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Patent Searching and Data


Title:
HIGH FREQUENCY PART
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/088040
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a high-frequency part having a high-frequency band whose transmission characteristic is not degraded even if impedance inconformity is caused by arranging a SAW filter in a low-frequency band circuit. The high-frequency part includes: a diplexer (1) having a high-pass filter (102) and a low-pass filter (101) connected in parallel to an antenna port; a high-frequency band circuit longitudinally connected to the high-pass filter (102); and low-frequency band circuit longitudinally connected to the low-pass filter (101). The low-frequency band circuit is connected to a filter which causes impedance inconformity. The low-pass filter (101) has a line (Lt1) and constitutes a parallel resonance circuit (101A) including the line (Lt1) and a series circuit (101B) including the line (Lt1). The resonance frequency of the parallel resonance circuit (101A) is a trap frequency of a transmission/reception signal of the high-frequency band. The resonance frequency by all the elements of the low-pas filter (101) is a trap frequency of unnecessary resonance generated in the high-frequency band side.

Inventors:
UEJIMA TAKANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050603
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
UEJIMA TAKANORI (JP)
International Classes:
H04B1/50; H01P1/15; H03H7/075; H03H7/46
Domestic Patent References:
WO2006059294A12006-06-08
Foreign References:
JP2006148975A2006-06-08
JP2004364051A2004-12-24
JP2003209454A2003-07-25
US20040116098A12004-06-17
EP1303055A12003-04-16
EP1311063A22003-05-14
Other References:
See also references of EP 2003788A4
Attorney, Agent or Firm:
KOMORI, Hisao (Noninbashi Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 11, JP)
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Claims:
 それぞれの周波数帯が異なる複数の通信系の送受信信号のうち、高周波数帯の送受信信号を通過させ低周波数帯の送受信信号を減衰させる高周波数帯側フィルタと、前記複数の通信系の送受信信号のうち、前記低周波数帯の送受信信号を通過させ前記高周波数帯の送受信信号を減衰させる低周波数帯側フィルタと、をアンテナポートに並列に接続したダイプレクサと、
 前記ダイプレクサの前記高周波数帯側フィルタに縦続接続した高周波数帯回路と、
 前記ダイプレクサの前記低周波数帯側フィルタに縦続接続した低周波数帯回路と、を備える高周波部品において、
 前記低周波数帯側フィルタは、
 前記アンテナポートと前記低周波数帯回路との間に接続されたインダクタを備え、前記インダクタと第1のキャパシタとを含む並列回路と、前記インダクタと第2のキャパシタとを含む直列回路と、を構成したものであり、
 前記直列回路および前記並列回路により、前記低周波数帯側フィルタの通過特性を設定し、
 前記低周波数帯側フィルタの全素子による共振周波数を、前記高周波数帯側フィルタの周波数特性における所定の減衰極の周波数と略等しくしたことを特徴とする高周波部品。
 前記低周波数帯側フィルタの全素子による共振周波数を、前記高周波数帯側フィルタの周波数特性における高周波数帯の送受信信号のトラップ周波数と等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の高周波部品。
 前記低高周波数帯回路は、インピーダンスの不整合を生じさせる不整合素子を備えたものである請求項1または2のいずれかに記載の高周波部品。
 前記不整合素子はフィルタである請求項3に記載の高周波部品。
 前記低周波数帯回路は、前記低周波数帯の送受信信号を送信信号ポートと受信信号ポートとに分離するスイッチ回路と、このスイッチ回路の受信信号ポート側に接続されたSAWフィルタと、を備える請求項1~4のいずれかに記載の高周波部品。
 前記低周波数帯回路は、前記低周波数帯の送受信信号を送信信号ポートと受信信号ポートとに分離する第1のスイッチ回路と、この第1のスイッチ回路の受信信号ポート側に接続され、前記低周波数帯の受信信号をさらに2つの周波数帯の受信信号に分離する第2のスイッチ回路と、この第2のスイッチ回路の後段に接続されたSAWフィルタと、を備える請求項1~4のいずれかに記載の高周波部品。
Description:
高周波部品

