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Title:
GREASE-PACKED ROLLING BEARING FOR OUTER-RING ROTATION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125653
Kind Code:
A1
Abstract:
A grease-packed rolling bearing for outer-ring rotation is provided. This rolling bearing, which is used in the outer-ring rotation mode, can be rated excellent in all of the prolongation of lubricating grease life, the inhibition of abnormal noise generation at low temperatures, and the prevention of grease leakage. The grease-packed rolling bearing for outer-ring rotation comprises a rolling bearing (A) to be used in the outer-ring rotation mode, such as a pulley bearing, and a lubricating grease (G) obtained by thickening a lube base oil having a dynamic viscosity at 40°C of 13-73 cSt with a urea compound thickener, the grease (G) having been enclosed in the rolling bearing (A) in a volume proportion which is not lower than 20% of the total space volume in the bearing and not higher than 80% of the resting space volume therein.

Inventors:
SAKAGUCHI KENTA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055030
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
March 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
SAKAGUCHI KENTA (JP)
International Classes:
F16C33/66; C10M105/18; C10M105/32; C10M107/02; C10M115/08; C10M169/02; C10N20/02; C10N30/00; C10N30/02; C10N40/02; C10N50/10
Foreign References:
JP2005298629A2005-10-27
JP2004210971A2004-07-29
JP2005112955A2005-04-28
JP2005048044A2005-02-24
JP2001123190A2001-05-08
JP2005060482A2005-03-10
Other References:
See also references of EP 2275699A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Bunji et al. (JP)
Bunji Kamata (JP)
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Claims:
 外輪を回転させて用いられる転がり軸受の内部に、40℃における動粘度が13~73cStの基油とウレア系増ちょう剤とを含有する潤滑グリースを封入し、この潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積の20%以上であり、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率であるグリース封入外輪回転用転がり軸受。
 基油が、エステル油を15重量%以上含有する基油である請求項1に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
 基油が、エステル油とポリαオレフィン油の混合油である請求項1または2に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
 基油が、エステル油15~95重量%とポリαオレフィン油5~85重量%の混合油である請求項3に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
 ウレア系増ちょう剤が、脂肪族ウレアもしくは脂環族ウレアまたは両者併用したウレア系増ちょう剤である請求項1に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
 ウレア系増ちょう剤が、芳香族ジウレアであり、基油がエーテル油15~95重量%とポリαオレフィン油5~85重量%の混合油である請求項1に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
Description:
グリース封入外輪回転用転がり 受

 この発明は、自動車エンジンのベルトシ テムなどにおいてプーリ用転がり軸受など 用いられるグリース封入外輪回転用転がり 受に関する。

 一般に、外輪を回転させて用いられる転 り軸受では、その内部に封入された潤滑グ ースが、遠心力を受けてその流動が抑制さ るため、内輪回転の転がり軸受に比べて要 に油膜が形成されにくくなることが知られ いる。

 図1を参照して説明すると、転がり軸受は 、同心に配置した内輪2と外輪1との間に複数 の転動体3を介在させ、この複数個の転動体 3を保持器4で保持し、シール部材5が軸方向の 両端開口部を密封するように設けられており 、その内部にグリースGは封入されている。

 内輪2の内側に付着しているグリースGは 固定された状態にある内輪2と一体になって ど流動しない状態を保っており、軸受の潤 に寄与する作用が少ない。また、外輪1の内 側に付着しているグリースGは、転がり軸受 回転により遠心力の影響で外輪1に張り付い 状態になり、保持器4で弾き飛ばされる場合 の他に僅かずつしか軸受内部に供給されない 状態である。

 このような状態で使用されるグリース封 外輪回転用転がり軸受は、グリースが僅か も漏れ出てしまうと、転がり軸受の摩擦面 潤滑油が殆ど供給されなくなり、潤滑不足 ら騒音が発生し、回転トルクも不安定にな 。

