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Patent Searching and Data


Title:
HAIR IMAGE DISPLAY METHOD AND DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099938
Kind Code:
A1
Abstract:
A hair image display method comprises a step of selecting a hair region from a hair image, calculating an edge image by performing edge detection of the hair region, calculating a representative value image by performing representative value processing of the edge image, and displaying a direction difference image by calculating the direction difference between the edge image and the representative value image and generating a color image or a gray scale image from the direction difference of each pixel, or a step of displaying a hair bundle width image by generating a color image or a gray scale image from the correlation length of each pixel of the edge direction image, or a step of generating a curvature image by determining the curvature of each pixel from the edge direction image. With this, the orientation of a hair bundle deflected from the flow, hair bundles in the same flow, and the state of the curl are displayed clearly and the hair styling is easily evaluated.

Inventors:
SATO HIRAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052581
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORP (JP)
SATO HIRAYUKI (JP)
International Classes:
G06T1/00; A45D44/00
Foreign References:
JP2001209796A2001-08-03
JPH04105045A1992-04-07
JP2000287953A2000-10-17
JPH01192346A1989-08-02
Other References:
See also references of EP 2124185A4
Attorney, Agent or Firm:
TAJIME & TAJIME (New-Well-Ikuta Bldg. 26-28, Mita 1-chome, Tama-k, Kawasaki-shi Kanagawa 34, JP)
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Claims:
 毛髪画像から毛髪領域を選択し、毛髪領域にエッジ検出を行ってエッジ画像を算出し、エッジ画像に代表処理を行って代表値画像を算出し、エッジ画像と代表値画像との方向差を算出し、各画素の方向差をカラー画像化又は濃淡画像化して方向差画像を表示する毛髪画像表示方法。
 代表処理に中央値フィルタを使用する請求項1記載の毛髪画像表示方法。
 方向差としてマハラノビス汎距離を算出する請求項1又は2記載の毛髪画像表示方法。
 毛髪画像取得手段、毛髪画像から毛髪領域を選択する手段、毛髪領域にエッジ検出を行い、エッジ画像を算出する手段、エッジ画像に代表処理を行い代表値画像を算出する手段、エッジ画像と代表値画像との方向差を算出する手段、各画素の方向差をカラー画像化又は濃淡画像化して方向差画像を算出する手段、及び方向差画像を表示する表示手段を備えた毛髪画像表示装置。
 代表処理に中央値フィルタを使用する請求項4記載の毛髪画像表示装置。
 方向差としてマハラノビス汎距離を算出する請求項4又は5記載の毛髪画像表示装置。
 毛髪画像から毛髪領域を選択し、毛髪領域にエッジ検出を行ってエッジ方向画像を算出し、毛髪領域の画素について、該画素のエッジ方向に直交する方向に対する近傍画素のエッジ方向の相関長を算出し、各画素の相関長をカラー画像化又は濃淡画像化した毛髪の束幅画像を表示する毛髪画像表示方法。
 前記エッジ方向と該エッジ方向に直交する方向の近傍画素のエッジ方向のなす角θの相関長として、cos n  θが一定値以上となる前記直交方向の長さを算出する請求項7記載の毛髪画像表示方法。
 前記エッジ方向に直交する方向に対する近傍画素のエッジ方向の相関長として、該直交方向の色または明度の類似度が一定値以上となる長さを算出する請求項7記載の毛髪画像表示方法。
 前記相関長を経時的に算出し、毛髪の束幅の変化を表示する請求項7~9のいずれかに記載の毛髪画像表示方法。
 毛髪画像取得手段、毛髪画像から毛髪領域を選択する手段、毛髪領域にエッジ検出を行い、エッジ方向画像を算出する手段、毛髪領域の画素において、該画素のエッジ方向に直交する方向に対する近傍画素のエッジ方向の相関長を算出する手段、各画素の相関長をカラー画像化又は濃淡画像化して毛髪の束幅画像を算出する手段、及び毛髪の束幅画像を表示する表示手段を備えた毛髪画像表示装置。
 前記エッジ方向と該エッジ方向に直交する方向の近傍画素のエッジ方向のなす角θの相関長として、cos n  θが一定値以上となる長さを算出する請求項11記載の毛髪画像表示装置。
 前記エッジ方向に直交する方向に対する近傍画素のエッジ方向の相関長として、色または明度の類似度が一定値以上となる長さを算出する請求項11記載の毛髪画像表示装置。
 毛髪画像から毛髪領域を選択し、毛髪領域にエッジ検出を行ってエッジ方向画像を算出し、注目画素の近傍画素からエッジ方向を順次追跡することにより流線を得、流線と注目画素との距離が小さいほど前記近傍画素に大きな重みを与える重み関数を使用して近傍画素の円へのあてはめを行い、その円の曲率を注目画素の曲率とし、こうして得られる曲率を毛髪領域の各画素について算出することにより毛髪の曲率画像を形成する毛髪画像形成方法。
 線形最小絶対偏差法を用いて円へのあてはめを行う請求項14記載の毛髪画像形成方法。
 毛髪の曲率画像を、カラー画像化又は濃淡画像化して表示する請求項14又は15記載の毛髪画像形成方法。
 毛髪画像取得手段、毛髪画像から毛髪領域を選択する機能、毛髪領域にエッジ検出を行ってエッジ方向画像を算出する機能、注目画素の近傍画素からエッジ方向を順次追跡することにより流線を得る機能、流線と注目画素との距離が小さいほど前記近傍画素に大きな重みを与える重み関数を使用して近傍画素の円へのあてはめを行う機能、その円の曲率を注目画素の曲率とする機能、及びこうして得られる曲率を毛髪領域の各画素について算出することにより毛髪の曲率画像を形成する機能を備えた演算手段、並びに毛髪の曲率画像を表示する表示手段を備えた毛髪画像表示装置。
 近傍画素の円へのあてはめを、線形最小絶対偏差法を用いて行う請求項17記載の毛髪画像表示装置。
 
