佐藤 寧 (〒96 福岡県北九州市若松区ひびきの2-4 国立大学法人九州工業大学 大学院 生命体工学研究科 内 Fukuoka, 8080196, JP)
国立大学法人九州工業大学 (〒50 福岡県北九州市戸畑区仙水町1番1号 Fukuoka, 8048550, JP)
SATO, Yasushi (Hibikino Wakamatsu-ku, Kitakyushu-sh, Fukuoka 96, 8080196, JP)
| 入力端子に供給されるサンプリングされた原信号から所定周波数帯域の信号成分を抽出するバンドパスフィルタと、 前記抽出された信号成分をサンプリング周波数はそのままで、前記原信号のサンプリング信号に同期した前記サンプリング信号より低い周波数のクロック信号でデジタルサンプルホールド処理するデジタルサンプルホールド処理手段と、 前記デジタルサンプルホールド処理手段から出力されるデジタル値の符号ビットを前記クロック信号のタイミングで交互に反転する±1乗算手段と、 前記±1乗算手段によって交互に反転された符号ビットからなる信号の高域部分を取り出すハイパスフィルタと、 前記ハイパスフィルタの出力信号と、前記入力端子に供給される原信号を加算する加算器と、 を備えたことを特徴とする高域信号補間装置。 |
| 請求項1記載の高域信号補間装置において、 前記デジタルサンプルホールド処理するクロック信号は前記原信号のサンプリング信号を分周して形成される ことを特徴とする高域信号補間装置。 |
| サンプリングされた原信号から所定周波数帯域の信号成分を抽出し、 前記抽出された信号成分を、サンプリング周波数はそのままで、前記原信号のサンプリング信号に同期した前記サンプリング信号の周波数より低い周波数のクロック信号でデジタルサンプルホールド処理し、 前記デジタルサンプルホールド処理されたデジタル値の符号ビットを前記クロック信号のタイミングで交互に反転し、 前記交互に反転された符号ビットからなる信号の高域部分を取り出して前記原信号に加算する ことを特徴とする高域信号補間方法。 |
本発明は、例えばMP3のような圧縮を伴う ジタルオーディオ機器や、電話機等に使用 て好適な高域信号補間装置及び高域信号補 方法に関する。
近年、音楽等の音声を表す音声データを インターネット等のネットワークを介して 信したり、MD(Mini Disk)等の記録媒体に記録 たりして利用することが、盛んになってい 。このように、ネットワークで配信された 記録媒体に記録されたりする音声データで 、帯域が過度に広くなることによるデータ の増大や占有帯域幅の広がりを避けること 必要とされる。このため、通常は、供給す 対象である音楽等のうち一定の周波数以上 成分を除去するようにしている。
例えば、MP3(MPEG1 audio layer 3)形式の音声 ータや、ATRAC3(Adaptive TRansformAcoustic Coding 3) 形式の音声データでは、約16kHz以上の周波数 分が除去されている。
このように、約16kHz以上の高域の周波数 分が除去されるのは、人間の聴覚との関係 ら可聴域を超える周波数成分は不要と考え れているからである。しかしながら、最近 なって、高域の周波数成分が完全に除去さ た信号では、音質が微妙に変化し、オリジ ルの音楽等に比べて音質が劣化しているこ が指摘されるようになってきた。
このため、従来から高域の周波数成分を 間するさまざまな工夫がなされている。例 ば、特開2004-184472号公報(以下特許文献1と称 する)に記載されているように、被補間信号 周波数変換することにより補間用信号を生 するものや、特開平2-311006号公報(以下特許 献2と称する)に記載されているように、原信 号に相関のない補間用信号を生成して高周波 信号に加算しているものが知られている。こ の特許文献2に記載された技術は、ホワイト イズ発生器から発生される、原信号に相関 ないホワイトノイズ信号の高域成分を抽出 て、これを原信号に加算している。
しかしながら、特許文献1、2に記載の技 は、いずれも除去された高域信号を補間す ものであるが、特許文献1に記載の技術では 周波数変換のためにDSP(Digital Signal Processor) が用いられるなど、複雑な回路構成が必要と される。また、特許文献2に記載の技術では 原信号に相関のない高周波信号を抽出し、 れを原信号に加算するものであるため、高 補間として充分な効果は得ることができな ものであった。
