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Patent Searching and Data


Title:
HEAT EXCHANGER AND AIR CONDITIONER USING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/130764
Kind Code:
A1
Abstract:
A heat exchanger for heating or cooling the exterior of a channel member by passing a heat medium through the channel member and exchanging heat with the heat medium is capable of a more rapid rise in the temperature of the surface of the channel serving as a heat exchanging portion and an excellent heat exchange efficiency. A heat exchanger (H) heats or cools the exterior of a channel member (1) by passing a heat medium through the channel member (1) and exchanging heat with the heat medium and includes the tubular channel member (1) in which a prismatic core member (2) is contained. A channel (15) through which the heat medium can pass so as to touch the entire inner surface (14) of the channel member (1) is formed by the surface (24) of the core member (2) and the inner surface (14) of the channel member (1).

Inventors:
MURAKAMI TAKANOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057778
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
April 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
LOCUS CO LTD (JP)
MURAKAMI TAKANOBU (JP)
International Classes:
F28D1/053; F28D1/04; F28F1/04; F28F1/40
Foreign References:
JP2007303727A2007-11-22
JPH08226780A1996-09-03
JPH07218169A1995-08-18
Attorney, Agent or Firm:
KAJIHARA, Katsuhiko (JP)
Katsuhiko Kajiwara (JP)
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Claims:
 流路部材(1)の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材(1)の外部の加熱または冷却を行う熱交換器であって、
 流路部材(1)の内部に中芯部材(2)が収容されており、該中芯部材(2)の表面(24)と前記流路部材(1)の内面(14)によって、熱媒体を流通させる流路(15)が形成されている、
 熱交換器。
 中芯部材(2)は多角柱形状を有しており、該中芯部材(2)の各角部(20)が流路部材(1)の内面(14)に当接することによって該流路部材(1)内部に周方向へ複数の流路(15)が形成されている、
 請求項1記載の熱交換器。
 中芯部材(2)は多角柱形状を有しており、該中芯部材(2)の各角部(20)が流路部材(1)の内面(14)に当接することによって該流路部材(1)内部に周方向へ複数の流路(15)が形成されており、
 前記流路部材(1)の端部には、流通経路から流入する熱媒体を分配して各流路(15)に送る手段または各流路(15)を通った熱媒体を合流させて流通経路へ送る手段(3,35,36,37)が設けられている、
 請求項1記載の熱交換器。
 中芯部材(2)は断熱性を有する、
 請求項1記載の熱交換器。
 中芯部材(2)は蓄熱性を有する、
 請求項1記載の熱交換器。
 流路(15)内を流通する熱媒体を乱流状態にする手段(23)が設けられている、
 請求項1記載の熱交換器。
 流路部材(1)の外面に、熱伝導性、放熱性または吸熱性を有する被覆層(10)が設けられている、
 請求項1記載の熱交換器。
 流路部材(1)の外面に、親水性、吸湿性または放湿性を有する被覆層(10)が設けられている、
 請求項1記載の熱交換器。
 流路部材(1)の外面に、吸着分解性及び抗菌性を有する被覆層(10)が設けられている、
 請求項1記載の熱交換器。
 流路部材(1)の外面に、マイナスイオンを発生する被覆層(10)が設けられている、
 請求項1記載の熱交換器。
 請求項1ないし10のいずれかに記載の熱交換器を単種類で、または複数種類を複合して鉛直方向または水平方向あるいはそれ以外の方向に並設し、前記熱交換器に熱媒体を循環させるようにした、
 空気調和装置。
Description:
熱交換器及びそれを使用した空 調和装置

 本発明は熱交換器及びそれを使用した空 調和装置に関する。更に詳しくは、流路部 の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱 換によって流路部材の外部の加熱または冷 を行う熱交換器及びそれを使用した空気調 装置において、熱交換部である流路部材表 の温度の立ち上がりがより速く、熱交換効 にすぐれており、さらに吸・放熱性、吸・ 湿性、吸着分解性及び抗菌性あるいはマイ スイオンの発生など各種機能性を付与した のに関する。

 従来、空気調和機や床暖房装置等に用いら る熱交換器のひとつとして連続した管状の 路管がある。一般的な流路管は円管状であ 、内部に温水や冷水あるいは加熱蒸気(スチ ーム)が通されて表面が加熱または冷却され 外部との間で熱交換を行うことにより暖房 たは冷房を行うものである(例えば、特許文 1参照)。
 このような流路管は、例えば、その構造上 配管の方向に制限があるヒートパイプとは 違して配管の方向に制限がなく自由な方向 施工することができ、構造もシンプルで安 なので広く利用されている。

特開2006-29416

 しかしながら、上記したような流路管には 次のような課題があった。
 すなわち、流路管の内部を流れる熱媒体の ち、流路管と熱交換を行うのは、流路管の 面に接するか、ごく近傍を流れる熱媒体で り、管の中心部またはその近傍を流れる熱 体は、内面とは離れているため、直接的に ほとんど熱交換を行っていない。
 したがって、流路管に供給される熱エネル ーの量を基準とすれば、流路管表面で熱交 されている熱エネルギーは多くはなく、例 ば流路管表面の温度の立ち上がりが遅く、 交換効率がよいとはいえない。

 そこで本発明の目的は、流路部材の内部に 媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によっ 流路部材の外部の加熱または冷却を行う熱 換器及びそれを使用した空気調和装置にお て、熱交換部である流路部材表面の温度の ち上がりがより速く、熱交換効率にすぐれ ものを提供することである。
 また、本発明の他の目的は、上記目的に加 、さらに吸・放熱性、吸・放湿性、吸着分 性及び抗菌性あるいはマイナスイオンの発 など各種機能性を付与したものを提供する とである。

 上記目的を達成するために本発明が講じた 段は次のとおりである。
 本発明は、流路部材の内部に熱媒体を流通 せ、熱媒体との熱交換によって流路部材の 部の加熱または冷却を行う熱交換器であっ 、流路部材の内部には中芯部材が設けられ おり、中芯部材の表面と流路部材の内面に って、熱媒体を流通させることができる流 が形成されている、熱交換器である。

 本発明に係る熱交換器は、中芯部材が多 柱形状を有しており、該中芯部材の各角部 流路部材の内面に当接することによって該 路部材内部に周方向へ複数の流路が形成さ た構造とすることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、中芯部材が多 柱形状を有しており、該中芯部材の各角部 流路部材の内面に当接することによって該 路部材内部に周方向へ複数の流路が形成さ ており、前記流路部材の端部には、流通経 から流入する熱媒体を分配して各流路に送 手段または各流路を通った熱媒体を合流さ て流通経路へ送る手段を設けられた構造と ることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、中芯部材に断 性を持たせることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、中芯部材に蓄 性を持たせることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、流路内を流通 る熱媒体を乱流状態にする手段を設けるこ もできる。