Description:
毛髪画像表示方法及び表示装置

 本発明は、毛髪のスタイリングの状態を かりやすく表示する毛髪画像表示方法及び 示装置に関する。

 毛髪のスタイリングでは、毛髪の広がり 流れ、カールの程度が意図したものとなっ いるか、流れから外れた毛(所謂、はね毛) ないか、湿気等の影響によらず、当初のス イリングを安定して維持できるか等が問題 なる。そこで、種々のスタイリング剤、縮 矯正剤、パーマ剤等が開発されている。

 しかしながら、個々の毛髪の太さ、引っ張 強度、水分率等の物性の測定装置や、キュ ティクル、コルティックス、メデュラ等の 像解析を行う観察装置(特許文献1)は開発さ ているが、毛髪の全体的なスタイリングの 態をわかりやすく表示し、客観的に評価す 装置は存在しない。そのため、スタイリン 剤等の評価は、もっぱら、それを実際に使 し、ヘアスタイルの崩れの有無等を官能評 することによってなされている(特許文献2)

特開2000-287953号公報

特開平11-92346号公報

 上述の従来技術に対し、本発明は、毛髪 像を画像処理することにより、毛髪の全体 なスタイリングの状態をわかりやすく表示 、その状態を評価できるようにすること、 り具体的には毛髪のスタイリングにおいて (i)流れから外れた向きの毛をわかりやすく 示し、スタイリングを容易に評価できるよ にすること、(ii)同じ流れにある毛髪を毛束 としてわかりやすく表示し、その束幅の変化 を容易に評価できるようにすること、(iii)毛 のカールの状態をわかりやすく表示し、そ 曲率の変化を容易に評価できるようにする と、を目的とする。

 本発明者は、(i)毛髪のスタイリングの画 に特定の画像処理を施し、毛髪の流れから れた毛を、その外れ度合い応じて、流れに った毛と異なる色で表示することにより、 髪のはね具合を容易に認識することが可能 なり、スタイリングの成否を容易に評価で ること、(ii)毛髪のスタイリングの画像に特 定の画像処理を施し、毛髪のエッジ方向画像 に、毛束の幅に応じた色ないし濃さを施すと 、毛髪のスタイリングの広がり具合を容易に 評価できること、(iii)毛髪のスタイリングの 像に特定の画像処理を施して毛髪領域上の 画素の曲率を算出し、その曲率に応じて各 素に色ないし濃淡を付すと、毛髪のカール 状態を容易に視認し評価できることを見出 、本発明を完成させた。

 即ち、本発明は第1の毛髪画像表示方法と して、毛髪画像から毛髪領域を選択し、毛髪 領域にエッジ検出を行ってエッジ画像を算出 し、エッジ画像に代表処理を行って代表値画 像を算出し、エッジ画像と代表値画像との方 向差を算出し、各画素の方向差をカラー画像 化又は濃淡画像化して方向差画像を表示する 毛髪画像表示方法を提供する。

 また、本発明は、上述の毛髪画像表示方 を実施する第1の装置として、毛髪画像取得 手段、毛髪画像から毛髪領域を選択する手段 、毛髪領域にエッジ検出を行い、エッジ画像 を算出する手段、エッジ画像に代表処理を行 い代表値画像を算出する手段、エッジ画像と 代表値画像との方向差を算出する手段、各画 素の方向差をカラー画像化又は濃淡画像化し て方向差画像を算出する手段、及び方向差画 像を表示する表示手段を備えた毛髪画像表示 装置を提供する。

 第2の毛髪画像表示方法として、毛髪画像 から毛髪領域を選択し、毛髪領域にエッジ検 出を行ってエッジ方向画像を算出し、毛髪領 域の画素において、該画素のエッジ方向に直 交する方向に対する近傍画素のエッジ方向の 相関長を算出し、各画素の相関長をカラー画 像化又は濃淡画像化して毛髪の束幅画像を表 示する毛髪画像表示方法を提供する。

 また、本発明は、上述の毛髪画像表示方 を実施する第2の装置として、毛髪画像取得 手段、毛髪画像から毛髪領域を選択する手段 、毛髪領域にエッジ検出を行い、エッジ方向 画像を算出する手段、毛髪領域の画素におい て、該画素のエッジ方向に直交する方向に対 する近傍画素のエッジ方向の相関長を算出す る手段、各画素の相関長をカラー画像化又は 濃淡画像化して毛髪の束幅画像を算出する手 段、及び毛髪の束幅画像を表示する表示手段 を備えた毛髪画像表示装置を提供する。

