファスとして得た。(収率99%)

 以下、参考化合物5-1、5-4、5-6及び5-10から選 択される化合物を使用し、化合物5-1の製造方 法に準じて、化合物5-2~5-11を得た。

(実施例6)
5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-(2- メトキシ-4-フェニルアミノカルボニルオキシ フェニル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノ ン(化合物6-1)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-1、25 .0mg、0.058mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶 解し、トリエチルアミン(19.3μL、0.138mmol)、イ ソシアン酸フェニル(9.5μL、0.087mmol)を加え、 温で2時間撹拌した。反応液をシリカゲルカ ラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチ )で精製することにより標記化合物(27.3mg)を 色アモルファスとして得た。(収率86%)

6-[4-[N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-メチルアミ ノカルボニルオキシ]-2-メトキシフェニル]-5-( 2-メトキシフェニルアミノメチル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(化合物6-2)
 6-(4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-5-[N-(2- トキシフェニル)-N-(9-フルオレニルメトキシ カルボニル)アミノメチル]-2,2,4-トリメチル-1, 2-ジヒドロキノリン(参考化合物6、25.0mg、0.038 3mmol)、1,1’-カルボニルジイミダゾール(62.0mg 0.382mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(0.5mg 0.004mmol)の混合物を無水テトラヒドロフラン (1mL)に溶解し、室温で4.5時間攪拌した。N,N,N -トリメチルエチレンジアミン(39.2mg、0.383mmol )を加え、60℃で2時間攪拌した。反応液をシ カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン- 酢酸エチル)で精製した。得られた無色アモ ファスをN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶 し、ピペリジン(50μL)を加えた。反応液を室 で15分間攪拌した後、酢酸エチル(20mL)で希 した。水(15mL)及び飽和食塩水(15mL)で順次洗 し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧 溶媒を留去した。得られた残留物をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸 エチル)で精製することにより標記化合物(9.9m g)を無色アモルファスとして得た。(収率47%)

6-(4-ジメチルアミノカルボニルオキシ-2-メト シフェニル)-5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキ シメチル)-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノ ン(化合物6-3)
 5-(5-フルオロ-2-メチルフェノキシメチル)-6-( 4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)-2,2,4-トリ チル-1,2-ジヒドロキノリン(参考化合物5-1、25 mg、0.058mmol)をピリジン(1mL)に溶解し、塩化N,N ジメチルカルバモイル(6.9μL、0.075mmol)を加 、100℃で3時間撹拌した。反応液に塩化N,Nー メチルカルバモイル(3.0μL、0.033mmol)を加え 100℃にて1時間攪拌した。反応液を酢酸エチ (20mL)で希釈した。0.2規定塩酸(75mL)、水(50mL) び飽和食塩水(50mL)で順次洗浄し、無水硫酸 グネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し 。得られた残留物をシリカゲルカラムクロ トグラフィー(1回目:ヘキサン-酢酸エチル、 2回目:トルエンー酢酸エチル)で精製すること により標記化合物(8.5mg)を無色アモルファス して得た。(収率29%)

 以下、参考化合物5-1、5-3~5-6及び5-10~5-11から 選択される化合物を使用し、化合物6-1~6-3の ずれかの製造方法に準じて、化合物6-4~6-39を 得た。

[製剤例]
以下に本化合物を含む一般的な製剤例を示す 。


1)錠剤(150mg中)
  本化合物                  1mg
  乳糖                   100mg
  トウモロコシデンプン           40mg
  カルボキシメチルセルロースカルシウム    4.5mg
  ヒドロキシプロピルセルロース         4mg
  ステアリン酸マグネシウム         0. 5mg

上記処方の錠剤にコーティング剤(例えば、 ドロキシプロピルメチルセルロース、マク ゴール、シリコーン樹脂等の通常のコーテ ング剤)3mgを用いてコーティングを施し、目 とする錠剤を得ることができる。また、本 合物並びに添加物の種類及び/又は量を適宜 変更することで、所望の錠剤を得ることもで きる。


