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Title:
HIGH-STRENGTH NI-BASE ALLOY PIPE FOR USE IN NUCLEAR POWER PLANTS AND PROCESS FOR PRODUCTION THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142228
Kind Code:
A1
Abstract:
A high-strength Ni-base alloy pipe for use in nuclear power plants which exhibits uniform high-temperature strength over the whole length of the pipe.  The alloy pipe can be produced by subjecting an Ni-base alloy material which contains of, by mass, C: 0.04% or less, Si: 0.10 to 0.50%, Mn: 0.05 to 0.50%, Ni: 55 to 70%, Cr: more than 26 to 35%, Al: 0.005 to 0.5%, N: 0.02 to 0.10%, and at least either of Ti: 0.01 to 0.5% and Nb: 0.02 to 1.0% with the balance being Fe and impurities to secondary melting and then to hot forging, heating the resulting material to 1000 to 1160°C, hot-extruding the heated material at an extrusion ratio of 4 or above, and subjecting the extruded pipe to both solution treatment and aging treatment to refine the grains of the pipe to a grain size number of 6 or above according to in JIS G0551.

Inventors:
YOKOYAMA TETSUO (JP)
ANADA HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059249
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 20, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO METAL IND (JP)
YOKOYAMA TETSUO (JP)
ANADA HIROYUKI (JP)
International Classes:
C22C19/05; B21C23/08; C22B9/18; C22B9/187; C22F1/10; C22F1/00
Foreign References:
JPS60245773A1985-12-05
JPH04198444A1992-07-17
JP2007224372A2007-09-06
JPS60245773A1985-12-05
JPS5867854A1983-04-22
JPS6169938A1986-04-10
JPS62167836A1987-07-24
JPH01132731A1989-05-25
JP2004218076A2004-08-05
Other References:
See also references of EP 2281908A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIOKA, Kanji et al. (JP)
Sugioka Miki 2 (JP)
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Claims:
[規則91に基づく訂正 07.10.2009] 
 質量%で、C:0.04%以下、Si:0.10~0.50%、Mn:0.05~0.50%、Ni:55~70%、Cr:26%超えて35%以下、Al:0.005~0.5%、N:0.02~0.10%、並びにTi:0.01~0.5%およびNb:0.02~1.0%のうちの一種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、結晶粒径がJIS G0551での粒度番号6またはそれ以上の細粒であることを特徴とする原子力用高強度Ni基合金管。
 Ni基合金素材が二次溶解法によって得られたものであることを特徴とする、請求項1に記載の原子力用高強度Ni基合金管。
[規則91に基づく訂正 07.10.2009] 
 質量%で、C:0.04%以下、Si:0.10~0.50%、Mn:0.05~0.50%、Ni:55~70%、Cr:26%超えて35%以下、Al:0.005~0.5%、N:0.02~0.10%、およびTi:0.01~0.5%およびNb:0.02~1.0%のうちの一種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、二次溶解法によって得られたNi基合金素材を、熱間鍛造後、1000~1160℃に加熱した後に押出し比が4以上の加工度で熱間押出し加工し、さらに固溶化熱処理と時効処理を施すことを特徴とする原子力用高強度Ni基合金管の製造方法。
Description:
原子力用高強度Ni基合金管及び の製造方法

 本発明は、原子力発電所の高温高圧水環 下での耐食性に優れたNi基合金管及びその 造方法に関する。特に、加圧水型原子炉(PWR) の原子炉容器の蓋用管台等の構造部材に適す るNi基合金管及びその製造方法に関する。

 原子炉容器の構造部材は、高温高圧水環 下での耐応力腐食割れ性等の耐食性が要求 れるため、耐食性に優れたNi基合金として ンコネル600(15%Cr-75%Ni)やインコネル690(30%Cr-60% Ni)が用いられてきた。

 これらのNi基合金の耐食性をさらに向上 せるために、次に述べる種々の手法が提案 れている。

 たとえば、特許文献1及び2には、押出し加 と冷間加工の後に、加熱温度と保持時間を 定して最終焼鈍を施すことで耐応力腐食割 性を改善したNi基合金が開示されている。特 許文献3には、表層にアモルファス化された 金層を形成することによって、粒界を消失 せ、もって耐粒界損傷性を改善したNi基合金 が開示されている。特許文献4には、γ基地に γ’相およびγ’’相の少なくとも1種を含有 せて、結晶粒界にM 23 C 6 を半連続状に優先的に析出させた組織とする ことによって、耐応力腐食割れ性を向上させ てなる高強度Ni基合金が開示されている。特 文献5には、C, N, Nbの各成分の含有量を適 にバランスさせることによって、溶接熱影 部における耐粒界腐食性、耐粒界応力腐食 れ性および機械的強度を改善したNi基合金が 開示されている。特許文献6には、結晶粒界 おける低角粒界比率を4%以上の組織とするこ とによって、耐粒界応力腐食割れ性を向上さ せてなるNi基合金が開示されている。

