三菱伸銅株式会社 (〒50 東京都品川区北品川4-7-35 Tokyo, 1408550, JP)
| 0.12~0.32mass%のCoと、0.042~0.095mass%のPと、0.005~0.30mass%のSnとを含有し、Coの含有量[Co]mass%とPの含有量[P]mass%との間に、3.0≦([Co]-0.007)/([P]-0.008)≦6.2の関係を有し、かつ残部がCu及び不可避不純物からなる合金組成であり、絞り加工を施されたことを特徴とする高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 0.12~0.32mass%のCoと、0.042~0.095mass%のPと、0.005~0.30mass%のSnとを含有し、かつ0.01~0.15mass%のNi、又は0.005~0.07mass%のFeのいずれか1種以上を含有し、Coの含有量[Co]mass%とNiの含有量[Ni]mass%とFeの含有量[Fe]mass%とPの含有量[P]mass%との間に、3.0≦([Co]+0.85×[Ni]+0.75×[Fe]-0.007)/([P]-0.008)≦6.2、及び0.015≦1.5×[Ni]+3×[Fe]≦[Co」の関係を有し、かつ、残部がCu及び不可避不純物からなる合金組成であり、絞り加工を施されたことを特徴とする高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 0.001~0.5mass%のZn、0.001~0.2mass%のMg、0.001~0.1mass%のZrのいずれか1種以上をさらに含有したことを特徴とする請求項1に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 0.001~0.5mass%のZn、0.001~0.2mass%のMg、0.001~0.1mass%のZrのいずれか1種以上をさらに含有したことを特徴とする請求項2に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工が施された絞り加工部の金属組織の再結晶率が50%以下、又は熱影響部の再結晶化率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工が施された絞り加工部の700℃で20秒加熱後のビッカース硬度(HV)の値が、90以上であり、又は加熱前のビッカース硬度の値の80%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工はスピニング加工であり、該スピニング加工が施された絞り加工部の金属組織の再結晶率が50%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工は冷間絞り加工であり、端部での他の銅管とのろう付け後において、該冷間絞り加工が施された絞り加工部の金属組織の再結晶率が50%以下、又は熱影響部の再結晶化率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工が施されていない直管部の外径をD(mm)、肉厚をT(mm)、内圧を加えて破裂するときの圧力を破裂圧力P B (MPa)としたとき、(P B ×D/T)の値が600以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工が施されていない直管部の外径をD(mm)、肉厚をT(mm)、内圧を加えて前記外径が0.5%変形するときの圧力を0.5%変形圧力P 0.5% (MPa)としたとき、(P 0.5% ×D/T)の値が300以上であり、又は前記外径が1%変形するときの圧力を1%変形圧力P 1% (MPa)としたとき、(P 1% ×D/T)の値が350以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工前、絞り加工後、又は他の銅管とのろう付け後における加工端部及び加工中央部の金属組織は、Co、Pを有する2~20nmの略円形、又は略楕円形の微細析出物が均一に分散しており、又は全ての析出物の90%以上が30nm以下の大きさの微細析出物であって均一に分散していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 前記絞り加工を施された加工中央部の金属組織は再結晶しており、結晶粒径が3~35μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 熱交換器の耐圧伝熱容器として使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管。 |
| 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高強度・高熱伝導銅合金管の製造方法であって、 熱間押出、又は熱間管圧延を含み、前記熱間押出前の加熱温度、又は熱間管圧延前の加熱温度、又は圧延時の最高温度が770~970℃であり、熱間押出、又は熱間管圧延後の管の温度から600℃までの冷却速度が10~3000℃/秒であり、その後の冷間管圧延、又は抽伸によって70%以上の加工率で加工された後に絞り加工を施すことを特徴とする高強度・高熱伝導銅合金管の製造方法。 |
| 前記絞り加工はスピニング加工であることを特徴とする請求項14に記載の高強度・高熱伝導銅合金管の製造方法。 |
| 前記絞り加工は、冷間絞り加工であり、冷間管圧延、及び抽伸における冷間加工と合わせた冷間加工率が70%以上であることを特徴とする請求項14に記載の高強度・高熱伝導銅合金管の製造方法。 |
| ろう付け加工、又は溶接加工を施すことを特徴とする請求項14に記載の高強度・高熱伝導銅合金管の製造方法。 |
| 前記絞り加工前、又は前記絞り加工後に350~600℃、10~300分の熱処理を施すことを特徴とする請求項14に記載の高強度・高熱伝導銅合金管の製造方法。 |
本発明は、絞り加工を施された高強度・ 熱伝導銅合金管及びその製造方法に関する
従来から、給湯器、空調機(エアコンディ ショナー、エアコンディショニング等)、冷 機、冷蔵庫等の熱交換器に使用されるアキ ムレータ、フィルタ、マフラ、ドライヤ、 ィストリジョイント、ヘッダ等の配管部材( 下、これらを総称して耐圧伝熱容器と称す )には、熱伝導性に優れた銅が使用されてい る。一般には銅の中でも熱伝導性、耐熱性、 及びろう付け性に優れた純銅系のりん脱酸銅 (JIS C1220)からなる高強度・高熱伝導銅合金管 (以下、高機能銅管と略記)が使用されている これらの耐圧伝熱容器は、高機能銅管の両 又は一端が絞られた形状をした圧力容器で る。外径がこれらの耐圧伝熱容器に接続さ るりん脱酸銅等の配管に比べて1.5倍以上で って、内部を冷媒等が通過するため、高い 圧が加えられる。耐熱性とは、高温に加熱 ても、再結晶しない、再結晶し難い、また ,例え再結晶しても結晶粒の成長がほとんど なく、高い強度を保持、維持することを言う 。耐熱性が良い銅合金は、具体的には、純銅 の再結晶温度である約400℃に加熱しても、及 び純銅の結晶粒が粗大化し始め、更に強度が 低下する600℃から700℃に加熱しても、ほとん ど再結晶せずに強度低下が少ない。さらに純 銅で結晶粒が著しく粗大化する約800℃、又は 800℃以上に加熱しても、再結晶するがその結 晶粒は細かく、高い強度を有する。
この高機能銅管の製造工程は、次の通り ある。[1]鋳造された円柱状の鋳塊(ビレット 、外径200mmから300mm程度)を770~970℃に加熱後、 熱間押出する(外径100mm、厚み10mm程度)。[2]押 直後は、850℃、又は押出後の押出管の温度 ら600℃までの温度域を10~3000℃/秒の平均冷 速度で、空冷又は水冷する。[3]その後、冷 において管圧延(コールドリデューサー等に り加工)又は抽伸(ブルブロック、コンバイ ド、ダイス引き等により加工)によって外径1 2~75mm、厚み0.3~3mm程度の管を作る。管圧延や 伸の加工途中で熱処理を施さないことが殆 であるが、400~750℃で0.1~10時間の条件で焼鈍 ることがある。また、熱間押出の代わりに 径50~200mmの円筒状の連続鋳造物から、塑性 工による発熱を利用して、約770℃以上の熱 状態にする管圧延による方式や、マンネス ン方式で素管を得て前述の如く冷間で求め 寸法の管材を得る方法がある。最後に、管 延又は抽伸によって得た管材の両端又は一 を、スピニング加工等によって絞って耐圧 熱容器を製造する。
図1は、この耐圧伝熱容器の側断面を示す。
スピニング加工によって絞られた耐圧伝熱容
器1の各部分の名称を、本明細書において次
ように定義する。ここで、スピニング加工
施していない素管の外径をDとする。
素管部2:スピニング加工を施さない部分。
絞り管部3:スピニング加工によって所定の
に絞られた部分。
加工中央部4:絞り管部と、絞り管部から素
部外周までの長さの半分以内の部分。
加工端部5:素管部の端面において、外周か
内側に長さD/6以内の部分。尚、絞り管部3、
工中央部4、加工端部5の厚みは、スピニン
加工により、最も厚い部分で素管の厚みの2~
3倍になる。最終の加工端部にかけて厚みは
くなっていく。
熱影響部6:素管部において、加工熱によっ
500℃以上に昇温する部分を想定し、加工端
から素管部側に長さD/6以内の部分。この部
でも500℃以上に昇温しない部分は、熱影響
に含めない。
直管部7:素管部において、加工熱によって50
0℃以上に昇温しない部分を想定し、加工端
から素管部側に長さD/2入ったところより素
