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Title:
GREASE COMPOSITION FOR CONSTANT VELOCITY JOINT AND CONSTANT VELOCITY JOINT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081918
Kind Code:
A1
Abstract:
A grease composition that realizes, in the use ranging from 150° to -40°C, enhancement of the temperature control performance, reduction of low-temperature rotational torque and enhancement of boots stability with respect to constant velocity joint; and a constant velocity joint having the grease composition sealed therein. There is provided a grease composition for constant velocity joint comprising the following components (A) to (E) and provided a constant velocity joint having the grease composition sealed therein. (A) base oil containing 10 to 95 mass% of ester base synthetic oil produced from an aliphatic alcohol and an aromatic carboxylic acid and 90 to 5 mass% of synthetic hydrocarbon oil; (B) thickening agent, (C) molybdenum disulfide, (D) molybdenum dialkyldithiocarbamate sulfide, and (E) zinc dithiophosphate.

Inventors:
KONDO SHINYA (JP)
TANIGUCHI AKIRA (JP)
TANIMURA KO (JP)
TAKABE SHINICHI (JP)
SHIBATA TAKAAKI (JP)
CHUUJOU SHINYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075247
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KYODO YUSHI (JP)
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
KONDO SHINYA (JP)
TANIGUCHI AKIRA (JP)
TANIMURA KO (JP)
TAKABE SHINICHI (JP)
SHIBATA TAKAAKI (JP)
CHUUJOU SHINYA (JP)
International Classes:
C10M169/00; C10M105/02; C10M105/32; C10M105/36; C10M107/02; C10M115/08; C10M125/22; C10M135/18; C10M137/10; C10N10/04; C10N10/12; C10N30/00; C10N30/06; C10N30/08; C10N40/04; C10N50/10; F16D3/20
Domestic Patent References:
WO2007060978A12007-05-31
Foreign References:
JP2005226038A2005-08-25
JP2002537441A2002-11-05
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio et al. (Shin-Tokyo Bldg.3-1, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 55, JP)
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Claims:
 下記の成分(A)~(E)を含む等速ジョイント用グリース組成物。
(A)脂肪族アルコールと芳香族カルボン酸から製造されたエステル系合成油10~95質量%と合成炭化水素油90~5質量%を含む基油、
(B)増ちょう剤、
(C)二硫化モリブデン、
(D)硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン及び
(E)ジチオリン酸亜鉛。
 成分(A)の合成炭化水素油がポリα-オレフィンであることを特徴とする請求項1記載の等速ジョイント用グリース組成物。
 成分(A)のエステル系合成油が炭素数6~22の脂肪族アルコールと炭素数が8~22でカルボン酸基を2~6個有する芳香族カルボン酸とから製造されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の等速ジョイント用グリース組成物。
 成分(B)の増ちょう剤が、ウレア化合物である請求項1~3のいずれか1項記載の等速ジョイント用グリース組成物。
 成分(C)の二硫化モリブデン、成分(D)の硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンおよび成分(E)のジチオリン酸亜鉛の含有量が、グリース組成物の全質量に対して、各々0.1~10質量%である請求項1~4のいずれか1項記載の等速ジョイント用グリース組成物。
 請求項1~5のいずれか1項記載のグリース組成物を封入してなる等速ジョイント。
Description:
等速ジョイント用グリース組成 及び等速ジョイント

 本発明は、等速ジョイントの低温回転ト クを低減し、耐ブーツ性、耐熱性及び抑温 を改善したグリース組成物及びこれを封入 た等速ジョイントに関する。詳しくは、等 ジョイントの高速耐久性を改善するととも 、低温起動回転トルクを低減させ、ゴム膨 性改善による耐ブーツ性の向上及び抑温性 改善したグリース組成物及びこれを封入し 等速ジョイントに関する。

 今日、自動車産業界においては、軽量化及 居住空間の確保の観点から、FF車の生産が 加している。また、その機能性の観点から4W D車も増加している。これらFF車や4WD車では、 前輪にて動力の伝達と操舵を行うため、例え ば、ハンドルを一杯に切った状態でも円滑な 動力伝達を行うために、交差する二軸間で交 差角が種々変化しても回転運動を等速度で伝 達可能な等速ジョイントで構成されたドライ ブシャフトが使用される。
 一方、FR車および4WD車は、エンジンからの 力は、プロペラシャフトを通して後輪のド イブシャフトに伝達される構造となってお 、このプロペラシャフトは音、振動の発生 およびその伝達経路として働くことが分っ いる。従来から使用されてきたカルダンジ イントとスライドスプラインで構成された ロペラシャフトに代わり、作動角を取って 等速度で回転しながら軸方向にスライドす ことが可能な等速ジョイントで構成された ロペラシャフトが使用されるようになって た。
 近年、自動車の高性能化がますます進み、 出力車が増加していることから、等速ジョ ントにかかる負荷も増大し、その潤滑条件 より過酷になる傾向がある。一方で、自動 の乗り心地の向上も更に高度なレベルを要 される傾向にある。