2)カプセル剤(150mg中)
  本化合物                  5mg
  乳糖                   135mg
  カルボキシメチルセルロースカルシウム    4.5mg
  ヒドロキシプロピルセルロース         4mg
  ステアリン酸マグネシウム         1. 5mg

 本化合物並びに添加剤の種類及び又は量を 宜変更することで、所望のカプセル剤を得 ことができる。


3)点眼剤(100ml中)
  本化合物                 100mg
  塩化ナトリウム              900mg
  ポリソルベート80             500mg
  水酸化ナトリウム             適量
  塩酸                   適量
  滅菌精製水                適量

 本化合物及び添加物の種類及び/又は量を適 宜変更することで、所望の点眼剤を得ること ができる。

[薬理試験]
1.GR結合活性評価試験
 本化合物のGRに対する結合活性を評価する めに、偏光蛍光法によるGR受容体競合アッセ イを実施した。アッセイにはGR競合アッセイ ット(Invitrogen社製、Cat No.P2816)を使用して、 本キットに添付のプロットコールに準じて行 った。以下にその具体的な方法を記載する。

(試薬の調製)
 GRスクリーニング緩衝液:10mM リン酸カリウ (pH 7.4)、20mM モリブデン酸ナトリウム(Na 2 MoO 4 )、0.1mM エチレンジアミン四酢酸(以下、「EDT A」とする)、5mM ジチオスレイトール(DTT)、0.1 mM 安定化ペプチド及び2% ジメチルスルホキ ドの緩衝液となるよう調製した。

 4×GS1溶液:蛍光グルココルチコイドリガンド であるFluormone TM  GS1をGRスクリーニング緩衝液で希釈して、4 nMの溶液を調製した。

 4×GR溶液:リコンビナントヒトGRをGRスクリ ーニング緩衝液で希釈して、16nMの溶液を調 した。

 (被験化合物溶液の調製)
 被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解 、GRスクリーニング緩衝液で希釈し、20μMの 被験化合物溶液を調製した。

 (試験方法及び測定方法)
1) 384穴プレートに被験化合物溶液を1ウェル たり10μLずつ注入し、次いで、4×GS1溶液及 4×GR溶液を1ウェルあたり各々5μLずつ添加し 。

2) 暗所かつ室温で2-4時間インキュベート た。

3) マルチモードプレートリーダーAnalyst TM  HT(LJL Biosystems社製)を使用し、ブランクとし て、被験化合物溶液及び4×GS1溶液に代えてGR クリーニング緩衝液を含むウェルを用いて ウェルの蛍光偏光を測定した。