部の軸方向中心側の部分。
絞り加工部8:加工端部5と熱影響部6を合わせ
た部分。
へら絞り加工やスエージング等によって絞
れた耐圧伝熱容器の各部分の名称も上記と
様とする。ただし、絞り加工によって発熱
ない場合には、熱影響部は加工端部から素
部側に長さD/6以内の部分とする。また、本
細書においてへら絞り加工やスエージング
ロール成形等のように発熱量の少ない絞り
工を冷間絞り加工という。
一般的な形状の耐圧伝熱容器を製造する 合のスピニング加工においては、加工熱に って加工部の材料温度が700~950℃の高温に達 する。スピニング加工が行われて絞られる加 工中央部4は、800℃以上の高温になることに り再結晶し強度が低下するが、肉厚が厚く り外径も小さくなるので内圧に耐えること できる。しかし、加工端部5や熱影響部6は、 回復や再結晶によって強度が低下し、外径は 大きいままで肉厚は厚くならないので耐圧強 度は低い。特に、外径の大きい耐圧伝熱容器 においては、耐圧強度は外径の逆数に比例し て低下するので、肉厚を厚くしなければなら ない。耐圧伝熱容器に接続される配管系に使 われるりん脱酸銅管は外径が10mm程度である で、例えば25mmや50mmの外径を持つ耐圧伝熱容 器の肉厚は前記銅管の2.5倍、又は5倍の厚み 必要になる。また、耐圧伝熱容器に従来使 されているりん脱酸銅のC1220は、加工時に高 温になると容易に再結晶し、瞬時でも700℃以 上になると結晶粒が粗大化するので、強度が 低下する。
さらに、耐圧伝熱容器は単独で使用され ことがなく、他の部材と接合されて使用さ る。接合される他の部材は殆んどが銅管で る。銅管との接合は、殆んどがろう付けに って行なわれる。ろう付け加工においては まず、銅管は熱伝導性に優れるので、広範 で予熱される。そして接合時、耐圧伝熱容 の加工中央部4は、一般的なろう材、例えば 7%Pを含有するりん銅ろうの融点である約800℃ 、又は800℃以上に加熱されるので、加工端部 5や場合によっては熱影響部6も約700℃の高温 さらされる。このために、スピニング加工 ろう付け時の熱影響に耐える材料が求めら る。具体的には、耐圧伝熱容器と銅管等の う付けは、一般に、人の手でろう付けされ 上記の高温に加熱される時間は、約10秒で 長くとも約20秒であり、加工端部5や熱影響 6がその間の高温(約700℃)に耐えられる耐熱 に優れた材料が求められる。
また、スピニング加工は、ダイス又はロ ラーを高速回転させて絞るので強度が必要 あり、主としてその素材は、管圧延や抽伸 より加工硬化する材料が用いられる。そし 、スピニング加工の加工時間は数秒から十 秒、長くても約20秒であり、短時間で大き 変形を材料に与える。従って、加工中の高 状態時には、材料が軟らかいことと良好な 性が必要となる。絞り銅管の加工方法とし 、熱間で成形するスピニング加工が代表的 あるが、上述したように冷間で成形するへ 絞りやスエージング等の冷間絞り加工の方 もある。冷間絞り加工は、スピニング加工 比べ、冷間での成形のため、時間が掛かる 、素管部2の厚みと、絞り管部3の厚みが概ね 同じであり、使用材節減のコスト面からは有 利である。但し、冷間で成形された絞り加工 銅管は、生産性が低いことと、加工中央部4 加工端部5の肉厚が薄いため、耐圧性能に問 がある。また、厚みが薄いため、ろう付け に絞り加工部8の温度がスピニング加工に比 べ上昇する。このため、冷間で成形された絞 り銅管は、スピニング加工で作られた絞り銅 管より、他の銅配管とのろう付けによる接合 時の温度上昇に耐えることが必要となる。
また、近年、給湯器やエアコン等の熱交換 における熱媒体ガスとして、地球温暖化や ゾン層破壊を防止すべく、従来のHCFC系フロ ンに代えて、CO 2 やHFC系フロン等が使用される傾向にある。こ のようなHFC系フロンや特にCO 2 等の自然冷媒を熱媒体として使用した場合の 凝縮圧力はHCFC系フロンガスを使用した場合 比して大きくする必要がある。この凝縮圧 に耐えるために耐圧伝熱容器の肉厚をさら 厚くしなければならない。
耐圧伝熱容器の肉厚が厚くなって重量増 なると当然コスト増になる。また、構造上 理由及び振動防止のために、耐圧伝熱容器 固定する部材も強度を強くしなければなら コスト高となる。また、肉厚が厚くなるこ により、耐圧伝熱容器を製造するときの絞 加工の加工量も多くなるのでコスト高とな 。
また、材料費が安価な鋼管を用いた耐圧 熱容器も知られているが、熱伝導性が悪い また、スピニング加工では材料の変形抵抗 低くなる高温にならないと絞れない。従っ 、形状によってはバーナで十分に予熱を行 、かつ、加工熱で加工時に900℃や1000℃以上 にしなければならない。そのため、工具に多 大な負荷がかかるので工具寿命が短い。この 鋼管の場合は、プレス品をろう付けや溶接し たものが多いが、信頼性に欠ける。また、安 全係数を考慮すると耐圧伝熱容器の重量が相 当重くなる。
また、0.1~1.0mass%のSnと、0.005~0.1mass%のPと 0.005mass%以下のOと、0.0002mass%以下のHを含有し 、残部がCu及び不可避不純物からなる組成を し、平均結晶粒径が30μm以下である銅合金 が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に示されるような
銅合金管においては、高温で容易に再結晶す
るので、高温で加工されるスピニング加工後
やろう付け後の耐圧伝熱容器の耐圧強度が十
分ではない。
本発明は、上記問題を解消するものであ 、絞り加工を行なっても殆ど強度が低下せ 、高い耐圧性能を有する高強度・高熱伝導 合金管及びその製造方法を提供することを 的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、 機能銅管において、0.12~0.32mass%のCoと、0.042~ 0.095mass%のPと、0.005~0.30mass%のSnとを含有し、Co の含有量[Co]mass%とPの含有量[P]mass%との間に、 3.0≦([Co]-0.007)/([P]-0.008)≦6.2の関係を有し、か つ残部がCu及び不可避不純物からなる合金組 であり、絞り加工を施される。
本発明によれば、絞り加工による発熱に って温度が上昇しても、Co及びPの化合物が 一に析出することによって、またSnの固溶 よって、再結晶温度が上がり、再結晶核の 成が遅れるので、高機能銅管の耐熱性及び 圧強度が向上する。
また、高機能銅管において、0.12~0.32mass% Coと、0.042~0.095mass%のPと、0.005~0.30mass%のSnと 含有し、かつ0.01~0.15mass%のNi、又は0.005~0.07mas s%のFeのいずれか1種以上を含有し、Coの含有 [Co]mass%とNiの含有量[Ni]mass%とFeの含有量[Fe]mas s%とPの含有量[P]mass%との間に、3.0≦([Co]+0.85×[ Ni]+0.75×[Fe]-0.007)/([P]-0.008)≦6.2、及び0.015≦1.5 [Ni]+3×[Fe]≦[Co]の関係を有し、かつ、残部がC u及び不可避不純物からなる合金組成であり 絞り加工を施される。これにより、Ni及びFe よってCo、P等の析出物が微細となり、高機 銅管の耐熱性及び耐圧強度が向上する。
0.001~0.5mass%のZn、0.001~0.2mass%のMg、0.001~0.1ma ss%のZrのいずれか1種以上をさらに含有するこ とが望ましい。これにより、銅材料のリサイ クル過程で混入するSをZn、Mg、Zrによって無 化し、中間温度脆性を防止し、合金をさら 強化するので、高機能銅管の延性と強度が 上する。
前記絞り加工が施された絞り加工部の金 組織の再結晶率が50%以下、又は熱影響部の 結晶化率が20%以下であることが望ましい。 れにより、再結晶率が低いので強度が高い 尚、熱影響部の再結晶化率が10%以下である とがより好ましい。
前記絞り加工が施された絞り加工部の700 で20秒加熱後のビッカース硬度(HV)の値が、9 0以上であり、又は加熱前のビッカース硬度 値の80%以上であることが望ましい。これに り、他の配管とのろう付けによる接合後も 度が高い。700℃で20秒加熱後における熱影響 部に相当する部分の金属組織の再結晶化率は 、20%以下が良く、10%以下が好ましい。尚、700 ℃で20秒加熱という条件は、耐圧伝熱容器の 影響部、又は熱影響部に相当する部分が、 ピニング加工、又はろう付けとスピニング 工の熱影響を受けた場合に相当する厳しい 件である。
前記絞り加工はスピニング加工であり、 スピニング加工が施された絞り加工部の金 組織の再結晶率が50%以下であることが望ま い。これにより、再結晶率の平均が低いの 強度が高い。再結晶率は、好ましくは40%以 であり、最も好ましくは25%以下である。ま 、径の大きな熱影響部の再結晶化率は、20% 下であり、10%以下が好ましい。スピニング 工の熱によって固溶していたCo、P等が析出 るので、スピニング加工の熱による再結晶 や回復が原因で起こる軟化が相殺される。 れにより高い強度が維持され、また熱伝導 が向上する。
前記絞り加工は冷間絞り加工であり、端 での他の銅管とのろう付け後において、該 間絞り加工が施された絞り加工部の金属組 の再結晶率が50%以下、又は熱影響部の再結 化率が20%以下であることが望ましい。これ より、再結晶率が低いので強度が高い。