 このような問題を有するグリース封入外 回転用転がり軸受を改良し、転がり軸受の 部に40℃の動粘度30~70cStの潤滑グリースを充 填し、その充填量が、軸受内部の全空間体積 に対して5~20%に調整されている転がり軸受が られている(特許文献1)。

 しかし、特許文献1に記載されているよう な転がり軸受は、ハードディスクドライブ用 または空調機器の送風モータ軸を支持するも のであり、屋外での低温状態に対応できるも のではなく、冷時異音や高温での使用寿命の 延長について改良されたものではなかった。

 一方、自動車エンジンのベルトシステムに 、カムシャフトを駆動するタイミングベル と、電装・補機を駆動する補機ベルトが挙 られ、これらにはプーリユニットが使用さ ている。
 このようなプーリユニットには、ベルトに 正な張力を付与するテンションプーリと、 ルトを適格に案内するアイドラプーリがあ 、プーリの形状としては、ベルトの溝側を 内する正面溝付きプーリと、ベルトの平坦 を案内する背面フラットプーリがある。プ リユニットは、グリース封入の外輪回転用 がり軸受でもってプーリが回転自在に支持 れており、封入される潤滑グリースの基油 しては、エステル油やエーテル油が使用さ ている(特許文献2)。

特開2001-123190号公報

特開2005-060482号公報

 しかし、上記した従来のグリース封入転 り軸受では、グリース寿命と、冷時異音お びグリース漏洩の全ての問題について、一 に解決できるものではなく、潤滑グリース 性能を組み合わせて前記のような特性を得 ことは容易ではないという問題点がある。

 また、小荷重で使用されるハードディス ドライブ用転がり軸受または回転数が7000rpm 程度と比較的低い空調機器の送風モータ軸な どを支持する転がり軸受に関し、そのグリー ス封入量について、基油の動粘度等の技術情 報を、そのまま自動車エンジンのベルトシス テムなどに用いられる外輪回転用転がり軸受 に転用できるものではなかった。

 そこで、この発明の課題は、上記した問 点を解決して、外輪回転で使用される転が 軸受における潤滑グリース寿命の長期化と 冷時異音の抑制と、グリース漏洩防止性に いての全てを優良評価できるグリース封入 輪回転用転がり軸受とし、特に自動車エン ンのベルトシステムに用いられるプーリ用 がり軸受として適用できるグリース封入外 回転用転がり軸受とすることである。

 上記の課題を解決するために、この発明 は、外輪を回転させて用いられる転がり軸 の内部に、40℃における動粘度が13~73cStの基 油とウレア系増ちょう剤とを含有する潤滑グ リースを封入し、この潤滑グリースの封入量 は、転がり軸受内部の全空間体積の20%以上で あり、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率 であるグリース封入外輪回転用転がり軸受と したのである。

 ここで、上記した「全空間体積」は、内輪 外輪の間の空間体積から、転動体および保 器の体積を除いた体積をいう。
 また、上記した「静止空間体積」は、内輪 外輪と密封部材の空間体積における軸受回 時に転動体および保持器が通過しない空間 体積をいう。

 上記したように構成されるこの発明に係 外輪回転用転がり軸受は、潤滑グリースの 油として、40℃における動粘度が13~73cStの基 油を用いたことにより、潤滑に必要な所用粘 度を満たしながら軸受内に滲み出した基油の 攪拌抵抗による温度上昇が起り難く、自動車 エンジンのベルトシステム等に実装された外 輪回転用転がり軸受の使用時の軸受温度をほ ぼ160℃以下に抑制できる。

 40℃における動粘度が13cSt未満の柔らかい 潤滑グリースでは、玉軸受(例えば深溝玉軸 )に所要の潤滑をする潤滑グリースにならな ので好ましくない。また、73cStを超える硬 グリースでは、後述する実験結果からも明 かなように、潤滑グリースの攪拌抵抗によ 発熱量が大きくなり、外輪回転用転がり軸 が10000~20000回転の高速回転で使用される時の 軸受温度が140℃を超えるようになり、潤滑グ リースが劣化しやすくなって好ましくない。

