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Title:
HARDENING RESIN COMPOSITION FOR ANTIGLARE LAYER AND ANTIGLARE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123257
Kind Code:
A1
Abstract:
An antiglare film that, disposed on a front face for use in chiefly a display, such as LCD, CRT or PDP, prevents the reflection of external light and that reduces the proportion of reactive inorganic microparticles leached or detached into an alkali solution by saponification, excelling in saponification resistance. The antiglare film has, superimposed on a transparent base material film, an antiglare layer provided at its outermost surface with uneven configuration. The antiglare layer comprises at least an uneven layer resulting from hardening of a hardening resin composition containing translucent microparticles (A) of 1 to 10 μm average particle diameter, reactive inorganic microparticles (B) of 30 to 100 nm average particle diameter provided on its surface with a reactive functional group (b) and a binder component (C) having a reactive functional group (c) having crosslinking reactivity with the reactive functional group (b). The antiglare layer has a skin layer with a reduced number of reactive inorganic microparticles (B) at an interface opposite to the transparent base material film or its vicinity and has an area where the microparticles (B) are uniformly present on the side closer to the transparent base material film than the skin layer.

Inventors:
YOSHIHARA TOSHIO (JP)
USHIYAMA AKINOBU (JP)
SHINKAI AI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055601
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAINIPPON PRINTING CO LTD (JP)
YOSHIHARA TOSHIO (JP)
USHIYAMA AKINOBU (JP)
SHINKAI AI (JP)
International Classes:
G02B5/02; B32B7/02; B82Y20/00; B82Y30/00; C08K9/04; C08L101/02
Foreign References:
JP2003183592A2003-07-03
JP2006267839A2006-10-05
JP2001091707A2001-04-06
Attorney, Agent or Firm:
KISHIMOTO, Tatsuhito et al. (3rd Floor Oak Building Kyobashi,16-10, Kyobashi 1-chome,Chuou-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 (1) 平均粒径が1μm以上10μm以下の透光性微粒子A、
 (2) 平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基bを表面に有する反応性無機微粒子B、及び
 (3) 前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基bとの架橋反応性を有する反応性官能基cを有するバインダー成分Cを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系、を含有する防眩層用硬化性樹脂組成物であって、
 前記防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化物のヘイズ値が、下記式I~IIIの関係を満たすことを特徴とする防眩層用硬化性樹脂組成物。
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、透光性微粒子Aの各組成物における重量を示し、hは1以上の定数。)
 前記硬化物のヘイズ値が5~20%であることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記反応性無機微粒子Bの含有量が、当該反応性無機微粒子Bと前記硬化性バインダー系の構成成分との合計量100重量部に対し、5~20重量部である、請求の範囲第1項又は第2項に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記透光性微粒子Aの含有量は、前記反応性無機微粒子Bと前記硬化性バインダー系の構成成分の合計量100重量部に対し、1重量部以上5重量部以下であることを特徴とする、請求の範囲第1項~第3項のいずれかに記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記反応性無機微粒子Bを被覆している前記有機成分が、被覆前の無機微粒子の単位面積当たり1.00×10 -3 g/m 2 以上含まれる、請求の範囲第1項~第4項のいずれかに記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b、及び、前記バインダー成分Cの反応性官能基cが、重合性不飽和基である、請求の範囲第1項~第5項のいずれかに記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記反応性無機微粒子Bが、飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β-ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、請求の範囲第1項~第6項のいずれかに記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記表面修飾化合物が、少なくとも1種の水素結合形成基を有する化合物である、請求の範囲第7項に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記表面修飾化合物の少なくとも1種が、前記反応性官能基bとなる少なくとも1種の重合性不飽和基を有する、請求の範囲第7項に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記反応性無機微粒子Bが、粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子を疎水性ビニルモノマーに分散したモノマー組成物を、親水化された多孔質膜を通して水中に吐出し、無機微粒子が分散したモノマー液滴の水分散体とした後、重合することにより得られる、請求の範囲第1項~第6項のいずれかに記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記反応性無機微粒子Bが、被覆前の無機微粒子表面に導入される反応性官能基b、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、請求の範囲第1項~第6項のいずれかに記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 化学式(1)
 -Q 1 -C(=Q 2 )-NH-
(化学式(1)中、Q 1 は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q 2 はO又はSを示す。)
 前記バインダー成分Cが、前記反応性官能基cを3つ以上有する化合物である、請求の範囲第1項に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 前記透光性微粒子A及び前記反応性無機微粒子Bは、シリカからなることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物。
 透明基材フィルムの観察者側に、最表面が凹凸形状を有する防眩層を備える防眩フィルムであって、
 前記防眩層が、凹凸層のみからなる単一層か、又は、凹凸層と当該凹凸層の観察者側に配置された表面形状調整層を含む2層以上からなる積層構造を有し、
 当該凹凸層は、請求の範囲第1項~第13項のいずれかに記載の防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、当該凹凸層のヘイズ値が、下記式I~IIIの関係を満たし、
 当該凹凸層の透明基材フィルムとは反対側の界面及びその近傍の表層領域に、当該表層領域よりも透明基材フィルム側の領域に比べて前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少ないスキン層を有しており、
 当該スキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、当該凹凸層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数の80%以下であることを特徴とする、防眩フィルム。
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、透光性微粒子Aの各組成物における重量を示し、hは1以上の定数。)
 前記スキン層の厚さは、透明基材フィルムとは反対側の界面から前記反応性無機微粒子Bの平均粒径の5倍の厚さであることを特徴とする、請求の範囲第14項に記載の防眩フィルム。
 前記スキン層よりも透明基材フィルム側の領域において、前記反応性無機微粒子Bの平均粒子間距離が30nm以上であり、且つ、当該領域の少なくとも透明基材フィルムに隣接する領域においては、前記反応性無機微粒子Bが均一に分散していることを特徴とする、請求の範囲第14項又は第15項に記載の防眩フィルム。
 前記透明基材フィルムが、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、アクリレート系ポリマー、又はポリエステルを主体とすることを特徴とする、請求の範囲第14項~第16項のいずれかに記載の防眩フィルム。
 前記防眩層のJIS K5600-5-4(1999)に規定する鉛筆硬度試験を500g荷重で行った場合の硬度が3H以上であることを特徴とする、請求の範囲第14項~第17項のいずれかに記載の防眩フィルム。
 前記透光性微粒子Aの含有量は、凹凸層の前記反応性無機微粒子Bと前記硬化性バインダー系の構成成分との合計量100重量部に対し、1重量部以上5重量部以下であり、且つ、前記凹凸層の凸部の膜厚は、前記透光性微粒子Aの平均粒径+1.5μm以下、当該凹凸層の凹部の膜厚は、前記透光性微粒子Aの平均粒径より小さいことを特徴とする、請求の範囲第14項~第18項のいずれかに記載の防眩フィルム。
 前記防眩層の耐スチールウール試験により判定される耐スチールウール性が500g以下で傷なしであることを特徴とする、請求の範囲第14項~第19項のいずれかに記載の防眩フィルム。
 前記凹凸層の膜厚が0.5~13μmであることを特徴とする、請求の範囲第14項~第20項のいずれかに記載の防眩フィルム。
Description:
防眩層用硬化性樹脂組成物、及 防眩フィルム

 本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極 表示装置(CRT)、又はプラズマディスプレイ(PD P)等のディスプレイ(画像表示装置)の前面に 置し、外光の反射を防止し、映像を見えや くする目的等で使用される防眩フィルムに する。

 上記の様なディスプレイ等においては、外 から照射される光のディスプレイ表面での 射を防止するために、透明フィルムを基材 し、微細な凹凸表面を有する防眩フィルム ディスプレイ表面に設けられている。
 斯かる防眩フィルムには、大粒径又は凝集 の粒子を含む樹脂組成物を透明基材の表面 塗工することによって、表面に凹凸形状を する防眩層を形成するタイプ、前記粒子を まず、スピノーダル分解により、相分離構 を形成し、硬化性樹脂を硬化させることに って表面に凹凸形状を有する防眩層を形成 るタイプ、又は層表面に凹凸をもったフィ ムをラミネートして凹凸形状を転写するこ によって、表面に凹凸形状を有する防眩層 形成するタイプなどがある(特許文献1)。

特開2006-103070号公報

 一方、上記の様なディスプレイ等におけ 画像表示装置の画像表示面は、取り扱い時 傷がつかないように、耐擦傷性を付与する とが要求される。これに対して、基材フィ ムにハードコート(HC)層を形成させたハード コートフィルムや、更に低反射性や防眩性等 光学機能を付与した光学積層体を利用するこ とにより、画像表示装置の画像表示面の耐擦 傷性を向上させることが一般になされている 。

 上記防眩フィルムや光学積層体の製造に いて、接着剤(粘着剤を含む)を用いて、防 フィルムや光学積層体の基材側の面を偏光 に直接貼り合わせることが困難なため、当 基材表面をアルカリにより化学的に表面処 (けん化処理)する必要がある。

 従来の防眩フィルムや光学積層体では、 該フィルムや当該積層体をアルカリ溶液に 漬すると、防眩層の透明基材側とは反対側 界面及び当該界面近傍に存在する無機微粒 が、当該アルカリ溶液に溶出又は脱落する いう問題がある。そのため、従来の防眩フ ルムや光学積層体では、透明基材上に設け 防眩層の表面に、アルカリ溶液から防眩層 保護する目的で保護フィルムを設けた後に けん化処理を行っている。

 また、一般的に、上記防眩フィルムの硬 (耐擦傷性)を向上させるため、防眩層に無 微粒子を含有させる。当該無機微粒子の含 量を多くすると防眩フィルムの硬さは向上 るが、同時に防眩層の透明基材側とは反対 の界面及び当該界面近傍に存在する無機微 子の量も増加し、けん化処理の際にアルカ 溶液に溶出又は脱落する当該無機微粒子の も増加してしまうという問題がある。

 しかし、更なる製造コストの低減のため 、上記保護膜を設けなくともけん化処理に え得る防眩フィルムや光学積層体が要求さ ている。

 本発明は上記問題点を解消するためにな れたものであり、高い耐擦傷性、及び防眩 を有しながら、耐けん化性にも優れた防眩 ィルムの防眩層を形成するための樹脂組成 、及び防眩フィルムを提供することを目的 する。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物は
 (1) 平均粒径が1μm以上10μm以下の透光性微 子A、
 (2) 平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少 くとも表面の一部を有機成分で被覆され、 該有機成分により導入された反応性官能基b 表面に有する反応性無機微粒子B、及び
 (3) 前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b との架橋反応性を有する反応性官能基cを有 るバインダー成分Cを含み、系内における硬 反応性も有する硬化性バインダー系、を含 する防眩層用硬化性樹脂組成物であって、
 前記防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化物の イズ値が、下記式I~IIIの関係を満たすこと 特徴とする。
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内 のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、 透光性微粒子Aの各組成物における重量を示 、hは1以上の定数。)

 前記透光性微粒子Aは、本発明に係る防眩 層用硬化性樹脂組成物を硬化膜とした際に、 表面の凹凸を形成し、硬化膜に防眩性を付与 する。

 前記反応性無機微粒子Bは、硬度が高いた め外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れ難 、耐圧性に優れる。また、当該無機微粒子B は、バインダー成分Cの反応性官能基cと架橋 応性を有する反応性官能基bを有するため、 バインダー成分Cと架橋形成することができ 。従って、本発明に係る防眩層用硬化性樹 組成物を硬化させた硬化膜は、硬度が高い 記無機微粒子Bを含有するため高硬度となり さらには、前記無機微粒子Bとバインダー成 分Cが多数の架橋点を形成するため膜強度が 上し、優れた耐擦傷性を示す。

 上記式I~IIIの関係を満たすことにより、 発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物を硬 させた硬化膜は、適度な防眩性を有する。

 本発明によれば、前記防眩層用硬化性樹 組成物の硬化物のヘイズ値は、5~20%である とが好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記反応性無機微粒子Bの含有量 が、前記反応性無機微粒子Bと前記硬化性バ ンダー系の構成成分との合計量100重量部に し、5~20重量部であることが、当該反応性無 微粒子Bの含有量を抑えつつ、当該防眩層用 硬化性樹脂組成物を硬化して得られる膜の十 分な耐擦傷性が得られる点から好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記透光性微粒子Aの含有量は、 前記反応性無機微粒子Bと前記硬化性バイン ー系の構成成分の合計量100重量部に対し、1 量部以上5重量部以下であることが好ましい 。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物に いては、前記反応性無機微粒子Bを被覆して いる前記有機成分が、被覆前の無機微粒子の 単位面積当たり1.00×10 -3 g/m 2 以上含まれることが、硬化膜の硬度を向上さ せる点から好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記反応性無機微粒子Bの反応性 官能基b、及び、前記バインダー成分Cの反応 官能基cが、重合性不飽和基であることが、 当該反応性官能基bと当該反応性官能基cが架 結合を形成しやすく、その結果、高い耐擦 性を有する防眩フィルムを得ることができ 点から好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記反応性無機微粒子Bが、飽和 又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対 応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸 アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソ ニトリル、エポキシ化合物、アミン、β-ジカ ルボニル化合物、シラン、及び官能基を有す る金属化合物よりなる群から選択される1種 上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在 、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中 無機微粒子を分散させることにより得られ ことが、有機成分含量が少なくても膜強度 向上させる点から好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記表面修飾化合物が、少なく も1種の水素結合形成基を有する化合物であ ることが、有機成分を効率よく表面修飾でき る点から好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記表面修飾化合物の少なくと 1種が、前記反応性官能基bとなる少なくと 1種の重合性不飽和基を有することが好まし 。この場合、反応性無機微粒子Bに導入され た当該反応性官能基bと前記バインダー成分C 反応性官能基cが架橋結合を形成しやすいた め、硬化膜の硬度を向上することができる。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記反応性無機微粒子Bが、粒径 30nm以上100nm以下の無機微粒子を疎水性ビニル モノマーに分散したモノマー組成物を、親水 化された多孔質膜を通して水中に吐出し、無 機微粒子が分散したモノマー液滴の水分散体 とした後、重合することにより得られること が、粒径分布を狭くし、単分散性を高める点 から好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物に いては、前記反応性無機微粒子Bが、被覆前 の無機微粒子表面に導入される反応性官能基 b、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール 又は加水分解によってシラノール基を生成 る基を含む化合物と、金属酸化物微粒子と 結合することにより得られるものであるこ が、有機成分への分散性、及び膜強度が向 する点から好ましい。
 化学式(1)
 -Q 1 -C(=Q 2 )-NH-
(化学式(1)中、Q 1 は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示 、Q 2 はO又はSを示す。)

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記バインダー成分Cが、前記反 応性官能基cを3つ以上有する化合物であるこ が好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 おいては、前記透光性微粒子A及び前記反応 性無機系微粒子Bは、シリカからなることが ましい。

 本発明に係る防眩フィルムは、透明基材フ ルムの観察者側に、最表面が凹凸形状を有 る防眩層を備える防眩フィルムであって、
 前記防眩層が、凹凸層のみからなる単一層 、又は、凹凸層と当該凹凸層の観察者側に 置された表面形状調整層を含む2層以上から なる積層構造を有し、
 当該凹凸層は、前記請求項1乃至13のいずれ に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化 からなり、当該凹凸層のヘイズ値が、下記 I~IIIの関係を満たし、
 当該凹凸層の透明基材フィルムとは反対側 界面及びその近傍の表層領域に、当該表層 域よりも透明基材フィルム側の領域に比べ 前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少な いスキン層を有しており、
 当該スキン層の厚み方向断面における単位 積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒 子数が、当該凹凸層の厚み方向断面における 単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの 均粒子数の80%以下であることを特徴とする
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内 のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、 透光性微粒子Aの各組成物における重量を示 、hは1以上の定数。)

 前記透光性微粒子Aは、表面の凹凸を形成 し、防眩層に防眩性を付与する。

 前記反応性無機微粒子Bは、硬度が高いた め外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れ難 、耐圧性に優れる。また、当該無機微粒子B は、バインダー成分Cの反応性官能基cと架橋 応性を有する反応性官能基bを有するため、 バインダー成分Cと架橋形成することができ 。従って、本発明に係る防眩層は、硬度が い前記無機微粒子Bを含有するため高硬度と り、さらには、前記無機微粒子Bとバインダ ー成分Cが多数の架橋点を形成するため膜強 が向上し、優れた耐擦傷性を示す。

 上記式I~IIIの関係を満たすことにより、 発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物を硬 させた硬化膜は、適度な防眩性を有する。

 本発明の凹凸層においては、前記スキン の厚み方向断面における単位面積当たりの 記無機微粒子Bの平均粒子数が、前記凹凸層 の厚み方向断面における単位面積当たりの前 記無機微粒子Bの平均粒子数に比べて80%以下 少ない。前記スキン層の当該平均粒子数が ないことにより、前記凹凸層の透明基材フ ルムとは反対側の界面から一部が突出した 記無機微粒子Bの数も減少する。そのため、 記凹凸層は、当該凹凸層をけん化処理した に、当該凹凸層の界面からアルカリ溶液に 出又は脱落する前記無機微粒子Bの数が減少 する。これにより、本発明に係る防眩フィル ムは優れた耐けん化性を得ることができる。

 前記凹凸層が斯かるスキン層を有する理 は定かではないが、上記の様に反応性無機 粒子Bの粒径を30nm以上100nm以下とすることに より、当該無機微粒子Bの拡散係数が低減し 前記凹凸層の透明基材フィルムとは反対側 界面よりも透明基材フィルム側に前記無機 粒子Bが留まりやすくなるためと推測される

 本発明に係る防眩フィルムの好ましい実 形態においては、前記スキン層の厚さを、 明基材フィルムとは反対側の界面から前記 応性無機微粒子Bの平均粒径の5倍の厚さと ることも可能である。