4) 被験化合物溶液に代えてGRスクリーニン グ緩衝液を用いて、他は前記1~3)と同じ操作 実施し、その結果を陰性対照とした。

5) 被験化合物溶液に代えて2mM デキサメタ ゾンを用いて、他は前記1~3)と同じ操作を実 し、その結果を陽性対照とした。

(GR結合率の計算式)
GR結合率(%)は以下の式により算出した。

GR結合率(%) = 100×{1-(被験化合物溶液の蛍光 光-陽性対照溶液の蛍光偏光)/(陰性対照溶液 蛍光偏光-陽性対照溶液の蛍光偏光)}

 (試験結果及び考察)
 試験結果の一例として、化合物1-3、化合物1 -6、化合物1-7、化合物1-8、化合物1-9、化合物1 -12、化合物1-13、化合物1-14、化合物1-15、化合 物1-17、化合物1-18、化合物1-19、化合物1-25、 合物1-33、化合物1-36、化合物1-38、化合物1-40 化合物1-45、化合物1-48、化合物1-49、化合物1 -54、化合物1-55、化合物1-57、化合物1-58、化合 物1-68、化合物1-69、化合物1-72、化合物1-81、 合物1-91、化合物1-92、化合物1-95、化合物1-97 化合物1-98、化合物1-99、化合物1-101、化合物 1-102、化合物1-104、化合物1-105、化合物1-106、 合物1-107、化合物1-110、化合物1-111、化合物1 -114、化合物1-117、化合物1-119、化合物1-122、 合物1-125、化合物1-126、化合物1-128、化合物1- 133、化合物1-136、化合物1-137、化合物1-138、化 合物1-139、化合物1-141、化合物1-142、化合物1-1 43、化合物1-144、化合物1-147、化合物1-148、化 物1-151、化合物1-153、化合物1-155、化合物1-15 6、化合物1-157、化合物1-160、化合物1-162、化 物1-164、化合物1-165、化合物1-166、化合物1-169 、化合物1-170、化合物1-171、化合物4-3、化合 4-4、化合物4-5、化合物4-6、化合物4-8、化合 4-11、化合物4-12、化合物4-14、化合物4-18、化 物4-20、化合物4-21、化合物4-26、化合物4-27、 化合物4-29、化合物4-30、化合物4-32、化合物4-3 4、化合物6-3、化合物6-20、化合物6-26、化合物 6-27、化合物6-31、化合物6-33、化合物6-35又は 合物6-37を被験化合物として使用した場合の 験結果を以下に示す。

 それらの化合物は全て64%以上のGR結合率 示した。

2.GRアゴニスト活性の評価試験
 本化合物のGRアゴニストとしての作用を評 するために、LPS刺激後のヒト角膜上皮細胞 におけるIL-6産生抑制作用を検討した。サン ル中のIL-6産生量の測定にはHTRF法(Boehringer-In gelheim社製、Cat No.62IL6PEB)を使用し、添付のプ ロトコールに準じて行った。以下にその具体 的な方法を記載する。

(試薬の調製)
 LPS調製液:LPSをリン酸緩衝生理食塩液(以下 「PBS(-)」とする)に溶解後、培養液で希釈し 1 μg/mL LPS溶液を調製した。

(被験化合物溶液及びデキサメタゾン(以下、 DEX」とする)溶液の調製)
 被験化合物をジメチルスルホキシド(以下、 「DMSO」とする)に溶解後、培養液で希釈して1 00μMの被験化合物溶液を調製した。また、DEX 同様に溶解して100μM DEX溶液を調製し、DEX IL-6産生抑制率を測定し、Efficacy(%DEX)の算出 用いた。

(使用細胞及び培養方法)
 使用細胞:ヒト角膜上皮細胞株(HCE-T)(理化学 究所)
培養方法:
1) サブコンフルエントな状態まで増殖したHC E-TをPBS(-)で洗浄、trypsin-EDTA処理により細胞を 剥離した。

2) SHEM培地(supplemented hormone epithelial medium:  15%FBS、5μg/mL insulin、0.1μg/mL choleratoxin、10ng /mL human EGF、40μg/mL gentamicin含有DMEM/Ham’s F1 2)を添加し、trypsinを不活性化した。

3) 上記懸濁液を回収し、1000rpmで5min遠心後 の細胞沈渣を得た。

4) 細胞沈渣をSHEM培地で懸濁し、培養フラス に播種後、CO 2 インキュベーター(温度:37℃、CO 2 濃度:5%)内で培養した。本方法により、継代 養を続けた細胞を試験に使用した。

(試験方法及び測定方法)
1) 継代培養したHCE-Tを回収し、96穴平底培養 レートに細胞を2.0×10 4 cells/0.1mL/wellずつ播種した。

2) 一晩培養した後、培地を除去し、10% FBS -DMEM/Ham’s F12培地を80μL/wellずつ添加した。

3) 各被験化合物溶液を10μL/wellずつ添加し 。

4) LPS溶液を10μL/wellずつ添加した。

    5) 各被験化合物溶液及びLPS溶液のか わりに10% FBS-DMEM/Ham’s F12培地を添加したも を陰性対照とした。

    6) 各被験化合物溶液のかわりに1% DM SO含有10% FBS-DMEM/Ham’s F12培地を10μL/wellずつ 加したものを陽性対照とした。

7) 4時間の培養終了後、上清を回収し、上 中に遊離しているIL-6量をHTRF human IL-6 Kit 用いて測定した。

8) 以下の計算式に従いIL-6産生抑制率を算 した。

(IL-6産生抑制率の計算式)
IL-6産生抑制率(%)は以下の式により算出した

IL-6産生抑制率(%) = 100X{1-(各サンプルのIL-6産 生量-陰性対照群のIL-6産生量平均値)/(陽性対 群のIL-6産生量平均値-陰性対照群のIL-6産生 平均値)} (%)