 本発明に係る熱交換器は、流路部材の外 に、熱伝導性、放熱性または吸熱性を有す 被覆層を設けることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、流路部材の外 に、親水性、吸湿性、放湿性を有する被覆 を設けることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、流路部材の外 に、吸着分解性及び抗菌性を有する被覆層 設けることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、流路部材の外 に、マイナスイオンを発生する被覆層を設 ることもできる。

 本発明は、前記いずれかの熱交換器を単 類で、または複数種類を複合して鉛直方向 たは水平方向あるいはそれ以外の方向に並 し、前記熱交換器に熱媒体を循環させるよ にした、空気調和装置である。

 熱交換器を形成する流路部材は、熱伝導 、放熱性または吸熱性の良好な材料、例え 金属(ステンレス、アルミニウムなど)、合 樹脂(合成繊維を含む)、カーボンファイバー などが好適に使用される。流路部材と中芯部 材は、別体に形成したものを組み合わせても よいし、各種成形方法によって一体に形成す ることもできる。

 中芯部材を流路部材に収容する構造では 流路部材としては各種管体が採用されるが 収容される中芯部材の形状との組み合わせ よって流路を形成することができるもので れば特に形状を限定するものではなく、一 的な円管の他、角管(三角管、四角管、五角 管、六角管、八角管など)を採用することも きる。

 中芯部材に断熱性を持たせる(付与する) 段としては、例えば中芯部材そのものを断 性の良好な材料、例えば発泡ポリエチレン 発泡ポリプロピレン、硬質ウレタンフォー 、塩化ビニルフォーム、ゴム(合成ゴムを含 )、合成樹脂、プラスチック等で形成する方 法があるが、これに限定するものではない。

 中芯部材に蓄熱性を持たせる(付与する)手 としては、例えば中芯部材そのものを蓄熱 を有する材料、または比熱が大きい材料で 成する方法があるが、これに限定するもの はない。
 例えば、中芯部材を各種蓄熱性を有する材 または熱伝導性の良好な材料で中空体(また は管体)を形成し、中空部にプロピレングリ ール等の蓄熱性を有する材料、または比熱 大きい材料を充填した構造をあげることが きる。さらには、中芯部材を、連続気泡を するウレタンフォーム等の吸液性を有する 料で形成し、その吸液性材料に流通経路内 流通させる液状の熱媒体を吸液させた構造 をあげることができる。

 中芯部材は、流路部材と協働して流路を 成することができれば、その形状は特に限 するものではない。例えば、円柱形状、三 柱形状、四角柱形状、五角柱形状、六角柱 状、八角柱形状などである。また、中芯部 は、中実体でもよいし、内部に空間部があ もの、例えば管体であってもよい。

 流路部材表面には被覆層を設けることが きる。被覆層としては、例えば、塗料やコ ティング剤などが採用できる。流路部材が ルミニウム製の場合は、表面に染料を吸着 せて着色(例えば、黒色、青色、緑色、赤色 、黄色、灰色、白色、金色、銀色など)した ルミニウムの陽極酸化処理(アルマイト処理) などが好適に用いられる。

 被覆層としては、熱交換効率(熱交換性) 向上させるためには、熱伝導性、放熱性や 熱性にすぐれたものを設けるのが好ましい 流路部材外部の湿度を好適に調節するため は、親水性、吸湿性、放湿性にすぐれたも を設けるのが好ましい。また、流路部材外 のVOC(揮発性有機化合物)や臭気などを改善し 、空気を清浄化するためには、吸着分解性及 び抗菌性にすぐれたものを設けるのが好まし い。さらに、流路部材外部に環境的な癒しの 空間を得るためには、マイナスイオンを発生 する能力にすぐれたものを設けるのが好まし い。

 親水性、吸湿性、放湿性あるいは吸着分解 及び抗菌性を有する被覆層としては、例え 活性炭などの炭、活性アルミナ、シリカゲ 、二酸化チタン、ポリアクリル酸ナトリウ 架橋体、酸化チタン、イオン交換樹脂、ベ トナイト、珪藻土などを配合したものがあ られるが、これらに限定はされない。
 マイナスイオンを発生する被覆層としては 例えば活性炭などの炭、セラミックス、ト マリンなどを配合したものがあげられるが これらに限定はされない。

 流路部材の流路に流通させる熱媒体として 、熱エネルギーを十分に蓄えることができ ば、その種類を特定するものではなく、液 でも良いし、気体でも良い。
 液体としては、例えば、水(温水、冷水など を含む)、不凍液(例えばプロピレングリコー の37%溶液に防錆剤を配合したもの:使用温度 域-20℃~70℃)、油などが好適に使用される。 た、気体としては、例えば冷房、暖房がで る冷媒ガス(加温の場合:二酸化炭素、冷却の 場合:アンモニア、加温・冷却の場合:HFC(Hydrof luorocarbons)系などの新冷媒)が好適に使用され 。

 なお、熱媒体に熱エネルギーを与える手 は、特に限定するものではない。例えば、 陽熱、地熱、風力、水力、電力などを利用 た加熱装置あるいはヒートポンプ、空気熱 などが好適に使用される。また、排熱など 二次的な産物は、廃棄せず利用するように てもよい。これによれば、例えば蓄熱部に 容量の高い材料または蓄熱性のよい材料を 用することにより、昼間に溜めた熱を夜間 使用したり、夜間に溜めた熱を昼間に使用 たりすることができる。後者の場合では深 電力を使用したりすることで、エネルギー ストを安価にすることもできる。

 本発明に係る熱交換器は、例えば、住宅 店舗、事務所、工場、体育館、劇場、集会 、図書館、スタジオ、病院、老人ホーム、 館、ホテル、イベントホール、倉庫(保冷庫 を含む)、精密室、クリーンルームや無菌室 どの建築物の空気調和機や輻射冷暖房装置 して、または鶏舎、豚舎、牛舎、ビニール ウスなどの農業施設の空気調和機や輻射冷 房装置として、またはプール、水族館、養 場、温泉施設などの水温調節装置として、 らには調湿装置、乾燥装置、遠赤外線加温 置、融雪装置、熱回収装置として利用する ど、様々な用途で好適に使用される。