 本発明に係る防眩フィルムの好ましい実 形態においては、前記スキン層よりも透明 材フィルム側の領域において、前記反応性 機微粒子Bの平均粒子間距離が30nm以上であ 、且つ、当該領域の少なくとも透明基材フ ルムに隣接する領域においては、前記反応 無機微粒子Bが均一に分散した状態とするこ も可能である。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記透光性微粒子A及び前記反応性無機微粒子 Bは、シリカからなることが好ましい。これ より、前記凹凸層における内部散乱性(内部 イズ)を抑えることができるためコントラス ト低下への影響の少ない防眩フィルムを作製 することができる。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、前 反応性無機微粒子Bを被覆している前記有機 成分が、被覆前の無機微粒子の単位面積当た り1.00×10 -3 g/m 2 以上含まれることが、硬化膜の硬度を向上さ せる点から好ましい。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記反応性無機微粒子Bが、飽和又は不飽和カ ルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水 物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミ ノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エ ポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化 物、シラン、及び官能基を有する金属化合 よりなる群から選択される1種以上の分子量 500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒と しての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒 を分散させることにより得られることが、 機成分含量が少なくても膜強度を向上させ 点から好ましい。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記表面修飾化合物が、少なくとも1種の水素 結合形成基を有する化合物であることが、有 機成分を効率良く表面修飾できる点から好ま しい。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記表面修飾化合物の少なくとも1種が、前記 反応性官能基bとなる少なくとも1種の重合性 飽和基を有することが好ましい。この場合 反応性無機微粒子Bに導入された当該反応性 官能基bと前記バインダー成分Cの反応性官能 cが架橋結合を形成しやすいため、硬化膜の 硬度を向上することができる。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記反応性無機微粒子Bが、粒径30nm以上100nm以 下の無機微粒子を疎水性ビニルモノマーに分 散したモノマー組成物を、親水化された多孔 質膜を通して水中に吐出し、無機微粒子が分 散したモノマー液滴の水分散体とした後、重 合することにより得られることが、粒径分布 を狭くし、単分散性を高める点から好ましい 。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、前 反応性無機微粒子Bが、被覆前の無機微粒子 表面に導入される反応性官能基b、下記化学 (1)に示す基、及びシラノール基又は加水分 によってシラノール基を生成する基を含む 合物と、無機微粒子とを結合することによ 得られるものであることが、有機成分への 散性、及び膜強度が向上する点から好まし 。
 化学式(1)
 -Q 1 -C(=Q 2 )-NH-
(化学式(1)中、Q 1 は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示 、Q 2 はO又はSを示す。)

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記反応性無機微粒子Bの含有量は、凹凸層の 当該反応性無機微粒子Bと前記硬化性バイン ー系の構成成分との合計量100重量部に対し 1重量部以上30重量部以下であることが、当 反応性無機微粒子Bの含有量を抑えつつ、十 な耐擦傷性が得られる点から好ましい。

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記バインダー成分Cが、前記反応性官能基c 3つ以上有する化合物であることが好ましい

 本発明に係る防眩フィルムにおいては、 記透明基材フィルムが、セルロースアシレ ト、シクロオレフィンポリマー、アクリレ ト系ポリマー、又はポリエステルを主体と ることが好ましい。

 本発明に係る防眩フィルムの好ましい実 形態によれば、前記防眩層のJIS K5600-5-4(1999 )に規定する鉛筆硬度試験を500g荷重で行った 合の硬度を3H以上とすることも可能である

 前記透光性微粒子Aの含有量は、凹凸層の 反応性無機微粒子Bと硬化性バインダー系の 成成分との合計量100重量部に対して、1重量 以上5重量部以下であり、且つ、本発明に係 る防眩層においては、当該凹凸層の凸部の膜 厚は、前記透光性微粒子Aの平均粒径+1.5μm以 、当該凹凸層の凹部の膜厚は、前記透光性 粒子Aの平均粒径より小さいことが、外部散 乱性(外部ヘイズ)を維持したまま、暗所コン ラストの低下を抑制できる点から好ましい

 本発明に係る防眩フィルムの好ましい実 形態によれば、前記防眩層の耐スチールウ ル試験により判定される耐スチールウール が500g以下で傷なしとすることも可能である 。

 本発明に係る防眩フィルムの好ましい実 形態によれば、前記凹凸層の膜厚を0.5μm以 13μm以下とすることも可能である。

 本発明に係る防眩フィルムは、反応性官 基を有する無機微粒子を用いているため、 該反応性無機微粒子とバインダー成分とが 橋結合を形成し、膜強度が向上する。その め、反応性官能基を有しない無機微粒子を む防眩フィルムより、防眩層の厚みを薄く ても膜強度を維持することが可能となった 薄膜化と、それによる透光性微粒子の含有 の減少により、外部散乱性(外部ヘイズ)を 持したまま、暗所コントラストの低下を抑 することが可能となった。さらに、薄膜化 、それによる透光性微粒子の含有量の減少 より、防眩性の発現に必要な最低限の外部 イズを維持しながら、内部ヘイズを低下さ ることが可能となった。この様な内部ヘイ の小さい本発明の防眩フィルムは、当該防 フィルムを用いたディスプレイパネルの正 コントラストの低下を抑制する効果が大き 。特に、内部ヘイズの低下による正面コン ラストが向上する効果は、視野角の広いデ スプレイパネルに用いた場合よりも、視野 の狭いディスプレイパネルに用いた場合に きい。また、凹凸層の透明基材フィルムと 反対側の界面とその近傍の表層領域におい 、反応性無機微粒子Bの粒子数が少ないスキ 層を有する。そのため、前記凹凸層からな 防眩層を用いた防眩フィルムは、けん化処 の際に、当該凹凸層からアルカリ溶液に溶 又は脱落する前記無機微粒子Bの数を低減す ることができ、耐けん化性を向上することが できる。また、前記防眩フィルムは、前記凹 凸層の前記スキン層よりも透明基材フィルム 側において、前記反応性無機微粒子Bが均一 存在している領域も有し、前記反応性無機 粒子Bの含有量を抑えつつ、耐擦傷性を向上 きる。これにより、当該防眩フィルムをけ 化処理する際の保護膜が不要となり、工程 及び材料費の削減が可能となる。

本発明に係る防眩フィルムの層厚み方 の断面と当該断面における幅1μmの領域の一 例を模式的に示した斜視図である。 本発明に係る防眩フィルムの層厚み方 の断面と当該断面における幅1μmの領域の一 例を模式的に示した図である。 本発明に係る防眩フィルムの層厚み方 の断面の幅1μmの領域における反応性無機微 粒子Bの分布の様子の一例を模式的に示した である。 防眩フィルムを貼り合せたディスプレ パネルを模式的に示した斜視図である。 防眩フィルムを貼り合せたディスプレ パネルを模式的に示した正面図である。 視野角における極角を模式的に示した 念図である。 本発明に係る防眩フィルムの一例を模 的に示した断面図である。 本発明に係る防眩フィルムの他の一例 模式的に示した断面図である。 本発明に係る防眩フィルムの他の一例 模式的に示した断面図である。 評価(7)及び実施例38で用いた液晶パネ のコントラスト視野角を示す図である。 実施例42で用いた液晶パネルのコント スト視野角を示す図である。 実施例44で用いた液晶パネルのコント スト視野角を示す図である。 実施例46で用いた液晶パネルのコント スト視野角を示す図である。

符号の説明

 1 防眩フィルム
 2 防眩層
 3 透明基材フィルム
 4 凹凸層
 5 表面形状調整層
 6 低屈折率層
 10 領域P
 20 反応性無機微粒子B
 30 防眩層の透明基材フィルムとは反対側の 界面
 40 防眩層の透明基材フィルム側の界面
 50 スキン層
 60 反応性無機微粒子Bが30nm以上の平均粒子 距離を取りながら均一に分布した領域
 70 観察者
 101 X軸
 102 Y軸
 103 Z軸
 104 方位角45°
 105 極角
 110 防眩フィルムを貼り合せたディスプレ パネル

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物は
 (1) 平均粒径が1μm以上10μm以下の透光性微 子A、
 (2) 平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少 くとも表面の一部を有機成分で被覆され、 該有機成分により導入された反応性官能基b 表面に有する反応性無機微粒子B、及び
 (3) 前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b との架橋反応性を有する反応性官能基cを有 るバインダー成分Cを含み、系内における硬 反応性も有する硬化性バインダー系、を含 する防眩層用硬化性樹脂組成物であって、
 前記防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化物の イズ値が、下記式I~IIIの関係を満たすこと 特徴とする。
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内 のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、 透光性微粒子Aの各組成物における重量を示 、hは1以上の定数。)

 本発明において、平均粒径とは、
 透光性微粒子Aにおいては、含有される各々 の粒子が、単分散型の粒子(形状が単一な粒 )であれば、その平均を意味し、ブロードな 度分布を持つ不定形型の粒子であれば、粒 分布測定により、最も多く存在する粒子の 径を意味する。上記透光性微粒子Aの粒径は 、主に、コールターカウンター法により計測 できる。また、この方法以外に、レーザー回 折法、SEM(Scanning Electron Microscope)写真撮影に る測定によっても計測できる。
 透光性微粒子A以外の粒子、すなわち反応性 無機微粒子Bにおいては、別途記載がない限 、溶液中の当該粒子を動的光散乱方法で測 し、粒径分布を累積分布で表したときの50% 径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均粒 は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計、又 Nanotrac粒度分析計を用いて測定することがで きる。
 また、透光性微粒子A及び反応性無機微粒子 Bは、凝集粒子であっても良く、凝集粒子で る場合は、二次粒径が記載範囲内であれば い。

 本発明の防眩層用硬化性樹脂組成物によれ 、硬化性バインダー系に含有される反応性 機微粒子Bの反応性官能基bとバインダー成 Cの反応性官能基cが架橋結合を形成すること により、高い耐擦傷性を有する防眩フィルム を得ることができる。従って、無機微粒子の 含有量を減少させることができるため、反応 性無機微粒子Bは透過鮮明性の高い防眩フィ ムに利用することができる。
 また、前記反応性無機微粒子Bは平均粒径が 1μm以上の透光性微粒子Aを混合しなければ、 眩性を発現しない。すなわち、前記透光性 粒子Aと前記反応性無機微粒子Bを混合する とで、当該透光性微粒子Aによる防眩性の発 に加え、当該反応性無機微粒子Bに防眩性が 発現するため、更に反応性無機微粒子Bに防 性調整剤としての機能を付与することがで る。従って、反応性無機微粒子Bを加えるこ で、透光性微粒子Aの含有量を抑えつつ、高 い耐擦傷性と防眩性を兼ね備えた防眩フィル ムを形成することができる。

 本発明の防眩層用硬化性樹脂組成物によ ば、硬化性バインダー系に透光性微粒子Aを 分散させた組成物中に、更に反応性無機微粒 子Bを含有させると、硬化性樹脂組成物のヘ ズ値が上昇する。また、硬化性バインダー に反応性無機微粒子Bを分散させた組成物の イズ値は、当該反応性無機微粒子Bの重量に 依存せず、ほぼ一定値を示す。このことから 、反応性無機微粒子Bは、透光性微粒子Aを含 ない系においては、分散性があるためコン ラスト低下のない透明性を維持したまま硬 アップとして寄与する一方、透光性微粒子A を含む系においては、耐擦傷性を上げる機能 に加え、防眩性の調整機能を兼ねる素材であ るといえる。

 また、本発明の防眩層用硬化性樹脂組成物 に、平均粒径が1μm以上10μm以下である透光 微粒子Aと平均粒径が30nm以上100nm以下の反応 性無機微粒子Bを含有させたことにより、反 性無機微粒子B単体では得られない防眩性を 当該反応性無機微粒子Bに新たな機能として 発現させることができた。その理由としては 、次のようなものが考えられる。
 すなわち、硬化性バインダー系に分散した 光性微粒子Aと反応性無機微粒子Bが作用し 透光性微粒子Aの周りに反応性無機微粒子Bが 付着し凝集物を形成するためであると推定さ れる。
 このように、本発明においては特定の平均 径を有する反応性無機微粒子Bを選択するこ とで、高い耐擦傷性を実現でき、且つ、前記 透光性微粒子Aとの相乗効果により、更に防 性を発現させることができるため、前記透 性微粒子Aの含有量を抑えながら、当該防眩 用硬化性樹脂組成物を用いて高い耐擦傷性 防眩性を兼ね備えた防眩フィルムを形成す ことが可能になると考えられる。

 本発明に係る防眩フィルムは、透明基材フ ルムの観察者側に、最表面が凹凸形状を有 る防眩層を備える防眩フィルムであって、
 前記防眩層が、凹凸層のみからなる単一層 、又は、凹凸層と当該凹凸層の観察者側に 置された表面形状調整層を含む2層以上から なる積層構造を有し、
 当該凹凸層は、前記請求項1乃至13のいずれ に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化 からなり、当該凹凸層のヘイズ値が、下記 I~IIIの関係を満たし、
 当該凹凸層の透明基材フィルムとは反対側 界面及びその近傍の表層領域に、当該表層 域よりも透明基材フィルム側の領域に比べ 前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少な いスキン層を有しており、
 当該スキン層の厚み方向断面における単位 積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒 子数が、当該凹凸層の厚み方向断面における 単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの 均粒子数の80%以下であることを特徴とする
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内 のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、 透光性微粒子Aの各組成物における重量を示 、hは1以上の定数。)

 前記透光性微粒子Aは、表面の凹凸を形成し 、防眩層に防眩性を付与する。
 本発明においては、当該透光性微粒子Aの平 均粒径は、1μm以上10μm以下とする。当該平均 粒径が1μm未満の場合、防眩層の表面に十分 防眩性を発揮できる大きさの凹凸形状を付 することが困難であり、仮に凹凸形状を付 できるとしても、前記透光性微粒子Aの添加 を非常に多くしなければならないため、防 層のコントラスト等の膜物性が悪くなる。 た、平均粒径が10μmを超えるときは、防眩 の表面形状が粗くなり、面質を悪化させた 、表面へイズ(外部ヘイズ)の上昇により白味 が増してしまう恐れがある。

 前記反応性無機微粒子Bは、硬度が高いた め外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れ難 、耐圧性に優れる。また、当該無機微粒子B は、バインダー成分Cの反応性官能基cと架橋 応性を有する反応性官能基bを有するため、 バインダー成分Cと架橋形成することができ 。従って、本発明に係る防眩層は、硬度が い前記無機微粒子Bを含有するため高硬度と り、さらには、前記無機微粒子Bとバインダ ー成分Cが多数の架橋点を形成するため膜強 が向上し、優れた耐擦傷性を示す。

 本発明に係る反応性無機微粒子Bの平均粒 径は30nm以上100nm以下である。当該平均粒径を 30nm以上とすることにより、防眩層に耐擦傷 を付与できるだけでなく、当該無機微粒子B 拡散係数が低減し、上記の様なスキン層を ることができ、防眩層の耐けん化性を向上 きる。また、当該平均粒径を100nm以下とす ことにより、含有量に対してマトリクス内 の架橋点を高めることができ、膜強度の高 凹凸層が得られる。

 本発明に係る透光性微粒子A及び反応性無 機微粒子Bのコアとなる無機微粒子は、中空 子のような粒子内部に空孔や多孔質組織を する粒子よりも、粒子内部に空孔や多孔質 織を有しない中実粒子を用いることが好ま い。中空粒子では、当該粒子内部に空孔や 孔質組織を有するため、中実粒子に比べ硬 が低く、外圧で潰れやすい。また、中空粒 は見かけ上の比重(中空部を含めて平均化し 単位体積当たりの質量)が中実粒子に比べて 小さく、凹凸層の透明基材側とは反対側界面 に存在する中空粒子が増加しやすい。そのた め、透光性微粒子A及び反応性無機微粒子Bの アとなる無機微粒子は、硬度が高く、中空 子に比べ比重が大きい中実粒子を用いるこ が好ましい。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 、防眩層が凹凸層のみからなる場合は、凹 層用硬化性樹脂組成物として用いる。また 防眩層が凹凸層、及び表面形状調整層から る場合は、前記防眩層用硬化性樹脂組成物 、凹凸層を形成するために用い、表面形状 整層は、別途、後述する表面形状調整層用 化性樹脂組成物を硬化させ、形成する。

 防眩層用硬化性樹脂組成物が硬化してな 凹凸層において、当該凹凸層の層厚み方向 面の単位面積の平均粒子数は、SEM写真又はT EM写真を用い、当該凹凸層断面(1μm幅の領域) に存在する反応性無機微粒子Bの数を当該凹 凸層断面(1μm幅の領域)の面積で除して求めた ものである。同様に、防眩層用硬化性樹脂組 成物が硬化してなる凹凸層のスキン層におい て、当該スキン層の層厚み方向断面の単位面 積の平均粒子数は、SEM写真を用い、当該スキ ン層断面(1μm幅の領域)中に存在する反応性無 機微粒子Bの数を当該スキン層断面(1μm幅の領 域)の面積で除して求めたものである。

 図1は、透明基材フィルム3上に防眩層2が けられた防眩フィルム1において、防眩層2 層厚み方向による断面及び当該断面におけ 幅1μmの領域P10の一例を模式的に示した斜視 である。防眩層2には、透明基材フィルム3 は反対側の界面30、透明基材フィルム3側の 面40がある。図2は、図1の断面及び当該断面 おける幅1μmの領域P10を断面に垂直な方向か ら見た一例を模式的に示した図であり、図3 、領域P10内の粒子の分布の一例を模式的に した図である。図3において、領域P10の透明 材フィルム3とは反対側の界面30から平均粒 5倍分の厚さの領域(スキン層50)では、単位 積当たりの前記無機微粒子B20の平均粒子数 、当該スキン層50よりも透明基材フィルム3 の領域よりも少なく、且つ領域P10の単位面 当たりの前記無機微粒子B20の平均粒子数の80 %以下である。また、領域P10のスキン層50より も透明基材フィルム3側に、前記無機微粒子B 30nm以上の平均粒子間距離を取りながら均一 に分布した領域60を有している。尚、図1以下 の図において、説明の容易化のために、厚み 方向(図の上下方向)を面方向(図の左右方向) 縮尺よりも大幅に拡大誇張して図示してあ 。