これに対して、本発明者は、先に、原信 の包絡成分の高調波部分を取り出し、欠落 た高周波成分を補間する「高域補間方法及 装置」を特願2005-210124号として出願してい 。この先願発明では、高調波部分を取り出 ために信号を実部と虚部に分解するヒルベ ト変換を用いており、その実部と虚部の二 平方根演算を行って、高域成分を形成する のである。この結果、先願発明では、極め 高音質の補間を行うことができるようにな 、市販の音響製品にも採用されるなど高い 価を受けている。
ところが、この先願発明においては、高 波部分を取り出すためのヒルベルト変換や 方根の演算に比較的多くの計算処理が必要 される。このため、特に小型の音響機器等 おいて、処理回路(CPU)を同機器が行う他の 能(映像表示等)と併用する場合などに、処理 回路の負荷が増大するという問題が生じる。 また、この負荷増大のためだけに処理回路の 能力を強化することは、要求される回路装置 が高価なものになってしまうので、決して好 ましいことではない。
本発明は、上述した問題点に鑑みて成さ たものであって、より簡単な構成で、良好 高域信号の補間を行うことができる「高域 間装置及びその方法」を提供することを目 とする。
すなわち本願は、上記の課題を解決し、 発明の目的を達成するため、本発明の高域 号補間装置は、入力端子に供給されるサン リングされた原信号から所定周波数帯域の 号成分を抽出するバンドパスフィルタと、 出された信号成分をサンプリング周波数は のままで、原信号のサンプリング信号に同 した前記サンプリング信号より低い周波数 クロック信号でデジタルサンプルホールド 理するデジタルサンプルホールド処理手段 、デジタルサンプルホールド処理手段から 力されるデジタル値の符号ビットを上記ク ック信号のタイミングで交互に反転する±1 算手段と、±1乗算手段によって交互に反転 れた符号ビットからなる信号の高域部分を り出すハイパスフィルタと、ハイパスフィ タの出力信号と入力端子に供給される原信 を加算する加算器と、を備えたことを特徴 する。
本発明の好ましい形態の高域信号補間装 は、上述した構成に加えて、更に、上記デ タルサンプルホールド処理するクロック信 は、原信号のサンプリング信号を分周して 成されることを特徴とする。
また、本発明の高域信号補間方法では、 ンプリングされた原信号から所定周波数帯 の信号成分を抽出する。その後、この抽出 れた信号成分を、サンプリング周波数はそ ままで、原信号のサンプリング信号に同期 、かつサンプリング信号の周波数より低い 波数のクロック信号でデジタルサンプルホ ルド処理を行う。そして、このデジタルサ プルホールド処理されたデジタル値の符号 ットを上記クロック信号のタイミングで交 に反転し、この反転された符号ビットから る信号の高域部分を取り出して原信号に加 するものである。
これにより、本願の発明の高域信号補間 置及び高域信号補間方法によれば、原信号 サンプリング周波数より低い周波数のクロ ク信号でデジタルサンプルホールドしたデ タル値の符号ビットを交互に反転し、この 号ビットの反転により生成される信号の高 波部分を取り出して補間を行うようにした で、極めて簡単な構成で良好な高域信号が 成され、処理回路の負荷を増加せずに実用 な高域信号補間を実施することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態
を説明する。
図1は、本発明による高域信号補間装置の一
実施の形態例を示すブロック構成図である。
図1に示されるように、本例の高域信号補 間装置は、入力端子1と出力端子11を備えてい る。入力端子1には、バンドパスフィルタ(BPF) 2と、遅延回路8が接続されている。バンドパ フィルタ2は、デジタルサンプルホールド処 理回路3に接続され、デジタルサンプルホー ド処理回路3は、±1乗算器6に接続されている 。±1乗算器6は、ハイパスフィルタ7に接続さ 、ハイパスフィルタ7は加算器10に接続され いる。また、遅延回路8は加算器10に接続さ ている。そして、加算器10が出力端子11に接 続されている。
また、入力端子4が設けられ、この入力端 子4には、44.1kHzのサンプリング信号が供給さ ている。入力端子4は、分周回路5に接続さ ており、分周回路5の出力が、デジタルサン ルホールド処理回路3と±1乗算器6に供給さ ている。
次に、本発明の実施形態例(以下、「本例 」という。)の動作を図2及び図3の波形図に基 づいて説明する。
図1において、入力端子1には、例えばMP3 ATRAC3のような圧縮処理を伴う機器から再生 れたデジタルオーディオ信号が原信号とし 供給される。この原信号は、図2Aに示すよう に、例えば16kHz以上の周波数成分が除去され サンプリング信号である。サンプリング周 数は、通常のデジタルオーディオ信号のサ プリング周波数である44.1kHzである。