さらに、DEX処置群を100としたときのIL-6産生 制率(Efficacy(%DEX))を算出した。

Efficacy(%DEX) = 100X{(各サンプルのIL-6産生抑制 の平均)/(DEX処置群IL-6産生抑制率の平均値)}( %)
(試験結果及び考察)
 試験結果の一例として、化合物1-3、化合物1 -6、化合物1-7、化合物1-8、化合物1-9、化合物1 -12、化合物1-13、化合物1-14、化合物1-15、化合 物1-17、化合物1-18、化合物1-19、化合物1-25、 合物1-33、化合物1-36、化合物1-38、化合物1-40 化合物1-45、化合物1-48、化合物1-49、化合物1 -54、化合物1-55、化合物1-57、化合物1-58、化合 物1-68、化合物1-69、化合物1-72、化合物1-81、 合物1-91、化合物1-92、化合物1-95、化合物1-97 化合物1-98、化合物1-99、化合物1-101、化合物 1-102、化合物1-104、化合物1-105、化合物1-106、 合物1-107、化合物1-110、化合物1-111、化合物1 -114、化合物1-117、化合物1-119、化合物1-122、 合物1-125、化合物1-126、化合物1-128、化合物1- 133、化合物1-136、化合物1-137、化合物1-138、化 合物1-139、化合物1-141、化合物1-142、化合物1-1 43、化合物1-144、化合物1-147、化合物1-148、化 物1-151、化合物1-153、化合物1-155、化合物1-15 6、化合物1-157、化合物1-160、化合物1-162、化 物1-164、化合物1-165、化合物1-166、化合物1-169 、化合物1-170、化合物1-171、化合物4-3、化合 4-4、化合物4-5、化合物4-6、化合物4-8、化合 4-11、化合物4-12、化合物4-14、化合物4-18、化 物4-20、化合物4-21、化合物4-26、化合物4-27、 化合物4-29、化合物4-30、化合物4-32、化合物4-3 4、化合物6-3、化合物6-20、化合物6-26、化合物 6-27、化合物6-31、化合物6-33、化合物6-35又は 合物6-37を被験化合物として使用した場合のI L-6産生抑制作用(%DEX)を表I-1、表I-2に示す。

[表I]
 表I-1、表I-2に示したとおり本化合物は優れ IL-6産生抑制作用を示した。よって、本化合 物はGRアゴニストとして使用でき、炎症性疾 、特に前眼部若しくは後眼部炎症性疾患並 に炎症性の骨・関節疾患の予防又は治療剤 して有用である。

3.アレルギー性結膜炎モデルにおける血管透 性亢進抑制効果
 本化合物の抗アレルギー作用を評価するた 、マウスのアレルギー性結膜炎モデルに対 る本化合物の血管透過性亢進抑制効果を検 した。尚、本効果は基剤投与群(コントロー ル群)の色素漏出量と被験化合物投与群の色 漏出量とから算出した。

(被験化合物懸濁溶液の調製)
 被験化合物に0.5%ポリソルベート80/生理食塩 液を加えて、1%(W/V)の被験化合物懸濁液を調 した。

 
(アレルギー性結膜炎モデルの作製及び評価 法)
1) 水酸化アルミニウムゲル吸着オブアルブ ン(20μg/mL)を生理食塩液に溶解し、6週齢の雄 性BALB/c系マウスの腹腔内に500μLずつ注射し、 能動感作を行った。

