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Patent Searching and Data


Title:
HIGH-GLOSS MULTILAYERED PLASTIC CONTAINER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078311
Kind Code:
A1
Abstract:
A high-gloss multilayered plastic container comprising (1) an outer transparent plastic resin layer, (2) a transparent adhesive resin layer, and (3) a colored polyolefin resin layer in this order from the outside. The outer transparent plastic resin layer has a surface roughness satisfying Ra≤0.2 µm. The interface between the outer transparent plastic resin layer (1) and the transparent adhesive resin layer (2) has a roughness of 15 µm or less, and the interface between the transparent adhesive resin layer (2) and the colored polyolefin resin layer (3) has a roughness of 15 µm or less. The outer transparent plastic resin layer (1) is preferably formed from a transparent ethylene/vinyl alcohol copolymer resin. This multilayered plastic container has an even and smooth surface, a deep color tone with a high gloss, and a highly excellent appearance.

Inventors:
KATOU YUUICHIROU (JP)
OOTSUKI MASAHIKO (JP)
KIMOTSUKI ERIKO (JP)
ISHIKAWA MASASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072337
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
December 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO SEIKAN KAISHA LTD (JP)
KATOU YUUICHIROU (JP)
OOTSUKI MASAHIKO (JP)
KIMOTSUKI ERIKO (JP)
ISHIKAWA MASASHI (JP)
International Classes:
B65D65/40; B32B7/02; B32B27/00; B32B27/32; B65D1/00; B65D30/08
Foreign References:
JPH06239350A1994-08-30
JPH0538787A1993-02-19
JPH06199333A1994-07-19
JPH06305102A1994-11-01
JPH0880928A1996-03-26
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIMURA, Takehiko (Komejima Kasukabe-shi Saitama, 15, JP)
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Claims:
 外面側から順に(1)透明プラスチック樹脂外層、(2)透明接着樹脂層及び(3)着色ポリオレフィン系樹脂層を有する多層プラスチック容器において、透明プラスチック樹脂外層の表面粗度が、Ra≦0.2μmであり、前記(1)透明プラスチック樹脂外層と前記(2)透明接着樹脂層界面の凹凸が15μm以下であり、かつ前記(2)透明接着樹脂層と前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層界面の凹凸が15μm以下であることを特徴とする高光沢多層プラスチック容器。
 前記(1)透明プラスチック樹脂が、透明エチレン-ビニルアルコール共重合系樹脂により構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の高光沢多層プラスチック容器。
 前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層が光輝顔料を含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高光沢多層プラスチック容器。
 前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層がブロックポリプロピレン系樹脂により構成されたものであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の高光沢多層プラスチック容器。
 前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層が高密度ポリエチレン系樹脂により構成されたものであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の高光沢多層プラスチック容器。
 多層プラスチック容器の層構成が、外面側から順に(1)透明エチレン-ビニルアルコール共重合系樹脂外層、(2)透明ポリプロピレン系接着樹脂層、(3)光輝顔料を含む着色ポリプロピレン系樹脂層、(4)光輝顔料を含まないポリプロピレン系樹脂層を有するものであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の高光沢多層プラスチック容器。
 多層プラスチック容器の層構成が、外面側から順に(1)透明エチレン-ビニルアルコール共重合系樹脂外層、(2)透明ポリエチレン系接着樹脂層、(3)光輝顔料を含む着色ポリエチレン系樹脂層、(4)光輝顔料を含まないポリエチレン系樹脂層を有するものであることを特徴とする請求項1~3又は5のいずれかに記載の高光沢多層プラスチック容器。
 多層プラスチック容器がさらにポリオレフィン系樹脂内層を有するものであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の高光沢多層プラスチック容器。
 前記(1)透明プラスチック樹脂外層と前記(2)透明接着樹脂層を合わせた厚さが30~200μmであることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の高光沢多層プラスチック容器。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Description:
高光沢多層プラスチック容器