特開昭60-245773号公報

特開昭58-67854号公報

特開昭61-69938号公報

特開昭62-167836号公報

特開平1-132731号公報

特開2004-218076号公報

 このようにNi基合金管の耐食性の向上を 的とする提案は多くなされている。しかし がら、Ni基合金管においては、固溶化熱処理 やその後の炭化物析出のための時効処理の結 果、その結晶粒度や強度ばらつきが大きくな るために、例えば管端部等では強度が低くな る場合がある。そのため不良部の切り下げを せざるを得ない場合があり、歩留まりが低下 するという問題があった。

 本発明は、このような問題点を解決する とを目的とするものであって、原子力用高 度Ni基合金管において、管全長で均一な高 強度を有するNi基合金管とその製造方法を提 供することにある。

 本発明者らは、原子力用高強度Ni基合金 において、高温強度を向上させる要因につ て種々に検討と実験を行った結果、次の(a)~( j)に示す知見を得た。

 (a) 原子力用高強度Ni基合金管の高温強度 を向上させるには、TiとNbを含有させるのが い。TiとNbはCやNと結合して、結晶粒を微細 する効果のある炭窒化物を析出する。

 (b) 熱間押出し加工前の加熱温度として 、結晶が粗粒化しない温度であって、かつCr 炭窒化物は固溶するが、結晶粒を微細化する 効果のあるTiやNbの炭窒化物は固溶しない温 とするのがよい。

 (c) 結晶の細粒化を図るためには、熱間 出し加工での押出し温度を規制するだけで く、加工比を高めるのがよい。

 (d) 熱間押出し加工素材にCr偏析が存在す ると、Cr炭窒化物の完全固溶温度が局所的に なるため、局所的にCr炭窒化物が析出して まうことになる。そして、局所的にCr炭窒化 物が析出すると、その分、局所的にTiやNbの 窒化物の析出が阻害されるという結果とな 。したがって、熱間押出し加工素材にCr偏析 が存在すると、TiとNbを含有させてもTiとNbの 窒化物の析出が阻害される個所が生じるか 、結晶の粒微細化が均一になされない。

 (e) さらに、Ti, Nb, C,
Nについても偏析が存在すると、同様にTiとNb 炭窒化物は均一には析出しないから、微細 結晶粒が均一に分散した組織を得ることが きない。

 (f) すなわち、原子力用高強度Ni基合金管 の管全長にわたって均一に高温強度を向上さ せるには、TiとNbを含有させるだけでなく、Ni 基合金管を構成する各元素の偏析をも抑制し た上で、熱間押出し加工前の加熱温度および 熱間押出し加工時の加工比を管理することに よって、TiやNbの炭窒化物を分散析出させる とである。そして、原子力用高強度Ni基合金 管の結晶粒径の目標値としては、JIS G 0551で の粒度番号6またはそれ以上の細粒が求めら る。

 (g) Ni基合金管を構成する各元素の偏析を 抑制する手法としては、たとえば、エレクト ロスラグ再溶解(ESR)法や真空アーク溶解(VAR) による二次溶解法を用いることができる。 お、エレクトロスラグ再溶解(ESR)法を適用す る場合には、その平均溶解速度は200~600kg/hrと するのが好ましい。600kg/hrを超える速度では 解時の不純物の浮上が不十分となって、偏 の抑制が不十分となるおそれがあるからで り、また、200kg/hr未満の速度では生産性が すぎるからである。

 (h) そして、熱間押出し加工前の加熱温 と熱間押出し加工時の加工比の条件は、エ クトロスラグ再溶解(ESR)法や真空アーク溶解 (VAR)法による二次溶解法により得られたNi基 金素材を熱間鍛造後、1000~1160℃に加熱して ら、押出し比が4以上の加工度で熱間押出し 工するのが好ましい。なお、押出し比とは [押出し加工前の断面積]/[押出し加工後の断 面積]で定義される。

