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Patent Searching and Data


Title:
HEAT DISSIPATION MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175275
Kind Code:
A1
Abstract:
This heat dissipation member has a porous metal and carbon particles filling the pores of the porous metal, wherein the carbon particles contain flaky graphite. When the average pore diameter of the porous metal is denoted by D1 and the average value of the maximum diameters of the carbon particles is denoted by D2, it is preferable to satisfy D1≥D2×1.2. Said heat dissipation member can be produced by impregnating the porous metal with the dispersion liquid of the carbon particles.

Inventors:
KAWANO TOSHIFUMI (JP)
HIRAHARA SATOSHI (JP)
MORITAKE SHINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006536
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 19, 2020
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI CHEM CORP (JP)
International Classes:
C22C47/00; C22C1/08; C22C1/10; H01L23/373; H05K7/20
Foreign References:
JP2016181644A2016-10-13
JP2005235968A2005-09-02
JP2014095114A2014-05-22
Attorney, Agent or Firm:
SHIGENO, Tsuyoshi et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175275 19 卩(:17 2020 /006536

請求の範囲

[請求項 1 ] 多孔質金属と、 該多孔質金属の孔内に充填された炭素粒子とを有し

、 該炭素粒子が薄片状黒鉛を含む放熱部材。

[請求項 2] 前記薄片状黒鉛の厚みが 7 0 0 n 以下である請求項 1 に記載の放 熱部材。

[請求項 3] 前記多孔質金属の平均孔径を〇 1、 前記炭素粒子の最大径の平均値 を口 2としたとき、 0 1 ³ 0 2 X 1 . 2である請求項 1 または 2に記 載の放熱部材。

[請求項 4] 前記多孔質金属の平均孔径を口 1 としたときに、 0 1 £ 1

である請求項 3に記載の放熱部材。

[請求項 5] 前記多孔質金属の平均孔径を〇 1、 前記炭素粒子の最大径の平均値 を口 2としたとき、 0 2 2 0 0 0 ³ 0 1である請求項 1ないし 4の いずれか 1項に記載の放熱部材。

[請求項 6] 前記多孔質金属の表面の少なくとも一部が炭素粒子で覆われている 請求項 1ないし 5のいずれか 1項に記載の放熱部材。

[請求項 7] 請求項 1ないし 6のいずれか 1項に記載の放熱部材の製造方法であ り、 多孔質金属に、 炭素粒子の分散液を含浸させる工程を含む放熱部 材の製造方法。

[請求項 8] 請求項 1ないし 6のいずれか 1項に記載の放熱部材を有するモジユ

_ル。

Description:
〇 2020/175275 1 2020 /006536 明 細 書

発明の名称 : 放熱部材

技術分野

[0001 ] 本発明は、 各種電子機器や照明機器等において、 熱を放出させて温度上昇 を防止するために用いられる放熱部材に関す る。

背景技術

[0002] I 〇や !_巳 0など電子回路からの発熱を拡散して局所的 昇温を防ぐため に、 放熱部材が用いられている。

[0003] 放熱部材の材料としては、 通常、 銅 (熱伝導率:約 4 0〇 /〇! [<) や アルミニウム (熱伝導率:約 2 4〇 / [<) などの高熱伝導性の金属が 用いられている。 放熱部材としては黒鉛シートも用いられてい る。 黒鉛シー 卜の中には熱伝導率 1 〇〇〇 / <を超えるものもある。 黒鉛シートは 、 特許文献 1 に記載されているように、 ポリイミ ドなどの樹脂を高温で焼成 することで製造されている。

[0004] 特許文献 2には、 合金粉と黒鉛粉を混合して混合粉とし、 この混合粉を圧 縮成形したのち焼結してなる軽合金部材補強 用多孔質金属焼結体が記載され ている。

[0005] 特許文献 3には、 グラフェンを多孔性金属発泡体基板上に化学 蒸着で成膜 し、 これを圧縮してグラフェンメタルコンポジッ トを形成するグラフェンメ タルコンポジッ トの製造方法が記載されている。 特許文献 3には、 このグラ フェンメタルコンポジッ トが熱及び電気伝導性に優れた特性を有する ことが 記載されている。

[0006] 特許文献 1 :特開 2 0 1 0 _ 2 1 5 4 4 1号公報

特許文献 2 :特開 2 0 0 3 _ 7 3 7 5 5号公報

特許文献 3 :特表 2 0 1 8— 5 3 6 6 1 7号公報

[0007] スマートフォンなどの小型の電子デバイスに 用いるためには、 放熱部材は 熱伝導性に優れるだけでなく、 軽量かつ薄肉である必要がある。 〇 2020/175275 2 卩(:171? 2020 /006536

[0008] しかし、 従来の放熱部材のうち、 銅やアルミニウム製のものは熱伝導率が 不十分であり、 かつ重いために小型のデバイス、 例えばスマートフォンなど への利用には不向きであった。