2) 感作6日目に再度水酸化アルミニウムゲ 吸着オブアルブミン(20μg/mL)を500μLずつ注射 して追感作を行った。

3) 初回感作から11日目、12日目、13日目、14 日目及び15日目に、オブアルブミン15%(W/V)含 50%グリセロール溶液を2μL/眼ずつマウスの右 眼に点眼投与して、アレルギー性結膜炎を惹 起させた。

4) 感作15日目のオブアルブミン点眼投与の 3時間前、1時間前及び15分前(合計3回)に、被 化合物懸濁溶液を、上記マウスの右眼にそ ぞれ2μL/眼ずつ点眼投与した。なお、基剤投 与群(コントロール群)には被験化合物懸濁溶 に代えて0.5%ポリソルベート80/生理食塩液を 用いた。

5) 感作15日目のオブアルブミン点眼直前に 0.1%Evans Blue溶液をマウスの尾静脈より注射し 、オブアルブミン点眼30分後に色素漏出部位 あるマウスの右眼周辺を摘出し、色素抽出 にて色素を抽出した。ついで、抽出した色 の吸光度を測定し、得られた吸光度より色 漏出量を算出し、計算式1によりアレルギー 性結膜炎に伴う血管透過性亢進に対する被験 化合物投与群の血管透過性亢進抑制率を算出 した。

(計算式1)
 被験化合物投与群の血管透過性亢進抑制率( %) = (1-Ax/Ao)×100
Ao: 基剤投与群(コントロール群)の色素漏出
Ax: 被験化合物投与群の色素漏出量

(試験結果及び考察)
 試験結果の一例として、化合物1-7、化合物1 -12、化合物1-13、化合物1-18、化合物1-72、化合 物1-97、化合物1-102、化合物1-105、化合物1-136 化合物1-137、化合物1-138、化合物1-139又は化 物4-18を被験化合物として使用した場合の血 透過性亢進抑制率(%)を表IIに示す。

表IIに示されるように、本化合物は血管透 性亢進阻害効果を有する。よって、本化合 は前眼部炎症性疾患の予防又は治療剤とし 有用である。

4.脈絡膜血管新生阻害効果の評価試験
 薬物の脈絡膜血管新生阻害効果を評価する 般的な方法の一つとして、ラット脈絡膜血 新生モデルを用いた新生血管発現試験が知 れており、その試験方法がGraefe’s Arch. Cli . Exp. Ophthalmol., 235,313-319(1997)に報告されて る。そこで、前記文献記載の方法に準じて 本化合物の新生血管発現試験を行い、基剤 与群(コントロール群)の新生血管発現率に対 する本化合物投与群の新生血管発現率の割合 を算出して、それを指標に本化合物の脈絡膜 血管新生阻害効果を評価した。

(被験化合物懸濁溶液の調製)
 点眼投与の場合は、被験化合物に0.5%ポリソ ルベート80/生理食塩液を加えて懸濁し、1%(W/V )の被験化合物懸濁液を調製した。結膜下投 の場合は、被験化合物に0.5%硬化ヒマシ油/生 理食塩液を加えて懸濁し、20mg/mLの被験化合 懸濁液を調製した。

(レーザー誘発ラット脈絡膜血管新生モデル 作製)
1) ラット(Brown Norway雄性ラット、7-8週齢、体 重140-240g)に5%塩酸ケタミン注射液と2%塩酸キ ラジン注射液の7 : 1混合液(1mL/kg)を筋肉内 与し、全身麻酔した。

2) トロピカミド・塩酸フェニレフリン点 液(商品名:ミドリンP)を点眼して散瞳させた 、クリプトンレーザー光凝固装置を使用し 、ラットのブルーフ膜を光凝固した。

尚、レーザー照射は、眼底後局部の太い網 膜血管を避け、その焦点を網膜深層に合わせ て、1眼につき8-9ヶ所散在状に実施した。ま 、その光凝固の条件は、スポットサイズ100μ m、出力100mM、凝固時間0.1秒とした。

3) 光凝固後、眼底撮影を行い、光凝固(レ ザー照射)部位を確認した。

(試験方法及び測定方法)
1) 点眼投与の場合は、レーザー照射日(1日目 )から8日目まで、被験化合物懸濁溶液を1日4 、連日点眼投与した。結膜下投与の場合は レーザー照射直後に1回50μLを注射した。