 本発明の凹凸層においては、前記スキン の厚み方向断面における単位面積当たりの 記無機微粒子Bの平均粒子数が、前記凹凸層 の厚み方向断面における単位面積当たりの前 記無機微粒子Bの平均粒子数に比べて80%以下 少ない。前記スキン層の当該平均粒子数が ないことにより、前記凹凸層の透明基材フ ルムとは反対側の界面から一部が突出した 記無機微粒子Bの数も減少する。そのため、 記凹凸層は、当該凹凸層ををけん化処理し 際に、当該凹凸層の界面からアルカリ溶液 溶出又は脱落する前記無機微粒子Bの数が減 少する。これにより、本発明に係る防眩フィ ルムは優れた耐けん化性を得ることができる 。

 前記凹凸層が斯かるスキン層を有する理 は定かではないが、上記の様に反応性無機 粒子Bの粒径を30nm以上100nm以下とすることに より、当該無機微粒子Bの拡散係数が低減し 前記凹凸層の透明基材フィルムとは反対側 界面よりも透明基材フィルム側に前記無機 粒子Bが留まりやすくなるためと推測される

 本発明に係る防眩フィルムの好適な実施 態においては、前記スキン層の厚さを、透 基材フィルムとは反対側の界面から前記反 性無機微粒子Bの平均粒径の5倍の厚さとす ことも可能である。

 本発明に係る防眩フィルムの好適な実施 態においては、前記スキン層よりも透明基 フィルム側の領域において、前記反応性無 微粒子Bの平均粒子間距離が30nm以上であり 且つ、当該領域の少なくとも透明基材フィ ムに隣接する領域においては、前記反応性 機微粒子Bが均一に分散した状態とすること 可能である。

 本発明に係る凹凸層において、前記スキ 層よりも透明基材フィルム側の前記反応性 機微粒子Bの平均粒子間距離が30nm以上であ 、且つ、前記無機微粒子Bが均一に分散して る領域は、当該凹凸層の透明基材フィルム の界面から当該凹凸層の透明基材フィルム は反対側の界面までの2/3の領域までである とが、前記反応性無機微粒子Bの量を抑えつ つ、当該防眩層に十分な及び耐擦傷性を付与 できるため好ましい。

 通常、防眩フィルムをけん化処理する際に 防眩層表面の厚さ数nm程度の硬化性樹脂組 物が、アルカリ溶液に溶解する。このとき 前記反応性無機微粒子Bが、前記防眩層の透 基材フィルム側とは反対側の界面から部分 に突出していると、突出した当該無機微粒 Bの周囲の前記硬化性樹脂組成物がアルカリ 溶液に溶解することにより、当該無機微粒子 Bと周囲の硬化性樹脂組成物との間に僅かな 隙が生じ、当該無機微粒子Bが防眩層表面か 溶出又は脱落しやすくなる。
 これに対し、凹凸層が上記の様なスキン層 有することにより、当該凹凸層の透明基材 ィルムとは反対側の界面とその近傍に存在 る反応性無機微粒子Bの数、すなわち、防眩 層表面から溶出又は脱落する前記無機微粒子 Bの数を減少させることができる。また、凹 層のスキン層よりも透明基材フィルム側に 上記の様な前記無機微粒子Bが均一に分散し いる領域を有することにより、防眩層に含 れる前記反応性無機微粒子Bの量を抑えつつ 、当該防眩層に十分な耐擦傷性を付与できる 。そのため、本発明に係る防眩フィルムは、 優れた耐けん化性を示し、けん化処理する際 の保護膜が不要となり、工程数及び材料費の 削減が可能となる。

 本発明に係る防眩フィルムの好ましい実 形態によれば、前記防眩層のJIS K5600-5-4(1999 )に規定する鉛筆硬度試験を500g荷重で行った 合の硬度を3H以上とすることも可能である

 本発明に係る防眩フィルムの好ましい実 形態によれば、前記防眩層の耐スチールウ ル試験により判定される耐スチールウール が500g以下で傷なしとすることも可能である 。

 以下、本発明に係る防眩層を形成する防 層用硬化性樹脂組成物、及び当該組成物を いた防眩フィルムについて順に説明する。

<1.防眩層用硬化性樹脂組成物>
 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物は
 (1) 平均粒径が1μm以上10μm以下の透光性微 子A、
 (2) 平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少 くとも表面の一部を有機成分で被覆され、 該有機成分により導入された反応性官能基b 表面に有する反応性無機微粒子B、及び
 (3) 前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b との架橋反応性を有する反応性官能基cを有 るバインダー成分Cを含み、系内における硬 反応性も有する硬化性バインダー系、を含 する防眩層用硬化性樹脂組成物であって、
 前記防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化物の イズ値が、下記式I~IIIの関係を満たすこと 特徴とする。
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内 のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、 透光性微粒子Aの各組成物における重量を示 、hは1以上の定数。)

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 、硬化性バインダー系に含有される反応性 機微粒子Bの反応性官能基bとバインダー成 Cの反応性官能基cが架橋結合を形成すること により、当該組成物が硬化してなる凹凸層の 膜強度を向上することができる。

 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物 硬化物のヘイズ値は、5~20%であることが好 しく、9~15%であることがより好ましい。5%未 であると、前記防眩層用硬化性樹脂組成物 硬化物を用いた防眩フィルム等に十分な防 性を付与することが難しく、20%以上である 、防眩性が過剰となり、正面コントラスト 低下を招く恐れがある。

 以下、本発明の防眩層用硬化性樹脂組成物 各構成について順に詳細に説明する。
 尚、本明細書中において、(メタ)アクリロ ルはアクリロイル及び/又はメタクリロイル 表し、(メタ)アクリレートはアクリレート び/又はメタクリレートを表し、(メタ)アク ルはアクリル及び/又はメタクリルを表す。 た、本願明細書中の光には、可視、及び紫 線の様な非可視領域の波長の電磁波だけで く、電子線のような粒子線、及び電磁波と 子線を総称する放射線又は電離放射線が含 れる。

 本明細書中の反応性官能基b及び反応性官能 基cには、光硬化性官能基及び熱硬化性官能 が含まれる。光硬化性官能基とは、光照射 より重合反応や架橋反応等を進行させて塗 を硬化させ得る官能基を意味し、例えば、 ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオ 重合のような重合反応、又は光二量化を経 進行する付加重合、若しくは縮重合等の反 形式により反応が進行するものが挙げられ 。また、本明細書中の熱硬化性官能基とは 加熱によって同じ官能基同士、若しくは他 官能基との間で重合反応、又は架橋反応等 進行させて塗膜を硬化させることができる 能基を意味し、例えば、水酸基、カルボキ ル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネ ト基等を例示することができる。
 本発明に用いられる反応性官能基b及び反応 性官能基cとしては、特に、硬化膜の硬度を 上させる観点から、重合性不飽和基が好適 用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基で り、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽 基である。その具体例としては、(メタ)アク リロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレ ン性二重結合及びエポキシ基等が挙げられる 。

<1-1.透光性微粒子A>
 透光性微粒子Aは、表面の凹凸を形成し、防 眩層に防眩性を付与するために含有させる微 粒子である。透光性微粒子Aは、目的に応じ 1種類だけでなく、成分が異なるもの、形状 異なるもの、粒度分布が異なるものなどを2 種類以上混合して用いることができる。好ま しくは、1~3種類用いるのがよく、特に2~3種類 用いるのがよい。但し、凹凸を形成する以外 の目的のために、更に多種の粒子を用いるこ ともできる。

 本発明に用いられる1種又は2種以上の透 性微粒子Aは、球状、例えば真球状、回転楕 体状等のものであってよく、真球状である とがより好ましい。1種又は2種以上の透光 微粒子Aの各平均粒径(μm)は、1μm以上10μm以 とし、1μm以上7μm以下であることが好ましく 、2μm以上5μm以下がより好ましい。平均粒径 1μm未満の場合、防眩層の表面に十分な防眩 性を発揮できる大きさの凹凸形状を付与する ことが困難であり、仮に凹凸形状を付与でき るとしても、前記透光性微粒子Aの添加量を 常に多くしなければならないため、防眩層 膜物性が悪くなる。また、平均粒径が10μmを 超えるときは、防眩層の表面形状が粗くなり 、面質を悪化させたり、表面へイズの上昇に より白味が増してしまう恐れがある。また、 上記透光性微粒子Aは、凝集粒子であっても く、凝集粒子である場合は、二次粒径が上 範囲内であればよい。

 前記透光性微粒子Aは、当該微粒子A全体 80%以上(好ましくは90%以上)が、各平均粒径±3 00nmの範囲内にあることが好ましい。これに って、防眩層の凹凸形状の均一性を良好な のとすることができる。

 前記透光性微粒子Aは、防眩層の膜強度向上 の点から無機系微粒子を使用することが好ま しく、シリカ微粒子を用いることが特に好ま しい。
 また、本発明に係る透光性微粒子A及び、後 述する反応性無機微粒子Bは、共にシリカか なることが、凹凸層内において、前記無機 粒子Bに比べて粒径の大きい透光性微粒子Aの 表面に、前記無機微粒子Bが凝集しやすくな 、前記凹凸層の内部散乱性(内部ヘイズ)を向 上することができるため好ましい。
 無機系微粒子としては、不定形シリカ、無 シリカビーズ等を挙げることができる。上 不定形シリカは、分散性が良好な粒径1~10μm のシリカビーズを使用することが好ましい。 以下で詳述する防眩層形成用塗工液の粘度上 昇を生じることなく上記不定形シリカの分散 性を良好なものとするために、粒子表面に有 機物処理を施して疎水化した不定形シリカを 使用することが好ましい。上記有機物処理に は、ビーズ表面に化合物を化学的に結合させ る方法や、ビーズ表面とは化学的に結合させ ることなく、ビーズを形成する組成物に存在 するボイド(気孔)などに浸透させるような物 的な方法があり、どちらを使用してもよい 一般的には、水酸基又はシラノール基等の リカ表面の活性基を利用する化学的処理法 、処理効率の観点で好ましく用いられる。 理に使用する化合物としては、上述活性基 反応性の高いシラン系、シロキサン系、シ ザン系材料等が用いられる。例えば、メチ トリクロロシラン等の、直鎖アルキル単置 シリコーン材料、分岐アルキル単置換シリ ーン材料、或いはジ‐n‐ブチルジクロロシ ラン、エチルジメチルクロロシラン等の直鎖 アルキル多置換シリコーン化合物や、分岐鎖 アルキル多置換シリコーン化合物が挙げられ る。同様に、直鎖アルキル基又は分岐アルキ ル基の単置換、多置換シロキサン材料、シラ ザン材料も有効に使用することができる。

 必要機能に応じ、アルキル鎖の末端、乃至 間部位に、ヘテロ原子、不飽和結合基、環 結合基、芳香族官能基等を有するものを使 しても構わない。
 これらの化合物は、含まれるアルキル基が 水性を示すため、被処理材料表面を、親水 から疎水性に容易に変換することが可能と り、未処理では親和性の乏しい高分子材料 も、高い親和性を得ることができる。

 前記透光性微粒子Aは、防眩層の膜強度向上 の点から無機系微粒子を使用することが好ま しく、シリカ微粒子を用いることが特に好ま しい。
 また、本発明に係る透光性微粒子A及び、後 述する反応性無機微粒子Bのコアとなる無機 粒子は、共にシリカからなることが、凹凸 内において、透光性微粒子Aと反応性無機微 子Bの親和性が高まり、粒径の大きな透光性 微粒子Aの表面に反応性無機微粒子Bが凝集し 当該凝集体によって凹凸層の内部散乱性が まるため好ましい。

 前記透光性微粒子Aの含有量は、凹凸層の 後述する反応性無機微粒子Bと後述する硬化 バインダー系の構成成分との合計量100重量 に対して、1重量部以上5重量部以下であるこ とが好ましい。より好ましくは、2重量部以 4重量部以下である。1重量部未満であると、 十分な防眩性が付与できないことがあり、5 量部を超えると、内部ヘイズの増大による 面コントラストの低下を抑制できないこと あり、好ましくない。

 防眩性となるヘイズには、外部ヘイズと 部ヘイズがあり、外部ヘイズは、膜表面の 凸の大きさや量に関係し、内部ヘイズは、 記透光性微粒子Aの様な防眩性微粒子の屈折 率とバインダーの屈折率差量に関係している 。

 本発明において2種類以上の透光性微粒子A 混合して用いる場合には、第1の微粒子の平 粒径をR 1 (μm)とし、第2の微粒子の平均粒径をR 2 (μm)とした場合に、下記式(I):
0.25R 1 (好ましくは0.50R 1 )≦R 2 ≦1.0R 1 (好ましくは0.75R 1 )(I)
を満たすものが好ましい。
 R 2 が0.25R 1 以上であることにより、塗布液の分散が容易 となり、粒子が凝集することがない。また、 塗布後の乾燥工程においてフローティング時 の風の影響を受けることなく、均一な凹凸形 状を形成することができる。この関係は、第 2の微粒子に対する第3の微粒子にも成り立つ 第3の微粒子をR 3 とすると、0.25R 2 ≦R 3 ≦1.0R 2  を満たすものが好ましい。
 互いに異なる成分からなる2種類以上の微粒 子を混合して用いる場合には、当該2種類以 の微粒子は、上記の様に平均粒径が異なる とも好ましいが、同じ平均粒径であるもの 好適に用いられる。

<1-2.反応性無機微粒子B>
 無機微粒子を防眩層に含有させることによ 、耐擦傷性を向上させることが一般になさ ている。また、架橋反応性を有する無機微 子と、硬化性バインダーを架橋反応させ、 橋構造を形成することにより、耐擦傷性を に向上させることができる。反応性無機微 子Bとは、コアとなる無機微粒子の少なくと も表面の一部に有機成分が被覆し、当該有機 成分により導入された反応性官能基bを表面 有する無機微粒子のことである。反応性無 微粒子Bには、1粒子あたりコアとなる無機微 粒子の数が2つ以上のものも含まれる。また 反応性無機微粒子Bは、粒径を小さくするこ により含有量に対して、マトリクス内での 橋点を高めることができる。

 本発明に係る凹凸層は、十分な耐擦傷性 有するように硬度を著しく向上させること 目的として、上記反応性無機微粒子Bを含有 する。当該反応性無機微粒子Bは、凹凸層に に機能を付与するものであっても良く、目 に合わせて適宜選択して用いる。

 本発明に係る反応性無機微粒子Bの平均粒径 は、30nm以上100nm以下であるが、好ましくは30n m以上70nm以下であり、さらに好ましくは40nm以 上60nm以下である。反応性無機微粒子Bの平均 径を30nm以上とすることにより、凹凸層に耐 擦傷性を付与できるだけでなく、当該無機微 粒子Bの拡散係数が低減し、前記凹凸層の透 基材フィルムとは反対側の界面とその近傍 おける、当該無機微粒子Bの粒子数を低減す ことができる。また、反応性無機微粒子Bの 平均粒径を100nm以下とすることにより、含有 に対してマトリクス内での架橋点を高める とができ、膜強度の高い凹凸層が得られる
 また、前記無機微粒子Bは、透明性を損なう ことなく、樹脂のみを用いた場合の復元率を 維持しつつ、硬度を著しく向上させる点から 、粒径分布が狭く、単分散であることが好ま しい。

 無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO 2 )、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニ 、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化イン ウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO) 、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸 化物微粒子、フッ化マグネシウム、フッ化ナ トリウム等の金属フッ化物微粒子などが挙げ られる。金属微粒子、金属硫化物微粒子、金 属窒化物微粒子等を用いても良い。

 硬度が高い点からは、シリカ、酸化アルミ ウムが好ましい。また、防眩層に隣接する に対して相対的に高屈折率層とするために 、膜形成時に屈折率が高くなるジルコニア チタニア、酸化アンチモン等の微粒子を適 選択して用いることができる。同様に、相 的に低屈折率層とするためには、膜形成時 屈折率が低くなるフッ化マグネシウム、フ 化ナトリウム等のフッ化物微粒子などの微 子を適宜選択して用いることができる。更 、帯電防止性、導電性を付与したい場合に 、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ等 適宜選択して用いることができる。これら 、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いる ことができる。
 無機微粒子の表面には通常、無機微粒子内 はこの形態で存在できない基を有する。こ ら表面の基は通常、相対的に反応しやすい 能基である。例えば、金属酸化物の場合に 、例えば、水酸基及びオキシ基、例えば、 属硫化物の場合には、チオール基及びチオ 、又は例えば、窒化物の場合には、アミノ 、アミド基及びイミド基を有する。

 本発明に用いられる反応性無機微粒子Bは 、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆さ れ、当該有機成分により導入された反応性官 能基bを表面に有する。ここで、有機成分と 、炭素を含有する成分である。また、少な とも表面の一部に有機成分が被覆されてい 態様としては、例えば、無機微粒子の表面 存在する水酸基にシランカップリング剤等 有機成分を含む化合物が反応して、表面の 部に有機成分が結合した態様、無機微粒子 表面に存在する水酸基に水素結合等の相互 用により有機成分を付着させた態様や、ポ マー粒子中に1個又は2個以上の無機微粒子を 含有する態様等が含まれる。

 前記被覆している有機成分は、無機微粒子 士の凝集を抑制し、且つ、無機微粒子表面 の反応性官能基数を多く導入して膜の硬度 向上させる点から、粒子表面のほぼ全体を 覆していることが好ましい。斯かる観点か 、反応性無機微粒子Bを被覆している前記有 機成分は、反応性無機微粒子B中に、被覆前 無機微粒子の単位面積当たり1.00×10 -3 g/m 2 以上含まれることが好ましい。無機微粒子表 面に有機成分を付着乃至結合させた態様にお いては、反応性無機微粒子Bを被覆している 記有機成分が、反応性無機微粒子B中に、被 前の無機微粒子の単位面積当たり2.00×10 -3 g/m 2 以上含まれることが更に好ましく、3.50×10 -3 g/m 2 以上含まれることが特に好ましい。ポリマー 粒子中に無機微粒子を含有する態様において は、反応性無機微粒子Bを被覆している前記 機成分が、反応性無機微粒子B中に、被覆前 無機微粒子の単位面積当たり3.50×10 -3 g/m 2 以上含まれることが更に好ましく、5.50×10 -3 g/m 2 以上含まれることが特に好ましい。
 当該被覆している有機成分の割合は、通常 乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合 重量減少%の恒量値として、例えば、空気中 で室温から通常800℃までの熱重量分析により 求めることができる。
 尚、単位面積当りの有機成分量は、以下の 法により求めたものである。まず、示差熱 量分析(Differential Thermogravimetry:DTG)により、 機成分重量/無機成分重量を測定する。次に 、重量と用いた無機微粒子の比重から無機成 分全体の体積を計算する。また、被覆前の無 機微粒子が真球状であると仮定し、被覆前の 無機微粒子の平均粒径から被覆前の無機微粒 子1個当りの体積を計算する。無機成分全体 体積と被覆前の無機微粒子1個当たりの体積 ら、被覆前の無機微粒子の個数を求める。 に、反応性無機微粒子B1個当りの有機成分 量を、被覆前の無機微粒子1個当りの表面積 割ることにより、被覆前の無機微粒子の単 面積当たりの有機成分量を求めることがで る。