 第3の毛髪画像表示方法として、毛髪画像 から毛髪領域を選択し、毛髪領域にエッジ検 出を行ってエッジ方向画像を算出し、注目画 素の近傍画素からエッジ方向を順次追跡する ことにより流線を得、流線と注目画素との距 離が小さいほど前記近傍画素に大きな重みを 与える重み関数を使用して近傍画素の円への あてはめを行い、その円の曲率を注目画素の 曲率とし、こうして得られる曲率を毛髪領域 の各画素について算出することにより毛髪の 曲率画像を形成する毛髪画像形成方法を提供 する。

 また、本発明は、上述の毛髪画像形成方 を実施する第3の装置として、毛髪画像取得 手段、毛髪画像から毛髪領域を選択する機能 、毛髪領域にエッジ検出を行ってエッジ方向 画像を算出する機能、注目画素の近傍画素か らエッジ方向を順次追跡することにより流線 を得る機能、流線と注目画素との距離が小さ いほど前記近傍画素に大きな重みを与える重 み関数を使用して近傍画素の円へのあてはめ を行う機能、その円の曲率を注目画素の曲率 とする機能、及びこうして得られる曲率を毛 髪領域の各画素について算出することにより 曲率画像を形成する機能を備えた演算手段、 並びに毛髪の曲率画像を表示する表示手段を 備えた毛髪画像表示装置を提供する。

 本発明の第1の毛髪画像表示方法によれば 、方向差画像により、毛髪のスタイリングに おいて流れから外れた向きの毛が、その外れ 度合いに応じて、流れに沿った毛と異なる色 ないし濃さで表示されるので、スタイリング 全体のまとまり具合を容易に認識することが でき、また、流れから外れた毛の外れ度合、 分布等も容易に集計することができる。した がって、毛髪のスタイリングを評価すること が可能となり、さらに、スタイリングに使用 する毛髪化粧料自体の評価やスタイリング方 法の評価にも有用なものとなる。

 また、本発明の第1の毛髪画像表示装置に よれば、本発明の第1の毛髪画像表示方法を 易に行うことが可能となる。

 本発明の第2の毛髪画像表示方法によれば 、毛髪の束幅画像により、毛髪領域の各画素 が毛束の幅に対応する相関長に応じた色ない し濃さで表示されるので、スタイリング全体 における毛束を容易に認識することが可能と なり、その束幅の分布、時間変化等も容易に 集計することが可能となる。したがって、ス タイリングにおける毛束の広がりを評価する ことが可能となる。さらに、毛髪処理化粧料 を使用してスタイリングした場合や、その後 さらに毛髪に湿気等を与えた場合において、 経時的に毛髪のエッジ方向の相関長を得ると 、スタイリングに使用する毛髪化粧料自体や スタイリング方法自体を評価することができ る。

 また、本発明の第2の毛髪画像表示装置に よれば、本発明の第2の毛髪画像表示方法を 易に行うことが可能となる。

 本発明の第3の毛髪画像形成方法によれば 、毛髪の曲率画像により、毛髪領域の各画素 の色ないし濃淡を、その画素の曲率に応じて 表示することができるので、スタイリング全 体における毛髪のカールの状態を容易に認識 することが可能となり、スタイリング全体に おけるカールの大小の分布やその時間変化等 も容易に集計することが可能となる。さらに 、毛髪処理化粧料を使用してスタイリングし た場合や、その後さらに毛髪に湿気等を与え た場合において、経時的に毛髪の曲率画像を 得ると、スタイリングに使用する毛髪化粧料 自体やスタイリング方法自体を評価すること ができる。

 また、本発明の第3の毛髪画像表示装置に よれば、本発明の第3の毛髪画像表示方法を 易に行うことが可能となる。

図1は第1の毛髪画像表示方法の流れ図 ある。 図2は第2の毛髪画像表示方法の流れ図 ある。 図3は第3の毛髪画像表示方法の流れ図 ある。 図4は毛髪画像表示装置のブロック図で ある。 図5Aは原画像である。 図5Bはエッジ画像(横方向)である。 図5Cはエッジ画像(縦方向)である。 図5Dはエッジ方向画像である。 図5Eはエッジ強度画像である。 図6Aは代表処理におけるエッジ方向の 明図である。 図6Bは代表処理におけるエッジ方向の 明図である。 図6Cは代表処理におけるエッジ方向の 明図である。 図7Aは中央値フィルタの大きさごとの 滑化画像である。 図7Bは中央値フィルタの大きさごとの 滑化画像である。 図7Cは中央値フィルタの大きさごとの 滑化画像である。 図7Dは中央値フィルタの大きさごとの 滑化画像である。 図8は方向差画像である。 図9はノイズ除去後の方向差画像である 。 図10は方向差とその出現度数(頻度)と ヒストグラムである。 図11Aは原画像である。 図11Bはエッジ画像(横方向)である。 図11Cはエッジ画像(縦方向)である。 図11Dはエッジ方向画像である。 図11Eはエッジ強度画像である。 図11Fは束幅画像である。 図12Aは相関長の算出方法の説明図で る。 図12Bは相関長の算出方法の説明図で る。 図13は相関長と時間との関係図である 図14Aは原画像である。 図14Bはエッジ画像(横方向)である。 図14Cはエッジ画像(縦方向)である。 図14Dはエッジ方向画像である。 図14Eはエッジ強度画像である。 図14Fは曲率画像である。 図15は流線と注目画素の距離の説明図 ある。 図16Aは実施例1における原画像である 図16Bは実施例1における方向差画像で る。 図17Aは実施例2における原画像である 図17Bは実施例2における束幅画像であ 。 図18Aは実施例2における原画像である 図18Bは実施例2における束幅画像であ 。 図19Aは実施例3における原画像である 図19Bは実施例3における曲率画像であ 。 図20Aは実施例4における原画像である 図20Bは実施例4における毛髪領域を示 画像である。 図20Cは実施例4における曲率画像であ 。 図20Dは実施例4の原画像において、つ じ付近と中央付近を示す画像である。 図20Eは実施例4におけるつむじ付近の 率のヒストグラムである。 図20Fは実施例4における中央付近の曲 のヒストグラムである。