 特に、プロペラシャフトは、ドライブシャ トに比べ負荷トルクが低い反面、高速回転 使用されるなど使用条件が異なる。そのた プロペラシャフトに使用される等速ジョイ トに使用するグリースには、高速耐久性や 速時低振動性など、高速性能の向上が求め れる。
 高速性能は、等速ジョイントを回転させた に発生する熱量(温度上昇量)を指標とする とができ、その温度上昇量によりその等速 ョイントの限界使用条件が想定される。発 する熱量は、グリースの摩擦係数に依存す 傾向があり、高温下にて優れた抑温効果を 揮するグリースの開発が望まれる。
 一方、厳寒地における等速ジョイントの円 な作動も重要視されている。厳寒地では、 温状態で自動車を始動させることも考えら る。この条件下において、自動車をスムー に始動させるためにグリースの低温回転ト クを低減することが重要になってくる。
 しかし、優れた抑温性、耐久性を持ち、低 回転トルクを十分低減することが可能な等 ジョイント用グリース組成物は未だに提案 れていない。
 従来、潤滑剤としては基油、ジウレア系増 ょう剤、添加剤としてモリブデン化合物、 含有する等速ジョイント用グリース組成物 提案されている(例えば特許文献1、2、4、5 7、8参照)。

 特定のトリメリット酸エステル及び増ちょ 剤からなるグリースに、硫黄原子を含む化 物を含有するグリース組成物も提案されて る(例えば特許文献3参照)。
 自動車の等速ジョイントの回転抵抗には等 ジョイントの内部抵抗のほか、ブーツの硬 が大きく影響する。特に低温時、起動トル や回転抵抗が増大すると、ステアリングな の操作性の低下につながる。等速ジョイン の回転抵抗を低く抑える目的で、等速ジョ ント内部からのグリース漏れや等速ジョイ ト内部への異物侵入を防止するためのブー を具備した等速ジョイントにおいて、JIS K 6253デュロメータ硬さAタイプにより、常温時 (25℃)で55以下、低温時(-40℃)で85以下の条件 満足するブーツ材料としてシリコーンゴム びクロロプレンゴム系ブーツ材が提案され いる(例えば特許文献6参照)。
 しかし、これらの等速ジョイント用グリー 組成物では抑温性、低温回転トルクを低減 る性能が不十分であり、より安定した性能 の改善が望まれる。また、ブーツ材料にシ コーンゴム又はクロロプレンゴム等を使用 る場合、耐油性、耐屈曲性、耐水性、耐候 、耐熱性、耐寒性などの性能が要求される 、これらの各種ゴム系ブーツ材料の長寿命 に役立つグリース組成物の提案は未だ無い

特開平10-273691

特開平10-273692

特開平11-131082

特開2001-11481

特開2003-165988

特開2005-214395

特開2005-226038

特開2006-16481

 本発明の目的は、150℃~-40℃の使用範囲にお いて、等速ジョイントの抑温性を向上させ、 低温回転トルクを低減させ、耐ブーツ性を改 善したグリース組成物を提供することである 。
 本発明の他の目的は、上記グリース組成物 封入した等速ジョイントを提供することで る。

 本発明者らは上記目的を達成するために 意研究した結果、特定の成分を含有したグ ース組成物が150℃~-40℃の使用範囲において 、等速ジョイントの発熱を抑制し、低温回転 トルクを低減し、耐ブーツ性を改善すること ができるとの知見を得た。本発明の等速ジョ イント用グリース組成物はこの知見を基に完 成された。