この入力端子1に供給された原信号がバン ドパスフィルタ2に供給されて、例えば、図2B に示すような10kHz~15kHzの原信号の高域部分が 出される。この抽出された高域部分の信号 、デジタルサンプルホールド処理回路3に供 給され、ここで、サンプリング周波数44.1kHz り低い周波数でデジタルサンプルホールド れる。このデジタルサンプルホールドのた の周波数は、分周回路5によって、サンプリ グ周波数44.1kHzを1/8分周したクロック信号( ジタルサンプルホールド信号)5.5125kHzが用い れる。
次に、デジタルサンプルホールド処理回路3
の動作を図3に基づいて説明する。
ここで、バンドパスフィルタ2からデジタル
サンプルホールド処理回路3に供給される信
は、デジタルオーディオ信号であるが、図3A
では、これをアナログ信号として模式的に示
している。
デジタルサンプルホールド処理回路3では、 図3Aに示す信号の1周期が、時刻t 0 、t 1 、・・・t 7 の8個の点でサンプリングされることになる すなわち、デジタルオーディオ信号のサン ル値(1周期64個)のうち、8個毎に一つが取り され(サンプリングされ)、このサンプル値が 、図3Bに示すように、1/8周期間隔でホールド れる。具体的には、時刻t 0 では0、t 1 ではa 1 、t 2 ではa 2 (ピーク値)が、サンプルホールドされる。同 に、時刻t 4 では0、t 5 では(-a 1 )、t 6 では(-a 2 )が、サンプルホールドされる。
このように、デジタルサンプルホールド れた信号は、分周回路5で1/8分周されたクロ ック信号のタイミングでサンプリングされた 信号レベルが、その後の8サンプリング期間 ールドされた信号である。すなわち、この ジタルサンプルホールドされた信号(符号ビ ト)は、図3Bに示すように階段状になってエ ジが形成されるので、このエッジによって 調波成分が発生する。
換言すれば、このデジタルサンプルホール
処理によって、図2Bに示すような10kHz~15kHzの
周波数帯域の信号が、デジタルサンプルホー
ルド信号の周波数5.5125kHzと、その2倍の周波
11.025kHz、3倍の周波数16.5375kHz…を中心にして
、その高域部分と低域部分に折り返して展開
されることになる(図2C参照)。上記展開され
信号のうち、本例で必要とされるのは、16kHz
以上に拡張されて展開された信号である。
なお、ここで、図2Cに示す信号は、図示の
うに、5.5125kHz~11.025kHzの周波数帯域と16.5375kHz
~20kHzの周波数帯域は同位相(φ)であるが、0~5.5
125kHzの周波数帯域と、11.025kHz~16.5375kHzの周波
帯域は逆位相(-φ)となっている。
このため、11.025kHz~16.5375kHzの周波数帯域 16.5375kHz~20kHzの周波数帯域を同位相とする処 が必要とされる。なぜならば、本例に必要 される15~20kHzの高域信号は、周波数16.5375kHz 境界として、低い周波数の部分(15kHz~16.5375kH z)と高い周波数の部分(16.5375kHz~20kHz)の位相が 相になり、周波数16.5375kHz付近で振幅が極端 に減少してしまうからである。
そこで、11.025kHz~16.5375kHzの周波数帯域と16 .5375kHz~20kHzの周波数帯域を同位相とするため 本例では、デジタルサンプルホールド処理 路3で展開された図2Cに示す信号を、±1乗算 6に供給している。この±1乗算器6にも分周 路5からのクロック信号5.5125kHzが供給されて り、このクロック信号のタイミングで上記 ジタルサンプルホールドされたデジタル値 符号ビットが交互に反転する処理が行われ 。
これにより、±1乗算器6では、図2Dに示す うにすべてのデジタルサンプルホールド信 の周波数で折り返された信号が形成される すなわち、±1乗算器6の出力(図2D)は、図2Cに 示すデジタルサンプルホールド処理回路3の 力のうち、0~5.5125kHzの帯域の信号と、11.025~16 .5375kHzの帯域の信号の位相を反転した信号と る。
この±1乗算器6の動作を、図4、5、6に基づい
て、更に詳細に説明する。
上述したように、例えば1kHzの正弦波信号に
対して、5.5125kHzのクロック信号でデジタルサ
ンプルホールドを行うと、図4に示すように5.