前記絞り加工が施されていない直管部の外 をD(mm)、肉厚をT(mm)、内圧を加えて破裂する ときの圧力を破裂圧力P B (MPa)としたとき、(P B ×D/T)の値が600以上であることが望ましい。こ れにより、(P B ×D/T)の値が高いので、耐圧伝熱容器の肉厚T 薄くすることができ、耐圧伝熱容器を低コ トで製造することができる。(P B ×D/T)の値は、好ましくは700以上、最適には800 以上がよい。
前記絞り加工が施されていない直管部の外 をD(mm)、肉厚をT(mm)、内圧を加えて前記外径 が0.5%変形するときの圧力を0.5%変形圧力P 0.5% (MPa)としたとき、(P 0.5% ×D/T)の値が300以上であり、又は前記外径が1% 形するときの圧力を1%変形圧力P 1% (MPa)としたとき、(P 1% ×D/T)の値が350以上であることが望ましい。こ れにより、(P 0.5% ×D/T)又は(P 1% ×D/T)の値が高いので、耐圧伝熱容器の肉厚T 薄くすることができ、耐圧伝熱容器を低コ トで製造することができる。(P 0.5% ×D/T)の値は、好ましくは350以上、最適には450 以上がよい。(P 1% ×D/T)の値は、好ましくは400以上、最適には500 以上がよい。
前記絞り加工前、絞り加工後、又は他の 管とのろう付け後における加工端部及び加 中央部の金属組織は、Co、Pを有する2~20nmの 円形、又は略楕円形の微細析出物が均一に 散しており、又は全ての析出物の90%以上が3 0nm以下の大きさの微細析出物であって均一に 分散していることが望ましい。これにより、 微細析出物が均一に分散しているので、耐熱 性に優れ、耐圧強度が高く、熱伝導性も良い 。
前記絞り加工を施された加工中央部の金 組織は再結晶しており、結晶粒径が3~35μmで あることが望ましい。これにより、再結晶粒 径が小さいので強度、耐圧性が高い。
前記高機能銅管は熱交換器の耐圧伝熱容 として使用されることが望ましい。これに り、耐圧伝熱容器の肉厚が薄いので低コス になる。また、耐圧伝熱容器の肉厚が薄く るため、軽量になる。従って、耐圧伝熱容 を保持する部材も少なくなり低コストにな 。
また、高強度・高熱伝導銅合金管の製造 法であって、熱間押出、又は熱間管圧延を み、前記熱間押出前の加熱温度、又は熱間 圧延前の加熱温度、又は圧延時の最高温度 770~970℃であり、熱間押出、又は熱間管圧延 後の管の温度から600℃までの冷却速度が10~300 0℃/秒であり、その後の冷間管圧延、又は抽 によって70%以上の加工率で加工された後に り加工を施す。これにより、70%以上の加工 の冷間圧延、又は冷間抽伸が施されている で、加工硬化により高強度になる。また、 塊の温度、熱間圧延材の温度、若しくは熱 押出開始温度が770~970℃であって、溶体化感 受性が鈍いので、熱間押出、又は熱間管圧延 直後の管の温度から600℃までの冷却速度が10~ 3000℃/秒であれば、Co、P、Ni、Fe等が良く固溶 している。この様な状態であるので、温度が 上昇しても再結晶する前にCo等の原子の移動 始まり、CoとP又は、Co、Ni、FeとPとが結合す ることによって微細な析出物が析出し、再結 晶化を遅らせるので耐熱性が向上する。さら に温度が800℃以上に上昇し、再結晶化した後 も微細なCo、P等との析出物によって結晶粒成 長が抑制されるので再結晶粒が細かい。その 結果、高い強度を有する。尚、本明細書にお いては、高温で固溶している原子が冷却中に 冷却速度が遅くても析出し難いことを「溶体 化感受性が鈍い」という。また、加工率は、 (1-(加工後の管の断面積)/(加工前の管の断面 ))×100%をいう。
前記絞り加工はスピニング加工であるこ が望ましい。これにより、スピニング加工 加工端部、及び加工端部に隣接する熱影響 では、加工前、Snは固溶状態にあり、Co、P は一部が析出しているが、多くは固溶して るので、スピニング加工によって数秒程度 温してもこれらの大部分が軟化や再結晶せ に素材の強度が維持される。また、700~750℃ 近に短時間でも昇温すると、Co、P等の析出 進むので析出硬化が起こる。析出硬化によ マトリックスの回復現象、及び部分的な再 晶による軟化現象が相殺され、強度が維持 れる。また、Co、P等が析出することにより 伝導性が向上する。また、スピニング加工 施される部分、特に加工中央部は、加工熱 よって800℃以上に昇温して再結晶状態にな 。これは、スピニング加工中に再結晶状態 なっていることを示唆し、加工時の熱間変 抵抗が低く、スピニング加工が行い易い。 た、スピニング加工が施された部分はCo、P の析出物によって再結晶粒の成長が抑制さ る。従ってその粒径は小さく、りん脱酸銅C 1220を用いた場合よりも遥かに強度が高い。 、スピニング加工において、例えば管を高 転させて絞る方法もあり、当然すべての方 を含むものとする。
前記絞り加工は、冷間絞り加工であり、 間管圧延、及び抽伸における冷間加工と合 せた冷間加工率が70%以上であることが望ま い。これにより、冷間加工によって絞り加 するので、加工硬化によって強度が高く、 圧性に優れる。また、他配管との接合でろ 付けしても、当該絞り加工を施された銅管 、Snの固溶と、Co、P等の固溶によって、再 晶温度が上昇する。ろう付け時、熱影響に り約700℃に昇温される部分は、マトリック の軟化とCo、P等による析出硬化が相殺され 高い強度を保持する。さらに、ろう付けさ る部分は、再結晶しても、析出する析出物 よって再結晶粒の成長が抑制されるので高 強度を保持する。
前記高機能銅管は、ろう付け加工、又は 接加工を施すことが望ましい。これにより ろう付け加工や溶接加工によって昇温して 、Co、P等の析出物によって再結晶化が遅れ ので強度が高い。このとき一部の再結晶に って軟化が生じても、Co、P等の析出硬化に って強度が維持される。また、析出物が析 することによって熱伝導性が向上する。
前記絞り加工前、又は前記絞り加工後に3 50~600℃、10~300分の熱処理を施すことが望まし い。スピニング加工時の熱影響によって析出 硬化するが、積極的に(350~600℃、10~300分の)前 記熱処理を行なうことによりCo、P等がより一 層析出する。これにより強度と熱伝導性が向 上する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る高機能銅管に
ついて説明する。本発明では、請求項1乃至
求項4に係る高機能銅管における合金組成の
金(以下、それぞれを第1発明合金、第2発明
金、第3発明合金、第4発明合金という)を提
する。本明細書における合金組成において
[Co]のように括弧付の元素記号は当該元素の
含有量値を示すものとする。また、第1乃至
4発明合金を総称して発明合金とよぶ。
第1発明合金は、0.12~0.32mass%(好ましくは0.13~0
.28mass%、より好ましくは0.15~0.24mass%)のCoと、0.
042~0.095mass%(好ましくは0.046~0.079mass%、より好
しくは0.049~0.072mass%)のPと、0.005~0.30mass%(好ま
くは0.01~0.2mass%、より好ましくは0.03~0.16mass%
又は、特に高い熱伝導性が必要な場合は、0
.01~0.045mass%)のSnとを含有し、Coの含有量[Co]mass
%とPの含有量[P]mass%との間に、
X1=([Co]-0.007)/([P]-0.008)
として、X1が3.0~6.2、好ましくは、3.2~5.7、よ
好ましくは3.4~5.1、最適には3.5~4.6の関係を有
し、かつ残部がCu及び不可避不純物からなる
金組成である。
第2発明合金は、Co、P、Snの組成範囲が第1発
明合金と同一であり、かつ0.01~0.15mass%(好まし
くは0.02~0.12mass%、より好ましくは0.025~0.09mass%)
のNi、又は0.005~0.07mass%(好ましくは0.008~0.05mass%
、より好ましくは0.015~0.035mass%)のFeのいずれ
1種以上を含有し、Coの含有量[Co]mass%とNiの含
有量[Ni]mass%とFeの含有量[Fe]mass%とPの含有量[P]
mass%との間に、
X2=([Co]+0.85×[Ni]+0.75×[Fe]-0.007)/([P]-0.008)
として、X2が3.0~6.2、好ましくは、3.2~5.7、よ
好ましくは3.4~5.1、最適には3.5~4.6の関係を有
し、かつ、
X3=1.5×[Ni]+3×[Fe]
として、X3が0.015~[Co]、好ましくは、0.035~(0.9×
[Co])、より好ましくは0.05~(0.8×[Co])の関係を有
し、かつ、残部がCu及び不可避不純物からな
合金組成である。
第3発明合金は、第1発明合金の組成に、0. 001~0.5mass%のZn、0.001~0.2mass%のMg、0.001~0.1mass%のZ rのいずれか1種以上をさらに含有した合金組 である。
第4発明合金は、第2発明合金の組成に、0. 001~0.5mass%のZn、0.001~0.2mass%のMg、0.001~0.1mass%のZ rのいずれか1種以上をさらに含有した合金組 である。
次に、各添加元素の添加理由を説明する Coは、単独の添加では高い強度及び耐熱性 は得られない。しかし、P、Snとの共添加で ・電気伝導性を損なわずに、高い強度及び 熱性が得られる。Co単独では、強度が多少向 上する程度であり顕著な効果はない。Co量の 限(0.32mass%)以上では前記の効果が飽和し、 温変形抵抗が高くなり、さらにスピニング 工での絞り加工性が低下し、また、熱・電 伝導性が低くなる。Co量の下限(0.12mass%)以下 は、P、Snと共添加しても強度及び耐熱性を める効果が得られない。