符号の説明

 1  毛髪画像表示装置
 2  デジタルカメラ
 3  パーソナルコンピュータ
 4  ディスプレイ
 5  プリンタ
 6  イメージスキャナ
 7  データベース

 以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に 明する。なお、各図中、同一符号は、同一 は同等の構成要素を表している。

 図1、図2、図3は、それぞれ本発明の第1、 第2、第3の毛髪画像表示方法の一実施例の流 図であり、図4は、この第1、第2、第3の毛髪 画像表示方法を実施する毛髪画像表示装置1 ブロック図である。

 この毛髪画像表示装置1は、評価対象とす るヘアスタイルの毛髪画像を取得するデジタ ルカメラ2と、デジタルカメラ2で撮った毛髪 像を保存し、また、演算処理を施すパーソ ルコンピュータ3と、演算処理前の毛髪画像 (原画像)や演算結果を表示するディスプレイ4 及びプリンタ5を有している。

 毛髪画像の取得手段としては、デジタル メラ2の他、被験者の毛髪スタイルの写真か ら毛髪画像を取り込むイメージスキャナ6を けてもよく、毛髪画像が記録されている任 の記録媒体から毛髪画像を読み込むドライ を設けてもよく、インターネット等の通信 線から毛髪画像を取り込むものでもよい。 た、パーソナルコンピュータ3には、スタイ ング剤等の毛髪化粧料と、その適用の前後 毛髪のスタイリング状態を蓄積したデータ ース7を接続してもよい。

 パーソナルコンピュータ3は、本発明の第1 第2、第3の毛髪画像表示方法のいずれを実施 するかに応じて搭載するプログラムが異なり 、第1の毛髪画像表示方法を実施する場合、 の(1a)~(1e)の手段として機能するプログラム 備える。
(1a)毛髪画像から毛髪領域を選択する手段、
(1b)選択した毛髪領域についてエッジ検出を い、エッジ画像を算出する手段、
(1c)エッジ画像に代表処理を行って代表値画 を算出する手段、
(1d)エッジ画像と代表値画像との方向差を算 する手段、
(1e)方向差をカラー画像化又は濃淡画像化し 方向差画像を算出する手段

 ここで、(1a)の毛髪画像とは、毛髪領域を 含む顔画像、頭部画像などをいい、毛髪画像 からの毛髪領域の選択は、例えば、黒髪の場 合は、明るさが特定の閾値より暗い画素を毛 髪領域とし、茶髪、金髪等の場合は、彩度が 特定の閾値より高い画素を毛髪領域とするこ とにより行う。また、必要に応じて、これら にエッジ強度が特定の閾値よりも大きいとい う条件を組み合わせて毛髪領域を選択しても よい。この他、毛髪領域の選択に際しては、 毛髪画像を所定の方法で撮ることにより、毛 髪画像上所定の部位に毛髪領域が位置するよ うに予め設定しておくことが好ましい。

 (1b)でエッジ検出により算出するエッジ画 像は、毛髪の流れ(流れから外れた毛を含む) 示す画像に対応する。エッジ検出自体は、 像の濃度勾配を利用した公知の微分処理に り行うことができ、より具体的には、Prewitt 、Robinson、Kirsch等のエッジ抽出フィルタを用 ることができる。

 例えば、Prewittフィルタを使用する方法で は、横方向の濃度差dxは

を用いて算出され、縦方向の濃度差dyは

を用いて算出される。そして、毛髪の流れの 向きに対応するエッジ方向θが次式

により算出され、エッジ強度rが次式

により算出される。

 より具体的には、エッジ抽出フィルタを いてエッジ検出を行うことにより、図5Aの 画像から図5Bの横方向のエッジ画像及び図5C 縦方向のエッジ画像を得、これら横方向の ッジ画像と縦方向のエッジ画像から、上述 数3の式よりエッジ方向が算出されて図5Dの ッジ方向画像が形成され、また、数4の式よ りエッジ強度が算出されて図5Eのエッジ強度 像が算出される。

 (1c)の代表処理は、一般に画像処理でノイ ズを除去する場合等に使用されるが、本発明 においては上述の毛髪の流れを示すエッジ画 像から、流れから外れた毛の影響を取り除く ために行う。