 前記潤滑グリースの封入量は、転がり軸受 部の全空間体積の20%以上であり、かつ静止 間体積の80%以下の体積比率に限定された量 ある。
 潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部 全空間体積における20%以上の体積比率とし いることにより、20%未満の封入量のものに べて、高速回転(例えば20000回転/分)での使 耐久時間(寿命)を顕著に長く(350時間以上)す ことができる。また、全空間体積における2 0%未満の体積比率の潤滑グリースの封入量で 、使用耐久時間(寿命)が、100時間程度とな 、かなり短い寿命になるからである。
 また、潤滑グリースの封入量は、転がり軸 内部における静止空間体積の80%以下の体積 率としたことにより、潤滑作用は充分に発 され、使用耐久時間(寿命)を延長できる。 た、静止空間体積の80%を超えて潤滑グリー を充填すると、転がり軸受から潤滑グリー が漏れ出ることが生じて好ましくなく、ま そのような過剰量を封入すると、軸受温度 上昇する傾向が高まり、特に静止空間体積 85%を超えて潤滑グリースを充填すると軸受 度の上昇が顕著になる。

 また、この発明においては、転がり軸受 冬季に屋外で、例えば氷点下の気温となっ 際に使用するときにも冷時異音が発生しな ようにするため、基油が、エステル油を15 量%以上含有する基油である潤滑グリースを 入した外輪回転用転がり軸受とすることが ましい。

 上記作用を奏する潤滑グリースの実施態 としては、基油が、エステル油とポリαオ フィン油の混合油であるものがあり、さら 基油が、エステル油15~95重量%とポリαオレフ ィン油5~85重量%の混合油であることが、冷時 音の発生防止および所要の潤滑性を発揮し 所期した潤滑グリース寿命を得るために好 しい。

 また、外輪回転用の転がり軸受に封入さ る潤滑グリースとして、適当な流動性があ 、それによって油膜形成を充分に行なわせ ためには、ウレア系増ちょう剤として、脂 族ウレアもしくは脂環族ウレアまたは両者 用したウレア系増ちょう剤であることが好 しい。

 また、ウレア系増ちょう剤として、芳香 ジウレアを採用する場合には、前記したよ な適当な流動性を確保するために、基油が ーテル油15~95重量%とポリαオレフィン油5~85 量%の混合油を採用し、40℃における動粘度 54cSt以下としたグリース封入外輪回転用転 り軸受とすることが好ましい。

 この発明は、グリース封入外輪回転用転 り軸受において、所定動粘度の基油をウレ 系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリース 用い、ある程度流動性の良い潤滑グリース 転がり軸受内部に所定量封入したので、潤 グリースが漏洩せず、さらに冷時異音が生 難くなり、しかも回転時の温度上昇を抑制 て潤滑グリースの劣化を防止することで潤 グリースの寿命を延長することができると う利点を兼ね備えたものになる。

 また、上記の転がり軸受において、基油 、エステル油とポリαオレフィン油の混合 である潤滑グリースを採用したグリース封 外輪回転用転がり軸受は、冷時異音の発生 止性および充分な潤滑性を発揮する利点が に優れたものになる利点がある。

 上記の外輪回転用転がり軸受において、 滑グリースのウレア系増ちょう剤として、 肪族ウレアもしくは脂環族ウレアまたは両 併用したものを採用したものでは、外輪回 用の転がり軸受に封入される潤滑グリース して、適当な流動性があり、それによって 膜形成を充分に行なえるという利点がある

グリース封入外輪回転用転がり軸受の 面図 転がり軸受内の潤滑グリース量の封入 と軸受寿命の関係を示す図表 転がり軸受内の潤滑グリース量の初期 入量と試験後の軸受内残量との関係を示す 表