[0009] 特許文献 1では黒鉛を用いている。 黒鉛は熱伝導率が大きく、 かつ軽量と いう利点を持つ。 しかし、 黒鉛は平面的分子構造を持つため、 炭素原子が共 有結合する平面内では高い熱伝導率を有する ものの、 その垂直方向 (一般に はシートの厚み方向) では 1 〇 / <程度の低い熱伝導率しか得られな い。 このため、 放熱量を上げるためにシートを厚く してもシートの厚み方向 に熱が伝わらず十分な放熱効果を得ることが 難しい。 また、 黒鉛シートは強 度が弱く、 取り扱い時に損傷しやすい。 さらに樹脂を焼成して黒鉛シートと するには 3 0 0 0 °〇近辺の高温で長時間処理しなければなら いため、 作製 に要する時間が長く、 かつ膨大な電力を要する。

[0010] 特許文献 2における多孔質金属焼結体は、 合金と黒鉛とが均等に分布した ものである。 この多孔質金属焼結体は、 多孔質金属の孔内に薄片状黒鉛を充 填してなる本発明の放熱部材とは構造面から 異なる。 しかも、 特許文献 2で は熱伝導性を改善する検討はなされていない 。

[001 1 ] 特許文献 3のグラフエンメタルコンポジッ トは、 特許文献 3の図 3にも示 されているように、 多孔性金属発泡体の孔内面にグラフエンの極 薄の層が形 成されたものである。 金属に炭素を複合化することによる熱伝導性 の向上効 果は十分ではない。

発明の概要

[0012] 本発明は、 全方位的に高い熱伝導率を持ち、 かつ軽量で、 取り扱いに十分 な強度を有し、 しかも大電力や長時間を要することなく効率 的に製造可能な 放熱部材を提供することを課題とする。

[0013] 本発明者は、 多孔質金属内の孔内に薄片状黒鉛を充填した 複合材を用いる ことで、 上記課題を解決することができることを見出 した。

即ち、 本発明は以下を要旨とする。

[0014] [ 1 ] 多孔質金属と、 該多孔質金属の孔内に充填された炭素粒子と を有し 〇 2020/175275 3 卩(:171? 2020 /006536

、 該炭素粒子が薄片状黒鉛を含む放熱部材。

[0015] [2] 前記薄片状黒鉛の厚みが 700 n 以下である [ 1 ] に記載の放熱 部材。

[0016] [3] 前記多孔質金属の平均孔径を 01、 前記炭素粒子の最大径の平均値 を口 2としたとき、 01 ³02 X 1. 2である [ 1 ] または [2] に記載の 放熱部材。

[0017] [4] 前記多孔質金属の平均孔径を口 1 としたときに、 01 £ 1

である [3] に記載の放熱部材。

[0018] [5] 前記多孔質金属の平均孔径を 01、 前記炭素粒子の最大径の平均値 を口 2としたとき、 02 2000³01である [ 1 ] ないし [4] のいず れかに記載の放熱部材。

[0019] [6] 前記多孔質金属の表面の少なくとも一部が炭 素粒子で覆われている

[1 ] ないし [5] のいずれかに記載の放熱部材。

[0020] [7] [1 ] ないし [6] のいずれかに記載の放熱部材の製造方法であ り

、 多孔質金属に、 炭素粒子の分散液を含浸させる工程を含む放 熱部材の製造 方法。

[0021] [8] [1 ] ないし [6] のいずれかに記載の放熱部材を有するモジユ ー ル。

発明の効果

[0022] 多孔質金属の孔内に炭素粒子を充填した複合 材よりなる本発明の放熱部材 は以下の優れた特長を有する。

1) 炭素粒子に由来して高い熱伝導率を有する。

2) 炭素粒子の熱伝導が低下する方向は金属の熱 伝導で補助できるために 全方位的に高い熱伝導率を持つ。

3) 炭素粒子の複合化で軽量な放熱部材とするこ とができる。

4) 多孔質金属の孔を厚み方向に向いたものを多 くすることで厚み方向に 特に高い熱拡散率を得ることができる。

5) 柔軟性を持たせることも可能であることから 、 平坦ではない熱源、 例 〇 2020/175275 4 卩(:171? 2020 /006536

えば曲面をする熱源に接触させて使用する こともできる。

6) 多孔質金属を基体とするため、 従来の黒鉛シートに比べ高い機械的強 度を持ち、 取り扱い時に損傷しにくい。

7) 多孔質金属の製造、 製造された多孔質金属内への炭素粒子の充填 によ る本発明の放熱部材の製造は、 樹脂を焼成して黒鉛シートを製造する場合に 比べ、 工程時間が短く、 かつ使用する電力も抑制される。

8) 分子間力の強い炭素粒子を用いることで、 金属と炭素粒子を、 あるい は炭素粒子同士を、 有機バインダー等を介さずに分子間力で直接 接合できる ので、 高い熱伝導を得ることができると同時に製造 プロセスを簡略化できる

