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Patent Searching and Data


Title:
HETEROCYCLIC COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128537
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a heterocyclic compound which can be used as an antipsychotic agent having a broader therapeutic spectrum compared with known typical antipsychotic agents and known atypical antipsychotic agents, having few adverse side effects, and having excellent tolerability and excellent safety. The heterocyclic compound is (1) 7-[4-[4-(7- hydroxybenzo[b]thiophen-4-yl)piperazin-1-yl]butoxy]-1H- quinolin-2-one, (2) 7-[4-[4-(1-oxobenzo[b]thiophen-4- yl)piperazin-1-yl]butoxy]-1H-quinolin-2-one, (3) (3S,4R)- 7-[4-(4-benzo[b]thiophen-4-yl-piperazin-1-yl)butoxy]-3,4- dihydroxy-3,4-dihydro-1H-quinolin-2-one, or the like.

Inventors:
OTANI TADAAKI (JP)
ITO NOBUAKI (JP)
YAMASHITA HIROSHI (JP)
MIYAMURA SHIN (JP)
MIYAMOTO MOTOYUKI (JP)
MATSUBARA JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057779
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
OTSUKA PHARMA CO LTD (JP)
OTANI TADAAKI (JP)
ITO NOBUAKI (JP)
YAMASHITA HIROSHI (JP)
MIYAMURA SHIN (JP)
MIYAMOTO MOTOYUKI (JP)
MATSUBARA JUN (JP)
International Classes:
C07D409/12; A61K31/496; A61K31/7042; A61P25/00; A61P43/00; C07D409/14; C07H17/02
Foreign References:
JP2006316052A2006-11-24
JP2008115172A2008-05-22
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA, Kiyoshi et al. (JP)
Hiroshi Asamura (JP)
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Claims:
(1) 7-{4-[4-(7-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H-キノリン-2-オン、
(2) 7-{4-[4-(1-オキソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H-キノリン-2-オン、
(3) (3S,4R)-7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-3,4-ジヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン、
(4) (3R,4R)-7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-3,4-ジヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン、
(5) 7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-3-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、
(6) 7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-4-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、
(7) 7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-1-オキシピペラジン-1-イル)ブトキシ]-1H-キノリン-2-オン、及び
(8) 7-{4-[4-(1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H-キノリン-2-オン
(9) (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(4-{4-[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イルオキシ)ブチル]ピペラジン-1-イル}-ベンゾ[b]チオフェン-7-イルオキシ)テトラヒドロピラン-2-カルボン酸
からなる群から選ばれた複素環化合物またはその塩。
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合物またはその塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合物またはその塩を含む中枢神経疾患を予防または治療するための医薬組成物。
 統合失調症、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症、失調感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、解離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、適応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄、認知障害、神経変性疾患に伴う認知障害、神経変性疾患に起因した認知障害、統合失調症の認知障害、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症に起因する認知障害、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉性障害、トウレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害ならびにダウン症候群からなる群より選ばれる中枢神経疾患を予防または治療するための請求項3記載の医薬組成物。
 請求項1に記載の複素環化合物またはその塩を有効成分とするドパミンD 2 受容体パーシャルアゴニスト及び/または5-HT 2A 受容体アンタゴニスト及び/またはセロトニン取り込み阻害剤及び/またはセロトニン再取り込み阻害剤及び/またはα 1 受容体アンタゴニスト。
 請求項1に記載の複素環化合物またはその塩を有効成分とするドパミンD 2 受容体パーシャルアゴニスト及び/または5-HT 2A 受容体アンタゴニスト及び/またはセロトニン取り込み阻害剤及び/またはセロトニン再取り込み阻害剤及び/またはα 1 受容体アンタゴニストとしての使用。
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合物またはその塩の医薬としての使用。
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合物またはその塩と医薬上許容され得る担体とを混合することを含む医薬組成物の製造方法。
Description:
複素環化合物

 本発明は、新規な複素環化合物に関する

 統合失調症を始め双極性障害、気分障害 び感情障害の病因は、ヘテロジーナス(hetero geneous:異種)であることが知られている。それ 故、薬剤に広い治療スペクトラムを発現させ るためには、複数の薬理作用を併有している ことが望まれている。

 特許文献1及び特許文献2は、D2受容体パー シャルアゴニスト作用、5-HT2A受容体アンタゴ ニスト作用、α1受容体アンタゴニスト作用及 びセロトニン取り込み阻害作用を併有し、広 い治療スペクトラムを有する化合物について 開示している。しかしながら、これらの特許 文献には、本発明の複素環化合物について全 く開示されていない。

WO2006/112464A1

WO2007/026959A1

 本発明は、公知の定型抗精神病薬及び非 型抗精神病薬に比べて、より広い治療スペ トラムを有し、副作用が少なく、忍容性及 安全性に優れた抗精神病薬を提供すること 課題とする。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意研究を重ねた結果、ドパミンD2受容体 ーシャルアゴニスト作用(D2受容体パーシャ アゴニスト作用)、セロトニン5-HT2A受容体ア タゴニスト作用(5-HT2A受容体アンタゴニスト 作用)及びアドレナリンα1受容体アンタゴニ ト作用(α1受容体アンタゴニスト作用)を有し 、更にそれらの作用に加えてセロトニン取り 込み阻害作用(あるいはセロトニン再取り込 阻害作用)を併有する新規複素環化合物を合 することに成功した。本発明は、斯かる知 に基づき完成されたものである。

 本発明は、下記項1~8に示す複素環化合物ま はその塩、該化合物を含有する医薬組成物 該化合物の使用、疾患の治療又は予防方法 提供する。
項1.
(1) 7-{4-[4-(7-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-4 -イル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H-キノリ -2-オン、
(2) 7-{4-[4-(1-オキソベンゾ[b]チオフェン-4-イ )ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H-キノリン-2- ン、
(3) (3S,4R)-7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル- ペラジン-1-イル)ブトキシ]-3,4-ジヒドロキシ- 3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン、
(4) (3R,4R)-7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル- ペラジン-1-イル)ブトキシ]-3,4-ジヒドロキシ- 3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン、
(5) 7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラ ン-1-イル)ブトキシ]-3-ヒドロキシ-1H-キノリ -2-オン、
(6) 7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラ ン-1-イル)ブトキシ]-4-ヒドロキシ-1H-キノリ -2-オン、
(7) 7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-1-オキ ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-1H-キノリン-2- ン、及び
(8) 7-{4-[4-(1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-4- イル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H-キノリ -2-オン
(9) (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(4-{4-[4 -(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イルオキシ )ブチル]ピペラジン-1-イル}-ベンゾ[b]チオフ ン-7-イルオキシ)テトラヒドロピラン-2-カル ン酸
からなる群から選ばれた複素環化合物または その塩。
項2.
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合 物またはその塩及び薬学的に許容される担体 を含む医薬組成物。
項3.
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合 物またはその塩を含む中枢神経疾患を予防ま たは治療するための医薬組成物。
項4.
 統合失調症、治療抵抗性、難治性または慢 統合失調症、失調感情障害、精神病性障害 気分障害、双極性障害、うつ病、内因性う 病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗 うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害 不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、 離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、 応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄 認知障害、神経変性疾患に伴う認知障害、 経変性疾患に起因した認知障害、統合失調 の認知障害、治療抵抗性、難治性または慢 統合失調症に起因する認知障害、嘔吐、乗 酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自 性障害、トウレット障害、チック障害、注 欠陥多動性障害、行為障害ならびにダウン 候群からなる群より選ばれる中枢神経疾患 予防または治療するための請求項3記載の医 薬組成物。
項5.
 請求項1に記載の複素環化合物またはその塩 を有効成分とするドパミンD 2 受容体パーシャルアゴニスト及び/または5-HT 2A 受容体アンタゴニスト及び/またはセロトニ 取り込み阻害剤及び/またはセロトニン再取 込み阻害剤及び/またはα 1 受容体アンタゴニスト。
項6.
 請求項1に記載の複素環化合物またはその塩 を有効成分とするドパミンD 2 受容体パーシャルアゴニスト及び/または5-HT 2A 受容体アンタゴニスト及び/またはセロトニ 取り込み阻害剤及び/またはセロトニン再取 込み阻害剤及び/またはα 1 受容体アンタゴニストとしての使用。
項7.
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合 物またはその塩の医薬としての使用。
項8.
 有効成分として請求項1に記載の複素環化合 物またはその塩と医薬上許容され得る担体と を混合することを含む医薬組成物の製造方法 。
 以下に、本発明により得られる化合物(1)~(9) もしくはそれらの塩の製造法を詳細に説明す る。化合物(1)~(9)もしくはそれらの塩は、種 の方法により製造され得るが、その一例を せば、例えば本明細書の参考例1~36及び実施 1~9に記載されている方法に従って製造する とができる。

