SAITOU KENICHI (JP)
WO2005115650A1 | 2005-12-08 |
JPH04319006A | 1992-11-10 | |||
JPH1081937A | 1998-03-31 | |||
JP2001096304A | 2001-04-10 | |||
JP2003053403A | 2003-02-26 | |||
JPH07124612A | 1995-05-16 | |||
JPH06262219A | 1994-09-20 | |||
JPH11285709A | 1999-10-19 |
Sugioka Miki 2 (JP)
ビレットの加熱工程、穿孔圧延工程および延伸圧延工程を含む高合金鋼継目無管の製造方法であって、穿孔圧延工程における主ロールの表面粗さR max を150~500μmの範囲に調整することを特徴とする高合金継目無鋼管の製造方法。 |
穿孔圧延工程における主ロールの開度W R およびガイドロールの開度W G の比(W G /W R )が1.10~1.20の範囲となるように穿孔することを特徴とする請求項1に記載の高合金継目無鋼管の製造方法。 |
穿孔時の被圧延材の表面温度が900~1250℃の範囲となるように加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の高合金継目無鋼管の製造方法。 |
穿孔圧延工程における主ロールの出口面とパスラインとがなす半角θ R および穿孔プラグの圧延面とパスラインとがなす半角θ P の差(θ P -θ R )が0~3.0°の範囲となるように穿孔することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の高合金継目無鋼管の製造方法。 |
普通鋼の継目無鋼管の穿孔に使用した主ロールを用いることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の高合金継目無鋼管の製造方法。 |
普通鋼の継目無鋼管の穿孔時のロール冷却水の流量を1000~1500l/分とすることを特徴とする請求項5に記載の高合金継目無鋼管の製造方法。 |
本発明は、高合金継目無鋼管の製造方法 係り、特に、外面疵が発生しない高合金鋼 目無鋼管の製造方法に関する。
継目無鋼管の製造方法としては、マンネ マン・ピルガミル・プロセス、マンネスマ ・プラグミル・プロセス、マンネスマン・ ンドレルミル・プロセスなどの方法が知ら ている。中でも、加熱したビレットをピア によって穿孔して中空素管を得た後、マン レルバーを挿入した中空素管をマンドレル ルで圧延するマンネスマン・マンドレルミ ・プロセスが多用されている。
継目無鋼管の製造方法に関する特許文献 、数多く存在する。穿孔圧延時の外面疵を 止する技術については、下記のものが開示 れている。
特許文献1には、質量%で、Cr:10.0~16.0%、Ni:1 .0~8.0%を含有するマルテンサイト系ステンレ 鋼片を加熱した際に、鋼片表面に生成する 化スケールの下層部が、金属片を含み、断 全体に対する空隙の面積率を20%以下とし、 つ厚さを150μm以下のものとして、穿孔する 明が開示されている。
特許文献2には、傾斜ロール式穿孔法によ って、クロム含有量が4.5質量%以上の難加工 外削素材からなる継目無管を製造する方法 開示されている。この方法では、素材長手 向25mm間における段差の極大値と極小値の差 最大値を素材の任意の10点で測定した場合 平均値(10点平均段差)が2.0mm以下である素材 使用される。
すなわち、上記特許文献1および2には、 孔圧延に供する素材自体を調整して外面疵 低減する技術が記載されている。