2) 基剤投与群(コントロール群)として被験 化合物懸濁溶液に代えて、0.5%ポリソルベー 80/生理食塩液又は0.5%硬化ヒマシ油/生理食塩 液を使用し、他は1)と同じ方法で試験を行い その結果をコントロールとした。

(評価方法)
1) 光凝固7日目に10%フルオロセイン水溶液0.1m Lをラットの尾静脈から注入して、蛍光眼底 影を実施した。

2) 次いで、蛍光眼底造影で蛍光の漏出が められなかったスポットを陰性、蛍光漏出 認められたスポットを陽性とし、若干の蛍 漏出が認められる光凝固部位は、それが2ヶ 存在した時に陽性と判断した。

3) 計算式1に従って新生血管発現率を算出 た。各投与群の新生血管発現率から計算式2 に従い、基剤投与群に対する被験化合物投与 群の新生血管発現率の割合を算出した。

(計算式1)
新生血管発現率(%) = (陽性光凝固部位数/全 凝固部位数)×100
(計算式2)
被験化合物投与群の新生血管抑制率(%) = (1-A x/Ao)×100
Ao: 基剤投与群(コントロール群)の新生血管 現率
Ax: 被験化合物投与群の新生血管発現率

(試験結果及び考察)
 試験結果の一例として、化合物1-9、化合物1 -12、化合物1―13、化合物1-14、化合物1-17、化 物1-19、化合物1-25、化合物1-33、化合物1―49 化合物1-72、化合物4-5、化合物4-8、化合物4-1 8、化合物6-3、化合物6―31又は化合物6-35を被 化合物として使用した場合の新生血管抑制 (%)を表IIIに示す。

 表IIIに示されるように、本化合物は基剤 比べて新生血管を抑制し、脈絡膜血管新生 害効果を有する。よって、本化合物は後眼 炎症性疾患の予防又は治療剤として有用で る。

5.角膜障害の治癒効力試験
 薬物のドライアイに伴う角膜障害の改善効 を検討するため、雄性SDラットを用い、Fujih araらの方法(Invest. Ophthalmol. Vis. Sci 42(1):96-10 0 (2001))に準じ、角膜障害モデルを作製した 角膜障害モデル作成後、村上らの方法(あた しい眼科 21(1):87-90(2004))に準じて、角膜障 の改善率を判定した。

(被験化合物懸濁溶液の調製)
 被験化合物にポリソルベート80や一般的な 加剤を含む基剤を加えて、0.03%(W/V)の被験化 物懸濁液を調製した。

(ドライアイに伴う角膜障害モデルの作製及 評価方法)
1) 雄性SDラットを用い、ソムノペンチルを投 与して全身麻酔を施した後、眼窩外涙腺を摘 出し、2ヶ月かけて角膜障害を誘発させた。

2) 被験化合物懸濁液を両眼に1日6回、14日 点眼した。なお、コントロール群には基剤 同様に点眼した。

3) 点眼開始14日後、角膜の障害部分をフル オレセインにて染色した。角膜の上部、中間 部及び下部のそれぞれについて、フルオレセ インによる染色の程度を下記の基準に従って スコア判定し、それらのスコアの合計の平均 値を算出した。なお、0、1、2、3の各スコア に中間値として0.5を設けた。

《判定基準》
 0:染色されていない
 1:染色が疎であり、各点状の染色部分は離 ている
 2:染色が中程度であり、点状の染色部分の 部が隣接している
 3:染色が密であり、各点状の染色部分は隣 している

(計算式)
被験化合物投与群の改善率(%) = (Ao-Ax)/(Ao-An) 100
Ao: 基剤投与群(コントロール群)の角膜障害 コア平均値
Ax: 被験化合物投与群の角膜障害スコア平均
An: 正常ラットの角膜障害スコア平均値