(作 用)
 本発明に係る熱交換器の作用を説明する。 お、ここでは、説明で使用する各構成要件 、後述する実施の形態において各部に付与 た符号を対応させて付与するが、この符号 、特許請求の範囲の各請求項に記載した符 と同様に、あくまで内容の理解を容易にす ためであって、各構成要件の意味を上記各 に限定するものではない。

 熱交換器(H)に熱媒体を供給する。熱媒体は 流路部材(1)の内部に中芯部材(2)が設けられ いるため、流路部材(1)の中心部分を通るこ なく、内周面(14)に接している流路(15)を通 、流路部材(2)の壁部と熱交換を行う。
 つまり、熱媒体を、直接には熱交換を行う とができない流路部材(1)の中心部分には流 ず、熱交換を直接的に行うことができる内 面(14)に接する部分に流すことにより、中芯 部材(2)を設けない場合と比較して熱媒体の単 位流量当たりの熱交換面積が大きくなるので 、効率的な熱交換が可能である。

(a)本発明は、流路部材の内部に中芯部材が 設けられているため、熱媒体は流路部材の中 心部分を通ることなく、内周面に接している 流路を通り、流路部材の壁部と熱交換を行う ことができる。つまり、熱媒体を、直接には 熱交換を行うことができない流路部材の中心 部分には流さず、熱交換を直接的に行うこと ができる内周面に接する部分に流すことによ り、中芯部材を設けない場合と比較して、熱 媒体の単位流量当たりの熱交換面積が大きく なるので、効率的な熱交換が可能である。し たがって、熱交換部である流路部材表面の温 度の立ち上がりが速く、利便性にすぐれてい る。

(b)中芯部材は多角柱形状を有しており、中 芯部材の各角部が流路部材の内面に当接する ことによって流路部材内部に周方向へ複数の 流路が形成されているものは、中芯部材を流 路部材に収容するだけで流路を形成すること ができる簡単な構造となっており、しかも多 角形の角数を変えるだけで流路の数を簡単に 調節することができる。

(c)流路部材の端部に、流通経路から流入す る熱媒体を分配して各流路に送る手段または 各流路を通った熱媒体を合流させて流通経路 へ送る手段が設けられているものは、流路が 区画されて複数設けられる場合、各流路の流 量を均等化することができ、熱交換部に機能 的な偏りが生じることを防止できる。

(d)中芯部材が断熱性を有するものは、流路 を流通する熱媒体と中芯部材との間で熱交換 が行われず、熱交換はほとんどが熱媒体と流 路部材の間で行われるので、熱交換効率がよ り向上する。

(e)中芯部材が蓄熱性を有するものは、熱媒 体が流路に流通することにより中芯部材が加 熱され、中芯部材に熱媒体の温度に対応した 所要の熱量を蓄熱することができる。中芯部 材が蓄熱されていることによって、中芯部材 に接して流路を流通している熱媒体が冷えに くくなり、流路部材から安定した効率のよい 放熱が行われる。また、間欠運転を行う際に は、熱媒体の供給が停止したときにも中芯部 材に蓄熱されていた熱が供給され放熱に利用 されるので、熱交換器からの放熱量が安定し 、温度変動の少ない室温の制御を行うことが できる。

(f)流路内を流通する熱媒体を乱流状態にす る手段が設けられているものは、熱媒体の内 部での温度のムラが生じにくくなり、熱媒体 と流路部材との間で熱エネルギーがより移動 し易くなる。これにより、熱交換効率がより 向上する。

(g)流路部材の外面に、熱伝導性、放熱性ま たは吸熱性を有する被覆層が設けられている ものは、熱交換効率を向上させることができ る。すなわち、熱伝導性、放熱性または吸熱 性にすぐれたものは、遠赤外線を含む赤外線 の放射性(放熱性)にすぐれており、また、遠 外線を含む赤外線の吸収性(吸熱性)にすぐ ている。これにより、被覆層表面での熱交 が盛んに行われ、熱交換効率が向上するこ になる。

(h)流路部材の外面に、親水性、吸湿性、放 湿性を有する被覆層が設けられているものは 、流路部材外部の湿度を好適に調節すること ができる。すなわち、熱交換器において流路 部材外部の空気は流路部材との温度差によっ て対流が促進され、空気が速やかに入れ替わ るので、空気中の湿度を調節する効果により すぐれている。

(i)流路部材の外面に、吸着分解性及び抗菌 性を有する被覆層が設けられているものは、 流路部材外部のVOCや臭気を改善し、空気を清 浄化することができる。すなわち、熱交換器 において流路部材外部の空気は流路部材との 温度差によって対流が促進され、空気が速や かに入れ替わるので、空気中のVOCや臭気を改 善して空気を清浄化する効果によりすぐれて いる。

(j)流路部材の外面に、マイナスイオンを発 生する被覆層が設けられているものは、流路 部材外部に環境的な癒しの空間を得るために 有用である。すなわち、熱交換器において流 路部材外部の空気は流路部材との温度差によ って対流が促進され、空気が速やかに入れ替 わるので、被覆層で発生したマイナスイオン を空気中に効率よく拡散させることができる 機能性にすぐれている。

本発明に係る熱交換器の一実施の形態 示す斜視図。 図1に示す熱交換器の両端部側の構造を 示す拡大断面図。 図1に示す熱交換器の側面視拡大説明図 。 キャップと流路部材の連結部の構造を す分解斜視説明図。 流路部材と中芯部材を示す斜視説明図 流路部材と中芯部材の他の例を示す斜 説明図。 流路部材と中芯部材の他の例を示す斜 説明図。 流路部材と中芯部材の他の例を示す斜 説明図。 本発明に係る空気調和装置の第1実施形 態を設置した状態を示し、(a)は正面図、(b)は A-A拡大断面図。 本発明に係る空気調和装置の第2実施 態を設置した状態を示し、(a)は正面図、(b) B-B拡大断面図。 本発明に係る空気調和装置の第3実施 態を設置した状態を示し、(a)は正面図、(b) C-C拡大断面図。