符号の説明

1 外輪
2 内輪
3 転動体
4 保持器
5 シール部材
A 転がり軸受
G 潤滑グリース

 この発明に用いる外輪回転用転がり軸受の 造を添付図面に基づいて説明する。
 図1に示すように、実施形態の深溝玉軸受型 の外輪回転用転がり軸受は、同心に配置した 外輪1と内輪2との間に複数個のボール型の転 体3を介在させ、この複数個の転動体3を保 する保持器4および外輪1に固定されたシール 部材5が、軸方向の両端開口部を密封するよ に設けられたものであり、転がり軸受Aの内 に、40℃の動粘度が13~73cSt以下の基油をウレ ア系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリース Gを、軸受内部の全空間体積の20%以上、かつ 止空間体積の80%以下の体積比率だけ封入し 転がり軸受である。

 この発明に用いる40℃における動粘度が13~73 cSt以下の基油は、所要の潤滑性を有しながら 転がり軸受の温度上昇を抑制できる基油粘度 を有する。
 外輪回転用転がり軸受は、自己発熱による 受温度の上昇が140℃である場合において、 きれば1000時間の寿命があるように、または 仕様によっては400~900時間の使用耐久性が要 されるが、73cStを超える高粘度の基油を採用 すると、潤滑する際に発熱作用によって140℃ を超えるために寿命が短くなって好ましくな いからである。また、40℃における動粘度が1 3cSt未満の基油では、外輪回転用転がり軸受 多用される深溝玉軸受について、油膜を所 の厚さに形成困難になる。

 基油の種類としては、周知の合成潤滑油 たは鉱油を採用することができ、そのうち ましくは、パラフィン系鉱油やナフテン系 油等の鉱油類、ポリ-α-オレフィン油(PAO)な の合成炭化水素油類、ポリフェニルエーテ もしくはジアルキルエーテルまたはアルキ フェニルエーテルであるジアルキルジフェ ルエーテル油、アルキルトリフェニルエー ル油、アルキルテトラフェニルエーテル油 のエーテル油類、またはジエステル油、ポ オールエステル油またはこれらのコンプレ クスエステル油、芳香族エステル油、炭酸 ステル油等のエステル油類等を単独で、あ いは相互に混合して使用できる。

 これらの中で高温の耐焼付き寿命、すなわ 、これに相関する耐熱性および耐酸化性の 劣を考慮すると、エーテル油、中粘度PAO、 粘度PAOの順に好ましい。
 このような基油を増ちょうするために配合 る増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤を採 する。脂肪族ジウレア、脂環式ジウレア、 香族ジウレアを比較すると、結晶構造の安 性、耐熱性、せん断安定性、付着性、耐漏 性について、比較的脂環式ジウレアは優れ いる。トルク、圧送性、流動性については 肪族ジウレアおよび脂環式ジウレアが、こ 順に優れている。

[実施例1~9、比較例1、2]
 表1に示す粘度(40℃、動粘度)の基油、増ち う剤を含有する潤滑グリースを同表に示す ょう度に調製し、以下に示す(a)高温寿命測 試験および(b)冷時異音発生試験に供し、こ らの結果を表1中に併記した。

 (a)高温寿命測定試験: 潤滑グリースを深溝 軸受(NTN社製:6204LLB、
両側非接触ゴムシール、高炭素クロム軸受鋼 、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14mm)に1.8g封入し た。この潤滑グリースの封入量は、転がり軸 受内部の全空間体積の40%である。得られた転 がり軸受をアキシャル荷重800N、140℃の雰囲 中で16000rpmの回転速度で外輪回転させ、潤滑 不良になるまでの寿命時間を測定した。

 (b)冷時異音発生試験:  潤滑グリースを深 玉軸受(NTN社製:6204LLB、
両側非接触ゴムシール、高炭素クロム軸受鋼 、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14mm)に1.8g封入し た。この潤滑グリースの封入量は、転がり軸 受内部の全空間体積の40%である。得られた転 がり軸受をアキシャル荷重125N、-20℃の雰囲 中で2700rpmの回転速度で試験軸受3個について 、各10回の始動を行ない、冷時異音の発生す 確率を%で求めた。