 代表処理は、中央値フィルタ、平均値フ ルタ、刈り込み平均値フィルタ等を使用し 行うことができるが、本発明では中央値フ ルタを使用することが好ましい。即ち、中 値フィルタを使用する代表処理は、ある画 の画素値を、その周囲窓領域の画素値の中 値で置き換える処理であり、平均値フィル を使用する処理は、ある画素の画素値を、 の周囲窓領域の画素値の平均値で置き換え 処理である。そのため、例えば、図6Aに示 ように、周囲窓領域に多数のθ1 方向の画素 と、一つのθ2 方向の画素が存在し、このθ2 方向の画素のエッジ強度がθ1 方向の画素の エッジ強度に比して極めて強いという場合に 平均値フィルタを使用して代表処理を行うと 、代表処理後のエッジ方向θavは、図6Bに示す ように、多数存在する画素の方向θ1 と異な たものとなり、代表処理後のエッジ方向θav が毛髪の流れに対応しなくなる。これに対し 、中央値フィルタを使用すると、図6Cに示す うに、代表後のエッジ方向θo は毛髪の流 に対応するものとなる。なお、ここでの平 値は周囲窓領域に含まれるエッジの主軸を めることによって算出した。また、中央値 、周囲窓領域に含まれる他のエッジとの距 の総和が最小になるエッジを求めることに って算出した。

 代表処理を行うにあたり、フィルタ(周囲 窓領域)の大きさは、小さすぎると代表処理 のエッジ方向が毛髪の流れと対応しにくく り、大きすぎるとゆるやかな流れの毛の方 が代表処理後のエッジ方向に寄与するよう なる。例えば、前述の図5B(横方向),図5C(縦方 向)のエッジ画像に対し、近傍半径2画素の範 の中央値をとると、図7A(横方向),図7B(縦方 )の代表値画像を得、同様に、近傍半径5画素 の範囲の中央値をとると、図7C(横方向),図7D( 方向)の代表値画像を得る。好ましいフィル タの大きさは、毛髪スタイルによっても異な り、直毛の毛髪スタイルに対しカールのかか った毛髪スタイルでは、フィルタを小さくし ないと代表処理後のエッジ方向が毛髪の流れ に対応しにくくなる。より具体的には、フィ ルタの大きさは、直毛スタイルの場合には、 周囲窓領域の半径が毛髪径の3倍以上とする とが好ましく、さらに、カールのスタイル 場合には、周囲窓領域の半径がカールの曲 半径の0.5倍以下とすることが好ましい。

 (1d)のエッジ画像と代表値画像との方向差 は、毛髪の流れから外れた毛の外れ度合いに 対応する。この方向差としては、マハラノビ ス汎距離、ユークリッド距離等の距離を算出 することができるが、中でもマハラノビス汎 距離を算出することが好ましい。

 マハラノビス汎距離は、多次元の変数の 関関係やばらつきを考慮して算出される距 の尺度である。エッジ画像と代表値画像と マハラノビス汎距離は、具体的には、次の により求めることができる。

(式中、v1:距離を求めるエッジの代表値の向 への射影の長さ
v2:代表値に直交する向きへの射影の長さ
σ1:周囲窓領域に含まれるエッジの、代表値 向きへの射影の長さの標準偏差
σ2:代表値に直交する向きへの射影の長さの 準偏差)

 マハラノビス汎距離は、その値が小さい ど対象物が母集団に近いこと、即ち、注目 る毛髪が、毛髪の流れに沿っていることを 味し、反対にその値が大きいほど対象物は 集団から離れていること、即ち、注目する 髪が、毛髪の流れから外れた方向をとって ることを意味する。

 マハラノビス汎距離を算出後、さらに、 向差画像に対して中央値フィルタ、平均値 ィルタ等を用いるノイズ除去処理を行って よい。これにより、毛髪の流れから外れた をいっそう際立たせることが可能なる。

 (1e)の方向差をカラー画像化又は濃淡画像 化する処理は、例えば、方向差の数値に色相 角を対応させたり、濃淡の階調度を対応させ たりすればよい。これにより、方向差をビジ ュアル化することができる。

 例えば、前述の図5B、図5Cのエッジ画像と 図7A、図7Bの代表値画像とのマハラノビス汎 離を白黒256階調で濃淡画像化することによ 図8の方向差画像を得ることができ、さらに れに近傍半径2画素の中央値フィルタを用い てノイズ除去処理を行うことにより、図9の 向差画像(ノイズ除去)を得ることができる。

 本発明においては、方向差を上述のよう 方向差画像として表示する他、例えば図10 ように、方向差とその出現度数とをヒスト ラム等の関係図に表してもよい。これによ 、毛髪の流れから外れた毛髪の外れ度合い 出現度数等を統計的に解析することが容易 なる。

 さらに、この解析結果や上述の方向差画 の見え方を、データベース7に保存されてい る毛髪化粧料やスタイリング方法と関連づけ てもよい。

 一方、第2の毛髪画像表示方法を実施する場 合、パーソナルコンピュータ3には、次の(2a)~ (2e)の手段として機能するプログラムを備え 。
(2a)毛髪画像から毛髪領域を選択する手段、
(2b)選択した毛髪領域についてエッジ検出を い、エッジ方向画像を算出する手段、
(2c)毛髪領域の画素において、該画素のエッ 方向に直交する方向に対する近傍画素のエ ジ方向の相関長を算出する手段、
(2d)各画素の相関長をカラー画像化又は濃淡 像化して毛髪の束幅画像を算出する手段