符号の説明

H 熱交換器、 1 流路部材、 10 被覆層、 11 ,12 補強体、
13 貫通孔、 14 内周面、 15 流路、 
2 中芯部材、 20 角部、 21 嵌合凹部、 22  流通溝、
23 凸部、 2a 中芯部材、 2b 中芯部材、 2c 中芯部材、
3 キャップ、 30 止端部、 31 嵌合部、 32  シール部材、
33 凹溝、 34 ネジ穴、 35 流通路、 350 ネ 部、
36 連通溝、 37 分配路、 38 嵌合凸部、 39 ネジ孔、
4 固定ネジ、 5 接続部材、 6 空気調和装 、
60,60a 支柱部材、 61 固定具、 62 配管、 63  樋、
630 排水管、 64 蓄熱体、 68 天井部、 69  部、
7 空気調和装置、 70,70a 支柱部材、 71 固 具、
72 下部連結部材、 73 上部連結部材、 74  管、 77 側壁部、
78 天井部、 79 床部、
8 空気調和装置、 80 基台、 81 下部連結盤 、 82 上部連結盤、
83 配管、 85 支柱部材、 89 床部

 本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳 に説明する。
 図1は本発明に係る熱交換器の一実施の形態 を示す斜視図、
 図2は図1に示す熱交換器の両端部側の構造 示す拡大断面図、
 図3は図1に示す熱交換器の側面視拡大説明 、
 図4はキャップと流路部材の連結部の構造を 示す分解斜視説明図、
 図5は流路部材と中芯部材を示す斜視説明図 である。

 熱交換器Hは、所要長さを有する円管状の 流路部材1の内部に設けた複数の流路15(後述) 熱媒体を流通させ、この熱媒体が有してい 熱エネルギーを流路部材1の周壁部を介して 外部と熱交換することにより、外部を加熱ま たは冷却することができるものである。

(流路部材1)
 流路部材1は、所要径を有する円管形状であ り、熱伝導性にすぐれたアルミニウムで形成 されている。流路部材1の内部には、断熱性 有する発泡ポリエチレンで形成された正六 棒(正六角柱)状の中芯部材2が収容されてい 。また、流路部材1の両端には、内部を密閉 る合成樹脂製のキャップ3が着脱可能に固着 されている。中芯部材2及びキャップ3につい は、後で詳述する。

 流路部材1の外周面には、全面にアルミニ ウムの陽極酸化処理(アルマイト処理)による 覆層10が設けてある。被覆層10は、アルマイ ト処理時に表面に染料を吸着させて着色され ている。被覆層10を設けることにより、流路 材1の熱伝導性、放熱性または吸熱性をさら に高めることができる。

 また、流路部材1の外周面には、帯板状の 補強体11、12が立てた状態で固定されている 補強体11、12は、流路部材1の補強のために長 さ方向の略全長にわたり設けられており、所 要間隔をおいて平行に並設されている。なお 、補強体11、12は、流路部材1と同じアルミニ ムで形成されている。

 流路部材1の両端側には、キャップ3を固 する固定ネジ4を通すための貫通孔13が形成 れている。貫通孔13は、後述するキャップ3 ネジ穴34と対応するように周方向に等間隔で 四箇所に形成されている。

 流路部材1の内周面14には、流路部材1に収 容される中芯部材2を軸周方向に回らないよ に摩擦力を高めるための位置決め溝が、長 方向の全長にわたり、かつ軸周方向へ多数 けられている。位置決め溝は深さはごく僅 であり、本数も多いので、図示及び符号を 略している。なお、位置決め溝は設けなく もよいが、設けることにより位置決めが容 にできる利点がある。

(中芯部材2)
 中芯部材2は、発泡ポリエチレンで正六角柱 形状に形成されている。中芯部材2は、流路 材1の全長よりやや短い(図2参照:図5では流路 部材1の端部を切り欠いて表している)中実体 あり、流路部材1の内部に収容することによ り、各角部20が全長にわたり流路部材1の内周 面14と当たるように形成されている。

 中芯部材2の両端面には、後述するキャッ プ3の嵌合凸部38と嵌め合う嵌合凹部21が形成 れている。嵌合凹部21は、側面視において 芯部材2の外形状と略同じ正六角形状に形成 れているが、この形状は中芯部材2が軸周方 向へ回らないようにすることができれば、上 記嵌合凸部38の形状とともに限定するもので ない。

 中芯部材2の各角部20には、角部20を所要 幅で軸周方向へ切欠するようにして流通溝22 が形成されている。流通溝22は、中芯部材2の 長手方向において同じ位置に六箇所設けられ 、さらに長手方向に複数箇所設けられている 。各流通溝22は、各流路15を連通させること 、乱流を促進しながら各流路15における圧力 を平均化して円滑な流通を可能にするもので ある。なお、流通溝22が中芯部材2の軸周方向 において設けられる数、長手方向に設けられ る数、位置及び総数共に特に限定されるもの ではない。

 なお、使用される発泡ポリエチレンは、 立気泡体であり耐薬品性にもすぐれている したがって、中芯部材2には熱媒体が浸潤せ ず、浸潤によって断熱性能が低下することを 防止することができる。また、化学的に侵さ れて変質や変形あるいは溶解を起こすことも 防止または軽減することができる。

 中芯部材2は、各角部20を内周面14に当て 状態で流路部材1の内部に収容されている。 のようにして、中芯部材2を流路部材1の内 に収容することにより、流路部材1の内周面1 4と中芯部材2の外面によって、熱媒体が流通 る流路15が形成されている。中芯部材2は正 角柱形状を有しているので、流路15は互い 区画された状態で周方向の六箇所に形成さ ている。各流路15は熱媒体を流路部材1の内 14の本質的に全面に接するように流通させる ことができる。

(キャップ3)
 キャップ3は、同じ構造のものが流路部材1 両端部(流入側と流出側)に固着されている。 いずれのキャップ3も、後述する取付方法、 造によって同様に固着される。
 キャップ3は、熱媒体が流通する流通経路( 交換器Hの外部)から流入する熱媒体を分配し て各流路15に送る手段及び各流路15を通った 媒体を合流させて流通経路へ送る手段を構 する。

 キャップ3は、流路部材1の外径と同じ外 を有する止端部30と、流路部材1の内径より ずかに径小で内嵌めされる嵌合部31を一体に 有している。止端部30は、嵌合部31を内嵌め てキャップ3を流路部材1端部に装着したとき のストッパーとなるものである。

 嵌合部31の外周面には、凹溝33が嵌合部31 長手方向の二箇所に所要間隔で全周にわた 形成されている。凹溝33には、それぞれシ ル部材32が嵌め込まれ、流路部材1の内周面14 と嵌合部31の外周面との間を密閉状態にする とができる。シール部材32としては、例え ゴム製のOリングが好適に使用されるが、こ に限定するものではない。