 本発明は、優れた外観と深みのある高い 面光沢を有する多層プラスチック容器に関 る。

 従来から多層プラスチック容器は、化粧品 トイレタリー製品、各種飲料、調味料乃至 品等の種々の内容物を収容する包装容器と て広く使用されている。
 この多層容器において、成形性や、製造コ トの点、内容物保存上要求される種々の特 を満足させるため、種々のプラスチック素 が組み合わせて使用されている。多層プラ チック容器の外層を構成する樹脂としては ポリエチレンテレフタレート(PET)をはじめ するポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹 、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ レフィン系樹脂等が、一般に用いられてい 。一方、容器の内層には、成形性や、衛生 特性、更にはコストの見地から、ポリエチ ンやポリプロピレン等の線状のオレフィン 樹脂が使用される場合が多い。

 また、容器壁を通しての酸素の透過を防 するために、多層プラスチック容器中に酸 バリアー性樹脂層を設けることも古くから られている。このようなガスバリヤー性樹 としては、例えばエチレンビニルアルコー 共重合体(エチレン-酢酸ビニル共重合体ケ 化物)、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン系 脂、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂等 用いられる。

 これらの樹脂を組合せた多層プラスチック 器の層構成についても種々提案されている 例えば、容器の外面側から順に(1)ポリエス ル系樹脂、(2)接着樹脂及び(3)ポリオレフィ 系樹脂を積層した層構成を有する多層プラ チック容器が知られている。(例えば、特許 文献1、2参照)
 また、容器の外面側から順に(1)ポリプロピ ン系樹脂、(2)接着樹脂、(3)ガスバリヤー性 脂、(4)接着樹脂及び(5)ポリプロピレン系樹 を積層した層構成を有する多層プラスチッ 容器も知られている。(例えば、特許文献3 4参照)

特開平6-79842号公報

特開平6-106606号公報

特開平5-8355号公報

特開平5-42641号公報

 しかしながら、このような層構成を有する 層プラスチック容器では、容器の各層を構 する樹脂には、溶融樹脂粘度等の成形特性 差異がある。したがって、例えば多層パリ ンを形成後ブロー成形によって中空容器を 造する際に、容器表面の樹脂外層や、各層 にさざ波模様のような外観不良が発生する とがある。また、色相的にも不均一となっ 筋状の模様が発生する等の色相不良が生じ ことがある。したがって、例えば高光沢で 深みのある均一なメタリック色調の容器の うに、外観の優れた多層プラスチック容器 実現することはできなかった。
 そして、容器表面を滑らかに仕上げるため 、金型内表面の粗度を小さくすると、容器 成形時にエアートラップ(金型と成形品表面 との間に空気を巻き込むことにより、金型形 状の転写されない部分が残る現象)が発生す 。その結果、容器表面に部分的凹凸等の成 不良が生じるという問題があった。

 したがって、本発明は、このような多層 ラスチック容器に特有の問題点を解消して 均一で滑らかな表面と高光沢で深みのある 調を有し、外観がきわめて優れた多層プラ チック容器を提供することを目的とする。