 ここで、(2a)の毛髪画像の意味や、毛髪画 像からの毛髪領域の選択方法は、前述の(1a) 同様である。

 (2b)で行うエッジ検出も前述の(1b)と同様 行うことができる。

 そして、エッジ検出により、図11Aの原画 から、図11Bの横方向のエッジ画像と、図11C 縦方向のエッジ画像を得ることができ、ま これら横方向のエッジ画像と縦方向のエッ 画像から、上述の数3の式と数4の式によっ 、それぞれ図11Dのエッジ方向画像と図11Eの ッジ強度画像が算出される。

 (2c)で算出する相関長は、毛髪領域中の或 画素でのエッジ方向が、そのエッジ方向に直 交する方向にどれほどの秩序で広がっている かを表す量であり、毛束の幅に対応する。相 関長は、例えば、次のようにして求めること ができる。即ち、図12Aに示すように、画素P0 中心とする円内の領域Aにおいてエッジ方向 がD0で、それに直交する方向がDxの場合に、 素P0とその近傍の画素P1、P2、P3、P4、P5にお るエッジ方向が、それぞれD0、D1、-、D3、-、 D5であるとする。この場合に、図12Bのように 各画素のエッジ方向と、画素P0におけるエ ジ方向D0がなす角度θのcosをとり、cosθの値 0.5以上となる上記の直交方向Dx の距離を相 長とする。ここで、cosθの値が0.5以上とな 領域が不連続に存在する場合には、注目す 画素P0を含む領域の距離とする。また、近傍 画素としては、画像中に含まれることが予想 される束幅の最大値を直径とする円内にある 画素を選択する。こうして得られる相関長の 値を画素P0の画素値とする。

 このように、画素P0における相関長を算出 るにあたり、図12Bのcosθの曲線は、その急峻 さに応じてcos n θを用いてもよい。また、エッジ方向と直交 る方向にcosθの移動平均値を求め、その値 0.5以上になる距離を用いることもできる。

 この他、相関長の算出方法としては、画素P 0に直交する方向Dx の色又は明度の類似度が 定値以上となる長さを求めてもよい。この 合、色又は明度の類似度としては、例えば 1/(1+|画素P0と近傍画素の色の距離/毛髪領域 含まれる画素の色の距離の標準偏差|)や、1/ (1+|画素P0の近傍画素の明度の差/毛髪領域に まれる画素の明度の標準偏差|)により算出さ れる数値を使用し、色の類似度が一定値以上 となる範囲のDx方向の長さ、又は、明度の類 度が一定値以上となる範囲のDx方向の長さ 相関長とする。ここで色の距離はRGB空間に けるユークリッド距離を用いることができ が、L * a * b * 空間やL * u * v * 空間などの異なる色空間での距離を用いても よい。

 相関長は、毛髪領域の全画素について算 する。

 (2d)の各画素の相関長をカラー画像化又は 濃淡画像化する処理は、例えば、相関長の数 値に色相を対応させたり、濃淡の階調度を対 応させたりすればよい。これにより、相関長 をビジュアル化し、束幅によって色ないし濃 淡が異なる束幅画像を得ることができる。

 例えば、前述の図11Dのエッジ方向画像の 画素について相関長を求め、相関長を白黒2 56階調で濃淡画像化することにより図11Fの束 画像のように、太い束幅ほど明るい画像を ることができる。

 本発明においては、相関長を上述のよう 束幅画像として表示する他、例えば図13の うに、ある毛束の部位について、相関長の 間変化をグラフ化してもよく、ある毛束を 髪化粧料で処理した場合、あるいはさらに 気等を与える処理をした場合において、処 前後の束幅画像を経時的に求め、相関長の 化を、毛髪化粧料の種類や処理方法(温度、 間等)ごとに表示してもよい。これにより、 毛髪化粧料の種類や使用方法によるスタイリ ングの安定性の違いを統計的に解析すること が容易となる。

 さらに、これらの解析結果や上述の束幅 像の見え方を、データベース7に保存されて いる毛髪化粧料やスタイリング方法と関連づ けてもよい。

 さらにまた、第3の毛髪画像表示方法を実施 する場合、パーソナルコンピュータ3には、 算手段として次の(3a)~(3g)の機能を有するプ グラムを備える。
(3a)毛髪画像から毛髪領域を選択する機能、
(3b)毛髪領域にエッジ検出を行ってエッジ方 画像を算出する機能、
(3c)注目画素の近傍画素からエッジ方向を順 追跡することにより流線を得る機能、
(3d)流線と注目画素との距離が小さいほど前 近傍画素に大きな重みを与える重み関数を 用して近傍画素の円へのあてはめを行う機 、
(3e)その円の曲率を注目画素の曲率とする機 、
(3f)こうして得られる曲率を毛髪領域の各画 について算出することにより毛髪の曲率画 を形成する機能、
(3g)毛髪の曲率画像をカラー画像化又は濃淡 像化する機能