 嵌合部31の外周面のうち止端部30寄りには 、キャップ3を流路部材1に固定する固定ネジ4 をねじ込むためのネジ穴34が形成されている ネジ穴34は、流路部材1に設けられている貫 孔13と対応するように周方向に等間隔で四 所に形成されている。

 キャップ3には、止端部30の外端面の中心部 ら内部へ向けて流通路35が中心軸線方向に けられている。流通路35の先端部(奥端部)は キャップ3の長手方向の約2/3の深さに位置し ている。流通路35にはネジ部350が設けられて り、ネジ部350には接続部材5が螺着されてい る。接続部材5の他端側は、熱媒体の流通経 となるホースや流路管など公知のものに接 される。
 なお、符号39は、熱交換器Hを設置箇所に支 固定するためにネジ(図示省略)が螺着され ネジ孔である。ネジ孔39は、軸周方向の四箇 所に等間隔で設けられている。

 また、嵌合部31の外周面のうちシール部材32 より内方側には、周方向に等間隔で六箇所に 連通溝36が設けられている。各連通溝36は、 合部31の内端面まで設けられ、流路部材1に 芯部材2が収容されることにより形成される 流路15に対応して連通するように、キャッ 3の長手方向に互いに平行になるように形成 れている。
 各連通溝36は、上記流通路35と分配路37によ て連通している。分配路37は、流通路35の先 端部から各連通溝36へ向けて放射方向に六箇 に設けられている。

 なお、上記連通溝36及び分配路37は、それぞ れ流路15の数に合わせて設けられるもので、 路15が三箇所であれば三本、四箇所であれ 四本、五箇所であれば五本、八箇所であれ 八本設けられる。このように、連通溝36及び 分配路37などの分配流路は、複数の流路15の に対応して流路15に通じるように設けられる 。また、分配部の構造は、連通溝36を設けず 分配路37を直接各流路15まで延長する構造で もよい。
 キャップ3の嵌合部31側の内端面には、中芯 材2の嵌合凹部21にほぼ隙間のない状態で嵌 する嵌合凸部38が形成されている。嵌合凸 38は、正面から見て正六角形状に形成されて いる。

 キャップ3は、嵌合凸部38が中芯部材2の端 面の嵌合凹部21と嵌合するように嵌合部31を 路部材1に内嵌めし、流路部材1の貫通孔13を してネジ穴34に固定ネジ4をねじ込むことに り取り付けられる。キャップ3の嵌合凸部38 中芯部材2の嵌合凹部21に嵌合させることに り、中芯部材2は流路部材1の内部で軸周方 に回ることはなく、各流路15はキャップ3の 通溝36とずれない。これにより、例えば中芯 部材2の各角部が各連通溝36と同じ位置になっ て熱媒体の流通に支障が出ることを防止でき る。

 本実施の形態においては、流路部材1の外 周面部にアルミニウムの陽極酸化処理によっ て形成した被覆層を設けたが、流路部材が十 分な熱伝導性、放熱性または吸熱性を有して いれば、必ずしも設けなくてよい。また、設 ける場合でも、上記したものに限定するもの ではなく、付加したい機能性に応じて被覆層 の種類を変えることができる。

 例えば、熱交換器Hの熱交換効率を向上さ せるためには、熱伝導性、放熱性や吸熱性に すぐれた被覆層を設ければよい。また、熱交 換器Hの流路部材外部の湿度を好適に調節す ためには、親水性、吸湿性、放湿性にすぐ た被覆層を設ければよい。また、熱交換器H 流路部材外部のVOCや臭気を改善し、空気を 浄化するためには、吸着分解性及び抗菌性 すぐれた被覆層を設ければよく、さらに、 ましくは環境的な癒しの空間を得ることが きるマイナスイオンを発生する能力にすぐ た被覆層を設けることもできる。

(作 用)
 図1ないし図5を参照して、本実施の形態に る熱交換器Hの作用を説明する。
 熱交換器Hは、流路15に温かい熱媒体を流通 せることにより、設置された施設などを加 する機能を発揮し、冷たい熱媒体を流通さ ることにより、設置された施設などを冷却 る機能を発揮することができる。流通させ 熱媒体の温度は、設置される場所や用途に って適宜設定されるものであり、特に限定 れるものではない。

 熱交換器Hは、例えば住宅やその他の施設な どで空気中に設置されることにより、例えば 流路部材1の表面が所要の長さで空間に露出 ている。
 熱媒体は、流通経路に設けられている温度 節機によって所要の温度に加温または冷却 れ、ポンプで熱交換器Hへ送り出される。熱 媒体は、接続部材5を通り、キャップ3の流通 35(図2に示すように流通路35のうち接続部材5 が占めていない部分)に導入され、さらに分 路37から連通溝36を通り、各流路15へ送られ 。

 なお、各分配路37に、熱媒体の流通がで たりできなかったりする切り換え手段を付 することもできる。これによれば、各流路15 のうちいくつかを選択して熱媒体を流通させ ることもでき、例えば流路部材1のうち、設 の都合上、熱交換が行われない側の流路15に は熱媒体を流さないようにするなど、さらに 無駄のない効率的な熱交換が可能になる。

 各流路15を通る熱媒体は、直接的には流路 材1と熱交換を行い、流路部材1の外面と接し ている外気または周囲の物質とは流路部材1 介して間接的に熱交換を行う。この熱交換 、伝導、輻射または対流による熱移動によ て行われる。
 つまり、熱媒体と熱交換された流路部材1の 温度が外気や物質より高ければ、流路部材1 外気や物質との熱交換によって外気や物質 温度が上がり、熱媒体の温度は下がる。
 また、逆に、熱媒体と熱交換された流路部 1の温度が外気や物質より低ければ、流路部 材1と外気や物質との熱交換によって外気や 質の温度が下がり、熱媒体の温度は上がる

 上記熱交換が行われる際、熱媒体は上記 ように分配されることによって各流路15に いて流量や流速がほぼ均等になるように流 ている。しかも、流路部材1の内部を流れる 媒体は、中芯部材2が収容されている流路部 材1の中心部分を流れることなく、流路部材1 内周面14の各角部20の接触部分を除くほぼ全 面に接している各流路15を流れる。つまり、 媒体を、直接には熱交換を行うことができ い流路部材1の中心部分には流さず、熱交換 を直接的に行うことができる内周面14に接す ように流すことにより、効率的な熱交換が 能である。しかも、中芯部材2は断熱性にす ぐれており、熱媒体と中芯部材2との間では 交換がほとんど行われないので、より効率 よい。