 ここで、熱間押出し加工前の加熱温度の 限を1160℃とするのは、Cr炭窒化物は固溶す が、TiやNbの炭窒化物は固溶しない温度とす るためであり、熱間押出し加工前の加熱温度 の下限を1000℃とするのは、1000℃未満では熱 押出し加工時の変形抵抗が大きすぎるから ある。また、熱間押出し加工の加工度を押 し比で4以上とするのが好ましいのは、十分 な加工を加え均一に再結晶させることができ 、もって結晶粒が十分に微細化するためであ る。より好ましくは、押出し比で5以上であ 。押出し比の上限は特に規定しないが、押 し比が大きいほど、製品にきず等の欠陥が やすくなるとともに、設備の大型化が必要 なることから、押出し比を30以下とするのが 好ましい。

 (i) また、熱間押出し加工後には固溶化 処理と時効処理を行うのがよい。

 固溶化熱処理の目的は、炭化物を十分に 溶させることであり、そのための加熱温度 980~1200℃とするのが好ましい。980℃以上で 熱すると炭化物を固溶させることができる で耐食性が向上する一方、1200℃を超えると 粒化による強度低下のおそれがあるからで る。さらに好ましい上限温度は1090℃である 。

 時効処理の目的は、粒界に炭化物を析出 せることである。そのための加熱温度は550~ 850℃とするのが好ましい。この温度範囲で加 熱すると粒界に炭化物を十分に析出させるこ とができる。

 なお、小径のNi基合金管を得たい場合に 、熱間押出し後に冷間引抜や冷間圧延を行 た後、固溶化熱処理と時効処理を行うこと 好ましい。

 (j) そして、本発明に係る原子力用Ni基合 金管の高温強度の目標値は、例えば、発電用 原子力設備規格JSME S NC-1で規定される350℃ の設計降伏点(耐力)が199MPa、設計引張強さ( 張強度)が530MPaである。そして、この目標値 達成するためには、固溶化熱処理と時効処 後の原子力用高強度Ni基合金管の結晶粒径 、JIS G0551での粒度番号6またはそれ以上の細 粒が求められる。

 本発明は、上記の知見を基礎としてなさ たもので、その要旨は下記の原子力用高強 Ni基合金管及びその製造方法にある。

[規則91に基づく訂正 07.10.2009] 
 (1) 質量%で、C:0.04%以下、Si:0.10~0.50%、Mn:0.05~ 0.50%、Ni:55~70%、Cr:26%超えて35%以下、Al:0.005~0.5% 、N:0.02~0.10%、並びにTi:0.01~0.5%およびNb:0.02~1.0% のうちの一種以上を含有し、残部がFeおよび 純物からなり、結晶粒径がJIS G 0551での粒 番号6またはそれ以上の細粒であることを特 徴とする原子力用高強度Ni基合金管。

 (2) Ni基合金素材が二次溶解法によって得 られたものであることを特徴とする、上記(1) の原子力用高強度Ni基合金管。

[規則91に基づく訂正 07.10.2009] 
 (3) 質量%で、C:0.04%以下、Si:0.10~0.50%、Mn:0.05~ 0.50%、Ni:55~70%、Cr:26%超えて35%以下、Al:0.005~0.5% 、N:0.02~0.10%、並びにTi:0.01~0.5%およびNb:0.02~1.0% のうちの一種以上を含有し、残部がFeおよび 純物からなり、二次溶解法によって得られ Ni基合金素材を、熱間鍛造後、1000~1160℃に 熱した後に押出し比が4以上の加工度で熱間 出し加工し、さらに固溶化熱処理と時効処 を施すことを特徴とする原子力用高強度Ni 合金管の製造方法。

 本発明によれば、管全長で均一な高温強 を有する原子力用高強度Ni基合金管及びそ 製造方法を提供することができる。

 以下に、本発明に係る原子力用高強度Ni 合金管を構成する化学組成とそれぞれの含 量の限定理由を説明する。なお、含有量に する「%」は「質量%」を意味する。

 C:0.04%以下
 Cは、強度を確保するのに必要な元素である が、含有量が0.04%を超えると、Cr炭化物が増 、耐応力腐食割れ性が低下する。このため Cの含有量の上限は、0.04%とした。好ましい 限は0.03%以下である。なお、Cを含有させる とによって強度確保を行う場合は、0.01%以上 のCを含有させることが好ましい。

 Si:0.10~0.50% 
 Siは、脱酸剤として使用される元素であり この効果を得るためには0.10%以上含有させる ことが必要である。一方、0.50%を超えて含有 せると、溶接性が悪化するとともに、清浄 が低下する。このため、Siの含有量は0.10~0.5 0%とした。より好ましいSi含有量は0.22~0.45%で る。