 ここで、(3a)の毛髪画像の意味や、毛髪画 像からの毛髪領域の選択方法は、前述の(1a) 同様である。

 (3b)で行うエッジ検出も前述の(1b)と同様 行うことができる。

 このようなエッジ検出により、図14Aの二 円の原画像(a)から、図14Bの横方向のエッジ 像及び図14Cの縦方向のエッジ画像を得るこ ができる。これら横方向のエッジ画像と縦 向のエッジ画像から、上述の数3の式と数4 式によって、それぞれ図14Dのエッジ方向画 と図14Eのエッジ強度画像が算出される。

 また、(3c)でエッジ方向を順次追跡すること により流線を得るとは、例えば、図15に示す うに、注目画素P 0 を中心とする半径Rの近傍領域を想定し、そ 領域内の任意の近傍画素P 11 から、該画素P 11 におけるエッジ方向のうち注目画素P 0 に近づく方向に所定距離Aにある画素P 12 を求め、この画素P 12 から該画素P 12 におけるエッジ方向のうち当初の画素P 11 から遠ざかる方向に所定距離Aにある画素P 13 を求め、以下同様にして、エッジ方向を所定 距離Aずつ順次追跡し、画素P 12 、…、P 1m を求めることにより流線L 1 を得ることをいう。この流線L 1 と注目画素P 0 との距離d 1 は、後述するように、流線L 1 のスタート点の画素P 11 の重みの算出に使用する。

 同様に、注目画素P 0 の近傍領域内の他の画素P 21 をスタート点として、その画素におけるエッ ジ方向に所定距離Aずつ順次追跡した画素P 22 、…、P 2n 、を求めることにより流線L 2 を得る。そして、流線L 2 と注目画素P 0 との距離d 2 を求め、この距離d 2 を、流線L 2 のスタート点の画素P 21 の重みの算出に使用する。

 この流線と注目画素P 0 との距離を求める操作は、注目画素P 0 を中心とする近傍画素(x i ,y i )の全てを流線L i のスタート点とする場合について行うことが 好ましい。

 なお、注目画素P 0 の近傍領域の大きさを規定する半径Rは、画 中に含まれるカールの曲率半径の0.5倍以下 することが好ましく、また、エッジ方向に む距離Aは、毛髪径の2倍以上とすることが好 ましい。

 (3d)の近傍画素の円へのあてはめは、基本的 には、注目画素P 0 の近傍の各画素(x i ,y i )を、一つの円の式f(x):

にあてはめた場合の誤差|e i |=|y i -f(x i )|が小さくなるように係数a,bと半径rを求める ことにより行う。その具体的な手法としては 、非線形最小二乗法、線形最小二乗法、線形 最小絶対偏差法等を使用することができるが 、計算が比較的容易であてはめ精度が良好な 点から線形最小絶対偏差法を使用することが 好ましく、さらに、前述の流線L i と注目画素P 0 との距離d i が小さいほど当該近傍画素に大きな重みを与 える重み関数を使用することが好ましい。

 例えば、重み関数w i として、
 

(式中、d i は、画素(x i ,y i )が流線L i のスタート点である場合の流線L i と注目画素P 0 との距離であり、Rは、注目画素P 0 に対して近傍を画する半径である。また、n 、重み関数の急峻さに応じて定まる0.2~30の 数である。)を使用し、円へのあてはめに際 、

が最小となるようにする。

 この重み関数w i を使用すると、流線L i が注目画素P 0 近くを通ることによりd i が小さくなる流線を形成する近傍画素では重 みが高くなり、流線L i が注目画素P 0 から離れることによりd i が大きくなる流線を形成する近傍画素では重 みが低くなる。したがって、毛髪画像を細線 化することなく、注目画素P 0 の近傍画素を円にあてはめることが可能とな り、それ故、毛髪が密集した状態の毛髪の一 般的なスタイリング画像においても、注目画 素P 0 の近傍画素を円にあてはめることが可能とな る。

 本発明では、こうして得られる円の曲率を 目画素P 0 の曲率とする。

 (3f)の毛髪の曲率画像は、上述の注目画素P 0 の曲率の算出を、毛髪領域上の各画素を注目 画素として繰り返し、各画素の曲率を求める ことにより形成する。

 毛髪の曲率画像は、カラー画像化又は濃 画像化して表示することができる。毛髪の 率画像をカラー画像化又は濃淡画像化する 理は、例えば、各画素の曲率に、その曲率 応じた色相の色を対応させたり、濃淡の階 度を対応させたりすればよい。これにより 曲率画像をビジュアル化して表示すること できる。

 例えば、前述の図14Dのエッジ方向画像か 算出した曲率画像を白黒256階調で濃淡画像 することにより図14Fの曲率画像を得ること できる。この曲率画像では、曲率が大きい( 半径が小さい)円ほど明るくなっているため 対象物における曲率の分布を容易に視認す ことができる。