 この発明は、複数の異なる移動体通信シ テムに利用可能な高周波部品に関する。

 それぞれの周波数帯が異なる複数の通信 ステム、例えば、1800MHz帯のGSM1800(DCS)、1900MH z帯のGSM1900(PCS)、850MHz帯のGSM850、および900MHz のGSM900(EGSM)での通信が可能な移動体通信装 が提供されている。

 このような移動体通信装置には、4つの通信 系に適応するクワッドバンドや、3つの通信 に適応するトリプルバンド、2つの通信系に 応するデュアルバンドなど、マルチバンド 対応して送受信信号の分波や合波を行うフ ントエンド部が利用されている。(例えば, 許文献1参照。)
 一般に、このようなマルチバンドに対応す 移動体通信装置のフロントエンド部はモジ ール化されていて、アンテナポートに接続 たダイプレクサと、ダイプレクサの後段に 続される複数のスイッチ回路とを含んで構 される。

 例えばデュアルバンド対応の移動体通信 置のフロントエンド部では、ダイプレクサ よりEGSM系(GSM900系やGSM850系)などの低周波数 の送受信信号と、DCS系やPCS系などの高周波 帯の送受信信号とを分波・合波する。そし 、ダイプレクサ後段の低周波数帯回路で、E GSM系のスイッチ回路によりEGSM系の送信信号 受信信号とを切り替える。同様にダイプレ サ後段の高周波数帯回路でスイッチ回路に りDCS系(PCS系)の送信信号と受信信号を切り替 える。

 また、トリプルバンド対応やクアッドバ ド対応の移動体通信装置のフロントエンド では、例えば上記のスイッチ回路の後段に らにスイッチ回路を接続し、GSM850系の受信 号とGSM900系の受信信号とを切り替えたり、D CS系の受信信号とPCS系の受信信号とを切り替 たりする。

 このようなフロントエンド部では各通信 の受信経路に、受信信号帯のみを通過させ 不要な周波数帯の信号を除去するとともに 信信号を増幅する不平衡入力平衡出力型のS AWフィルタが設けられることがある。SAWフィ タは送信経路から受信経路への信号の回り みによる受信経路側の回路の障害を防ぐも である。

 また、ダイプレクサの一般的な回路構成 、高周波数帯側フィルタと低周波数帯側フ ルタとをアンテナポートに並列に接続した のである。

 高周波数帯側フィルタは、アンテナポー に縦続接続された複数のコンデンサと、そ らコンデンサ間に一端が接続され他端が接 される直列共振回路とから構成されること あり、それらの構成素子それぞれのインピ ダンスは、低周波数帯の送受信信号を減衰 高周波数帯の送受信信号を通過するように 定される。

 この高周波数帯側フィルタの直列共振回 は、遮断特性における低周波数帯の送受信 号が高周波数帯側に回り込むことを防ぐ減 極を急峻化するため、低周波数帯の送受信 号のトラップ周波数(例えば、低周波数帯の 通信系の規格中心周波数と等しい共振周波数 )となるように各構成素子のインピーダンス 設定される。

 一方、低周波数帯側フィルタは、アンテ ポートに接続された線路とこの線路に並列 接続されたコンデンサとからなる並列共振 路を含んで構成される。各構成素子は、高 波数帯の送受信信号を減衰し低周波数帯の 受信信号を通過するように、それぞれのイ ピーダンスが設定される。

 この低周波数帯側フィルタの並列共振回路 、通過特性における高周波数帯の送受信信 が低周波数帯側に回り込むことを防ぐ減衰 を急峻化するため、高周波数帯の送受信信 のトラップ周波数(例えば、通信系の規格中 心周波数と等しい共振周波数)となるように 構成素子のインピーダンスが設定される。

特開2004-94410号公報

 各通信系の受信経路にSAWフィルタを設け 場合、SAWフィルタの通過帯域外の周波数に いてはインピーダンスが50ωではないため、 SAWフィルタの接続部分では、インピーダンス の整合がとれなくなる。したがって、インピ ーダンスの整合のためにフロントエンド部に 位相調整回路を設けたり、ダイプレクサに設 けるフィルタを多段化したりする必要があり 、回路構成が複雑化して部品点数が増えモジ ュールが大きくなるといった問題があった。

 仮に、インピーダンスの整合をとらない ま高周波数帯または低周波数帯の通信系の 信経路にSAWフィルタを設ける場合、一方の 信系の周波数帯の通過特性および他方の通 系の周波数帯における遮断特性が悪くなる