 本発明者等は、プラスチック樹脂外層の 面粗度を小さくするとともに、樹脂外層と の内側の接着樹脂層界面の凹凸を15μm以下 し、かつ接着樹脂層とその内側の着色ポリ レフィン系樹脂層界面の凹凸を15μm以下とす ることによって上記課題が解決されることを 発見し、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明ではつぎの1~9の構成を採 する。
1.外面側から順に(1)透明プラスチック樹脂外 、(2)透明接着樹脂層及び(3)着色ポリオレフ ン系樹脂層を有する多層プラスチック容器 おいて、透明プラスチック樹脂外層の表面 度が、Ra≦0.2μmであり、前記(1)透明プラス ック樹脂外層と前記(2)透明接着樹脂層界面 凹凸が15μm以下であり、かつ前記(2)透明接着 樹脂層と前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層 界面の凹凸が15μm以下であることを特徴とす 高光沢多層プラスチック容器。
2.前記(1)透明プラスチック樹脂が、透明エチ ン-ビニルアルコール共重合系樹脂により構 成されたものであることを特徴とする1に記 の高光沢多層プラスチック容器。
3.前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層が光輝 料を含むものであることを特徴とする1又は 2に記載の高光沢多層プラスチック容器。
4.前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層がブロ クポリプロピレン系樹脂により構成された のであることを特徴とする1~3のいずれかに 載の高光沢多層プラスチック容器。
5.前記(3)着色ポリオレフィン系樹脂層が高密 ポリエチレン系樹脂により構成されたもの あることを特徴とする1~3のいずれかに記載 高光沢多層プラスチック容器。
6.多層プラスチック容器の層構成が、外面側 ら順に(1)透明エチレン-ビニルアルコール共 重合系樹脂外層、(2)透明ポリプロピレン系接 着樹脂層、(3)光輝顔料を含む着色ポリプロピ レン系樹脂層、(4)光輝顔料を含まないポリプ ロピレン系樹脂層を有するものであることを 特徴とする1~4のいずれかに記載の高光沢多層 プラスチック容器。
7.多層プラスチック容器の層構成が、外面側 ら順に(1)透明エチレン-ビニルアルコール共 重合系樹脂外層、(2)透明ポリエチレン系接着 樹脂層、(3)光輝顔料を含む着色ポリエチレン 系樹脂層、(4)光輝顔料を含まないポリエチレ ン系樹脂層を有するものであることを特徴と する1~3又は5のいずれかに記載の高光沢多層 ラスチック容器。
8.多層プラスチック容器がさらにポリオレフ ン系樹脂内層を有するものであることを特 とする1~7のいずれかに記載の高光沢多層プ スチック容器。
9.前記(1)透明プラスチック樹脂外層と前記(2) 明接着樹脂層を合わせた厚さが30~200μmであ ことを特徴とする1~8のいずれかに記載の高 沢多層プラスチック容器。

 本発明によれば、さざ波模様や発泡とい た外観不良のない滑らかな表面と、高光沢 深みのある均一なメタリック色調を有する 層プラスチック容器を、成形不良を生じず 効率良く得ることができる。

本発明の高光沢多層プラスチック容器 層構成の1例を示す断面模式図である。

符号の説明

A    透明エチレン-ビニルアルコール共重 樹脂外層
B        透明接着樹脂層
C        光輝顔料を含む着色ポリオレフ ン系樹脂層
D        光輝顔料を含まないポリオレフ ン系樹脂層

 本発明では、多層プラスチック容器の層 成を、外面側から順に(1)透明プラスチック 脂外層、(2)透明接着樹脂層及び(3)着色ポリ レフィン系樹脂層を有するものとする。ま 、透明プラスチック樹脂外層の表面粗度をR a≦0.2μmとする。さらに、容器を構成する各 脂のせん断応力を調整する等の手段を採用 ることによって、(1)透明プラスチック樹脂 層と(2)透明接着樹脂層界面の凹凸を15μm以下 とし、かつ(2)透明接着樹脂層と(3)着色ポリオ レフィン系樹脂層界面の凹凸を15μm以下とし ことを特徴とする。

 ここで、本発明で使用する用語について、 下の通りに定義する。
(容器の表面粗度Ra)
 本発明において、(1)透明プラスチック樹脂 層の表面粗度Raは、JIS B0601に準拠し、触針 粗さ形状測定器を用いて、ノズル部以外の 器壁平坦部を測定長さ4mmにつき測定し、算 平均として得た表面粗さ(Ra)を意味する。
(樹脂層界面の凹凸)
 (1)透明プラスチック樹脂外層と(2)透明接着 脂層界面の凹凸、及び(2)透明接着樹脂層と( 3)着色ポリオレフィン系樹脂層界面の凹凸の 定には、ノズル部以外の容器壁平坦部から 面凹凸の大きい部分をサンプリングする。 いで、回転式ミクロトームを用いて得られ サンプルの容器断面を切断して観察面とす 。さらに、サンプルを観察面に垂直方向に さ30μmで観察面に平行に切断して試料とし 観察面を光学顕微鏡で観察して測定した凹 値の最大値を樹脂層界面の凹凸とする。
(外層+透明接着樹脂層の厚さ)
 (1)透明プラスチック樹脂外層と(2)透明接着 脂層を合わせた厚さの測定には、上記の樹 層界面の凹凸と同様に、ノズル部以外の容 壁平坦部から取得した容器側壁に対して垂 方向断面を観察面とした試料を作製する。 して、観察面を光学顕微鏡で観察して、(1) 明プラスチック樹脂外層及び(2)透明接着樹 層の厚さを測定する。