PはCo、Snとの共添加で熱・電気伝導性を なわずに高い強度及び耐熱性が得られる。P 独では、湯流れ性や強度を向上させ、結晶 を微細化させる。P量の上限(0.095mass%)以上で は、前記効果が飽和し、熱・電気伝導性が損 なわれ始める。また、鋳造時や熱間圧延時に 割れが生じ易くなり、また、曲げ加工性が悪 くなる。P量の下限(0.042mass%)以下では、強度 び耐熱性の効果が得られない。
上述したCo、Pの関係式を満足することを 提に、Co:0.12mass%以上、P:0.042mass%以上で耐熱 、耐圧強度が向上する効果を発揮し始める 添加量が増すに従ってこれらの効果は向上 る。好ましくはCo:0.13mass%以上、P:0.046mass%以 、より好ましくはCo:0.15mass%以上、P:0.049mass% 上である。一方、Co:0.32mass%、P:0.095mass%を超 て添加すると前記効果が飽和するばかりで く、熱間での変形抵抗が高くなる。さらに 押出やスピニングの加工に問題が生じ、延 も低下し始める。従って、Co:0.28mass%以下、P :0.079mass%以下が好ましく、より好ましくはCo:0 .24mass%以下、P:0.072mass%以下である。
CoとPを主体とする析出物だけではマトリ クスの耐熱性は不十分である。しかし、Sn 添加によりマトリックスの耐熱性が向上し 特にマトリックスの軟化温度や再結晶化温 を上昇させる。それと同時に、強度、伸び 曲げ加工性を向上させる。そして、スピニ グ加工等の熱間加工時に生じる再結晶粒を 細化し、Co、P等の溶体化感受性を鈍くする また、CoとPを主体とする析出物を微細に均 分散させる効果もある。Sn量の上限(0.30mass%) 上では、熱・電気伝導性の低下、熱間変形 抗が高くなり熱間での管押出や絞り等の加 が困難になる。好ましくは、0.2mass%以下で り、より好ましくは0.16%以下、さらに好まし くは、0.095mass%以下である。特に、高い熱伝 性が要求される場合は0.045mass%以下が良い。S n量の下限(0.005mass%)以下では、マトリックス 耐熱特性が低下する。
高い耐圧強度、耐熱性を得ると共に、さら 高い熱・電気伝導性を得るには、Co、Ni、Fe 及びPの配合割合が非常に重要になる。Co、N i、Fe、及びPが化合した析出物、例えばCo x P y 、Co x Ni y P z 、Co x Fe y P z 等の平均粒径が2~20nmの略円形、又は略楕円形 の微細析出物が均一に分散しており、又は全 ての析出物の90%以上が30nm以下の大きさの微 析出物であって均一に分散させることによ 、800℃に加熱してもそれらの析出物によっ 結晶粒成長が抑制され、結果として高強度 得ることができる。又は、それらの析出硬 により高強度を得ることができる。さらに 、これらの元素が固溶状態にある場合にあ ても、高温での加工中、又は他の配管との う付けによる接合中に、短時間で、それら 析出物が微細に分散して析出するので、再 晶化が遅れ、再結晶温度が上昇し、耐熱性 向上する。そして、絞り加工中等で、本発 の高機能銅管が800℃、又はそれ以上の温度 加熱されると、マトリックスは再結晶する 、Co、P等の析出物により、再結晶粒の成長 抑制されるので、再結晶粒は微細なままで る。一方、600℃から700℃に昇温された場合 Co、P等の微細な析出物による析出硬化と固 硬化により、素管製造過程、さらに絞り銅 製造過程で冷間加工を施した本発明の高機 銅管の強度は高い。尚、上述した平均粒径 、2次元の平面である観察面において計測さ た長さである。また、本明細書でいう析出 には鋳造段階で生じた晶出物は当然に除か ている。
Co、P、Fe、Niの含有量は、次の関係を満足し
なければならない。Coの含有量[Co]mass%と、Ni
含有量[Ni]mass%と、Feの含有量[Fe]mass%と、Pの
有量[P]mass%との間に、
X1=([Co]-0.007)/([P]-0.008)
として、X1が3.0~6.2、好ましくは、3.2~5.7、よ
好ましくは3.4~5.1、最適には3.5~4.6でなければ
ならない。このX1が6.2を超えると熱伝導性が
なわれ、耐圧強度、耐熱性も損なわれる。
方、X1が3.0以下であると、特に延性が悪く
り、鋳造時や熱間で割れやすくなる。また
間変形抵抗が高くなり、耐圧強度、耐熱性
熱伝導性も損なわれる。また、Ni、Fe添加の
合には、
X2=([Co]+0.85×[Ni]+0.75×[Fe]-0.007)/([P]-0.008)
として、X2が3.0~6.2、好ましくは、3.2~5.7、よ
好ましくは3.4~5.1、最適には3.5~4.6でなければ
ならない。X2が6.2を超えると、耐熱性が不十
となり、再結晶温度が低下し、昇温時の結
粒成長を抑制できなくなる。このために、
り加工後の耐圧強度が得られず、また熱・
気伝導性も低下する。X2が3.0以下では、熱
電気伝導性の低下を招き、延性が損なわれ
。耐圧強度も低くなる。
また、Co等の各元素の配合比率が化合物で 構成比率と同一であっても全て化合するも ではない。上述した式において([Co]-0.007)は Coが0.007mass%分固溶状態で残存することを意 し、([P]-0.008)はPが0.008mass%分固溶状態でマト ックスに残留することを意味する。そして 析出物の結合に与るCoとPは、概ね質量比で 4:1又は約3.5:1であると、析出物の化合状態 好ましいものになる。その析出物は、例え 、Co 2 P、Co 2.a P、Co x P y で表わされる。ただし、これらの化合状態や 固溶状態は、温度や加工率等の加工条件によ って変動する。これらを鑑みて、数式X1の限 範囲が設定される。限定範囲を超えると、C o、Pが化合物に与らず固溶状態になる、又は 的とするCo 2 P、Co 2.a P等の化合状態とは異なった析出物になり、 い強度、良好な熱伝導性又は優れた耐熱性 得られなくなる。
Fe、Niの元素の単独での添加は、耐熱性、強 度等の諸特性向上に余り寄与せず、電気伝導 性を低下させるが、Fe、Niは、CoとPとの共添 の基においてCoの機能を一部代替する。上述 した数式([Co]+0.85×[Ni]+0.75×[Fe]-0.007)において [Ni]の係数0.85と、[Fe]の係数0.75は、CoとPとの 合を1とした場合に、Ni又はFeがPと結合する 合を表したものである。そして、析出物の 合に与る([Co]+0.85×[Ni]+0.75×[Fe])と[P]の比率は 、概ね約4:1又は約3.5:1であると、析出物の化 状態は好ましいものになる。その析出物は 前記のCo 2 P、Co 2.a P、Co x P y でCoの代わりにNi、Feで一部置換されたCo x Ni y P z 、Co x Fe y P z 等で表される。ただし、これらの化合状態や 固溶状態は、温度や加工率等の加工条件によ って変動する。これらを鑑みて、数式X1と同 にX2の限定範囲が設定される。限定範囲を えると、Co、Ni、Fe、Pが化合物に与らず固溶 態になる、又は目的とするCo 2 P、Co 2.a Pの化合状態とは異なった析出物になり、高 強度、良好な熱伝導性又は優れた耐熱性が られなくなる。
一方、銅に他の元素を添加すると導電率 悪くなる。また、熱伝導性と電気伝導性は ね同じ比率で変動する。例えば、一般に純 にCo、Fe、Pを0.02mass%単独添加しただけで、 ・電気伝導性が約10%低下する。一方、Niを0.0 2mass%単独添加すると、熱・電気伝導性は約1.5 %低下する。Co等の各元素の含有量が適正比率 から離れ、固溶状態になると熱・電気伝導性 が明らかに低下する。
Niは、上述したように固溶状態になって CoやPの固溶状態と比べて熱伝導性への影響 軽微である。また、NiのPとの結合力は、Feや CoのPとの結合力と比べて弱い。従って、上述 した式([Co]+0.85×[Ni]+0.75×[Fe]-0.007)/([P]-0.008)の が3.0~6.2の中心から大きいほうにずれても、F e、Coが先にPと結合し、Niが固溶するので、電 気伝導性の低下を最小限に留める。しかし、 Niを過剰(0.15mass%以上や数式(1.5×[Ni]+3×[Fe]≦[Co ])を越える量)に添加すると、析出物の組成が 徐々に変化し、耐圧強度、耐熱性が損なわれ ると同時に熱伝導性が低下する。
Feは、CoとPとの共添加において、微量の 加で耐圧強度、耐熱性の向上をもたらす。 だし、Feを過剰(0.07mass%以上や数式(1.5×[Ni]+3× [Fe]≦[Co])を越える量)に添加すると、析出物 組成が徐々に変化し、耐圧強度、耐熱性が なわれると同時に熱伝導性が低下する。絞 加工後の金属組織、又は、当該絞り加工を された銅管を他の銅配管と接合した後の金 組織は、Co、Pを有する2~20nm、すなわち平均 径で2~20nmの略円形又は略楕円形の微細析出 が均一に分散しており、又は全ての析出物 90%以上が30nm以下の大きさの微細析出物であ て均一に分散しているので、本発明の高機 銅管は、高い耐圧強度を有する。
Zn、Mg、Zrは、Cuのリサイクル過程で混入 るSを無害化し、中間温度脆性を低減させ、 性と耐熱性を向上させる。また、Zn、Mg、Zr 、合金を強化し、かつ、Co、Pの均一析出を 進させる作用を持つ。また、Znは半田濡れ 、ろう付け性を改善する。但し、Znは前記の 効果があるが、製品製造環境や使用環境で、 例えば、200℃以上の高温で真空下、又は不活 性ガス下等で、製造され、又は使用される場 合、Znが雰囲気に気化して装置等に蒸着し、 題となる場合がある。この様な場合、第1~4 明合金において、Znは0.05mass%未満に設定さ るべきである。