 本願発明者は、低周波数帯回路でインピ ダンス不整合が生じると、低周波数帯側フ ルタ(ローパスフィルタ)の全構成素子によ 共振が生じて、高周波数帯側の遮断特性に 響を及ぼし、何ら対策を施さなければ高周 数帯側の遮断帯域特性に不要な減衰極が現 てしまうことに着目し本発明に至った。

 本発明は、低周波数帯回路にSAWフィルタ 設ける場合のインピーダンスの不整合に着 し、このようなインピーダンスの不整合が っても低周波数帯の通過特性および高周波 帯の遮断特性が劣化しない簡易な構成の高 波部品を提供することを目的とする。

 上述の問題を解決するためにこの発明は のように構成する。

 高周波部品は、ダイプレクサと高周波数帯 路と低周波数帯回路とを備える。
 ダイプレクサは、高周波数帯側フィルタと 周波数帯側フィルタと、をアンテナポート 並列に接続したものである。低周波数帯側 ィルタは、低周波数帯の送受信信号を通過 せ高周波数帯の送受信信号を減衰させる。 周波数帯側フィルタは、高周波数帯の送受 信号を通過させ低周波数帯の送受信信号を 衰させる。ダイプレクサの高周波数帯側フ ルタには高周波数帯回路を縦続接続し、ダ プレクサの低周波数帯側フィルタには低周 数帯回路を縦続接続する。低周波数帯側フ ルタはアンテナポートと低周波数帯回路と 間に接続されたインダクタを備え、インダ タと第1のキャパシタとを含む並列回路と、 インダクタと第2のキャパシタとを含む直列 路と、を構成している。
 また、直列回路と並列回路とにより、低周 数帯の周波数特性における通過特性を設定 る。そして、低周波数帯側フィルタの全素 による共振周波数を、高周波数帯側フィル の周波数特性における所定の減衰極の周波 と等しくする。

 この構成では、低周波数帯側フィルタの 素子による共振周波数を調整して設定する とで、高周波数帯側フィルタの周波数特性 おける所定の減衰極の周波数に、低周波数 側フィルタの全素子の影響による不要な減 極の周波数が等しくなるようにする。これ より、不要な減衰極が高周波数側の通過特 に現れることが無くなる。したがって、一 的な構成のままで、例えば位相調整回路や 段のハイパスフィルタなどを必要としない 成で、低周波数帯回路にインピーダンスの 整合があっても、高周波数帯の遮断特性を 望のものにできる。

 ここで、所定の減衰極の周波数とは、高 波数帯の通過特性における低周波数帯の送 信信号のトラップ周波数であってもよい。

 また、低周波数帯回路は、インピーダン の不整合を生じさせる不整合素子を備えて よく、不整合素子をフィルタとしてもよい 不整合素子をフィルタとする場合には、上 した不要な共振の共振周波数をフィルタの 過帯域外になるようにすると好適である。

 また、低周波数帯回路には、低周波数帯 送受信信号を送信信号ポートと受信信号ポ トとに分離するスイッチ回路と、このスイ チ回路の受信信号ポート側に接続されたSAW ィルタとを設けてもよい。他にも、低周波 帯の送受信信号を送信信号ポートと受信信 ポートとに分離する第1のスイッチ回路と、 この第1のスイッチ回路の受信信号ポート側 接続され、低周波数帯の受信信号をさらに2 の周波数帯の受信信号に分離する第2のスイ ッチ回路と、この第2のスイッチ回路の後段 接続されたSAWフィルタと、を設けてもよい

 したがって、本発明では、マルチバンド 対応する高周波部品を構成できる。

 本発明によれば、低周波数帯の受信経路 おけるインピーダンスが整合していなくて 、高周波数帯側の遮断特性から不要な減衰 を無くすことができる。

実施形態のデュアルバンド対応の高周 部品のブロック図である。 実施形態のダイプレクサの回路図であ 。 高周波数帯側フィルタの通過特性を説 する図である。 実施形態のスイッチ回路の回路図であ 。 実施形態のLCフィルタの回路図である 実施形態の高周波部品の積み図である 実施形態の高周波部品の積み図である 実施形態の高周波部品の積み図である 実施形態の高周波部品の積み図である 他の実施形態のデュアルバンド対応の 高周波部品のブロック図である。 他の実施形態のクワッドバンド対応の 高周波部品のブロック図である。