 多層プラスチック容器の外層を構成する好 しい透明プラスチック樹脂としては、エチ ン-ビニルアルコール共重合系樹脂が挙げら れる。
 このエチレン-ビニルアルコール共重合系樹 脂(EVOH)としては、容器の外層を構成するのに 必要な透明度を有するものであれば、特に制 限はない。好ましいエチレン-ビニルアルコ ル共重合系樹脂としては、エチレン含有量 20~60モル%、特に25~50モル%であるエチレン-酢 ビニル共重合体のケン化物が挙げられる。

 多層プラスチック容器の外層を構成する他 樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリカー ネート樹脂、アイオノマー樹脂などが挙げ れる。
 また、(1)プラスチック樹脂外層は透明であ ば無着色でも或いは着色してあってもよい しかしながら、プラスチック樹脂の表面粗 を大きくするような顔料等を添加すること 避けることが好ましい。
また、(1)プラスチック樹脂外層には、透明性 を損なわない程度に、公知の添加物を添加し てもよい。例えば、熱可塑性エラストマー、 他の熱可塑性樹脂、ゴム樹脂、無機フィラー 、顔料、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、 光安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、染 料などを添加できる。

 以下、(1)透明プラスチック樹脂外層として EVOHを使用する場合を例として、本発明の多 層プラスチック容器について、さらに説明す る。
 (1)透明プラスチック樹脂外層の表面粗度が Ra≦0.2μmとなるようにするには、ブロー金 内面の表面粗度が0.2μm≦Ra≦0.8μm程度のブロ ー金型を使用する。このような処理した金型 を使用することによって、容器外層の表面粗 度が最大でもRa≦0.2μmの容器を得ることがで る。容器の表面粗度Raが0.2μmを超えると、 器表面での反射光が乱れ、外観上光沢が低 する。

 ブロー金型内表面の表面粗度を小さくする 、プラスチック容器の成形時にエアートラ プが発生し、部分的表面凹凸等の成形不良 生じることがある。また、(1)透明EVOH外層と その内側の(2)透明接着樹脂層界面の凹凸;或 は(2)透明接着樹脂層とその内側の(3)着色ポ オレフィン系樹脂層界面の凹凸が大きくな と、色相的に不均一となって筋状の模様が 生する等の色相不良が生じることがある。
 本発明では、透明EVOHの含水率を5000ppm以下 好ましくは500~2,500ppm程度に調整するととも 、容器を構成する各樹脂のせん断応力を調 する等の手段を採用することによって、上 各樹脂層界面の最大凹凸を15μm以下とし、こ のような成形不良を防止する。透明EVOHの含 率が5000ppmを上回ると、容器の成形時に発泡 生じる。

 EVOHとポリオレフィン系樹脂は密着性が小さ く、溶融粘度等の成形特性に差がある。した がって、EVOHを外層としポリオレフィン系樹 を内層として多層プラスチック容器を成形 ると、容器表面のEVOH外層や各層界面にさざ 模様のような外観不良が発生することがあ た。
 さざ波模様とは、(1)透明EVOH外層とその内側 の(2)透明接着樹脂層との界面や、(2)透明接着 樹脂層と(3)着色ポリオレフィン系樹脂層との 界面に発生する凹凸模様を意味する。この凹 凸は、容器側壁表面からみると容器の周方向 につながったさざ波状にみえる。多層プラス チック容器側壁の断面を観察すると、凹凸の 発生している界面において、内面側層の樹脂 が外面側層樹脂中に波状に凸になっている。 凹凸は容器側壁の高さ方向断面から良く観察 でき、幅が数百μm、凸部厚さが15~50μmのもの 多い。凹凸の発生原因は不明であるが、多 パリソンを製造する際に、溶融樹脂合流部 おける、不均一な樹脂流れにより発生した のと考えられる。
本発明では、多層プラスチック容器を構成す る各層樹脂のせん断応力と透明接着樹脂層を 構成する樹脂のメルトフローレート(MFR)を調 することによって、EVOH外層とポリオレフィ ン系樹脂層の成形特性の差を補完する。その 結果、(1)透明EVOH外層とその内側の(2)透明接 樹脂層界面の凹凸;及び(2)透明接着樹脂層と の内側の(3)着色ポリオレフィン系樹脂層界 の凹凸を小さくして、優れた外観とともに 脂層間の剥離等を防止し耐衝撃性等の性状 も優れた多層プラスチック容器を得ること できる。