 曲率画像の利用方法としては、上述のよ にビジュアル化して表示する他、ある毛束 部位について、曲率分布の時間変化をグラ 化してもよく、ある毛束を毛髪化粧料で処 した場合、あるいはさらに湿気等を与える 理をした場合において、処理前後の曲率画 を経時的に求め、毛髪化粧料の種類や処方 (温度、時間等)ごとに曲率画像を対比的に 示してもよい。これにより、毛髪化粧料の 類や使用方法によるカール、直毛度合い等 スタイリングの安定性の違いを統計的に解 することが容易となる。

 さらに、これらの解析結果や上述の曲率 像の見え方を、データベース7に保存されて いる毛髪化粧料やスタイリング方法と関連づ けてもよい。

 実施例1
 黒髪の毛髪画像(原画像)をデジタルカメラ 撮り(拡散照明、カメラの撮像子:約400万画素 )、その中央部の図16Aに示す毛髪領域P(256×256 素)について、エッジ検出をPrewittフィルタ より行い、得られたエッジ画像から中央値 ィルタ(フィルタの大きさ:半径20画素、毛髪 の約7倍に相当)により代表値画像を算出し エッジ画像と代表値画像とのマハラノビス 距離を算出し、濃淡画像化することにより 向差画像を得、さらに中央値フィルタ(フィ タの大きさ:半径1画素)を用いてノイズを除 することにより図16Bの方向差画像を得た。 の方向差画像では、略上から下に流れる毛 に対して、左右方向に伸びた毛髪を際立た て表示することができた。

 実施例2
 ブラウン毛の頭髪の毛髪画像(原画像)をデ タルカメラで撮り(拡散照明、カメラの撮像 :約400万画素)、その中央部の図17A、図18Aに す毛髪領域P(256×256画素)について、エッジ検 出をPrewittフィルタにより行い、得られたエ ジ方向画像にエッジと直交する方向にcosθが 0.5以上になる距離を算出し、この算出値を濃 淡画像化することにより図17B、図18Bの毛髪の 束幅画像を得た。この束幅画像では、毛髪の 束幅によって画像の濃淡が明確に異なって見 える。従って、本実施例の方法によれば、ヘ アスタイリング剤の違い等によって変化する 毛髪スタイルにおいて、束幅の変化を際立た せて表示することができる。

 実施例3
 黒髪の毛髪画像(原画像)をデジタルカメラ 撮り(拡散照明、カメラの撮像子:約400万画素 )、その中央部の図19Aに示す毛髪領域P(256×256 素)について、エッジ検出をPrewittフィルタ 行うことにより、得られたエッジ画像から 目画素の曲率を求めるための処理領域を半 30画素に設定し、以下の方法で注目画素の曲 率を求めると共に、この処理を毛髪画像全体 に走査することにより曲率画像を得、これを 濃淡画像化することにより図19Bの曲率画像を 得た。

 ここで、注目画素の曲率を求める処理と ては、注目画素に対して半径R=30画素(毛髪 の約10倍に相当)の近傍を設定し、各近傍画 からエッジ方向に15画素(毛髪径の約5倍)ずつ 刻んだ流線を想定し、この流線と注目画素と の距離dを求め、重み関数として1-(d/R)を使用 、線形最小絶対偏差法により、注目画素の 傍に存在する各画素を円へあてはめ、得ら た円の曲率を注目画素の曲率とした。

 実施例4
 頭髪をデジタルカメラで撮り(拡散照明、カ メラの撮像子:約150万画素)、図20Aに示す頭髪 像(640×768画素)を抽出し、彩度を用いて図20B に示す毛髪領域を定めた。頭髪画像について 、Prewitt フィルタを用いてエッジ検出を行い 、得られたエッジ画像から注目画素の曲率を 求めるための処理領域を半径30画素に設定し 実施例3と略同様の以下の方法で注目画素の 曲率を求めると共に、毛髪領域に含まれる各 画素について順次曲率を求めることで曲率画 像を得、これを濃淡画像化することにより図 20Cの曲率画像を得た。

 ここで注目画素の曲率を求める処理とし は、注目画素に対して半径R=30画素(毛髪径 約250倍に相当)の近傍を設定し、各近傍画素 らエッジ方向に6画素(毛髪径の約50倍)ずつ んだ流線を想定し、この流線と注目画素と 距離dを求め、重み関数として1-(d/R)を使用し 、線形最小絶対偏差法により、注目画素の近 傍に存在する各画素を円にあてはめ、得られ た円の曲率を注目画素の曲率とした。図20Dに 示す、つむじ付近(1)と中央付近(2)の領域(128× 128画素)における曲率のヒストグラムは、そ ぞれ図20E、図20Fのように得られ、つむじ付 (1)の曲率が中央付近(2)に比べて約3倍の曲率 なっていることがわかる。

 本発明の第1の毛髪画像表示方法ないし表 示装置は、毛髪のスタイリングにおいて流れ から外れた毛の外れ度合いや分布等を評価す る際に有用であり、本発明の第2の毛髪画像 示方法ないし表示装置は、毛髪のスタイリ グにおいて、毛束の広がりを評価する際に 用であり、本発明の第3の毛髪画像形成方法 いし表示装置は、毛髪のスタイリングにお て、毛束のカールを評価する際に有用であ 、それぞれ、スタイリングに使用する毛髪 粧料自体やスタイリング方法自体の評価に 有用である。さらに、毛髪化粧料やスタイ ング方法の開発や宣伝販売にも有用となる