9) 基体となる多孔質金属は電磁波遮蔽性能や吸 音性能を有するものであ るため、 電磁波遮蔽や吸音といつた性能をも併せ持つ ことができる。

発明を実施するための形態

[0023] 以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する 。

[0024] 本発明の放熱部材は、 多孔質金属と、 該多孔質金属の孔内に充填された炭 素粒子とを有し、 該炭素粒子が薄片状黒鉛を含むことを特徴と する。

[0025] [多孔質金属]

本発明に用いる多孔質金属の構成材料として は、 熱伝導率が 1 〇〇 /

- <より高い金属又は合金を用いるのが好まし い。 このような高熱伝導率金 属としては、 例えば〇リ、 八 丨、 八 9 、 八リ、 などが挙げら れる。 特に熱伝導率が 2 0〇 / <より高く、 かつ比較的安価なものが 好ましい。 このようなものとして〇リ、 八 丨、 八 9から選ばれる少なくとも —つが挙げられる。 多孔質金属は、 これらの金属の 2種以上の合金よりなる ものであつてもよい。

[0026] 本発明に用いる多孔質金属は、 放熱部材を軽量にするため、 また、 十分な 量の炭素粒子を内包するために、 その空隙率は、 好ましくは 7 0 %以上であ り、 より好ましくは 7 5 %以上であり、 特に好ましくは 8 0 %以上であり、 最も好ましくは 8 5 %以上である。 一方、 放熱部材の機械的強度を確保する 〇 2020/175275 5 卩(:171? 2020 /006536

ために、 多孔質金属の空隙率は、 9 9 %以下であることが好ましく、 9 7 % 以下であることがより好ましく、 9 5 %以下であることが特に好ましい。

[0027] 多孔質金属の空隙率は、 多孔質金属の質量 IV! (9) と、 見掛け体積 V (〇

3) 、 多孔質金属の構成金属の比重口 から下記式により算出 される。

空隙率 (%) = [ 1 - { IV! ÷ (V X 0) } ] X 1 0 0

[0028] 多孔質金属の孔径をある程度確保して炭素粒 子を充填し易くする観点から 、 多孔質金属の気孔の孔径の平均値口 1は、 〇. 0 5 以上であることが 好ましく、 〇. 0 8〇!〇!以上であることがより好ましく、 〇. 1 111 111以上で あることがさらに好ましく、 0 . 1 2 以上であることが特に好ましく、

〇. 1 4 以上であることが最も好ましい。 一方、 多孔質金属の強度を確 保する観点から、 また口 1が大きすぎると多孔質金属が炭素粒子を保 しき れなくなり欠陥が発生してしまうことから、 口 1は、 2 以下であること が好ましく、 1 以下であることがより好ましく、 〇. 以下である ことがさらに好ましく、 〇. 以下であることが特に好ましく、 0 . 5 111 01以下であることが最も好ましい。

[0029] 多孔質金属の孔径の平均値口 1は、 光学顕微鏡ないし走査型電子顕微鏡 (

3巳 IV!) にて多孔質金属を平面視したときに観察され る気孔について測定さ れる 2 0個の孔径の算術平均値である。

[0030] 多孔質金属の孔は連続気孔であることが好ま しい。 例えばシート状の多孔 質金属であれば、 孔はシートの一方の面から他方の面まで貫通 していること が好ましい。

[0031 ] 水平に置いたシートの上方から見た孔の形状 (平面視形状) は円形であっ ても四角形など他の形状であってもよい。

[0032] 多孔質金属シートは、 金属シート内に孔が形成された形態でもよい し、 金 属細線が結合した形態でもよい。 多孔質金属シートは、 メッシユ状であって もよい。

[0033] 本発明の放熱部材の形状、 寸法は、 その用途 (適用対象) によって異なり 〇 2020/175275 6 卩(:171? 2020 /006536

、 特に制限はない。 スマートフォンなどの小型の電子デバイスに 用いる場合 、 放熱部材の基体となる多孔質金属は、 厚さ 2 以下のシート状であるこ とが好ましい。

シート状の多孔質金属の厚さは十分な熱伝導 性を得るために 1 〇 以上 であることが好ましい。 シート状の多孔質金属の厚さは、 取り扱い時の機械 的強度の確保の観点からは 2 0 以上であることが好ましい。

[0034] このような多孔質金属の製造方法としては、 特に制限されないが、 次のよ うな方法などが挙げられる。

1) 溶融金属中に発泡剤を入れて凝固させる方法

2) 金属粉末を高圧不活性ガス中で加圧焼結する 方法

3) 金属粉末と発泡剤を混合して加熱する方法

4) 溶融金属中にガスを溶解させた後に凝固させ る方法

5) 金属粉末とバインダーを混合したスラリーに 発泡剤を入れスラリーを 基板上に塗布してから加熱して発泡させる方 法

シート状の放熱部材を製造するにはスラリー を塗布する方法が好ましい。

[0035] [炭素粒子]