 透明接着樹脂としては、EVOHとポリオレフ ィン樹脂の両者に接着性のある公知の樹脂を 使用できる。例えば、エチレン・α-オレフィ ン共重合樹脂及びそれらの酸変性樹脂、オレ フィンと酸の共重合樹脂、グリシジル基含有 樹脂等が使用できる。また、接着性を向上さ せるために、それらの樹脂に公知の粘着付与 剤を添加してもよい。

 共重合体としては、ランダム、ブロック グラフト等、どのような結合様式で製造さ たものでも使用できる。酸変性樹脂として 、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マ イン酸、フマール酸、イタコン酸、クロト 酸等の不飽和カルボン酸;又はこれらの無水 物でグラフト変性した樹脂が用いられる。接 着樹脂として酸変性樹脂を使用した場合には 、EVOHの水酸基と酸変性樹脂の酸基が化学的 結合して、外層と接着樹脂層の密着性が高 なるので好ましい。これらの樹脂は、単独 、又は2種以上のブレンド樹脂として;あるい は他樹脂とのブレンド樹脂として使用できる 。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹 脂、テルペン系樹脂、石油樹脂などがあげら れる。これらの樹脂は、単独で、又は2種以 を混合して使用することができる。接着樹 としては、特に、酸変性したポリオレフィ 系樹脂が好ましい。

 また、透明接着樹脂層には、公知の添加物 添加してもよい。例えば、熱可塑性エラス マー、他の熱可塑性樹脂、ゴム樹脂、無機 ィラー、顔料、可塑剤、酸化防止剤、帯電 止剤、光安定剤、アンチブロッキング剤な を添加できる。
 また、透明接着層樹脂は、透明であれば無 色でも或いは着色してあってもよく、光輝 顔料を含有させてもよい。接着樹脂層を着 した場合には、例えば、着色ポリオレフィ 層に光輝性顔料を含有させることにより、 輝性顔料による反射光が透明着色接着層を 過して、深みのある独特のメタリック感が られるので好ましい。また、透明接着層と リオレフィン層の色調を変えることによっ 、特殊な色相効果が得られる場合もある。 明接着樹脂層に使用する着色料としては透 性を損なわない限り特に制限はない。この うな着色料としては、例えば、アゾ系顔料 フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料、 色レーキ系顔料等の有機顔料を使用するこ ができる。

(1)透明EVOH外層とその内側の(2)透明接着樹脂 界面の凹凸;及び(2)透明接着樹脂層とその内 の(3)着色ポリオレフィン系樹脂層の界面の 凸は、多層プラスチック容器各層を構成す 樹脂が次の(a)及び(b)を同時に満足するよう 調整することによって、小さくすることが きる。
(a)各層を構成する樹脂のせん断応力(単位:KPa) が、「(3)着色ポリオレフィン系樹脂-55≦(2)透 明接着樹脂≦(1)透明EVOH+70」を満足する。
 ここで、樹脂のせん断応力は、JIS K7199に準 拠して、使用する樹脂の溶融前のペレットを 、温度210℃、せん断速度50/秒で、樹脂押出し 部のオリフィスはL=10mm、D=径1mmの条件で測定 た値である。
 透明接着層樹脂のせん断応力が、「(3)着色 リオレフィン系樹脂-55」を下回ると、透明 着樹脂層と着色ポリオレフィン樹脂層の界 の凹凸むらであるさざ波模様が発生する。 方、透明接着層樹脂のせん断応力が「(1)透 EVOH+70」を上回ると、透明プラスチック樹脂 層と透明接着樹脂層の界面の凹凸むらである さざ波模様が発生する。