次に熱間押出で作られる高機能銅管の製 工程を説明する。尚、本発明は、他の素管 造方法、すなわち円筒状の連続鋳造物から 塑性加工による発熱を利用して熱間状態に る管圧延による方式や、マンネスマン方式 素管を得て前述の如く冷間で求める寸法の 材を得る方法にも適用される。上述した組 の鋳塊を770~970℃に加熱後、熱間押出をする 。鋳塊の加熱温度は、800~970℃がよく、850~960 がより好ましい。下限の温度は、鋳塊の組 を破壊し、熱間加工組織にすること、押出 の変形抵抗を低くすること、そしてCo、Pを 溶状態にするために必要である。その効果 一層高めるために、下限の温度は、好まし は、800℃以上であり、より好ましくは850℃ 上である。970℃を超えると、熱間押出時の 的再結晶又は加工直後の静的再結晶により 押出素管の結晶粒が粗大化する。また、Co Pの固溶状態は飽和に達し、加熱に使われる ネルギーも無駄である。
さらに、スピンニング加工や他の配管等 のろう付けによる接合を考えた場合、本願 課題と一見矛盾するようであるが、加工前 銅管の熱伝導性は悪い方が良い。なぜなら スピニング加工の場合、変形量の大きい加 中央部4において加工熱が熱拡散せずに高温 を保つ方が変形抵抗が小さくなり、より大き な変形が容易に行なえる。耐圧性能に効いて くるのは、径の大きな加工端部5や熱影響部6 強度であるので、これらの部位への熱拡散 少ない方が良い。さらに、接合時のろう付 において熱伝導性が良いと、絞り加工部8全 体が加熱されるので、加工端部5や熱影響部6 温度が上がってしまう。耐圧伝熱容器の形 によっては、熱伝導性と正の相関がある導 率において、加工前の銅管の導電率は60%IACS 以下がよい。
押出し後の600℃までの冷却速度は10~3000℃ /秒とする。Co等が固溶したまま、つまりほと んどCo等が析出しない方が熱間押出後の抽伸 の冷間加工がし易いので、冷却速度は速い うが好ましい。しかし、本発明合金の場合 強制空冷での冷却速度である例えば30℃/秒 も、Co等は冷却過程で余り析出しない。よ て、好ましい冷却速度は、30℃/秒から3000℃/ 秒である。
熱間押出後に冷間の圧延、又は抽伸を繰り
して素管にする。この冷間加工の加工率は7
0%以上とする。加工率を70%以上にすることで
加工硬化によって約450N/mm 2
以上の引張強度を得ることができる。この強
度は、従来使用しているりん脱酸銅C1220より
約30%高い。そして、抽伸等によって得られ
素管にスピニング加工等を行って耐圧伝熱
器を製造する。スピニング加工は、素管の
径や肉厚等によって異なるが、数秒から10
秒程度で行なわれる。形状の精度を良くす
ために、スピニング加工の後、管の先端は10
秒程度、ダイス又はローラーに押し付けられ
る。こうして得られた耐圧伝熱容器はこのま
ま使用してもよいが、スピニング加工後に350
~600℃、10~300分の熱処理を行ってもよい。尚
この熱処理は、時間と温度の関係において
時間をt(分)、温度をT(℃)とすると、
6.4≦T/80+logt≦8.4
を満足することが望ましく、最適には、
6.5≦T/80+logt≦8.0
を満足することが望ましい。
この熱処理は、マトリックスに固溶してい
Co、P等を析出させて、強度、延性、特に熱
導性を向上させることを目的としている。
度や時間が不十分であると析出しないので
果がなく、また、温度や時間が過剰である
、合金が再結晶して強度が低下する。尚、
の熱処理は、スピニング加工の後に行うの
望ましいが、スピニング加工前に行っても
果がある。
また、耐圧伝熱容器の製造方法としては 上述したような熱間押出、管圧延、抽伸を わずに、圧延板を筒状に曲げ、溶接して管 した溶接管を用いて、スピニング加工を行 てもよい。この圧延板は、圧延上がりの硬 材でも、熱処理を行った軟質材でもよいが ピニング加工を行なえる強度が必要である 押出し管を用いたのと同様に、耐圧性が高 耐圧伝熱容器を得ることができる。また、 ピニング加工前、又はスピニング加工後に3 50~600℃、10~300分の熱処理を行なうことにより 、耐圧性と熱伝導性が向上する。
(実施例)
上述した第1発明合金、第2発明合金、第3発
合金、第4発明合金及び比較用の組成の銅を
用いて高機能銅管を作成し、高機能銅管に絞
り加工を施して耐圧伝熱容器を作成した。表
1は、耐圧伝熱容器を作成した合金の組成を
す。
図2は、耐圧伝熱容器の作成工程を示す。 工程パターンAは、最初にφ220mmの鋳塊を850℃ 加熱し、外径65mm、肉厚6mmの管を水中に押し 出した。このときの熱間押出直後の管温度か ら600℃までの冷却速度は約100℃/秒であった 続いて、押出後に抽伸を繰り返して素管を 成した。素管の寸法は外径50mm、肉厚1mm及び 径30mm、肉厚1mmを基本とした。このとき、幾 つかの合金については、外径50mmでは肉厚1.5mm 、0.7mm、0.5mmの素管を、外径30mmでは、肉厚1.25 mm、0.6mm、0.4mmの素管を作成した。抽伸の後は 素管を長さ250mm、又は200mmに切断し、両端を ピニング加工により絞った。スピニング条 は、外径が50mmの素管の場合は、1200rpm、平均 送り量15mm/秒とし、外径が30mmの素管は、1400rp m、平均送り量35mm/秒とした。
工程パターンBは、工程パターンAの押出 後の冷却を強制空冷で行ない、このときの60 0℃までの冷却速度は約30℃/秒であった。工 パターンCは、工程パターンAでのスピニング 加工前に395℃で240分の熱処理を行った。工程 パターンDは、工程パターンAでのスピニング 工後に460℃で50分の熱処理を行った。そし 、工程パターンAを基本とし、任意の合金か 工程パターンB乃至Dによって耐圧伝熱容器 作成した。工程パターンC及び工程パターンD の熱処理条件は、段落[0031]や段落[0052]で述べ たCo、P等を析出させる350~600℃、10~300分の熱 理条件である。
上述した方法により作成した耐圧伝熱容 の評価として、耐圧強度、ビッカース硬度 導電率を測定した。また、金属組織を観察 て再結晶率、結晶粒径、及び析出物の径と3 0nm以下の大きさの析出物の割合を測定した。 また、スピニング加工中の成形性と変形抵抗 をスピニング加工の加工性から評価した。尚 、耐圧伝熱容器は、製造条件毎に2つ準備し 。1つは、前記と同様の絞り管部3の一端をり ん銅ろう(7mass%P-Cu)によって耐圧試験の黄銅製 の冶具に接続し、他端を銅ろうで密閉し、耐 圧強度を測定した。残りの1つは、ろう付け ずに、耐圧伝熱容器のままで、金属組織、 ッカース硬度、導電率等の諸特性を調査し 。さらに、加工端部5、及び熱影響部6の部分 を切り出し、700℃に加熱されたソルトバスの 中に20秒間浸漬後、取り出し、空冷した。そ て、ビッカース硬さと再結晶率を測定した この700℃、20秒加熱後のビッカース硬さと 結晶率、及び上記の耐圧強度から耐熱性を 価した。
耐圧強度の測定については、耐圧伝熱容 の一端をりん銅ろう(7mass%P-Cu)によって耐圧 験の黄銅製の冶具に接続し、他端をりん銅 うで、密閉して水圧をかけて耐圧圧力を測 した。このろう付け時には、まず、耐圧伝 容器の一端全体をバーナーで予熱し、耐圧 熱容器の接続部(加工中央部)はバーナーで 秒間(7、8秒間)、約800℃に加熱した。そして 耐圧試験においては、水道水を用いて徐々 内圧を上げていき、概ね1MPaごとに外径を測 定しながら水圧テストし、破裂まで至らしめ た。外径を測定するときには、水圧を常圧に 戻して弾性変形による膨張の影響が無いよう にした。この耐圧強度の測定では、耐圧伝熱 容器を試験機の冶具にろう付けしている。従 って耐圧伝熱容器が実際に他の銅配管等とろ う付けされて使用される状態での評価になっ ている。
内圧が加わる圧力容器では、使用すること
できる許容圧力Pと外径D、肉厚T、材料の許
引張応力σとの関係は、JIS B 8240(冷凍用圧
容器の構造)において、
P=2σ/(D/T-0.8)
とされている。尚、DがTに対して大きい時は
近似的に
P=2σT/Dとすることができる。耐圧伝熱容器
おいても、一般に耐圧圧力PはP=a×T/Dとされ
おり、その比例係数aは材料によって定まり
比例係数aが大きいほど、耐圧圧力は大きく
なる。ここで、a=P×D/Tとなるので、耐圧伝熱
器が破裂する圧力を破裂圧力P B
として、本明細書では、耐圧伝熱容器が破裂
する材料強度として破裂圧力指数PI B
を次のように定める。
PI B
=P B
×D/T
このPI B
によって、耐圧伝熱容器の破裂に対する材料
の強度を評価する。
また、耐圧伝熱容器は、内圧によって破裂
まで至らずとも、小さな内圧によって生じ
繰り返しの変形による疲労破壊や新生面が
ることによる腐食等を発生させる。従って
機能上、及び安全上問題である。よって、
圧伝熱容器が内圧によって少量変形すると
の圧力を評価した。本明細書では、この圧
によって耐圧伝熱容器の外径が0.5%大きくな
るときの内圧をP 0.5%
とし、耐圧伝熱容器が変形を開始する材料強
度として0.5%変形圧力指数PI 0.5%
を次のように定める。
PI 0.5%
=P 0.5%
×D/T
このPI 0.5%
と同様に、耐圧伝熱容器の外径が1%大きくな
ときの内圧をP 1%
として、1%変形圧力指数PI 1%