炭素粒子としては薄片状黒鉛及び繊維状黒鉛 が挙げられるが、 本発明では 、 少なくとも薄片状黒鉛を用いる。 分子間力の強い薄片状黒鉛を用いること は各々の粒子のベーサル面、 および粒子と金属面とが分子間力で結合して 熱 伝導性を向上させることができるので好まし い形態である。

[0036] 粒子のベーサル面が結合するために好ましい 薄片状黒鉛の厚みの下限は 0 . 3 以上である。 薄片状黒鉛の厚みの上限は特に限定されない が、 例え ば 7 0 0 n 以下であり、 3 0 0 n 以下が好ましく、 2 0 0 n 以下がよ り好ましく、 1 2 0 n 以下がさらに好ましく、 1 0 0 n 以下がなおさら 好ましく、 5 0 n 以下が特に好ましく、 2 5 n 以下がとりわけ好ましい 。 薄片状黒鉛の中でも厚みが 1 〇门 以下の薄片状黒鉛、 いわゆるグラフエ ンが最も好ましい。 グラフエンの中でも、 平均厚み 8 以下のものが好ま しく、 この厚みは 6 n 以下がより好ましく、 4 n 以下が最も好ましい。 〇 2020/175275 7 卩(:171? 2020 /006536

[0037] 繊維状の黒鉛としては力ーボンナノチューブ 、 力ーボンファイバーが挙げ られる。 繊維状黒鉛の好ましい直径 (繊維径) は 1 〇〜 1 00000 n で ある。

[0038] 前述の多孔質金属の孔内に炭素粒子が入り込 んでいくためには、 多孔質金 属の平均孔径口 1が炭素粒子の最大径の平均値 02より十分大きいことが好 ましい。 従って、 〇 1 ³02 X 1. 2であることが好ましく、 01 ³02 X 1. 5であることがより好ましく、 01 ³ 02 X 2がさらに好ましく、 01 ³〇 2 X 5が特に好ましく、 01 ³02 X 1 0が最も好ましい。

[0039] _方で、 炭素粒子の最大径の平均値口 2に対して多孔質金属の平均孔径 0

1が過度に大きいものは、 多孔質金属の強度が不足する上に炭素粒子間 に空 隙が発生することによる接触性の低下を防ぎ 、 引いては放熱性の低下を防ぐ 。 従って、 口 2 X 5000³01であることが好ましく、 02 2000³ 口 1であることがより好ましく、 02X 1 000 ³ 01がさらに好ましく、 02 500³01が特に好ましく、 02X 1 00³01が最も好ましい。

[0040] 炭素粒子間の接合部は熱抵抗を生じるので、 大きい炭素粒子を用いて粒子 間接合部の数を減らした方が良い。 この観点から、 炭素粒子の最大径の平均 値 02は、 〇. 1 以上であることが好ましく、 1 以上であることが より好ましく、 3 〇!以上であることがさらに好ましく、 5 〇!以上である ことが特に好ましく、 1 0 以上であることが最も好ましい。

[0041] 一方、 多孔質金属の孔内に挿入する観点から、 口 2は、 500 以下で あることが好ましく、 200 以下であることがより好ましく、 1 00 以下であることがさらに好ましく、 50 以下であることが特に好まし く、 4〇 以下であることがとりわけ好ましく、 20 以下であること が最も好ましい。

[0042] 炭素粒子の最大径とは、 炭素粒子を 2枚の平行な板で挟んだ場合に、 この

2枚の平行な板の間隔が最も大きくなる部分 当該間隔の大きさに該当する 。 例えば薄片状黒鉛であればそのべーサル面の 最も大きい径部分の長さが最 大径である。 繊維状黒鉛であれば繊維長さが最大径である 。 〇 2020/175275 8 卩(:171? 2020 /006536

[0043] 炭素粒子の最大径の平均値口 2は、 例えば炭素粒子の 2 0個以上を走査型 電子顕微鏡 (3巳 IV!) あるいは走査型プローブ顕微鏡 (3 1\/1) で観察して 測定された値の算術平均値として求められる 。

グラフエンの厚みの平均値についても、 同様に、 2 0個以上のグラフエン 粒子の厚みを走査型電子顕微鏡 (3巳1\/1) あるいは走査型プローブ顕微鏡 ( 3 1\/1) で観察して測定された値の算術平均値として 求めることができる。

[0044] 高い熱伝導率の放熱部材を得るためには、 多孔質金属の孔内に充填された 炭素粒子は多孔質金属の空隙体積の 4 0 %以上を占めていることが好ましい 。 この割合は、 より好ましくは 4 5 %以上であり、 さらに好ましくは 5 0 % 以上であり、 特に好ましくは 5 5 %以上である。 一方で、 製造上の観点から 、 多孔質金属の空隙体積を占める炭素粒子の割 合は通常 9 5 %以下である。