特許文献3には、穿孔圧延の主ロールの形状 を調整して外面疵を低減する技術が記載され ている。この技術は、パスライン周りに交互 に配置した一対のコーン型の主ロールと一対 のディスクロールとの間にパスラインに沿っ てプラグを配し、被圧延材を螺進移動させつ つ穿孔圧延して継目無金属管を得る方法に関 するものである。この方法では、前記ディス クロールを被圧延材のディスクロール摺動面 への回転進入側に位置する前記主ロール側へ 、パスラインに対してスキュー角δで前記主 ールの出口面角と非平行に傾斜配置させる そして、「θ 2 +2°<δ<9°」(θ 2 :前記主ロールの出口面角)及び「δ+θ 1 <12°」(θ 1 :前記主ロールの入口面角)を満足するように 記スキュー角δを設定し、拡管比を1.15以上 する。これらにより、外面疵の発生を防止 るものである。
特許文献4に記載の技術は、穿孔圧延時に 用いるディスクガイドロールとして、Cが0.2~0 .5重量%、Crが0.5~4重量%、Niが0.5~4重量%、残部Fe および不可避的元素よりなる低合金鋼を採用 し、その表層に50~500μmの熱処理スケール層を 有するものを用いることで、外面疵の発生を 防止するものである。
特許文献5には、継目無鋼管の傾斜穿孔ま たは傾斜圧延に用いられるガイドシューに関 する技術が開示されている。この技術では、 ガイドシューをその厚さ方向に本体部と底部 に2分割し、本体部と底部との間にセラミッ スあるいはサーメット材によって構成され 複数の球形状工具を嵌合し、該球形状工具 一部をガイドシュー表面のその直径が該球 状工具の直径より小さい空孔から突出させ ことにより、外面疵の発生を防止するもの ある。
前述のように、従来技術においては、被 延材の表面状態の調整、穿孔圧延の主ロー の形状変更、ガイドシューの表面処理、デ スクガイドロールの材質調整などの方法に り、継目無鋼管の外面疵を防止する技術が 示されているが、いずれも、主ロールの表 粗さに注目したものではない。
しかし、高合金鋼を穿孔圧延する場合に 被圧延材の噛出しが生じやすく、上記の対 では不十分な場合があった。
本発明は、上記の課題を解決するために された発明であり、外面疵が発生しない高 金継目無鋼管の製造方法を提供することを 的とする。
図1は、高合金継目無鋼管における噛み出 しの発生状況を説明する図である。図1に示 ように、被圧延材4は、プラグ1によって穿孔 されつつ、主ロール2およびガイドロール3に って外径が規制されつつ、圧延される。穿 圧延時に図1中のBで示す箇所に噛み出しが 生すると、外面疵に発展する。
本発明者は、まず、高合金継目無鋼管の外 疵に発展しやすい噛出し状況を噛出し比(被 圧延材の噛出し部の外径/主ロールの開度)に って表した場合に、噛出し比が外面疵との で相関関係があることを突き止めた。即ち 本発明者の研究により、噛出し比を1.10未満 に調整すれば、継目無鋼管の外面疵を飛躍的 に低減することができることが判明したので ある。なお、「被圧延材の噛出し部の外径」 とは図1のAで示す長さを意味し、「主ロール 開度」とは図1のW R で示す長さを意味する。
本発明者は、更に、各種穿孔圧延条件によ 噛出し比への影響を詳細に調査したところ ピアサの主ロールの表面粗さR max の影響が最も大きく、その他、ピアサの主ロ ールの開度W R およびガイドロールの開度W G の比(W G /W R )、穿孔時の被圧延材の表面温度、ならびに ピアサの主ロールの出口面とパスラインと なす半角θ R および穿孔プラグの圧延面とパスラインとが なす半角θ P の差(θ P -θ R )についても影響を及ぼすことを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされ ものであり、下記の(1)~(6)に示す高合金継目 無鋼管の製造方法を要旨とする。
(1)ビレットの加熱工程、穿孔圧延工程およ 延伸圧延工程を含む高合金鋼継目無管の製 方法であって、穿孔圧延工程における主ロ ルの表面粗さR max を150~500μmの範囲に調整することを特徴とす 高合金継目無鋼管の製造方法。
(2)穿孔圧延工程における主ロールの開度W R およびガイドロールの開度W G の比(W G /W R )が1.10~1.20の範囲となるように穿孔すること 特徴とする上記(1)に記載の高合金継目無鋼 の製造方法。