を次のように定める。
PI 1%
=P 1%
×D/T
このPI 0.5%
及びPI 1%
によって、耐圧伝熱容器の初期変形に対する
材料の強度を評価する。
ビッカース硬度の測定では、加工中央部4 、加工端部5、熱影響部6、直管部7の強度を測 定した。また、加工端部5及び熱影響部6を切 出した小片は、上述したように700℃に加熱 れたソルトバスの中に20秒間浸漬され、加 後の硬さと再結晶率を測定した。
再結晶率の測定は、次のように行なった 100倍の金属顕微鏡の組織写真から未再結晶 と再結晶粒を区別し、再結晶した部分の占 る割合を再結晶率とした。すなわち、管の 伸方向に金属組織の流れがある状態を未再 晶部とし、双晶を含む明瞭な再結晶粒を再 晶部をとした。未再結晶部か再結晶部かの 別が不明瞭なものについては、一部の試料 、200倍のEBSP(Electron Backscatter Diffraction Patte rn、電子線後方散乱回折図形)による結晶粒マ ップから方位差15度以上の粒界に囲まれた領 で、抽伸方向の長さが抽伸方向に垂直な方 の長さよりも3倍以上の領域を未再結晶領域 とし、その領域の面積率を画像解析(画像処 ソフト「WinROOF」で2値化する)により測定し 。その値を未再結晶率とし、再結晶率=(1-未 結晶率)とした。EBSPは、日本電子(株)のFE-SEM (Fielld Emission Scanning Electron Microscope:電解放 型走査電子顕微鏡、型番JSM-7000F FE-SEM)に、( 株)TSLソリューションズのOIM(Orientation Imaging Microscopy、結晶方位解析装置、型番TSL-OIM 5.1) 搭載した装置によって作成した。
結晶粒径の測定は、金属顕微鏡写真より JIS H 0501における伸銅品結晶粒度試験方法 比較法に準じて測定した。
析出物の粒径については、まず、150,000倍 のTEM(透過電子顕微鏡)の透過電子像を上述し 「WinROOF」によって2直化して析出物を抽出 た。そして各析出物の面積の平均値を算出 、面積の平均値から計算した粒子径を平均 子径とした。また、それぞれの析出物の粒 から、30nm以下の析出物の個数の割合を測定 た。ただし、150,000倍のTEMの透過電子像では 、得られた像を更に拡大しても1nm位までしか 観察できないので、1nmよりも大きな析出物中 での割合となる。尚、寸法の測定精度上、2nm 未満の析出粒子については、問題があると思 われたが、2nm未満の析出粒子の占める割合が 、すべての試料で、20%に満たなかったので、 このまま測定を続けた。尚、析出物の測定は 、加工中央部4で行い、一部、加工端部5の再 晶部でも行った。また、金属組織が未再結 状態であると、転位密度が高いので、TEMで 出物の測定が困難である。従って、未再結 部にある析出物は、TEMによる測定箇所から 外している。
熱伝導度の評価は、代用特性として電気 導度により評価した。電気伝導度と熱伝導 とはおおよそ1次の正の相関関係にあり、一 般に電気伝導度が熱伝導度の代わりに使用さ れている。導電率測定装置は、日本フェルス ター株式会社製(SIGMATEST D2.068)を用いた。尚 本明細書においては、「電気伝導度」と「 電率」の言葉を同一の意味に使用している
上述した試験の結果について、最初に組成
違いによる差について発明合金とC1220とを
較して説明する。表2、3は、工程パターンA
よって外径50mm、肉厚1mmの素管を各合金につ
て作成し、その素管の両端をスピニング加
によって外径14.3mm、肉厚1.1mmに絞った耐圧
熱容器の試験結果を示す。尚、これらの表
おいては、PI B
、PI 0.5%
、PI 1%
をそれぞれPI(B)、PI(0.5%)、PI(1%)と表す。また
試験を行なった同一試料を、後述する試験
果の各表において、異なる試験No.として記
している場合がある(例えば、表2、3の試験No
.1の試料と表12、13の試験No.81の試料は同じ)。
破裂圧力指数PI B は、従来のC1220では、500以下なのに対して、 1、第2、第3、及び第4発明合金ともに800以上 の高い結果になっている。この破裂圧力指数 PI B は、600以上がよく、好ましくは700以上であり 、最適には800以上がよい。さらに初期変形す る圧力を示す0.5%変形圧力指数PI 0.5% においては、C1220が150位なのに対して、各発 合金は750以上と5倍以上の高い結果となって いる。このPI 0.5% は300以上がよく、好ましくは350以上であり、 最適には450以上がよい。1%変形圧力指数PI 1% においても、各発明合金はC1220の4倍以上の高 い結果となっている。このPI 1% は350以上がよく、好ましくは400以上であり、 最適には500以上がよい。このように、各発明 合金はC1220に比べて、耐圧強度が高く、特に 形の初期段階での強度において大きな差が る。
再結晶率は、C1220については、直管部で0% であり、熱影響部6、加工端部5、加工中央部4 では100%である。一方、各発明合金について 、直管部7、熱影響部6は、0%であり、加工端 5で5~40%である。そして、加工中央部4で100% なっており、熱影響部6と加工端部5において 大きな差がある。絞り加工部8の再結晶率(熱 響部6と加工端部5の再結晶率の平均)は、C122 0では100%なのに対して、各発明合金では20%以 となっている。この絞り加工部8の再結晶率 は、50%以下がよく、好ましくは40%以下であり 、最も好ましくは25%以下である。耐圧強度は 、熱影響部6と加工端部5の強度に大きく影響 れるので、この再結晶率の差は、上述した 圧強度の結果とよく一致する。また、加工 央部4の再結晶粒径についてもC1220では120μm 対し各発明合金では20μm以下となっており 加工中央部4の強度は各発明合金の方がC1220 りも高い。
析出物については、表2、3の試験No.1、3、 5、7、14の加工中央部4と加工端部5を観察した 。加工中央部4では、各発明合金で略円形、 は略楕円形の微細な析出物が均一に析出し おり、平均径が12~16nmであった。また、全析 物の内で径が30nm以下の析出物の個数の割合 が95%程度であった。一方、C1220では析出物が 出されなかった。これらの微細析出物によ て、スピニング加工中800℃、又は800℃以上 温度が上がっても、結晶粒の成長が抑制さ 、高い強度を有していると思われる。加工 部5での観察は試験No.1、7で行なった。略円 、又は略楕円形の微細な析出物が均一に析 しており析出物の平均径は試験No.1が3.5nmで 験No.7が3.4nmであり、それぞれ加工中央部4よ り更に微細であった。スピニング加工中、約 700℃、又は700℃以上に温度が上がっても、こ れらの微細析出物によって、発明合金は強化 され、部分的に生じる再結晶核の生成等によ るマトリックスの軟化を相殺し、高い強度を 維持していると思われる。また、それぞれの 試料のろう付け後の析出物を観察したが、加 熱前の上記と同様の形態であった。
このように、Co、P等の析出物は、各部位 平均粒径が3~16nmで微細であるが、高温状態 2つの大きな役割を果たしている。1つは、 工中央部4では、スピニング加工中約800℃、 は800℃以上に温度が上がり完全に再結晶す が、析出物によって再結晶粒の成長が抑制 れて、微細な再結晶組織になる。もう1つは 、強度の必要な加工端部5は、約700℃、又は 750℃に温度が上がるが、より微細な析出物 形成により、再結晶化を妨げる。そして、 分的に再結晶化した部分の析出物は細かい で、析出硬化により高い強度を保持する。 、500℃、又はそれ以上に温度が上がる熱影 部6の析出物は、加工組織のため観察できな 。しかし、導電率が上がっていることから 加工端部5と同等又はそれ以下の大きさのCo P等の析出物が形成されていると思われる。 このように、熱影響部6は、昇温によってマ リックスは少し軟化するが、析出物の形成 よって、硬度の低下はほとんどない。
ビッカース硬度については、C1220と各発 合金とで差があり、特に耐圧強度に影響す 熱影響部6と加工端部5において大きな差があ る。C1220では、熱影響部6、加工端部5共に50程 度であるのに対し、各発明合金では熱影響部 6で130~150、加工端部5で100~110位となっている このビッカース硬度の結果は再結晶率とも く一致している。700℃、20秒加熱後のビッカ ース硬度は、元の試料の熱影響部6、加工端 5より約2~10ポイント低下しているだけで、す べてビッカース硬度90以上である。これによ 、耐圧伝熱容器は他の銅管等と様々な条件 ろう付けしても、高い強度を持つと思われ 。また、加熱後の熱影響部6の再結晶率は、 いずれも10%以下であり、高い耐熱性を保持し ている。
導電率は、C1220が各部分において80%IACS位 対して、各発明合金では各部分において50~8 0%IACS位であってC1220とほぼ同等の導電率とな ている。
700℃、20秒加熱後のビッカース硬度は、C1 220の場合、初期の値そのもの自体が低く、ま た加熱前よりも10程低下しているが、発明合 は加熱前と同等であり、再結晶も進んでい い。この結果と上述した耐圧強度の結果か 、発明合金は耐熱性に優れている。
表4、5は、素管寸法が外径50mm、肉厚1.5mmの
管を外径17mm、肉厚2mmにスピニング加工した
合のデータを示し、表6、7は、素管寸法が
径30mm、肉厚1mmの素管を外径12.3mm、肉厚1.3mm
スピニング加工した場合のデータを示す。