 Mn:0.05~0.50%
 Mnは、不純物であるSをMnSとして固定するこ で熱間押出し加工性の向上効果を有すると もに、脱酸剤としても有効な元素である。 金の熱間押出し加工性を確保するためには Mnを0.05%以上含有させる必要がある。一方、 0.50%を超えて過剰に含有させると、合金の清 度が低下する。したがって、Mnの含有量は0. 05~0.50%とした。

 Ni:55~70%
 Niは、合金の耐食性を確保するのに有効な 素である。特に、耐酸性および塩素イオン 有高温水中における耐粒界応力腐食割れ性 向上させるのに顕著な作用を発揮するため 55%以上含有させる必要がある。一方、含有 の上限は、Cr、Mn、Si等の他元素の必要含有 との絡みで70%となる。このため、Ni含有量は 55~70%とすることが必要である。より好ましい Ni含有量の範囲は58%を超えて65%以下である。 らに好ましいNi含有量の範囲は60%を超えて65 %以下である。

 Cr:26%を超えて35%以下
 Crは、合金の耐食性を維持するために必要 元素であり、要求される耐食性を確保する めには、そのCrの含有量を26%超とする必要が ある。一方、その含有量が35%を超えると、熱 間押出し加工性が著しく悪化する。このため 、Cr含有量は、26%を超えて35%以下とすること 必要である。好ましくは27%超えて32%以下、 り好ましくは28~31%である。

 Al:0.005~0.5%
 Alは、前記Siと同様に、脱酸剤として作用す る元素であり、0.005%以上の含有が必要である 。一方、その含有量が0.5%を超えると、合金 清浄度を低下させるので、Alの含有量は0.5% 下とした。より好ましくは0.02~0.3%である。

 N:0.02~0.10%
 NはCとともに、TiまたはNbの炭窒化物を形成 て合金の強度を高めるだけでなく、本発明 は二次溶解法によるN,C,Ti,Nbの偏析抑制効果 併せることで、それらの炭窒化物を均一に 散析出させ、熱間押出し加工後の組織を細 化することができる。その効果を得るには 0.02%以上含有させる必要がある。一方、0.10% を超えると窒化物が増えすぎて逆に熱間押出 し加工性や延性を劣化させる。このため、N 有量は0.02~0.10%とした。より好ましくは0.03~0. 06%である。

 Ti:0.01~0.5%およびNb:0.02~1.0%のうちの1種以上
 Tiは、炭窒化物を形成して合金の強度を高 、熱間押出し加工性を向上させる作用があ 。これらの効果を得るには、Tiを0.01%以上含 させる必要がある。一方、Tiの含有量が0.5% 超えると、その効果が飽和するだけでなく 属間化合物の生成により延性を損なう。こ ため、Tiの含有量は0.01~0.5%とした。より好 しくは0.05~0.3%である。

 Nbは、Tiと同様に、炭窒化物を形成して合 金の強度を高め、熱間押出し加工性を向上さ せる作用がある。これらの効果を得るには、 Nbを0.02%以上含有させる必要がある。一方、Nb の含有量が1.0%を超えると、その効果が飽和 るだけでなく金属間化合物の生成により延 を損なう。このため、Nbの含有量は0.02~1.0%と した。より好ましくは0.1~0.6%である。

 表1に示す化学組成のNi基合金を電気炉で 製した後、AODおよびVODにより精錬し、その 溶解平均速度が500kg/hrの条件でESRによって 溶解して、Ni基合金素材を得た。それを1270 で加熱し、鍛造比5で熱間鍛造した後、熱間 出し用ビレットに加工した。そのビレット 加熱温度を種々変更して加熱した後に押出 比5の熱間押出しを行い、外径115mm、肉厚27.5 mmのNi基合金管とした。それを1075℃×30分の固 溶化熱処理および700℃×900分の時効処理を行 最終製品を得た。なお、比較のため、ESRに る再溶解を省略したNi基合金素材に対して 同様にして最終製品を得た。

 表2に、ESR法による二次溶解法の有無、お よび熱間押出し前の加熱温度を変更した条件 を示す。

 得られたNi基合金管の管端から150mm位置か ら粒度測定用試験片および引張試験片を採取 し、JIS G 0551に従った結晶粒度試験およびJIS  G 0567に従った350℃での引張試験を行った。 その結果も併せて表2に示す。

 表2の結果から、ESR法による二次溶解法の 適用および熱間押出し前の加熱温度を適正に 選ぶことで、組織が細粒化され、高温(350℃) の強度が高いNi基合金が得られることが分 った。

 以上のとおり、本発明によれば、管全長 均一な高温強度を有する原子力用高強度Ni 合金管及びその製造方法を提供することが きる。




 
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