 化合物(1)~(9)の好適な塩は、薬理的に許容 される塩であって、例えば、アルカリ金属塩 (例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アル リ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネ シウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩、 酸アルカリ金属(例えば、炭酸リチウム、炭 カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム )、炭酸水素アルカリ金属(例えば、炭酸水 リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素 リウム等)、アルカリ金属水酸化物(例えば、 水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化 カリウム、水酸化セシウム等)等の無機塩基 塩;例えば、トリ(低級)アルキルアミン(例え 、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N -エチルジイソプロピルアミン等)、ピリジン キノリン、ピペリジン、イミダゾール、ピ リン、ジメチルアミノピリジン、ジメチル ニリン、N-(低級)アルキル-モルホリン(例え 、N-メチルモルホリン等)、1,5-ジアザビシク ロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1、8-ジアザビシクロ[5.4 .0]ウンデセン-7(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン(DABCO)等の有機塩基の塩;塩酸塩、臭 水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸 、リン酸塩等の無機酸の塩;ギ酸塩、酢酸塩 、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩 、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、 乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩 、炭酸塩、ピクリン酸塩、メタンスルホン酸 塩、エタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホ 酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸の塩等が げられる。

 また、化合物(1)~(9)に溶媒和物(例えば、 和物、エタノレート等)が付加された形態の 合物も、本発明の複素環化合物に包含され 。好ましい溶媒和物としては、水和物が挙 られる。

 上記製造方法で得られる各々の目的化合 は、反応混合物を、例えば、冷却した後、 過、濃縮、抽出等の単離操作によって粗反 生成物を分離し、カラムクロマトグラフィ 、再結晶等の通常の精製操作によって、反 混合物から単離精製することができる。

 本発明の化合物(1)~(9)には、幾何異性体、 立体異性体、光学異性体等の異性体も当然に 包含される。

 化合物(1)~(9)及びそれらの塩は、一般的な 医薬製剤の形態で用いられる。製剤は通常使 用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、 崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤ある いは賦形剤を用いて調製される。この医薬製 剤としては各種の形態が治療目的に応じて選 択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤 、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプ セル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が げられる。

 錠剤の形態に成形するに際しては、担体 してこの分野で従来よりよく知られている 種のものを広く使用することができる。そ 例としては、例えば乳糖、白糖、塩化ナト ウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カ ウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸 の賦形剤、水、エタノール、プロパノール 単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼ チン溶液、カルボキシメチルセルロース、 ラック、メチルセルロース、リン酸カリウ 、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥 ンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン 、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭 カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタ 脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウ 、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン 乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカ バター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級 アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム 等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の 保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベント ナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製 タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ チレングリコール等の滑沢剤等を使用できる 。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した 錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶 被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重 錠、多層錠とすることができる。

 丸剤の形態に成形するに際しては、担体 してこの分野で従来公知のものを広く使用 きる。その例としては、例えばブドウ糖、 糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カ リン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末 トラガント末、ゼラチン、エタノール等の 合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等 使用できる。

 坐剤の形態に成形するに際しては、担体 して従来公知のものを広く使用できる。そ 例としては、例えばポリエチレングリコー 、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコ ルのエステル類、ゼラチン、半合成グリセ イド等を挙げることができる。

 カプセル剤は常法に従い通常有効成分化 物を上記で例示した各種の担体と混合して 質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充 して調製される。

 注射剤として調製される場合、液剤、乳 及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張で るのが好ましく、これらの形態に成形する 際しては、希釈剤としてこの分野において 用されているものをすべて使用でき、例え 水、エチルアルコール、マクロゴール、プ ピレングリコール、エトキシ化イソステア ルアルコール、ポリオキシ化イソステアリ アルコール、ポリオキシエチレンソルビタ 脂肪酸エステル類等を使用できる。

 なお、この場合等張性の溶液を調製する 充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセ ンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、ま 通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を 加してもよい。更に必要に応じて着色剤、 存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬 を医薬製剤中に含有させることもできる。

 本発明の医薬製剤中に含有されるべき化 物(1)~(9)又はそれらの塩の量としては、特に 限定されず広範囲から適宜選択されるが、通 常製剤組成物中に約1~70重量%、好ましくは約1 ~30重量%とするのがよい。

 本発明の医薬製剤の投与方法は特に制限 なく、各種製剤形態、患者の年齢、性別そ 他の条件、疾患の程度等に応じた方法で投 される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤 乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には、 口投与される。また注射剤の場合には単独 又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と 合して静脈内投与され、更に必要に応じて 独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投 される。坐剤の場合には直腸内投与される 本発明医薬製剤の投与量は、用法、患者の 齢、性別その他の条件、疾患の程度等によ 適宜選択されるが、通常有効成分化合物の が、1日当り体重1kg当り、約0.1~10mg程度とす のがよい。また投与単位形態の製剤中には 効成分化合物が約1~200mgの範囲で含有される のが望ましい。

 本発明の化合物は、D2受容体パーシャル ゴニスト作用、5-HT2A受容体アンタゴニスト 用及びセロトニン取り込み阻害作用(あるい セロトニン再取り込み阻害作用)を有してい る。

 D2受容体パーシャルアゴニスト作用は、 パミン(DA)作動性神経伝達が亢進している場 にはこれを抑制し、一方、DA作動性神経伝 が低下している場合にはこれを促進してDA神 経伝達を正常な状態へ安定化させる働き(dopam ine system stabilizer、ドパミンシステムスタビ イザー)を有している。この働きにより、副 作用を発現することなく、DA神経伝達異常(亢 進及び低下)に基づく症状に対して、優れた 床改善作用、例えば、陽性及び陰性症状改 作用、認知障害改善作用、うつ症状改善作 等を発現する(融道男:精神医学,第46巻,第855~8 64頁(2004)、菊地哲朗及び廣瀬毅:脳の科学,第25 巻,第579~583頁(2004)及びHarrison, T. S. and Perry, C. M.: Drugs 64: 1715-1736, 2004 参照)。

 5-HT2A受容体アンタゴニスト作用は、錐体 路系副作用を軽減すると共に、優れた臨床 果を発現し、例えば、陰性症状改善、認知 害改善、うつ症状改善、不眠改善等に有効 ある(石郷岡純及び稲田健:臨床精神薬理,第4 巻,第1653~1664頁(2001)、村崎光邦:臨床精神薬理, 第1巻,第5~22頁(1998)、Pullar, I.A. et al., : Eur. J. Pharmacol., 407: 39-46, 2000及びMeltzer, H. Y.  et al.: Prog. Neuro-psychopharmacol. Biol. Psychiatry  27: 1159-1172, 2003参照)。

 セロトニン取り込み阻害作用(あるいはセ ロトニン再取り込み阻害作用)は、例えば、 つ症状の改善に有効である(村崎光邦:臨床精 神薬理,第1巻,第5~22頁(1998)参照)。

 本発明の化合物は、これら3つの作用が全 て優れているか、又はこれら作用のうち1つ は2つが顕著に優れている。

 また、本発明の化合物のうちのあるもの 、上記作用に加えて、α1受容体アンタゴニ ト作用を有している。α1受容体アンタゴニ ト作用は、統合失調症の陽性症状の改善に 効である(Svensson, T. H.: Prog. Neuro-psychopharma col. Biol. Psychiatry 27:1145-1158, 2003参照)。

 そのため、本発明の化合物は、統合失調 及び他の中枢神経疾患に対して広い治療ス クトラムを有し、優れた臨床効果を備えて る。

 従って、本発明の化合物は、統合失調症 治療抵抗性、難治性又は慢性統合失調症、 調感情障害、精神病性障害、気分障害、双 性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II 型障害)、うつ病、内因性うつ病、大うつ病 メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分 調性障害、気分循環性障害、不安障害(例え 、パニック発作、パニック障害、広場恐怖 社会恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障 、全般性不安障害、急性ストレス障害等)、 身体表現性障害(例えば、ヒステリー、身体 障害、転換性障害、疼痛性障害、心気症等) 虚偽性障害、解離性障害、性障害(例えば、 性機能不全、性的欲求障害、性的興奮障害、 勃起障害等)、摂食障害(例えば、神経性無食 症、神経性大食症等)、睡眠障害、適応障害 、物質関連障害(例えば、アルコール乱用、 毒及び薬物耽溺、覚醒剤中毒、麻薬中毒等) 無快感症(快感消失症、anhedonia、例えば医原 性無快感症、心理的、精神的な原因での無快 感症、鬱病に伴う無快感症、統合失調症に伴 う無快感症等)、せん妄、認知障害、アルツ イマー病、パーキンソン病、その他の神経 性疾患に伴う認知障害、アルツハイマー病 パーキンソン病及び関連障害の神経変性疾 に起因した認知障害、統合失調症の認知障 、治療抵抗性、難治性又は慢性統合失調症 に起因する認知障害、嘔吐、乗物酔い、肥 、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉性障害(自 症)、トウレット障害、チック障害、注意欠 陥多動性障害、行為障害、ダウン症候群等、 中枢神経系の種々の障害の改善に極めて有効 である。

 更に、本発明の化合物は、副作用が殆ど く、忍容性及び安全性の点において優れて る。

 また、本発明の医薬及び医薬製剤は、下 に例示する現在臨床上で使用されている(1) 分安定薬、(2)セロトニン再取り込み阻害薬 (3)ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、(4) ロトニン及びノルエピネフリン再取り込み 害薬ならびに(5)抗不安薬からなる群から選 れた少なくとも1種の薬剤と組み合わせて投 与することにより、従来の治療法では得られ なかった投与量低減、副作用改善、治療効果 増強等といった効果を得ることができる。