(b)透明接着樹脂層を構成する樹脂のメルトフ ローレート(MFR)(g/10min)が、「1.0≦MFR≦2.5」を 足する。
 ここで、樹脂のメルトフローレートは、JIS K7210に準拠して、使用する樹脂の溶融前のペ レットを、温度190℃、荷重2.16Kgで測定した値 である。
 透明接着層樹脂のMFRが1.0(g/10min)未満では、 明EVOH層と透明接着樹脂層の界面の凹凸むら であるさざ波模様が発生する。一方、透明接 着層樹脂のMFRが2.5を超えると、透明接着樹脂 層と着色ポリオレフィン樹脂層の界面の凹凸 むらであるさざ波模様が発生する。

 本発明の多層プラスチック容器では、(1)透 プラスチック樹脂外層と(2)透明接着樹脂層 合わせた厚さを30~200μm程度、特に60~150μm程 とすることが好ましい。
 この厚さが30μmよりも小さいと、成形によ 容器表面が荒れて表面光沢が劣ったり、成 時にプラスチック樹脂外層が切れる等の問 が生じる。また、この厚さが200μmを超える 、透明層が厚くなりすぎて白濁して透明度 低下する場合がある。
 そして、透明なプラスチック樹脂外層と透 接着樹脂層を合わせた厚さをこの範囲にす ことによって、内層側にある着色ポリオレ ィン系樹脂層からの反射光が微妙に屈折す ために、色相や光沢に深みがでる。また、 色ポリオレフィン系樹脂層中に光輝顔料を 合してメタリック色調の容器とする場合に 、所望の表面粗度を得るために、(1)透明プ スチック樹脂外層と(2)透明接着樹脂層を合 せた厚さを、顔料の長径よりも大きくする とが好ましい。

 (2)透明接着樹脂層の内層となる(3)着色ポ オレフィン系樹脂層を構成する樹脂として 特に制限はない。例えば、公知の低密度ポ エチレン、線状低密度ポリエチレン、中密 ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ ロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、 エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン系 飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト 性されたポリオレフィン樹脂等のポリオレ ィン系樹脂類はいずれも使用することがで る。特に好ましいポリオレフィン系樹脂と ては、プロピレン-エチレンブロック共重合 が挙げられる。これらのポリオレフィン系 脂は単独で、又は2種以上を混合して用いる ことができる。また、容器の成形時等に発生 するリプロ(回収材料)を混合して使用しても い。

 着色ポリオレフィン系樹脂層は、透明着 層或いは不透明着色層のいずれでもよい。 た、1層の着色層のみならず2層以上の着色 として構成してもよい。また、着色ポリオ フィン系樹脂層の内層側に、さらに他の樹 等からなる中間層や、容器の内面を構成す 例えばポリオレフィン系樹脂からなる内面 脂層を設けることもできる。

 (3)着色ポリオレフィン系樹脂層に配合す 着色料としては特に制限はなく、アゾ系顔 、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料 び染色レーキ系顔料等の有機顔料や、偏光 ール顔料等のアルミ系光輝顔料、マイカ系 輝顔料、ガラス系光輝顔料等の光輝顔料等 使用することができる。これらの着色料は1 種又は2種以上を組合せて使用することがで る。また、これらの着色料と体質顔料等を 合せて用いてもよい。

 (3)着色ポリオレフィン系樹脂層中に光輝顔 を配合した場合には、光輝顔料の反射光が (1)透明プラスチック樹脂外層及び(2)透明接 樹脂層を組合わせた層を通過することによ て、深みのある光沢感を有するメタリック 調の多層プラスチック容器を得ることがで る。
 特に(3)着色ポリオレフィン系樹脂層を、(2) 明接着樹脂層に隣接する透明着色樹脂層と の内層側に設けた光輝顔料を含有する着色 脂層からなる複層構成とした場合には、金 地に透明インキを印刷したような、深みの る独特のメタリック感が得られるので好ま い。