 また、反応性無機微粒子Bの反応性官能基 bとしては、特に、硬化膜の硬度を向上させ 観点から、重合性不飽和基が好適に用いら 、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特 好ましくは電離放射線硬化性不飽和基であ 。その具体例としては、(メタ)アクリロイル 基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重 結合及びエポキシ基等が挙げられる。

 少なくとも表面の一部に有機成分が被覆さ 、当該有機成分により導入された反応性官 基bを表面に有する反応性無機微粒子Bを調 する方法としては、コアとなる無機微粒子 種類と導入する反応性官能基により、従来 知の方法を適宜選択して用いることができ 。
 中でも、本発明においては、被覆している 機成分が反応性無機微粒子B中に、被覆前の 無機微粒子の単位面積当たり1.00×10 -3 g/m 2 以上含まれることが可能で、無機微粒子同士 の凝集を抑制し、膜の硬度を向上させる点か ら、以下の(i)(ii)(iii)の無機微粒子のいずれか を適宜選択して用いることが好ましい。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン 酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル 及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル 、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、 β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能 を有する金属化合物よりなる群から選択さ る1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物 の存在下、分散媒としての水及び/又は有機 媒の中に無機微粒子を分散させることによ 得られる、表面に反応性官能基bを有する無 微粒子。
(ii)粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子を疎水 ビニルモノマー中に分散したモノマーを、 水化された多孔質膜を通して水中に吐出し 無機微粒子が分散したモノマー液滴の水分 体とした後、重合することにより得られる 表面に反応性官能基bを有する無機微粒子。
(iii)当該無機微粒子に導入する反応性官能基b 、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基 又は加水分解によってシラノール基を生成す る基、を含む化合物と、金属酸化物微粒子と を結合することにより得られる、表面に反応 性官能基bを有する無機微粒子。
 化学式(1)
 -Q 1 -C(=Q 2 )-NH-
(化学式(1)中、Q 1 は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示 、Q 2 はO又はSを示す)

 以下、上記本発明において好適に用いられ 反応性無機微粒子Bを順に説明する。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン 酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル 及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル 、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、 β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能 を有する金属化合物よりなる群から選択さ る1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物 の存在下、分散媒としての水及び/又は有機 媒の中に無機微粒子を分散させることによ 得られる、表面に反応性官能基bを有する無 微粒子。
 上記(i)の反応性無機微粒子Bを用いると、有 機成分含量が少なくても膜強度を向上できる という利点がある。

 上記(i)の反応性無機微粒子Bに用いられる 上記表面修飾化合物は、カルボキシル基、酸 無水物基、酸塩化物基、酸アミド基、エステ ル基、イミノ基、ニトリル基、イソニトリル 基、水酸基、チオール基、エポキシ基、第一 級、第二級及び第三級アミノ基、Si‐OH基、 ランの加水分解性残基、又はβ‐ジカルボニ ル化合物のようなC‐H酸基等の、分散条件下 おいて上記無機微粒子の表面に存在する基 化学結合可能な官能基を有する。ここでの 学結合は、好ましくは、共有結合、イオン 合又は配位結合が含まれるが、水素結合も まれる。配位結合は錯体形成であると考え れる。例えば、ブレンステッド又はルイス 従う酸塩基反応、錯体形成又はエステル化 、上記表面修飾化合物の官能基と無機微粒 表面の基の間で生じる。上記(i)の反応性無 微粒子Bに用いられる上記表面修飾化合物は 、1種又は2種以上を混合して用いることがで る。

 上記表面修飾化合物は通常、無機微粒子の 面の基との化学結合に関与できる少なくと 1つの官能基(以下、第1の官能基という)に加 えて、当該官能基を介して上記表面修飾化合 物に結びついた後に、無機微粒子に新たな特 性を付与する分子残基を有する。分子残基又 はその一部は疎水性又は親水性であり、例え ば、無機微粒子を安定化、融和化、又は活性 化させる。
 例えば、疎水性分子残基としては、不活性 又は反発作用をもたらす、アルキル、アリ ル、アルカリル、アラルキル又はフッ素含 アルキル基等が挙げられる。親水性基とし はヒドロキシ基、アルコキシ基又はポリエ テル基等が挙げられる。

 反応性無機微粒子Bが上記バインダー成分C 反応できるように表面に導入される反応性 能基bは、上記バインダー成分Cに応じて、適 宜選択される。当該反応性官能基bとしては 重合性不飽和基が好適に用いられ、好まし は光硬化性不飽和基であり、特に好ましく 電離放射線硬化性不飽和基である。その具 例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル 基、アリル基等のエチレン性二重結合及びエ ポキシ基等が挙げられる。
 上記表面修飾化合物の上記分子残基中に、 記バインダー成分Cと反応できる反応性官能 基bが含まれる場合には、上記表面修飾化合 中に含まれる第1の官能基を無機微粒子表面 反応させることによって、上記(i)の反応性 機微粒子Bの表面に上記バインダー成分Cと 応できる反応性官能基bを導入することが可 である。例えば、第1の官能基のほかに、更 に重合性不飽和基を有する表面修飾化合物が 、好適なものとして挙げられる。
 一方で、上記表面修飾化合物の上記分子残 中に、第2の反応性官能基を含有させ、当該 第2の反応性官能基を足掛かりにして、上記(i )の反応性無機微粒子Bの表面に上記バインダ 成分Cと反応できる反応性官能基bが導入さ ても良い。例えば、第2の反応性官能基とし 水酸基及びオキシ基のような水素結合が可 な基(水素結合形成基)を導入し、無機微粒 表面上に導入された水素結合形成基に、更 別の表面修飾化合物の水素結合形成基が反 することにより、上記バインダー成分Cと反 できる反応性官能基bを導入されることが好 ましい。すなわち、表面修飾化合物として、 水素結合形成基を有する化合物と、重合性不 飽和基などの上記バインダー成分Cと反応で る反応性官能基bと水素結合形成基を有する 合物とを併用して用いることが好適な例と て挙げられる。水素結合形成基の具体例と ては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ 、グリシジル基、アミド基、といった官能 、もしくはアミド結合を示すものである。 こで、アミド結合とは、-NHC(O)や>NC(O)-を 合単位に含むものを意味する。本発明の表 修飾化合物に用いられる水素結合形成基と ては、中でもカルボキシル基、水酸基、ア ド基が好ましい。

 上記(i)の反応性無機微粒子Bに用いられる上 記表面修飾化合物の分子量は500以下が好まし く、より好ましくは400以下、特に好ましくは 200以下である。斯かる低分子量とすることで 、無機微粒子表面を急速に占有し、無機微粒 子同士の凝集を妨げることが可能であると推 定される。
 上記(i)の反応性無機微粒子Bに用いられる上 記表面修飾化合物は、表面修飾のための反応 条件下で好ましくは液体であり、分散媒中に 溶解可能であるか又は少なくとも乳化可能で あるのが好ましい。中でも分散媒中で溶解し 、分散媒中で離散した分子又は分子イオンと して一様に分布して存在することが好ましい 。

 飽和又は不飽和カルボン酸としては、1~24 の炭素原子を有しており、例えばギ酸、酢酸 、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸 、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、 クエン酸、アジピン酸、琥珀酸、グルタル酸 、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ ン酸及びステアリン酸、並びに対応する酸無 水物、塩化物、エステル及びアミド、例えば カプロラクタム等が挙げられる。前記カルボ ン酸には、炭素鎖がO‐基、S‐基又はNH‐基 より遮断されるものも含まれる。特に好ま いものとしては、カルボン酸モノエーテル カルボン酸ポリエーテルなどのカルボン酸 ーテル、並びに対応する酸水化物、エステ 及びアミド(例えば、メトキシ酢酸、3,6‐ジ キサヘプタン酸及び3,6,9‐トリオキサデカ 酸)等が挙げられる。また、不飽和カルボン を用いると、重合性不飽和基を導入するこ ができる。

 好ましいアミンの例は、一般式Q 3-n NH n (n=0,1又は2)を有するものであり、残基Qは独立 して、1~12、更に好ましくは1~6、特に好まし は1~4の炭素原子を有するアルキル(例えば、 チル、エチル、n‐プロピル、i‐プロピル びブチル)、並びに6~24の炭素原子を有するア リール、アルカリル又はアラルキル(例えば フェニル、ナフチル、トリル及びベンジル) 表す。また、好ましいアミンの例としては ポリアルキレンアミンが挙げられ、具体例 、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメ ルアミン、エチルアミン、アニリン、N‐メ チルアニリン、ジフェニルアミン、トリフェ ニルアミン、トルイジン、エチレンジアミン 、ジエチレントリアミンである。

 好ましいβ‐ジカルボニル化合物は4~12、特 5~8の炭素原子を有するものであり、例えば ジケトン(アセチルアセトンなど)、2,3‐ヘ サンジオン、3,5‐ヘプタンジオン、アセト 酸、アセト酢酸‐C 1 ‐C 4 ‐アルキルエステル(アセト酢酸エチルエス ルなど)、ジアセチル及びアセトニルアセト が挙げられる。
 アミノ酸の例としては、β‐アラニン、グ シン、バリン、アミノカプロン酸、ロイシ 及びイソロイシンが挙げられる。

 好ましいシランは、少なくとも1つの加水分 解性基又はヒドロキシ基と、少なくとも1つ 非加水分解性残基を有する加水分解性オル ノシランである。ここで加水分解性基とし は、例えば、ハロゲン、アルコキシ基及び シルオキシ基が挙げられる。非加水分解性 基としては、反応性官能基bを有する及び/又 は反応性官能基bを有しない非加水分解性残 が用いられる。また、フッ素で置換されて る有機残基を少なくとも部分的に有するシ ンを使用しても良い。
 用いられるシランとしては特に限定されな が、例えば、CH 2 =CHSi(OOCCH 3 ) 3 、CH 2 =CHSiCl 3 、CH 2 =CH-Si(OC 2 H 5 ) 3 、CH 2 =CH-Si(OC 2 H 4 OCH 3 ) 3 、CH 2 =CH-CH 2 -Si(OC 2 H 5 ) 3 、CH 2 =CH-CH 2 -Si(OOCCH 3 ) 3 、γ‐グリシジルオキシプロピルトリメトキ シラン(GPTS)、γ‐グリシジルオキシプロピ ジメチルクロロシラン、3‐アミノプロピル リメトキシシラン(APTS)、3‐アミノプロピル トリエトキシシラン(APTES)、N‐(2-アミノエチ )‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン N‐[N’‐(2’‐アミノエチル)‐2‐アミノエ ル]‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラ 、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、2 [メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]ト リメトキシシラン、ビス‐(ヒドロキシエチ )‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、 N‐ヒドロキシエチル‐N‐メチルアミノプロ ルトリエトキシシラン、3‐(メタ)アクリル キシプロピルトリエトキシシラン及び3‐( タ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシ ン等を挙げることができる。

 官能基を有する金属化合物としては、元素 期表の第1群III~V及び/又は第2群II~IVからの金 属Mの金属化合物が挙げられる。斯かる金属 合物としては、例えば、ジルコニウム及び タニウムのアルコキシド、M(OR) 4 (M=Ti、Zr)、(式中、OR基の一部はβ‐ジカルボ ル化合物又はモノカルボン酸などの錯生成 により置換される)が挙げられる。重合性不 和基を有する化合物(メタクリル酸など)が 生成剤として使用される場合には、重合性 飽和基を導入することができる。

 分散媒として、水及び/又は有機溶媒が好適 に使用される。特に好ましい分散媒は、蒸留 された(純粋な)水である。有機溶媒として、 性及び非極性及び非プロトン性溶媒が好ま い。それらの例として、炭素数1~6の脂肪族 ルコール(特にメタノール、エタノール、n 及びi‐プロパノール及びブタノール)等のア ルコール、アセトン及びブタノン等のケトン 類、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエ テル、テトラヒドロフラン及びテトラヒド ピラン等のエーテル類;ジメチルアセトアミ 、ジメチルホルムアミド等のアミド類;スル ホラン及びジメチルスルホキシド等のスルホ キシド類及びスルホン類;及びペンタン、ヘ サン及びシクロヘキサン等の脂肪族(任意に ロゲン化された)炭化水素類が挙げられる。 これらの分散媒は混合物として使用すること ができる。
 分散媒は、蒸留(任意に減圧下)により容易 除去できる沸点を有することが好ましく、 点が200℃以下、特に150℃以下の溶媒が好ま い。

 (i)の反応性無機微粒子Bの調製に際し、分 散媒の濃度は、通常40~90重量%、好ましくは50~ 80重量%、特に55~75重量%である。分散液の残り は、未処理の無機微粒子及び上記表面修飾化 合物から構成される。ここで、無機微粒子/ 面修飾化合物の重量比は、100:1~4:1とするこ が好ましく、より好ましくは50:1~8:1、特に好 ましくは25:1~10:1である。

 (i)の反応性無機微粒子Bの調製は、好まし くは室温(約20℃)~分散媒の沸点で行われる。 に好ましくは、分散温度は50~100℃である。 散時間は、特に使用される材料の種類に依 するが、一般に数分から数時間、例えば1~24 時間である。

(ii)粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子を疎水 ビニルモノマーに分散したモノマーを、親 化された多孔質膜を通して水中に吐出し、 機微粒子が分散したモノマー液滴の水分散 とした後、重合することにより得られる、 面に反応性官能基bを有する無機微粒子。
 上記(ii)の反応性無機微粒子Bを用いると、 度分布の点から単分散性がより高まり、粗 粒子を含む場合のイレギュラーな性能の発 を抑えられるという利点がある。

 本発明に用いられる反応性無機微粒子Bは 、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆さ れ、当該有機成分により導入された反応性官 能基bを表面に有する無機微粒子であるため (ii)のタイプの反応性無機微粒子Bを製造する 際の重合に用いられる疎水性ビニルモノマー 中には、所望の反応性官能基を有するもので あるか、又は後から所望の反応性官能基を導 入可能とする別の反応性官能基を有するもの を少なくとも含有させる。例えば、疎水性ビ ニルモノマーに予めカルボキシル基を有する ものを使用し、重合させた後、当該カルボキ シル基にグリシジルメタクリレートを反応さ せて、重合性不飽和基を導入することが挙げ られる。

 疎水性ビニルモノマーの具体例を挙げる 、スチレン、ビニルトルエン、α‐メチル チレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニ 化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク リル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル 酸t‐ブチル、(メタ)アクリル酸n‐ヘキシル (メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ 酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2‐エ ルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、( タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル ベンジル、(ポリ)エチレングリコールのモ 又はジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレ グリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレー 、1,4‐ブタンジオールのモノ又はジ‐(メタ) アクリレート、トリメチロールプロパンのモ ノ‐、ジ‐又はトリ‐(メタ)アクリレート等 不飽和カルボン酸エステル類;ジアリルフタ レート、ジアリルアクリルアミド、トリアリ ル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリ ート等のアリル化合物;(ポリ)エチレングリ ールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレ ングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ )オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリ レート等が挙げられる。また、ブタジエン、 イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン 化合物。さらに、アクリル酸、メタクリル酸 、イタコン酸、フマル酸、グリシジルメタク リレート、ビニルピリジン、ジエチルアミノ エチルアクリレート、N‐メチルメタクリル ミド、アクリロニトリルなどの反応性官能 含有モノマーが挙げられる。これらのなか アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸な 水溶性の高いモノマーはモノマー全体とし の水溶解度が高くなって水中油滴型モノマ エマルジョンができなくなることのない範 で使用できる。

 (ii)で用いられる無機微粒子は粒径が小さ いことと、疎水性ビニルモノマーによく分散 することが必要である。ここで用いられる無 機微粒子の粒径は30nm以上100nm以下であり、さ らに好ましくは30nm以上70nm以下であり、さら 好ましくは40nm以上60nm以下である。また、 機微粒子が疎水性ビニルモノマーと親和性 悪いときは、無機微粒子表面を予め表面処 することが好ましい。当該表面処理には顔 分散剤を無機物表面に吸着させる分散剤処 、シランカップリング剤、チタネートカッ リング剤等によるカップリング剤処理又は プセル重合等によるポリマーコート処理等 既知の方法を適用することができる。

 (ii)においては、無機微粒子を分散した疎水 性ビニルモノマーを水中に乳化するために、 親水化された多孔質膜を通して水中に吐出す る。当該多孔質細孔は平均細孔径0.01~5μm、且 つ、均一な孔径であり、さらに膜の表裏を貫 通するものである必要がある。膜の材質とし てはガラスが好ましく、具体例としては火山 灰シラスを主原料として焼成したSiO 2 ‐Al 2 O 3 ‐B 2 O 3 ‐CaO系のガラスを熱処理でミクロ相分離させ 、ホウ酸に富む相を酸で溶解除去して得る多 孔質ガラス(SPG:Shirasu Porous Glass)が好ましい