(1)気分安定薬
 気分安定薬としては、気分安定薬として機 する化合物を、広く使用でき、当業者に知 れている。
 本発明において用いられ得る気分安定薬の 限定的なリストとしては、リチウム、バル ロ酸、ジバルプロックスナトリウム、カル マゼピン、オクスカルバマゼピン、ゾニサ ド、ラモトリジン、トピラメート、ガバペ チン、レベチラセタム、クロナゼパム、フ ニトイン、サイロイドホルモン、チアガビ (tiagabine)及びオメガ3脂肪酸が挙げられる。 ましくは、ラモトリジン、ゾニサミド、ト ラメート、リチウム、バルプロ酸およびカ バマゼピンが挙げられる。

(2)セロトニン再取り込み阻害薬
 セロトニン再取り込み阻害剤としては、セ トニン再取り込み阻害薬として機能する化 物であれば、知のものを広く使用できる。
 セロトニン再取り込み阻害薬の中でも、従 の標準的な薬理学的アッセイ法であるWong等 の方法(Neuropsychopharmacology, 8, pp337-344(1993))で IC 50 値(セロトニン再取り込みを50%阻害する薬物 濃度)が、約1000nM又はそれ未満であるものが ましい。
 このようなセロトニン再取り込み阻害薬と ては、例えば、フルボキサミン(5-メトキシ- 1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-ペンタ ン-O-(2-アミノエチル)オキシム)、フルオキ チン(N-メチル-3-(p-トリフルオロメチルフェ キシ)-3-フェニルプロピルアミン)、パロキセ チン(トランス-(-)-3-[(1,3-ベンゾジオキソール- 5-イルオキシ)メチル]-4-(4-フルオロフェニル) ペリジン)、セルトラリン(1S-シス)-4-(3,4-ジ ロロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-N-メチル- 1-ナフチルアミン塩酸塩)、ベンラファキシン (1-[2-ジメチルアミノ-1-(4-メトキシフェニル) チル]シクロヘキサノール)、ミルナシプラン (N,N-ジエチル-2-アミノメチル-1-フェニルシク プロパンカルボキシアミド)、シタロプラム (1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロ フェニル)-1,3-ジヒドロ-5-イソベンゾフランカ ルボニトリル)、デュロキセチン(N-メチル-3-(1 -ナフタレニルオキシ)-3-(2-チエニル)プロパン アミン)、エスシタロプラム(S-(+)-1-[3-(ジメチ アミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3 -ジヒドロ-5-イソベンゾフランカルボニトリ オキサレート)等を例示できる。

(3)ノルエピネフリン再取り込み阻害薬
 ノルエピネフリン再取り込み阻害薬として 、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬とし 機能する化合物であれば公知のものを広く 用できる。このようなノルエピネフリン再 り込み阻害薬としては、例えば、レボキセ ン、アトモキセチンおよびブプロピオンが げられる。好ましくは、レボキセチンおよ アトモキセチンが挙げられる。

(4)セロトニン及びノルエピネフリン再取り込 み阻害薬
 セロトニン及びノルエピネフリン再取り込 阻害薬としては、セロトニン及びノルエピ フリン再取り込み阻害薬として機能する化 物であれば公知のものを広く使用できる。 のようなセロトニン及びノルエピネフリン 取り込み阻害薬としては、例えば、ベンラ ァキシン、デュロキセチンおよびミルナシ ランなどが挙げられる。

(5)抗不安薬
 抗不安薬の非限定的なリストとしては、ジ ゼパム、クロルジアゼポキシド、クロキサ ラム、クロチアゼパム、アルプラゾラム、 チゾラム、オキサゾラムなどのベンゾジア ピン系抗不安薬、タンドスピロン、ブスピ ンなどを含むセロトニン5-HT1A受容体アゴニ ト系抗不安剤が挙げられる。
 上記(1)気分安定薬、(2)セロトニン再取り込 阻害薬、(3)ノルエピネフリン再取り込み阻 薬、(4)セロトニン及びノルエピネフリン再 り込み阻害薬ならびに(5)抗不安薬からなる から選ばれる薬剤は、遊離塩基、塩(酸付加 塩等)等のいずれの形態でもよい。また、こ らの薬剤はは、ラセミ体であってもよいし R及びS鏡像異性体であってもよい。れらの薬 剤は、単一の薬剤を単独で使用しても、必要 に応じて、2種またはそれ以上の薬剤を組み わせて使用してもよい。単一の薬剤が好ま い。

 以下に、参考例、実施例及び薬理試験例 掲げて、本発明をより一層明らかにする。

 参考例1
 4-ブロモ-7-メトキシベンゾ[b]チオフェン10.4g (42.8ミリモル)のジクロロメタン溶液(200ml)に ルゴン雰囲気下、0℃で三ふっ化ほう素ジメ ルスルフィド錯体13.5ml(128ミリモル)を加え 、室温で20時間撹拌した。反応液を0℃に冷 し、500mlの水を加えて撹拌した。不溶物を濾 去し、濾液にジクロロメタンを加えて分液し た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸 ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残 渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲ 、n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1→8:2)で精製した 。精製物を減圧下に濃縮乾固して、淡褐色粉 末の4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-7-オール7.3g (収率75%)を得た。

 参考例2
 4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-7-オール1.8g(7.9 ミリモル)及び3,4-ジヒドロ-2H-ピラン3.6ml(39ミ モル)のジクロロメタン溶液(14ml)にp-トルエ スルホン酸ピリジニウム197mg(0.78ミリモル) 加えて、室温で一夜撹拌した。反応液に水 ジクロロメタンとを加えて分液し、有機層 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩 の順で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾 後、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体ク マトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢 エチル=100:0→93:7)で精製した。精製物を減 下に濃縮して、淡黄色油状物の2-(4-ブロモ- ンゾ[b]チオフェン-7-イルオキシ)テトラヒド ピラン1.7g(収率68%)を得た。

 参考例3
 ピペラジン11.4g(132ミリモル)、rac-2,2'-ビス( フェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル2.06g(3.3 リモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン) パラジウム(0)1.01g(1.1ミリモル)及びナトリウ ムt-ブトキシド3.18g(33.1ミリモル)のトルエン 液140mlに2-(4-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェン-7-イ ルオキシ)テトラヒドロピラン6.9g(22ミリモル) のトルエン溶液(70ml)を加えてアルゴン雰囲気 中、4時間加熱還流下に撹拌した。室温まで 却し、反応液に水及び酢酸エチルを加えて ライト濾過した。濾液を分液し、有機層を 及び飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸 トリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残 を中圧液体クロマトグラフィー(NHシリカゲ 、ジクロロメタン:メタノール=100:0→30:1)で 製した。精製物を減圧下に濃縮して、黄色 定形固体の1-[7-(テトラヒドロピラン-2-イル キシ)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジン 5.4g(収率77%)を得た。

 参考例4
 7-(4-クロロブトキシ)-1H-キノリン-2-オン4.3g(1 7ミリモル)、1-[7-(テトラヒドロピラン-2-イル キシ)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジ 5.4g(17ミリモル)、炭酸カリウム2.8g(20ミリモ )及び沃化ナトリウム2.6g(17ミリモル)をジメ ルホルムアミド(DMF)45mlに加えて、80℃で4時 撹拌した。室温まで冷却し、反応液に水と 酸エチルとを加え、析出する結晶を濾取し 。結晶をエタノールから再結晶して、白色 末の7-(4-{4-[7-(テトラヒドロピラン-2-イルオ シ)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジン-1- イル}ブトキシ)-1H-キノリン-2-オン6.9g(収率71%) を得た。

 参考例5
 4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1- カルボン酸tert-ブチルエステル5.0g(16ミリモル )のヘキサフルオロイソプロパノール溶液(100m l)に0℃で、m-クロロ過安息香酸(75%)10.8g(47ミリ モル)を加えて36時間撹拌した。反応液にNHシ カゲル150mlを加えてNHシリカゲル800mlを用い カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン :メタノール=10:1)で精製した。精製物を減圧 に濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグラフ ー(NHシリカゲル、ジクロロメタン:メタノー =100:0→10:1)で精製した。精製物を減圧下に 縮して、淡黄色無定形固体の4-(1-オキソベン ゾ[b]チオフェン-4-イル)-4-オキシピペラジン-1 -カルボン酸tert-ブチルエステル4.1g(収率75%)を 得た。

 参考例6
 4-(1-オキソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-4-オ シピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエス ル2.0g(5.7ミリモル)のジクロロメタン溶液(20ml )にトリフルオロ酢酸10mlを加えて室温で1時間 撹拌した。減圧下に濃縮し、残渣をメタノー ルに溶解し、NHシリカゲルで中和(固相抽出) た。減圧下に濃縮後、残渣を中圧液体クロ トグラフィー(NHシリカゲル、ジクロロメタ :メタノール=100:0→5:1)で精製した。精製物を 減圧下に濃縮して、黄色無定形固体の1-(1-オ ソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン1- キシド1.4g(収率98%)を得た。