符号の説明

1…ダイプレクサ
2,3,11,14…スイッチ回路
4,6…LCフィルタ
5,7,12,13,15,16…SAWフィルタ
10,110,210…高周波部品
101…ローパスフィルタ
101A…並列共振回路
101B…直列回路
102…ハイパスフィルタ
102A…直列共振回路
Tx…送信回路
Rx…受信回路

 ここで、本発明の第1の実施形態を、900MHz 帯のEGSMと1.8GHz帯のDCSとのデュアルバンド対 の移動体通信装置のフロントエンド部を構 する高周波部品として説明する。高周波部 のブロック図を図1に、高周波部品を構成す ダイプレクサの回路図を図2に示す。

 高周波部品10は、各構成素子を多層基板 一体に設けたモジュールである。

 高周波部品10は、ダイプレクサ1、スイッ 回路2,スイッチ回路3、LCフィルタ4、SAWフィ タ5、LCフィルタ6、SAWフィルタ7それぞれを える。

 ダイプレクサ1の第1ポートP1A、LCフィルタ 4の第2ポートP4B、SAWフィルタ5の第2ポートP5B LCフィルタ6の第2ポートP6B、SAWフィルタ7の第 2ポートP7B、はそれぞれ外部接続端子である

 ダイプレクサ1の第1ポートP1Aはアンテナ ートであり、整合用のコンデンサを介して ンテナANTに接続される。また、LCフィルタ4 第2ポートP4Bは、整合用のコンデンサを介し 低周波数帯の送信回路Tx(EGSM)に接続される SAWフィルタ5の第2ポートP5B(平衡端子)は、平 端子間に整合用のリアクタンス素子が挿入 れ、低周波数帯の受信回路Rx(EGSM)に接続さ る。また、LCフィルタ6の第2ポートP6Bは、整 用のコンデンサを介して高周波数帯の送信 路Tx(DCS)に接続される。SAWフィルタ7の第2ポ トP7B(平衡端子)は、平衡端子間に整合用の アクタンス素子が挿入され、高周波数帯の 信回路Rx(DCS)に接続される。

 この高周波部品10は、スイッチ回路2とLC ィルタ4とSAWフィルタ5とで、低周波数帯(EGSM) のフロントエンド部である低周波数帯回路を 構成している。また、スイッチ回路3とLCフィ ルタ6とSAWフィルタ7とで、高周波数帯(DCS)の ロントエンド部である高周波数帯回路を構 している。

 ダイプレクサ1の第2ポートP1Bにはスイッ 回路2の第1ポートP2Aを、ダイプレクサ1の第3 ートP1Cにはスイッチ回路3の第1ポートP3Aを れぞれ接続している。スイッチ回路2の第2ポ ートP2BにはLCフィルタ4の第1ポートP4Aを、ス ッチ回路2の第3ポートP2CにはSAWフィルタ5の 1ポートP5Aをそれぞれ接続している。スイッ 回路3の第2ポートP3Bには、LCフィルタ6の第1 ートP6Aを、スイッチ回路3の第3ポートP3Cに SAWフィルタ7の第1ポートP7Aをそれぞれ接続し ている。

 ダイプレクサ1はアンテナ信号からDCS系の 送受信信号とEGSM系の送受信信号とを分離す 。スイッチ回路2はEGSM系の送受信信号から、 EGSM系の送信信号とEGSM系の受信信号とを分離 る。スイッチ回路3は、DCS系の送受信信号か ら、DCS系の送信信号とDCS系の受信信号とを分 離する。LCフィルタ4は、EGSM系の送信信号の 域のみを通過し、EGSM系の受信信号が低周波 帯の送信回路Tx(EGSM)に回り込むことを無く ている。SAWフィルタ5は、EGSM系の受信信号の 帯域のみを通過し、EGSM系の送信信号が低周 数帯の受信回路Rx(EGSM)に回り込むことを無く している。LCフィルタ6は、DCS系の送信信号の 帯域のみを通過し、DCS系の受信信号が高周波 数帯の送信回路Tx(DCS)に回り込むことを無く ている。SAWフィルタ7は、DCS系の受信信号の 域のみを通過し、DCS系の送信信号が高周波 帯の受信回路Rx(DCS)に回り込むことを無くし ている。