次に、合金組成が発明合金の組成範囲を れた場合の特性を説明する。表2、3の試験No .12、表4、5の試験NO.25、26、表6、7の試験No.36 合金はPの量が発明合金の範囲よりも少ない 合である。これらの合金はいずれも発明合 と比べて、耐圧強度が低く、熱影響部6や加 工端部5の再結晶率が高く、ビッカース硬度 低い結果となっている。これは、Pの量が少 いので、Co、P等の析出量が少ないためと考 られる。
表6、7の試験No.37の合金はPとCoの量が各発 明合金の範囲よりも少ない場合である。発明 合金と比べて、耐圧強度が低く、熱影響部6 加工端部5の再結晶率が高く、ビッカース硬 が低い結果となっている。これは、PとCoの が少ないので、Co、P等の析出量が少ないた と考えられる。
表2、3の試験No.13の合金は、([Co]-0.007)/([P]- 0.008)の値が発明合金の範囲よりも大きい場合 である。発明合金と比べて、耐圧強度が低く 、熱影響部6や加工端部5の再結晶率が高く、 ッカース硬度が低い結果となっている。
表6、7の試験No.38の合金は(1.5×[Ni]+3×[Fe]) 値が[Co]の値よりも大きい場合である。発明 金と比べて、耐圧強度が低く、熱影響部6や 加工端部5の再結晶率が高く、ビッカース硬 が低い結果となっている。
表6、7の試験No.39の合金は、Pの量が発明 金の範囲よりも多い場合であるが抽伸時に れが発生し、素管を得ることができなかっ 。
次にスピニング加工時の成形性、変形抵抗
ついて説明する。上述した表2~7の各試験で
スピニング加工において、素管の外径が50mm
の場合は1200rpm、平均送り速度15mm/秒で絞り加
工をしている。また、素管の外径が30mmの場
は1400rpm、平均送り速度35mm/秒で絞り加工を
ている。表8、9の試験では、素管の肉厚を表
2~7と異ならせている。表8、表9は外径50mm、肉
厚0.5~1mmの素管と、外径30mm、肉厚0.4~1.25mmの素
管とを、回転数と送り速度の試験条件を表2~7
での外径が同一の試験と同じにして、スピニ
ング加工を行なった結果を示している。
また、表10、11に、さらに加工条件を変化し
た実施例を示す。
次に、製造工程の影響について説明する。
12、13は、第1、第2、第4発明合金を用いて製
造パターンA~Dによって外径50mm、肉厚1mm、又
外径30mm、肉厚1mmの素管を作成し、スピニン
加工によって外径14.3mm、肉厚1.1mm、又は、
径12.3mm、肉厚1.3mmに絞った場合のデータを示
す。
工程パターンCによってスピニング加工前 に395℃で240分の熱処理を行なって作成した試 験No.83、87、91は、耐圧強度、再結晶率、結晶 粒径、析出物の析出状況、ビッカース硬度が 、製造パターンAで作成したものと同等であ 。また、導電率は製造パターンAのものより 高く、表2~7におけるC1220と同等の値となっ いる。このスピニング加工後の金属組織に 、Co、Pを有する2~20nmの略円形、又は略楕円 の微細析出物、又は全ての析出物の90%以上 30nm以下の大きさの微細析出物が均一に分散 る。また、工程パターンDでスピニング加工 後に460℃で50分の熱処理を行なって作成した 験No.84、88、92も、製造パターンCのものと同 様の結果を示している。工程パターンC、Dの うにスピニング加工の前後に熱処理を行な と、P等の析出が促進されるために、導電率 が高くなると思われる。
次に、押出前の鋳塊の加熱温度の影響につ
て説明する。表14、15は第1~第4発明合金を用
いて、製造パターンA及びDでの鋳塊加熱温度
変えた場合のデータを示す。
上述した評価結果に基づいて、本実施形 に係る高機能銅管の特性について説明する 本高機能銅管は、熱間押出後の温度から600 の温度範囲において、10~3000℃/秒で冷却さ る。その後、冷間抽伸等で70%以上の加工率 加えられて、加工硬化により高強度になる 高強度になるので、薄肉になっていても、 の後に行なわれる高速回転のスピニング加 を行なうことができる。冷間加工後の素管 状態では、Co、P等がよく固溶する。一部で10 nm程度のCo、Pや時にはNi、Feを含む微細な析出 物を有している。Co、P等がよく固溶している 、すなわち絞り加工前の銅管の熱伝導性が低 いので、スピニング加工時やろう付け時に熱 が拡散しない。従って加工が行い易く、加工 端部5や熱影響部6の温度上昇が少ない。また ろう付け時においても、予熱が少なくすみ 加工端部5や熱影響部6の温度上昇が抑えら る。このように、絞り加工前の銅管の熱伝 性が低いので加工しやすく、かつ絞り加工 の加工部の熱伝導性は、加工熱等により向 しているので、耐圧伝熱容器としては好適 ある。
そして、スピニング加工が行なわれると 加工中央部4は加工熱により800~950℃に温度 上がる。750℃付近で再結晶化し始めるので 加工中、急激に変形抵抗が低くなり、りん 酸銅と同等の加工性が得られる。一方、加 中央部4に比べ加工量が少なく肉厚が薄い加 端部5は、再結晶率が低いのでスピニング加 工中も変形抵抗が高い。そのため、スピニン グ加工中大きなトルクが生じてもねじれや座 屈が生じない。同様に、熱影響部6は、500℃ はそれ以上で概ね700℃に上昇するが、ほと ど再結晶しないので材料の強度が高い。さ に熱影響部6を700℃で20秒間加熱しても、再 晶率が低いことから、700℃に加熱したとき 強度は高い。従ってスピニング加工中、変 に与らない部分、又は変形の少ない部分の 度は高いので、薄肉であってもスピニング 工不良がでない。加工中央部4の再結晶粒は 前述したCo、P等の微細な析出物によって結 粒成長が抑制され、微細な粒径となる。ま 、加工中央部4はスピニング加工によって絞 られて外径が小さくなり、厚肉化する。さら に微細な再結晶粒になっており強度が高いの で、内圧を加えてもこの部分で破裂すること はない。従って耐圧伝熱容器の耐圧強度には 大きく影響しない。
加工端部5や熱影響部6は、スピニング加 によっては外径が小さくならず、少ししか 肉化しない。しかし、抽伸後の素管の状態 は、上述した加工中央部4と同様に溶体化感 性が鈍いので、ほとんどのCo、P等が良く固 している。そして、スピニング加工による 温が500~750℃程度であるので、昇温過程にお いて、再結晶の前にCo等の原子の移動が始ま 。さらに、Co、P、Ni、Fe等の微細な析出物が 析出し、再結晶化を遅らせる。本発明合金は 、700℃、又は750℃で、十数秒、又は数秒であ れば、ほとんど再結晶せず、顕著な軟化は起 こらない。このように、加工端部5や熱影響 6は、再結晶が阻害される。また、再結晶の に起こる回復現象等による軟化がCo、P等の 出により概ね相殺されるので、素管の強度 保持され、高強度となる。また、Co、P等の 出により熱伝導性が向上する。
また、スピニング加工後の350~600℃、10~300 分の熱処理によって、Co、P等が析出し、強度 が向上する。それと共に従来の純銅系のC1220 同等の熱伝導性となる。加工中央部4で高温 まで昇温した部分は、スピニング加工後の空 冷によってCo、P等が多く固溶しているが、こ の熱処理によってCo、P等が析出するので熱伝 導性と強度が向上するためである。高温状態 (800℃以上)の一歩手前まで昇温した加工端部5 や熱影響部6は、素管時には元々多くのCo、P が固溶している状態にあった。従って、こ 熱処理による析出硬化によって強度が向上 ると共に熱伝導性が向上する。加工熱を受 ていない直管部7は、元々著しく加工硬化し おり、この熱処理によってマトリックスが 化する。しかし、その軟化度合いが析出に る硬化度合いを上回る、又は同程度なので かに軟化、又は同程度の強度を有し、直管 7の熱伝導性は向上する。また、加工歪が熱 処理によって回復するので、延性が向上する 。
この熱処理は、スピニング加工の前に行 ても、スピニング加工後に行うのと同様の 果を得ることができる。また、この熱処理 行わない場合でもスピニング加工後に耐圧 熱容器を他の部材とろう付けや溶接を行う とにより、その熱によって加工端部5や熱影 響部6では、熱処理を行なったのと同様の効 が得られる。但し、スピニング加工やろう け時の熱拡散を考慮すれば、後で熱処理す 方が良い。
このように、本実施形態に係る高機能銅 は、抽伸の後の素管の状態では加工硬化に り強度が高く、約750℃以下の温度ではほと ど再結晶しないので、薄肉化しても高速回 のスピニング加工を行うことができる。さ に、加工端部5を除くスピニング加工部分は 、再結晶しているのでスピニング加工時には 良好な加工性を示す。また、スピニング加工 後では、加工中央部4は再結晶粒径が小さい で強度が高い。また、加工端部5や熱影響部6 は再結晶率が低いので強度が高い。また加工 熱の影響によりCo、P等が析出するので、スピ ニング加工熱による軟化現象が最小限に抑制 される。また、スピニング加工前、又はスピ ニング加工後の熱処理によって、Co、P等が析 出するので、管材は強化されると同時に熱伝 導性が向上する。このように、高強度、即ち 高い耐圧性能を示すので、従来のC1220を使用 た場合と比べて、耐圧伝熱容器の肉厚を1/2 ら1/3にすることができ、耐圧伝熱容器が低 ストになる。また、耐圧伝熱容器の肉厚が くなって軽量になるので、耐圧伝熱容器を 持する部材も少なくなり低コストになる。 って、熱交換器部のコンパクト化が図れる
次に、本実施形態に係る高機能銅管の変形
の工程パターンEについて説明する。本変形
例では、工程パターンAでの抽伸加工の間の
径50mm、肉厚3mmの段階で、530℃で5時間の再結