5125kHzと、その2倍の11.025kHz、3倍の16.5375kHz…
中心にして、その上下1kHzのところに信号が
成される。
図5Aは、デジタルサンプルホールド回路3 サンプルホールドされた信号(図2D参照)を、 簡略化して示した図である。この図5Aに示し 周波数特性を有する信号、つまり、5.5125kHz~ 11.025kHz(帯域b)と、16.5375kHz~20kHz(帯域d)の周波 帯域の位相がφで、0~5.5125kHz(帯域a)と、11.025k Hz~16.5375kHz(帯域c)の周波数帯域の位相が(-φ)と なる信号が、±1乗算器6に供給されることに る。
このように、各帯域部分(a)~(d)の信号はそ れぞれ位相が交互に反転されているので、5.5 125kHz、11.025kHz、16.5375kHz…の近傍では、互い 逆位相の信号の重なりが生じてしまう。こ ため、図5Aに示すように、周波数特性上、上 記周波数近傍で振幅が相殺されて減少する、 いわゆるくびれ現象が起こる。上述したよう に、本発明の高域信号補間装置で必要なのは 、15~20kHzに拡張されて展開された信号である この必要な帯域信号の中に、16.5375kHzが入っ ており、その部分でくびれ現象が生じている ことが問題となる。
このくびれ現象を取り除くために、本例 は、±1乗算器6が設けられ、この±1乗算器6 、デジタルサンプルホールド処理回路3に供 されているクロック信号と同じクロック信 を供給している。これにより、±1乗算器6の 出力は、クロック信号のタイミング毎に入力 データ符号の位相が反転された信号、つまり 、図5Bに示されるすべての周波数帯域で同位 φとなった信号となる。
図6は、±1乗算器6の動作説明をするため 図である。図6に示すように、帯域aと帯域c は、±1乗算器6に(-1)が乗算されるため、その 位相が反転する。つまり(-φ)がφに換わる。 方、帯域bと帯域dでは、±1乗算器6に(+1)が乗 されるため、位相の反転は起こらない。つ り、位相はφのままとなる。ここで、この± 1乗算器6における符号の反転処理は、DSB変調 同じことである。
このように、±1乗算器のDSB変調によって 相の逆転部分を無くし、全ての位相を正(+) することができる。この±1乗算器6から出力 される信号(図2Dまたは図5B)は、図1に示すよ に、ハイパスフィルタ7に供給される。この イパスフィルタ7は、入力される信号のうち 略16kHzより高い周波数のみを通過させるフィ タである。このため、±乗算器6の出力信号( 図2D)からその高域成分である略16kHz以上の信 データが抽出され、加算器10に供給される
一方、帯域が16kHz以下に制限された入力 子1からの原信号は、遅延回路8に供給されて いる。この遅延回路8は、上述のデジタルサ プルホールド処理回路3及び±1乗算器6での処 理時間(遅延時間)を補償するためのもので、 れらの回路の処理時間に相当する遅延時間 持っている。この結果、遅延回路8から出力 される信号は、±1乗算器6の出力信号の位相 同位相となる。
このように、ハイパスフィルタ7からの高 域信号(図2E)と、遅延回路8からの原信号A(低 信号)は、加算回路10に供給されて、加算信 Fとして出力端子11に出力される。これによ 、出力端子11からは、図2Fに示すような、原 号Aに対して高域信号Eが重畳された信号、 まり高域強調された信号が出力される。こ ようにして、例えばMP3やATRAC3のような圧縮 伴う機器から再生されたデジタルオーディ 信号に対して、高域信号の補間が行われる
本例によれば、サンプリング信号を分周 た信号でデジタルサンプルホールドしたデ タル値の符号ビットを交互に反転し、符号 ットの反転により生成される信号の高調波 分を取り出して補間を行うようにしたので 極めて簡単な構成で良好な高域信号が形成 れ、処理回路の負荷を増加せずに実用的な 域信号補間を実施することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態例に 定されるものではなく、特許請求の範囲の 載した本発明の要旨を逸脱しない限りにお て、種々の変形が可能とされるものである
1…入力端子、2…バンドパスフィルタ、3 デジタルサンプルホールド処理回路、4…サ ンプリング信号の入力端子、5…分周回路、6 ±1乗算器、7…ハイパスフィルタ、8…遅延 路、10…加算回路、11…出力端子
Next Patent: FLUSH TOILET DEVICE