 参考例7
 1-(1-オキソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペ ジン1-オキシド1.4g(5.6ミリモル)をジクロロ タンとメタノールとの1:1混合溶液(18ml)に溶 し、0℃でトリフルオロ酢酸0.46ml(6.2ミリモル )及びトリフェニルホスフィン1.8g(6.9ミリモル )を加えて室温で30分間撹拌した。反応液をNH リカゲルで中和(固相抽出)した。減圧下に 縮後、残渣を中圧液体クロマトグラフィー(N Hシリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=100 :0→50:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮 て、黄色無定形固体の1-(1-オキソベンゾ[b]チ オフェン-4-イル)ピペラジン1.0g(収率77%)を得 。

 参考例8
 4-(4-クロロブトキシ)-2-ニトロベンズアルデ ド5.2g(20ミリモル)、エチレングリコール3.4ml (60ミリモル)及びp-トルエンスルホン酸0.4g(2ミ リモル)のトルエン溶液をDean-starkで5時間加熱 還流した。室温まで冷却し、反応液を飽和炭 酸水素ナトリウム水溶液100mlに注ぎ、酢酸エ ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下 濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグラフィ (NHシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=100:0 75:25)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し 、黄色油状物の2-[4-(4-クロロブトキシ)-2-ニ ロフェニル]-[1,3]ジオキソラン5.7g(収率95%)を 得た。

 参考例9
 2-[4-(4-クロロブトキシ)-2-ニトロフェニル]-[1 ,3]ジオキソラン5.7g(19ミリモル)、1-ベンゾ[b] オフェン-4-イルピペラジン5.2g(24ミリモル)、 炭酸カリウム3.1g(22ミリモル)及び沃化ナトリ ム2.8g(19ミリモル)をジメチルホルムアミド(D MF)50mlに加えて、80℃で2時間撹拌した。室温 で冷却し、反応液に水を加えて酢酸エチル 抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1 回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 減圧下に濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグ ラフィー(NHシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチ ル=90:10→60:40)で精製した。精製物を減圧下に 濃縮乾固して、黄色固体の1-ベンゾ[b]チオフ ン-4-イル-4-[4-(4-[1,3]ジオキソラン-2-イル-3- トロフェノキシ)ブチル]ピペラジン8.4g(収率8 9%)を得た。

 参考例10
 1-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-4-[4-(4-[1,3]ジオ キソラン-2-イル-3-ニトロフェノキシ)ブチル] ペラジン2.8g(5.8ミリモル)のジクロロメタン 液にトリフルオロ酢酸4.4ml(59ミリモル)を加 て室温で2時間撹拌した。反応液を5N-水酸化 ナトリウム水溶液20mlと飽和炭酸水素ナトリ ム水溶液100mlとに注ぎ、ジクロロメタンで抽 出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水 硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に濃縮し 、残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリ ゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=90:10→60:4 0)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、 色油状物の4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イ -ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロベン アルデヒド2.5g(収率98%)を得た。

 参考例11
 4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジ -1-イル)ブトキシ]-2-ニトロベンズアルデヒ 4.4g(10ミリモル)及びジエチルホスホノ酢酸エ チル2.2ml(11ミリモル)のアセトニトリル溶液(90 ml)に塩化リチウム517mg(12ミリモル)及びN-エチ ジイソプロピルアミン1.9ml(11ミリモル)を加 て室温で1.5日撹拌した。反応液を減圧下に 縮し、残渣に5%炭酸カリウム水溶液を加え ジクロロメタンで抽出した。有機層を水及 飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸ナトリ ムで乾燥した。減圧下に濃縮し、残渣を中 液体クロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジ ロロメタン)で精製した。精製物を減圧下に 縮し、残渣をジクロロメタン-n-ヘキサン混 溶媒から再結晶して、黄色粉末の(E)-3-{4-[4-( 4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イ ル)ブトキシ]-2-ニトロフェニル}アクリル酸エ チルエステル3.7g(収率73%)を得た。

 参考例12
 (E)-3-{4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペ ラジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロフェニル}ア クリル酸エチルエステル2.0g(3.9ミリモル)のジ クロロメタン溶液にm-クロロ過安息香酸(75%)1. 4g(6.1ミリモル)を加えて30分間撹拌した。反応 液をNHシリカゲルで中和(固層抽出、ジクロロ メタン:メタノール=100:0→30:1)し、溶出液を減 圧下に濃縮した。残渣ををジクロロメタン80m lに溶解し、4-メチルモルホリンN-オキシド1.4g (12ミリモル)及び4%四酸化オスミウム水溶液5ml (0.8ミリモル)を加えて室温で17時間撹拌した 反応液に2-メチル-2-ブテン2.1ml(20ミリモル)を 加えて室温で1時間撹拌した。反応液に水100ml を加えてジクロロメタンで抽出した。有機層 を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム で乾燥した。減圧下に濃縮し、残渣を中圧液 体クロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジクロ ロメタン:メタノール=100:0→30:1)で精製した。 精製物を減圧下に濃縮し、残渣を再度中圧液 体クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロ メタン:メタノール=50:1→15:1)で精製した。精 製物を減圧下に濃縮乾固して、黄色粉末の(2S ,3R)-3-{4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペ ジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロフェニル}-2,3 -ジヒドロキシプロピオン酸エチルエステル1. 4g(収率67%)を得た。

 参考例13
 ジフェニルホスホノ酢酸エチル2.0g(7.6ミリ ル)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(50ml)にア ゴン雰囲気下、ヘキサメチルジシラザンナ リウム(1M-THF溶液)7.7ml(7.7ミリモル)を加えて 拌した。0℃で4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4- ル-ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロベ ズアルデヒド3.35g(7.6ミリモル)のTHF溶液(50ml) 加え、室温で18時間撹拌した。反応液に飽 炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エ ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下 濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグラフィ (NHシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=70:30) 精製した。精製物を減圧下に濃縮し、褐色 状物の(Z)-3-{4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イ -ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロフェ ル}アクリル酸エチルエステル2.58g(収率66%) 得た。

 参考例14
 (Z)-3-{4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペ ラジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロフェニル}ア クリル酸エチルエステル1.1g(2.0ミリモル)のジ クロロメタン溶液(20ml)にm-クロロ過安息香酸( 75%)1.04g(4.5ミリモル)を加えて1時間撹拌した。 反応液をNHシリカゲルで中和(固層抽出、ジク ロロメタン:メタノール=100:0→30:1)し、溶出液 を減圧下に濃縮した。残渣をジクロロメタン 50mlに溶解し、4-メチルモルホリンN-オキシド8 05mg(6.9ミリモル)及び4%四酸化オスミウム水溶 1.4ml(0.23ミリモル)を加えて室温で24時間撹拌 した。反応液に2-メチル-2-ブテン2.4ml(22ミリ ル)を加えて室温で1夜撹拌した。反応液をNH リカゲルで中和(固層抽出、ジクロロメタン :メタノール=100:0→30:1)し、溶出液を減圧下に 濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィ ー(NHシリカゲル、ジクロロメタン:メタノー =100:0→30:1)で精製した。精製物を減圧下に濃 縮乾固して、黄色無定形固体の(2R,3R)-3-{4-[4-(4 -ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イ )ブトキシ]-2-ニトロフェニル}-2,3-ジヒドロ シプロピオン酸エチルエステル0.83g(収率65%) 得た。

 参考例15
 4-(4-クロロブトキシ)-2-ニトロベンズアルデ ド2.0g(7.8ミリモル)、1,3-プロピレングリコー ル1.7ml(24ミリモル)及びp-トルエンスルホン酸1 水和物147mg(0.8ミリモル)のトルエン溶液(40ml) Dean-starkで2時間加熱還流した。室温まで冷却 し、反応液を1N-水酸化ナトリウム水溶液1ml及 び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlに注ぎ 酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩 で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した 減圧下に濃縮し、残渣を中圧液体クロマト ラフィー(NHシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エ ル=100:0→75:25)で精製した。精製物を減圧下 濃縮して、黄色油状物の2-[4-(4-クロロブト シ)-2-ニトロフェニル]-[1,3]ジオキサン2.6g(収 定量的)を得た。

 参考例16
 2-[4-(4-クロロブトキシ)-2-ニトロフェニル]-[1 ,3]ジオキサン2.6g(8.2ミリモル)の酢酸エチル溶 液(30ml)に10%パラジウム炭素0.6gを加えて室温 圧で接触還元した。セライト濾過して触媒 除去し、濾液を減圧下に濃縮した。残渣を 圧液体クロマトグラフィー(NHシリカゲル、n- ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50)で精製した 精製物を減圧下に濃縮して、黄色油状物の5- (4-クロロブトキシ)-2-[1,3]ジオキサン-2-イル- ェニルアミン1.4g(収率60%)を得た。