晶焼鈍を行った。そして、冷間抽伸により、
外径30mm、肉厚1.25mmの素管にし、スピニング
工により外径12.3mm、肉厚1.3mmに絞った。表16
17に本変形例と、比較としての工程パター
Aの試験結果を示す。
本実施形態における高機能銅管において 絞り加工部の金属組織の再結晶率が50%以下 又は熱影響部の再結晶化率が20%以下である 機能銅管が得られた(表2、3の試験N0.1~11、表 4、5の試験N0.21~24、表6、7の試験N0.31~35、表8、 9の試験N0.41~55、等参照)。
また、絞り加工部の700℃で20秒加熱後の ッカース硬度(HV)の値が、90以上であり、又 加熱前のビッカース硬度の値の80%以上であ 高機能銅管が得られた(表2、3の試験N0.1~3、5~ 7、表6、7の試験N0.31、表8、9の試験N0.41~43、46 49~51、等参照)。
また、破裂圧力指数PI B の値が600以上である高機能銅管が得られた( 2、3の試験N0.1~11、表4、5の試験N0.21~24、表6、 7の試験N0.31~35、表8、9の試験N0.41~55、等参照)
また、0.5%変形圧力指数PI 0.5% の値が300以上であり、又は1%変形圧力指数PI 1% の値が350以上である高機能銅管が得られた( 2、3の試験N0.1~11、表4、5の試験N0.21~24、表6、 7の試験N0.31~35、表8、9の試験N0.41~55、等参照)
また、絞り加工前の金属組織において、C o、Pを有する2~20nmの略円形、又は略楕円形の 細析出物が均一に分散しており、又は全て 析出物の90%以上が30nm以下の大きさの微細析 出物であって均一に分散している高機能銅管 が得られた(表16、17の試験N0.101、102参照)。
また、絞り加工後、又は他の銅管とのろ 付け後における加工端部及び加工中央部の 属組織において、Co、Pを有する2~20nmの略円 、又は略楕円形の微細析出物が均一に分散 ており、又は全ての析出物の90%以上が30nm以 下の大きさの微細析出物であって均一に分散 している高機能銅管が得られた(表2、3の試験 N0.1、3、7、10、表8、9の試験N0.43、44、46、49、 表12、13の試験N0.81~84、88~92、表14、15の試験N0. 201~213、等参照)。
また、加工中央部の金属組織は再結晶し おり、結晶粒径が3~35μmである高機能銅管が 得られた(表2、3の試験N0.1~11、表4、5の試験N0. 21~24、表6、7の試験N0.31~35、表8、9の試験N0.41~5 5、等参照)。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る高機能銅管に
ついて説明する。本実施形態では、第1の実
形態と異なり、スピニング加工に代えてス
ージング加工、へら絞り、ロール成形等の
間絞り加工によって耐圧伝熱容器を作成す
。
(実施例)
第1の実施形態の実施例と同一の高機能銅管
を作成し、冷間絞り加工によって耐圧伝熱容
器を作成した。作成した耐圧伝熱容器は、製
造条件毎に3つ準備した。3つのうち2つは、絞
り管部3の一端をりん銅ろう(7mass%P-Cu)によっ
耐圧試験の黄銅製の冶具に接続し、他端を
ん銅ろうで、密閉した。これら2つのうちの1
つは金属組織、ビッカース硬さ、導電率等の
諸特性を調査した。他の1つは耐圧強度を調
た。残りの1つは、ろう付けせずに、耐圧伝
容器のままで、加工端部5、及び熱影響部6
相当する部分を切り出し、700℃に加熱され
ソルトバスの中に20秒間浸漬後、取り出し、
空冷した。そして、ビッカース硬さと再結晶
率を測定した。この700℃20秒加熱後のビッカ
ス硬さと再結晶率、及び上記の耐圧強度か
耐熱性を評価した。表18、19は、これらの方
法によって作成した耐圧伝熱容器の結果を示
す。
(1)試験No.111~114は工程パターンAによる素管を
ら絞り加工している。試験No.111、112はそれ
れ、合金No.1、10の発明合金を用い、試験No.1
13は合金No.23の比較用合金を用い、試験No.114
C1220を用いている。試験No.115は合金No.4の発
合金を用いて、上述した工程パターンEによ
素管をへら絞り加工している。試験No.116は
記試験No.112の後に460℃、50分の熱処理をし
いる。試験No.117は合金No.10の発明合金を用い
、工程パターンAでの鋳塊加熱温度を910℃と
た素管をへら絞り加工している。
(2)試験No.121、122は工程パターンAによる素管
スエージング加工している。試験No.121は、
金No.8の発明合金を用い、試験No.122はC1220を
いている。試験No.123は合金No.4の発明合金を
いて、上述した工程パターンEによる素管を
スピニング加工している。試験No.124は合金No.
8の発明合金を用い、工程パターンAでの鋳塊
熱温度を910℃とした素管をスピニング加工
ている。
(3)試験No.131は合金No.3の発明合金を用い、工
パターンAによる素管をロール成形加工して
る。
これら加工方法によって作られた絞り銅 (耐圧伝熱容器)の形状は、スピニング加工 作られたものと同様であるが、スピニング 工と異なり、絞り管部の肉厚は、加工前の とほとんど差はない。すなわち厚みが厚く らないので、スピニング加工で作られた耐 伝熱容器より、配管用銅管との接合つまり ろう付けによる熱影響が大きくなる。C1220を 用い、へら絞り加工やスエージングで絞られ た銅管(耐圧伝熱容器)の耐圧強度は、スピニ グ加工で作られたものと比べ、同程度か寧 低い。絞り部と素管の厚みに差がないので 他配管等とのろう付けによる接合部に近い り加工部8の温度が特に上がり、結晶粒が粗 大化する。耐圧強度は、外径と厚みに影響さ れるので、スピニング加工で加工端部や熱影 響部に相当する部分は、ろう付けの熱影響の ために温度が上がる。その結果、再結晶し、 そして結晶粒が粗大化したため、耐圧性がよ くない結果となったと思われる。
一方、当該発明合金の場合、接合部に近 絞り管部3では、ろう付けで約800℃の高温に なることにより再結晶するが結晶粒が細かく 、径が小さいので耐圧試験時は、接合部付近 では破壊しない。加工端部5は、約750℃にま 温度は上がり、軟化はするが、高い強度を 持し、材料径が小さいので破壊しない。熱 響部6は、約700℃まで上がり、マトリックス 多少軟化するが、ほとんど再結晶しない。 圧伝熱容器が内圧によって破裂する場合は 多くはこの熱影響部6で破裂する。耐圧強度 は、外径に影響されるので、加工端部5、熱 響部6の強度は、スピニング加工の加工端部5 、熱影響部6と同等の強度を有しているため 耐圧強度はC1220より遥かに高かったと思われ る。
ろう付け後の当該発明合金は、スピニン 加工で作った同じ組成の耐圧伝熱容器と同 に、各部のビッカース硬度は高く、加工端 5に相当する部分の未再結晶率は低い。700℃ 、20秒加熱後のビッカース硬度は、発明合金 いずれも、130以上であるのに対し、C1220は 約40であった。尚、合金No.13の比較用合金も 700℃に加熱すると、すべて再結晶し、ビッ ース硬度も低かった。このように、へら成 等で作った耐圧伝熱容器において、発明合 は優れた耐熱性を持つ。700℃で加熱後の熱 響部の金属組織は、いずれも0%の再結晶率 あり、すなわち、未再結晶状態であったの 、高い耐熱性、高い耐圧性を保持している
本発明合金は、高い強度を有しながら、 性に富んだ材料であるため、比較的容易に れらのスエージング加工、へら絞り等の冷 絞り加工によって絞り銅管に成形すること できる。これらの加工方法では、殆ど発熱 ないので、耐圧伝熱容器は全体に亘って、 1の実施形態の耐圧伝熱容器の直管部7と同 の特性となる。そして、ろう付けしても熱 響部6に相当する部分は、ほとんど再結晶せ 、加工端部5に相当する部分も再結晶率が10~ 30%で、高い強度を保持する。従って、いずれ の耐圧伝熱容器もスピニング加工で作った絞 り銅管と同等の高い耐圧強度を示している。 また、スピニング加工でも絞り加工の度合い が小さくて発熱が少ない場合、これらの冷間 加工と同様の結果になる。このように、本発 明合金は、冷間加工によっても耐圧伝熱容器 を作成することができ、良好な特性を示す。
本実施形態における高機能銅管において 絞り加工部の金属組織の再結晶率が50%以下 又は熱影響部の再結晶化率が20%以下である 機能銅管が得られた(表18、19の試験N0.111、11 2、116、117、121、124参照)。
また、第2の実施形態の変形例として冷間加
工によって端部を加工した2つの素管をろう
けして作成した耐圧伝熱容器の試験結果を
20に示す。
尚、本発明は、上記各種実施形態の構成 限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で 々の変形が可能である。例えば、管を細く るのに抽伸に代えて管圧延で行ってもよい また、スエージング加工に代えて、大きな 熱を伴わないスピニング加工、冷間でのし きや、ロールやプレスによる成形を行なっ もよい。また、ろう付けに代えて溶接を行 ってもよい。また、耐圧伝熱容器の形状は 管の一端、又は両端を絞った形状に限らな 。例えば絞り部が2段になっているような形 状でもよい。
本出願は、日本国特許出願2007-331080に基 いて優先権主張を行なう。その出願の内容 全体が参照によって、この出願に組み込ま る。
Next Patent: SPANNER TORQUE WRENCH WITH MARKING FUNCTION