[0045] 十分な熱伝導率を得るために、 炭素粒子中の炭素原子は炭素粒子全体の 9

0原子%以上であることが好ましく、 より好ましくは 9 5〜 1 0 0原子%で ある。

[0046] 炭素粒子を多孔質金属の孔内に充填する方法 としては、 特に制限されない が、 次のような方法などが挙げられる。

1) 炭素粒子を分散媒に分散させた分散液に多孔 質金属を浸潰して分散液 を含浸させた後 (キャスト法、 ディップコート法など) 、 該分散液から該多 孔質金属を取り出した後に、 該多孔質金属から分散媒を除去する方法

2) 炭素粒子を分散媒に分散させた分散液を多孔 質金属に塗布 (スピンコ —卜、 ブレードコート、 バーコート、 ダイコートなど) してから分散媒を除 去する方法

3) ろ紙上に多孔質金属を置き、 炭素粒子を分散媒に分散させた分散液を この多孔質金属上に供給し、 ろ紙の下部から真空吸引を行って、 分散液を多 孔質金属の孔内に浸入させ、 その後分散媒を除去する真空ろ過法

[0047] 分散媒としては水、 アルコール類、 アセトンなどが用いられる。 分散媒と しては、 安価でかつ安全性の高い水やエタノール、 イソプロピルアルコール といったアルコール類が好ましい。 水を用いた場合、 多孔質金属を腐食させ 〇 2020/175275 9 卩(:171? 2020 /006536

る場合があるのでアルコール類を用いるこ とが特に好ましい。

[0048] 分散液の炭素粒子濃度には特に制限はないが 、 分散液を効率的に多孔質金 属の孔内に浸入させて高い充填率で炭素粒子 を充填する観点から 0 . 1〜 5 質量%程度とすることが好ましい。

[0049] 分散液には分散を補助するための分散剤 (例えば、 巳 3 社製? 丨 1_1 「 〇 n I 〇 ? 1 2 3) を添加することもできる。 分散液には、 炭素粒子を結合 させるためのバインダー (例えばカルボキシメチルセルロース) を添加する こともできる。 ただし、 これらの有機物を添加すると、 その後の加熱焼成に よる有機物の除去で、 有機物の存在していた箇所がボイ ドとなり、 その部分 では熱伝導性が得られなくなる。 このため、 熱伝導性の観点からは、 これら の分散剤やバインダーは使用しないことが好 ましい。

[0050] 分散液含浸後の分散媒の除去には加熱乾燥、 真空乾燥などの方法が用いら れる。

[0051 ] 分散媒の除去後に分散剤等の有機不純物を除 去するために多孔質金属の融 点以下の温度で加熱することもできる。 この加熱温度は通常 1 0 0〜 8 0 0 °〇程度である。

[0052] [放熱部材]

放熱部材は熱源と広面積で接触することで伝 熱効果を上げることができる 。 このため、 本発明の放熱部材の熱源側表面は平坦である ことが好ましい。 前述の含浸法で炭素粒子を多孔質金属に充填 させた場合は多孔質金属表面を 炭素粒子が覆い、 平坦化することができる。 放熱部材を 2つの部材を熱的に 結合させる中間層として用いる場合、 放熱部材の両面が平坦であることが好 ましい。

[0053] 熱源と反対側の放熱部材面から熱を空気等に 逃がすためには、 熱源と反対 側面の放熱部材の表面積を大きくすることが 好ましい。 この場合、 熱源と反 対側の放熱部材の表面近傍の炭素粒子を除去 して多孔質金属を露出させるこ とで表面積を大きくすることができる。

[0054] 放熱部材の表面には炭素粒子が剥落すること を防ぐための保護膜を形成し 〇 2020/175275 10 卩(:171? 2020 /006536

てもよい。 保護膜としては厚さ 1 〇 以下の有機あるいは無機の薄膜を用 いることができる。

[0055] [接触層]

放熱部材と熱源やヒートシンクなどとの接触 時の熱抵抗を低減するために 、 放熱部材の片面ないし両面に接触層を設けて も良い。 接触層は隣接する部 材との熱抵抗を低減するために、 柔軟性が高く、 かつ熱伝導率が比較的高い ものであることが好ましい。 接触層の好ましい熱伝導率は 1

である。

[0056] 放熱部材が !_巳 0や I 〇など電気を利用する電気部材と接触する際 には、 電気部材の短絡を防ぐために接触層は絶縁性 のものであることが好ましい。 接触層は保護層を兼ねることもできる。

[0057] 接触層の材料の例としてはシリコーン樹脂、 アクリル樹脂、 巳 0 1\/1 (ェ チレンプロピレンジェンゴム) などが挙げられる。

[0058] 接触層は放熱部材より熱伝導率が低いので、 厚すぎると放熱部材の効果が 小さくなる。 接触層の厚みは放熱部材の厚みの 1 / 3 0以上、 1 / 5以下で あることが好ましい。

[0059] [本発明が効果を奏する理由]