 参考例17
 5-(4-クロロブトキシ)-2-[1,3]ジオキサン-2-イ -フェニルアミン1.4g(4.9ミリモル)及びピリジ 1.0ml(12ミリモル)のジクロロメタン溶液(15ml) 0℃で塩化クロロアセチル0.47ml(5.9ミリモル) 加えて0℃で15分間、室温で45分間撹拌した 0℃で反応液に0.24N-塩酸50mlとジクロロメタン 40mlを加えて撹拌後、分液した。有機層を水 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食 水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾 した。減圧下に濃縮し、残渣を中圧液体ク マトグラフィー(NHシリカゲル、n-ヘキサン: 酸エチル=80:20→60:40)で精製した。精製物を 圧下に濃縮乾固して、白色粉末の2-クロロ-N- [5-(4-クロロブトキシ)-2-[1,3]ジオキサン-2-イル -フェニル]-アセトアミド1.06g(収率59%)を得た

 参考例18
 2-クロロ-N-[5-(4-クロロブトキシ)-2-[1,3]ジオ サン-2-イル-フェニル]-アセトアミド503mg(1.66 リモル)のアセトニトリル溶液(14ml)にモルホ リン0.22ml(2.5ミリモル)及びトリエチルアミン0 .23ml(1.7ミリモル)を加えて2時間加熱還流下に 拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に 和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてジク ロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水 洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 圧下に濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグ フィー(NHシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチ =70:30→40:60)で精製した。精製物を減圧下に 縮乾固して、白色固体のN-[5-(4-クロロブト シ)-2-[1,3]ジオキサン-2-イル-フェニル]-2-モル ホリン-4-イル-アセトアミド612mg(収率89%)を得 。

 参考例19
 N-[5-(4-クロロブトキシ)-2-[1,3]ジオキサン-2- ル-フェニル]-2-モルホリン-4-イル-アセトア ド604mg(1.46ミリモル)のジクロロメタン溶液(9m l)に水ml及びトリフルオロ酢酸1.1ml(15ミリモル )を加えて室温で2時間撹拌した。反応液に1N- 酸化ナトリウム水溶液15ml及び飽和炭酸水素 ナトリウム水溶液80mlを加えてジクロロメタ で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に 縮し、淡黄色油状物のN-[5-(4-クロロブトキシ )-2-ホルミルフェニル]-2-モルホリン-4-イル-ア セトアミド524mg(収率定量的)を得た。

 参考例20
 N-[5-(4-クロロブトキシ)-2-ホルミルフェニル] -2-モルホリン-4-イル-アセトアミド524mg(1.48ミ モル)のt-ブチルアルコール溶液(40ml)にナト ウムt-ブトキシド182mg(1.62ミリモル)を加えて 3時間加熱還流下に撹拌した。反応液に水と1N -塩酸1.6mlとを加えてジクロロメタンで抽出し た。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 及び飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナト リウムで乾燥した。減圧下に濃縮し、残渣を 中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、 クロロメタン:メタノール=50:1→20:1)で精製し た。精製物を減圧下に濃縮乾固して、淡黄色 粉末の7-(4-クロロブトキシ)-3-モルホリン-4-イ ル-1H-キノリン-2-オン335mg(収率67%)を得た。

 参考例21
 7-(4-クロロブトキシ)-3-モルホリン-4-イル-1H- キノリン-2-オン326mg(0.97ミリモル)の酢酸溶液( 3.2ml)に濃塩酸9.6mlを加えて36時間加熱還流下 撹拌した。反応液に水を加えてジクロロメ ンで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水 順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し 。減圧下に濃縮し、残渣を中圧液体クロマ グラフィー(NHシリカゲル、ジクロロメタン: タノール=30:1→10:1)で精製した。精製物を減 圧下に濃縮乾固して、白色粉末の7-(4-クロロ トキシ)-3-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン91mg( 収率35%)を得た。

 参考例22
 1.1M-ビス(トリメチルシリル)アミドリチウム ・テトラヒドロフラン溶液19ml(2.1ミリモル)の THF溶液(10ml)を-80℃に冷却し、アルゴン雰囲気 下、酢酸エチル1.9ml(19ミリモル)を加えて同温 度で30分間撹拌した。4-(4-クロロブトキシ)-2- トロベンズアルデヒド2.0g(7.8ミリモル)のTHF 液(10ml)をカニューラを用いて滴下した。同 度で30分間撹拌し、2時間で室温まで昇温し 。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和 塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥 た。減圧下に濃縮し、残渣を中圧液体クロ トグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸 エチル=80:20→50:50)で精製した。精製物を減圧 下に濃縮して、褐色油状物の3-[4-(4-クロロブ キシ)-2-ニトロフェニル]-3-ヒドロキシプロ オン酸エチルエステル1.6g(収率59%)を得た。

 参考例23
 3-[4-(4-クロロブトキシ)-2-ニトロフェニル]-3- ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル1.4g(4 .3ミリモル)の酢酸エチル溶液(20ml)にo-ヨード シ安息香酸2.3g(8.2ミリモル)を加えて3時間加 熱還流下に撹拌した。室温まで冷却し、不溶 物を濾別した。濾液を炭酸水素ナトリウム水 溶液及び飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸 マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。 残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカ ル、n-ヘキサン:ジクロロメタン:酢酸エチル= 70:30:0→63:27:10)で精製した。精製物を減圧下 濃縮して黄色油状物の3-[4-(4-クロロブトキシ )-2-ニトロフェニル]-3-オキソプロピオン酸エ ルエステル1.2g(収率81%)を得た。

 参考例24
 3-[4-(4-クロロブトキシ)-2-ニトロフェニル]-3- オキソプロピオン酸エチルエステル1.0g(2.9ミ モル)をエタノール35mlに懸濁し、酢酸アン ニウム2.2g(29ミリモル)の水溶液(10ml)及び亜鉛 粉末5.7g(87ミリモル)を加えて還流下20分間撹 した。反応液をセライト濾過し、濾物を熱 タノールで洗浄した。濾液と洗液とを合わ て減圧下に濃縮した。残渣をメタノールで 浄後、乾燥して白色粉末の7-(4-クロロブトキ シ)-4-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン578mg(収率7 4%)を得た。

 参考例25
 4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1- カルボン酸tert-ブチルエステル952mg(3ミリモル )のヘキサフルオロイソプロパノール溶液(20ml )に0℃で、m-クロロ過安息香酸(75%)3.44g(26.5ミ モル)を加えて24時間撹拌した。反応液にNHシ リカゲル30mlを加えてNHシリカゲル300mlを用い カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン :メタノール=10:1)で精製した。精製物を減圧 に濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグラフ ー(NHシリカゲル、ジクロロメタン:メタノー =100:0→20:1)で精製した。精製物を減圧下に 縮して、淡黄色無定形固体の4-(1,1-ジオキソ ンゾ[b]チオフェン-4-イル)-4-オキシピペラジ ン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル918mg(収率8 4%)を得た。

 参考例26
 4-(1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-4 -オキシピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエ ステル2.0g(5.5ミリモル)をメタノールと二硫化 炭素との1:1混合溶液(40ml)に溶解し、50~60℃で4 時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した。 減圧下に濃縮し、残渣をメタノールで洗浄後 、乾燥して、黄色粉末の4-(1,1-ジオキソベン [b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン tert-ブチルエステル1.3g(収率67%)を得た。

 参考例27
 4-(1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-4-イル) ペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル5.3 g(15ミリモル)のジクロロメタン溶液(25ml)にト フルオロ酢酸25mlを加えて室温で1時間撹拌 た。減圧下に濃縮し、残渣をメタノールに 解し、NHシリカゲルで中和(固相抽出)した。 圧下に濃縮後、残渣を中圧液体クロマトグ フィー(NHシリカゲル、ジクロロメタン:メタ ノール=100:0→5:1)で精製した。精製物を減圧 に濃縮して、黄色無定形固体の4-(1,1-ジオキ ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン1.4g( 率98%)を得た。

 参考例28
 4-[7-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ベン ゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジン-1-カルボ 酸ベンジルエステル
 1-[7-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ベン ゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジン4.24g(13.3ミ モル)をメタノール20mlと水80mlの混合溶媒に 濁し、炭酸ナトリウム1.835g(17.3ミリモル)を えて氷冷した。クロロぎ酸ベンジル(Z-クロ ド)2.47ml(17.3ミリモル)およびジクロロメタン 30mlを加えて0℃で30分撹拌後、室温まで昇温 て1.5時間撹拌した。反応液に水とジクロロ タンを加えて分液し、有機層を飽和食塩水 洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、 圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマト ラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル =75:25→50:50)で精製した。精製物を減圧下に濃 縮して、黄色無定形固体の4-[7-(テトラヒドロ ピラン-2-イルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-4- ル]ピペラジン-1-カルボン酸ベンジルエステ 5.86g(収率97%)を得た。