 図2は、ダイプレクサ1の回路図である。 イプレクサ1は、第1ポートP1A、第2ポートP1B 第3ポートP1C、線路Lt1,Lt2、及びコンデンサCc1 ,Cc2,Ct2,Ct1,Cu1を備える。

 ダイプレクサ1の第1ポートP1Aと第2ポートP 1Bとの間には、線路Lt1とコンデンサCt1とから る並列回路を接続し、その並列回路の第2ポ ートP1B側を、コンデンサCu1を介して接地して いる。これら線路Lt1とコンデンサCt1とコンデ ンサCu1とが低周波数帯側フィルタであるロー パスフィルタ101を構成している。線路Lt1とコ ンデンサCt1とからなる並列回路は並列共振回 路101Aを構成し、線路Lt1とコンデンサCu1とか なる直列回路101Bを構成している。第2ポート P1Bの後段には低周波数帯回路を接続している 。

 ダイプレクサ1の第1ポートP1Aと第3ポートP 1Cとの間には、コンデンサCc1,Cc2を直列接続し 、それらの接続点を線路Lt2及びコンデンサCt2 を介して接地している。これらコンデンサCc1 ,Cc2,Ct2と線路Lt2とが高周波数帯側フィルタで るハイパスフィルタ102を構成している。線 Lt2とコンデンサCt2とからなる直列回路が直 共振回路102Aを構成している。第3ポートP1C 後段には高周波数帯回路を接続している。

 ローパスフィルタ101は、DCS系の送受信信 を減衰させ、EGSM系の送受信信号を通過させ るように、各構成素子のインピーダンスが調 整されている。特に並列共振回路101Aは、DCS の規格中心周波数である1.9GHz付近の減衰極 急峻にするように、その共振周波数が設定 れる。したがって、線路Lt1のインピーダン (インダクタンス値)とコンデンサCt1のインピ ーダンス(キャパシタンス値)とコンデンサCu1 インピーダンス(キャパシタンス値)とが調 のうえ設計されている。

 ハイパスフィルタ102は、EGSM系の送受信信 号を減衰させ、DCS系の送受信信号を通過させ るように、各構成素子のインピーダンスが調 整されている。特に直列共振回路102Aは、EGSM の規格中心周波数である900MHz付近に減衰極 位置して900MHz付近で立ち下がるように、そ 共振周波数が設定される。したがって、線 Lt2のインダクタンス値とコンデンサCt2のキ パスタンス値とが調整のうえ設計されてい 。

 この高周波部品10で使用するSAWフィルタ5 、通過帯域以外の周波数においてインピー ンスの整合がとられていない。すると、通 帯域以外の周波数においてSAWフィルタ5の接 続部で信号の反射が生じ、低周波数帯側フィ ルタにおいて新規な共振が現れる。具体的に は、ローパスフィルタ101の3つの素子、すな ち線路Lt1とコンデンサCt1とコンデンサCu1と インピーダンスに従った共振周波数での共 が現れるようになる。

 この共振は、何の対策も講じなければ高 波数帯側の通過特性に悪影響を及ぼし、高 波数帯側の通過特性に不要な減衰極を生じ せる。そこで、本発明ではこの新規な共振 よる高周波数帯側の通過特性の減衰極が、 周波数帯の通過特性における所定の減衰極 周波数、ここではEGSM系の規格中心周波数付 近になるように調整のうえ設計する。

 ここで、ダイプレクサのアンテナポートP 1Aと第2ポートP1Bとの間の通過特性について、 図3を参照して説明する。図3は比較例と本発 の例とを含む通過特性の例である。

 同図(A)は、低周波数帯側にSAWフィルタ5を 設けないで、SAWフィルタ5の接続点を回路の 性インピーダンスと同じ50ωで終端した場合 比較例である。ここでの説明では、ほぼ理 的な遮断特性としてあつかう。