(3)穿孔時の被圧延材の表面温度が900~1250 の範囲となるように加熱することを特徴と る上記(1)および(2)に記載の高合金継目無鋼 の製造方法。
(4)穿孔圧延工程における主ロールの出口面 パスラインとがなす半角θ R および穿孔プラグの圧延面とパスラインとが なす半角θ P の差(θ P -θ R )が0~3.0°の範囲となるように穿孔することを 徴とする上記(1)から(3)までのいずれかに記 の高合金継目無鋼管の製造方法。
(5)普通鋼の継目無鋼管の穿孔に使用した ロールを用いることを特徴とする上記(1)か (4)までのいずれかに記載の高合金継目無鋼 の製造方法。
(6)普通鋼の継目無鋼管の穿孔時のロール 却水の流量を1000~1500l/分とすることを特徴 する上記(5)に記載の高合金継目無鋼管の製 方法。
本発明によれば、高合金継目無鋼管の穿 時に発生する噛出しを防止することができ ので、継目無鋼管の外面疵の発生を防止す ことができる。
1 プラグ
2 主ロール
3 ガイドロール
4 被圧延材
本発明では、例えば、加熱炉によって加 したビレットをピアサで穿孔し、中空素管 得た後、この中空素管をマンドレルミルな によって延伸圧延し、必要に応じて更にサ ザーなどによって定径圧延を実施して高合 鋼の継目無管が製造される。
ここで、本発明に係る高合金継目無鋼管の 造方法においては、穿孔圧延に用いられる アサの主ロールとして、その表面粗さR max を150~500μmの範囲に調整したものを用いる必 がある。その表面粗さR max が150μm未満とあまりに平滑な場合、選考時の ロールのグリップ力が不十分となり、被圧延 材の噛み出しが顕著となる。一方、その表面 粗さR max が500μmを超える場合、被圧延材にロールに起 因する疵が発生する。従って、本発明におけ る穿孔圧延工程は、主ロールの表面粗さR max を150~500μmの範囲に調整することとした。
上記の表面粗さの範囲を満足する主ロー としては、普通鋼の継目無鋼管の穿孔に使 した主ロールを用いるのがよい。普通鋼の 延回数には制限はないが、3000~4000本程度の 延に供したロールを用いるのがよい。特に 普通鋼の継目無鋼管の穿孔時ロール冷却水 減量するのがよい。これにより、効率的に ロールの表面粗さを上記範囲とすることが きる。通常、普通鋼の継目無鋼管の穿孔時 ロール冷却水の流量は、2000~2500l/分程度で るが、流量を1000~1500l/分とするのがよい。こ れにより、ロール表面粗さを上記範囲に調整 するために必要な圧延本数を少なくすること ができる。
ピアサの主ロールの開度W R およびガイドロールの開度W G の比(W G /W R )は、1.10~1.20の範囲となるように穿孔するの 望ましい。この比(W G /W R )が1.10未満の場合には噛み込み不良が発生し 1.20を超える場合には噛み出しが発生し、外 面疵を発生させるおそれがあるからである。
穿孔時の被圧延材の表面温度としては、9 00~1250℃の範囲内とするのが望ましい。穿孔 度が900℃未満の場合、穿孔圧延に供される 圧延材の変形抵抗が上昇し、噛み出しが発 するおそれがあり、穿孔温度が1250℃を超え 場合、被圧延材が溶融し、中疵が発生する 能性があるからである。
ピアサの主ロールの出口面とパスラインと なす半角θ R および穿孔プラグの圧延面とパスラインとが なす半角θ P の差(θ P -θ R )は、0~3.0°の範囲となるように穿孔するのが ましい。この差(θ P -θ R )が0°未満では穿孔できず、3.0°を超えると、 噛み出しが発生し、外面疵が発生するおそれ があるからである。なお、ピアサの主ロール の出口面とパスラインとがなす半角θ R および穿孔プラグの圧延面とパスラインとが なす半角θ P は、それぞれ図2に示す半角θ R および半角θ P である。