 すなわち、中芯部材2を設けない一般的な管 状の熱交換器と本発明の熱交換器Hを比較し とき、熱媒体の流量を同じにした場合、つ り供給する熱量が同じである場合では、本 明の熱交換器Hの方がより短い時間で流路部 1の温度を所定の温度まで上昇または下降さ せることができる。いいかえれば、流路部材 1の表面の温度の立ち上がりが速い。また、 路部材1の表面の温度の立ち上がり時間を基 にすれば、より少ない流量(より少ない熱量 の供給)で同等の加熱ができるともいえる。
 なお、流路部材1の外周面には熱伝導性、放 熱性または吸熱性を高める被覆層10が設けら ているので、上記流路部材1と外気との熱交 換は効率よく良好に行われる。これらの機能 性については、後述する試験によって検証す る。

 また、中芯部材2には蓄熱性を持たせるこ ともできる。ここでは、中芯部材2を連続気 を有し吸液性を有するウレタンフォームで 成した場合で説明する。なお、この場合の 芯部材2の形状(構造)は、前記熱交換器Hと同 であるので、図示は省略する。

 中芯部材2はウレタンフォーム製で吸液性 を有しているので、各流路15を流通している 媒体は中芯部材2に浸潤する。中芯部材2に 潤した熱媒体には、流路15を流通している熱 媒体から常に熱が供給されて加熱され、中芯 部材2内部の熱媒体の温度は、外側を流通し いる熱媒体とほぼ同じ温度で維持される。 れにより、中芯部材2には内部の熱媒体によ て所要の熱量が蓄熱される。

 中芯部材2に蓄熱されていることによって 、中芯部材2に接して流路15を流通している熱 媒体が冷えにくくなり、流路部材1から安定 た効率のよい放熱が行われる。また、例え 流路部材1への熱媒体の供給と供給停止を交 に繰り返して室温を制御する間欠運転を行 際には、熱媒体の供給が停止したときにも 芯部材2に蓄熱されていた熱が供給され放熱 に利用されるので、熱交換器Hからの放熱量 安定し、温度変動の少ない室温の制御を行 ことができる。

 流路部材1の外周面に設けられている補強体 11、12は、熱交換部の面積を拡げる機能も持 ており、流路部材1と外気との熱交換を助け いる。補強体11、12は、さらに数を増やすこ ともでき、例えばフィンのように流路部材1 全体に形成して熱交換効率をさらに高める ともできる。なお、補強体11、12や上記フィ 状に配した補強体には、流路部材1と同様に 熱伝導性、放熱性または吸熱性を高める被覆 層を設けるのがより好ましい。
 また、補強体11、12は、熱交換器Hを冷房装 として使用した場合において、流路部材1の 周面に結露する水滴をドレンパンなどに案 する案内部材として利用することもできる 更に、熱交換器Hを架台に取り付けるときの ブラケットとして利用したり、配管や設置の 際に軸周方向の姿勢を決めるときの目印とし て利用することもできる。

 ところで、温水や冷水の送り始めでは、 る液体と共に空気が流路部材1内に入ってし まうことがある。この空気が流路15に滞って まうと、熱媒体が流路部材1の内周面14と接 ることができない部分を形成し、熱媒体と 路部材1との間で熱交換が行われにくくなる ので好ましくない。熱交換器Hにおいては、 記したように中芯部材2の各角部20に流通溝22 が設けられ、各流路15の間で流通が可能にな ている。これにより、流路15の内部に空気 入っても、熱媒体の流通と共に流通溝22を通 して他の流路15に分散させることにより、熱 換器Hの外部へ排出しやすくなっている。

 本発明の熱交換器Hの機能を検証するために 次のような試験を行った。
(試験方法)
 この試験では、冷水を流通させる冷却試験( 試験1)と、温水を流通させる加温試験(試験2) 行い、流路部材1の外周面の温度変化の推移 と、外周面が最低温度(試験1)または最高温度 (試験2)に到達するまでにかかる時間を測定し た。なお、室温は一定とした。

 使用したモデルは次の四種類である。
 モデル0は、熱交換器Hと比較する対象とす もので、熱交換器Hの流路部材1から中芯部材 2を取り外したものである。使用した熱交換 Hの流路部材1の外径は60mm、長さは1mである。
 モデル1は、熱交換器Hであり、流路部材1の 覆層を黒色に着色したアルマイト処理層と たものである。
 モデル2は、熱交換器Hにおいて流路部材1の 覆層をクールテック(商品名:オキツモ株式 社)に変えたものである。
 モデル3は、熱交換器Hにおいて流路部材1の 覆層を活性炭を主剤とするハイブリッドサ モコーティング(商品名:有限会社アクア:表1 、表2ではHBサーモと略して表示した)に変え ものである。このハイブリッドサーモコー ィングは、表面積がきわめて大きく、放熱 、吸湿性、放湿性、吸着分解性及び抗菌性 びマイナスイオンの発生にすぐれたもので る。

 上記各モデルを熱媒体流通路に並列に配 、温度測定器(商品名:データロガ、株式会 テイアンドデイ社製(TR-71U))の温度センサを デル1~3の流路部材1の長手方向の中間点表面 、流出側端部の流路部材1の内部にそれぞれ 設けた。モデル0については、設備の都合上 温度センサは流路部材1の長手方向の中間点 面のみに設けた。

 各モデルの熱媒体の流入側の圧力は同じで るが、流量はモデル0とモデル1~3では異なる ので、流量を実質的に同じにするために、モ デル0については流量の調節を流路部材1外部 行った。
 そして、熱媒体として、毎分1Lの温水また 冷水を各モデルに供給し、温度センサで各 の温度を一定時間ごとに測定した。なお、 デル0については、流路部材1の表面温度のみ を一定時間ごとに測定した。さらに各モデル 0~3の温度の推移と共に最低または最高温度と 、そこに到達するまでの時間も測定した。

(試験1)
 試験1では、熱源機にヒートポンプチラー( 品名:エコヌクールピコ、三菱電機株式会社( VEH-406HCU-K2,VEH-406HPU))を使用し、熱媒体である 水を最低温度7℃までに冷却する条件で運転 し供給した。したがって、常時7℃の冷水を 給したのではなく、冷水の温度には多少の 動がある。

(試験2)
 試験2では、熱源機に試験1と同様にヒート ンプチラーを使用し、熱媒体である温水を 高温度52℃までに加温する条件で運転し供給 した。したがって、常時52℃の温水を供給し のではなく、温水の温度には多少の変動が る。