(試験結果及び考察)
 試験結果の一例として、化合物1-12、化合物 1―13、化合物1-72又は化合物4-18を被験化合物 して使用した場合の角膜障害改善率(%)を表I Vに示す。

 表IVに示されるように、本化合物は基剤 比べて角膜障害改善効果を有する。よって 本化合物はドライアイなどに伴う角膜障害 予防又は治療剤として有用である。

6.アトピー性皮膚炎モデルにおける血管透過 亢進抑制作用
 本化合物のアトピー性皮膚炎に対する作用 評価するため、マウスのアトピー性皮膚炎 デルとして報告されているNagaiらの手法(J.  Pharmacol. Exp. Ther., 283: 321-327 (1997))に修正を 加えた方法で血管透過性亢進抑制効果を検討 した。尚、本効果は基剤投与群(コントロー 群)の色素漏出量と被験化合物投与群の色素 出量とから算出した。

(被験化合物軟膏の調製)
 被験化合物に白色ワセリンを加えて、1%(W/W) の被験化合物軟膏を調製した。

(アトピー性皮膚炎モデルの作製および評価 法)
1) 週に1回、4週間にかけて5回、マウスの両 介の両面に0.15%DNFB溶液25μLを塗布して皮膚炎 を惹起した。

2) 被験化合物軟膏を初回DNFB塗布の前日か 5回目塗布前日までの間、週5回、計21回、マ ウス耳介の片面あたり25μLずつ両耳介の両面 塗布することにより投与した。なお、基剤 与群(コントロール群)には白色ワセリンを 様に塗布することにより投与した。

3) 5回目のDNFB溶液塗布直後、マウスに0.2%Ev ans Blue溶液を尾静脈より注射し、色素尾静脈 注射2時間後、色素漏出部位であるマウスの 介を摘出し、色素抽出液にて色素を抽出し 。ついで、抽出した色素の吸光度を測定し 得られた吸光度より漏出色素量を算出し、 算式1によりアトピー性皮膚炎に伴う血管透 性亢進に対する被験化合物投与群の血管透 性亢進抑制率を算出した。

(計算式1)
 被験化合物投与群の血管透過性亢進抑制率( %) = (1-Ax/Ao)×100
Ao: 基剤投与群(コントロール群)の色素漏出
Ax: 被験化合物投与群の色素漏出量

(試験結果及び考察)
 試験結果の一例として、化合物1-12、化合物 1―13、化合物1-72又は化合物4-18を被験化合物 して使用した場合の血管透過性亢進抑制率( %)を表Vに示す。

 表Vに示されるように、本化合物は基剤に 比べてアトピー皮膚炎に伴う血管透過性亢進 阻害効果を有する。よって、本化合物はアト ピー性皮膚炎などの皮膚炎の予防又は治療剤 として有用である。

  本発明はグルココルチコイド受容体ア ニスト、そのグルココルチコイド受容体ア ニストを有効成分として含有する医薬組成 、そのグルココルチコイド受容体アゴニス を有効成分として含有する炎症性疾患の予 又は治療剤及びそのグルココルチコイド受 体アゴニストを有効成分として含有する眼 症性疾患又は皮膚炎の予防又は治療剤とし 有用であり、特に角膜炎、角結膜炎、結膜 、眼瞼炎、眼球乾燥症候群(「ドライアイ」 も呼ばれる)、アレルギー性結膜炎、前部ぶ どう膜炎、前眼部の手術後炎症、眼組織移植 拒絶反応による炎症等の前眼部炎症性疾患及 び/又は加齢黄斑変性(初期加齢黄斑変性、萎 型加齢黄斑変性及び/又は滲出型加齢黄斑変 性)、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、血管 生黄斑症、突発性黄斑上膜、増殖性硝子体 膜症、網膜色素変性症、網膜中心静脈閉塞 、網膜中心動脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞 、網膜動脈分枝閉塞症、網膜剥離や外傷を 因とした炎症や変性、後眼部の手術後炎症 網膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎、視神経炎等 後眼部炎症性疾患の予防又は治療剤として 用である。