本発明の効果を確認するべく以下の実験を った。即ち、13%Cr鋼(SUS403)を鋳造して得た外 径225mm、長さ3,000mmのビレットを、1200℃に加 した後、表面粗さR max が異なる各種の主ロール(ロール径は1,200mm)を 用いて穿孔し、外径228mm、肉厚18.75mmのピアス ドシェルを製造した。主ロール表面粗さは、 事前に実施した普通鋼(S25C)の圧延本数によっ て調整した。その結果を、図3に示す。
図3に示すように、噛出し比は、主ロールの 表面粗さR max が50μm程度では、噛出し比(被圧延材の噛出し 部の外径/主ロールの開度)が1.15を超え、外面 疵に発展しやすい状況であった。しかし、主 ロールの表面粗さR max が大きくなると、噛出し比が小さくなってい き、150μm以上の場合に噛出し比が1.10以下と った。
本発明者は、表面粗さR max を175μmに調整した主ロールを用いて実際の穿 孔圧延工程を操業したところ、管理前、6.2% あった外面疵発生率を3.0%にまで低減するこ ができた。
次に、普通鋼の圧延によって主ロールの 面粗さを調整する方法について検討した。 の結果を図4に示す。
図4に示すように、普通鋼の圧延本数を増や していくと、主ロールの表面粗さR max が上昇する。そして、3000本以上の普通鋼を 延すると主ロールの表面粗さR max を150μm以上とすることができる。また、普通 鋼の圧延時の冷却水を低減すると、更に、主 ロールの表面粗さ調整の効率が上昇する。な お、通常の冷却水の例(図4中の□)では2500l/分 程度とし、冷却水を低減した例(図4中の○)で は流量を1500l/分とした。
次に、本発明者は、穿孔圧延工程における ロールの開度W R およびガイドロールの開度W G の比(W G /W R )と、噛出し比との関係を調査した。この実 では、普通鋼を圧延することにより表面粗 R max を175μmに調整した主ロールを用い、比(W G /W R )を種々変えて、前掲の13%Cr鋼を穿孔圧延する 実験を行った。その他の条件は、前掲の実施 例1と同様とした。その結果を図5に示す。図5 に示すように、比(W G /W R )が1.20を超える場合には、噛出し比が大きく り、外面疵を発生させやすい状況となった 比(W G /W R )が小さくなると、噛み込み量が増大し、噛 込み不良が発生しやすい状況となるが、1.10 上であれば、問題なく実施することができ 。
本発明者は、表面粗さR max を175μmに調整した主ロールを用い、更に、比 (W G /W R )を1.15に調整して実際の穿孔圧延工程を操業 たところ、外面疵発生率を2.0%にまで低減す ることができた。
次に、本発明者らは、穿孔圧延工程におけ 主ロールの出口面とパスラインとがなす半 θ R および穿孔プラグの圧延面とパスラインとが なす半角θ P の差(θ P -θ R )と、噛出し比との関係を調査した。この実 では、普通鋼を圧延することにより表面粗 R max を175μmに調整した主ロールを用い、比(W G /W R )は1.15に調整し、差(θ P -θ R )を種々調整して、前掲の13%Cr鋼を穿孔圧延す る実験を行った。その他の条件は、前掲の実 施例1と同様とした。その結果を図6に示す。
図6に示すように、差(θ P -θ R )が上昇すると、噛出し比も上昇し、3.0°を超 えると、噛出し比が1.10を超え、噛み出し不 が発生しやすい状況となった。
本発明者は、表面粗さR max を175μmに調整した主ロールを用い、更に、比 (W G /W R )を1.15に調整し、差(θ P -θ R )を2.0°に調整して実際の穿孔圧延工程を操業 したところ、外面疵発生率を1.5%にまで低減 ることができた。
本発明によれば、高合金継目無鋼管の穿孔
に発生する噛出しを防止することができる
で、継目無鋼管の外面疵の発生を防止する
とができる。
Next Patent: LIGHT EMITTING DEVICE, AND METHOD AND APPARATUS FOR MANUFACTURING SAME