 (ii)において、多孔質膜を通して無機微粒 子を含有する疎水性ビニルモノマーを押し出 す水相には、モノマー液滴の安定剤として界 面活性剤又は水溶性高分子を存在させる必要 がある。安定化剤がないと、膜を通して吐出 したモノマー液滴は互いに融合して幅広い粒 径分布となる。好ましい安定化剤としては、 モノマー液滴が1μm程度以上の場合は、ポリ ニルアルコール、ヒドロキシプロピルセル ース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高 子系の安定化剤がよく、これに少量のアニ ン系界面活性剤又は非イオン系乳化剤を添 することも好ましい。例えば、ラウリル硫 ナトリウムを乳化剤、1‐ヘキサデカノール 共乳化剤とする組み合わせは液滴表面に強 吸着し安定化効果が大きく、(ii)における安 定化剤として特に好ましい。

 (ii)において、乳化された無機微粒子を含 むモノマー液滴の水分散体を重合するには、 主に油溶性ラジカル開始剤を使用する。油溶 性ラジカル開始剤として使用できる開始剤を 例示すると、アゾビスイソブチロニトリルな どのアゾ系開始剤、ベンゾイルペルオキシド 、2、4‐ジクロルベンゾイルペルオキシドな の芳香族過酸化物、イソブチルペルオキシ 、ジイソプロピルペルオキシジカーボネー 、ジ(2‐エチルヘキシルペルオキシ)ジカー ネートなどの脂肪族系過酸化物が挙げられ 。これらは乳化の前に予めモノマー相に溶 して使用することができる。また、ハイド キノン、塩化鉄などの水溶性ラジカル重合 止剤を添加しても良い。

(iii)無機微粒子に導入する反応性官能基b、下 記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は 加水分解によってシラノール基を生成する基 、を含む化合物と、コアとなる無機微粒子と しての金属酸化物微粒子とを結合することに より得られる、表面に反応性官能基bを有す 無機微粒子。
 化学式(1)
 -Q 1 -C(=Q 2 )-NH-
(化学式(1)中、Q 1 は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示 、Q 2 はO又はSを示す。)
 上記(iii)の反応性無機微粒子Bを用いる場合 は、有機成分量向上の点から分散性、およ 膜強度がより高まるという利点がある。

 まず、無機微粒子に導入する反応性官能基b 、上記化学式(1)に示す基、及びシラノール基 又は加水分解によってシラノール基を生成す る基、を含む化合物(以下、反応性官能基修 加水分解性シランという場合がある)につい 説明する。
 上記反応性官能基修飾加水分解性シランに いて、無機微粒子に導入する反応性官能基 、上記バインダー成分Cと反応可能なように 適宜選択すれば特に限定されない。上述した ような重合性不飽和基を導入するのに適して いる。

 上記反応性官能基修飾加水分解性シランに いて、上記化学式(1)に示す基[-Q 1 -C(=Q 2 )-NH-]は、具体的には、[-O-C(=O)-NH-]、[-O-C(=S)-NH- ]、[-S-C(=O)-NH-]、[-NH-C(=O)-NH-]、[-NH-C(=S)-NH-]、及 び[-S-C(=S)-NH-]の6種である。これらの基は、1 単独で又は2種以上を組合わせて用いること できる。中でも、熱安定性の観点から、[-O- C(=O)-NH-]基と、[-O-C(=S)-NH-]基及び[-S-C(=O)-NH-]基 少なくとも1種を併用することが好ましい。 前記化学式(1)に示す基[-Q 1 -C(=Q 2 )-NH-]は、分子間において水素結合による適度 の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優 れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性 等の特性を付与することが可能になると考え られる。

 また、加水分解によってシラノ-ル基を生 成する基としては、ケイ素原子上にアルコキ シ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、ア ミノ基、ハロゲン原子等を有する基を挙げる ことができ、アルコキシシリル基又はアリー ルオキシシリル基が好ましい。シラノール基 又は、加水分解によってシラノ-ル基を生成 る基は、縮合反応又は加水分解に続いて生 る縮合反応によって、金属酸化物微粒子と 合することができる。

 上記反応性官能基修飾加水分解性シラン 好ましい具体例としては、例えば、下記化 式(2)に示す化合物を挙げることができる。

 化学式(2)中、R a 、R b は同一でも異なっていてもよいが、水素原子 又はC 1 からC 8 のアルキル基又はアリール基であり、例えば 、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オク チル、フェニル、キシリル基等を挙げること ができる。ここでmは1、2又は3である。
 [(R a O) m R b 3-m Si‐]で示される基としては、例えば、トリメ トキシシリル基、トリエトキシシリル基、ト リフェノキシシリル基、メチルジメトキシシ リル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げ ることができる。斯かる基のうち、トリメト キシシリル基又はトリエトキシシリル基等が 好ましい。

 R c はC 1 からC 12 の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機 であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含 でいてもよい。斯かる有機基としては例え 、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチ ン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、 ェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等 挙げることができる。これらのうち好まし 例は、メチレン、プロピレン、シクロヘキ レン、フェニレン等である。
 また、R d は2価の有機基であり、通常、分子量14から1 、好ましくは、分子量76から500の2価の有機 の中から選ばれる。例えば、ヘキサメチレ 、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖 ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノル ルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機 基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれ らのアルキル基置換体、アリール基置換体を 挙げることができる。また、これら2価の有 基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原 団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合 ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリ ーボネート結合、さらには前記化学式(1)に す基を含むこともできる。

 R e は(n+1)価の有機基であり、好ましくは鎖状、 岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭 水素基の中から選ばれる。
Y’は反応性官能基を有する1価の有機基を示 。上述のような反応性官能基そのものであ ても良い。例えば、反応性官能基bを重合性 不飽和基から選択する場合、(メタ)アクリロ ル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニ ル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、ス リル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シン モイル(オキシ)基、マレエート基、(メタ)ア クリルアミド基等を挙げることができる。ま た、nは好ましくは1~20の正の整数であり、さ に好ましくは1~10、特に好ましくは1~5である 。

 本発明で用いられる反応性官能基修飾加 分解性シランの合成は、例えば、特開平9-10 0111号公報に記載された方法を用いることが きる。すなわち、例えば、重合性不飽和基 導入する場合、(イ)メルカプトアルコキシシ ランと、ポリイソシアネート化合物と、イソ シアネート基と反応可能な活性水素基含有重 合性不飽和化合物との付加反応により行うこ とができる。また、(ロ)分子中にアルコキシ リル基及びイソシアネート基を有する化合 と、活性水素基含有重合性不飽和化合物と 直接的反応により行うことができる。さら 、(ハ)分子中に重合性不飽和基及びイソシ ネート基を有する化合物と、メルカプトア コキシシラン又はアミノシランとの付加反 により直接合成することもできる。

 (iii)の反応性無機微粒子Bの製造において 、反応性官能基修飾加水分解性シランを別 加水分解操作を行った後、これと無機微粒 を混合し、加熱、攪拌操作を行う方法、反 性官能基修飾加水分解性シランの加水分解 無機微粒子の存在下に行う方法、又は、他 成分、例えば、多価不飽和有機化合物、単 不飽和有機化合物、放射線重合開始剤等の 在下、無機微粒子の表面処理を行う方法を ぶことができるが、反応性官能基修飾加水 解性シランの加水分解を無機微粒子の存在 行う方法が好ましい。(iii)の反応性無機微 子Bを製造する際、その温度は、通常20℃以 150℃以下であり、また処理時間は5分~24時間 範囲である。

 加水分解反応を促進するため、触媒とし 酸、塩又は塩基を添加してもよい。酸とし は、有機酸及び不飽和有機酸;塩基としては 、3級アミン及び4級アンモニウムヒドロキシ が好適な物として挙げられる。これら酸、 基触媒の添加量は反応性官能基修飾加水分 性シランに対して0.001~1.0重量%、好ましくは 0.01~0.1重量%である。

 反応性無機微粒子Bとしては、分散媒を含有 しない粉末状の微粒子を用いてもよいが、分 散工程を省略でき、生産性が高い点から微粒 子を溶剤分散ゾルとしたものを用いることが 好ましい。
 反応性無機微粒子Bの含有量は、凹凸層の当 該反応性無機微粒子Bと前記硬化性バインダ 系の構成成分との合計量100重量部に対し、5 量部以上20重量部以下であることが好まし 、更に7重量部以上15重量部以下であること 好ましい。5重量部未満の場合、凹凸層表面 硬度が不十分となる恐れがあり、20重量部 過の場合、充填率が上がり過ぎ、かえって 強度が下がってしまう恐れがある。

 前記反応性無機微粒子Bの含有量は、前記 透光性微粒子Aの全量100重量部に対し、70~1000 量部であることが好ましく、更に好ましく 80~750重量部であり、特に好ましくは150~500重 量部である。反応性無機微粒子Bの含有量が70 重量部未満の場合には、防眩層の凹凸層に所 望の凹凸形状を形成することができないこと があり、防眩性が低下し、膜強度を上げるこ とができない恐れがある。一方、1000重量部 超える場合には、前記反応性無機微粒子Bの ストが上がることに加え、当該無機微粒子B が凝集しやすくなるため、コントラストが低 下する恐れがある。

<1-3.硬化性バインダー系>
 本明細書において、硬化性バインダー系の 成成分とは、バインダー成分Cの他に、必要 に応じてバインダー成分C以外の硬化性バイ ダー成分、ポリマー成分、重合開始剤等の 化後に後述する凹凸層のマトリクス成分と るものを表す。

<1-3-1.バインダー成分C>
 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物に いて、バインダー成分Cは、前記反応性無機 微粒子Bの反応性官能基bと架橋反応性を有す 反応性官能基cを有し、当該反応性官能基b 当該反応性官能基cが架橋結合し、網目構造 形成される。また、当該バインダー成分Cは 、十分な架橋性を得るために、当該反応性官 能基cを3つ以上有することが好ましい。当該 応性官能基cとしては、重合性不飽和基が好 適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基 であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不 飽和基である。その具体例としては、(メタ) クリロイル基、ビニル基、アリル基等のエ レン性二重結合及びエポキシ基等が挙げら る。

 バインダー成分Cとしては、硬化性有機樹 脂が好ましく、塗膜とした時に光が透過する 透光性のものが好ましい。その具体例として は、紫外線若しくは電子線で代表される電離 放射線により硬化する樹脂である電離放射線 硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂と溶剤乾 燥型樹脂(熱可塑性樹脂など、塗工時に固形 を調整するための溶剤を乾燥させるだけで 被膜となるような樹脂)との混合物、又は熱 化性樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは 離放射線硬化性樹脂が挙げられる。

 電離放射線硬化性樹脂の具体例としては、( メタ)アクリレート基等のラジカル重合性官 基を有する化合物、例えば、(メタ)アクリレ ート系のオリゴマー、プレポリマー、又は単 量体(モノマー)が挙げられる。より具体的に 、(メタ)アクリレート系オリゴマー又はプ ポリマーとしては、比較的低分子量のポリ ステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル 脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキ ド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタ エン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多 アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリ ル酸エステルから成るオリゴマー又はプレポ リマーが挙げられる。また、(メタ)アクリレ ト系単量体としては、エチル(メタ)アクリ ート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、 ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリ ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート 、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー 、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ ートトリメチロールプロパントリ(メタ)アク リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ) クリレート、ジペンタエリスリトールヘキ (メタ)アクリレート等が挙げられる。
 (メタ)アクリレート系化合物以外の例とし は、スチレン、メチルスチレン、N‐ビニル ロリドン等の単官能又は多官能単量体、又 ビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラ ク型エポキシ化合物、芳香族ビニルエーテ 、脂肪族ビニルエーテル等のオリゴマー又 プレポリマー等のカチオン重合性官能基を する化合物が挙げられる。

 電離放射線硬化性樹脂を紫外線硬化性樹脂 して使用する場合には、光重合開始剤又は 重合促進剤として増感剤を添加することが きる。
 光重合開始剤の具体例としては、ラジカル 合性官能基を有する樹脂系の場合は、アセ フェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラー ンゾイルベンゾエート、α‐アミロキシム ステル、テトラメチルチュウラムモノサル ァイド、ベンゾイン類、ベンゾインメチル ーテル、チオキサントン類、プロピオフェ ン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキ ド類、1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フ ニル‐ケトン、等が挙げられ、これらを単 で、又は混合して用いる。1‐ヒドロキシ‐ シクロヘキシル‐フェニル‐ケトンは、例え ば商品名イルガキュア184(チバ・スペシャル ィ・ケミカルズ社製)として入手可能である また、α‐アミノアルキルフェノン類とし は、例えば商品名イルガキュア907、369とし 入手可能である。
 カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場 は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニ ム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨー ニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾイン ルホン酸エステル等を単独又は混合物とし 用いる。
 また、光増感剤を混合して用いることが好 しく、その具体例としては、n‐ブチルアミ ン、トリエチルアミン、ポリ‐n‐ブチルホ フィン等が挙げられる。
 光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化 組成物100重量部に対し、0.1~10重量部である

 電離放射線硬化性樹脂に混合して使用さ る溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可 性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般 に例示されるものが利用される。溶剤乾燥 樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有 に防止することができる。好ましい熱可塑 樹脂の具体例としては、例えば、スチレン 樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニ エステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、 ロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式 レフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート 系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系 樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスル ホン系樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン ポリスルホン)、ポリフェニレンエーテル系 脂(例えば、2,6‐キシレノールの重合体)、 ルロース誘導体(例えば、セルロースエステ 類、セルロースカーバメート類、セルロー エーテル類)、シリコーン樹脂(例えば、ポ ジメチルシロキサン、ポリメチルフェニル ロキサン)、ゴム又はエラストマー(例えば、 ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン 系ゴム、スチレン‐ブタジエン共重合体、ア クリロニトリル‐ブタジエン共重合体、アク リルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム) が好ましい。

 熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノ ル樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹 、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和 リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ シ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン- 尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサ ン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用い る場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤 等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤 等をさらに添加して使用することができる。

<1-3-2.その他の成分>

 本発明の好ましい態様によれば、後述の 工液に、フッ素系又はシリコーン系等のレ リング剤を添加することが好ましい。レベ ング剤を添加した塗工液は、塗布又は乾燥 に塗膜表面に対して塗工安定性、滑り性、 汚染性、及び耐擦傷性を付与することがで る。

<1-4.溶剤>
 溶剤としては、例えば、イソプロピルアル ール、メタノール、エタノール、ブタノー 、イソブチルアルコール等のアルコール類; メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチル トン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類; 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ ステル類;クロロホルム、塩化メチレン、テ ラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;ト エン、キシレン等の芳香族炭化水素または れらの混合物が挙げられる。

<1-5.防眩層用硬化性樹脂組成物の調製>
 本発明に係る防眩層用硬化性樹脂組成物は 一般的な調製法に従って、上記成分を混合 分散処理することにより調製される。混合 散には、ペイントシェーカー又はビーズミ 等を用いることができる。透光性微粒子A及 び反応性無機微粒子Bが溶剤中に分散された 態で得られる場合には、その分散状態のま 、前記硬化性バインダー系、溶剤を含むそ 他の成分を適宜加え、混合し分散処理する とにより調製される。

<2.防眩フィルム>
 本発明に係る防眩フィルムは、透明基材フ ルムの観察者側に、最表面が凹凸形状を有 る防眩層を備える防眩フィルムであって、
 前記防眩層が、凹凸層のみからなる単一層 、又は、凹凸層と当該凹凸層の観察者側に 置された表面形状調整層を含む2層以上から なる積層構造を有し、
 当該凹凸層は、前記請求項1乃至13のいずれ に記載の防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化 からなり、当該凹凸層のヘイズ値が、下記 I~IIIの関係を満たし、
 当該凹凸層の透明基材フィルムとは反対側 界面及びその近傍の表層領域に、当該表層 域よりも透明基材フィルム側の領域に比べ 前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少な いスキン層を有しており、
 当該スキン層の厚み方向断面における単位 積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒 子数が、当該凹凸層の厚み方向断面における 単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの 均粒子数の80%以下であることを特徴とする
 (I)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<|Hz(hW B +W C +W A )-Hz(W B +W C +W A )|
 (II)|Hz(hW B )-Hz(W B )|<2
 (III)|Hz(hW B +W C )-Hz(W B +W C )|<2
(但しHz(W B )、Hz(hW B )、Hz(W B +W C )、Hz(hW B +W C )、Hz(W B +W C +W A )、Hz(hW B +W C +W A )は 各組成物におけるヘイズ値を示す。カッコ内 のWは反応性無機微粒子B、バインダー成分C、 透光性微粒子Aの各組成物における重量を示 、hは1以上の定数。)

 本発明に係る防眩フィルムは、透明基材 ィルム上に、前記本発明に係る防眩層用硬 性樹脂組成物の硬化物からなる防眩層を備 ることにより、防眩フィルム全体の耐擦傷 を向上させることができる。

 前記透光性微粒子Aの含有量は、凹凸層の 前記反応性無機微粒子Bと前記硬化性バイン ー系の構成成分との合計量100重量部に対し 1重量部以上5重量部以下であり、且つ、当該 凹凸層の凸部の膜厚が前記透光性微粒子Aの 均粒径+1.5μm以下、より好ましくは+1.0μm以下 、当該凹凸層の凹部の膜厚は前記透光性微粒 子Aの平均粒径より小さいことが好ましい。

 膜厚が上記の様な条件を満たすことによ 、明所コントラストの向上に有効な最低限 膜厚を確保することができる。また、防眩 の薄膜化、及び当該防眩層の薄膜化による 光性微粒子の含有量の減少により、本発明 防眩フィルムは、外部散乱性(外部ヘイズ) 維持したまま、暗所コントラストの低下を 制できる。

 薄膜化とそれによる透光性微粒子の含有 の減少により、内部ヘイズが低下する。内 ヘイズの低下により、本発明の防眩フィル を用いたディスプレイパネルの正面コント ストの低下を抑制することができる。

 外部ヘイズと内部ヘイズの和が同じで、 部ヘイズ及び内部ヘイズがそれぞれ異なる2 種類の防眩フィルムでは、外部ヘイズと内部 ヘイズの和が同じでも、内部ヘイズの小さい 防眩フィルムの方が、内部ヘイズの大きい防 眩フィルムに比べて、正面コントラストの低 下を抑制する効果が大きい。また、理由は定 かではないが、内部ヘイズの低下による正面 コントラストが向上する効果は、視野角の広 いディスプレイパネルに用いた場合よりも、 視野角の狭いディスプレイパネルに用いた場 合に大きい。