 参考例29
 4-(7-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル) ペラジン-1-カルボン酸ベンジルエステル
 4-[7-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ベン ゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジン-1-カルボ 酸ベンジルエステル4.24g(13.3ミリモル)のTHF溶 液(50ml)に酢酸40mlおよび水20mlを加えて60℃で5 間撹拌した。室温まで冷却し、氷冷下、反 液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え 。ジクロロメタンを加えて撹拌し、不溶物 濾取した。濾物は減圧下に乾燥した。濾液 分液し、有機層を有機層を飽和食塩水で洗 した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧 に濃縮した。残渣にエーテルを加えて不溶 を濾取、さらにエーテルで洗浄後乾燥した 先に濾取した不溶物とあわせて淡黄色粉末 4-(7-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル) ペラジン-1-カルボン酸ベンジルエステル3.78 9g(収率77%)を得た。

 参考例30
 (2S,3S,4S,5R,6S)-4-[7-(3,4,5-トリアセトキシ-6-メ キシカルボニルテトラヒドロピラン-2-イル キシ)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジン -1-カルボン酸ベンジルエステル
 4-(7-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル) ペラジン-1-カルボン酸ベンジルエステル100m g(0.27ミリモル)をジクロロメタン3mlに懸濁し 氷冷下、三ふっ化ほう素ジエチルエーテル 体0.069ml(0.54ミリモル)を加えて撹拌した。(2S, 3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(2,2,2-トリク ロアセトイミドイルオキシ)テトラヒドロピ ラン-2-カルボン酸メチルエステル260mg(0.54ミ モル)のジクロロメタン溶液(2ml)を滴下して え、0℃で30分撹拌した。室温で一夜撹拌後 反応液を氷冷し、水とジクロロメタンを加 て分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した 無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃 した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(N Hシリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=67:33→50:5 0)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、 色粉末の(2S,3S,4S,5R,6S)-4-[7-(3,4,5-トリアセト シ-6-メトキシカルボニルテトラヒドロピラ -2-イルオキシ)-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル] ペラジン-1-カルボン酸ベンジルエステル134mg (収率72%)を得た。

 参考例31
 (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(4-ピペ ジン-1-イル-ベンゾ[b]チオフェン-7-イルオキ )テトラヒドロピラン-2-カルボン酸メチルエ ステル
 20%水酸化パラジウム-カーボン1.25gをエタノ ル40mlに懸濁し、これに(2S,3S,4S,5R,6S)-4-[7-(3,4, 5-トリアセトキシ-6-メトキシカルボニルテト ヒドロピラン-2-イルオキシ)ベンゾ[b]チオフ ェン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸ベンジ エステル4.16g(6.08ミリモル)の酢酸エチル溶液 10mlおよびエタノール10mlを加えて、水素雰囲 下、室温常圧で接触還元した。セライトろ して触媒を除き、濾液を減圧下に濃縮した 残渣にエーテルとn-ヘキサンを加えて析出 た不溶物を濾取、減圧下に乾燥して淡黄色 末の(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(4-ピ ペラジン-1-イル-ベンゾ[b]チオフェン-7-イル キシ)テトラヒドロピラン-2-カルボン酸メチ エステル2.874g(収率86%)を得た。

 参考例32
 (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(4-{4-[4-(2 -オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-7-イルオキシ) チル]ピペラジン-1-イル}-ベンゾ[b]チオフェ -7-イルオキシ)-テトラヒドロ-ピラン-2-カル ン酸メチルエステル
 7-(4-ヨードブトキシ)-1H-キノリン-2-オン62mg(0 .18ミリモル)、(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキ シ-6-(4-ピペラジン-1-イル-ベンゾ[b]チオフェ -7-イルオキシ)テトラヒドロピラン-2-カルボ 酸メチルエステル100mg(0.18ミリモル)、およ N-エチルジイソプロピルアミン0.035ml(0.20ミリ モル)をジメチルホルムアミド(DMF)3mlに加えて 、室温で2日間撹拌した。反応液に水と酢酸 チルを加え、分液し、有機層を水で3回、飽 食塩水1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで 乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体 クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロ タン:メタノール=30:1→10:1)で精製した。精製 物を減圧下に濃縮して、淡黄色粉末の(2S,3S,4S ,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(4-{4-[4-(2-オキソ- 1,2-ジヒドロ-キノリン-7-イルオキシ)ブチル] ペラジン-1-イル}-ベンゾ[b]チオフェン-7-イル オキシ)-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボン酸メ チルエステル99mg(収率70%)を得た。

 参考例33
 (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(4-{4-[4-(2 -オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イルオキシ) チル]ピペラジン-1-イル}ベンゾ[b]チオフェン -7-イルオキシ)-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボ ン酸メチルエステル
 7-{4-[4-(7-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-4- ル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H-キノリン- 2-オン塩酸塩100mg(0.21ミリモル)をメタノール3m lに懸濁し、カリウムt-ブトキシド76mg(0.68ミリ モル)を加えて撹拌した。反応液を-30℃に冷 し(2S,3S,4S,5R,6S)3,4,5-トリアセトキシ-6-ブロモ- テトラヒドロピラン-2-カルボン酸メチルエス テル72mg(0.43ミリモル)のアセトン溶液(3ml)を滴 下して加えた。一夜撹拌し、減圧下に反応液 を濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフ ィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノー =95:5→80:20)で精製した。精製物を減圧下に 縮して、淡黄色粉末の(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリ ヒドロキシ-6-(4-{4-[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキ リン-7-イルオキシ)ブチル]ピペラジン-1-イ }ベンゾ[b]チオフェン-7-イルオキシ)-テトラ ドロ-ピラン-2-カルボン酸メチルエステル26.1 mg(収率20%)を得た。

 参考例34
 (2S,3R,4S,5R,6S)-6-(4-{4-[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ ノリン-7-イルオキシ)ブチル]ピペラジン-1- ル}ベンゾ[b]チオフェン-7-イルオキシ)-3,4,5- リストリメチルシラニルオキシテトラヒド ピラン-2-カルボン酸メチルエステル
 (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(4-{4-[4-(2 -オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イルオキシ) チル]ピペラジン-1-イル}ベンゾ[b]チオフェン -7-イルオキシ)-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボ ン酸メチルエステル100mg(0.156ミリモル)および イミダゾール192mg(2.82ミリモル)のDMF溶液(2ml) クロロトリメチルシラン0.35ml(0.94ミリモル) 加えて室温で4時間撹拌した。反応液に水と 酸エチルを加え、分液し、有機層を水で3回 、飽和食塩水1回洗浄した。無水硫酸ナトリ ムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をジ ールシリカゲルカラムクロマトグラフィー( クロロメタン:メタノール=100:0→30:1)で精製 た。精製物を減圧下に濃縮して、淡黄色無 形固体の(2S,3R,4S,5R,6S)-6-(4-{4-[4-(2-オキソ-1,2- ヒドロキノリン-7-イルオキシ)ブチル]ピペ ジン-1-イル}ベンゾ[b]チオフェン-7-イルオキ )-3,4,5-トリストリメチルシラニルオキシテ ラヒドロピラン-2-カルボン酸メチルエステ 132mg(収率99%)を得た。

参考例35
 4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イルピペラジン-1 -イル)酪酸エチルエステル
 4-ブロモ酢酸エチル0.65ml(4.53ミリモル)のDMF 液(20ml)に4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペ ジン塩酸塩1.0g(3.9ミリモル)および炭酸カリ ム1.3g(9.4ミリモル)を加えて80℃で6時間撹拌 た。室温まで冷却し、反応液に水を加えて 酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し 無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃 した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製した 精製物を減圧下に濃縮して淡黄色油状物の4 -(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イルピペラジン-1- ル)酪酸エチルエステル0.98g(収率75%)を得た。

参考例36
 4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イルピペラジン-1 -イル)酪酸
 4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イルピペラジン-1 -イル)酪酸エチルエステル0.97g(3.2ミリモル)の メタノール溶液(20ml)に1N-水酸化ナトリウム水 溶液3.2mlを加えて室温で4時間撹拌した。反応 液に2N-塩酸1.6mlを加えてジクロロメタンで抽 した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥 、減圧下に濃縮して淡黄色無定形固体の4-(4 -ベンゾ[b]チオフェン-4-イルピペラジン-1-イ )酪酸0.74g(収率83%)を得た。水に溶解後、6N-塩 酸を加えて塩酸塩とし生成した不溶物を濾取 した。濾物を水から再結晶して白色粉末の4-( 4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イルピペラジン-1-イ )酪酸 塩酸塩を得た。
融点232℃(分解)

 実施例1
 7-(4-{4-[7-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ) ベンゾ[b]チオフェン-4-イル]ピペラジン-1-イ }ブトキシ)-1H-キノリン-2-オン4.0g(7.2ミリモル )をエタノール150mlに加えて加熱溶解した。室 温まで冷却し、1N-塩化水素エタノール溶液40m lを加えて室温で20時間撹拌した。析出する結 晶を濾取し、エタノールで洗浄後、乾燥して 白色粉末の7-{4-[4-(7-ヒドロキシベンゾ[b]チオ ェン-4-イル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ}-1H- キノリン-2-オン・塩酸塩3.4g(収率97%)を得た。
融点267℃(分解)。