 表1の結果からも明らかなように、ウレア 系増ちょう剤ではなく、リチウム石けんを用 いて増ちょうさせた潤滑グリースを封入した 転がり軸受では、140℃の高温雰囲気中で外輪 回転で寿命が約100時間と短いものであった。

 一方、ウレア系増ちょう剤で増ちょうし 潤滑グリースを封入した転がり軸受では、 輪回転で寿命時間が464時間以上、好ましく 1000時間以上もあり、特にエステル系基油を 用いた場合に有利な効果が得られた。これら はいずれも冷時異音発生試験についても良好 な効果が得られるものであった。

[実施例10]
 基油として、エーテル油20重量%と中粘度ポ αオレフィン油80重量%の混合油を調整し、40 ℃における動粘度が72.3cStの基油を調製した この基油の半分量に1モルの4,4’-ジフェニル メタンジイソシアネート(MDI)を溶かし、残り 半分量の基油に2モルのパラトルイジンから なるモノアミンを溶かし、これらを混合攪拌 し、100~120℃で30分反応させて基油中に芳香族 ジウレア化合物を析出させ、芳香族ウレア系 増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースを調 製した。 

 調製されたグリースを深溝玉軸受(NTN社製:62 06LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロム 受鋼、外径62mm、幅16mm、内径30mm)に全空間体 積の24%となるように封入した。
 得られた転がり軸受を、ラジアル荷重490N、 20000rpmの条件で耐久時間を調べ、440時間との 果を得て、これを図2の図表中にプロットし た。

[実施例11]
 実施例10において、グリースを深溝玉軸受 全空間体積の50%となるように封入したこと 外は、全く同様にして転がり軸受を調製し 。
 得られた転がり軸受を、上記同様にラジア 荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、4 00時間との結果を得て、これを図2の図表中に プロットした。

[比較例2]
 実施例10において、グリースを深溝玉軸受 全空間体積の12%となるように封入したこと 外は、全く同様にして転がり軸受を調製し 。
 得られた転がり軸受を、上記同様にラジア 荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、1 00時間との結果を得て、これを図2の図表中に プロットした。

[比較例3]
 実施例10において、グリースを深溝玉軸受 全空間体積の8%となるように封入したこと以 外は、全く同様にして転がり軸受を調製した 。
 得られた転がり軸受を、上記同様にラジア 荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、8 0時間との結果を得て、これを図2の図表中に ロットした。

 図2の結果からも明らかなように、転がり 軸受内部の全空間体積の20%以上の潤滑グリー スを充填した転がり軸受の寿命は、400時間を 超え、比較例2、3との差は350時間程度と顕著 あることがわかる。

[実施例12]
 実施例10において、グリースを深溝玉軸受(N TN社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭 クロム軸受鋼、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14 mm)に静止空間体積の75%となるように封入した こと以外は、全く同様にして転がり軸受を調 製した。
 得られた転がり軸受を、上記同様にラジア 荷重67N、10000rpmの条件で回転させ、グリー 漏れの有無を、初期封入量と試験後の封入 に差があるかどうかによって評価し、結果 図3の図表中にプロットした。

[比較例4~7]
 実施例10において、グリースを深溝玉軸受(N TN社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭 クロム軸受鋼、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14 mm)に静止空間体積の110、120、140、150%となる うにそれぞれ封入したこと以外は、全く同 にして比較例4~7の転がり軸受を調製した。

 得られた転がり軸受を、上記同様にラジア 荷重67N、10000rpmの条件で回転させ、グリー 漏れの有無を、初期封入量と試験後の封入 に差があるかどうかによって評価し、結果 図3の図表中にプロットした。
 図3の結果からも明らかなように、静止空間 体積の80%以下の体積比率で潤滑グリースを充 填した転がり軸受については、グリース漏れ がないことがわかる。