本発明の放熱部材が熱伝導性の効果を奏する 理由は、 以下のとおり推察さ れる。

多孔質金属内部は、 いわば金属の細線で形成されており、 その中の特に細 い部分が大きな熱抵抗となる。 多孔質金属の孔内に炭素粒子を充填すること で、 そのような熱抵抗部分がなくなり、 熱拡散率が向上する。

適切な形状の炭素粒子を多孔質金属の孔内に 充填することで、 金属と炭素 粒子、 および炭素粒子同士が分子間力で強く接合し 、 その間に熱が良好に流 れるようになることで全方位的に高い熱拡散 率が得られる。

多孔質金属の孔を厚み方向に向いたものを多 くすることで厚み方向に特に 高い熱拡散率を得ることができる。

実施例 〇 2020/175275 11 卩(:171? 2020 /006536

[0060] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に 説明する。

[0061] 以下の実施例において、 多孔質金属としては、 以下のものを用いた。

実施例 1〜 4、 比較例 1 , 2, 4 : アズワン社製 銅製多孔質金属シート 「 〇リー 1\/1 ー 30—口50— 1」 (寸法: 5001111X50111111 X厚み 、 平均孔径: 〇. 空隙率: 9 1 %)

実施例 5 : アズワン社製 銅メッシュ (厚み: 〇. 3 平均孔径: 0

. 空隙率 = 49%)

実施例 6 : アズワン社製 銅製多孔質金属シート 「〇リー1\/1 ー80八ーロ

比較例 3 : アズワン社製 銅メッシュ (厚み: 〇. 平均孔径: 1. :

34%)

実施例 9 :シート面に孔を均等に設けたアルミニウム パンチングシート ( 寸法: 20111111X 20111111 平均孔径: 1. 開口 率/空隙率: 34 %)

[0062] [実施例 1 ]

シグマアルドリッチ社製 製品番号 9004 1 3の炭素粒子 (グラフエン ) 粉末 (最大径の平均値: 25 、 厚み: 6〜 8 n m (平均厚み = 7. 1 〇〇 ) イソプロピルアルコール 300 1_を容器に入れ、 超音波バスで 2時間超音波を印加することにより分散させ 。

[0063] 分散液 ここへ 200101X200101 (質量 2

95 9 ) に切断した多孔質金属シート (アズワン社製 銅製多孔質金属シ —卜 「C u— M F— 30— I I 5 Q— 1」 (寸法: 50mmX50mmX厚み 1 mm、 平均孔径: 0. 52 mm、 空隙率: 9 1 %) ) を浸潰させた。 この とき多孔質金属シートの下面からも炭素粒子 (グラフエン) 分散液が入り込 むように、 多孔質金属シートとぺトリ皿の間には 1 00 Mm厚の P E Tフイ ルムをスぺーサーとして入れた。 1時間浸潰させた後にぺトリ皿を才ーブン に移動し、 イソプロピルアルコールが全て蒸発するまで 80 ° Cで加熱した。 このようにして分散液をぺトリ皿に入れて蒸 発させるプロセスを 3回繰り返 した。

[0064] この結果、 多孔質金属シートの孔内に炭素粒子 (グラフエン) が充填され た複合シートを得ることができた。 この複合シートの多孔質金属シートの上 面は炭素粒子 (グラフヱン) で覆われて平坦化されたが下面は多孔質金属 と 炭素粒子 (グラフエン) の両方が現れた面となった。 この結果一方の面が平 坦であり、 他方の面の表面積が大きい複合シートとなっ た。

[0065] この複合シートを加熱才ーブンに入れ 200°Cで 1時間加熱することで有 機不純物を除去して放熱部材とした。 この放熱部材は柔軟性があり、 手で曲 げることが可能であった。

[0066] この放熱部材について、 炭素粒子 (グラフエン) 充填前の多孔質金属シー 卜と、 炭素粒子 (グラフエン) 充填後の複合シートの質量差から算出した炭 素粒子 (グラフエン) の担持量は 220 m gであった。 多孔質金属シートの 表面を覆う炭素粒子 (グラフエン) 分を若干差し引いて、 多孔質金属シート の空隙体積を占める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は、 約 60%と算出 された。

[0067] [実施例 2 ]

炭素粒子 (グラフエン) 粉末を、 ST R EM CH EM I CALS社製 「 06— 0220」 (最大径の平均値: 1 2 Mm、 平均厚み: 2. 5 n m) と した以外は、 実施例 1 と同様にして、 複合シートを作成した。

[0068] この放熱部材について、 炭素粒子 (グラフエン) 充填前の多孔質金属シー 卜と、 炭素粒子 (グラフエン) 充填後の複合シートの質量差から算出した炭 〇 2020/175275 13 卩(:171? 2020 /006536

素粒子 (グラフエン) の担持量は 2 5 0 01 9であった。 多孔質金属シートの 表面を覆う炭素粒子 (グラフエン) 分を若干差し引いて、 多孔質金属シート の空隙体積を占める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は、 約 6 7 %と算出 された。

[0069] [実施例 3 ]