 視野角は、透明基材フィルム側の表面に 着剤をつけた本発明の防眩フィルムを貼り せた液晶パネルを、ELDIM社製 EZ Contrastを用 いることにより測定できる。

 以下に、視野角の測定について、図を用い 説明する。
 図4に示す様に、防眩フィルムを貼り合せた ディスプレイパネルがX-Y平面内に位置するも のとし、ディスプレイパネルの法線をZ軸と る。続いて図5に示すようにX-Y平面内におい 、X軸から時計回りに方位角を設定し、方位 角45°の方向を決める。
続いて、図6に示す様に、前記方位角45°上に いて、コントラストが150に低下するまで、Z 軸上からX-Y平面に視点を傾けていく。このと き、ディスプレイパネルに対してZ軸と視点 なす角が極角である。

 上記極角が大きいほど、すなわち、ディ プレイパネル正面からディスプレイパネル 面までコントラストが大きく確保できるも ほど、視野角が広い。これに対し、極角が さければ、正面から視点を傾けて行った際 すぐにコントラストが一定値(150)まで低下 てしまうため、視野角が狭いことになる。

 以下、本発明に係る防眩フィルムの層構成 ついて説明する。
 図7は本発明に係る防眩フィルムの基本的な 層構成の一例の断面図である。透明基材フィ ルム3のいずれか一方の面に防眩層2が設けら ており、防眩層2は、必ず観察者70側の表面 配置する。
 尚、本発明において観察者70側とは、本発 に係る防眩フィルムを画像表示装置に配置 る際に、観察者70に向ける面を意味する。ま た、本発明において、表示装置側とは、本発 明に係る防眩フィルムを画像表示装置に配置 する際に、画像表示装置本体に向ける面を意 味する。また、透明基材フィルム3は1層のみ 限定されず、2層以上存在してもよい。
 防眩層2は、少なくとも凹凸層4を有する。 発明において、凹凸層4とは、防眩層2の最表 面に凹凸形状を付与する層である。

 本発明の防眩フィルムは、画像表示装置に 要とされる各種機能を付与することができ 点から、図8に示すように前記防眩層2が、2 以上からなり、当該防眩層2が凹凸層4の観 者70側に表面形状調整層5を有する積層構造 してもよい。凹凸層4の上に表面形状調整層5 を形成することにより、前記凹凸層4が、例 ば、適切な防眩性能を発揮するためには、 細化された凹凸形状である場合や、大きす る凹凸差を有する場合も、防眩層2の観察者7 0側の表面を、なめらかで緩やかな所望の凹 形状にし、且つ、様々な機能を防眩フィル に付与することが可能となる。
 表面形状調整層5は、更に帯電防止剤、屈折 率調整剤、防汚染剤、撥水剤、撥油剤、指紋 付着防止剤、高硬化剤および硬度調整剤を含 有していても良い。

 また、表面形状調整層5が低屈折率層を兼 ねることにより、防眩層に反射防止性能を付 与してもよいが、図9に示すように、前記防 層2が2層以上からなり、表面形状調整層5と 別に観察者70側に更に低屈折率層6を有して てもよい。この低屈折率層6は、当該層の下 となる凹凸層4又は表面形状調整層5の表面 凹凸形状に追随した形状を有しており、表 の凹凸形状は下地となる層の表面と同等の 凸形状となる。また、低屈折率層6の他、任 の層が観察者70側に存在してもよい。尚、 屈折率層6は、当該低屈折率層6を積層する画 像表示装置側の層の屈折率よりも低い屈折率 を有している。

 以下、本発明の防眩フィルムを構成する 層について順に説明する。

<2-1.透明基材フィルム>
 透明基材フィルムの材質は、特に限定され いが、防眩フィルムに用いられる一般的な 料を用いることができ、例えば、セルロー アシレート、シクロオレフィンポリマー、 クリレート系ポリマー、又はポリエステル 主体とするものが好ましい。ここで、「主 とする」とは、基材構成成分の中で最も含 割合が高い成分を示すものである。

 セルロースアシレートの具体例としては セルローストリアセテート、セルロースジ セテート、セルロースアセテートブチレー 等が挙げられる。シクロオレフィンポリマ としては、例えば、ノルボルネン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体、環状共役 エン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重 体樹脂等が挙げられ、より具体的には、日 ゼオン(株)製のゼオネックスやゼオノア(ノ ボルネン系樹脂)、住友ベークライト(株)製 スミライトFS‐1700、JSR(株)製 アートン(変性 ノルボルネン系樹脂)、三井化学(株)製 アペ (環状オレフィン共重合体)、Ticona社製の Top as(環状オレフィン共重合体)、日立化成(株)製  オプトレッツOZ‐1000シリーズ(脂環式アクリ ル樹脂)等が挙げられる。アクリレート系ポ マーの具体例としては、ポリ(メタ)アクリル 酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メ タ)アクリル酸メチル‐(メタ)アクリル酸ブチ ル共重合体等が挙げられる。ポリエステルの 具体例としては、ポリエチレンテレフタレー ト、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ る。

 本発明にあっては、透明基材フィルムが 膜の柔軟性に富んだフィルム状態として使 する場合、その厚さは、20μm以上300μm以下 好ましくは30μm以上200μm以下である。透明基 材フィルムは、その上に防眩層を形成するの に際して、接着性向上のために、コロナ放電 処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アン カー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布 を予め行なってもよい。

<2-2.防眩層>
 防眩層は本発明の防眩フィルムに必須の層 あり、前記防眩層用硬化性樹脂組成物、又 当該防眩層用硬化性樹脂組成物、及び前記 面形状調整層用硬化性樹脂組成物を硬化し 得られる。当該防眩層は、透明基材フィル の観察者側の表面に設けられる。ここで、 察者側とは、本発明に係る防眩フィルムを ィスプレイ(画像表示装置)に設置した際に 観察者に向ける面を意味する。防眩層は1層 は2層以上からなり、少なくとも凹凸層を有 し、その最表面は凹凸形状を有する。
 本発明にあっては、上記透明基材等の表面 、予め調製しておいた凹凸層を積層しても い。この場合、別途調製された凹凸層であ てもよい。

 本発明に係る凹凸層は、防眩性を付与す ための透光性微粒子A、耐擦傷性を付与する ための反応性無機微粒子B、及び基材や隣接 る層に対する密着性を付与するためのバイ ダー成分Cを必須成分とする、硬化性バイン ー系の硬化後に凹凸層のマトリクスを形成 る成分を含有し、更に必要に応じて、帯電 止剤、レベリング剤等の添加剤、屈折率調 、架橋収縮防止、高押し込み強度付与のた の無機フィラー等を含有して形成される。

<2-2-2.凹凸層の形成>
 本発明の防眩フィルムの実施形態の一例と て、硬化性バインダー系として光硬化性バ ンダー系を用い、凹凸層が、前記透明基材 ィルムの観察者側の表面に、当該光硬化性 インダー系に透光性微粒子A、及び反応性無 機微粒子Bを添加した防眩層用硬化性樹脂組 物を塗工液として、塗工して凹凸層を形成 る方法によって形成された防眩フィルムを げることができる。
 このとき、前記透光性微粒子Aは、好ましく は、第1の微粒子と第2の微粒子からなるか、 1の微粒子と第2の微粒子と第3の微粒子から るのがよい。

 塗工液を透明基材フィルムに塗布する方 としては、ロールコート法、ミヤバーコー 法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げ れる。塗工液の塗布後に、乾燥と紫外線硬 を行う。防眩層用硬化性樹脂組成物を、塗 後、数秒程度ですばやく乾燥させることで 厚み方向断面における単位面積当たりの前 反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、凹凸層 の透明基材フィルム側とは反対側の空気界面 とその近傍(スキン層)では少なくなる。もし は、固形分濃度を調製して溶液粘度を上げ ことでも同様の効果(スキン層)を得ること できる。紫外線源の具体例としては、超高 水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボ アーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタル ライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外 の波長としては、190~380nmの波長域を使用す ことができる。電子線源の具体例としては コッククロフトワルト型、バンデグラフト 、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、また 直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の 種電子線加速器が挙げられる。

 光硬化性バインダー系の構成成分を硬化 せることにより、当該光硬化性バインダー の構成成分中に含まれる、前記反応性無機 粒子Bの反応性官能基bと前記バインダー成 Cの反応性官能基cが架橋結合し、網目構造が 形成される。また、光硬化性バインダー系の 構成成分中の透光性微粒子Aが固定されて、 凸層の最表面に所望の凹凸形状が形成され 。

 凹凸層用組成物を付与して凹凸層を形成す 場合には、凹凸層用組成物をゲル分率で30% 上80%以下、好ましくは下限が35%以上であり より好ましくは40%以上であり、好ましくは 限が70%以下であり、より好ましくは60%以下 硬化させることが、凹凸層と表面形状調整 との密着性と、耐擦傷性がよい点から好ま い。
 尚、ゲル分率は、例えば、該組成物が紫外 硬化性樹脂の場合には、以下の方法により めることができる。まず、サンプルとして 凹凸層用組成物の成分のうち、モノマー、 リゴマー、ポリマー、その他添加剤など、 光性微粒子A及び反応性無機微粒子Bを含む 子以外の成分を含むインキを作製し、厚さ50 μmのPET基材上に、5μmの膜厚に塗工し、10~100mJ の範囲で10mJ間隔でUV照射条件を変えて照射し たサンプルを各々作製する。次に、当該サン プルを10cm角に切り、n数を三点取り、重さを 定し、この重さをM1とする。次に、モノマ が溶解すると考えられる溶剤(アセトン、メ ルエチルケトン、酢酸メチル、トルエン、 びその混合溶媒など。アクリレート系組成 の場合、代表的にはアセトン、メチルエチ ケトン)に12時間以上浸漬し、溶剤から各サ プルを取り出して、オーブンで十分乾燥(60 ×2分)し、乾燥したサンプルの重さ測定し、 この重さをM2とする。次に、溶剤に浸漬前の さM1と、乾燥したサンプルの重さM2との差を とり、この値をδMとする。最後に、下記式を 用いて各照射量毎のゲル分率(%)を算出する。
「ゲル分率(%)」=100-δM/M1

 本発明に係る防眩フィルムにおいて、凹 層の膜厚が0.5μm以上13μm以下であることが ましく、さらに0.5μm以上7μm以下であること 、硬度、耐擦傷性等の物性面が良好であり 生産性も良好な点から好ましい。膜厚を0.5 m以上とすることで十分な耐擦傷性を付与す ことができ、13μm以下とすることでクラッ の発生を抑制することができる。

<2-3.その他の層>
 本発明に係る防眩フィルムは、上記したよ に透明基材、防眩層により基本的には構成 れてなる。しかしながら、防眩フィルムと ての機能又は用途を加味して、本発明に係 凹凸層の他に、更に下記のような一又は二 上の層を含有していてもよい。また更に、 屈折率層や高屈折率層を含んで形成しても い。

<2-3-1.表面形状調整層>
 本発明にあっては、凹凸層表面の凹凸形状 調整するために、凹凸層の上に表面形状調 層を形成しても良い。表面形状調整層は、 凸層の表面粗さにおいて凹凸スケール(凹凸 の山高さと山間隔)の1/10以下のスケールで凹 形状に沿って存在している微細な凹凸を埋 て、スムージングを掛けて凹凸表面を滑ら にしたり、あるいは、凹凸の山間隔や山高 、山の頻度(個数)の調整をする。また、表 形状調整層に、帯電防止、屈折率調整、高 度化、防汚染性等の機能をさらに付与して よい。
 表面調整層の膜厚(硬化時)は0.6μm以上15μm以 下であることが好ましく、より好ましくは3μ m以上8μm以下である。尚、上記表面調整層の みは、後述するレーザー顕微鏡観察、SEM又 TEM観察による、防眩層の層厚の測定方法と 様に測定した値である。

<2-3-1-1.表面形状調整層用硬化性樹脂組成物 >
 表面形状調整層は、バインダー成分の他、 要に応じて、適宜、有機系微粒子やシリカ の無機系微粒子を含む表面形状調整層用硬 性樹脂組成物を硬化させて形成することが きる。

 バインダー成分(モノマー、オリゴマー等の 樹脂成分を包含する)としては、透明性のも が好ましく、その具体例としては、紫外線 たは電子線により硬化する樹脂である電離 射線硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂と 剤乾燥型樹脂との混合物、又は熱硬化性樹 の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射 硬化性樹脂が挙げられる。
 電離放射線硬化性樹脂の具体例としては、 凸層で述べた樹脂を挙げることができる。 た、必要に応じて電離放射線硬化性樹脂に 合して使用することができる光重合開始剤 光重合促進剤、光増感剤、溶剤乾燥型樹脂 も、凹凸層で述べたものをそれぞれ使用す ことができる。

 上記表面調整層は、流動性を調整する有 微粒子やシリカ微粒子を含有するものであ てもよい。微粒子の中でも好ましいのは、 ロイダルシリカである。従来、表面調整層 形成によって微細な凹凸を目止めして、ス ージングをかけようとすると、過剰なスム ジングがかかってしまうことによって、防 性が著しく低下してしまう。しかし、上記 ロイダルシリカを含有する組成物によって 膜の形成を行うと、防眩性と黒色再現性の 立を図ることができる。斯かる効果が得ら る作用は、明確ではないが、コロイダルシ カを含有する組成物は、その流動性が制御 れることによって表面の凹凸形状への追随 が良好であることから、スムージングにお て、従来の表面調整層では完全にれてしま 下地凹凸層にある微細な凹凸形状に、適度 滑らかさを付与させながら完全に潰さず残 ことができるものと推測される。

 本発明において「コロイダルシリカ」と 、コロイド状態のシリカ微粒子を水又は有 溶媒に分散させたコロイド溶液を意味する 上記コロイダルシリカの粒径(直径)は、1~50n m程度の微粒子であることが好ましい。尚、 発明におけるコロイダルシリカの粒径は、BE T法による平均粒径(BET法により表面積を測定 、粒子が真球であるとして換算して平均粒 を算出する)である。

<2-3-1-2.表面形状調整層の形成法>
 表面形状調整層用組成物を塗布する方法と ては、ロールコート法、ミヤバーコート法 グラビアコート法等の塗布方法が挙げられ 。表面形状調整層用組成物の塗布後に、乾 と紫外線硬化を行う。紫外線源の具体例と ては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水 灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍 灯、メタルハライドランプ灯の光源が挙げ れる。紫外線の波長としては、190~380nmの波 域を使用することができる。電子線源の具 例としては、コッククロフトワルト型、バ デグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変 器型、または直線型、ダイナミトロン型、 周波型等の各種電子線加速器が挙げられる

<2-3-2.低屈折率層>
 低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯 、自然光等)が防眩フィルムの表面にて反射 る際、多層膜での光の干渉効果によってそ 反射率を低くするという役割を果たす層で る。本発明の好ましい態様によれば、単層 らなる防眩層、つまり凹凸層の観察者側か 又は、二層以上からなる防眩層、つまり、 面形状調整層の観察者側表面に低屈折率層 形成する。低屈折率層は、当該低屈折率層 屈折率が当該低屈折率層の透明基材フィル 側に隣接する層の屈折率より低いものであ 。
 本発明の好ましい態様によれば、低屈折率 に隣接する凹凸層又は表面形状調整層の屈 率が1.5以上であり、低屈折率層の屈折率が1 .45以下であり、好ましくは1.42以下で構成さ てなるものが好ましい。

 低屈折率層としては、好ましくは(1)シリカ はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、(2) 屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、(3)シリカ はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系 脂、(4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄 等のいずれかで構成される。フッ素樹脂以 の樹脂については、凹凸層を構成する樹脂 同様の樹脂を用いることができる。
 上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分 中にフッ素原子を含む重合性化合物又はそ 重合体を用いることができる。重合性化合 は、特に限定されないが、例えば、電離放 線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等 硬化反応性の基を有するものが好ましい。 た、これらの反応性の基を同時に併せ持つ 合物でもよい。この重合性化合物に対し、 合体とは、上記のような反応性基などを一 もたないものである。

 電離放射線硬化性基を有する重合性化合 としては、エチレン性不飽和結合を有する ッ素含有モノマーを広く用いることができ 。より具体的には、フルオロオレフィン類( 例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオ ライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフ ルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン 、パーフルオロ‐2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキ ソール等)を例示することができる。(メタ)ア クリロイルオキシ基を有するものとして、2,2 ,2‐トリフルオロエチル(メタ)アクリレート 2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピル(メタ)アク リレート、2‐(パーフルオロブチル)エチル( タ)アクリレート、2‐(パーフルオロヘキシ )エチル(メタ)アクリレート、2‐(パーフルオ ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2‐( ーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレー 、α‐トリフルオロメタクリル酸メチル、α ‐トリフルオロメタクリル酸エチルのような 、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリ ート化合物;分子中に、フッ素原子を少なく とも3個持つ炭素数1~14のフルオロアルキル基 フルオロシクロアルキル基又はフルオロア キレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリ イルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メ タ)アクリル酸エステル化合物等もある。

 熱硬化性極性基として好ましいのは、例え 、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エ キシ基等の水素結合形成基である。これら 、塗膜との密着性だけでなく、シリカなど 無機超微粒子との親和性にも優れている。 硬化性極性基を持つ重合性化合物としては 例えば、4‐フルオロエチレン‐パーフルオ ロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオ エチレン‐炭化水素系ビニルエーテル共重 体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、 ェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素 性品などを挙げることができる。
 電離放射線硬化性基と熱硬化性極性基とを せ持つ重合性化合物としては、アクリル酸 はメタクリル酸の部分又は完全フッ素化ア キル、アルケニル、アリールエステル類、 全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完 又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全 は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示す ことができる。

 また、フッ素原子を持つ重合性化合物や 合体とともに、防眩層用硬化性樹脂組成物 述べたような各樹脂成分を混合して使用す こともできる。更に、反応性基等を硬化さ るための硬化剤、塗工性を向上させたり、 汚染性を付与するために、各種添加剤、溶 を適宜使用することができる。