 即ち、本発明は以下に示す等速ジョイント グリース組成物及び等速ジョイントを提供 るものである。
1.下記の成分(A)~(E)を含む等速ジョイント用グ リース組成物。
(A)脂肪族アルコールと芳香族カルボン酸から 製造されたエステル系合成油10~95質量%と合成 炭化水素油90~5質量%を含む基油、
(B)増ちょう剤、
(C)二硫化モリブデン、
(D)硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブ デン、及び
(E)ジチオリン酸亜鉛。
2.成分(A)の合成炭化水素油がポリα-オレフィ であることを特徴とする上記1記載の等速ジ ョイント用グリース組成物。
3.成分(A)のエステル系合成油が炭素数6~22の脂 肪族アルコールと炭素数が8~22でカルボン酸 を2~6個有する芳香族カルボン酸とから製造 れたものであることを特徴とする上記1又は2 記載の等速ジョイント用グリース組成物。
4.成分(B)の増ちょう剤が、ウレア化合物であ 上記1~3のいずれか1項記載の等速ジョイント 用グリース組成物。
5.成分(C)の二硫化モリブデン、成分(D)の硫化 アルキルジチオカルバミン酸モリブデンお び成分(E)のジチオリン酸亜鉛の含有量が、 リース組成物の全質量に対して各々0.1~10質 %である上記1~4のいずれか1項記載の等速ジ イント用グリース組成物。
6.請求項1~5のいずれか1項記載のグリース組成 物を封入してなる等速ジョイント。

 本発明の等速ジョイント用グリース組成物 、150℃~-40℃の使用範囲において、等速ジョ イントの抑温性を向上し、低温回転トルクを 低減し、耐ブーツ性を改善する。このため、 プロペラシャフトの高速回転が可能になり、 低温状態で自動車を始動させることができ、 厳寒地における等速ジョイントのトラブルを 回避することができる。
 さらにまた、本発明の等速ジョイント用グ ース組成物は、ブーツ材料の劣化を抑え、 の長寿命化を達成することができる。
 特に高速回転下のガタ量低減に適したクロ グルーブ型等速ジョイントに、より好適に 用できる。

 以下、本発明について詳細に説明する。
 本発明に係る等速ジョイント用グリース組 物は、前記成分(A)~(E)を必須成分として含む ことを特徴とする。以下、これらの各成分に ついて説明する。

 本発明に使用する成分(A)のエステル系合成 10~95質量%と合成炭化水素油90~5質量%を含む 油は、他の合成油及び/又は鉱油との混合物 あっても良い。他の合成油としてはアルキ ジフェニルエーテル、ポリプロピレングリ ールに代表されるエーテル系合成油、シリ ーン油、フッ素化油などが挙げられる。
 成分(A)に使用する合成炭化水素油の好まし 例としては、ポリα‐オレフィン及びポリ テンが挙げられる。

 成分(A)に使用するエステル系合成油は、 肪族アルコールと芳香族カルボン酸から製 されたエステル系合成油であり、例えば、 素数6~22、好ましくは炭素数6~10の脂肪族ア コールと炭素数が8~22、好ましくは炭素数が8 ~12で、カルボキシル基を2~6個有する芳香族カ ルボン酸とから製造することができる。炭素 数6~22の脂肪族アルコールの具体例としては 1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサ ール、1-ヘプタノール、4-メチル-2-ペンタノ ル、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、1-オ タノール、2-オクタノール、2-エチル-1-ヘキ サノール、1-ノナノール、ノナン-2-オール、3 ,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、1-デカノー 、1-ウンデカノール、ラウリルアルコール、 ミリスチルアルコール、セチルアルコール、 14-メチルヘキサデカン-1-オール、ステアリル アルコール、オレイルアルコール、16-メチル オクタデカノール、イコサノール、イソデシ ルアルコール、18-メチルノナデカノール、18- メチルイコサノール、ドコサノール、20-メチ ルヘンイコサノール、2-オクチルドデカノー 等の脂肪族アルコールを挙げることができ 。

 好ましくは、1-ヘキサノール、2-エチル-1- ブタノール、1-オクタノール、1-ヘプタノー 、2-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール ノナン-2-オール、2-エチル-1-オクタノール イソデシルアルコール、2-オクチルドデカノ ール等である。

 炭素数が8~12でカルボン酸基を2~6個有する 芳香族カルボン酸の具体例としては、フタル 酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-メチル ソフタル酸、4,5-ジメトキシフタル酸、ヘミ メリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸 、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリッ ト酸、メリット酸を挙げることができる。