炭素粒子 (薄片状黒鉛) 粉末を、 グラフエンプラッ トフォーム社製 「〇 1 ~ 1 _乂2」 (最大径の平均値: 2 、 平均厚み: 1 3 0 n m) とした以外 は、 実施例 1 と同様にして、 複合シートを作成した。

[0070] この放熱部材について、 炭素粒子 (薄片状黒鉛) 充填前の多孔質金属シー 卜と、 炭素粒子 (薄片状黒鉛) 充填後の複合シートの質量差から算出した炭 素粒子 (薄片状黒鉛) の担持量は 1 5〇 9であった。 多孔質金属シートの 表面を覆う炭素粒子 (薄片状黒鉛) 分を若干差し引いて、 多孔質金属シート の空隙体積を占める炭素粒子 (薄片状黒鉛) の体積割合は、 約 4 0 %と算出 された。

[0071 ] [実施例 4 ]

炭素粒子 (グラフエン) 粉末として、 天然黒鉛をボールミルで粉砕するこ とで自製したもの (最大径の平均値: 〇. 1 6 、 平均厚み: 〇. 8 n m ) を用いた以外は、 実施例 1 と同様にして、 複合シートを作成した。

[0072] この放熱部材について、 炭素粒子 (グラフエン) 充填前の多孔質金属シー 卜と、 炭素粒子 (グラフエン) 充填後の複合シートの質量差から算出した炭 素粒子 (グラフエン) の担持量は 2 1 9であった。 多孔質金属シートの 表面を覆う炭素粒子 (グラフエン) 分を若干差し引いて、 多孔質金属シート の空隙体積を占める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は、 約 5 7 %と算出 された。

[0073] [実施例 5 ]

多孔質金属シートとして、 アズワン社製 銅メッシュ (厚み: 〇. 3 8〇1 、 平均孔径: 0 . 空隙率: 4 9 %) を用いた以外は、 実施例 2 と同様にして、 複合シートを作成した。 〇 2020/175275 14 卩(:171? 2020 /006536

[0074] の放熱部材について、 炭素粒子 (グラフエン) 充填前の多孔質金属シート と、 炭素粒子 (グラフエン) 充填後の複合シートの質量差から算出した炭 素 粒子 (グラフエン) の担持量は 1 50〇19であった。 多孔質金属シートの表 面を覆う炭素粒子 (グラフエン) 分を若干差し引いて、 多孔質金属シートの 空隙体積を占める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は、 約 75%と算出さ れた。

[0075] [実施例 6 ]

多孔質金属シートとして、 アズワン社製 銅製多孔質金属シート 「〇リー 1\/1 _80八_口50_ 1」 (寸法: 5001111X 50111111 X厚み 平 均孔径: 〇. 26 、 空隙率: 81 %) を用いた以外は、 実施例 2と同様 にして、 複合シートを作成した。

[0076] この放熱部材について、 炭素粒子 (グラフエン) 充填前の多孔質金属シー 卜と、 炭素粒子 (グラフエン) 充填後の複合シートの質量差から算出した炭 素粒子 (グラフエン) の担持量は 2 9であった。 多孔質金属シートの 表面を覆う炭素粒子 (グラフエン) 分を若干差し引いて、 多孔質金属シート の空隙体積を占める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は、 約 60%と算出 された。

[0077] [実施例 7 ]

多孔質金属シートとして、 アズワン社製 銀製多孔質金属シート 「八 9 _ 1\/1 _80八_口50_ 1」 (寸法: 5001111X 50111111 X厚み 平 均孔径: 〇. 1 6 、 空隙率: 85%) を用いた以外は、 実施例 2と同様 にして、 複合シートを作成した。

[0078] この放熱部材について、 炭素粒子 (グラフエン) 充填前の多孔質金属シー 卜と、 炭素粒子 (グラフエン) 充填後の複合シートの質量差から算出した炭 素粒子 (グラフエン) の担持量は 23 9であった。 多孔質金属シートの 表面を覆う炭素粒子 (グラフエン) 分を若干差し引いて、 多孔質金属シート の空隙体積を占める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は、 約 67%と算出 された。 〇 2020/175275 15 卩(:171? 2020 /006536

[0079] [比較例 1 ]

炭素粒子 (グラフエン) 粉末として、 !_リ X〇 「社製 (型番無し) のもの (最大径の平均値: 330 、 平均厚み: 1. 6 n m) を使用した以外は 、 実施例 1 と同様にして複合シートの作成を試みたが、 多孔質金属シートの 孔内部に炭素粒子 (グラフエン) 粉末を十分に充填することはできなかった

[0080] [比較例 2 ]

炭素粒子 (グラフエン) 粉末を、 乂〇 3〇 1 巳 1\1〇巳3社製 GXG n P

〇_500」 (最大径の平均値: 〇. 1 2 、 平均厚み: 2. 8 n m) とした以外は、 実施例 1 と同様にして複合シートの作成を試みたが、 多孔質 金属シートの孔内部に炭素粒子 (グラフエン) 粉末を十分に充填することは できなかった。