 この場合、ハイパスフィルタ102は、低周 数帯の規格中心周波数である900MHz付近に減 極f1が位置し、減衰極f1よりも高周波数側が 通過帯域となる。この減衰極f1はハイパスフ ルタ102の直列共振回路102Aの共振周波数によ り設定されている。

 同図(B)は、低周波数帯回路に、その通過 域外でインピーダンス不整合が大きいSAWフ ルタ5を設けた場合であって本発明を採用し ない構成での、劣化した遮断特性を示す比較 例である。

 この場合も、低周波数帯の規格中心周波 である900MHz付近に減衰極f1が位置して減衰 るように設定されている。ここで、低周波 帯回路に、その通過帯域以外の周波数にお てインピーダンスの整合がとられていないSA Wフィルタ5が設けられているので、SAWフィル 5の接続部で信号の反射が生じ、ローパスフ ィルタ101において全素子による新規な共振が 生じる。

 この新規な共振により、高周波数帯側の 断特性には不要な減衰極f2が現れて減衰特 が悪化してしまう。図示する例では、周波 0.4GHz付近に不要な減衰極f2が現れている。

 同図(C)は、本発明を採用した構成、すな ち低周波数帯回路に、その通過帯域以外の 波数においてインピーダンスの整合がとら ていないSAWフィルタ5を設けて通過帯域以外 が50ωで終端されていない場合であってロー スフィルタ101の全素子による共振の周波数 適切に設定することにより、改善された高 波数帯側での遮断特性を示す比較例である

 この場合、新規な共振により高周波数帯 の遮断特性に生じる不要な減衰極f2は、900MH z付近に位置して、ハイパスフィルタ102の所 の減衰極f1とほぼ重なるように設定されてい る。このようにして、インピーダンスの不整 合によって、高周波数帯側の遮断特性に生じ る不要な減衰極をなくしている。

 なお、ここでは、高周波数帯側の遮断特 には、低周波数帯の規格中心周波数に所定 減衰極が設定されているため、ローパスフ ルタ101の全素子による共振の設定を上記の おりとしたが、高周波数帯側の遮断特性に の所定減衰極が設定されている場合には、 記不要な減衰極をその所定減衰極に合わせ もよい。

 また、この周波数がSAWフィルタ5の通過帯 域内におさまる場合には、そもそもSAWフィル タの通過帯域での特性インピーダンスが50ω 近となり、ローパスフィルタ101の全素子に る共振が現れることがない。したがって、 の場合には、ローパスフィルタ101の全素子 よる共振の周波数をSAWフィルタ5の通過帯域 らずらすように適宜設定すると好適である

 以下、本実施形態のスイッチ回路2,3およ LCフィルタ4,6の構成について説明する。

 図4(A)は、スイッチ回路2の回路図である スイッチ回路2は低周波数帯の送受信信号を 信信号と受信信号とに切り替える。

 スイッチ回路2は、第1ポートP2A、第2ポー P2B、第3ポートP2C、スイッチ制御端子VG、ダ オードGD1,GD2、インダクタGSL1、線路GSL2、コ デンサGC5,GCu3、及び抵抗Rgを備える。

 第1ポートP2Aと第2ポートP2Bとの間にアノ ドが第1ポートP2A側になるようにダイオードG D1を接続する。また、ダイオードGD1の第2ポー トP2B側、すなわちカソードは、チョークコイ ルであるインダクタGSL1を介して接地する。

 また、第1ポートP2Aと第3ポートP2Cとの間 線路GSL2を接続し、線路GSL2の第3ポートP2C側 、ダイオードGD2のカソードを接続する。ま 、線路GSL2の第3ポートP2C側はさらにコンデン サGCu3を介して接地している。ダイオードGD2 アノードはコンデンサGC5を介して接地し、 イオードGD2のアノードとコンデンサGC5との 続点には抵抗Rgを介してスイッチ制御端子VG 設けている。

 図4(B)は、スイッチ回路3の回路図である スイッチ回路3は、高周波数帯の送受信信号 送信信号と受信信号とで切り替える。

 スイッチ回路3は、第1ポートP3A、第2ポー P3B、第3ポートP3C、スイッチ制御端子VD、ダ オードDD1,DD2、インダクタDSLt,DSL1、線路DSL2 コンデンサDCt1,C,DC5、及び抵抗Rdを備える。