 実施例2
 1-(1-オキソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペ ジン1.0g(4.3ミリモル)をジクロロメタン20ml及 びメタノール20mlの混合溶液に溶解し、4-(2-オ キソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イルオキシ)ブチ ルアルデヒド900mg(3.9ミリモル)を加えて0℃に 却した。酢酸0.49ml(8.6ミリモル)及びシアノ リヒドロほう酸ナトリウム536mg(8.5ミリモル) 加えて室温で3時間撹拌した。反応液に1N-水 酸化ナトリウム水溶液8.6ml、飽和炭酸水素ナ リウム水溶液200ml及びジクロロメタン200mlを 加えて撹拌後、セライト濾過した。濾液を分 液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫 酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に濃縮し、 残渣を中圧液体クロマトグラフィー(NHシリカ ゲル、ジクロロメタン:メタノール=100:0→5:1) 精製した。精製物を減圧下に濃縮して、黄 無定形固体の7-{4-[4-(1-オキソベンゾ[b]チオ ェン-4-イル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ]-1H- ノリン-2-オン561mg(収率32%)を得た。
融点175-179℃(分解)。

 実施例3
 (2S,3R)-3-{4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル- ペラジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロフェニル }-2,3-ジヒドロキシプロピオン酸エチルエステ ル1.6g(2.9ミリモル)をエタノール60mlに懸濁し 酢酸アンモニウム2.3g(30ミリモル)の水溶液(20 ml)及び亜鉛粉末5.8g(89ミリモル)を加えて還流 10分間撹拌した。反応液をセライト濾過し 濾物をエタノールで洗浄した。濾液と洗液 合わせて減圧下に濃縮した。残渣を中圧液 クロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジクロ メタン:メタノール=100:0→30:1)で精製した。 製物を減圧下に濃縮し、残渣をジクロロメ ンから再結晶して白色粉末の(3S,4R)-7-[4-(4-ベ ゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イル) トキシ]-3,4-ジヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-キ リン-2-オン1.2g(収率90%)を得た。
融点147-151℃。

 実施例4
 (2R,3R)-3-{4-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル- ペラジン-1-イル)ブトキシ]-2-ニトロフェニル }-2,3-ジヒドロキシプロピオン酸エチルエステ ル878mg(1.6ミリモル)をエタノール35mlに懸濁し 酢酸アンモニウム1.2g(16ミリモル)の水溶液(1 0ml)及び亜鉛粉末3.2g(50ミリモル)を加えて還流 下10分間撹拌した。反応液をセライト濾過し 濾物をエタノールで洗浄した。濾液と洗液 を合わせて減圧下に濃縮した。残渣を中圧 体クロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジク ロメタン:メタノール=100:0→10:1)で精製した 精製物を減圧下に濃縮し、残渣をジクロロ タンから再結晶して白色粉末の(3R,4R)-7-[4-(4- ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-ピペラジン-1-イ )ブトキシ]-3,4-ジヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H- ノリン-2-オン536mg(収率71%)を得た。
融点150-155℃。

 実施例5
 7-(4-クロロブトキシ)-3-ヒドロキシ-1H-キノリ ン-2-オン400mg(1.49ミリモル)、1-ベンゾ[b]チオ ェン-4-イルピペラジン489mg(2.24ミリモル)、炭 酸カリウム496mg(3.6ミリモル)及び沃化ナトリ ム224mg(1.49ミリモル)をジメチルホルムアミド (DMF)5mlに加えて、80℃で14時間撹拌した。室温 まで冷却し、反応液に水を加えて析出した固 体を濾取した。濾液に1N-塩酸3.6mlを加えて酢 エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和 食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで 燥した。減圧下に濃縮し、残渣と濾物とを わせて中圧液体クロマトグラフィー(NHシリ ゲル、ジクロロメタン:メタノール=30:1→10:1) で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して 、白色粉末の7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イ -ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-3-ヒドロキシ- 1H-キノリン-2-オン225mg(収率34%)を得た。

 実施例6
 7-(4-クロロブトキシ)-4-ヒドロキシ-1H-キノリ ン-2-オン400mg(1.49ミリモル)、1-ベンゾ[b]チオ ェン-4-イルピペラジン489mg(2.24ミリモル)、炭 酸カリウム496mg(3.6ミリモル)及び沃化ナトリ ム224mg(1.49ミリモル)をジメチルホルムアミド (DMF)8mlに加えて、80℃で14時間撹拌した。室温 まで冷却し、反応液に水を加えて析出した固 体を濾取した。濾液に1N-塩酸3.6mlを加えて酢 エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和 食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで 燥した。減圧下に濃縮し、残渣と濾物とを わせて中圧液体クロマトグラフィー(シリカ ル、ジクロロメタン:メタノール=20:1→10:1) 精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して 白色粉末の7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル -ピペラジン-1-イル)ブトキシ]-4-ヒドロキシ-1H -キノリン-2-オン93mg(収率14%)を得た。

 実施例7
 7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イルピペラジ -1-イル)ブトキシ]-1H-キノリン-2-オン2.0g(4.6ミ リモル)のジクロロメタン溶液(40ml)に0℃で、m -クロロ過安息香酸(75%)1.1g(4.8ミリモル)を加え て1時間撹拌した。反応液にNHシリカゲル20ml 加えてNHシリカゲル100mlを用いてカラムクロ トグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=1 0:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、 渣を中圧液体クロマトグラフィー(NHシリカ ル、ジクロロメタン:メタノール=100:0→10:1) 精製した。精製物を減圧下に濃縮して、ジ ロロメタン:メタノールから結晶化して白色 末の7-[4-(4-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-1-オ シピペラジン-1-イル)ブトキシ]-1H-キノリン-2 -オン1.6g(収率77%)を得た。
融点176-179℃(分解)。

 実施例8
 7-(4-クロロブトキシ)-1H-キノリン-2-オン4.3g(1 7ミリモル)、4-(1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェ ン-4-イル)ピペラジン5.4g(17ミリモル)、炭酸カ リウム2.8g(20ミリモル)及び沃化ナトリウム2.6g (17ミリモル)をジメチルホルムアミド(DMF)45ml 加えて、80℃で4時間撹拌した。室温まで冷 し、反応液に水と酢酸エチルを加え、析出 る結晶を濾取した。濾液を分液し、有機層 水及び飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリ ムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣と先 濾取した不溶物を合わせてシリカゲルカラ クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノ ール=30:1→10:1)で精製した。精製物を減圧下 濃縮し、残渣をジクロロメタン-メタノール ら再結晶して、白色粉末の7-{4-[4-(1,1-ジオキ ソベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1- ル]ブトキシ}-1H-キノリン-2-オン6.9g(収率71%) 得た。
融点146-151℃。

 実施例9

 (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(4-{4-[4-(2 -オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イルオキシ) チル]ピペラジン-1-イル}-ベンゾ[b]チオフェ -7-イルオキシ)テトラヒドロピラン-2-カルボ 酸
 (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(4-{4-[4-(2 -オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イルオキシ) チル]ピペラジン-1-イル}ベンゾ[b]チオフェン -7-イルオキシ)-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボ ン酸メチルエステル136mg(0.213ミリモル)のメタ ノール溶液(15ml)に8N-水酸化カリウム水溶液0.0 59ml(0.47ミリモル)を加えて室温で1.5時間撹拌 た。反応液に陽イオン交換樹脂DOWEX TM  50WX4をpH7になるまで加えて不溶物を濾去し 。濾物はメタノールで洗浄し、濾液と洗液 合わせて減圧下に濃縮した。残渣を少量の タノールに溶解しエーテルを加えて結晶化 た。析出した結晶を濾取、減圧下に乾燥し 、淡黄色粉末の(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリヒドロ キシ-6-(4-{4-[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン- 7-イルオキシ)ブチル]ピペラジン-1-イル}-ベン ゾ[b]チオフェン-7-イルオキシ)テトラヒドロ ラン-2-カルボン酸113mg(収率85%)を得た。
1 H-NMR(CDCl 3 )δppm:1.69-1.99(4H,m),2.48-2.86(6H,m),3.06-3.19(4H,m),3.52- 3.65(3H,m),3.75(1H,d,J=9.3Hz),4.12(2H,d,J=6.0Hz),5.05(1H,d,J =7.5Hz),6.43(1H,d,J=9.3Hz),6.80-6.94(3H,m),7.10(1H,d,J=8.5Hz ),7.41(1H,d,J=5.5Hz),7.50(1H,d,J=5.5Hz),7.57(1H,d,J=5.5Hz),7 .88(1H,d,J=9.5Hz),

 薬理試験1
 1)ドパミンD2受容体結合実験
 Kohlerらの方法(Kohler C, Hall H, Ogren SO and G awell L. Specific in vitro and in vivo binding of  3H-raclopride. A potent substituted benzamide drug wit h high affinity for dopamine D-2 receptors in the r at brain. Biochem. Pharmacol., 1985; 34: 2251-2259)に 従って、実験を行った。