 好ましくは、5-メチルイソフタル酸、ト メリット酸、ピロメリット酸である。

 以上の脂肪族アルコールと芳香族カルボ 酸から製造されたエステル系合成油の具体 としては、例えば、ヘキシルフタル酸エス ル、2-エチルブチルフタル酸エステル、オ チルフタル酸エステル、ヘプチルフタル酸 ステル、2-オクチルフタル酸エステル、2-エ ルヘキシルフタル酸エステル、ノナン-2-オ ルフタル酸エステル、2-エチルオクチルフ ル酸エステル、ノナン-2-オールイソフタル エステル、2-エチルオクチルイソフタル酸エ ステル、オクチル5-メチルイソフタル酸エス ル、ノナン-2-オール5-メチルイソフタル酸 ステル、ヘキシルテレフタル酸エステル、 クチルテレフタル酸エステル、ヘキシルト メリット酸エステル、オクチルトリメリッ 酸エステル、ヘプチルトリメリット酸エス ル、2-エチルブチルトリメリット酸エステル 、2-エチルヘキシルトリメリット酸エステル ノナン-2-オールトリメリット酸エステル、 ソデシルアルコールトリメリット酸エステ 、オクチルベンゼンテトラカルボン酸エス ル、ヘプチルベンゼンテトラカルボン酸エ テル、ヘキシルベンゼンテトラカルボン酸 ステル、2-エチルブチルベンゼンテトラカ ボン酸エステル、2-エチルオクチルベンゼン テトラカルボン酸エステル、2-オクチルドデ ノールピロメリット酸エステルなどが挙げ れる。これらのエステルはいずれも、すべ のカルボン酸がエステル化されたフルエス ルである。

 本発明の基油中、成分(A)のエステル系合 油と合成炭化水素油の合計量は、基油全体 対して40質量%以上、好ましくは60質量%以上 さらに好ましくは80質量%以上、最も好まし は100質量%である。

 本発明に使用する成分(B)の増ちょう剤の好 しい例としては、下記一般式(1)で表される ウレア系増ちょう剤が挙げられる。
  R 1 NH-CO-NH-C 6 H 4 -p-CH 2 -C 6 H 4 -p-NH-CO-NHR 2   (1)
(式中、R 1 及びR 2 は、同一であっても異なっていてもよく、炭 素数8~20、好ましくは炭素数8~18のアルキル基 炭素数6~12、好ましくは炭素数6~7のアリール 基又は炭素数6~12、好ましくは炭素数6~7のシ ロアルキル基である。)

 ジウレア系増ちょう剤は、例えば、所定の イソシアネートと、所定のモノアミンとを 応させることにより得ることができる。ジ ソシアネートの好ましい具体例は、ジフェ ルメタン-4,4’-ジイソシアネートである。 ノアミンとしては、脂肪族アミン、芳香族 ミン、脂環式アミン又はこれらの混合物が げられる。脂肪族アミンの具体例としては オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサ シルアミン、オクタデシルアミン及びオレ ルアミンが挙げられる。芳香族アミンの具 例としては、アニリン及びp-トルイジンが挙 げられる。脂環式アミンの具体例としては、 シクロヘキシルアミンが挙げられる。
 成分(B)は、上述したモノアミンのうちオク ルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシル ミン、オクタデシルアミン及びオレイルア ン又はこれらの混合物を用いて得られる脂 族ウレア系増ちょう剤が好ましい。

 成分(B)の増ちょう剤の含有量は、必要な ょう度を得るのに適切な量であれば良く、 常は、グリース組成物の全質量に対して、 ましくは1~30質量%、さらに好ましくは、5~20 量%である。

 本発明に使用する成分(C)の二硫化モリブデ は、一般に、等速ジョイントにおける固体 滑剤として広く用いられている。その潤滑 構としては、層状格子構造を持ち、すべり 動により薄層状に容易に剪断して、摩擦抵 を低下させることが知られている。また、 速ジョイントの焼き付き防止にも効果があ 。
 成分(C)の含有量は、グリース組成物の全質 に対して好ましくは0.1~10質量%、さらに好ま しくは0.5~5質量%である。

 本発明に使用する成分(D)の硫化ジアルキル チオカルバミン酸モリブデンの具体例とし は、下記一般式(2)で表されるものが挙げら る。
  [R 3 R 4 N-CS-S] 2 -Mo 2 O m S n                    (2)
(式中、R 3 及びR 4 は、それぞれ独立して、炭素数1~24、好まし は2~18のアルキル基であり、mは0~3、nは1~4で り、m+n=4である。)
 成分(D)の硫化ジアルキルジチオカルバミン モリブデンの含有量は、グリース組成物の 質量に対して、好ましくは0.1~10質量%、さら に好ましくは0.5~5質量%である。