 そして、第1ポートP3Aと第2ポートP3Bとの に、カソードが第1ポートP3A側になるように イオードDD1を接続する。また、ダイオードD D1にはインダクタDSLt及びコンデンサDCt1から る直列回路を並列接続する。さらに、ダイ ードDD1の第2ポートP3B側、すなわちアノード チョークコイルであるインダクタDSL1とコン デンサCを介して接地し、インダクタDSL1とコ デンサCの接続点にはスイッチ制御端子VDを ける。

 また、第1ポートP3Aと第3ポートP3Cとの間 線路DSL2を接続し、線路DSL2の第3ポートP3C側 ダイオードDD2のアノードを接続し、ダイオ ドDD2のカソードを、コンデンサDC5を介して 地する。また、ダイオードDD2のカソードと ンデンサDC5との接続点を、抵抗Rdを介して接 地する。

 図5(A)は、LCフィルタ4の回路図である。LC ィルタ4は、低周波数帯の送信信号の2次高 波及び3次高調波を減衰させる。

 LCフィルタ4は、第1ポートP4A、第2ポートP4 B、線路GLt1、及びコンデンサGCc1,GCu1,GCu2を備 る。

 そして、第1ポートP4Aと第2ポートP4Bとの に線路GLt1を接続し、線路GLt1にコンデンサGCc 1を並列に接続している。線路GLt1の第1ポート P4Aと接地との間に、コンデンサGCu1を接続し 線路GLt1の第2ポートP4Bと接地との間に、コン デンサGCu2を接続している。

 図5(B)は、LCフィルタ6の回路図である。LC ィルタ6は、高周波数帯の送信信号の2次高 波および3次高調波を減衰させる。

 LCフィルタ6は、第1ポートP6A、第2ポートP6 B、線路DLt1,DLt2、及びコンデンサDCc1,DCu1,DCu2,DC c2を備える。

 第1ポートP6Aと第2ポートP6Bとの間に、線 DLt1及びコンデンサDCc1からなる並列回路と線 路DLt2及びコンデンサDCc2からなる並列回路と 直列に接続し、線路DLt1及びコンデンサDCc1 らなる並列回路の第1ポートP6A側と接地との に、コンデンサDCu1を接続し、第2ポートP6B と接地との間に、コンデンサDCu2を接続して る。

 なお、SAWフィルタ5およびSAWフィルタ7の 路構成については、一般的なものを用いれ よくここでは説明を除く。

 以上の各回路によって、本実施形態の高 波部品は構成される。本実施形態の高周波 品は、900MHz帯のEGSMと1.8GHz帯のDCSとのデュア ルバンド対応の移動体通信装置のフロントエ ンド部を構成するが、本発明はこれ以外のど のような通信系(例えば、850MHz帯のEGSMと1.9GHz のPCSなど)をどのように組み合わせた形であ っても同様に実施できる。

 次に、本実施形態の高周波部品を、セラミ クからなる複数のシート層を積層してなる 層基板に一体化した場合の構成例を図6~図9 基に説明する。
 図6~図8は各層における導体パターンの平面 である。図6の(1)が最下層、図8の(21)が最上 であり、図示の都合上図6~図8の3つの図に分 けて表している。図6~図8において図中の各部 の符号は図2,4,5に示した回路中の各符号に対 している。またこれらの図中のGNDは接地電 である。

 図6の(1)においてGNDは接地端子である。その 他の端子は図1に示した外部接続端子であり ここでは接続先が送信回路や受信回路であ 外部接続端子には接続先の符号を表示して る。
 図6・7に示すように、(8)~(13)の層にわたって 線路DSL2を形成し、(8)~(14)の層にわたって線路 Lt2を形成している。また(8)~(13)の層にわたっ 線路GSL2を形成している。同様に(8)~(13)層に たってストリップラインGLt1を形成している 。このように高周波スイッチで用いる所定電 気長のストリップラインをそれぞれほぼ同一 層にわたって形成したことにより、限られた 面積且つ限られた層数でストリップラインを 構成することができ、全体の回路規模が大き くなってもチップサイズの増大が抑えられる 。

 図9は積層体の最上面に各チップ部品を搭 載した状態を示している。ここでSAWフィルタ は、図1に示したEGSM用のSAWフィルタ5と,DCS用 SAWフィルタ7とを含むデュアル型のものであ 。