(考 察)
 表1、2から分かるとおり、中芯部材2が設け れていないモデル0と、中芯部材2を設けて るモデル1~3の間には、流路部材1の表面温度 立ち上がり速度において明らかな違いがあ た。
 まず、表1において、モデル0では、最低温 の10.2℃になるまでにかかった時間は12分11秒 であったが、熱交換器Hのモデル1では、最低 度の7.9℃になるまでにかかった時間は10分24 秒であった。また、被覆層が異なるモデル2 3も、それぞれ8.7℃まで10分31秒、8.1℃まで10 19秒であった。
 すなわち、モデル1~3は、いずれもモデル0に 比べて最低温度までの立ち上がり時間が短い ことと、最低温度もより低くなることが確認 できた。

 また、表2において、モデル0では、最高温 の49.5℃になるまでにかかった時間は11分32秒 であったが、熱交換器Hのモデル1では、最高 度の51.2℃になるまでにかかった時間は9分47 秒であった。また、被覆層が異なるモデル2 3も、それぞれ50.5℃まで9分42秒、50.7℃まで9 46秒であった。
 すなわち、モデル1~3は、いずれもモデル0に 比べて最高温度までの立ち上がり時間が短い ことと、最高温度もより高くなることが確認 できた。

 上記試験結果から、中芯部材2を流路部材 1に設けたモデル1~3の方が、中芯部材2を流路 材1に設けていないモデル0より熱交換効率 良好であり、省エネルギー効果が高いとい ことがわかった。また、短時間で設定温度 で到達することができるので、熱媒体に熱 ネルギーを与える装置から供給される熱エ ルギーの熱損失量も少なくできるので、熱 送効率にもすぐれている。

 さらに、表1、表2では、被覆層の違いに る熱交換効率の違いも検証することができ 。すなわち、流路部材1の外周面にブラック ルマイトの被覆層を設けたモデル1、同じく 放熱性にすぐれた塗料として市販されている クール・テックの被覆層を設けたモデル2、 じくハイブリッドサーモコーティングの被 層を設けたモデル3の間にも熱交換効率の差 認められる。

 表1、表2では、モデル1~3について、流路部 1表面と流出側の熱媒体の温度を検出してい 。これらの温度差から熱交換効率を検証す 。
 まず、冷却試験を行った表1においては、一 分ごとに検出された上記温度差の平均値は、 モデル1では-0.15、モデル2では0.03、モデル3で は0.44である。冷却試験では、この差の数値 大きいほど熱交換効率にすぐれているので モデル3、モデル2、モデル1の順で熱交換効 にすぐれていることになる。

 また、加温試験を行った表2においては、一 分ごとに検出された上記温度差の平均値は、 モデル1では0.84、モデル2では0.63、モデル3で 0.14である。加温試験では、この差の数値が 小さいほど熱交換効率にすぐれているので、 上記表1の場合と同様にモデル3、モデル2、モ デル1の順で熱交換効率にすぐれていること なる。
 このように、流路部材1の表面に被覆層とし て、放熱性によりすぐれた被覆層を設けるこ とにより、熱交換効率が向上することが確認 できた。

 また、モデル1~3については、上記試験1、2 は別に、流路部材1に熱媒体として温水を流 させるときの表面から発生するマイナスイ ンを計測した。マイナスイオンの発生を検 するために、マイナスイオンカウンター(商 品名:アンデス電気株式会社(ITC-201A))を使用し 、モデル1~3の縦方向に配置した各流路部材1 長さ方向中央の位置で表面から20mm離れた位 で計測した。この計測は、温度30℃、湿度53 ~54%の条件下で行った。
 マイナスイオンの発生量は、モデル1(被覆 :ブラックアルマイト)で280個/cc、モデル2(被 層:クールテック)で290個/cc、モデル3(被覆層 :ハイブリッドサーモコーティング)で410個/cc あった。なお、この値は、マイナスイオン 計測を0.25秒ごとに10分間行ったときの平均 である。

 なお、熱交換器Hにおいては、中芯部材2と て正六角柱形状を有するものを採用したが 例えば、図6に示す中芯部材2aのように五角 形状のものや、図7に示す中芯部材2bのよう 四角柱形状のものを採用してもよい。
 また、図8に示すように、中芯部材2cが四角 形状で、なおかつ側壁に乱流を発生させる 段である凸部23を設けたものでもよい。中 部材2cに凸部23を設けることにより、流路15 内部を流通する熱媒体の流れが層流状態で く乱流状態になり、熱媒体と流路部材との で熱エネルギーがより移動し易くなる。
 上記実施の形態では示していないが、補強 11、12とは別に流路部材1の外周面や内周面 、周りの空気や熱媒体が流れやすいように る手段や表面積をより大きくする手段を設 て、外周面や内周面における熱交換が効率 く行われるようにすることもできる。

 図9は本発明に係る空気調和装置の第1実 形態を設置した状態を示し、(a)は正面図、(b )はA-A拡大断面図である。

 空気調和装置6は、所要間隔で設けられた 支柱部材60、60aを有している。支柱部材60、60 aの上下端部には、床部69と天井部68に固定す ための固定具61が設けられている。支柱部 60、60aの内部には、床部69から導入される配 62が収容されている。配管62は、各熱交換器 Hに温水または冷水を供給し循環させること できる。

 支柱部材60と支柱部材60aの間には、熱交 器Hと蓄熱体64が縦方向へ所要の間隔をおい 交互に架設されている。熱交換器Hと蓄熱体6 4は水平方向に向けられ、かつ互いに平行に るように配されている。各熱交換器Hは、前 配管62と接続されており、配管62を通って温 水または冷水が供給されることによって、放 熱または吸熱を行うことができる。

 なお、使用される各熱交換器Hは、断熱性 を有する中芯部材2を使用したものでもよい 、蓄熱性を有する中芯部材2を使用したもの もよい。これについては、後述する空気調 装置7、8についても同様である。

 蓄熱体64は配管62と接続されておらず、蓄 熱体64は隣接する熱交換器Hと輻射または対流 によって熱交換ができる間隔をもって配され ている。符号63は、熱交換器Hと蓄熱体64の表 に生じる結露水(凝縮水)を受ける樋であり その一端側には樋63に溜まった水を排出する 排水管630が設けられている。なお、蓄熱体64 使用せず熱交換器Hだけを使用して空気調和 機6を構成してもよい。