 次に、本発明の高光沢多層プラスチック容 を実施例によりさらに説明するが、以下の 体例は本発明を限定するものではない。
 図1は、本発明の多層プラスチック容器の層 構成の1例を示す断面模式図である。この容 は、外面側から順に(1)透明プラスチック樹 (EVOH)外層A、(2)透明接着樹脂層B、(3)光輝顔料 を含む着色ポリオレフィン系樹脂層C、及び(4 )光輝顔料を含まないポリオレフィン系樹脂 Dを有する。(2)透明接着樹脂層Bは、透明性を 損なわない範囲で着色顔料等を添加して透明 着色接着樹脂層としてもよい。

 以下の例では、図1に示す層構成を有する 容器を次のようにして製造した。4つの押出 機(以下、各樹脂層A,B,C,Dを構成する樹脂の押 出し機を、それぞれ押出し機A、B、C、Dと言 。)にそれぞれ樹脂を充填した。各樹脂を加 しながら可塑化及び混練して押出し、多層 ッドを用いて、外面側から順に(1)透明EVOH外 層A、(2)透明着色接着樹脂層B、(3)光輝顔料を む着色ポリオレフィン系樹脂層C、及び(4)光 輝顔料を含まないポリオレフィン系樹脂層D からなる多層パリソンを形成した。ついで キャビティーを有する金型でパリソンを挟 、パリソンに圧縮空気を吹き込んで、容量50 0mLで角筒型の中空容器を製造した。使用した 金型の内表面粗度は、Ra=0.6μmであった。

 以下の例では、各物性値は既に記載した方 により測定した。また、透明EVOHの含水率は 、溶融前のペレットについてカールフィッシ ャー法により測定した。各物性値の測定にあ たり、触針式粗さ形状測定器は「東京精機工 業製Surfcom1400A-3DF-12」を使用した。また、回 式ミクロトームは「ライカ製検査用RM2125RT」 を、光学顕微鏡は「オリンパス製測定顕微鏡 STM5-321」を、樹脂せん断応力測定器は、「東 精機製作所製キャピログラフ1D」をそれぞ 使用した。
 また、多層プラスチック容器の表面粗度Ra 、容器のノズル部以外の平坦な部分から、 面粗度の大きい部分を直接、或いは15mm×15mm 大きさで切り出し、測定に用いた。そして 「外層+透明接着樹脂層の厚さ」は、容器胴 部の上部、中部、下部において、それぞれ円 周方向に45°間隔で8点について測定し、その 均値を採用した。さらに、容器の光沢評価 、ノズル部以外の容器の平坦な部分全面を 象として、目視により観察した。

(実施例1)
 口径40mmの押出し機Aに、せん断応力100(KPa)で 含水率1500ppmの透明エチレン-ビニルアルコー 共重合系樹脂(EVOH)を充填した。口径40mmの押 出し機Bに、MFR1.6(g/10min)、せん断応力110(KPa)の 透明無色の酸変性ポリプロピレン系樹脂、及 び着色顔料として0.3重量%のアゾ系赤色顔料 充填した。口径50mmの押出し機Cに、MFR0.8(g/10m in)でせん断応力120(KPa)の透明無色のエチレン プロピレンブロック共重合樹脂、及び光輝 料として1.0重量%のパールレッド(平均粒径21 μmの雲母系顔料)、着色顔料として0.3重量%の ゾ系赤色顔料を充填した。口径40mmの押出し 機Dに前記透明無色のエチレン・プロピレン ロック共重合樹脂を充填した。各押出し機 充填した樹脂を加熱しながら可塑化及び混 して、多層ヘッドから押出して多層パリソ を形成した。ついで、キャビティーを有す 金型でパリソンを挟み、パリソンに圧縮空 を吹き込んで容量500mLの角筒型の中空ボトル を得た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A50μm、透 着色接着樹脂層B70μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.11μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は6μm、透明着色接着樹脂層B と光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は7μmであり、ボトルの表面光沢は良好 あった。