 本発明に使用する成分(E)のジチオリン酸 鉛としては、下記一般式(3)で表されるもの 挙げられる。

(式中、R 5 は炭素数1~24のアルキル基又は炭素数6~30のア ール基である。好ましくは炭素数1~5のアル ル基である。)

 成分(E)のジチオリン酸亜鉛の含有量は、グ ース組成物の全質量に対して、好ましくは0 .1~10質量%、さらに好ましくは0.5~5質量%である 。
 本発明のグリース組成物には、上記成分に えて、他の極圧添加剤、酸化防止剤、錆止 剤、防食剤等、通常グリース組成物に使用 れる添加剤を含有させることができる。

 本発明に係る等速ジョイントのトルク伝 部材が球体である等速ジョイントとしては 例えば、ツェッパ型、バーフィールド型な の固定型等速ジョイントやダブルオフセッ 型、クロスグルーブ型などのスライド型等 ジョイントなどが挙げられる。これらは、 ルク伝達部材としてボールを用い、等速ジ イントの外輪及び内輪に形成されたトラッ 上に配置され、ケージを介して組み込まれ 構造を成している。

 本発明に係る等速ジョイントが固定型等速 ョイントである等速ジョイントとしては、 えば、上述のツェッパ型、バーフィールド などの固定型等速ジョイントなどが挙げら る。
 本発明に係る等速ジョイントがスライド型 速ジョイントである等速ジョイントとして 、例えば、上述のダブルオフセット型、ク スグルーブ型などのスライド型等速ジョイ トが挙げられ、作動角を取ると同時に軸線 向にスライドすることが可能である。

 以下、実施例によって本発明をさらに詳述 る。
〔実施例1~4、比較例1~8〕
グリース組成物の調製
 容器に基油1050gとジフェニルメタン-4,4´-ジ ソシアネート294.3gをとり、混合物を70~80℃ 加熱した。別容器に、基油460gとオクタデシ アミン605.7gをとり、70~80℃に加熱後、先の 器に加え、よく攪拌しながら、30分間反応さ せた。その後、加熱攪拌し放冷後、ベースウ レアグリースを得た。このベースウレアグリ ースに、表2~表4に示す配合で、添加剤を添加 し、適宜基油を加え、得られる混合物を三段 ロールミルにて、ちょう度No.1グレードに調 した。

評 価
(1)基油粘度
 JIS K 2283による
 100℃における基油粘度を測定した。
(2)低温トルク(-40℃)
 JIS K 2220 18による
 -40℃における起動トルクを測定した。
 評価基準は下記のとおりである。
(3)耐ブーツ性
 JIS K 6258 による
 120℃×72時間の体積変化率を測定した。
 評価基準は下記のとおりである。

(4)SRV摩擦係数
(5)発熱性試験(抑温性)

 実施例及び比較例に使用した基油の原料及 配合を表1に示す。

MoDTC:硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリ ブデン(式2中、R 3 及びR 4 は炭素数4のアルキル基、mは0~3、nは1~4)
ZnDTP:ジチオリン酸亜鉛(式3中、R 5 は炭素数3~6のアルキル基)
 実施例及び比較例のグリース組成物の配合 分及び評価結果を表2~表4に示す。表2~表4中 各基油成分の欄の括弧内の数字は該成分の 油中の質量%を示す。

- *5 :低温下における起動トルクが1300<と高く回 転トルクは測定不能。

  結果
 以上から、脂肪族アルコールと芳香族カル ン酸から製造されたエステル系合成油10~95 量%と合成炭化水素油90~5質量%を含む基油(A) 使用し、添加剤として成分(C)~(E)を含む本発 の実施例1~4の等速ジョイント用グリース組 物は、低温性、耐ブーツ性及び抑温性に優 、摩擦係数も低い。
 これに対して本発明の成分(A)の代わりに脂 族アルコールと脂肪族カルボン酸から製造 れたエステル系合成油を用いた比較例1では 、低温性及び耐ブーツ性が劣る。
 本発明の成分(A)を含まない比較例2では、低 温性が劣る。
 基油としてエステル系合成油のみを使用し 比較例3及び5では、耐ブーツ性及び抑温性 劣る。
 基油として合成炭化水素油のみを使用した 較例4では、耐ブーツ性及び抑温性が劣る。
 二硫化モリブデンを含まない比較例6~7では 抑温性が劣る。
 二硫化モリブデン、MoDTC及びZnDTPを含まない 比較例8では、抑温性が劣り、焼付きも生じ 。