 図10は本発明に係る空気調和装置の第2実 形態を設置した状態を示し、(a)は正面図、( b)はB-B拡大断面図である。

 空気調和装置7は、所要間隔で設けられた 支柱部材70、70aを有している。支柱部材70、70 aの上下端部には、床部79と天井部78に固定す ための固定具71が設けられている。支柱部 70、70aの間には、下部連結部材72と上部連結 材73が設けられている。下部連結部材72の内 部には、側壁部77から導入される配管74が収 されている。配管74は上部連結部材73の上部 も配され、各熱交換器Hに温水または冷水を 供給し循環させることができる。

 下部連結部材72と上部連結部材73の間には 、所要数の熱交換器Hが横方向へ所要の間隔 おいて配されている。各熱交換器Hは鉛直方 に向けられ、かつ互いに平行になるように されている。各熱交換器Hは、前記配管74と 続されており、配管74を通って温水または 水が供給されることによって、放熱または 熱を行うことができる。

 図11は本発明に係る空気調和装置の第3実 形態を設置した状態を示し、(a)は正面図、( b)はC-C拡大断面図である。

 空気調和装置8は、床部89に載置される基 80を有している。基台80の上部には円形の下 部連結盤81が設けられ、その上方には支柱部 85でつながれた円形の上部連結盤82が設けら れている。下部連結盤81と上部連結盤82の間 は、所要数の熱交換器Hが各盤の形状に沿っ 円形を描くように所要の間隔をおいて配さ ている。各熱交換器Hは鉛直方向に向けられ 、かつ互いに平行になるように配されている 。

 基台80の内部には、床部89から導入される 配管83が収容されている。配管83は上部連結 82の上部にも配され、各熱交換器Hに温水ま は冷水を供給し循環させることができる。 熱交換器Hは、前記配管83と接続されており 配管83を通って温水または冷水が供給される ことによって、放熱または吸熱を行うことが できる。

 前記空気調和装置6、空気調和装置7及び 気調和装置8は、いずれも熱交換器Hに温水ま たは冷水を供給し循環させることによって、 設置した室内の冷暖房を含む空気調和を行う ことができる。

 本明細書で使用している用語と表現は、 くまでも説明上のものであって、なんら限 的なものではなく、本明細書に記述された 徴およびその一部と等価の用語や表現を除 する意図はない。また、本発明の技術思想 範囲内で、種々の変形態様が可能であると うことは言うまでもない。

(a)本発明は、流路部材の内部に中芯部材が 設けられているため、熱媒体は流路部材の中 心部分を通ることなく、内周面に接している 流路を通り、流路部材の壁部と熱交換を行う ことができる。つまり、熱媒体を、直接には 熱交換を行うことができない流路部材の中心 部分には流さず、熱交換を直接的に行うこと ができる内周面に接する部分に流すことによ り、中芯部材を設けない場合と比較して、熱 媒体の単位流量当たりの熱交換面積が大きく なるので、効率的な熱交換が可能である。し たがって、熱交換部である流路部材表面の温 度の立ち上がりが速く、利便性にすぐれてい る。

(b)中芯部材は多角柱形状を有しており、中 芯部材の各角部が流路部材の内面に当接する ことによって流路部材内部に周方向へ複数の 流路が形成されているものは、中芯部材を流 路部材に収容するだけで流路を形成すること ができる簡単な構造となっており、しかも多 角形の角数を変えるだけで流路の数を簡単に 調節することができる。

(c)流路部材の端部に、流通経路から流入す る熱媒体を分配して各流路に送る手段または 各流路を通った熱媒体を合流させて流通経路 へ送る手段が設けられているものは、流路が 区画されて複数設けられる場合、各流路の流 量を均等化することができ、熱交換部に機能 的な偏りが生じることを防止できる。

(d)中芯部材が断熱性を有するものは、流路 を流通する熱媒体と中芯部材との間で熱交換 が行われず、熱交換はほとんどが熱媒体と流 路部材の間で行われるので、熱交換効率がよ り向上する。

(e)中芯部材が蓄熱性を有するものは、熱媒 体が流路に流通することにより中芯部材が加 熱され、中芯部材に熱媒体の温度に対応した 所要の熱量を蓄熱することができる。中芯部 材が蓄熱されていることによって、中芯部材 に接して流路を流通している熱媒体が冷えに くくなり、流路部材から安定した効率のよい 放熱が行われる。また、間欠運転を行う際に は、熱媒体の供給が停止したときにも中芯部 材に蓄熱されていた熱が供給され放熱に利用 されるので、熱交換器からの放熱量が安定し 、温度変動の少ない室温の制御を行うことが できる。

(f)流路内を流通する熱媒体を乱流状態にす る手段が設けられているものは、熱媒体の内 部での温度のムラが生じにくくなり、熱媒体 と流路部材との間で熱エネルギーがより移動 し易くなる。これにより、熱交換効率がより 向上する。

(g)流路部材の外面に、熱伝導性、放熱性ま たは吸熱性を有する被覆層が設けられている ものは、熱交換効率を向上させることができ る。すなわち、熱伝導性、放熱性または吸熱 性にすぐれたものは、遠赤外線を含む赤外線 の放射性(放熱性)にすぐれており、また、遠 外線を含む赤外線の吸収性(吸熱性)にすぐ ている。これにより、被覆層表面での熱交 が盛んに行われ、熱交換効率が向上するこ になる。

(h)流路部材の外面に、親水性、吸湿性、放 湿性を有する被覆層が設けられているものは 、流路部材外部の湿度を好適に調節すること ができる。すなわち、熱交換器において流路 部材外部の空気は流路部材との温度差によっ て対流が促進され、空気が速やかに入れ替わ るので、空気中の湿度を調節する効果により すぐれている。

(i)流路部材の外面に、吸着分解性及び抗菌 性を有する被覆層が設けられているものは、 流路部材外部のVOCや臭気を改善し、空気を清 浄化することができる。すなわち、熱交換器 において流路部材外部の空気は流路部材との 温度差によって対流が促進され、空気が速や かに入れ替わるので、空気中のVOCや臭気を改 善して空気を清浄化する効果によりすぐれて いる。

(j)流路部材の外面に、マイナスイオンを発 生する被覆層が設けられているものは、流路 部材外部に環境的な癒しの空間を得るために 有用である。すなわち、熱交換器において流 路部材外部の空気は流路部材との温度差によ って対流が促進され、空気が速やかに入れ替 わるので、被覆層で発生したマイナスイオン を空気中に効率よく拡散させることができる 機能性にすぐれている。