 ウイスター系雄性ラットを断頭し、脳をす やかに取り出し、線条体を摘出した。組織 量の50倍量の50mMトリス(ヒドロキシメチル) ミノメタン(トリス)-塩酸緩衝液(pH:7.4)中で高 速回転刃によるホモジナイザーを用いてホモ ジナイズし、4℃、48,000×gで10分間遠心した。 得られた沈渣を再度組織重量の50倍量の上記 衝液で懸濁し、37℃で10分間インキュベーシ ョンした後、上記条件で遠心した。得られた 沈渣を組織重量の25倍量の50mMトリス-塩酸緩 液(120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl 2 、1mM MgCl 2 含有、pH:7.4)で懸濁し、これらを膜標本とし 結合実験に用いるまで-85℃で凍結保存した

 結合実験は、膜標本40μl、[ 3 H]-ラクロプライド20μl(最終濃度1-2nM)、試験化 合物20μl及び50mMトリス-塩酸緩衝液(120mMNaCl、5 mM KCl、2mM CaCl 2 、1mM MgCl 2 含有、pH:7.4)で全容量200μlにして行った(最終 メチルスルホキシド濃度1%)。反応は室温で1 時間行い、セルハーベスターを用い、グラス ファイバー製フィルタープレートに吸引濾過 することにより終了した。グラスファイバー 製フィルタープレートを50mMトリス-塩酸緩衝 (pH:7.4)で洗浄した後、乾燥後、マイクロプ ート液体シンチレーションカクテルを加え 、マイクロプレートシンチレーションカウ ターで放射活性を測定した。10μM(+)-塩酸ブ クラモール存在下での放射活性を非特異結 とした。IC 50 値は、濃度依存性反応から非線形解析プログ ラムを用いて算出した。Ki値は、Cheng-Prussoff を用いてIC 50 値から算出した。その結果、実施例3の化合 は0.1nMを示した。

 2)セロトニン5-HT2A受容体結合実験
 Leysen JEらの方法(Leysen JE, Niemegeers CJE, Van Nueten JM, and Laduron PM. [3H]Ketanserin (R 41 468 ), a selective 3H-ligand for serotonin 2 receptor bi nding sites. Mol. Pharmacol., 1982; 21: 301-314)に従 って、実験を行った。

 ウイスター系雄性ラットを断頭し、脳を みやかに取り出し、前頭皮質を摘出した。 織重量の10倍量の0.25Mショ糖中でテフロン( 録商標)ガラスホモジナイザーを用いてホモ ナイズし、4℃、1,000×gで10分間遠心した。 られた上清を別の遠心管に移し、沈渣を組 重量の5倍量の0.25Mショ糖で懸濁し、上記条 で遠心した。得られた上清を先に得られた 清と合わせ50mMトリス-塩酸緩衝液(pH:7.4)で組 重量の40倍量に調製し、4℃、35,000×gで10分 遠心した。得られた沈渣を再度組織重量の40 倍量の上記緩衝液で懸濁し、上記条件で遠心 した。得られた沈渣を組織重量の20倍量の上 緩衝液で懸濁し、これらを膜標本として結 実験に用いるまで-85℃で凍結保存した。

 結合実験は、膜標本40μl、[ 3 H]-ケタンセリン20μl(最終濃度1-3nM)、試験化合 物20μl及び50mMトリス-塩酸緩衝液(pH:7.4)で全容 量200μlにして行った(最終ジメチルスルホキ ド濃度1%)。反応は37℃で20分間行い、セルハ ベスターを用い、グラスファイバー製フィ タープレートに吸引濾過することにより終 した。

 グラスファイバー製フィルタープレート 50mMトリス-HCl緩衝液(pH:7.4)で洗浄した後、乾 燥後、マイクロプレート液体シンチレーショ ンカクテルを加えて、マイクロプレートシン チレーションカウンターで放射活性を測定し た。10μMスピペロン存在下での放射活性を非 異結合とした。

 IC 50 値は、濃度依存性反応から非線形解析プログ ラムを用いて算出した。Ki値は、Cheng-Prussoff を用いてIC 50 値から算出した。その結果、実施例3の化合 は1.9nMを示した。

 3)アドレナリンα1受容体結合実験
 Grob Gらの方法(Grob G, Hanft G, and Kolassa N. Urapidil and some analogues with hypotensive properti es show high affinities for 5-hydroxytryptamine (5-HT)  binding sites of the 5-HT1A subtype and for a1-adr enoceptor binding sites. Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pha rmacol, 1987; 336: 597-601)に従って、実験を行っ た。

 ウイスター系雄性ラットを断頭し、脳を みやかに取り出し、大脳皮質を摘出した。 織重量の20倍量の50mMトリス-塩酸緩衝液(100mM  NaCl、2mMエチレンジアミン四酢酸二水素二ナ トリウム含有、pH:7.4)中で高速回転刃による モジナイザーを用いてホモジナイズし、4℃ 80,000×gで20分間遠心した。得られた沈渣を 織重量の20倍量の上記緩衝液で懸濁し、37℃ 10分間インキュベーションした後、上記条 で遠心した。得られた沈渣を再度組織重量 20倍量の上記緩衝液で懸濁し、上記条件で遠 心した。得られた沈渣を組織重量の20倍量の5 0mMトリス-塩酸緩衝液(1mMエチレンジアミン四 酸二水素二ナトリウム含有、pH:7.4)で懸濁し 、これらを膜標本として結合実験に用いるま で-85℃で凍結保存した。

 結合実験は、膜標本40μl、[ 3 H]-プラゾシン20μl(最終濃度0.2-0.5nM)、試験化 物20μl及び50mMトリス-塩酸緩衝液(1mM EDTA含有 、pH:7.4)で全容量200μlにして行った(最終ジメ ルスルホキシド濃度1%)。反応は30℃で45分間 行い、セルハーベスターを用い、グラスファ イバー製フィルタープレートに吸引濾過する ことにより終了した。

 グラスファイバー製フィルタープレート 50mMトリス-塩酸緩衝液(pH:7.4)で洗浄した後、 乾燥後、マイクロプレート液体シンチレーシ ョンカクテルを加えて、マイクロプレートシ ンチレーションカウンターで放射活性を測定 した。10μM塩酸フェントールアミン存在下で 放射活性を非特異結合とした。

 IC 50 値は、濃度依存性反応から非線形解析プログ ラムを用いて算出した。Ki値は、Cheng-Prussoff を用いてIC 50 値から算出した。その結果、実施例3の化合 は0.3nMを示した。

 薬理試験2
ドパミンD2受容体発現細胞を用いたドパミンD 2受容体に対する部分作動性(パーシャルアゴ スト性)
 フォルスコリン刺激して環状アデノシン3',5 '-一リン酸(サイクリックAMP)産生を誘導した パミンD2受容体発現細胞において、測定化合 物のサイクリックAMP産生抑制作用を定量する ことによって、ドパミンD2受容体に対するパ シャルアゴニスト性を評価した。

 ヒト型ドパミンD2受容体発現チャイニーズ ムスター卵巣/DHFR(-)細胞を培地(イスコブ修 ダルベッコ培地(IMDM培地),10%牛胎仔血清,50I.U. /mlペニシリン,50μg/mlストレプトマイシン,200μ g/mlジェネティシン,0.1mMヒポキサンチンナト ウム,16μMチミジン)中、37℃、5%炭酸ガス条件 で培養した。ポリ-L-リジン塗布された96穴マ クロプレートに10 4 細胞/ウェルの細胞を播き、2日間同条件下で 養した。各ウェルを洗浄液100μl(IMDM培地,0.1m Mヒポキサンチンナトリウム,16μMチミジン)で 浄し、試験化合物3μMを溶解した試験化合物 添加培地50μl(IMDM培地,0.1%アスコルビン酸ナト リウム,0.1mMヒポキサンチンナトリウム,16μMチ ミジン)に置換した。37℃、5%炭酸ガス条件で2 0分静置した後、同試験化合物3μMを溶解した 験化合物添加フォルスコリン刺激培地100μl( IMDM培地,0.1%アスコルビン酸ナトリウム,0.1mMヒ ポキサンチンナトリウム,16μMチミジン,10μMフ ォルスコリン,500μM3-イソブチル-1-メチルキサ ンチン)に置換し、37℃、5%炭酸ガス条件で10 間静置した。培地を除去後、リシス(Lysis)1B 溶液200μl(アマシャムバイオサイエンスサイ リックAMPバイオトラックエンザイムイムノ ッセイシステム添付試薬)を分注し、約10分 振盪した。各ウェル中の水溶液を測定サン ルとした。4倍希釈した測定サンプルを上記 エンザイムイムノアッセイシステムを用いて サイクリックAMP量の測定を行った。試験化合 物を加えていないウェルのサイクリックAMP量 を100%として各試験化合物の抑制率を計算し 。この実験系において、対照薬として用い ドパミンは最大活性として、サイクリックAM P量を約10%まで抑制した。

 上記試験において、実施例3の化合物がド パミンD2受容体に対するパーシャルアゴニス 性を有していることを確認した。

 試験化合物がドパミンD2受容体に対する ーシャルアゴニスト性を有していることに り、統合失調症患者においてドパミン神経 達を正常な状態へ安定化させることができ その結果、副作用を発現することなく、例 ば陽性及び陰性症状改善作用、認知障害改 作用等の臨床改善作用を発現することがで る。