<2-3-3.防汚染層>
 本発明の好ましい態様によれば、低屈折率 の最表面の汚れ防止を目的として防汚染層 設けてもよく、好ましくは低屈折率層が形 された基材フィルムの一方の面と反対の面 に防汚染層が設けられてなるものが好まし 。防汚染層は、防眩フィルムの防汚染性及 耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能 なる。

 防汚染剤の具体例としては、分子中にフ 素原子を有する光硬化性樹脂組成物への相 性が低く、低屈折率層中に添加することが 難とされるフッ素系化合物及び/又はケイ素 系化合物、分子中にフッ素原子を有する光硬 化性樹脂組成物及び微粒子に対して相溶性を 有するフッ素系化合物及び/又はケイ系化合 が挙げられる。

<2-4.添加剤>
 上記各層は、更に別の機能を有していても く、例えば、帯電防止剤、屈折率調整剤、 汚染剤、硬度調整剤等の機能付加成分を含 でなる組成物により形成されてもよい。機 付加成分は、上記各層のうち、特に表面形 調整層に含有させることが好ましい。
<2-4-1.帯電防止剤(導電剤)>
 上記各層、特に表面形状調整層中に、帯電 止剤を含有させることにより、光学積層体 表面における塵埃付着を有効に防止するこ ができる。帯電防止剤の具体例としては、 4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1~ 3アミノ基等のカチオン性基を有する各種の カチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エ ステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン 酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン性 化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系 等の両性化合物、アミノアルコール系、グリ セリン系、ポリエチレングリコール系等のノ ニオン性化合物、スズ及びチタンのアルコキ シドのような有機金属化合物並びにそれらの アセチルアセトナート塩のような金属キレー ト化合物等が挙げられ、さらに上記に列記し た化合物を高分子量化した化合物が挙げられ る。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウ 基、又は金属キレート部を有し、且つ、電 放射線により重合可能なモノマー、若しく オリゴマー、又は官能基を有するカップリ グ剤のような有機金属化合物等の重合性化 物も帯電防止剤として使用できる。

 また、前記帯電防止剤の他の例としては、 電性微粒子が挙げられる。当該導電性微粒 の具体例としては、金属酸化物からなるも を挙げることができる。そのような金属酸 物としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ の数値は屈折率を表す。)、CeO 2 (1.95)、Sb 2 O 2 (1.71)、SnO 2 (1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化 ンジウム錫(1.95)、In 2 O 3 (2.00)、Al 2 O 3 (1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0) 、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0) 等を挙げることができる。前記導電性微粒子 の平均粒径は、0.1nm~0.1μmであることが好まし い。斯かる範囲内であることにより、前記導 電性微粒子をバインダーに分散した際、ヘイ ズがほとんどなく、全光線透過率が良好な高 透明な膜を形成可能な組成物が得られる。

<2-4-2.屈折率調整剤>
 防眩層に、屈折率調整剤を添加することに り、防眩層表面の反射防止特性を調整でき 。当該屈折率調整剤には、低屈折率剤、中 折率剤、高屈折率剤等が挙げられる。

<2-4-2-1.低屈折率剤>
 低屈折率剤は、その屈折率が防眩層より低 ものである。本発明の好ましい態様によれ 、防眩層の屈折率が1.5以上であり、低屈折 剤の屈折率が1.5未満であり、好ましくは1.45 以下で構成されるものが好ましい。
 具体的には、低屈折率層の説明において挙 た低屈折率剤を好ましく用いることができ 。低屈折率剤を含有させた表面形状調整層 膜厚は、当該層が最外層となり、耐擦傷性 硬度が必要であるため、1μmよりも厚いこと が好ましい。

<2-4-2-2.高屈折率剤/中屈折率剤>
 反射防止性をさらに向上させるために、高 折率剤、中屈折率剤を表面形状調整層に含 させてもよい。高屈折率剤、中屈折率剤の 折率は1.46~2.00の範囲内で設定されてよく、 屈折率剤は、その屈折率が1.46~1.80の範囲内 ものを意味し、高屈折率剤は、その屈折率 1.65~2.00の範囲内のものを意味する。
 斯かる高屈折率剤/中屈折率剤としては、微 粒子が挙げられ、その具体例としては、酸化 亜鉛(1.90)、チタニア(2.3~2.7)、セリア(1.95)、ス ズドープ酸化インジウム(1.95)、アンチモンド ープ酸化スズ(1.80)、イットリア(1.87)、ジルコ ニア(2.0)が挙げられる。

<2-4-3.レベリング剤>
 防眩層は、レベリング剤を添加することが きる。レベリング剤の好ましいものとして 、フッ素系又はシリコーン系等のレベリン 剤が挙げられる。レベリング剤は、防眩層 樹脂組成物に対して、塗布又は乾燥時の塗 表面に対する塗工性を向上させ、滑り性、 汚染性、及び耐擦傷性を付与する。

<2-4-4.硬度調整剤(高硬化剤)>
 防眩層には、耐擦傷性を付与するために、 度調整剤(高硬化剤)を添加することができ 。硬度調整剤の具体例としては、例えば、 リエステル(メタ)アクリレート、ウレタン( タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレ ト等の多官能(メタ)アクリレートプレポリマ ー、若しくは、トリメチロールプロパントリ (メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス トールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能 上の多官能(メタ)アクリレートモノマーを単 独で又はこれらの中から2種以上選択して組 合わせて配合した電離放射線硬化性樹脂を げることができる。

 本発明は、上記形態に限定されるもので ない。上記形態は例示であり、本発明の特 請求の範囲に記載された技術的思想と実質 に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏 るものは、いかなるものであっても本発明 技術的範囲に包含される。

 以下、本発明について実施例を示して具 的に説明する。これらの記載により本発明 制限するものではない。尚、実施例中、部 特に特定しない限り重量部を表す。また、 均膜厚は、得られた防眩フィルム断面のTEM 真において、5箇所を測定し、その平均値と した。

(製造例1-1:反応性無機微粒子B(1-1)の調製)
(1)表面吸着イオン除去
 粒径90nmの水分散コロイダルシリカ(商品名; ノーテックスZL、日産化学工業(株)製、pH9~10 )を陽イオン交換樹脂(商品名;ダイヤイオンSK1 B、三菱化学(株)製)400gを用いて3時間イオン交 換を行い、次いで、陰イオン交換樹脂(商品 ;ダイヤイオンSA20A、三菱化学(株)製)200gを用 て3時間イオン交換を行った後、洗浄し固形 分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散体を得 た。
 この時、シリカ微粒子の水分散体のNa 2 O含有量は、シリカ微粒子当たり各7ppmであっ 。
(2)表面処理(単官能モノマーの導入)
 上記(1)の処理を行ったシリカ微粒子の水分 液10gに150mLのイソプロパノール、4.0gの3,6,9 トリオキサデカン酸、及び4.0gのメタクリル を加え、30分間撹拌し混合した。
 得られた混合液を、60℃で5時間加熱しなが 撹拌する事で、シリカ微粒子表面にメタク ロイル基が導入されたシリカ微粒子分散液 得た。得られたシリカ微粒子分散液を、ロ タリーエバポレーターを用いて蒸留水、及 イソプロパノールを留去させ、乾固させな ようにメチルエチルケトンを加えながら、 終的に残留する水やイソプロパノールを0.1 量%とし、固形分50重量%のシリカ分散メチル エチルケトン溶液を得た。
 このようにして得られた反応性無機微粒子B (1-1)は、日機装(株)社製Nanotrac粒度分析計によ り測定した結果、d 50 =92nmの平均粒径を有していた。また、シリカ 粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量 析法により測定した結果4.05×10 -3 g/m 2 であった。

(製造例1-2:反応性無機微粒子B(1-2)の調製)
(1)表面吸着イオン除去
 製造例1-1と同様に、表面吸着イオンを除去 たシリカ微粒子の水分散液を得た。
(2)表面処理(多官能モノマーの導入)
 製造例1-1において、メタクリル酸をジペン エリスリトールペンタアクリレート(商品名 ;SR399、サートマー(株)製)に変更した以外は、 製造例1-1と同様の手法で表面処理を行った。
 このようにして得られた反応性無機微粒子B (1-2)は、上記粒度分析計により測定した結果 d 50 =93nmの平均粒径を有していた。また、シリカ 粒子表面を被覆する有機成分量は熱重量分 法により測定した結果3.84×10 -3 g/m 2 であった。

(製造例2:反応性無機微粒子B(2)の調製)
 フェライト磁性体の油性分散体(タイホー工 業(株)製フェリコロイド、粒径40nm)40g、スチ ン94g、ビニルベンゼン1g、グリシジルメタク リレート5g、及びアゾビスイソブチロニトリ 3gを混合し、冷却しながら10分間分散し、無 機微粒子を分散した疎水性ビニルモノマーを 得た。多孔質膜として、SiO 2 ‐Al 2 O 3 ‐B 2 O 3 ‐CaO系ガラスを熱処理でミクロ相分離させ、 ホウ酸に富む相を酸で溶解除去して多孔化し た管(伊勢化学(株)製SPG、細孔径0.3μm)を2規定 酸に70℃で2時間浸漬し、水で十分洗浄して 水化処理をした。続いて、ラウリル硫酸ナ リウム10gと1‐ヘキサデカノール25.3gに水2L 添加した溶液に超音波照射を10分行ってゲル 構造を破壊した水溶液に浸し、超音波を照射 しながら減圧脱気を行い多孔質ガラス内部の 気泡を除いた。次にこの多孔質ガラス管の内 側に上記水溶液を200mL/分の流速で流し、外側 に1.3kg/cm 2 の圧力で無機微粒子を分散した疎水性ビニル モノマーを流した。多孔質ガラスの内側から 流出する水相には疎水性ビニルモノマー相が 乳化された微小液滴が存在し白濁した。得ら れた無機微粒子を分散した疎水性ビニルモノ マー液滴の水分散体のうち1Lを70℃、8時間撹 し重合反応を行い、磁性体含有ポリマー粒 (反応性無機微粒子B(2))を得た。このように て得られた反応性無機微粒子B(2)は、上記粒 度分析計により測定した結果、d 50 =63nmの平均粒径を有していた。また、表面を 覆する有機成分量は熱重量分析法により測 した結果5.35×10 -3 g/m 2 であった。

(製造例3:反応性無機微粒子B(3)の調製)
 乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメト シシラン7.8部、ジブチルスズジラウレート0 .2部からなる溶液に対し、イソフォロンジイ シアネート20.6部を撹拌しながら50℃で1時間 かけて滴下後、60℃で3時間撹拌した。これに ペンタエリスリトールトリアクリレート71.4 を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加 撹拌することで化合物(1)を得た。

 窒素気流下、メタノールシリカゾル(商品名 、日産化学工業(株)製、メタノール溶剤コロ ダルシリカ分散液(数平均粒径0.050μm、シリ 濃度30%))88.5部(固形分26.6部)、上記で合成し 化合物(1)8.5部、p-メトキシフェノール0.01部 混合液を、60℃、4時間撹拌した。続いて、 の混合溶液に化合物(2)としてメチルトリメ キシシラン3部を添加し、60℃、1時間撹拌し た後、オルト蟻酸メチルエステル9部を添加 、さらに1時間同一温度で加熱撹拌すること 架橋性無機微粒子を得た。このようにして られた反応性無機微粒子B(3)は、上記粒度分 析計により測定した結果、d 50 =63nmの平均粒径を有していた。また、表面を 覆する有機成分量は熱重量分析法により測 した結果7.08×10 -3 g/m 2 であった。

<参考実験1>
 透明基材フィルムとして、厚さ80μmのトリ セチルセルロースフィルムの一方の側に、 記組成の「防眩層塗工液」(透光性微粒子Aの 含有率を3%とする)をミヤバーコートで3.5g/m 2 塗工し、溶剤を蒸発乾燥後、酸素濃度を0.1% 下に保って、80W/cmの紫外線照射装置で10m/min 速度で2度照射することにより、平均膜厚2.1 μmの防眩フィルムを得た。
 ここで、透光性微粒子Aの含有率とは、反応 性無機微粒子Bと硬化性バインダー系の合計 に対する透光性微粒子Aの含有量の割合(百分 率)を表す。
 「防眩層塗工液」
・ ペンタエリスリトールトリアクリレート( PETA)(商品名;PET-30、日本化薬(株)製):42.5重量部
・ 光重合開始剤(商品名;イルガキュア184、 バ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):2重 部
・ シリコーン(レベリング剤):1重量部
・ シリカ(透光性微粒子A)(平均粒径3.5μm):1.5 量部
・ トルエン:34重量部
 上記防眩フィルムの製造において、透光性 粒子Aの含有率を、0%、5%、7%、10%、15%となる ように、「防眩層塗工液」をそれぞれ調整し 、上記同様に各サンプルについて、防眩フィ ルムを得た。

<参考実験2>
 透明基材フィルムとして、厚さ80μmのトリ セチルセルロースフィルムの一方の側に、 記製造例1-1で製造した反応性無機微粒子B(1-1 )を含む下記組成の「防眩層塗工液」(反応性 機微粒子B(1-1)の含有率を5%、透光性微粒子A 含有率を3%とする)をミヤバーコートで3.5g/m 2 塗工し、溶剤を蒸発乾燥後、酸素濃度を0.1% 下に保って、80W/cmの紫外線照射装置で10m/min 速度で2度照射することにより、平均膜厚2.1 μmの防眩フィルムを得た。
 ここで、反応性無機微粒子Bの含有率とは、 反応性無機微粒子Bと硬化性バインダー系の 計量に対する反応性無機微粒子Bの含有量の 合(百分率)を表す。
 「防眩層塗工液」
・ ペンタエリスリトールトリアクリレート( PETA)(商品名;PET-30、日本化薬(株)製):42.5重量部
・ 光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、 バ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):2重 部
・ シリコーン(レベリング剤):1重量部
・ 反応性無機微粒子B(1-1)(平均粒径92nm):2.5重 量部
・ シリカ(透光性微粒子A)(平均粒径3.5μm):1.5 量部
・ トルエン:34重量部
 上記防眩フィルムの製造において、透光性 粒子Aの含有率を、0%、5%、7%、10%、15%となる ように、「防眩層塗工液」をそれぞれ調整し 、上記同様に各サンプルについて、防眩フィ ルムを得た。

<参考実験3>
 参考実験2において、製造例1-1で得られた反 応性無機微粒子B(1-1)の含有率を、10%となるよ うに調製した以外は、前記参考実験2と同様 して、防眩フィルムを得た。

<参考実験4>
 参考実験2において、製造例1-1で得られた反 応性無機微粒子B(1-1)の含有率を、15%となるよ うに調製した以外は、前記参考実験2と同様 して、防眩フィルムを得た。

<参考実験5>
 参考実験2において、製造例1-1で得られた反 応性無機微粒子B(1-1)の含有率を、20%となるよ うに調製した以外は、前記参考実験2と同様 して、防眩フィルムを得た。

<参考実験6>
 参考実験2において、製造例1-1で得られた反 応性無機微粒子B(1-1)の含有率を、25%となるよ うに調製した以外は、前記参考実験2と同様 して、防眩フィルムを得た。

<参考実験7>
 参考実験2において、製造例1-1で得られた反 応性無機微粒子B(1-1)の含有率を、30%となるよ うに調製した以外は、前記参考実験2と同様 して、防眩フィルムを得た。

<評価方法>
 上記、各参考実験に対して、各サンプルご に、JIS K 7105:1981「プラスチックの光学的 性試験方法」に準じて、防眩性フィルムの 表面のヘイズ値を測定した。その結果を表1 記載する。

<実施例1>
 透明基材フィルムとして、厚さ80μmのトリ セチルセルロースフィルムの一方の側に、 記製造例1-1で製造した反応性無機微粒子B(1-1 )を含む下記組成の「防眩層塗工液」(反応性 機微粒子B(1-1)の含有率を5%、透光性微粒子A 含有率を7%とする)をミヤバーコートで3.5g/m 2 塗工し、溶剤を蒸発乾燥後、酸素濃度を0.1% 下に保って、80W/cmの紫外線照射装置で10m/min 速度で2度照射することにより、平均膜厚2.1 μmの防眩フィルムを得た。
 「防眩層塗工液」
・ ペンタエリスリトールトリアクリレート( PETA)(商品名;PET-30、日本化薬(株)製):42.5重量部
・ 光重合開始剤(商品名;イルガキュア184、 バ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):2重 部
・ シリコーン(レベリング剤):1重量部
・ 反応性無機微粒子B(1-1)(平均粒径92nm):2.5重 量部
・ シリカ(透光性微粒子A)(平均粒径3.5μm):3.5 量部
・ トルエン:34重量部

<実施例2>
 実施例1の防眩フィルムの製造において、製 造例1-1で得られた反応性無機微粒子B(1-1)の含 有率を10%となるように調製した以外は、前記 実施例1と同様にして、防眩フィルムを得た

<実施例3>
 実施例1の防眩フィルムの製造において、製 造例1-1で得られた反応性無機微粒子B(1-1)の含 有率を15%となるように調製した以外は、前記 実施例1と同様にして、防眩フィルムを得た

<実施例4>
 実施例1の防眩フィルムの製造において、製 造例1-1で得られた反応性無機微粒子B(1-1)の含 有率を30%となるように調製した以外は、前記 実施例1と同様にして、防眩フィルムを得た

<実施例5>
 実施例1の防眩フィルムの製造において、製 造例1-1で得られた反応性無機微粒子B(1-1)の含 有率を50%となるように調製した以外は、前記 実施例1と同様にして、防眩フィルムを得た

<実施例6>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、バ インダー成分Cとして、ペンタエリスリトー トリアクリレート(PETA)とジペンタエリスリ ールヘキサアクリレート(DPHA)を用いた以外 、前記実施例3と同様にして、防眩フィルム 得た。

<実施例7>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、バ インダー成分Cとして、ペンタエリスリトー トリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリ ールヘキサアクリレート(DPHA)、及びウレタ (UA)を用いた以外は、前記実施例3と同様にし て、防眩フィルムを得た。