 なお、本実施形態では、ダイプレクサの ーパスフィルタにおいて、直列回路と並列 振回路とを構成するリアクタンス素子とし 、線路を用いたが、この線路に替えてコイ やコンデンサなどを用いることも可能であ 。

 次に、本発明の第2の実施形態について説 明する。この実施形態の高周波部品は上記実 施形態の高周波部品と略同じ構成であるが、 ダイプレクサにおけるハイパスフィルタの構 成素子の特性および高周波数帯(DCS)側の回路 設けるSAWフィルタの特性が上記実施形態と なる。

 この実施形態で使用するSAWフィルタ7は、 通過帯域以外の周波数帯においてインピーダ ンスの整合がとられていない。すると、通過 帯域以外の周波数帯においてSAWフィルタ7の 続部で信号の反射が生じ、高周波数帯側フ ルタにおいて新規な共振が現れる。具体的 は、ハイパスフィルタ102の直列共振回路102A 構成する線路Lt2とコンデンサCt2と、コンデ サCc1とのインピーダンスに従った共振周波 での直列共振が現れるようになる。これら 路Lt2とコンデンサCt2とコンデンサCc1とが直 共振回路を構成する。

 この線路Lt2とコンデンサCt2とコンデンサC c1とによる直列共振は、何の対策も講じなけ ば低周波数帯側の通過特性に悪影響を及ぼ 、低周波数帯側の通過特性に不要な減衰極 生じさせる。そこで、本発明では線路Lt2と ンデンサCt2とコンデンサCc1との共振による 周波数帯側通過特性の減衰極を、EGSM系の規 格中心周波数の2倍波周波数付近、または、DC S系の規格中心周波数付近になるように調整 うえ設計する。このように、高周波数帯(DCS) 側の回路に設けるSAWフィルタの不整合によっ て、ハイパスフィルタに新たに生じる共振の 周波数を、低周波数帯の周波数特性における 所定の減衰極の周波数と等しくすることで、 不要な減衰極が低周波数側の通過特性に現れ ることが無くなる。したがって、一般的な構 成のままで、例えば位相調整回路や多段のハ イパスフィルタなどを必要としない構成で、 高周波数帯回路にインピーダンスの不整合が あっても、低周波数帯の通過特性を所望のも のにできる。

 また本発明は、デュアルバンド以外のト プルバンドやクワッドバンドなどのマルチ ンド対応の高周波部品にも適用可能である

 ここで図10にトリプルバンド対応の高周 部品ブロック図を、図11にクワッドバンド対 応の高周波部品のブロック図を示す。

 図10に示す高周波部品110は、900MHz帯のEGSM と1.8GHz帯のDCS系と1.9GHz帯のPCS系とのトリプ バンドに対応したものである。この場合に スイッチ回路3の後段の受信回路側にさらに スイッチ回路11を設け、SAWフィルタ12を介し DCS系の受信回路Rx(DCS)を接続し、SAWフィルタ1 3を介してPCS系の受信回路Rx(PCS)を接続する。 の場合にもダイプレクサ1の各素子を適切に 設定することで、SAWフィルタ5のインピーダ ス不整合が生じても高周波数帯での不要共 による通過特性の劣化を抑制できる。

 図11に示す高周波部品210は、850MHz帯のEGSM( GSM850)系と900MHz帯のEGSM(GSM900)系と1.8GHz帯のDCS と1.9GHz帯のPCS系とのクワッドバンドに対応 たものである。この場合にはスイッチ回路2 後段の受信回路側にさらにスイッチ回路14 設け、SAWフィルタ15を介してGSM850系の受信回 路Rx(GSM850)を接続し、SAWフィルタ16を介してGSM 900系の受信回路Rx(GSM900)を接続する。この場 にもダイプレクサ1の各素子を適切に設定す ことで、低周波数帯回路のSAWフィルタ15やSA Wフィルタ16のインピーダンス不整合が生じて も高周波数帯での不要共振による通過特性の 劣化を抑制できる。

 以上のように本発明は通信系の数によら に実施でき、アンテナポートを備えたスイ チプレクサを備えた高周波部品に様々に適 することができる。