(実施例2)
 実施例1において、外層樹脂Aとしてせん断 力60(KPa)で含水率1200ppmのEVOHを使用した以外 、実施例1と同様にして同様の中空ボトルを た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A50μm、透 着色接着樹脂層B70μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.18μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は15μm、透明着色接着樹脂層 Bと光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は8μmであり、ボトルの表面光沢は良好 であった。

(実施例3)
 実施例2において、透明着色接着樹脂Bとし MFR2.5(g/10min)、せん断応力65(KPa)で、透明無色 酸変性ポリプロピレン系樹脂を使用した以 は、実施例2と同様にして同様の中空ボトル を得た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A50μm、透 着色接着樹脂層B70μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.12μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は7μm、透明着色接着樹脂層B と光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は15μmであり、ボトルの表面光沢は良好 であった。

(実施例4)
実施例1において、透明着色接着樹脂BとしてM FR1.4(g/10min)、せん断応力110(KPa)の透明無色の 変性ポリエチレン系樹脂を使用した。かつ 光輝着色ポリオレフィン系樹脂C及び透明ポ オレフィン系樹脂Dの透明無色の樹脂として 、MFR0.36(g/10min)でせん断応力120(KPa)の高密度ポ リエチレン樹脂を使用した。他の条件は、実 施例1と同様にして同様の中空ボトルを得た
 このボトルの各層の厚みは、外層A50μm、透 着色接着樹脂層B70μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.12μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は6μm、透明着色接着樹脂層B と光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は8μmであり、ボトルの表面光沢は良好 あった。

(実施例5)
 実施例1において、外層樹脂Aとしてせん断 力70(KPa)で含水率1500ppmのEVOHを使用し、透明 色接着樹脂BとしてMFR1.0(g/10min)、せん断応力1 20(KPa)で、透明無色の酸変性ポリプロピレン 樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にし 同様の中空ボトルを得た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A50μm、透 着色接着樹脂層B70μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.20μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は15μm、透明着色接着樹脂層 Bと光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は7μmであり、ボトルの表面光沢は良好 であった。

(実施例6)
 実施例1において、押出し機A及びBの吐出量 変えた以外は、実施例1と同様にして同様の 中空ボトルを得た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A13μm、透 着色接着樹脂層B17μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.12μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は7μm、透明着色接着樹脂層B と光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は8μmであり、ボトルの表面光沢は良好 あった。

(実施例7)
 実施例1において、押出し機A及びBの吐出量 変えた以外は、実施例1と同様にして同様の 中空ボトルを得た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A85μm、透 着色接着樹脂層B115μm、光輝着色ポリオレフ ィン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.11μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹 層B間の界面凹凸は5μm、透明着色接着樹脂層 Bと光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は6μmであり、ボトルの表面光沢は良好 であった。

(比較例1)
 実施例1において、外層樹脂Aとしてせん断 力30(KPa)で含水率1600ppmのEVOHを使用した以外 、実施例1と同様にして同様の中空ボトルを た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A50μm、透 着色接着樹脂層B70μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.22μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は18μm、透明着色接着樹脂層 Bと光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は7μmであり、EVOH外層Aと透明着色接着 脂層Bとの間にさざ波模様が発生した。

(比較例2)
 実施例1において、透明着色接着樹脂Bとし MFR3.5(g/10min)、せん断応力48(KPa)で、透明無色 酸変性ポリプロピレン系樹脂を使用した以 は、実施例1と同様にして同様の中空ボトル を得た。
 このボトルの各層の厚みは、外層A50μm、透 着色接着樹脂層B70μm、光輝着色ポリオレフ ン系樹脂層C710μm、透明ポリオレフィン系樹 脂層D170μmであった。また、ボトルの表面粗 Raは0.12μm、透明EVOH外層Aと透明着色接着樹脂 層B間の界面凹凸は7μm、透明着色接着樹脂層B と光輝着色ポリオレフィン系樹脂層C間の界 凹凸は17μmであり、透明着色接着樹脂層Bと 輝着色ポリオレフィン系樹脂層Cとの界面に ざ波模様が発生した。

 本国際出願は2007年12月18日に出願された日 国特許出願2007-325397号に基づく優先権を主張 するものであり、日本国特許出願2007-325397号 全内容をここに援用する。