<実施例8>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例1-2で得られた反応性無機微粒子B(1-2)を用 い、防眩層の平均膜厚を3.5μmにした以外は、 前記実施例3と同様にして、防眩フィルムを た。

<実施例9>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例2で得られた反応性無機微粒子B(2)を用い 防眩層の平均膜厚を3.5μmにした以外は、前 実施例3と同様にして、防眩フィルムを得た 。

<実施例10>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた反応性無機微粒子B(3)を用い 防眩層の平均膜厚を3.5μmにした以外は、前 実施例3と同様にして、防眩フィルムを得た 。

<実施例11>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、透 明基材フィルムとして80μm厚のシクロオレフ ンポリマー(COP)フィルムを用いた以外は、 記実施例3と同様にして防眩フィルムを得た

<実施例12>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、透 明基材フィルムとして80μm厚のポリエチレン レフタレート(PET)フィルムを用いた以外は 前記実施例3と同様にして防眩フィルムを得 。

<実施例13>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、透 明基材フィルムとして80μm厚のアクリル系樹 フィルムを用いた以外は、前記実施例3と同 様にして防眩フィルムを得た。

<実施例14>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、ポ リメチルメタクリレート(PMMA)とスチレンを主 成分とする、平均粒径が7.5μmの透光性微粒子 Aを用い、該透光性微粒子Aの含有率を10%とな ように調製し、防眩層の平均膜厚を12μmに た以外は、前記実施例3と同様にして防眩フ ルムを得た。

<実施例15>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、ポ リメチルメタクリレート(PMMA)を主成分とする 、平均粒径が5.2μmの透光性微粒子Aと、バイ ダー成分Cとして、ペンタエリスリトールト アクリレート(PETA)とウレタン(UA)を用い、該 透光性微粒子Aの含有率を10%となるように調 し、防眩層の平均膜厚を20μmにした以外は、 前記実施例3と同様にして防眩フィルムを得 。

<実施例16>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、ポ リメチルメタクリレート(PMMA)とエチレングリ コールジメタクリレート(EtGDMA)を主成分とす 、平均粒径が10μmの透光性微粒子Aと、バイ ダー成分Cとして、ペンタエリスリトールト リアクリレート(PETA)とウレタン(UA)を用い、 透光性微粒子Aの含有率を12%となるように調 し、防眩層の平均膜厚を20μmにした以外は 前記実施例3と同様にして防眩フィルムを得 。

<実施例17>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子Bとして、製造例1-2で得られ 反応性無機微粒子B(1-2)を用い、平均粒径をd 50 =60nmにした以外は、前記実施例3と同様にして 防眩フィルムを得た。

<実施例18>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子B(1-1)の含有率を1%にした以外 、前記実施例3と同様にして防眩フィルムを 得た。

<実施例19>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子B(1-1)の表面を被覆する有機成 分量を0.80×10 -3 g/m 2 にした以外は、前記実施例3と同様にして、 眩フィルムを得た。

<実施例20>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、ポ リメチルメタクリレート(PMMA)を主成分とする 、平均粒径が5.2μmの透光性微粒子Aを用い、 眩層の平均膜厚を35μmにした以外は、前記実 施例3と同様にして防眩フィルムを得た。

<実施例21>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、防 眩層の平均膜厚を0.4μmにした以外は、前記実 施例3と同様にして防眩フィルムを得た。

<実施例22>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた反応性無機微粒子B(3)を用い 当該反応性無機微粒子B(3)の平均粒径を42μm した以外は、前記実施例3と同様にして、防 眩フィルムを得た。

<実施例23>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた反応性無機微粒子B(3)を用い 当該反応性無機微粒子B(3)の平均粒径を63μm した以外は、前記実施例3と同様にして、防 眩フィルムを得た。

<実施例24>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた反応性無機微粒子B(3)を用い 当該反応性無機微粒子B(3)の平均粒径を44μm した以外は、前記実施例3と同様にして、防 眩フィルムを得た。

<実施例25>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた反応性無機微粒子B(3)を用い 当該反応性無機微粒子B(3)の平均粒径を92μm した以外は、前記実施例3と同様にして、防 眩フィルムを得た。

<実施例26>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた平均粒径63μmの反応性無機微 粒子B(3)を用い、反応性無機微粒子Bの含有率 10%となるように調製し、透光性微粒子Aとし て、平均粒径2μmのシリカ微粒子を用い、透 性微粒子Aの含有率を4%とし、凹部膜厚を0.8μ m、凸部膜厚を4μmとした以外は、前記実施例3 と同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例27>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた平均粒径63μmの反応性無機微 粒子B(3)を用い、反応性無機微粒子Bの含有率 10%となるように調製し、透光性微粒子Aとし て、平均粒径3.5μmのシリカ微粒子を用い、透 光性微粒子Aの含有率を4%とし、凹部膜厚を1.2 μm、凸部膜厚を4.5μmとした以外は、前記実施 例3と同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例28>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた平均粒径63μmの反応性無機微 粒子B(3)を用い、反応性無機微粒子Bの含有率 10%となるように調製し、透光性微粒子Aとし て、平均粒径2μmのシリカ微粒子を用い、透 性微粒子Aの含有率を6.5%とし、凹部膜厚を0.6 μm、凸部膜厚を4.5μmとした以外は、前記実施 例3と同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例29>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた平均粒径63μmの反応性無機微 粒子B(3)を用い、反応性無機微粒子Bの含有率 10%となるように調製し、透光性微粒子Aとし て、平均粒径3.5μmのシリカ微粒子を用い、透 光性微粒子Aの含有率を6.5%とし、凹部膜厚を1 .3μm、凸部膜厚を5.5μmとした以外は、前記実 例3と同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例30>
 実施例2の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた平均粒径63μmの反応性無機微 粒子B(3)を用い、透光性微粒子Aとして、平均 径2.3μmのシリカ微粒子を用い、透光性微粒 Aの含有率を3.5%とし、凸部膜厚を2.5μmとし 以外は、前記実施例2と同様にして、防眩フ ルムを得た。

<実施例31>
 実施例30の防眩フィルムの製造において、 光性微粒子Aの含有率を4.0%とした以外は、前 記実施例30と同様にして、防眩フィルムを得 。

<実施例32>
 実施例30の防眩フィルムの製造において、 光性微粒子Aの含有率を4.5%とした以外は、前 記実施例30と同様にして、防眩フィルムを得 。

<実施例33>
 実施例30の防眩フィルムの製造において、 部膜厚を2.3μmとした以外は、前記実施例30と 同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例34>
 実施例30の防眩フィルムの製造において、 部膜厚を2.8μmとした以外は、前記実施例30と 同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例35>
 実施例30の防眩フィルムの製造において、 部ヘイズを9.0%とした以外は、前記実施例30 同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例36>
 実施例31の防眩フィルムの製造において、 部ヘイズを9.0%とした以外は、前記実施例31 同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例37>
 実施例32の防眩フィルムの製造において、 部ヘイズを9.0%とした以外は、前記実施例32 同様にして、防眩フィルムを得た。

<実施例38>
 実施例30の防眩フィルムを、粘着剤を用い 以下に示す正面コントラスト及び図10に示す 様なコントラスト視野角を有する液晶パネル に貼り合せ、ディスプレイを得た。
 液晶モード:TN(ツイステッド ネマチック)
 正面コントラスト:1100対1
 コントラスト視野角:図10

<実施例39>
 実施例38において、外部ヘイズ9.5%の防眩フ ルムを用いた以外は、実施例38と同様にし 、防眩フィルムを液晶パネルに貼り合せた ィスプレイを得た。

<実施例40>
 実施例38において、外部ヘイズ7.5%の防眩フ ルムを用いた以外は、実施例38と同様にし 、防眩フィルムを液晶パネルに貼り合せた ィスプレイを得た。

<実施例41>
 実施例38において、外部ヘイズ5.5%の防眩フ ルムを用いた以外は、実施例38と同様にし 、防眩フィルムを液晶パネルに貼り合せた ィスプレイを得た。

<実施例42>
 実施例38において、液晶パネルを以下に示 正面コントラスト及び図11に示す様なコント ラスト視野角を有する液晶パネルとした以外 は実施例38と同様にして、ディスプレイを得 。
 液晶モード:TN(ツイステッド ネマチック)
 正面コントラスト:750対1
 コントラスト視野角:図11

<実施例43>
 実施例42において、外部ヘイズ7.5%の防眩フ ルムを用いた以外は、同様にしてディスプ イを得た。

<実施例44>
 実施例38において、液晶パネルを以下に示 正面コントラスト及び図12に示す様なコント ラスト視野角を有する液晶パネルとした以外 は実施例38と同様にして、ディスプレイを得 。
 液晶モード:IPS(In Plane Switching)
 正面コントラスト:350対1
 コントラスト視野角:図12

<実施例45>
 実施例44において、外部ヘイズ7.5%の防眩フ ルムを用いた以外は、同様にしてディスプ イを得た。

<実施例46>
 実施例38において、液晶パネルを以下に示 正面コントラスト及び図13に示す様なコント ラスト視野角を有する液晶パネルとした以外 は実施例38と同様にして、ディスプレイを得 。
 液晶モード:IPS(In Plane Switching)
 正面コントラスト:600対1
 コントラスト視野角:図13

<実施例47>
 実施例46において、外部ヘイズ7.5%の防眩フ ルムを用いた以外は、同様にしてディスプ イを得た。

<比較例1>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、透 光性微粒子Aを含有せず、防眩層の平均膜厚 6.2μmにした以外は、前記実施例3と同様にし 防眩フィルムを得た。

<比較例2>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子Bを含有しない以外は、前記 施例3と同様にして防眩フィルムを得た。

<比較例3>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子Bの代わりに、製造例1-1で、 径90nmの水分散コロイダルシリカ(商品名;ス ーテックスZL、日産化学工業(株)製、pH9~10)の 表面吸着イオン除去を行った後、表面処理を 行わないシリカ微粒子を用いた以外は、前記 実施例3と同様にして、防眩フィルムを得た

<比較例4>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子B(1-1)の平均粒径を10nmにした 外は、前記実施例3と同様にして防眩フィル を得た。

<比較例5>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、製 造例3で得られた反応性無機微粒子B(3)を用い 当該反応性無機微粒子B(3)の平均粒径を20μm した以外は、前記実施例3と同様にして、防 眩フィルムを得た。

<比較例6>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子Bの含有率を0%とし、透光性微 粒子Aとして、平均粒径2μmのシリカ微粒子を い、透光性微粒子Aの含有率を7.5%となるよ に調製し、凹部膜厚を2.2μm、凸部膜厚を5.8μ mとした以外は、前記実施例3と同様にして、 眩フィルムを得た。

<比較例7>
 実施例3の防眩フィルムの製造において、反 応性無機微粒子Bの含有率を0%とし、透光性微 粒子Aとして、平均粒径2μmのシリカ微粒子を い、透光性微粒子Aの含有率を10%となるよう に調製し、凹部膜厚を2.0μm、凸部膜厚を5.5μm とした以外は、前記実施例3と同様にして、 眩フィルムを得た。

<比較例8>
 実施例30の防眩フィルムの製造において、 光性微粒子Aの含有率を10.0%、反応性無機微 子Bの含有率を0%、凸部膜厚を4.2μmとした以 は、前記実施例30と同様にして、防眩フィル ムを得た。

<比較例9>
 比較例8の防眩フィルムの製造において、外 部ヘイズを9.0%とした以外は、前記比較例8と 様にして、防眩フィルムを得た。

<比較例10>
 実施例38において、防眩フィルムを透光性 粒子Aの導入率10%、反応性無機微粒子の導入 0%、凸部膜厚4.2μm、内部ヘイズ1.2%、外部ヘ ズ4.5%とした以外は、実施例38と同様にして 防眩フィルムを液晶パネルに貼り合せたデ スプレイを得た。

<比較例11>
 比較例10において、防眩フィルムを外部ヘ ズ12.5%の防眩フィルムとした以外は、比較例 10と同様にして、防眩フィルムを液晶パネル 貼り合せたディスプレイを得た。

<比較例12>
 比較例10において、防眩フィルムを外部ヘ ズ23.5%の防眩フィルムとした以外は、比較例 10と同様にして、防眩フィルムを液晶パネル 貼り合せたディスプレイを得た。

<比較例13>
 実施例42において、防眩フィルムを内部ヘ ズ1.2%、外部ヘイズ12.5%、凸部膜厚4.2μmの防 フィルムとした以外は、実施例42と同様にし て、防眩フィルムを液晶パネルに貼り合せた ディスプレイを得た。

<比較例14>
 実施例44において、防眩フィルムを内部ヘ ズ1.2%、外部ヘイズ12.5%、凸部膜厚4.2μmの防 フィルムとした以外は、実施例44と同様にし て、防眩フィルムを液晶パネルに貼り合せた ディスプレイを得た。

<比較例15>
 実施例46において、防眩フィルムを内部ヘ ズ1.2%、外部ヘイズ12.5%、凸部膜厚4.2μmの防 フィルムとした以外は、実施例46と同様にし て、防眩フィルムを液晶パネルに貼り合せた ディスプレイを得た。

<評価方法>
 上記、実施例1乃至21、及び比較例1乃至4に して、以下の(1)~(4)を評価した。その結果を 2に記載する。尚、表2乃至4の項目中、A/(B+C) 、及びB/(B+C)のCは、硬化性バインダー系を意 する。
(1)鉛筆硬度試験
 異なる硬度の鉛筆を用い、500g荷重下でJIS K 5600に準拠した試験法で行った。傷は目視で 認した。5本引いた線のうち、傷のなかった 数が4本、又は5本のときを合格とし、表2の 価結果は、(傷なしの本数)/(5本線)を意味す 。
(2)スチールウール試験
 試験対象の防眩フィルムの表面を、スチー ウールの#0000番を用いて、500gの荷重で20回 り、傷の有無を測定するものである。
 評価○:傷無し
 評価×:傷有り
(3)ヘイズ
 JIS K7105:1981「プラスチックの光学的特性試 方法」に準じて、防眩フィルムの最表面の イズ値を測定した。
(4)クラック性
 10×2cmの大きさに切り取った防眩フィルムを 、防眩層面を上にして曲率のある円柱に巻き つけ、ひび割れが発生し始める曲率直径を測 定することで評価した。
(評価基準)
 評価○:10mm以内であった。
 評価△:10-20mmであった。
 評価×:20mm以上であった。

 上記、実施例22乃至25、及び比較例5に対し 、以下の(5)、及び(6)を評価した。その結果 表3に記載する。
(5)分散性評価
 SEM写真を用いて、凹凸層の厚み方向断面の1 μm幅の領域における反応性無機微粒子Bの数 当該凹凸層の1μm幅の領域の面積で割り、平 粒子数を求めた。同様にSEM写真を用いて、 キン層の厚み方向断面の1μm幅の領域におけ る反応性無機微粒子Bの数を当該スキン層の1 m幅の領域の面積で割り、平均粒子数を求め 。前記スキン層の厚み方向断面における単 面積当たりの平均粒子数を前記凹凸層の厚 方向断面における単位面積当たりの平均粒 数で割った値に100をかけてスキン層平均粒 数割合(%)を求めた。
(6)耐けん化性試験
 得られた防眩フィルムのA4版2枚分の大きさ ものを60℃、2規定の水酸化ナトリウム水溶 200ccに2分間浸漬した後、純水で洗浄してけ 化処理を行った。次に、けん化処理後の水 化ナトリウム水溶液を採取し、100℃で加熱 縮を行った後、純水を加え、さらに硝酸を えて酸性とした。ICP発光分光分析法により 当該水酸化ナトリウム水溶液中のケイ素(Si) 含有量を測定した。
(評価基準)
評価◎:水酸化ナトリウム水溶液中のSi含有量 が、2.0μg/gより少なかった。
評価○:水酸化ナトリウム水溶液中のSi含有量 が、2.0μg/g~8.0μg/gであった。
評価×:水酸化ナトリウム水溶液中のSi含有量 、8.0μg/gを超えた。

 上記、実施例26乃至29、並びに比較例6、及 比較例7に対して、上記(3)、及び以下の(7)を 価した。その結果を表4に記載する。
 (7)正面コントラスト(C/R)低下率測定
 以下に示す液晶モード、正面コントラスト び図10に示すコントラスト視野角を有する 晶パネルの防眩フィルムを貼り合せていな 状態(グレア)と、粘着剤を用いて防眩フィル ムを当該パネルに貼合せた状態(ディスプレ )の両方における白表示、黒表示における輝 を測定してコントラストを算出し、ディス レイのグレアに対する正面コントラスト低 率を算出した。なお、輝度測定には(株)ト コンテクノハウス製 BM-5A輝度計を用いた。
 液晶モード:TN(ツイステッド ネマチック)
 正面コントラスト:750対1
 コントラスト視野角:図10

 上記実施例30乃至37並びに比較例8及び比 例9に対して、上記(1)、(3)及び(7)を評価した その結果を表5に示す。

 上記実施例38乃至47及び比較例10乃至15で用 た防眩フィルムに対して、上記(3)を、上記 施例38乃至47及び比較例10乃至15で用いた各液 晶パネル及び得られたディスプレイに対して 、以下の(7’)、(8)及び(9)を評価した。その結 果を表6に示す。
 (7’)正面コントラスト(C/R)低下率測定
 液晶パネルの防眩フィルムを貼り合せてい い状態(グレア)と、防眩フィルムを貼り合 た状態(ディスプレイ)の両方における白表示 、黒表示における輝度を測定してコントラス トを算出し、ディスプレイのグレアに対する 正面コントラスト低下率を算出した。なお、 輝度測定には(株)トプコンテクノハウス製 BM -5A輝度計を用いた。
 (8)表面状態(ぎらつき)測定
 画面を緑色にした状態で目視評価した。
評価○:貼合前後で変化なし。
評価△:貼合面の一部がぎらつく。
評価×:全面がぎらつく。
 (9)コントラスト(C/R)視野角測定
 ELDIM社製、EZ Contrastを用いて、コントラス が最大であるディスプレイ正面(ディスプレ の法線上)から、方位角45°方向において、 角を変化させ、コントラストが150まで低下 た時の極角を測定した。