[0081] [比較例 3]

多孔質金属シートとして、 アズワン社製 銅メッシュ (厚み: 〇. 401111 、 平均孔径: 1. 4 、 空隙率: 76%) を用いた以外は、 実施例 2と同 様にして複合シートの作成を試みたが、 多孔質金属シートの孔内部に炭素粒 子 (グラフエン) 粉末を十分に充填することはできなかった。

[0082] [比較例 4]

炭素粒子を、 天然黒鉛を実施例 4におけるより短時間のボールミル粉砕で 自製した炭素粒子 (最大径の平均値: 9 、 平均厚み: 750 n ) とし た以外は、 実施例 1 と同様にして複合シートの作成を試みたが、 多孔質金属 シートの孔内部に炭素粒子を十分に充填する ことはできなかった。

[0083] [実施例 8]

多孔質金属シートとして、 シート面に孔を均等に設けた銅製パンチング シ —卜 (寸法: 2001111X20111111 X厚み 0. 平均孔径: 1.

、 開口率/空隙率: 34%) を用いた以外は、 実施例 2と同様にして、 複合シ —卜を作成した。 この放熱部材において、 多孔質金属シートの空隙体積を占 める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は 95%であった。 〇 2020/175275 16 卩(:171? 2020 /006536

[0084] [実施例 9 ]

多孔質金属シートとして、 シート面に孔を均等に設けたアルミニウム製 パ ンチングシート (寸法: 平均孔径:

1. 〇 、 開口率/空隙率: 34%) を用いた以外は、 実施例 2と同様に して、 複合シートを作成した。 この放熱部材において、 多孔質金属シートの 空隙体積を占める炭素粒子 (グラフエン) の体積割合は 93%であった。

[0085] [孔内への充填性評価]

実施例 1〜 9及び比較例 1〜 4における炭素粒子の多孔質金属シートの孔 内への充填性を、 目視でシートの透過光を見ることにより充填 状態および剥 離状態として確認し、 以下の基準で評価した。 結果を表 1 に示す。

八 :欠陥なく充填することができ、 充填後、 以下の剥離試験で剥離しない。 巳 :欠陥なく充填することができるが、 充填後、 以下の剥離試験で一部剥離 する。

〇 :炭素粒子を孔内部に十分に充填できない。

[0086] <剥離試験>

剥離試験は、 スリーエムジャパン社製メンディングテープ (1 2 幅) をシート表面に接着した後、 一気に剥がすことにより行った。

[0087] [熱拡散率の測定]

実施例 1で得られた放熱部材の熱拡散率を株式会社 テル製サーモウエー ブアナライザ丁八3で測定したところ、 シート面内方向に 6. 3 X 1 0-^ 2 /秒、 厚み方向には 3. 8X 1 0_ 5 2 /秒の熱拡散率が得られた。 銅の熱拡 散率は 1. 2 X 1 0_ 4 〇1 2 /秒であるので、 銅の約 1 /6の重さで柔軟性のあ る放熱部材によって、 面内方向には銅の約半分、 厚み方向には約 1 /3の熱 拡散率を得ることができた。

同様に実施例 2〜 9で得られた放熱部材についてもシート面内 向と厚み 方向の熱拡散率を測定し、 結果を表 1 に示した。

特に、 実施例 2および実施例 4〜 9の厚みが薄い炭素粒子 (グラフエン) を用いたものでは厚み方向の熱拡散率が特に 高くなっている。 薄い炭素粒子 〇 2020/175275 17 ?01/1?2020/006536

(グラフエン) は分子間力が強いため、 厚み方向に多く向いた多孔質金属シ

—卜の孔に沿って炭素粒子 (グラフエン) が配列するものと考えられる。

[0088] [表 1 ]

[0089] 本発明を特定の態様を用いて詳細に説明した が、 本発明の意図と範囲を離 れることなく様々な変更が可能であることは 当業者に明らかである。

本出願は、 2 0 1 9年 2月 2 6日付で出願された日本特許出願 2 0 1 9— 0 3 2 9 0 7及び 2 0 1 9年 7月 3 0日付で出願された日本特許出願 2 0 1 9— 1 3 9 9 0 3に基づいており、 その全体が引用により援用される。 産業上の利用可能性

[0090] 本発明の放熱部材は、 全方位的に高い熱伝導率を持ち、 かつ軽量で、 取り 扱いに十分な強度を有し、 しかも大電力や長時間を要することなく効率 的に 製造することができる。 このため、 本発明の放熱部材は、 スマートフォン、 〇など電子機器の筐体、 電子回路基板、 !_巳 0照明機器、 さらにモーター 等の放熱の用途に好適に用いることができる 。 本発明の放熱部材は、 柔軟性 を持たせることも可能であることから、 発熱体と金属ヒートシンクの間を熱 \¥0 2020/175275 18 卩(:17 2020 /006536

的に接続する、 いわゆる丁 I IV!部材として用いることもできる。